説明

ポータブルプリンタ

【課題】ラベル用紙に応じて印字速度の不良又はラベルの剥離発行不良を生じさせないようにする。
【解決手段】ポータブルプリンタは、ラベル用紙の台紙を介してプラテンローラに連れ回りするピンチローラと、ピンチローラを支持する支軸160aと、支軸160aを保持する軸ホルダ163と、ハウジングに設けられ、軸ホルダ163を抜き差し自在に保持する抜差部166と、軸ホルダ163に設けられ、軸ホルダ163をその抜き差し方向に変位可能にする状態で抜差部163に弾発的に引っ掛かる爪部165と、ハウジングに設けられた部材保持部に対して着脱自在であり、部材保持部と支軸160aとに挟持されてピンチローラにプラテンローラへの押圧力を付与する付勢部材161と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリからの電力供給により駆動されるポータブルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
宅配便や在庫管理等のような様々な用途で、ポータブルプリンタが普及している。このようなポータブルプリンタを、特許文献1が開示している。特許文献1が開示しているポータブルプリンタは、ロール状に巻回された台紙付きのラベル用紙を収納する。特許文献1が開示しているポータブルプリンタは、収納したラベル用紙を引き出しながら、蓄積した印字データに基づく印字を台紙に貼付されたラベルに行なう。そして、特許文献1が開示しているポータブルプリンタは、一つの使用態様として、印字済みのラベルを台紙と共に発行口から発行する。このポータブルプリンタでは、ラベル用紙の案内経路を介してプラテンローラに当接するライン型のサーマルプリントヘッドが、印字を行なう。
【0003】
特許文献1が開示しているポータブルプリンタのもう一つの使用態様は、印字済みラベルの剥離発行である。特許文献1が開示しているポータブルプリンタは、ラベル用紙の案内経路に、ラベル剥離板を備えている。ラベル剥離板は、サーマルプリントヘッドよりも下流側に位置している。ラベル剥離板は、案内経路を屈曲させる。そして、このポータブルプリンタは、屈曲させた案内経路を介してプラテンローラにピンチローラを押し当て、これらのプラテンローラとピンチローラとでラベル用紙の台紙を搬送する。このポータブルプリンタは、ラベル剥離板による台紙の屈曲によって台紙からラベルを剥離することができ、印字済みのラベルを台紙から剥離して発行することができる。
【0004】
ラベル剥離板によって屈曲させた案内経路を介してプラテンローラにピンチローラを押し当て、印字済みラベルの剥離発行をするという技術は、例えば特許文献2にも記載されているように、従来から広く採用されている技術である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ラベル剥離板によって屈曲させた案内経路を介してプラテンローラにピンチローラを押し当て、印字済みラベルの剥離発行をする場合、ラベル用紙の種類によっては印字済みラベルを正常に剥離発行できないことがある。このような現象は、一例として、台紙に対するラベルの接着力が比較的に強いラベル用紙を用いた場合に発生する。このようなラベル用紙では、台紙からラベルが剥離しにくい。このため、プラテンローラとピンチローラとによる台紙搬送力が不足すると、ピンチローラにおいて台紙に対する滑りが発生する。すると、ピンチローラにおいて台紙に対する滑りが発生している間にも、印字部ではプラテンローラがラベル用紙の搬送を行っているため、印字後のラベルが台紙から剥離せずに、ラベル剥離板の周辺でラベル用紙の弛みが生じてしまう。こうなると、ポータブルプリンタは、もはやラベルの剥離発行をすることができず、場合によって用紙ジャムさえ引き起こしてしまう。
【0006】
この場合、プラテンローラに対するピンチローラの押し圧を強くすれば、台紙に対してピンチローラが滑りにくくなる。しかしながら、ピンチローラの押し圧は、プラテンローラにとってみれば抵抗付与に他ならない。したがって、プラテンローラに対するピンチローラの押し圧を強くし過ぎると、ラベル用紙の搬送速度の低下による印字速度の低下を引き起こしてしまう。とりわけ、バッテリ駆動型のポータブルプリンタでは、電源容量の制約がある関係上、ラベル用紙の搬送速度の低下が顕著に発生し易い。このようなことから、たまたま台紙に対するラベルの接着力が比較的に強い例外的なラベル用紙に機器のセッティングを合わせるとすると、その他の大勢を占める標準的なラベル用紙の使用に際して印字速度の低下という不利益を与えることになってしまい、甚だ不都合である。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ラベル用紙に応じて印字速度の不良又はラベルの剥離発行不良を生じさせないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかるポータブルプリンタは、ハウジングと、前記ハウジングに回転自在に設けられ、台紙と前記台紙に貼付されたラベルとを有するラベル用紙を、回転することで搬送するプラテンローラと、前記プラテンローラに対向し、前記プラテンローラによって搬送される前記ラベル用紙のラベルに印字を行なうサーマルプリントヘッドと、用紙搬送方向における前記サーマルプリントヘッドの下流側で前記プラテンローラに対向し、前記台紙を前記プラテンローラとで挟持し、前記台紙を介して前記プラテンローラに連れ回りして前記台紙を搬送するピンチローラと、前記ピンチローラを前記プラテンローラに対する連れ回り可能に支持する支軸と、前記支軸を保持する軸ホルダと、前記ハウジングに設けられ、前記軸ホルダを抜き差し自在に保持する抜差部と、前記軸ホルダに設けられ、前記抜差部に前記軸ホルダが差し込まれると前記軸ホルダをその抜き差し方向に変位可能にする状態で前記抜差部に弾発的に引っ掛かり、且つ当該引っ掛かりを解除可能な爪部と、前記ハウジングに設けられた部材保持部と、前記部材保持部に対して着脱自在であり、前記部材保持部と前記支軸とに挟持されて前記ピンチローラに前記プラテンローラへの押圧力を付与する付勢部材と、を備える。
