説明

マイクロ電源モジュール

【課題】占有高さを抑え占有面積を小さくできて、グランド配線に依存する伝導ノイズの低減を図ることができるマイクロ電源モジュールを提供する。
【解決手段】インダクタ2と、該インダクタ上に配置される電源IC101と、インダクタ上に配置され、ノイズを低減する一つもしくは複数のコンデンサとを有するマイクロ電源モジュールにおいて、インダクタ2上に電源IC101とノイズ吸収コンデンサ4、5(デカップリングコンデンサ)を入力側と出力側に設けることで、占有面積と占有高さを抑え、電源ICがオン用MOSFETとオフ用MOSFETおよびこれらのMOSFETを制御する制御回路で構成され、グランド配線による伝導ノイズを低減したマイクロ電源モジュールを提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯機器およびパソコンなどに用いられるマイクロ電源装置を構成するマイクロ電源モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の電子機器内の高速ボ−ドと言われるプリント基板上には、LSI(Large Scale Integrated Circuit)固有の複数の低電圧供給電源が搭載されており、このプリント基板上に搭載される低電圧供給電源の占有スペ−ス(占有面積と占有高さ)をできるだけ小さくすることが求められている。このLSI固有の低電圧供給電源(電源装置)はPOL(Point Of Load)電源と呼ばれていて、電源IC、インダクタ、コンデンサという個別の部品で構成されており、負荷であるLSIに電力を供給している。このPOL電源はLSI近傍でLSIと共に同一のプリント基板に配置される。
現状のプリント基板に搭載されるLSIは1個で2電源(電圧レベルが2つ)、3電源(電圧レベルが3つ)が必要となることも多く、それに対応してPOL電源も2個もしくは3個必要となる。
しかし、プリント基板のスペ−スについての制約は厳しく、かつPOL電源が複数ともなると全てのPOL電源をLSI近傍に配置することは困難である。特に、携帯電話に搭載されるプリント基板のスペースは厳しい。そのためプリント基板に搭載されるPOL電源のスペースもできるだけ小さくすることが求められる。携帯電話の場合は、POL電源の占有面積を小さくするだけでなく、その占有高さについても1mm以下という厳しい要求がセットメーカーから出されている。
【0003】
そのため、電源IC、インダクタを一体化したマイクロ電源モジュールが開発され、このマイクロ電源モジュールと入力・出力コンデンサをプリント基板に搭載することで、プリント基板の占有面積を小さくすることが行われている。
図14〜図16は、従来のPOL電源の構成図であり、図14は回路図、図15はプリント基板上の配置図、図16はインダクタの要部平面図である。
POL電源203(電源装置)は、入力コンデンサ1、インダクタ35、電源IC101および出力コンデンサ3で構成され、電源IC101はインダクタ35上に搭載されている。
図14および図15において、電源12の高電位側の配線とPOL電源203の高電位側の入力端子15と接続し、入力端子15と入力コンデンサ1の一方の端子jが接続し、端子jがインダクタ35に形成された外部端子aを経由して電源IC101の高電位側の入力端子dと接続し、電源IC101の高電位側の出力端子eとインダクタ35の一方の端子mと接続し、インダクタ35の他方の端子bと出力コンデンサ3の一方の端子kと接続し、出力コンデンサ3の一方の端子kとPOL電源203の高電位側の出力端子17と接続し、出力端子17と負荷13の高電位側と接続する。
【0004】
入力コンデンサ1の他方の端子g,電源ICのグランド端子fおよび出力コンデンサ3の他方の端子iが、それぞれPOL電源203のグランド側の入力端子16,インダクタ35の端子cを介して接続点hおよびPOL電源203のグランド側の出力端子18において電源12のグランド14と接続するグランド配線21と接続する。
入力端子16と接続点hの間のグランド配線21を第1グランド配線19とし、接続点hと出力端子18の間のグランド配線21を第2グランド配線20とする。入力端子15、16、出力端子17、18、接続点hはプリント基板60上にある。
また、第1グランド配線19のインダクタンスは第1GNDインダクタンス(Lgnd1)とし、第2グランド配線2のインダクタンスは第2GNDインダクタンス(Lgnd2)とする。また、Lgnd1とLgnd2を総称してLgndと呼ぶ。
前記電源IC101はオン用MOSFET6と、オフ用MOSFET7と、これらを制御する制御回路8とで構成され、オン用MOSFET6のソースが電源IC101の高電位側の入力端子dと接続し、オン用MOSFET6のドレインおよびオフ用MOSFET7のドレインが電源IC101の高電位側の出力端子eと接続し、オフ用MOSFET7のソースが電源I101のグランド端子fと接続する。
【0005】
尚、オン用MOSFET6はpチャネル型MOSFETであり、オフ用MOSFET7はnチャネル型MOSFETである。オフ用MOSFET7はインダクタ35に流れる電流を還流させる還流ダイオードの働きをする。POL電源203は負荷13(LSIなど)の電源となるもので、一つの電圧レベルを出力する低電圧電源である。
図16において、インダクタ35はフェライト基板24の両面にコイルパターン24a、24bを形成し、上側のコイルパタンーン24aと下側のコイルパターン24bをフェライト基板24に形成した貫通孔を介して接続導体24cで接続しソレノイドコイルを形成している。フェライト基板24の外周部の表側と裏側には端子が形成され、フェライト基板24の側面で互いが接続されている。複数個形成された端子30の内2個の端子m、bはソレノイドコイルの両端と接続し、他の端子a、cなどは電源IC101の端子d、fとプリント基板の配線パターンを接続する中継点の端子である。
また、特許文献1には、POL電源の占有面積を小さくするために、電源IC、インダクタ、コンデンサを3層に積層した構造のマイクロ電源モジュールが開示されている。
これらのPOL電源に要求されることは、前記のように占有スペースが小さいことと合わせて、如何に低ノイズ性能を得るかということも求められている。POL電源から出力される電圧は低電圧であり、LSIである負荷(低電圧・高周波)から要求されるS/Nに対し、この低電圧は直接的に影響を与える。そのためにPOL電源には低ノイズ性能が強く求められる。
【0006】
また、特許文献2は、一般的に、単体のインダクタ,コンデンサの組み合わせより大きな減衰が得られることが知られているT型フィルタに関するものであり、リード線の両端にインダクタンス素子を取り付け、このリード線にコンデンサを接続したものであるので、二連のインダクタを一括して構成することができるほか、コンデンサを一箇所接続することで、容易にT型のLCローパスフィルタが構成できることが開示されている。
また、特許文献3には、上下のフェライトブロックの間にリードフレームを挟み、かつ,下フェライトブロックにリードフレームに通じるように形成した貫通孔にチップコンデンサを挿入してその端子電極の一方をリードフレームに接続し、他方を下フェライトブロックの下面に設けた共通アース端子に接続するように構成することで、簡単な構造で組み立てを容易に行うことができて、生産性が高く量産に適するLCフィルタアレイが得られることが開示されている。
【特許文献1】特開2004−72815号公報
