マイクロアレイ撮像システムおよび関連した方法
マイクロアレイのイメージを作る装置および方法が提供される。本装置は、マイクロアレイの方へ光を向けるように構成された少なくとも1つの光源を含む。本装置は、この光を、第1の周波数帯域内にフィルタ処理してダイクロイック・ミラーの方へ向けるように構成された励起フィルタを含む。ダイクロイック・ミラーは、光をマイクロアレイに反射して、マイクロアレイが電磁エネルギーを放射するようにする。本装置は、この電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された放射フィルタを含む。本装置は、さらに、電荷結合デバイス(CCD)を有する撮像ユニットを含み、このCCDは、ピンホール・ブラインドが放射フィルタから電磁エネルギーを受け取ったときマイクロアレイ全体のイメージが作られるように、撮像表面をピンホール・ブラインドでマスクされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、「Simple Imaging System for Applications of Microarrays at Points of Use」という名称の2006年3月9日に出願された米国特許仮出願第60/780,616号の先行出願日の利益を主張し、この出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
解析マイクロアレイは、一般に、研究および他の用途のための市販解析ツールとして機能する。そのようなツールは、分子実体、特に核酸、蛋白質、炭化水素、脂質および無数の特定または一般結合配位分子の多種多様な特定の相互作用および特性を調べる。マイクロアレイは、全体的なサイズがいろいろであるが、多くの場合に約1平方センチメートルから1平方インチである。マイクロアレイは、きちんと配列されアドレス指定された位置、またはセル、またはフィーチャ(feature)を含み、各フィーチャは同一プローブ実体の物理的に付けられた豊富なコピーを有している。長方形アレイは、約25の別個のフィーチャ(5×5の場合のような)程度から2,500,000の別個のフィーチャ(1600×1600の場合のような)程度に及ぶことがあり、フィーチャ寸法(直径または正方形の辺)は1mmから1μmに及ぶ。
【0003】
一般に、マイクロアレイは、プローブ実体の手操作またはロボット堆積によって、指定されたフィーチャ位置に製作または製造されるか、または代わりに、プローブ実体が、光化学リソグラフィプロセスを使用してアレイの特定のフィーチャ位置に同時に新たに合成されることがある。また、プローブの新しい拡大または修正が、中間プローブ構造物の固有の特性または一般化学的または生物化学的特性を利用して、プローブ実体を適合させるために使用されることがある。
【0004】
いったん組み立てられると、マイクロアレイは、一般に表面−溶液界面の媒体でアレイと物理的に接触させられた分子ターゲットの単純なまたは複雑な混合物との特定または非特定の相互作用を解析するための多重プラットフォームである。ターゲット実体は、固定プローブ・アレイとターゲット混合物の相互作用前または後に、ビオチンのような蛍光タグまたは中間結合素子のように、一般的にまたは特別に標識(label)を付けられる。もしくは、アレイ全体にわたった位置固有の相互作用が、固定アレイ表面のプローブ実体に関連した標識の、ターゲットまたは配位子により誘起された変化によって監視されることがある。
【0005】
蛍光標識(fluorescent label)の特定の状況では、光学撮像は、アレイ全体にわたってフィーチャごとに、ターゲット−プローブ相互作用の程度を定量的に推定するための道筋を与える。複数蛍光標識は、同じプローブ位置での異なるターゲット実体間の相互作用の相対的な程度を評価する機会を与える。
【0006】
長方形マイクロアレイのフォーマットおよび原理の顕著な変化は、浮遊微小球の利用である。この構成では、各球は、1つまたは複数の蛍光標識を一意的に付けられ、球表面についての相互作用解析用の固有のプローブ実体を与える。例として、テキサス州オースティンのLuminax社は、そのような浮遊微小球システムを提供している。
【0007】
微小球の浮遊複合混合物は、処理された表面への二次的結合に対するアフィニティ・マーカを持つ特定のターゲット実体と相互作用するプローブによって分離されることがある。さらに、プローブは、常磁性ビーズを分離することができる。例として、カリフォルニア州カールスバードのInvitrogen社は、ブランド名Dynabeads(登録商標)のもとで常磁性ビーズを提供している。混合物から分離されるビーズの区別は、ビーズに埋め込まれた染料標識の蛍光サインに基づき、アレイ表面または無秩序表面に沈殿されたビーズを走査すること、または、浮遊している個々のビーズの直接フロー・サイトメトリ(flow cytometry)によっている。
【0008】
蛍光マイクロアレイ・イメージ・データの収集は、一般に、マイクロアレイ・フィールド全体にわたってピクセルごとにサンプリングするために、正確な機械ステージ移送制御および共焦点エピ蛍光測定を用いた機械的および光学的に精巧な計測を使用して行われる。最も多くの場合、各ピクセル位置で蛍光信号の光検出器測定を行うための短い停止時間の間に十分な励起照明を実現するために、1つまたは複数のレーザが使用されることがある。このシステムは、非常に高価であり、一般に約2万2千ドル〜18万ドルである。
【0009】
そのような走査型検出器システムは、単一アレイまたは解析用の複数アレイの自動装着のために、または、普通のマイクロタイタ・トレイ(microtiter tray)にアレイを高スループット機械位置決めするために−1トレイ当たり最高96マイクロアレイ−利用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在、前述の制限のまったく無い簡略化されたより経済的な構造が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の例示の実施形態は、マイクロアレイのイメージを作るための装置に向けられる。本装置は、ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有するマイクロアレイの方へ光を向けるように構成された少なくとも1つの光源を含む。本装置は、光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された励起フィルタと、第1の周波数帯域内の光をマイクロアレイに反射して、マイクロアレイに、ターゲットによって活性化された標識から、ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させるように構成されたダイクロイック・ミラーとを備える。本装置は、電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された放射フィルタを含む。本装置は、さらに、電荷結合デバイス(CCD)を含む撮像ユニットを含み、このCCDは、ピンホール・ブラインドが放射フィルタから電磁エネルギーを受け取ったときマイクロアレイ全体のイメージが作られるように、ピンホール・ブラインドによって撮像表面をマスクされている。
【0012】
本発明の他の例示の実施形態は、マイクロアレイのイメージを作る方法に向けられる。本方法は、ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有するマイクロアレイの方へ光を向け、この光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理する。この光は、第1の周波数帯域でマイクロアレイに反射されて、マイクロアレイに、ターゲットによって活性化された標識から、ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させる。本方法は、さらに、電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理し、マイクロアレイ全体のイメージを、ピンホール・ブラインドによって撮像表面をマスクされたCCD上に形成する。
【0013】
理解されるべきことであるが、本発明についての上述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、本発明の例示であり、本発明を限定しない。
【0014】
本発明およびそれの付随した有利点の多くの完全な理解は、添付の図面に関連して考察される以下の詳細な説明を参照してより適切に解釈されるようになるときに、容易に得られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、とりわけ、個々の部品またはモジュールから形成される独立型の方法および装置および、全体として現場でほぼ実時間マイクロアレイ解析を可能にするターンキーシステムの部品としての撮像システムを提供する。さらに、これらの部品およびシステムには、当業者によって認められるように、この用途を超えた用途がある可能性がある。同様に、これらの部品およびシステムの設計および動作は、製造および応用においてさらなる小型化および改善をもたらす。
【0016】
例示の実施形態では、本撮像システムは、レンズ無しエピ蛍光撮像システムに影響を与え、高度なイメージ・デコンボリューション方法を使用する。結果として得られる方法および装置は、ゲノム・マイクロアレイの現場でのほぼ実時間解析に適したイメージ・データ収集システムを実現する。用途は、医療診断に限定されない。というのは、当業者は監視およびスクリーニング、危険度評価および縦追跡における用途を認めるであろうからである。獣医、農業、環境および生物兵器防衛の用途は、しばしば、本明細書で説明される進歩によって十分に満たされる頑丈で可動な野外能力を必要とする。以下で説明されるシステムは、近視野蛍光、ルミネセンス、および明視野反射撮像用途のより広い範囲全体にわたって容易に応用され、これらについての説明は、ここでは、簡潔にするために省略される。
【0017】
全アレイ撮像
図1は、例示の実施形態に従った撮像システムの高レベルのブロック図である。本システムは、全体的に100と示され、電荷結合デバイス(CCD)2、ピンホール・アパーチャ4、発光ダイオード(LED)照明アレイ6、およびマイクロアレイ8を含む。動作中に、CCD2は、マイクロアレイ8のターゲットが活性化されたときマイクロアレイ8のイメージを取り込む。例えば、LED照明アレイ6がマイクロアレイ8を照明してマイクロアレイ8のターゲットを活性化する。マイクロアレイ8の活性化されたターゲットから放射された光は、CCD2の方へ向かってピンホール・アパーチャ4を通過する。
【0018】
例示のCCD2は、高分解能電荷結合デバイス(CCD)であり、単一露出でマイクロアレイ8の同時イメージを生成する。CCD2は、撮像ピクセルとして働く連結された、すなわち結合された光敏感キャパシタのアレイを含む集積回路から成るイメージ・センサである。
【0019】
この例示のCCD2は、マイクロアレイ8のイメージを取り込むとき、マイクロアレイ8をオーバーサンプリングする。CCD2は、CCD2の撮像ピクセルの数がマイクロアレイ・イメージの別個のフィーチャの数を超えるとき、マイクロアレイをオーバーサンプリングする。マイクロアレイのフィーチャ当たりの撮像ピクセルの数は、オーバーサンプリング比と呼ばれる。例示の実施形態では、オーバーサンプリング比は、マイクロアレイのフィーチャ当たり16(4×4)から100(10×10)の連続したCCD2撮像ピクセルに及ぶ。
【0020】
例として、1cm2に100×100=10,000の別個のフィーチャとして組み立てられたマイクロアレイは、約100μmの直径(正方形の辺)のフィーチャを有している。500×500=250,000の撮像ウェル(ピクセル)を含む1cm2のCCD面積に映されたそのようなマイクロアレイのイメージは、マイクロアレイ・フィーチャ当たりのCCDピクセルの許容可能な25:1オーバーサンプリング比を実現する。そのような最密20μmピクセルを含むCCDは、今日、民生用、プロ用および科学用のカメラおよび撮像デバイスで一般に使用されている。約300万個の15μピクセルを含む1インチ平方CCDは、例えば10,000フィーチャ・アレイのほぼ300:1オーバーサンプリング、または6μm直径(正方形の辺)の約100,000フィーチャを含む1cm2アレイの25:1サンプリングを可能にする。
【0021】
可能なデータ・オーバーサンプリングの広い範囲は、CCD撮像デバイスに投影されたマイクロアレイ・イメージのデータ収集を様々な倍率で最適化する機会を提供する。
【0022】
デジタル・オーバーサンプリング原理によって、データ収集および解析システムは、マイクロアレイおよびCCD撮像アレイをそれぞれ画定するフィーチャおよびピクセルの長方形格子の小さな位置合せ不良を許容することができるようになる。このモデルは、回転マトリックス変換のようなイメージ処理技術が実質上の位置合せを達成することができるようになるのに十分なデータ密度を与える。したがって、オーバーサンプリングの容易さによって、生イメージ・データの処理が、従来のマイクロアレイ走査システムの精密な機械的位置決めおよび方向付け制御に取って代わることができるようになる。
【0023】
例示の実施形態では、CCDセンサを含むデジタル・カメラが、マイクロアレイの撮像のために使用される。撮像に適したデジタル・カメラおよびCCDについての議論は、HanVision製品シート(2004)HVDUO−FoveonX(登録商標)CMOSカラー・イメージ・センサを備える10Mデジタル・カラー・カメラ、およびOptronics製品シート−QuantiFIRE顕微鏡用最新科学級(冷却)CCD撮像(Advanced Scientific Grade[cooled]CCD Imaging for Microscopy)に見出され、これらの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
レンズ無し撮像
今日使用されているマイクロアレイ走査装置は、共焦点顕微鏡光学を利用してアレイに撮像されるべき局部領域の面に励起(レーザ)光を集束させ、かつ同じ小さなサンプル場所から放射された蛍光光を取り戻す。このことは、アレイの面への光路の集束を保証するようにアレイのx−y面を横切っておよび垂直なz軸方向に走査移動することに、機械的並びに光学的な複雑さを含んでいる。例示の実施形態では、図1に示されるような微小なピンホール・アパーチャ4が、精密な機械的移送制御および精巧な顕微鏡光学部品の代わりに使用される。
