説明

マスク

【課題】息や汗等の湿気を吸いとってマスク内部の濡れやべとつきを防止し、長時間の使用でも快適さを損なわないマスクを提供すること。
【解決手段】顔面に装着して使用されるマスク10であって、マスク本体40と、該マスク本体40を顔面の所望の箇所に固定する紐(固定手段)12とを備え、マスク本体40は、その顔面に触れる面に疎水性を有し、顔面と反対側の面に親水性を有することを特徴とする。具体的には、マスク本体40は、疎水性のシート材11aと親水性を有する部分11bとを貼り合わせることにより構成され、顔面側に、疎水性のシート材11aが配される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に市販されているガーゼマスクは、長方形にカットされたガーゼ(布帛)を複数枚重ね合わせたマスク本体と、このマスク本体の長さ方向の両端部にそれぞれ取り付けられた紐またはゴム紐(固定手段)と、により構成されている。このマスクの着用時には、一対の紐またはゴム紐を両耳に引っかけ、マスク本体で使用者の口や鼻を覆うようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ガーゼマスクは吸水性がよく、そのため、付け心地がよいが、長時間つけたりすると、口や鼻から排気されるあたたかな湿った息などにより、内部が湿ってくる。これにより
マスクの顔に当接している面が濡れてべとつき、付け心地が悪くなる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−357871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、息や汗等の湿気を吸いとってマスク内部の濡れやべとつきを防止し、長時間の使用でも快適さを損なわないマスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記(1)〜(17)の本発明により達成される。
(1) 顔面に装着して使用されるマスクであって、
マスク本体と、該マスク本体を顔面の所望の箇所に固定する固定手段とを備え、
前記マスク本体は、その少なくとも顔面に触れる面に疎水性を有する布帛を備えることを特徴とするマスク。
【0007】
これにより、顔面側では体液が残ることによるべた付き感やムレ感を防止し、ドライ感を着用者に与えることができ、使用感が良好なマスクを提供することが可能となる。
【0008】
(2) 前記布帛は、不織布で構成されている上記(1)に記載のマスク。
不織布は、製造時の設計自由度が比較的高く、開口率を大きくすることにより高い通気性のものを得ることができる。
【0009】
(3) 前記布帛は、主としてポリオレフィンで構成されている上記(1)または(2)に記載のマスク。
【0010】
ポリオレフィンを主とする繊維は、肌触りが良好なため、疎水性の布帛の素材として好適である。
【0011】
(4) 前記布帛は、その顔面と反対側の面に親水性を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のマスク。
これにより、湿気が積極的に反対側に抜けてマスクの外部に放出される。
【0012】
(5) 前記布帛は、疎水性の布帛であり、
前記マスク本体は、前記疎水性の布帛と反対側に親水性の布帛を備える上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のマスク。
【0013】
これにより、顔面側では、繊維が息や汗等の湿気を保留しないのでサラッとした感触を有し、しかも湿気が積極的に反対側に抜けてマスクの外部に放出される。
【0014】
(6) 前記親水性の布帛は、主として天然繊維で構成されている上記(5)に記載のマスク。
【0015】
これにより、親水性の布帛がマスク内の水分を十分に吸収する。そして、親水性の布帛は、その高い通気性のために、吸収した水分をその回りに拡散させる。
【0016】
(7) 前記マスク本体の親水性を有する部分は、その公定水分率が3〜20%である上記(4)ないし(6)のいずれかに記載のマスク。
【0017】
これにより、マスク本体の親水性を有する部分は、十分な吸水性を有するとともに、マスク本体を構成するために必要な強度を有するものとなる。
【0018】
(8) 前記マスク本体の疎水性を有する部分は、その透湿度が200g/m・h以上である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のマスク。
【0019】
これにより、マスクと顔面との間に生じた空間の湿度が高くなり、マスク着用者に不快感を与えるのを防止することができる。
【0020】
(9) 前記マスク本体は、その平均厚さが0.1〜10mmである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマスク。
【0021】
これにより、マスク本体は、防塵等のマスク本来の機能を発揮するとともに、湿気を放出させる程度の通気性を得ることができる。
【0022】
(10) 前記マスク本体は、その内部に空間が形成され、該空間に吸水性を有する担体が収納されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のマスク。
