説明

マスクの回収システムと回収方法

【課題】
サーバを用い、顧客からのマスクの回収依頼を受け付け、出庫や回収作業、回収確認作業、顧客への閲覧などの一連の回収作業を確実に実施する。
【解決手段】
サーバ1は、顧客端末5からネットワークを介して品種終息に係るマスク6の回収依頼を受けてストッカ2に該マスク6の出庫指示と、回収手段3に該マスク6の回収指示と、回収確認手段4からの回収確認情報を該顧客端末5に公開するものであり、ストッカ2は、該マスク6を貯蔵しているものであり、回収手段3は、該マスク6に描かれたマスクパターンを読取不能に破壊して回収するものであり、回収確認手段4は、該のマスク6が、顧客が確認可能に破壊され回収されたことを認証するものであるようにマスクの回収システムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造に際して用いる露光用のフォトマスク(以下、マスクという)の管理に係わり、特にセキュリティ管理が厳格な自社用のマスクおよび受託ビジネスにおいて使用されるマスクの安全な回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置に実装される半導体チップの製造工程において、ウェーハプロセスの露光工程において用いられるマスクには、そのマスクを使用して露光作業を行う半導体製造工場の現場のほかに、マスクを設計したりマスクを発注したりする複数の部門が関わっている。つまり、マスクは自社で設計するが、マスクの製造は社外のマスク製造会社に外注することが一般的に行われている。
【0003】
ところで、マスクを用いて半導体チップを製造する現場では、半導体装置の製造に関わる露光用のマスクをレチクルと呼び、半導体装置の一つの品種に数十枚のレチクルをセットにして取り扱われる。レチクルは層ごとに改版が行われたものなどをいろいろに組み合わせて使用する。従って、レチクルの管理は非常に重要であり、活きて使用している版のレチクルと廃版になったレチクルとを慎重に管理するための提案もなされている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、半導体装置の製造に用いるマスクは、企業機密が詰まった著作権物の一種と認識されている。そのため、近年、半導体装置のセキュリティ強化に伴い、マスクを製造現場でどのように管理するかがますます重要になっている。
【0005】
さらに加えて、品種終息となった半導体装置のマスクを回収してマスクパターンを剥離するなどの破壊を行って廃版することについては、マスクを一葉ごとに確実に回収が実施されたことを証明することがセキュリティ上必要になってきている。
【0006】
従来、顧客に対して、マスクの回収を確実に行ったことを実証する処理方法としては、主に以下の四つの方法が行われていた。つまり、
(1)マスクを機械的に破砕し、カメラで撮影して画像データ化して顧客に送付する。
(2)マスクの現物を顧客に返却する。
(3)顧客立ち会いの下で、マスクを破砕する。
(4)顧客立ち会いの下で、デバイスパターンの剥離処理を行ってベアガラス基板に戻す。
【0007】
このように、セキュリティ管理が厳格なマスクについては、従来の回収処理方法を検証してみると幾つかの課題がある。
【特許文献1】特開2004−70026号公報(〔特許請求の範囲〕および〔発明の詳細な説明〕参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
つまり、従来の回収方法の(1)の場合には、破損したマスクの画像データから、マスクを確実に破損したことを証明することは困難である。特に、セキュリティ管理が厳格なマスクでは、顧客ビジネス保護のためにも確実な廃棄が必要である。また、破損後はCr膜などが付着されたままの廃棄となり、環境上の問題もある。
【0009】
次いで、従来の回収方法の(2)については、特に海外の顧客の場合には、外国為替および外国貿易法の規定から、各種書類を用意する必要があり、返却までに多大の工数を要する。また、返却されたマスクは、顧客側が受け取り後に廃棄などの処置をする必要があり手間隙が掛かる不具合がある。
【0010】
次いで、従来の回収方法の(3)と(4)については、顧客が回収処理をする度に現場に立ち会うために、時間的にも経費的にも負担が重い不具合を生じる。
【0011】
一方、半導体装置の製造会社は多量のマスクを保有しており、品種終息のマスクを保管することは、保管場所や保管管理に要する工数や費用に無駄を生じていた。
【0012】
そこで、本発明は、人手を煩わせずサーバを用いて、顧客端末からのマスクの回収依頼の受付、ストッカからの出庫と回収手段による回収作業の指示、回収確認手段による回収実績の確認と登録、顧客による確認のための閲覧などの一連の回収作業を確実に実施する回収システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上で述べた課題は、サーバとストッカと回収手段と回収確認手段とを有し、該サーバは、端末からネットワークを介してマスクの回収依頼を受けて該ストッカに該マスクの出庫指示と、該回収手段に該マスクの回収指示と、該回収確認手段からの回収確認情報を該端末に公開するものであり、該ストッカは、該マスクを保管しているものであり、該回収手段は、該マスクに描かれたマスクパターンを読取不能に破壊するものであり、該回収認証手段は、該マスクが、破壊され回収されたことを認証するものであるように構成されたマスクの回収システムによって解決される。
【0014】
つまり、品種終息に係るマスクの回収依頼を顧客端末からのネットワークを介してサーバで受け付けるようにしている。そして、サーバからは、ストッカに対してはマスクの出庫の指示と、回収手段に対して当該マスクの破壊指示とを出力するようにしている。回収手段は、当該マスクを読取不能に破壊するものであり、回収認証手段は、映像データなどとして回収が完了した回収完了情報をサーバに戻し、顧客が閲覧したとき確認可能に認証するようにしている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、顧客がネットワークを介して、例えば、不要と判断または品種終息するマスクの回収依頼と、確実に回収された確認とを行うことができる。また、顧客からの回収依頼は、ネットワークを介して結ばれたサーバによって、ストッカや回収手段に順次指示され、確実に回収されたことを回収確認手段によって確認して登録され、顧客が閲覧できる。
【0016】
従って、マスクの回収作業に人の移動や時間の消費が抑えられ、回収作業の確実性と効率化に対して大きな効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の回収システムの第一の実施例の模式図、図2は本発明の回収システムの第二の実施例の模式図、図3は本発明の回収システムの第三の実施例の模式図、図4は本発明の回収システムの第四の実施例の模式図、図5は本発明の回収システムの第五の実施例の模式図である。
【0018】
図中、1はサーバ、11は第一のサーバ、12は第二のサーバ、13は第三のサーバ、2はストッカ、3は回収手段、31は回収装置、4は回収確認手段、41は回収確認装置、5は顧客端末、6はマスク、61はベアガラス基板、7は半導体装置の製造会社、71はマスクの製造会社、72はマスクの回収会社、73はマスクの基板会社、81〜95は矢印である。
【0019】
なお、図の中の矢印81〜95は、構成要素から構成要素への指示などの情報、画像や数値などのデジタル化されたデータ、具体的なもの、の流れとその方向を模式的に示したものである。
【0020】
本発明の第一のサーバ11、第二のサーバ12及び第三のサーバ13を構成するハードウェアとしては、CPUと、ROMと、RAMと、HDD(ハードディスクドライブ)と、HD(ハードディスク)と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)と、ディスプレイと、I/F(インタフェース)と、キーボードと、マウスとを備えている。また、各構成部はバスによってそれぞれ接続されている。
第一のサーバ11、第二のサーバ12及び第三のサーバ13のCPUは、それぞれサーバの制御を司る。ROMは、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAMは、CPUのワークエリアとして使用される。HDDは、CPUの制御にしたがってHDに対するデータのリード/ライトを制御する。HDは、HDDの制御で書き込まれたデータを記憶する。FDDは、CPUの制御にしたがってFDに対するデータのリード/ライトを制御する。FDは、FDDの制御で書き込まれたデータを記憶したり、FDに記録されたデータを情報処理装置へ読み取らせたりする。着脱可能な記録媒体として、FDのほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリーカードなどであってもよい。ディスプレイは、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータに関するウインドウ(ブラウザ)を表示する。たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどである。そして、上記ROM、RAM、HD、FDなどに格納されたマスク回収管理プログラムをCPUが実行することによってその機能を実現する。
