説明

マスフローを構成する物品を搬送するための装置及び方法並びに棒状の物品で後続の装置を充填するための装置

【課題】物品の排出も、装置からの完全な排出もする装置並びに方法を提供する。
【解決手段】移送要素32が、駆動及び/又は転向要素として形成された少なくとも2つのローラ35,36の回りを案内されている、物品の搬送装置において、搬送側車間部分33が、その最大長さを搬送側車間部分33が備える通過位置から最大長さに対して搬送側車間部分33が短縮されている排出位置及びその逆に移行可能であることを特徴とする装置と、物品の供給要素19を有する充填ヘッド18を有し、供給要素19が、合流部20の領域でシャフト21に合流し、相前後して配設された2つの搬送要素24,25を有する下の移送手段23を備える、棒状の物品を充填するための装置において、搬送要素25が、請求項1〜15のいずれか1つに記載の装置31として形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送側車間部分と返還側車間部分とを有する無端の移送要素を有し、移送要素が、駆動及び/又は転向要素として形成された少なくとも2つのローラの回りを案内されている、マスフローを構成する物品を入力装置から出力装置に搬送するための装置に関する。更に、本発明は、マスフローを構成する物品を搬送するための供給要素を有する充填ヘッドを有し、供給要素が、合流部の領域でシャフトに合流し、相前後して配設された2つの搬送要素を有する下の移送手段を備える、棒状の物品で後続の装置−特に包装機械−を充填するための装置に関する。更に、本発明は、特に請求項16〜18のいずれか1つに記載の、後続の装置を充填するための装置に主移送方向にマスフローを供給するステップと、入力領域から出力領域にマスフローを搬送するステップと、マスフローを導出するステップと、を有する、マスフローを構成する物品を搬送するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
後続の装置を充填するためのこのような装置は、特にタバコ加工産業で使用される。これら装置は、例えば、シガレット、タバコスティック、フィルタ棒等のような棒状の物品を放送機械に供給するために使用される。供給装置により、通常は一定の高さの多層のマスフローは充填ヘッドに搬送される。供給装置により、物品もしくはこの物品から構成されるマスフローは合流部の領域に案内される。供給装置に接続するシャフトを介して、物品は放送機械に供給される。このような前記装置の本質的な構成要素は、マスフローを構成する物品を入力装置−例えば供給コンベヤ−から出力装置−例えば包装機械に付設されているシャフト−に搬送するための装置である。物品を搬送するためのこのような装置は、駆動及び/又は転向ローラとして形成されている2つのローラの周りを案内されている無端の移送要素を有する。移送要素の物品もしくはマスフローをサポート/収容する部分は、搬送側車間部分である。移送要素の空走部分は、返還側と呼ばれる。
【0003】
このような装置の通常運転中は、例えば製品又はマーク交換を実施できることが必要である。これは、後続の製品もしくは後続のマークが装置に導入することができるまでは、装置が完全に1つの製品もしくは1つのマークから解放されなければならないということを意味する。他の場合は、予め何らかの公知の方法で検出されている、瑕疵又は欠陥のある又は他に望まれない物品もしくはマスフローの一部を装置から排出することが必要となることがある。
【0004】
公知の装置及び方法の場合、物品を通常は少なくとも部分的に手動で装置から搬出するために、装置を後続の装置から切り離すこと及び/又は装置を運転以外に設定することが必要である。このため、装置の終端部に、例えばボール紙又は金属板から成る誘導要素が合流部の領域に位置決めされ、この誘導要素が、物品を、シャフト内に落下してしまうまで収容部に移送する。これは、一方では時間がかかることである。他方では、装置を完全に空にするか、全く空にしないという可能性があるに過ぎない。換言すると、例えばマスフローにおいて、例えば瑕疵があると検出された中心の部分を排出することは可能でないということである。瑕疵のある物品をマスフローの中心から排出するため、装置の内容全体が、即ち瑕疵があると検出されていない物品も、排出しなければならない。
このような装置もしくは方法は、特許文献1〜5から公知である。
【特許文献1】英国特許第2 077 214号明細書
【特許文献2】米国特許第6 866 135号明細書
【特許文献3】独国特許第35 46 654号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第32 23 070号明細書