【特許文献2】特開昭62−124723号公報
【特許文献3】特開平6−251996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1で開示されている電源IC、インダクタ、コンデンサを3層に積層した構造のマイクロ電源モジュールは占有面積は小さくなるものの占有高さが1mmを超えて大きくなり、携帯電話など占有高さに対して厳しい要求のある用途には適用が困難である。
また、入力・出力コンデンサをプリント基板上に配線する従来のPOL電源の構造では、プリント基板上の配線によるGNDインダクタンスLgndがあるため、低ノイズ性能を実現することが困難である。
また、特許文献2、3に開示されているものは、マイクロ電源モジュールに用いるフィルタとしては占有高さが高く、占有面積も大きいために採用は困難である。
図17および図18は、プリント基板のGNDインダクタンス(Lgnd)の違いで減衰特性(ノイズ性能)が異なることを示したシミュレーション結果を示す図であり、図17はLgnd1=Lgnd2=1nHの場合、図18はLgnd1=Lgnd2=3nHの場合である。
図19は、図17および図18の減衰特性をシミュレーションするときの等価回路図を示し、同図(a)は図17のオン時をシミュレーションするときの等価回路図、同図(b)は図18のオフ時をシミュレーションするときの等価回路である。
【0008】
オン時とはオン用MOSFET6がオンして負荷13に電力が供給される場合であり、オフ時とは、オン用MOSFET6がオフし、オフ用MOSFET7がオンして、負荷13へ電力が供給される場合である。
MOSFET6、7がオン・オフのスイッチング時に高周波のノイズを発生しそれが負荷13へ伝導ノイズとして伝播する。この伝導ノイズはオン用MOSFET6がオンし、オフ用MOSFET7がオフして、負荷13に電力が供給されているときに発生するオン時のノイズと、オン用MOSFET6がオフし、オフ用MOSFET7がオンして、負荷13に電力が供給されているとき発生するオフ時のノイズがある。
図19(a)の回路では、図14の電源12を取り除き、オン用MOSFET6をオン状態、オフ用MOSFET7をオフ状態にしたときに電流が流れる回路を、オン時のシミュレーションの等価回路として表す。
具体的には、オン用MOSFET6の代わりにノイズ発生器50を挿入し、オフ用MOSFET7を除いて、インダクタ35と出力コンデンサ3と第2グランド配線20と第1グランド配線19と入力コンデンサ1の回路である。ノイズ発生器50からノイズを模擬した高周波電圧を入力し出力コンデンサ3の電圧を出力電圧としてシミュレーションで導出する。
【0009】
図19(b)の回路では図14のオン用MOSFET6をオフ状態、オフ用MOSFET7をオン状態としたときに電流が流れる回路を、オフ時のシミュレーションの等価回路として表す。
具体的には、オフ用MOSFET7の代わりにノイズ発生器50を挿入し、オン用MOSFETを除いて、インダクタ35と出力コンデンサ3と第2グランド配線20の回路である。等価回路における出力コンデンサの電圧をシミュレーションで導出する。
ノイズ発生器50で1MHz〜1000MHzの範囲の高周波の電圧を入力し、出力される高周波の電圧をシミュレーションで導出する。出力波形のピーク値が入力波形のピーク値を基準としてどの程度低下したかを(出力波形のピーク値/入力波形のピーク値)をdBに換算して減衰量とし、この減衰量の周波数依存性が減衰特性となる。減衰量が大きいほど伝導ノイズが負荷13に伝達されないことになるので低ノイズ性能(低ノイズ化された出力)が得られるということになる。図17および図18の縦軸はオフ時の減衰量を例に挙げて示した。
図17および図18から分かるように、減衰特性はグランド配線21のインダクタンス(GNDインダクタンス)に依存する。GNDインダクタンスが大きいほど減衰量は小さくなり、大きな伝導ノイズが出力端子17から負荷13のLSIに伝達される。
【0010】
一般的なPOL電源においては、電源ICとインダクタと入力・出力コンデンサなどの複数の個別部品をセットメーカー側が購入し、これらの個別部品をプリント基板の配線パターンに配置(レイアウト・アートワーク配線)する。
そのため、グランド配線21のインダクタンスであるGNDインダクタンスはセットメーカー側が使用するプリント基板の配線パターンに大きく依存する。回路的に同一の電源回路であっても個別部品を配置する配線パターンが異なると減衰特性に大きな差異が生じることになる。
このことはセットメーカーの立場から見ると、電源ICとインダクタと入力・出力コンデンサを個別にプリント基板に組み立てる場合には、配線パターンでノイズ性能が変化するので使い勝手がよいとは言い難い。このように、使いこなす難易度が高いことは、セットメーカーの機器開発において、開発の妨げになるから、デバイスメ−カーは使い勝手の良いデバイス(マイクロ電源モジュール)を開発し供給することが求められる。
このような観点から、図15に示すような電源IC101とインダクタ35を一体化したマイクロ電源モジュール202は、部品点数が少ない面では、セットメーカーの使い勝手はよいと言える。しかし、ノイズ性能に関しては、マイクロ電源モジュール202と入力・出力コンデンサ1、3を別個にプリント基板60上で配線するために、グランド配線21のGNDインダクタンスがプリント基板60上に形成した配線パターンで左右されて、使い勝手がよいとは言えない。
【0011】
そのため、マイクロ電源モジュール202を供給するデバイスメーカー側には、POL電源203の占有スペースの増大を招くことなく、コスト増加も最小限に抑えながらグランド配線21に依存する伝導ノイズの低減(低ノイズ化:低ノイズ性能)を図ることが強く求められる。
特許文献1では、セラミックコンデンサ、インダクタおよびICチップを積層したマイクロ電源モジュールが開示されており、この構成は、プリント基板の配線パターンによるGNDインダクタンスの影響は受けにくく、高周波電流をモジュ−ル内で流す最短ル−トを形成できる面では、低ノイズ性能を得るのに有効である。
しかし、この3層の積層構造のマイクロ電源モジュールは、占有高さが高く、1mmを超えるので携帯電話を製造するセットメーカーの要求を満たすことができない。
また、2個のセラミックコンデンサ(入力コンデンサと出力コンデンサ)をインダクタの下に配置し、さらにプリント基板へ伝達される信号を出力する多数の外部端子をセラミックスコンデンサの全外周部に形成する必要があり、インダクタに外部端子を形成する場合より製造が困難である。
また、T型フィルタ事態はノイズ低減に対して有力な手段であるが、特許文献2、3に開示されているような個別部品としてのT型フィルタを適用することでは、コスト,サイズおよびLgndの問題を解決することができない。
【0012】
この発明の目的は、前記の課題を解決して、占有高さを抑え占有面積を小さくでき、低コストで低ノイズ性能を図ることができるマイクロ電源モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を達成するために、インダクタと、該インダクタ上に配置される電源ICと、前記インダクタ上に配置され、ノイズを低減する一つもしくは複数のコンデンサとを有するマイクロ電源モジュールにおいて、前記インダクタが複数の端子および中間タップを有し、該複数の端子のうちの一つの端子が前記電源ICのグランド端子および前記インダクタの外に配置されるグランド配線と接続する構成とする。
