説明

マイクロ波を用いた銅ナノ粒子の製造方法

【課題】狭い粒度分布を有し、分散性に優れた数十ナノメートルの大きさの銅ナノ粒子を大量に合成できる銅ナノ粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、(a)銅塩、分散剤、還元剤及び有機溶媒を含む混合溶液を調製する段階と、(b)前記混合溶液の温度を30ないし50℃に昇温させて撹拌する段階と、(c)前記混合溶液にマイクロ波を照射する段階と、及び(d)前記混合溶液の温度を低下させて銅ナノ粒子を得る段階と、を含む銅ナノ粒子の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅ナノ粒子の製造方法に関するもので、より詳細には、狭い粒度分布を有し、かつ、分散性が優れた数十ナノメートルの大きさの銅ナノ粒子を大量に合成できる銅ナノ粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子部品の小型化及び高密度化によりインクジェットを用いた薄膜の金属パターニングや、基板における微細配線形成に対する要求が増加している。これを具現するために導電性インクは、均一な形状と狭い粒度分布を有し、かつ優れた分散性を有する数十ナノメートルの大きさの銅粒子から製造される必要がある。
【0003】
銅ナノ粒子を製造する方法としては、機械的に粉砕する方法、共沈法、噴霧法、ゾル−ゲル法、電気分解法、マイクロエマルジョン法など多様な方法がある。
【0004】
最も多用されている共沈法により製造された金属粒子は、粒子の大きさ、形状、粒度分布の制御が不可能であり、その他の電気分解法やゾル−ゲル法は、製造コストが高いので大量生産が困難であるという問題点がある。また、マイクロエマルジョン法は、粒子の大きさ、形状、粒度分布の制御は容易であるが、製造工程が複雑であって実用化されていない。
【0005】
最近、湿式還元法により銅ナノ粒子を製造するための試みが行われており、特にヒドラジンを用いる一部の還元法が、0.1〜100μm程の粒度を有する銅粒子の製造に好適な手段として提示された。
【0006】
日本公開特許平02−294414号は、アミノ酸及びその塩、アンモニア及びアンモニウム塩、有機アミン及びジメチルグリオキシムからなる群より選ばれる一つ以上の化合物の存在下で、銅塩水溶液に水酸化アルカリ及び還元糖を添加して亜酸化銅の粒子を沈殿させた後、亜酸化銅の粒子をヒドラジンで還元させる段階からなる銅粒子の製造方法を提示している。
【0007】
また、韓国公開特許第2005−3169号は、銅塩水溶液にアンモニア水を混合して銅塩錯体化合物水溶液を作製した後、これをアスコルビン酸で還元させて銅粉末を製造することにおいて、中間段階で界面活性剤を添加して銅粒子の核の大きさ及び成長を制御して、0.3〜4μmの大きさの銅粒子を製造する方法を提示している。
【0008】
一方、マイクロ波を用いた合成法としては、日本公開特許第2004−353038号が、還元性有機アルコール溶媒に脂肪酸金属塩を分散させ、マイクロ波を照射して金属イオンから還元させることにより、10nm以下の銀超微粒子を製造する方法を提示している。
【0009】
しかし、以上の特許文献に提示された湿式法により得られた銅粒子は、粒度分布が小さいことや粒度が均一であることが特徴とされるが、事実上広い粒度分布を示し、100nm以下の小さく均一である粒子を提示した例はない。また、マイクロ波を用いた合成法の場合には、銅ナノ粒子の合成に関して開示されたものはない。
【特許文献1】日本公開特許平02−294414号
【特許文献2】韓国公開特許第2005−3169号
【特許文献3】日本公開特許第2004−353038号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、ポリオールなどの有機溶媒に相応しい分散剤と還元剤とを添加して混合溶液を製造し、ここにマイクロ波を適切に照射することにより、狭い粒度分布を有し、かつ分散性が優れたナノメートルの大きさの銅ナノ粒子を大量に合成できる製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の技術的課題を解決するために、本発明によれば、
(a)銅塩、分散剤、還元剤及び有機溶媒を含む混合溶液を調製する段階と、
(b)前記混合溶液の温度を30ないし50℃に昇温させて撹拌する段階と、
(c)前記混合溶液にマイクロ波を照射する段階と、及び
(d)前記混合溶液の温度を低下させて銅ナノ粒子を得る段階と
を含む銅ナノ粒子の製造方法が提供される。
【0012】
