説明

マグパルス溶接の溶接条件設定方法

【課題】マグパルス溶接において、パルスアーク溶接用ワイヤの代わりに炭酸ガスアーク溶接用ワイヤを用いたときの溶接条件の設定を容易かする。
【解決手段】溶接ワイヤ1を予め定めた送給速度Frで送給すると共に、ピーク期間Tpr中はピーク電流Iprを通電し、ベース期間中はベース電流Ibrを通電し、溶接電圧平均値Vdが溶接電圧設定値Vrと等しくなるようにベース期間を制御して溶接を行うマグパルス溶接の溶接条件設定方法において、炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードを選択するワイヤ種類選択スイッチSTを設け、このモードが選択されているときはピーク期間Tprを所定値ΔTpだけ長くし、溶接電圧設定値Vrを所定値ΔVrだけ大きくし、送給速度Frを所定値ΔFrだけ速くする。これにより、前記スイッチSTを選択するだけで炭酸ガスアーク溶接用ワイヤに適した溶接条件が自動設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸ガスアーク溶接用ワイヤを用いたマグパルス溶接において、溶接条件設定を簡易化することができるマグパルス溶接の溶接条件設定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼材料のパルスアーク溶接では、シールドガスにアルゴンガスと炭酸ガスとの混合ガスを用いるのが一般的であり、マグパルス溶接と呼ばれる。このマグパルス溶接にはパルスアーク溶接用ワイヤ(JIS規格Z3312:1999、YGW15及びYGW17)が使用される。このパルスアーク溶接用ワイヤは、ピーク電流に同期して溶滴が安定して移行するように組成成分が適正化されている。以下、従来技術におけるマグパルス溶接の溶接条件設定方法について説明する(例えば、特許文献1、2等参照)。
【0003】
図2は、マグパルス溶接における電流、電圧波形図である。同図(A)はアークを通電する溶接電流Iwを示し、同図(B)は溶接ワイヤ・母材間に印加する溶接電圧Vwを示す。以下、同図を参照して説明する。
【0004】
予め定めたピーク期間Tp中は、同図(A)に示すように、溶滴を形成・移行させるために大電流値に予め定めたピーク電流Ipが通電し、同図(B)に示すように、アーク長に比例したピーク電圧Vpが印加する。後述するアーク長制御によって定まるベース期間Tb中は、同図(A)に示すように、溶滴を形成しないために小電流値に予め定めたベース電流Ibが通電し、同図(B)に示すように、アーク長に比例したベース電圧Vpが印加する。上記のピーク期間Tp及びベース期間Tbを1パルス周期Tfとして繰り返して溶接が行われる。
【0005】
マグパルス溶接を含む消耗電極アーク溶接では、溶接中のアーク長を適正値に維持することは良好な溶接品質を得るために重要である。このアーク長制御は、以下のように行われる。同図(B)に示す溶接電圧の平均値Vavはアーク長に略比例する。このために、溶接電圧平均値Vavを検出し、この溶接電圧平均値Vavが適正アーク長に相当するように予め定めた溶接電圧設定値Vr(図示は省略)と等しくなるように上記のベース期間Tbをフィードバック制御によって変化させている。ピーク期間Tpが所定値であるので、ベース期間Tbを制御することはパルス周期Tfを制御することと等価である。このために、このアーク長制御は周波数変調制御と呼ばれるのが一般的である。
【0006】
同図に示すマグパルス溶接において、1回のピーク電流Ipの通電に同期して1つの溶滴が移行する状態(いわゆる1パルス1溶滴移行の状態)になると、溶接状態が安定化し、スパッタ発生も非常に少なくなる。この1パルス1溶滴移行状態を作り出すためには、上記のピーク期間Tp、ピーク電流Ip及びベース電流Ibが適正値に設定されていることが重要である。さらに、1パルス1溶滴移行状態にするためには、上記のパルスアーク溶接用ワイヤを使用することも有益である。このパルスアーク溶接用ワイヤは、その組成成分を工夫して1パルス1溶滴移行状態になりやすくした溶接ワイヤである。また、これら以外の溶接条件として重要であるのは、溶接ワイヤの送給速度及びアーク長を設定する溶接電圧設定値Vrである。ワークが決まるとそれに最適な溶接電流平均値が決まり、これに対応して送給速度が決まる。この送給速度に対して適正なアーク長となるように溶接電圧設定値Vrが決定される。そして、この溶接電圧設定値Vrに基づいて、上述したアーク長制御が行われる。マグパルス溶接における主要な溶接条件を整理すると、ピーク期間Tp、ピーク電流Ip、ベース電流Ib、溶接ワイヤの種類、送給速度及び溶接電圧設定値Vrとなる。これらの溶接条件を適正値に設定することによって、良好な溶接品質を得ることができる。
【0007】
【特許文献1】特開平10−286671号公報
【特許文献2】特開2007−160350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したようにマグパルス溶接では、安定した溶接状態を得るために1パルス1溶滴移行状態になりやすいパルスアーク溶接用ワイヤを使用するのが理想的である。しかし、パルスアーク溶接用ワイヤは炭酸ガスアーク溶接用ワイヤ(JIS規格Z3312:1999、YGW11及びYGW12)に比べて価格が高いために、マグパルス溶接において炭酸ガスアーク溶接用ワイヤを使用することがある。この場合には、上述した溶接条件(ピーク期間Tp、ピーク電流Ip、ベース電流Ib、送給速度及び溶接電圧設定値Vr)を、炭酸ガスアーク溶接用ワイヤに適した値に変更する必要がある。しかし、マグパルス溶接用の溶接電源においては、上記の溶接条件はパルスアーク溶接用ワイヤを使用することが前提条件となって適正値が内蔵されている。このために、炭酸ガスアーク溶接用ワイヤを使用してマグパルス溶接を行うためには、上記の溶接条件を全て適正化する必要が生じる。このためには、長時間の溶接試験が必要であり、生産準備に多大な時間がかかるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明では、炭酸ガスアーク溶接用ワイヤを用いたときでも溶接条件の適正化を容易に行うことができるマグパルス溶接の溶接条件設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、第1の発明は、