【特許文献5】英国特許第2 025 882号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の課題は、検出された物品の適切な排出も、装置を空にするための完全な排出も保証する装置を提供することにある。更に、本発明の課題は、相応の方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、一方で、冒頭で述べた様式のマスフローを構成する物品を搬送するための装置によれば、搬送側車間部分が、その最大長さを搬送側車間部分が備える通過位置から最大長さに対して搬送側車間部分が短縮されている排出位置及びその逆に移行可能であることによって解決される。この形成により、装置を完全に空にする他に、個々の物品又はマスフローの一部の適切な排出も可能にする廃棄シャフトを装置内に提供することが可能である。本来の搬送区間を短縮することによって、物品を所望のもしくは一定の範囲で本来のマスフローから区分けし、適切に送出することを可能にする、移送要素の搬送面内の開口部が得られる。
【0007】
好ましくは、第3のローラが設けられており、転向及び/又は駆動ローラの少なくとも一方が、搬送側車間部分の長さを変更するために他方の転向及び/又は駆動ローラに対して相対的に運動可能に形成されている。これにより、マスフローからの物品の廃棄を保証する構造的に簡単な解決策が提供される。
【0008】
本発明の好ましい発展構成では、主移送方向で入力側に配設されたローラが、運動可能な転向ローラとして形成されており、これにより、一方で、全ての物品が構成すべき開口部を通過し、これにより場合によっては排出できることが保証される。他方で、これによりマスフローの中心からの物品の特に簡単な排出も保証される。
【0009】
有利なことに、搬送側車間部分の領域に、分離もしくは遮断要素が配設されており、この要素が、マスフローが妨げなしに搬送側車間部分を主移送方向に搬送可能である解放位置から、マスフローが主移送方向の自由な搬送を阻止される遮断位置及び逆に運動可能である。この本発明による発展構成により、排出のために、検出された物品が排出の際に開口部を既に通過している物品と混ざることを有効に防止することができる。
【0010】
他方で、この課題は、冒頭で述べた特徴を有する棒状の物品で後続の装置を充填するための装置によれば、下の移送手段の主移送方向で後の搬送要素が、請求項1〜15のいずれか1つに記載の装置として形成されていることによって解決される。これから得られる利点は、既に更に上で述べており、この装置にも関係している。
【0011】
更に、この課題は、冒頭で述べたステップを有する方法によれば、マスフローが、選択的に、完全に出力領域で導出されるか、少なくとも部分的に出力領域に達する前に排出されることによって解決される。これにより得られる利点は、更に上で説明されている。
【0012】
好ましくは、マスフローの一部又はマスフロー全体を排出するための搬送区間が、入力領域と出力領域間で開放される。このステップで、装置内の任意の位置でのマスフローの一部又はマスフロー全体の可変で省スペースの排出が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
有利で好ましい更なる特徴及び方法ステップは、下位の請求項及び説明から分かる。特に好ましい実施形並びに方法原理を、添付図を基にして詳細に説明する。
【0014】
示された装置及び説明された方法は、マスフローからシガレット又はフィルタ棒を排出するために使用される。当然、装置は、他の配設でも及び/又は独立したコンポーネントとしても、タバコ加工産業の別の物品を排出するために、しかしながらまた他の分野でも使用することができる。
【0015】
本発明を良好に理解するため、図4〜6を基にして、先ず基本構造並びに基本機能を説明する。次に、詳細説明を図1〜3を基にして行なう。
【0016】
図4〜6には、タバコ加工産業の生産ライン10が図示されており、この生産ラインは、複数のコンポーネントから構成されている。純模範的に、生産ライン10は、主移送方向(矢印Aによる)に、メーカと呼ばれるシガレット又はフィルタ棒を製造するための装置11と、入口構造群12、貯蔵装置13と、出口構造群14と、(図示されてない)物品の包装をする(以下ではパッカと呼ばれる)もしくは物品の次処理又は転送をするための装置15とを有する。
【0017】
図4には、通常の作業配置にある生産ライン10が図示されており、この作業配置では、マスフローを構成する物品は、一貫して1つの方向に、即ち主移送方向の方向(矢印Aによる)に移送される。物品は、この配置では、直接及び完全にメーカからパッカに搬送される。しかしながら貯蔵装置13内の貯蔵区間を部分的(区間的)に又は完全に空にするために、図5及び6による別の配置が設けられる。このため、搬送装置は、装置15と出口構造群14間を逆転されている。換言すると、物品は、出口構造群の領域で主移送方向(矢印Aによる)とは反対に矢印Bの方向に搬送されるということである。これにより、本来の廃棄位置を既に通過してしまった物品も、(外部の)収容容器16に廃棄できることが保証される。図6には、最後に、入口構造群12の領域に物品廃棄部が設けられている配置が示されている。この構成/配置では、貯蔵装置13の内の移送方向自体が、逆転、即ち矢印Cによって示されているような主移送方向(矢印Aによる)とは反対に整向、されている。