これにより、マスク本体は、顔面側からより効率よく湿気を回避させることができる。
【0023】
(11) 前記担体は、粒状をなしている上記(10)に記載のマスク。
これにより、担体の表面積が増大し、担体の吸水(吸湿)性能の向上を図ることができる。
【0024】
(12) 前記担体は、多孔質体である上記(10)または(11)に記載のマスク。
これにより、担体の表面積が増大し、担体の吸水(吸湿)性能の向上を図ることができる。
【0025】
(13) 前記担体は、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されている上記(10)ないし(12)のいずれかに記載のマスク。
【0026】
リン酸カルシウム系化合物は、吸湿性や、ウイルスや菌類の吸着性に優れることから、このような効果をマスクに付与することができる。
【0027】
(14) 前記担体は、主として吸水性ポリマーで構成されている上記(10)ないし(12)のいずれかに記載のマスク。
【0028】
吸水性ポリマーは、吸水性能が特に高く、顔面側から特に効率よく湿気を回避させることができる。
【0029】
(15) 当該マスクを顔面に装着した状態で、
さらに、前記顔面と前記マスク本体との間に配される当て布を備え、
該当て布は、その顔面に触れる面に疎水性を有するものである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のマスク。
【0030】
これにより、当て布の顔面側では、繊維が息や汗等の湿気を保留しないのでサラッとした感触となる。これにより、顔面側では体液が残ることによるべた付き感やムレ感を防止し、ドライ感を着用者に与えることができ、使用感が良好なものとなる。また、当て布とすることで、汚損した場合には簡単に交換することができ、衛生的である。
【0031】
(16) 顔面に装着して使用されるマスクであって、
マスク本体と、該マスク本体を顔面の所望の箇所に固定する固定手段と、当該マスクを顔面に装着した状態で前記顔面と前記マスク本体との間に配される当て布とを備え、
前記当て布は、その顔面に触れる面に疎水性を有することを特徴とするマスク。
【0032】
これにより、当て布の顔面側では、繊維が息や汗等の湿気を保留しないのでサラッとした感触となる。これにより、顔面側では体液が残ることによるべた付き感やムレ感を防止し、ドライ感を着用者に与えることができ、使用感が良好なものとなる。また、当て布とすることで、汚損した場合には簡単に交換することができ、衛生的である。
【0033】
(17) 前記当て布は、その顔面と反対側の面に親水性を有するものである上記(15)または(16)に記載のマスク。
【0034】
これにより、当て布の顔面側の湿気が積極的に反対側に抜けるため、使用感がより良好なマスクとなる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、息や汗による湿気を接触的に外部に放出または吸収させて、顔面側におけるべた付き感やムレ感を防止してドライ感を着用者に与えることができ、使用感が良好なマスクを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明のマスクを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のマスクの第1実施形態を示す平面図であり、図2は、図1に示すマスクの断面図である。
【0037】
マスク10は、図1に示すように、マスク本体40と、このマスク本体40を顔面の所望の箇所に固定する紐(固定手段)12とを備えている。本発明のマスク10は、マスク本体40の少なくとも顔面に触れる面に疎水性を有する布帛を備えることを特徴とするものである。
【0038】
以下、マスク10の構成を順次説明する。
マスク本体40は、マスク使用者の口と鼻を覆える程度の大きさを有するものである。
【0039】
本実施形態では、マスク本体40は、顔面側に疎水性を有し、顔面と反対側の面に親水性を有している。
【0040】
具体的には、図2に示すように、マスク本体40は、疎水性のシート材(布帛)11と親水性のシート材(布帛)21とを貼り合わせることにより構成されている。そして、顔面側に、疎水性のシート材11を位置するようにして使用される。
【0041】
このように疎水性のシート材11を顔面側とし、反対側の面に親水性のシート材11を配することで、顔面側では、シート材11が息や汗等の湿気を保留しないのでサラッとした感触を有し、しかも湿気が積極的に反対側に抜けてマスクの外部に放出される。これにより、顔面側では体液が残ることによるべた付き感やムレ感を防止し、ドライ感を着用者に与えることができ、使用感が良好なものとなる。
【0042】
疎水性のシート材11としては、その透湿度が200g/m・h以上であることが好ましく、250g/m・h以上であることがより好ましく、350g/m・h以上であることがさらに好ましい。これにより、マスク10と顔面との間に生じた空間の湿度が高くなることによるマスク着用者の不快感を防止することができる。
【0043】
シート材11としては、織布、不織布、編布等が挙げられるが、不織布が好ましい。
【0044】
