マッサージチェア
【課題】ユーザがリラックスする姿勢を容易にとれ、適切なマッサージを施すことを可能とするマッサージチェアを提供する。
【解決手段】ユーザが着座する座面20aを有する座部20と、ユーザの背中を支持する背もたれ面10aを有する背もたれ部10と、ユーザの背中が背もたれ面10aによって支持された状態でユーザの肩位置を検出する肩位置センサ11とを備えたマッサージチェア100が、肩位置センサ11によって肩位置が検出されてから、ユーザに施されるマッサージが終了するまでをマッサージ工程として、マッサージ工程を行うマッサージ制御部80と、座面20aに着座したユーザの生体情報を取得する生体情報センサ210と、生体情報センサ210によって取得された生体情報に基づいて、マッサージ工程を開始する前に座面20aの傾きを変更する角度調節指示部54とを備えることを要旨とする。
【解決手段】ユーザが着座する座面20aを有する座部20と、ユーザの背中を支持する背もたれ面10aを有する背もたれ部10と、ユーザの背中が背もたれ面10aによって支持された状態でユーザの肩位置を検出する肩位置センサ11とを備えたマッサージチェア100が、肩位置センサ11によって肩位置が検出されてから、ユーザに施されるマッサージが終了するまでをマッサージ工程として、マッサージ工程を行うマッサージ制御部80と、座面20aに着座したユーザの生体情報を取得する生体情報センサ210と、生体情報センサ210によって取得された生体情報に基づいて、マッサージ工程を開始する前に座面20aの傾きを変更する角度調節指示部54とを備えることを要旨とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが着座する座面を有する座部と、ユーザの背中を支持する背もたれ面を有する背もたれ部とを備えたマッサージチェアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが着座する座面を有する座部と、ユーザの背中を支持する背もたれ面を有する背もたれ部と、ユーザのふくらはぎを支持するフットレスト部と、ユーザの足裏を支持する足裏部とを備えたマッサージチェアが広く知られている。また、マッサージチェアは、ユーザの肩、腰、ふくらはぎ、足裏などに様々な圧力を加えることによってマッサージをユーザに施す。
【0003】
このようなマッサージチェアは、背もたれ部やフットレスト部の傾きを調節する機能(リクライニング機能)を有しており、ユーザがリラックスした状態でマッサージを受けられるように構成されている。また、ユーザがリラックスした状態でマッサージを受けることによって、マッサージ効果の向上が図られている。
【0004】
また、一般的に、マッサージチェアは、適切なマッサージをユーザに施すために、ユーザの肩位置を検出する機能を有しており、検出されたユーザの肩位置に応じてマッサージを施している。
【0005】
さらに、マッサージ効果をさらに高めるために、座面の傾きを変更して、座面と背もたれ面とが形成する角度を調節可能なマッサージチェアも提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−344316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したマッサージチェアでは、座面の角度はユーザの操作によって変更されるため、ユーザがリラックスする姿勢を自分で探さなければならない。また、ユーザが最もリラックスする姿勢となっているかを判別することも難しかった。
【0007】
また、上述したマッサージチェアでは、マッサージを開始した後にユーザが自由に座面の角度を変更すると、ユーザの肩位置がずれてしまう場合があるため、適切なマッサージが施されない恐れがあった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザがリラックスする姿勢を容易にとれ、適切なマッサージを施すことを可能とするマッサージチェアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の特徴は、ユーザが着座する座面(座面20a)を有する座部(座部20)と、前記座面に着座したユーザの背中を支持する背もたれ面(背もたれ面10a)を有する背もたれ部(背もたれ部10)と、ユーザの背中が前記背もたれ面によって支持された状態でユーザの肩位置を検出する肩位置検出部(肩位置センサ11)とを備えたマッサージチェア(マッサージチェア100)が、前記肩位置検出部によって前記肩位置が検出されてから、ユーザに施されるマッサージが終了するまでをマッサージ工程として、前記マッサージ工程を行うマッサージ部(マッサージ制御部80)と、前記座面に着座したユーザの生体情報を取得する生体情報取得部(生体情報センサ210、生体情報取得部51、リラックス度算出部53)と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報に基づいて、前記マッサージ工程を開始する前に前記座面の傾きを変更する傾き変更部(角度調節指示部54、アクチュエータ21)とを備えることを要旨とする。
【0010】
かかる特徴によれば、傾き変更部が、生体情報取得部によって取得された生体情報に基づいて座面の傾きを変更することにより、ユーザがリラックスした姿勢となるように、座面の傾きを自動的に変更することができる。
【0011】
また、傾き変更部が、マッサージ工程を開始する前に座面の傾きを変更することにより、肩位置検出部によって検出された肩位置がずれてしまって、最適なマッサージがユーザに施されないことを防止することができる。
【0012】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記傾き変更部が、前記座面の傾きが所定の傾き(所定の初期角度;例えば、30°)となるまで前記座面の傾きを変更してから、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報に基づいて前記座面の傾きを微調節することを要旨とする。
【0013】
かかる特徴によれば、傾き変更部が、座面の傾きが所定の傾きとなるまで座面の傾きを変更してから、生体情報に基づいて座面の傾きを微調節することにより、ユーザがリラックスした姿勢となるまでに必要な時間を短縮することができる。
【0014】
特に、所定の傾きが複数の被験者の生体情報などを用いて導出された傾きである場合には、ユーザの体形などに応じて座面の傾きを微調節するだけでよく、ユーザがリラックスした姿勢となるまでに必要な時間を大幅に短縮することができる。
【0015】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記生体情報の基準となる生体情報基準値を記憶する基準値記憶部(基準値記憶部74)と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と前記基準値記憶部に記憶された前記生体情報基準値とを比較して、ユーザに施されるマッサージのコースを選択するマッサージコース選択部(マッサージコース指示部75)をマッサージチェアがさらに備えることを要旨とする。
【0016】
かかる特徴によれば、マッサージコース選択部が、生体情報取得部によって取得された生体情報と基準値記憶部に記憶された生体情報基準値とを比較して、マッサージのコースを選択することにより、マッサージチェアは、ユーザの体調などに応じてユーザにとって快適なマッサージのコースを自動的に選択することができる。
【0017】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と前記基準値記憶部に記憶された前記生体情報基準値とを比較してユーザの心理状態を特定し、特定された前記心理状態をユーザに通知する心理状態通知部をマッサージチェアがさらに備えることを要旨とする。
【0018】
かかる特徴によれば、心理状態通知部が、生体情報取得部によって取得された生体情報と基準値記憶部に記憶された生体情報基準値とを比較して特定された心理状態をユーザに通知することにより、マッサージチェアは、主に心理的な健康管理(メンタルヘルス)に利用可能な情報をユーザに提供することができる。また、マッサージチェアは、マッサージのコースが選択された理由を説明するための情報をユーザに提供することができる。
【0019】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記マッサージ工程を開始する前に前記生体情報取得部によって取得される前記生体情報である開始前生体情報と、前記マッサージ工程を終了した後に前記生体情報取得部によって取得される前記生体情報である終了後生体情報とを比較して、前記マッサージ工程の効果をユーザに通知するマッサージ効果通知部(マッサージ効果通知部95、表示部230)をマッサージチェアがさらに備えることを要旨とする。
【0020】
かかる特徴によれば、マッサージ効果通知部が、開始前生体情報と終了後生体情報とを比較して、ユーザに施されたマッサージ工程の効果をユーザに通知することにより、マッサージチェアは、主に身体的な健康管理(体調管理)に利用可能な情報をユーザに提供することができる。また、ユーザは、マッサージ工程の効果を容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザがリラックスする姿勢を容易にとれ、適切なマッサージを施すことを可能とするマッサージチェアを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下において、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0023】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0024】
(マッサージチェアの構成)
以下において、本発明の一実施形態に係るマッサージチェアの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の外観を示す斜視図である。
【0025】
図1に示すように、マッサージチェア100は、本体部110と、背もたれ部10と、座部20と、1対のフットレスト部30(フットレスト部30a及びフットレスト部30b)と、1対の足裏部40(足裏部40a及び足裏部40b)とを有する。また、マッサージチェア100には、マッサージチェア100の動作をユーザが操作するためのリモートコントローラ200が設けられている。
【0026】
本体部110は、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40を支持しており、マッサージチェア100がユーザに施すマッサージを制御する。また、本体部110は、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを制御する機能(リクライニング機能)を有する。
【0027】
背もたれ部10は、ユーザの背中を支持する背もたれ面10aを有しており、ユーザの肩、背中や腰などにマッサージを施す。
【0028】
座部20は、ユーザが着座する座面20aを有している。また、座面20aは、1対の肘掛け部22(肘掛け部22a及び肘掛け部22b)を有している。なお、肘掛け部22aには、リモートコントローラ200が設けられている。
【0029】
フットレスト部30a及びフットレスト部30bは、ユーザの左右のふくらはぎをそれぞれ支持しており、ユーザのふくらはぎにマッサージを施す。なお、フットレスト部30a及びフットレスト部30bは同様の構成を有しているため、必要に応じてこれらをフットレスト部30と称する。
【0030】
足裏部40a及び足裏部40bは、ユーザの左右の足裏をそれぞれ支持しており、ユーザの足裏にマッサージを施す。なお、足裏部40a及び足裏部40bは同様の構成を有しているため、必要に応じてこれらを足裏部40と称する。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す側面図である。なお、図2は、収納時におけるマッサージチェア100を示している。
【0032】
図2に示すように、背もたれ部10は、ユーザの肩、背中及び腰にマッサージを施すもみ玉12と、もみ玉12が上下方向に移動するための経路12aとを有する。なお、もみ玉12は、ユーザの肩を掴むようにもむ「つかみもみ」、ユーザの肩に圧力をゆっくりと加える「指圧」、ユーザの背中や腰をたたきながらもむ「たたきもみ」などの動作を行う。
【0033】
フットレスト部30は、ユーザのふくらはぎにマッサージを施すエアバック31を有する。エアバック31は、空気が充填されることによって膨らみ、空気が抜かれることによってしぼむことによって、ユーザのふくらはぎに断続的に圧力を加える。
【0034】
足裏部40は、ユーザの足裏にマッサージを施す複数の指圧部41(指圧部41a及び指圧部41b)を有する。指圧部41a及び指圧部41bは、ユーザの足裏のつぼに圧力を加える突起を有しており、突起を上下させることによって足裏のつぼに刺激を与える。なお、指圧部41a及び指圧部41bは同様の構成を有しているため、必要に応じてこれらを指圧部41と称する。
【0035】
リモートコントローラ200は、上述したように、座部20の肘掛け部22に設けられており、ワイヤ200aによってマッサージチェア100に接続されている。また、リモートコントローラ200は、座部20の肘掛け部22から着脱可能に構成されている。
【0036】
なお、リモートコントローラ200は、マッサージチェア100との間でワイヤ200aを介して信号を送受信する。また、リモートコントローラ200及びマッサージチェア100は、IrDAやBluetooth(登録商標)などの無線技術を用いて、無線によって接続されていてもよい。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す側面図である。なお、図3は、マッサージを行う際におけるマッサージチェア100を示している。