【0018】
図1には、上記の貯蔵装置13の一部、正確には貯蔵装置13の出口が図示されている。示された貯蔵装置13の一部もしくは出口は、ここでは好ましい構成として、棒状の物品で後続の装置(例えばパッカ)を充填するための装置17に接続されている。装置17は、パッカを充填するための充填ヘッド18を有する。充填ヘッド18は、本質的に多数の物品から構成されたマスフローを主移送方向(矢印Aによる)に搬送するための供給要素19を有する。供給要素19は、合流部20を備える。合流部20は、供給要素19からシャフト21への移行部である。シャフト21は、一定の数の物品を収容するための空間/貯蔵装置であり、例えばパッカ15を接続するために使用される。
【0019】
供給要素19は、合流部20の領域でシャフト21において終わり、示された実施形では上の移送手段22と下の移送手段23とから構成されている。両移送手段22,23間に、収容又は貯蔵空間が形成されている。下の移送手段23は、少なくとも2つの相前後して配設された搬送要素24及び25を有し、これら搬送要素は、通過位置で一貫した好ましくは水平な搬送面Tを構成する。搬送要素24から搬送要素25への物品もしくはマスフローの移行部Uの領域内の中間空間は、伝達要素48,49によって橋渡しされている。個々の伝達要素がフレーム/台に配設される可能性がある。しかしながら、好ましくは搬送要素24に伝達要素48が、搬送要素25に伝達要素49が付設されている。上の移送手段22は、固定式のガイドとして形成されていてもよい。また、図1で入口の領域に配設された移送手段22の位置を変更することもでき、特に充填ヘッド18の近傍に配設することもできる。
【0020】
主移送方向(矢印Aによる)で後の搬送要素25は、上の移送手段22又は相応のガイドと共に合流部20を構成する。各搬送要素24,25は、無端のベルト又はチェーン26もしくは27として形成されている。両ベルト/チェーン26,27は、搬送面Tを定義する画一的で平坦な載置面を構成する。ベルトもしくはチェーン26,27の一方、しかしながら好ましくは両方のベルト/チェーン26,27は、駆動機構28もしくは29によって駆動可能であり、しかも両方向に駆動可能である。上の移送手段22は、少なくとも1つの上のベルト/上のチェーン30を有し、このベルト/チェーンは、同様に無端に形成されており、選択的に従動的又は能動的(図示されてない駆動手段によって)に駆動可能である。明示されてない構成にあっては、充填ヘッド18は、更に、例えば好ましくは上の移送手段22の偏向可能なベルト/チェーンによって形成されている付加的な貯蔵装置を備えてもよい。
【0021】
下の移送手段23の搬送方向もしくは主移送方向(矢印Aによる)で後の搬送要素25は、マスフローを構成する物品を搬送するための装置31として形成されている。装置31は、無端の移送手段32を、例えばベルト/チェーン27を有する。ベルト/チェーン27は、搬送側車間部分33と返還側車間部分34とを備える。搬送側車間部分33は、物品の収容及び搬送するために使用され、搬送面T内で本質的に水平方向に延在する。通過位置で、搬送側車間部分33は、通常物品の負荷を受けている。返還側車間部分34は、ベルト/チェーン27を物品の出力ポイントもしくはベルト/チェーン27への移行ポイントに戻すために、搬送面T外に延在する。移送手段32は、駆動及び/又は転向要素として形成された少なくとも2つのローラ35,36の周りを案内されている。
【0022】
搬送側車間部分33は、搬送側車間部分33がその最大長さ(Tmax参照)を備え、かつ搬送要素24の近傍にまで達する通過位置(特に図2参照)から、搬送側車間部分33が最大長さTmaxに対して最小長さTminに至るまで短縮されている排出位置(特に図3参照)及びその逆に移行可能である。換言すれば、装置31内の移送区間の長さは、TminとTmax間の範囲で変更することができ、しかも、物品を排出するための開口部37を構成可能であるように変更することができるということである。この場合、搬送側車間部分33の搬送面Tから移動される部分は、返還側車間部分34の部分である。この構造上の構成は、可逆である。これは、開口部が、選択的に、物品を排出するために開放したり、物品を搬送するために閉鎖したりすることができるということを意味する。
【0023】