不織布とは、繊維を織布工程を経ることなしに、不定方向に配列させ、絡ませたり、溶着・接着させて布状にした被服材料・包装材料等である。
【0045】
また、不織布では繊維が絡んでいるため縦横の方向性がなく、裁ち目もほつれ難いので、種々の用途に向けられている。
【0046】
このような不織布は、製造時の設計自由度が比較的高く、開口率を大きくすることにより高い通気性のものを得ることができる。したがって、息や汗等の湿気を速やかに透過させることができる。その結果、顔面側に体液が残ることによるべた付き感やムレ感を防止することができる。
【0047】
不織布の製造方法は、従来用いられている不織布製造方法、例えばカード機を用いて得られたウエッブを熱処理するサクションヒートボンド法、機械的に交絡されるニードルパンチ法、水流交絡させるスパンレース法等や、スパンボンド法、メルトブローン法、SMS法(スパンボンド不織布とメルトブローン不織布との貼り合わせ)等により製造することができる。これらの中で、生産性が良く、低コストであるスパンボンド法が好ましい。
【0048】
不織布を構成する繊維の繊維径、繊維長等は、特に限定されるものではないが、繊維径は、好ましくは平均で0.22〜110デシテックス、より好ましくは0.33〜50デシテックス、特に好ましくは0.55〜33デシテックスである。繊維長は不織布の製造法により異なるが、好ましくは3〜40mmである。
【0049】
また、不織布の目付量(単位面積あたりの繊維の質量)は、特に限定されるものではないが、好ましくは5〜60g/m、より好ましくは10〜50g/mである。目付量を前記範囲内に設定することにより、マスクとして必要な強度を維持しつつ、開口率を上げて透湿性を向上させることができる。
【0050】
シート材11を構成する繊維としては、疎水性を有し、不織布形成可能なものであれば特に限定されず、レイヨン、アセテートのような再生繊維、ポリエステル、ポリアミド、ビニロン、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、スパンデックスのような合成繊維等が挙げられるが、好ましくは合成繊維またはその混合繊維である。また、より好ましくはポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、さらに好ましくはポリオレフィンである。これらを主とする繊維は、肌触りが良好なため、シート材11の素材として好適である。
【0051】
ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、およびこれらのランダムまたはブロック共重合体、あるいは、更にメタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、およびそれらのエステル、酸無水物等の誘導体から選択される少なくとも1種類以上を共重合したポリオレフィン系重合体を挙げることができる。更には上記ポリオレフィン系重合体に上記不飽和カルボン酸またはその誘導体の少なくとも1種をグラフトしたグラフト共重合体を挙げることができる。
【0052】
なお、ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等が、ポリアミドとしては、例えば、ナイロン−6やナイロン−66等が挙げられる。
【0053】
また、疎水性のシート材11としては、シート材に対して撥水処理を施したものでもよい。これにより、疎水性を有しない布帛も疎水性のシート材11として使用可能になる。
【0054】
撥水処理としては、例えば、親水性のシート材に撥水剤を付与する方法、疎水性のシート材に撥水剤を付与して疎水性(撥水性)をさらに高める方法等が挙げられる。
【0055】
この撥水剤としては、一般に繊維撥水加工に用いられるシリコーン系撥水剤やフッ素系撥水剤、パラフィン金属系撥水剤、アルキルクロミッククロイド系撥水剤あるいはアクリル系撥水剤等が挙げられる。
【0056】
使用する撥水剤の量は、特に限定されるものではないが、シート材100重量部に対して、0.5〜10質量部程度であるのが好ましく、0.5〜5重量部程度であるのがより好ましい。これにより、より良好な撥水性が得られる。また、撥水処理方法については、公知の方法を用いることができ、スプレーやコーティングにより行うことができる。
【0057】
一方、親水性のシート材21は、その公定水分率が3〜20%程度であることが好ましく、5〜15%程度であることがより好ましい。
【0058】
ここで、公定水分率とは、温度20℃、湿度65%RHの環境における繊維の水分含有率である。繊維の公定水分率が高いほど、その繊維の吸水性(吸湿性)が高いことを示す。
【0059】
親水性のシート材21の公定水分率が前記範囲内であることにより、シート材21は、十分な吸水性を有するとともに、マスク本体40を構成するために必要な強度を有するものとなる。
【0060】
シート材21を構成する繊維としては、羊毛、絹糸、リネンおよび綿糸のような天然繊維、ポリアクリル酸系ポリマー繊維のような吸水性ポリマー製繊維、中空糸のような吸水性を有する合成繊維等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせた混合繊維を用いることができる。これらの中でもシート材21としては特に、天然繊維を主とするものが好ましい。天然繊維は、高い親水性を有することから、シート材21に高い吸水性を付与することができる。
