説明

マイナスイオン及びナノミスト発生装置

【課題】装置の大型化を招かず、回転体の回転による遠心力で飛散する水の意図しない箇所への飛散を防止するマイナスイオン及びナノミスト発生装置を提供する。
【解決手段】貯水部6に下部を水没させ上方に向かって径が拡大する擂り鉢状の回転体21と、回転体21の上部に設け回転体21を回転させる回転用モータ19と、回転体21の外周に位置し、回転体21と共に回転しこの回転による遠心力で飛散される水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体26と、多孔体26の外周には間隔を置いて回転体21の上方から流入する外気を多孔体26の外周に案内する空気案内筒28とを備えたものに於いて、空気案内筒28には、空気案内筒28の内周縁であって、回転体21の上面と回転用モータ19の下面との間の高さ位置に、内方に突出したフランジ部35を設けたので、装置の大型化を招かず、回転体21の回転により飛散する水の意図しない箇所への飛散を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイナスイオンとナノミストとを同時に発生させるマイナスイオン及びナノミスト発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、貯水部に貯水した水を回転体による回転により吸い上げ、回転体の周囲を囲むようにして設けられた網目状のスクリーン等の多孔体に吸い上げた水をぶつけて破砕し、その上、多孔体により破砕された水及び多孔体を通過した水は、多孔体の外周にある壁面にぶつかってさらに破砕され、無数のマイナスイオンと微細水滴(ナノミスト)を生成して、これを室内に供給して快適な雰囲気を形成するものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平11−169636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、回転体を回転させる回転用モータは貯水部よりも下部に配置されており、回転体と回転用モータの支軸とをパッキン、シール材等により水密状態で固定しておかなければならず、水密状態が不十分である場合、支軸から回転用モータへ水がつたって流れ落ち、回転用モータの故障の原因になるという問題点を有するものであった。
【0004】
そこで、前記回転用モータを回転体の上部に配置することによって、支軸から回転用モータへ水がつたって流れ落ちることがなくなり、上記問題点を解消することができるが、以下の問題点が発生する。
【0005】
前記回転体の回転による遠心力により貯水部から吸い上げられ飛散する水は、その遠心力により勢いよく飛散するので、回転体の上部に回転用モータを配置したものにおいても、回転体と回転用モータとの距離が近い場合には、回転体の回転による遠心力により貯水部から吸い上げられ、多孔体を介して飛散し壁面を跳ね返った水が意図しない箇所、例えば回転体の上部に配置した回転用モータの近傍に付着し、支軸を介して接触する可能性があり、結局、回転用モータの故障の原因になる水との接触の可能性をぬぐいきれないものであった。ここで、回転用モータに水が接触するのを防ぐために、回転体と回転用モータとの距離を大きく離すことが考えられるが、そうすると装置の大型化を招いてしまうという問題点を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記課題を解決するために、請求項1では特にその構成を、送風機により外気が通過する処理室と、該処理室の下部に設けられ自動給水弁を備えた給水管からの給水を所定量貯水する貯水部と、この貯水部に下部を水没させ上方に向かって径が拡大する擂り鉢状の回転体と、この回転体の上部に設け前記回転体を回転させる回転用モータと、前記回転体の外周に位置し、該回転体と共に回転しこの回転による遠心力で飛散される水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体と、前記多孔体の外周には間隔を置いて、回転体の上方から流入する外気を多孔体の外周に案内する空気案内筒とを備えたものに於いて、前記空気案内筒には、前記空気案内筒の内周縁であって、前記回転体の上面と前記回転用モータの下面との間の高さ位置に、内方に突出したフランジ部を設けたものとした。