好ましい実施形態によれば、前記銅塩は、塩化銅(CuCl)、硝酸銅(Cu(NO)、硫酸銅(CuSO)、酢酸銅((CHCOO)Cu)、アセチルアセトナト銅(copper(II)acetylacetonate)、炭酸銅(copper(II)carbonate)、銅シクロヘキサンブチレート(copper(II)cyclohexanebutyrate)、ステアリン酸銅(copper(II)stearate)、過塩素酸銅(copper(II)perchlorate)、エチレンジアミン銅(copper(II)ethylenediamine)及び水酸化銅(Cu(OH))からなる群より選ばれる少なくとも一つである。前記銅塩は、0.001ないし1mol/Lの範囲で前記混合溶液に含まれることが好ましい。
【0013】
前記分散剤は、ポリビニルピロリドン(Polyvinylpyrrolidone、以下、‘PVP’という)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(Cetyltrimethylammoniumbromide、以下CTABという)、ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium dodecyl sulfate、以下SDSという)及びソジウムカルボキシメチルセルロース(Sodiumcarboxymethylcellulose、以下Na−CMCという)からなる群より選ばれる少なくとも一つである。前記分散剤は、銅塩1モルに対して1ないし20モルの比率で前記混合溶液に含まれることが好ましい。
【0014】
前記還元剤は、次亜リン酸ナトリウム(NaHPO)、ヒドラジン(N)、塩化水素及びソジウムボロハイドライド(NaBH)からなる群より選ばれる少なくとも一つである。前記還元剤は、銅塩1モルに対して2ないし6モルの比率で前記混合溶液に含まれることが好ましい。
【0015】
前記有機溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである。
【0016】
好ましい実施形態によれば、前記マイクロ波の照射強度は0.01ないし0.5W/cmであることが好ましい。また、前記マイクロ波の照射時間は、2ないし10分間であることが好ましい。
【0017】
好ましい実施形態によれば、前記(d)段階は、冷却した蒸留水を用いて混合溶液を急冷させて行うことができる。
【0018】
また、前記(d)段階は、前記混合溶液を遠心分離して銅ナノ粒子を分離する段階と、及び前記分離された銅ナノ粒子を洗浄した後乾燥させる段階とをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による銅ナノ粒子の製造方法によれば、狭い粒度分布を有し、かつ、分散性が優れた数十ナノメートルの大きさの銅ナノ粒子を大量に合成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明による銅ナノ粒子の製造方法に関してより詳細に説明する。
【0021】
マイクロ波を用いた合成方法は、一般的にナノ粒子の合成に多用されている湿式還元法に比して、工程が簡単であり、反応時間が短く、多様な金属から比較的均一なナノ粒子を合成できるという長所がある。しかし、実際にマイクロ波を用いて銅ナノ粒子を合成した従来技術はほとんど報告されていない。一部には、銀、ニッケルなどの金属ナノ粒子を合成した場合もあるが、均一な粒子を得ることができず合成量が数十mg程度に過ぎないので、現実的に産業への応用は難しい場合がほとんどである。よって、本発明では、さまざまな金属ナノ粒子の中で、最近インクジェットにより薄膜の金属パターニングや基板における微細配線を具現化する材料として注目されている銅ナノ粒子を、マイクロ波を用いて合成する方法を提供する。本発明によれば、マイクロ波を用いて短い時間内に簡単な工程で、均一な粒度分布及び分散性を有する数十nmの大きさの銅ナノ粒子を大量に合成することができる。
【0022】
本発明における銅ナノ粒子の製造方法は、
(a)銅塩、分散剤、還元剤及び有機溶媒を含む混合溶液を調製する段階と、(b)前記混合溶液の温度を30ないし50℃に昇温させて撹拌する段階と、(c)前記混合溶液にマイクロ波を照射する段階と、及び(d)前記混合溶液の温度を低下させて銅ナノ粒子を得る段階とを含む。
【0023】
本発明によれば、先ず、銅塩、分散剤、還元剤及び有機溶媒を含む混合溶液を調製する(a段階)。
【0024】
前記混合溶液に使用される構成成分について具体的に説明すると、前記銅塩としては、塩化銅(CuCl)、硝酸銅(Cu(NO)、硫酸銅(CuSO)、酢酸銅((CHCOO)Cu)、アセチルアセトナト銅(copper(II)acetylacetonate)、炭酸銅(copper(II)carbonate)、銅シクロヘキサンブチレート(copper(II)cyclohexanebutyrate)、ステアリン酸銅(copper(II)stearate)、過塩素酸銅(copper(II)perchlorate)、エチレンジアミン銅(copper(II)ethylenediamine)、水酸化銅(Cu(OH))などの水溶性銅塩を単独または混合して用いることが可能である。ここで、最も好ましくは、反応性が最も良い硫酸銅(CuSO)を単独で用いることがよい。
