ポンプ用制御システム
本発明は、可変周波数駆動手段を備えるポンプ、及びそのようなポンプを動作させる方法に関する。ポンプ(1)を動作させる本発明の方法は、ポンプ状態を指示するポンプ(1)の動作パラメータの値を取得するステップと、この動作パラメータの値を可変周波数駆動手段(2)から制御装置(11)へ通信するステップと、所定の状態が満たされているかどうかを決定するステップと、当該所定の状態の達成に基づいて、命令を制御装置(11)から可変周波数駆動手段(2)へ通信するステップとを備える。更に、デジタル・コンピュータ装置のメモリにロード可能なコンピュータ・プログラム製品であって、本発明の方法を実行するソフトウエア・コード部分を含むコンピュータ・プログラム製品、ポンプ(1)、ポンプ・システム、及びポンプのための制御装置(11)が、記載されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にポンプの分野に関し、より詳細には、本発明は、可変周波数駆動手段を備えるポンプに関する。更に、本発明はまた、そのようなポンプを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汚水ポンプ、排水ポンプ及び脱水ポンプ、並びに水中ポンプのような、可変周波数駆動手段を備えるポンプは、例えば、採掘シャフト(mining shafts)のような鉱業用途、井戸、工事現場、又は他の応用において流体をポンプで送り出すため慣用されている。通常、水中ポンプは、それらが動作している場合とオフ状態の場合の両方の場合に、長期間にわたり全部又は一部分水中に沈められている。
【0003】
一般にポンプそして特に水中ポンプが多くの場合遭遇する問題は、いわゆるスノーリング動作(snoring operation)であり、それは、ポンプが一部液体をそして一部空気を吸い込むことを意味する。これは、液体レベルがポンプの必要なレベルより下に落ち、ポンプに一部空気を吸い込み始めることに起因する。この瞬間からポンプは、もはや成果があがらず、そしてエネルギを不必要に使用する。水シルト(water silt)は、採掘シャフト又は井戸の中に残ったままであり、そして粒子は、ポンプの流体力学(hydraulics)で沈殿し、堆積し始めるであろう。ポンプがこのスノーリング状態にある限り、これらの粒子は、流体力学で留まり、そしてインペラ、吸込カバー、シール等に対して余分の摩耗を引き起こす。この非効率なポンプ送出は、ポンプの全体的動作コストの増大に著しく寄与する。その上、このスノーリング動作は、過熱のためポンプ・モータに損傷を与える場合がある。或る特定の応用においては、このスノーリング問題を克服するため、レベル・スイッチのようなセンサを用いて、井戸内の流体レベルを検知する。しかしながら、これらのレベル・センサは、例えば、流体の中での木の枝のような対象物との衝突に起因して、阻止され、又はレベル・シフトを受ける場合があり、従って、そのような場合には、間違った信号を供給する。
【0004】
Struthersへの米国特許No.6481973は、前述の問題の一部に対処するポンプ・システムを提示する。たとえこのポンプ・システムが可変周波数駆動手段を備えていても、それは、レベル・スイッチを補完するものとして、液体レベルがプリセット・レベルより下に落ちたかどうかを検出する別の制御方法を利用する。より正確には、このポンプ・システムは、モータの速度の突然の増大又はモータ・トルクの突然の降下が存在するかどうかを検出する。モータの上記動作は、可変周波数駆動手段からモータへ延在するAC出力リンクに接続されたセンサによりモニタリングされる。しかしながら、このポンプ・システムは、大きな欠点を抱えている。モータの速度の増大がゆっくりである場合、当該システムは、変化をポンプのドライ・ランニング(dry running)の指示として認識する。別の場合には、ポンプ・システムは、水のレベルがポンプの開始の際にポンプ動作にとって十分高いかどうか検出することができない。それは、この状態では、モータの速度の突然の増大又はモータ・トルクの突然の降下が存在することができないからである。それにより、ポンプは、それが過熱のためオフに切り替えられるまで相当な時間動作し、そしてポンプは、深刻な損傷を受ける危険を冒すであろう。
【0005】
多くの応用において、前述したように、ポンプは、動的環境で動作し、従ってポンプは、大きい範囲の頭部/圧力で効率的に動作することが可能であるべきである。揚程は、高さに対応し、ポンプは、所与のパワーを用いて、所与の量の液体、例えば、水を持ち上げることができる。典型的なポンプ曲線が線30により示されている図3を参照されたい。ポンプのパワーの利用の程度は、低い流れ(Q)で低減される。従って、ポンプのパワーの高い(又は増大した)利用程度でまた一層低い流量で送出することができるポンプを有することは利点であろう。
【0006】
特にポンプが極めて長期間オフ状態にあったとき頻繁に発生する別の問題は、取り入れ口(intake)及び/又はインペラの目詰まり(clogging)であり、それは、取り入れ口で及びインペラの中で沈殿し、そして比較的厚い又は密な粘ちゅう度(consistency)を有するシルトを作る流体の中の粒子により主に引き起こされる。これは、次いで、ポンプ・モータの大きい開始トルクがポンプ・インペラの回転を開始するため要求されることを必然的に伴う。多くの場合、最大開始トルクが、回転を開始するため更に要求され、そしてモータは、相当の期間にわたり最大トルクで動作されねばならない。これは、大量のエネルギを消費し、そしてまたポンプ・インペラ及びモータを摩耗させる。ポンプが長期間オフ状態にあったとき、最大開始トルクでさえ十分でない場合があり、そしてそのような場合は、ポンプは、手動で洗浄されねばならない。その上、ポンプはまた、動作中に、例えば、インペラに中に吸い込まれる粒子により目詰まりする場合がある。従って、そのような環境で動作されるポンプの信頼性は、低い。
【0007】
Struthersへの米国特許No.6481973に従った前述のポンプ・システムは、同様にこの問題に対処している。しかしながら、この方法は、たとえポンプが目詰まりをしたと決定されたとしてもモータを動作させ続けるという間違って指向している。より正確には、許容出来ない高いモータ・トルクが、モータの所与の速度に関して検出された場合、ポンプ・システムは、モータの速度を低くし、そして同時に許容できるモータ・トルクのレベルを増大する。その目的は、固形物の強度を克服することができるより強いポンプを得ることにあるが、しかし硬い汚物と組み合わされた一層強いモータは、インペラ、インペラ座、ポンプ・ハウジング等の損傷を招く場合がある。
【0008】
従来の可変周波数駆動手段を備えるポンプにかかわる別の既知の問題は、可変周波数駆動手段が通常ポンプから離れた地面より上の乾燥した場所に取り付けられることである。より正確には、これは、可変周波数駆動手段からポンプのモータまで導く長い電力ケーブルを必要とし、可変周波数駆動手段に関するそのことは、電磁干渉にかかわる厳しい問題をもたらす。Struthersへの前述の米国特許No.6481973は、可変周波数駆動手段が、ポンプ・ケーシング内に、より正確にはモータに接続されたプレート上に取り付けられる。しかしながら、可変周波数駆動手段の動作は、この場合、モータから放出される熱により悪影響を受け、それは、可変周波数駆動手段の間違った動作を招く場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、改善されたポンプ、及びそのようなポンプをエネルギ消費及びポンプの耐久性に関して効率的に制御する改善された制御方法の必要性が存在する。
従って、本発明の一目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びそのようなポンプ及びポンプ・システムを、変化する揚程でのポンプ容量に関して効率的な手法で制御する方法を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びそのようなポンプ及びポンプ・システムをエネルギ消費に関して効率的な手法で制御する方法を提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びそのようなポンプ及びポンプ・システムをポンプの耐久性に関して効率的な手法で制御する方法を提供することにある。
【0012】
本発明の更なる目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びポンプ及びポンプ・システムを、ポンプの摩耗を低減し且つポンプ寿命を延長させるように制御する方法を提供することにある。
【0013】
本発明の更に別の目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びポンプ及びポンプ・システムを環境の面で効率的な手法で制御する方法を提供することにある。
【0014】
本発明のまた別の目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びそのようなポンプ及びポンプ・システムを始動の信頼性並びに動作中の信頼性に関して効率的な手法で制御する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの及び他の目的は、本発明に従って、添付の特許請求の範囲の中のいわゆる独立形式の請求項で定義される特徴を有する、改善されたポンプ、そのようなポンプ、コンピュータ・プログラム、及びそのようなポンプ及びポンプ・システムを制御する方法を提供することにより達成される。
【0016】
本発明の文脈において、用語「ポンプ速度」は、ポンプの単位時間当たりの回転数として定義される。
本発明の第1の局面に従って、モータ及び可変周波数駆動手段を備えるポンプを動作させる方法であって、前記可変周波数駆動手段が、前記モータ及び前記ポンプのフィーダ・ケーブルに接続されることにより前記モータの動作を制御するよう構成されており、前記可変周波数駆動手段が、整流器、インバータ、及び前記整流器とインバータとの間に延在するDCリンクを備え、更に前記ポンプが、制御装置に動作可能に接続される、前記方法が提供される。本方法は、
前記可変周波数駆動手段の中に構成され且つ前記DCリンクに動作可能に接続される検知手段により、ポンプ状態を指示する前記ポンプの動作パラメータの値を取得するステップと、
前記動作パラメータの値を前記可変周波数駆動手段から前記制御装置へ通信するステップと、
動作パラメータの前記の取得された値に基づいて、所定の状態が満たされているかどうかを前記制御装置により決定するステップと、
前記モータの動作を前記ポンプ状態に従って制御するため、前記所定の状態の達成に基づいて、命令を前記制御装置から前記可変周波数駆動手段へ通信するステップと
を備える。
【0017】
本発明の第2の局面に従って、上記の方法に従って動作されるよう構成されたポンプが提供される。
本発明の第3の局面に従って、デジタル・コンピュータ装置のメモリにロード可能なコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム製品が前記デジタル・コンピュータ装置上で動作されるとき、本発明の第1の局面に従った方法を実行するためのソフトウエア・コード部分を含むコンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0018】
本発明の第4の局面に従って、本発明の第2の局面に従ったポンプを備えるポンプ・システムが提供される。
本発明の更なる局面に従って、本発明の第2の局面に従ったポンプ用制御装置が提供される。
【0019】
従って、本発明は、前記可変周波数駆動手段から、ポンプ状態を指示するポンプの動作パラメータの値を実質的に連続的に取得し、その動作パラメータが容易で安価に且つ同時に高精度で測定され;及び動作パラメータの前記の取得された値に基づいて前記可変周波数駆動手段を制御し、そこでモータの回転が前記ポンプ状態に従って調整されるというアイデアに基づいている。それにより、本ポンプは、変化する流量における出力容量、エネルギ消費及びポンプのポンプの耐久性に関して効率的な手法で動作される。更に、インペラ及びシールのようなポンプ部品の摩耗が低減されるので、ポンプ寿命を延長させることができる。ポンプ、ポンプ・モータ及び可変周波数駆動手段の制御のため要求される全ての情報が可変周波数駆動手段から取得されることに起因して、外部センサを必要としない。
【0020】
本発明の好適な実施形態に従って、動作パラメータは、可変周波数駆動手段のDCリンク電圧、可変周波数駆動手段のDCリンク電流、モータの速度、又は類似のものであってよい。これらの動作パラメータにより、モータのパワー、モータのトルク、又は他の適切な量を決定し得る。
【0021】
本発明の好適な実施形態に従って、ポンプのドライ・ランニングの事象が、動作パラメータの取得された値に基づいて決定され、例えば、異なるモータ速度でのモータのパワーが、所定の基準値と比較される。モータのパワーが所定の基準レベルより低いことが決定された場合、ポンプ・モータの動作は、所定の長さを有する期間中に停止される。更に、モータは、所定の期間が経過したとき再び始動され、そして同じチェックが、所定の状態が満たされるまでもう一度実行される。従って、前述したように、ポンプ、特にインペラの必要以上の摩耗を引き起こし、また不必要なエネルギ消費を招くスノーリング動作問題が、処理され、それにより、エネルギ消費及び耐久性に関して、可変周波数駆動手段を備えるポンプを動作させる効率的方法を得ることができる。更に、インペラ、シール及び吸引カバーのようなポンプ部品の摩耗が著しく低減される結果としてポンプ寿命が、ポンプ寿命を延長させることができる。
【0022】
