説明

マスク

【課題】装着時に人相および表情が隠されることによる相手への不安感および不快感を軽減させることが可能なマスクを提供する。
【解決手段】
着用者の鼻および/または口を覆うマスク本体102と、前記マスク本体102を前記着用者の顔面上に保持するための手段104と、を備えたマスク10において、前記マスク本体102の外側前面に、装飾部材106が着脱自在に取り付けられてなることを特徴とするマスク10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
日本国内におけるインフルエンザの流行は、従来季節性が主であり流行は概ね冬場に限られていた。しかしながら近年流行している新型インフルエンザは夏場においても大流行の様相を呈している。このような状況下、夏場にもかかわらず感染防止のため外出時にマスクを着用する光景が多く見られるようになった。マスク着用は一般の通行人のみならず、特に人との対面が多い業種、例えばファミリーレストラン店員等の接客業、官公庁の窓口職員および駅員に及んでいる。マスク着用は表情が隠されるため意思の疎通に障害が生ずるだけでなく、相手に不快感を与えかねない。これは接客業関係者にとって不都合である。
【0003】
下記特許文献1には、覆っている顔部分が透視可能な透明性を有すると共に通気性を有する布状物からなるマスクが開示されている。下記特許文献2には、マスク本体を透明の素材とし、着用者の顔面を見ることができるように構成した透明マスクが開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術において、素材の透明性と通気性とを両立するには技術的に困難であり、また高価なものとなる。特許文献2の技術では、透明部分が通気性の無いフィルム等で構成しているため表情はクリアになるが、いかにも大袈裟であり手軽さに欠けるため接客業関係者等には不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−146396号公報
【特許文献2】特表2006−525823号公報
【特許文献3】特開2009−11475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、装着時に人相および表情が隠されることによる相手への不安感および不快感を簡単かつ容易に軽減させることが可能なマスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、マスク本体と、前記マスク本体を前記着用者の顔面上に保持するための手段と、を備えたマスクにおいて、
前記マスク本体の外側前面に、装飾部材が着脱自在に取り付けられてなることを特徴とするマスクである。
請求項2に記載の発明は、前記装飾部材が、マジックテープ(登録商標)、ボタン手段またはクリップ手段を介して前記本体の外側前面に取り付けられてなることを特徴とする請求項1に記載のマスクである。
請求項3に記載の発明は、マスク本体と、前記マスク本体を前記着用者の顔面上に保持するための手段と、を備えたマスクにおいて、
前記マスク本体の外側前面には装飾が施され、前記装飾が、前記マスク本体に設けられた隠蔽手段により隠蔽され、所望時に前記隠蔽手段を剥がすことにより、前記装飾を視認可能せしめるように構成したことを特徴とするマスクである。
請求項4に記載の発明は、前記隠蔽手段の一部が前記マスク本体に永久的に連結されてなることを特徴とする請求項3に記載のマスクである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装着時に人相および表情が隠されることによる相手への不安感および不快感を簡単かつ容易に軽減させることが可能なマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のマスクを装着した形態を説明するための図である。
【図2】本発明のマスクの実施形態を説明するための図である。
【図3】本発明のマスクの別の実施形態を説明するための図である。
【図4】本発明のマスクの別の実施形態を説明するための図である。
【図5】マスク本体の外側前面に装飾が施されていることを示す図である。
【図6】隠蔽手段の連結の形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を図面を参照しながらさらに説明する。
図1は、本発明のマスクを装着した形態を説明するための図である。
本発明のマスク10は、マスク本体102と、マスク本体102を着用者の顔面上に保持するための手段104とを備える。
本発明のマスク10は、マスク本体102の外側前面に、装飾部材106が着脱自在に取り付けられてなることを特徴としている。
本発明でいうマスク本体の外側前面とは、着用者がマスクを着用したときに、着用者の顔面と接するマスク本体の面とは反対側の面を意味する。
マスク本体102および手段104の材質や形状はとくに制限されず、従来から公知のマスクと同じものであることができる。