また、前記インダクタが、ソレノイドコイルを分割した分割インダクタであり、少なくとも一つの前記コンデンサが、前記中間タップを介して前記分割インダクタの分割点と接続し前記電源ICを形成する半導体基板上に半導体プロセスで形成される集積コンデンサであるとよい。T型フィルタが構成され、かつ分割インダクタのインダクタンスがμHのオーダーと大きいのでノイズを低減する集積コンデンサの容量をpFオーダーと小さくできて半導体プロセスで半導体基板上に形成できるようになる。また、この場合の集積コンデンサの高さはせいぜい数μmであるのでマイクロ電源モジュールの高さを小さく抑えることができる。
また、外部の電源の高電位側およびグランドと接続する低電位側とそれぞれ接続する高電位側の入力端子およびグランド側の入力端子と、前記高電位側の入力端子と一端が接続し、前記低電位側の入力端子と他端が接続する入力コンデンサと、該入力コンデンサの一端と高電位側の入力端子が接続する電源ICと、該電源ICの高電位側の出力端子と一端が接続するインダクタと、該インダクタの他端と一端が接続する出力コンデンサと、該出力コンデンサの一端と接続する高電位側の出力端子と、低電位側の出力端子と、グランド側の前記入力端子と前記入力コンデンサの他端を接続し、低電位側の前記出力コンデンサの他端と低電位側の出力端子を接続し、低電位側の入力端子と前記電源ICのグランド端子と低電位側の前記出力端子をそれぞれ接続するグランド配線とを有し、低電位側の前記入力端子と前記電源ICのグランド端子が接続する接続点の間の前記グランド配線を第1グランド配線とし、該接続点と低電位側の前記出力端子の間の前記グランド配線を第2グランド配線とするマイクロ電源装置を構成するマイクロ電源モジュールにおいて、前記インダクタと、該インダクタ上に配置される前記電源ICと、該電源ICに隣接して前記インダクタ上に配置される第1、第2ノイズ吸収用コンデンサとを有し、前記電源ICがオン用MOSFETとオフ用MOSFETおよびこれらのMOSFETを制御する制御回路で構成され、前記オン用MOSFETのドレインと前記オフ用MOSFETのドレインが接続し、前記オン用MOSFETのソースと前記電源ICの前記高電位側の入力端子が接続し、前記オン用MOSFETのドレインと前記電源ICの前記高電位側の出力端子が接続し、前記オフ用MOSFETのソースと前記電源ICの前記グランド端子が接続し、前記オン用MOSFETのソースと前記オフ用MOSFETのソースの間に前記第1ノイズ吸収用コンデンサを前記第1グランド配線を介して接続し、前記インダクタの他端と前記オフ用MOSFETのソースの間に前記第2ノイズ吸収用コンデンサを前記第2グランド配線を介して接続して形成される構成とする。
【0014】
このように第1、第2ノイズ吸収用コンデンサをインダクタ上に形成することで、伝導ノイズをこのコンデンサに還流させることで出力端子に伝達するノイズを低減できる。また、コンデンサを電源ICの隣に配置し、インダクタ、電源ICと3層に積層しないで、マイクロ電源モジュールの高さを低く抑えることができる。
また、前記第1、第2ノイズ吸収用コンデンサが共にセラミックコンデンサからなるデカップリングコンデンサであると小さな体積で大きなキャパシタンスを得ることができる。
また、外部の電源の高電位側およびグランドと接続する低電位側とそれぞれ接続する高電位側の入力端子およびグランド側の入力端子と、前記高電位側の入力端子と一端が接続し、前記低電位側の入力端子と他端が接続する入力コンデンサと、該入力コンデンサの一端と高電位側の入力端子が接続する電源ICと、該電源ICの高電位側の出力端子と一端が接続するインダクタと、該インダクタの他端と一端が接続する出力コンデンサと、該出力コンデンサの一端と接続する高電位側の出力端子と、低電位側の出力端子と、グランド側の前記入力端子と前記入力コンデンサの他端を接続し、前記出力コンデンサの他端と低電位側の出力端子を接続し、低電位側の入力端子と前記電源ICのグランド端子と低電位側の前記出力端子をそれぞれ接続するグランド配線とを有し、低電位側の前記入力端子と前記電源ICのグランド端子が接続する接続点の間の前記グランド配線を第1グランド配線とし、該接続点と低電位側の前記出力端子の間の前記グランド配線を第2グランド配線とするマイクロ電源装置を構成するマイクロ電源モジュールにおいて、前記インダクタと、該インダクタ上に配置される前記電源ICと、該電源ICを形成した半導体基板上に形成されるノイズ吸収用コンデンサとを有し、前記電源ICがオン用MOSFETとオフ用MOSFETおよびこれらのMOSFETを制御する制御回路で構成され、前記オン用MOSFETのドレインと前記オフ用MOSFETのドレインが接続し、前記オン用MOSFETのソースと前記電源ICの前記高電位側の入力端子が接続し、前記オン用MOSFETのドレインと前記電源ICの前記高電位側の出力端子が接続し、前記オフ用MOSFETのソースと前記電源ICの前記グランド端子が接続し、前記インダクタを分割し分割点もしくは該分割点に接続される前記インダクタの中間タップに前記ノイズ吸収用コンデンサの一端を接続し、該ノイズ吸収用コンデンサの他端を前記電源ICを構成する前記オフ用MOSFETのソースと接続する構成にする。
【0015】
このように、分割インダクタを用いることで、pFオーダーの小さなノイズ吸収用コンデンサでもノイズ低減効果の大きなノイズフィルタとすることができる。また、前記の第1、第2ノイズ吸収用コンデンサがこの小さな1個のノイズ吸収用コンデンサで置き換えられるので、マイクロ電源モジュールの占有面積を小さくできる。また、ノイズ吸収用コンデンサの高さはせいぜい数μmなので、マイクロ電源モジュールの高さも殆ど高くならない。
また、外部の電源の高電位側と接続する高電位側の入力端子と該高電位側の入力端子と一端が接続する入力コンデンサと、該入力コンデンサの一端と高電位側の入力端子が接続する電源ICと、該電源ICの高電位側の出力端子と一端が接続するインダクタと、該インダクタの他端と一端が接続する出力コンデンサと、該出力コンデンサの一端と接続する高電位側の出力端子とを有するマイクロ電源装置のマイクロ電源モジュールにおいて、
前記入力コンデンサの他端および前記出力コンデンサの他端と接続する低電位側の入出力端子を有し、前記インダクタと、該インダクタ上に配置される前記電源ICと、該電源ICに隣接して前記インダクタ上に配置される前記入力コンデンサと前記出力コンデンサと、前記入出力端子とを有し、前記電源ICがオン用MOSFETとオフ用MOSFETおよびこれらのMOSFETを制御する制御回路で構成され、前記オン用MOSFETのドレインと前記オフ用MOSFETのドレインが接続し、前記オン用MOSFETのソースと前記電源ICの前記高電位側の入力端子と接続し、前記オン用MOSFETのドレインが前記電源ICの前記高電位側の出力端子と接続し、前記オフ用MOSFETのソースが前記電源ICのグランド端子と接続し、前記電源ICの前記グランド端子が前記低電位側の入出力端子と接続し、該低電位側の入出力端子が負荷の低電位側に接続する構成とする。
【0016】
こうすると、プリント基板に形成されるグランド配線の影響を防止できるのでノイズ低減効果が得られる。また、インダクタ上にマイクロ電源装置が形成されるので、セットメーカ側の使い勝手がよい。また、マイクロ電源装置も小型化できる。
さらに、このマイクロ電源装置において、前記電源ICを形成した半導体基板上に形成されるノイズ吸収用コンデンサとを付加し、前記インダクタを分割し分割点に前記ノイズ吸収用コンデンサの一端を接続し、該ノイズ吸収用コンデンサの他端を前記電源ICを構成するオフ用MOSFETのドレインと接続すると、さらにノイズ低減効果が大きくなる。