本発明の代替実施形態において、モータのパワーは、実質的に一定レベルに維持される。取得された動作パラメータが、動作パラメータの所定の基準レベルと比較され、そして動作パラメータ値が所定の基準レベルより低い場合、所定のパワー・レベルを取得するために要求されるモータの速度が、計算され、そしてポンプは、その計算された速度で動作される。計算された速度が、ポンプのプリセット最大許容速度と比較され、そしてその計算された速度がポンプのプリセット最大許容速度より高い場合、ポンプは、そのプリセット最大許容速度で動作されることが好ましい。従って、流れの大きい範囲にわたりポンプのパワーの程度の高い活用を維持する問題が処理される。図3における線32により示されるように、揚程/圧力は、上記の第2の局面に従った方法により20%から30%増大されることができる。従って、モータの速度を増大することにより、ポンプは、従来のポンプより一層低い流量でより高い揚程に達するであろう。従って、変化する揚程でのポンプ容量に関して、可変周波数駆動手段を備えるポンプを動作させる効率的方法が得られる。
【0023】
本発明の別の実施形態に従って、ポンプが目詰まりしているかどうかの検出が、実行され、そしてポンプが目詰まりしていることが検出された場合、ポンプは、所定の長さを有する期間にわたり所定の速度で反対方向に動作される。その後、ポンプは、停止され、そして正常方向で始動される。更に、ポンプ・インペラを逆方向に動作させ、次いでそれを停止させ、更に動作方向を変えるステップが、目詰まり状態が止まったことが検出されるまで繰り返される。従って、取り入れ口で及びインペラに沈殿し、そして比較的厚い又は固い粘ちゅう度を有するシルトを作る粒子により引き起こされる取り入れ口及び/又はポンピング・ハウス(pumping house)の目詰まり又はジャム(jam)の問題が、処理される。ポンプが逆方向そして再び順方向に繰り返し動作される結果として、目詰まりが効率的に取り除かれることができる。それにより、始動の信頼性が増大される。その上、この実施形態は、特にポンプ・インペラの摩耗が低減されるので、エネルギ消費及び耐久性に関して、可変周波数駆動手段を備えるポンプを動作させる効率的方法を提供する。更に、目詰まり状態が効率的に取り除かれるので、ポンプのエネルギ消費をも低減することができる。
【0024】
当業者により理解されるように、本発明に従った方法、並びに、その方法の好適な実施形態は、コンピュータ・プログラム又はコンピュータ可読媒体として、好ましくは制御装置のコンテンツ内に、又はポンプ又はポンプ・システムの処理手段内に、実現又は実行されることに適している。
【0025】
構造及び動作方法の両方に関して本発明を特徴付ける特徴は、本発明の更なる目的及び利点と一緒に、添付図面と関係して読まれる以下の記載からより良く理解されるであろう。図面は説明の目的のためであり本発明の限界の定義として意図されていないことが明示的に理解されるであろう。本発明により達成されたこれら及び他の目的及び提供された利点は、以下に続く説明が添付図面と関係して読まれるに従って一層十分に明らかになるであろう。
【0026】
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、添付図面と関係して単に例証している好適な実施形態の以下の詳細な説明から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下において、ポンプ及びポンプ・システムを動作させる方法の好適な実施形態が開示されるであろう。
図1を参照すると、本発明に従った第1の実施形態が示されている。説明の目的のため、以降で説明される本発明の実施形態は、可変周波数駆動手段を備える現在の水中ポンプに利用されるものである。しかし、当業者は容易に気付くように、本発明はまた、汚水ポンプ、排水ポンプ、脱水ポンプ等のような他のタイプのポンプに利用されることができる。
【0028】
図1の水中ポンプ1は、接続ケーブル3を介して例えば単相電圧又は3相電圧を供給する電源(図示せず)に接続されている変速ユニット2、好ましくは可変周波数駆動手段(VFDユニット)を備える。VFDユニットを備える従来技術のポンプであってほぼ200Vからほぼ250Vの範囲内の供給電力を受け取るよう単に設計されている従来技術のポンプとは異なり、本発明に従ったポンプ1は、ほぼ90Vからほぼ250Vの範囲内の供給電力を受け取ることができる。それにより、本発明のポンプ1は、ほぼ110Vの標準供給電力を有する国/地域と、ほぼ230Vの標準供給電力を有する国/地域との両方において用いることができる。それに、従来技術のポンプは、異なる国及び/又は国内の異なる地域にとって標準として知られている50Hz又は60Hzの周波数を有する電気を供給されるよう設計されている。しかしながら、本発明のポンプは、多くの異なる国で用いることができるよう設計されている。即ち、入力周波数は、少なくとも50−60Hzの範囲内であるが、しかし実際には、本発明のポンプは、利用可能ないずれの周波数にもうまく対応し得る。従って、所与のポンプは、多くの異なる電力幹線に接続されて用いられ得る。即ち、所与のポンプは、即座に動作状態にできる全球的に使用可能なポンプである。
【0029】
VFDユニット2は、入力での電磁干渉をフィルタリングして除くため接続ケーブル3に配置された電磁干渉フィルタ4(EMIフィルタ)を備える。接続ケーブル3は、ポンプ1のフィーダ・ケーブルに接続される。EMIフィルタ4は、整流器5に接続され、ついで、その整流器5は、キャパシタ6を含むDCリンク10を介してトランスデューサ又はインバータ7に接続される。インバータ7は、DC電流を3相電流に変換し、その3相電流は、接続部8を介してポンプ・モータ9に供給される。VFDユニット2の機能、構成要素及び部品は、当業者には周知であり、従って本明細書では更には詳細に説明しないであろう。
【0030】
VFDユニット2がポンプ・モータ9から熱的に遮蔽されるよう取り付けられ、そして同時にポンプにより送出される流体と熱伝導できる構成に取り付けられ、それによりVFDユニット2の温度が動作中に低いレベルに保たれ、それがエラーの原因を排除することが重要である。
【0031】
制御装置11は、ポンプ1に動作可能に接続され且つ接続バス(図示せず)を介してVFDユニット2と通信するよう構成され、そしてポンプ1を制御又は駆動し、例えば、より大量の又はより少量の液体、例えば、水を送出するためポンプ・モータ9の速度を増大又は低減する。更に、VFDユニット2は、検知手段16を備え、その検知手段16は、上記のDCリンク10に動作可能に接続され、そしてポンプ状態を示すポンプ1の動作パラメータの値を取得するよう構成されている。
【0032】
VFDユニット2は、上記の動作パラメータの値を制御装置11へ通信するよう構成される。なお、本発明の好適な実施形態に従った上記の動作パラメータは、DCリンク電圧、DCリンク電流、モータの速度、又は類似のものであり得る。これらの動作パラメータにより、ポンプ1又はモータ9の電力、モータ9のトルク、又は他の適切な量が、決定される。制御装置11は、所定の状態が満たされているかどうかを上記の動作パラメータの取得された値に基づいて決定し、そして上記ポンプ状態に従ってモータ9の動作を制御するため、上記の所定の状態の達成に基づいて命令をVFDユニット2へ通信するよう構成されている。
【0033】
ついで、制御装置11は、記憶手段13を含む処理手段12により制御される。記憶手段13は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)のような不揮発性メモリを含み得る。この実施形態においては、記憶手段13は、処理手段12のようなコンピュータ又はマイクロプロセッサに本発明に従って方法ステップを行わせるための命令を有するコンピュータ・プログラム14を備える。当業者に認められるように、記憶手段13は、固体式、磁気式、光学式及びそれらの組み合わせデバイスを含む、一時的及び/又は恒久的データ記憶装置のための様々なタイプの物理的デバイスを含み得る。例えば、記憶手段13は、DRAM、PROMS、EPROMS、EEPOMS、フラッシュ・メモリ、及び類似のもののような1又はそれより多い物理的デバイスを用いて実現され得る。
【0034】
ここで図2を参照して、本発明の代替実施形態が説明されるであろう。この実施形態では、制御装置11は、インターフェース・ユニット(図示せず)を介してオペレータ・ユニット22と通信するよう構成される。そのオペレータ・ユニット22は、オペレータが例えば、制御指令を入力するのを可能にするキーボード24の形式の入力手段と、ポンプの動作に関連した情報、例えば、動作パラメータの時間履歴又はポンプの状態情報を提供するための表示手段(ディスプレイ)又はスクリーン26とを含む。一実施形態において、オペレータ・ユニット22は、パーソナル・コンピュータである。ポンプ1とオペレータ・ユニット22との間の通信リンクは、無線リンク又はハード・ワイヤード・リンクであることができる。更に、オペレータ・ユニット22は、ついで、インターネットのような通信ネットワークに接続されることができる。オペレータ・ユニット22により、オペレータは、ポンプの動作並びにその動作に関連した様々な動作パラメータをディスプレイ26を介してモニタリングすることが可能である。別の実施形態に従って、ディスプレイ26は、タッチ感応スクリーンであり、そしてこの場合、多数のソフトキーが、ディスプレイ26上に提供された様々なインターフェースで様々な指令を与えるためスクリーン上に配置されることができる。更に、オペレータ・ユニット22は、記憶手段(図示せず)を備えてもよい。その記憶手段は、ついで、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)のような不揮発性メモリを含み得る。当業者により認められるように、記憶手段は、固体式、磁気式、光学式及びそれらの組み合わせデバイスを含む、一時用の様々なタイプの物理的デバイス及び/又は永続的なデータ記憶装置を含み得る。例えば、記憶手段は、DRAM、PROMS、EPROMS、EEPOMS、フラッシュ・メモリ、及び類似のもののような1又はそれより多い物理的デバイスを用いて実現され得る。
【0035】
動作時間、始動の回数、エネルギ消費及び警告データ、並びにサービス記録のような動作パラメータのようなポンプ1の動作データは、取得され、そして記憶手段13の中のロギング・ファイルに記憶されることができる。ロギング・ファイルは、オペレータ・ユニット22によりオペレータに提供されることができる。更に、ロギング・ファイルは、例えば、記憶のため、オペレータ・ユニット22にダウンロードされることができる。
【0036】
勿論、制御装置11についての多数の考えられる設計が存在する。例えば、制御装置11は、とりわけ、本発明に従った方法を実行するプログラマブル命令を含むプロセッサにより実現されることができる。別の実施形態に従って、制御装置11は、前述及び後述の機能を実行するよう適合されたソフトウエアを備えるマイクロチップ又は類似のデータ・キャリヤの形式で実現される。更に、図7から図9に、本発明の代替実施形態が、示されている。図1、図2、及び図7から図9における同様の又は類似の構成要素及び/又はデバイスは、同じ参照番号で示されている。図7において、制御装置11は、ハーメチック・シールされたハウジングに封入され得るが、当該制御装置11は、ポンプ・ハウジングの外表面上に配置されている。制御装置11は、当該ハウジングに多数の方法で装着又は固定されることができる。例えば、制御装置11は、ネジにより固定されることができる。図8においては、制御装置11は、制御装置収容凹部15に挿入されるよう適合されたプラグイン型ユニットの形式である。図9においては、制御装置11は、制御パネル22に配置されている。
【0037】
ここで図4を参照すると、本発明の第1の局面に従ってポンプを動作させる方法の一般的原理が、示されている。本発明に従った方法のこの第1の局面は、スノーリング動作問題又はドライ・ランニング動作問題に対処する。これらの問題は、前述したように、インペラ及びシールのようなポンプ部品の摩耗の増大を必然的に伴い、ポンプ・モータに過熱させ、そしてまた不必要なエネルギを消費することを招く。その上、ポンプ・モータが液体を送出し及び液体について動作するとき最適性能を与えるよう設計され、それによりドライ・ランニング動作が長引くことによりポンプ・モータを損傷させることができる。従って、本発明の第1の局面は、エネルギ消費、ポンプ寿命及び耐久性に関して、図1、図2及び図7から図9のうちのいずれか1つを参照して説明されるように、VFDユニット2を備えるポンプ1を動作させる効率的方法を提供する。
【0038】
最初に、ステップ40で、ポンプの動作が、開始され、即ち、ポンプが始動される。次いで、ステップ42及び44で、所定の状態が満たされたかどうかが決定される。例えば、ステップ42で、ポンプは、第1の速度レベルで所定の期間そして第2の速度レベルで所定の期間動作される。上記の第1の速度レベルと上記の第2の速度レベルとは低い速度レベルであることが好ましい。各速度レベルについて、モータ9のパワーが決定され、そしてその後に、ステップ44で、モータ9の速度とモータのパワーの関係が、2つの速度レベルとそれらのそれぞれから結果として得られたパワーを用いて、ほぼ3乗関数(モータのパワーがモータの速度の3乗に比例する場合)であるかどうかがチェックされる。その関係が3乗関数である場合、ポンプは、正常動作で動作することができ、そしてその関係が3乗関数でない場合、それは、ポンプ1が空気を送出していることの指示であり、そして液体レベルが低すぎ、そしてポンプが所望の速度レベルで動作することができないことが決定される。この決定は、制御装置11において、例えば、処理手段12で実行される。速度レベルとその結果生じるパワーの関係は、必ずしも3乗でなければならないということではなく、他の指数関数が流体、即ち、液体及び気体の他の混合にとって適切である場合があることを指摘しておくべきである。