【0061】
シート材21としては、織布、不織布、編布等が挙げられるが、ガーゼのような織布が好ましい。
【0062】
上記のような疎水性を有するシート材11と親水性を有するシート材21とを貼り合わせる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホットメルト接着剤による接着、超音波融着等が、シート材同士が強固に接着し得る点で好ましい。
【0063】
上記ホットメルト接着剤としては、特に限定されず従来公知のものが使用可能である。このようなホットメルト接着剤としては、例えば、非晶性ポリオレフィンを主成分とする、エチレン−プロピレン共重合体系、プロピレン−1−ブテン共重合体系、エチレン−1−ブテン共重合体系、ホモポリプロピレン共重合体系や、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)系、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)系、EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体)系のようなオレフィン共重合体系等のホットメルト接着剤が挙げられる。
【0064】
さらに、上記ホットメルト接着剤は、必要に応じて他の熱可塑性樹脂、ワックスなどの低分子量成分が含有されているものであっても良い。
【0065】
接着方法としては、例えば、不織布にホットメルトガンやホットメルトアプリケータなどを用いて加熱したホットメルト接着剤を塗布し、その塗布面をマスク本体の必要な部分の表面に接するように貼り付ける方法等が好適である。
【0066】
また、上記超音波融着の方法は特に限定されるものではないが、通常は、10kHz以上の振動を融着部分に印加するのである。
【0067】
なお、疎水性を有するシート材11と親水性を有するシート材21とは、貼り合わせる方法に代えて、例えば縫い合わせる方法を用いてもよい。
【0068】
このようなマスク本体40は、その平均厚さが0.1〜10mm程度であるのが好ましく、0.5〜5mm程度であるのがより好ましい。マスク本体40の平均厚さが前記範囲内であることにより、マスク本体40は、防塵等のマスク本来の機能を発揮するとともに、湿気を放出させる程度の通気性を得ることができる。
【0069】
また、マスクに特定の付加価値を与える付加価値部材を、このマスク本体40に設けてもよい。この付加価値部材としては、例えば呼吸中の空気をろ過するろ過部材、ハーブ等の心地よい香りを放つ芳香部材等が挙げられる。なお、付加価値部材によりマスクに与えられる付加価値は、特に限定されない。
【0070】
紐(固定手段)12は、マスク本体40の左右方向の両端部にそれぞれ取り付けられている。
【0071】
紐12は、環状をなしており、この環状の紐12を耳にかけることにより、マスク本体40を顔面の所望の箇所に固定するものである。
【0072】
なお、固定手段は、図1に示す紐12に代えて、例えば、耳に引っかける環状のゴム紐、頭にしばりつけられる紐、耳の上部にかける眼鏡のツル状のもの等で構成することができる。
【0073】
以上のようなマスク10では、顔面側が疎水性を有し、反対側の面が親水性を有しているため、顔面側では、繊維が息や汗等の湿気を保留しないのでサラッとした感触を有し、しかも湿気が積極的に反対側に抜けてマスクの外部に放出される。これにより、顔面側では体液が残ることによるべた付き感やムレ感を防止し、ドライ感を着用者に与えることができ、使用感が良好なものとなる。
【0074】
<第2実施形態>
図3は、本発明のマスクの第2実施形態を示す断面図である。
【0075】
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0076】
第2実施形態では、前記第1実施形態の疎水性のシート材に代えて、顔面側に疎水性を有し、顔面と反対側に親水性を有する部分11bを備えたシート材11aを用いたこと以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0077】
すなわち、シート材11aは、疎水性のシート材の顔面と反対側の面に親水性を付与する処理を施して、親水性を有する部分11bを形成してなるものである。そして、図3に示すように、親水性を有する部分11bと親水性を有するシート材21とを接触させるように貼り合わせることにより、マスク本体40を得ることができる。
【0078】
親水性を付与する処理としては、例えば、親水性処理剤を付与する方法、プラズマに曝す方法、レーザーを照射する方法等がある。このような処理を行うことにより、疎水性のシート材の一方の面に親水性を付与することができる。
【0079】
このうち、親水性処理剤としては、特に限定しないが、例えば分子内に親水部分と疎水部分を持っている界面活性剤でも良いし、親水性ポリマーの如きものでもよい。また、処理剤は1種類だけでなく、界面活性剤と親水性ポリマーを併用してもよいし、親水性の強い処理剤と親水性の弱い処理剤の配合系でも良い。
【0080】