また、前記ノイズ吸収用コンデンサをセラミックコンデンサの容量より小さいデカップリングコンデンサにするとよい。
また、前記ノイズ吸収用コンデンサが、前記半導体基板上に形成される層間絶縁膜と、該層間絶縁膜上に形成される第1ポリシリコン膜と、該第1ポリシリコン膜上に形成される絶縁膜と、該絶縁膜上に形成される第2ポリシリコン膜とを有する集積コンデンサである、半導体プロセスで容易に形成できる。
また、前記絶縁膜が、酸化膜であるとtanδが小さいのでESRを小さくできる。
【0017】
また、前記インダクタの一端から前記分割点までのインダクタンスをL1とし、前記分割点から前記インダクタの他端までのインダクタンスをL2とし、K=L1/L2とするとき、Kが1〜9の範囲にあると、ノイズ低減に効果が出てくるのでよい。
また、前記オン用MOSFETが横型のpチャネルMOSFETであり、前記オフ用MOSFETが横型のnチャネルMOSFETであり、該両者がゲートにオン信号を入力したときに、ソース・ドレイン間で双方向に電流を流せる双方向MOSFETである。
また、前記オフ用MOSFETを前記電源ICの前記高電位側の出力端子と接続する側をカソード、前記電源ICの前記グランド端子と接続する側をアノードとするダイオードに代えることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、インダクタ上に電源ICとノイズ吸収コンデンサ(デカップリングコンデンサ)を入力側と出力側に形成することで、占有面積と占有高さを抑え、グランド配線による伝導ノイズを低減したマイクロ電源モジュールを提供できる。
また、インダクタを分割した分割インダクタの中間タップにpFオーダーの集積コンデンサをデカップリングコンデンサとして接続し、この集積コンデンサを電源ICチップの表面に形成して電源ICと一体化したT型フィルタを形成することで、占有面積と占有高さを抑え、グランド配線による伝導ノイズを低減したマイクロ電源モジュールを提供できる。
また、インダタ上に入力コンデンサ、出力コンデンサおよび電源ICを搭載することで、個別部品をプリント基板に組み込む場合よりマイクロ電源装置として占有面積を小さくし、2層の構造とすることで携帯電話で要求される厳しい占有高さもクリアし、さらにグランド配線のインダクタンスが極端に小さくなることで、伝導ノイズの低減を図ったマイクロ電源モジュールを提供できる。
さらに、インダタ上に入力コンデンサ、出力コンデンサおよび電源ICを搭載し、このインダクタに分割インダクタを用い、分割インダクタの中間タップにpFオーダーの集積コンデンサを接続し、この集積コンデンサを電源ICチップ上に形成することで、マイクロ電源装置として占有面積と占有高さを抑え、グランド配線による伝導ノイズを低減したマイクロ電源モジュールを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
発明の実施の形態を以下の実施例で説明する。尚、以下の図の説明で従来と同一部位には同一の符号を付した。
【実施例1】
【0020】
図1は、この発明の第1実施例のマイクロ電源モジュールの説明図であり、同図(a)はマイクロ電源装置の要部回路図、同図(b)はマイクロ電源モジュールの要部平面図、同図(c)は同図(b)のX−X線で切断した要部断面図である。
同図(a)おいて、マイクロ電源装置103(POL電源)は、入力コンデンサ1、電源IC101、インダクタ2、出力コンデンサ3、第1ノイズ吸収用コンデンサ4および第2ノイズ吸収用コンデンサ5で構成される。
外部の電源12の高電位側と接続するマイクロ電源装置103の高電位側の入力端子15と入力コンデサ1の一方の端子jが接続し、電源12のグランド14と接続するマイクロ電源装置103のグランド側の入力端子16と入力コンデンサ1の他方の端子gが接続する。入力コンデンサ1の一方の端子jとインダクタ2に形成した外部用端子aが接続し、この外部用端子aと電源IC101の高電位側の入力端子dおよび第1ノイズ吸収用コンデンサ4の一端4aが接続し、電源IC101の高電位側の出力端子eとインダクタ2の一方の端子mが接続する。インダクタ2の他方の端子bが、出力コンデンサ3の一方の端子kおよび第2ノイズ吸収用コンデンサ5の一方の端子5aと接続する。出力コンデンサ3の一方の端子kとマイクロ電源装置103の高電位側の出力端子17が接続し、この出力端子17と負荷13の高電位側が接続する。第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5の他端4b、5bと電源IC101のグランド端子fをそれぞれ第1配線9および第2配線10で接続するとともに、電源IC101のグランド端子fをインダクタ2に形成したグランド端子cと第3配線で接続する。マイクロ電源装置103のグランド側の入力端子16と、負荷13の低電位側と接続するマイクロ電源装置103のグランド側の出力端子18はプリント基板のグランド配線21で接続する。入力コンデンサ1の他方の端子gと入力端子16が接続し、グランド配線21とインダクタ2に形成したグランド端子cとが接続点hで接続し、出力コンデンサ3の他方の端子iとマイクロ電源装置の低電位側の出力端子18が接続する。入力端子16と接続点hの間のグランド配線21が第1グランド配線19であり、接続点hから出力端子18の間のグランド配線21が第2グランド配線20である。
【0021】
前記電源IC101はオン用MOSFET6と、オフ用MOSFET7と、これらを制御する制御回路8とで構成される。オン用MOSFET6のソースSが電源IC101の入力端子dと接続し、ドレインDとオフ用MOSFET7のドレインDとが電源IC101の出力端子eと接続し、オフ用MOSFET7のソースSが電源IC101のグランド端子fと接続する。第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5はデカップリングコンデンサとも呼ばれ、セラミックコンデンサを用いている。
尚、オン用MOSFET6はpチャネル型MOSFETであり、オフ用MOSFET7はnチャネル型MOSFETである。また両者は横型MOSFETであり、ゲートにオン信号を入力するとソース・ドレイン間で双方向に電流を流すことができる双方向MOSFETである。ここでは、オン用MOSFET6の入力コンデンサ4と接続する側をソースS、インダクタ2と接続する側をドレインDとする。オフ用MOSFET7のインダクタ2と接続する側をドレインD、グランド端子fと接続する側をソースSとする。またオフ用MOSFET7はインダクタ2に流れる電流を還流させる還流ダイオードの働きをして、ゲートにオン信号を与えることでソースからドレインに向って還流電流が流れる。このオフ用MOSFET7はダイオードと置き変えても構わない。
【0022】
マイクロ電源モジュール102は、インダクタ2と電源IC101と第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5と第1配線9、第2配線10とを備えて構成される。
前記第1グランド配線19のインダクタンスが数nHの第1GNDインダクタンス(Lgnd1)であり、前記第2グランド配線20のインダクタンスが数nHの第2GNDインダクタンス(Lgnd2)である。また前記第1配線9のインダクタンスが0.1nH程度の第1配線インダクタンスであり、第2配線10のインダクタンスが0.1nH程度の第2配線インダクタンスである。
