マイクロ波回路モジュール用のシールド
【課題】電磁放射を制御するための電子回路用のシールドを提供する。
【解決手段】電子回路600は、最低限3つの金属層を有するPCB804上に構築される。このPCBは、信号を回路600に伝達するためのSMT型シールデッドコネクタ50、100を備えている。シールドには、PCBに実装された金属の壁部分802及びこの壁部分に取り付けられた取り外し可能な金属の蓋808が含まれる。PCB804、コネクタ、壁部分802及び蓋808は共に、回路600の周りに連続的な電磁障壁を形成する。
【解決手段】電子回路600は、最低限3つの金属層を有するPCB804上に構築される。このPCBは、信号を回路600に伝達するためのSMT型シールデッドコネクタ50、100を備えている。シールドには、PCBに実装された金属の壁部分802及びこの壁部分に取り付けられた取り外し可能な金属の蓋808が含まれる。PCB804、コネクタ、壁部分802及び蓋808は共に、回路600の周りに連続的な電磁障壁を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年11月22日に出願された「SHIELDED MICROWAVE CIRCUIT MODULE」という名称の米国許出願第60/866,945号(参照により本願に組み込まれる)から35 USC §120のもとで優先権を主張する。
【0002】
本発明は、電子回路の電磁シールドに関する。より詳細に説明すると、本発明は電磁放射を制御するためのマイクロ波回路(超小型回路)のシールドに関する。
【背景技術】
【0003】
シールドは、回路の一部分と回路の別の部分との間の干渉を減らすことによって、マイクロ波回路の性能を向上させる。シールドは、特定の回路によって引き起こされる他の回路に対する干渉を減らすと共に、回路の外部の発生源からの干渉も減少させる。
【0004】
回路のシールドは一般に、金属でそれを囲むことによって達成される。金属の厚さ及び導電性が、シールドの有効性を決定する。シールド内の開口部は、内部の信号にアクセスできるようにしているが、その寸法、形状、数及び配置によりシールドの有効性を劣化させる。
【0005】
抵抗又は磁気材料などの電磁エネルギーを吸収する材料を用いてシールドすることも可能である。しかしながら、この方式は、回路の効率と性能との間の考えられる妥協を危うくすると共に、回路を複雑で高価にする。
【0006】
電磁エネルギーの発生源が導体で囲まれると、放射エネルギーを導体の表面から反射することができる。電磁波の周波数がシールドされた回路の固有周波数に近い場合は、共振が起こり得る。共振は、マイクロ波回路の性能にとって有害になる可能性がある。
【0007】
存在する全ての構造体及び材料を評価した後、大きさが1/2波長よりも小さい筐体は、こうしたキャビティ共振に対応しない。共振は電磁吸収材料を使用することによって制御することもできるが、これらの材料をシールドに使用するのと同じ欠点がある。
【0008】
従来から、マイクロ波回路内におけるシールドは、回路を金属で囲むことによって達成される。図1に示した従来技術の混成型超小型回路10は、金属の蓋(図示せず)で閉じられる機械加工された金属ブロック11の上に置かれている。この混成型超小型回路10は、機械加工された金属ブロック11内のチャネル及びキャビティ16の中に、ワイヤボンディングを有する集積回路(IC)12及び薄膜回路13、マイクロ波コネクタ14(いわゆるスパークプラグRFコネクタ)、低周波の電力コネクタ15といった部品から構成されている。このチャネル及びキャビティ16は、超小型回路10内で発生される不要な共振を遮断する働きをする。金属ブロック11には、精密加工され金めっきされた取付け穴17が付いている。
【0009】
マイクロ波回路を形成する混成型超小型回路の方式は一般に、最良のマイクロ波の性能をもたらし、またその方式は良く確立された技術である。しかしながら、相互接続は個別の薄膜基板によって提供されるため、その方式は程度の低い集積化にしか対応しない。バイアス及び支援回路は通常、別個のプリント回路基板(PCB)上でのみ実用的である。ベースの金属ハウジングの製造はバッチではなくシリアルであり、組立て工程は自動化するのが難しいため、製造原価は比較的高い。混成型超小型回路は一般に、かさばって重い。
【0010】
従来のPCBは、誘電体材料の層によって分離された金属の層から成り、バイア(via:ビア)によって相互接続されている。PCB内の金属の層は、バイアのアレイと一緒に内部の構造体を取り巻き、シールドとして機能することができる。バイアのアレイのシールド効果は、バイアの間隔が減少するにつれて連続した金属の効果に近付く。
【0011】
PCBの端部と層が一緒に、連続した金属の筐体を形成するように、PCBの端部をめっきすることによって、PCBの横方向のシールドをバイアによって与えられたもの以上に向上させることができる。このため、PCBのシールドが効果的になる程度まで、シールドの連続性を、シールドされたPCBにシールドされたパッケージを取り付けることによって、維持することができる。
【0012】
小さな回路は、例えばトランジスタ・アウトライン(TO)カンパッケージ又は表面実装技術(SMT)パッケージ内でシールドされることが多く、それは、シールド用に誘電体上に堆積されたパターン化された金属薄膜又は成形されたシート金属を含む。そのようなパッケージは、PCBに実装される。
【0013】
事前にパッケージングされたデバイスをPCBに実装することにより、多くの用途に対して柔軟性と効率が与えられる。PCBを使用することにより、混成型の超小型回路の方式で可能にされるよりも、回路の複雑性と密度をより高くすることができる。この方式は結果として、混成型の超小型回路よりも回路をより小さくかつより軽くすることができ、最終的には、パッケージの寸法と形状によって制限される。パッケージは、ベアダイ(bare die)にとって必要な領域よりも大きな領域を使用し、回路の周波数範囲を制限する付加的な電気的インターフェースを導入する。
【0014】
図2は、種々のパッケージ21及び22を有する従来技術のPCBを示す。金属の蓋23及び24は、それぞれパッケージ21及び22の部品をシールドするためにPCB20に取り付けられる。これらの金属の蓋23及び24は、囲んでいる箱の頂部及び側部を形成する。箱の底部は、PCB上の金属パターン25によって提供される。
【0015】
超小型回路をシールドするための別の方式は、従来技術の図3に示されている。図3は、頂部及び底部の両方のシールドとして2つの別個のPCBを有する創意に富んだパッケージ30の断面図を示す。このパッケージ30は、2000年10月24日に発行された米国特許第6,137,693号に記載された発明の実施形態であり、この発明は参照により本願に組み込まれる。また、この発明は、本発明と同じ譲受人であるAGILENT Technologies社に譲渡されている。ドーター基板31の形式のPCBは、任意の形状のはんだ相互接続体32及び従来のはんだボール相互接続体38によってマザー基板34の形状のPCBに動作可能に接続される。基板31も、種々のSMT部品35、ワイヤボンディング接続されたデバイス36及びいわゆるフリップチップデバイス37に動作可能に接続される。任意の形状のはんだ相互接続体32及び従来のはんだボール相互接続体38は、マザー基板及びドーター基板34、31上の金属の相互接続体の間で電気的接続を行う。金属の相互接続体33はPCB上に形成されたはんだ可能な金属化の従来のパターンの一部であることを明白にしておく。PCBは互いに取り付けられて、シールドが連続的なはんだの接続体、すなわち相互接続体32で形成されたはんだ壁体により仕上げられる。このはんだ壁体は、PCB基板31及び34を指定された距離で接続する機械的な構造体、周辺シール(図示せず、湿気と汚染物が内部に入らないようにするもの)、電磁シールド及び電気的なグラウンド接続体を含む。集積回路のダイも実装して、シールド内部のPCBにワイヤボンディング接続することができる。はんだ構造体は、積み重ねられたPCBの間の電気的な相互接続を達成することもできる。一般的に、より小さなマイクロ波回路は、低い周波数の回路の場合は、この方法でより大きなマザーボードに取り付けられる。
【0016】
2つのPCBを接続及びシールドするためにはんだを使用することは、シールドされたマイクロ波回路を製造するための現行のボールグリッド式アレイ技術に基づく。この方式は、ベアダイを直接PCBに取り付けることに対応する。これにより、大きさと重さが減らされ、またマイクロ波の性能を限定する電気的なインターフェースが除かれる。ベアダイの周りに特注のシールドキャビティを形成することにより、高密度の回路及び共振しない高い周波数の動作が可能になる。
【0017】
溶融はんだの特性により、はんだ壁体に使用できる形状が制限される。これによりモジュールの設計が一層複雑にされ、そして最終的に、回路をシールドするためにPCBと一緒にはんだ壁体を使用する場合、取り扱うことができる実際的な周波数範囲が制限される。さらに、ボード間の距離もはんだの設計によって制限され、また背が高い部品を収容するためにPCBルーティングを必要とする。例えば、マザー基板34内のPCBルーティング39は、フリップチップデバイス37を収容する。はんだボール相互接続体に接触するための特別な試験用治具が、PCBの半分を最終アセンブリの前に試験するために必要である。完全に組み立てられたモジュールを効果的に手直しすることはできない。特に、他のマイクロ波回路モジュールのシールド方式と比較すると、比較的大量の鉛がはんだ壁体及び相互接続体の中に存在する。
【0018】
シールドされた(シールデッド)同軸コネクタは、回路とその回路に送信される信号を伝えるマイクロ波ケーブルとの間のシールドの連続性を維持する。PCBと一緒に使用されるSMTシールデッド同軸コネクタは一般に、PCBにはんだ付けされる。はんだは、PCBの表面の金属層のシールドをコネクタのシールドに連結する。SMTシールデッド同軸コネクタのシールドは中心導体を取り巻き、そして中心導体を囲むためにPCBの表面の金属シールドに結合する。中心導体は、PCBの内部の金属層に形成された信号用導体に接続するブラインドバイア(blind via)に接続する。PCBの内部の金属層では、それらはPCBの頂部及び底部の表面層と、両側のバイアとによってシールドされる。本発明の中で使用するSMTコネクタの実施例は、図4A〜図4Cに示した端部ランチ(edge-launch)型コネクタ50である。