【0025】
前記銅塩は、0.001ないし1mol/Lの範囲で前記混合溶液に含まれることが好ましい。銅塩の濃度が0.001mol/L未満であると、所望する量の銅ナノ粒子を得ることができない。銅塩の濃度が1mol/Lを超過すると、粒子の成長速度が速過ぎ、そのため形成されるナノ粒子の大きさが不均一になり好ましくない。
【0026】
前記混合溶液に用いられる分散剤としては、PVP、CTAB、SDS、Na−CMCからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができ、好ましくは分子量40、000のPVPを単独で用いることがよい。高分子分散剤であるPVPは、生成する銅粒子の大きさ及び均一性を制御することができ、水系溶媒での凝集を防止して分散性を与えるのに効果がある。
【0027】
添加される分散剤の含量は、銅塩1モル(mole)に対して1ないし20モル(mole)の比率で前記混合溶液に含まれることが好ましい。前記分散剤が、銅塩1モルに対し1モル未満で添加されると、銅粒子の制御効果が低下して均一なナノ粒子の製造が困難となる。前記分散剤が、銅塩1モルに対し20モルを超過して添加されると、過剰の高分子分散剤により反応溶液の粘度が上昇して撹拌が難しくなり均一な反応が行われにくく、副反応物及び残余有機物の除去に過剰の溶媒を必要とするので経済的でない。
【0028】
混合溶液の製造時に還元剤を用いれば、溶液中の銅イオンをより迅速かつ安定に還元させることができる。前記還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム(NaHPO)、ヒドラジン(N)、塩化水素及びソジウムボロハイドライド(NaBH)からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができ、好ましくは、次亜リン酸ナトリウム(NaHPO)を用いることがよい。前記還元剤は、銅塩1モルに対して2ないし6モルの比率で前記混合溶液に含まれることが好ましい。還元剤の含量が、銅塩1モルに対し2モル未満であると、水溶液中の銅イオンを十分に還元させることができなく、還元剤の含量が、銅塩1モルに対し6モルを超過すると、副反応物が過剰に生成され、また還元剤が100%の銅還元に必要な量以上に添加されることになるので経済的でない。
【0029】
また、前記混合溶液の有機溶媒としては、ポリオールのような還元性有機溶媒を用いることができる。具体的な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましく、さらに好ましくは、エチレングリコールを単独で用いることがよい。
【0030】
前記成分を含む混合溶液を調製した後、前記混合溶液の温度を30ないし50℃に昇温させて撹拌する(b段階)。
【0031】
前記混合溶液は、一般的に室温で製造して反応させることができるが、分散剤の溶解性を考慮すると所定温度まで昇温させて撹拌することがより好ましい。昇温温度は、30ないし50℃であることが好ましく、これは、前記温度範囲で分散剤などの溶質を溶解させることが容易であり、さらに後続するマイクロ波の照射段階で照射時間を短縮することができるからである。昇温温度が30℃未満であると、溶質の溶解が困難であるので好ましくない。昇温温度が50℃を超過すると、反応物の状態に応じて還元反応が起きるので好ましくない。
【0032】
このように混合溶液の温度を昇温させて撹拌した後、前記混合溶液にマイクロ波を照射する(c段階)。
【0033】
マイクロ波の照射装置は、銅塩を還元できる照射強度を有する装置であれば特に制限されず、周波数2.45GHzの汎用のマイクロ波オーブンでも十分に還元反応を誘導できる。
【0034】
マイクロ波の照射条件は、使用される混合溶液の構成成分の種類に応じて異なるが、マイクロ波の照射強度が、0.01ないし0.5W/cmの範囲であることが好ましい。
【0035】
マイクロ波の照射強度が0.01W/cm未満であると、反応時間が長くなり銅塩を効率的に還元させることができないので好ましくない。マイクロ波の照射強度が0.5W/cmを超過すると、反応時間が極めて短くなり粒度分布を狭く制御することが困難であるので好ましくない。また、前記マイクロ波の照射時間は、2ないし10分間であることが好ましい。マイクロ波の照射時間が2分間未満であると、銅イオンが十分に還元されない。マイクロ波の照射時間が10分間を超過すると、銅粒子が過成長するので銅ナノ粒子の大きさを均一に制御できない。
【0036】