装置31には、別の第3のローラ38が付設されている。ローラ35,36,38の少なくとも1つは、搬送側車間部分33の長さを変更するためにそれぞれ他のローラ35,36,38に対して相対的に運動可能に形成されている。3つの転向及び/又は駆動ローラ35,36,38は、搬送側車間部分33の通過位置(例えば図1参照)で主移送方向(矢印Aによる)に相前後して配設されている。ローラ35,36,38の中心軸は、この実施形では整列して位置平面内に、即ち搬送面Tに平行に位置する。主移送方向(矢印Aによる)で入口側に配設されたローラ35が運動可能な転向ローラとして形成されていることが、特に有利であると分かった。相応に、主移送方向で出口側に配設されたローラ36は駆動ローラとして、運動可能なローラ35と駆動ローラ36間に配設されたローラ38は位置不動の転向ローラとして形成されている。
【0024】
運動可能なローラ35は、好ましくは旋回可能に形成されている。このため、ローラ25は、キャリヤ39に配設及び支承されている。ローラ35は、キャリヤ39に回転可能に、しかしながら位置不動に固定されている。ローラ35を有するキャリヤ39は、旋回可能に、しかも旋回点Sを中心として旋回可能に形成されている。キャリヤ39の旋回点Sは、位置不動で装置31の台又はフレームに配設及び支承されたローラ38の中心軸外に位置する。好ましくは、旋回点Sは、主移送方向でローラ38の中心軸の後に位置する。示した実施形では、旋回点Sは、ローラ35,36,38の中心軸が搬送側車間部分33の通過位置に位置する同じ面内にある。キャリヤ39は、油圧、空気圧又は他の普通の方式で運転されるシリンダ40によって旋回可能である。シリンダ40は、装置31のフレームもしくは台に固定されており、ピストンロッド41によってキャリヤ39と作用結合している。換言すれば、ピストンロッド41の一端がシリンダ40と、ピストンロッド41の他端がキャリヤ39と結合されている。ピストンロッド41とキャリヤ39間の結合部は、ピストンロッド41とキャリヤ39間の相対的な旋回運動が保証されるように形成されている。更に、上で述べた伝達要素39がキャリヤ39に固定されているので、伝達要素49は、キャリヤ39の旋回運動に従う。
【0025】
詳細に説明してない実施形では、複数のローラが運動可能に形成されていてもよいので、例えば搬送側車間部分33は、入力側及び出力側を短縮することができる。これにより、入口領域及び出口領域に物品を排出するための開口部を構成することができる。図1による構成では、装置31は、充填ヘッド18に付設されているか、この充填ヘッドの一体化された構成要素である。しかしながら、装置31は、異なった位置に設けられていてもよい。装置31は、個別のコンポーネント又は他のコンポーネント−例えば貯蔵装置13−の一体化された構成要素として形成されていてもよい。装置31は、付加的又は選択的に貯蔵装置13の更に前に設けられていてもよいので、物品は、貯蔵装置13の本来の貯蔵部の更に前で排出してもよい。
【0026】
搬送側車間部分33の領域、好ましくは搬送側車間部分33の上に、分離もしくは遮断要素42が配設されている。遮断要素42は、示された構成にあっては、曲げられた金属板として形成されている。他の形態及び形成も、当然同様に可能である。材料の選択も可変である。遮断要素42は、上の解放位置(図2に図示されているような)から下の遮断位置(図3に図示されているような)及びその逆に運動可能である。解放位置で、物品もしくは相応のマスフローは、邪魔されずに搬送側車間部分33上を主移送方向に搬送可能である。遮断位置で、遮断要素42は、この遮断要素が隔壁のように搬送側車間部分33上に存在して、搬送流が主移送方向(矢印Aによる)に中断されるように旋回されている。換言すれば、遮断要素42は、マスフローを、構成すべき(更に下で説明する)開口部37の前の領域と構成すべき開口部37の後の領域に分離するということである。遮断要素42は、示した実施形では、旋回装置43によってキャリヤ39に配設されている。これにより、遮断要素42とキャリヤ39間の作用結合が形成される。キャリヤ39の旋回に際して、連結状態の旋回装置43は、従って遮断要素42も、強制的に共に旋回される。但し、一方ではキャリヤ39との他方では旋回装置43との結合は解除可能である。連結解除によって、キャリヤ39の旋回が可能である一方で、遮断要素42は、上の静止もしくは解放位置に残っている。
【0027】
旋回装置43は、レバー状の要素44を備える。要素44の一方の自由端に、遮断要素42が配設されている。他方の自由端には、フランジ45が形成されている。フランジ45には結合ロッド46が配設されており、この結合ロッドが、旋回装置43をキャリヤ39と結合する。結合ロッド46は、この結合ロッド46が好ましくは搬送面Tに対して垂直な方向に直線的に運動可能であるように、(図示されてない)ガイド内に強制ガイドされている。このため、結合ロッド46は、両端を一方ではフランジ45に、他方ではキャリヤ39にジョイントにより枢着されている。遮断要素42を解放位置から遮断位置及びその逆に旋回させるための他の適当なそれぞれの手段も、同様に使用可能である。