【0039】
ステップ44で、液体レベルが十分でないと決定された場合、アルゴリズムは、ステップ46に進み、そこにおいて、制御装置11は、命令をVFDユニット2へ送って、ポンプの動作を所定の期間にわたり、例えば、分の単位での数、多分約2分間停止/休止する。この期間が経過したとき、アルゴリズムは、ステップ42に戻る。
【0040】
他方、ステップ44で、液体レベルが十分であると決定された場合、アルゴリズムは、ステップ48に進み、そこにおいて、ポンプ1の速度が、所望の速度まで増大される。従って、ポンプ1は、ここで、正常態様で動作される。
【0041】
スノーリング動作を避けるため、ポンプ1が空気を動作中に送出していないことが実質的に連続的にチェックされる。従って、ステップ50で、液体レベルが相変わらず十分であるかどうか、即ち、ポンプ1が空気を一部又は主として吸引しているかどうか、又はポンプ1が液体を送出しているかどうかが、第2の所定の状態が満たされているかどうかを決定することによりチェックされる。これは、実質的に連続ベースで実行される。このチェックを実行するため、適切な動作パラメータの値が、VFDユニット2の検知手段16により取得され、その値は、制御装置11へ通信される。例えば、DCリンク電圧、DCリンク電流、又は類似のものを直接に用いることができ、又はそれらを用いて、例えば、モータ9のトルク、又は好ましくはモータ9のパワーを決定することができる。動作中のモータ9のパワーの突然の降下は、ポンプ1が液体の代わりに空気を送出していることを示す。
【0042】
例えば、第2の状態は、モータ9のパワーと、例えば、記憶手段13に格納され得る所定の基準レベルとの比較であり、そしてモータ9のパワーがその所定の基準レベルより低い場合、液体レベルが低すぎると決定される。この所定のレベルは、モータ9の現在の速度に関してモータ9の最大パワーの約70%であることが好ましい。代替として、ステップ42に匹敵するステップが、液体がポンプ1の入り口に存在するかどうかを決定するため、ステップ48とステップ50との間で定期的に実行されてもよい。
【0043】
ポンプ1の入り口での液体レベルが十分である、即ち、モータ9のパワーが所定のレベルより高いと決定された場合、アルゴリズムは、ステップ48に進む。他方、ポンプ1の入り口での液体レベルが低すぎる、即ち、モータ9のパワーが所定のレベルより低いと決定された場合、アルゴリズムは、代わりに、ステップ52に進み、そこにおいて、ポンプ1の動作が、停止される。続いて、アルゴリズムは、ステップ46に進み、そこにおいて、ポンプ1の動作は、所定の期間停止され続ける。この休止期間が経過したとき、アルゴリズムは、ステップ42に進む。
【0044】
ここで図5を参照して、本発明の第2の局面に従ってポンプを動作させる方法の一般的原理が説明されるであろう。本発明に従った方法のこの第2の局面は、ポンプのパワーを実質的に一定レベルで大きい範囲の流れにわたり維持する問題に対処する。図3の線32により示されるように、揚程/圧力は、第2の局面に従った方法により20%から30%増大されることができる。ポンプのパワーは、モータの速度を調整することにより、変化する揚程で実質的に一定レベルに保たれる。ポンプが低い流れで一層効率的に動作されることに起因して、より小さいポンプを用いて、所与の量の液体を送出することができ、そしてポンプの摩耗がまた、低減されることができる。本発明のポンプは、変化する要求を有する多くの異なる応用で用いられるよう設計されている汎用のポンプである。高いポンプ容量が、モータの速度を調整することにより、揚程を変える所与のポンプに対して達成される。従って、本発明の第2の局面は、エネルギ消費及び耐久性に関して図1、図2、及び図7から図9のうちのいずれの図を参照して説明されるようにVFDユニット2を備えるポンプを動作させる効率的方法を提供する。
【0045】
最初に、ステップ60で、ポンプ1の動作が開始され、即ち、ポンプ1が始動される。次いで、ステップ62で、ポンプ1は、所望の速度レベルで動作される。ポンプの動作パラメータが、実質的に連続的にモニタリングされ、そして動作パラメータに対応する値が、VFDユニット2の検知手段16により取得され、その値は、制御装置11へ通信される。例えば、DCリンク電圧、DCリンク電流、又は類似のものが、直接用いられ、又はそれを用いて、例えば、モータ9のトルク、又は好ましくはモータ9のパワーを決定することができる。制御装置11で、モータ9のパワーは、例えば、ステップ64で、所定の基準レベル、例えばモータ9の定格パワーと比較され、それは、例えば、処理手段12の中の記憶手段13に格納される。ステップ64で、モータ9のパワー・レベルが所定の基準レベルより高いと決定された場合、アルゴリズムは、ステップ62に戻り、そしてポンプ1の動作は、上記の所望の速度レベルに維持される。他方、モータ9のパワー・レベルが所定の基準レベルより低いと決定された場合、アルゴリズムは、ステップ66に進み、そこにおいて、モータ9の所定のパワー・レベルに到達するため要求される速度が、処理手段12で計算される。
【0046】
その後、ステップ68で、その計算された速度は、プリセット最大速度と比較される。計算された速度がプリセット最大速度より高いことが分かった場合、アルゴリズムは、ステップ70に進み、そこにおいて、制御装置11は、命令をVFDユニット2へ通信して、モータ9をプリセット最大速度で動作させ、そしてアルゴリズムは、ステップ64に戻る。計算された速度がプリセット最大速度より低いことが分かった場合、アルゴリズムは、ステップ72に進み、そして制御装置11は、命令をVFDユニット2へ通信して、モータ9を計算された速度で動作させる。その後、アルゴリズムは、ステップ64に進み、そこにおいて、処理手順が続けられる。モータのパワーを実質的に一定レベルに維持することにより、揚程/圧力は、図3の線32により示されるように、低い流れで増大されることができる。
【0047】
ここで図6を参照して、本発明の第3の局面に従ってポンプを動作させる方法の一般的原理が、説明されるであろう。本発明に従った方法のこの第3の局面は、ポンプ1の取り入れ口及び/又はインペラの目詰まり又はジャムの問題に対処し、それは、取り入れ口で沈殿し、そして比較的厚い又は密な粘ちゅう度を有するシルトを作る流体の中の粒子により引き起こされる。従って、ポンプ・モータの大きい始動トルクが、ポンプ・インペラの回転を開始するため要求される。これは、大きい量のエネルギを消費し、そしてまたポンプ・インペラ及びモータを摩耗させる。ポンプがオフ状態に長期間あったとき、最大始動トルクでさえ十分でなく、そしてそのような場合、ポンプは、手動で洗浄されねばならず、そして、続いて、そのような環境で動作されるポンプの始動信頼性は、低くなるであろう。従って、本発明の第3の局面は、エネルギ消費、耐久性及び始動信頼性に関して、図1、図2、及び図7から図9のうちのいずれの図面を参照して説明されるように、VFDユニット2を備えるポンプを動作させる効率的方法を提供する。
【0048】
最初に、ステップ80で、ポンプ1の動作が開始され、即ち、ポンプ1が始動される。次いで、ステップ82で、ポンプ1は、所望の速度レベルで動作される。その後、ステップ84で、ポンプが目詰まり/ジャムを起こしたかどうかのチェックが、実行される。これは、一例として、次の2つの方法で実行されることができる。1つの方法は、ポンプの動作パラメータを測定し、そしてそれを例えば、所定の基準レベルと比較し、モータ9のパワーを決定し、そしてそれをモータ9のパワーの所定の基準レベル、例えば、モータ9の定格パワーと比較する方法である。モータの測定されたパワーがこの所定の基準レベルより高い場合、それは、目詰まり/ジャム状態の指示である。第2の方法は、可変周波数駆動手段2の警告機能をモニタリングする方法であり、そしてDCリンク過電流を指示する警告が、目詰まり/ジャム状態の指示として用いられる。
【0049】
ステップ84で、ポンプ1が目詰まりしていないと決定された場合、アルゴリズムは、ステップ82に戻り、そこにおいて、ポンプ1の動作が維持される。他方、ポンプ1が目詰まりしていると決定された場合、アルゴリズムは、ステップ86に進み、そこにおいて、制御装置11は、命令をVFDユニット2へ通信して、インペラを第1の速度で所定の期間逆方向に駆動する。所定の期間後に、ポンプ1は、停止され、次いで再び順回転方向に動作される。そのようなサイクルが、約1−10秒緩続くことが好ましい。次いで、ステップ88で、上記のステップ84で実行されたように、目詰まり状態が止まったかどうかがチェックされる。目詰まり状態が止まっていない場合、処理手順は、ステップ86に戻る。このサイクルは、目詰まり状態が取り除かれるまで繰り返される。目詰まり状態が止まった場合、アルゴリズムは、ステップ82に戻る。
【0050】
ポンプ1の正常動作中における目詰まりを防止するため、次の処理手順が、定期的に実行される。その処理手順とは、ポンプ1を所定の速度で、所定の長さを有する期間にわたり逆方向に動作させ、次いで、ポンプ1を上記の期間後に停止し、更に、ポンプ1をその正常回転方向で動作させる手順である。それにより、ポンプの動作信頼性は、更に一層改善されることができる。
【0051】
ここで、図3を参照する。参照番号30及び32で示される線は、有る一定のポンプ1についての液体の流量と揚程の例であり、そのポンプ1は、VFDユニット2から60Hzの周波数を有する3相電圧を供給されている。60Hzは、一部の国の電力幹線での標準周波数であるが、しかしVFDユニット2により、このレベルは、例えば、最大150Hzまで、相当に増大され得て、そしてそうすることにより、上記の線30、32は、図3のチャートで上方向に多かれ少なかれずれ、そして有る一定のポンプが、非常に変動している応用及び状態に対して用いられることができる。
【0052】
本発明の実行可能な変更
特定の実施形態が本明細書で説明及び例示の目的で記載されたが、示されそして説明された特定の実施形態が本発明の範囲を逸脱することなしに多種多様な代替実施形態及び/又は均等の実施形態に取って代わられ得ることが当業者に理解されるであろう。当業者は、本発明がハードウエア及びソフトウエアの実現形態、又はそれらの組み合わせを含む多種多様な実施形態で実現されることができるであろうことを容易に認めるであろう。一例として、前述した機能の多くは、マイクロチップ又は類似のデータ・キャリヤに備わった適切なソフトウエアにより得ることがそして実行することができる。本出願は、本明細書で説明した好適な実施形態のいずれの適応又は変形をカバーすることを意図している。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の表現及びその均等物により定義されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明に従ったポンプの一実施形態を概略的に示す。
【図2】図2は、本発明に従ったポンプ・システムの一実施形態を概略的に示す。
【図3】図3は、従来のポンプ及び本発明に従って動作されるポンプについてのポンプ曲線を示す。
【図4】図4は、本発明に従った一実施形態の方法の原理を示す。
【図5】図5は、本発明に従った別の実施形態の方法の原理を示す。
【図6】図6は、本発明に従った更に別の実施形態の方法の原理を示す。
【図7】図7は、本発明に従ったポンプ及びそのようなポンプのための制御装置の別の実施形態を概略的に示す。
【図8】図8は、本発明に従ったポンプ及びそのようなポンプのための制御装置の更に別の実施形態を概略的に示す。
【図9】図9は、本発明に従ったポンプ及びポンプ・システムの更に別の実施形態を概略的に示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にポンプの分野に関し、より詳細には、本発明は、可変周波数駆動手段を備えるポンプに関する。更に、本発明はまた、そのようなポンプを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汚水ポンプ、排水ポンプ及び脱水ポンプ、並びに水中ポンプのような、可変周波数駆動手段を備えるポンプは、例えば、採掘シャフト(mining shafts)のような鉱業用途、井戸、工事現場、又は他の応用において流体をポンプで送り出すため慣用されている。通常、水中ポンプは、それらが動作している場合とオフ状態の場合の両方の場合に、長期間にわたり全部又は一部分水中に沈められている。
【0003】
一般にポンプそして特に水中ポンプが多くの場合遭遇する問題は、いわゆるスノーリング動作(snoring operation)であり、それは、ポンプが一部液体をそして一部空気を吸い込むことを意味する。これは、液体レベルがポンプの必要なレベルより下に落ち、ポンプに一部空気を吸い込み始めることに起因する。この瞬間からポンプは、もはや成果があがらず、そしてエネルギを不必要に使用する。水シルト(water silt)は、採掘シャフト又は井戸の中に残ったままであり、そして粒子は、ポンプの流体力学(hydraulics)で沈殿し、堆積し始めるであろう。ポンプがこのスノーリング状態にある限り、これらの粒子は、流体力学で留まり、そしてインペラ、吸込カバー、シール等に対して余分の摩耗を引き起こす。この非効率なポンプ送出は、ポンプの全体的動作コストの増大に著しく寄与する。その上、このスノーリング動作は、過熱のためポンプ・モータに損傷を与える場合がある。或る特定の応用においては、このスノーリング問題を克服するため、レベル・スイッチのようなセンサを用いて、井戸内の流体レベルを検知する。しかしながら、これらのレベル・センサは、例えば、流体の中での木の枝のような対象物との衝突に起因して、阻止され、又はレベル・シフトを受ける場合があり、従って、そのような場合には、間違った信号を供給する。