【0009】
本発明にかかるポータブルプリンタは、台紙と前記台紙に貼付されたラベルとを有するラベル用紙を、回転することで搬送するプラテンローラと、前記プラテンローラに対向し、前記プラテンローラによって搬送される前記ラベル用紙のラベルに印字を行なうサーマルプリントヘッドと、用紙搬送方向における前記サーマルプリントヘッドの下流側で前記プラテンローラに対向し、前記台紙を前記プラテンローラとで挟持し、前記台紙を介して前記プラテンローラに連れ回りして前記台紙を搬送するピンチローラと、前記ピンチローラに前記プラテンローラへの押圧力を付与する付勢部材と、前記ピンチローラ及び付勢部材が着脱自在であり、前記ピンチローラが取り外されることによって前記付勢部材の取り替えを可能にする保持部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ラベル用紙に応じて印字速度の不良又はラベルの剥離発行不良を生じさせないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施の一形態にかかるポータブルプリンタの斜視図である。
【図2】図2は、ポータブルプリンタの縦断側面図である。
【図3】図3は、オープンカバーを開いた状態のポータブルプリンタの縦断側面図である。
【図4】図4は、別の実施の一形態にかかるポータブルプリンタにおける二分割されたオープンカバーの部分を示す斜視図である。
【図5】図5は、図4のV−V線に沿ったローラ保持体と軸ホルダとの縦断側面図である。
【図6】図6は、第2のオープンカバーをその裏面側から見た斜視図である。
【図7】図7は、ローラ保持体からピンチローラを取り外した状態の第2のオープンカバーをその裏面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の一形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、ポータブルプリンタ101の斜視図である。本実施の形態のポータブルプリンタ101は、バッテリBT(図2及び図3参照)から供給される電力によって駆動される。ポータブルプリンタ101は、用紙としてのロール紙Pに対して、蓄積した印字データに基づく印字を行なう。ロール紙Pとしては、ロール状に巻回されたラベル用紙203(図2参照)やロール状に巻回された伝票用紙、ロール状に巻回されたライナレスラベル紙(図示せず)等を用いることができる。ラベル用紙203は、台紙201と台紙201に貼付された複数のラベル202とを有する。また、ポータブルプリンタ101は、ロール紙Pとしてラベル用紙203を用いる場合には、台紙201からラベル202を剥離して発行する剥離発行と、台紙201からラベル202を剥離しない連続発行とのいずれの発行形態をも実施可能である。
【0014】
ポータブルプリンタ101は、ハウジング102を有する。ハウジング102は、内部にポータブルプリンタ101の各部を内蔵している。ハウジング102は、ベースハウジング103とこのベースハウジング103に対して開閉自在のオープンカバー104とを有する。ベースハウジング103は、その下部に下蓋部材105を有し、その上部に上蓋部材106を有する。オープンカバー104は、ベースハウジング103の正面側に回転開閉自在に取り付けられている。以下、ベースハウジング103及びオープンカバー104の詳細について説明する。
【0015】
まず、オープンカバー104について詳細に説明する。
【0016】
オープンカバー104は、基部側となる一端がヒンジ107によって回転自在に支持されている。ヒンジ107は、ベースハウジング103の一側面に設けられている。また、オープンカバー104は、先端側となる他端がベースハウジング103の正面側一部領域にまで回りこんでいる。オープンカバー104の先端部が回り込むベースハウジング103の正面側一部領域は、ベースハウジング103の一側面と反対側の他側面に近い領域まで達している。オープンカバー104の先端部は、ベースハウジング103との間に排出口としての台紙排出口108を形成している。台紙排出口108は、ロール紙Pとしてラベル用紙203を用いて前述した剥離発行を実施する場合に、台紙201を排出する。このオープンカバー104は、ベースハウジング103に開閉自在に取り付けられ、ベースハウジング103との間にラベル用紙203の案内経路153を形成し、開いた状態でピンチローラ160を露出させる。
【0017】