【0038】
図3に示すように、本体部110は、マッサージを行う際には、ユーザがリラックスする姿勢となるように、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを変更する。
【0039】
ここで、ライン100Lは、マッサージチェア100が接地する接地面Sg(水平面)と略並行な直線である。ライン10Lは、背もたれ面10aに沿った直線であり、ユーザの背中に沿った直線である。ライン20Lは、座面20aに沿った直線であり、ユーザの太ももに沿った直線である。ライン30Lは、フットレスト部30に沿った直線であり、ユーザのふくらはぎに沿った直線である。ライン40Lは、足裏部40に沿った直線であり、ユーザの足裏に沿った直線である。
【0040】
ライン10Lとライン20Lとが形成する角度aは、ユーザの腰の曲がり度合いを示す角度であり、約128°であることが好ましい。本体部110は角度aを約128°に制御することによって、ユーザの腰などにかかる負担が軽減される姿勢(「中立姿勢」)となる。なお、「中立姿勢」とは、NASA(アメリカ航空宇宙局)によって提唱された姿勢であり、最もリラックスできる姿勢であると考えられている。
【0041】
ライン20Lとライン100Lとが形成する角度bは、ユーザが仰向けになる度合いを示す角度であり、約25〜30°であることが好ましい。本体部110は角度bを約25〜30°に制御することによって、ユーザがフルフラットの姿勢で寝ている場合と同程度に、ユーザがリラックスした姿勢となる。
【0042】
ライン20Lとライン30Lとが形成する角度cは、ユーザの膝の曲がり度合いを示す角度であり、約110°であることが好ましい。このように、角度cが約110°である場合には、太もも及びふくらはぎは、筋肉が伸びても縮んでもいない状態、すなわち、最大筋力を発揮することが可能な状態となる。このように、本体部110は角度cを約110°に制御することによって、ユーザがリラックスした姿勢となる。
【0043】
ライン30Lとライン40Lとが形成する角度dは、ユーザの足首の曲がり度合いを示す角度であり、約90°であることが好ましい。本体部110は角度dを約90°に制御することによって、ユーザの足裏に施されるマッサージの効果が高まる。
【0044】
なお、本実施形態では、上述したように、マッサージチェア100は、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを変更する準備工程を行った後に、ユーザにマッサージを施すマッサージ工程を行う。また、マッサージ工程は、ユーザがマッサージチェア100に着座した状態でユーザの肩位置が検出されてから、ユーザに施されるマッサージが終了するまでの工程である。
【0045】
(マッサージチェアの機能ブロック)
以下において、本発明の一実施形態に係るマッサージチェアの構成を示す機能ブロックについて、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す機能ブロック図である。
【0046】
図4に示すように、マッサージチェア100は、背もたれ部10と、座部20と、フットレスト部30と、足裏部40と、本体部110と、リモートコントローラ200とを有する。
【0047】
背もたれ部10は、肩位置センサ11と、もみ玉12と、アクチュエータ13とを有する。肩位置センサ11は、ユーザがマッサージチェア100に着座した状態、すなわち、ユーザの背中が背もたれ面10aによって支持された状態で、ユーザの肩位置を検出する。
【0048】
例えば、肩位置センサ11は、もみ玉12に接続されており、もみ玉12が経路12aに沿って上下に移動した際にユーザの肩位置を検出する。
【0049】
もみ玉12は、上述したように、ユーザの肩、背中及び腰にマッサージを施す。アクチュエータ13は、本体部110から取得する制御信号に応じて背もたれ部10を動かして、背もたれ面10aの傾きを変更する。
【0050】
座部20は、アクチュエータ21を有する。アクチュエータ21は、本体部110から取得する制御信号に応じて座部20を動かして、座面20aの傾きを変更する。
【0051】
フットレスト部30は、エアバック31と、アクチュエータ32とを有する。エアバック31は、上述したように、ユーザのふくらはぎにマッサージを施す。アクチュエータ32は、本体部110から取得する制御信号に応じてフットレスト部30を動かして、フットレスト部30の傾きを変更する。
【0052】
足裏部40は、指圧部41と、アクチュエータ42とを有する。指圧部41は、上述したように、ユーザの足裏にマッサージを施す。アクチュエータ42は、本体部110から取得する制御信号に応じて足裏部40を動かして、足裏部40の傾きを変更する。
【0053】
本体部110は、角度調節部50と、マッサージコース記憶部60と、マッサージコース選択部70と、マッサージ制御部80と、マッサージ効果判定部90とを有する。
【0054】
角度調節部50は、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40に制御信号を入力して、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを調節する。
【0055】
具体的には、角度調節部50は、図3に示したように、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aが約128°、座面20a(ライン20L)と接地面Sgと略並行なライン100Lとが形成する角度bが約25〜30°となるように、背もたれ部10及び座部20の傾きを制御することが好ましい。
【0056】
また、角度調節部50は、図3に示したように、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cが約110°、フットレスト部30(ライン30L)と足裏部40(ライン40L)とが形成する角度dが約90°となるように、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを制御することが好ましい。
【0057】
なお、角度調節部50の詳細については後述する(図5を参照)。
【0058】
マッサージコース記憶部60は、複数のマッサージコース(マッサージ工程)と、各マッサージコースに係るマッサージプログラムを記憶する。ここで、マッサージプログラムとは、ユーザの各部位にマッサージを施す時間、ユーザの各部位に施されるマッサージの強さ、及び、ユーザの各部位に施されるマッサージのスピードなどを制御するためのプログラムである。
【0059】
なお、本実施形態に係るマッサージコースは、ユーザのリラックスを目的とするリラックスコースと、ユーザの疲労回復を目的とするリフレッシュコースとである。
【0060】
マッサージコース選択部70は、リモートコントローラ200から取得する操作信号や生体情報に基づいて、マッサージコース記憶部60に記憶された複数のマッサージコースの中から、ユーザに施されるマッサージコースを選択する。なお、マッサージコース選択部70の詳細については後述する(図6を参照)。
【0061】
マッサージ制御部80は、肩位置センサ11によってユーザの肩位置が検出されてから、ユーザに施されるマッサージが終了するまでをマッサージ工程として、マッサージ工程を行う。具体的には、マッサージ制御部80は、マッサージコース選択部70によって選択されたマッサージコースに従って、背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40を制御する。例えば、マッサージ制御部80は、マッサージコース記憶部60に記憶されたマッサージプログラムに従って、もみ玉12、エアバック31及び指圧部41を制御する。なお、マッサージ制御部80の詳細については後述する(図8を参照)。
【0062】
マッサージ効果判定部90は、マッサージ工程を開始する前にリモートコントローラ200から取得する生体情報(マッサージ前生体情報)と、マッサージ工程を終了した後にリモートコントローラ200から取得する生体情報(マッサージ後生体情報)とに基づいて、ユーザに施されたマッサージ効果の評価結果を判定する。また、マッサージ効果判定部90は、マッサージ効果の評価結果をリモートコントローラ200に入力する。なお、マッサージ効果判定部90の詳細については後述する(図11を参照)。
【0063】
リモートコントローラ200は、生体情報センサ210と、操作部220と、表示部230とを有する。
【0064】
生体情報センサ210は、ユーザの生体情報を検出するセンサである。具体的には、
生体情報センサ210は、心拍数、脈拍数、皮膚温度、皮膚電気反応(GSR;Galvanic Skin Response)などを生体情報として検出する。
【0065】
例えば、生体情報センサ210は、リモートコントローラ200を把持するユーザの指先を流れる血液に含まれるヘモグロビンに近赤外光を照射して、ヘモグロビンによって反射された近赤外光を受光するフォトセンサなどである。なお、脈拍は、フォトセンサが受光する近赤外光のピーク間隔によって算出される。
【0066】
また、生体情報センサ210は、リモートコントローラ200を把持するユーザの指先の温度を検出するサーミスタである。
【0067】
さらに、生体情報センサ210は、リモートコントローラ200を把持するユーザの指先に触れる2枚のステンレス板に微弱な一定電流を流して、発汗などによって変化する指先の皮膚抵抗の変化量をGSRとして測定する。
【0068】
なお、生体情報センサ210は、生体情報センサ210によって検出された生体情報(心拍数、脈拍数、皮膚温度、GSR)をマッサージチェア100の本体部110に送信する。
【0069】
また、生体情報センサ210は、脳波、脈波、筋電、心電、血圧や体温などを生体情報として検出してもよい。
【0070】
操作部220は、マッサージの開始、マッサージの終了やマッサージコースの選択をユーザが操作するための各種キーによって構成されている。また、操作部220は、ユーザが押下したキーに対応する操作信号をマッサージチェア100の本体部110に送信する。
【0071】
表示部230は、ユーザに施されるマッサージコースの名称や残り時間などの情報を表示する。また、表示部230は、マッサージチェア100の本体部110から取得するマッサージ効果の評価結果を表示する。
【0072】
(角度調節部50の構成)
以下において、上述した角度調節部50の構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る角度調節部50の構成を示す機能ブロック図である。
【0073】
図5に示すように、角度調節部50は、生体情報取得部51と、操作信号取得部52と、リラックス度算出部53と、角度調節指示部54とを有する。
【0074】
生体情報取得部51は、心拍数、脈拍数、皮膚温度、GSRなどの生体情報をリモートコントローラ200から取得する。操作信号取得部52は、ユーザが押下したキーに対応する操作信号をリモートコントローラ200から取得する。
【0075】
リラックス度算出部53は、生体情報取得部51によって取得された生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出する。
【0076】
ここで、本実施形態では、リラックス度算出部53は、心拍数に基づいて算出される高周波成分のパワー値(HIパワー値)をリラックス度として算出する。具体的には、リラックス度算出部53は、心拍数変動のスペクトル解析を行うことによって、心拍数変動を低周波成分(0.05〜0.15Hz)と高周波成分(0.15〜0.4Hz)とに分離する。また、リラックス度算出部53は、高周波成分のパワー値であるHIパワー値(ms2/Hz)をリラックス度として算出する。なお、HIパワー値(ms2/Hz)が高ければ高いほど、リラックス度も高くなる。
【0077】
角度調節指示部54は、背もたれ部10、座面20a、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを制御するための制御信号を生成して、生成された制御信号を背もたれ部10、座面20a、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0078】
具体的には、角度調節指示部54は、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aが所定の初期角度(例えば、約128°)となるように、背もたれ部10の傾きを制御する制御信号を生成して、生成された制御信号を背もたれ部10に入力する。
【0079】
また、角度調節指示部54は、座面20a(ライン20L)と接地面Sgと略並行なライン100Lとが形成する角度bが所定の初期角度(例えば、約30°)となるように、座部20の傾きを制御する制御信号を生成して、生成された制御信号を座部20に入力する。
【0080】
さらに、角度調節指示部54は、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cが所定の初期角度(例えば、約110°)となるように、フットレスト部30の傾きを制御する制御信号を生成して、生成された制御信号をフットレスト部30に入力する。
【0081】
また、角度調節指示部54は、フットレスト部30(ライン30L)と足裏部40(ライン40L)とが形成する角度dが所定の初期角度(例えば、約90°)となるように、足裏部40の傾きを制御する制御信号を生成して、生成された制御信号を足裏部40に入力する。
【0082】
ここで、角度調節指示部54は、座面20a(ライン20L)とライン100Lとが形成する角度bを所定の初期角度から1°ずつ減らす制御信号を生成して、生成された制御信号を座部20に入力する。この場合に、角度調節指示部54は、角度bを1°減らす毎にリラックス度算出部53からリラックス度を取得して、リラックス度が高まっているか否かを判定する。このようにして、角度調節指示部54は、リラックス度が最も高くなる傾きとなるまで、座部20の傾きを微調節する制御信号を座部20に入力する。
