マイクロ技術的な光学素子に流体物質を充填可能とする空洞の形成方法
新しい方法は、光学的な使用法に対してフィルムの内部に所定の光学的特性を有する流体の内包を意図する空洞の形成を可能にする。
空洞(40)の壁体(38)は、マイクロ技術的な基体に転写される、透明か、または光を吸収する物質(30、34)の層をプラズマエッチングすることによって形成される。
壁体(38)は、光の拡散と回折との寄生的な現象を抑制するために構造化された外形形状を有している。
空洞(40)の壁体(38)は、マイクロ技術的な基体に転写される、透明か、または光を吸収する物質(30、34)の層をプラズマエッチングすることによって形成される。
壁体(38)は、光の拡散と回折との寄生的な現象を抑制するために構造化された外形形状を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さに比べて厚さが薄い、高さが大体100μmより低く、厚さが大体2μmより薄い壁体によって分離され、内部に機能性流体を導入可能とする空洞を有するフィルムの製造に関する。
【0002】
特に応用としては、基体が透明で、かつ機能性流体が、例えば、感光性流体、所定の光学的特性を有する流体、または、液晶などの光学的特性を有する“光学”素子に関する。
【0003】
さらに一般的には、本発明は、凹部あるいは丸みを帯びた壁体を有する空洞を形成するためのマイクロ技術的な方法、および、それによって得られた上記素子に関する。
【背景技術】
【0004】
1990年代に、眼鏡用レンズへのフォトクロミック分子の導入は、著しい発展を迎えた。
【0005】
それによって得られた眼鏡用レンズは、それらに達する紫外線の作用下で暗くなる特性を有している。
【0006】
その有機ガラスのフォトクロミック現象は、特定の紫外線光の作用下で、それらの構造内で可視光線の吸収特性を変える変化を受ける感光成分物質の導入によって得られる。
【0007】
オキサジン、ピランまたはフルギド化合物のような分子のいくつかの仲間が使用され、そして、そのような分子に引き起こされる上述の構造上の変化は、(特に分離や結合による構造異性化、シス・トランス異性化などの)いくつかのタイプがあり得る。
【0008】
これらの全ての変化に対して、その遷移時間は非常に長く、そして、上記の分子が活性化するのに数十秒の時間と、それらを不活性化するのに数百秒の測定時間を要し、これらの遷移時間は、今のところ、最高の快適性と光学的安定性とを保証しない。
【0009】
このような眼鏡を改良するために、製造者は、それゆえ、他のフォトクロミック物質、そして、特に遷移時間を十分に短縮させるであろう液体相の物質を探している。
【0010】
しかしながら、液体状態にある物質を使用するには、液漏れしない維持構造、すなわち、繋がっているか、あるいは封止された壁体からなる(空間と固体壁とのどちらも含む)空洞の境界を明確にする構造が必要となる。
【0011】
さらに、その光学的特性は、各構成要素間で互いに、そして、全構造体に対して最適化されなければならない。
【0012】
しかしながら、上記の壁体は、光の拡散や回折のような僅かな光学的影響を引き起こす可能性がある。
【0013】
空洞を満たしている液体の屈折率に可能な限り近い屈折率を有する壁体を形成するのが好ましいであろう。
【0014】
すなわち、従来技術において、最初にすぐ思いつく解決策は、感光性樹脂を使って壁体を製造することである。
【0015】
それにもかかわらず、上述の全ての条件を満たすことができ、商業的に使用可能な樹脂は、現在まで発見されていない。
【0016】
それゆえ、これらの僅かな影響を抑制し、そして、特に、それらの影響が肉眼では見えないことを保証し、そして、上記の構造を通過する可視光の拡散や回折の現象を抑制するような光学的特性を有する好適な壁体の形成の問題が提起される。
【発明の開示】
【0017】
本発明は、他の利点の中から、壁体がフィルムの光学的特性を損なわないか、ほとんど損なわないような空洞と、その空洞に内包された液体とを含むフィルムを形成可能とする製造方法の提供を提案する。
【0018】
さらに一般的に、本発明に係る方法では、(基体に平行な壁体の)厚さに対する(基体に垂直な空洞の)高さの比が大きく、所望の凹部形状を有する空洞の基体壁が形成可能となる。
【0019】
特に、高さH、両端部の厚さl、中央の厚さeの丸みを帯びた壁体に対して、後に続く比率、すなわち、2 ≦ H/l ≦ 10および l/10 ≦e≦l/2 が推奨される。
【0020】
さらに一般的には、上記凹部の凹みは、壁体の厚さの約1/4である。
【0021】
本発明では、上記壁体は、積層構造で使用可能な物質を“薄膜(thin film)”として知られるマスクを通して、プラズマエッチングすることによって形成される。
【0022】
この方法では、十分な高さと小さな幅のパターンの製造を保証すると同時に、上記壁体を形成するための物質の選択幅を広めることができる。
【0023】
その上、このタイプのエッチングは、異方性ではあるが、エッチングされたパターンの縁に丸みを付けることができ、そして、それゆえ、光学的特性が最適化された壁体を形成することができる。
【0024】
凸状の空洞を有する物質層が得られるような方法において、エッチングが、空洞の深さに到達すると一旦停止するような場合には、壁体は一様な物質層の内部に形成できる。
【0025】
上記物質層は、フィルムの将来的な使用法のために選択された光に対して、透明か、または不透明であるのが好ましく、そして、もし空洞を覆う必要がないならば空洞の壁体は約5μmから30μmの高さのネットワークを形成する。
【0026】
さらに、支持体上に堆積された上記壁体は、例えば、透明か、または光を吸収する、あるいは、さらに一般的に興味のある上記光を吸収する物質層を通り抜けて完全に横切っていてもよい。
【0027】
上記透明な支持体には停止層がコーティングされているので、プラズマエッチングは、この高さで停止する。
【0028】
上記停止層は、10nmから100nmまでの厚さの層とするのが好ましく、それは透明であってもなくてもよい。
【0029】
この停止層は、好適には、そのとき、裸の上記支持体を上記空洞のベースに置くようにエッチングされてもよく、そして、上記光学的特性を最適化する。
【0030】
閉じたネットワークを形成する壁体によって互いに分離可能な空洞か、または、空間部分に形成される壁体によって互いに部分的に連絡している空洞の高さは、プラズマエッチングされた上記物質層の高さと上記停止層の厚さとの合計に等しい。
【0031】
一度、光学的に最適化された放射によって規定された積層構造が得られると、空洞は、放射の最も深い部分がフィルムの接着によって覆われる前に、光学的に適した流体で満たされる。
【0032】
上記エッチング法を促進するために、上記素子の支持体は、半導体(特に、シリコン)またはガラスのようなマイクロエレクトロニクスにおいて共通に使われる物質で優先的に、一体の硬い基体によって作られる。
【0033】
上記エッチングは、例えば、樹脂をコーティングして薄いマスキングフィルムを堆積させ、その樹脂を露光および現像し、それから、マスク層をエッチングすることによって形成される薄膜マスクを通して実行されるのが好ましい。
【0034】
さらに、本発明は、そのようにして得られた有益な光学的特性を有する素子またはフィルムに関連している。
【0035】
この他の特徴および本発明の効果は、この後に与えられた記載を読むことによって、そして、図示によって単独に与えられ、そして、何も制限しない付記された図面を参照することによって明確となるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明に係る方法は、すでに眼鏡用レンズへの応用として述べられたが、この応用だけに限るものではない。
【0037】
特に、後述の光学素子は、受動的な偏光フィルム、液晶ベースのビューイングスクリーン、“電子インク”として知られる技術のような液体を使ったスクリーン、その他のあらゆるフィルム、または、目的とする応用的機能として所定の光学的特性を有する流体で満たされ、上記層の光学的特性が劣化しない壁体で、互いに繋がっているか、あるいは、繋がっていない多くの空洞を含む層であってもよい。
