マイクロアレイ用マスクセット、これの製造方法、およびマスクセットを利用したマイクロアレイの製造方法
【課題】投光領域の面積が制御されたマスクセットが提供される。
【解決手段】マスクセットはマイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクであって、前記各マスクは投光領域および遮光領域を含むものの、前記投光領域の面積は、前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対し、5%以上である複数のマスクを含む。
【解決手段】マスクセットはマイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクであって、前記各マスクは投光領域および遮光領域を含むものの、前記投光領域の面積は、前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対し、5%以上である複数のマスクを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマスクセットに関するものであって、より詳細にはマイクロアレイのプローブをインサイツ合成するためのマスクセット、マスクセットの製造方法、およびマスクセットを利用したマイクロアレイの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゲノムプロジェクトが発展し、多様な有機体のゲノムヌクレオチド配列が明らかになることによってマイクロアレイに対する関心が増加している。マイクロアレイは、遺伝子発現分析(expression profiling)、遺伝子型分析(genotyping)、SNPのような突然変異(mutation)および多形(polymorphism)の検出、タンパク質およびペプチド分析、潜在的な薬のスクリーニング、新薬開発と製造などに広く使用される。
【0003】
マイクロアレイは、基板上に固定された多数のプローブを含む。プローブはスポッティング(spotting)によって直接固定されたり、フォトリソグラフィ(photolithography)を利用してインサイツ(in−situ)合成されて固定されたりする。フォトリソグラフィを利用したインサイツ合成方法は大量生産が容易であるため、最近になって特に注目されている。
【0004】
プローブのインサイツ合成のためには多数のマスクが利用される。各マスクは、投光領域と遮光領域を含んでいる。各マスクは多数、例えば4個のプローブ用モノマーのうち何れか一つが割当てられる。プローブ用モノマーが4個の場合、プローブの一モノマー層を完成するためには最大4個の個別マスクが要求される。したがって、もしプローブが25個のモノマー層で形成される場合、最大100個の個別マスクが要求される。
【0005】
マスクの投光領域は、モノマーが合成されるプローブセルと対応する。したがって、マスクのパターンはプローブセル別合成ターゲットプローブの配列によって変わる。すなわち、マスク全体は例えば平均的に25%の投光領域を有しているが、個別のマスク単位ではプローブセルのプローブ配列によって平均よりはるかに小さい投光領域を有する場合が発生する。極端にいくつかのマスクは1%以下の投光領域を有することもできる。しかし、いくつかのマスクの投光領域が過度に小さくなれば、マスク製造時に正確なパターニングが難しくなる。例をあげれば、投光領域が不完全オープンされたり非オープン(not open)されたりし、望むサイズおよび/または形状の投光領域を確保できない現象が発生するようになる。このような現象はマイクロアレイが集積化されるほどさらに深刻化される。
【特許文献1】米国公開特許2006−094040号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、投光領域の面積が制御されたマスクセットを提供しようとするものにある。
【0007】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、マスクレイアウトの投光領域の面積を制御するマスクレイアウト決定システムを提供しようとするものにある。
【0008】
本発明が解決しようとするその他の技術的課題は、マスクレイアウトの投光領域の面積を制御するマスクレイアウト決定方法を提供しようとするものにある。
【0009】
本発明が解決しようとする別の技術的課題は、投光領域の面積が制御されるマスクレイアウトを利用したマスクセットの製造方法を提供しようとするものにある。
【0010】
本発明が解決しようとするその他の技術的課題は、前記したマスクセットを利用したマイクロアレイの製造方法を提供しようとするものにある。
【0011】
本発明の技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマスクセットは、マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクであって、前記各マスクは投光領域および遮光領域を含むものの、前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である複数のマスクを含む。
【0013】
前記他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定システムは、マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与するパターン決定部、前記複数のマスクレイアウトのうち何れか一つを選択する選択部、前記選択されたマスクレイアウトの投光領域の面積を最小投光面積と比較する比較部、および前記選択されたマスクレイアウトの投光領域の面積が前記最小投光面積より小さい場合に前記選択されたマスクレイアウトの遮光領域を前記非選択のマスクレイアウトの投光領域と交換するパターン変更部を含む。
【0014】
前記また他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定方法は、マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与し、前記各マスクレイアウトの前記投光領域の面積が最小投光面積以上となるように前記各マスクレイアウトの前記遮光領域を前記他のマスクレイアウトの前記投光領域と交換することを含む。
【0015】
前記また他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマスクセットの製造方法は、マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与し、前記各マスクレイアウトの前記投光領域の面積が最小投光面積以上となるように前記各マスクレイアウトの前記遮光領域を前記他のマスクレイアウトの前記投光領域と交換し、前記遮光領域が前記投光領域で交換された前記各マスクレイアウトを含む複数のマスクレイアウトを利用して複数のマスクを製造することを含む。
【0016】
前記また他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法は、複数のアレイされたプローブセルを含み、表面が光分解性保護基によって保護されている基板を提供し、複数のマスクとして、前記各マスクは投光領域および遮光領域を含むものの、前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である複数のマスクを含むマスクセットを利用して前記マイクロアレイのプローブをインサイツ合成することを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施形態によるマスクレイアウトの決定方法によれば、合成対象プローブの配列を変更せずに、複数個のマスクレイアウトの投光領域がすべて最小投光面積より同じであったり大きい面積を有したりするように制御できるため、それによって製造されるマスクセットのパターン信頼度が改良され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施形態は本発明の開示が完全なようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。
【0019】
空間的に相対的な用語の「下(below)「、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図面に示されているように、一つの素子または構成要素と異なる素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて使用時または動作時に素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。明細書全体において、同一参照符号は同一構成要素を指称する。
【0020】
以下、添付図面を参考して本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は本発明のいくつかの実施形態によって製造されたマイクロアレイの斜視図である。図2は図1のII−II’線に沿って切断した断面図である。
【0022】
図1および図2を参照すると、本発明のいくつかの実施形態によって製造されたマイクロアレイ100は、基板110および多数のプローブ140を含む。多数のプローブ140は、基板上にカップリングしている。さらに、マイクロアレイ100は、プローブ140と基板110の間に前記プローブ140および基板110のカップリングを媒介する固定層(fixing layer)120および/またはリンカー130を含み得る。
【0023】
基板110は、例えば、可撓性(flexible)または剛性(rigid)基板であり得る。適用される可撓性基板の例としては、ナイロン、ニトロセルロースなどのメンブレインまたはプラスチックフィルムなどを挙げることができる。剛性基板としては、シリコン基板、ソーダ石灰ガラスから成る透明ガラス基板などが例示され得る。シリコン基板または透明ガラス基板の場合には、混成化過程の間は非特異的結合がほとんど起きない。また、シリコン基板または透明ガラス基板は、半導体素子の製造工程またはLCDパネルの製造工程などですでに安定的に確立されて適用されている多様な薄膜の製造工程および写真エッチング工程などがそのまま適用できる長所がある。
【0024】
プローブ140は、例えば、オリゴマープローブであり得る。ここで、オリゴマーとは、共有結合した2つ以上のモノマー(monomer)から成るポリマー(polymer)であって、分子量が概略1000以下であり得る。オリゴマーは、例えば、約2ないし500個のモノマーを含み得る。さらに具体的な例として、オリゴマーは、約5ないし30個のモノマーを含み得る。しかし、本発明で言及するオリゴマーは、前記例示した数値に制限されず、当業界でオリゴマーと指称され得るすべてのものを含む。
【0025】
オリゴマープローブのモノマーは、例えば、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ酸、またはペプチドであり得る。
【0026】
前記ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、公知のプリンおよびピリジン塩基を含むだけではなく、メチル化されたプリンまたはピリジン、アシル化されたプリンまたはピリジンなどを含み得る。前記塩基としては、アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)や、ウラシル(U)などが例示される。また、ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、従来のリボースおよびデオキシリボース糖を含むだけではなく、一つ以上のヒドロキシル基がハロゲン原子または脂肪族に置換されたりエーテル、アミンなどの官能基が結合した変形されたりする糖を含み得る。
【0027】
前記アミノ酸は、自然に発見されるアミノ酸のL−、D−、および非キラル(nonchiral)型アミノ酸だけではなく、変形アミノ酸(modified amino acid)、またはアミノ酸類似体(analog)などであり得る。
【0028】
前記ペプチドは、アミノ酸のカルボキシル基と異なるアミノ酸のアミノ基の間のアミド結合によって生成した化合物を示す。
【0029】
したがって、前記プローブ(オリゴマープローブ)140は、2つ以上のヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ酸、ペプチドなどで形成され得る。
【0030】
各プローブ140は、プローブ用モノマーのインサイツ合成によって形成され得る。プローブ用モノマーのインサイツ合成は、複数のマスクを含むマスクセットを利用してなされ得る。前記マスクおよびマスクセットに対する詳細な説明は後述する。
【0031】
固定層120は、基板110とプローブ140の間でこれらの間のカップリングを媒介する。固定層120は、混成化分析条件、例えばpH6−9のリン酸(phosphate)またはTRISバッファと接触時に加水分解せず実質的に安定した物質で形成され得る。例をあげれば、PE−TEOS膜、HDP酸化膜またはP−SiH4酸化膜、熱酸化膜などのシリコン酸化膜、ハフニウムシリケート、ジルコニウムシリケートなどのシリケート、シリコン酸窒化膜、ハフニウム酸窒化膜、ジルコニウム酸窒化膜などの金属酸窒化膜、チタニウム酸化膜、タンタル酸化膜、アルミニウム酸化膜、ハフニウム酸化膜、ジルコニウム酸化膜、ITOなどの金属酸化膜、ポリイミド、ポリアミン、金、銀、銅、パラジウムなどの金属、またはポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリビニールなどのポリマーで形成され得る。
【0032】
固定層120とプローブ140の間には、選択的にリンカー130が介在することができる。リンカー130は、これらの間のカップリングを媒介する。したがって、リンカー130は、固定層120とカップリングし得る官能基およびプローブ140とカップリングされ得る官能基を同時に含む物質で形成され得る。さらに、リンカー130は、混成化のための空間的マージンを提供する機能を有することができる。これのためにリンカー130の長さは、例えば、6ないし50アトム(atoms)であり得るが、これに制限されるものではない。
【0033】
基板(プローブセルアクティブ)110がシリコン酸化膜、シリケートまたはシリコン酸窒化膜からなる場合、リンカー130のカップリング基は基板110表面のSi(OH)基と反応して、シロキサン(Si−O)結合を生成し得るシリコン基を含むことができる。例えば−Si(OMe)3、−SiMe(OMe)2、−SiMeCl2、−SiMe(OEt)2、−SiCl3、−Si(OEt)3であり得る。作用基を含み、シロキサン結合を生成し得るシリコン基を含む。