【0083】
なお、角度調節指示部54は、操作信号取得部52によって取得された操作信号(ユーザの要求)に応じて、各構成部の傾きの変更を指示する制御信号を背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40に入力してもよいことは勿論である。
【0084】
(マッサージコース選択部70の構成)
以下において、上述したマッサージコース選択部70の構成について、図面を参照しながら説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るマッサージコース選択部70の構成を示す機能ブロック図である。
【0085】
図6に示すように、マッサージコース選択部70は、生体情報取得部71と、操作信号取得部72と、リラックス度算出部73と、基準値記憶部74と、マッサージコース指示部75とを有する。
【0086】
生体情報取得部71は、心拍数、脈拍数、皮膚温度、GSRなどの生体情報をリモートコントローラ200から取得する。操作信号取得部72は、ユーザが押下したキーに対応する操作信号をリモートコントローラ200から取得する。
【0087】
リラックス度算出部73は、生体情報取得部71によって取得された生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出する。例えば、リラックス度算出部73は、座面20aの角度を調節している間に取得された生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出する。
【0088】
ここで、本実施形態では、リラックス度算出部73は、リラックス度算出部53と同様に、心拍数に基づいて算出されるHIパワー値(ms2/Hz)をリラックス度として算出する。
【0089】
基準値記憶部74は、マッサージチェア100をユーザが過去に利用した際に、リラックス度算出部73によって算出されたリラックス度の平均値をリラックス度の基準値として記憶する。
【0090】
なお、基準値記憶部74は、性別、年齢、体重や身長などによって定められるリラックス度の平均値(例えば、所定数の被験者の平均値)などをリラックス度の基準値として記憶していてもよい。
【0091】
マッサージコース指示部75は、リラックス度算出部73によって算出されたリラックス度と基準値記憶部74に記憶されたリラックス度の基準値とを比較して、マッサージコースを選択する。また、マッサージコース指示部75は、選択されたマッサージコースを指定するコース指定信号をマッサージ制御部80に入力する。
【0092】
ここで、本実施形態では、リラックス度がHIパワー値(ms2/Hz)である場合を例に挙げて、マッサージコース指示部75がマッサージコースを選択する基準について説明する。図7は、本発明の一実施形態に係るマッサージコースを選択する基準の一例を示す図である。
【0093】
図7に示すように、マッサージコース指示部75は、リラックス度算出部73によって算出されたHIパワー値(算出HIパワー値)と基準値記憶部74に記憶されたHIパワー値の基準値(平均HIパワー値)との差異に応じて、マッサージコースを選択する。
【0094】
例えば、マッサージコース指示部75は、算出HIパワー値から平均HIパワー値を引いた値が−200(ms2/Hz)以下である場合には、ユーザが通常よりもリラックスできていない状態であるものと推定して、ユーザをリラックスさせるためにリラックスコースを選択する。
【0095】
一方、マッサージコース指示部75は、算出HIパワー値から平均HIパワー値を引いた値が200(ms2/Hz)以上である場合には、ユーザが通常よりも疲労した状態であるものと推定して、ユーザを活性化させるためにリフレッシュコースを選択する。
【0096】
なお、マッサージコース指示部75は、操作信号取得部72によって取得された操作信号(ユーザの要求)に応じて、マッサージコースを選択するとともに、選択されたマッサージコースを指定するコース指定信号をマッサージ制御部80に入力してもよいことは勿論である。
【0097】
(マッサージ制御部80の構成)
以下において、上述したマッサージ制御部80の構成について、図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るマッサージ制御部80の構成を示す機能ブロック図である。
【0098】
図8に示すように、マッサージ制御部80は、生体情報取得部81と、操作信号取得部82と、コース指定信号取得部83と、心理状態特定部84と、マッサージ指示部85とを有する。
【0099】
生体情報取得部81は、心拍数、脈拍数、皮膚温度、GSRなどの生体情報をリモートコントローラ200から取得する。操作信号取得部82は、ユーザが押下したキーに対応する操作信号をリモートコントローラ200から取得する。コース指定信号取得部83は、マッサージコースを指定するコース指定信号をマッサージコース選択部70から取得する。
【0100】
心理状態特定部84は、生体情報取得部81から取得した生体情報に基づいて、ユーザの心理状態を特定する。
【0101】
ここで、本実施形態では、ユーザがリラックスしている心理状態を「リラックス」と定義し、ユーザが痛いと感じながらも気持ちいいと感じている心理状態を「活性」と定義し、ユーザが痛いと感じる心理状態を「痛い」と定義する。
【0102】
なお、心理状態の定義は、所定数の被験者にマッサージを施した際に、各被験者が感じた主観をKJ法によってグループ化して得られた定義である。また、心理状態特定部84は、各被験者の心理状態と各被験者の生体情報とを対応付けた基準に従って、ユーザの心理状態を特定する。
【0103】
図9(a)及び図9(b)は、ユーザの心理状態を特定する基準の一例を示す図である。
【0104】
図9(a)は、所定の間隔(例えば、20秒)毎に取得されたGSRの変化量(ΔV/s)を縦軸とし、所定の間隔(例えば、20秒)毎に取得された皮膚温度の変化量(Δ℃/s)を横軸とした場合に、各心理状態の分布範囲を示している。
【0105】
ここで、心理状態特定部84は、所定の間隔(例えば、20秒)毎に生体情報取得部81から取得したユーザのGSRの変化量及び皮膚温度の変化量によって、図9(a)に示すxy平面上の座標を特定する。また、心理状態特定部84は、特定された座標を含む心理状態をユーザの心理状態として特定する。
【0106】
一方、図9(b)は、所定の間隔(例えば、20秒)毎に取得されたGSRの変化量(ΔV/s)を縦軸とし、所定の間隔(例えば、20秒)毎に取得された心拍数の変化量(Δbpm/s)を横軸とした場合に、各心理状態の分布範囲を示している。
【0107】
ここで、心理状態特定部84は、所定の間隔(例えば、20秒)毎に生体情報取得部81から取得したユーザのGSRの変化量及び心拍数の変化量によって、図9(b)に示すxy平面上の座標を特定する。また、心理状態特定部84は、特定された座標を含む心理状態をユーザの心理状態として特定する。
【0108】
マッサージ指示部85は、コース指定信号取得部83によって取得されたコース指定信号に応じて、マッサージコースプログラムをマッサージコース記憶部60から読み出す。また、マッサージ指示部85は、読み出されたマッサージプログラムに従って、マッサージを制御する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0109】
また、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定されたユーザの心理状態に応じて、マッサージコースの内容を変更する。
【0110】
ここで、本実施形態では、「リラックス」、「活性」及び「痛い」の3種類に心理状態が定義されている場合を例に挙げて、マッサージ指示部85がマッサージコースの内容を変更する基準について説明する。図10は、本発明の一実施形態に係るマッサージコースの内容を変更する基準の一例を示す図である。
【0111】
最初に、マッサージコースがリラックスコースである場合について、図10(a)を参照しながら説明する。なお、リラックスコースは、ユーザをリラックスさせることを目的とするマッサージコースである。
【0112】
図10(a)に示すように、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「リラックス」である場合には、ユーザをさらにリラックスさせるために、背中以外の部位についてマッサージ時間の延長(1.5倍)を指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0113】
また、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「活性」である場合には、ユーザの活性化を抑制するために、背中に施されるマッサージの終了を指示する制御信号を背もたれ部10に入力する。また、マッサージ指示部85は、背中以外の部位についてマッサージ時間の短縮(×0.75倍)を指示するとともに、背中以外の部位についてマッサージ速度を1段階落とすことを指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0114】
さらに、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「痛い」である場合には、ユーザの痛みを軽減するために、背中に施されるマッサージの終了を指示する制御信号を背もたれ部10に入力する。また、マッサージ指示部85は、背中以外の部位についてマッサージ時間の短縮(0.5倍)を指示するとともに、背中以外の部位についてマッサージ速度を1段階落とすことを指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0115】
次に、マッサージコースがリフレッシュコースである場合について、図10(b)を参照しながら説明する。なお、リフレッシュコースは、ユーザを活性化させることを目的とするマッサージコースである。
【0116】
図10(b)に示すように、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「リラックス」である場合には、ユーザを活性化させるために、背中に施されるマッサージ時間の短縮(0.5倍)を指示する制御信号を背もたれ部10に入力する。また、マッサージ指示部85は、背中以外の部位についてマッサージ時間の短縮(0.5倍)を指示するとともに、背中以外の部位についてマッサージ速度を1段階上げることを指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0117】
また、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「活性」である場合には、ユーザをさらに活性化させるために、背中以外の部位についてマッサージ時間の延長(×1.5倍)を指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0118】
さらに、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「痛い」である場合には、ユーザの痛みを軽減するために、背中に施されるマッサージの終了を指示する制御信号を背もたれ部10に入力する。また、マッサージ指示部85は、背中以外の部位についてマッサージ時間の短縮(0.5倍)を指示するとともに、背中以外の部位についてマッサージ速度を1段階落とすことを指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0119】
なお、マッサージ指示部85は、操作信号取得部82によって取得された操作信号(ユーザの要求)に応じて、マッサージコースの内容の変更を指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力してもよいことは勿論である。
【0120】
(マッサージ効果判定部90の構成)
以下において、上述したマッサージ効果判定部90の構成について、図面を参照しながら説明する。図11は、本発明の一実施形態に係るマッサージ効果判定部90の構成を示す機能ブロック図である。
【0121】
図11に示すように、マッサージ効果判定部90は、マッサージ前生体情報取得部91と、マッサージ前生体情報記憶部92と、マッサージ後生体情報取得部93と、生体情報比較部94と、マッサージ効果通知部95とを有する。
【0122】
マッサージ前生体情報取得部91は、マッサージを開始する前にユーザの生体情報をリモートコントローラ200から取得する。マッサージ前生体情報記憶部92は、マッサージ前生体情報取得部91によって取得された生体情報をマッサージ前生体情報として記憶する。マッサージ後生体情報取得部93は、マッサージを終了した後にユーザの生体情報をリモートコントローラ200から取得する。
【0123】
生体情報比較部94は、マッサージ前生体情報記憶部92に記憶されたマッサージ前生体情報と、マッサージ後生体情報取得部93によって取得された生体情報(マッサージ後生体情報)とを比較する。また、生体情報比較部94は、マッサージ前生体情報とマッサージ後生体情報とを比較した結果に応じて、ユーザに施されたマッサージ効果の評価結果を判定する。
【0124】
ここで、本実施形態では、マッサージ前生体情報及びマッサージ後生体情報がHIパワー値である場合を例に挙げて、生体情報比較部94がマッサージ効果の評価結果を判定する基準について説明する。図12は、本発明の一実施形態に係るマッサージ効果を判定する基準の一例を示す図である。
【0125】