【0019】
端部ランチ型コネクタ50は、2004年6月24日に発行された米国特許出願第US2004/0119557号の中で詳細に説明されている。この特許出願は、米国特許第7,0423,18号(’718特許)(参照により本願に組み込まれる)として発行された。この’718特許はまた、本発明と同じ譲受人であるAGILENT Technologies社に譲渡されている。コネクタ50は、様々な厚さのPCBを含む種々のPCBで使用されている。
【0020】
図4Aは、本発明で使用されるシールデッド端部ランチ型コネクタ50の等角図を示す。このコネクタ50は、同軸のコネクタ・インターフェース51、シールデッド移行ブロック(transition block)52、ピン支持体55、及び中心ピン54を備えている。ピン支持体55からシールドキャビティ58の中に伸びる中心ピンの部分は、中心ピンがまたピン支持体55の中に伸びても、説明のため、中心ピン54と呼ばれる。ピン支持体55は、TEFLON(商標)又はガラスなどの固体の誘電体材料である。シールデッド移行ブロック52は、中心ピンのチップ59を超えて伸びるシールドキャビティ58を形成し、シールデッド端部ランチ型コネクタ50がPCBの表面(例えば、頂部又は底部側)にはんだ付けされると中心ピン54を覆うシールド56を備えている。
【0021】
高周波回路は、プリント回路アセンブリ(PCA)上に作られることが多い。シールデッド端部ランチ型コネクタ50は、同軸のコネクタ・インターフェース12からPCBのインピーダンス制御された伝送構造体又は、PCAと高周波信号を通信する他の回路に信号を送る。PCBのインピーダンス制御された構造体は、例えば、プレーナー形伝送線路であることが多い。シールド56は、シールデッド端部ランチ型コネクタの同軸の伝送構造体からPCBのインピーダンス制御された伝送構造体への信号の移行を電磁的にシールドする。
【0022】
さらに、シールドキャビティ58は中心ピン54と一緒に動作して、シールデッド端部ランチ型コネクタ50の中でインピーダンス制御された伝送構造体を提供するように成形することができる。シールド56は、同軸のコネクタ・インターフェース51のグラウンド構造体でPCBの表面(例えば、上側)を包み、中心ピン54がピン支持体55を同軸のコネクタ・インターフェース51のインピーダンスに放置した後の、中心ピン54のインピーダンス・マッチングを向上させる。制御されたインピーダンスをシールドキャビティに与えることにより、同軸伝送構造体とプレーナー形伝送構造体との間のインピーダンスの不連続性が減少される。同様に、制御されたインピーダンスをシールドキャビティに与えることにより、PCBの厚さ及び端部の寸法公差に対するPCAの感度を低下させる。本願で使用されるグラウンドという用語は、同軸のコネクタ・インターフェース51の外部の導体の電位のことを指す。
【0023】
シールデッド移行ブロック52は電気的に導電性であり、一般に金属で作られている。導体50に関する幾つかの実施形態では、同軸のコネクタ・インターフェース51はシールデッド移行ブロック52と一体化され、別の実施形態では、シールデッド移行ブロックは、このシールデッド移行ブロックにねじ留め又は別の方法で接続されるSMAバレルなどの同軸のコネクタ・インターフェースを受け入れるように構成される。
【0024】
随意選択ののぞき窓60は、中心ピン54とPCBとの間のはんだ接合を検査するために設けられている。コネクタ50に関する1つの実施形態では、自動はんだペースト溶着及びオーブン・リフロー技術を使用して、シールデッド端部ランチ型コネクタをPCBの上面にはんだ付けする。自動はんだペースト溶着及びリフロー工程は、はんだペーストの量と位置付けは、特に機械視覚はんだペースト検査(machine-vision solder paste inspection)により一層制御可能となるため、手作業のはんだ付け技術と比べると優れたRF性能を提供すると信じられている。はんだリフロー及び中心ピンのはんだ接合を検査した後で、金属の蓋62がのぞき窓60に圧入され、そして随意的にはんだ付けされて、シールド移行ブロック52を電気的にシールする。
【0025】
シールデッド移行ブロック52は、PCB内のカットアウトを結合する側壁64を備えている。換言すると、この側壁64は、カットアウトの両側に覆いかぶさり、PCAを製造する間はシールデッド端部コネクタを支持する。この側壁は、シールデッド端部ランチ型コネクタとPCBとの間に強い機械的なインターフェースを作るために、はんだ付け面用の領域も提供する。自動SMTピック・アンド・プレイス装置は、PCB上にシールデッド端部ランチ型コネクタの正確な位置付けを行う。このシールデッド端部ランチ型コネクタ50は一般に、はんだリフローの間はPCBの側部に対して押し付けられ、端壁66がPCBの端部に接触した状態を維持して、これにより基板端部のインピーダンスの不連続性を減少させている。端壁66は一般に、電磁シールド及び強度を向上させるために、PCBの底端部にはんだ付けされる。
【0026】
図4Bは、PCB72上に取り付けられた図4Aのシールデッド端部ランチ型コネクタ50を備えたPCA70の平面図である。シールデッド端部ランチ型コネクタ50は、PCB72内に形成された、インピーダンス制御された伝送線路(図示せず)に接続される。シールデッド端部ランチ型コネクタ50は、様々な厚さのPCBを含む種々のPCBと共に使用される。
【0027】
図4Cは、図4Bの断面線A−Aに沿って切り取ったシステム70の断面図である。PCB72は、誘電体層80、82、84によって分離された金属層74、76、78、86を有する。より多くの又はより少ない層を有するPCBもある。金属層は一般に、電気回路を形成するためにパターン化される。ニューハンプシャー州ロンドンデリーのCOOKSON ELECTRONICS PWB MATERIALS AND CHEMISTRYから市販されているGETEC(商標)、又はアリゾナ州チャンドラーのROGERS CORP.から市販されているRO4350(商標)などの種々の誘電体材料は、インピーダンス制御された伝送構造体を有するPCBの中で使用するのに好適である。
【0028】
中心ピン54及びシールド56は、第1のパターン化金属層74の露出部分にリフローはんだ付けされる。のぞき窓60により、中心ピン用はんだパッド88に対する中心ピン54のはんだ接合を目視検査することができる。この中心ピン用はんだパッド88は、中心ピン54からの電子信号を中心導体用バイア90に結合し、この中心導体用バイア90は電子信号を、パターン化された金属層76の中に形成された中心導体92に送る。中心導体用バイア90は一般に、随意的にはんだで充填されるめっきされた穴である。バイアを使用して、PCB内の金属の層間の電気的な接続が行われる。金属層74、78は、中心導体92と協力して動作する接地面を形成し、PCB72の中にプレーナー形のインピーダンス制御された伝送構造体を形成する。
【0029】
PCB72の層の全体を貫通して伸びないバイアは、「ブラインド」バイアと呼ばれる。別の方法では、中心導体用バイアはPCBを貫通して伸びて、中心ピン54からの電気信号をPCBの反対側91(「底面」)上のインピーダンス制御された伝送構造体に接続する。PCBを貫通して伸びるバイアは、スルーバイア(through via:貫通ビア)としても周知である。シールデッド端部ランチ型コネクタ50の後壁66は、シールデッド移行ブロック52(図示せず)の側部と同様に金属層86にはんだ付けされて、PCB72とシールデッド端部ランチ型コネクタ50との間のはんだにより接触した周囲が形成され、完全な電磁シールドが提供される。
【0030】
図4Dは、本発明の中で使用されPCB150に取り付けられた別のSMT型シールデッドコネクタ100の断面図を示す。取付けは、はんだ又は同様の共晶接合材料を用いて行われる。PCB150は、第1の面と、この第1の面の反対側の第2の面と、及び埋め込まれたストリップライン伝送線路156とを有する多層を含む。第1の面は第1又は頂部グラウンド面152を有し、第2の面は第2又は底部グラウンド面154を有し、また埋め込まれたストリップライン伝送線路156はグラウンド面152、154の間に配置される。PCB150は、埋め込まれたストリップラインから第1の面まで伸びるブラインドバイア158をさらに有する。このブラインドバイア158は、第1の面上のはんだパッド160をストリップライン156に接続する。ブラインドバイア158及びはんだパッド160は、グラウンド面152、154から電気的に絶縁される。コネクタ100の環状のフランジ119を頂部グラウンド面152にはんだ付け又は他の方法で電気的及び機械的に取り付けることによって、同軸コネクタ100は頂部グラウンド面152に取り付けられる。中心ピン120がはんだパッド160にはんだ付け又は別の方法で電気的及び機械的に取り付けられて、シールデッドSMT型同軸コネクタ100の取付けが完成する。このコネクタ100は、2006年1月31日に発行された米国特許第6,992,544号(参照により本願に組み込まれる)の中で詳細に説明されている。この特許はまた、本発明と同じ譲受人であるAgilent Technologies社に譲渡されている。
【発明の開示】
【0031】
本発明は、シールデッドマイクロ波回路モジュールを提供する。このモジュールでは、プリント回路基板(PCB)がベースとして機能し、電子部品の相互接続に対応している。部品は、標準的な表面実装技術(SMT)又は周知のダイ接着及びワイヤボンディング技術のいずれかによってPCBに取り付けられ、また電気的に接続される。
PCB上で通常使用される部品は、適切にモジュール内に取り付けて、モジュールに組み込むことができる。前の節で与えられた説明に基づいて特注設計された固体金属の所定の壁構造体がPCBに導電性を保って取り付けられる。集積回路のベアダイが、金属シールドの中のPCBに取付けられまたワイヤボンディングされる。所定の壁構造体と一緒に特注設計された所定の蓋が、壁構造体の頂部に導電性を保って取り付けられて、電磁シールドを完成しまた囲まれた部品を保護する。高周波の相互接続は、ワイヤボンディングとPCBの金属パターン及びバイアとによって提供することができる。シールデッド同軸コネクタをPCBへ表面実装することにより、他の回路へのシールドされた接続が提供される。