前記のようにマイクロ波を照射して反応を行うと、前記混合溶液中の銅イオンが還元されるにつれて、混合溶液は青色から黒褐色に変色する。これは、還元反応が終了したことを意味する。最終的に混合溶液の色が黒褐色ないし赤褐色になると、マイクロ波の照射を止め、できるだけ早く反応を終了させる。これは、反応時間が長くなると、先述したように粒子成長が不均一になるおそれがあるからである。
【0037】
このように反応が完了したら、前記混合溶液の温度を低下させて銅ナノ粒子を得る(d段階)。
【0038】
これは、反応させた混合溶液の温度を低下させることで銅ナノ粒子の過成長を防止するためであり、混合溶液の温度を約50℃以下に低下させることが好ましい。好ましい実施形態によれば、予め冷却した蒸留水を用いて混合溶液を急冷させることも可能である。
【0039】
銅ナノ粒子を得る段階は、前記混合溶液を遠心分離して銅ナノ粒子を分離する段階と、及び前記分離された銅ナノ粒子を洗浄した後乾燥させる段階とをさらに含むことができる。
【0040】
好ましい実施形態によれば、遠心分離は、2、000ないし5、000rpmで1分ないし10分間行うことができる。また、分離された銅ナノ粒子は、副反応物及び残余有機物などを除去するために、アセトンと蒸留水とを用いて洗浄し、好ましくは、30ないし60℃の真空乾燥器を用いて乾燥させる。
【0041】
以下、本発明の実施例を例示するが、本発明の保護範囲が下記実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0042】
(実施例1)
硫酸銅0.1モル、次亜リン酸ナトリウム0.4モル、PVP1モル及びエチレングリコール500mlをビーカーで混合して40℃に昇温した後、撹拌機を用いて溶解させて混合溶液を製造した。製造した混合溶液をマイクロ波オーブンに投入して3分間マイクロ波を照射した。還元反応により黒褐色の反応物が得られたらマイクロ波の照射を止め、前記混合溶液に予め冷却した蒸留水500mlを投入して急冷した。遠心分離により黒褐色の銅ナノ粒子を回収し、アセトンと蒸留水とを用いて3回洗浄した後、50℃の真空乾燥器で3時間乾燥して、最終的に粉末形態の銅ナノ粒子6gを得た。
【0043】
(実施例2)
硫酸銅0.2モル、次亜リン酸ナトリウム0.8モル、PVP2モル及びエチレングリコール1000mlをビーカー中で混合して40℃に昇温した後、撹拌機を用いて溶解させて混合溶液を製造した。製造した混合溶液をマイクロ波オーブンに投入して7分間マイクロ波を照射した。還元反応により黒褐色の反応物が得られたら、マイクロ波の照射を止め、前記混合溶液に予め冷却した蒸留水1000mlを投入して急冷した。遠心分離により黒褐色の銅ナノ粒子を回収し、アセトンと蒸留水とを用いて3回洗浄した後、50℃の真空乾燥器で3時間乾燥して最終的に粉末形態の銅ナノ粒子12gを得た。
【0044】
前記実施例1により得られた銅ナノ粒子の透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、以下、‘TEM’という)写真を図1に示し、前記粒子の走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、以下SEMという)写真を図2に示した。図1及び2を参照することにより、粒子の大きさが30〜50nmの球形の銅ナノ粒子が均一に形成されたことが確認できた。
【0045】
前記実施例1により得られた銅ナノ粒子の結晶分析のためのX線回折(X−ray diffraction、以下、‘XRD’という)の測定結果を図3に示した。図3を参照することにより、本発明により不純物及び酸化物相のない純粋な銅の結晶相のみが生成されたことが確認できた。
【0046】
粒度分析機を用いて前記実施例1により得られた銅ナノ粒子の粒度を分析し、その結果を図4に示した。図4を参照することにより、前記得られた銅ナノ粒子が狭い粒度分布を有することが確認できた。
【0047】
また、前記実施例2により得られた銅ナノ粒子のSEM写真を図5に示した。図5を参照することにより、粒子の大きさが50〜70nmの球形の銅ナノ粒子が均一に形成されたことが確認できた。
【0048】
粒度分析機により前記実施例2で得られた銅ナノ粒子の、粒度を分析した結果を図6に示した。図6を参照することにより、前記得られた銅ナノ粒子が比較的狭い粒度分布を有することが確認できた。
【0049】
前記実施例に示されているように、本発明による銅ナノ粒子の製造方法によれば、マイクロ波を用いて均一な粒度分布かつ分散性を有する数十ナノメートル(nm)の大きさの銅ナノ粒子を短い時間内に簡単な工程で合成できることが分かる。
【0050】
本発明は、前記実施例に限定されず、本発明の思想内で当分野において通常の知識を持つ者により多くの変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例1により製造された銅ナノ粒子のTEM写真である。