【0025】
イメージ分解能は、ピンホール・アパーチャ4の寸法に逆比例する。例えば、ピンホール・アパーチャ4の直径が減少するとき、アパーチャに入る光はより鋭い角度で曲げられるので、イメージ分解能は高くなる。例示の実施形態では、ピンホールは、レーザを使用して薄い箔に約1から数100μmの大きさの穴を開けて容易に製造される。この範囲の下限は、上で開示された寸法および撮像仕様と一致している。物理的および機械的な簡単さは別にして、ピンホール・アパーチャ方式は異常な被写界深度の有利点を与え−アレイ表面からアパーチャを通り抜けて撮像CCDまでの物理的な距離の小さな変化は、イメージの焦点特性に影響を及ぼさない。
【0026】
アパーチャ・サイズの最小化は、2つの効果を有している。第1に、CCD上にアレイの量的なイメージを生じさせるのに十分な光を利用できるために、小さなアパーチャ・サイズほど、アパーチャの面積に逆比例して露出時間の増加を必要とする。第2に、ピンホール・アパーチャは、アパーチャを通過する光を回折させて、結果として得られるイメージにぼけパターンを生じさせる。
【0027】
回折のぼけ効果は、生デジタルCCDイメージにおいて、イメージ処理に任意の望ましいデコンボリューション技術を使用して補正される。デコンボリューションは、イメージからぼけ効果を除去するプロセスである。例示の実施形態では、デコンボリューションは、生デジタルCCDイメージのフーリエ変換に点広がり関数(PSF)のフーリエ変換を掛け、かつその積の逆フーリエ変換を行うことによって達成される。PSFは、アパーチャを通ってCCD撮像面に至るまでのマイクロアレイ面の点光源の広がりを記述するモデル化関数(経験的または理論的な)である。デコンボリュージョン法は、以下の式で示される。
f(x)は信号xのフーリエ変換を表し、一方で、f−1(ω)は信号ωの逆フーリエ変換を表すとする。Rは、CCD撮像面上の受け取られたコンボリュート・イメージである。Yは、PSFを表す信号である。したがって、f(R)は、受け取られたイメージのフーリエ変換であり、一方で、f(Y)はPSFのフーリエ変換である。受け取られたイメージとPSFのフーリエ変換積は、
f(R)・f(Y) (1)
である。Iは、ぼけの除去されたイメージを表すとする。ぼけの除去されたイメージ(すなわち、デコンボリュート・イメージ)は、フーリエ変換積(1)のイメージ逆フーリエ変換である。すなわち、
I=f−1(f(R)・f(Y)) (2)
である。
【0028】
PSFの経験的モデルは、撮像されるべきマイクロアレイの面のガラス・カバースリップ上の市販の蛍光着色微小球を撮像することによって容易に得られる。図2は、ピンホール・アパーチャを通してCCD撮像面上に回折された光の効果を示す。図2は、ピンホール・アパーチャを通って撮像面に進んだ点光源の光の結果を示す。したがって、図2は、経験的PSFを示す。理想的には、光の1つの点が撮像面に現れる筈である。しかし、ピンホール・アパーチャは光を回折するので、同心のリングが撮像面に現れる。同心リングの直径は、光の波長、ピンホールのサイズ、および撮像面までのピンホールの焦点距離に依存する。図2に示されたイメージのフーリエ変換を行うと、PSF(すなわち、f(Y))のフーリエ変換が生じる。
【0029】
例示の実施形態は、経験的PSFを決定するための蛍光点光源として、緑色(505/515)および橙色(540/560)染料標識(励起nm/放射nm)の付いた0.175μm球を含むPS−Speck(商標)顕微鏡点光源キット(Microscope Point Source Kit)を使用する。代替実施形態は、InSpeck−顕微鏡強度較正キット(Microscopy Intensity Calibration Kits)、すなわち、経験的PSFを決定するための蛍光点光源として、1つの球あたり100%、30%、10%、3%、1%、および0.3%の相対的な蛍光の付いた緑色および橙色微小球、2.5および6.0μを使用する。
【0030】
特定の撮像システムの点広がり関数を導き出し、または予測し、これをイメージ処理デコンボリュージョンに使用するためのソフトウェア実行アルゴリズムは、当業者に知られている。
【0031】
高出力LED照明
マイクロアレイ・イメージ・データ収集用の従来の高性能共焦点エピ蛍光走査システムは、プローブまたはターゲット蛍光体標識を励起しまたはマッピングするために、1つまたは複数のレーザを使用してマイクロアレイを照明する。レーザ・ビームの高強度が、1つの撮像ピクセルから次の撮像ピクセルへの連続した移動において、スキャナの短い通過期間中に十分な照明を可能にする。
【0032】
そのような共焦点マイクロアレイ走査装置の例は、英国ハンプシアのGenetix社によって製造されたaQuireシステムである。このシステムは、核酸解析で使用される普通の蛍光体を照明するために最高3つの異なるレーザ、すなわち、532nm/575nmフィルタ(Cy3、Cy3.5、Alexa 蛍石532、546、555、568、TAMRA)、639nm/695nmフィルタ(Cy5、Cy5.5、Alexa蛍石633、647、660、680、BODIPY)、488nm/535nmフィルタ(GFP、FITC、Alexa蛍石488、500、514、Cy2およびフィコエリトリン)で動作する。この共焦点システムは、5ミクロンのピクセル分解能で、1cm2当たり約1分の単位でマイクロアレイを走査することができる。
【0033】
本発明の例示の実施形態は、図1に示されるように、より低コストより長い耐用寿命の実効高出力発光ダイオード(LED)6を使用して、CCDイメージャにアレイを撮像露出する期間の間、全アレイ表面を照明する。現代のLEDデバイスは、実時間ポリメラーゼ連鎖反応(RTPCR)のような方法で標識付き核酸および蛋白質を定量的に蛍光解析するために使用されている。LEDデバイスは、レーザ・システムに比べて長い寿命、小さなエネルギーの要求、小さなサイズ、簡単な電子回路および少ない動作危険の有利点を実現する。LEDデバイスは、マイクロアレイで一般に使用される蛍光標識選択肢の範囲に適した放射波長で利用可能である。
【0034】
例として、ニュージャージ州のLamina Ceramics社によって生産される高出力LEDのようなどんな望ましい高出力LEDでも使用されることがある。図3は、7つのクラスタ(20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g)の六角形アレイを有するICチップ20を示し、各クラスタは、6個の個別LED素子の六角形アレイである。各LED素子は、LEDからの熱の直接放散を容易にするセラミック基板中に埋め込まれている。
【0035】
Lamina Ceramicsで生産されたLaminaLEDアレイのB−2000シリーズの2つの例が、470nm(青色)および530nm(緑色)波長を中心にした強い狭帯域放射を生成するので、適している。これらの波長は、特にマイクロアレイ用途および、RT−PCRおよび他の分子生化学方法に関して、核酸および蛋白質の解析で一般に使用される蛍光体から蛍光を引き出すために好都合である。表1は、特定のLEDアレイの仕様を示す。
【表1】
【0036】
オーストラリアのCorbett Roboticsは、Sybr−Green I、Fam、Tet、Joe、Vic、Max、Rox、Tamra、Cy3、Cy5、Cy5.5、Texa Redを含んだ核酸に一般に使用される染料標識を使用する多重蛍光測定のために、470nm、530nm、585nm、および625nmの励起波長(上のLaminaLEDとの対応に留意されたい)を有する複数のLEDを利用する実時間PCR装置(RotorGene−3000)を、製造している。
【0037】
LEDデバイスの性能は、(1)LEDによって生成される熱の放散および(2)撮像されるべきアレイ全体にわたった光強度分布の一様性によって、改善されることがある。例示の実施形態では、LED設計は、小さなLED素子(1mm2未満)のアレイを、デバイスから付着されたヒートシンクの伝導表面への熱の伝達を容易にするセラミック基板の中に取り付ける。
【0038】
そのようなアレイ内のLED素子の各々からの光の拡散は、光源から増加する距離のところでますます簡単なランバート分布をもたらす。
【0039】
LEDアレイと照明されるマイクロアレイの間にホログラフィ拡散体を配置することは、アレイ全体にわたっていっそう一様な照明強度を実現する。図4は、Lamina青色LEDアレイを示す。図4の上部ペインは、260μピンホール・アパーチャを通したLamina青色LEDアレイ(Nikon D70)の直接撮像を示す。下部のペインは、介在する40°円形ホログラフィ拡散体素子(ニュージャージ州、Edmond Indutrial Optics)がLEDアレイとピンホール・アパーチャの間にある状態での、同じ構成の同じLEDアレイのイメージを映す。下部ペインは、ホログラフィ拡散体がLEDアレイからの照明を一様に拡散させることを示す。したがって、個々のLEDは、目に見えない。
【0040】
例示の実施形態は、アレイの照明の最悪の場合の図示を扱うことができ、このときには、LED空洞の各々からの光拡散設計は、LED光源自体のアパーチャ集束イメージよりも遥かに広い。
【0041】
マイクロアレイ上の蛍光をマッピングする同じCCD撮像システムは、アレイ表面から反射された入射光を測定し、さらに、照明フィールドの中心点からの距離の関数として励起光レベルの変化に対してCCD蛍光イメージを計算補正することに対応するように構成されてもよい。
【0042】
完全な撮像システム100の例示の実施形態が図5に示されている。例として図5に示された、CCD撮像面116および検出器116aを有する典型的なCCDカメラは、撮像デバイスとして使用され、ピンホール・アパーチャがカメラの表面にある(取付けレンズ・システムの代わりに)。例として、アパーチャからCCD面116までの典型的な距離は約50mmであり、同等の対物距離がマイクロアレイからアパーチャまでの光路を含むように求める。
【0043】
本発明の例示の実施形態に従って、マイクロアレイ102のイメージ全体をCCD撮像面116の物理寸法内に含むために、表面114の中間ピンホール・アパーチャとアレイ面102およびCCD面116との間の物理距離は同じに保たれる。等距離からのいくらかの変化は、CCD面上のアレイのイメージの実効的な拡大または縮小を行うために活用されることがある。上で述べたように、ピンホール・アパーチャの有利点は、それの焦点特性がイメージ源からアパーチャまでの対物距離と無関係であることである。
【0044】
LED照明アレイ104は、ホログラフィ拡散体106および励起フィルタ108を通してマイクロアレイ102を照明する。上に開示されたように、ホログラフィ拡散体106は、LED照明アレイから放射される電磁放射の照明強度の一様性を高める。例として、1から2インチの動作範囲は、好都合なことに、エピ蛍光顕微鏡のほぼ1立方インチのキューブ中に取り付けられる光学フィルタ・セットの寸法と一致している。そのようなフィルタ・キューブは、照明光フィールド(この発明では、LEDアレイ104からの)の入り口としてのこのキューブの1つの面に励起帯域通過フィルタ108を備える。励起フィルタ108は、望ましい波長の照明光がダイクロイック・ミラー110およびマイクロアレイ102まで通過することができるようにする。入射ビームは、入射ビームに対して45度の角度で内部に取り付けられたダイクロイック・ミラー110によって、キューブの垂直な開いた面の方へ内部反射される。
【0045】
図5に示されるように、マイクロアレイ102の面は、LED照明装置104からの反射入射光を受け取る開いたキューブ面の近傍に一列に並んで配置されている。マイクロアレイ表面102に局在する蛍光ターゲット102aは、特定の蛍光体の放射波長特性を有する点光源として扱われる。照明ビームの反対方向の蛍光(キューブの中に戻る)は、同じダイクロイック・ミラー110に係合し、このダイクロイック・ミラーは、この場合、励起光よりも長い蛍光波長に対して透明である。蛍光光はキューブを出るときに、マイクロアレイ102と反対側のキューブ面にある放射帯域通過フィルタ112を通過する。この例または模型では、撮像システムの表面114のピンホール・アパーチャは、放射フィルタ112の直ぐ近傍に配置されている。
【0046】
図6および7は、本発明の例示の実施形態で使用された2つのエピ蛍光フィルタのフィルタ特性を示すグラフである。本発明の例示の実施形態に従って、ニューヨーク州のSemrock社の2つの製品−FITCおよびTRITCフィルタ・セットは、Lamina青色(470nm)(図6)および緑色(525nm)(図7)LED照明アレイと共にそれぞれ使用されることがある。表2は、これらのフィルタ・セットの特性を示す。
【表2】
【0047】
本発明の他の例示の実施形態では、検出器モデルは、同じマイクロアレイと相互作用するターゲット混合物に付いた複数の蛍光体標識を活用するように異なるフィルタ・キューブおよびLED照明装置を使用して、同じマイクロアレイを連続撮像することを含む。カラー撮像CCDアレイと共に使用するために励起および放射フィルタおよびダイクロイック・ミラーを適切に選ぶことは、また、1つよりも多い蛍光体標識の同時解析に対応することができる。
【0048】
一般的であるようなマイクロアレイが、透明なスライド・ガラスまたは好ましくは薄いガラス・カバースリップの表面上に製作される場合、アレイは、反射ミラー表面で裏打ちされることがある。この裏打ちは、アレイ表面の蛍光ターゲットを通り抜けた入射ビームの第2の通路を実現して、ターゲットの実効的な照明およびおそらくターゲットからの蛍光信号を2倍にする。また、さもなければ検出を逃れるかもしれない蛍光信号の裏面反射からの感知有利点があることがある。しかし、この後者の信号は、アレイ表面上の点光源との屈折および角度の相違のために、CCD面の蛍光イメージの品質を悪くする可能性が高い。この観念的に4倍の信号増加方法の実用性は、まだ決定されないでいる。可能なことであるが、追加のデコンボリュージョン・イメージ処理ステップまたはエピ蛍光経路中の追加の光学フィルタ処理部品の利用によって、実際的な有利点が実感されることがある。
【0049】
シャッタの無い露出制御