【0032】
壁に固体の金属構造体を使用することにより、任意の小さい機構を作ることが可能になり、また回路の性能や形状に対して基本的な制限が加えられることはない。回路をシールする前に十分試験することができ、手直しはアセンブリを製造する全ての段階で実行可能であり実際に行うことができる。本発明は、複雑性が高い比較的軽量で小型の集積回路モジュールを製造するために、標準的な電子工学組立て工程を使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図面の中の同じ参照番号は、同様の項目を指すことは理解されたい。
【0034】
図5を参照すると、本発明を取り入れた超小型回路モジュールの組立てが裸PCB500から始まる。通常は、PCB500は少なくとも4つの金属層を有し、そして周知の材料と工程で組み立てられることが好ましい。しかしながら、本発明は最低限3つの金属層で動作するであろう。この節で説明される本発明の具体例としての実施形態のPCBは、エポキシ−ガラス−シリカ充填積層物の誘電体層で積層された6つの金属層を有する。この具体例としての実施形態は、本発明の教義を理解するためのものであり、本発明はこの具体例としての実施形態に限定されないことを理解されたい。PCB500は、従来のSMT部品、パッケージ、及びデバイスを取り付けるためのSMT領域502、並びにワイヤボンディング部品、パッケージ及びデバイスを実装するためのワイヤボンディング領域504を備えている。従来のブラインドバイア(図示せず)が伝送及びシールドのために使用され、ワイヤボンディング領域が接着可能な金506で選択的にめっきされる。
【0035】
具体例としての実施形態を製作すると、第1の組立て工程は2側面マウントの取付けである。図6は、SMT工程がSMTパッケージ入り部品602、604を取り付けるために使用された後の、超小型回路モジュール600を示す。このSMT部品は、PCB500の両側(頂部及び底部)に取り付けることができる。SMT部品には、コネクタ、抵抗、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、パッケージ入りIC、標準的なシールド、又はSMT工程を用いてPCB500に取り付けることができる任意の部品が含まれる。SMTシールデッドマイクロ波コネクタ606、608及び610がPCB601に実装され、特注設計された壁612(後でより詳細に説明される)が上面に取り付けられる。SMTシールデッドマイクロ波コネクタ606、608、609、610は、端部ランチ型コネクタ又は他のシールデッドSMT型コネクタ(図4Dで示されたコネクタ100など)とすることができる。
【0036】
本発明の1つの実施形態の教義に基づいて作られた特注のシールドには、複数の特注の壁及び対応する蓋が含まれる。特注の壁及び蓋は、電磁モードを制御しかつシールドの中に囲まれる電子回路、部品及びデバイスを収容するために必要な形状及び公差を与えるような工程の中で製造することが好ましい。特注の壁の各部分は、数量が少ない場合はシート素材の従来のフライス加工によって、数量が中程度の場合はケミカルミリングによって製造される。数量が多い場合は、打ち抜き加工又は注入成形(鋳造)を使用して壁の部分を製造する。蓋は、少量から中程度の数量の場合は、シート素材からケミカルミリングによって、また大量の場合は打ち抜き加工によって製造するのが好ましい。図7は、特注の壁700の特殊な設計の一部を示す。この特注の壁700では、領域702、704が、電磁放射を制御するためにシールドを必要とする電子回路、部品及びデバイスをそれぞれ取り囲んでいる。PCB500(図7には示されていない)に取り付けられ、蓋(これも図示されていない)によって覆われたときの領域702及び704の各々によって形成された所定の体積は特注設計されて、それぞれの体積によって囲まれた所定の電子回路、部品及びデバイスは電磁放射を制御するようにシールドされることを理解されたい。
【0037】
壁700は、いわゆるブリッジ706を含む。これらのブリッジ706は、ベースに支柱なしで立っている壁構造体であり、いわゆるアイランド708を可能にする。壁700がPCBに取り付けられるとき、ブリッジ706はPCBに接触しないように設計されるが、蓋が壁700を覆うために取り付けられるときは、ブリッジは蓋に結合される。図7には示されていないが、蓋のない壁700をPCBに取り付けるときに、PCBに結合するように設計された他のブリッジは、いわゆる逆さまのブリッジと呼ばれ、通気孔として機能する。壁700は、PCB500に取り付けるためにユニット構造体として形成することができる。別の方法では、壁700は、部品を寄せ集めて作ったものとすることができる。特別な超小型回路モジュールを製造するために必要な互いに異なる時間に、壁の様々な部分をPCB500に取り付けることができる。
【0038】
図8は、本発明の1つの実施形態の中で使用されるジョイント800の概念上の断面図を示す。壁802は、はんだ806結合を介してPCB804に取り付けられる。はんだ806と壁802とPCB804上に形成された金属のグラウンド面810との間の良好な結合を確実にするために、めっき層808が存在する。このめっき層は金であることが好ましい。このジョイント800は、(1)壁からはんだ及び金属グラウンド面810への溶解した金による金の脆化を避けるため、及び(2)壁802とPCB804との間の機械的な応力を吸収する十分な隔離を提供するために、十分なはんだを持つ必要がある。スルーバイア812はグラウンド面810、814及び816を接続して、超小型回路モジュールの金属シールドの下側部分を形成する。コネクタ(図8には図示されていない)からの信号をモジュールの種々の部分に伝送するストリップライン814が示されている。ストリップライン814はスルーバイア812に接触しない、またグラウンド面810と814とによってシールドされる。
【0039】
図9は、図6に示した特注設計の壁612及び超小型回路モジュール600のより詳細な部分である。IC614、薄膜回路616及び他のワイヤボンディング部品が、PCB500に取り付けられている。シム又は薄膜回路上に実装されるIC618に対応して、これは一般に2段階(層)で行われる。ワイヤボンディング接続は、ウェッジ接合で行われる。
【0040】
図10は、超小型回路モジュール600内のマイクロ波の経路用に使用される線についての、IC1006上のエッジ間接合1002、1004を示す。これらの接合は、2005年4月21日に発行された米国特許第2005/0083153号(参照により本願に組み込まれる)の中で詳細に説明されている。この特許はまた、本発明と同じ譲受人であるAgilent Technologies社に譲渡されている。
【0041】
図11は、全ての接続が行われ、そして基本的な機能性を確認するための電気試験が実施された後の、超小型回路モジュール600を示す。いずれかの電気試験が失敗した場合は、必要に応じて手直しが行われる。特注設計された壁612(現在は、蓋1102によって覆われている)用のシート状金属の蓋1102がここでは電気的に導電性の接着剤で取り付けられている。この蓋1102は1つのシートとして、又は蓋1102が壁612に取り付けられるときに作り出される所定の体積に対して必要な様々な部分として製造できることを理解されたい。蓋1104は、特注設計された壁1106を有する超小型回路モジュール600の別の部分を覆う。蓋1102、1104は中に穴(図示せず)を有して、接着剤の硬化工程の間に圧力の均一化及びガスの排出を可能にすることが好ましい。前述した逆さまのブリッジは、通気孔として機能する。穴はシート金属ドットをその上に接着することによって、又はその上にはんだ付けすることによって閉じられる。
【0042】
図12は、ヒートシンク1202を取り付けた超小型回路モジュール600の底面側を示す。ブラケットや必要とされる他の任意の外部部品などの他のデバイスは、最後の組立て段階で超小型回路モジュール600に取り付けられる。最終検査として、このモジュールを再度試験することが好ましい。本発明のシールド内の任意の回路、部品及びデバイスを、必要に応じて蓋1102、1104を取り外して再び手直しすることができる。蓋1102、1104は一般に、最初加熱して接着剤を柔らかくし、次に続いて、てこで動かして剥がすことによって取り外す。残った接着剤をきれいに落とし、必要な修理を行う。新しい蓋を、前述したように、導電性の接着剤を用いて取り付けそしてシールする。あるいはまた、前に使用した蓋を適当ならば再度取り付ける。
【0043】
図5〜図12を参照して、本発明のさらに別の説明として、ここで超小型回路モジュール600の説明を開始する。電源及び低周波の制御電圧と信号が、好ましくはSMTコネクタ606、608、609、610を介して超小型回路モジュール600内の回路に与えられる。高周波の入力及び出力信号が、これらの定インピーダンスのシールデッド同軸マイクロ波コネクタを通して結合される。電力回路及び低周波回路は主として特注のシールド領域の外側に配置され、一方、高周波信号は本発明の特注設計のシールドの中に含まれることが好ましい。
【0044】
特注設計のシールドは、超小型回路モジュール600の回路を取り囲むシールド領域の所定の体積の中の電磁エネルギーを制御する。特注の壁612、1106の寸法は、蓋によって閉じられたときに、シールド領域の固有共振が回路の動作範囲よりも高い周波数で発生するように選択される。壁間の間隔および壁の高さは、存在する全ての材料を評価した後で、最高の動作周波数の1/2波長よりも小さくなるように規定される。これが可能でない場合、又は望ましくない帯域外の共振が発生する場合は、電磁吸収材料が採用される。
【0045】
高周波信号は、好ましくはシールド領域の外側のストリップライン伝送線路を用いてPCBに経路指定され、マイクロストリップ及びストリップライン伝送線路はシールド領域内に形成されたブリッジ(例えば、ブリッジ706)の下側を通過する。低周波信号及びDC信号は、好ましくは中間層のトレースを用いてPCBの全体にわたって経路指定される。ブラインドバイア及びスルーバイアは、伝送線路モード間の伝送のために使用され、回路のグラウンド用の層と電磁放射を制御するシールド用の層との間のトレースを接続する。
【0046】