同図(b)および同図(c)において、インダクタ2上に電源IC101とその隣に第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5が固着している。また、図示しないプリント基板上に入力コンデンサ1、インダクタ2、出力コンデンサ3が固着する。
図2は、図1のマイクロ電源装置の減衰特性を示す図である。この図は、マイクロ電源モジュール102内に0.01μFのセラミックコンデンサである第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5を内蔵した場合の減衰特性である。インダクタ2のインダクタンスは2μHである。図中のC1、C2は第1、第2ノイズ吸収用コンデンサの容量で共に0.01μFであり、Lgnd1、Lgnd2は第1、第2グランド配線のインダクタンスで共に3nHである。尚、縦軸の減衰量はオフ時の減衰量であり、シミュレーションは図19(b)の回路に0.01μFの第2ノイズ吸収用コンデンサ5の容量と0.1nHの第2配線10の第2配線インダクタンスを付加して行った。図示しないがオン時の減衰量もシミュレーションした。そのときは、図19(a)の回路に0.01μFの第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5の容量と0.1nHの第1、第2の配線インダクタンスを付加した。
【0023】
図2から、第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5を内蔵してない図18に比べて、減衰特性が大きく異なり、低ノイズ性能が大きく改善されている。
また、図3に示すように同じセラミックコンデンサである第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5(0.01μF)をマイクロ電源モジュール102外の図示しないプリント基板上に実装したとしても図4に示すように減衰効果は得られない。この図4は、図3の回路のオフ時の減衰特性をシミュレーションしたものであり、その減衰特性は図18で示す減衰特性と同程度である。
このように減衰効果を得るためには、マイクロ電源モジュ−ル102内でかつ第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5の容量の値として、前述の0.01μFオーダーと比較的大きな容量が必要であり、図5に示すように、pFオーダーの小さい容量では十分な低ノイズ性能の効果は期待できない。尚、図5も図3の回路のオフ時の減衰特性をシミュレーションしたものであり、C1=C2=100pFとした以外は、図4のものと同じシミュレーション条件である。
すなわち、マイクロ電源モジュール102内の入力と出力にノイズ低減を目的に、ノイズ吸収用コンデンサ(デカップリング用コンデンサ)を内蔵する場合には、0.01μFオーダーの容量が必要である。この点では比較的大容量が実現できるセラミックコンデンサを用いることは有効である。しかし、セラミックコンデンサの場合、誘電損失tanδの影響が大きい。
【0024】
さらに、セラミックコンデンサを用いる場合、電源IC101と別にインダクタ2上に設けるので、実装・組立工数の増大になることと、ノイズ吸収用コンデンサ4、5の面積分だけインダクタ2の占有面積が大きくなる。
つぎに、pFオーダーの小容量コンデンサでノイズ低減効果が期待できて、実装・組み立て工数の増大がなく、インダクタ2の占有面積が大きくならない方法について説明する。尚、セラミックコンデンサは小容量とするとESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)が大きくなる傾向があり、低ノイズ性能の効果が期待できない。そのため、小容量コンデンサとしてセラミックコンデンサは使用できない。
【実施例2】
【0025】
図6は、この発明の第2実施例のマイクロ電源モジュールの説明図であり、同図(a)はマイクロ電源装置の要部回路図、同図(b)はマイクロ電源モジュールの要部平面図、同図(c)は同図(b)のX−X線で切断した要部断面図、同図(d)は集積コンデンサの要部断面図である。図7は、図6のインダクタの詳細な平面図である。
図1との違いは、図6に示すように、ノイズ吸収用コンデンサをpFオーダーに小さくして電源IC106を形成する半導体基板40上に集積コンデンサ23を形成したことと、インダクタを分割点rで分割した分割インダクタ22とし、この分割点rと接続する中間タップqをこの集積コンデンサ23の一端pと接続し、集積コンデンサ23の他端nをオフ用MOSFET7のソースSと接続した点である。この集積コンデンサ23と分割インダクタ22でT型フィルタを構成する。
すなわち、上述のようにT型フィルタは単体のインダクタ,コンデンサの組み合わせより大きな減衰が得られるので、集積コンデンサでも充分な減衰特性を得ることができるように、集積コンデンサをT型フィルタに用いることを発案したのである。
図6(d)において、集積コンデンサ23は、電源IC106が形成された半導体基板40上に層間絶縁膜41を形成し、その上に電極として第1ポリシリコン膜42を形成し、この第1ポリシリコン膜42上に数十nmの厚さの酸化膜43を形成し、この酸化膜43上に電極として第2ポリシリコン膜44を形成し、その上に電極・配線となる金属膜45を形成して製作される平行平板型のコンデンサである。第1ポリシリコン膜42は図示しない金属配線と接続する。
【0026】
図7において、インダクタ22はフェライト基板24の両面にコイルパターン24a、24bを形成し、上側のコイルパタンーン24aと下側のコイルパターン24bをフェライト基板24に形成した貫通孔を介して接続導体24cで接続しソレノイドコイルを形成している。フェライト基板24の外周部の表側と裏側には外部端子30(a,cを含む)やインダクタ端子m、bおよび分割端子(中間タップ)qなどが形成され、それぞれの端子の表側と裏側はフェライト基板24の側面で互いが接続されている。複数個形成された各端子の内、2個の端子m、bはインダクタ22内部でソレノイドコイルの両端と、外部で電源IC106の端子eおよび出力コンデンサ3の端子kとそれぞれ接続し、1個の端子は分割端子qで集積コンデンサ23と接続し、端子a、cは電源IC106の端子d、fとプリント基板の配線パターンや入力コンデンサ1や出力コンデンサ3などとを接続するための中継用の端子である。また、分割端子qを介さずにソレノイドコイルの分割点rと集積コンデンサ23の一端pを直接接続しても構わない。
pFオーダーの小容量コンデンサを単に第1、第2ノイズ吸収用コンデンサとして内蔵しても、図5に示すように低ノイズ性能は得られない。そこで、分割インダクタ22と組み合わせてT型フィルタを構成させ、かつ分割インダクタ22の大きなインダクタンス(μHオーダー)を利用することで、小容量(pFオーダー)の集積コンデンサ23でも減衰効果が得られるようにするのである。
【0027】
低誘電体材料である酸化膜43を用いているので、tanδが小さく、容量を小さくしてもESRは小さく、低ノイズ性能の効果が期待できる。また、半導体基板40上に集積コンデンサ23を形成するのでマイクロ電源モジュール107の占有スペースは大きくならない。