【0021】
また、各種マスク管理データベース120、剥離作業データベース130に格納される各種データおよびデータテーブルの一部は、ワークエリア的な目的で使用されるRAMに必要に応じて生成消去されることもある。
【0022】
I/F(インタフェース)は、通信回線を通じてLANやインターネットなどのネットワークに接続され、ネットワークを介して、他の情報処理装置(サーバなど)に接続される。
【0023】
そして、I/Fは、ネットワークと内部とのインタフェースを司り、他のサーバや情報端末装置からのデータの入出力を制御する。I/Fは、たとえばモデムなどである。また、情報提供装置が携帯電話機などと無線通信をおこなう場合には、I/Fが通信機(無線送受信機)としての機能も備える。
【0024】
キーボードは、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。タッチパネル式の入力パッドなどであってもよい。マウスは、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウインドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様の機能を備えるものであれば、トラックボール、ジョイスティックなどであってもよい。
〔第一の実施の形態〕
図1において、サーバ1には3台のサーバをネットワークを介して結んで用いており、第一のサーバ11と第二のサーバ12は、会社Aに配置しており、第三のサーバ13はB社に配置されている。ここで示した例では、A社は半導体装置の製造会社7であり、B社はマスクの製造会社71であり、回収手段3や回収確認手段4も備わっている。
【0025】
顧客が顧客端末5からA社の第一のサーバ11にアクセスし、マスク6の回収依頼を行うと矢印81に沿って第二のサーバ12に送られて登録される。そして、第二のサーバ12から矢印82に沿って関係者とストッカ2、および矢印83に沿ってB社に配置された第三のサーバ13に回収依頼があったことを通知する。ストッカ2では指示されたマスク6の出庫処理行い、現物を出庫して矢印84に沿ってB社に送付する。
【0026】
マスク6を受け取ったB社では、回収手段3によって回収作業を行う。この回収にはマスク6を機械的に破砕する方法もあるが、一般的な回収手段3はマスク上のCrパターンやエマルジョンパターンを基板から剥離して読み取り不能にするもので、例えば、薬剤によって剥離を行う回収装置31を用いる。
【0027】
次いで、マスク6の剥離回収が終わると、確実に回収したことが確認できるように、回収確認手段4によって確認処理を行う。一般的には、例えば、ビデオカメラなどの回収確認装置41によって行う。撮影した映像は、矢印85を経由してデジタルデータ化されて第三のサーバ13に登録される。
【0028】
第三のサーバ13では、回収確認手段4から登録された回収処理の確認情報を回収実績情報として矢印86に沿ってA社の第二のサーバ12に通知する。第二のサーバ12は通知を受けた回収実績情報を顧客が閲覧できるように登録するとともに、矢印87に沿って顧客端末5に回収完了のメール通知をする。顧客は第一のサーバ11にアクセスすれば、第二のサーバ12に登録されている回収実績情報を顧客端末5から適宜できる。
【0029】
この第一の実施例の工程によれば、顧客は半導体装置の製造会社7であるA社の第一のサーバ11に顧客端末5から回収依頼を入力するのみで、それ以外に手を煩わせることはない利便性がある。
【0030】
しかも、A社においても、第一のサーバ11から第二のサーバ12を介してマスクの製造会社71であるB社に回収依頼を通知するとともに、顧客から回収依頼のあったマスク6を送付すれば、確実に回収した実績を第二のサーバ12に回収実績情報として入手できる。
【0031】
以下に詳細に説明する。
【0032】
半導体装置の製造会社7であるA社の第二のサーバ12は、マスク管理データベース120を有する。マスク管理データベース120は、マスク6に関する情報、及びマスク6の回収状況を管理するものである。
【0033】
図6に第一の実施例のサーバ12が有するマスク管理データベース120の構成図を示す。
【0034】
マスク管理データベース120は、製品名1201、版数1202、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、関係者連絡先1205、回収依頼有無1206、回収可否1207、顧客連絡先1208、ストッカアドレス1209、画像ファイル名1210、回収日1211から構成される。
【0035】
製品名1201は、半導体の製品を識別するためのものである。識別可能であれば番号でもよい。版数1202は、半導体製品あるいはマスク6の版数1202である。
【0036】
フォトマスク名1203は、マスク6を識別するための名前である。一つの半導体は複数のマスク6から製造される場合があり、複数のマスク6について複数分データベースで管理される。マスクロット番号1204は、マスク6毎に付された番号である。
【0037】
関係者連絡先1205は、マスク管理データベース120の現在のデータレコードに対応する半導体製造の管理をする者の連絡先である。関係者とは、例えば半導体製造会社社内の該マスク6に対応する半導体製造の担当者である。連絡先とは、メールアドレス、電話番号、FAX番号等である。また、関係者は、部門、複数人である場合もある。なお、従業員管理のサーバと連携をさせる方式も可能である。
【0038】
回収依頼有無1206は、顧客からのマスク6の回収依頼があった場合に回収依頼有となる情報である。
【0039】
回収可否1207は、対象のマスク6に対応する関係者が、顧客からの回収依頼があった場合に回収の可否を判断し、登録する情報である。この情報に基づき、マスク6回収の可否を決定する。顧客が誤って指示した場合の対策のためである。
【0040】
顧客連絡先1208は、対象の半導体製品製造の依頼をした顧客の連絡先を登録したものである。例えば、顧客会社名、顧客メールアドレス、顧客FAX番号、顧客電話番号等である。顧客端末5に対する連絡を含む。なお、顧客管理のデータベースを別に有しており、顧客識別子に対応させて、顧客管理データベースにアクセスする方式も可能である。
【0041】
ストッカアドレス1209は、マスク6が保管されているストッカ2のアドレスを記憶したものである。マスク6納入時等にストッカアドレス1209が決定され、マスク管理データベース120に登録される。なお、複数のストッカ2がある場合は、各ストッカ2毎に識別するアドレスも要する。
【0042】
画像ファイル名1210は、マスク6の剥離処理が完了した後で、剥離されたマスク6の画像がマスク管理データベース120に登録されるが、該画像ファイルのファイル名である。
【0043】
回収日1211は、B社にて剥離処理が完了した日である。
【0044】
次にマスクの回収処理が始まるまでのマスク管理データベースの登録状態を説明する。
【0045】
顧客から新規半導体の製造依頼があった場合、A社がマスク6を納入した時点で、製品名1201、版数1202、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、関係者連絡先1205、顧客連絡先1208、ストッカアドレス1209がサーバ12のマスク管理データベース120に登録される。
【0046】
図6(a)にマスク管理データベース120に登録された状態を示す。
【0047】
その後、顧客から回収依頼がなされるまで、A社は、従来と同様に製造等を行う。
【0048】
次に、マスク6回収処理の流れを説明する。
【0049】
図7に第一、第三、第四、第五の実施例におけるサーバ12のフローチャートを示す。
【0050】
本フローチャートは、A社が顧客からマスク6の回収依頼を受けてから、B社にマスク6を送付するまでの処理を示す。
【0051】
まず、顧客が回収したいマスク6が発生した場合、顧客は、顧客ID、パスワード等を顧客端末5に入力して、A社の外部関係者用サーバであるサーバ11が有するマスク回収受付システムにログインする。マスク回収受付システムは、マスク6の回収依頼を受付けるとともに、顧客がマスク6の画像データの閲覧をマスク6の回収完了後に依頼した場合には、その画像データを表示するものである。顧客は、顧客が回収したいマスク6に対応する半導体の製品名1201、版数1202を顧客端末5に入力して、サーバ11に対して回収依頼を送信する。
【0052】
サーバ11は、半導体の製品名1201、版数1202を含む回収依頼を顧客から受信すると内部関係者用サーバ12に対して、製品名1201、版数1202を送信する。
【0053】
サーバ12では、マスク管理データベース120に製品名1201、版数1202が該当するデータレコードがあるか否かを判断し、データレコードに存在しない場合には、サーバ11に対して存在しない旨の情報を返信し、再度の入力を求める。
【0054】
この際、サーバ11のマスク回収受付システムにログインした時点で、顧客を識別し、顧客情報が合致する半導体の製品名1201、版数1202をサーバ12が有するマスク管理データベース120のデータレコードを検索し、顧客端末5の画面にリスト表示することも可能である。この場合では、顧客が、画面にリスト表示された半導体製品の中から選択するような表示とすることも可能である。