界面活性剤としては、従来公知のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤(シリコン系およびフッ素系界面活性剤を除く)等が挙げられる。
【0081】
ノニオン性界面活性剤としては、具体的には例えば脂肪族系アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)[ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加(重合度=20)物等]、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=20)等]、多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[ソルビタンパルミチン酸(モノ/ジ)エステル等]、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[ポリオキシエチレン(重合度=10)ソルビタンラウリン酸(モノ/ジ)エステル等]、脂肪酸アルカノールアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等]、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニルエーテル(ポリオキシエチレン(重合度=20)ノニルフェニルエーテル等)、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミノエーテルおよびアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオキシド等]、ポリジメチルシロキサンポリオキシエチレン付加物、ポリオキエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー(重量平均分子量=150〜10000)等が挙げられる。
【0082】
アニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜24の炭化水素系エーテルカルボン酸またはその塩、[ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素系硫酸エステル塩[ラウリル硫酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素系スルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]および炭素数8〜24の炭化水素系リン酸エステル塩[ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン等]、アシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等]、その他[スルホコハク酸ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウロイルエタノールアミド2ナトリウム等]等が挙げられる。
【0083】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、アミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩等]等が挙げられる。
【0084】
両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
【0085】
親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、デンプンおよびその誘導体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダなどのカルボキシル基含有(共)重合体、並びに特開平07−133423号公報および特開平08−120041号公報に記載のウレタン結合若しくはエステル結合を有する親水性ポリマー等[例えば、ポリカプロラクトンポリオールとポリエーテルジオールをポリイソシアネートで連結させたもの等]が使用できる。親水性ポリマーは分子内に上記の界面活性剤に記載したアニオン性基、カチオン性基、両性基および/またはポリオキシエチレン基を主体とする水溶性基を分子内に好ましくは1〜100個、より好ましくは2〜50個を含有することによってポリマーを水溶性または分散性(乳化または懸濁)ポリマーとすることができる。これらの親水性ポリマーの数平均分子量は好ましくは2,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜100,000である。これらの親水性ポリマーは公知の方法によって製造することができるものである。
【0086】
上述したような親水性処理剤を使用する場合の付与量は、不織布を構成する繊維の種類によって異なるが、シート材100重量部に対して好ましくは0.01〜5.0重量部であり、より好ましくは0.1〜2.0重量部である。不織布は人体や動物の皮膚に直接接触することもあることから必要最小限に設定することが望ましい。必要に応じて、例えば、表面のみに処理したり、不織布中央部等の液透過の必要部にのみ付与することも有用である。
【0087】