【0034】
物質としては、N−(3−(トリエトキシシリル)−プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピル−トリエトキシシラン、アセトキシプロピルートリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、国際公開特許WO 00/21967号に開示されたシリコン化合物などが挙げられ、前記公開特許の内容は本明細書に十分に開示されたように援用されて統合される。
【0035】
前記のような構成のマイクロアレイ100は、多数のプローブセル(P1−P12)を含む。プローブセル(P1−P12)は、プローブ140がカップリングしている区画を意味する。したがって、プローブセル(P1−P12)は、プローブ140およびプローブ140がカップリングする対象を含むものとして理解され得る。プローブ140がカップリングする対象は、前述した通り基板110、固定層120、および/またはリンカー130である。したがって、プローブセル(P1−P12)と称される場合、これらのうち少なくとも一つを含むものとして理解され得る。
【0036】
各プローブセル(P1−P12)は、固定層120などにカップリングしたプローブ140の配列(sequence)および/または固定層120の物理的なパターンによって区別される。
【0037】
さらに具体的に説明すれば、例えば、同一プローブセル(P1−P12)に含まれているプローブ140は、実質的にすべて同一のプローブ140配列を有する。反面、互いに異なるプローブセル(P1−P12)間のプローブ140は、互いに異なるプローブ140配列を有する。例示的に示される図2を参照して説明すると、PROBE 5と称されるものは、すべて同一のプローブ140配列を有する。PROBE 6、PROBE 7、およびPROBE 8と称されるものも同じである。しかし、PROBE 5、PROBE 6、PROBE 7、およびPROBE 8の相互関係においては、これら相互の間にプローブ140配列がすべて異なる。すなわち、該当プローブセル(P1−P12)に含まれるプローブ140の配列により、図2の左側からPROBE 5を含む第5プローブセル(P5)、PROBE 6を含む第6プローブセル(P6)、PROBE 7を含む第7プローブセル(P7)、およびPROBE 8を含む第8プローブセル(P8)と各々区分され得る。同じように図1に示されている第1ないし第4プローブセル(P1−P4)、および第9ないし第12プローブセル(P9−P12)の場合にも、同一の議論が適用され得る。
【0038】
各プローブセル(P1−P12)を区別する他の基準は、物理的なパターンである。すなわち、互いに異なるプローブセル(P1−P12)は、物理的にパターニングされ得、これらの間にアイソレイション(isolation)領域(未図示)が介在し得る。
【0039】
多数のプローブセル(P1−P12)は、図1に示される通り、行方向および列方向にアレイされたパターンで配列され得る。各プローブセル(P1−P12)のサイズおよび形状は、実質的に同一であり得る。
【0040】
以下、前述したマイクロアレイ100のプローブ140インサイツ合成に利用されるマスクに対して説明する。図3は本発明の一実施形態によるマスクの平面図である。図4は図3のIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【0041】
本発明の一実施形態によるマスク201は、図3に示される通り、マイクロアレイの各プローブセルに対応する多数の区画に区分され得、各区画は投光領域(TR)と遮光領域(BR)のうち何れか一つによって占有される。マスク201の投光領域(TR)および遮光領域(BR)の数は、これら領域の隣接の可否を問わず、対応するプローブセルの数と同数であるとして計算される。したがって、図3の場合、投光領域(TR)は2個であり、遮光領域(BR)は10個で計算される。
【0042】
図4を参照して本発明の一実施形態によるマスクの断面構造を説明すると、マスク201は透明なガラスなどで形成されたベース220、ベース220上に部分的に形成され、クロムなどの不透明物質から成る遮光パターン層230、および遮光パターン層230上に形成され、クロム酸化物などで成された反射防止パターン層240を含む。
【0043】
前述したマスク201の投光領域(TR)と遮光領域(BR)は、遮光パターン層230の形成の可否によって決定される。すなわち、遮光パターン層230が形成されている領域は遮光領域(BR)を形成し、遮光パターン層230が形成されていない領域は透明なベース220が露出して投光領域(TR)を形成するようになる。
【0044】
このようなマスクの製造方法を説明するために、図5Aないし図5Cが参照される。図5Aないし図5Cは、図4のマスクの製造方法を説明するための断面図である。
【0045】
先に図5Aを参照すると、ベース220上に遮光層(230a)、反射防止層(240a)、フォトレジスト膜(250a)が順次形成されている積層体を準備する。続いて、フォトレジスト膜(250a)を選択的に露光400する。前記選択的露光領域は、あらかじめ準備されたマスクレイアウトに基づいて行われ得る。
【0046】
図5Bを参照すると、選択的に露光されたフォトレジスト膜(250a)領域を現像工程によって除去することによって、反射防止層(240a)を露出するフォトレジストパターン250を形成する。
【0047】
図5Cを参照すると、露出した反射防止層(240a)およびその下部の遮光層(230a)をエッチングして、反射防止膜パターン層240および遮光パターン層230を形成し、その下部の基板220を露出させる。前記エッチングは、例えば、異方性エッチングであり得る。
【0048】
続いて、フォトレジストパターン250を除去すると、図4に示されるようにマスク201が完成し得る。完成したマスク201で反射防止層(240a)およびその下部の遮光層(230a)が除去された領域は、投光領域(TR)となることは自明である。
【0049】
前述した製造段階で、前記フォトレジスト膜250の選択的露光400は、例えば、電子ビームを利用して成される。しかし、このような露光400段階において選択的に露光される領域の総面積がマスク201全面積に比べて過度に小さくなると、正確なパターニングが難しい。例えば、同一なドース量を有する電子ビームで多様なマスクを製造する場合、あまりにも過度に小さい露光面積は露光対象領域が望む露光量に露光されることを妨害する。また、現像段階においてもあまりにも過度に小さい露光面積は精密な現像を妨害する原因となる。このような要因によってマスクパターン(TR、BR)の信頼度が減少する。したがって、製造されるマスクパターン(TR、BR)は、投光領域(TR)が適正水準の面積、例えば最小投光面積以上の面積を有する必要がある。
【0050】
最小の投光面積は、一つの投光領域(TR)のサイズに応じて変わることもある。一つの投光領域(TR)のサイズは、対応する一つのプローブセルの面積に比例する。例えば、一つのプローブセルの一辺が10μm以上の正方形で形成された場合などのように一つのプローブセルの面積が100μm2以上である場合、マスク201の投光領域(TR)の面積(投光領域が複数である場合、各投光領域の面積の合計)は、マスク201の投光領域(TR)と遮光領域(BR)の総面積(すべての投光領域および遮光領域の面積の合計)に対し、約5%以上であり得る。しかし、一つのプローブセルの面積がそれより小さい場合、最小投光面積は前述した数値より増加する。
【0051】
同一(の)プローブセルとは、最小投光面積を満たすように、マスクレイアウト間の投光領域(TR)と遮光領域(BR)交換するときに、投光領域(TR)と遮光領域(BR)に対応するプローブセルが同じであることを意味する。したがって、達成すべきプローブセルと得られるプローブセルとは同じである。
【0052】
例えば、一つのプローブセルの面積が1ないし100μm2である場合にはマスク201の投光領域(TR)の面積は、マスク201の投光領域(TR)と遮光領域(BR)の総面積に対し、約7.5%以上であり得る。そして、一つのプローブセルの面積が0.01ないし1μm2である場合にはマスク201の投光領域(TR)の面積は、マスク201の投光領域(TR)と遮光領域(BR)の総面積に対し、約10%以上であり得る。
【0053】
図3においてマスク201の投光領域(TR)は、総12個の区画のうち2個を占有する。各投光領域(TR)および各遮光領域(BR)の面積が同一であると仮定すると、図3のマスク201の投光領域(TR)の面積は、投光領域(TR)と遮光領域(BR)の総面積の約16.7%で、10%を越える。したがって、図3のマスク201は、一つのプローブセルの面積が0.01μm2以上である場合にすべて適用され得る。
【0054】
図6は本発明の他の実施形態によるマスクの平面図である。本発明の他の実施形態によるマスク202は、図3のマスク201とは異なり、図6に示されるとおり、総12個の区画のうち投光領域(TR)が占める区画は1個である。したがって、図6のマスク202の投光領域(TR)の面積は、投光領域(TR)と遮光領域(BR)の総面積の約8.3%である。したがって、図6のマスク202の場合には一つのプローブセルの面積が0.01ないし1μm2であるマイクロアレイのプローブ製造に適用することが不可能ではないが、より信頼度のあるマイクロアレイのプローブをインサイツ合成のために、一つのプローブセルの面積が1μm2以上であるマイクロアレイのプローブ製造に使用されることが推薦される。もし、合成対象となるプローブセルの面積が0.01ないし1μm2の範囲にあり、これを変更しにくい場合、図6のマスク202は、マスク製造以前のマスクレイアウト段階で後述される本発明の実施形態によるマスクレイアウトの決定方法を利用することによって、その設計パターンが変更され得、その変更されたパターンで製造され提供され得る。
【0055】
図7は本発明の実施形態によるマスクセットの斜視図である。本発明の実施形態によるマスクセット210は、前述した本発明の実施形態によるマスクを複数個含むことによって形成される。例示的な図面である図7において、マスクセット201は12個のマスク(M1−M12)を含んでいる。一つのマスク(M1−M12)は、1回のマイクロアレイのプローブを合成するために少なくとも1回のリソグラフィー工程に用いられる。したがって、図7のマスクセット210は、マイクロアレイのプローブを合成するために少なくとも12回のリソグラフィー工程が用いられることを暗示する。
【0056】
各リソグラフィー工程は、一つのプローブモノマーを反応させるためである。したがって、各マスク(M1−M12)は、対象となる多数のプローブモノマーのうち何れか一つが割当てられる。例えば、対象となるモノマーがアデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、およびシトシン(C)から選択された何れか一つを塩基として有するヌクレオチドホスホラミダイトモノマーの場合、各マスク(M1−M12)は、これらモノマーのうち何れか一つが割当てられる。
【0057】
マスクセット210を構成する各マスク(M1−M12)は、すべて前述した本発明の実施形態によるマスクの条件を満足する。したがって、マスクセット210は一つのプローブセルの面積が100μm2である場合、マイクロアレイのプローブ合成に適用される場合に、投光領域(TR)および遮光領域(BR)の面積の合計に対する投光領域(TR)の面積は、すべてのマスク(M1−M12)において約5%以上であり得る。同じように、一つのプローブセルの面積が1ないし100μm2である場合、投光領域(TR)の面積はすべてのマスク(M1−M12)において約7.5%以上であり、一つのプローブセルの面積が0.01ないし1μm2である場合、投光領域(TR)の面積はすべてのマスク(M1−M12)で約10%以上であり得る。
【0058】
以下、前述したようなマスクセットを製造する方法を説明する。以下の実施形態では説明の便宜上プローブが合成されるマイクロアレイのプローブセルの面積が0.01ないし1μm2である場合を例示し、それに従って製造される各マスクは、投光領域の面積がすべてのマスクにおいて、投光領域および遮光領域の面積の合計に対し、約10%以上の値を有することを目標とすると仮定する。
【0059】
図8は本発明の一実施形態によるマスクセットを製造する方法を説明するための順序図である。
【0060】
図8を参照すると、先に、複数のマスクレイアウトを決定する(S11)。ここで、マスクレイアウトとは、マスクを製造するためにマスクパターンが描かれている配置図だけではなく、マスク製造のためのマスクパターンデータを含む。すなわち、マスクレイアウトは図面として提供され得、データシートでも提供され得る。また、マスクレイアウトは、コンピュータに単にそのデータが保存される方式で提供され得る。
【0061】
前記仮定した通り、本実施形態によって製造されるすべてのマスクは、投光領域(TR)の面積が、投光領域(TR)および遮光領域(BR)の面積の合計に対し、約10%以上の値を有することを目標とするため、複数のマスクレイアウトもこれに対応するように決定する。
【0062】
続いて、決定された複数のマスクレイアウトによって複数のマスクを製造する(S12)。マスクレイアウトによるマスクの製造は、図5Aないし図5Cを参照して説明したマスクの製造方法と実質的に同一な方法でなされ得る。
【0063】
前述した複数のマスクレイアウトを決定する段階を以下でより詳細に説明する。
【0064】
複数のマスクレイアウトの決定は、マスクレイアウト決定システムを利用してなされ得る。図9は本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定システムのブロック図である。図9を参照すると、本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定システム300は、パターン決定部310、選択部320、比較部330、およびパターン変更部340を含む。
【0065】
パターン決定部310は、マイクロアレイのプローブ配列データの入力を受け、入力されたプローブ配列データを利用してマイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトを生成し、各マスクレイアウトに投光領域(TR)および遮光領域(BR)を付与する。
【0066】