【0007】
又請求項2によれば、前記フランジ部は、内方に向かって下り傾斜がつけられているものとした。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、多孔体の外周に備えた空気案内筒の内周縁であって、回転体の上面と前記回転用モータの下面との間の高さ位置に、内方に突出したフランジ部を設けるようにしたことにより、回転体の回転による遠心力で飛散され多孔体を通過した水もしくは空気案内筒を跳ね返った水はフランジ部の裏面にぶつかり、水の貯まっている貯水部方向に戻されるので、回転体と回転用モータとの距離を大きく離さなくとも回転用モータに水が接触するのを防止することができ、装置の小型化が図れるものであり、前記回転体の回転による遠心力で飛散され多孔体を通過した水もしくは空気案内筒を跳ね返った水が回転用モータや意図しない箇所に飛散するのを防止することができるものである。
【0009】
又請求項2によれば、前記フランジ部は、内方に向かって下り傾斜がつけられているので、回転体の回転による遠心力で飛散され多孔体を通過した水もしくは空気案内筒を跳ね返った水はフランジ部の裏面にぶつかり、フランジ部の裏面にぶつかった水は、横方向への跳ね返りが抑えられ下方向に強く跳ね返され水の貯まっている貯水部方向に戻されるので、前記遠心力で飛散される水もしくは空気案内筒を跳ね返った水が意図しない箇所に飛散するのを防止することができるものであり、また、万一飛散した水がフランジ部を越えフランジ部の表面に付着したとしても、フランジ部に付着した水は、フランジ部の下り傾斜により流れて水の貯まっている貯水部方向に戻されるので、マイナスイオンとナノミストの生成に関わる水を無駄にすることなく良好なマイナスイオンとナノミストを生成を行うことができるものである。
【0010】
また、マイナスイオンには、疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等があり、さらにナノミストには、空気中やカーテンや衣服等の繊維の隙間など、隅々まで行き渡り汚れた空気や細菌を抑制し、臭いまでも分解するもので、脱臭効果、除塵効果、除菌効果、勿論加湿効果があるものであり、この加湿はベトツキがないサラサラで潤いのある空気で、毛穴からの浸透でお肌と髪の潤いを保つ効果を有するものであり、これらの効果が得られるマイナスイオンとナノミストを大量に放出されると言うことは、これらの効果も増大するものである。
【0011】
一方、本装置の貯水部に加熱用ヒータを投入して、本装置を低温サウナのミスト発生源として使用した場合には、サウナ室の使用室温38〜40℃程度、相対湿度90%以上で使用することで、サウナ室と言う限られたスペース内ではマイナスイオン及びナノミストの上記の作用効果が顕著に現れるものであり、しかも水分子付加マイナスイオン分子群が直接肌等に作用して汗腺を開くことにより、発汗が容易になり、また、肺から吸引されたマイナスイオンは血液中に入り、その還元作用で血液の酸化を阻止し血液サラサラ状態とすると共に、その循環を良くし、末梢血管まで血液を行き渡らせることにより、痛みや懲りを緩和することができるものと考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、この発明のマイナスイオン及びナノミスト発生装置を低温ミストサウナのミスト発生源として使用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は低温サウナ室2のベンチ3下に備えられたナノミスト及びマイナスイオン発生装置で、サウナ室2内の上部まで延びた吸引ダクト4を介して該サウナ室2内の空気を吸引し、塵や細菌を除去した後に、昇温したナノミスト及びマイナスイオンをベンチ3下方に形成した放出口5からサウナ室2に供給して、順次これを繰り返すことでサウナ室2を使用室温38〜40℃程度、相対湿度90%以上の低温サウナの使用雰囲気とするものである。
【0013】
6は自動給水弁7を備えた給水管8からの給水を一定量貯水する貯水部で、水面下で底部近傍には単相200V、720Wで平面視M字状に水平に取り付けられて逆U字部9を3箇所有した加熱ヒータ10を備え、貯水を46℃〜48℃に加熱するものであり、一側壁にはオーバーフロー管11及び自動排水弁12を設けた排水管13を連通し、サウナ中は常に一定水位を維持しながら終了時には全て排水する。