【0004】
Struthersへの米国特許No.6481973は、前述の問題の一部に対処するポンプ・システムを提示する。たとえこのポンプ・システムが可変周波数駆動手段を備えていても、それは、レベル・スイッチを補完するものとして、液体レベルがプリセット・レベルより下に落ちたかどうかを検出する別の制御方法を利用する。より正確には、このポンプ・システムは、モータの速度の突然の増大又はモータ・トルクの突然の降下が存在するかどうかを検出する。モータの上記動作は、可変周波数駆動手段からモータへ延在するAC出力リンクに接続されたセンサによりモニタリングされる。しかしながら、このポンプ・システムは、大きな欠点を抱えている。モータの速度の増大がゆっくりである場合、当該システムは、変化をポンプのドライ・ランニング(dry running)の指示として認識する。別の場合には、ポンプ・システムは、水のレベルがポンプの開始の際にポンプ動作にとって十分高いかどうか検出することができない。それは、この状態では、モータの速度の突然の増大又はモータ・トルクの突然の降下が存在することができないからである。それにより、ポンプは、それが過熱のためオフに切り替えられるまで相当な時間動作し、そしてポンプは、深刻な損傷を受ける危険を冒すであろう。
【0005】
多くの応用において、前述したように、ポンプは、動的環境で動作し、従ってポンプは、大きい範囲の頭部/圧力で効率的に動作することが可能であるべきである。揚程は、高さに対応し、ポンプは、所与のパワーを用いて、所与の量の液体、例えば、水を持ち上げることができる。典型的なポンプ曲線が線30により示されている図3を参照されたい。ポンプのパワーの利用の程度は、低い流れ(Q)で低減される。従って、ポンプのパワーの高い(又は増大した)利用程度でまた一層低い流量で送出することができるポンプを有することは利点であろう。
【0006】
特にポンプが極めて長期間オフ状態にあったとき頻繁に発生する別の問題は、取り入れ口(intake)及び/又はインペラの目詰まり(clogging)であり、それは、取り入れ口で及びインペラの中で沈殿し、そして比較的厚い又は密な粘ちゅう度(consistency)を有するシルトを作る流体の中の粒子により主に引き起こされる。これは、次いで、ポンプ・モータの大きい開始トルクがポンプ・インペラの回転を開始するため要求されることを必然的に伴う。多くの場合、最大開始トルクが、回転を開始するため更に要求され、そしてモータは、相当の期間にわたり最大トルクで動作されねばならない。これは、大量のエネルギを消費し、そしてまたポンプ・インペラ及びモータを摩耗させる。ポンプが長期間オフ状態にあったとき、最大開始トルクでさえ十分でない場合があり、そしてそのような場合は、ポンプは、手動で洗浄されねばならない。その上、ポンプはまた、動作中に、例えば、インペラに中に吸い込まれる粒子により目詰まりする場合がある。従って、そのような環境で動作されるポンプの信頼性は、低い。
【0007】
Struthersへの米国特許No.6481973に従った前述のポンプ・システムは、同様にこの問題に対処している。しかしながら、この方法は、たとえポンプが目詰まりをしたと決定されたとしてもモータを動作させ続けるという間違って指向している。より正確には、許容出来ない高いモータ・トルクが、モータの所与の速度に関して検出された場合、ポンプ・システムは、モータの速度を低くし、そして同時に許容できるモータ・トルクのレベルを増大する。その目的は、固形物の強度を克服することができるより強いポンプを得ることにあるが、しかし硬い汚物と組み合わされた一層強いモータは、インペラ、インペラ座、ポンプ・ハウジング等の損傷を招く場合がある。
【0008】
従来の可変周波数駆動手段を備えるポンプにかかわる別の既知の問題は、可変周波数駆動手段が通常ポンプから離れた地面より上の乾燥した場所に取り付けられることである。より正確には、これは、可変周波数駆動手段からポンプのモータまで導く長い電力ケーブルを必要とし、可変周波数駆動手段に関するそのことは、電磁干渉にかかわる厳しい問題をもたらす。Struthersへの前述の米国特許No.6481973は、可変周波数駆動手段が、ポンプ・ケーシング内に、より正確にはモータに接続されたプレート上に取り付けられる。しかしながら、可変周波数駆動手段の動作は、この場合、モータから放出される熱により悪影響を受け、それは、可変周波数駆動手段の間違った動作を招く場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、改善されたポンプ、及びそのようなポンプをエネルギ消費及びポンプの耐久性に関して効率的に制御する改善された制御方法の必要性が存在する。
従って、本発明の一目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びそのようなポンプ及びポンプ・システムを、変化する揚程でのポンプ容量に関して効率的な手法で制御する方法を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びそのようなポンプ及びポンプ・システムをエネルギ消費に関して効率的な手法で制御する方法を提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びそのようなポンプ及びポンプ・システムをポンプの耐久性に関して効率的な手法で制御する方法を提供することにある。
【0012】
本発明の更なる目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びポンプ及びポンプ・システムを、ポンプの摩耗を低減し且つポンプ寿命を延長させるように制御する方法を提供することにある。
【0013】
本発明の更に別の目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びポンプ及びポンプ・システムを環境の面で効率的な手法で制御する方法を提供することにある。
【0014】
本発明のまた別の目的は、改善されたポンプ、そのようなポンプを含むポンプ・システム、コンピュータ・プログラム、そのようなポンプ用制御装置、及びそのようなポンプ及びポンプ・システムを始動の信頼性並びに動作中の信頼性に関して効率的な手法で制御する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの及び他の目的は、本発明に従って、添付の特許請求の範囲の中のいわゆる独立形式の請求項で定義される特徴を有する、改善されたポンプ、そのようなポンプ、コンピュータ・プログラム、及びそのようなポンプ及びポンプ・システムを制御する方法を提供することにより達成される。
【0016】
本発明の文脈において、用語「ポンプ速度」は、ポンプの単位時間当たりの回転数として定義される。
本発明の第1の局面に従って、モータ及び可変周波数駆動手段を備えるポンプを動作させる方法であって、前記可変周波数駆動手段が、前記モータ及び前記ポンプのフィーダ・ケーブルに接続されることにより前記モータの動作を制御するよう構成されており、前記可変周波数駆動手段が、整流器、インバータ、及び前記整流器とインバータとの間に延在するDCリンクを備え、更に前記ポンプが、制御装置に動作可能に接続される、前記方法が提供される。本方法は、
前記可変周波数駆動手段の中に構成され且つ前記DCリンクに動作可能に接続される検知手段により、ポンプ状態を指示する前記ポンプの動作パラメータの値を取得するステップと、
前記動作パラメータの値を前記可変周波数駆動手段から前記制御装置へ通信するステップと、
動作パラメータの前記の取得された値に基づいて、所定の状態が満たされているかどうかを前記制御装置により決定するステップと、
前記モータの動作を前記ポンプ状態に従って制御するため、前記所定の状態の達成に基づいて、命令を前記制御装置から前記可変周波数駆動手段へ通信するステップと
を備える。
【0017】
本発明の第2の局面に従って、上記の方法に従って動作されるよう構成されたポンプが提供される。
本発明の第3の局面に従って、デジタル・コンピュータ装置のメモリにロード可能なコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム製品が前記デジタル・コンピュータ装置上で動作されるとき、本発明の第1の局面に従った方法を実行するためのソフトウエア・コード部分を含むコンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0018】
本発明の第4の局面に従って、本発明の第2の局面に従ったポンプを備えるポンプ・システムが提供される。
本発明の更なる局面に従って、本発明の第2の局面に従ったポンプ用制御装置が提供される。
【0019】
従って、本発明は、前記可変周波数駆動手段から、ポンプ状態を指示するポンプの動作パラメータの値を実質的に連続的に取得し、その動作パラメータが容易で安価に且つ同時に高精度で測定され;及び動作パラメータの前記の取得された値に基づいて前記可変周波数駆動手段を制御し、そこでモータの回転が前記ポンプ状態に従って調整されるというアイデアに基づいている。それにより、本ポンプは、変化する流量における出力容量、エネルギ消費及びポンプのポンプの耐久性に関して効率的な手法で動作される。更に、インペラ及びシールのようなポンプ部品の摩耗が低減されるので、ポンプ寿命を延長させることができる。ポンプ、ポンプ・モータ及び可変周波数駆動手段の制御のため要求される全ての情報が可変周波数駆動手段から取得されることに起因して、外部センサを必要としない。
【0020】
本発明の好適な実施形態に従って、動作パラメータは、可変周波数駆動手段のDCリンク電圧、可変周波数駆動手段のDCリンク電流、モータの速度、又は類似のものであってよい。これらの動作パラメータにより、モータのパワー、モータのトルク、又は他の適切な量を決定し得る。
【0021】
本発明の好適な実施形態に従って、ポンプのドライ・ランニングの事象が、動作パラメータの取得された値に基づいて決定され、例えば、異なるモータ速度でのモータのパワーが、所定の基準値と比較される。モータのパワーが所定の基準レベルより低いことが決定された場合、ポンプ・モータの動作は、所定の長さを有する期間中に停止される。更に、モータは、所定の期間が経過したとき再び始動され、そして同じチェックが、所定の状態が満たされるまでもう一度実行される。従って、前述したように、ポンプ、特にインペラの必要以上の摩耗を引き起こし、また不必要なエネルギ消費を招くスノーリング動作問題が、処理され、それにより、エネルギ消費及び耐久性に関して、可変周波数駆動手段を備えるポンプを動作させる効率的方法を得ることができる。更に、インペラ、シール及び吸引カバーのようなポンプ部品の摩耗が著しく低減される結果としてポンプ寿命が、ポンプ寿命を延長させることができる。
【0022】
本発明の代替実施形態において、モータのパワーは、実質的に一定レベルに維持される。取得された動作パラメータが、動作パラメータの所定の基準レベルと比較され、そして動作パラメータ値が所定の基準レベルより低い場合、所定のパワー・レベルを取得するために要求されるモータの速度が、計算され、そしてポンプは、その計算された速度で動作される。計算された速度が、ポンプのプリセット最大許容速度と比較され、そしてその計算された速度がポンプのプリセット最大許容速度より高い場合、ポンプは、そのプリセット最大許容速度で動作されることが好ましい。従って、流れの大きい範囲にわたりポンプのパワーの程度の高い活用を維持する問題が処理される。図3における線32により示されるように、揚程/圧力は、上記の第2の局面に従った方法により20%から30%増大されることができる。従って、モータの速度を増大することにより、ポンプは、従来のポンプより一層低い流量でより高い揚程に達するであろう。従って、変化する揚程でのポンプ容量に関して、可変周波数駆動手段を備えるポンプを動作させる効率的方法が得られる。
【0023】
本発明の別の実施形態に従って、ポンプが目詰まりしているかどうかの検出が、実行され、そしてポンプが目詰まりしていることが検出された場合、ポンプは、所定の長さを有する期間にわたり所定の速度で反対方向に動作される。その後、ポンプは、停止され、そして正常方向で始動される。更に、ポンプ・インペラを逆方向に動作させ、次いでそれを停止させ、更に動作方向を変えるステップが、目詰まり状態が止まったことが検出されるまで繰り返される。従って、取り入れ口で及びインペラに沈殿し、そして比較的厚い又は固い粘ちゅう度を有するシルトを作る粒子により引き起こされる取り入れ口及び/又はポンピング・ハウス(pumping house)の目詰まり又はジャム(jam)の問題が、処理される。ポンプが逆方向そして再び順方向に繰り返し動作される結果として、目詰まりが効率的に取り除かれることができる。それにより、始動の信頼性が増大される。その上、この実施形態は、特にポンプ・インペラの摩耗が低減されるので、エネルギ消費及び耐久性に関して、可変周波数駆動手段を備えるポンプを動作させる効率的方法を提供する。更に、目詰まり状態が効率的に取り除かれるので、ポンプのエネルギ消費をも低減することができる。
【0024】
当業者により理解されるように、本発明に従った方法、並びに、その方法の好適な実施形態は、コンピュータ・プログラム又はコンピュータ可読媒体として、好ましくは制御装置のコンテンツ内に、又はポンプ又はポンプ・システムの処理手段内に、実現又は実行されることに適している。
【0025】