選択部320は、パターン決定部310から投光領域(TR)および遮光領域(BR)が付与された各マスクレイアウトのデータの入力を受け、このうち何れか一つのマスクレイアウトを選択する。
【0067】
比較部330は、選択部320で選択されたマスクレイアウトの投光領域(TR)面積と最小投光面積を比較する。選択されたマスクレイアウトの投光領域(TR)面積が最小投光面積以上である場合、比較部はその結果を選択部320に伝達し、選択部320では再び他のマスクレイアウトを選択する。選択されたマスクレイアウトの投光領域(TR)面積が最小投光面積より小さい場合、その結果をパターン変更部340に伝達する。
【0068】
パターン変更部340は、投光領域(TR)面積が最小投光面積より小さい、選択されたマスクレイアウトの遮光領域(BR)を非選択のその他のマスクレイアウトの投光領域(TR)と交換し、投光領域(TR)の数を増加させ、これを比較部330に再び伝達する。比較部330は、投光領域(TR)の数が増加した、前記選択されたマスクレイアウトでの投光領域(TR)面積と最小投光領域(TR)の面積を比較する。
【0069】
選択的に、マスクレイアウト決定システム300は、検査部350をさらに含み得る。検査部350は、比較部330ですべてのマスクレイアウトの投光領域(TR)面積が最小投光領域(TR)の面積より大きいと判断された場合、マスクレイアウトを利用してプローブ合成をシミュレーションし、シミュレーション合成されたプローブの配列がパターン決定部310に最初に提供されていたプローブ配列データ(望むプローブ配列)と同一であるのかを検査する。
【0070】
図10は本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定方法を説明するための順序図である。図10を参照して、本発明の一実施形態によるマスクレイアウトの決定方法を説明すると、先に、複数のマスクレイアウトに投光領域(TR)および遮光領域(BR)を付与する(S21)。具体的には、複数のマスクレイアウトに各々合成対象となるモノマーのうち何れか一つを割当てて、これらの順序を決定する。次に、各マスクレイアウトを多数のプローブセルと各々対応する多数の区画で分割する。続いて、各区画に投光領域(TR)および遮光領域(BR)を付与する。
【0071】
続いて、各プローブセルに望むプローブ配列が合成されるのか判断する(S22)。もし、望むプローブ配列が合成されない場合、再び前記複数のマスクレイアウトに投光領域(TR)および遮光領域(BR)を付与することを繰り返す。
【0072】
前記(S21)段階および(S22)段階の繰り返しによって望むプローブ配列が合成される場合、各マスクレイアウトの投光領域の面積が最小投光面積以上であるか判断する(S23)。もし選択された何れか一つのマスクレイアウトの投光領域(TR)面積が最小投光面積より小さければ、マスクレイアウトの遮光領域(BR)を他のマスクレイアウトの投光領域(TR)と交換する(S24)。この時、相互交換される遮光領域(BR)および投光領域(TR)は、同一のプローブセルに対応することが好ましい。そして、選択されたマスクレイアウトには、交換される投光領域(TR)を含んでいる他のマスクレイアウトと同一のモノマーが割当てられることが好ましい。
【0073】
さらに、遮光領域(BR)と投光領域(TR)の交換にもかかわらず、前記対応するプローブセルには、同一のプローブ配列が合成されることが好ましい。プローブモノマーは、プローブセルに対応するマスクレイアウトの投光領域(TR)と対応されるときに合成される。この時、合成されるモノマーは、前記プローブセルに対応する投光領域(TR)が割当てられたモノマー(投光領域を含むマスクレイアウトが割当てられたモノマー)であろう。その結果、プローブセルに合成されるプローブ配列は、プローブセルと対応する投光領域(TR)に割当てられた合成対象モノマーの順序と同一となる。したがって、交換前後によるプローブセルに対応する投光領域(TR)に割当てられた合成対象モノマーの順序を比較すると、交換前後にもかかわらず、同一のプローブ配列が合成されるのか確認することができる。
【0074】
マスクレイアウト間の遮光領域(BR)と投光領域(TR)を交換すると、再び選択されたマスクレイアウトの投光領域の面積が最小投光面積以上であるのかを判断する(S23)。もし、小さければ遮光領域(BR)と投光領域(TR)をまた交換する(S24)。前記S23およびS24段階は、すべてのマスクレイアウトの投光領域(TR)の面積が最小投光面積以上となるときまで繰り返す。その結果、すべてのマスクレイアウトの投光領域(TR)の面積は、最小オープン面積より大きくなる。
【0075】
以後、選択的に交換された複数のマスクレイアウトを利用して望むプローブ配列が合成されるのか検査する(S25)。前記検査は、パターンが変更されたマスクレイアウトの信頼度を向上させるためである。すなわち、複数のマスクレイアウトのうち何れか一つのパターンだけが誤っても、これらを利用して、プローブを合成すると誤ったプローブ配列が合成され得、これはマイクロアレイ全体の不良につながる。したがって、最終的にプローブ合成シミュレーション検査を遂行することが好ましい。
【0076】
図11ないし図14は本発明の一実施形態によるマスクレイアウトのパターン変更段階を示す斜視図である。図11ないし図14を参照し、前述したS23およびS24段階をさらに具体的に説明する。
【0077】
本実施形態の前提として、次の事項を仮定する。すなわち、プローブが合成されるマイクロアレイは12個のプローブセルを含む。各プローブセルの面積は0.01ないし1μm2の範囲にあり、各マスクの最小オープン面積は、投光領域(TR)と遮光領域(BR)の面積の合計に対し、10%である。各プローブセルに合成されるモノマーの配列は、表1のとおりである。
【0078】
【表1】
【0079】
(ただし、表1においてP1ないしP12は、第1プローブセルないし第12プローブセルを表す。また、A、C、G、Tは、各々合成対象になるモノマーを表す。)
先に、図10で説明したとおり、前記与えられたプローブ配列を合成するための複数のマスクレイアウトのパターンおよび配列を決定する。具体的な説明のために表2および図11を参照する。
【0080】
【表2】
【0081】
表1および図11に示すとおり、複数のマスクレイアウト(ML1−ML12)を準備し、これらを順に配列して、それぞれのマスクレイアウト(ML1−ML12)にA、C、G、Tの合成対象モノマーを順に交代で割当てる。また、各マスクレイアウト(ML1−ML12)を、第1ないし第12プローブセル(P1−P12)に対応する区画で区分する。続いて、各プローブセルのプローブ配列順序に合うように各マスクレイアウト(ML1−ML12)別に各プローブセル(P1−P12)に対応する区画に合成対象モノマーをチェックした後、チェックされた区画に投光領域(TR)を付与する。各マスクレイアウト(ML1−ML12)の投光領域(TR)以外の区画には、すべて遮光領域(BR)を付与する。続いて、投光領域(TR)が付与されていないマスクレイアウトを除去することによって、最終マスクレイアウトの数を決定する。この時、最終マスクレイアウトの数は適用可能な最小の数字に決定されるのが好ましい。
【0082】
続いて、マスクレイアウト(ML1−ML12)のパターン変更のために、投光領域(TR)の面積が最小投光面積より小さいマスクレイアウトを選択する。表1で投光領域(TR)の面積が最小投光面積の10%より小さいマスクレイアウトは投光領域(TR)が一つのみである10番目、11番目、12番目マスクレイアウト(ML10、ML11、ML12)であり、このうち一つのマスクレイアウトを選択する。例をあげれば、前記マスクレイアウトのうち最後マスクレイアウトである12番目マスクレイアウト(ML12)を選択する。
【0083】
続いて、選択された12番目マスクレイアウト(ML12)の遮光領域(BR)を、他のマスクレイアウトの1番目ないし11番目マスクレイアウト(ML1−ML11)の投光領域(TR)と交換する。プローブ合成配列を維持するために遮光領域(BR)と投光領域(TR)の交換は同数交換であり、同一のプローブセル(P1−P12)に対応する遮光領域(BR)および投光領域(TR)間の交換することが好ましい。表2の場合において、前記条件を満足する一例は、記入されたA、G、C、Tのうち何れか一つを行方向の記入されていない欄に移動することである。
【0084】
また、交換対象となるマスクレイアウトは、12番目マスクレイアウト(ML12)に割当てられた合成対象モノマー(T)と同一なモノマーが割当てられたマスクレイアウトであり得る。すなわち、Tが割当てられた4番目マスクレイアウト(ML4)および8番目マスクレイアウト(ML8)が交換対象候補となる。これらのうちプローブ配列を変えず交換できる投光領域(TR)は、各プローブセルに対応する投光領域(TR)であって最後に位置する投光領域(TR)の8番目マスクレイアウト(ML8)の第4、第5、および第12プローブセル(P4、P5、P12)に対応する投光領域(TR)である。この中でまず一つを12番目マスクレイアウト(ML12)の遮光領域(BR)と交換する。表3には8番目マスクレイアウト(ML8)の第4プローブセル(P4)に対応する投光領域(TR)を、前記選択された12番目マスクレイアウト(ML12)の第4プローブセル(P4)に対応する遮光領域(BR)と交換した例が示されている。前記交換例は、また図12にも示されている。
【0085】
【表3】
【0086】
続いて、選択されたマスクレイアウトの投光領域(TR)の面積が最小投光面積以上であるのか判断する。もし、投光領域(TR)の交換にもかかわらず、相変らず最小投光面積より小さい場合には、また8番目マスクレイアウト(ML8)の第5および第12プローブセル(P5、P12)に対応する投光領域(TR)のうち何れか一つを12番目マスクレイアウト(ML12)の同一のプローブセル(P5、P12)に対応する遮光領域(BR)と交換する。しかし、表3および図12の場合には、12番目マスクレイアウト(ML12)の投光領域(TR)が2個に増えることによってすでに最小投光面積より大きくなっている。このように投光領域(TR)の面積が最小投光面積より大きくなれば、選択されたマスクレイアウトに対するパターン変更を中止して次のマスクレイアウトを選択する。例えば、12番目マスクレイアウト(ML12)の直前マスクレイアウトの11番目マスクレイアウト(ML11)を選択する。
【0087】
表3および図12を参照して、前述した12番目マスクレイアウト(ML12)のパターン変更と同一な方法を利用して、選択された11番目マスクレイアウト(ML11)の遮光領域(BR)を他のマスクレイアウトの投光領域(TR)と交換する。この時、前記他のマスクレイアウトの候補ですでにパターン変更が完了した12番目マスクレイアウト(ML12)は、除外することが好ましい。したがって、交換可能なマスクレイアウトは、1番目ないし10番目マスクレイアウト(ML1−ML10)である。これらの中で交換対象となるマスクレイアウトは11番目マスクレイアウト(ML11)に割当てられた合成対象モノマー(G)と同一なモノマーが割当てられたマスクレイアウトであるため、Gが割当てられた3番目マスクレイアウト(ML3)および7番目マスクレイアウト(ML7)が交換対象候補となる。さらに、プローブ配列を変えず交換できる投光領域(TR)は、各プローブセルに対応する投光領域(TR)であって最後に位置する投光領域(TR)の7番目マスクレイアウト(ML7)の第9および第11プローブセル(P9、P11)に対応する投光領域(TR)である。例えばこれらのうち、7番目マスクレイアウト(ML7)の第9プローブセル(P9)に対応する投光領域(TR)を、11番目マスクレイアウト(ML11)の第9プローブセル(P9)に対応する遮光領域(BR)と交換する。その結果を表4および図13に示めす。
【0088】
【表4】
【0089】
表4および図13を参照すると、前記投光領域(TR)および遮光領域(BR)の交換によって、11番目マスクレイアウト(ML11)の投光領域(TR)は2個に増加し、最小投光面積より大きくなっている。したがって、次のマスクレイアウトを選択する。残ったマスクレイアウトは、10番目マスクレイアウト(ML10)である。10番目マスクレイアウト(ML10)に対しても前記と同様な方法を用いれば、6番目マスクレイアウト(ML6)の第3プローブセル(P3)に対応する投光領域(TR)が交換対象となり、これを10番目マスクレイアウト(ML10)の第3プローブセル(P3)に対応する遮光領域(BR)と交換すると、表5および図14に示すようなマスクレイアウトが決定される。
【0090】
【表5】
【0091】
表5および図14を参照すると、前記パターン変更の結果によってすべてのマスクレイアウト(ML1−ML12)の投光領域(TR)の面積が最小投光面積より大きくなっている。したがって、さらにこれ以上のパターン変更を停止し、複数のマスクレイアウト(ML1−ML12)のパターンを決定する。
【0092】
前記のように決定された複数のマスクレイアウト(ML1−ML12)はすべて投光領域(TR)の面積が最小投光面積以上である条件を満足するため、このように決定された複数のマスクレイアウト(ML1−ML12)を利用し、複数のマスクを製造すると、同一のドース量の電子ビームの露光を利用しても形成されるマスクパターンの信頼度が改良される。
【0093】
引続き、前述したような複数のマスクを含むマスクセットを利用し、マイクロアレイを製造する方法について説明する。図15ないし図21は本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。図15ないし図21の実施形態に使用されるマスクセットは、表5および図14によって決定されたマスクレイアウトを利用して製造されたマスクセットであって図7に示されるマスクセットであると仮定する。
【0094】
先に、図15を参照すると、複数のアレイされたプローブセル(P1−P12)を含み、表面が光分解性保護基150によって保護されている基板110を提供する。図15で光分解性保護基150は、基板110にカップリングしているリンカー130に結びつくことによって、基板110の表面を保護している。図15では、図面の明確性のために、固定層は省略されている。
【0095】
図16を参照すると、マスクセット210の1番目マスク(M1)を利用して基板110上のプローブセルを露光する。その結果、1番目マスクの投光領域(TR)に対応する第1、第2、第3、第6、および第10プローブセル(P1、P2、P3、P6、P10)が露光401される。
【0096】