オープンカバー104には、台紙排出口108とは別に、排出口としての発行口109が形成されている。発行口109は、印字済みのロール紙Pを排出する。発行口109は、具体的には、例えばロール紙Pとしてラベル用紙203を用いる場合のラベル202、伝票用紙、ライナレスラベル紙等を発行する。発行口109は、オープンカバー104の先端部の近傍に位置付けられた矩形形状の開口部である。発行口109は、オープンカバー104の外部から見た場合、発行口109の奥側に向けてすり鉢状になっており、底部がスリット状に開口している。したがって、オープンカバー104の基部側と先端側とに相対向する二つの傾斜面S1、S2(S1については図2及び図3参照)が形成されている。基部側の傾斜面S1には、カッタ110が取り付けられている。先端側の傾斜面S2には、複数筋のリブ111が突出形成されている。
【0018】
カッタ110は、先端部に刃部110aを有する。カッタ110は、刃部110aによってロール紙Pをティアカット可能なティアカット型のカッタである。カッタ110は、矩形形状をしたカッタ基部110b(図2、図3参照)を有する。カッタ110は、カッタ基部110bの先端部が略直角に屈曲され、この屈曲部分に刃部110aを有する。カッタ110は、金属製である。
【0019】
リブ111は、台紙201の排出方向に向けて長く形成されている。リブ111は、台紙201の排出動作を円滑にする。
【0020】
更に、ポータブルプリンタ101は、オープンカバー104の両側部に、開閉用の一対のスライドボタン113を有する。オープンカバー104は、一対のスライドボタン113の互いに近接離反する方向へのスライド移動によって開閉可能である。詳しくは、ベースハウジング103とオープンカバー104との間には、オープンカバー104を解除可能に係合させる図示しない係合機構が設けられている。一対のスライドボタン113は、互いに近接する方向へのスライド移動によって係合機構によるオープンカバー104の係合を解除させる。
【0021】
次いで、ベースハウジング103について詳細に説明する。
【0022】
ベースハウジング103を構成する上蓋部材106には、操作部114が設けられている。操作部114は、電源スイッチ115と、紙送りボタン116と、起動インジケータ117と、通信用窓118とを有している。起動インジケータ117と通信用窓118とは、ベースハウジング103の上面側と正面側とに跨って配置されている。ポータブルプリンタ101は、通信用窓118から赤外線通信によるデータ送受信を実行し、例えば印字データを受信して図示しないメモリに蓄積する。
【0023】
上蓋部材106の端部には、バッテリカバー119が回転開閉自在に設けられている。バッテリカバー119は、オープンカバー104の回転支持側と反対側の端部に操作部114と隣接して配置されている。バッテリカバー119には、滑り止め用の指掛部120が形成されている。そして、作業者が指掛部120に指を掛けて操作部114とは反対側にバッテリカバー119をスライドさせると、バッテリカバー119は、操作部114の側に位置するバッテリカバーヒンジ121によって回転開放され、バッテリカバー119は、バッテリBTの着脱を可能とする。
【0024】
図2は、ポータブルプリンタ101の縦断側面図である。ポータブルプリンタ101のベースハウジング103は、用紙収納部151とバッテリ収納部152とを有する。用紙収納部151は、ラベル用紙203等のロール紙Pを収納する。バッテリ収納部152は、バッテリBTを収納する。そして、ベースハウジング103は、オープンカバー104との間に用紙収納部151に収納されたロール紙Pの案内経路153を形成する。前述した台紙排出口108及び発行口109は、いずれも案内経路153に連絡している。そして、案内経路153の途中には、印字搬送部154がある。印字搬送部154は、案内経路153を案内されるロール紙Pを搬送して印字を行なう。
【0025】
印字搬送部154は、ライン型のサーマルプリントヘッド155とプラテンローラ156とを有する。具体的には、ベースハウジング103には、プラテンローラ156が回転自在に設けられている。プラテンローラ156は、図示しないモータによって駆動されて回転することでラベル用紙203等のロール紙Pを搬送する。プラテンローラ156は、閉じられたオープンカバー104の発行口109の近傍に位置している。そして、オープンカバー104には、サーマルプリントヘッド155が回転自在に取り付けられている。サーマルプリントヘッド155は、プラテンローラ156に対向して配置されている。サーマルプリントヘッド155は、ヘッド支軸157によって回転自在にオープンカバー104に取り付けられている。サーマルプリントヘッド155は、板バネ158に付勢されてその発熱素子列がプラテンローラ156に当接する。
【0026】
更に、ベースハウジング103には、プラテンローラ156の上方に位置させてラベル剥離板159が設けられている。ラベル剥離板159は、棒状部材である。ラベル剥離板159は、プラテンローラ156と僅かな隙間を開けて配置されている。ラベル剥離板159は、鋭角に形成された剥離部159aを有する。本実施の形態において、ラベル剥離板159は、樹脂等の導電性を有しない部材によって形成されている。剥離部159aは、発行口109と対面する位置に位置付けられている。剥離部159aによって屈曲されない案内経路153はそのまま発行口109に連絡し、剥離部159aによって屈曲された案内経路153は台紙排出口108に連絡する。そのまま発行口109に連絡する案内経路153は、発行経路153aとなっている。台紙排出口108に連絡する案内経路153は、台紙排紙経路153bとなっている。こうして、案内経路153を、ラベル剥離板159によって屈曲されない発行経路153aとラベル剥離板159によって屈曲される台紙排紙経路153bとに分岐させる案内経路分岐構造BSが形成されている。別の言い方をすると、ラベル剥離板159は、用紙搬送方向でサーマルプリントヘッド155の下流側に配置され、案内経路153を屈曲させて台紙排紙経路153bを形成する。