1つの設計上の考慮すべきことは、機械的な複雑さ(可動部分)を最小限にすることである。例示の実施形態は、試作品撮像にデジタル・カメラを使用する。代替実施形態では、高分解能CCD撮像アレイが利用され、このアレイは、より多数の撮像ピクセルと、CCD素子の暗電流およびバックグランドを下げるためのペルチエ冷却との特徴を持つ。そのような例には、デジタル・カメラ、特にSLR型のカメラを使用することに優る感知有利点がある。CCDが光学的に含まれる場合、さらにそのとき蛍光マイクロアレイが入射ビーム照明を受けている場合だけ、CCDは、フィルタ・キューブからの低強度の蛍光光にさらされるに過ぎない。ピンホール・アパーチャを通した露出は、十分な継続時間(秒から分)であると予想されるので、事実上の電子シャッタ(機械的でない)が使用されることがある。SLR内部ミラーを機械的に急に動かす代わりに、CCDへの電子信号が、残留またはバックグランド電荷蓄積からアレイをフラッシングし、実効的に光子収集を再起動することができる(事実上のシャッタ、可動部分なし)。
【0050】
コード化アパーチャ・アレイ
上で指摘されたように、天文学、顕微鏡法およびトモグラフィ撮像の分野は、デコンボリュージョン・イメージ処理を利用して、小さなアパーチャによる分解能制限回折からのぼけを明らかにしている。これらのシステムのいくつかは、単一光子放射計算トモグラフィ(SPECT)を使用するx線望遠鏡法または近視野撮像を含んで、撮像に関して光回折の影響を受けやすくない。これらの用途の方法は、発達してコード化アパーチャ・アレイを利用するようになり、その結果、撮像分解能と露出時間の減少の両方について好都合な結果となった。
【0051】
図8は、コード化アパーチャ・アレイの例示の実施形態を示す。図8の概念は、ピンホール・アパーチャのアレイ−(修正)一様冗長アレイ((M)URA)配置としてランダムなまたは擬似ランダムな−は、各アパーチャを通して見られるようにイメージ源を畳み込むか、または重畳する。マイクロアレイ中の活性化ターゲットなどの光源光8は、コード化アパーチャ・アレイ142を通って検出器144に進む。検出器144は、CCDのような任意の望ましい撮像デバイスである。
【0052】
検出器144上に結果として得られるイメージは、コード化アパーチャ・アレイを通過するコンボリュート・イメージである。検出器は複数のピンホールから光を受け取るので、結果として得られるイメージはぼかされる。どんな望ましいイメージ・デコンボリュージョン技術でも、結果として得られたイメージのぼけを除くために使用されてもよい。例えば、f(R)がコード化アパーチャ・アレイを通過した後のコンボリュート・イメージのフーリエ変換を表すとし、一方で、Mは、コード化アパーチャ・アレイの逆マスクを表し、またf(M)は、逆マスクのフーリエ変換を表す。Iがデコンボリュート・イメージに等しい場合には、
I=f−1(f(R)・f(M)) (3)
である。上の式に示されるように、コード化アパーチャ・アレイの特定の逆マスクについての知識なしに、イメージがデコンボリュートされる(すなわち、ぼけを除去される)ことはない。したがって、コード化アパーチャ・アレイの逆マスクは、イメージを暗号化するための瞬時光暗号化キーとして働く。
【0053】
例示の実施形態では、コード化アパーチャ・アレイは、それ自体の逆であるように設計される。それ自体の逆であるコード化アパーチャ・アレイを作り、かつイメージのぼけを除く方法は、Gottesman,SRおよびFenimore,EE(1989)、New family of binary arrays for coded aperture imaging、Appl.Optics 28、4344〜4352およびVanier(1973)、Improvements in coded aperture thermal neutron imaging BNL−71468−2003−CPに記載されており、これらの内容は、上で指摘された文献全てについて、参照して本明細書に組み込まれる。コード化アパーチャ・アレイについての議論は、また、Fenimore,EE(1978)、Predicted performance of uniformly redundant arrays、Appl.Optics 17、3562〜3570、Fenimore,EE(1980)、Coded aperture imaging:the modulation transfer function for uniformly redundant arrays、Appl.Optics 19、2465〜2471、Fenimore,EEおよびCannon,TM(1978)、Coded aperture imaging with uniformly redundant arrays、Appl.Optics 17、337〜347(また、同じ名称および発明者の米国特許第4,209,780号に留意されたい)、Accorsi,R(2001)、Design of near field coded aperture cameras for high−resolution medical and industrial gamma−ray imaging、Doctoral dissertation, Massachusetts Institute of Technology、Cambridge,MA、およびAccorsi,R、Gasarini,FおよびLanza,RC(2001)、A coded aperture for high resolution nuclear medicine planar imaging with a conventional Anger camera:experimental results、IEEE Trans Nuc Science 48、2411〜2417に見出され、これらの全内容は、上で指摘された文献全てについて、参照して本明細書に組み込まれる。
【0054】
コード化アパーチャ・アレイ・マスクの逆に関してのフーリエ変換ベースのコンボリュージョンは、コード化アパーチャ・アレイの個々のピンホール素子の限界寸法に近づく分解能でのイメージ再構築になる。さらに、(生)イメージのための露出時間は、マスク中のアパーチャの数に比例して減少される。
【0055】
図9は、撮像システム200の他の実施形態を示す。撮像システム200は、マイクロアレイ202(ターゲット202aを有する)、LED照明アレイ204、ホログラフィ拡散体206、および励起フィルタ208、ダイクロイック・ミラー210、および放射フィルタ212、および検出器216aを有するCCD撮像面216を含む。これらの部品の機能は、図5に示された相当部品について説明されたものと同様である。撮像システム200は、図5のピンホール・アパーチャ114の代わりにコード化アパーチャ・アレイ214を使用する。
【0056】
例示のコード化アパーチャ・アレイは、ほぼ50%の空きスペースおよび単一素子アパーチャの集光能力の22,000倍を持っている211×211素子(開いた、または閉じた)の(M)URAである。
【0057】
この発明の範囲内で、コード化アパーチャ・アレイの(M)URAまたは他の設計は、意図された用途のために、高分解能白黒またはカラー・フィルム縮小によって、印刷されたコード化アパーチャ・アレイのポジ・イメージおよび/またはネガ・イメージとして製作される。この方式は、今日使用されている一般的なデジタル・プリンタの分解能限界(1400ディー・ピー・アイ(dpi)で25格子(g))を超えて、普通のマイクロフィルム/マイクロフィッシュ基板のより微細な分解能(1から5μ)になる。
【0058】
この発明のコード化アパーチャ・アレイの世代の基板としてマイクロフィルムを利用することは、MEMS製造におけるフォトリソグラフィ・マスクの製造の低コスト方法と似ている。MEMSについての説明は、Dotson,NA、Kim,PT、およびMason,A(2004)、Low cost MEMS processing techniques、Proceedings of the 2004 ASEE/NCS Spring Conference、4月(2004年)に与えられており、これの全内容は、参照して本明細書に組み込まれる。
【0059】
さらに、アパーチャ・マスクを生成するためのカラー透明膜の使用は、この発明の領域内で、さもないとアパーチャ・アレイの透明な空きスペースによる光(放射)フィルタ処理の主要なまたは二次的な一体化の機会を与える。
【0060】
この一体化は、主題の発明並びに他の用途のためにこれらの部品を生産するための経済的に成り立つ品質の保証された道筋として想像される。また、指摘されることであるが、特定のマイクロアレイの製造で使用されるフォトリソグラフィ・マスクは、本質的に、この発明の範囲内で想像されるコード化アパーチャ・アレイ設計と同様な縮小比および複雑さである。
【0061】
生イメージ・データの決定特性情報への変換
本発明の例示の実施形態に従って、どんな望ましいCPUプロセッサでも、任意の望ましいインタフェースを介してCCDに接続される。CPUプロセッサは、PSF経験的モデルおよびコード化アパーチャ・アレイ用の逆マスクを格納する記憶装置を備える。CPUは、CCD、コード化アパーチャ・アレイのPSF経験的モデルまたは逆マスクによって取り込まれた任意のイメージに対して、フーリエ変換を行うソフトウェアまたはファームウェア、または任意の他の望ましいアルゴリズムを実行する。
【0062】
同様に、当業者は認めることであろうが、プログラマブル論理ASICS、パーソナル・コンピュータ、その他のような任意の数のデータ・プロセッサが使用されることがある。例示の実施形態は、CCD、コード化アパーチャ・アレイのPSF経験的モデルまたは逆マスクによって取り込まれた任意のイメージに対してフーリエ変換または任意の他の望ましいアルゴリズムを計算するために、撮像システム内に実現されたデジタル信号プロセッサ(DSP)・チップを使用する。
【0063】
MURAアパーチャ−本体キャップの準備
図10に見られるように、標準黒色プラスチック本体キャップ240の前面が写真に撮られた。マイクロソフト・パワーポイント(PowerPoint)のデジタル・イメージが拡大され、重ね合せ円がキャップ・イメージと同じ直径に描かれた。印刷されたコピーでは、この円の幾何学的中心は、2つの割線の交点によって決定された。キャップに開口をあけるための中心を案内するために、鋭い鋼鉄パンチが使用された。ピンホール・アパーチャは240aで示されている。キャップは、木製の作業表面に締め具で固定され、さらに、キャップを貫通する穴をあけ1/32インチ刻みで中心穴を1/16インチから少しずつ拡大するために、Dremel手工具が、溶融を防止するように低速設定で使用された。最終直径は、取り付けられるべきMURA素子の直径よりもほんの少しだけ大きいように選ばれる。開口の前縁は、Dremel手工具と共に円錐砥石または1/8インチ案内ルータ・ビットを使用して面取りされる。当業者は認めることであろうが、標準カメラ本体キャップは、不可欠ではないが、都合のよい説明として使用された。
【0064】
他の例示の実施形態では、CCDデバイスは、図5に示された素子112および図6に示された素子212などのピンホール・アパーチャまたはコード化アパーチャ・アレイを有する任意の望ましい表面によってそれぞれマスクされる。ピンホール・アパーチャを有するどんな表面も、ピンホール・ブラインドと呼ばれる。
【0065】
例示の実施形態は、GottesmanおよびFenimore(1987)(上で引用された)によって与えられた明示アルゴリズム記述に従って、Mathematica(v5.2)プログラムを使用して、正方形MURAアパーチャ・アレイをデジタル・イメージとして組み立て、かつ表現する。派生的なイメージは黒−白反転によって組み立てられ、このイメージは、4インチ×6インチ寸法の白長方形の中心に置かれる。大きな長方形の中心の正方形MURAのサイズは、一般に、アレイの各正方形アパーチャ素子を0.01インチ、0.02インチ、または0.03インチで表すように調整される。合成長方形および中心に置かれたMURAイメージが黒/白ネガ・フィルム上に写真に撮られたとき(以下を参照されたい)、長方形寸法のほぼ4分の1縮小は、結果として、60μ、120μおよび240μのアパーチャ素子サイズをフィルム上にそれぞれ生じる。
【0066】
図11は、37×37素子のMURAポジ・アレイ250を示す。このアレイは、黒バックグランド250aと、白バックグランドを有する対応するネガ・アレイ250bを含む。ネガ・イメージの正方形のサイズは、ほぼ2.22、4.44および8.88mmの辺に縮小するように作られる。したがって、これらの正方形MURAイメージの対角線は、それぞれほぼ3.14、6.28および12.56mmである。次に、これらのフィルム・ネガ・イメージは、ほぼ1/8インチ、1/4インチおよび1/2インチの開口直径で、本体キャップの中心にそれぞれ置かれ、取り付けられる。
【0067】
MURAアパーチャ・アレイのフィルム・イメージ
逆MURAイメージの黒/白イメージは、緩性のIIford Delta 100(ISO100)35mm白黒ネガ・フィルムで、60mmNikkor MICROレンズを使用して写真に撮られた(Nikon N180カメラ)。印刷されたMURA逆イメージは、カメラから約40cm離れた4つの5200K写真電球の付いたコピー・スタンドで照明され、レンズ開口f8の露出速度設定が、1/120秒のグレー・カード計測速度の近くでブラケット露出された。フィルムは、コントラストを高めるように攪拌を延長して、白黒D71プロセスによって手操作で現像された。黒不透明度および白透明度として、最良の結果は、典型的にはグレー・カード計測の2から3倍の露出、−すなわちf8で約1/60秒であった。もっと長い露出は、黒の不透明度を増すが、また白アパーチャの増加するグレー・トーンおよび透明度損失をもたらす。
【0068】
図12は、HP officejet5500vによって9600dpiで走査されたネガのイメージを示す。上部ペイン260aは、1/180、1/120および1/90秒でのブラケット露出された露出をそれぞれ示す。1/120秒でのグレー・カード計測露出が、細部を示すように下部ペイン260bに拡大されている。円は、MURAイメージが取り付けられたNikon本体の1/2インチの開口を表す。
【0069】
MURAアパーチャ・アレイの選ばれたネガ・イメージは、Nikon BF−1の本体キャップの裏面の直径37.5mmの内面円の中に中心が置かれるやり方でぴったりはまるように、スライドの角が切り落とされた。40mm取付けディスクは、中心穴が本体キャップの中心開口に一致するように掘られた黒色ポリスチレン板(Evergreen Scale Models、Woodinville、VA;厚さ0.25から0.5mmの板)から切り出された。切り落とされたネガ・フィルムが本体キャップの中心に置かれ、次に、ポリスチレン・ディスクで覆われ、このポリスチレン・ディスクは、今度は、プラスチック接着剤の小滴でキャップの周囲に固定された。