図17を参照すると、前記露光の結果、第1、第2、第3、第6、および第10プローブセル(P1、P2、P3、P6、P10)ではリンカー130に結合した光分解性保護基が分解して、リンカーの官能基が露出する。
【0097】
図18を参照すると、図17の結果物に光分解性保護基150が結合しているAモノマー141を提供する。光分解性保護基150が結合しているAモノマー141は、官能基が露出している第1、第2、第3、第6、および第10プローブセル(P1、P2、P3、P6、P10)でリンカー130と結合する。その以外のプローブセル(P4、P5、P7、P8、P9、P11、P12)は、光分解性保護基150によって保護されているため、光分解性保護基150が結合しているAモノマー141は結合しない。その結果、第1、第2、第3、第6、および第10プローブセル(P1、P2、P3、P6、P10)にAモノマー(1410)が反応するが、これらは光分解性保護基150と結合しているため、合成された基板110の表面は、図15のように、再び光分解性保護基150によって保護されている。
【0098】
図19を参照すると、マスクセット210の2番目マスク(M2)を利用して図18の基板110上のプローブセルを露光する。その結果、2番目マスク(M2)の投光領域(TR)に対応する第2、第7、第10、および第11プローブセル(P2、P7、P10、P11)が露光401される。
【0099】
図20を参照すると、前記露光の結果、第2、第7、第10、および第11プローブセル(P2、P7、P10、P11)でリンカー130またはAモノマー141に結合した光分解性保護基150が分解してリンカー130またはAモノマー141の官能基が露出する。
【0100】
図21を参照すると、図20の結果物に光分解性保護基150が結合しているCモノマー142を提供する。光分解性保護基150が結合しているCモノマー142は、官能基が露出している第2、第7、第10、および第11プローブセル(P2、P7、P10、P11)でリンカー130またはAモノマー141と結合する。その以外のプローブセル(P1、P3、P4、P5、P6、P8、P9、P12)は、光分解性保護基150によって保護されているため、光分解性保護基150が結合しているCモノマー142は結合しない。その結果、第2、第7、第10、および第11プローブセル(P2、P7、P10、P11)にCモノマー142が結合するが、これらは光分解性保護基150と結合しているため、合成された基板110の表面は、図15のように、また光分解性保護基150によって保護される。
【0101】
続いて、3番目マスク(M3)から12番目マスク(M12)に至るまで前記した方法と同様な方法でインサイツ合成を継続して行うと、各プローブセル(P1−P12)別に表5に示すプローブ配列を有するマイクロアレイを製造することができる。
【0102】
以上添付された図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施され得ることを理解できるであろう。したがって以上で記述した実施形態をすべての面で例示的なものであり、限定的ではないことと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明のマスクセットはマイクロアレイのプローブの合成に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明のいくつかの実施形態によって製造されたマイクロアレイの斜視図である。
【図2】図1のII−II’線に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるマスクの平面図である。
【図4】図3のIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図5A】図4のマスクを製造する方法を説明するための断面図である。
【図5B】図4のマスクを製造する方法を説明するための断面図である。
【図5C】図4のマスクを製造する方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態によるマスクの平面図である。
【図7】本発明の実施形態によるマスクセットの斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態によるマスクセットを製造する方法を説明するための順序図である。
【図9】本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定システムのブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定方法を説明するための順序図である。
【図11】本発明の一実施形態によるマスクレイアウトのパターン変更段階を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態によるマスクレイアウトのパターン変更段階を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態によるマスクレイアウトのパターン変更段階を示す斜視図である。
【図14】本発明の一実施形態によるマスクレイアウトのパターン変更段階を示す斜視図である。
【図15】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図16】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図17】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図18】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図19】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図20】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図21】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
100 マイクロアレイ、
110 基板、
120 固定層、
130 リンカー、
140 プローブ、
150 光分解性保護基、
201、202 マスク、
210 マスクセット。
【技術分野】
【0001】
本発明はマスクセットに関するものであって、より詳細にはマイクロアレイのプローブをインサイツ合成するためのマスクセット、マスクセットの製造方法、およびマスクセットを利用したマイクロアレイの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゲノムプロジェクトが発展し、多様な有機体のゲノムヌクレオチド配列が明らかになることによってマイクロアレイに対する関心が増加している。マイクロアレイは、遺伝子発現分析(expression profiling)、遺伝子型分析(genotyping)、SNPのような突然変異(mutation)および多形(polymorphism)の検出、タンパク質およびペプチド分析、潜在的な薬のスクリーニング、新薬開発と製造などに広く使用される。
【0003】
マイクロアレイは、基板上に固定された多数のプローブを含む。プローブはスポッティング(spotting)によって直接固定されたり、フォトリソグラフィ(photolithography)を利用してインサイツ(in−situ)合成されて固定されたりする。フォトリソグラフィを利用したインサイツ合成方法は大量生産が容易であるため、最近になって特に注目されている。
【0004】
プローブのインサイツ合成のためには多数のマスクが利用される。各マスクは、投光領域と遮光領域を含んでいる。各マスクは多数、例えば4個のプローブ用モノマーのうち何れか一つが割当てられる。プローブ用モノマーが4個の場合、プローブの一モノマー層を完成するためには最大4個の個別マスクが要求される。したがって、もしプローブが25個のモノマー層で形成される場合、最大100個の個別マスクが要求される。
【0005】
マスクの投光領域は、モノマーが合成されるプローブセルと対応する。したがって、マスクのパターンはプローブセル別合成ターゲットプローブの配列によって変わる。すなわち、マスク全体は例えば平均的に25%の投光領域を有しているが、個別のマスク単位ではプローブセルのプローブ配列によって平均よりはるかに小さい投光領域を有する場合が発生する。極端にいくつかのマスクは1%以下の投光領域を有することもできる。しかし、いくつかのマスクの投光領域が過度に小さくなれば、マスク製造時に正確なパターニングが難しくなる。例をあげれば、投光領域が不完全オープンされたり非オープン(not open)されたりし、望むサイズおよび/または形状の投光領域を確保できない現象が発生するようになる。このような現象はマイクロアレイが集積化されるほどさらに深刻化される。
【特許文献1】米国公開特許2006−094040号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、投光領域の面積が制御されたマスクセットを提供しようとするものにある。
【0007】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、マスクレイアウトの投光領域の面積を制御するマスクレイアウト決定システムを提供しようとするものにある。
【0008】
本発明が解決しようとするその他の技術的課題は、マスクレイアウトの投光領域の面積を制御するマスクレイアウト決定方法を提供しようとするものにある。
【0009】
本発明が解決しようとする別の技術的課題は、投光領域の面積が制御されるマスクレイアウトを利用したマスクセットの製造方法を提供しようとするものにある。
【0010】
本発明が解決しようとするその他の技術的課題は、前記したマスクセットを利用したマイクロアレイの製造方法を提供しようとするものにある。
【0011】
本発明の技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマスクセットは、マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクであって、前記各マスクは投光領域および遮光領域を含むものの、前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である複数のマスクを含む。
【0013】
前記他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定システムは、マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与するパターン決定部、前記複数のマスクレイアウトのうち何れか一つを選択する選択部、前記選択されたマスクレイアウトの投光領域の面積を最小投光面積と比較する比較部、および前記選択されたマスクレイアウトの投光領域の面積が前記最小投光面積より小さい場合に前記選択されたマスクレイアウトの遮光領域を前記非選択のマスクレイアウトの投光領域と交換するパターン変更部を含む。
【0014】
前記また他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定方法は、マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与し、前記各マスクレイアウトの前記投光領域の面積が最小投光面積以上となるように前記各マスクレイアウトの前記遮光領域を前記他のマスクレイアウトの前記投光領域と交換することを含む。
【0015】
前記また他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマスクセットの製造方法は、マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与し、前記各マスクレイアウトの前記投光領域の面積が最小投光面積以上となるように前記各マスクレイアウトの前記遮光領域を前記他のマスクレイアウトの前記投光領域と交換し、前記遮光領域が前記投光領域で交換された前記各マスクレイアウトを含む複数のマスクレイアウトを利用して複数のマスクを製造することを含む。
【0016】
前記また他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法は、複数のアレイされたプローブセルを含み、表面が光分解性保護基によって保護されている基板を提供し、複数のマスクとして、前記各マスクは投光領域および遮光領域を含むものの、前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である複数のマスクを含むマスクセットを利用して前記マイクロアレイのプローブをインサイツ合成することを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施形態によるマスクレイアウトの決定方法によれば、合成対象プローブの配列を変更せずに、複数個のマスクレイアウトの投光領域がすべて最小投光面積より同じであったり大きい面積を有したりするように制御できるため、それによって製造されるマスクセットのパターン信頼度が改良され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施形態は本発明の開示が完全なようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。
【0019】
空間的に相対的な用語の「下(below)「、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図面に示されているように、一つの素子または構成要素と異なる素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて使用時または動作時に素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。明細書全体において、同一参照符号は同一構成要素を指称する。
【0020】
以下、添付図面を参考して本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は本発明のいくつかの実施形態によって製造されたマイクロアレイの斜視図である。図2は図1のII−II’線に沿って切断した断面図である。
【0022】
図1および図2を参照すると、本発明のいくつかの実施形態によって製造されたマイクロアレイ100は、基板110および多数のプローブ140を含む。多数のプローブ140は、基板上にカップリングしている。さらに、マイクロアレイ100は、プローブ140と基板110の間に前記プローブ140および基板110のカップリングを媒介する固定層(fixing layer)120および/またはリンカー130を含み得る。