したがって、薬局等で扱われている医療用の超防御マスク、3Dマスク、防護マスク、ディスポーザルマスク、ガードマスク、医療用サージカルマスクはもちろんのこと、建築現場で用いられている防塵マスク、軍事目的の防毒マスク等の吸気から呼吸器を守ることを目的としたものだけではなく、スキーマスク等、あらゆるマスクを含む。
【0010】
装飾部材106は、例えばプラスチックや布等の基材上に、所望のイラストをインク等により形成した部材であることができ、マスク本体102の外側前面に着脱自在に取り付けられる。例えば図2に示したように、マスク本体102のほぼ中央部にマジックテープ(登録商標)108を設置し、これを介して装飾部材106を取り付けることができる。なお図示していないが、装飾部材106の裏側にもマジックテープ(登録商標)が設置されている。なおマジックテープとは(株)クラレの登録商標であり、その構造は様々な形態があるが、その一例としては、一方の面に多数のフックを、他方の面に多数のループを設け、両者を押圧することにより、両者がかかりあって固定されるというものである。なお本発明においては、この形態とは別に、ボタン手段(例えばボタンやホック等)、クリップ手段、磁石、両面接着テープをマスク本体102および/または装飾部材106に設け、装飾部材106を着脱自在にしてもよい。クリップ手段を設ける場合は、例えばクリップの一部をマスク本体102に接着剤を用いて固定する;クリップの一部をマスク本体102中に埋め込む;クリップの一部をマスク本体102の内側に貫通させておく;等によって例えばクリップをマスク本体102と一体化させておくのが好ましい。
【0011】
また、図3に示したように、マジックテープ(登録商標)108を装飾部材106のサイズよりも大きく設置すれば、着用者がマスクを着用した状態でも装飾部材106の貼着が容易となり好ましい。
【0012】
図4は、本発明の別の実施形態のマスクを説明するための図である。図4において、マスクの主たる構成は図1と同様であるが、マスク本体102の外側前面には、隠蔽手段110が設けられている。なお、図5に示すように、マスク本体102の外側前面には装飾112があらかじめ施されている。装飾112は、例えばインク等を用いてマスク本体102に予め形成されているものである。
隠蔽手段110は、装飾112を隠蔽することができれば、その材質およびサイズは問わない。例えばマスクと同じ素材や、布等が挙げられる。
着用者は、所望のときに隠蔽手段110を剥がし、装飾112を視認可能にすることができる。例えば図6に示すように、隠蔽手段110の任意の場所(図6では下部水平位置1102)を糸等で縫合し、永久的に連結することにより、この下部水平位置1102を軸として隠蔽手段110を下方にめくることができ、これにより装飾112が視認可能となる。なお、図6の形態では隠蔽手段110の裏側にも装飾112の一部が形成され、隠蔽手段110を下方にめくったときに、装飾112のすべてが完成して視認可能となる。このようにすれば、装飾112をマスク本体102の外側前面にすべて形成する必要がなく、隠蔽手段110のサイズを減少させることができ、好ましい。
【0013】
上記では、装飾112としてイラストを例示したが、これ以外にも、例えば文字を採用しメッセージを表現してもよい。また、特に意味のない幾何学的模様を採用し芸術的表現を行なうこともできる。
【符号の説明】
【0014】
10,12 マスク
102 マスク本体
106 装飾部材
110 隠蔽手段
112 装飾

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体と、前記マスク本体を前記着用者の顔面上に保持するための手段と、を備えたマスクにおいて、
前記マスク本体の外側前面に、装飾部材が着脱自在に取り付けられてなることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記装飾部材が、マジックテープ(登録商標)、ボタン手段またはクリップ手段を介して前記本体の外側前面に取り付けられてなることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
マスク本体と、前記マスク本体を前記着用者の顔面上に保持するための手段と、を備えたマスクにおいて、
前記マスク本体の外側前面には装飾が施され、前記装飾が、前記マスク本体に設けられた隠蔽手段により隠蔽され、所望時に前記隠蔽手段を剥がすことにより、前記装飾を視認可能せしめるように構成したことを特徴とするマスク。
【請求項4】
前記隠蔽手段の一部が前記マスク本体に永久的に連結されてなることを特徴とする請求項3に記載のマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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