【0038】
好ましくは透明であり、そして、フォトクロミック流体をせき止めることが可能な空洞を含む本発明に係るフィルムは、接着のような公知の方法により、それによって眼鏡レンズ上、または、その他の支持体上に転写してもよい。
【0039】
本発明に係る上記方法および上記素子において、空洞の壁体は、選択された物質の中に形成され、そして、好適には透明な基体上に形成される。
【0040】
光学的特性を有する液体、例えば、感光性または感熱性の流体または正確な屈折率を有する流体でさえも気密状態に内包させることができ、互いに繋がっているか、あるいは繋がっていない空洞を形成するために、第2の基体によって壁体を覆う。
【0041】
さらに、互いに繋がっていない空洞には、例えば、屈折率の異なった流体のような異なった流体を内包させることができる。
【0042】
実際に想定される応用に依っては、例えば、フォトクロミック物質の場合には、できるだけたくさんの光を吸収するように機能性流体を相当の厚さとすることには興味があるかもしれない。
【0043】
しかしながら、空洞の深さが増すほど、それらの壁体の技術的形成工程において、多くの問題が生じ、そして、それらの厚さについては妥協を余儀なくされる。
【0044】
とはいえ、例として、上記壁体は、数ミクロン(大体5μmから20μm)の高さを有することができ、そして、それらの厚さは、それらが引き起こす有害な光学的現象を最小限にするために、ミクロンのオーダーの薄さが好ましい。
【0045】
本発明では、上記壁体は、上記層、または、上記壁体を作り上げている物質の層の積層をプラズマエッチングすることによりエッチングされる。
【0046】
この方法では、上述の高さであっても、2μmより薄い厚さの壁体の形成が可能となる。
【0047】
その上、大抵の高分子は、酸素を使ったプラズマ法によってエッチングされ、さらに一般的には、このタイプのエッチングは、壁体の形成に対して想定される大抵の物質に適している。
【0048】
さらに、プラズマエッチングは異方性であるがために、そのプラズマエッチングによって、壁体の内側に向かって丸みを帯びた外形形状が得られる。
【0049】
実際、イオン化された物質や(ベースに対してほとんど垂直な)小さな入射角で壁体を打ちつけ、それから空洞のベースに跳ね返るイオン化された物質の照射の間の化学反応は、壁体を局所的に薄くする。
【0050】
通常は欠点として考えられる、この現象は本発明では求められている。すなわち、僅かに丸みを帯びた形状によって光学的な回折現象が抑制される。
【0051】
特に、上記壁体は、凹みの水平方向の壁体の厚さを、例えば、その両端部に比べて中央部で一層薄くすることが可能な両凹状となっている。
【0052】
さらに、本発明では、エッチングの結果として生じる凹部を所望の形状に形成できる。
【0053】
上記壁体の外形は、RIE(Reactive Ion Etching)エッチング装置の中で、非等方性を増大させる以下のいくつかの方法、例えば、低圧にすると非等方性が助長され、高圧にすると等方性が助長されるので、エッチングチェンバーの中のガスの圧力を調整する方法、基体の極性(polarization)を調整することによって、そして、その結果としてイオンの加速度が変わり、高電圧がエッチングの物理的効果を増大させ、そして、それゆえ、非等方性を増大させる方法などによって所望の形状に形成できる。
【0054】
例えば、図1には、“Nextral 330”RIEエッチングによって、4μmの同一幅のマスクに対して、それぞれ、100mTorr(図1A)、50mTorr(図1B)、10mTorr(図10)の、350mWの酸素により得られる壁体の3つの外形が示されている。
【0055】
凹みは、異なった高さに局在し、そして、壁体の厚さは、上記の圧力の条件によって、eA<1[μm],eB≒1[μm]、および eC≒2[μm] と変わる。
【0056】
さらに一般的に、高さH、両端部での厚さl、および凹みの水平方向の厚さeの壁体に対して、本発明に係る上記のエッチング変数は、2≦H/l≦10およびl/10 ≦e≦l/2を得るように選ばれている。
【0057】
プラズマエッチングは、壁体の上に形成されている物質層の上に予め堆積させた“薄膜”として知られるマスクを通してなされる。
【0058】
上記マスクは、プラズマエッチング、リソグラフィー、およびエッチングのために選択された金属の堆積によって形成されるのが好ましい。
【0059】
特に、図2に示されるように、上記マスクの好適な実施の形態は、上記壁体のプラズマエッチングとは対照的に選択的な物質からなる、例えば、スパッタ法または蒸着によって得られる、支持体1上のエッチング用のマスク層2の堆積物を含む。
【0060】
例えば、それは、大体の厚さが0.1μmと2μmとの間の、金属(Al,Ti,Cr,etc.)、合金 (Al/Si,Al/Cu,etc.) 、セラミック (Cr/SiO, etc.) 、あるいは、SiO2,SiOX , SiOC,SiNまたはITOの中の透明層である。
【0061】
それから、例えば、マイクロエレクトロニクスまたはフラットスクリーン技術において使用されるタイプの感光性樹脂4が堆積される(図2A)。
【0062】
この樹脂は、光増感のようなリソグラフィーの技術によって、壁体のパターンを表しているマスクを通して露光される。
【0063】
それから、樹脂4の現像は、マイクロエレクトロニクスまたはフラットスクリーン技術において通常使用される技術によってなされる(図2B)。
【0064】
それから、マスク6を得るために、樹脂4によって保護されないマスク層2の部分は、プラズマエッチング、化学エッチング、ドライまたはウェットエッチングによってエッチングされる(図2C)。
【0065】
上記マスクの幅が、そのマスクの下での凹部の形成を可能にする側面側からのエッチングにより与えられた特性を有する壁体を得るために考慮すべき変数であることは注意すべきである。
【0066】
例えば、上端で2μm幅の壁体を得るために、4μm幅のマスクを使用することもある。そして、その相対的な特性の最適化は物質やエッチングなどに依存する。
【0067】
図3に示された第1の実施形態では、本発明に係る前記素子の空洞は一様な物質層の内部に形成される。言い換えれば、空洞のベースと、それの壁体とは、同じ構造上(例えば、この層を構成している唯一の構造)の要素部分を形成している。
【0068】
上記物質は、その光学的特性よって選択される。そして、特に、それは透明であってもよい。
【0069】
上記フィルムを構成している物質10は、想定されるエッチング法に対して、それの厚さやそれの剛性において、特に適さないのが普通である。
【0070】
すなわち、フィルムへの細工と、パターンの形成と、エッチングとを容易にするために、物質層10は、その全体が十分な厚さと剛性を有することが保証されているために、リソグラフィーおよびドライエッチング装置によって扱うことができる支持体12に固定されているとよい。
【0071】
したがって、支持体12は、ガラス中、シリコン中、水晶中、高分子中などにあってもよい。
【0072】
上記の組立は、例えば、接着によってなされてもよく、そのとき、接着は、易解体性と両立可能であると同時に、その次の技術的工程のための十分な力学的強度を有している(図3A)。
【0073】
それから、マスク6は、基体12とは反対側のフィルム層10の表面上に堆積される。
【0074】
そして、マスク6は、図2に関連して記載された方法によって形成されるのが好ましい。
【0075】
それから、透明なフィルム10は、所定の深さ以上のマスク6を通して、エッチングされる。
【0076】
図3Bの、この工程で使われるエッチングは、従来のRIEプラズマ、または、上記の僅かな等方性を有するために適した条件下で、SF6やCHF3などの種類のフッ化気体と混合されたか、あるいはされないO2を使った高密度エッチングであってもよい。