【0055】
一方、サーバ12は、マスク管理データベース120にサーバ11から受信した製品名1201、版数1202が合致するデータレコードが存在すると判断した場合は、サーバ11から製品名1201、版数1202を含む回収依頼として受信する(S101)。
【0056】
回収依頼を受信すると、マスク管理データベース120の回収依頼有無1206を回収依頼「有」と登録する(S102)。
【0057】
図6(b)にマスク管理データベース120の回収依頼有無1206に回収依頼「有」と登録された状態を示す。
【0058】
次に、サーバ12は、現在のデータレコードに基づき、A社内の関係者連絡先1205、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204を検索し、関係者連絡先1205にフォトマスク名1203、マスクロット番号1204と回収依頼があった旨の情報を送信する(S103)。
【0059】
S103の通知を受けた関係者は、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204に基づきマスクの回収の可否を判定し、マスク管理データベース120の回収可否1207確認情報としてサーバ12へ送信する。サーバ12は、S103の関係者から受信した(S104)回収可否1207確認情報に基づき、マスク6回収の可否を判定する(S105)。
【0060】
図6(c)にマスク管理データベース120の回収可否1207が登録された状態を示す。
【0061】
関係者から受信したマスク6回収の回収可否1207確認情報が「不可」だった場合(S105:No)には、製品名1201、版数1202を含む回収不可情報を顧客連絡先1208に通知する(S106)。一方、関係者から受信したマスク6回収の回収可否1207確認情報が「可」だった場合(S105:Yes)には、マスク6回収依頼に関する事前連絡としてB社のサーバ13にフォトマスク名1203、マスクロット番号1204を通知する(S107)。
【0062】
サーバ12は、フォトマスク名1203の回収の為の出庫依頼をストッカ2に対して通知する。出庫依頼は、マスク管理データベース120のデータレコードのストッカアドレス1209を通知する(S108)。ストッカ2は、出庫指示を受領するとストッカアドレス1209に該当するマスク6をストッカ2から取出し作業を行う。
【0063】
取り出されたマスク6は、B社に送付される。
【0064】
次に、マスク6の製造会社71であるB社でのマスク6回収処理に関する処理を説明する。
【0065】
図8に第一、第二、第四、第五の実施例におけるサーバ13のフローチャートを示す。これは、第一の実施例におけるB社におけるマスク6回収処理に関するものである。
【0066】
B社のサーバ13は、S106でサーバ12から通知されたフォトマスク名1203、マスクロット番号1204を受領すると(S201)、サーバ13の剥離作業データベース130に新規登録する(S202)。
【0067】
図18に第一の実施例のサーバ13が有する剥離作業データベース130の構成例を示す。
【0068】
剥離作業データベース130は、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204を基準として、画像ファイル名1210、回収日1211とがデータレコードとして構成される。
【0069】
B社のマスク6に関する剥離作業者は、A社から送付されたマスク6を受領すると回収手段3である回収装置31によりマスクの剥離処理を行う。その際、回収確認手段4である回収確認装置41により剥離処理時の画像データを取得する。
【0070】
B社では、A社から送付されたマスク6を受領後、剥離担当者が回収手段3の回収装置31により剥離処理を行う。剥離担当者はその剥離処理と同時に回収確認手段4の回収確認装置41により剥離されたマスク6を撮影し、そのマスク6の剥離画像データをフォトマスク名1203、マスクロット番号1204、画像ファイル名1210、回収日1211とを関連付け剥離作業データベースに登録する(S203)。
【0071】
サーバ13は、登録されたフォトマスク名1203、マスクロット番号1204、画像ファイル名1210、回収日1211及び剥離画像ファイルを回収完了の通知としてサーバ12へ送信する(S204)。
【0072】
次に、A社での剥離画像登録処理の続きについて説明する。
【0073】
図9は、第一、第三の実施例におけるサーバ12のフローチャート(2)を示す。B社から回収完了の通知があった後のA社での剥離画像登録処理のフローチャートである。
【0074】
サーバ12は、サーバ13からフォトマスク名1203、マスクロット番号1204、画像ファイル名1210、回収日1211及び剥離画像ファイルを受信すると、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204に対応するマスク管理データベース120のレコードに対して、画像ファイル名1210、回収日1211を登録し、剥離画像ファイルはデータ保存する(S301)。
【0075】
図6(d)にマスク管理データベース120の画像ファイル名1210及び回収日1211が登録された状態を示す。
【0076】
サーバ12は、回収依頼があった製品名1201、版数1202等が合致する全てのマスク6について、回収完了登録されたか、すなわち、製品名1201、版数1202等が合致する全てのデータレコードについて画像ファイル名1210及び回収日1211がマスク管理データベース120に登録されたか否かを判定する(S302)。
【0077】
全ての回収が完了していない場合(S302:No)、全てのマスク6についての回収完了が登録されるまで待つ。一方、全ての回収が完了した場合(S302:Yes)、製品名1201、版数1202、回収日1211及び剥離処理完了の旨を顧客連絡先1208に通知する(S303)。
【0078】
また、S302については、マスク6の回収作業が一枚完了する毎に顧客に通知する方式も可能である。S303の処理は、サーバ12が直接顧客端末5に送信する方式も可能であるし、サーバ11を介して顧客端末5に送信する方式も可能である。
【0079】
以上の処理により、A社は、剥離処理結果を容易に管理することが可能となると共に顧客に自動通知することが可能となる。
【0080】
顧客は、剥離されたマスク6の剥離画像を確認したい場合は、顧客端末5によりサーバ11のマスク6回収受付システムにログインし、製品名1201、版数1202及び画像閲覧依頼を入力する。
【0081】
サーバ12は、サーバ11から製品名1201、版数1202、画像閲覧依頼を受信すると、マスク管理データベース120から製品名1201、版数1202該当するデータレコードを抽出し、データレコードの画像ファイル名1210を読み込み、画像ファイル名1210と対応する画像ファイルをサーバ11に送信する。
〔第二の実施の形態〕
図2において、サーバには2台のサーバをネットワークを介して結んで用いており、第一のサーバ11と第二のサーバ12はA社に配置され、A社には回収確認手段4も配置している。B社は回収手段3を備えている。つまり、ここで示した例では、A社は半導体装置の製造会社7であり、B社はマスクの回収会社72である。
【0082】
顧客が顧客端末5からA社の第一のサーバ11にアクセスし、品種終息するマスク6の回収依頼を行うと第二のサーバ12に登録される。その際、顧客が任意に指定した文字も一緒に登録する。ストッカ2では、指示されたマスク6の出庫処理行う。マスク6は、回収確認手段4によって、顧客に指定された文字をマスクIDの近傍に、例えば、レーザ刻印する。そして、一つの画像内に収まるように、例えば、ビデオカメラなどの回収確認装置41によって撮影をしてから矢印84に沿ってB社に送付する。
【0083】
マスク6を受け取ったB社では、回収手段3によって回収作業を行う。この回収にはマスク6を機械的に破砕する方法もあるが、一般的な回収手段3はマスク上のCrパターンやエマルジョンパターンを基板から剥離して読み取り不能にするもので、薬剤によって剥離を行う回収装置31を用いる。B社では、マスク6の剥離回収が終わると、ベアガラス基板61を矢印88に沿ってA社に送付する。
【0084】
ベアガラス基板61を受け取ったA社では、確実に回収したことを確認できるように、再度回収確認手段4によって確認処理を行う。一般的には、例えば、ビデオカメラなどの回収確認装置41によって行い、顧客からの指定文字と同一画像内で撮影した画像は矢印89に沿ってデジタルデータ化されて第二のサーバ12に登録される。
【0085】
顧客は、顧客端末5によって第一のサーバ11をアクセスすれば、第二のサーバ12に登録されている指定文字が刻印された画像、つまり、回収されたベアガラス基板61と元のマスク6との画像を照合することによって回収処理が確実に実行されたことが確認できる。
【0086】
サーバ12は、マスク管理データベース120を有する。
【0087】
図10に、第二の実施例のサーバ12が有するマスク管理データベース120の構成図を示す。
【0088】