【0028】
選択的に、遮断要素42は、例えば独立して装置31のフレーム/台の領域に配設され、解放位置から遮断位置及びその逆に旋回させるための固有の(図示されてない)駆動機構−例えば空気圧シリンダ−を備えている。直線及び/又は弧線方向に遮断要素42を運動させる他の可能性も、同様に可能である。
【0029】
移送要素32には、更に緊張要素47が付設されている。例えばバネ板等であってもよい緊張要素47は、返還側車間部分34の領域に配設されており、ベルト/チェーン27の緊張をローラ35,36,38の姿勢及び位置に依存せずに本質的に一定に保つ。しかしながらまた、ベルトもしくはチェーンの緊張は、他の通常のそれぞれの手段によって維持及び制御してもよい。
【0030】
以下では、特に図1〜6を基にして異なった方法原理を詳細に説明する。
【0031】
・通常の生産方法(特に図1及び2参照)
標準的な生産モードでは、遮断要素42は上の静止位置に存在する。マスフローは、主移送方向Aに移動される。この場合、マスフローは、搬送要素24から伝達要素48,49等を介して搬送要素25に引き渡され、この搬送要素から合流部20を経てシャフト21に供給される。この場合、両移送手段22及び23は、主移送方向Aに駆動もしくは運動される。この方法の場合、搬送面Tはいわば閉じているので、マスフローを構成する全ての物品が、入力装置から出力装置に搬送され、物品は、搬送中選択的に少なくとも部分的に貯蔵してもよい。
【0032】
・検出された製品の適切な排出
しかしながら、事情によっては、一定の物品もしくはマスフローの一部を、例えば物品に瑕疵がある場合又はランダムサンプリングを目的として等、適切に排出できるという必要性又は希望がある。このような場合には、派出すべき物品が検出される。検出された物品もしくは検出された部分が搬送要素24,25間の移行領域Uに達したら、直ちに、ローラ35を有するキャリヤ39が旋回されることによって、開口部37が構成される。旋回により、搬送側車間部分33は、通過位置で備えているその最大長さに比べて短縮されるので、搬送面Tが中断される。搬送要素25もしくは正確にはベルト/チェーン27の全長が一定であるので、返還側車間部分34は、ちょうどこの長さだけ短縮する。開口部37の構成と同時に、遮断部分42は、その解放位置からその遮断位置に旋回される。その場合、遮断要素42は、遮断位置でローラ38の直前に存在する。これにより、一方で、開口部37を既に通過している物品が開口部37を経て後に廃棄シャフト50内に落下することが防止される。他方で、遮断要素42は、例えば瑕疵があると検出された物品が開口部37を超えて更に搬送されること、もしくは検出されない物品と混ざることを防止する。換言すれば、遮断要素42は、両搬送要素24,25間に有効なバリケードを構成する。
【0033】
主移送方向Aで開口部37の直前で搬送要素24上に位置する物品は、更に主移送方向Aに移動されるので、これらの物品は、開口部を経て廃棄シャフト50内に落下する。選択的に、排出されたこれらの物品は、次に収容容器16に集められる。検出された物品を排出している間、搬送要素25は静止している。排出を終了させた後、廃棄シャフト50もしくは開口部37が再び閉じられる。開口部37を閉じるためにキャリヤ39を、これによりローラ35を旋回させることにより、遮断要素42も再び解放位置に移動される。選択的に、遮断要素42の旋回は、キャリヤ39に依存せずに行なうこともできる。排出によって生じた、搬送要素25上に既に存在する物品と搬送要素24から続く物品間の間隙は、搬送要素25が未だ静止しているのに対して、搬送要素24が駆動されることによって閉じられる。間隙が閉じられると、直ちに、搬送要素25も再び駆動される。
【0034】
・システム全体の完全な空疎化
しかしながら、幾つかの場合、例えば製品交換の際、システムを、即ち特に装置31を完全に空にすることが必要であるか、望ましいことがある。このような場合、開口部37が、既に上で説明した方法で構成される。物品もしくは装置31に達したマスフローは、搬送要素24によって直接開口部37に供給され、その際、物品は、開口部37を経て廃棄シャフト50内に、例えばその下に存在する収容容器16内に落下する。物品の一部もしくはマスフローの先駆け部は、キャリヤ39の旋回により開口部37が構成された時点で、開口部37を既に通過しており、搬送要素25のその際に短縮された搬送側車間部分33上の主移送方向(矢印Aによる)で開口部37の後に位置する。