【0023】
基板110は、例えば、可撓性(flexible)または剛性(rigid)基板であり得る。適用される可撓性基板の例としては、ナイロン、ニトロセルロースなどのメンブレインまたはプラスチックフィルムなどを挙げることができる。剛性基板としては、シリコン基板、ソーダ石灰ガラスから成る透明ガラス基板などが例示され得る。シリコン基板または透明ガラス基板の場合には、混成化過程の間は非特異的結合がほとんど起きない。また、シリコン基板または透明ガラス基板は、半導体素子の製造工程またはLCDパネルの製造工程などですでに安定的に確立されて適用されている多様な薄膜の製造工程および写真エッチング工程などがそのまま適用できる長所がある。
【0024】
プローブ140は、例えば、オリゴマープローブであり得る。ここで、オリゴマーとは、共有結合した2つ以上のモノマー(monomer)から成るポリマー(polymer)であって、分子量が概略1000以下であり得る。オリゴマーは、例えば、約2ないし500個のモノマーを含み得る。さらに具体的な例として、オリゴマーは、約5ないし30個のモノマーを含み得る。しかし、本発明で言及するオリゴマーは、前記例示した数値に制限されず、当業界でオリゴマーと指称され得るすべてのものを含む。
【0025】
オリゴマープローブのモノマーは、例えば、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ酸、またはペプチドであり得る。
【0026】
前記ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、公知のプリンおよびピリジン塩基を含むだけではなく、メチル化されたプリンまたはピリジン、アシル化されたプリンまたはピリジンなどを含み得る。前記塩基としては、アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)や、ウラシル(U)などが例示される。また、ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、従来のリボースおよびデオキシリボース糖を含むだけではなく、一つ以上のヒドロキシル基がハロゲン原子または脂肪族に置換されたりエーテル、アミンなどの官能基が結合した変形されたりする糖を含み得る。
【0027】
前記アミノ酸は、自然に発見されるアミノ酸のL−、D−、および非キラル(nonchiral)型アミノ酸だけではなく、変形アミノ酸(modified amino acid)、またはアミノ酸類似体(analog)などであり得る。
【0028】
前記ペプチドは、アミノ酸のカルボキシル基と異なるアミノ酸のアミノ基の間のアミド結合によって生成した化合物を示す。
【0029】
したがって、前記プローブ(オリゴマープローブ)140は、2つ以上のヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ酸、ペプチドなどで形成され得る。
【0030】
各プローブ140は、プローブ用モノマーのインサイツ合成によって形成され得る。プローブ用モノマーのインサイツ合成は、複数のマスクを含むマスクセットを利用してなされ得る。前記マスクおよびマスクセットに対する詳細な説明は後述する。
【0031】
固定層120は、基板110とプローブ140の間でこれらの間のカップリングを媒介する。固定層120は、混成化分析条件、例えばpH6−9のリン酸(phosphate)またはTRISバッファと接触時に加水分解せず実質的に安定した物質で形成され得る。例をあげれば、PE−TEOS膜、HDP酸化膜またはP−SiH4酸化膜、熱酸化膜などのシリコン酸化膜、ハフニウムシリケート、ジルコニウムシリケートなどのシリケート、シリコン酸窒化膜、ハフニウム酸窒化膜、ジルコニウム酸窒化膜などの金属酸窒化膜、チタニウム酸化膜、タンタル酸化膜、アルミニウム酸化膜、ハフニウム酸化膜、ジルコニウム酸化膜、ITOなどの金属酸化膜、ポリイミド、ポリアミン、金、銀、銅、パラジウムなどの金属、またはポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリビニールなどのポリマーで形成され得る。
【0032】
固定層120とプローブ140の間には、選択的にリンカー130が介在することができる。リンカー130は、これらの間のカップリングを媒介する。したがって、リンカー130は、固定層120とカップリングし得る官能基およびプローブ140とカップリングされ得る官能基を同時に含む物質で形成され得る。さらに、リンカー130は、混成化のための空間的マージンを提供する機能を有することができる。これのためにリンカー130の長さは、例えば、6ないし50アトム(atoms)であり得るが、これに制限されるものではない。
【0033】
基板(プローブセルアクティブ)110がシリコン酸化膜、シリケートまたはシリコン酸窒化膜からなる場合、リンカー130のカップリング基は基板110表面のSi(OH)基と反応して、シロキサン(Si−O)結合を生成し得るシリコン基を含むことができる。例えば−Si(OMe)3、−SiMe(OMe)2、−SiMeCl2、−SiMe(OEt)2、−SiCl3、−Si(OEt)3であり得る。作用基を含み、シロキサン結合を生成し得るシリコン基を含む。
【0034】
物質としては、N−(3−(トリエトキシシリル)−プロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピル−トリエトキシシラン、アセトキシプロピルートリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、国際公開特許WO 00/21967号に開示されたシリコン化合物などが挙げられ、前記公開特許の内容は本明細書に十分に開示されたように援用されて統合される。
【0035】
前記のような構成のマイクロアレイ100は、多数のプローブセル(P1−P12)を含む。プローブセル(P1−P12)は、プローブ140がカップリングしている区画を意味する。したがって、プローブセル(P1−P12)は、プローブ140およびプローブ140がカップリングする対象を含むものとして理解され得る。プローブ140がカップリングする対象は、前述した通り基板110、固定層120、および/またはリンカー130である。したがって、プローブセル(P1−P12)と称される場合、これらのうち少なくとも一つを含むものとして理解され得る。
【0036】
各プローブセル(P1−P12)は、固定層120などにカップリングしたプローブ140の配列(sequence)および/または固定層120の物理的なパターンによって区別される。
【0037】
さらに具体的に説明すれば、例えば、同一プローブセル(P1−P12)に含まれているプローブ140は、実質的にすべて同一のプローブ140配列を有する。反面、互いに異なるプローブセル(P1−P12)間のプローブ140は、互いに異なるプローブ140配列を有する。例示的に示される図2を参照して説明すると、PROBE 5と称されるものは、すべて同一のプローブ140配列を有する。PROBE 6、PROBE 7、およびPROBE 8と称されるものも同じである。しかし、PROBE 5、PROBE 6、PROBE 7、およびPROBE 8の相互関係においては、これら相互の間にプローブ140配列がすべて異なる。すなわち、該当プローブセル(P1−P12)に含まれるプローブ140の配列により、図2の左側からPROBE 5を含む第5プローブセル(P5)、PROBE 6を含む第6プローブセル(P6)、PROBE 7を含む第7プローブセル(P7)、およびPROBE 8を含む第8プローブセル(P8)と各々区分され得る。同じように図1に示されている第1ないし第4プローブセル(P1−P4)、および第9ないし第12プローブセル(P9−P12)の場合にも、同一の議論が適用され得る。
【0038】
各プローブセル(P1−P12)を区別する他の基準は、物理的なパターンである。すなわち、互いに異なるプローブセル(P1−P12)は、物理的にパターニングされ得、これらの間にアイソレイション(isolation)領域(未図示)が介在し得る。
【0039】
多数のプローブセル(P1−P12)は、図1に示される通り、行方向および列方向にアレイされたパターンで配列され得る。各プローブセル(P1−P12)のサイズおよび形状は、実質的に同一であり得る。
【0040】
以下、前述したマイクロアレイ100のプローブ140インサイツ合成に利用されるマスクに対して説明する。図3は本発明の一実施形態によるマスクの平面図である。図4は図3のIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【0041】
本発明の一実施形態によるマスク201は、図3に示される通り、マイクロアレイの各プローブセルに対応する多数の区画に区分され得、各区画は投光領域(TR)と遮光領域(BR)のうち何れか一つによって占有される。マスク201の投光領域(TR)および遮光領域(BR)の数は、これら領域の隣接の可否を問わず、対応するプローブセルの数と同数であるとして計算される。したがって、図3の場合、投光領域(TR)は2個であり、遮光領域(BR)は10個で計算される。
【0042】
図4を参照して本発明の一実施形態によるマスクの断面構造を説明すると、マスク201は透明なガラスなどで形成されたベース220、ベース220上に部分的に形成され、クロムなどの不透明物質から成る遮光パターン層230、および遮光パターン層230上に形成され、クロム酸化物などで成された反射防止パターン層240を含む。
【0043】
前述したマスク201の投光領域(TR)と遮光領域(BR)は、遮光パターン層230の形成の可否によって決定される。すなわち、遮光パターン層230が形成されている領域は遮光領域(BR)を形成し、遮光パターン層230が形成されていない領域は透明なベース220が露出して投光領域(TR)を形成するようになる。
【0044】
このようなマスクの製造方法を説明するために、図5Aないし図5Cが参照される。図5Aないし図5Cは、図4のマスクの製造方法を説明するための断面図である。
【0045】
先に図5Aを参照すると、ベース220上に遮光層(230a)、反射防止層(240a)、フォトレジスト膜(250a)が順次形成されている積層体を準備する。続いて、フォトレジスト膜(250a)を選択的に露光400する。前記選択的露光領域は、あらかじめ準備されたマスクレイアウトに基づいて行われ得る。
【0046】
図5Bを参照すると、選択的に露光されたフォトレジスト膜(250a)領域を現像工程によって除去することによって、反射防止層(240a)を露出するフォトレジストパターン250を形成する。
【0047】
図5Cを参照すると、露出した反射防止層(240a)およびその下部の遮光層(230a)をエッチングして、反射防止膜パターン層240および遮光パターン層230を形成し、その下部の基板220を露出させる。前記エッチングは、例えば、異方性エッチングであり得る。
【0048】
続いて、フォトレジストパターン250を除去すると、図4に示されるようにマスク201が完成し得る。完成したマスク201で反射防止層(240a)およびその下部の遮光層(230a)が除去された領域は、投光領域(TR)となることは自明である。
【0049】
前述した製造段階で、前記フォトレジスト膜250の選択的露光400は、例えば、電子ビームを利用して成される。しかし、このような露光400段階において選択的に露光される領域の総面積がマスク201全面積に比べて過度に小さくなると、正確なパターニングが難しい。例えば、同一なドース量を有する電子ビームで多様なマスクを製造する場合、あまりにも過度に小さい露光面積は露光対象領域が望む露光量に露光されることを妨害する。また、現像段階においてもあまりにも過度に小さい露光面積は精密な現像を妨害する原因となる。このような要因によってマスクパターン(TR、BR)の信頼度が減少する。したがって、製造されるマスクパターン(TR、BR)は、投光領域(TR)が適正水準の面積、例えば最小投光面積以上の面積を有する必要がある。
【0050】
最小の投光面積は、一つの投光領域(TR)のサイズに応じて変わることもある。一つの投光領域(TR)のサイズは、対応する一つのプローブセルの面積に比例する。例えば、一つのプローブセルの一辺が10μm以上の正方形で形成された場合などのように一つのプローブセルの面積が100μm2以上である場合、マスク201の投光領域(TR)の面積(投光領域が複数である場合、各投光領域の面積の合計)は、マスク201の投光領域(TR)と遮光領域(BR)の総面積(すべての投光領域および遮光領域の面積の合計)に対し、約5%以上であり得る。しかし、一つのプローブセルの面積がそれより小さい場合、最小投光面積は前述した数値より増加する。
【0051】
同一(の)プローブセルとは、最小投光面積を満たすように、マスクレイアウト間の投光領域(TR)と遮光領域(BR)交換するときに、投光領域(TR)と遮光領域(BR)に対応するプローブセルが同じであることを意味する。したがって、達成すべきプローブセルと得られるプローブセルとは同じである。
【0052】
例えば、一つのプローブセルの面積が1ないし100μm2である場合にはマスク201の投光領域(TR)の面積は、マスク201の投光領域(TR)と遮光領域(BR)の総面積に対し、約7.5%以上であり得る。そして、一つのプローブセルの面積が0.01ないし1μm2である場合にはマスク201の投光領域(TR)の面積は、マスク201の投光領域(TR)と遮光領域(BR)の総面積に対し、約10%以上であり得る。
【0053】
図3においてマスク201の投光領域(TR)は、総12個の区画のうち2個を占有する。各投光領域(TR)および各遮光領域(BR)の面積が同一であると仮定すると、図3のマスク201の投光領域(TR)の面積は、投光領域(TR)と遮光領域(BR)の総面積の約16.7%で、10%を越える。したがって、図3のマスク201は、一つのプローブセルの面積が0.01μm2以上である場合にすべて適用され得る。
【0054】