マスク管理データベース120は、製品名1201、版数1202、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、関係者連絡先1205、回収依頼有無1206、回収可否1207、顧客連絡先1208、ストッカアドレス1209、剥離前画像ファイル名1212、剥離後画像ファイル名1213、任意文字1214、回収日1211から構成される。
【0089】
マスク管理データベース120を構成する項目の内、第一の実施例と同じ項目名については、同じ機能であるため、説明を省略する。
【0090】
第二の実施例のマスク管理データベース120は、剥離前画像ファイル名1212、剥離後画像ファイル名1213、任意文字1214、とが第一の実施例のマスク管理データベース120と異なる。
【0091】
剥離前画像ファイル名1212は、剥離前のマスク6画像を記録した画像データファイルのファイル名である。剥離前のマスク6にCO2レーザにより任意文字1214が刻印され、マスク6に刻印された任意文字1214が認識可能となるようにマスク6を撮影し、画像データ化されたものである。
【0092】
剥離後画像ファイル名1213は、剥離後のマスク6画像を記録した画像データファイルである。マスク6の剥離前画像と同じレイアウトとなるように撮影されたものである。
【0093】
任意文字1214は、顧客が、回収依頼時に入力する任意の文字列である。文字に限定されず図形でも可能だが、本実施例では文字列とする。なお、マスク一枚ごとに異なる文字列とすることも可能である。
【0094】
次にマスクの回収処理が始まるまでのマスク管理データベース120の登録状態を説明する。
【0095】
顧客から新規半導体の製造依頼があった場合、A社がマスク6を納入すると、製品名1201、版数1202、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、関係者連絡先1205、顧客連絡先1208、ストッカアドレス1209がサーバ11のマスク管理データベース120に登録される。
【0096】
図10(a)にマスク管理データベース120に登録された状態を示す。
【0097】
顧客から回収依頼がなされるまで、A社は、従来と同様に製造等を行う。
【0098】
次に、マスク6回収処理の流れを説明する。
【0099】
図11に第二の実施例におけるサーバ12のフローチャートを示す。本フローチャートでは、マスク6回収依頼を受けてから回収業者にマスク6を送付するまでを説明する。
【0100】
まず、顧客が回収したいマスク6が発生した場合、顧客は、顧客ID、パスワード等を顧客端末5に入力して、A社の外部関係者用サーバであるサーバ11が有するマスク回収受付システムにログインする。マスク回収受付システムは、マスク6の回収依頼を受付けるとともに、顧客がマスク6の画像データの閲覧をマスク6の回収完了後に依頼した場合には、その画像データを表示するものである。顧客は、顧客が回収したいマスク6に対応する半導体の製品名1201、版数1202、任意文字1214を顧客端末5に入力して、サーバ11に対して回収依頼を送信する。任意文字1214は、後にCO2レーザでマスク6に任意文字1214を入力するときに使用される文字、文字列、あるいは図形である。
【0101】
サーバ11は、半導体の製品名1201、版数1202を含む回収依頼を顧客から受信すると内部関係者用サーバ12に対して、製品名1201、版数1202を送信する。
【0102】
サーバ12では、マスク管理データベース120に製品名1201、版数1202が該当するデータレコードがあるか否かを判断し、データレコードに存在しない場合には、サーバ11に対して存在しない旨の情報を返信し、再度の入力を求める。
【0103】
この際、サーバ11のマスク回収受付システムにログインした時点で、顧客を識別し、顧客情報が合致する半導体の製品名1201、版数1202をサーバ12が有するマスク管理データベース120のデータレコードを検索し、顧客端末5の画面にリスト表示することも可能である。この場合では、顧客が、画面にリスト表示された半導体製品の中から選択するような表示とすることも可能である。
【0104】
一方、サーバ12は、マスク管理データベース120にサーバ11から受信した製品名1201、版数1202が合致するデータレコードが存在すると判断した場合は、サーバ11から製品名1201、版数1202、任意文字1214を含む回収依頼として受信する(S401)。
【0105】
回収依頼を受信すると、マスク管理データベース120の回収依頼有無1206を回収依頼「有」と登録する(S402)。
【0106】
図10(b)にマスク管理データベース120の回収依頼有無1206に回収依頼「有」と登録され、任意文字1214が登録された状態を示す。
【0107】
次に、サーバ12は、現在のデータレコードに基づき、A社内の関係者連絡先1205、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204を検索し、関係者連絡先1205にフォトマスク名1203、マスクロット番号1204と回収依頼があった旨の情報を送信する(S403)。
【0108】
S403の通知を受けた関係者は、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204に基づきマスクの回収の可否を判定し、マスク管理データベース120の回収可否1207確認情報としてサーバ12へ送信する。サーバ12は、S403の関係者から受信した(S404)回収可否1207確認情報に基づき、マスク6回収の可否を判定する(S405)。
【0109】
図10(c)にマスク管理データベース120の回収可否1207が登録された状態を示す。
【0110】
関係者から受信したマスク6回収の回収可否1207確認情報が「不可」だった場合(S405:No)には、製品名1201、版数1202を含む回収不可情報を顧客連絡先1208に通知する(S406)。一方、関係者から受信したマスク6回収の回収可否1207確認情報が「可」だった場合(S405:Yes)には、マスク6回収依頼に関する事前連絡としてB社のサーバ13にフォトマスク名1203、マスクロット番号1204を通知する(S407)。
【0111】
サーバ12は、フォトマスク名1203の回収の為の出庫依頼をストッカ2に対して通知する。出庫依頼は、マスク管理データベース120のデータレコードのストッカアドレス1209を通知する(S408)。ストッカ2は、出庫指示を受領するとストッカアドレス1209に該当するマスク6をストッカ2から取出し作業を行う。
【0112】
取り出されたマスク6は、B社に送付される。
【0113】
ストッカ2から出されたマスク6は、任意文字1214が刻印される。本実施例では、CO2レーザを用いてマスク6に任意文字1214を刻印する。
【0114】
任意文字1214が刻印されたマスク6について任意文字1214が見えるように撮影し、マスク6の剥離前画像ファイル名1212としてマスク管理データベース120に登録され、剥離前画像ファイルは格納される(S409)。
【0115】
図10(d)にマスク管理データベース120に剥離前画像ファイル名1212が登録された状態を示す。
【0116】
登録された画像は、顧客に公開すべく、顧客に通知される(S410)。剥離画像前の画像ファイルを確認できることにより、剥離作業の確実性が増し、顧客の確認も容易となるためである。
【0117】
その後、マスク6はB社に送付される。
【0118】
B社では、回収手段3の回収装置31を用いて通常の剥離処理を行い、剥離処理を行った後のベアガラス基板61はA社に返送される。
【0119】
図12は、第二の実施例におけるサーバ12のフローチャート(2)を示す。B社から回収完了の通知があった後のA社での剥離画像登録処理のフローチャートである。
【0120】
A社の関係者は、剥離処理後のベアガラス基板61について、剥離前画像データ1212と同じアングルでベアガラス基板61上の任意文字1214の刻印が見えるように撮影し、撮影された画像ファイルは格納され、そのファイル名は剥離後画像データ1213としてサーバに登録される(S501)。
【0121】
図10(e)にマスク管理データベース120に剥離後画像ファイル名1213が登録された状態を示す。
【0122】
全ての回収が完了していない場合(S502:No)、全てのマスク6についての回収完了が登録されるまで待つ。
【0123】
一方、全ての回収が完了した場合(S502:Yes)、製品名1201、版数1202、回収日1211及び剥離処理完了の旨を顧客連絡先1208に通知する(S503)。
【0124】
また、S302については、マスク6の回収作業が一枚完了する毎に顧客に通知する方式も可能である。S303の処理は、サーバ12が直接顧客端末5に送信する方式も可能であるし、サーバ11を介して顧客端末5に送信する方式も可能である。
【0125】
顧客は、剥離されたマスク6を確認したい場合は、顧客端末5によりサーバ11のマスク6回収受付システムにログインし、製品名1201、版数1202、画像閲覧依頼を入力する。
【0126】
サーバ12は、サーバ11から製品名1201、版数1202、画像閲覧依頼を受信すると、マスク管理データベース120から製品名1201、版数1202該当するデータレコードを抽出し、データレコードの画像ファイル名1210を読み込み、剥離前画像ファイル名1212、剥離後画像ファイル名1213と対応する画像ファイルをサーバ11に送信する。