【0027】
次いで、オープンカバー104の先端部には、ピンチローラ160が設けられている。ピンチローラ160は、台紙排紙経路153bを介してプラテンローラ156に当接する。ピンチローラ160は、付勢部材としてのコイルバネ161に押圧されており、コイルバネ161によってプラテンローラ156への押し当て力を付与されている。ピンチローラ160及びコイルバネ161は、ピンチ機構162を構成している。ピンチ機構162では、ラベル剥離板159よりも下流側で、ピンチローラ160が、案内経路153を介してプラテンローラ156に連れ回り可能に当接する。別の言い方をすると、ピンチローラ160は、用紙搬送方向におけるサーマルプリントヘッド155の下流側でプラテンローラ156に対向し、ラベル202が外された台紙201をプラテンローラ156とで挟持し、台紙201を介してプラテンローラ156に連れ回りして台紙201を搬送する。
【0028】
図3は、オープンカバー104を開いた状態のポータブルプリンタの縦断側面図である。図3を参照することで、プラテンローラ156及びラベル剥離板159がベースハウジング103の側に設けられ、カッタ110、サーマルプリントヘッド155及びピンチローラ160がオープンカバー104の側に設けられていることが良く分かる。
【0029】
そして、図3に示すように、オープンカバー104は、開くことによって、ベースハウジング103の側に設けられた用紙収納部151と、プラテンローラ156と、ラベル剥離板159と、台紙排紙経路153bを含む案内経路153の全体と、を開放する。また、オープンカバー104は、開くことによって、オープンカバー104の側に設けられたサーマルプリントヘッド155及びピンチ機構162も開放する。
【0030】
図4は、別の実施の一形態にかかるポータブルプリンタ101における二分割されたオープンカバー104の部分を示す斜視図である。図1〜図3に示す実施の形態では、単一のオープンカバー104によって、用紙収納部151と、プラテンローラ156と、ラベル剥離板159と、台紙排紙経路153bを含む案内経路153の全体と、を開閉自在に覆っている(図2、図3参照)。したがって、図1〜図3に示す実施の形態のオープンカバー104は、台紙排紙経路153bを開閉する部分と他の部分とが一体に形成されていることになる。一方、図4に示す実施の形態のオープンカバー104は、台紙排紙経路153bを開閉する部分とその他の部分とが別体に形成されている。具体的には、図4に示す実施の形態のオープンカバー104は、用紙収納部151から発行口109に連絡する発行経路153aの部分に至る領域を覆う第1のオープンカバー104bと、この第1のオープンカバー104bとは別体で設けられ、台紙排出口108に連絡する台紙排紙経路153bを覆う第2のオープンカバー104aとを、有している。そして、発行口109は、第1のオープンカバー104bの端部と第2のオープンカバー104aの端部との間の空間に形成されている。
【0031】
第2のオープンカバー104aは、基部131と、左右一対のアーム132と、ローラ保持体133とを有している。基部131は、ベースハウジング103に回転自在に取り付けられている。ローラ保持体133は、基部131に左右一対のアーム132で連結されている。基部131の回転支点(図示せず)は、ベースハウジング103において、オープンカバー104の回転支点であるヒンジ107と反対側の端部に配置されている。第2のオープンカバー104aは、アーム132で相互に連接された基部131とローラ保持体133との間の空間に台紙排出口108を形成している。したがって、図1〜図3に示す実施の形態では、オープンカバー104の先端部とベースハウジング103との間に台紙排出口108が形成されているのに対して、図4に示す実施の形態では、第2のオープンカバー104aに台紙排出口108が形成されている。
【0032】
ローラ保持体133は、ピンチ機構162を着脱自在に保持している。以下、ピンチ機構162について説明する。ここでは、図4に示す実施の形態のピンチ機構162について説明するが、ピンチローラ160及びコイルバネ161を着脱するためのピンチ機構162の基本的な構造については、図1〜図3に示す実施の形態も共通性を有している。したがって、以下の説明は、図1〜図3に示す実施の形態においても同様に適用されるピンチ機構162の説明である。
【0033】