最初に、ユーザに施されたマッサージコースがリラックスコースである場合について、図12(a)を参照しながら説明する。なお、リラックスコースは、ユーザをリラックスさせることを目的とするマッサージコースである。
【0126】
図12(a)に示すように、生体情報比較部94は、マッサージを開始する前に取得されたHIパワー値(マッサージ前HIパワー値)とマッサージを終了した後に取得されたHIパワー値(マッサージ後HIパワー値)との差異を算出する。
【0127】
続いて、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が0(ms2/Hz)以下である場合には、ユーザのリラックス度が高まっていないため、マッサージ効果の評価結果を「効果なし」と判定する。
【0128】
また、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が0〜200(ms2/Hz)である場合には、ユーザのリラックス度が高まっているため、マッサージ効果の評価結果を「効果小」と判定する。
【0129】
さらに、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が200(ms2/Hz)以上である場合には、ユーザのリラックス度がさらに高まっているため、マッサージ効果の評価結果を「効果大」と判定する。
【0130】
次に、ユーザに施されたマッサージコースがリフレッシュコースである場合について、図12(b)を参照しながら説明する。なお、リフレッシュコースは、ユーザを活性化させることを目的とするマッサージコースである。
【0131】
図12(b)に示すように、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が0(ms2/Hz)以上である場合には、ユーザが活性化していないため、マッサージ効果の評価結果を「効果なし」と判定する。
【0132】
また、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が−200〜0(ms2/Hz)である場合には、ユーザが活性化しているため、マッサージ効果の評価結果を「効果小」と判定する。
【0133】
さらに、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が−200(ms2/Hz)以下である場合には、ユーザがさらに活性化しているため、マッサージ効果の評価結果を「効果大」と判定する。
【0134】
マッサージ効果通知部95は、生体情報比較部94によって判定されたマッサージ効果をリモートコントローラ200に送信する。なお、リモートコントローラ200は、上述したように、マッサージ効果通知部95から取得したマッサージ効果を表示部230上に表示する。
【0135】
(マッサージチェアの動作)
以下において、本発明の一実施形態に係るマッサージチェアの動作について、図面を参照しながら説明する。図13は、本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の動作を示すフロー図である。
【0136】
図13に示すように、ステップ10において、ユーザは、マッサージチェア100の電源を投入する。
【0137】
ステップ30において、マッサージチェア100は、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aが所定の初期角度(例えば、約128°)となるように、背もたれ部10の傾きを変更する。
【0138】
ステップ50において、マッサージチェア100は、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cが所定の初期角度(例えば、約110°)となるように、フットレスト部30の傾きを変更する。
【0139】
ステップ70において、マッサージチェア100は、フットレスト部30(ライン30L)と足裏部40(ライン40L)とが形成する角度dが所定の初期角度(例えば、約90°)となるように、足裏部40の傾きを変更する。
【0140】
ステップ90において、マッサージチェア100は、座面20a(ライン20L)と接地面Sgと略並行なライン100Lとが形成する角度bが所定の初期角度(例えば、約30°)となるように、座部20の傾きを変更する。また、マッサージチェア100は、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報に基づいて座部20の傾きを微調節する。なお、座面角度変更処理の詳細については後述する(図14を参照)。
【0141】
ステップ110において、マッサージチェア100は、マッサージ工程を開始する。具体的には、マッサージチェア100は、ユーザがマッサージチェア100に着座した状態、すなわち、ユーザの背中が背もたれ面10aによって支持された状態で、ユーザの肩位置を検出する。
【0142】
ステップ130において、マッサージチェア100は、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報に基づいて、マッサージコースを選択する。例えば、マッサージチェア100は、図7に示したように、算出HIパワー値と平均HIパワー値との差異に応じて、マッサージコースを選択する。
【0143】
ステップ150において、マッサージチェア100は、ステップ130で選択されたマッサージコースを開始して、ユーザにマッサージを施す。
【0144】
ステップ170において、マッサージチェア100は、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報に基づいて、マッサージコースの内容を変更する。例えば、マッサージチェア100は、図9に示したように、GSRの変化量、皮膚温度の変化量や心拍数の変化量などの生体情報に基づいて、ユーザの心理状態を特定する。続いて、マッサージチェア100は、図10に示したように、特定されたユーザの心理状態とステップ130で選択されたマッサージコースの種類とに応じて、マッサージコースの内容を変更する。
【0145】
ステップ190において、マッサージチェア100は、マッサージ前生体情報とマッサージ後生体情報とに基づいて、ユーザに施されたマッサージ効果の評価結果を判定する。例えば、マッサージチェア100は、図12に示したように、マッサージ前HIパワー値とマッサージ後HIパワー値との比較結果と、ステップ130で選択されたマッサージコースの種類とに応じて、マッサージ効果の評価結果を判定する。また、マッサージチェア100は、マッサージ効果の評価結果をリモートコントローラ200の表示部230上に表示する。なお、ステップ190の処理でマッサージ工程が終了する。
【0146】
図14は、本発明の一実施形態に係る座面角度調節処理を示すフロー図である。図14に示すように、ステップ91において、マッサージチェア100は、座面20a(ライン20L)と接地面Sgと略並行なライン100Lとが形成する角度bが所定の初期角度(例えば、約30°)となるように、座部20の傾きを変更する。
【0147】
ステップ92において、マッサージチェア100は、リモートコントローラ200からユーザの生体情報を取得する。例えば、マッサージチェア100は、ユーザの生体情報として心拍数を取得する。
【0148】
ステップ93において、マッサージチェア100は、ステップ92で取得されたユーザの生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出する。例えば、マッサージチェア100は、ユーザの生体情報として取得された心拍数に基づいて、ユーザのリラックス度としてHIパワー値を算出する。
【0149】
ステップ94において、マッサージチェア100は、座部20の傾きを微調節して、座面20a(ライン20L)とライン100Lとが形成する角度bを変更する。具体的には、マッサージチェア100は、角度bが約1°減るように、座部20の傾きを微調節する。
【0150】
ステップ95において、マッサージチェア100は、ステップ92と同様に、リモートコントローラ200からユーザの生体情報を取得する。
【0151】
ステップ96において、マッサージチェア100は、ステップ93と同様に、ステップ95で取得されたユーザの生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出する。
【0152】
ステップ97において、マッサージチェア100は、ユーザのリラックス度が増加したか否かを判定する。また、マッサージチェア100は、ユーザのリラックス度が増加している場合には、ステップ99の処理に移り、ユーザのリラックス度が増加していない場合には、ステップ98の処理に移る。
【0153】
ステップ98において、マッサージチェア100は、座部20の傾きを微調節しても、ユーザのリラックス度が増加しなかったため、座面20a(ライン20L)とライン100Lとが形成する角度b、すなわち、座部20の傾きを元に戻す。具体的には、マッサージチェア100は、角度bが約1°増やすように、座部20の傾きを微調節する。
【0154】
ステップ99において、マッサージチェア100は、座面20a(ライン20L)とライン100Lとが形成する角度bが限界値(例えば、25°)に達しているか否かを判定する。また、マッサージチェア100は、角度bが限界値に達している場合には、座面角度調節処理を終了し、角度bが限界値に達していない場合には、ステップ94の処理に戻る。
【0155】
(作用及び効果)
本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100によれば、角度調節部50は、リモートコントローラ200から取得した生体情報(例えば、心拍数)に基づいて、ユーザのリラックス度(例えば、HIパワー値)を算出する。続いて、角度調節部50は、算出されたユーザのリラックス度に応じて、座部20(座面20a)の傾きを制御する。従って、マッサージチェア100は、ユーザが最もリラックスした姿勢となるように、座面の傾きを自動的に変更することができる。
【0156】
また、角度調節部50が、肩位置センサ11によってユーザの肩位置が検出される前に、座部20(座面20a)の傾きを制御することにより、肩位置センサ11によってユーザの肩位置がずれてしまって、最適なマッサージがユーザに施されないことを防止することができる。
【0157】
本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100によれば、角度調節部50は、座面20a(ライン20L)とライン100Lとが形成する角度bが所定の初期角度となるように座部20(座面20a)の傾きを制御してから、ユーザのリラックス度に応じて、座部20(座面20a)の傾きを微調節する。従って、マッサージチェア100は、ユーザがリラックスした姿勢となるまでに必要な時間を短縮することができる。
【0158】
本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100によれば、マッサージコース選択部70は、リモートコントローラ200から取得した生体情報(例えば、心拍数)に基づいて、ユーザのリラックス度(例えば、HIパワー値)を算出する。続いて、マッサージコース選択部70は、リラックス度算出部73によって算出されたリラックス度と基準値記憶部74に記憶されたリラックス度の基準値とを比較した結果に応じて、マッサージコースを選択する。従って、マッサージチェア100は、時間的な負担や不快感をユーザに与えることなく、ユーザの体調に応じて最適なマッサージコースを選択することができる。
【0159】
本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100によれば、マッサージ効果判定部90は、マッサージを開始する前に取得されたマッサージ前生体情報と、マッサージを終了した後に取得されたマッサージ後生体情報とに基づいて、ユーザに施されたマッサージ効果の評価結果を判定する。また、リモートコントローラ200の表示部230は、マッサージ効果判定部90によって判定されたマッサージ効果の判定結果を表示する。従って、ユーザは、自分に施されたマッサージ効果を容易に把握することができる。また、マッサージチェア100は、主に身体的な健康管理に利用可能な情報をユーザに提供することができる。
【0160】
(実施例)
以下において、本発明の一実施例に係る実験結果について、図面を参照しながら説明する。図15及び図16は、本発明の一実施例に係る実験結果を説明するための図である。
【0161】
なお、本実施例では、健常男子5名を被験者として、各被験者に4種類の姿勢をとらせた。続いて、各姿勢において、各被験者の心電図を4分間に亘って測定した(サンプリング:1kHz)。
【0162】
また、測定された心電図に基づいて、各被験者の平均心拍数を姿勢毎に算出するとともに、心拍数変動のスペクトル解析を行って、高周波成分(0.15〜0.4Hz)のHIパワー値を算出した。なお、HIパワー値は、心臓交換神経活動を反映する指標である。
【0163】
図15(a)〜図15(d)は、各被験者にとらせた4種類の姿勢を示している。図15(a)は、フルフラット姿勢(以下、姿勢1)を示す図である。図15(a)に示すように、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aは約159°であり、座面20a(ライン20L)とライン100とが形成する角度bは11°であり、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cは169°である。
【0164】
図15(b)は、比較例のマッサージチェアに対応する姿勢(以下、姿勢2)を示す図である。図15(b)に示すように、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aは約128°であり、座面20a(ライン20L)とライン100とが形成する角度bは11°であり、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cは110°である。