壁612、1106は、PCBの頂部金属層のPCBのグラウンド面810にSMTにより取り付けられる。取付け用のはんだ領域は、はんだマスクによって規定される。壁の直ぐ下に、スルーバイアのアレイがPCB500の中にシールドを形成する。電気信号は、PCB500の中間層上のトレースを使用して、バイアのアレイの中の途切れを通って壁を横切る。高周波の信号に対しては、ストリップライン伝送線路が使用される。シールド領域の中では、マイクロストリップ伝送線路は損失が比較的小さいため好ましい。ブリッジ706の下を通るようにマイクロストリップを経路指定することによって、マイクロストリップはシールドの種々のキャビティ間の連続性を維持する。ブリッジ706及びアイランド708は、複数キャビティのシールド内の境界を横切って連続的な低損失のマイクロストリップ線路を維持し、一方特注の壁612、1106の構造的な完全性を維持するという選択肢を可能にする。
【0047】
ベアダイのICと薄膜回路の接続は、部品の裏側にダイを取り付けて接続することに加えて、ワイヤボンディングで行うことが好ましい。SMTにより取り付けられるパッケージ入り部品への接続は、はんだ接合によって行われる。
【0048】
回路部品は、電圧又は電流の制御、スイッチング、減衰、増幅、混合、サンプリング、フィルタ処理、又は高周波のアナログ又はディジタル回路で必要な他の機能などの信号に基づいて動作を実行する。回路部品は、回路の全ての部品、PCBに取り付けられた部品、及びPCBそれ自身を含む。例えば、PCBの金属層のパターンは、1つの実施形態では、フィルタリング素子を形成することがある。
【0049】
回路部品は熱を発生するが、回路部品を動作温度範囲以内に保つために、この熱を消散しなければならない。温度は、モジュールの中に、熱をモジュールの表面に導く熱伝導機能を備えることによって管理される。モジュールの表面で、熱は環境(周囲)に消散される。熱発生部品は、熱エネルギーを効率的に広げる別個の素子又はPCBに一体化している素子のいずれかの熱伝導素子(層)に取り付けることができる。熱エネルギーを広げることによって、次の材料を通り抜ける熱抵抗が減少される。
【0050】
スルーバイア及び金属面は、PCBの中で主要な熱伝導構造体を提供する。シールド内の部品から周囲へ、2つの主な熱経路がある、すなわち、(1)デバイスを通って下の熱拡散層へ、熱拡散層内を横方向に、PCBを通って横方向に、壁を通って上方に、そして蓋の外に、(2)デバイスを通って下の熱拡散層へ、熱拡散層内を横方向に、PCBを通って下方に、そしてPCBの底部から外に。
【0051】
特注のシールドは、ベアダイに対して通常必要な環境的及び機械的な保護を提供する。ベアダイICの信頼性を劣化させる最も一般的な物質は湿気である。特注シールドの構造は、湿気の侵入を大いに減少させる。湿気は本質的に金属を通過しないが、湿気は大抵のPCBの誘電体材料及び蓋の取付けに使用するエポキシを通過する。湿気の侵入は、PCBの表面を金属で可能な限りクラッディングすることによって、また蓋に薄く広いジョイントを付けることによって最小にされる。
【0052】
本発明は、超小型回路モジュールを作るためのプラットフォームとして考えられた。このため、本発明は基本的には構成要素及び技術の寄せ集めである。本発明を特徴付ける要素は、多層PCB上のシールドされた同軸の端部又は垂直ランチ型SMTコネクタと組み合わせて、2部分複数キャビティ型シールドを使用することである。この新しい組合せにより、回路に接続されたコネクタを保護する部分を含む、所定の体積によって囲まれた全体の電子回路、部品及びデバイスに対して連続した完全なシールドが可能にされる。
【0053】
本発明は特定の実施形態を参照して詳細に説明されたが、本発明が属する技術分野で通常の技術を有する者は、以下に続くクレームの精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更や拡張を行うことができることは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】従来技術の混成型の超小型回路を示す図である。
【図2】部品及びシールドを有する従来技術のPCBを示す図である。
【図3】従来技術のシールドを示す図である。
【図4A】2つの従来技術のSMT型シールドコネクタを示す図である。
【図4B】2つの従来技術のSMT型シールドコネクタを示す図である。
【図4C】2つの従来技術のSMT型シールドコネクタを示す図である。
【図4D】2つの従来技術のSMT型シールドコネクタを示す図である。
【図5】本発明の実施形態で使用される裸PCBを示す図である。
【図6】超小型回路モジュールを示す図である。
【図7】本発明の実施形態で使用される特注設計された壁の一部を示す図である。
【図8】本発明の実施形態で使用されるジョイントの断面を示す図である。
【図9】本発明の実施形態で使用される特注設計された壁の一部を示す図である。
【図10】本発明の実施形態で使用されるエッジ間接合を示す図である。
【図11】超小型回路モジュールを示す図である。
【図12】超小型回路モジュールの底部を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
800:ジョイント
802:壁
804:プリント回路基板(PCB)
806:はんだ
808:めっき層
810、816:グラウンド面
812:スルーバイア
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年11月22日に出願された「SHIELDED MICROWAVE CIRCUIT MODULE」という名称の米国許出願第60/866,945号(参照により本願に組み込まれる)から35 USC §120のもとで優先権を主張する。
【0002】
本発明は、電子回路の電磁シールドに関する。より詳細に説明すると、本発明は電磁放射を制御するためのマイクロ波回路(超小型回路)のシールドに関する。
【背景技術】
【0003】
シールドは、回路の一部分と回路の別の部分との間の干渉を減らすことによって、マイクロ波回路の性能を向上させる。シールドは、特定の回路によって引き起こされる他の回路に対する干渉を減らすと共に、回路の外部の発生源からの干渉も減少させる。
【0004】
回路のシールドは一般に、金属でそれを囲むことによって達成される。金属の厚さ及び導電性が、シールドの有効性を決定する。シールド内の開口部は、内部の信号にアクセスできるようにしているが、その寸法、形状、数及び配置によりシールドの有効性を劣化させる。
【0005】
抵抗又は磁気材料などの電磁エネルギーを吸収する材料を用いてシールドすることも可能である。しかしながら、この方式は、回路の効率と性能との間の考えられる妥協を危うくすると共に、回路を複雑で高価にする。
【0006】
電磁エネルギーの発生源が導体で囲まれると、放射エネルギーを導体の表面から反射することができる。電磁波の周波数がシールドされた回路の固有周波数に近い場合は、共振が起こり得る。共振は、マイクロ波回路の性能にとって有害になる可能性がある。
【0007】
存在する全ての構造体及び材料を評価した後、大きさが1/2波長よりも小さい筐体は、こうしたキャビティ共振に対応しない。共振は電磁吸収材料を使用することによって制御することもできるが、これらの材料をシールドに使用するのと同じ欠点がある。
【0008】
従来から、マイクロ波回路内におけるシールドは、回路を金属で囲むことによって達成される。図1に示した従来技術の混成型超小型回路10は、金属の蓋(図示せず)で閉じられる機械加工された金属ブロック11の上に置かれている。この混成型超小型回路10は、機械加工された金属ブロック11内のチャネル及びキャビティ16の中に、ワイヤボンディングを有する集積回路(IC)12及び薄膜回路13、マイクロ波コネクタ14(いわゆるスパークプラグRFコネクタ)、低周波の電力コネクタ15といった部品から構成されている。このチャネル及びキャビティ16は、超小型回路10内で発生される不要な共振を遮断する働きをする。金属ブロック11には、精密加工され金めっきされた取付け穴17が付いている。
【0009】
マイクロ波回路を形成する混成型超小型回路の方式は一般に、最良のマイクロ波の性能をもたらし、またその方式は良く確立された技術である。しかしながら、相互接続は個別の薄膜基板によって提供されるため、その方式は程度の低い集積化にしか対応しない。バイアス及び支援回路は通常、別個のプリント回路基板(PCB)上でのみ実用的である。ベースの金属ハウジングの製造はバッチではなくシリアルであり、組立て工程は自動化するのが難しいため、製造原価は比較的高い。混成型超小型回路は一般に、かさばって重い。
【0010】
従来のPCBは、誘電体材料の層によって分離された金属の層から成り、バイア(via:ビア)によって相互接続されている。PCB内の金属の層は、バイアのアレイと一緒に内部の構造体を取り巻き、シールドとして機能することができる。バイアのアレイのシールド効果は、バイアの間隔が減少するにつれて連続した金属の効果に近付く。
【0011】
PCBの端部と層が一緒に、連続した金属の筐体を形成するように、PCBの端部をめっきすることによって、PCBの横方向のシールドをバイアによって与えられたもの以上に向上させることができる。このため、PCBのシールドが効果的になる程度まで、シールドの連続性を、シールドされたPCBにシールドされたパッケージを取り付けることによって、維持することができる。
【0012】
小さな回路は、例えばトランジスタ・アウトライン(TO)カンパッケージ又は表面実装技術(SMT)パッケージ内でシールドされることが多く、それは、シールド用に誘電体上に堆積されたパターン化された金属薄膜又は成形されたシート金属を含む。そのようなパッケージは、PCBに実装される。
【0013】
事前にパッケージングされたデバイスをPCBに実装することにより、多くの用途に対して柔軟性と効率が与えられる。PCBを使用することにより、混成型の超小型回路の方式で可能にされるよりも、回路の複雑性と密度をより高くすることができる。この方式は結果として、混成型の超小型回路よりも回路をより小さくかつより軽くすることができ、最終的には、パッケージの寸法と形状によって制限される。パッケージは、ベアダイ(bare die)にとって必要な領域よりも大きな領域を使用し、回路の周波数範囲を制限する付加的な電気的インターフェースを導入する。