構造及び動作方法の両方に関して本発明を特徴付ける特徴は、本発明の更なる目的及び利点と一緒に、添付図面と関係して読まれる以下の記載からより良く理解されるであろう。図面は説明の目的のためであり本発明の限界の定義として意図されていないことが明示的に理解されるであろう。本発明により達成されたこれら及び他の目的及び提供された利点は、以下に続く説明が添付図面と関係して読まれるに従って一層十分に明らかになるであろう。
【0026】
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、添付図面と関係して単に例証している好適な実施形態の以下の詳細な説明から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下において、ポンプ及びポンプ・システムを動作させる方法の好適な実施形態が開示されるであろう。
図1を参照すると、本発明に従った第1の実施形態が示されている。説明の目的のため、以降で説明される本発明の実施形態は、可変周波数駆動手段を備える現在の水中ポンプに利用されるものである。しかし、当業者は容易に気付くように、本発明はまた、汚水ポンプ、排水ポンプ、脱水ポンプ等のような他のタイプのポンプに利用されることができる。
【0028】
図1の水中ポンプ1は、接続ケーブル3を介して例えば単相電圧又は3相電圧を供給する電源(図示せず)に接続されている変速ユニット2、好ましくは可変周波数駆動手段(VFDユニット)を備える。VFDユニットを備える従来技術のポンプであってほぼ200Vからほぼ250Vの範囲内の供給電力を受け取るよう単に設計されている従来技術のポンプとは異なり、本発明に従ったポンプ1は、ほぼ90Vからほぼ250Vの範囲内の供給電力を受け取ることができる。それにより、本発明のポンプ1は、ほぼ110Vの標準供給電力を有する国/地域と、ほぼ230Vの標準供給電力を有する国/地域との両方において用いることができる。それに、従来技術のポンプは、異なる国及び/又は国内の異なる地域にとって標準として知られている50Hz又は60Hzの周波数を有する電気を供給されるよう設計されている。しかしながら、本発明のポンプは、多くの異なる国で用いることができるよう設計されている。即ち、入力周波数は、少なくとも50−60Hzの範囲内であるが、しかし実際には、本発明のポンプは、利用可能ないずれの周波数にもうまく対応し得る。従って、所与のポンプは、多くの異なる電力幹線に接続されて用いられ得る。即ち、所与のポンプは、即座に動作状態にできる全球的に使用可能なポンプである。
【0029】
VFDユニット2は、入力での電磁干渉をフィルタリングして除くため接続ケーブル3に配置された電磁干渉フィルタ4(EMIフィルタ)を備える。接続ケーブル3は、ポンプ1のフィーダ・ケーブルに接続される。EMIフィルタ4は、整流器5に接続され、ついで、その整流器5は、キャパシタ6を含むDCリンク10を介してトランスデューサ又はインバータ7に接続される。インバータ7は、DC電流を3相電流に変換し、その3相電流は、接続部8を介してポンプ・モータ9に供給される。VFDユニット2の機能、構成要素及び部品は、当業者には周知であり、従って本明細書では更には詳細に説明しないであろう。
【0030】
VFDユニット2がポンプ・モータ9から熱的に遮蔽されるよう取り付けられ、そして同時にポンプにより送出される流体と熱伝導できる構成に取り付けられ、それによりVFDユニット2の温度が動作中に低いレベルに保たれ、それがエラーの原因を排除することが重要である。
【0031】
制御装置11は、ポンプ1に動作可能に接続され且つ接続バス(図示せず)を介してVFDユニット2と通信するよう構成され、そしてポンプ1を制御又は駆動し、例えば、より大量の又はより少量の液体、例えば、水を送出するためポンプ・モータ9の速度を増大又は低減する。更に、VFDユニット2は、検知手段16を備え、その検知手段16は、上記のDCリンク10に動作可能に接続され、そしてポンプ状態を示すポンプ1の動作パラメータの値を取得するよう構成されている。
【0032】
VFDユニット2は、上記の動作パラメータの値を制御装置11へ通信するよう構成される。なお、本発明の好適な実施形態に従った上記の動作パラメータは、DCリンク電圧、DCリンク電流、モータの速度、又は類似のものであり得る。これらの動作パラメータにより、ポンプ1又はモータ9の電力、モータ9のトルク、又は他の適切な量が、決定される。制御装置11は、所定の状態が満たされているかどうかを上記の動作パラメータの取得された値に基づいて決定し、そして上記ポンプ状態に従ってモータ9の動作を制御するため、上記の所定の状態の達成に基づいて命令をVFDユニット2へ通信するよう構成されている。
【0033】
ついで、制御装置11は、記憶手段13を含む処理手段12により制御される。記憶手段13は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)のような不揮発性メモリを含み得る。この実施形態においては、記憶手段13は、処理手段12のようなコンピュータ又はマイクロプロセッサに本発明に従って方法ステップを行わせるための命令を有するコンピュータ・プログラム14を備える。当業者に認められるように、記憶手段13は、固体式、磁気式、光学式及びそれらの組み合わせデバイスを含む、一時的及び/又は恒久的データ記憶装置のための様々なタイプの物理的デバイスを含み得る。例えば、記憶手段13は、DRAM、PROMS、EPROMS、EEPOMS、フラッシュ・メモリ、及び類似のもののような1又はそれより多い物理的デバイスを用いて実現され得る。
【0034】
ここで図2を参照して、本発明の代替実施形態が説明されるであろう。この実施形態では、制御装置11は、インターフェース・ユニット(図示せず)を介してオペレータ・ユニット22と通信するよう構成される。そのオペレータ・ユニット22は、オペレータが例えば、制御指令を入力するのを可能にするキーボード24の形式の入力手段と、ポンプの動作に関連した情報、例えば、動作パラメータの時間履歴又はポンプの状態情報を提供するための表示手段(ディスプレイ)又はスクリーン26とを含む。一実施形態において、オペレータ・ユニット22は、パーソナル・コンピュータである。ポンプ1とオペレータ・ユニット22との間の通信リンクは、無線リンク又はハード・ワイヤード・リンクであることができる。更に、オペレータ・ユニット22は、ついで、インターネットのような通信ネットワークに接続されることができる。オペレータ・ユニット22により、オペレータは、ポンプの動作並びにその動作に関連した様々な動作パラメータをディスプレイ26を介してモニタリングすることが可能である。別の実施形態に従って、ディスプレイ26は、タッチ感応スクリーンであり、そしてこの場合、多数のソフトキーが、ディスプレイ26上に提供された様々なインターフェースで様々な指令を与えるためスクリーン上に配置されることができる。更に、オペレータ・ユニット22は、記憶手段(図示せず)を備えてもよい。その記憶手段は、ついで、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)のような不揮発性メモリを含み得る。当業者により認められるように、記憶手段は、固体式、磁気式、光学式及びそれらの組み合わせデバイスを含む、一時用の様々なタイプの物理的デバイス及び/又は永続的なデータ記憶装置を含み得る。例えば、記憶手段は、DRAM、PROMS、EPROMS、EEPOMS、フラッシュ・メモリ、及び類似のもののような1又はそれより多い物理的デバイスを用いて実現され得る。
【0035】
動作時間、始動の回数、エネルギ消費及び警告データ、並びにサービス記録のような動作パラメータのようなポンプ1の動作データは、取得され、そして記憶手段13の中のロギング・ファイルに記憶されることができる。ロギング・ファイルは、オペレータ・ユニット22によりオペレータに提供されることができる。更に、ロギング・ファイルは、例えば、記憶のため、オペレータ・ユニット22にダウンロードされることができる。
【0036】
勿論、制御装置11についての多数の考えられる設計が存在する。例えば、制御装置11は、とりわけ、本発明に従った方法を実行するプログラマブル命令を含むプロセッサにより実現されることができる。別の実施形態に従って、制御装置11は、前述及び後述の機能を実行するよう適合されたソフトウエアを備えるマイクロチップ又は類似のデータ・キャリヤの形式で実現される。更に、図7から図9に、本発明の代替実施形態が、示されている。図1、図2、及び図7から図9における同様の又は類似の構成要素及び/又はデバイスは、同じ参照番号で示されている。図7において、制御装置11は、ハーメチック・シールされたハウジングに封入され得るが、当該制御装置11は、ポンプ・ハウジングの外表面上に配置されている。制御装置11は、当該ハウジングに多数の方法で装着又は固定されることができる。例えば、制御装置11は、ネジにより固定されることができる。図8においては、制御装置11は、制御装置収容凹部15に挿入されるよう適合されたプラグイン型ユニットの形式である。図9においては、制御装置11は、制御パネル22に配置されている。
【0037】
ここで図4を参照すると、本発明の第1の局面に従ってポンプを動作させる方法の一般的原理が、示されている。本発明に従った方法のこの第1の局面は、スノーリング動作問題又はドライ・ランニング動作問題に対処する。これらの問題は、前述したように、インペラ及びシールのようなポンプ部品の摩耗の増大を必然的に伴い、ポンプ・モータに過熱させ、そしてまた不必要なエネルギを消費することを招く。その上、ポンプ・モータが液体を送出し及び液体について動作するとき最適性能を与えるよう設計され、それによりドライ・ランニング動作が長引くことによりポンプ・モータを損傷させることができる。従って、本発明の第1の局面は、エネルギ消費、ポンプ寿命及び耐久性に関して、図1、図2及び図7から図9のうちのいずれか1つを参照して説明されるように、VFDユニット2を備えるポンプ1を動作させる効率的方法を提供する。
【0038】
最初に、ステップ40で、ポンプの動作が、開始され、即ち、ポンプが始動される。次いで、ステップ42及び44で、所定の状態が満たされたかどうかが決定される。例えば、ステップ42で、ポンプは、第1の速度レベルで所定の期間そして第2の速度レベルで所定の期間動作される。上記の第1の速度レベルと上記の第2の速度レベルとは低い速度レベルであることが好ましい。各速度レベルについて、モータ9のパワーが決定され、そしてその後に、ステップ44で、モータ9の速度とモータのパワーの関係が、2つの速度レベルとそれらのそれぞれから結果として得られたパワーを用いて、ほぼ3乗関数(モータのパワーがモータの速度の3乗に比例する場合)であるかどうかがチェックされる。その関係が3乗関数である場合、ポンプは、正常動作で動作することができ、そしてその関係が3乗関数でない場合、それは、ポンプ1が空気を送出していることの指示であり、そして液体レベルが低すぎ、そしてポンプが所望の速度レベルで動作することができないことが決定される。この決定は、制御装置11において、例えば、処理手段12で実行される。速度レベルとその結果生じるパワーの関係は、必ずしも3乗でなければならないということではなく、他の指数関数が流体、即ち、液体及び気体の他の混合にとって適切である場合があることを指摘しておくべきである。
【0039】
ステップ44で、液体レベルが十分でないと決定された場合、アルゴリズムは、ステップ46に進み、そこにおいて、制御装置11は、命令をVFDユニット2へ送って、ポンプの動作を所定の期間にわたり、例えば、分の単位での数、多分約2分間停止/休止する。この期間が経過したとき、アルゴリズムは、ステップ42に戻る。
【0040】
他方、ステップ44で、液体レベルが十分であると決定された場合、アルゴリズムは、ステップ48に進み、そこにおいて、ポンプ1の速度が、所望の速度まで増大される。従って、ポンプ1は、ここで、正常態様で動作される。
【0041】
スノーリング動作を避けるため、ポンプ1が空気を動作中に送出していないことが実質的に連続的にチェックされる。従って、ステップ50で、液体レベルが相変わらず十分であるかどうか、即ち、ポンプ1が空気を一部又は主として吸引しているかどうか、又はポンプ1が液体を送出しているかどうかが、第2の所定の状態が満たされているかどうかを決定することによりチェックされる。これは、実質的に連続ベースで実行される。このチェックを実行するため、適切な動作パラメータの値が、VFDユニット2の検知手段16により取得され、その値は、制御装置11へ通信される。例えば、DCリンク電圧、DCリンク電流、又は類似のものを直接に用いることができ、又はそれらを用いて、例えば、モータ9のトルク、又は好ましくはモータ9のパワーを決定することができる。動作中のモータ9のパワーの突然の降下は、ポンプ1が液体の代わりに空気を送出していることを示す。
【0042】
例えば、第2の状態は、モータ9のパワーと、例えば、記憶手段13に格納され得る所定の基準レベルとの比較であり、そしてモータ9のパワーがその所定の基準レベルより低い場合、液体レベルが低すぎると決定される。この所定のレベルは、モータ9の現在の速度に関してモータ9の最大パワーの約70%であることが好ましい。代替として、ステップ42に匹敵するステップが、液体がポンプ1の入り口に存在するかどうかを決定するため、ステップ48とステップ50との間で定期的に実行されてもよい。
【0043】
ポンプ1の入り口での液体レベルが十分である、即ち、モータ9のパワーが所定のレベルより高いと決定された場合、アルゴリズムは、ステップ48に進む。他方、ポンプ1の入り口での液体レベルが低すぎる、即ち、モータ9のパワーが所定のレベルより低いと決定された場合、アルゴリズムは、代わりに、ステップ52に進み、そこにおいて、ポンプ1の動作が、停止される。続いて、アルゴリズムは、ステップ46に進み、そこにおいて、ポンプ1の動作は、所定の期間停止され続ける。この休止期間が経過したとき、アルゴリズムは、ステップ42に進む。