【0070】
代替実施形態では、Mathematicaプログラムによって設計されたコード化アパーチャ・アレイは、任意の望ましいコンピュータ自動設計(CAD)プログラムで実現される。CADプログラムで実現された設計を使用して、コード化アパーチャ・アレイがフォトリソグラフィ・マスクにエッチングされる。フォトグラフィ・マスクは、次に、カメラの本体キャップに配置される。例示の実施形態では、フォトレジスト・マスクは、面積1cm2を有するフォトレジスト・ウェーハである。コード化アパーチャ・アレイは、ピンホールが直径100ミクロンである状態で、フォトレジスト・ウェーハの中心の3mm2の面積内にエッチングされる。
【0071】
図13は、マイクロアレイのイメージを作る例示の方法を示す流れ図である。ステップ300は、光源から光を放射する。ステップ302は、放射された光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理する。ステップ304は、第1の周波数帯域内の光をマイクロアレイ上に反射して、マイクロアレイが電磁エネルギーを放射するようにする。ステップ306は、この電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理する。ステップ307は、ピンホール・ブラインド・マスクを通して光を向ける。代替実施形態では、ステップ307は、コード化アパーチャ・アレイを有する表面を通して光を向ける。ステップ308は、マイクロアレイのイメージをCCD上に形成する。
【0072】
流れ図の中のどんなプロセス説明またはブロックも、プロセスにおいて特定の論理機能またはステップを実現する1つまたは複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、部分を表すものとして理解されるべきであり、また、代わりの実施は、含まれる機能に依存して、実質的に同時または逆の順序を含んだ、示されまたは述べられた順次と違った順序で機能が実行されることがある本発明の例示の実施形態の範囲内に含まれるが、それは当業者によって理解されるであろう。
【0073】
明らかに、本発明の容易に認識できる修正および変形は、上の教示を考慮して可能である。したがって、理解されるべきことであるが、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、本明細書で具体的に説明されたのとは違ったやり方で実施されることがある。例えば、相互に作用して協働するソフトウェアとハードウェア部品の両方に関して説明されたが、本明細書で説明されたシステムがソフトウェアで完全に実施されることがあることは考えられる。そのソフトウェアは、磁気または光ディスクのようなキャリアで、または無線周波数またはオーディオ周波数の搬送波で具体化されることがある。
【0074】
したがって、上記の議論は、本発明の例示の実施形態をただ単に開示し説明するだけである。当業者によって理解されるように、本発明は、その精神または基本的な特徴から逸脱することなしに他の特定の形で具体化されることがある。したがって、本発明の開示は、例示であり、他の特許請求項だけでなく本発明の範囲を限定しないように意図されている。本明細書の教示のどんな容易に認識できる変形も含んで、本開示は、発明の内容が大衆に捧げられることがないように上記の請求用語の範囲を部分的に定義する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】明細書で包含された本発明に従った撮像システムの例示の実施形態を示す高レベルのブロック図である。
【図2】点広がり関数(PSF)のイメージを示す図である。
【図3】図1に従ったLEDアレイのイメージを示す図である。
【図4】上部ペインに図3の点灯LEDアレイのイメージを、下部ペインに光の拡散を示す図である。
【図5】図1の撮像システムを示す拡大図である。
【図6】光学フィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
【図7】光学フィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
【図8】コード化アパーチャ・アレイを示す図である。
【図9】撮像システムのさらに進んだ例示の実施形態を示す拡大図である。
【図10】MURAアパーチャ本体キャップのイメージを示す図である。
【図11】MURAポジ・アレイおよびMURAネガ・アレイのイメージを示す図である。
【図12】逆MURAイメージの黒/白イメージを示す図である。
【図13】マイクロアレイのイメージを作る例示の方法を示す流れ図である。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、「Simple Imaging System for Applications of Microarrays at Points of Use」という名称の2006年3月9日に出願された米国特許仮出願第60/780,616号の先行出願日の利益を主張し、この出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
解析マイクロアレイは、一般に、研究および他の用途のための市販解析ツールとして機能する。そのようなツールは、分子実体、特に核酸、蛋白質、炭化水素、脂質および無数の特定または一般結合配位分子の多種多様な特定の相互作用および特性を調べる。マイクロアレイは、全体的なサイズがいろいろであるが、多くの場合に約1平方センチメートルから1平方インチである。マイクロアレイは、きちんと配列されアドレス指定された位置、またはセル、またはフィーチャ(feature)を含み、各フィーチャは同一プローブ実体の物理的に付けられた豊富なコピーを有している。長方形アレイは、約25の別個のフィーチャ(5×5の場合のような)程度から2,500,000の別個のフィーチャ(1600×1600の場合のような)程度に及ぶことがあり、フィーチャ寸法(直径または正方形の辺)は1mmから1μmに及ぶ。
【0003】
一般に、マイクロアレイは、プローブ実体の手操作またはロボット堆積によって、指定されたフィーチャ位置に製作または製造されるか、または代わりに、プローブ実体が、光化学リソグラフィプロセスを使用してアレイの特定のフィーチャ位置に同時に新たに合成されることがある。また、プローブの新しい拡大または修正が、中間プローブ構造物の固有の特性または一般化学的または生物化学的特性を利用して、プローブ実体を適合させるために使用されることがある。
【0004】
いったん組み立てられると、マイクロアレイは、一般に表面−溶液界面の媒体でアレイと物理的に接触させられた分子ターゲットの単純なまたは複雑な混合物との特定または非特定の相互作用を解析するための多重プラットフォームである。ターゲット実体は、固定プローブ・アレイとターゲット混合物の相互作用前または後に、ビオチンのような蛍光タグまたは中間結合素子のように、一般的にまたは特別に標識(label)を付けられる。もしくは、アレイ全体にわたった位置固有の相互作用が、固定アレイ表面のプローブ実体に関連した標識の、ターゲットまたは配位子により誘起された変化によって監視されることがある。
【0005】
蛍光標識(fluorescent label)の特定の状況では、光学撮像は、アレイ全体にわたってフィーチャごとに、ターゲット−プローブ相互作用の程度を定量的に推定するための道筋を与える。複数蛍光標識は、同じプローブ位置での異なるターゲット実体間の相互作用の相対的な程度を評価する機会を与える。
【0006】
長方形マイクロアレイのフォーマットおよび原理の顕著な変化は、浮遊微小球の利用である。この構成では、各球は、1つまたは複数の蛍光標識を一意的に付けられ、球表面についての相互作用解析用の固有のプローブ実体を与える。例として、テキサス州オースティンのLuminax社は、そのような浮遊微小球システムを提供している。
【0007】
微小球の浮遊複合混合物は、処理された表面への二次的結合に対するアフィニティ・マーカを持つ特定のターゲット実体と相互作用するプローブによって分離されることがある。さらに、プローブは、常磁性ビーズを分離することができる。例として、カリフォルニア州カールスバードのInvitrogen社は、ブランド名Dynabeads(登録商標)のもとで常磁性ビーズを提供している。混合物から分離されるビーズの区別は、ビーズに埋め込まれた染料標識の蛍光サインに基づき、アレイ表面または無秩序表面に沈殿されたビーズを走査すること、または、浮遊している個々のビーズの直接フロー・サイトメトリ(flow cytometry)によっている。
【0008】
蛍光マイクロアレイ・イメージ・データの収集は、一般に、マイクロアレイ・フィールド全体にわたってピクセルごとにサンプリングするために、正確な機械ステージ移送制御および共焦点エピ蛍光測定を用いた機械的および光学的に精巧な計測を使用して行われる。最も多くの場合、各ピクセル位置で蛍光信号の光検出器測定を行うための短い停止時間の間に十分な励起照明を実現するために、1つまたは複数のレーザが使用されることがある。このシステムは、非常に高価であり、一般に約2万2千ドル〜18万ドルである。
【0009】
そのような走査型検出器システムは、単一アレイまたは解析用の複数アレイの自動装着のために、または、普通のマイクロタイタ・トレイ(microtiter tray)にアレイを高スループット機械位置決めするために−1トレイ当たり最高96マイクロアレイ−利用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在、前述の制限のまったく無い簡略化されたより経済的な構造が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の例示の実施形態は、マイクロアレイのイメージを作るための装置に向けられる。本装置は、ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有するマイクロアレイの方へ光を向けるように構成された少なくとも1つの光源を含む。本装置は、光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された励起フィルタと、第1の周波数帯域内の光をマイクロアレイに反射して、マイクロアレイに、ターゲットによって活性化された標識から、ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させるように構成されたダイクロイック・ミラーとを備える。本装置は、電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された放射フィルタを含む。本装置は、さらに、電荷結合デバイス(CCD)を含む撮像ユニットを含み、このCCDは、ピンホール・ブラインドが放射フィルタから電磁エネルギーを受け取ったときマイクロアレイ全体のイメージが作られるように、ピンホール・ブラインドによって撮像表面をマスクされている。
【0012】
本発明の他の例示の実施形態は、マイクロアレイのイメージを作る方法に向けられる。本方法は、ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有するマイクロアレイの方へ光を向け、この光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理する。この光は、第1の周波数帯域でマイクロアレイに反射されて、マイクロアレイに、ターゲットによって活性化された標識から、ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させる。本方法は、さらに、電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理し、マイクロアレイ全体のイメージを、ピンホール・ブラインドによって撮像表面をマスクされたCCD上に形成する。
【0013】
理解されるべきことであるが、本発明についての上述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、本発明の例示であり、本発明を限定しない。
【0014】
本発明およびそれの付随した有利点の多くの完全な理解は、添付の図面に関連して考察される以下の詳細な説明を参照してより適切に解釈されるようになるときに、容易に得られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、とりわけ、個々の部品またはモジュールから形成される独立型の方法および装置および、全体として現場でほぼ実時間マイクロアレイ解析を可能にするターンキーシステムの部品としての撮像システムを提供する。さらに、これらの部品およびシステムには、当業者によって認められるように、この用途を超えた用途がある可能性がある。同様に、これらの部品およびシステムの設計および動作は、製造および応用においてさらなる小型化および改善をもたらす。
【0016】
例示の実施形態では、本撮像システムは、レンズ無しエピ蛍光撮像システムに影響を与え、高度なイメージ・デコンボリューション方法を使用する。結果として得られる方法および装置は、ゲノム・マイクロアレイの現場でのほぼ実時間解析に適したイメージ・データ収集システムを実現する。用途は、医療診断に限定されない。というのは、当業者は監視およびスクリーニング、危険度評価および縦追跡における用途を認めるであろうからである。獣医、農業、環境および生物兵器防衛の用途は、しばしば、本明細書で説明される進歩によって十分に満たされる頑丈で可動な野外能力を必要とする。以下で説明されるシステムは、近視野蛍光、ルミネセンス、および明視野反射撮像用途のより広い範囲全体にわたって容易に応用され、これらについての説明は、ここでは、簡潔にするために省略される。
【0017】
全アレイ撮像
図1は、例示の実施形態に従った撮像システムの高レベルのブロック図である。本システムは、全体的に100と示され、電荷結合デバイス(CCD)2、ピンホール・アパーチャ4、発光ダイオード(LED)照明アレイ6、およびマイクロアレイ8を含む。動作中に、CCD2は、マイクロアレイ8のターゲットが活性化されたときマイクロアレイ8のイメージを取り込む。例えば、LED照明アレイ6がマイクロアレイ8を照明してマイクロアレイ8のターゲットを活性化する。マイクロアレイ8の活性化されたターゲットから放射された光は、CCD2の方へ向かってピンホール・アパーチャ4を通過する。