図6は本発明の他の実施形態によるマスクの平面図である。本発明の他の実施形態によるマスク202は、図3のマスク201とは異なり、図6に示されるとおり、総12個の区画のうち投光領域(TR)が占める区画は1個である。したがって、図6のマスク202の投光領域(TR)の面積は、投光領域(TR)と遮光領域(BR)の総面積の約8.3%である。したがって、図6のマスク202の場合には一つのプローブセルの面積が0.01ないし1μm2であるマイクロアレイのプローブ製造に適用することが不可能ではないが、より信頼度のあるマイクロアレイのプローブをインサイツ合成のために、一つのプローブセルの面積が1μm2以上であるマイクロアレイのプローブ製造に使用されることが推薦される。もし、合成対象となるプローブセルの面積が0.01ないし1μm2の範囲にあり、これを変更しにくい場合、図6のマスク202は、マスク製造以前のマスクレイアウト段階で後述される本発明の実施形態によるマスクレイアウトの決定方法を利用することによって、その設計パターンが変更され得、その変更されたパターンで製造され提供され得る。
【0055】
図7は本発明の実施形態によるマスクセットの斜視図である。本発明の実施形態によるマスクセット210は、前述した本発明の実施形態によるマスクを複数個含むことによって形成される。例示的な図面である図7において、マスクセット201は12個のマスク(M1−M12)を含んでいる。一つのマスク(M1−M12)は、1回のマイクロアレイのプローブを合成するために少なくとも1回のリソグラフィー工程に用いられる。したがって、図7のマスクセット210は、マイクロアレイのプローブを合成するために少なくとも12回のリソグラフィー工程が用いられることを暗示する。
【0056】
各リソグラフィー工程は、一つのプローブモノマーを反応させるためである。したがって、各マスク(M1−M12)は、対象となる多数のプローブモノマーのうち何れか一つが割当てられる。例えば、対象となるモノマーがアデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、およびシトシン(C)から選択された何れか一つを塩基として有するヌクレオチドホスホラミダイトモノマーの場合、各マスク(M1−M12)は、これらモノマーのうち何れか一つが割当てられる。
【0057】
マスクセット210を構成する各マスク(M1−M12)は、すべて前述した本発明の実施形態によるマスクの条件を満足する。したがって、マスクセット210は一つのプローブセルの面積が100μm2である場合、マイクロアレイのプローブ合成に適用される場合に、投光領域(TR)および遮光領域(BR)の面積の合計に対する投光領域(TR)の面積は、すべてのマスク(M1−M12)において約5%以上であり得る。同じように、一つのプローブセルの面積が1ないし100μm2である場合、投光領域(TR)の面積はすべてのマスク(M1−M12)において約7.5%以上であり、一つのプローブセルの面積が0.01ないし1μm2である場合、投光領域(TR)の面積はすべてのマスク(M1−M12)で約10%以上であり得る。
【0058】
以下、前述したようなマスクセットを製造する方法を説明する。以下の実施形態では説明の便宜上プローブが合成されるマイクロアレイのプローブセルの面積が0.01ないし1μm2である場合を例示し、それに従って製造される各マスクは、投光領域の面積がすべてのマスクにおいて、投光領域および遮光領域の面積の合計に対し、約10%以上の値を有することを目標とすると仮定する。
【0059】
図8は本発明の一実施形態によるマスクセットを製造する方法を説明するための順序図である。
【0060】
図8を参照すると、先に、複数のマスクレイアウトを決定する(S11)。ここで、マスクレイアウトとは、マスクを製造するためにマスクパターンが描かれている配置図だけではなく、マスク製造のためのマスクパターンデータを含む。すなわち、マスクレイアウトは図面として提供され得、データシートでも提供され得る。また、マスクレイアウトは、コンピュータに単にそのデータが保存される方式で提供され得る。
【0061】
前記仮定した通り、本実施形態によって製造されるすべてのマスクは、投光領域(TR)の面積が、投光領域(TR)および遮光領域(BR)の面積の合計に対し、約10%以上の値を有することを目標とするため、複数のマスクレイアウトもこれに対応するように決定する。
【0062】
続いて、決定された複数のマスクレイアウトによって複数のマスクを製造する(S12)。マスクレイアウトによるマスクの製造は、図5Aないし図5Cを参照して説明したマスクの製造方法と実質的に同一な方法でなされ得る。
【0063】
前述した複数のマスクレイアウトを決定する段階を以下でより詳細に説明する。
【0064】
複数のマスクレイアウトの決定は、マスクレイアウト決定システムを利用してなされ得る。図9は本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定システムのブロック図である。図9を参照すると、本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定システム300は、パターン決定部310、選択部320、比較部330、およびパターン変更部340を含む。
【0065】
パターン決定部310は、マイクロアレイのプローブ配列データの入力を受け、入力されたプローブ配列データを利用してマイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトを生成し、各マスクレイアウトに投光領域(TR)および遮光領域(BR)を付与する。
【0066】
選択部320は、パターン決定部310から投光領域(TR)および遮光領域(BR)が付与された各マスクレイアウトのデータの入力を受け、このうち何れか一つのマスクレイアウトを選択する。
【0067】
比較部330は、選択部320で選択されたマスクレイアウトの投光領域(TR)面積と最小投光面積を比較する。選択されたマスクレイアウトの投光領域(TR)面積が最小投光面積以上である場合、比較部はその結果を選択部320に伝達し、選択部320では再び他のマスクレイアウトを選択する。選択されたマスクレイアウトの投光領域(TR)面積が最小投光面積より小さい場合、その結果をパターン変更部340に伝達する。
【0068】
パターン変更部340は、投光領域(TR)面積が最小投光面積より小さい、選択されたマスクレイアウトの遮光領域(BR)を非選択のその他のマスクレイアウトの投光領域(TR)と交換し、投光領域(TR)の数を増加させ、これを比較部330に再び伝達する。比較部330は、投光領域(TR)の数が増加した、前記選択されたマスクレイアウトでの投光領域(TR)面積と最小投光領域(TR)の面積を比較する。
【0069】
選択的に、マスクレイアウト決定システム300は、検査部350をさらに含み得る。検査部350は、比較部330ですべてのマスクレイアウトの投光領域(TR)面積が最小投光領域(TR)の面積より大きいと判断された場合、マスクレイアウトを利用してプローブ合成をシミュレーションし、シミュレーション合成されたプローブの配列がパターン決定部310に最初に提供されていたプローブ配列データ(望むプローブ配列)と同一であるのかを検査する。
【0070】
図10は本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定方法を説明するための順序図である。図10を参照して、本発明の一実施形態によるマスクレイアウトの決定方法を説明すると、先に、複数のマスクレイアウトに投光領域(TR)および遮光領域(BR)を付与する(S21)。具体的には、複数のマスクレイアウトに各々合成対象となるモノマーのうち何れか一つを割当てて、これらの順序を決定する。次に、各マスクレイアウトを多数のプローブセルと各々対応する多数の区画で分割する。続いて、各区画に投光領域(TR)および遮光領域(BR)を付与する。
【0071】
続いて、各プローブセルに望むプローブ配列が合成されるのか判断する(S22)。もし、望むプローブ配列が合成されない場合、再び前記複数のマスクレイアウトに投光領域(TR)および遮光領域(BR)を付与することを繰り返す。
【0072】
前記(S21)段階および(S22)段階の繰り返しによって望むプローブ配列が合成される場合、各マスクレイアウトの投光領域の面積が最小投光面積以上であるか判断する(S23)。もし選択された何れか一つのマスクレイアウトの投光領域(TR)面積が最小投光面積より小さければ、マスクレイアウトの遮光領域(BR)を他のマスクレイアウトの投光領域(TR)と交換する(S24)。この時、相互交換される遮光領域(BR)および投光領域(TR)は、同一のプローブセルに対応することが好ましい。そして、選択されたマスクレイアウトには、交換される投光領域(TR)を含んでいる他のマスクレイアウトと同一のモノマーが割当てられることが好ましい。
【0073】
さらに、遮光領域(BR)と投光領域(TR)の交換にもかかわらず、前記対応するプローブセルには、同一のプローブ配列が合成されることが好ましい。プローブモノマーは、プローブセルに対応するマスクレイアウトの投光領域(TR)と対応されるときに合成される。この時、合成されるモノマーは、前記プローブセルに対応する投光領域(TR)が割当てられたモノマー(投光領域を含むマスクレイアウトが割当てられたモノマー)であろう。その結果、プローブセルに合成されるプローブ配列は、プローブセルと対応する投光領域(TR)に割当てられた合成対象モノマーの順序と同一となる。したがって、交換前後によるプローブセルに対応する投光領域(TR)に割当てられた合成対象モノマーの順序を比較すると、交換前後にもかかわらず、同一のプローブ配列が合成されるのか確認することができる。
【0074】
マスクレイアウト間の遮光領域(BR)と投光領域(TR)を交換すると、再び選択されたマスクレイアウトの投光領域の面積が最小投光面積以上であるのかを判断する(S23)。もし、小さければ遮光領域(BR)と投光領域(TR)をまた交換する(S24)。前記S23およびS24段階は、すべてのマスクレイアウトの投光領域(TR)の面積が最小投光面積以上となるときまで繰り返す。その結果、すべてのマスクレイアウトの投光領域(TR)の面積は、最小オープン面積より大きくなる。
【0075】
以後、選択的に交換された複数のマスクレイアウトを利用して望むプローブ配列が合成されるのか検査する(S25)。前記検査は、パターンが変更されたマスクレイアウトの信頼度を向上させるためである。すなわち、複数のマスクレイアウトのうち何れか一つのパターンだけが誤っても、これらを利用して、プローブを合成すると誤ったプローブ配列が合成され得、これはマイクロアレイ全体の不良につながる。したがって、最終的にプローブ合成シミュレーション検査を遂行することが好ましい。
【0076】
図11ないし図14は本発明の一実施形態によるマスクレイアウトのパターン変更段階を示す斜視図である。図11ないし図14を参照し、前述したS23およびS24段階をさらに具体的に説明する。
【0077】
本実施形態の前提として、次の事項を仮定する。すなわち、プローブが合成されるマイクロアレイは12個のプローブセルを含む。各プローブセルの面積は0.01ないし1μm2の範囲にあり、各マスクの最小オープン面積は、投光領域(TR)と遮光領域(BR)の面積の合計に対し、10%である。各プローブセルに合成されるモノマーの配列は、表1のとおりである。
【0078】
【表1】
【0079】
(ただし、表1においてP1ないしP12は、第1プローブセルないし第12プローブセルを表す。また、A、C、G、Tは、各々合成対象になるモノマーを表す。)
先に、図10で説明したとおり、前記与えられたプローブ配列を合成するための複数のマスクレイアウトのパターンおよび配列を決定する。具体的な説明のために表2および図11を参照する。
【0080】
【表2】
【0081】
表1および図11に示すとおり、複数のマスクレイアウト(ML1−ML12)を準備し、これらを順に配列して、それぞれのマスクレイアウト(ML1−ML12)にA、C、G、Tの合成対象モノマーを順に交代で割当てる。また、各マスクレイアウト(ML1−ML12)を、第1ないし第12プローブセル(P1−P12)に対応する区画で区分する。続いて、各プローブセルのプローブ配列順序に合うように各マスクレイアウト(ML1−ML12)別に各プローブセル(P1−P12)に対応する区画に合成対象モノマーをチェックした後、チェックされた区画に投光領域(TR)を付与する。各マスクレイアウト(ML1−ML12)の投光領域(TR)以外の区画には、すべて遮光領域(BR)を付与する。続いて、投光領域(TR)が付与されていないマスクレイアウトを除去することによって、最終マスクレイアウトの数を決定する。この時、最終マスクレイアウトの数は適用可能な最小の数字に決定されるのが好ましい。
【0082】
続いて、マスクレイアウト(ML1−ML12)のパターン変更のために、投光領域(TR)の面積が最小投光面積より小さいマスクレイアウトを選択する。表1で投光領域(TR)の面積が最小投光面積の10%より小さいマスクレイアウトは投光領域(TR)が一つのみである10番目、11番目、12番目マスクレイアウト(ML10、ML11、ML12)であり、このうち一つのマスクレイアウトを選択する。例をあげれば、前記マスクレイアウトのうち最後マスクレイアウトである12番目マスクレイアウト(ML12)を選択する。
【0083】
続いて、選択された12番目マスクレイアウト(ML12)の遮光領域(BR)を、他のマスクレイアウトの1番目ないし11番目マスクレイアウト(ML1−ML11)の投光領域(TR)と交換する。プローブ合成配列を維持するために遮光領域(BR)と投光領域(TR)の交換は同数交換であり、同一のプローブセル(P1−P12)に対応する遮光領域(BR)および投光領域(TR)間の交換することが好ましい。表2の場合において、前記条件を満足する一例は、記入されたA、G、C、Tのうち何れか一つを行方向の記入されていない欄に移動することである。
【0084】
また、交換対象となるマスクレイアウトは、12番目マスクレイアウト(ML12)に割当てられた合成対象モノマー(T)と同一なモノマーが割当てられたマスクレイアウトであり得る。すなわち、Tが割当てられた4番目マスクレイアウト(ML4)および8番目マスクレイアウト(ML8)が交換対象候補となる。これらのうちプローブ配列を変えず交換できる投光領域(TR)は、各プローブセルに対応する投光領域(TR)であって最後に位置する投光領域(TR)の8番目マスクレイアウト(ML8)の第4、第5、および第12プローブセル(P4、P5、P12)に対応する投光領域(TR)である。この中でまず一つを12番目マスクレイアウト(ML12)の遮光領域(BR)と交換する。表3には8番目マスクレイアウト(ML8)の第4プローブセル(P4)に対応する投光領域(TR)を、前記選択された12番目マスクレイアウト(ML12)の第4プローブセル(P4)に対応する遮光領域(BR)と交換した例が示されている。前記交換例は、また図12にも示されている。
【0085】
【表3】