【0044】
ここで図5を参照して、本発明の第2の局面に従ってポンプを動作させる方法の一般的原理が説明されるであろう。本発明に従った方法のこの第2の局面は、ポンプのパワーを実質的に一定レベルで大きい範囲の流れにわたり維持する問題に対処する。図3の線32により示されるように、揚程/圧力は、第2の局面に従った方法により20%から30%増大されることができる。ポンプのパワーは、モータの速度を調整することにより、変化する揚程で実質的に一定レベルに保たれる。ポンプが低い流れで一層効率的に動作されることに起因して、より小さいポンプを用いて、所与の量の液体を送出することができ、そしてポンプの摩耗がまた、低減されることができる。本発明のポンプは、変化する要求を有する多くの異なる応用で用いられるよう設計されている汎用のポンプである。高いポンプ容量が、モータの速度を調整することにより、揚程を変える所与のポンプに対して達成される。従って、本発明の第2の局面は、エネルギ消費及び耐久性に関して図1、図2、及び図7から図9のうちのいずれの図を参照して説明されるようにVFDユニット2を備えるポンプを動作させる効率的方法を提供する。
【0045】
最初に、ステップ60で、ポンプ1の動作が開始され、即ち、ポンプ1が始動される。次いで、ステップ62で、ポンプ1は、所望の速度レベルで動作される。ポンプの動作パラメータが、実質的に連続的にモニタリングされ、そして動作パラメータに対応する値が、VFDユニット2の検知手段16により取得され、その値は、制御装置11へ通信される。例えば、DCリンク電圧、DCリンク電流、又は類似のものが、直接用いられ、又はそれを用いて、例えば、モータ9のトルク、又は好ましくはモータ9のパワーを決定することができる。制御装置11で、モータ9のパワーは、例えば、ステップ64で、所定の基準レベル、例えばモータ9の定格パワーと比較され、それは、例えば、処理手段12の中の記憶手段13に格納される。ステップ64で、モータ9のパワー・レベルが所定の基準レベルより高いと決定された場合、アルゴリズムは、ステップ62に戻り、そしてポンプ1の動作は、上記の所望の速度レベルに維持される。他方、モータ9のパワー・レベルが所定の基準レベルより低いと決定された場合、アルゴリズムは、ステップ66に進み、そこにおいて、モータ9の所定のパワー・レベルに到達するため要求される速度が、処理手段12で計算される。
【0046】
その後、ステップ68で、その計算された速度は、プリセット最大速度と比較される。計算された速度がプリセット最大速度より高いことが分かった場合、アルゴリズムは、ステップ70に進み、そこにおいて、制御装置11は、命令をVFDユニット2へ通信して、モータ9をプリセット最大速度で動作させ、そしてアルゴリズムは、ステップ64に戻る。計算された速度がプリセット最大速度より低いことが分かった場合、アルゴリズムは、ステップ72に進み、そして制御装置11は、命令をVFDユニット2へ通信して、モータ9を計算された速度で動作させる。その後、アルゴリズムは、ステップ64に進み、そこにおいて、処理手順が続けられる。モータのパワーを実質的に一定レベルに維持することにより、揚程/圧力は、図3の線32により示されるように、低い流れで増大されることができる。
【0047】
ここで図6を参照して、本発明の第3の局面に従ってポンプを動作させる方法の一般的原理が、説明されるであろう。本発明に従った方法のこの第3の局面は、ポンプ1の取り入れ口及び/又はインペラの目詰まり又はジャムの問題に対処し、それは、取り入れ口で沈殿し、そして比較的厚い又は密な粘ちゅう度を有するシルトを作る流体の中の粒子により引き起こされる。従って、ポンプ・モータの大きい始動トルクが、ポンプ・インペラの回転を開始するため要求される。これは、大きい量のエネルギを消費し、そしてまたポンプ・インペラ及びモータを摩耗させる。ポンプがオフ状態に長期間あったとき、最大始動トルクでさえ十分でなく、そしてそのような場合、ポンプは、手動で洗浄されねばならず、そして、続いて、そのような環境で動作されるポンプの始動信頼性は、低くなるであろう。従って、本発明の第3の局面は、エネルギ消費、耐久性及び始動信頼性に関して、図1、図2、及び図7から図9のうちのいずれの図面を参照して説明されるように、VFDユニット2を備えるポンプを動作させる効率的方法を提供する。
【0048】
最初に、ステップ80で、ポンプ1の動作が開始され、即ち、ポンプ1が始動される。次いで、ステップ82で、ポンプ1は、所望の速度レベルで動作される。その後、ステップ84で、ポンプが目詰まり/ジャムを起こしたかどうかのチェックが、実行される。これは、一例として、次の2つの方法で実行されることができる。1つの方法は、ポンプの動作パラメータを測定し、そしてそれを例えば、所定の基準レベルと比較し、モータ9のパワーを決定し、そしてそれをモータ9のパワーの所定の基準レベル、例えば、モータ9の定格パワーと比較する方法である。モータの測定されたパワーがこの所定の基準レベルより高い場合、それは、目詰まり/ジャム状態の指示である。第2の方法は、可変周波数駆動手段2の警告機能をモニタリングする方法であり、そしてDCリンク過電流を指示する警告が、目詰まり/ジャム状態の指示として用いられる。
【0049】
ステップ84で、ポンプ1が目詰まりしていないと決定された場合、アルゴリズムは、ステップ82に戻り、そこにおいて、ポンプ1の動作が維持される。他方、ポンプ1が目詰まりしていると決定された場合、アルゴリズムは、ステップ86に進み、そこにおいて、制御装置11は、命令をVFDユニット2へ通信して、インペラを第1の速度で所定の期間逆方向に駆動する。所定の期間後に、ポンプ1は、停止され、次いで再び順回転方向に動作される。そのようなサイクルが、約1−10秒緩続くことが好ましい。次いで、ステップ88で、上記のステップ84で実行されたように、目詰まり状態が止まったかどうかがチェックされる。目詰まり状態が止まっていない場合、処理手順は、ステップ86に戻る。このサイクルは、目詰まり状態が取り除かれるまで繰り返される。目詰まり状態が止まった場合、アルゴリズムは、ステップ82に戻る。
【0050】
ポンプ1の正常動作中における目詰まりを防止するため、次の処理手順が、定期的に実行される。その処理手順とは、ポンプ1を所定の速度で、所定の長さを有する期間にわたり逆方向に動作させ、次いで、ポンプ1を上記の期間後に停止し、更に、ポンプ1をその正常回転方向で動作させる手順である。それにより、ポンプの動作信頼性は、更に一層改善されることができる。
【0051】
ここで、図3を参照する。参照番号30及び32で示される線は、有る一定のポンプ1についての液体の流量と揚程の例であり、そのポンプ1は、VFDユニット2から60Hzの周波数を有する3相電圧を供給されている。60Hzは、一部の国の電力幹線での標準周波数であるが、しかしVFDユニット2により、このレベルは、例えば、最大150Hzまで、相当に増大され得て、そしてそうすることにより、上記の線30、32は、図3のチャートで上方向に多かれ少なかれずれ、そして有る一定のポンプが、非常に変動している応用及び状態に対して用いられることができる。
【0052】
本発明の実行可能な変更
特定の実施形態が本明細書で説明及び例示の目的で記載されたが、示されそして説明された特定の実施形態が本発明の範囲を逸脱することなしに多種多様な代替実施形態及び/又は均等の実施形態に取って代わられ得ることが当業者に理解されるであろう。当業者は、本発明がハードウエア及びソフトウエアの実現形態、又はそれらの組み合わせを含む多種多様な実施形態で実現されることができるであろうことを容易に認めるであろう。一例として、前述した機能の多くは、マイクロチップ又は類似のデータ・キャリヤに備わった適切なソフトウエアにより得ることがそして実行することができる。本出願は、本明細書で説明した好適な実施形態のいずれの適応又は変形をカバーすることを意図している。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の表現及びその均等物により定義されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明に従ったポンプの一実施形態を概略的に示す。
【図2】図2は、本発明に従ったポンプ・システムの一実施形態を概略的に示す。
【図3】図3は、従来のポンプ及び本発明に従って動作されるポンプについてのポンプ曲線を示す。
【図4】図4は、本発明に従った一実施形態の方法の原理を示す。
【図5】図5は、本発明に従った別の実施形態の方法の原理を示す。
【図6】図6は、本発明に従った更に別の実施形態の方法の原理を示す。
【図7】図7は、本発明に従ったポンプ及びそのようなポンプのための制御装置の別の実施形態を概略的に示す。
【図8】図8は、本発明に従ったポンプ及びそのようなポンプのための制御装置の更に別の実施形態を概略的に示す。
【図9】図9は、本発明に従ったポンプ及びポンプ・システムの更に別の実施形態を概略的に示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ(9)及び可変周波数駆動手段(2)を備えるポンプ(1)を動作させる方法であって、前記可変周波数駆動手段(2)が、前記モータ(9)及び前記ポンプ(1)のフィーダ・ケーブルに接続されることにより前記モータ(9)の動作制御するよう構成されており、前記可変周波数駆動手段(2)が、整流器(5)、インバータ(7)、及び前記整流器(5)とインバータ(7)との間に延在するDCリンク(10)を備え、更に前記ポンプ(1)が、制御装置(11)に動作可能に接続される、前記方法において、
前記可変周波数駆動手段(2)の一部として構成され且つ前記DCリンク(10)に動作可能に接続される検知手段(16)により、ポンプ状態を指示する前記ポンプ(1)の動作パラメータの値を取得するステップと、
前記動作パラメータの値を前記可変周波数駆動手段(2)から前記制御装置(11)へ通信するステップと、
動作パラメータの前記の取得された値に基づいて、所定の状態が満たされているかどうかを前記制御装置(11)により決定するステップ(44,64,84)と、
前記モータ(9)を前記ポンプ状態に従って制御するため、前記所定の状態の達成に基づいて、命令を前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)へ通信するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ポンプ(1)の動作パラメータの値を取得する前記ステップが、次の動作パラメータ、即ち、DCリンク電圧レベル、DCリンク電流レベル、前記モータ(9)のトルク及び前記モータ(9)のパワーのうちの少なくとも1つの値を取得するステップから成る請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの動作パラメータを用いることにより或る一定の状態を検出するステップ(44,64,84)を更に備える請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記ポンプ状態が、前記ポンプ(1)の入り口での液体の存在にかかわる請求項3記載の方法。
【請求項5】
所定の状態が満たされているかどうかを決定する前記ステップが、
前記ポンプ(1)を第1の速度レベルで所定の期間動作させるステップ(42)と、
前記ポンプ(1)を第2の速度レベルで所定の期間動作させるステップ(42)と、
前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)の速度の3乗に比例するかどうかを、前記検知手段(16)により前記第1の速度レベル及び前記第2の速度レベルのそれぞれについて取得された動作パラメータの値に基づいて決定するステップ(44)と
を備える請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)への通信された命令は、
前記所定の状態が満たされていると決定された場合前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させる(48)こと、又は
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)の動作を所定の期間停止させる(46)こと
である請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
前記ポンプ(1)が所望の速度レベルで動作される場合、
前記ポンプ(1)の入り口での液体の存在をチェックするステップ(50)と、
前記検知手段(16)により前記ポンプ(1)の動作パラメータの値を取得するステップと、
前記動作パラメータの前記値を前記可変周波数駆動手段(2)から前記制御装置(11)へ通信するステップと、
第2の所定の状態が満たされているかどうかを動作パラメータの前記の取得された値に基づいて前記制御装置(11)により決定するステップと、
前記モータ(9)の動作を制御するため、前記第2の所定の状態の達成に基づいて、命令を前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)へ通信するステップと
を更に備える請求項6記載の方法。
【請求項8】
第2の所定の状態が満たされているかどうかを決定する前記ステップが、動作パラメータの前記の取得された値を所定の基準レベルと比較するステップを備える請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)への前記の通信された命令は、