【0018】
例示のCCD2は、高分解能電荷結合デバイス(CCD)であり、単一露出でマイクロアレイ8の同時イメージを生成する。CCD2は、撮像ピクセルとして働く連結された、すなわち結合された光敏感キャパシタのアレイを含む集積回路から成るイメージ・センサである。
【0019】
この例示のCCD2は、マイクロアレイ8のイメージを取り込むとき、マイクロアレイ8をオーバーサンプリングする。CCD2は、CCD2の撮像ピクセルの数がマイクロアレイ・イメージの別個のフィーチャの数を超えるとき、マイクロアレイをオーバーサンプリングする。マイクロアレイのフィーチャ当たりの撮像ピクセルの数は、オーバーサンプリング比と呼ばれる。例示の実施形態では、オーバーサンプリング比は、マイクロアレイのフィーチャ当たり16(4×4)から100(10×10)の連続したCCD2撮像ピクセルに及ぶ。
【0020】
例として、1cm2に100×100=10,000の別個のフィーチャとして組み立てられたマイクロアレイは、約100μmの直径(正方形の辺)のフィーチャを有している。500×500=250,000の撮像ウェル(ピクセル)を含む1cm2のCCD面積に映されたそのようなマイクロアレイのイメージは、マイクロアレイ・フィーチャ当たりのCCDピクセルの許容可能な25:1オーバーサンプリング比を実現する。そのような最密20μmピクセルを含むCCDは、今日、民生用、プロ用および科学用のカメラおよび撮像デバイスで一般に使用されている。約300万個の15μピクセルを含む1インチ平方CCDは、例えば10,000フィーチャ・アレイのほぼ300:1オーバーサンプリング、または6μm直径(正方形の辺)の約100,000フィーチャを含む1cm2アレイの25:1サンプリングを可能にする。
【0021】
可能なデータ・オーバーサンプリングの広い範囲は、CCD撮像デバイスに投影されたマイクロアレイ・イメージのデータ収集を様々な倍率で最適化する機会を提供する。
【0022】
デジタル・オーバーサンプリング原理によって、データ収集および解析システムは、マイクロアレイおよびCCD撮像アレイをそれぞれ画定するフィーチャおよびピクセルの長方形格子の小さな位置合せ不良を許容することができるようになる。このモデルは、回転マトリックス変換のようなイメージ処理技術が実質上の位置合せを達成することができるようになるのに十分なデータ密度を与える。したがって、オーバーサンプリングの容易さによって、生イメージ・データの処理が、従来のマイクロアレイ走査システムの精密な機械的位置決めおよび方向付け制御に取って代わることができるようになる。
【0023】
例示の実施形態では、CCDセンサを含むデジタル・カメラが、マイクロアレイの撮像のために使用される。撮像に適したデジタル・カメラおよびCCDについての議論は、HanVision製品シート(2004)HVDUO−FoveonX(登録商標)CMOSカラー・イメージ・センサを備える10Mデジタル・カラー・カメラ、およびOptronics製品シート−QuantiFIRE顕微鏡用最新科学級(冷却)CCD撮像(Advanced Scientific Grade[cooled]CCD Imaging for Microscopy)に見出され、これらの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
レンズ無し撮像
今日使用されているマイクロアレイ走査装置は、共焦点顕微鏡光学を利用してアレイに撮像されるべき局部領域の面に励起(レーザ)光を集束させ、かつ同じ小さなサンプル場所から放射された蛍光光を取り戻す。このことは、アレイの面への光路の集束を保証するようにアレイのx−y面を横切っておよび垂直なz軸方向に走査移動することに、機械的並びに光学的な複雑さを含んでいる。例示の実施形態では、図1に示されるような微小なピンホール・アパーチャ4が、精密な機械的移送制御および精巧な顕微鏡光学部品の代わりに使用される。
【0025】
イメージ分解能は、ピンホール・アパーチャ4の寸法に逆比例する。例えば、ピンホール・アパーチャ4の直径が減少するとき、アパーチャに入る光はより鋭い角度で曲げられるので、イメージ分解能は高くなる。例示の実施形態では、ピンホールは、レーザを使用して薄い箔に約1から数100μmの大きさの穴を開けて容易に製造される。この範囲の下限は、上で開示された寸法および撮像仕様と一致している。物理的および機械的な簡単さは別にして、ピンホール・アパーチャ方式は異常な被写界深度の有利点を与え−アレイ表面からアパーチャを通り抜けて撮像CCDまでの物理的な距離の小さな変化は、イメージの焦点特性に影響を及ぼさない。
【0026】
アパーチャ・サイズの最小化は、2つの効果を有している。第1に、CCD上にアレイの量的なイメージを生じさせるのに十分な光を利用できるために、小さなアパーチャ・サイズほど、アパーチャの面積に逆比例して露出時間の増加を必要とする。第2に、ピンホール・アパーチャは、アパーチャを通過する光を回折させて、結果として得られるイメージにぼけパターンを生じさせる。
【0027】
回折のぼけ効果は、生デジタルCCDイメージにおいて、イメージ処理に任意の望ましいデコンボリューション技術を使用して補正される。デコンボリューションは、イメージからぼけ効果を除去するプロセスである。例示の実施形態では、デコンボリューションは、生デジタルCCDイメージのフーリエ変換に点広がり関数(PSF)のフーリエ変換を掛け、かつその積の逆フーリエ変換を行うことによって達成される。PSFは、アパーチャを通ってCCD撮像面に至るまでのマイクロアレイ面の点光源の広がりを記述するモデル化関数(経験的または理論的な)である。デコンボリュージョン法は、以下の式で示される。
f(x)は信号xのフーリエ変換を表し、一方で、f−1(ω)は信号ωの逆フーリエ変換を表すとする。Rは、CCD撮像面上の受け取られたコンボリュート・イメージである。Yは、PSFを表す信号である。したがって、f(R)は、受け取られたイメージのフーリエ変換であり、一方で、f(Y)はPSFのフーリエ変換である。受け取られたイメージとPSFのフーリエ変換積は、
f(R)・f(Y) (1)
である。Iは、ぼけの除去されたイメージを表すとする。ぼけの除去されたイメージ(すなわち、デコンボリュート・イメージ)は、フーリエ変換積(1)のイメージ逆フーリエ変換である。すなわち、
I=f−1(f(R)・f(Y)) (2)
である。
【0028】
PSFの経験的モデルは、撮像されるべきマイクロアレイの面のガラス・カバースリップ上の市販の蛍光着色微小球を撮像することによって容易に得られる。図2は、ピンホール・アパーチャを通してCCD撮像面上に回折された光の効果を示す。図2は、ピンホール・アパーチャを通って撮像面に進んだ点光源の光の結果を示す。したがって、図2は、経験的PSFを示す。理想的には、光の1つの点が撮像面に現れる筈である。しかし、ピンホール・アパーチャは光を回折するので、同心のリングが撮像面に現れる。同心リングの直径は、光の波長、ピンホールのサイズ、および撮像面までのピンホールの焦点距離に依存する。図2に示されたイメージのフーリエ変換を行うと、PSF(すなわち、f(Y))のフーリエ変換が生じる。
【0029】
例示の実施形態は、経験的PSFを決定するための蛍光点光源として、緑色(505/515)および橙色(540/560)染料標識(励起nm/放射nm)の付いた0.175μm球を含むPS−Speck(商標)顕微鏡点光源キット(Microscope Point Source Kit)を使用する。代替実施形態は、InSpeck−顕微鏡強度較正キット(Microscopy Intensity Calibration Kits)、すなわち、経験的PSFを決定するための蛍光点光源として、1つの球あたり100%、30%、10%、3%、1%、および0.3%の相対的な蛍光の付いた緑色および橙色微小球、2.5および6.0μを使用する。
【0030】
特定の撮像システムの点広がり関数を導き出し、または予測し、これをイメージ処理デコンボリュージョンに使用するためのソフトウェア実行アルゴリズムは、当業者に知られている。
【0031】
高出力LED照明
マイクロアレイ・イメージ・データ収集用の従来の高性能共焦点エピ蛍光走査システムは、プローブまたはターゲット蛍光体標識を励起しまたはマッピングするために、1つまたは複数のレーザを使用してマイクロアレイを照明する。レーザ・ビームの高強度が、1つの撮像ピクセルから次の撮像ピクセルへの連続した移動において、スキャナの短い通過期間中に十分な照明を可能にする。
【0032】
そのような共焦点マイクロアレイ走査装置の例は、英国ハンプシアのGenetix社によって製造されたaQuireシステムである。このシステムは、核酸解析で使用される普通の蛍光体を照明するために最高3つの異なるレーザ、すなわち、532nm/575nmフィルタ(Cy3、Cy3.5、Alexa 蛍石532、546、555、568、TAMRA)、639nm/695nmフィルタ(Cy5、Cy5.5、Alexa蛍石633、647、660、680、BODIPY)、488nm/535nmフィルタ(GFP、FITC、Alexa蛍石488、500、514、Cy2およびフィコエリトリン)で動作する。この共焦点システムは、5ミクロンのピクセル分解能で、1cm2当たり約1分の単位でマイクロアレイを走査することができる。
【0033】
本発明の例示の実施形態は、図1に示されるように、より低コストより長い耐用寿命の実効高出力発光ダイオード(LED)6を使用して、CCDイメージャにアレイを撮像露出する期間の間、全アレイ表面を照明する。現代のLEDデバイスは、実時間ポリメラーゼ連鎖反応(RTPCR)のような方法で標識付き核酸および蛋白質を定量的に蛍光解析するために使用されている。LEDデバイスは、レーザ・システムに比べて長い寿命、小さなエネルギーの要求、小さなサイズ、簡単な電子回路および少ない動作危険の有利点を実現する。LEDデバイスは、マイクロアレイで一般に使用される蛍光標識選択肢の範囲に適した放射波長で利用可能である。
【0034】
例として、ニュージャージ州のLamina Ceramics社によって生産される高出力LEDのようなどんな望ましい高出力LEDでも使用されることがある。図3は、7つのクラスタ(20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g)の六角形アレイを有するICチップ20を示し、各クラスタは、6個の個別LED素子の六角形アレイである。各LED素子は、LEDからの熱の直接放散を容易にするセラミック基板中に埋め込まれている。
【0035】
Lamina Ceramicsで生産されたLaminaLEDアレイのB−2000シリーズの2つの例が、470nm(青色)および530nm(緑色)波長を中心にした強い狭帯域放射を生成するので、適している。これらの波長は、特にマイクロアレイ用途および、RT−PCRおよび他の分子生化学方法に関して、核酸および蛋白質の解析で一般に使用される蛍光体から蛍光を引き出すために好都合である。表1は、特定のLEDアレイの仕様を示す。
【表1】
【0036】
オーストラリアのCorbett Roboticsは、Sybr−Green I、Fam、Tet、Joe、Vic、Max、Rox、Tamra、Cy3、Cy5、Cy5.5、Texa Redを含んだ核酸に一般に使用される染料標識を使用する多重蛍光測定のために、470nm、530nm、585nm、および625nmの励起波長(上のLaminaLEDとの対応に留意されたい)を有する複数のLEDを利用する実時間PCR装置(RotorGene−3000)を、製造している。
【0037】
LEDデバイスの性能は、(1)LEDによって生成される熱の放散および(2)撮像されるべきアレイ全体にわたった光強度分布の一様性によって、改善されることがある。例示の実施形態では、LED設計は、小さなLED素子(1mm2未満)のアレイを、デバイスから付着されたヒートシンクの伝導表面への熱の伝達を容易にするセラミック基板の中に取り付ける。
【0038】
そのようなアレイ内のLED素子の各々からの光の拡散は、光源から増加する距離のところでますます簡単なランバート分布をもたらす。
【0039】
LEDアレイと照明されるマイクロアレイの間にホログラフィ拡散体を配置することは、アレイ全体にわたっていっそう一様な照明強度を実現する。図4は、Lamina青色LEDアレイを示す。図4の上部ペインは、260μピンホール・アパーチャを通したLamina青色LEDアレイ(Nikon D70)の直接撮像を示す。下部のペインは、介在する40°円形ホログラフィ拡散体素子(ニュージャージ州、Edmond Indutrial Optics)がLEDアレイとピンホール・アパーチャの間にある状態での、同じ構成の同じLEDアレイのイメージを映す。下部ペインは、ホログラフィ拡散体がLEDアレイからの照明を一様に拡散させることを示す。したがって、個々のLEDは、目に見えない。
【0040】
例示の実施形態は、アレイの照明の最悪の場合の図示を扱うことができ、このときには、LED空洞の各々からの光拡散設計は、LED光源自体のアパーチャ集束イメージよりも遥かに広い。
【0041】
マイクロアレイ上の蛍光をマッピングする同じCCD撮像システムは、アレイ表面から反射された入射光を測定し、さらに、照明フィールドの中心点からの距離の関数として励起光レベルの変化に対してCCD蛍光イメージを計算補正することに対応するように構成されてもよい。
【0042】
完全な撮像システム100の例示の実施形態が図5に示されている。例として図5に示された、CCD撮像面116および検出器116aを有する典型的なCCDカメラは、撮像デバイスとして使用され、ピンホール・アパーチャがカメラの表面にある(取付けレンズ・システムの代わりに)。例として、アパーチャからCCD面116までの典型的な距離は約50mmであり、同等の対物距離がマイクロアレイからアパーチャまでの光路を含むように求める。
【0043】
本発明の例示の実施形態に従って、マイクロアレイ102のイメージ全体をCCD撮像面116の物理寸法内に含むために、表面114の中間ピンホール・アパーチャとアレイ面102およびCCD面116との間の物理距離は同じに保たれる。等距離からのいくらかの変化は、CCD面上のアレイのイメージの実効的な拡大または縮小を行うために活用されることがある。上で述べたように、ピンホール・アパーチャの有利点は、それの焦点特性がイメージ源からアパーチャまでの対物距離と無関係であることである。