【0014】
図2は、種々のパッケージ21及び22を有する従来技術のPCBを示す。金属の蓋23及び24は、それぞれパッケージ21及び22の部品をシールドするためにPCB20に取り付けられる。これらの金属の蓋23及び24は、囲んでいる箱の頂部及び側部を形成する。箱の底部は、PCB上の金属パターン25によって提供される。
【0015】
超小型回路をシールドするための別の方式は、従来技術の図3に示されている。図3は、頂部及び底部の両方のシールドとして2つの別個のPCBを有する創意に富んだパッケージ30の断面図を示す。このパッケージ30は、2000年10月24日に発行された米国特許第6,137,693号に記載された発明の実施形態であり、この発明は参照により本願に組み込まれる。また、この発明は、本発明と同じ譲受人であるAGILENT Technologies社に譲渡されている。ドーター基板31の形式のPCBは、任意の形状のはんだ相互接続体32及び従来のはんだボール相互接続体38によってマザー基板34の形状のPCBに動作可能に接続される。基板31も、種々のSMT部品35、ワイヤボンディング接続されたデバイス36及びいわゆるフリップチップデバイス37に動作可能に接続される。任意の形状のはんだ相互接続体32及び従来のはんだボール相互接続体38は、マザー基板及びドーター基板34、31上の金属の相互接続体の間で電気的接続を行う。金属の相互接続体33はPCB上に形成されたはんだ可能な金属化の従来のパターンの一部であることを明白にしておく。PCBは互いに取り付けられて、シールドが連続的なはんだの接続体、すなわち相互接続体32で形成されたはんだ壁体により仕上げられる。このはんだ壁体は、PCB基板31及び34を指定された距離で接続する機械的な構造体、周辺シール(図示せず、湿気と汚染物が内部に入らないようにするもの)、電磁シールド及び電気的なグラウンド接続体を含む。集積回路のダイも実装して、シールド内部のPCBにワイヤボンディング接続することができる。はんだ構造体は、積み重ねられたPCBの間の電気的な相互接続を達成することもできる。一般的に、より小さなマイクロ波回路は、低い周波数の回路の場合は、この方法でより大きなマザーボードに取り付けられる。
【0016】
2つのPCBを接続及びシールドするためにはんだを使用することは、シールドされたマイクロ波回路を製造するための現行のボールグリッド式アレイ技術に基づく。この方式は、ベアダイを直接PCBに取り付けることに対応する。これにより、大きさと重さが減らされ、またマイクロ波の性能を限定する電気的なインターフェースが除かれる。ベアダイの周りに特注のシールドキャビティを形成することにより、高密度の回路及び共振しない高い周波数の動作が可能になる。
【0017】
溶融はんだの特性により、はんだ壁体に使用できる形状が制限される。これによりモジュールの設計が一層複雑にされ、そして最終的に、回路をシールドするためにPCBと一緒にはんだ壁体を使用する場合、取り扱うことができる実際的な周波数範囲が制限される。さらに、ボード間の距離もはんだの設計によって制限され、また背が高い部品を収容するためにPCBルーティングを必要とする。例えば、マザー基板34内のPCBルーティング39は、フリップチップデバイス37を収容する。はんだボール相互接続体に接触するための特別な試験用治具が、PCBの半分を最終アセンブリの前に試験するために必要である。完全に組み立てられたモジュールを効果的に手直しすることはできない。特に、他のマイクロ波回路モジュールのシールド方式と比較すると、比較的大量の鉛がはんだ壁体及び相互接続体の中に存在する。
【0018】
シールドされた(シールデッド)同軸コネクタは、回路とその回路に送信される信号を伝えるマイクロ波ケーブルとの間のシールドの連続性を維持する。PCBと一緒に使用されるSMTシールデッド同軸コネクタは一般に、PCBにはんだ付けされる。はんだは、PCBの表面の金属層のシールドをコネクタのシールドに連結する。SMTシールデッド同軸コネクタのシールドは中心導体を取り巻き、そして中心導体を囲むためにPCBの表面の金属シールドに結合する。中心導体は、PCBの内部の金属層に形成された信号用導体に接続するブラインドバイア(blind via)に接続する。PCBの内部の金属層では、それらはPCBの頂部及び底部の表面層と、両側のバイアとによってシールドされる。本発明の中で使用するSMTコネクタの実施例は、図4A〜図4Cに示した端部ランチ(edge-launch)型コネクタ50である。
【0019】
端部ランチ型コネクタ50は、2004年6月24日に発行された米国特許出願第US2004/0119557号の中で詳細に説明されている。この特許出願は、米国特許第7,0423,18号(’718特許)(参照により本願に組み込まれる)として発行された。この’718特許はまた、本発明と同じ譲受人であるAGILENT Technologies社に譲渡されている。コネクタ50は、様々な厚さのPCBを含む種々のPCBで使用されている。
【0020】
図4Aは、本発明で使用されるシールデッド端部ランチ型コネクタ50の等角図を示す。このコネクタ50は、同軸のコネクタ・インターフェース51、シールデッド移行ブロック(transition block)52、ピン支持体55、及び中心ピン54を備えている。ピン支持体55からシールドキャビティ58の中に伸びる中心ピンの部分は、中心ピンがまたピン支持体55の中に伸びても、説明のため、中心ピン54と呼ばれる。ピン支持体55は、TEFLON(商標)又はガラスなどの固体の誘電体材料である。シールデッド移行ブロック52は、中心ピンのチップ59を超えて伸びるシールドキャビティ58を形成し、シールデッド端部ランチ型コネクタ50がPCBの表面(例えば、頂部又は底部側)にはんだ付けされると中心ピン54を覆うシールド56を備えている。
【0021】
高周波回路は、プリント回路アセンブリ(PCA)上に作られることが多い。シールデッド端部ランチ型コネクタ50は、同軸のコネクタ・インターフェース12からPCBのインピーダンス制御された伝送構造体又は、PCAと高周波信号を通信する他の回路に信号を送る。PCBのインピーダンス制御された構造体は、例えば、プレーナー形伝送線路であることが多い。シールド56は、シールデッド端部ランチ型コネクタの同軸の伝送構造体からPCBのインピーダンス制御された伝送構造体への信号の移行を電磁的にシールドする。
【0022】
さらに、シールドキャビティ58は中心ピン54と一緒に動作して、シールデッド端部ランチ型コネクタ50の中でインピーダンス制御された伝送構造体を提供するように成形することができる。シールド56は、同軸のコネクタ・インターフェース51のグラウンド構造体でPCBの表面(例えば、上側)を包み、中心ピン54がピン支持体55を同軸のコネクタ・インターフェース51のインピーダンスに放置した後の、中心ピン54のインピーダンス・マッチングを向上させる。制御されたインピーダンスをシールドキャビティに与えることにより、同軸伝送構造体とプレーナー形伝送構造体との間のインピーダンスの不連続性が減少される。同様に、制御されたインピーダンスをシールドキャビティに与えることにより、PCBの厚さ及び端部の寸法公差に対するPCAの感度を低下させる。本願で使用されるグラウンドという用語は、同軸のコネクタ・インターフェース51の外部の導体の電位のことを指す。
【0023】
シールデッド移行ブロック52は電気的に導電性であり、一般に金属で作られている。導体50に関する幾つかの実施形態では、同軸のコネクタ・インターフェース51はシールデッド移行ブロック52と一体化され、別の実施形態では、シールデッド移行ブロックは、このシールデッド移行ブロックにねじ留め又は別の方法で接続されるSMAバレルなどの同軸のコネクタ・インターフェースを受け入れるように構成される。
【0024】
随意選択ののぞき窓60は、中心ピン54とPCBとの間のはんだ接合を検査するために設けられている。コネクタ50に関する1つの実施形態では、自動はんだペースト溶着及びオーブン・リフロー技術を使用して、シールデッド端部ランチ型コネクタをPCBの上面にはんだ付けする。自動はんだペースト溶着及びリフロー工程は、はんだペーストの量と位置付けは、特に機械視覚はんだペースト検査(machine-vision solder paste inspection)により一層制御可能となるため、手作業のはんだ付け技術と比べると優れたRF性能を提供すると信じられている。はんだリフロー及び中心ピンのはんだ接合を検査した後で、金属の蓋62がのぞき窓60に圧入され、そして随意的にはんだ付けされて、シールド移行ブロック52を電気的にシールする。
【0025】
シールデッド移行ブロック52は、PCB内のカットアウトを結合する側壁64を備えている。換言すると、この側壁64は、カットアウトの両側に覆いかぶさり、PCAを製造する間はシールデッド端部コネクタを支持する。この側壁は、シールデッド端部ランチ型コネクタとPCBとの間に強い機械的なインターフェースを作るために、はんだ付け面用の領域も提供する。自動SMTピック・アンド・プレイス装置は、PCB上にシールデッド端部ランチ型コネクタの正確な位置付けを行う。このシールデッド端部ランチ型コネクタ50は一般に、はんだリフローの間はPCBの側部に対して押し付けられ、端壁66がPCBの端部に接触した状態を維持して、これにより基板端部のインピーダンスの不連続性を減少させている。端壁66は一般に、電磁シールド及び強度を向上させるために、PCBの底端部にはんだ付けされる。
【0026】
図4Bは、PCB72上に取り付けられた図4Aのシールデッド端部ランチ型コネクタ50を備えたPCA70の平面図である。シールデッド端部ランチ型コネクタ50は、PCB72内に形成された、インピーダンス制御された伝送線路(図示せず)に接続される。シールデッド端部ランチ型コネクタ50は、様々な厚さのPCBを含む種々のPCBと共に使用される。
【0027】
図4Cは、図4Bの断面線A−Aに沿って切り取ったシステム70の断面図である。PCB72は、誘電体層80、82、84によって分離された金属層74、76、78、86を有する。より多くの又はより少ない層を有するPCBもある。金属層は一般に、電気回路を形成するためにパターン化される。ニューハンプシャー州ロンドンデリーのCOOKSON ELECTRONICS PWB MATERIALS AND CHEMISTRYから市販されているGETEC(商標)、又はアリゾナ州チャンドラーのROGERS CORP.から市販されているRO4350(商標)などの種々の誘電体材料は、インピーダンス制御された伝送構造体を有するPCBの中で使用するのに好適である。