【0165】
なお、角度aを128°とした理由は、身体的負担が最も少ない「中立姿勢」とするためである。また、「中立姿勢」とは、NASA(アメリカ航空宇宙局)によって提唱された姿勢であり、最もリラックスできる姿勢であると考えられている。
【0166】
また、角度cを110°とした理由は、太もも及びふくらはぎが最大筋力を発揮することが可能な状態として、ユーザがリラックスできる姿勢とするためである。
【0167】
図15(c)は、本発明の実施例1のマッサージチェア100に対応する姿勢(以下、姿勢3)を示す図である。図15(c)に示すように、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aは約128°であり、座面20a(ライン20L)とライン100とが形成する角度bは25°であり、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cは110°である。
【0168】
図15(d)は、本発明の実施例2のマッサージチェア100に対応する姿勢(以下、姿勢4)を示す図である。図15(d)に示すように、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aは約128°であり、座面20a(ライン20L)とライン100とが形成する角度bは30°であり、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cは110°である。
【0169】
図16(a)は、各被験者にとらせた姿勢1〜姿勢4に対応するHIパワー値を示す図であり、図16(b)は、各被験者にとらせた姿勢1〜姿勢4に対応する心拍数を示す図である。
【0170】
図16(a)に示すように、HIパワー値は、姿勢4(実施例2)、姿勢3(実施例1)、姿勢1(フルフラット)、姿勢2(比較例)の順に高いことが確認された。すなわち、HIパワー値に基づいて考察すると、各被験者は、姿勢4(実施例2)、姿勢3(実施例1)、姿勢1(フルフラット)、姿勢2(比較例)の順にリラックスしたという結果が得られた。
【0171】
一方、図16(b)に示すように、心拍数は、姿勢1(フルフラット)、姿勢4(実施例2)、姿勢3(実施例1)、姿勢2(比較例)の順に低いことが確認された。すなわち、心拍数に基づいて考察すると、各被験者は、姿勢1(フルフラット)、姿勢4(実施例2)、姿勢3(実施例1)、姿勢2(比較例)の順にリラックスしたという結果が得られた。但し、姿勢3(実施例1)及び姿勢4(実施例2)に対応する心拍数は、姿勢1(フルフラット)に対応する心拍数とほぼ同程度であることも確認された。
【0172】
上述したように、HIパワー値、心拍数及び「中立姿勢」の概念を考慮すると、姿勢3(実施例1)及び姿勢4(実施例2)がマッサージを受けるのに最適な姿勢であることが確認された。
【0173】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0174】
例えば、上述した実施形態では、説明を明確にするために、ユーザの生体情報とユーザの生体情報に基づいて算出されたリラックス度とを別々に定義したが、これに限定されるものではない。具体的には、ユーザの生体情報は、心拍数、脈拍数、皮膚温度やGSRなどのように生体情報センサ210によって直接検出される情報に限定されるものではなく、生体情報センサ210によって直接検出される情報に基づいて算出される各指標(例えば、HIパワー値)を含む概念である。
【0175】
また、上述した実施形態では、角度調節部50は、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出するとともに、算出されたリラックス度に応じて、座部20(座面20a)の角度を微調節するが、これに限定されるものではない。具体的には、角度調節部50は、リラックス度を算出せずに、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報(例えば、心拍数)に応じて、座部20(座面20a)の角度を微調節してもよい。
【0176】
同様に、上述した実施形態では、マッサージコース選択部70は、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出するとともに、算出されたリラックス度に応じて、マッサージコースを選択するが、これに限定されるものではない。具体的には、マッサージコース選択部70は、リラックス度を算出せずに、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報(例えば、心拍数)に応じて、マッサージコースを選択してもよい。
【0177】
上述した実施形態では、角度調節部50、マッサージコース選択部70、マッサージ制御部80及びマッサージ効果判定部90の動作を説明する際にユーザの生体情報を例示して説明したが、上述した例示に限定されないことは勿論である。また、角度調節部50、マッサージコース選択部70、マッサージ制御部80及びマッサージ効果判定部90は、複数種類の生体情報を組み合わせて動作してもよい。
【0178】
上述した実施形態では特に触れていないが、マッサージコース選択部70は、リラックス度算出部73によって算出されたリラックス度と基準値記憶部74に記憶されたリラックス度の基準値とを比較してユーザの心理状態を特定し、特定された心理状態をユーザに通知してもよい。
【0179】
例えば、マッサージコース選択部70は、リラックス度算出部73によって算出された算出HIパワー値から基準値記憶部74に記憶された平均HIパワー値を引いた値が−200(ms2/Hz)以下である場合に、ユーザが通常よりも活性化(例えば、緊張)しているという心理状態をユーザに通知してもよい。また、マッサージコース選択部70は、算出HIパワー値から平均HIパワー値を引いた値が+200(ms2/Hz)以上である場合に、ユーザが通常よりも疲れているという心理状態をユーザに通知してもよい。
【0180】
このように、マッサージコース選択部70がユーザの心理状態をユーザに通知することにより、マッサージチェア100は、主に心理的な健康管理(メンタルヘルス)に利用可能な情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す側面図である(その1)。
【図3】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す側面図である(その2)。
【図4】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る角度調節部50の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るマッサージコース選択部70の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るマッサージコースを選択する基準の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るマッサージ制御部80の構成を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る心理状態を特定する基準の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るマッサージコースの内容を変更する基準の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るマッサージ効果判定部90の構成を示す機能ブロック図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るマッサージ効果を判定する基準の一例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の動作を示すフロー図である(その1)。
【図14】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の動作を示すフロー図である(その2)。
【図15】本発明の一実施例に係る実験結果を説明するための図である(その1)。
【図16】本発明の一実施例に係る実験結果を説明するための図である(その2)。
【符号の説明】
【0182】
背もたれ部10、背もたれ面10a、肩位置センサ11、もみ玉12、経路12a、アクチュエータ13、座部20、座面20a、アクチュエータ21、肘掛け部22、フットレスト部30、エアバック31、アクチュエータ32、足裏部40、指圧部41、アクチュエータ42、角度調節部50、生体情報取得部51、操作信号取得部52、リラックス度算出部53、角度調節指示部54、マッサージコース記憶部60、マッサージコース選択部70、生体情報取得部71、操作信号取得部72、リラックス度算出部73、基準値記憶部74、マッサージコース指示部75、マッサージ制御部80、生体情報取得部81、操作信号取得部82、コース指定信号取得部83、心理状態特定部84、マッサージ指示部85、マッサージ効果判定部90、マッサージ前生体情報取得部91、マッサージ前生体情報記憶部92、マッサージ後生体情報取得部93、生体情報比較部94、マッサージ効果通知部95、マッサージチェア100、本体部110、リモートコントローラ200、ワイヤ200a、生体情報センサ210、操作部220、表示部230
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが着座する座面を有する座部と、ユーザの背中を支持する背もたれ面を有する背もたれ部とを備えたマッサージチェアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが着座する座面を有する座部と、ユーザの背中を支持する背もたれ面を有する背もたれ部と、ユーザのふくらはぎを支持するフットレスト部と、ユーザの足裏を支持する足裏部とを備えたマッサージチェアが広く知られている。また、マッサージチェアは、ユーザの肩、腰、ふくらはぎ、足裏などに様々な圧力を加えることによってマッサージをユーザに施す。
【0003】
このようなマッサージチェアは、背もたれ部やフットレスト部の傾きを調節する機能(リクライニング機能)を有しており、ユーザがリラックスした状態でマッサージを受けられるように構成されている。また、ユーザがリラックスした状態でマッサージを受けることによって、マッサージ効果の向上が図られている。
【0004】
また、一般的に、マッサージチェアは、適切なマッサージをユーザに施すために、ユーザの肩位置を検出する機能を有しており、検出されたユーザの肩位置に応じてマッサージを施している。
【0005】
さらに、マッサージ効果をさらに高めるために、座面の傾きを変更して、座面と背もたれ面とが形成する角度を調節可能なマッサージチェアも提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−344316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したマッサージチェアでは、座面の角度はユーザの操作によって変更されるため、ユーザがリラックスする姿勢を自分で探さなければならない。また、ユーザが最もリラックスする姿勢となっているかを判別することも難しかった。
【0007】
また、上述したマッサージチェアでは、マッサージを開始した後にユーザが自由に座面の角度を変更すると、ユーザの肩位置がずれてしまう場合があるため、適切なマッサージが施されない恐れがあった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザがリラックスする姿勢を容易にとれ、適切なマッサージを施すことを可能とするマッサージチェアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の特徴は、ユーザが着座する座面(座面20a)を有する座部(座部20)と、前記座面に着座したユーザの背中を支持する背もたれ面(背もたれ面10a)を有する背もたれ部(背もたれ部10)と、ユーザの背中が前記背もたれ面によって支持された状態でユーザの肩位置を検出する肩位置検出部(肩位置センサ11)とを備えたマッサージチェア(マッサージチェア100)が、前記肩位置検出部によって前記肩位置が検出されてから、ユーザに施されるマッサージが終了するまでをマッサージ工程として、前記マッサージ工程を行うマッサージ部(マッサージ制御部80)と、前記座面に着座したユーザの生体情報を取得する生体情報取得部(生体情報センサ210、生体情報取得部51、リラックス度算出部53)と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報に基づいて、前記マッサージ工程を開始する前に前記座面の傾きを変更する傾き変更部(角度調節指示部54、アクチュエータ21)とを備えることを要旨とする。
【0010】
かかる特徴によれば、傾き変更部が、生体情報取得部によって取得された生体情報に基づいて座面の傾きを変更することにより、ユーザがリラックスした姿勢となるように、座面の傾きを自動的に変更することができる。
【0011】
また、傾き変更部が、マッサージ工程を開始する前に座面の傾きを変更することにより、肩位置検出部によって検出された肩位置がずれてしまって、最適なマッサージがユーザに施されないことを防止することができる。
【0012】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記傾き変更部が、前記座面の傾きが所定の傾き(所定の初期角度;例えば、30°)となるまで前記座面の傾きを変更してから、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報に基づいて前記座面の傾きを微調節することを要旨とする。