【0044】
LED照明アレイ104は、ホログラフィ拡散体106および励起フィルタ108を通してマイクロアレイ102を照明する。上に開示されたように、ホログラフィ拡散体106は、LED照明アレイから放射される電磁放射の照明強度の一様性を高める。例として、1から2インチの動作範囲は、好都合なことに、エピ蛍光顕微鏡のほぼ1立方インチのキューブ中に取り付けられる光学フィルタ・セットの寸法と一致している。そのようなフィルタ・キューブは、照明光フィールド(この発明では、LEDアレイ104からの)の入り口としてのこのキューブの1つの面に励起帯域通過フィルタ108を備える。励起フィルタ108は、望ましい波長の照明光がダイクロイック・ミラー110およびマイクロアレイ102まで通過することができるようにする。入射ビームは、入射ビームに対して45度の角度で内部に取り付けられたダイクロイック・ミラー110によって、キューブの垂直な開いた面の方へ内部反射される。
【0045】
図5に示されるように、マイクロアレイ102の面は、LED照明装置104からの反射入射光を受け取る開いたキューブ面の近傍に一列に並んで配置されている。マイクロアレイ表面102に局在する蛍光ターゲット102aは、特定の蛍光体の放射波長特性を有する点光源として扱われる。照明ビームの反対方向の蛍光(キューブの中に戻る)は、同じダイクロイック・ミラー110に係合し、このダイクロイック・ミラーは、この場合、励起光よりも長い蛍光波長に対して透明である。蛍光光はキューブを出るときに、マイクロアレイ102と反対側のキューブ面にある放射帯域通過フィルタ112を通過する。この例または模型では、撮像システムの表面114のピンホール・アパーチャは、放射フィルタ112の直ぐ近傍に配置されている。
【0046】
図6および7は、本発明の例示の実施形態で使用された2つのエピ蛍光フィルタのフィルタ特性を示すグラフである。本発明の例示の実施形態に従って、ニューヨーク州のSemrock社の2つの製品−FITCおよびTRITCフィルタ・セットは、Lamina青色(470nm)(図6)および緑色(525nm)(図7)LED照明アレイと共にそれぞれ使用されることがある。表2は、これらのフィルタ・セットの特性を示す。
【表2】
【0047】
本発明の他の例示の実施形態では、検出器モデルは、同じマイクロアレイと相互作用するターゲット混合物に付いた複数の蛍光体標識を活用するように異なるフィルタ・キューブおよびLED照明装置を使用して、同じマイクロアレイを連続撮像することを含む。カラー撮像CCDアレイと共に使用するために励起および放射フィルタおよびダイクロイック・ミラーを適切に選ぶことは、また、1つよりも多い蛍光体標識の同時解析に対応することができる。
【0048】
一般的であるようなマイクロアレイが、透明なスライド・ガラスまたは好ましくは薄いガラス・カバースリップの表面上に製作される場合、アレイは、反射ミラー表面で裏打ちされることがある。この裏打ちは、アレイ表面の蛍光ターゲットを通り抜けた入射ビームの第2の通路を実現して、ターゲットの実効的な照明およびおそらくターゲットからの蛍光信号を2倍にする。また、さもなければ検出を逃れるかもしれない蛍光信号の裏面反射からの感知有利点があることがある。しかし、この後者の信号は、アレイ表面上の点光源との屈折および角度の相違のために、CCD面の蛍光イメージの品質を悪くする可能性が高い。この観念的に4倍の信号増加方法の実用性は、まだ決定されないでいる。可能なことであるが、追加のデコンボリュージョン・イメージ処理ステップまたはエピ蛍光経路中の追加の光学フィルタ処理部品の利用によって、実際的な有利点が実感されることがある。
【0049】
シャッタの無い露出制御
1つの設計上の考慮すべきことは、機械的な複雑さ(可動部分)を最小限にすることである。例示の実施形態は、試作品撮像にデジタル・カメラを使用する。代替実施形態では、高分解能CCD撮像アレイが利用され、このアレイは、より多数の撮像ピクセルと、CCD素子の暗電流およびバックグランドを下げるためのペルチエ冷却との特徴を持つ。そのような例には、デジタル・カメラ、特にSLR型のカメラを使用することに優る感知有利点がある。CCDが光学的に含まれる場合、さらにそのとき蛍光マイクロアレイが入射ビーム照明を受けている場合だけ、CCDは、フィルタ・キューブからの低強度の蛍光光にさらされるに過ぎない。ピンホール・アパーチャを通した露出は、十分な継続時間(秒から分)であると予想されるので、事実上の電子シャッタ(機械的でない)が使用されることがある。SLR内部ミラーを機械的に急に動かす代わりに、CCDへの電子信号が、残留またはバックグランド電荷蓄積からアレイをフラッシングし、実効的に光子収集を再起動することができる(事実上のシャッタ、可動部分なし)。
【0050】
コード化アパーチャ・アレイ
上で指摘されたように、天文学、顕微鏡法およびトモグラフィ撮像の分野は、デコンボリュージョン・イメージ処理を利用して、小さなアパーチャによる分解能制限回折からのぼけを明らかにしている。これらのシステムのいくつかは、単一光子放射計算トモグラフィ(SPECT)を使用するx線望遠鏡法または近視野撮像を含んで、撮像に関して光回折の影響を受けやすくない。これらの用途の方法は、発達してコード化アパーチャ・アレイを利用するようになり、その結果、撮像分解能と露出時間の減少の両方について好都合な結果となった。
【0051】
図8は、コード化アパーチャ・アレイの例示の実施形態を示す。図8の概念は、ピンホール・アパーチャのアレイ−(修正)一様冗長アレイ((M)URA)配置としてランダムなまたは擬似ランダムな−は、各アパーチャを通して見られるようにイメージ源を畳み込むか、または重畳する。マイクロアレイ中の活性化ターゲットなどの光源光8は、コード化アパーチャ・アレイ142を通って検出器144に進む。検出器144は、CCDのような任意の望ましい撮像デバイスである。
【0052】
検出器144上に結果として得られるイメージは、コード化アパーチャ・アレイを通過するコンボリュート・イメージである。検出器は複数のピンホールから光を受け取るので、結果として得られるイメージはぼかされる。どんな望ましいイメージ・デコンボリュージョン技術でも、結果として得られたイメージのぼけを除くために使用されてもよい。例えば、f(R)がコード化アパーチャ・アレイを通過した後のコンボリュート・イメージのフーリエ変換を表すとし、一方で、Mは、コード化アパーチャ・アレイの逆マスクを表し、またf(M)は、逆マスクのフーリエ変換を表す。Iがデコンボリュート・イメージに等しい場合には、
I=f−1(f(R)・f(M)) (3)
である。上の式に示されるように、コード化アパーチャ・アレイの特定の逆マスクについての知識なしに、イメージがデコンボリュートされる(すなわち、ぼけを除去される)ことはない。したがって、コード化アパーチャ・アレイの逆マスクは、イメージを暗号化するための瞬時光暗号化キーとして働く。
【0053】
例示の実施形態では、コード化アパーチャ・アレイは、それ自体の逆であるように設計される。それ自体の逆であるコード化アパーチャ・アレイを作り、かつイメージのぼけを除く方法は、Gottesman,SRおよびFenimore,EE(1989)、New family of binary arrays for coded aperture imaging、Appl.Optics 28、4344〜4352およびVanier(1973)、Improvements in coded aperture thermal neutron imaging BNL−71468−2003−CPに記載されており、これらの内容は、上で指摘された文献全てについて、参照して本明細書に組み込まれる。コード化アパーチャ・アレイについての議論は、また、Fenimore,EE(1978)、Predicted performance of uniformly redundant arrays、Appl.Optics 17、3562〜3570、Fenimore,EE(1980)、Coded aperture imaging:the modulation transfer function for uniformly redundant arrays、Appl.Optics 19、2465〜2471、Fenimore,EEおよびCannon,TM(1978)、Coded aperture imaging with uniformly redundant arrays、Appl.Optics 17、337〜347(また、同じ名称および発明者の米国特許第4,209,780号に留意されたい)、Accorsi,R(2001)、Design of near field coded aperture cameras for high−resolution medical and industrial gamma−ray imaging、Doctoral dissertation, Massachusetts Institute of Technology、Cambridge,MA、およびAccorsi,R、Gasarini,FおよびLanza,RC(2001)、A coded aperture for high resolution nuclear medicine planar imaging with a conventional Anger camera:experimental results、IEEE Trans Nuc Science 48、2411〜2417に見出され、これらの全内容は、上で指摘された文献全てについて、参照して本明細書に組み込まれる。
【0054】
コード化アパーチャ・アレイ・マスクの逆に関してのフーリエ変換ベースのコンボリュージョンは、コード化アパーチャ・アレイの個々のピンホール素子の限界寸法に近づく分解能でのイメージ再構築になる。さらに、(生)イメージのための露出時間は、マスク中のアパーチャの数に比例して減少される。
【0055】
図9は、撮像システム200の他の実施形態を示す。撮像システム200は、マイクロアレイ202(ターゲット202aを有する)、LED照明アレイ204、ホログラフィ拡散体206、および励起フィルタ208、ダイクロイック・ミラー210、および放射フィルタ212、および検出器216aを有するCCD撮像面216を含む。これらの部品の機能は、図5に示された相当部品について説明されたものと同様である。撮像システム200は、図5のピンホール・アパーチャ114の代わりにコード化アパーチャ・アレイ214を使用する。
【0056】
例示のコード化アパーチャ・アレイは、ほぼ50%の空きスペースおよび単一素子アパーチャの集光能力の22,000倍を持っている211×211素子(開いた、または閉じた)の(M)URAである。
【0057】
この発明の範囲内で、コード化アパーチャ・アレイの(M)URAまたは他の設計は、意図された用途のために、高分解能白黒またはカラー・フィルム縮小によって、印刷されたコード化アパーチャ・アレイのポジ・イメージおよび/またはネガ・イメージとして製作される。この方式は、今日使用されている一般的なデジタル・プリンタの分解能限界(1400ディー・ピー・アイ(dpi)で25格子(g))を超えて、普通のマイクロフィルム/マイクロフィッシュ基板のより微細な分解能(1から5μ)になる。
【0058】
この発明のコード化アパーチャ・アレイの世代の基板としてマイクロフィルムを利用することは、MEMS製造におけるフォトリソグラフィ・マスクの製造の低コスト方法と似ている。MEMSについての説明は、Dotson,NA、Kim,PT、およびMason,A(2004)、Low cost MEMS processing techniques、Proceedings of the 2004 ASEE/NCS Spring Conference、4月(2004年)に与えられており、これの全内容は、参照して本明細書に組み込まれる。
【0059】
さらに、アパーチャ・マスクを生成するためのカラー透明膜の使用は、この発明の領域内で、さもないとアパーチャ・アレイの透明な空きスペースによる光(放射)フィルタ処理の主要なまたは二次的な一体化の機会を与える。
【0060】
この一体化は、主題の発明並びに他の用途のためにこれらの部品を生産するための経済的に成り立つ品質の保証された道筋として想像される。また、指摘されることであるが、特定のマイクロアレイの製造で使用されるフォトリソグラフィ・マスクは、本質的に、この発明の範囲内で想像されるコード化アパーチャ・アレイ設計と同様な縮小比および複雑さである。
【0061】
生イメージ・データの決定特性情報への変換
本発明の例示の実施形態に従って、どんな望ましいCPUプロセッサでも、任意の望ましいインタフェースを介してCCDに接続される。CPUプロセッサは、PSF経験的モデルおよびコード化アパーチャ・アレイ用の逆マスクを格納する記憶装置を備える。CPUは、CCD、コード化アパーチャ・アレイのPSF経験的モデルまたは逆マスクによって取り込まれた任意のイメージに対して、フーリエ変換を行うソフトウェアまたはファームウェア、または任意の他の望ましいアルゴリズムを実行する。
【0062】
同様に、当業者は認めることであろうが、プログラマブル論理ASICS、パーソナル・コンピュータ、その他のような任意の数のデータ・プロセッサが使用されることがある。例示の実施形態は、CCD、コード化アパーチャ・アレイのPSF経験的モデルまたは逆マスクによって取り込まれた任意のイメージに対してフーリエ変換または任意の他の望ましいアルゴリズムを計算するために、撮像システム内に実現されたデジタル信号プロセッサ(DSP)・チップを使用する。
【0063】
MURAアパーチャ−本体キャップの準備
図10に見られるように、標準黒色プラスチック本体キャップ240の前面が写真に撮られた。マイクロソフト・パワーポイント(PowerPoint)のデジタル・イメージが拡大され、重ね合せ円がキャップ・イメージと同じ直径に描かれた。印刷されたコピーでは、この円の幾何学的中心は、2つの割線の交点によって決定された。キャップに開口をあけるための中心を案内するために、鋭い鋼鉄パンチが使用された。ピンホール・アパーチャは240aで示されている。キャップは、木製の作業表面に締め具で固定され、さらに、キャップを貫通する穴をあけ1/32インチ刻みで中心穴を1/16インチから少しずつ拡大するために、Dremel手工具が、溶融を防止するように低速設定で使用された。最終直径は、取り付けられるべきMURA素子の直径よりもほんの少しだけ大きいように選ばれる。開口の前縁は、Dremel手工具と共に円錐砥石または1/8インチ案内ルータ・ビットを使用して面取りされる。当業者は認めることであろうが、標準カメラ本体キャップは、不可欠ではないが、都合のよい説明として使用された。