【0028】
中心ピン54及びシールド56は、第1のパターン化金属層74の露出部分にリフローはんだ付けされる。のぞき窓60により、中心ピン用はんだパッド88に対する中心ピン54のはんだ接合を目視検査することができる。この中心ピン用はんだパッド88は、中心ピン54からの電子信号を中心導体用バイア90に結合し、この中心導体用バイア90は電子信号を、パターン化された金属層76の中に形成された中心導体92に送る。中心導体用バイア90は一般に、随意的にはんだで充填されるめっきされた穴である。バイアを使用して、PCB内の金属の層間の電気的な接続が行われる。金属層74、78は、中心導体92と協力して動作する接地面を形成し、PCB72の中にプレーナー形のインピーダンス制御された伝送構造体を形成する。
【0029】
PCB72の層の全体を貫通して伸びないバイアは、「ブラインド」バイアと呼ばれる。別の方法では、中心導体用バイアはPCBを貫通して伸びて、中心ピン54からの電気信号をPCBの反対側91(「底面」)上のインピーダンス制御された伝送構造体に接続する。PCBを貫通して伸びるバイアは、スルーバイア(through via:貫通ビア)としても周知である。シールデッド端部ランチ型コネクタ50の後壁66は、シールデッド移行ブロック52(図示せず)の側部と同様に金属層86にはんだ付けされて、PCB72とシールデッド端部ランチ型コネクタ50との間のはんだにより接触した周囲が形成され、完全な電磁シールドが提供される。
【0030】
図4Dは、本発明の中で使用されPCB150に取り付けられた別のSMT型シールデッドコネクタ100の断面図を示す。取付けは、はんだ又は同様の共晶接合材料を用いて行われる。PCB150は、第1の面と、この第1の面の反対側の第2の面と、及び埋め込まれたストリップライン伝送線路156とを有する多層を含む。第1の面は第1又は頂部グラウンド面152を有し、第2の面は第2又は底部グラウンド面154を有し、また埋め込まれたストリップライン伝送線路156はグラウンド面152、154の間に配置される。PCB150は、埋め込まれたストリップラインから第1の面まで伸びるブラインドバイア158をさらに有する。このブラインドバイア158は、第1の面上のはんだパッド160をストリップライン156に接続する。ブラインドバイア158及びはんだパッド160は、グラウンド面152、154から電気的に絶縁される。コネクタ100の環状のフランジ119を頂部グラウンド面152にはんだ付け又は他の方法で電気的及び機械的に取り付けることによって、同軸コネクタ100は頂部グラウンド面152に取り付けられる。中心ピン120がはんだパッド160にはんだ付け又は別の方法で電気的及び機械的に取り付けられて、シールデッドSMT型同軸コネクタ100の取付けが完成する。このコネクタ100は、2006年1月31日に発行された米国特許第6,992,544号(参照により本願に組み込まれる)の中で詳細に説明されている。この特許はまた、本発明と同じ譲受人であるAgilent Technologies社に譲渡されている。
【発明の開示】
【0031】
本発明は、シールデッドマイクロ波回路モジュールを提供する。このモジュールでは、プリント回路基板(PCB)がベースとして機能し、電子部品の相互接続に対応している。部品は、標準的な表面実装技術(SMT)又は周知のダイ接着及びワイヤボンディング技術のいずれかによってPCBに取り付けられ、また電気的に接続される。
PCB上で通常使用される部品は、適切にモジュール内に取り付けて、モジュールに組み込むことができる。前の節で与えられた説明に基づいて特注設計された固体金属の所定の壁構造体がPCBに導電性を保って取り付けられる。集積回路のベアダイが、金属シールドの中のPCBに取付けられまたワイヤボンディングされる。所定の壁構造体と一緒に特注設計された所定の蓋が、壁構造体の頂部に導電性を保って取り付けられて、電磁シールドを完成しまた囲まれた部品を保護する。高周波の相互接続は、ワイヤボンディングとPCBの金属パターン及びバイアとによって提供することができる。シールデッド同軸コネクタをPCBへ表面実装することにより、他の回路へのシールドされた接続が提供される。
【0032】
壁に固体の金属構造体を使用することにより、任意の小さい機構を作ることが可能になり、また回路の性能や形状に対して基本的な制限が加えられることはない。回路をシールする前に十分試験することができ、手直しはアセンブリを製造する全ての段階で実行可能であり実際に行うことができる。本発明は、複雑性が高い比較的軽量で小型の集積回路モジュールを製造するために、標準的な電子工学組立て工程を使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図面の中の同じ参照番号は、同様の項目を指すことは理解されたい。
【0034】
図5を参照すると、本発明を取り入れた超小型回路モジュールの組立てが裸PCB500から始まる。通常は、PCB500は少なくとも4つの金属層を有し、そして周知の材料と工程で組み立てられることが好ましい。しかしながら、本発明は最低限3つの金属層で動作するであろう。この節で説明される本発明の具体例としての実施形態のPCBは、エポキシ−ガラス−シリカ充填積層物の誘電体層で積層された6つの金属層を有する。この具体例としての実施形態は、本発明の教義を理解するためのものであり、本発明はこの具体例としての実施形態に限定されないことを理解されたい。PCB500は、従来のSMT部品、パッケージ、及びデバイスを取り付けるためのSMT領域502、並びにワイヤボンディング部品、パッケージ及びデバイスを実装するためのワイヤボンディング領域504を備えている。従来のブラインドバイア(図示せず)が伝送及びシールドのために使用され、ワイヤボンディング領域が接着可能な金506で選択的にめっきされる。
【0035】
具体例としての実施形態を製作すると、第1の組立て工程は2側面マウントの取付けである。図6は、SMT工程がSMTパッケージ入り部品602、604を取り付けるために使用された後の、超小型回路モジュール600を示す。このSMT部品は、PCB500の両側(頂部及び底部)に取り付けることができる。SMT部品には、コネクタ、抵抗、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、パッケージ入りIC、標準的なシールド、又はSMT工程を用いてPCB500に取り付けることができる任意の部品が含まれる。SMTシールデッドマイクロ波コネクタ606、608及び610がPCB601に実装され、特注設計された壁612(後でより詳細に説明される)が上面に取り付けられる。SMTシールデッドマイクロ波コネクタ606、608、609、610は、端部ランチ型コネクタ又は他のシールデッドSMT型コネクタ(図4Dで示されたコネクタ100など)とすることができる。
【0036】
本発明の1つの実施形態の教義に基づいて作られた特注のシールドには、複数の特注の壁及び対応する蓋が含まれる。特注の壁及び蓋は、電磁モードを制御しかつシールドの中に囲まれる電子回路、部品及びデバイスを収容するために必要な形状及び公差を与えるような工程の中で製造することが好ましい。特注の壁の各部分は、数量が少ない場合はシート素材の従来のフライス加工によって、数量が中程度の場合はケミカルミリングによって製造される。数量が多い場合は、打ち抜き加工又は注入成形(鋳造)を使用して壁の部分を製造する。蓋は、少量から中程度の数量の場合は、シート素材からケミカルミリングによって、また大量の場合は打ち抜き加工によって製造するのが好ましい。図7は、特注の壁700の特殊な設計の一部を示す。この特注の壁700では、領域702、704が、電磁放射を制御するためにシールドを必要とする電子回路、部品及びデバイスをそれぞれ取り囲んでいる。PCB500(図7には示されていない)に取り付けられ、蓋(これも図示されていない)によって覆われたときの領域702及び704の各々によって形成された所定の体積は特注設計されて、それぞれの体積によって囲まれた所定の電子回路、部品及びデバイスは電磁放射を制御するようにシールドされることを理解されたい。
【0037】
壁700は、いわゆるブリッジ706を含む。これらのブリッジ706は、ベースに支柱なしで立っている壁構造体であり、いわゆるアイランド708を可能にする。壁700がPCBに取り付けられるとき、ブリッジ706はPCBに接触しないように設計されるが、蓋が壁700を覆うために取り付けられるときは、ブリッジは蓋に結合される。図7には示されていないが、蓋のない壁700をPCBに取り付けるときに、PCBに結合するように設計された他のブリッジは、いわゆる逆さまのブリッジと呼ばれ、通気孔として機能する。壁700は、PCB500に取り付けるためにユニット構造体として形成することができる。別の方法では、壁700は、部品を寄せ集めて作ったものとすることができる。特別な超小型回路モジュールを製造するために必要な互いに異なる時間に、壁の様々な部分をPCB500に取り付けることができる。
【0038】
図8は、本発明の1つの実施形態の中で使用されるジョイント800の概念上の断面図を示す。壁802は、はんだ806結合を介してPCB804に取り付けられる。はんだ806と壁802とPCB804上に形成された金属のグラウンド面810との間の良好な結合を確実にするために、めっき層808が存在する。このめっき層は金であることが好ましい。このジョイント800は、(1)壁からはんだ及び金属グラウンド面810への溶解した金による金の脆化を避けるため、及び(2)壁802とPCB804との間の機械的な応力を吸収する十分な隔離を提供するために、十分なはんだを持つ必要がある。スルーバイア812はグラウンド面810、814及び816を接続して、超小型回路モジュールの金属シールドの下側部分を形成する。コネクタ(図8には図示されていない)からの信号をモジュールの種々の部分に伝送するストリップライン814が示されている。ストリップライン814はスルーバイア812に接触しない、またグラウンド面810と814とによってシールドされる。
【0039】