図5は、図4のV−V線に沿ったローラ保持体133と軸ホルダ163との縦断側面図である。なお、図5には、軸ホルダ163に対して紙面の手前側に位置するコイルバネ161が二点鎖線で示されている。ローラ保持体133と軸ホルダ163とは、ピンチローラ160の着脱構造を構成している。ピンチ機構162は、ピンチローラ160の支軸160aを保持する一対の軸ホルダ163を有している。軸ホルダ163には、支軸160aが圧入されており、軸ホルダ163は、支軸160aに対して回転しない。軸ホルダ163は、円筒形状を基本としている。軸ホルダ163は、ストッパ164と爪部165とを有している。ストッパ164と爪部165とは、軸ホルダ163の円筒外周面から相互に同一方向に突出している。爪部165は、爪165aを有している。爪165aは、ストッパ164及び爪部165の延出方向と直交する方向で見た軸ホルダ163の直径から、はみ出す。軸ホルダ163は、可撓体165bを有し、この可撓体165bが、爪165aを軸ホルダ163の本体部分に連結している。軸ホルダ163は、例えば樹脂モールド品であり、可撓体165bを撓ませることができる程度の柔軟性を有している。
【0034】
ローラ保持体133は、その裏面側から軸ホルダ163を抜き差し自在に保持する抜差部166を有している。即ち、抜差部166は、ハウジング102に設けられている。詳細には、抜差部166は、オープンカバー104のうち第2のオープンカバー104aに設けられている。抜差部166には、抜差孔166aが形成されており、抜差孔166aに軸ホルダ163が差し込まれる。抜差部166における軸ホルダ163の抜き差し方向は、プラテンローラ156に対するピンチローラ160の変位可能方向である。抜差孔166aの径は、軸ホルダ163の直径と略同一の寸法である。軸ホルダ163は、爪部165を撓ませることによって抜差部166に抜き差し自在である。別の言い方をすると、爪部165は、軸ホルダ163に設けられ、抜差部166に軸ホルダ163が差し込まれると軸ホルダ163をその抜き差し方向に変位可能にする状態で抜差部166に弾発的に引っ掛かり、且つ当該引っ掛かりを解除可能である。ピンチ機構162(爪部165)は、オープンカバー104における第2のオープンカバー104aの表面側から爪部165の引っ掛かりを解除可能である。別の言い方をすると、爪部165は、ハウジング102の外側から抜差部166に対する引っ掛かりを解除可能である。
【0035】
ローラ保持体133は、係合部167を有している。係合部167には、抜差部166に差し込まれた軸ホルダ163の爪165aが引っ掛かる。軸ホルダ163が抜差部166に差し込まれるに際して弾性変形して撓んだ可撓体165bは、爪165aが係合部167にまで至ると撓みから開放されて初期状態に復元する。この状態では、爪165aが係合部167に引っ掛かり、軸ホルダ163が抜け止めされる。
【0036】
また、ローラ保持体133は、当接部168を有する。爪165aが係合部167に引っ掛かった状態で、当接部168は、ストッパ164に僅かな隙間を開けて対面する。抜差部166に抜け止めされた状態の軸ホルダ163は、ストッパ164と当接部168との間の隙間分だけ抜差部166の内部で変位可能である。この変位量は、プラテンローラ156に対するピンチローラ160のストローク量を規定する。
【0037】
更に、ローラ保持体133には、露出孔169が形成されている。露出孔169は、係合部167が位置する空間をローラ保持体133の表面側に露出させる。したがって、露出孔169は、ローラ保持体133の表面側に、係合部167に引っ掛かっている爪165aを露出させることができる。そこで、作業者は、ローラ保持体133の表面側からの操作でその爪165aを押せば、係合部167に対する爪165aの引っ掛かりを解除し、軸ホルダ163を抜差部166から引き抜くことができる。この場合の軸ホルダ163の引き抜きは、ローラ保持体133の裏面側から行われる。
【0038】
図6は、第2のオープンカバー104aを裏面側から見た斜視図である。ローラ保持体133には、一対のピンチローラ160が配置されている。これらのピンチローラ160には、支軸160aが挿入されており、これらのピンチローラ160は、支軸160aに対して回転自在である。別の言い方をすると、支軸160aは、ピンチローラ160をプラテンローラ156に対する連れ回り可能に支持する。そこで、ピンチローラ160は、支軸160aが圧入された軸ホルダ163が抜差部166に差し込まれることによって、ローラ保持体133に回転自在に取り付けられる。ピンチローラ160が取り外された後のローラ保持体133は、図7に示すようになる。
【0039】
図7は、ローラ保持体133からピンチローラ160を取り外した状態の第2のオープンカバー104aをその裏面側から見た斜視図である。ローラ保持体133において、ピンチローラ160が取り外されると、付勢部材である一対のコイルバネ161が露出する。これらのコイルバネ161は、ローラ保持体133に形成された部材保持部である一対のバネ保持部170に保持されている。即ち、部材保持部であるバネ保持部170は、ハウジング102に設けられている。詳細には、部材保持部であるバネ保持部170は、オープンカバー104における第2のオープンカバー104aに設けられている。バネ保持部170は、軸ホルダ163を抜き差し自在に保持する抜差部166よりも外側に配置されている。コイルバネ161は、バネ保持部170に対して着脱自在であり、バネ保持部170と支軸160aとに挟持されてピンチローラ160にプラテンローラ156への押圧力を付与する。抜差部166に軸ホルダ163が装着されると、バネ保持部170は、軸ホルダ163に圧入されている支軸160aに当接する。以上説明したローラ保持体133には、ピンチローラ160及びコイルバネ161が着脱自在であり、ローラ保持体133は、ピンチローラ160が取り外されることによってコイルバネ161の取り替えを可能にする保持部として機能する。