【図2】本発明の実施例1により製造された銅ナノ粒子のSEM写真である。
【図3】本発明の実施例1により製造された銅ナノ粒子のXRD測定結果である。
【図4】本発明の実施例1により製造された銅ナノ粒子の粒度分析の結果である。
【図5】本発明の実施例2により製造された銅ナノ粒子のSEM写真である。
【図6】本発明の実施例2により製造された銅ナノ粒子の粒度分析の結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)銅塩、分散剤、還元剤及び有機溶媒を含む混合溶液を調製する段階と、
(b)前記混合溶液の温度を30ないし50℃に昇温させて撹拌する段階と、
(c)前記混合溶液にマイクロ波を照射する段階と、及び
(d)前記混合溶液の温度を低下させて銅ナノ粒子を得る段階と
を含む銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項2】
前記銅塩が、塩化銅(CuCl)、硝酸銅(Cu(NO)、硫酸銅(CuSO)、酢酸銅((CHCOO)Cu)、アセチルアセトナト銅(copper(II)acetylacetonate)、炭酸銅(copper(II)carbonate)、銅シクロヘキサンブチレート(copper(II)cyclohexanebutyrate)、ステアリン酸銅(copper(II)stearate)、過塩素酸銅(copper(II)perchlorate)、エチレンジアミン銅(copper(II)ethylenediamine)及び水酸化銅(Cu(OH))からなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記銅塩が、0.001ないし1mol/Lの範囲で前記混合溶液に含まれる請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項4】
前記分散剤が、ポリビニルピロリドン(Polyvinylpyrrolidone、PVP)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(Cetyltrimethyl ammonium bromide、CTAB)、ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium dodecyl sulfate、SDS)及びソジウムカルボキシメチルセルロース(Sodiumcarboxymethylcellulose、Na−CMC)からなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項5】
前記分散剤が、銅塩1モルに対して1ないし20モルの比率で前記混合溶液に含まれる請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項6】
前記還元剤が、次亜リン酸ナトリウム(NaHPO)、ヒドラジン(N)、塩化水素及びソジウムボロハイドライド(NaBH)からなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項7】
前記還元剤が、銅塩1モルに対して2ないし6モルの比率で前記混合溶液に含まれる請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項8】
前記有機溶媒が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項9】
前記マイクロ波の照射強度が、0.01ないし0.5W/cmである請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項10】
前記マイクロ波の照射時間が、2ないし10分間である請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項11】
(d)段階が、冷却した蒸留水を用いて混合溶液を急冷して行われる請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。
【請求項12】
(d)段階が、さらに前記混合溶液を遠心分離して銅ナノ粒子を分離する段階と、前記分離した銅ナノ粒子を洗浄した後乾燥させる段階とを含む請求項1に記載の銅ナノ粒子の製造方法。

【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−75181(P2008−75181A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242572(P2007−242572)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】