【0077】
上記のエッチングは、その深さが一度ある深さに達すると、具体的に言えば、一度10μmの高さの壁体14が得られると停止する。
【0078】
先に明らかになったように、異なった変数(継続時間、プラズマ圧力、気体の種類など)の選択によって所望の外形を得ることができる。
【0079】
そして、マスク層6は、オプションの工程によって、例えば、プラズマエッチングまたは化学エッチングによって除去することができる(図3C)。
【0080】
壁体14としての表面の凸凹を有するが、各表面は一様な特徴を有する構成部分は、このようにして得られる。
【0081】
このようにして得られた空洞16は、適当な流体18で満たすことができ、そして、上から透明な物質20の別の層を接着することによって覆うことができる。例えば、本発明に係るフィルム22は、それはラミネートによって得られる。
【0082】
そして、フィルム22の光学的特性は最適化され、そして、フィルム22は、選択された光学的特性の流体18が置かれる気密な空洞16を有している(図3C)。
【0083】
空洞16は、任意の適切な方法によって、例えば、ディッピング法、遠心塗装機またはドクターブレードによる塗布法、シルクスクリーン印刷、または、他のどんな印刷技術によって、満たすことができる。
【0084】
本発明に係るフィルム22を最適化するのに、特に、基体12が所望の光学的品質を有さないならば基体12から層10を分離してもよいし、あるいは、フィルム10の特性または柔軟性を再生してもよい(図3D)。
【0085】
上記の分離は、例えば、力学的作用(牽引力、剪断力、刃の挿入など)や化学反応によってなされてもよい。
【0086】
この第1の実施形態のために、例えば、厚さ75μmのPET(Poly Ethylene Terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)タイプの柔軟な透明なフィルム10が選択され、そして、それはアクリル系接着剤の層でコーティングされている。
【0087】
それから、フィルム10は、シリコンウェハー12またはガラススレート上にラミネートされる。
【0088】
約50nmのチタン層2がスパッタ法または蒸着によって堆積している。
【0089】
そして、そのとき、上記壁体は、例えば、約10μmから100μmのピッチの四角いメッシュ、または周期的過ぎる配列による光学的効果を最低限に抑えるための不規則的なメッシュなどの小さなサイズ(約2μm)のパターン6を設定可能とする、従来の薄膜樹脂4による光リソグラフィーによって設定される。
【0090】
それから、10mTorrかつ350Wの下でSF6を使って、樹脂4では保護されていないチタン層2のRIEプラズマエッチングがなされ、その後、O2を使ったRIEプラズマエッチングによって、約10μmの厚さ以上の高分子層10のエッチングがなされる。
【0091】
その得られた凹部はミクロンオーダーの凹みを有している。
【0092】
考慮された物質10に依存して、そのプラズマエッチングは、“草状形成物”という名前でも知られる繊維状物を空洞18のベース上に生成する可能性がある(図4)。
【0093】
実際には、この草状形成物24は、ある種の応用、あるいは、ある種の流体に対しては障害となり得る。
【0094】
本発明の1つの実施形態では、空洞ベース16となるものの中に、草状形成物24を取り除くために化学的な反応経路によって優先的にエッチングされる薄膜を堆積させることを提案する。
【0095】
この層は、好適には、プラズマエッチングの間の停止層としても使用することができる。
【0096】
このように、上記の空洞の深さを所望の深さにするのは容易である。
【0097】
第2の実施形態では、このようにして、壁体が平坦な透明なフィルム30の上に転写される。
【0098】
そして、それらは、ベース30と同じ構成を有していても、有していなくてもよい。
【0099】
第1の実施形態と同様の方法において、支持体上への、あるいは、リソグラフィーおよびドライエッチング装置によって取り扱うことができる基体32上への透明なフィルム30の転写は最初に接着によってなされる(図5A)。
【0100】
支持体32は、例えば、ガラス、シリコン、水晶、またはポリマーである。
【0101】
それから、プラズマエッチングの停止と草状形成物24の削除との両方のために使用される層34への堆積がなされる(図5B)。
【0102】
上記壁体のプラズマエッチングとは対照的に、例えば、金属(Al、Ti、Crなど)、合金(Al/Si、Al/Cuなど)、あるいは、Si02、SiOx、SiOC、SiN、または、ITOの中の透明層は、この層34のために選択される。
【0103】
この物質34は、例えば、0.05μmから2μmの厚さを有しており、そして、化学蒸着(CVD)、スパッタ法、または、蒸着によって、決まった場所に置くことができる。
【0104】
それから、エッチングされる壁体中に層36は堆積される。
【0105】
すなわち、それは、遠心塗装機によって堆積されるか、あるいは、スプレー、ドライフィルム、または、引き(spread coating)によって形成された、適した屈折率の、あるいは可視光線を吸収する、大体1μmと30μmとの間の厚さの高分子物質である。
【0106】
それから、マスク6は、第1の実施形態と同様に堆積される。
【0107】
図5Cには、図2に示されたような方法による、マスク6のパターン上の、樹脂2の残留物を使ったマスクの除去が示されている。
【0108】
それから、層36のプラズマエッチングによって、従来のRIE、または、僅かな等方性を有するための比率および圧力の上記適当な条件の下で、SF6やCHF3などの種類のフッ化気体と混合されたか、あるいはされないO2を使った高密度プラズマエッチングよる壁体38の形成が可能となる。
【0109】
この工程の間、樹脂2のマスクは、それ自体も除去されるであろう(図5D)。
【0110】
ここで、そのエッチングは、停止層34に達するまで続く。
【0111】
第1の実施形態と同様の方法において、得られた壁体38の湾曲形状は、プラズマエッチングのために選択された変数に依存する。
【0112】
停止層34が透明でない場合や草状体が存在する場合には、プラズマエッチングまたは化学エッチングによって停止層34を取り除いてもよい(図5E)。
【0113】
マスク層6のエッチングも、例えば、プラズマエッチングまたは化学エッチングによって可能となる。
【0114】
そのとき、空洞の深さが、層36の厚さに必要ならば停止層34の厚さだけ増大され、そして、それゆえ、所望の厚さとされる厚さに等しいことには注意すべきである。
【0115】
それから、第1の実施形態におけるのと同様の方法において、空洞40は満たされ、別の透明なフィルム42を上からラミネートすることによって覆われる(図5F)。そして、得られた上記素子は基体32から分離できる。
【0116】
例えば、図5Gに係るフィルム44を形成するために、柔軟かつ透明なPETタイプの厚さ75μmのフィルム30が選択され、例えば、厚さ25μmのアクリル系接着剤の層が塗布され、それから、シリコンウェハー32またはガラススレート上にラミネートされる。
【0117】
それから、約50nmのSiOxまたはSiOCの層34は、プラズマにより強化された化学蒸着(PECVD)か、または蒸着によって堆積される。
【0118】
約5μmから10μmの厚さの、適した屈折率の高分子36が、遠心塗装機によって堆積され、それから、マスク6は、上述したように形成される(約50nmのチタンの層2のスパッタ法または蒸着、従来の薄い樹脂4による光リソグラフィーエッチングによるパターン6の定義、樹脂2では保護されないチタンの層4の、SF6を使ったRIEプラズマによるエッチング)。
【0119】
それから、今までどおり(例えば、50mTorr、350Wの)O2 を使ったRIEプラズマによって、高分子層36はエッチングされる。
【0120】