【0086】
続いて、選択されたマスクレイアウトの投光領域(TR)の面積が最小投光面積以上であるのか判断する。もし、投光領域(TR)の交換にもかかわらず、相変らず最小投光面積より小さい場合には、また8番目マスクレイアウト(ML8)の第5および第12プローブセル(P5、P12)に対応する投光領域(TR)のうち何れか一つを12番目マスクレイアウト(ML12)の同一のプローブセル(P5、P12)に対応する遮光領域(BR)と交換する。しかし、表3および図12の場合には、12番目マスクレイアウト(ML12)の投光領域(TR)が2個に増えることによってすでに最小投光面積より大きくなっている。このように投光領域(TR)の面積が最小投光面積より大きくなれば、選択されたマスクレイアウトに対するパターン変更を中止して次のマスクレイアウトを選択する。例えば、12番目マスクレイアウト(ML12)の直前マスクレイアウトの11番目マスクレイアウト(ML11)を選択する。
【0087】
表3および図12を参照して、前述した12番目マスクレイアウト(ML12)のパターン変更と同一な方法を利用して、選択された11番目マスクレイアウト(ML11)の遮光領域(BR)を他のマスクレイアウトの投光領域(TR)と交換する。この時、前記他のマスクレイアウトの候補ですでにパターン変更が完了した12番目マスクレイアウト(ML12)は、除外することが好ましい。したがって、交換可能なマスクレイアウトは、1番目ないし10番目マスクレイアウト(ML1−ML10)である。これらの中で交換対象となるマスクレイアウトは11番目マスクレイアウト(ML11)に割当てられた合成対象モノマー(G)と同一なモノマーが割当てられたマスクレイアウトであるため、Gが割当てられた3番目マスクレイアウト(ML3)および7番目マスクレイアウト(ML7)が交換対象候補となる。さらに、プローブ配列を変えず交換できる投光領域(TR)は、各プローブセルに対応する投光領域(TR)であって最後に位置する投光領域(TR)の7番目マスクレイアウト(ML7)の第9および第11プローブセル(P9、P11)に対応する投光領域(TR)である。例えばこれらのうち、7番目マスクレイアウト(ML7)の第9プローブセル(P9)に対応する投光領域(TR)を、11番目マスクレイアウト(ML11)の第9プローブセル(P9)に対応する遮光領域(BR)と交換する。その結果を表4および図13に示めす。
【0088】
【表4】
【0089】
表4および図13を参照すると、前記投光領域(TR)および遮光領域(BR)の交換によって、11番目マスクレイアウト(ML11)の投光領域(TR)は2個に増加し、最小投光面積より大きくなっている。したがって、次のマスクレイアウトを選択する。残ったマスクレイアウトは、10番目マスクレイアウト(ML10)である。10番目マスクレイアウト(ML10)に対しても前記と同様な方法を用いれば、6番目マスクレイアウト(ML6)の第3プローブセル(P3)に対応する投光領域(TR)が交換対象となり、これを10番目マスクレイアウト(ML10)の第3プローブセル(P3)に対応する遮光領域(BR)と交換すると、表5および図14に示すようなマスクレイアウトが決定される。
【0090】
【表5】
【0091】
表5および図14を参照すると、前記パターン変更の結果によってすべてのマスクレイアウト(ML1−ML12)の投光領域(TR)の面積が最小投光面積より大きくなっている。したがって、さらにこれ以上のパターン変更を停止し、複数のマスクレイアウト(ML1−ML12)のパターンを決定する。
【0092】
前記のように決定された複数のマスクレイアウト(ML1−ML12)はすべて投光領域(TR)の面積が最小投光面積以上である条件を満足するため、このように決定された複数のマスクレイアウト(ML1−ML12)を利用し、複数のマスクを製造すると、同一のドース量の電子ビームの露光を利用しても形成されるマスクパターンの信頼度が改良される。
【0093】
引続き、前述したような複数のマスクを含むマスクセットを利用し、マイクロアレイを製造する方法について説明する。図15ないし図21は本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。図15ないし図21の実施形態に使用されるマスクセットは、表5および図14によって決定されたマスクレイアウトを利用して製造されたマスクセットであって図7に示されるマスクセットであると仮定する。
【0094】
先に、図15を参照すると、複数のアレイされたプローブセル(P1−P12)を含み、表面が光分解性保護基150によって保護されている基板110を提供する。図15で光分解性保護基150は、基板110にカップリングしているリンカー130に結びつくことによって、基板110の表面を保護している。図15では、図面の明確性のために、固定層は省略されている。
【0095】
図16を参照すると、マスクセット210の1番目マスク(M1)を利用して基板110上のプローブセルを露光する。その結果、1番目マスクの投光領域(TR)に対応する第1、第2、第3、第6、および第10プローブセル(P1、P2、P3、P6、P10)が露光401される。
【0096】
図17を参照すると、前記露光の結果、第1、第2、第3、第6、および第10プローブセル(P1、P2、P3、P6、P10)ではリンカー130に結合した光分解性保護基が分解して、リンカーの官能基が露出する。
【0097】
図18を参照すると、図17の結果物に光分解性保護基150が結合しているAモノマー141を提供する。光分解性保護基150が結合しているAモノマー141は、官能基が露出している第1、第2、第3、第6、および第10プローブセル(P1、P2、P3、P6、P10)でリンカー130と結合する。その以外のプローブセル(P4、P5、P7、P8、P9、P11、P12)は、光分解性保護基150によって保護されているため、光分解性保護基150が結合しているAモノマー141は結合しない。その結果、第1、第2、第3、第6、および第10プローブセル(P1、P2、P3、P6、P10)にAモノマー(1410)が反応するが、これらは光分解性保護基150と結合しているため、合成された基板110の表面は、図15のように、再び光分解性保護基150によって保護されている。
【0098】
図19を参照すると、マスクセット210の2番目マスク(M2)を利用して図18の基板110上のプローブセルを露光する。その結果、2番目マスク(M2)の投光領域(TR)に対応する第2、第7、第10、および第11プローブセル(P2、P7、P10、P11)が露光401される。
【0099】
図20を参照すると、前記露光の結果、第2、第7、第10、および第11プローブセル(P2、P7、P10、P11)でリンカー130またはAモノマー141に結合した光分解性保護基150が分解してリンカー130またはAモノマー141の官能基が露出する。
【0100】
図21を参照すると、図20の結果物に光分解性保護基150が結合しているCモノマー142を提供する。光分解性保護基150が結合しているCモノマー142は、官能基が露出している第2、第7、第10、および第11プローブセル(P2、P7、P10、P11)でリンカー130またはAモノマー141と結合する。その以外のプローブセル(P1、P3、P4、P5、P6、P8、P9、P12)は、光分解性保護基150によって保護されているため、光分解性保護基150が結合しているCモノマー142は結合しない。その結果、第2、第7、第10、および第11プローブセル(P2、P7、P10、P11)にCモノマー142が結合するが、これらは光分解性保護基150と結合しているため、合成された基板110の表面は、図15のように、また光分解性保護基150によって保護される。
【0101】
続いて、3番目マスク(M3)から12番目マスク(M12)に至るまで前記した方法と同様な方法でインサイツ合成を継続して行うと、各プローブセル(P1−P12)別に表5に示すプローブ配列を有するマイクロアレイを製造することができる。
【0102】
以上添付された図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施され得ることを理解できるであろう。したがって以上で記述した実施形態をすべての面で例示的なものであり、限定的ではないことと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明のマスクセットはマイクロアレイのプローブの合成に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明のいくつかの実施形態によって製造されたマイクロアレイの斜視図である。
【図2】図1のII−II’線に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるマスクの平面図である。
【図4】図3のIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図5A】図4のマスクを製造する方法を説明するための断面図である。
【図5B】図4のマスクを製造する方法を説明するための断面図である。
【図5C】図4のマスクを製造する方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態によるマスクの平面図である。
【図7】本発明の実施形態によるマスクセットの斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態によるマスクセットを製造する方法を説明するための順序図である。
【図9】本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定システムのブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態によるマスクレイアウト決定方法を説明するための順序図である。
【図11】本発明の一実施形態によるマスクレイアウトのパターン変更段階を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態によるマスクレイアウトのパターン変更段階を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態によるマスクレイアウトのパターン変更段階を示す斜視図である。
【図14】本発明の一実施形態によるマスクレイアウトのパターン変更段階を示す斜視図である。
【図15】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図16】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図17】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図18】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図19】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図20】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【図21】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの製造方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
100 マイクロアレイ、
110 基板、
120 固定層、
130 リンカー、
140 プローブ、
150 光分解性保護基、
201、202 マスク、
210 マスクセット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクであって、
前記各マスクは投光領域および遮光領域を含むものの、前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である複数のマスクを含むマスクセット。
【請求項2】
前記投光領域および遮光領域は各々前記マイクロアレイのプローブセルに対応する、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項3】
前記プローブセルの面積は100μm2以上である、請求項2に記載のマスクセット。
【請求項4】
前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して7.5%以上である、請求項2に記載のマスクセット。
【請求項5】
前記プローブセルの面積は1ないし100μm2の範囲にある、請求項4に記載のマスクセット。
【請求項6】
前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して10%以上である、請求項2に記載のマスクセット。
【請求項7】
前記プローブセルの面積は0.01ないし1μm2の範囲にある、請求項6に記載のマスクセット。
【請求項8】
マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与するパターン決定部と、
前記複数のマスクレイアウトのうち何れか一つを選択する選択部と、
前記選択されたマスクレイアウトの投光領域の面積を最小投光面積と比較する比較部、および
前記選択されたマスクレイアウトの投光領域の面積が前記最小投光面積より小さい場合、前記選択されたマスクレイアウトの遮光領域を前記非選択のマスクレイアウトの投光領域と交換するパターン変更部を含むマスクレイアウト決定システム。
【請求項9】
前記最小投光面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である、請求項8に記載のマスクレイアウト決定システム。
【請求項10】
前記投光領域および遮光領域は各々前記マイクロアレイのプローブセルに対応する、請求項8に記載のマスクレイアウト決定システム。
【請求項11】
前記選択されたマスクレイアウトの遮光領域と前記非選択のマスクレイアウトの投光領域の交換は、同一のプローブセルに対応する前記遮光領域と投光領域間の交換である、請求項10に記載のマスクレイアウト決定システム。
【請求項12】
前記比較部で比較される前記選択されたマスクレイアウトは、前記選択部で選択されて前記パターン変更部によって前記投光領域と前記遮光領域のうち少なくとも一つが交換されたマスクレイアウトを含む、請求項10に記載のマスクレイアウト決定システム。
【請求項13】
前記パターン変更部によって前記遮光領域が前記投光領域に交換された前記マスクレイアウトを含む複数のマスクレイアウトを利用して望むターゲットプローブがインサイツ合成されるのかの可否を検査する検査部をさらに含む、請求項10に記載のマスクレイアウト決定システム。