【0040】
前述したように、軸ホルダ163は、軸ホルダ163が抜差部166に差し込まれて爪165aが係合部167に引っ掛かった状態において、ストッパ164が当接部168に当接する範囲で可動である。ローラ保持体133にピンチローラ160が装着されると、コイルバネ161は、爪165aが係合部167に当接するまで軸ホルダ163を変位させる。ピンチローラ160は、ストッパ164が当接部168に当接する位置から爪165aが係合部167に引っ掛かる位置までの範囲でストローク可能である。このストロークによって、プラテンローラ156に対するピンチローラ160の押し当て力を確保することが可能となる。
【0041】
この際、コイルバネ161のバネレートを変更するだけで、プラテンローラ156に対するピンチローラ160の押し当て力を変更することができる。この場合、本実施の形態(図1〜図3に示す実施の形態、図4〜図7に示す実施の形態)のポータブルプリンタ101では、ピンチローラ160が取り外されることによってコイルバネ161が露出するので、コイルバネ161の交換作業が極めて容易である。
【0042】
このような構成において、図1〜図3及び図4〜図7に示すいずれのポータブルプリンタ101においても、バッテリBTからの電力供給により各部が駆動される。そして、ポータブルプリンタ101は、通信用窓118から赤外線通信によるデータ送受信を実行し、印字データを受信して図示しないメモリに蓄積する。ポータブルプリンタ101は、ロール紙Pに対して、蓄積した印字データに基づく印字を行なう。詳細には、ポータブルプリンタ101は、プラテンローラ156を回転駆動させることで、用紙収納部151に収納されたロール紙Pを搬送する。ポータブルプリンタ101は、ロール紙Pの搬送とサーマルプリントヘッド155の図示しない発熱素子の選択的な駆動とを同期させることで、蓄積する印字データに基づくロール紙Pへの印字を行なう。
【0043】
この際、図1〜図3に示すポータブルプリンタ101の場合には、ラベル用紙203を予め発行口109に通した状態でオープンカバー104を閉じると、連続発行動作を行なうことができる。図4〜図7に示すポータブルプリンタ101の場合には、ラベル用紙203を引き出して第1のオープンカバー104b及び第2のオープンカバー104aを閉じると、連続発行動作を行なうことができる。具体的には、ポータブルプリンタ101は、台紙201にサーマルプリントヘッド155による印字後のラベル202が貼付されたままのラベル用紙203を、発行口109から発行する。同様に、ロール紙Pとして伝票用紙やライナレスラベルを用いる場合にも、ロール紙Pを予め発行口109に通した状態でオープンカバー104を閉じて印字を行うことで、ポータブルプリンタ101は、サーマルプリントヘッド155による印字後のロール紙Pを発行口109より発行する。そして、このような発行形態を採用する場合には、ロール紙Pをカッタ110の刃部110aによってティアカット方式で切断することができる。
【0044】
また、ロール紙Pとしてラベル用紙203を用いる場合には、ポータブルプリンタ101は、剥離発行動作を行なうことができる。詳細には、図1〜図3に示すポータブルプリンタ101の場合、ラベル用紙203を用紙収納部151に収納し、収納したラベル用紙203を台紙排出口108の方向に引き出した状態でオープンカバー104を閉じると、剥離発行動作を行なうことができる。図4〜図7に示すポータブルプリンタ101の場合には、収納したラベル用紙203を引き出して台紙排出口108を通して第1のオープンカバー104b及び第2のオープンカバー104aを閉じると、剥離発行動作を行なうことができる。具体的には、ポータブルプリンタ101は、印字動作を行うことでラベル用紙203の台紙201を台紙排出口108から排出する。ポータブルプリンタ101は、台紙201に貼付されているラベル202を、サーマルプリントヘッド155による印字後にラベル剥離板159によって台紙201から剥離して発行口109より発行する。
【0045】
ここで、ポータブルプリンタ101は、ラベル剥離板159によって屈曲させた案内経路153を介してプラテンローラ156にピンチローラ160を押し当て、印字済みラベル202の剥離発行を行なう。このような構造上、バッテリBTによる駆動という電力量が制限された状況下で、台紙201に対するラベル202の接着力が比較的に強いラベル用紙203を用いたような場合、正常に剥離発行できないことがある。印字速度確保の目的から、通常、コイルバネ161のバネレートはそのような例外的なラベル用紙203に適合しておらず、そのようなラベル用紙203に対してはプラテンローラ156に対するピンチローラ160の押し当て力が不足するからである。
【0046】