【0014】
14は前記貯水部6内を処理室15と分離室16の2室に仕切る仕切壁で、下端を分離室16側を屈曲し水面との間の連通路17を水面近傍まで下げることにより、処理室15から分離室16へ向かう空気中の大粒のミストを水面にぶつけて落下させる気液分離器の役目も果たすようにしている。
【0015】
前記処理室15には、貯水部6の蓋体18に固定された回転用モータ19の支軸20に連結され、下部を水没させ上方に向かって径が拡大した擂り鉢状の回転体21が、加熱ヒータ10の給水管8から一番離れた方の逆U字部9中に垂下して設けられ、この回転体21は前記回転用モータ19による駆動で回転し、その遠心力で加熱されたばかりの温水を回転体21表面及びむしろ裏面に沿って吸い上げ、上端に形成した複数の細孔22から周囲に飛散させるものである。
【0016】
さらに、分離室16には、仕切壁14の下端を分離室16下方に向かって傾斜屈曲させた第1の邪魔板23と、この仕切壁14と対向する側壁に、下方に向かって傾斜して取り付けた第2の邪魔板24とで交互に突出させて、中央部に下部の連通路17から上部の放出口5に向かう蛇行路25が形成されているものである。
【0017】
26は前記回転体21の外周に所定間隔を保持して位置し、該回転体21と共に回転する円筒状の多孔体で、この回転による遠心力で水及び空気を飛散させ、そして全周壁に形成した多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る多孔部27を、通過させたり、ぶつけて破砕させることで、水の粒子を微細化してナノミストを生成すると共に、この水の粒子の微細化によるレナード効果でマイナスイオンを発生させるものである。
【0018】
28は前記多孔体26の外周に所定の間隔を置いて多孔体26を覆うように配置された楕円形状の空気案内筒で、円筒状の多孔体26との間には一対の大流通路29、29と一対の小流通路30、30とが形成されるように、処理室15の上方を塞ぐ中蓋31に設けられており、分離室16の上部で該分離室16と放出口5とを連通する位置に備えられたクロスフローファンから成る送風機32の駆動で、吸引ダクト4から吸引されたサウナ室2内の空気を、一側壁に吸引ダクト4が接続される給気口33を有し蓋体18と中蓋31との間の空間で形成される給気室34に流入させ、処理室15の上部の給気室34から処理室15に向かって回転体21の上方から空気案内筒28内に流入させることで、水の粒子の破砕回数を増やすと共に、空気のマイナス帯電も増加させ結果としてナノミスト及びマイナスイオンを大量に発生させることができるものであり、例えばマイナスイオンではサウナ室2の中央部中間位置で7000個/CCを検出した。
【0019】
前記空気案内筒28には、その内周縁に内方に突出したフランジ部35が設けられ、このフランジ部35は、回転体21の回転による遠心力により水が貯水部6から吸い上げられ多孔体26を介して飛散し空気案内筒28を跳ね返った水が、意図しない箇所、例えば、蓋体18に固定された回転用モータ19と支軸20との接続部近傍や、給気室34内に飛散するのを防止するために、回転体21の上面よりも上方の高さ位置に設けられているものである。さらに、このフランジ部35は、内方に向かって下り傾斜がつけられおり、万一飛散した水がフランジ部35を越えフランジ部35の表面に付着したとしても、フランジ部35に付着した水は、フランジ部35の下り傾斜により流れて水の貯まっている貯水部6方向に戻されるので、マイナスイオンとナノミストの生成に関わる水を無駄にすることなく良好なマイナスイオンとナノミストを生成を行うことができるものである。
【0020】
36は貯水部6の底部に備えられた2つのフロートスイッチ37、38から成る水位センサで、貯水部6の水位が加熱ヒータ10が水面上に露呈しない所定水位に低下するとフロートスイッチ37がOFFし、自動給水弁7を開口して一定水位まで給水して所定水位でフロートスイッチ38がONとなり、自動給水弁7を閉口しサウナ運転中は常に貯水部6を一定水位に保持するものである。
【0021】