〔第三の実施の形態〕
図3において、サーバには3台のサーバをネットワークを介して結んで用いている。第一のサーバ11と第二のサーバ12は、会社Aに配置しており、第三のサーバ13は、回収手段3や回収確認手段4とともに会社Bに配置している。ここで示した例では、A社は半導体装置の製造会社7であり、B社はマスクの製造会社71である。また、B社がA社へ矢印90に沿ってマスク6を納入する関係になっている。
【0127】
B社はマスク6用の基板を購入する際に、基板そのものが特定できるように、例えば、通し番号付きのバージン基板62を購入して管理している。A社はB社からマスク6が納入されると、第二のサーバ12にマスク6のそれぞれの通し番号とマスクIDを登録し、顧客に公開閲覧できるようにするとともに、マスク6は矢印91を経由してストッカ2に保管する。
【0128】
顧客が顧客端末5からA社の第一のサーバ11にアクセスし、マスク6の回収依頼を行うと回収依頼は矢印81に沿って第二のサーバ12に登録される。そして、第二のサーバ12からは、矢印82に沿ってストッカ2、および矢印83に沿ってB社に配置された第三のサーバ13に回収依頼があったことを通知する。ストッカ2では指示されたマスク6の出庫処理行い、現物を出庫して矢印84を経由してB社に送付する。
【0129】
マスク6を受け取ったB社では、マスクパターンが読み取り不能になるように回収手段3によって回収作業を行う。一般的な回収手段3は前記の実施例と同様に回収装置31を用いてパターンの剥離を行い、ベアガラス基板61とする。
【0130】
マスク6の剥離回収が終わると、確実に回収したことが確認できるように、回収確認手段4によって確認処理を行う。一般的には、例えば、ビデオカメラなどの回収確認装置41によってベアガラス基板61の通し番号とマスクIDなどのマスク情報を1画面に納めて撮影する。撮影画像とマスク情報は、矢印85に沿って第三のサーバ13に登録する。
【0131】
第三のサーバ13では、回収確認手段4から登録された回収処理の確認情報を回収実績情報として矢印86に沿ってA社の第二のサーバ12に通知する。第二のサーバ12は通知を受けた回収実績情報を顧客が閲覧できるように登録する。顧客は、第一のサーバ11にアクセスすれば、第二のサーバ12に登録されている回収実績情報、つまり、ベアガラス基板61の基板の通し番号とマスクIDなどのマスク情報と、回収前のマスク6のマスク情報とを照合し、回収が確実に行われていることを適宜顧客端末5から確認できる。
【0132】
サーバ12は、マスク管理データベース120を有する。
【0133】
図13に第三の実施例におけるサーバ12が有するマスク管理データベース120の構成図を示す。
【0134】
マスク管理データベース120は、製品名1201、版数1202、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、関係者連絡先1205、回収依頼有無1206、回収可否1207、顧客連絡先1208、ストッカアドレス1209、画像ファイル名1210、シリアル番号1215、回収日1211から構成される。
【0135】
マスク管理データベース120を構成する項目の内、第一の実施例と同じ項目名については、同じ機能であるため、説明を省略する。
【0136】
第三の実施例のマスク管理データベース120は、シリアル番号1215が第一の実施例のマスク管理データベース120と異なる。
【0137】
シリアル番号1215は、バージン基板62が納入された時には、すでに確定している番号である。
【0138】
なお、画像ファイル名1210に対応する画像は、第一の実施例の画像ファイルと項目は同じだが、第三の実施例における画像ファイルは、マスク6のシリアル番号1215が画像内に収まる様に撮影されている点が第一の実施例の画像ファイル名1210に対応する画像ファイルと異なる。
【0139】
次にマスクの回収処理が始まるまでのマスク管理データベース120の登録状態を説明する。
【0140】
顧客から新規半導体の製造依頼があった場合、半導体装置の製造会社7であるA社は、半導体のマスク6の製造をマスク6の製造会社71に依頼し、マスク6の製造会社71はマスク6を製造するための基板を図示しないマスク6の基板会社から納入する。
【0141】
ここで、マスク6の基板会社は、基板毎にシリアル番号1215を付して製造、販売を行っている。
【0142】
図19に第三の実施例のサーバ13が有する剥離作業データベース130の構成例を示す。剥離作業データベース130は、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、画像ファイル名1210、シリアル番号1215、回収日1211とから構成される。本実施例におけるマスク管理データベース120のデータ項目と対応するものである。
【0143】
マスク6の製造会社71のサーバ13は、マスク6を製造後、剥離作業データベース130に登録し、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、シリアル番号1215をサーバ12に送信する。サーバ12はサーバ13からのフォトマスク名1203、マスクロット番号1204、シリアル番号1215を受信するとマスク管理データベース120に該データ項目を登録する。
また、製品名1201、版数1202、フォトマスク名1203、関係者連絡先1205及び顧客連絡先1208に対応するマスクロット番号1204、シリアル番号1215をマスク管理データベース120に登録する。
【0144】
A社にマスク6が納入されると、マスク6基板はストッカ2に格納される。
【0145】
A社のサーバ12は、マスク6基板に対応するマスク管理データベース120のデータレコードにストッカアドレス1209を登録する。
【0146】
図13(a)にマスク管理データベース120に各データ項目が登録された状態を示す。
【0147】
サーバ12は、登録されたシリアル番号1215を顧客連絡先1208に通知する。
【0148】
その後、半導体製造会社であるA社は従来と同様に半導体の製造等を行う。
【0149】
本実施例におけるA社が顧客からマスク6の回収依頼を受けてから、B社にマスク6を送付するまでの処理は、第一の実施例と同様である。図7に示す第一、第三、第四、第五の実施例におけるサーバ12のフローチャートの処理を行うので、説明を省略する。
【0150】
次にB社での剥離作業について、説明する。
【0151】
図14に第三の実施例におけるサーバ13のフローチャートを示す。
【0152】
B社では、マスク6を受領後、剥離作業担当者はその剥離処理と同時に回収確認手段4の回収確認装置41により剥離されたベアガラス基板61を撮影し、そのベアガラス基板61の剥離画像データをフォトマスク名1203、画像ファイル名1210、回収日1211とを関連付け剥離作業データベース130に登録する(S601)。
【0153】
なお、剥離画像の撮影では、ベアガラス基板61上のシリアル番号が識別可能なように撮影する。
【0154】
サーバ13は、登録されたフォトマスク名1203、画像ファイル名1210、回収日1211、剥離画像ファイルをサーバ12へ送信する(S602)。
【0155】
B社から回収完了の通知があった後のA社での剥離画像登録処理は、第一の実施例におけるサーバ12のフローチャート(2)と同様である。図9に示す第一、第三の実施例におけるサーバ12のフローチャート(2)の処理を行うため、説明を省略する。
【0156】
顧客は、剥離されたマスク6の剥離画像を確認したい場合は、顧客端末5によりサーバ11のマスク6回収受付システムにログインし、製品名1201、版数1202及び画像閲覧依頼を入力する。
【0157】
サーバ12は、サーバ11から製品名1201、版数1202、画像閲覧依頼を受信すると、マスク管理データベース120から製品名1201、版数1202該当するデータレコードを抽出し、データレコードの画像ファイル名1210を読み込み、画像ファイル名1210と対応する画像ファイルをサーバ11に送信する。
【0158】
この際に、半導体製造時に通知されたシリアル番号が剥離されたベアガラス基板61の画像ファイルに視認できるため、マスク6の回収を確認することができる。
〔第四の実施の形態〕
図4において、サーバには2台のサーバをネットワークを介して結んで用いており、第一のサーバ11と第二のサーバ12はA社に配置され、A社には回収確認手段4も配置している。B社は回収手段3を備えている。つまり、ここで示した例では、A社は半導体装置の製造会社7であり、B社は回収手段3を備えたマスクの製造会社71であり、B社がA社へマスク6を納入する関係になっている。
【0159】
A社では、B社からマスク6が矢印90を経由して納入されたら、基板の特定ができるように、例えば、FIB処理によるエッチングによってマスクデバイスパターン以外の領域に故意に修正跡63を付ける。この修正跡63は、回収確認手段4である回収確認装置41、例えば、SEMによって撮影して座標軸を第二のサーバ12に登録しておく。
【0160】