親水性処理剤の付与方法としては、通常希釈した処理溶液を用いて、浸漬法、噴霧法、コーティング(ロールコーター、グラビアコーター、ダイ等)法等既知の方法が採用でき、均一に付与後、熱風、熱ロールなどの乾燥手段を用いて乾燥する。乾燥温度は不織布の材質の分解温度、融点以下でなければならないが、好ましくは10〜130℃である。乾燥時間も短時間の方が好ましいが、より好ましくは1分〜5時間である。
【0088】
なお、シート材11aは、親水性を有するシート材の一方の面に疎水性を付与する処理を施してなるものでもよい。この場合、疎水性を付与する処理としては、前述の撥水処理等を用いることができる。
また、シート材21は、省略してもよい。
【0089】
<第3実施形態>
図4は、本発明のマスクの第3実施形態を示す断面図である。
【0090】
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1および前記第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0091】
本実施形態のマスク10は、図4に示すように、マスク10を顔面に装着した状態で、顔面とマスク本体40’との間に、当て布31が配されている以外は、前記第1実施形態と同様である。
マスク本体40’は、親水性のシート材で構成されている。
【0092】
また、当て布31は、疎水性のシート材で構成されている。
そして、顔面とマスク本体40’との間に当て布31が配されることにより、当て布31の顔面側では、繊維が息や汗等の湿気を保留しないのでサラッとした感触を有し、しかも湿気が積極的に反対側に抜けて、親水性を有するマスク本体40’に吸収される。これにより、顔面側では体液が残ることによるべた付き感やムレ感を防止し、ドライ感を着用者に与えることができ、使用感が良好なものとなる。また、当て布とすることで、汚損した場合には簡単に交換することができ、衛生的である。
【0093】
この親水性のシート材には、前述の親水性のシート材を用いることができるが、本実施形態では、ガーゼが用いられている。
【0094】
また、マスク本体40’は、その公定水分率が3〜20%程度であることが好ましく、5〜15%程度であることがより好ましい。これによりマスク本体40’は、十分な吸水性を有する。
【0095】
一方、疎水性のシート材には、前述の各種疎水性のシート材を用いることができるが、本実施形態では、不織布が用いられている。
【0096】
不織布としては、前述の不織布を用いることができる。また、不織布に代えて、疎水性を有しないシート材に撥水処理のような疎水性を付与する処理を施してなる疎水性のシート材等を用いることもできる。
【0097】
当て布31は、その透湿度が200g/m・h以上であることが好ましく、250g/m・h以上であることがより好ましく、350g/m・h以上であることがさらに好ましい。これにより、当て布31と顔面との間に生じた空間の湿度が高くなることによるマスク着用者の不快感を防止することができる。
【0098】
このような当て布31は、その平均厚さが0.1〜5mm程度であるのが好ましく、0.5〜3mm程度であるのがより好ましい。マスク本体40’の平均厚さが前記範囲内であることにより、マスク本体40’は、防塵等のマスク本来の機能を発揮するとともに、湿気を放出させる程度の通気性を得ることができる。
【0099】
また、当て布31は、適当な肉厚のものとなるよう複数層に重ね合せられたり、折り重ねたりしてもよい。
【0100】
<第4実施形態>
図5は、本発明のマスクの第4実施形態を示す断面図である。
【0101】
以下、第4実施形態について説明するが、前記第1〜第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0102】
第4実施形態では、前記第3実施形態の当て布31に代えて、顔面側に疎水性を有し、顔面と反対側に親水性を有する部分31bを備えた当て布31aを用いたこと以外は、前記第3実施形態と同様である。
【0103】
すなわち、当て布31aは、疎水性の当て布の顔面と反対側の面に親水性を付与する処理を施して、親水性を有する部分31bを形成してなるものである。そして、図5に示すように、親水性を有する部分31bと親水性を有するマスク本体40’とを接触させるように重ねることにより、マスク10を得ることができる。
【0104】
当て布31aにおいて顔面側を疎水性とし、反対側の面を親水性とすることで、当て布31aの顔面側では、繊維が息や汗等の湿気を保留しないのでサラッとした感触を有し、しかも湿気が積極的に反対側に抜けて、ガーゼからなるマスク本体40’に吸収される。これにより、顔面側では体液が残ることによるべた付き感やムレ感を防止し、ドライ感を着用者に与えることができ、使用感が良好なものとなる。また、当て布とすることで、汚損した場合には簡単に交換することができ、衛生的である。
【0105】
ここで、親水性を付与する処理としては、前述の各種親水性を付与する処理を用いることができる。
【0106】
また、当て布31aは、親水性を有するシート材の一方の面に疎水性を付与する処理を
を施してなるものでもよい。この場合、疎水性を付与する処理としては、前述の撥水処理等を用いることができる。
【0107】