【0064】
他の例示の実施形態では、CCDデバイスは、図5に示された素子112および図6に示された素子212などのピンホール・アパーチャまたはコード化アパーチャ・アレイを有する任意の望ましい表面によってそれぞれマスクされる。ピンホール・アパーチャを有するどんな表面も、ピンホール・ブラインドと呼ばれる。
【0065】
例示の実施形態は、GottesmanおよびFenimore(1987)(上で引用された)によって与えられた明示アルゴリズム記述に従って、Mathematica(v5.2)プログラムを使用して、正方形MURAアパーチャ・アレイをデジタル・イメージとして組み立て、かつ表現する。派生的なイメージは黒−白反転によって組み立てられ、このイメージは、4インチ×6インチ寸法の白長方形の中心に置かれる。大きな長方形の中心の正方形MURAのサイズは、一般に、アレイの各正方形アパーチャ素子を0.01インチ、0.02インチ、または0.03インチで表すように調整される。合成長方形および中心に置かれたMURAイメージが黒/白ネガ・フィルム上に写真に撮られたとき(以下を参照されたい)、長方形寸法のほぼ4分の1縮小は、結果として、60μ、120μおよび240μのアパーチャ素子サイズをフィルム上にそれぞれ生じる。
【0066】
図11は、37×37素子のMURAポジ・アレイ250を示す。このアレイは、黒バックグランド250aと、白バックグランドを有する対応するネガ・アレイ250bを含む。ネガ・イメージの正方形のサイズは、ほぼ2.22、4.44および8.88mmの辺に縮小するように作られる。したがって、これらの正方形MURAイメージの対角線は、それぞれほぼ3.14、6.28および12.56mmである。次に、これらのフィルム・ネガ・イメージは、ほぼ1/8インチ、1/4インチおよび1/2インチの開口直径で、本体キャップの中心にそれぞれ置かれ、取り付けられる。
【0067】
MURAアパーチャ・アレイのフィルム・イメージ
逆MURAイメージの黒/白イメージは、緩性のIIford Delta 100(ISO100)35mm白黒ネガ・フィルムで、60mmNikkor MICROレンズを使用して写真に撮られた(Nikon N180カメラ)。印刷されたMURA逆イメージは、カメラから約40cm離れた4つの5200K写真電球の付いたコピー・スタンドで照明され、レンズ開口f8の露出速度設定が、1/120秒のグレー・カード計測速度の近くでブラケット露出された。フィルムは、コントラストを高めるように攪拌を延長して、白黒D71プロセスによって手操作で現像された。黒不透明度および白透明度として、最良の結果は、典型的にはグレー・カード計測の2から3倍の露出、−すなわちf8で約1/60秒であった。もっと長い露出は、黒の不透明度を増すが、また白アパーチャの増加するグレー・トーンおよび透明度損失をもたらす。
【0068】
図12は、HP officejet5500vによって9600dpiで走査されたネガのイメージを示す。上部ペイン260aは、1/180、1/120および1/90秒でのブラケット露出された露出をそれぞれ示す。1/120秒でのグレー・カード計測露出が、細部を示すように下部ペイン260bに拡大されている。円は、MURAイメージが取り付けられたNikon本体の1/2インチの開口を表す。
【0069】
MURAアパーチャ・アレイの選ばれたネガ・イメージは、Nikon BF−1の本体キャップの裏面の直径37.5mmの内面円の中に中心が置かれるやり方でぴったりはまるように、スライドの角が切り落とされた。40mm取付けディスクは、中心穴が本体キャップの中心開口に一致するように掘られた黒色ポリスチレン板(Evergreen Scale Models、Woodinville、VA;厚さ0.25から0.5mmの板)から切り出された。切り落とされたネガ・フィルムが本体キャップの中心に置かれ、次に、ポリスチレン・ディスクで覆われ、このポリスチレン・ディスクは、今度は、プラスチック接着剤の小滴でキャップの周囲に固定された。
【0070】
代替実施形態では、Mathematicaプログラムによって設計されたコード化アパーチャ・アレイは、任意の望ましいコンピュータ自動設計(CAD)プログラムで実現される。CADプログラムで実現された設計を使用して、コード化アパーチャ・アレイがフォトリソグラフィ・マスクにエッチングされる。フォトグラフィ・マスクは、次に、カメラの本体キャップに配置される。例示の実施形態では、フォトレジスト・マスクは、面積1cm2を有するフォトレジスト・ウェーハである。コード化アパーチャ・アレイは、ピンホールが直径100ミクロンである状態で、フォトレジスト・ウェーハの中心の3mm2の面積内にエッチングされる。
【0071】
図13は、マイクロアレイのイメージを作る例示の方法を示す流れ図である。ステップ300は、光源から光を放射する。ステップ302は、放射された光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理する。ステップ304は、第1の周波数帯域内の光をマイクロアレイ上に反射して、マイクロアレイが電磁エネルギーを放射するようにする。ステップ306は、この電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理する。ステップ307は、ピンホール・ブラインド・マスクを通して光を向ける。代替実施形態では、ステップ307は、コード化アパーチャ・アレイを有する表面を通して光を向ける。ステップ308は、マイクロアレイのイメージをCCD上に形成する。
【0072】
流れ図の中のどんなプロセス説明またはブロックも、プロセスにおいて特定の論理機能またはステップを実現する1つまたは複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、部分を表すものとして理解されるべきであり、また、代わりの実施は、含まれる機能に依存して、実質的に同時または逆の順序を含んだ、示されまたは述べられた順次と違った順序で機能が実行されることがある本発明の例示の実施形態の範囲内に含まれるが、それは当業者によって理解されるであろう。
【0073】
明らかに、本発明の容易に認識できる修正および変形は、上の教示を考慮して可能である。したがって、理解されるべきことであるが、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、本明細書で具体的に説明されたのとは違ったやり方で実施されることがある。例えば、相互に作用して協働するソフトウェアとハードウェア部品の両方に関して説明されたが、本明細書で説明されたシステムがソフトウェアで完全に実施されることがあることは考えられる。そのソフトウェアは、磁気または光ディスクのようなキャリアで、または無線周波数またはオーディオ周波数の搬送波で具体化されることがある。
【0074】
したがって、上記の議論は、本発明の例示の実施形態をただ単に開示し説明するだけである。当業者によって理解されるように、本発明は、その精神または基本的な特徴から逸脱することなしに他の特定の形で具体化されることがある。したがって、本発明の開示は、例示であり、他の特許請求項だけでなく本発明の範囲を限定しないように意図されている。本明細書の教示のどんな容易に認識できる変形も含んで、本開示は、発明の内容が大衆に捧げられることがないように上記の請求用語の範囲を部分的に定義する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】明細書で包含された本発明に従った撮像システムの例示の実施形態を示す高レベルのブロック図である。
【図2】点広がり関数(PSF)のイメージを示す図である。
【図3】図1に従ったLEDアレイのイメージを示す図である。
【図4】上部ペインに図3の点灯LEDアレイのイメージを、下部ペインに光の拡散を示す図である。
【図5】図1の撮像システムを示す拡大図である。
【図6】光学フィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
【図7】光学フィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
【図8】コード化アパーチャ・アレイを示す図である。
【図9】撮像システムのさらに進んだ例示の実施形態を示す拡大図である。
【図10】MURAアパーチャ本体キャップのイメージを示す図である。
【図11】MURAポジ・アレイおよびMURAネガ・アレイのイメージを示す図である。
【図12】逆MURAイメージの黒/白イメージを示す図である。
【図13】マイクロアレイのイメージを作る例示の方法を示す流れ図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロアレイのイメージを作るための装置であって、
ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有する前記マイクロアレイの方へ光を向けるように構成された少なくとも1つの光源と、
前記光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された励起フィルタと、
ダイクロイック・ミラーであって、前記第1の周波数帯域内の前記光を前記マイクロアレイに反射して、前記マイクロアレイに、前記ターゲットによって活性化された前記標識から、前記ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させるように構成されたダイクロイック・ミラーと、
前記電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された放射フィルタと、
ピンホール・ブラインドが前記放射フィルタから電磁エネルギーを受け取ったとき前記マイクロアレイ全体のイメージが作られるように、前記ピンホール・ブラインドによって撮像表面をマスクされた電荷結合デバイス(CCD)を含む撮像ユニットと、を備える装置。
【請求項2】
前記マイクロアレイ全体の前記イメージを受け取り、かつ前記マイクロアレイ全体の前記イメージのフーリエ変換に点広がり関数のフーリエ変換を掛けることによってイメージ・デコンボリュージョンを行うように構成されたデータ・プロセッサをさらに備え、前記点広がり関数が、前記ピンホール・ブラインドを通って前記CCD撮像面に至るまでの前記アレイ面上の点光源の広がりをモデル化する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの発光ダイオードと前記励起フィルタの間に置かれたホログラフィ拡散体を、さらに備え
前記ホログラフィ拡散体は、前記少なくとも1つの光源から放射された前記光の照明強度の一様性を高めるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロアレイの前記イメージが作られるとき、前記CCD撮像表面と前記ピンホール・ブラインドの間の第1の距離が、前記マイクロアレイ面と前記ピンホール・アパーチャの間の第2の距離に等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ピンホール・ブラインドが、ピンホール・アパーチャを有するレンズ・キャップである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記CCDは、さらに、前記CCDが電荷蓄積からフラッシングされる電子信号を受け取るように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記CCDが、前記マイクロアレイ内のフィーチャの数よりも多い撮像ウェルの数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記CCDの撮像ウェルの前記数と前記マイクロアレイのフィーチャの前記数の比が、少なくとも25:1である、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
マイクロアレイのイメージを作るための装置であって、
ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有する前記マイクロアレイの方へ光を向けるように構成された少なくとも1つの光源と、
前記光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された励起フィルタと、
ダイクロイック・ミラーであって、前記第1の周波数帯域内の前記光を前記マイクロアレイに反射して、前記マイクロアレイに、前記ターゲットによって活性化された前記標識から、前記ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させるように構成されたダイクロイック・ミラーと、
前記電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された放射フィルタと、
コード化アパーチャ・アレイが前記放射フィルタから電磁エネルギーを受け取ったとき前記マイクロアレイ全体のイメージが作られるように、前記コード化アパーチャ・アレイを有する表面によって撮像表面をマスクされた電荷結合デバイス(CCD)を含む撮像ユニットと、を備える装置。
【請求項10】
エンクロージャが、さらに、
前記マイクロアレイ全体の前記イメージを受け取り、かつ前記マイクロアレイ全体の前記イメージのフーリエ変換に前記コード化アレイの逆関数のフーリエ変換を掛けることによってイメージ・デコンボリュージョンを行うように構成されたデータ・プロセッサをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記コード化アパーチャ・アレイが、修正された一様冗長アレイ(MURA)である、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記MURAの寸法が、少なくとも211×211素子である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コード化アパーチャ・アレイが、それ自体の逆を含むように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの発光ダイオードと前記励起フィルタの間に置かれたホログラフィ拡散体を、さらに備え、