さらに、集積コンデンサ23の高さ(厚さ)はせいぜいμmオーダーなので、マイクロ電源モジュール107の占有高さも増大しない。また、集積コンデンサ23はICプロセスを用いて他の箇所を形成するときに同時に形成できるので製造コストの増大はない。
この分割インダクタ22の一端mと分割点rの間のインダクタンスをL1、他端bと分割点rの間のインダクタンスをL2とした場合、分割する前のインダクタンスLはL=L1+L2で2μHとなる。この分割インダクタ22の分割端子qにデカップリングコンデンサである集積コンデンサ23(Cm)を接続して、T型フィルタ(プリント基板上の出力コンデンサCoutを含めるとπ型)が構成される。分割されない場合は分割比はL1:L2=10:0である。
この分割比はインダクタの分割端子qに集積コンデンサ23が接続しているので、マイクロ電源モジュ−ル107外にあるプリント基板上に配線される第1、第2グランド配線19、20のGNDインダクタンスとは関係なくなる。従って、分割インダクタ22のL1およびL2と集積コンデンサ23のpFオーダーの容量のみで定まる最適な分割比(L1:L2)を求めることで大きな低ノイズ性能を得ることができる。
【0028】
また、集積コンデンサ23はセラミックコンデンサと異なり、大容量化は困難である反面、高誘電材料を使用していないため、誘電損失tanδが小さくpFオーダーで容量が小さい場合でもESRが小さいので低ノイズ化には有効である。
図8には、インダクタの分割比をL1:L2=8:2(K=L1/L2=4)、集積コンデンサ23の容量を100pFとした場合の減衰特性を示した。この図から、小容量コンデンサである集積コンデンサ23を1個とし、分割インダクタ22を利用することで、0.01μFの大きな容量のセラミックコンデンサをノイズ吸収用コンデンサ4、5として2個インダクタ上に形成した場合の特性(図2)より大きな低ノイズ性能が得られることが分かる。シミュレーション回路としては図19(b)のインダクタ2の代わりに分割インダクタ22を用いその分割端子qに集積コンデンサ23を接続したT型フィルタを付加したものを用いた。
図9は、減衰量とKの関係を示す図である。この減衰量はオフ時とオン時を合わせた1周期に亘って平均化した減衰量である。この減衰量の算出方法について説明する。
まず、シミュレーションにより、オン時およびオフ時のそれぞれにおいて入出力信号のピーク値の比較に行うことにより、特定の周波数(ここでは、100MHzと300MHz)の減衰量をT型フィルタがない従来回路(図14の回路)の場合と、T型フィルタを付加した本発明回路の場合で読み取る。
【0029】
オン時の従来回路の減衰量をaa、本発明回路の減衰量をbbとし、オフ時の従来回路の減衰量をcc、本発明回路の減衰量をddとする。1周期のデューティ(時比率)を例えばオン期間40%、オフ期間60%とした場合(オンデューティD=オン期間/(オン期間+オフ期間)=0.4)の1周期の平均化された減衰量をeeとすると、ee=((bb−aa)×0.4+(dd−cc)×0.6)/2で表される。
図9において、パラメータとしては、オンデューティDは0.6と0.4、周波数は100MHz、200MHz、300MHzのそれぞれを組み合わせて、最も減衰量eeの小さいオンデューティDが0.6で周波数が100MHzの場合と、最も減衰量eeが大きいオンデューティDが0.4で周波数が300MHzの場合を示した。また、これは、GNDインダクタンスLgnd1およびLgnd2が共に3nHの場合である。
オンデューティDが0.6で周波数が100MHzの場合において、このKを減少させ1未満とすると減衰量eeが−5dBより小さくなり、低ノイズ性能が得られなくなるので、Kの値は1以上とするとよい。また、Kの値が9(L1:L2=9:1)を超えると減衰量が−5dB以下となるので、Kの値としては9が限界である。また、K=2.3(L1:L2=7:3)が最も良い低ノイズ性能が得られるポイントである。
【0030】
以上のことから、Kの値を1以上で9以下とすると、この減衰量を−5dB以上(ここでいう以上とは、dBの値がマイナスで絶対値がより大きいことを示す)とすることができるのでノイズ低減効果がある。ここでは、減衰特性でノイズに効果があると認められる減衰量を−5dB以上とした。
前記のことから、集積コンデンサ23(100pF程度)を電源IC106(チップ)上に形成し、その電源IC106を分割インダクタ22上に形成して一体化することで、マイクロ電源モジュール107は、図1に示すようなセラミックコンデンサを別個に設ける必要がない。そのため、実装・組立工数を増やすことなく、マイクロ電源モジュール107の本来の特徴である小型化と低ノイズ化を図ることができる。
その結果、図1のマイクロ電源モジュール102を用いた場合と同様に、プリント基板性能(GNDインダクタンスの大小)による影響を軽減できるので、セットメーカーから見て使い勝手のよいマイクロ電源モジュールとすることができる。
また、本実施例の変形例として、分割インダクタ22の分割を1つでなく複数とし、今回用いた集積コンデンサ23もより小さい容量(数10pF)で構成したインダクタ多段分割−集積コンデンサ複合フィルタとしても将来展開が見込める。
【実施例3】
【0031】
図10は、この発明の第3実施例のマイクロ電源モジュールの説明図であり、同図(a)はマイクロ電源装置の要部回路図、同図(b)はマイクロ電源モジュールの要部平面図、同図(c)は同図(b)のX−X線で切断した要部断面図である。このマイクロ電源モジュール110はこれだけでマイクロ電源装置111となる。
図1と近い構成であるが、図1との違いは、ノイズ吸収用コンデンサ4、5を使用せずに、入力コンデンサ1と出力コンデンサ3をインダクタ27上に電源IC101と隣接して配置した点である。図中の31は入力コンデンサ1の他端1bと入出力端子26(図1における端子c)を接続する第4配線であり、32は出力コンデンサ3の他端3bと入出力端子26と接続する第5配線である。また、33は電源IC101のグランド端子fと入出力端子26を接続する第6配線である。
こうすると、第1、第2グランド配線19、20のインダクタンスである第1、第2GNDインダクタンスの影響が排除され、さらに第4、第5配線31、32がインダクタ27上に形成され、そのインダクタンスは第1、第2GNDインダクタンスと比べて一桁以上小さいので、図11のシミュレーション結果に示すように、低ノイズ性能が得られる。またマイクロ電源装置111としての占有面積もインダクタ27上に入力・出力コンデンサ1、3を集積し、ノイズ吸収用コンデンサ4、5を除去したことにより図1の場合よりは小さくなる。
【0032】
また、特許文献1の3層に積層したマイクロ電源モジュールの場合に比べ2層であるので占有高さが小さくなり、携帯電話など占有高さに厳しい制限を設けているセットメーカーの要求に応えることができる。
【実施例4】
【0033】
図12は、この発明の第4実施例のマイクロ電源モジュールの説明図であり、同図(a)はマイクロ電源装置の要部回路図、同図(b)はマイクロ電源モジュールの要部平面図、同図(c)は同図(b)のX−X線で切断した要部断面図である。このマイクロ電源モジュール112はこれだけでマイクロ電源装置113となる。
図10と近い構成であるが、図10との違いは、図6と同じT型フィルタを付加した点である。こうすると、マイクロ電源モジュール112の占有面積と占有高さを図10のものと同じにして、さらに、図13のシミュレーション結果に示すように、図1より低ノイズ性能が得られ、さらに図8よりも低ノイズ性能に優れている。