そして、そのエッチングは、BOEのような緩衝性のフッ化水素溶液を使って化学的にエッチングされたSiOxまたはSiOCの層34上で停止する。
【0121】
上記空洞の壁体38上に存在する金属6は、例えば、希釈されたフッ化水素を使って化学反応によってエッチングできる。
【0122】
空洞40は、基体30上に一滴のフォトクロミック流体を滴下し、そして、スクレーパーを使って塗布することによって充填される。
【0123】
それから、空洞40は、予め接着されたPETのフィルム42上にラミネートすることによって覆われる。
【0124】
明らかに、これらの形成方法は、例示したものによって唯一与えられており、そして、実施される異なった選択は、本発明に係る方法または素子の部分を形成するために一緒に組み合わされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1A】異なるエッチング変数によって形成された異なる壁体の外形を示している。
【図1B】異なるエッチング変数によって形成された異なる壁体の外形を示している。
【図1C】異なるエッチング変数によって形成された異なる壁体の外形を示している。
【図2A】本発明に係るマスクを形成する最良の方法を示している。
【図2B】本発明に係るマスクを形成する最良の方法を示している。
【図2C】本発明に係るマスクを形成する最良の方法を示している。
【図3A】本発明に係る方法の第1の実施形態を示している。
【図3B】本発明に係る方法の第1の実施形態を示している。
【図3C】本発明に係る方法の第1の実施形態を示している。
【図3D】本発明に係る方法の第1の実施形態を示している。
【図4】本発明により使用されたエッチングによって形成される“草状”形状を図式化している。
【図5A】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5B】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5C】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5D】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5E】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5F】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5G】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【符号の説明】
【0126】
2 マスク層
4 樹脂
6 マスク
10,30 第1の物質層
10,30,30−34−36 構造体
12,30,32 基体
14,38,34、36 壁体
16,40 空洞
18 流体
20,22,42,44 フィルム
20,42 第2の物質層
20,44 光学素子
34、36 物質
34 停止層
36 壁体層
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さに比べて厚さが薄い、高さが大体100μmより低く、厚さが大体2μmより薄い壁体によって分離され、内部に機能性流体を導入可能とする空洞を有するフィルムの製造に関する。
【0002】
特に応用としては、基体が透明で、かつ機能性流体が、例えば、感光性流体、所定の光学的特性を有する流体、または、液晶などの光学的特性を有する“光学”素子に関する。
【0003】
さらに一般的には、本発明は、凹部あるいは丸みを帯びた壁体を有する空洞を形成するためのマイクロ技術的な方法、および、それによって得られた上記素子に関する。
【背景技術】
【0004】
1990年代に、眼鏡用レンズへのフォトクロミック分子の導入は、著しい発展を迎えた。
【0005】
それによって得られた眼鏡用レンズは、それらに達する紫外線の作用下で暗くなる特性を有している。
【0006】
その有機ガラスのフォトクロミック現象は、特定の紫外線光の作用下で、それらの構造内で可視光線の吸収特性を変える変化を受ける感光成分物質の導入によって得られる。
【0007】
オキサジン、ピランまたはフルギド化合物のような分子のいくつかの仲間が使用され、そして、そのような分子に引き起こされる上述の構造上の変化は、(特に分離や結合による構造異性化、シス・トランス異性化などの)いくつかのタイプがあり得る。
【0008】
これらの全ての変化に対して、その遷移時間は非常に長く、そして、上記の分子が活性化するのに数十秒の時間と、それらを不活性化するのに数百秒の測定時間を要し、これらの遷移時間は、今のところ、最高の快適性と光学的安定性とを保証しない。
【0009】
このような眼鏡を改良するために、製造者は、それゆえ、他のフォトクロミック物質、そして、特に遷移時間を十分に短縮させるであろう液体相の物質を探している。
【0010】
しかしながら、液体状態にある物質を使用するには、液漏れしない維持構造、すなわち、繋がっているか、あるいは封止された壁体からなる(空間と固体壁とのどちらも含む)空洞の境界を明確にする構造が必要となる。
【0011】
さらに、その光学的特性は、各構成要素間で互いに、そして、全構造体に対して最適化されなければならない。
【0012】
しかしながら、上記の壁体は、光の拡散や回折のような僅かな光学的影響を引き起こす可能性がある。
【0013】
空洞を満たしている液体の屈折率に可能な限り近い屈折率を有する壁体を形成するのが好ましいであろう。
【0014】
すなわち、従来技術において、最初にすぐ思いつく解決策は、感光性樹脂を使って壁体を製造することである。
【0015】
それにもかかわらず、上述の全ての条件を満たすことができ、商業的に使用可能な樹脂は、現在まで発見されていない。
【0016】
それゆえ、これらの僅かな影響を抑制し、そして、特に、それらの影響が肉眼では見えないことを保証し、そして、上記の構造を通過する可視光の拡散や回折の現象を抑制するような光学的特性を有する好適な壁体の形成の問題が提起される。
【発明の開示】
【0017】
本発明は、他の利点の中から、壁体がフィルムの光学的特性を損なわないか、ほとんど損なわないような空洞と、その空洞に内包された液体とを含むフィルムを形成可能とする製造方法の提供を提案する。
【0018】
さらに一般的に、本発明に係る方法では、(基体に平行な壁体の)厚さに対する(基体に垂直な空洞の)高さの比が大きく、所望の凹部形状を有する空洞の基体壁が形成可能となる。
【0019】
特に、高さH、両端部の厚さl、中央の厚さeの丸みを帯びた壁体に対して、後に続く比率、すなわち、2 ≦ H/l ≦ 10および l/10 ≦e≦l/2 が推奨される。
【0020】
さらに一般的には、上記凹部の凹みは、壁体の厚さの約1/4である。
【0021】
本発明では、上記壁体は、積層構造で使用可能な物質を“薄膜(thin film)”として知られるマスクを通して、プラズマエッチングすることによって形成される。
【0022】
この方法では、十分な高さと小さな幅のパターンの製造を保証すると同時に、上記壁体を形成するための物質の選択幅を広めることができる。
【0023】
その上、このタイプのエッチングは、異方性ではあるが、エッチングされたパターンの縁に丸みを付けることができ、そして、それゆえ、光学的特性が最適化された壁体を形成することができる。
【0024】
凸状の空洞を有する物質層が得られるような方法において、エッチングが、空洞の深さに到達すると一旦停止するような場合には、壁体は一様な物質層の内部に形成できる。
【0025】
上記物質層は、フィルムの将来的な使用法のために選択された光に対して、透明か、または不透明であるのが好ましく、そして、もし空洞を覆う必要がないならば空洞の壁体は約5μmから30μmの高さのネットワークを形成する。
【0026】
さらに、支持体上に堆積された上記壁体は、例えば、透明か、または光を吸収する、あるいは、さらに一般的に興味のある上記光を吸収する物質層を通り抜けて完全に横切っていてもよい。