この物品もしくはマスフローのこの部分も装置31から排出するため、主移送方向で後の搬送要素25の駆動方向が逆転されるので、ベルト/チェーン27は、主移送方向とは反対に運動する。これにより、物品は、開口部37に供給され、この開口部を介して廃棄シャフト50内に排出され、これにより収容容器16に供給される。全ての物品を排出している間に、遮断要素42は、その解放位置に留まっている。このため、事情によっては、キャリヤ39の旋回運動が遮断要素42に伝達されないように、遮断要素がキャリヤ39との結合から解除されなければならないか、もしくは遮断要素が上の位置に残っているように、(図示されてない)固有の駆動機構が手当てしなければならない。排出を終了させた後、即ちシステムを完全に空にした場合、開口部37は、上で説明した方法で再び閉じられる。
【0035】
キャリヤ39の全ての旋回運動において、一方でローラ35の旋回点Sの位置により、他方で遮断要素47により、ベルト/チェーン27が永続的に調整された緊張下にあることが保証される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】後続の装置を充填するための装置の概略図の側面図を示す。
【図2】通過位置にある図1による装置の構成要素としてのしたの移送手段の一部の側面図を示す。
【図3】排出位置にある図2による下の移送手段を示す。
【図4】通常の作業配置にあるマスフローを構成する物品を搬送するための装置を有する生産ラインの概略図を示す。
【図5】マスフローを構成する物品を搬送するための装置の出口領域に物品廃棄部を有する生産ラインを示す。
【図6】マスフローを構成する物品を搬送するための装置の入口領域に物品廃棄部を有する生産ラインを示す。
【符号の説明】
【0037】
10 生産ライン
11 装置
12 入口構造群
13 貯蔵装置
14 出口構造群
15 装置(パッカ)
16 収容容器
17 装置
18 充填ヘッド
19 供給要素
20 合流部
21 シャフト
22 上の移送手段
23 下の移送手段
24 搬送要素
25 搬送要素
26 ベルト又はチェーン
27 ベルト又はチェーン
28 駆動機構
29 駆動機構
30 ベルト又はチェーン
31 装置
32 移送手段
33 搬送側車間部分
34 返還側車間部分
35 ローラ
36 ローラ
37 開口部
38 ローラ
39 キャリヤ
40 シリンダ
41 ピストンロッド
42 分離もしくは遮断要素
43 旋回装置
44 要素
45 フランジ
46 結合ロッド
47 緊張要素
48 伝達要素
49 伝達要素
50 廃棄シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送側車間部分(33)と返還側車間部分(34)とを有する無端の移送要素(32)を有し、移送要素(32)が、駆動及び/又は転向要素として形成された少なくとも2つのローラ(35,36)の回りを案内されている、マスフローを構成する物品を入力装置から出力装置に搬送するための装置において、
搬送側車間部分(33)が、その最大長さを搬送側車間部分(33)が備える通過位置から最大長さに対して搬送側車間部分(33)が短縮されている排出位置及びその逆に移行可能であることを特徴とする装置。
【請求項2】
搬送側車間部分(33)の少なくとも一部が、返還側車間部分(34)及びその逆に移行可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第3のローラ(38)が設けられており、転向及び/又は駆動ローラ(35,36)の少なくとも一方が、搬送側車間部分(33)の長さを変更するために他方の転向及び/又は駆動ローラに対して相対的に運動可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
移送要素(32)に、返還側車間部分(34)の領域に配設されている緊張要素(47)が付設されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
3つの転向及び/又は駆動ローラ(35,36,38)が、搬送側車間部分(33)の通過位置におけるマスフローの主移送方向(矢印A)に相前後して配設されており、転向及び/又は駆動ローラ(35,36,38)の中心軸が、好ましくは水平面内に位置することを特徴とする請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
マスフローの主移送方向で入力側に配設されたローラ(35)が、運動可能な転向ローラとして形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
マスフローの主移送方向で出力側に配設されたローラ(36)が駆動ローラとして、運動可能なローラ(35)と駆動ローラ(36)間に配設されたローラ(38)が位置不動の転向ローラとして形成されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