【0013】
かかる特徴によれば、傾き変更部が、座面の傾きが所定の傾きとなるまで座面の傾きを変更してから、生体情報に基づいて座面の傾きを微調節することにより、ユーザがリラックスした姿勢となるまでに必要な時間を短縮することができる。
【0014】
特に、所定の傾きが複数の被験者の生体情報などを用いて導出された傾きである場合には、ユーザの体形などに応じて座面の傾きを微調節するだけでよく、ユーザがリラックスした姿勢となるまでに必要な時間を大幅に短縮することができる。
【0015】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記生体情報の基準となる生体情報基準値を記憶する基準値記憶部(基準値記憶部74)と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と前記基準値記憶部に記憶された前記生体情報基準値とを比較して、ユーザに施されるマッサージのコースを選択するマッサージコース選択部(マッサージコース指示部75)をマッサージチェアがさらに備えることを要旨とする。
【0016】
かかる特徴によれば、マッサージコース選択部が、生体情報取得部によって取得された生体情報と基準値記憶部に記憶された生体情報基準値とを比較して、マッサージのコースを選択することにより、マッサージチェアは、ユーザの体調などに応じてユーザにとって快適なマッサージのコースを自動的に選択することができる。
【0017】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と前記基準値記憶部に記憶された前記生体情報基準値とを比較してユーザの心理状態を特定し、特定された前記心理状態をユーザに通知する心理状態通知部をマッサージチェアがさらに備えることを要旨とする。
【0018】
かかる特徴によれば、心理状態通知部が、生体情報取得部によって取得された生体情報と基準値記憶部に記憶された生体情報基準値とを比較して特定された心理状態をユーザに通知することにより、マッサージチェアは、主に心理的な健康管理(メンタルヘルス)に利用可能な情報をユーザに提供することができる。また、マッサージチェアは、マッサージのコースが選択された理由を説明するための情報をユーザに提供することができる。
【0019】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記マッサージ工程を開始する前に前記生体情報取得部によって取得される前記生体情報である開始前生体情報と、前記マッサージ工程を終了した後に前記生体情報取得部によって取得される前記生体情報である終了後生体情報とを比較して、前記マッサージ工程の効果をユーザに通知するマッサージ効果通知部(マッサージ効果通知部95、表示部230)をマッサージチェアがさらに備えることを要旨とする。
【0020】
かかる特徴によれば、マッサージ効果通知部が、開始前生体情報と終了後生体情報とを比較して、ユーザに施されたマッサージ工程の効果をユーザに通知することにより、マッサージチェアは、主に身体的な健康管理(体調管理)に利用可能な情報をユーザに提供することができる。また、ユーザは、マッサージ工程の効果を容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザがリラックスする姿勢を容易にとれ、適切なマッサージを施すことを可能とするマッサージチェアを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下において、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0023】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0024】
(マッサージチェアの構成)
以下において、本発明の一実施形態に係るマッサージチェアの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の外観を示す斜視図である。
【0025】
図1に示すように、マッサージチェア100は、本体部110と、背もたれ部10と、座部20と、1対のフットレスト部30(フットレスト部30a及びフットレスト部30b)と、1対の足裏部40(足裏部40a及び足裏部40b)とを有する。また、マッサージチェア100には、マッサージチェア100の動作をユーザが操作するためのリモートコントローラ200が設けられている。
【0026】
本体部110は、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40を支持しており、マッサージチェア100がユーザに施すマッサージを制御する。また、本体部110は、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを制御する機能(リクライニング機能)を有する。
【0027】
背もたれ部10は、ユーザの背中を支持する背もたれ面10aを有しており、ユーザの肩、背中や腰などにマッサージを施す。
【0028】
座部20は、ユーザが着座する座面20aを有している。また、座面20aは、1対の肘掛け部22(肘掛け部22a及び肘掛け部22b)を有している。なお、肘掛け部22aには、リモートコントローラ200が設けられている。
【0029】
フットレスト部30a及びフットレスト部30bは、ユーザの左右のふくらはぎをそれぞれ支持しており、ユーザのふくらはぎにマッサージを施す。なお、フットレスト部30a及びフットレスト部30bは同様の構成を有しているため、必要に応じてこれらをフットレスト部30と称する。
【0030】
足裏部40a及び足裏部40bは、ユーザの左右の足裏をそれぞれ支持しており、ユーザの足裏にマッサージを施す。なお、足裏部40a及び足裏部40bは同様の構成を有しているため、必要に応じてこれらを足裏部40と称する。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す側面図である。なお、図2は、収納時におけるマッサージチェア100を示している。
【0032】
図2に示すように、背もたれ部10は、ユーザの肩、背中及び腰にマッサージを施すもみ玉12と、もみ玉12が上下方向に移動するための経路12aとを有する。なお、もみ玉12は、ユーザの肩を掴むようにもむ「つかみもみ」、ユーザの肩に圧力をゆっくりと加える「指圧」、ユーザの背中や腰をたたきながらもむ「たたきもみ」などの動作を行う。
【0033】
フットレスト部30は、ユーザのふくらはぎにマッサージを施すエアバック31を有する。エアバック31は、空気が充填されることによって膨らみ、空気が抜かれることによってしぼむことによって、ユーザのふくらはぎに断続的に圧力を加える。
【0034】
足裏部40は、ユーザの足裏にマッサージを施す複数の指圧部41(指圧部41a及び指圧部41b)を有する。指圧部41a及び指圧部41bは、ユーザの足裏のつぼに圧力を加える突起を有しており、突起を上下させることによって足裏のつぼに刺激を与える。なお、指圧部41a及び指圧部41bは同様の構成を有しているため、必要に応じてこれらを指圧部41と称する。
【0035】
リモートコントローラ200は、上述したように、座部20の肘掛け部22に設けられており、ワイヤ200aによってマッサージチェア100に接続されている。また、リモートコントローラ200は、座部20の肘掛け部22から着脱可能に構成されている。
【0036】
なお、リモートコントローラ200は、マッサージチェア100との間でワイヤ200aを介して信号を送受信する。また、リモートコントローラ200及びマッサージチェア100は、IrDAやBluetooth(登録商標)などの無線技術を用いて、無線によって接続されていてもよい。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す側面図である。なお、図3は、マッサージを行う際におけるマッサージチェア100を示している。
【0038】
図3に示すように、本体部110は、マッサージを行う際には、ユーザがリラックスする姿勢となるように、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを変更する。
【0039】
ここで、ライン100Lは、マッサージチェア100が接地する接地面Sg(水平面)と略並行な直線である。ライン10Lは、背もたれ面10aに沿った直線であり、ユーザの背中に沿った直線である。ライン20Lは、座面20aに沿った直線であり、ユーザの太ももに沿った直線である。ライン30Lは、フットレスト部30に沿った直線であり、ユーザのふくらはぎに沿った直線である。ライン40Lは、足裏部40に沿った直線であり、ユーザの足裏に沿った直線である。
【0040】
ライン10Lとライン20Lとが形成する角度aは、ユーザの腰の曲がり度合いを示す角度であり、約128°であることが好ましい。本体部110は角度aを約128°に制御することによって、ユーザの腰などにかかる負担が軽減される姿勢(「中立姿勢」)となる。なお、「中立姿勢」とは、NASA(アメリカ航空宇宙局)によって提唱された姿勢であり、最もリラックスできる姿勢であると考えられている。
【0041】
ライン20Lとライン100Lとが形成する角度bは、ユーザが仰向けになる度合いを示す角度であり、約25〜30°であることが好ましい。本体部110は角度bを約25〜30°に制御することによって、ユーザがフルフラットの姿勢で寝ている場合と同程度に、ユーザがリラックスした姿勢となる。
【0042】
ライン20Lとライン30Lとが形成する角度cは、ユーザの膝の曲がり度合いを示す角度であり、約110°であることが好ましい。このように、角度cが約110°である場合には、太もも及びふくらはぎは、筋肉が伸びても縮んでもいない状態、すなわち、最大筋力を発揮することが可能な状態となる。このように、本体部110は角度cを約110°に制御することによって、ユーザがリラックスした姿勢となる。
【0043】
ライン30Lとライン40Lとが形成する角度dは、ユーザの足首の曲がり度合いを示す角度であり、約90°であることが好ましい。本体部110は角度dを約90°に制御することによって、ユーザの足裏に施されるマッサージの効果が高まる。
【0044】
なお、本実施形態では、上述したように、マッサージチェア100は、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを変更する準備工程を行った後に、ユーザにマッサージを施すマッサージ工程を行う。また、マッサージ工程は、ユーザがマッサージチェア100に着座した状態でユーザの肩位置が検出されてから、ユーザに施されるマッサージが終了するまでの工程である。
【0045】
(マッサージチェアの機能ブロック)
以下において、本発明の一実施形態に係るマッサージチェアの構成を示す機能ブロックについて、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す機能ブロック図である。
【0046】
図4に示すように、マッサージチェア100は、背もたれ部10と、座部20と、フットレスト部30と、足裏部40と、本体部110と、リモートコントローラ200とを有する。
【0047】
背もたれ部10は、肩位置センサ11と、もみ玉12と、アクチュエータ13とを有する。肩位置センサ11は、ユーザがマッサージチェア100に着座した状態、すなわち、ユーザの背中が背もたれ面10aによって支持された状態で、ユーザの肩位置を検出する。
【0048】
例えば、肩位置センサ11は、もみ玉12に接続されており、もみ玉12が経路12aに沿って上下に移動した際にユーザの肩位置を検出する。
【0049】
もみ玉12は、上述したように、ユーザの肩、背中及び腰にマッサージを施す。アクチュエータ13は、本体部110から取得する制御信号に応じて背もたれ部10を動かして、背もたれ面10aの傾きを変更する。
【0050】
座部20は、アクチュエータ21を有する。アクチュエータ21は、本体部110から取得する制御信号に応じて座部20を動かして、座面20aの傾きを変更する。
【0051】
フットレスト部30は、エアバック31と、アクチュエータ32とを有する。エアバック31は、上述したように、ユーザのふくらはぎにマッサージを施す。アクチュエータ32は、本体部110から取得する制御信号に応じてフットレスト部30を動かして、フットレスト部30の傾きを変更する。
【0052】
足裏部40は、指圧部41と、アクチュエータ42とを有する。指圧部41は、上述したように、ユーザの足裏にマッサージを施す。アクチュエータ42は、本体部110から取得する制御信号に応じて足裏部40を動かして、足裏部40の傾きを変更する。
【0053】
本体部110は、角度調節部50と、マッサージコース記憶部60と、マッサージコース選択部70と、マッサージ制御部80と、マッサージ効果判定部90とを有する。
【0054】
角度調節部50は、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40に制御信号を入力して、背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを調節する。
【0055】
具体的には、角度調節部50は、図3に示したように、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aが約128°、座面20a(ライン20L)と接地面Sgと略並行なライン100Lとが形成する角度bが約25〜30°となるように、背もたれ部10及び座部20の傾きを制御することが好ましい。
【0056】