前記第2の所定の状態が満たされていると決定された場合前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させる(48)こと、又は
前記第2の所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)の動作を所定の期間停止させる(52)こと
である請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの動作パラメータの値を実質的に一定レベルに維持するステップを更に備える請求項2記載の方法。
【請求項11】
所定の状態が満たされているかどうかを決定する前記ステップが、
前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させるステップ(62)と、
前記所望の速度レベルに関して前記検知手段(16)により取得された前記モータ(9)のパワーの値に基づいて、前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルより低いかどうかを決定するステップ(64)と
を備える請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)への前記の通信された命令は、
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)を前記所望の速度レベルで動作させる(62)こと、又は
前記所定の状態が満たされていると決定された場合、前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルに到達するために要求される前記モータ(9)の速度を計算する(66)し、且つ前記ポンプ(1)を前記の計算された速度で動作させること
である請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
前記ポンプ(1)が前記の計算された速度で動作される場合、
前記ポンプ(1)の前記の計算された速度を前記ポンプ(1)のプリセット最大速度と比較するステップ(68)と、
前記の計算された速度が前記プリセット最大速度より低い場合前記ポンプ(1)を前記の計算された速度で動作させるステップ(70)と、
前記の計算された速度が前記プリセット最大速度より高い場合前記ポンプ(1)を前記プリセット最大速度で動作させるステップ(72)と
を更に備える請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記ポンプ状態が前記ポンプ(1)の目詰まりにかかわる請求項3記載の方法。
【請求項15】
所定の状態が満たされているかどうかを決定する前記ステップが、
前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させるステップ(82)と、
前記所望の速度レベルに関して前記検知手段(16)により取得された前記モータ(9)のパワーの値に基づいて、前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルより高いかどうかを決定するステップ(84)と
を備える請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)への前記の通信された命令は、
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)を前記所望の速度レベルで動作させる(82)こと、又は
前記ポンプ(1)を所定の速度で所定の期間逆方向に動作させる(86)こと、及び
前記所定の状態が満たされていると決定された場合、逆方向動作の前記の所定の期間後に、前記ポンプ(1)をその正常動作方向で前記所望の速度レベルで動作させること
である請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルより高いかどうかを決定する前記ステップを繰り返すステップ(88)と、
請求項16に従ったステップを繰り返すステップと
を更に備える請求項16記載の方法。
【請求項18】
以下のステップが、前記ポンプ(1)の動作中に規則的間隔で実行され、前記以下のステップとは、
前記ポンプ(1)を所定の速度で所定の期間逆方向に動作させるステップと、
逆方向動作の前記の所定の期間後に、前記ポンプ(1)をその正常動作方向で所望の速度レベルで動作させるステップと
である請求項14記載の方法。
【請求項19】
デジタル・コンピュータ装置のメモリ(13)にロード可能なコンピュータ・プログラム製品(14)であって、前記コンピュータ・プログラム製品(14)が前記デジタル・コンピュータ装置上で動作されるとき、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法を実行するためのソフトウエア・コード部分を含むコンピュータ・プログラム製品(14)。
【請求項20】
モータ(9)及び可変周波数駆動手段(2)を備えるポンプ(1)であって、前記可変周波数駆動手段(2)が、前記モータ(9)及び前記ポンプ(1)のフィーダ・ケーブルに接続されることにより前記モータ(9)の動作を制御するよう構成されており、前記可変周波数駆動手段(2)が、整流器(5)、インバータ(7)、及び前記整流器(5)とインバータ(7)との間に延在するDCリンク(10)を備え、更に前記ポンプ(1)が、制御装置(11)に動作可能に接続される、前記ポンプ(1)において、
前記検知手段(16)が、前記可変周波数駆動手段(2)の一部として構成され、
前記検知手段(16)は、前記DCリンク(10)に動作可能に接続され、
前記検知手段(16)は、ポンプ状態を指示する前記ポンプ(1)の動作パラメータの値を取得するよう構成され、
前記可変周波数駆動手段(2)が、前記動作パラメータの値を前記制御装置(11)へ通信するよう構成され、更に、
前記制御装置(11)が、動作パラメータの前記の取得された値に基づいて、所定の状態が満たされているかどうかを決定し、且つ前記モータ(9)の動作を前記ポンプ状態に従って制御するため前記所定の状態の達成に基づいて命令を前記可変周波数駆動手段(2)へ通信するよう構成されている、ポンプ。
【請求項21】
前記制御装置(11)が、次の動作パラメータ、即ち、DCリンク電圧レベル、DCリンク電流レベル、前記モータ(9)のトルク及び前記モータ(9)のパワーのうちの少なくとも1つの値を取得するよう適合されている請求項20記載のポンプ。
【請求項22】
前記制御装置(11)が、
前記ポンプ(1)を第1の速度レベルで所定の期間動作させ、
前記ポンプ(1)を第2の速度レベルで所定の期間動作させ、且つ
前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)の速度の3乗に比例するかどうかを、前記検知手段(16)により前記第1の速度レベル及び前記第2の速度レベルのそれぞれについて取得された少なくとも1つの動作パラメータの値に基づいて決定する
よう構成されている請求項21記載のポンプ。
【請求項23】
前記制御装置(11)が、
前記所定の状態が満たされていると決定された場合前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させ、又は
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)の動作を所定の期間停止させる
よう適合されている請求項22記載のポンプ。
【請求項24】
前記制御装置(11)が、前記少なくとも1つの動作パラメータの値を実質的に一定レベルに維持するよう適合されている請求項21記載のポンプ。
【請求項25】
前記制御装置(11)が、
前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させ、
前記所望の速度レベルに関して前記検知手段(16)により取得された前記モータ(9)のパワーの値に基づいて、前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルより低いかどうかを決定する
よう適合されている請求項24記載のポンプ。
【請求項26】
前記制御装置(11)が、
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)を前記所望の速度レベルで動作させ、又は
前記所定の状態が満たされていると決定された場合、前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルに到達するために要求される前記モータ(9)の速度を計算し(66)、且つ前記ポンプ(1)を前記の計算された速度で動作させる
よう適合されている請求項24又は25記載のポンプ。
【請求項27】
前記制御装置(11)が、
前記ポンプ(1)の前記の計算された速度を前記ポンプ(1)のプリセット最大速度と比較し(68)、
前記の計算された速度が前記プリセット最大速度より低い場合前記ポンプ(1)を前記の計算された速度で動作させ(70)、又は
前記の計算された速度が前記プリセット最大速度より高い場合前記ポンプ(1)を前記プリセット最大速度で動作させる(72)
よう適合されている請求項26記載のポンプ。
【請求項28】
前記制御装置(11)が、
前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させ(82)、
前記所望の速度レベルに関して前記検知手段(16)により取得された前記モータ(9)のパワーの値に基づいて、前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルより高いかどうかを決定する(84)
よう適合されている請求項21記載のポンプ。
【請求項29】
前記制御装置(11)が、
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させ(82)、又は
前記ポンプ(1)を所定の速度で所定の期間逆方向に動作させ(86)、且つ
前記所定の状態が満たされていると決定された場合、逆方向動作の前記の所定の期間後に、前記ポンプ(1)をその正常動作方向で前記所望の速度レベルで動作させる
よう適合されている請求項28記載のポンプ。
【請求項30】
前記制御装置(11)が、前記ポンプ(1)の動作中に規則的間隔で、
前記ポンプ(1)を所定の速度で所定の期間逆方向に動作させ、
逆方向動作の前記の所定の期間後に、前記ポンプ(1)をその正常動作方向で前記所望の速度レベルで動作させる
よう適合されている請求項21記載のポンプ。
【請求項31】
請求項20から30のいずれか一項に記載のポンプ(1)を備えるポンプ・ステーションであって、
入力手段(24)及び表示手段(26)を備えるオペレータ装置(22)を更に備え、
前記ポンプ(1)の動作と関連した情報を提示するよう適合されているポンプ・ステーション。
【請求項1】
モータ(9)及び可変周波数駆動手段(2)を備えるポンプ(1)を動作させる方法であって、前記可変周波数駆動手段(2)が、前記モータ(9)及び前記ポンプ(1)のフィーダ・ケーブルに接続されることにより前記モータ(9)の動作制御するよう構成されており、前記可変周波数駆動手段(2)が、整流器(5)、インバータ(7)、及び前記整流器(5)とインバータ(7)との間に延在するDCリンク(10)を備え、更に前記ポンプ(1)が、制御装置(11)に動作可能に接続される、前記方法において、
前記可変周波数駆動手段(2)の一部として構成され且つ前記DCリンク(10)に動作可能に接続される検知手段(16)により、ポンプ状態を指示する前記ポンプ(1)の動作パラメータの値を取得するステップと、
前記動作パラメータの値を前記可変周波数駆動手段(2)から前記制御装置(11)へ通信するステップと、
動作パラメータの前記の取得された値に基づいて、所定の状態が満たされているかどうかを前記制御装置(11)により決定するステップ(44,64,84)と、
前記モータ(9)を前記ポンプ状態に従って制御するため、前記所定の状態の達成に基づいて、命令を前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)へ通信するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ポンプ(1)の動作パラメータの値を取得する前記ステップが、次の動作パラメータ、即ち、DCリンク電圧レベル、DCリンク電流レベル、前記モータ(9)のトルク及び前記モータ(9)のパワーのうちの少なくとも1つの値を取得するステップから成る請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの動作パラメータを用いることにより或る一定の状態を検出するステップ(44,64,84)を更に備える請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記ポンプ状態が、前記ポンプ(1)の入り口での液体の存在にかかわる請求項3記載の方法。
【請求項5】
所定の状態が満たされているかどうかを決定する前記ステップが、
前記ポンプ(1)を第1の速度レベルで所定の期間動作させるステップ(42)と、
前記ポンプ(1)を第2の速度レベルで所定の期間動作させるステップ(42)と、
前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)の速度の3乗に比例するかどうかを、前記検知手段(16)により前記第1の速度レベル及び前記第2の速度レベルのそれぞれについて取得された動作パラメータの値に基づいて決定するステップ(44)と
を備える請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)への通信された命令は、