そこで、台紙201に対するラベル202の接着力が比較的に強いラベル用紙203を用いる場合には、コイルバネ161は、高いバネレートを有するコイルバネ161に交換される。コイルバネ161は、前述したように、ピンチローラ160が取り外されることによって露出するので、コイルバネ161の交換作業が極めて容易である。また、作業者が、ピンチローラ160を取り外すには、ローラ保持体133を開き、その表面側に形成されている露出孔169に露出する軸ホルダ163の爪165aを押す。すると、爪165aが係合部167から脱落するので、後は、作業者はローラ保持体133の裏面側から軸ホルダ163を引き抜けば良い。こうすることで、ローラ保持体133の裏面側においてコイルバネ161が露出するので、作業者は、バネ保持部170からコイルバネ161を取り去り、適当なバネレートを有するコイルバネ161に交換する。そして、作業者が、爪165aが係合部167に引っ掛かるまで抜差部166に軸ホルダ163を差し込めば、コイルバネ161の交換作業が完了する。したがって、作業者は、極めて容易にコイルバネ161を交換することができる。
【0047】
以上のようにすることで、標準的なラベル用紙203を用いる限りは印字速度の低下を生じさせることなく、台紙201に対するラベル202の接着力が比較的に強い例外的なラベル用紙203を用いる場合でもラベル202の剥離発行不良を生じさせないようにすることができる。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態によれば、台紙排紙経路153bを開閉可能なオープンカバー104を開くことによってピンチローラ160を容易に着脱することができ、ピンチローラ160を取り外すことによってコイルバネ161を容易に交換することができる。したがって、標準的なラベル用紙203を用いる限りは印字速度の低下を生じさせることなく、台紙201に対するラベル202の接着力が比較的に強い例外的なラベル用紙203を用いる場合にはコイルバネ161をバネレートが高いものに交換し、ラベル202の剥離発行不良を生じさせないようにすることができる。即ち、本実施の形態によれば、ラベル用紙203の種類に応じてコイルバネ161を交換することができるので、ラベル用紙203に応じて印字速度の不良又はラベル202の剥離発行不良を生じさせないようにすることができる。
【0049】
ここで、上述のポータブルプリンタ101を別の言い方ですると下記の通りである。ポータブルプリンタ101は、ハウジング102と、プラテンローラ156と、サーマルプリントヘッド155と、ラベル剥離板159と、ピンチ機構162と、を備える。ハウジング102は、ベースハウジング103と、オープンカバー104と、を有する。ベースハウジング103は、ロール状に巻回された長尺状の用紙であるロール紙Pを収納する用紙収納部151とバッテリBTを収納するバッテリ収納部152とを有する。オープンカバー104は、ベースハウジング103に用紙収納部151を覆うように開閉自在に取り付けられている。ハウジング102は、ベースハウジング103とオープンカバー104との間に用紙収納部151に収納されたロール紙Pの案内経路153を形成する。プラテンローラ156は、案内経路153中に配置されて、回転することで案内経路153中のロール紙Pに搬送力を与える。サーマルプリントヘッド155は、案内経路153を介してプラテンローラ156に当接し、案内経路153を案内搬送されるロール紙Pに印字を行なう。ラベル剥離板159は、サーマルプリントヘッド155の下流側で案内経路153を屈曲させて台紙排紙経路153bを形成する。ピンチ機構162は、ラベル剥離板159よりも下流側で案内経路153を介してプラテンローラ156に連れ回り可能にピンチローラ160を当接させる。ピンチ機構162は、軸ホルダ163と、抜差部166と、軸ホルダ163に形成された爪部165と、付勢部材であるコイルバネ161と、を有する。軸ホルダ163は、ピンチローラ160の支軸160aを保持する。抜差部166は、プラテンローラ156に対するピンチローラ160の変位可能方向に沿って台紙排紙経路153bを開閉可能なオープンカバー104の裏面側から、軸ホルダ163を抜き差し自在に保持する。爪部165は、抜差部166に軸ホルダ163が差し込まれると軸ホルダ163をその抜き差し方向に変位可能にする状態でオープンカバー104に弾発的に引っ掛かり、且つ当該引っ掛かりを解除可能である。コイルバネ161は、台紙排紙経路153bを開閉可能なオープンカバー104に対して着脱自在である。コイルバネ161は、オープンカバー104に取り付けられたピンチローラ160によって力を蓄えた状態で保持されてピンチローラ160にプラテンローラ156への押圧力を付与する。
【0050】
なお、更に別の実施の形態として、部材保持部であるバネ保持部170と抜差部166とが、オープンカバー104ではなく、ベースハウジング103に設けられていても良い。即ち、ベースハウジング103に、バッテリBTを収納するバッテリ収納部152と、ラベル用紙203を収納する用紙収納部151と、部材保持部であるバネ保持部170と、抜差部166とが設けられ、且つ、オープンカバー104は、ベースハウジング103との間に用紙の案内経路153を形成し、開いた状態でピンチローラ160を露出させるものであってよい。勿論この場合においても、ポータブルプリンタ101は、上記のラベル剥離板159を備えていて良い。
【0051】
なお、本発明は、上記実施の形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【符号の説明】
【0052】
102 ハウジング
103 ベースハウジング
104 オープンカバー