図9は、図6に示した特注設計の壁612及び超小型回路モジュール600のより詳細な部分である。IC614、薄膜回路616及び他のワイヤボンディング部品が、PCB500に取り付けられている。シム又は薄膜回路上に実装されるIC618に対応して、これは一般に2段階(層)で行われる。ワイヤボンディング接続は、ウェッジ接合で行われる。
【0040】
図10は、超小型回路モジュール600内のマイクロ波の経路用に使用される線についての、IC1006上のエッジ間接合1002、1004を示す。これらの接合は、2005年4月21日に発行された米国特許第2005/0083153号(参照により本願に組み込まれる)の中で詳細に説明されている。この特許はまた、本発明と同じ譲受人であるAgilent Technologies社に譲渡されている。
【0041】
図11は、全ての接続が行われ、そして基本的な機能性を確認するための電気試験が実施された後の、超小型回路モジュール600を示す。いずれかの電気試験が失敗した場合は、必要に応じて手直しが行われる。特注設計された壁612(現在は、蓋1102によって覆われている)用のシート状金属の蓋1102がここでは電気的に導電性の接着剤で取り付けられている。この蓋1102は1つのシートとして、又は蓋1102が壁612に取り付けられるときに作り出される所定の体積に対して必要な様々な部分として製造できることを理解されたい。蓋1104は、特注設計された壁1106を有する超小型回路モジュール600の別の部分を覆う。蓋1102、1104は中に穴(図示せず)を有して、接着剤の硬化工程の間に圧力の均一化及びガスの排出を可能にすることが好ましい。前述した逆さまのブリッジは、通気孔として機能する。穴はシート金属ドットをその上に接着することによって、又はその上にはんだ付けすることによって閉じられる。
【0042】
図12は、ヒートシンク1202を取り付けた超小型回路モジュール600の底面側を示す。ブラケットや必要とされる他の任意の外部部品などの他のデバイスは、最後の組立て段階で超小型回路モジュール600に取り付けられる。最終検査として、このモジュールを再度試験することが好ましい。本発明のシールド内の任意の回路、部品及びデバイスを、必要に応じて蓋1102、1104を取り外して再び手直しすることができる。蓋1102、1104は一般に、最初加熱して接着剤を柔らかくし、次に続いて、てこで動かして剥がすことによって取り外す。残った接着剤をきれいに落とし、必要な修理を行う。新しい蓋を、前述したように、導電性の接着剤を用いて取り付けそしてシールする。あるいはまた、前に使用した蓋を適当ならば再度取り付ける。
【0043】
図5〜図12を参照して、本発明のさらに別の説明として、ここで超小型回路モジュール600の説明を開始する。電源及び低周波の制御電圧と信号が、好ましくはSMTコネクタ606、608、609、610を介して超小型回路モジュール600内の回路に与えられる。高周波の入力及び出力信号が、これらの定インピーダンスのシールデッド同軸マイクロ波コネクタを通して結合される。電力回路及び低周波回路は主として特注のシールド領域の外側に配置され、一方、高周波信号は本発明の特注設計のシールドの中に含まれることが好ましい。
【0044】
特注設計のシールドは、超小型回路モジュール600の回路を取り囲むシールド領域の所定の体積の中の電磁エネルギーを制御する。特注の壁612、1106の寸法は、蓋によって閉じられたときに、シールド領域の固有共振が回路の動作範囲よりも高い周波数で発生するように選択される。壁間の間隔および壁の高さは、存在する全ての材料を評価した後で、最高の動作周波数の1/2波長よりも小さくなるように規定される。これが可能でない場合、又は望ましくない帯域外の共振が発生する場合は、電磁吸収材料が採用される。
【0045】
高周波信号は、好ましくはシールド領域の外側のストリップライン伝送線路を用いてPCBに経路指定され、マイクロストリップ及びストリップライン伝送線路はシールド領域内に形成されたブリッジ(例えば、ブリッジ706)の下側を通過する。低周波信号及びDC信号は、好ましくは中間層のトレースを用いてPCBの全体にわたって経路指定される。ブラインドバイア及びスルーバイアは、伝送線路モード間の伝送のために使用され、回路のグラウンド用の層と電磁放射を制御するシールド用の層との間のトレースを接続する。
【0046】
壁612、1106は、PCBの頂部金属層のPCBのグラウンド面810にSMTにより取り付けられる。取付け用のはんだ領域は、はんだマスクによって規定される。壁の直ぐ下に、スルーバイアのアレイがPCB500の中にシールドを形成する。電気信号は、PCB500の中間層上のトレースを使用して、バイアのアレイの中の途切れを通って壁を横切る。高周波の信号に対しては、ストリップライン伝送線路が使用される。シールド領域の中では、マイクロストリップ伝送線路は損失が比較的小さいため好ましい。ブリッジ706の下を通るようにマイクロストリップを経路指定することによって、マイクロストリップはシールドの種々のキャビティ間の連続性を維持する。ブリッジ706及びアイランド708は、複数キャビティのシールド内の境界を横切って連続的な低損失のマイクロストリップ線路を維持し、一方特注の壁612、1106の構造的な完全性を維持するという選択肢を可能にする。
【0047】
ベアダイのICと薄膜回路の接続は、部品の裏側にダイを取り付けて接続することに加えて、ワイヤボンディングで行うことが好ましい。SMTにより取り付けられるパッケージ入り部品への接続は、はんだ接合によって行われる。
【0048】
回路部品は、電圧又は電流の制御、スイッチング、減衰、増幅、混合、サンプリング、フィルタ処理、又は高周波のアナログ又はディジタル回路で必要な他の機能などの信号に基づいて動作を実行する。回路部品は、回路の全ての部品、PCBに取り付けられた部品、及びPCBそれ自身を含む。例えば、PCBの金属層のパターンは、1つの実施形態では、フィルタリング素子を形成することがある。
【0049】
回路部品は熱を発生するが、回路部品を動作温度範囲以内に保つために、この熱を消散しなければならない。温度は、モジュールの中に、熱をモジュールの表面に導く熱伝導機能を備えることによって管理される。モジュールの表面で、熱は環境(周囲)に消散される。熱発生部品は、熱エネルギーを効率的に広げる別個の素子又はPCBに一体化している素子のいずれかの熱伝導素子(層)に取り付けることができる。熱エネルギーを広げることによって、次の材料を通り抜ける熱抵抗が減少される。
【0050】
スルーバイア及び金属面は、PCBの中で主要な熱伝導構造体を提供する。シールド内の部品から周囲へ、2つの主な熱経路がある、すなわち、(1)デバイスを通って下の熱拡散層へ、熱拡散層内を横方向に、PCBを通って横方向に、壁を通って上方に、そして蓋の外に、(2)デバイスを通って下の熱拡散層へ、熱拡散層内を横方向に、PCBを通って下方に、そしてPCBの底部から外に。
【0051】
特注のシールドは、ベアダイに対して通常必要な環境的及び機械的な保護を提供する。ベアダイICの信頼性を劣化させる最も一般的な物質は湿気である。特注シールドの構造は、湿気の侵入を大いに減少させる。湿気は本質的に金属を通過しないが、湿気は大抵のPCBの誘電体材料及び蓋の取付けに使用するエポキシを通過する。湿気の侵入は、PCBの表面を金属で可能な限りクラッディングすることによって、また蓋に薄く広いジョイントを付けることによって最小にされる。
【0052】
本発明は、超小型回路モジュールを作るためのプラットフォームとして考えられた。このため、本発明は基本的には構成要素及び技術の寄せ集めである。本発明を特徴付ける要素は、多層PCB上のシールドされた同軸の端部又は垂直ランチ型SMTコネクタと組み合わせて、2部分複数キャビティ型シールドを使用することである。この新しい組合せにより、回路に接続されたコネクタを保護する部分を含む、所定の体積によって囲まれた全体の電子回路、部品及びデバイスに対して連続した完全なシールドが可能にされる。
【0053】
本発明は特定の実施形態を参照して詳細に説明されたが、本発明が属する技術分野で通常の技術を有する者は、以下に続くクレームの精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更や拡張を行うことができることは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】従来技術の混成型の超小型回路を示す図である。
【図2】部品及びシールドを有する従来技術のPCBを示す図である。
【図3】従来技術のシールドを示す図である。
【図4A】2つの従来技術のSMT型シールドコネクタを示す図である。
【図4B】2つの従来技術のSMT型シールドコネクタを示す図である。
【図4C】2つの従来技術のSMT型シールドコネクタを示す図である。
【図4D】2つの従来技術のSMT型シールドコネクタを示す図である。
【図5】本発明の実施形態で使用される裸PCBを示す図である。
【図6】超小型回路モジュールを示す図である。
【図7】本発明の実施形態で使用される特注設計された壁の一部を示す図である。
【図8】本発明の実施形態で使用されるジョイントの断面を示す図である。
【図9】本発明の実施形態で使用される特注設計された壁の一部を示す図である。
【図10】本発明の実施形態で使用されるエッジ間接合を示す図である。
【図11】超小型回路モジュールを示す図である。
【図12】超小型回路モジュールの底部を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
800:ジョイント
802:壁
804:プリント回路基板(PCB)
806:はんだ
808:めっき層
810、816:グラウンド面
812:スルーバイア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路用のシールドであって、
少なくとも3つの金属層を含み、回路を実装するためのプリント回路基板(PCB)と、
前記PCBに実装されかつ信号を前記電子回路に伝達するように接続されたSMT型シールデッドコネクタと、
前記PCB内の少なくとも2つの前記金属層に接続され、導電性の第1の結合材料を介して前記PCBに実装された、所定の体積を有する金属の壁部分と、
導電性の第2の結合材料によって前記壁部分に接続された取り外し可能な金属の蓋と、
を備え、