39は前記2つのフロートスイッチ37、38を貯水部6の水面変動の影響を受けないように保護する断面コ字状の保護枠で、正面及び両側方を水面上まで突出させた枠体とし、貯水部6の一側壁とで2つのフロートスイッチ37、38を囲ったものであり、上面で2つのフロートスイッチ37、38を垂下して固定している。
【0022】
40は貯水部6の下部外壁で所定水位に設けられた貯水温度センサで、貯水温度が46℃で加熱ヒータ10をONし、48℃でOFFして所定温度に保持する。
41は同じく貯水部6の下部外壁で所定水位に設けられた過熱防止センサで、貯水部6が異常過熱状態になった時、全駆動を停止して安全を確保するものである。
【0023】
42はサウナ室2の換気用の換気扇、43はサウナ室2への出入り用のドアで、覗き窓44が上方に設けられている。
【0024】
次にこの一実施形態の作動について説明する。
今サウナ室2の近傍に備えられる操作部(図示せず)の運転スイッチ(図示せず)をONすることで、サウナ運転が開始され先ず自動給水弁7が開口して給水管8から空状態の貯水部6に水が供給され、一定水位まで貯水(6L)されれば、水位センサ36が検知して自動給水弁7がOFFされて給水が終了されるが、以後サウナ運転が終了するまで、水位センサ36による自動補水が行われる。
【0025】
そして、加熱ヒータ10がONされて貯水部6内の貯水の加温が開始し、貯水がある程度温度上昇した30℃に達することで、回転用モータ19及び送風機32が駆動開始して、回転体21は処理室15内で回転することで、水没している下端の表面及び裏面の方がむしろ多く温水が遠心力で、その面に沿って上昇し、上端の複数の細孔22から外周に向かって飛散され、一部は同時に回転している多孔体26にぶつかって水の粒子が破砕し、また、他の一部は空気と共に多孔部27を通り抜けて、多孔体26外周の空気案内筒28の内壁にぶつかって同じく水の粒子が破砕されることで、ナノミスト及び大粒ミストを含むミストが生成されると共に、この粒子の破砕により空気がマイナスに帯電してマイナスイオンが発生する。また、貯水部6内の温水もある程度攪拌されて全体の温度を均一にする効果もある。
【0026】
ここで、空気案内筒28の内周縁に内方に突出したフランジ部35を設けたことで、回転体21の回転による遠心力で、その表面及び裏面に沿って上昇し、外周に向かって飛散され、空気と共に多孔部27を通り抜けた水または多孔体26外周の空気案内筒28の内壁にぶつかって跳ね返った水は、前記フランジ部35の裏面にぶつかり、水の貯まっている貯水部6方向に戻されるので、回転体21と回転用モータ19との距離を大きく離さなくとも、蓋体18に固定された回転用モータ19と支軸20との接続部近傍への水の飛散、すなわち、回転用モータ19に水が接触するのを防いで回転用モータ19の故障を防止できると共に、装置1の小型化が図れるものであり、さらに、上述のように空気案内筒28の内周縁に内方に突出したフランジ部35を設けたことで、前記回転体21の回転による遠心力で、その表面及び裏面に沿って上昇し、外周に向かって飛散され、空気と共に多孔部27を通り抜けた水または多孔体26外周の空気案内筒28の内壁にぶつかって跳ね返った水が意図しない箇所、例えば、処理室15上部の給気室34に飛散するのを防止することができ、給気室34を飛散した水で汚さずマイナスイオンとナノミストの生成に関わる水を無駄にすることなく良好なマイナスイオンとナノミストを生成を行うことができるものである。
【0027】
また、前記フランジ部35は、内方に向かって下り傾斜がつけられているので、回転体21の回転による遠心力で、その表面及び裏面に沿って上昇し、外周に向かって飛散され、空気と共に多孔部27を通り抜けた水または多孔体26外周の空気案内筒28の内壁にぶつかって跳ね返った水は、フランジ部35の裏面にぶつかり、フランジ部35の裏面にぶつかった水は、横方向、つまり回転体21の支軸20方向への跳ね返りが抑えられ下方向に強く跳ね返され水の貯まっている貯水部6方向に戻されるので、意図しない箇所、例えば、回転用モータ19や処理室15の上部の給気室34への水の飛散を防止でき、さらに、万一飛散した水がフランジ部35を越えフランジ部35の表面に付着したとしても、フランジ部35に付着した水は、フランジ部35の下り傾斜により流れて水の貯まっている貯水部6方向に戻されるので、マイナスイオンとナノミストの生成に関わる水を無駄にすることなく良好なマイナスイオンとナノミストを生成を行うことができるものである。