第2実施例の図6のマイクロ電源モジュール107と比べて、図12のマイクロ電源モジュール112は占有高さはほぼ同じであるが占有面積は大きくなる。しかし分割インダクタ28上に必要部品を全て搭載したために、第1、第2実施例のようにプリント基板に部品を搭載したマイクロ電源装置103、108の占有面積より、本実施例のマイクロ電源装置113の占有面積は小さくなる。
そのため、携帯電話などの携帯機器の小型化に寄与できる。また、T型フィルタを形成しているので、第3実施例より優れた低ノイズ性能が得られる。また、GNDインダクタンスが極めて小さくできるので第2実施例より低ノイズ性能が得られる。
【0034】
尚、前記の第1〜第4実施例では、本発明のマイクロ電源モジュールを搭載したPOL電源(マイクロ電源装置)としては、最も使用されている降圧型コンバータの場合を例に挙げて説明した。
しかし、第1実施例で示したセラミックコンデンサをノイズ吸収用コンデンサ4、5に用いて形成したノイズフィルタをインダクタ2上に形成することや、第2実施例で示したpFオーダーのノイズ吸収用コンデンサである集積コンデンサ23を電源IC106を形成した半導体基板40上に形成し、インダクタを分割した分割インダクタ22と組合わせてT型フィルタを構成することや、第3、第4実施例で示した入力・出力コンデンサ1、3をインダクタ27、28上に搭載することなどの考え方は、他のチョッパー型コンバータ(昇圧型、昇降圧型)などにも適用できる。
尚、第1〜第4実施例で示した前記のマイクロ電源モジュール102、106、110、112の高さは、インダクタの高さが0.5mm程度、電源ICの高さが0.3mm程度、セラミックコンデンサの高さが0.4mm程度であるので、携帯電話などで求められる1mm以下とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の第1実施例のマイクロ電源モジュールの説明図であり、(a)はマイクロ電源装置の要部回路図、(b)はマイクロ電源モジュールの要部平面図、(c)は(b)のX−X線で切断した要部断面図
【図2】図1のマイクロ電源装置の減衰特性を示す図
【図3】第1、第2ノイズ吸収用コンデンサをマイクロ電源モジュ−ル102外のプリント基板上に実装した場合のマイクロ電源装置の回路図
【図4】図3の回路で第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5を0.01μFとした場合の減衰特性を示す図
【図5】図3の回路で第1、第2ノイズ吸収用コンデンサ4、5をpFオーダーとした場合の減衰特性を示す図
【図6】この発明の第2実施例のマイクロ電源モジュールの説明図であり、(a)はマイクロ電源装置の要部回路図、(b)はマイクロ電源モジュールの要部平面図、(c)は(b)のX−X線で切断した要部断面図、(d)は集積コンデンサの要部断面図
【図7】図6のインダクタの詳細な平面図
【図8】インダクタの分割比をL1:L2=8:2(K=L1/L2=4)、集積コンデンサ23の容量を100pFとした場合の減衰特性を示す図
【図9】減衰量とKの関係を示す図
【図10】この発明の第3実施例のマイクロ電源モジュールの説明図であり、(a)はマイクロ電源装置の要部回路図、(b)はマイクロ電源モジュールの要部平面図、(c)は(b)のX−X線で切断した要部断面図
【図11】図10のマイクロ電源装置(マイクロ電源モジュール)の減衰特性を示す図
【図12】この発明の第4実施例のマイクロ電源モジュールの説明図であり、(a)はマイクロ電源装置の要部回路図、(b)はマイクロ電源モジュールの要部平面図、(c)は(b)のX−X線で切断した要部断面図
【図13】図12のマイクロ電源装置(マイクロ電源モジュール)の減衰特性を示す図
【図14】従来のPOL電源の回路図
【図15】従来のPOL電源のプリント基板上の配置図
【図16】従来のインダクタの要部平面図
【図17】図14のPOL電源でLgndを1nHとした場合の減衰特性の図
【図18】図14のPOL電源でLgndを3nHとした場合の減衰特性の図
【図19】減衰特性をシミュレーションする場合の等価回路図で、(a)はオン時のシミュレーション回路図、(b)はオフ時のシミュレーション回路図
【符号の説明】
【0036】
1 入力コンデンサ
2、27 インダクタ
3 出力コンデンサ
4 第1ノイズ吸収用コンデンサ
5 第2ノイズ吸収用コンデンサ
6 オン用MOSFET
7 オフ用MOSFET
8 制御回路
9 第1配線
10 第2配線
11 第3配線
12 電源
13 負荷
14 グランド
15 高電位側入力端子
16 グランド側入力端子
17 高電位側出力端子
18 低電位側出力端子
19 第1グランド配線
20 第2グランド配線
21 グランド配線
22、28 分割インダクタ
23 集積コンデンサ
24 フェライト
24a コイルパターン(表側)
24b コイルパターン(裏側)
24c 接続導体
26 低電位側入出力端子
30 外部端子
101、106 電源IC
102、104、107、110、112 マイクロ電源モジュール
103、105、108、111、113 マイクロ電源装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
インダクタと、該インダクタ上に配置される電源ICと、前記インダクタ上に配置され、ノイズを低減する一つもしくは複数のコンデンサとを有するマイクロ電源モジュールにおいて、前記インダクタが複数の端子および中間タップを有し、該複数の端子のうちの一つの端子が前記電源ICのグランド端子および前記インダクタの外に配置されるグランド配線と接続することを特徴とするマイクロ電源モジュール。
【請求項2】
前記インダクタが、ソレノイドコイルを分割した分割インダクタであり、少なくとも一つの前記コンデンサが、前記中間タップを介して前記分割インダクタの分割点と接続し前記電源ICを形成する半導体基板上に半導体プロセスで形成される集積コンデンサであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項3】
外部の電源の高電位側およびグランドと接続する低電位側とそれぞれ接続する高電位側の入力端子およびグランド側の入力端子と、
前記高電位側の入力端子と一端が接続し、前記低電位側の入力端子と他端が接続する入力コンデンサと、
該入力コンデンサの一端と高電位側の入力端子が接続する電源ICと、
該電源ICの高電位側の出力端子と一端が接続するインダクタと、
該インダクタの他端と一端が接続する出力コンデンサと、
該出力コンデンサの一端と接続する高電位側の出力端子と、
低電位側の出力端子と、
グランド側の前記入力端子と前記入力コンデンサの他端を接続し、前記出力コンデンサの他端と低電位側の出力端子を接続し、低電位側の入力端子と前記電源ICのグランド端子と低電位側の前記出力端子をそれぞれ接続するグランド配線とを有し、
低電位側の前記入力端子と前記電源ICのグランド端子が接続する接続点の間の前記グランド配線を第1グランド配線とし、該接続点と低電位側の前記出力端子の間の前記グランド配線を第2グランド配線とするマイクロ電源装置を構成するマイクロ電源モジュールにおいて、