前記ホログラフィ拡散体は、前記少なくとも1つの光源から放射される前記光の照明強度の一様性を高めるように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記マイクロアレイの前記イメージが作られるとき、前記CCD撮像表面と前記コード化アパーチャ・アレイの間の第1の距離が、前記マイクロアレイ面と前記コード化アパーチャ・アレイの間の第2の距離に等しい、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記CCDは、さらに、前記CCDが電荷蓄積からフラッシングされる電子信号を受け取るように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項17】
前記CCDが、前記マイクロアレイ内のフィーチャの数よりも多い撮像ウェルの数をさらに含む、請求項9に記載の装置。
【請求項18】
前記CCDの撮像ウェルの前記数と前記マイクロアレイのフィーチャの前記数の比が、少なくとも25:1である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
物体の方へ光を向けるように構成された少なくとも1つの光源と、
前記少なくとも1つの光源によって放射された前記光の照明強度の一様性を高めるように構成されたホログラフィ拡散体と、
前記光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された励起フィルタと、を備える発光ユニット。
【請求項20】
マイクロアレイのイメージを作る方法であって、
ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有する前記マイクロアレイの方へ光を向けること、
前記光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理すること、
前記第1の周波数帯域内の前記光を前記マイクロアレイに反射して、前記マイクロアレイに、前記ターゲットによって活性化された前記標識から、ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させること、
前記電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理すること、および、
前記マイクロアレイ全体のイメージを、ピンホール・ブラインドによって撮像表面をマスクされたCCD上に形成することを含む方法。
【請求項21】
マイクロアレイのイメージを作る方法であって、
ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有する前記マイクロアレイの方へ光を向けること、
前記光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理すること、
前記第1の周波数帯域内の前記光を前記マイクロアレイに反射して、前記マイクロアレイに、前記ターゲットによって活性化された前記標識から、ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させること、
前記電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理すること、および、
前記マイクロアレイ全体のイメージを、コード化アパーチャ・アレイを有する表面によって撮像表面をマスクされたCCD上に形成することを含む方法。
【請求項22】
コード化アパーチャ・アレイによってマスクされた表面を通して物体から光を受け取ること、および
撮像表面を有するCCD上に前記物体のイメージを形成することを含み、前記コード化アパーチャ・アレイが、前記CCDの前記撮像表面上の前記イメージを暗号化するように構成されている、光暗号化の方法。
【請求項1】
マイクロアレイのイメージを作るための装置であって、
ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有する前記マイクロアレイの方へ光を向けるように構成された少なくとも1つの光源と、
前記光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された励起フィルタと、
ダイクロイック・ミラーであって、前記第1の周波数帯域内の前記光を前記マイクロアレイに反射して、前記マイクロアレイに、前記ターゲットによって活性化された前記標識から、前記ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させるように構成されたダイクロイック・ミラーと、
前記電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された放射フィルタと、
ピンホール・ブラインドが前記放射フィルタから電磁エネルギーを受け取ったとき前記マイクロアレイ全体のイメージが作られるように、前記ピンホール・ブラインドによって撮像表面をマスクされた電荷結合デバイス(CCD)を含む撮像ユニットと、を備える装置。
【請求項2】
前記マイクロアレイ全体の前記イメージを受け取り、かつ前記マイクロアレイ全体の前記イメージのフーリエ変換に点広がり関数のフーリエ変換を掛けることによってイメージ・デコンボリュージョンを行うように構成されたデータ・プロセッサをさらに備え、前記点広がり関数が、前記ピンホール・ブラインドを通って前記CCD撮像面に至るまでの前記アレイ面上の点光源の広がりをモデル化する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの発光ダイオードと前記励起フィルタの間に置かれたホログラフィ拡散体を、さらに備え
前記ホログラフィ拡散体は、前記少なくとも1つの光源から放射された前記光の照明強度の一様性を高めるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロアレイの前記イメージが作られるとき、前記CCD撮像表面と前記ピンホール・ブラインドの間の第1の距離が、前記マイクロアレイ面と前記ピンホール・アパーチャの間の第2の距離に等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ピンホール・ブラインドが、ピンホール・アパーチャを有するレンズ・キャップである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記CCDは、さらに、前記CCDが電荷蓄積からフラッシングされる電子信号を受け取るように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記CCDが、前記マイクロアレイ内のフィーチャの数よりも多い撮像ウェルの数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記CCDの撮像ウェルの前記数と前記マイクロアレイのフィーチャの前記数の比が、少なくとも25:1である、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
マイクロアレイのイメージを作るための装置であって、
ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有する前記マイクロアレイの方へ光を向けるように構成された少なくとも1つの光源と、
前記光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された励起フィルタと、
ダイクロイック・ミラーであって、前記第1の周波数帯域内の前記光を前記マイクロアレイに反射して、前記マイクロアレイに、前記ターゲットによって活性化された前記標識から、前記ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させるように構成されたダイクロイック・ミラーと、
前記電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された放射フィルタと、
コード化アパーチャ・アレイが前記放射フィルタから電磁エネルギーを受け取ったとき前記マイクロアレイ全体のイメージが作られるように、前記コード化アパーチャ・アレイを有する表面によって撮像表面をマスクされた電荷結合デバイス(CCD)を含む撮像ユニットと、を備える装置。
【請求項10】
エンクロージャが、さらに、
前記マイクロアレイ全体の前記イメージを受け取り、かつ前記マイクロアレイ全体の前記イメージのフーリエ変換に前記コード化アレイの逆関数のフーリエ変換を掛けることによってイメージ・デコンボリュージョンを行うように構成されたデータ・プロセッサをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記コード化アパーチャ・アレイが、修正された一様冗長アレイ(MURA)である、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記MURAの寸法が、少なくとも211×211素子である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コード化アパーチャ・アレイが、それ自体の逆を含むように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの発光ダイオードと前記励起フィルタの間に置かれたホログラフィ拡散体を、さらに備え、
前記ホログラフィ拡散体は、前記少なくとも1つの光源から放射される前記光の照明強度の一様性を高めるように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記マイクロアレイの前記イメージが作られるとき、前記CCD撮像表面と前記コード化アパーチャ・アレイの間の第1の距離が、前記マイクロアレイ面と前記コード化アパーチャ・アレイの間の第2の距離に等しい、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記CCDは、さらに、前記CCDが電荷蓄積からフラッシングされる電子信号を受け取るように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項17】
前記CCDが、前記マイクロアレイ内のフィーチャの数よりも多い撮像ウェルの数をさらに含む、請求項9に記載の装置。
【請求項18】
前記CCDの撮像ウェルの前記数と前記マイクロアレイのフィーチャの前記数の比が、少なくとも25:1である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
物体の方へ光を向けるように構成された少なくとも1つの光源と、
前記少なくとも1つの光源によって放射された前記光の照明強度の一様性を高めるように構成されたホログラフィ拡散体と、
前記光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理するように構成された励起フィルタと、を備える発光ユニット。
【請求項20】
マイクロアレイのイメージを作る方法であって、
ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有する前記マイクロアレイの方へ光を向けること、
前記光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理すること、
前記第1の周波数帯域内の前記光を前記マイクロアレイに反射して、前記マイクロアレイに、前記ターゲットによって活性化された前記標識から、ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させること、
前記電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理すること、および、
前記マイクロアレイ全体のイメージを、ピンホール・ブラインドによって撮像表面をマスクされたCCD上に形成することを含む方法。
【請求項21】
マイクロアレイのイメージを作る方法であって、
ターゲットによって活性化される少なくとも1つの標識の付いたアドレス指定プローブを有する前記マイクロアレイの方へ光を向けること、
前記光を第1の周波数帯域内にフィルタ処理すること、
前記第1の周波数帯域内の前記光を前記マイクロアレイに反射して、前記マイクロアレイに、前記ターゲットによって活性化された前記標識から、ダイクロイック・ミラーを透過する周波数範囲で電磁エネルギーを放射させること、
前記電磁エネルギーを第2の周波数帯域内にフィルタ処理すること、および、
前記マイクロアレイ全体のイメージを、コード化アパーチャ・アレイを有する表面によって撮像表面をマスクされたCCD上に形成することを含む方法。
【請求項22】
コード化アパーチャ・アレイによってマスクされた表面を通して物体から光を受け取ること、および
撮像表面を有するCCD上に前記物体のイメージを形成することを含み、前記コード化アパーチャ・アレイが、前記CCDの前記撮像表面上の前記イメージを暗号化するように構成されている、光暗号化の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−529681(P2009−529681A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558558(P2008−558558)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/063721
【国際公開番号】WO2007/104057
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(508272813)テッサラエ、リミテッド、ライアビリティー、カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】TESSARAE,LLC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/063721
【国際公開番号】WO2007/104057
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(508272813)テッサラエ、リミテッド、ライアビリティー、カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】TESSARAE,LLC
【Fターム(参考)】
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