【0027】
上記透明な支持体には停止層がコーティングされているので、プラズマエッチングは、この高さで停止する。
【0028】
上記停止層は、10nmから100nmまでの厚さの層とするのが好ましく、それは透明であってもなくてもよい。
【0029】
この停止層は、好適には、そのとき、裸の上記支持体を上記空洞のベースに置くようにエッチングされてもよく、そして、上記光学的特性を最適化する。
【0030】
閉じたネットワークを形成する壁体によって互いに分離可能な空洞か、または、空間部分に形成される壁体によって互いに部分的に連絡している空洞の高さは、プラズマエッチングされた上記物質層の高さと上記停止層の厚さとの合計に等しい。
【0031】
一度、光学的に最適化された放射によって規定された積層構造が得られると、空洞は、放射の最も深い部分がフィルムの接着によって覆われる前に、光学的に適した流体で満たされる。
【0032】
上記エッチング法を促進するために、上記素子の支持体は、半導体(特に、シリコン)またはガラスのようなマイクロエレクトロニクスにおいて共通に使われる物質で優先的に、一体の硬い基体によって作られる。
【0033】
上記エッチングは、例えば、樹脂をコーティングして薄いマスキングフィルムを堆積させ、その樹脂を露光および現像し、それから、マスク層をエッチングすることによって形成される薄膜マスクを通して実行されるのが好ましい。
【0034】
さらに、本発明は、そのようにして得られた有益な光学的特性を有する素子またはフィルムに関連している。
【0035】
この他の特徴および本発明の効果は、この後に与えられた記載を読むことによって、そして、図示によって単独に与えられ、そして、何も制限しない付記された図面を参照することによって明確となるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明に係る方法は、すでに眼鏡用レンズへの応用として述べられたが、この応用だけに限るものではない。
【0037】
特に、後述の光学素子は、受動的な偏光フィルム、液晶ベースのビューイングスクリーン、“電子インク”として知られる技術のような液体を使ったスクリーン、その他のあらゆるフィルム、または、目的とする応用的機能として所定の光学的特性を有する流体で満たされ、上記層の光学的特性が劣化しない壁体で、互いに繋がっているか、あるいは、繋がっていない多くの空洞を含む層であってもよい。
【0038】
好ましくは透明であり、そして、フォトクロミック流体をせき止めることが可能な空洞を含む本発明に係るフィルムは、接着のような公知の方法により、それによって眼鏡レンズ上、または、その他の支持体上に転写してもよい。
【0039】
本発明に係る上記方法および上記素子において、空洞の壁体は、選択された物質の中に形成され、そして、好適には透明な基体上に形成される。
【0040】
光学的特性を有する液体、例えば、感光性または感熱性の流体または正確な屈折率を有する流体でさえも気密状態に内包させることができ、互いに繋がっているか、あるいは繋がっていない空洞を形成するために、第2の基体によって壁体を覆う。
【0041】
さらに、互いに繋がっていない空洞には、例えば、屈折率の異なった流体のような異なった流体を内包させることができる。
【0042】
実際に想定される応用に依っては、例えば、フォトクロミック物質の場合には、できるだけたくさんの光を吸収するように機能性流体を相当の厚さとすることには興味があるかもしれない。
【0043】
しかしながら、空洞の深さが増すほど、それらの壁体の技術的形成工程において、多くの問題が生じ、そして、それらの厚さについては妥協を余儀なくされる。
【0044】
とはいえ、例として、上記壁体は、数ミクロン(大体5μmから20μm)の高さを有することができ、そして、それらの厚さは、それらが引き起こす有害な光学的現象を最小限にするために、ミクロンのオーダーの薄さが好ましい。
【0045】
本発明では、上記壁体は、上記層、または、上記壁体を作り上げている物質の層の積層をプラズマエッチングすることによりエッチングされる。
【0046】
この方法では、上述の高さであっても、2μmより薄い厚さの壁体の形成が可能となる。
【0047】
その上、大抵の高分子は、酸素を使ったプラズマ法によってエッチングされ、さらに一般的には、このタイプのエッチングは、壁体の形成に対して想定される大抵の物質に適している。
【0048】
さらに、プラズマエッチングは異方性であるがために、そのプラズマエッチングによって、壁体の内側に向かって丸みを帯びた外形形状が得られる。
【0049】
実際、イオン化された物質や(ベースに対してほとんど垂直な)小さな入射角で壁体を打ちつけ、それから空洞のベースに跳ね返るイオン化された物質の照射の間の化学反応は、壁体を局所的に薄くする。
【0050】
通常は欠点として考えられる、この現象は本発明では求められている。すなわち、僅かに丸みを帯びた形状によって光学的な回折現象が抑制される。
【0051】
特に、上記壁体は、凹みの水平方向の壁体の厚さを、例えば、その両端部に比べて中央部で一層薄くすることが可能な両凹状となっている。
【0052】
さらに、本発明では、エッチングの結果として生じる凹部を所望の形状に形成できる。
【0053】
上記壁体の外形は、RIE(Reactive Ion Etching)エッチング装置の中で、非等方性を増大させる以下のいくつかの方法、例えば、低圧にすると非等方性が助長され、高圧にすると等方性が助長されるので、エッチングチェンバーの中のガスの圧力を調整する方法、基体の極性(polarization)を調整することによって、そして、その結果としてイオンの加速度が変わり、高電圧がエッチングの物理的効果を増大させ、そして、それゆえ、非等方性を増大させる方法などによって所望の形状に形成できる。
【0054】
例えば、図1には、“Nextral 330”RIEエッチングによって、4μmの同一幅のマスクに対して、それぞれ、100mTorr(図1A)、50mTorr(図1B)、10mTorr(図10)の、350mWの酸素により得られる壁体の3つの外形が示されている。
【0055】
凹みは、異なった高さに局在し、そして、壁体の厚さは、上記の圧力の条件によって、eA<1[μm],eB≒1[μm]、および eC≒2[μm] と変わる。
【0056】
さらに一般的に、高さH、両端部での厚さl、および凹みの水平方向の厚さeの壁体に対して、本発明に係る上記のエッチング変数は、2≦H/l≦10およびl/10 ≦e≦l/2を得るように選ばれている。
【0057】
プラズマエッチングは、壁体の上に形成されている物質層の上に予め堆積させた“薄膜”として知られるマスクを通してなされる。
【0058】
上記マスクは、プラズマエッチング、リソグラフィー、およびエッチングのために選択された金属の堆積によって形成されるのが好ましい。
【0059】
特に、図2に示されるように、上記マスクの好適な実施の形態は、上記壁体のプラズマエッチングとは対照的に選択的な物質からなる、例えば、スパッタ法または蒸着によって得られる、支持体1上のエッチング用のマスク層2の堆積物を含む。
【0060】
例えば、それは、大体の厚さが0.1μmと2μmとの間の、金属(Al,Ti,Cr,etc.)、合金 (Al/Si,Al/Cu,etc.) 、セラミック (Cr/SiO, etc.) 、あるいは、SiO2,SiOX , SiOC,SiNまたはITOの中の透明層である。
【0061】
それから、例えば、マイクロエレクトロニクスまたはフラットスクリーン技術において使用されるタイプの感光性樹脂4が堆積される(図2A)。
【0062】
この樹脂は、光増感のようなリソグラフィーの技術によって、壁体のパターンを表しているマスクを通して露光される。
【0063】
それから、樹脂4の現像は、マイクロエレクトロニクスまたはフラットスクリーン技術において通常使用される技術によってなされる(図2B)。
【0064】
それから、マスク6を得るために、樹脂4によって保護されないマスク層2の部分は、プラズマエッチング、化学エッチング、ドライまたはウェットエッチングによってエッチングされる(図2C)。