溶接ワイヤを予め定めた送給速度で送給すると共に、予め定めたピーク期間中は予め定めたピーク電流を通電し、ベース期間中は予め定めたベース電流を通電し、これらの通電を1周期として繰り返し、溶接電圧平均値が予め定めた溶接電圧設定値と等しくなるように前記ベース期間を制御して溶接を行うマグパルス溶接の溶接条件設定方法において、
炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードを選択するワイヤ種類選択スイッチを設け、
前記炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードが選択されているときは前記ピーク期間を所定値だけ長くなるように修正する、
ことを特徴とするマグパルス溶接の溶接条件設定方法である。
【0011】
第2の発明は、前記炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードが選択されているときは前記溶接電圧設定値を所定値だけ大きくなるように修正する、
ことを特徴とする第1の発明記載のマグパルス溶接の溶接条件設定方法である。
【0012】
第3の発明は、前記炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードが選択されているときは前記送給速度を所定値だけ速くなるように修正する、
ことを特徴とする第1又は第2の発明記載のマグパルス溶接の溶接条件設定方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、マグパルス溶接において炭酸ガスアーク溶接用ワイヤを使用して溶接する場合でも、溶接電源に設けられたワイヤ種類選択スイッチをオンにして炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードを選択するだけで良好な溶接品質を得ることができる。この炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードでは、溶滴移行を安定化するためにピーク期間をパルスアーク溶接用ワイヤを使用するときよりも所定値だけ長くなるように修正する。また、溶接電圧設定値についても所定値だけ大きくなるように修正する。また、送給速度についても所定値だけ速くなるように修正する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係るマグパルス溶接の溶接条件設定方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
【0016】
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御による出力制御を行い、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑するコンデンサ、平滑された直流を上記の駆動信号Dvに従って高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を整流する2次整流器、整流された直流を平滑するリアクトルから構成される。溶接ワイヤ1は、ワイヤ送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生して溶接が行われる。
【0017】
ワイヤ種類選択スイッチSTは、オンされると炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードがせんたくされ、Highレベルのワイヤ種類選択信号Stが出力される。ワイヤ種類選択スイッチSTがオフされたときは、Lowレベルのワイヤ種類選択信号Stが出力される。
【0018】
溶接電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して平滑し、溶接電圧検出信号Vdを出力する。溶接電圧設定回路VRは、予め定めた溶接電圧設定信号Vrを出力する。電圧設定増加値設定回路DVRは、予め定めた電圧設定増加値設定信号ΔVrを出力する。電圧設定加算回路AVは、上記の溶接電圧設定信号Vr、上記の電圧設定増加値設定信号ΔVr及び上記のワイヤ種類選択信号Stを入力として、ワイヤ種類選択信号StがHighレベル(炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモード)のときは溶接電圧設定信号Vrの値と電圧設定増加値設定信号ΔVrの値とを加算して電圧制御設定信号Vcrとして出力し、Lowレベルのときは溶接電圧設定信号Vrを電圧制御設定信号Vcrとして出力する。電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧制御設定信号Vcrと上記の溶接電圧検出信号Vdとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。
【0019】