【請求項14】
マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与し、
前記各マスクレイアウトの前記投光領域の面積が最小投光面積以上となるように前記各マスクレイアウトの前記遮光領域を前記他のマスクレイアウトの前記投光領域と交換することを含むマスクレイアウト決定方法。
【請求項15】
前記最小投光面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である、請求項14に記載のマスクレイアウト決定方法。
【請求項16】
前記投光領域および遮光領域は各々前記マイクロアレイのプローブセルに対応する、請求項14に記載のマスクレイアウト決定方法。
【請求項17】
前記各マスクレイアウトの前記遮光領域と前記他のマスクレイアウトの前記投光領域の交換は、同一のプローブセルに対応する前記遮光領域と投光領域間の交換である、請求項16に記載のマスクレイアウト決定方法。
【請求項18】
前記複数のマスクレイアウトは各々合成対象モノマーのうち何れか一つが割当てられ、
前記各マスクレイアウトの前記遮光領域と前記他のマスクレイアウトの前記投光領域の交換は同一の合成対象モノマーが割当てられた互いに異なるマスクレイアウト間に形成されるものの、前記プローブセルに対応する前記投光領域に割当てられた前記合成対象モノマーの順序は前記交換前後で互いに同一である、請求項17に記載のマスクレイアウト決定方法。
【請求項19】
前記遮光領域が前記投光領域に交換された前記各マスクレイアウトを含む複数のマスクレイアウトを利用して望むターゲットプローブがインサイツ合成されるのかの可否を検査することをさらに含む、請求項16に記載のマスクレイアウト決定方法。
【請求項20】
マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与し、
前記各マスクレイアウトの前記投光領域の面積が最小投光面積以上となるように前記各マスクレイアウトの前記遮光領域を前記他のマスクレイアウトの前記投光領域と交換し、
前記遮光領域が前記投光領域に交換された前記各マスクレイアウトを含む複数のマスクレイアウトを利用して複数のマスクを製造することを含むマスクセットの製造方法。
【請求項21】
前記最小投光面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である、請求項20に記載のマスクセットの製造方法。
【請求項22】
前記投光領域および遮光領域は各々前記マイクロアレイのプローブセルに対応する、請求項20に記載のマスクセットの製造方法。
【請求項23】
前記各マスクレイアウトの前記遮光領域と前記他のマスクレイアウトの前記投光領域の交換は、同一のプローブセルに対応する前記遮光領域と投光領域間の交換である、請求項22に記載のマスクセットの製造方法。
【請求項24】
前記複数のマスクレイアウトは各々合成対象モノマーのうち何れか一つが割当てられ、
前記各マスクレイアウトの前記遮光領域と前記他のマスクレイアウトの前記投光領域の交換は同一の合成対象モノマーが割当てられた互いに異なるマスクレイアウト間に形成されるものの、前記プローブセルに対応する前記投光領域に割当てられた前記合成対象モノマーの順序は前記交換前後で互いに同一である、請求項23に記載のマスクセットの製造方法。
【請求項25】
前記遮光領域が前記投光領域に交換された前記各マスクレイアウトを含む複数のマスクレイアウトを利用して望むターゲットプローブがインサイツ合成されるのかの可否を検査することをさらに含む、請求項22に記載のマスクセットの製造方法。
【請求項26】
複数のアレイされたプローブセルを含み、表面が光分解性保護基によって保護されている基板を提供し、
複数のマスクとして、前記各マスクは投光領域および遮光領域を含むものの、前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である複数のマスクを含むマスクセットを利用して前記マイクロアレイのプローブをインサイツ合成することを含むマイクロアレイの製造方法。
【請求項27】
前記投光領域および遮光領域は各々前記マイクロアレイのプローブセルに対応する、請求項26に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項28】
前記プローブセルの面積は100μm2以上である、請求項27に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項29】
前記投光領域の面積は、前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して7.5%以上である、請求項27に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項30】
前記プローブセルの面積は1ないし100μm2の範囲にある、請求項29に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項31】
前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して10%以上である、請求項27に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項32】
前記プローブセルの面積は0.01ないし1μm2の範囲にある、請求項31に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項1】
マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクであって、
前記各マスクは投光領域および遮光領域を含むものの、前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である複数のマスクを含むマスクセット。
【請求項2】
前記投光領域および遮光領域は各々前記マイクロアレイのプローブセルに対応する、請求項1に記載のマスクセット。
【請求項3】
前記プローブセルの面積は100μm2以上である、請求項2に記載のマスクセット。
【請求項4】
前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して7.5%以上である、請求項2に記載のマスクセット。
【請求項5】
前記プローブセルの面積は1ないし100μm2の範囲にある、請求項4に記載のマスクセット。
【請求項6】
前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して10%以上である、請求項2に記載のマスクセット。
【請求項7】
前記プローブセルの面積は0.01ないし1μm2の範囲にある、請求項6に記載のマスクセット。
【請求項8】
マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与するパターン決定部と、
前記複数のマスクレイアウトのうち何れか一つを選択する選択部と、
前記選択されたマスクレイアウトの投光領域の面積を最小投光面積と比較する比較部、および
前記選択されたマスクレイアウトの投光領域の面積が前記最小投光面積より小さい場合、前記選択されたマスクレイアウトの遮光領域を前記非選択のマスクレイアウトの投光領域と交換するパターン変更部を含むマスクレイアウト決定システム。
【請求項9】
前記最小投光面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である、請求項8に記載のマスクレイアウト決定システム。
【請求項10】
前記投光領域および遮光領域は各々前記マイクロアレイのプローブセルに対応する、請求項8に記載のマスクレイアウト決定システム。
【請求項11】
前記選択されたマスクレイアウトの遮光領域と前記非選択のマスクレイアウトの投光領域の交換は、同一のプローブセルに対応する前記遮光領域と投光領域間の交換である、請求項10に記載のマスクレイアウト決定システム。
【請求項12】
前記比較部で比較される前記選択されたマスクレイアウトは、前記選択部で選択されて前記パターン変更部によって前記投光領域と前記遮光領域のうち少なくとも一つが交換されたマスクレイアウトを含む、請求項10に記載のマスクレイアウト決定システム。
【請求項13】
前記パターン変更部によって前記遮光領域が前記投光領域に交換された前記マスクレイアウトを含む複数のマスクレイアウトを利用して望むターゲットプローブがインサイツ合成されるのかの可否を検査する検査部をさらに含む、請求項10に記載のマスクレイアウト決定システム。
【請求項14】
マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与し、
前記各マスクレイアウトの前記投光領域の面積が最小投光面積以上となるように前記各マスクレイアウトの前記遮光領域を前記他のマスクレイアウトの前記投光領域と交換することを含むマスクレイアウト決定方法。
【請求項15】
前記最小投光面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である、請求項14に記載のマスクレイアウト決定方法。
【請求項16】
前記投光領域および遮光領域は各々前記マイクロアレイのプローブセルに対応する、請求項14に記載のマスクレイアウト決定方法。
【請求項17】
前記各マスクレイアウトの前記遮光領域と前記他のマスクレイアウトの前記投光領域の交換は、同一のプローブセルに対応する前記遮光領域と投光領域間の交換である、請求項16に記載のマスクレイアウト決定方法。
【請求項18】
前記複数のマスクレイアウトは各々合成対象モノマーのうち何れか一つが割当てられ、
前記各マスクレイアウトの前記遮光領域と前記他のマスクレイアウトの前記投光領域の交換は同一の合成対象モノマーが割当てられた互いに異なるマスクレイアウト間に形成されるものの、前記プローブセルに対応する前記投光領域に割当てられた前記合成対象モノマーの順序は前記交換前後で互いに同一である、請求項17に記載のマスクレイアウト決定方法。
【請求項19】
前記遮光領域が前記投光領域に交換された前記各マスクレイアウトを含む複数のマスクレイアウトを利用して望むターゲットプローブがインサイツ合成されるのかの可否を検査することをさらに含む、請求項16に記載のマスクレイアウト決定方法。
【請求項20】
マイクロアレイのプローブをインサイツ合成する複数のマスクレイアウトに投光領域および遮光領域を付与し、
前記各マスクレイアウトの前記投光領域の面積が最小投光面積以上となるように前記各マスクレイアウトの前記遮光領域を前記他のマスクレイアウトの前記投光領域と交換し、
前記遮光領域が前記投光領域に交換された前記各マスクレイアウトを含む複数のマスクレイアウトを利用して複数のマスクを製造することを含むマスクセットの製造方法。
【請求項21】
前記最小投光面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である、請求項20に記載のマスクセットの製造方法。
【請求項22】
前記投光領域および遮光領域は各々前記マイクロアレイのプローブセルに対応する、請求項20に記載のマスクセットの製造方法。
【請求項23】
前記各マスクレイアウトの前記遮光領域と前記他のマスクレイアウトの前記投光領域の交換は、同一のプローブセルに対応する前記遮光領域と投光領域間の交換である、請求項22に記載のマスクセットの製造方法。
【請求項24】
前記複数のマスクレイアウトは各々合成対象モノマーのうち何れか一つが割当てられ、
前記各マスクレイアウトの前記遮光領域と前記他のマスクレイアウトの前記投光領域の交換は同一の合成対象モノマーが割当てられた互いに異なるマスクレイアウト間に形成されるものの、前記プローブセルに対応する前記投光領域に割当てられた前記合成対象モノマーの順序は前記交換前後で互いに同一である、請求項23に記載のマスクセットの製造方法。
【請求項25】
前記遮光領域が前記投光領域に交換された前記各マスクレイアウトを含む複数のマスクレイアウトを利用して望むターゲットプローブがインサイツ合成されるのかの可否を検査することをさらに含む、請求項22に記載のマスクセットの製造方法。
【請求項26】
複数のアレイされたプローブセルを含み、表面が光分解性保護基によって保護されている基板を提供し、
複数のマスクとして、前記各マスクは投光領域および遮光領域を含むものの、前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して5%以上である複数のマスクを含むマスクセットを利用して前記マイクロアレイのプローブをインサイツ合成することを含むマイクロアレイの製造方法。
【請求項27】
前記投光領域および遮光領域は各々前記マイクロアレイのプローブセルに対応する、請求項26に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項28】
前記プローブセルの面積は100μm2以上である、請求項27に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項29】
前記投光領域の面積は、前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して7.5%以上である、請求項27に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項30】
前記プローブセルの面積は1ないし100μm2の範囲にある、請求項29に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項31】
前記投光領域の面積は前記投光領域と前記遮光領域の総面積に対して10%以上である、請求項27に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項32】
前記プローブセルの面積は0.01ないし1μm2の範囲にある、請求項31に記載のマイクロアレイの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−197107(P2008−197107A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31798(P2008−31798)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
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