前記所定の状態が満たされていると決定された場合前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させる(48)こと、又は
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)の動作を所定の期間停止させる(46)こと
である請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
前記ポンプ(1)が所望の速度レベルで動作される場合、
前記ポンプ(1)の入り口での液体の存在をチェックするステップ(50)と、
前記検知手段(16)により前記ポンプ(1)の動作パラメータの値を取得するステップと、
前記動作パラメータの前記値を前記可変周波数駆動手段(2)から前記制御装置(11)へ通信するステップと、
第2の所定の状態が満たされているかどうかを動作パラメータの前記の取得された値に基づいて前記制御装置(11)により決定するステップと、
前記モータ(9)の動作を制御するため、前記第2の所定の状態の達成に基づいて、命令を前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)へ通信するステップと
を更に備える請求項6記載の方法。
【請求項8】
第2の所定の状態が満たされているかどうかを決定する前記ステップが、動作パラメータの前記の取得された値を所定の基準レベルと比較するステップを備える請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)への前記の通信された命令は、
前記第2の所定の状態が満たされていると決定された場合前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させる(48)こと、又は
前記第2の所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)の動作を所定の期間停止させる(52)こと
である請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの動作パラメータの値を実質的に一定レベルに維持するステップを更に備える請求項2記載の方法。
【請求項11】
所定の状態が満たされているかどうかを決定する前記ステップが、
前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させるステップ(62)と、
前記所望の速度レベルに関して前記検知手段(16)により取得された前記モータ(9)のパワーの値に基づいて、前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルより低いかどうかを決定するステップ(64)と
を備える請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)への前記の通信された命令は、
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)を前記所望の速度レベルで動作させる(62)こと、又は
前記所定の状態が満たされていると決定された場合、前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルに到達するために要求される前記モータ(9)の速度を計算する(66)し、且つ前記ポンプ(1)を前記の計算された速度で動作させること
である請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
前記ポンプ(1)が前記の計算された速度で動作される場合、
前記ポンプ(1)の前記の計算された速度を前記ポンプ(1)のプリセット最大速度と比較するステップ(68)と、
前記の計算された速度が前記プリセット最大速度より低い場合前記ポンプ(1)を前記の計算された速度で動作させるステップ(70)と、
前記の計算された速度が前記プリセット最大速度より高い場合前記ポンプ(1)を前記プリセット最大速度で動作させるステップ(72)と
を更に備える請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記ポンプ状態が前記ポンプ(1)の目詰まりにかかわる請求項3記載の方法。
【請求項15】
所定の状態が満たされているかどうかを決定する前記ステップが、
前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させるステップ(82)と、
前記所望の速度レベルに関して前記検知手段(16)により取得された前記モータ(9)のパワーの値に基づいて、前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルより高いかどうかを決定するステップ(84)と
を備える請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記制御装置(11)から前記可変周波数駆動手段(2)への前記の通信された命令は、
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)を前記所望の速度レベルで動作させる(82)こと、又は
前記ポンプ(1)を所定の速度で所定の期間逆方向に動作させる(86)こと、及び
前記所定の状態が満たされていると決定された場合、逆方向動作の前記の所定の期間後に、前記ポンプ(1)をその正常動作方向で前記所望の速度レベルで動作させること
である請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルより高いかどうかを決定する前記ステップを繰り返すステップ(88)と、
請求項16に従ったステップを繰り返すステップと
を更に備える請求項16記載の方法。
【請求項18】
以下のステップが、前記ポンプ(1)の動作中に規則的間隔で実行され、前記以下のステップとは、
前記ポンプ(1)を所定の速度で所定の期間逆方向に動作させるステップと、
逆方向動作の前記の所定の期間後に、前記ポンプ(1)をその正常動作方向で所望の速度レベルで動作させるステップと
である請求項14記載の方法。
【請求項19】
デジタル・コンピュータ装置のメモリ(13)にロード可能なコンピュータ・プログラム製品(14)であって、前記コンピュータ・プログラム製品(14)が前記デジタル・コンピュータ装置上で動作されるとき、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法を実行するためのソフトウエア・コード部分を含むコンピュータ・プログラム製品(14)。
【請求項20】
モータ(9)及び可変周波数駆動手段(2)を備えるポンプ(1)であって、前記可変周波数駆動手段(2)が、前記モータ(9)及び前記ポンプ(1)のフィーダ・ケーブルに接続されることにより前記モータ(9)の動作を制御するよう構成されており、前記可変周波数駆動手段(2)が、整流器(5)、インバータ(7)、及び前記整流器(5)とインバータ(7)との間に延在するDCリンク(10)を備え、更に前記ポンプ(1)が、制御装置(11)に動作可能に接続される、前記ポンプ(1)において、
前記検知手段(16)が、前記可変周波数駆動手段(2)の一部として構成され、
前記検知手段(16)は、前記DCリンク(10)に動作可能に接続され、
前記検知手段(16)は、ポンプ状態を指示する前記ポンプ(1)の動作パラメータの値を取得するよう構成され、
前記可変周波数駆動手段(2)が、前記動作パラメータの値を前記制御装置(11)へ通信するよう構成され、更に、
前記制御装置(11)が、動作パラメータの前記の取得された値に基づいて、所定の状態が満たされているかどうかを決定し、且つ前記モータ(9)の動作を前記ポンプ状態に従って制御するため前記所定の状態の達成に基づいて命令を前記可変周波数駆動手段(2)へ通信するよう構成されている、ポンプ。
【請求項21】
前記制御装置(11)が、次の動作パラメータ、即ち、DCリンク電圧レベル、DCリンク電流レベル、前記モータ(9)のトルク及び前記モータ(9)のパワーのうちの少なくとも1つの値を取得するよう適合されている請求項20記載のポンプ。
【請求項22】
前記制御装置(11)が、
前記ポンプ(1)を第1の速度レベルで所定の期間動作させ、
前記ポンプ(1)を第2の速度レベルで所定の期間動作させ、且つ
前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)の速度の3乗に比例するかどうかを、前記検知手段(16)により前記第1の速度レベル及び前記第2の速度レベルのそれぞれについて取得された少なくとも1つの動作パラメータの値に基づいて決定する
よう構成されている請求項21記載のポンプ。
【請求項23】
前記制御装置(11)が、
前記所定の状態が満たされていると決定された場合前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させ、又は
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)の動作を所定の期間停止させる
よう適合されている請求項22記載のポンプ。
【請求項24】
前記制御装置(11)が、前記少なくとも1つの動作パラメータの値を実質的に一定レベルに維持するよう適合されている請求項21記載のポンプ。
【請求項25】
前記制御装置(11)が、
前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させ、
前記所望の速度レベルに関して前記検知手段(16)により取得された前記モータ(9)のパワーの値に基づいて、前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルより低いかどうかを決定する
よう適合されている請求項24記載のポンプ。
【請求項26】
前記制御装置(11)が、
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)を前記所望の速度レベルで動作させ、又は
前記所定の状態が満たされていると決定された場合、前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルに到達するために要求される前記モータ(9)の速度を計算し(66)、且つ前記ポンプ(1)を前記の計算された速度で動作させる
よう適合されている請求項24又は25記載のポンプ。
【請求項27】
前記制御装置(11)が、
前記ポンプ(1)の前記の計算された速度を前記ポンプ(1)のプリセット最大速度と比較し(68)、
前記の計算された速度が前記プリセット最大速度より低い場合前記ポンプ(1)を前記の計算された速度で動作させ(70)、又は
前記の計算された速度が前記プリセット最大速度より高い場合前記ポンプ(1)を前記プリセット最大速度で動作させる(72)
よう適合されている請求項26記載のポンプ。
【請求項28】
前記制御装置(11)が、
前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させ(82)、
前記所望の速度レベルに関して前記検知手段(16)により取得された前記モータ(9)のパワーの値に基づいて、前記モータ(9)のパワーが前記モータ(9)のパワーの所定の基準レベルより高いかどうかを決定する(84)
よう適合されている請求項21記載のポンプ。
【請求項29】
前記制御装置(11)が、
前記所定の状態が満たされていないと決定された場合前記ポンプ(1)を所望の速度レベルで動作させ(82)、又は
前記ポンプ(1)を所定の速度で所定の期間逆方向に動作させ(86)、且つ
前記所定の状態が満たされていると決定された場合、逆方向動作の前記の所定の期間後に、前記ポンプ(1)をその正常動作方向で前記所望の速度レベルで動作させる
よう適合されている請求項28記載のポンプ。
【請求項30】
前記制御装置(11)が、前記ポンプ(1)の動作中に規則的間隔で、
前記ポンプ(1)を所定の速度で所定の期間逆方向に動作させ、
逆方向動作の前記の所定の期間後に、前記ポンプ(1)をその正常動作方向で前記所望の速度レベルで動作させる
よう適合されている請求項21記載のポンプ。
【請求項31】
請求項20から30のいずれか一項に記載のポンプ(1)を備えるポンプ・ステーションであって、
入力手段(24)及び表示手段(26)を備えるオペレータ装置(22)を更に備え、
前記ポンプ(1)の動作と関連した情報を提示するよう適合されているポンプ・ステーション。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2009−510299(P2009−510299A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518076(P2008−518076)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000710
【国際公開番号】WO2006/137777
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(501274528)アイティーティー・マニュファクチュアリング・エンタープライゼズ・インコーポレーテッド (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000710
【国際公開番号】WO2006/137777
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(501274528)アイティーティー・マニュファクチュアリング・エンタープライゼズ・インコーポレーテッド (9)
【Fターム(参考)】
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