また、角度調節部50は、図3に示したように、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cが約110°、フットレスト部30(ライン30L)と足裏部40(ライン40L)とが形成する角度dが約90°となるように、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを制御することが好ましい。
【0057】
なお、角度調節部50の詳細については後述する(図5を参照)。
【0058】
マッサージコース記憶部60は、複数のマッサージコース(マッサージ工程)と、各マッサージコースに係るマッサージプログラムを記憶する。ここで、マッサージプログラムとは、ユーザの各部位にマッサージを施す時間、ユーザの各部位に施されるマッサージの強さ、及び、ユーザの各部位に施されるマッサージのスピードなどを制御するためのプログラムである。
【0059】
なお、本実施形態に係るマッサージコースは、ユーザのリラックスを目的とするリラックスコースと、ユーザの疲労回復を目的とするリフレッシュコースとである。
【0060】
マッサージコース選択部70は、リモートコントローラ200から取得する操作信号や生体情報に基づいて、マッサージコース記憶部60に記憶された複数のマッサージコースの中から、ユーザに施されるマッサージコースを選択する。なお、マッサージコース選択部70の詳細については後述する(図6を参照)。
【0061】
マッサージ制御部80は、肩位置センサ11によってユーザの肩位置が検出されてから、ユーザに施されるマッサージが終了するまでをマッサージ工程として、マッサージ工程を行う。具体的には、マッサージ制御部80は、マッサージコース選択部70によって選択されたマッサージコースに従って、背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40を制御する。例えば、マッサージ制御部80は、マッサージコース記憶部60に記憶されたマッサージプログラムに従って、もみ玉12、エアバック31及び指圧部41を制御する。なお、マッサージ制御部80の詳細については後述する(図8を参照)。
【0062】
マッサージ効果判定部90は、マッサージ工程を開始する前にリモートコントローラ200から取得する生体情報(マッサージ前生体情報)と、マッサージ工程を終了した後にリモートコントローラ200から取得する生体情報(マッサージ後生体情報)とに基づいて、ユーザに施されたマッサージ効果の評価結果を判定する。また、マッサージ効果判定部90は、マッサージ効果の評価結果をリモートコントローラ200に入力する。なお、マッサージ効果判定部90の詳細については後述する(図11を参照)。
【0063】
リモートコントローラ200は、生体情報センサ210と、操作部220と、表示部230とを有する。
【0064】
生体情報センサ210は、ユーザの生体情報を検出するセンサである。具体的には、
生体情報センサ210は、心拍数、脈拍数、皮膚温度、皮膚電気反応(GSR;Galvanic Skin Response)などを生体情報として検出する。
【0065】
例えば、生体情報センサ210は、リモートコントローラ200を把持するユーザの指先を流れる血液に含まれるヘモグロビンに近赤外光を照射して、ヘモグロビンによって反射された近赤外光を受光するフォトセンサなどである。なお、脈拍は、フォトセンサが受光する近赤外光のピーク間隔によって算出される。
【0066】
また、生体情報センサ210は、リモートコントローラ200を把持するユーザの指先の温度を検出するサーミスタである。
【0067】
さらに、生体情報センサ210は、リモートコントローラ200を把持するユーザの指先に触れる2枚のステンレス板に微弱な一定電流を流して、発汗などによって変化する指先の皮膚抵抗の変化量をGSRとして測定する。
【0068】
なお、生体情報センサ210は、生体情報センサ210によって検出された生体情報(心拍数、脈拍数、皮膚温度、GSR)をマッサージチェア100の本体部110に送信する。
【0069】
また、生体情報センサ210は、脳波、脈波、筋電、心電、血圧や体温などを生体情報として検出してもよい。
【0070】
操作部220は、マッサージの開始、マッサージの終了やマッサージコースの選択をユーザが操作するための各種キーによって構成されている。また、操作部220は、ユーザが押下したキーに対応する操作信号をマッサージチェア100の本体部110に送信する。
【0071】
表示部230は、ユーザに施されるマッサージコースの名称や残り時間などの情報を表示する。また、表示部230は、マッサージチェア100の本体部110から取得するマッサージ効果の評価結果を表示する。
【0072】
(角度調節部50の構成)
以下において、上述した角度調節部50の構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る角度調節部50の構成を示す機能ブロック図である。
【0073】
図5に示すように、角度調節部50は、生体情報取得部51と、操作信号取得部52と、リラックス度算出部53と、角度調節指示部54とを有する。
【0074】
生体情報取得部51は、心拍数、脈拍数、皮膚温度、GSRなどの生体情報をリモートコントローラ200から取得する。操作信号取得部52は、ユーザが押下したキーに対応する操作信号をリモートコントローラ200から取得する。
【0075】
リラックス度算出部53は、生体情報取得部51によって取得された生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出する。
【0076】
ここで、本実施形態では、リラックス度算出部53は、心拍数に基づいて算出される高周波成分のパワー値(HIパワー値)をリラックス度として算出する。具体的には、リラックス度算出部53は、心拍数変動のスペクトル解析を行うことによって、心拍数変動を低周波成分(0.05〜0.15Hz)と高周波成分(0.15〜0.4Hz)とに分離する。また、リラックス度算出部53は、高周波成分のパワー値であるHIパワー値(ms2/Hz)をリラックス度として算出する。なお、HIパワー値(ms2/Hz)が高ければ高いほど、リラックス度も高くなる。
【0077】
角度調節指示部54は、背もたれ部10、座面20a、フットレスト部30及び足裏部40の傾きを制御するための制御信号を生成して、生成された制御信号を背もたれ部10、座面20a、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0078】
具体的には、角度調節指示部54は、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aが所定の初期角度(例えば、約128°)となるように、背もたれ部10の傾きを制御する制御信号を生成して、生成された制御信号を背もたれ部10に入力する。
【0079】
また、角度調節指示部54は、座面20a(ライン20L)と接地面Sgと略並行なライン100Lとが形成する角度bが所定の初期角度(例えば、約30°)となるように、座部20の傾きを制御する制御信号を生成して、生成された制御信号を座部20に入力する。
【0080】
さらに、角度調節指示部54は、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cが所定の初期角度(例えば、約110°)となるように、フットレスト部30の傾きを制御する制御信号を生成して、生成された制御信号をフットレスト部30に入力する。
【0081】
また、角度調節指示部54は、フットレスト部30(ライン30L)と足裏部40(ライン40L)とが形成する角度dが所定の初期角度(例えば、約90°)となるように、足裏部40の傾きを制御する制御信号を生成して、生成された制御信号を足裏部40に入力する。
【0082】
ここで、角度調節指示部54は、座面20a(ライン20L)とライン100Lとが形成する角度bを所定の初期角度から1°ずつ減らす制御信号を生成して、生成された制御信号を座部20に入力する。この場合に、角度調節指示部54は、角度bを1°減らす毎にリラックス度算出部53からリラックス度を取得して、リラックス度が高まっているか否かを判定する。このようにして、角度調節指示部54は、リラックス度が最も高くなる傾きとなるまで、座部20の傾きを微調節する制御信号を座部20に入力する。
【0083】
なお、角度調節指示部54は、操作信号取得部52によって取得された操作信号(ユーザの要求)に応じて、各構成部の傾きの変更を指示する制御信号を背もたれ部10、座部20、フットレスト部30及び足裏部40に入力してもよいことは勿論である。
【0084】
(マッサージコース選択部70の構成)
以下において、上述したマッサージコース選択部70の構成について、図面を参照しながら説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るマッサージコース選択部70の構成を示す機能ブロック図である。
【0085】
図6に示すように、マッサージコース選択部70は、生体情報取得部71と、操作信号取得部72と、リラックス度算出部73と、基準値記憶部74と、マッサージコース指示部75とを有する。
【0086】
生体情報取得部71は、心拍数、脈拍数、皮膚温度、GSRなどの生体情報をリモートコントローラ200から取得する。操作信号取得部72は、ユーザが押下したキーに対応する操作信号をリモートコントローラ200から取得する。
【0087】
リラックス度算出部73は、生体情報取得部71によって取得された生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出する。例えば、リラックス度算出部73は、座面20aの角度を調節している間に取得された生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出する。
【0088】
ここで、本実施形態では、リラックス度算出部73は、リラックス度算出部53と同様に、心拍数に基づいて算出されるHIパワー値(ms2/Hz)をリラックス度として算出する。
【0089】
基準値記憶部74は、マッサージチェア100をユーザが過去に利用した際に、リラックス度算出部73によって算出されたリラックス度の平均値をリラックス度の基準値として記憶する。
【0090】
なお、基準値記憶部74は、性別、年齢、体重や身長などによって定められるリラックス度の平均値(例えば、所定数の被験者の平均値)などをリラックス度の基準値として記憶していてもよい。
【0091】
マッサージコース指示部75は、リラックス度算出部73によって算出されたリラックス度と基準値記憶部74に記憶されたリラックス度の基準値とを比較して、マッサージコースを選択する。また、マッサージコース指示部75は、選択されたマッサージコースを指定するコース指定信号をマッサージ制御部80に入力する。
【0092】
ここで、本実施形態では、リラックス度がHIパワー値(ms2/Hz)である場合を例に挙げて、マッサージコース指示部75がマッサージコースを選択する基準について説明する。図7は、本発明の一実施形態に係るマッサージコースを選択する基準の一例を示す図である。
【0093】
図7に示すように、マッサージコース指示部75は、リラックス度算出部73によって算出されたHIパワー値(算出HIパワー値)と基準値記憶部74に記憶されたHIパワー値の基準値(平均HIパワー値)との差異に応じて、マッサージコースを選択する。
【0094】
例えば、マッサージコース指示部75は、算出HIパワー値から平均HIパワー値を引いた値が−200(ms2/Hz)以下である場合には、ユーザが通常よりもリラックスできていない状態であるものと推定して、ユーザをリラックスさせるためにリラックスコースを選択する。
【0095】
一方、マッサージコース指示部75は、算出HIパワー値から平均HIパワー値を引いた値が200(ms2/Hz)以上である場合には、ユーザが通常よりも疲労した状態であるものと推定して、ユーザを活性化させるためにリフレッシュコースを選択する。
【0096】
なお、マッサージコース指示部75は、操作信号取得部72によって取得された操作信号(ユーザの要求)に応じて、マッサージコースを選択するとともに、選択されたマッサージコースを指定するコース指定信号をマッサージ制御部80に入力してもよいことは勿論である。
【0097】
(マッサージ制御部80の構成)
以下において、上述したマッサージ制御部80の構成について、図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るマッサージ制御部80の構成を示す機能ブロック図である。
【0098】
図8に示すように、マッサージ制御部80は、生体情報取得部81と、操作信号取得部82と、コース指定信号取得部83と、心理状態特定部84と、マッサージ指示部85とを有する。
【0099】
生体情報取得部81は、心拍数、脈拍数、皮膚温度、GSRなどの生体情報をリモートコントローラ200から取得する。操作信号取得部82は、ユーザが押下したキーに対応する操作信号をリモートコントローラ200から取得する。コース指定信号取得部83は、マッサージコースを指定するコース指定信号をマッサージコース選択部70から取得する。
【0100】
心理状態特定部84は、生体情報取得部81から取得した生体情報に基づいて、ユーザの心理状態を特定する。
【0101】
ここで、本実施形態では、ユーザがリラックスしている心理状態を「リラックス」と定義し、ユーザが痛いと感じながらも気持ちいいと感じている心理状態を「活性」と定義し、ユーザが痛いと感じる心理状態を「痛い」と定義する。
【0102】
なお、心理状態の定義は、所定数の被験者にマッサージを施した際に、各被験者が感じた主観をKJ法によってグループ化して得られた定義である。また、心理状態特定部84は、各被験者の心理状態と各被験者の生体情報とを対応付けた基準に従って、ユーザの心理状態を特定する。
【0103】
図9(a)及び図9(b)は、ユーザの心理状態を特定する基準の一例を示す図である。
【0104】