【0028】
一方、送風機32の駆動で給気口33から給気室34へ、吸引ダクト4を介してサウナ室2内の空気が流入し、回転中の回転体21上方から空気案内筒28に案内されて処理室15内へと流れるが、この時、円筒状の多孔体26と楕円形状の空気案内筒28との間には、一対の大流通路29、29と一対の小流通路30、30が形成されており、ここを空気が流通することで、ベルヌーイの定理より圧力差が生じて圧力が高い大流通路29、29側から圧力が低い小流通路30、30側への空気の流れが発生して乱流となり、大粒のミストは容易に落下して微細なナノミストだけが存在することとなり、また、マイナスに帯電した水粒子に多くの空気が接触することで、マイナスイオンも大量に得ることができ、しかもこの時、空気中に含まれている塵や細菌がナノミスト以上のミストに囲まれて水中に落下し、そのまま水中に止まることで、空気清浄も同時に行われるもので、この空気清浄も空気の乱流になって良好に行われるものである。
【0029】
さらに、温水のミスト化で温度上昇しマイナスイオンも含む空気は、仕切壁14の下の連通路17を通過する下向きの流れで、大粒ミストは自重で水中に落下すると共に、続く分離室16を上昇する過程で残ったナノミスト以上のミストは、先ず仕切壁14の下端の第1の邪魔板23にぶつかり大粒ミストに成長して落下し、次に蛇行路25を流通しながらも落下し、第2の邪魔板24にもぶつかって最後の大粒ミストに成長して落下し、再び蛇行路25を流通して、最終的には送風機32を通って放出口5からサウナ室2内に放出されるものである。
【0030】
これによって、大粒ミストの放出が確実に阻止され超微細のナノミストとマイナスに帯電した空気によるマイナスイオンのみが、放出口5から放出されることとなり、床や壁が濡れる心配がなく安心して使用できると共に、ナノミストとマイナスイオンがいっぱいの良好な雰囲気を形成することができるものである。
【0031】
また、この時、回転体21の回転駆動により貯水部6内の水面が波打つが、水位センサ36は水面上に延びる保護枠39とによって囲われているので、保護枠39内の水面には波が伝わらず的確な水位検知が行われ、自動給水弁7がチャタリングを起こすような不具合はなく、常に設定された一定水位で回転体21によるマイナスイオンとナノミストを良好に生成でき、放出空間を快適な雰囲気空間に保持することができるものである。
【0032】
さらに、水位センサ36は2つのフロートスイッチ37、38で構成されることで、それぞれストロークが短くても誤動作する心配がなく、確実に作動して的確に自動給水弁7を制御でき、貯水部6を常に過不足なく一定の水位に維持することができるものである。
【0033】
また、正面からの直接的な波は勿論、貯水部6の側壁にぶつかって水位センサ36に作用する二次的な波も両側方の枠体で阻止できるので、完全に波の影響を遮断でき、強固に水位センサ36を保護して長期に渡って安心して使用できるものである。
【0034】
さらに、これが低温サウナであれば、サウナ室2内を循環方式で徐々に昇温して30分で室温38℃〜40℃程度、ナノミストで相対湿度90%以上のマイナスイオンいっぱいの低温サウナ使用雰囲気とし、20分以上の入浴が可能で、水分子付加マイナスイオン分子群が直接肌等に作用して汗腺を開くことにより、発汗が容易になり大量の汗をかき体内の老廃物を排出できるものであり、また肺から吸引されたマイナスイオンは血液中に入り、その還元作用で血液の酸化を阻止し血液サラサラ状態とすると共に、その循環を良くし、末梢血管まで血液を行き渡らせることにより、痛みや懲りを緩和することができるものと考えられる。
【0035】
また、マイナスイオンにより、疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等があり、さらにナノミストによって、空気中の隅々まで行き渡り汚れた空気や細菌を抑制し、臭いまでも分解するもので、脱臭効果、除塵効果、除菌効果、勿論加湿効果があるものであり、この加湿はベトツキがないサラサラで潤いのある空気で、毛穴からの浸透でお肌と髪の潤いを保つ効果を有するものであり、これらの効果が得られるマイナスイオンとナノミストを大量に放出されると言うことは、これらの効果も増大するものである。