なお、マスク本体40’に代えて、第1および第2実施形態のマスク本体40を用いてもよい。これにより、マスク使用者のドライ感が向上する。
【0108】
<第5実施形態>
図6は、本発明のマスクの第5実施形態を示す断面図および平面図である。
【0109】
以下、第5実施形態について説明するが、前記第1〜第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0110】
本実施形態のマスク10は、図6(a)、(b)に示すように、前記第1実施形態のマスク本体40の内部に形成された空間に、吸水性を有する担体13が収納されている以外は、前記第1実施形態と同様である。これにより、顔面側からより効率よく湿気を回避させることができる。その結果、マスク10の着用者はより一層のドライ感を得ることができる。
【0111】
担体13は、多孔質および緻密質のいずれであってもよいが、多孔質であるのが好ましい。これにより、担体13の表面積が増大し、その吸水(吸湿)性能の向上を図ることができる。
【0112】
また、担体13は、粒状、塊状(ペレット状)およびブロック状のいずれの形態でもよいが、粒状であるのが好ましい。これにより、担体13の表面積が増大し、その吸水(吸湿)性能の向上を図ることができる。
【0113】
さらに、担体13は、粒状、かつ、多孔質であるのが特に好ましい。このような担体13では、前記効果がより増大する。
【0114】
担体13としては、例えば、ハイドロキシアパタイトのようなリン酸カルシウム系化合物、ゼオライト、シリカゲルのようなシリコン系化合物等が挙げられるが、この中でも特にリン酸カルシウム系化合物を主として構成されるものが好ましい。リン酸カルシウム系化合物は、吸湿性や、ウイルスや菌類の吸着性に優れることから、このような効果をマスクに付与することができる。
【0115】
また、担体13としては、主として吸水性ポリマーで構成されていてもよい。吸水性ポリマーは、吸水性能が特に高く、顔面側から特に効率よく湿気を回避させることができる。このような吸水性ポリマーとしては、例えば、デンプン系、セルロース系および合成ポリマーの各種吸水性ポリマーが挙げられ、特にデンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物およびアクリル酸(塩)重合体が好ましく用いられる。
【0116】
以上、本発明のマスクを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することもできる。
【0117】
例えば、上述した各実施形態では、マスク本体または当て布の全体が、疎水性と親水性を有するシート材、または疎水性を有するシート材から構成される場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも口および鼻に当たる部分が疎水性を有するように構成されていればよい。
【実施例】
【0118】
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
1.マスクの作製
(実施例1)
ポリプロピレン繊維で構成された不織布(疎水性の布帛)と綿糸で構成されたガーゼ(親水性の布帛)とを、EVAを主成分とするホットメルト接着剤で貼り付けることにより、図1および図2に示すような長方形のマスク本体を得た。
【0119】
次いで、マスク本体の左右方向の両端部に、紐(固定手段)を取り付け、マスクを得た。
【0120】
(実施例2)
疎水性の不織布とガーゼとの間に、図6に示すように、担体としてハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム系化合物)粉末を配したこと以外は、前記実施例1と同様にしてマスクを得た。
【0121】
(実施例3)
疎水性の不織布の顔面と反対側の面に、ポリビニルアルコールを付与する処理を施したこと以外は、前記実施例1と同様にして、図3に示すようなマスクを得た。
【0122】
(実施例4)
ポリプロピレン繊維で構成された不織布により、疎水性の当て布を得た。
【0123】
次いで、ガーゼで構成されたマスク本体の左右方向の両端部に、紐を取り付けるとともに、当て布のガーゼがマスク本体に接触するように重ねて、図4に示すようなマスクを得た。
【0124】
(実施例5)
当て布の顔面と反対側の面に、ポリビニルアルコールを付与する処理を施したこと以外は、前記実施例4と同様にして、図5に示すようなマスクを得た。
【0125】
(実施例6)
前記実施例1のマスク本体と、前記実施例5の当て布とを用意した。
【0126】
次いで、マスク本体の不織布と、当て布のポリビニルアルコールを付与する処理を施した面とが接触するようにして、マスク本体と当て布を重ねた。
そして、マスク本体の左右方向の両端部に紐(固定手段)を取り付け、マスクを得た。
【0127】
(比較例)
綿糸で構成されたガーゼでマスク本体を構成したこと以外は、前記実施例1と同様にしてマスクを得た。
【0128】
2.評価
被験者350人を50人ずつの7組に分けた。そして、各組の被験者に対して各実施例および比較例の合計7種類のマスクを、3時間で1種類ずつ順番に装着させて、その使い心地を評価してもらった。
【0129】
なお、各組で装着するマスクは、7種類のマスクの装着順序がランダムとなるようにした。