顧客の顧客端末5からA社の第一のサーバ11にアクセスがあり、品種終息するマスク6の回収依頼がくると矢印81に沿って第二のサーバ12に登録され、第二のサーバ12はストッカ2に矢印82に沿って出庫の指示を出す。指示を受けたストッカ2では、指示されたマスク6の出庫処理行って矢印84を経由してB社に送付する。
【0161】
A社から回収依頼のマスク6を受け取ったB社では、回収手段3によって回収作業を行う。回収作業は、例えば、回収装置31によってマスクパターンを読み取り不能に剥離する方法で行う。B社では、マスク6の剥離回収が終わったビアガラス基板61矢印88を経由してA社に送付する。
【0162】
ベアガラス基板61を受け取ったA社では、確実に回収したことを確認するために、再度回収確認手段4の、例えば、SEMによってマスク6に付けた修正跡63を探して撮影し第二のサーバ12に登録して確認処理を終わる。
【0163】
顧客は、顧客端末5によって第一のサーバ11をアクセスすれば、第二のサーバ12に登録されている元のマスク6の修正跡63と、回収されたベアガラス基板61の修正跡63とを照合することができる。その結果、回収処理が確実に実行されたことが確認できる。
【0164】
サーバ12は、マスク管理データベース120を有する。
【0165】
図15に第四の実施例におけるサーバ12が有するマスク管理データベース120の構成図を示す。
【0166】
マスク管理データベース120は、製品名1201、版数1202、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、関係者連絡先1205、回収依頼有無1206、回収可否1207、顧客連絡先1208、ストッカアドレス1209、剥離前修正跡画像ファイル名1216、剥離後修正跡画像ファイル名1217、修正跡座標1218、回収日1211から構成される。
【0167】
マスク管理データベース120を構成する項目の内、第一の実施例と同じ項目名については、同じ機能であるため、説明を省略する。
【0168】
実施例4のマスク管理データベース120は、剥離前修正跡画像ファイル名1216、剥離後修正跡画像ファイル名1217、修正跡座標1218とが第一の実施例のマスク管理データベース120と異なる。
【0169】
剥離前修正跡画像ファイル名1216とは、剥離前のマスク6基板にFIB(Focused Ion Beam)により傷をつけ、その傷をSEM(「Scanning Electron Microscope」(走査型電子顕微鏡))により撮影した画像ファイルのファイル名である。
【0170】
剥離後修正跡画像ファイル名1217とは、剥離後のマスク6基板を剥離前に撮影した画像ファイルと同じ位置をSEMにより撮影した画像ファイルのファイル名である。
【0171】
修正跡座標1218とは、FIBにより傷をつけられた場所がマスク6上のどの位置であるのかを示す座標値である。
【0172】
次にマスクの回収処理が始まるまでのマスク管理データベースの登録状態を説明する。
【0173】
顧客から新規半導体の製造依頼があった場合、A社がマスク6を納入した時点で、製品名1201、版数1202、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、関係者連絡先1205、顧客連絡先1208、ストッカアドレス1209が登録される。
【0174】
その際に、A社では、マスク6の基板の特定ができるように、例えば、FIB処理によるエッチングによって、マスク6上であり、かつ、半導体製造の障害にならない場所に修正跡63を付ける。回収確認手段4である回収確認装置41は、マスク6上の修正跡63の場所を示す座標データを修正跡座標1218として取得マスク管理データベース120に登録すると共に、修正跡63の画像データを例えばSEM等で取得し、剥離前修正跡画像ファイル名1216としてマスク管理データベース120に登録する。
【0175】
図15(a)にマスク管理データベース120に登録された状態を示す。
【0176】
その後、顧客から回収依頼がなされるまで、A社は、従来と同様に製造等を行う。
【0177】
第四の実施例におけるA社が顧客からマスク6の回収依頼を受けてから、B社にマスク6を送付するまでの処理は第一の実施例で説明した図7の処理と同様である。また、B社でのマスク回収処理は、第一の実施例で説明した図8の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0178】
B社でのマスク6が剥離された後のベアガラス基板61は、A社に送付される。
【0179】
図16は、第四の実施例におけるサーバ12のフローチャート(2)である。B社からベアガラス基板61がA社に送付された以降のフローチャートについて示したものである。
【0180】
ベアガラス基板61の剥離画像を回収確認手段4の回収確認装置41にて撮影する。具体的にはSEMにより剥離前の撮影をしたものと同じ修正跡座標1218を撮影し、修正跡63が写るように撮影する。撮影された画像ファイルの剥離後修正跡画像ファイル名1217をマスク管理データベース120に登録する(S701)。
【0181】
図15(d)にマスク管理データベース120に剥離後修正跡画像ファイル名1217が登録された状態を示す。
【0182】
全ての回収が完了していない場合(S702:No)、全てのマスク6についての回収完了が登録されるまで待つ。
【0183】
一方、全ての回収が完了した場合(S702:Yes)、製品名1201、版数1202、回収日1211及び剥離処理完了の旨を顧客連絡先1208に通知する(S703)。
【0184】
顧客は、剥離されたマスク6を確認したい場合は、顧客端末5によりサーバ11のマスク6回収受付システムにログインし、製品名1201、版数1202を入力する。
【0185】
サーバ12は、サーバ11から製品名1201、版数1202、画像閲覧依頼を受信すると、マスク管理データベース120から製品名1201、版数1202該当するデータレコードを検索し、データレコードの剥離前修正跡画像ファイル名1216、剥離後修正跡画像ファイル名1217を読み込み、剥離前修正跡画像ファイル1216、剥離後修正跡画像ファイル1217をサーバ11に送信する。
〔第五の実施の形態〕
図5において、サーバには3台のサーバをネットワークを介して結んで用いている。第一のサーバ11と第二のサーバ12は、会社Aに配置しており、第三のサーバ13はC社に配置されている。また、B社には回収手段3が設備されている。ここで示した例では、A社は半導体装置の製造会社7であり、B社はマスクの製造会社71であり、C社はマスクの基板会社73である。
【0186】
マスクの基板会社73のC社は、マスクの製造会社71のB社に基板納入するに際して、例えば、バージン基板62として納入する石英基板の諸特性、基板のラフネスやスラットネス、板厚などの基板のそれぞれを特定できる測定を行う。
【0187】
ここで行う基板の諸特性の測定は、例えば、ラフネスは原子間力顕微鏡(AFM)を用いて面内測定し、フラットネスはレーザ干渉計を用いて面内測定し、板厚はレーザ変位計を用いて面内測定する。
【0188】
C社はマスクの製造会社71であるB社に基板の測定結果を添えて矢印92に沿って納入する。B社は、マスク6を製造し、C社から受け取った基板の諸特性の測定結果を添えて半導体装置の製造会社7であるA社に矢印90を経由して送付する。
【0189】
A社は、矢印93に沿ってB社から受け取ったバージン基板62の諸特性の測定結果を第二のサーバ12に登録して、納入されたマスク6をマスク6として使用したり保管したりする。
【0190】
顧客が品種終息によって不要になったマスク6の回収依頼を行う際には、顧客が顧客端末5によってA社の第一のサーバ11にアクセスすると、第一のサーバ11を介して矢印81に沿って第二のサーバ12に登録される。そして、第二のサーバ12が矢印82に沿ってストッカ2に回収依頼があったことを通知する。ストッカ2では指示されたマスク6の出庫処理行い、現物を出庫して矢印84を経由してB社に送付する。
【0191】
A社から回収するマスク6を受け取ったB社では、回収手段3によって回収作業を行う。この回収作業には、例えば、回収装置31を用いてマスクパターンを剥離する。マスク6の剥離回収が終わったベアガラス基板61は矢印88を経由して依頼元のA社に返却される。
【0192】
A社が返却されたベアガラス基板61を、矢印95を経由してマスクの基板会社73のC社に送ると、C社は回収済みのベアガラス基板61の諸特性を測定する。そして、その測定結果を第三のサーバ13を介して矢印93に沿ってA社の第二のサーバ12に送付する。A社はマスク6と回収後のベアガラス基板61の基板との諸特性を照合して、確実に回収したものであるかどうかを確認して第二のサーバ12に登録する。
【0193】
一方、回収依頼した顧客は、顧客端末5から第一のサーバ11にアクセスすれば、第二のサーバ12に登録されている照合結果を閲覧して回収が確実に行われたことを確認することができる。
【0194】
サーバ12は、マスク管理データベース120を有する。
【0195】
図17に第五の実施例におけるサーバ12が有するマスク管理データベース120の構成図を示す。
【0196】