電圧・周波数変換回路VFは、上記の電圧誤差増幅信号Evを入力として、この電圧誤差増幅信号Evの値に応じた周波数を有するパルス周期信号Tfを出力する。このパルス周期信号Tfは、パルス周期ごとに短時間Highレベルになる信号である。ピーク期間設定回路TPRは、予め定めたピーク期間設定信号Tprを出力する。ピーク期間増加値設定回路DTPは、予め定めたピーク期間増加値設定信号ΔTpを出力する。ピーク期間加算回路ATは、上記のピーク期間設定信号Tpr、上記のピーク期間増加値設定信号ΔTp及び上記のワイヤ種類選択信号Stを入力として、ワイヤ種類選択信号StがHighレベル(炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモード)のときはピーク期間設定信号Tprの値とピーク期間増加値設定信号ΔTpの値とを加算してピーク期間制御設定信号Tpcとして出力し、Lowレベルのときはピーク期間設定信号Tprをピーク期間制御設定信号Tpcとして出力する。タイマ回路TMは、このピーク期間制御設定信号Tpc及び上記のパルス周期信号Tfを入力として、パルス周期信号TfがHighレベルになった時点からピーク期間制御設定信号Tpcによって定まる期間だけHighレベルになるタイマ信号Tmを出力する。したがって、このタイマ信号TmがHighレベルのときはピーク期間になり、Lowレベルのときはベース期間になる。
【0020】
ピーク電流設定回路IPRは、予め定めたピーク電流設定信号Iprを出力する。ベース電流設定回路IBRは、予め定めたベース電流設定信号Ibrを出力する。切換回路SWは、上記のタイマ信号Tm、上記のピーク電流設定信号Ipr及び上記のベース電流設定信号Ibrを入力として、タイマ信号TmがHighレベルのときはピーク電流設定信号Iprを電流制御設定信号Icrとして出力し、Lowレベルのときはベース電流設定信号Ibrを電流制御設定信号Icrとして出力する。溶接電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、溶接電流検出信号Idを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Icrと上記の溶接電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。駆動回路DVは、この電流誤差増幅信号Eiを入力としてパルス幅変調制御を行い、上記のインバータ回路を駆動するための駆動信号Dvを出力する。
【0021】
溶接電流平均値設定回路IRは、予め定めた溶接電流平均値設定信号Irを出力する。送給速度設定回路FRは、この溶接電流平均値設定信号Irを入力として、この値に対応した送給速度設定信号Frを出力する。送給速度増加値設定回路DFRは、予め定めた送給速度増加値設定信号ΔFrを出力する。送給速度設定加算回路AFは、上記の送給速度設定信号Fr、上記の送給速度増加値設定信号ΔFr及び上記のワイヤ種類選択信号Stを入力として、ワイヤ種類選択信号StがHighレベル(炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモード)のときは送給速度設定信号Frの値と送給速度増加値設定信号ΔFrの値とを加算して送給速度制御設定信号Fcrとして出力し、Lowレベルのときは送給速度設定信号Frを送給速度制御設定信号Fcrとして出力する。送給制御回路FCは、この送給速度制御設定信号Fcrを入力として、この値によって定まる送給速度で溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcをワイヤ送給モータWMに出力する。
【0022】
上記において、溶接ワイヤにパルスアーク溶接用ワイヤを使用するときは、ワイヤ種類選択スイッチSTをオフ状態にして、ワイヤ種類選択信号StをLowレベルにする。このときは、溶接条件は以下のようにして設定される。ピーク期間Tpは上記のピーク期間設定回路TPRによって設定され、ピーク電流Ipは上記のピーク電流設定回路IPRによって設定され、ベース電流Ibは上記のベース電流設定回路IBRによって設定され、溶接電圧平均値Vavは上記の溶接電圧設定回路VRによって設定され、送給速度は上記の送給速度設定回路FRによって設定される。これらの設定方法は、従来技術と同一である。すなわち、各溶接条件パラメータの適正値がプリセットされている。
【0023】
他方、溶接ワイヤに炭酸ガスアーク溶接用ワイヤを使用するときは、ワイヤ種類選択スイッチSTをオン状態にして、ワイヤ種類選択信号StをHighレベル(炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモード)にする。このときは、溶接条件は以下のようにして設定される。まず、ピーク電流Ip及びベース電流Ibの設定値はパルスアーク溶接用ワイヤを使用するときと同一値で良いので、ピーク電流設定回路IPR及びベース電流設定回路IBRによって設定される。しかし、ピーク期間Tp、溶接電圧平均値Vav及び送給速度は、パルスアーク溶接用ワイヤを使用するときの値から修正しなければならない。このために、炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードのときは、ピーク期間Tpは、上述したように、ピーク期間設定信号Tprにピーク期間増加値設定信号ΔTpを加算して、所定値だけ長くなるように修正される。同様に、溶接電圧平均値Vavは、上述したように、溶接電圧設定信号Vrに電圧設定増加値設定信号ΔVrを加算して、所定値だけ大きくなるように設定される。また、送給速度は、上述したように、送給速度設定信号Frに送給速度増加値設定信号ΔFrを加算して、所定値だけ速くなるように修正される。ピーク期間Tpを修正する理由は、炭酸ガスアーク溶接用ワイヤを使用したときに溶滴移行状態を安定かするためである。