運動可能なローラ(35)が、旋回可能に形成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
旋回可能なローラ(35)が、キャリヤ(39)に配設されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の装置。
【請求項10】
キャリヤ(39)が旋回可能に形成されており、キャリヤ(39)の旋回点Sが、位置不動の転向ローラ(38)の中心軸の外側に、好ましくはマスフローの主移送方向で中心軸の後に位置することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
キャリヤ(39)の旋回点Sが、搬送側車間部分(33)の通過位置内の3つの駆動及び/又は転向ローラ(35,36,38)の中心軸と同じ水平面内に位置することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
キャリヤ(39)が、シリンダ(40)によって旋回可能であり、このシリンダ(40)が、ピストンロッド(41)を介してキャリヤ(39)と作用結合していることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1つに記載の装置。
【請求項13】
搬送側車間部分(33)の領域に、分離もしくは遮断要素(42)が配設されており、この要素が、マスフローが妨げなしに搬送側車間部分(33)を主移送方向に搬送可能である解放位置から、マスフローが主移送方向の自由な搬送を阻止される遮断位置及び逆に運動可能であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の装置。
【請求項14】
分離もしくは遮断要素(42)が、旋回装置(43)によりキャリヤ(39)に配設されており、このキャリヤと作用結合していることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
分離もしくは遮断要素(42)が、固有の駆動機構によって解放位置から遮断位置及びその逆に運動可能であることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
マスフローを構成する物品を搬送するための供給要素(19)を有する充填ヘッド(18)を有し、供給要素(19)が、合流部(20)の領域でシャフト(21)に合流し、相前後して配設された2つの搬送要素(24,25)を有する下の移送手段(23)を備える、棒状の物品で後続の装置−特に包装機械−を充填するための装置において、
下の移送手段(23)の主移送方向で後の搬送要素(25)が、請求項1〜15のいずれか1つに記載の装置(31)として形成されていることを特徴とする装置。
【請求項17】
下の移送手段(23)の両方の搬送要素(24,25)間の部分が、少なくとも1つの伝達要素(48,49)によって閉鎖されていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
2つの伝達要素(48,49)が設けられており、一方の伝達要素(48)が前の搬送要素(24)に、他方の伝達要素(49)が後の搬送要素(25)に付設されていることを特徴とする請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
−特に請求項16〜18のいずれか1つに記載の、後続の装置を充填するための装置に主移送方向にマスフローを供給するステップと、
−入力領域から出力領域にマスフローを搬送するステップと、
−マスフローを導出するステップと、
を有する、マスフローを構成する物品を搬送するための方法において、
マスフローが、選択的に、完全に出力領域で導出されるか、少なくとも部分的に出力領域に達する前に排出されることを特徴とする方法。
【請求項20】
マスフローの一部又はマスフロー全体を排出するための搬送区間が、入力領域と出力領域間で開放されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
排出が自動的に行なわれることを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−22810(P2007−22810A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193454(P2006−193454)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(595112018)ハウニ・マシイネンバウ・アクチエンゲゼルシヤフト (123)
【Fターム(参考)】