【0065】
上記マスクの幅が、そのマスクの下での凹部の形成を可能にする側面側からのエッチングにより与えられた特性を有する壁体を得るために考慮すべき変数であることは注意すべきである。
【0066】
例えば、上端で2μm幅の壁体を得るために、4μm幅のマスクを使用することもある。そして、その相対的な特性の最適化は物質やエッチングなどに依存する。
【0067】
図3に示された第1の実施形態では、本発明に係る前記素子の空洞は一様な物質層の内部に形成される。言い換えれば、空洞のベースと、それの壁体とは、同じ構造上(例えば、この層を構成している唯一の構造)の要素部分を形成している。
【0068】
上記物質は、その光学的特性よって選択される。そして、特に、それは透明であってもよい。
【0069】
上記フィルムを構成している物質10は、想定されるエッチング法に対して、それの厚さやそれの剛性において、特に適さないのが普通である。
【0070】
すなわち、フィルムへの細工と、パターンの形成と、エッチングとを容易にするために、物質層10は、その全体が十分な厚さと剛性を有することが保証されているために、リソグラフィーおよびドライエッチング装置によって扱うことができる支持体12に固定されているとよい。
【0071】
したがって、支持体12は、ガラス中、シリコン中、水晶中、高分子中などにあってもよい。
【0072】
上記の組立は、例えば、接着によってなされてもよく、そのとき、接着は、易解体性と両立可能であると同時に、その次の技術的工程のための十分な力学的強度を有している(図3A)。
【0073】
それから、マスク6は、基体12とは反対側のフィルム層10の表面上に堆積される。
【0074】
そして、マスク6は、図2に関連して記載された方法によって形成されるのが好ましい。
【0075】
それから、透明なフィルム10は、所定の深さ以上のマスク6を通して、エッチングされる。
【0076】
図3Bの、この工程で使われるエッチングは、従来のRIEプラズマ、または、上記の僅かな等方性を有するために適した条件下で、SF6やCHF3などの種類のフッ化気体と混合されたか、あるいはされないO2を使った高密度エッチングであってもよい。
【0077】
上記のエッチングは、その深さが一度ある深さに達すると、具体的に言えば、一度10μmの高さの壁体14が得られると停止する。
【0078】
先に明らかになったように、異なった変数(継続時間、プラズマ圧力、気体の種類など)の選択によって所望の外形を得ることができる。
【0079】
そして、マスク層6は、オプションの工程によって、例えば、プラズマエッチングまたは化学エッチングによって除去することができる(図3C)。
【0080】
壁体14としての表面の凸凹を有するが、各表面は一様な特徴を有する構成部分は、このようにして得られる。
【0081】
このようにして得られた空洞16は、適当な流体18で満たすことができ、そして、上から透明な物質20の別の層を接着することによって覆うことができる。例えば、本発明に係るフィルム22は、それはラミネートによって得られる。
【0082】
そして、フィルム22の光学的特性は最適化され、そして、フィルム22は、選択された光学的特性の流体18が置かれる気密な空洞16を有している(図3C)。
【0083】
空洞16は、任意の適切な方法によって、例えば、ディッピング法、遠心塗装機またはドクターブレードによる塗布法、シルクスクリーン印刷、または、他のどんな印刷技術によって、満たすことができる。
【0084】
本発明に係るフィルム22を最適化するのに、特に、基体12が所望の光学的品質を有さないならば基体12から層10を分離してもよいし、あるいは、フィルム10の特性または柔軟性を再生してもよい(図3D)。
【0085】
上記の分離は、例えば、力学的作用(牽引力、剪断力、刃の挿入など)や化学反応によってなされてもよい。
【0086】
この第1の実施形態のために、例えば、厚さ75μmのPET(Poly Ethylene Terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)タイプの柔軟な透明なフィルム10が選択され、そして、それはアクリル系接着剤の層でコーティングされている。
【0087】
それから、フィルム10は、シリコンウェハー12またはガラススレート上にラミネートされる。
【0088】
約50nmのチタン層2がスパッタ法または蒸着によって堆積している。
【0089】
そして、そのとき、上記壁体は、例えば、約10μmから100μmのピッチの四角いメッシュ、または周期的過ぎる配列による光学的効果を最低限に抑えるための不規則的なメッシュなどの小さなサイズ(約2μm)のパターン6を設定可能とする、従来の薄膜樹脂4による光リソグラフィーによって設定される。
【0090】
それから、10mTorrかつ350Wの下でSF6を使って、樹脂4では保護されていないチタン層2のRIEプラズマエッチングがなされ、その後、O2を使ったRIEプラズマエッチングによって、約10μmの厚さ以上の高分子層10のエッチングがなされる。
【0091】
その得られた凹部はミクロンオーダーの凹みを有している。
【0092】
考慮された物質10に依存して、そのプラズマエッチングは、“草状形成物”という名前でも知られる繊維状物を空洞18のベース上に生成する可能性がある(図4)。
【0093】
実際には、この草状形成物24は、ある種の応用、あるいは、ある種の流体に対しては障害となり得る。
【0094】
本発明の1つの実施形態では、空洞ベース16となるものの中に、草状形成物24を取り除くために化学的な反応経路によって優先的にエッチングされる薄膜を堆積させることを提案する。
【0095】
この層は、好適には、プラズマエッチングの間の停止層としても使用することができる。
【0096】
このように、上記の空洞の深さを所望の深さにするのは容易である。
【0097】
第2の実施形態では、このようにして、壁体が平坦な透明なフィルム30の上に転写される。
【0098】
そして、それらは、ベース30と同じ構成を有していても、有していなくてもよい。
【0099】
第1の実施形態と同様の方法において、支持体上への、あるいは、リソグラフィーおよびドライエッチング装置によって取り扱うことができる基体32上への透明なフィルム30の転写は最初に接着によってなされる(図5A)。
【0100】
支持体32は、例えば、ガラス、シリコン、水晶、またはポリマーである。
【0101】
それから、プラズマエッチングの停止と草状形成物24の削除との両方のために使用される層34への堆積がなされる(図5B)。
【0102】
上記壁体のプラズマエッチングとは対照的に、例えば、金属(Al、Ti、Crなど)、合金(Al/Si、Al/Cuなど)、あるいは、Si02、SiOx、SiOC、SiN、または、ITOの中の透明層は、この層34のために選択される。
【0103】
この物質34は、例えば、0.05μmから2μmの厚さを有しており、そして、化学蒸着(CVD)、スパッタ法、または、蒸着によって、決まった場所に置くことができる。
【0104】
それから、エッチングされる壁体中に層36は堆積される。
【0105】
すなわち、それは、遠心塗装機によって堆積されるか、あるいは、スプレー、ドライフィルム、または、引き(spread coating)によって形成された、適した屈折率の、あるいは可視光線を吸収する、大体1μmと30μmとの間の厚さの高分子物質である。
【0106】
それから、マスク6は、第1の実施形態と同様に堆積される。
【0107】
図5Cには、図2に示されたような方法による、マスク6のパターン上の、樹脂2の残留物を使ったマスクの除去が示されている。
【0108】
それから、層36のプラズマエッチングによって、従来のRIE、または、僅かな等方性を有するための比率および圧力の上記適当な条件の下で、SF6やCHF3などの種類のフッ化気体と混合されたか、あるいはされないO2を使った高密度プラズマエッチングよる壁体38の形成が可能となる。