前記インダクタと、該インダクタ上に配置される前記電源ICと、該電源ICに隣接して前記インダクタ上に配置される第1、第2ノイズ吸収用コンデンサとを有し、前記電源ICがオン用MOSFETとオフ用MOSFETおよびこれらのMOSFETを制御する制御回路で構成され、前記オン用MOSFETのドレインと前記オフ用MOSFETのドレインが接続し、前記オン用MOSFETのソースと前記電源ICの前記高電位側の入力端子が接続し、前記オン用MOSFETのドレインと前記電源ICの前記高電位側の出力端子が接続し、前記オフ用MOSFETのソースと前記電源ICの前記グランド端子が接続し、前記オン用MOSFETのソースと前記オフ用MOSFETのソースの間に前記第1ノイズ吸収用コンデンサを前記第1グランド配線を介して接続し、前記インダクタの他端と前記オフ用MOSFETのソースの間に前記第2ノイズ吸収用コンデンサを前記第2グランド配線を介して接続して形成されることを特徴とするマイクロ電源モジュール。
【請求項4】
前記第1、第2ノイズ吸収用コンデンサが共にセラミックコンデンサからなるデカップリングコンデンサであることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
外部の電源の高電位側およびグランドと接続する低電位側とそれぞれ接続する高電位側の入力端子およびグランド側の入力端子と、
前記高電位側の入力端子と一端が接続し、前記低電位側の入力端子と他端が接続する入力コンデンサと、
該入力コンデンサの一端と高電位側の入力端子が接続する電源ICと、
該電源ICの高電位側の出力端子と一端が接続するインダクタと、
該インダクタの他端と一端が接続する出力コンデンサと、
該出力コンデンサの一端と接続する高電位側の出力端子と、
低電位側の出力端子と、
グランド側の前記入力端子と前記入力コンデンサの他端を接続し、前記出力コンデンサの他端と低電位側の出力端子を接続し、低電位側の入力端子と前記電源ICのグランド端子と低電位側の前記出力端子をそれぞれ接続するグランド配線とを有し、
低電位側の前記入力端子と前記電源ICのグランド端子が接続する接続点の間の前記グランド配線を第1グランド配線とし、該接続点と低電位側の前記出力端子の間の前記グランド配線を第2グランド配線とするマイクロ電源装置を構成するマイクロ電源モジュールにおいて、
前記インダクタと、該インダクタ上に配置される前記電源ICと、該電源ICを形成した半導体基板上に形成されるノイズ吸収用コンデンサとを有し、前記電源ICがオン用MOSFETとオフ用MOSFETおよびこれらのMOSFETを制御する制御回路で構成され、前記オン用MOSFETのドレインと前記オフ用MOSFETのドレインが接続し、前記オン用MOSFETのソースと前記電源ICの前記高電位側の入力端子が接続し、前記オン用MOSFETのドレインと前記電源ICの前記高電位側の出力端子が接続し、前記オフ用MOSFETのソースと前記電源ICの前記グランド端子が接続し、前記インダクタを分割し分割点もしくは該分割点に接続される前記インダクタの中間タップに前記ノイズ吸収用コンデンサの一端を接続し、該ノイズ吸収用コンデンサの他端を前記電源ICを構成する前記オフ用MOSFETのソースと接続することを特徴とするマイクロ電源モジュール。
【請求項6】
外部の電源の高電位側と接続する高電位側の入力端子と該高電位側の入力端子と一端が接続する入力コンデンサと、該入力コンデンサの一端と高電位側の入力端子が接続する電源ICと、該電源ICの高電位側の出力端子と一端が接続するインダクタと、該インダクタの他端と一端が接続する出力コンデンサと、該出力コンデンサの一端と接続する高電位側の出力端子とを有するマイクロ電源装置のマイクロ電源モジュールにおいて、
前記入力コンデンサの他端および前記出力コンデンサの他端と接続する低電位側の入出力端子を有し、前記インダクタと、該インダクタ上に配置される前記電源ICと、該電源ICに隣接して前記インダクタ上に配置される前記入力コンデンサと前記出力コンデンサと、前記入出力端子とを有し、前記電源ICがオン用MOSFETとオフ用MOSFETおよびこれらのMOSFETを制御する制御回路で構成され、前記オン用MOSFETのドレインと前記オフ用MOSFETのドレインが接続し、前記オン用MOSFETのソースと前記電源ICの前記高電位側の入力端子と接続し、前記オン用MOSFETのドレインが前記電源ICの前記高電位側の出力端子と接続し、前記オフ用MOSFETのソースが前記電源ICのグランド端子と接続し、前記電源ICの前記グランド端子が前記低電位側の入出力端子と接続し、該低電位側の入出力端子が負荷の低電位側に接続することを特徴とするマイクロ電源モジュール。
【請求項7】
前記電源ICを形成した半導体基板上に形成されるノイズ吸収用コンデンサとを有し、前記インダクタを分割し分割点もしくは該分割点に接続される前記インダクタの中間タップに前記ノイズ吸収用コンデンサの一端を接続し、該ノイズ吸収用コンデンサの他端を前記電源ICを構成するオフ用MOSFETのソースと接続することを特徴とする請求項6に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項8】
前記ノイズ吸収用コンデンサの容量が、前記請求項4に記載のセラミックコンデンサの容量より小さいことを特徴とする請求項5または7に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項9】
前記ノイズ吸収用コンデンサが、前記半導体基板上に形成される層間絶縁膜と、該層間絶縁膜上に形成される第1ポリシリコン膜と、該第1ポリシリコン膜上に形成される絶縁膜と、該絶縁膜上に形成される第2ポリシリコン膜とを有する集積コンデンサであることを特徴とする請求項8に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項10】
前記絶縁膜が、酸化膜であることを特徴とする請求項9に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項11】
前記インダクタの一端から前記分割点までのインダクタンスをL1とし、前記分割点から前記インダクタの他端までのインダクタンスをL2とし、K=L1/L2とするとき、Kが1〜9の範囲にあることを特徴とする請求項5または7に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項12】
前記オン用MOSFETが横型のpチャネルMOSFETであり、前記オフ用MOSFETが横型のnチャネルMOSFETであり、該両者がゲートにオン信号を入力したときに、ソース・ドレイン間で双方向に電流を流せる双方向MOSFETであることを特徴とする請求項3、5〜7のいずれか一項に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項13】
前記オフ用MOSFETを前記電源ICの前記高電位側の出力端子と接続する側をカソード、前記電源ICの前記グランド端子と接続する側をアノードとするダイオードに代えることを特徴とする請求項3、5〜7のいずれか一項に記載のマイクロ電源モジュール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−38950(P2009−38950A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203730(P2007−203730)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名 社団法人電子情報通信学会 刊行物名 電子情報通信学会技術研究報告 発行年月日 2007年5月4日
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】