マスク管理データベース120は、製品名1201、版数1202、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、関係者連絡先1205、回収依頼有無1206、回収可否1207、顧客連絡先1208、ストッカアドレス1209、回収前測定値1219(ラフネス、フラットネス、板厚値)、回収後測定値1220(ラフネス、フラットネス、板厚値)、回収日1211から構成される。
【0197】
マスク管理データベース120を構成する項目の内、第一の実施例と同じ項目名については、同じ機能であるため、説明を省略する。
【0198】
実施例5のマスク管理データベース120は、回収前測定値1219(ラフネス、フラットネス、板厚値)、回収後測定値1220(ラフネス、フラットネス、板厚値)とが第一の実施例のマスク管理データベース120と異なる。
【0199】
回収前測定値1219(ラフネス、フラットネス、板厚値)とは、マスクの基板会社73のC社がバージン基板62を製造した際に測定した値である。その後にマスク6の製造会社72であるB社にてバージン基板62からマスク6が製造される。なお、バージン基板62毎にその測定値は異なる。
【0200】
回収後測定値1220(ラフネス、フラットネス、板厚値)とは、C社が、マスク6剥離後のベアガラス基板61に対して測定した値である。
【0201】
次にマスク6の回収処理が始まるまでのマスク管理データベース120の登録状態を説明する。
【0202】
マスク基板会社73であるC社によりバージン基板62のラフネス、フラットネス、板厚等が測定される。その測定結果は、回収前測定値1219としてB社を経由して、A社にマスク6と共に納品される。
【0203】
A社がマスク6を納入した時点で、製品名1201、版数1202、フォトマスク名1203、に対応するレコードにマスクロット番号1204、回収前測定値1219が登録される。
【0204】
納品されたマスク6はストッカ2に格納される。
【0205】
図17(a)にマスク管理データベース120に登録された状態を示す。
【0206】
その後、顧客から回収依頼がなされるまで、B社は、従来と同様に製造等を行う。
【0207】
第五の実施例におけるA社が顧客からマスク6の回収依頼を受けてから、B社にマスク6を送付するまでの処理は、第一の実施例と同様である。すなわち、図7で示す第一、第三、第四、第五の実施例におけるサーバ12のフローチャートの処理を行うので、説明を省略する。
【0208】
B社では、送付されたマスク6について回収手段3の回収装置31によりマスク6の剥離処理がなされ、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、回収日1211がサーバ12に対して送信され、マスク6の剥離後のベアガラス基板61はA社に返送される。
【0209】
サーバ12は、フォトマスク名1203、マスクロット番号1204、回収日1211を受信するとマスク管理データベース120の該当データレコードに回収日1211を登録する。
【0210】
図17(d)にマスク管理データベース120に回収日1211が登録された状態を示す。
【0211】
A社では、B社から返送されたベアガラス基板61をC社に送付する。
【0212】
図20に第五の実施例におけるサーバ12のフローチャート(2)を示す。これは、A社からC社にマスク6を送付した後のデータ登録について示すフローチャートである。
【0213】
C社では、送付されたベアガラス基板61のラフネス、フラットネス、板厚等を測定する。その測定値がサーバ13に登録されると、サーバ13は回収後測定値1220としてA社のサーバ12に送信する。A社のサーバ12は、ベアガラス基板61に対応する回収後測定値1220を受信するとマスク管理データベース120の該当データレコードに登録する(S801)。
【0214】
図17(e)にマスク管理データベース120に回収後測定値1220が登録された状態を示す。
【0215】
全ての回収が完了していない場合(S802:No)、全てのマスク6についての回収完了が登録されるまで待つ。
【0216】
一方、全ての回収が完了した場合(S802:Yes)、製品名1201、版数1202、回収日1211及び剥離処理完了の旨を顧客連絡先1208に通知する(S803)。
【0217】
顧客は、剥離されたマスク6を確認したい場合は、顧客端末5によりサーバ11のマスク6回収受付システムにログインし、製品名1201、版数1202を入力する。
【0218】
サーバ12は、サーバ11から製品名1201、版数1202、閲覧依頼を受信すると、マスク管理データベース120から製品名1201、版数1202該当するデータレコードを抽出し、データレコードの回収前測定値1219、回収後測定値1220を読み込み、サーバ11に送信する。
【0219】
ここで示した実施例は、何れも顧客が、例えば、不要と判断または品種終息したのマスクの回収を半導体装置の製造会社に対して顧客端末を介して回収依頼を入力するのみで、それ以外に手を煩わせることがない利便性がある。
【0220】
また、回収依頼された半導体装置の製造会社は、回収作業を回収手段を有するマスクの製造会社に依頼し、回収の結果をマスクの製造会社の回収確認手段にしろ自社の回収確認手段にしろ、確実に回収されたことを確認することができる。しかも、その結果を顧客が顧客端末から閲覧して確認することもできる。
【0221】
なお、半導体装置の製造会社とマスクの製造会社、回収会社、基板会社などのそれぞれが専業か兼業かは、一義的に決まるものではなく、種々の変形が可能である。
【0222】
従って、複数のサーバを中心に回収に必要な一連の要素を、半導体装置の製造会社とマスクの製造会社、回収会社、基板会社などにどのように配置するかについても、一義的に決まるものではなく、種々の変形が可能である。
【0223】
また、回収手段で用いる回収装置は、マスクパターンの剥離のみに限定するものではなく、種々の変形が可能であるが、証拠が特定できる方法でなければならない。
【0224】
さらに、回収確認手段としての回収確認装置は、画像データ化したり数値データ化するいろいろな手法が適用でき、種々の変形が可能である。
【0225】
なお、本実施例ではサーバ11とサーバ12とが2つのサーバに分かれて機能しているが、単一のサーバで処理を行うことも可能である。
【0226】
以上、マスクの使用枚数の多い半導体装置製造用のマスクの回収の場合について例示したが、本発明は、LCDやPDP、プリント基板製造用のマスクの回収の場合にも適用でき、設計回路パターンを含むマスクの機密保持に好適である。
【0227】
(付記1) サーバとストッカと回収手段と回収確認手段とを有し、
該サーバは、端末からネットワークを介して品種終息に係るマスクの回収依頼を受けて該ストッカに該マスクの出庫指示と、該回収手段に該マスクの回収指示と、該回収確認手段からの回収確認情報を該端末に公開するものであり、
該ストッカは、該マスクを貯蔵しているものであり、
該回収手段は、該マスクに描かれたマスクパターンを読取不能に破壊するものであり、
該回収認証手段は、該マスクが、破壊され回収されたことを認証するものである
ことを特徴とするマスクの回収システム(請求項1)。
【0228】
(付記2) 該サーバが、ネットワークを介して結ばれた第一のサーバと第二のサーバと第三のサーバとからなり、
該第一のサーバは、端末からネットワークを介してマスクの回収依頼を受け付けるものであり、
該第二のサーバは、該第一のサーバから該回収依頼の情報を受けて、該ストッカに該マスクの出庫と回収手段に該マスクの破壊とを指示するとともに、該第三のサーバに該回収依頼の情報を送るものであり、
該第三のサーバは、該回収手段から回収完了の情報を受けて回収実績通知を該第二のサーバに送るものであり、
該第二のサーバは、入力された該回収実績通知を該端末から閲覧可能に格納するものであり、
該第一のサーバは、該端末からアクセスがあれば、該第二のサーバに格納された該回収実績通知を該端末に公開するものである
ことを特徴とする付記1記載のマスクの回収システム(請求項2)。
【0229】
(付記3) 該第一のサーバと該第二のサーバと該ストッカとが半導体装置の製造会社に配置されており、
該第三のサーバと該回収手段と該回収認証手段とが、マスクの回収会社に配置されている
ことを特徴とする付記2記載のマスクの回収システム。
【0230】
(付記4) 該第一のサーバと該第二のサーバと該ストッカとが半導体装置の製造会社に配置されており、
該回収手段が、マスクの製造会社に配置されている
該第三のサーバと該回収認証手段とが、マスクの基板会社に配置されている
ことを特徴とする付記2記載のマスクの回収システム。
【0231】
(付記5) 該サーバが、ネットワークを介して結ばれた第一のサーバと第二のサーバとからなり、
該第一のサーバは、端末からネットワークを介してマスクの回収依頼を受け付けるものであり、
該第二のサーバは、第一のサーバから該回収依頼の情報を受けて、該ストッカに該マスクの出庫と回収手段に該マスクの回収とを指示するものであり、
該ストッカは、該マスクを該回収手段に出庫するものであり、
該回収手段は、該マスクに描かれたマスクパターンを読取不能に破壊してから該回収認証手段に送るものであり、
該回収認証手段は、該マスクが回収されたことを認証して回収実績通知を該第二のサーバに送るものである
ことを特徴とする付記1記載のマスクの回収システム(請求項3)。