【0130】
また、使い心地の評価は、各マスクに対して、装着直後、1時間経過後、2時間経過後、3時間経過後の4回行った。
なお、使い心地の評価基準は、以下の通りである。
【0131】
○:良好
×:不快
以上、結果を表1に示す。
【0132】
【表1】

【0133】
表1から明らかなように、各実施例のマスクでは、いずれも、3時間経過しても被験者300人中の8割以上が「使い心地が良好」と評価した。また、装着直後と3時間経過後との評価はほとんど変わらず、良好な使い心地が長時間維持されることが示された。
【0134】
これに対し、比較例のマスクでは、装着直後は被験者の9割以上が「良好」と評価したが、その割合は、1時間後には6割、3時間後には2割へと減少していた。この不快の原因は、呼吸によりマスクが湿って、濡れたマスクに触れることへの不快感であった。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明のマスクの第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示すマスクの断面図である。
【図3】本発明のマスクの第2実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明のマスクの第3実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明のマスクの第4実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明のマスクの第5実施形態を示す断面図および平面図である。
【符号の説明】
【0136】
10 マスク
11、11a、21 シート材
12 紐
13 担体
31、31a 当て布
11b、31b 親水性を有する部分
40、40’ マスク本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔面に装着して使用されるマスクであって、
マスク本体と、該マスク本体を顔面の所望の箇所に固定する固定手段とを備え、
前記マスク本体は、その少なくとも顔面に触れる面に疎水性を有する布帛を備えることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記布帛は、不織布で構成されている請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記布帛は、主としてポリオレフィンで構成されている請求項1または2に記載のマスク。
【請求項4】
前記布帛は、その顔面と反対側の面に親水性を有する請求項1ないし3のいずれかに記載のマスク。
【請求項5】
前記布帛は、疎水性の布帛であり、
前記マスク本体は、前記疎水性の布帛と反対側に親水性の布帛を備える請求項1ないし3のいずれかに記載のマスク。
【請求項6】
前記親水性の布帛は、主として天然繊維で構成されている請求項5に記載のマスク。
【請求項7】
前記マスク本体の親水性を有する部分は、その公定水分率が3〜20%である請求項4ないし6のいずれかに記載のマスク。
【請求項8】
前記マスク本体の疎水性を有する部分は、その透湿度が200g/m・h以上である請求項1ないし7のいずれかに記載のマスク。
【請求項9】
前記マスク本体は、その平均厚さが0.1〜10mmである請求項1ないし8のいずれかに記載のマスク。
【請求項10】
前記マスク本体は、その内部に空間が形成され、該空間に吸水性を有する担体が収納されている請求項1ないし9のいずれかに記載のマスク。
【請求項11】
前記担体は、粒状をなしている請求項10に記載のマスク。
【請求項12】
前記担体は、多孔質体である請求項10または11に記載のマスク。
【請求項13】
前記担体は、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されている請求項10ないし12のいずれかに記載のマスク。
【請求項14】
前記担体は、主として吸水性ポリマーで構成されている請求項10ないし12のいずれかに記載のマスク。
【請求項15】
当該マスクを顔面に装着した状態で、
さらに、前記顔面と前記マスク本体との間に配される当て布を備え、
該当て布は、その顔面に触れる面に疎水性を有するものである請求項1ないし14のいずれかに記載のマスク。
【請求項16】
顔面に装着して使用されるマスクであって、
マスク本体と、該マスク本体を顔面の所望の箇所に固定する固定手段と、当該マスクを顔面に装着した状態で前記顔面と前記マスク本体との間に配される当て布とを備え、
前記当て布は、その顔面に触れる面に疎水性を有することを特徴とするマスク。
【請求項17】
前記当て布は、その顔面と反対側の面に親水性を有するものである請求項15または16に記載のマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−325688(P2006−325688A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150264(P2005−150264)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】