【0036】
次にサウナ運転終了による運転スイッチのOFFで、給水管8の自動給水弁7を閉口状態とし、加熱ヒータ10をOFFとすると共に、回転用モータ19及び送風機32を駆動停止し、自動排水弁12を開口して排水管13から貯水部6内の残水を全て排水してサウナ運転は終了するものである。
【0037】
このように、加熱ヒータ10の逆U字部9で加熱され温度上昇した温水は、回転体21の下部が水没している上部に流れるので、回転体21の回転による遠心力で直ぐにこの温水が吸い上げられ、多孔体26にぶつけられて破砕によりナノミストが生成され、また、この破砕で通過する空気がマイナスに帯電されることで同時にマイナスイオンも生成されるものであり、ある程度加熱ヒータ10による水が加熱された段階の早いうちから、ナノミスト及びマイナスイオンを発生させ、これをサウナ室2に供給して待ち時間少なく、短時間にサウナ室2をサウナ使用可能状態にすることができ、極めて使用勝手が良くいつでも低温サウナを楽しむことができるものである。
【0038】
さらに、加熱ヒータ10の逆U字部9が3箇所あることで、回転体21の取り付け位置の自由度があり、3箇所のどこに取り付けても同様の効果が得られるが、ただ給水部分から離れれば離れる程冷水の影響を受けず良い効果は得られるものである。
【0039】
なお、本発明は上記した一実施形態に限定されるものではなく、内周縁にフランジ部35を設けた空気案内筒28を、図5に示すような形状のものにしてもよいものであり、給気室34と連通する空気案内筒28の上端は、回転体21の上面と回転用モータ19の下面との間の高さ位置であり、且つサウナ室2から吸引した空気を処理室15内に供給するのに支障がない程度の高さにすることが望ましく、前記フランジ部35を回転体21の上面と回転用モータ19の下面との間の高さ位置に設けることで、上記の一実施形態と同様の効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の一実施形態のミストサウナの概略構成図。
【図2】同一実施形態のマイナスイオン及びナノミスト発生装置の横断面図。
【図3】同一実施形態のマイナスイオン及びナノミスト発生装置の縦断面図。
【図4】同一実施形態の要部の平面図。
【図5】この発明の他の実施形態のマイナスイオン及びナノミスト発生装置の縦断面図。
【符号の説明】
【0041】
1 マイナスイオン及びナノミスト発生装置
2 低温サウナ室
6 貯水部
7 自動給水弁
8 給水管
15 処理室
19 回転用モータ
21 回転体
26 多孔体
28 空気案内筒
32 送風機
35 フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機により外気が通過する処理室と、該処理室の下部に設けられ自動給水弁を備えた給水管からの給水を所定量貯水する貯水部と、この貯水部に下部を水没させ上方に向かって径が拡大する擂り鉢状の回転体と、この回転体の上部に設け前記回転体を回転させる回転用モータと、前記回転体の外周に位置し、該回転体と共に回転しこの回転による遠心力で飛散される水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体と、前記多孔体の外周には間隔を置いて、回転体の上方から流入する外気を多孔体の外周に案内する空気案内筒とを備えたものに於いて、前記空気案内筒には、前記空気案内筒の内周縁であって、前記回転体の上面と前記回転用モータの下面との間の高さ位置に、内方に突出したフランジ部を設けたことを特徴とするマイナスイオン及びナノミスト発生装置。
【請求項2】
前記フランジ部は、内方に向かって下り傾斜がつけられていることを特徴とする請求項1記載のマイナスイオン及びナノミスト発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−299982(P2009−299982A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154401(P2008−154401)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】