【0109】
この工程の間、樹脂2のマスクは、それ自体も除去されるであろう(図5D)。
【0110】
ここで、そのエッチングは、停止層34に達するまで続く。
【0111】
第1の実施形態と同様の方法において、得られた壁体38の湾曲形状は、プラズマエッチングのために選択された変数に依存する。
【0112】
停止層34が透明でない場合や草状体が存在する場合には、プラズマエッチングまたは化学エッチングによって停止層34を取り除いてもよい(図5E)。
【0113】
マスク層6のエッチングも、例えば、プラズマエッチングまたは化学エッチングによって可能となる。
【0114】
そのとき、空洞の深さが、層36の厚さに必要ならば停止層34の厚さだけ増大され、そして、それゆえ、所望の厚さとされる厚さに等しいことには注意すべきである。
【0115】
それから、第1の実施形態におけるのと同様の方法において、空洞40は満たされ、別の透明なフィルム42を上からラミネートすることによって覆われる(図5F)。そして、得られた上記素子は基体32から分離できる。
【0116】
例えば、図5Gに係るフィルム44を形成するために、柔軟かつ透明なPETタイプの厚さ75μmのフィルム30が選択され、例えば、厚さ25μmのアクリル系接着剤の層が塗布され、それから、シリコンウェハー32またはガラススレート上にラミネートされる。
【0117】
それから、約50nmのSiOxまたはSiOCの層34は、プラズマにより強化された化学蒸着(PECVD)か、または蒸着によって堆積される。
【0118】
約5μmから10μmの厚さの、適した屈折率の高分子36が、遠心塗装機によって堆積され、それから、マスク6は、上述したように形成される(約50nmのチタンの層2のスパッタ法または蒸着、従来の薄い樹脂4による光リソグラフィーエッチングによるパターン6の定義、樹脂2では保護されないチタンの層4の、SF6を使ったRIEプラズマによるエッチング)。
【0119】
それから、今までどおり(例えば、50mTorr、350Wの)O2 を使ったRIEプラズマによって、高分子層36はエッチングされる。
【0120】
そして、そのエッチングは、BOEのような緩衝性のフッ化水素溶液を使って化学的にエッチングされたSiOxまたはSiOCの層34上で停止する。
【0121】
上記空洞の壁体38上に存在する金属6は、例えば、希釈されたフッ化水素を使って化学反応によってエッチングできる。
【0122】
空洞40は、基体30上に一滴のフォトクロミック流体を滴下し、そして、スクレーパーを使って塗布することによって充填される。
【0123】
それから、空洞40は、予め接着されたPETのフィルム42上にラミネートすることによって覆われる。
【0124】
明らかに、これらの形成方法は、例示したものによって唯一与えられており、そして、実施される異なった選択は、本発明に係る方法または素子の部分を形成するために一緒に組み合わされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1A】異なるエッチング変数によって形成された異なる壁体の外形を示している。
【図1B】異なるエッチング変数によって形成された異なる壁体の外形を示している。
【図1C】異なるエッチング変数によって形成された異なる壁体の外形を示している。
【図2A】本発明に係るマスクを形成する最良の方法を示している。
【図2B】本発明に係るマスクを形成する最良の方法を示している。
【図2C】本発明に係るマスクを形成する最良の方法を示している。
【図3A】本発明に係る方法の第1の実施形態を示している。
【図3B】本発明に係る方法の第1の実施形態を示している。
【図3C】本発明に係る方法の第1の実施形態を示している。
【図3D】本発明に係る方法の第1の実施形態を示している。
【図4】本発明により使用されたエッチングによって形成される“草状”形状を図式化している。
【図5A】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5B】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5C】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5D】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5E】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5F】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【図5G】本発明に係る方法の、その他の最良の実施形態を示している。
【符号の説明】
【0126】
2 マスク層
4 樹脂
6 マスク
10,30 第1の物質層
10,30,30−34−36 構造体
12,30,32 基体
14,38,34、36 壁体
16,40 空洞
18 流体
20,22,42,44 フィルム
20,42 第2の物質層
20,44 光学素子
34、36 物質
34 停止層
36 壁体層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁体(14,38)により分離される流体を内包する空洞(16,40)によって光学的特性が付与されるフィルム(20,44)の形成方法であって、
一方と他方との表面間に前記壁体の厚さより厚い構造体(10,30−34−36)の形成と、
前記構造体(10,30−34−36)の一方の表面上への前記壁体(14,38)のパターンを表すマスク(6)の堆積と、
前記一方の表面上に開く前記空洞(16,40)の境界を規定する前記壁体(14,38)を内側に向かって湾曲した形状とするために、前記壁体(14,38)の厚さに等しい厚さ以上の前記マスク(6)を通して、プラズマエッチングによって一方の表面によりなされる前記構造体(10,30−34−36)のエッチングと、
流体(18)による前記空洞(16,40)の充填と、
前記空洞(16,40)を覆う前記フィルム(20,42)の前記壁体(14,38)への接着と、
を含むことを特徴とする形成方法。
【請求項2】
前記構造体(10)が一様な物質層であり、前記壁体(14)が前記空洞(16)のベースと一体であることを特徴とする請求項1に記載の形成方法。
【請求項3】
前記一様な物質が前記フィルム(22)の光学的特性を考慮した光に対して透明か、または不透明のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の形成方法。
【請求項4】
前記構造体の形成が、基体(30)上への前記壁体(38)の形成を意図した物質(34,36)の層の堆積を含み、
前記構造体のエッチングが、前記壁体(34,36)の形成を意図した前記物質層のエッチングを含むことを特徴とする請求項1に記載の形成方法。
【請求項5】
前記壁体の形成を意図する前記物質層の堆積が、停止層(34)の前記基体(30)上への堆積に引き続く壁体層(36)の前記停止層(34)上への堆積を含み、
その支持体のエッチングが、前記壁体(38)が、その内側に向かうほど湾曲した構造を有するように、前記壁体層(36)のプラズマエッチングによるエッチングを含むことを特徴とする請求項4に記載の形成方法。
【請求項6】
前記壁体層(36)のエッチングに引き続いて、前記基体(30)に達するまで、前記停止層(34)のエッチングが行われることを特徴とする請求項5に記載の形成方法。
【請求項7】
前記壁体層(36)が、前記フィルム(44)の光学的特性を考慮した光に対して透明か、または不透明のいずれかであることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれか一項に記載の形成方法。
【請求項8】
前記マスク(6)が、
マスク層(2)の堆積と、
樹脂(4)の層の堆積と、
前記樹脂(4)の露光と、
前記樹脂(4)の現像と、
そして、前記マスク層(2)のエッチングと、