炭酸ガスアーク溶接用ワイヤは、パルスアーク溶接用ワイヤに比べて溶滴の移行が円滑ではないために、ピーク期間Tpを長くすることによって溶滴への入熱を大きくして移行を促進している。数値例を挙げると、1〜2ms程度のピーク期間を0.5ms程度長くする。溶接電圧平均値Vavを修正する理由は、適正アーク長に設定するためにはパルスアーク溶接用ワイヤを使用するときよりも溶接電圧平均値Vavを大きくする必要があるためである。数値例を挙げると、1〜2V程度大きくする。また、送給速度を修正する理由は、ワークに適した溶接電流平均値を得るためにはパルスアーク溶接用ワイヤを使用するときよりも送給速度を速くする必要があるためである。数値例を挙げると、10%程度速くする必要がある。上記のピーク期間Tp及び溶接電圧平均値Vavの増加値は、送給速度に連動して変化するようにしても良い。また、溶接ロボッを用いた溶接装置においては、上記のワイヤ種類選択信号Stをティーチペンダントによって設定するようにしても良い。
【0024】
上述した実施の形態によれば、マグパルス溶接において炭酸ガスアーク溶接用ワイヤを使用して溶接する場合でも、溶接電源に設けられたワイヤ種類選択スイッチをオンにして炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードを選択するだけで良好な溶接品質を得ることができる。この炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードでは、溶滴移行を安定化するためにピーク期間をパルスアーク溶接用ワイヤを使用するときよりも所定値だけ長くなるように修正する。また、溶接電圧についても、アーク長を適正かするために所定値だけ大きくなるように修正する。また、送給速度についても、溶接電流平均値を適正かするために所定値だけ速くなるように修正する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係るマグパルス溶接の溶接条件設定方法を実施するための溶接電源のブロック図である。
【図2】従来技術におけるマグパルス溶接の電流・電圧波形図である。
【符号の説明】
【0026】
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
AT ピーク期間加算回路
AV 電圧設定加算回路
DFR 送給速度増加値設定回路
DTP ピーク期間増加値設定回路
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
DVR 電圧設定増加値設定回路
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
Fcr 送給速度制御設定信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Ib ベース電流
IBR ベース電流設定回路
Ibr ベース電流設定信号
Icr 電流制御設定信号
ID 溶接電流検出回路
Id 溶接電流検出信号
Ip ピーク電流
IPR ピーク電流設定回路
Ipr ピーク電流設定信号
IR 溶接電流平均値設定回路
Ir 溶接電流平均値設定信号
Iw 溶接電流
PM 電源主回路
ST ワイヤ種類選択スイッチ
St ワイヤ種類選択信号
SW 切換回路
Tb ベース期間
Tf パルス周期(信号)
TM タイマ回路
Tm タイマ信号
Tp ピーク期間
Tpc ピーク期間制御設定信号
TPR ピーク期間設定回路
Tpr ピーク期間設定信号
Vav 溶接電圧平均値
Vcr 電圧制御設定信号
VD 溶接電圧検出回路
Vd 溶接電圧検出信号
VF 電圧・周波数変換回路
Vp ピーク電圧
Vp ベース電圧
VR 溶接電圧設定回路
Vr 溶接電圧設定(値/信号)
Vw 溶接電圧
WM ワイヤ送給モータ
ΔFr 送給速度増加値設定信号
ΔTp ピーク期間増加値設定信号
ΔVr 電圧設定増加値設定信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接ワイヤを予め定めた送給速度で送給すると共に、予め定めたピーク期間中は予め定めたピーク電流を通電し、ベース期間中は予め定めたベース電流を通電し、これらの通電を1周期として繰り返し、溶接電圧平均値が予め定めた溶接電圧設定値と等しくなるように前記ベース期間を制御して溶接を行うマグパルス溶接の溶接条件設定方法において、
炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードを選択するワイヤ種類選択スイッチを設け、
前記炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードが選択されているときは前記ピーク期間を所定値だけ長くなるように修正する、
ことを特徴とするマグパルス溶接の溶接条件設定方法。
【請求項2】
前記炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードが選択されているときは前記溶接電圧設定値を所定値だけ大きくなるように修正する、
ことを特徴とする請求項1記載のマグパルス溶接の溶接条件設定方法。
【請求項3】
前記炭酸ガスアーク溶接用ワイヤモードが選択されているときは前記送給速度を所定値だけ速くなるように修正する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のマグパルス溶接の溶接条件設定方法。

【図1】
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【図2】
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