104a 第2のオープンカバー
104b 第1のオープンカバー
133 ローラ保持体(保持部)
151 用紙収納部
152 バッテリ収納部
153 案内経路
153b 台紙排紙経路
155 サーマルプリントヘッド
156 プラテンローラ
159 ラベル剥離板
160 ピンチローラ
160a 支軸
161 コイルバネ(付勢部材)
163 軸ホルダ
165 爪部
166 抜差部
170 バネ保持部(部材保持部)
201 台紙
202 ラベル
203 ラベル用紙(用紙)
BT バッテリ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】特開平8−300740号公報
【特許文献2】特開平11−171155号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに回転自在に設けられ、台紙と前記台紙に貼付されたラベルとを有するラベル用紙を、回転することで搬送するプラテンローラと、
前記プラテンローラに対向し、前記プラテンローラによって搬送される前記ラベル用紙のラベルに印字を行なうサーマルプリントヘッドと、
用紙搬送方向における前記サーマルプリントヘッドの下流側で前記プラテンローラに対向し、前記台紙を前記プラテンローラとで挟持し、前記台紙を介して前記プラテンローラに連れ回りして前記台紙を搬送するピンチローラと、
前記ピンチローラを前記プラテンローラに対する連れ回り可能に支持する支軸と、
前記支軸を保持する軸ホルダと、
前記ハウジングに設けられ、前記軸ホルダを抜き差し自在に保持する抜差部と、
前記軸ホルダに設けられ、前記抜差部に前記軸ホルダが差し込まれると前記軸ホルダをその抜き差し方向に変位可能にする状態で前記抜差部に弾発的に引っ掛かり、且つ当該引っ掛かりを解除可能な爪部と、
前記ハウジングに設けられた部材保持部と、
前記部材保持部に対して着脱自在であり、前記部材保持部と前記支軸とに挟持されて前記ピンチローラに前記プラテンローラへの押圧力を付与する付勢部材と、
を備えるポータブルプリンタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、
前記ラベル用紙を収納する用紙収納部を有するベースハウジングと、
前記部材保持部及び前記抜差部が設けられ、前記ベースハウジングに開閉自在に取り付けられ、前記ベースハウジングとの間に前記ラベル用紙の案内経路を形成するオープンカバーと、
を備える、請求項1に記載のポータブルプリンタ。
【請求項3】
用紙搬送方向で前記サーマルプリントヘッドの下流側に配置され、前記案内経路を屈曲させて台紙排紙経路を形成するラベル剥離板を備える、請求項2に記載のポータブルプリンタ。
【請求項4】
前記オープンカバーは、前記台紙搬送経路を開閉する部分と他の部分とが別体に形成されている、請求項3に記載のポータブルプリンタ。
【請求項5】
前記オープンカバーは、前記台紙排紙経路を開閉する部分と他の部分とが一体に形成されている、請求項3に記載のポータブルプリンタ。
【請求項6】
前記ベースハウジングは、バッテリを収納するバッテリ収納部を有し、
当該ポータブルプリンタは、前記バッテリから供給される電力によって駆動される、請求項2に記載のポータブルプリンタ。
【請求項7】
前記爪部は、前記ハウジングの外側から前記抜差部に対する引っ掛かりを解除可能である、請求項2に記載のポータブルプリンタ。
【請求項8】
前記ハウジングは、
前記ラベル用紙を収納する用紙収納部と前記部材保持部と前記抜差部とが設けられたベースハウジングと、
前記ベースハウジングに開閉自在に取り付けられ、前記ベースハウジングとの間に用紙の案内経路を形成するオープンカバーと、
を備える、請求項1に記載のポータブルプリンタ。
【請求項9】
用紙搬送方向で前記サーマルプリントヘッドの下流側に配置され、前記案内経路を屈曲させて台紙排紙経路を形成するラベル剥離板を備える、請求項8に記載のポータブルプリンタ。
【請求項10】
前記ベースハウジングは、バッテリを収納するバッテリ収納部を有し、
当該ポータブルプリンタは、前記バッテリから供給される電力によって駆動される、請求項8に記載のポータブルプリンタ。
【請求項11】
台紙と前記台紙に貼付されたラベルとを有するラベル用紙を、回転することで搬送するプラテンローラと、
前記プラテンローラに対向し、前記プラテンローラによって搬送される前記ラベル用紙のラベルに印字を行なうサーマルプリントヘッドと、
用紙搬送方向における前記サーマルプリントヘッドの下流側で前記プラテンローラに対向し、前記台紙を前記プラテンローラとで挟持し、前記台紙を介して前記プラテンローラに連れ回りして前記台紙を搬送するピンチローラと、
前記ピンチローラに前記プラテンローラへの押圧力を付与する付勢部材と、
前記ピンチローラ及び付勢部材が着脱自在であり、前記ピンチローラが取り外されることによって前記付勢部材の取り替えを可能にする保持部と、
を備えるポータブルプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−84059(P2011−84059A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96884(P2010−96884)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】