【0232】
(付記6) 該第一のサーバと該第二のサーバと該ストッカと該回収認証手段とが半導体装置の製造会社に配置されており、
該回収手段が、マスクの回収会社に配置されている
ことを特徴とする付記5記載のマスクの回収システム。
【0233】
(付記7) 付記1記載のマスクの回収システムを用いて、該マスクの回収を行う
ことを特徴とするマスクの回収方法。
【0234】
(付記8)
半導体のマスクの回収状況を管理するマスク回収管理装置において、
端末からのマスクの回収依頼を受信する受信手段、
前記回収依頼を記憶する記憶手段、
前記回収依頼に基づき、ストッカから対象となる全てのマスクを取り出すマスク取出手段、
前記マスクをマスク回収業者への送付指示を発行する発行手段、
マスク回収業者からマスク剥離処理が視認可能なマスク画像を受信すると、該マスク画像を前記記憶手段の回収依頼に関連付ける関連付け手段、
前記関連付け手段にマスク画像が関連付けられると、端末に対して、マスク回収終了情報を送信する送信手段、
とからなることを特徴とするマスク回収管理装置。
(付記9)
前記送信手段は更に、
前記受信手段が、端末からの画像確認依頼を受信した場合は、前記登録された剥離後マスクの画像を送信することを特徴とする付記8に記載のマスク回収管理装置。
(付記10)
前記送信手段は更に
前記回収依頼に対応する全てのマスクの画像が登録された場合に顧客端末に対してマスク回収終了情報を送信することを特徴とする付記8に記載のマスク回収管理装置。
(付記11)
半導体のマスクの回収状況を管理するマスク回収管理装置において、
端末からのマスクの回収依頼とともに任意文字を受信する受信手段、
前記回収依頼を記憶する記憶手段、
前記回収依頼に基づき、ストッカから対象となる全てのマスクを取り出すマスク取出手段、
前記マスクをマスク回収業者への送付指示を発行する発行手段、
マスク回収業者に送付前にマスクに前記任意文字を刻印すると共に、該刻印された任意文字を視認可能なマスク画像を取得する剥離前画像取得手段、
マスク回収業者から剥離されたマスクであるベアガラス基板を返却されると剥離前画像取得手段に記憶されたマスクと同様のレイアウトでマスクを剥離後の画像を取得する剥離後画像取得手段、
前記関連付け手段にマスク画像が関連付けられると、端末に対して、マスク回収終了情報を送信する送信手段、
とからなることを特徴とするマスク回収管理装置。
【0235】
(付記12)
前記剥離前画像取得手段は、前記任意文字を刻印した座標を記憶することを特徴とする付記11に記載のマスク回収管理装置。
【0236】
(付記13)
半導体のマスクの回収状況を管理するマスク回収管理装置において、
端末からのマスクの回収依頼を受信する受信手段、
前記回収依頼を記憶する記憶手段、
前記回収依頼に基づき、ストッカから対象となる全てのマスクを取り出すマスク取出手段、
前記マスクのマスク回収業者への送付指示を発行する発行手段、
マスク回収業者からマスク剥離処理結果と予めマスクに付されたシリアル番号とが視認可能なマスク画像を受信すると、該マスク画像を前記記憶手段の回収依頼に関連付ける関連付け手段、
前記関連付け手段にマスク画像が登録されると、端末に対して、マスク回収終了情報を送信する送信手段、
とからなることを特徴とするマスク回収管理装置。
【0237】
(付記14)
半導体のマスクの回収状況を管理するマスク回収管理装置において、
予め、マスクのラフネス、フラットネス、及び板厚の内少なくとも一つの測定結果を記憶する剥離前マスク測定値を記憶する記憶手段、
端末からのマスクの回収依頼を受信する受信手段、
前記回収依頼を剥離前マスク測定値に関連付けて記憶する第一の関連付け手段、
前記回収依頼に基づき、ストッカから対象となる全てのマスクを取り出すマスク取出手段、
前記マスクのマスク回収業者への送付指示を発行する発行手段、
マスク回収業者からマスク剥離後のマスクに対して行われた剥離前マスク測定値に対応する測定結果を剥離後マスク測定値として前記記憶手段の回収依頼に関連付ける第二の関連付け手段、
前記関連付け手段にマスク画像が登録されると、端末に対して、マスク回収終了情報を送信する送信手段、
とからなることを特徴とするマスク回収管理装置。
【産業上の利用の可能性】
【0238】
本発明のマスクの回収システムとその方法によれば、品種終息したマスクの回収を、サーバをシステムの中心に据えて人手を煩わせず時間も掛けずに回収作業と回収確認作業を行うことができる。
【0239】
従って、本発明は機密保持が重要視されるマスクの回収作業を安全に確実に効率的に行うことに対して大いに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0240】
【図1】本発明の回収システムの第一の実施例の模式図である。
【図2】本発明の回収システムの第二の実施例の模式図である。
【図3】本発明の回収システムの第三の実施例の模式図である。
【図4】本発明の回収システムの第四の実施例の模式図である。
【図5】本発明の回収システムの第五の実施例の模式図である。
【図6】第一の実施例のサーバ12が有するマスク管理データベース120の構成図
【図7】第一、第三、第四、第五の実施例におけるサーバ12のフローチャート
【図8】第一、第二、第四、第五の実施例におけるサーバ13のフローチャート
【図9】第一、第三の実施例におけるサーバ12のフローチャート(2)
【図10】第二の実施例のサーバ12が有するマスク管理データベース120の構成図
【図11】第二の実施例におけるサーバ12のフローチャート
【図12】第二の実施例におけるサーバ12のフローチャート(2)
【図13】第三の実施例におけるサーバ12が有するマスク管理データベース120の構成図
【図14】第三の実施例におけるサーバ13のフローチャート
【図15】第四の実施例におけるサーバ12が有するマスク管理データベース120の構成図
【図16】第四の実施例におけるサーバ12のフローチャート(2)
【図17】第五の実施例におけるサーバ12が有するマスク管理データベース120の構成図
【図18】第一の実施例のサーバ13が有する剥離作業データベース130の構成例
【図19】第三の実施例のサーバ13が有する剥離作業データベース130の構成例
【図20】第五の実施例におけるサーバ12のフローチャート(2)
【符号の説明】
【0241】
1 サーバ
11 第一のサーバ 12 第二のサーバ 13 第三のサーバ
2 ストッカ
3 回収手段
31 回収装置
4 回収確認手段
41 回収確認装置
5 顧客端末
6 マスク
61 ベアガラス基板 62 バージン基板 63 修正跡
7 半導体装置の製造会社
71 マスクの製造会社
72 マスクの回収会社
73 マスクの基板会社
81〜95 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバとストッカと回収手段と回収確認手段とを有し、
該サーバは、端末からネットワークを介してマスクの回収依頼を受けて該ストッカに該マスクの出庫指示と、該回収手段に該マスクの回収指示と、該回収確認手段からの回収確認情報を該端末に公開するものであり、
該ストッカは、該マスクを保管しているものであり、
該回収手段は、該マスクに描かれたマスクパターンを読取不能に破壊するものであり、
該回収認証手段は、該マスクが、破壊され回収されたことを認証するものである
ことを特徴とするマスクの回収システム。
【請求項2】
該サーバが、ネットワークを介して結ばれた第一のサーバと第二のサーバと第三のサーバとからなり、
該第一のサーバは、ネットワークを介してマスクの回収依頼を受け付けるものであり、
該第二のサーバは、該第一のサーバから該回収依頼の情報を受けて、該ストッカに該マスクの出庫と回収手段に該マスクの破壊とを指示するとともに、該第三のサーバに該回収依頼の情報を送るものであり、
該第三のサーバは、該回収手段から回収完了の情報を受けて回収実績通知を該第二のサーバに送るものであり、
該第二のサーバは、入力された該回収実績通知を該端末から閲覧可能に格納するものであり、
該第一のサーバは、該端末からアクセスがあれば、該第二のサーバに格納された該回収実績通知を該端末に公開するものである
ことを特徴とする請求項1記載のマスクの回収システム。
【請求項3】
該サーバが、ネットワークを介して結ばれた第一のサーバと第二のサーバとからなり、
該第一のサーバは、端末からネットワークを介してマスクの回収依頼を受け付けるものであり、
該第二のサーバは、第一のサーバから該回収依頼の情報を受けて、該ストッカに該マスクの出庫と回収手段に該マスクの回収とを指示するものであり、
該ストッカは、該マスクを該回収手段に出庫するものであり、
該回収手段は、該マスクに描かれたマスクパターンを読取不能に破壊してから該回収認証手段に送るものであり、
該回収認証手段は、該マスクが回収されたことを認証して回収実績通知を該第二のサーバに送るものである
ことを特徴とする請求項1記載のマスクの回収システム。
【請求項4】
請求項1記載のマスクの回収システムを用いて、該マスクの回収を行う
ことを特徴とするマスクの回収方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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