によって形成された薄膜マスクであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちいずれか一項に記載の形成方法。
【請求項9】
前記空洞(16,40)を覆う前記フィルム(20,42)の接着が、ラミネートによってなされていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のうちいずれか一項に記載の形成方法。
【請求項10】
前記構造体(10,30)が、少なくとも前記堆積とエッチングとの異なる工程に対して、シリコンまたはガラスのようなマイクロ技術的な基体(12,32)に固定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のうちいずれか一項に記載の形成方法。
【請求項11】
第1の物質層(10,30)と、
第2の物質層(20,42)と、
そして、前記第1と第2との物質層の間の空洞(16,40)の境界を規定する壁体(14,38)と、
からなり、
前記壁体(14,38)は、前記第1と第2との層に隣接している前記壁体の最も厚い部分の厚さが、これらの2つの最も離れた部分間の前記壁体の厚さより厚くなるように、凹部構造化された形状を呈していることを特徴とする光学素子(20,44)。
【請求項12】
前記第1と前記第2との物質層が透明であり、かつ前記空洞(16,40)が所定の光学的特性を有する流体(18)で満たされた気密な構造体を形成していることを特徴とする請求項11に記載の素子。
【請求項13】
前記流体(18)が、感光性、感熱性、または、所定の光学的特性量を有する流体であることを特徴とする請求項12に記載の素子。
【請求項14】
前記壁体(14,38)が、
透明か、または光を吸収する部分と、
そして、前記第1と第2の物質層との一方に隣接している最も厚い部分と、
によって構成されていることを特徴とする請求項11ないし請求項13のうちいずれか一項に記載の素子。
【請求項1】
壁体(14,38)により分離される流体を内包する空洞(16,40)によって光学的特性が付与されるフィルム(20,44)の形成方法であって、
一方と他方との表面間に前記壁体の厚さより厚い構造体(10,30−34−36)の形成と、
前記構造体(10,30−34−36)の一方の表面上への前記壁体(14,38)のパターンを表すマスク(6)の堆積と、
前記一方の表面上に開く前記空洞(16,40)の境界を規定する前記壁体(14,38)を内側に向かって湾曲した形状とするために、前記壁体(14,38)の厚さに等しい厚さ以上の前記マスク(6)を通して、プラズマエッチングによって一方の表面によりなされる前記構造体(10,30−34−36)のエッチングと、
流体(18)による前記空洞(16,40)の充填と、
前記空洞(16,40)を覆う前記フィルム(20,42)の前記壁体(14,38)への接着と、
を含むことを特徴とする形成方法。
【請求項2】
前記構造体(10)が一様な物質層であり、前記壁体(14)が前記空洞(16)のベースと一体であることを特徴とする請求項1に記載の形成方法。
【請求項3】
前記一様な物質が前記フィルム(22)の光学的特性を考慮した光に対して透明か、または不透明のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の形成方法。
【請求項4】
前記構造体の形成が、基体(30)上への前記壁体(38)の形成を意図した物質(34,36)の層の堆積を含み、
前記構造体のエッチングが、前記壁体(34,36)の形成を意図した前記物質層のエッチングを含むことを特徴とする請求項1に記載の形成方法。
【請求項5】
前記壁体の形成を意図する前記物質層の堆積が、停止層(34)の前記基体(30)上への堆積に引き続く壁体層(36)の前記停止層(34)上への堆積を含み、
その支持体のエッチングが、前記壁体(38)が、その内側に向かうほど湾曲した構造を有するように、前記壁体層(36)のプラズマエッチングによるエッチングを含むことを特徴とする請求項4に記載の形成方法。
【請求項6】
前記壁体層(36)のエッチングに引き続いて、前記基体(30)に達するまで、前記停止層(34)のエッチングが行われることを特徴とする請求項5に記載の形成方法。
【請求項7】
前記壁体層(36)が、前記フィルム(44)の光学的特性を考慮した光に対して透明か、または不透明のいずれかであることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれか一項に記載の形成方法。
【請求項8】
前記マスク(6)が、
マスク層(2)の堆積と、
樹脂(4)の層の堆積と、
前記樹脂(4)の露光と、
前記樹脂(4)の現像と、
そして、前記マスク層(2)のエッチングと、
によって形成された薄膜マスクであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちいずれか一項に記載の形成方法。
【請求項9】
前記空洞(16,40)を覆う前記フィルム(20,42)の接着が、ラミネートによってなされていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のうちいずれか一項に記載の形成方法。
【請求項10】
前記構造体(10,30)が、少なくとも前記堆積とエッチングとの異なる工程に対して、シリコンまたはガラスのようなマイクロ技術的な基体(12,32)に固定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のうちいずれか一項に記載の形成方法。
【請求項11】
第1の物質層(10,30)と、
第2の物質層(20,42)と、
そして、前記第1と第2との物質層の間の空洞(16,40)の境界を規定する壁体(14,38)と、
からなり、
前記壁体(14,38)は、前記第1と第2との層に隣接している前記壁体の最も厚い部分の厚さが、これらの2つの最も離れた部分間の前記壁体の厚さより厚くなるように、凹部構造化された形状を呈していることを特徴とする光学素子(20,44)。
【請求項12】
前記第1と前記第2との物質層が透明であり、かつ前記空洞(16,40)が所定の光学的特性を有する流体(18)で満たされた気密な構造体を形成していることを特徴とする請求項11に記載の素子。
【請求項13】
前記流体(18)が、感光性、感熱性、または、所定の光学的特性量を有する流体であることを特徴とする請求項12に記載の素子。
【請求項14】
前記壁体(14,38)が、
透明か、または光を吸収する部分と、
そして、前記第1と第2の物質層との一方に隣接している最も厚い部分と、
によって構成されていることを特徴とする請求項11ないし請求項13のうちいずれか一項に記載の素子。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【公表番号】特表2009−526253(P2009−526253A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553747(P2008−553747)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051109
【国際公開番号】WO2007/090828
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(590000514)コミツサリア タ レネルジー アトミーク (429)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051109
【国際公開番号】WO2007/090828
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(590000514)コミツサリア タ レネルジー アトミーク (429)
【Fターム(参考)】
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