前記PCB、前記コネクタ、前記壁部分及び前記蓋は共に、前記電子回路の周りに連続的な電磁障壁を形成することを特徴とするシールド。
【請求項2】
前記PCBが、該PCBの外面上に前記障壁の一部を形成する金属を含む、請求項1に記載のシールド。
【請求項3】
前記PCBの金属層を接続しかつ前記障壁の一部を形成するバイアをさらに備えている、請求項1に記載のシールド。
【請求項4】
前記回路が前記所定の体積の中で前記PCBにワイヤボンディングされる、請求項1に記載のシールド。
【請求項5】
前記壁部分がアイランドを含む、請求項1に記載のシールド。
【請求項6】
前記壁部分が前記アイランドに接続されたブリッジを含む、請求項5に記載のシールド。
【請求項7】
前記壁部分が前記ブリッジを含む、請求項1に記載のシールド。
【請求項8】
前記ブリッジが通気孔を形成する、請求項7に記載のシールド。
【請求項9】
穴が前記蓋を貫通して形成される、請求項1に記載のシールド。
【請求項10】
前記穴が導電性のパッチで密閉される、請求項9に記載のシールド。
【請求項11】
前記第1の結合材料が、はんだ及びろう付けを含む材料グループから選択される、請求項1に記載のシールド。
【請求項12】
前記第2の結合材料が、前記蓋を比較的容易に取り外すことができるようにする接着剤である、請求項11に記載のシールド。
【請求項13】
前記第2の結合材料が、前記蓋を比較的容易に取り外すことができるようにする接着剤である、請求項1に記載のシールド。
【請求項14】
前記第1の結合材料が熱伝導性である、請求項1に記載のシールド。
【請求項15】
前記第2の結合材料が熱伝導性である、請求項14に記載のシールド。
【請求項16】
前記第2の結合材料が熱伝導性である、請求項1に記載のシールド。
【請求項17】
ヒートシンクが前記蓋に熱的に結合される、請求項16に記載のシールド。
【請求項18】
前記第2の結合材料が熱伝導性であり、かつヒートシンクが前記蓋に熱的に結合される、請求項1に記載のシールド。
【請求項19】
ヒートシンクが、前記PCBの、前記回路が実装されている側の反対側で、前記回路に熱的に結合される、請求項1に記載のシールド。
【請求項20】
超小型回路用のシールドであって、
少なくとも3つの金属層を含み、前記超小型回路を実装するためのプリント回路基板(PCB)と、
前記PCBに実装されかつ信号を前記超小型回路に伝達するように接続されたSMT型シールデッドコネクタと、
少なくとも2つの層を結合するために前記PCB内に形成されたバイアと、
それぞれが前記超小型回路の対応する部分を含む複数の所定の体積を含み、はんだ及びろう付けを含むグループから選択された導電性の第1の結合材料を介して前記PCBに実装され、前記バイアに接続された金属の壁部分と、
導電性でかつ接着性の第2の結合材料によって前記壁部分に接続された取り外し可能な金属の蓋と、
を備え、
前記PCB、前記バイア、前記コネクタ、前記壁部分、及び前記蓋が連続的な電磁障壁を構成することを特徴とするシールド。
【請求項21】
前記壁部分が一体化構造である、請求項20に記載のシールド。
【請求項22】
複数の電子回路用のシールドであって、
少なくとも3つの金属層を含み、前記回路を実装するためのプリント回路基板(PCB)と、
それぞれの体積が1つ以上の電子回路を含む複数の所定の体積を有し、一体化構造として形成され、かつ導電性の第1の結合材料を介して前記PCBに実装される金属の壁部分と、
導電性でかつ接着性の第2の結合材料を介して前記壁部分に接続された蓋と、
前記PCBに実装されかつ信号を前記1つ以上の回路に伝達するように接続された複数のSMT型シールデッドコネクタと、
を備え、
前記PCB、前記コネクタ、前記壁部分及び前記蓋は、前記回路の各々の周りに連続的な電磁障壁を構成することを特徴とするシールド。
【請求項23】
前記第2の結合材料が熱伝導性であり、かつヒートシンクが前記蓋に熱的に結合される、請求項22に記載のシールド。
【請求項24】
前記PCBの層内に形成されたストリップラインが前記コネクタに接続され、少なくとも2つの前記金属層が該ストリップラインをシールドして電磁放射を制御する、請求項1に記載のシールド。
【請求項25】
前記PCBの層内に形成されたストリップラインが、関連するコネクタに接続され、かつ少なくとも2つの前記金属層が各ストリップラインをシールドして電磁放射を制御する、請求項20に記載のシールド。
【請求項26】
前記PCBの層内に形成されたストリップラインが、関連するコネクタに接続され、かつ少なくとも2つの前記金属層が各ストリップラインをシールドして電磁放射を制御する、請求項22に記載のシールド。
【請求項1】
電子回路用のシールドであって、
少なくとも3つの金属層を含み、回路を実装するためのプリント回路基板(PCB)と、
前記PCBに実装されかつ信号を前記電子回路に伝達するように接続されたSMT型シールデッドコネクタと、
前記PCB内の少なくとも2つの前記金属層に接続され、導電性の第1の結合材料を介して前記PCBに実装された、所定の体積を有する金属の壁部分と、
導電性の第2の結合材料によって前記壁部分に接続された取り外し可能な金属の蓋と、
を備え、
前記PCB、前記コネクタ、前記壁部分及び前記蓋は共に、前記電子回路の周りに連続的な電磁障壁を形成することを特徴とするシールド。
【請求項2】
前記PCBが、該PCBの外面上に前記障壁の一部を形成する金属を含む、請求項1に記載のシールド。
【請求項3】
前記PCBの金属層を接続しかつ前記障壁の一部を形成するバイアをさらに備えている、請求項1に記載のシールド。
【請求項4】
前記回路が前記所定の体積の中で前記PCBにワイヤボンディングされる、請求項1に記載のシールド。
【請求項5】
前記壁部分がアイランドを含む、請求項1に記載のシールド。
【請求項6】
前記壁部分が前記アイランドに接続されたブリッジを含む、請求項5に記載のシールド。
【請求項7】
前記壁部分が前記ブリッジを含む、請求項1に記載のシールド。
【請求項8】
前記ブリッジが通気孔を形成する、請求項7に記載のシールド。
【請求項9】
穴が前記蓋を貫通して形成される、請求項1に記載のシールド。
【請求項10】
前記穴が導電性のパッチで密閉される、請求項9に記載のシールド。
【請求項11】
前記第1の結合材料が、はんだ及びろう付けを含む材料グループから選択される、請求項1に記載のシールド。
【請求項12】
前記第2の結合材料が、前記蓋を比較的容易に取り外すことができるようにする接着剤である、請求項11に記載のシールド。
【請求項13】
前記第2の結合材料が、前記蓋を比較的容易に取り外すことができるようにする接着剤である、請求項1に記載のシールド。
【請求項14】
前記第1の結合材料が熱伝導性である、請求項1に記載のシールド。
【請求項15】
前記第2の結合材料が熱伝導性である、請求項14に記載のシールド。
【請求項16】
前記第2の結合材料が熱伝導性である、請求項1に記載のシールド。
【請求項17】
ヒートシンクが前記蓋に熱的に結合される、請求項16に記載のシールド。
【請求項18】
前記第2の結合材料が熱伝導性であり、かつヒートシンクが前記蓋に熱的に結合される、請求項1に記載のシールド。
【請求項19】
ヒートシンクが、前記PCBの、前記回路が実装されている側の反対側で、前記回路に熱的に結合される、請求項1に記載のシールド。
【請求項20】
超小型回路用のシールドであって、
少なくとも3つの金属層を含み、前記超小型回路を実装するためのプリント回路基板(PCB)と、
前記PCBに実装されかつ信号を前記超小型回路に伝達するように接続されたSMT型シールデッドコネクタと、
少なくとも2つの層を結合するために前記PCB内に形成されたバイアと、
それぞれが前記超小型回路の対応する部分を含む複数の所定の体積を含み、はんだ及びろう付けを含むグループから選択された導電性の第1の結合材料を介して前記PCBに実装され、前記バイアに接続された金属の壁部分と、
導電性でかつ接着性の第2の結合材料によって前記壁部分に接続された取り外し可能な金属の蓋と、
を備え、
前記PCB、前記バイア、前記コネクタ、前記壁部分、及び前記蓋が連続的な電磁障壁を構成することを特徴とするシールド。
【請求項21】
前記壁部分が一体化構造である、請求項20に記載のシールド。
【請求項22】
複数の電子回路用のシールドであって、
少なくとも3つの金属層を含み、前記回路を実装するためのプリント回路基板(PCB)と、
それぞれの体積が1つ以上の電子回路を含む複数の所定の体積を有し、一体化構造として形成され、かつ導電性の第1の結合材料を介して前記PCBに実装される金属の壁部分と、
導電性でかつ接着性の第2の結合材料を介して前記壁部分に接続された蓋と、
前記PCBに実装されかつ信号を前記1つ以上の回路に伝達するように接続された複数のSMT型シールデッドコネクタと、
を備え、
前記PCB、前記コネクタ、前記壁部分及び前記蓋は、前記回路の各々の周りに連続的な電磁障壁を構成することを特徴とするシールド。
【請求項23】
前記第2の結合材料が熱伝導性であり、かつヒートシンクが前記蓋に熱的に結合される、請求項22に記載のシールド。
【請求項24】
前記PCBの層内に形成されたストリップラインが前記コネクタに接続され、少なくとも2つの前記金属層が該ストリップラインをシールドして電磁放射を制御する、請求項1に記載のシールド。
【請求項25】
前記PCBの層内に形成されたストリップラインが、関連するコネクタに接続され、かつ少なくとも2つの前記金属層が各ストリップラインをシールドして電磁放射を制御する、請求項20に記載のシールド。
【請求項26】
前記PCBの層内に形成されたストリップラインが、関連するコネクタに接続され、かつ少なくとも2つの前記金属層が各ストリップラインをシールドして電磁放射を制御する、請求項22に記載のシールド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−131034(P2008−131034A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272875(P2007−272875)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】
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