図9(a)は、所定の間隔(例えば、20秒)毎に取得されたGSRの変化量(ΔV/s)を縦軸とし、所定の間隔(例えば、20秒)毎に取得された皮膚温度の変化量(Δ℃/s)を横軸とした場合に、各心理状態の分布範囲を示している。
【0105】
ここで、心理状態特定部84は、所定の間隔(例えば、20秒)毎に生体情報取得部81から取得したユーザのGSRの変化量及び皮膚温度の変化量によって、図9(a)に示すxy平面上の座標を特定する。また、心理状態特定部84は、特定された座標を含む心理状態をユーザの心理状態として特定する。
【0106】
一方、図9(b)は、所定の間隔(例えば、20秒)毎に取得されたGSRの変化量(ΔV/s)を縦軸とし、所定の間隔(例えば、20秒)毎に取得された心拍数の変化量(Δbpm/s)を横軸とした場合に、各心理状態の分布範囲を示している。
【0107】
ここで、心理状態特定部84は、所定の間隔(例えば、20秒)毎に生体情報取得部81から取得したユーザのGSRの変化量及び心拍数の変化量によって、図9(b)に示すxy平面上の座標を特定する。また、心理状態特定部84は、特定された座標を含む心理状態をユーザの心理状態として特定する。
【0108】
マッサージ指示部85は、コース指定信号取得部83によって取得されたコース指定信号に応じて、マッサージコースプログラムをマッサージコース記憶部60から読み出す。また、マッサージ指示部85は、読み出されたマッサージプログラムに従って、マッサージを制御する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0109】
また、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定されたユーザの心理状態に応じて、マッサージコースの内容を変更する。
【0110】
ここで、本実施形態では、「リラックス」、「活性」及び「痛い」の3種類に心理状態が定義されている場合を例に挙げて、マッサージ指示部85がマッサージコースの内容を変更する基準について説明する。図10は、本発明の一実施形態に係るマッサージコースの内容を変更する基準の一例を示す図である。
【0111】
最初に、マッサージコースがリラックスコースである場合について、図10(a)を参照しながら説明する。なお、リラックスコースは、ユーザをリラックスさせることを目的とするマッサージコースである。
【0112】
図10(a)に示すように、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「リラックス」である場合には、ユーザをさらにリラックスさせるために、背中以外の部位についてマッサージ時間の延長(1.5倍)を指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0113】
また、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「活性」である場合には、ユーザの活性化を抑制するために、背中に施されるマッサージの終了を指示する制御信号を背もたれ部10に入力する。また、マッサージ指示部85は、背中以外の部位についてマッサージ時間の短縮(×0.75倍)を指示するとともに、背中以外の部位についてマッサージ速度を1段階落とすことを指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0114】
さらに、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「痛い」である場合には、ユーザの痛みを軽減するために、背中に施されるマッサージの終了を指示する制御信号を背もたれ部10に入力する。また、マッサージ指示部85は、背中以外の部位についてマッサージ時間の短縮(0.5倍)を指示するとともに、背中以外の部位についてマッサージ速度を1段階落とすことを指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0115】
次に、マッサージコースがリフレッシュコースである場合について、図10(b)を参照しながら説明する。なお、リフレッシュコースは、ユーザを活性化させることを目的とするマッサージコースである。
【0116】
図10(b)に示すように、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「リラックス」である場合には、ユーザを活性化させるために、背中に施されるマッサージ時間の短縮(0.5倍)を指示する制御信号を背もたれ部10に入力する。また、マッサージ指示部85は、背中以外の部位についてマッサージ時間の短縮(0.5倍)を指示するとともに、背中以外の部位についてマッサージ速度を1段階上げることを指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0117】
また、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「活性」である場合には、ユーザをさらに活性化させるために、背中以外の部位についてマッサージ時間の延長(×1.5倍)を指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0118】
さらに、マッサージ指示部85は、心理状態特定部84によって特定された心理状態が「痛い」である場合には、ユーザの痛みを軽減するために、背中に施されるマッサージの終了を指示する制御信号を背もたれ部10に入力する。また、マッサージ指示部85は、背中以外の部位についてマッサージ時間の短縮(0.5倍)を指示するとともに、背中以外の部位についてマッサージ速度を1段階落とすことを指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力する。
【0119】
なお、マッサージ指示部85は、操作信号取得部82によって取得された操作信号(ユーザの要求)に応じて、マッサージコースの内容の変更を指示する制御信号を背もたれ部10、フットレスト部30及び足裏部40に入力してもよいことは勿論である。
【0120】
(マッサージ効果判定部90の構成)
以下において、上述したマッサージ効果判定部90の構成について、図面を参照しながら説明する。図11は、本発明の一実施形態に係るマッサージ効果判定部90の構成を示す機能ブロック図である。
【0121】
図11に示すように、マッサージ効果判定部90は、マッサージ前生体情報取得部91と、マッサージ前生体情報記憶部92と、マッサージ後生体情報取得部93と、生体情報比較部94と、マッサージ効果通知部95とを有する。
【0122】
マッサージ前生体情報取得部91は、マッサージを開始する前にユーザの生体情報をリモートコントローラ200から取得する。マッサージ前生体情報記憶部92は、マッサージ前生体情報取得部91によって取得された生体情報をマッサージ前生体情報として記憶する。マッサージ後生体情報取得部93は、マッサージを終了した後にユーザの生体情報をリモートコントローラ200から取得する。
【0123】
生体情報比較部94は、マッサージ前生体情報記憶部92に記憶されたマッサージ前生体情報と、マッサージ後生体情報取得部93によって取得された生体情報(マッサージ後生体情報)とを比較する。また、生体情報比較部94は、マッサージ前生体情報とマッサージ後生体情報とを比較した結果に応じて、ユーザに施されたマッサージ効果の評価結果を判定する。
【0124】
ここで、本実施形態では、マッサージ前生体情報及びマッサージ後生体情報がHIパワー値である場合を例に挙げて、生体情報比較部94がマッサージ効果の評価結果を判定する基準について説明する。図12は、本発明の一実施形態に係るマッサージ効果を判定する基準の一例を示す図である。
【0125】
最初に、ユーザに施されたマッサージコースがリラックスコースである場合について、図12(a)を参照しながら説明する。なお、リラックスコースは、ユーザをリラックスさせることを目的とするマッサージコースである。
【0126】
図12(a)に示すように、生体情報比較部94は、マッサージを開始する前に取得されたHIパワー値(マッサージ前HIパワー値)とマッサージを終了した後に取得されたHIパワー値(マッサージ後HIパワー値)との差異を算出する。
【0127】
続いて、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が0(ms2/Hz)以下である場合には、ユーザのリラックス度が高まっていないため、マッサージ効果の評価結果を「効果なし」と判定する。
【0128】
また、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が0〜200(ms2/Hz)である場合には、ユーザのリラックス度が高まっているため、マッサージ効果の評価結果を「効果小」と判定する。
【0129】
さらに、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が200(ms2/Hz)以上である場合には、ユーザのリラックス度がさらに高まっているため、マッサージ効果の評価結果を「効果大」と判定する。
【0130】
次に、ユーザに施されたマッサージコースがリフレッシュコースである場合について、図12(b)を参照しながら説明する。なお、リフレッシュコースは、ユーザを活性化させることを目的とするマッサージコースである。
【0131】
図12(b)に示すように、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が0(ms2/Hz)以上である場合には、ユーザが活性化していないため、マッサージ効果の評価結果を「効果なし」と判定する。
【0132】
また、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が−200〜0(ms2/Hz)である場合には、ユーザが活性化しているため、マッサージ効果の評価結果を「効果小」と判定する。
【0133】
さらに、生体情報比較部94は、マッサージ後HIパワー値からマッサージ前HIパワー値を引いた値が−200(ms2/Hz)以下である場合には、ユーザがさらに活性化しているため、マッサージ効果の評価結果を「効果大」と判定する。
【0134】
マッサージ効果通知部95は、生体情報比較部94によって判定されたマッサージ効果をリモートコントローラ200に送信する。なお、リモートコントローラ200は、上述したように、マッサージ効果通知部95から取得したマッサージ効果を表示部230上に表示する。
【0135】
(マッサージチェアの動作)
以下において、本発明の一実施形態に係るマッサージチェアの動作について、図面を参照しながら説明する。図13は、本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の動作を示すフロー図である。
【0136】
図13に示すように、ステップ10において、ユーザは、マッサージチェア100の電源を投入する。
【0137】
ステップ30において、マッサージチェア100は、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aが所定の初期角度(例えば、約128°)となるように、背もたれ部10の傾きを変更する。
【0138】
ステップ50において、マッサージチェア100は、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cが所定の初期角度(例えば、約110°)となるように、フットレスト部30の傾きを変更する。
【0139】
ステップ70において、マッサージチェア100は、フットレスト部30(ライン30L)と足裏部40(ライン40L)とが形成する角度dが所定の初期角度(例えば、約90°)となるように、足裏部40の傾きを変更する。
【0140】
ステップ90において、マッサージチェア100は、座面20a(ライン20L)と接地面Sgと略並行なライン100Lとが形成する角度bが所定の初期角度(例えば、約30°)となるように、座部20の傾きを変更する。また、マッサージチェア100は、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報に基づいて座部20の傾きを微調節する。なお、座面角度変更処理の詳細については後述する(図14を参照)。
【0141】
ステップ110において、マッサージチェア100は、マッサージ工程を開始する。具体的には、マッサージチェア100は、ユーザがマッサージチェア100に着座した状態、すなわち、ユーザの背中が背もたれ面10aによって支持された状態で、ユーザの肩位置を検出する。
【0142】
ステップ130において、マッサージチェア100は、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報に基づいて、マッサージコースを選択する。例えば、マッサージチェア100は、図7に示したように、算出HIパワー値と平均HIパワー値との差異に応じて、マッサージコースを選択する。
【0143】
ステップ150において、マッサージチェア100は、ステップ130で選択されたマッサージコースを開始して、ユーザにマッサージを施す。
【0144】
ステップ170において、マッサージチェア100は、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報に基づいて、マッサージコースの内容を変更する。例えば、マッサージチェア100は、図9に示したように、GSRの変化量、皮膚温度の変化量や心拍数の変化量などの生体情報に基づいて、ユーザの心理状態を特定する。続いて、マッサージチェア100は、図10に示したように、特定されたユーザの心理状態とステップ130で選択されたマッサージコースの種類とに応じて、マッサージコースの内容を変更する。
【0145】
ステップ190において、マッサージチェア100は、マッサージ前生体情報とマッサージ後生体情報とに基づいて、ユーザに施されたマッサージ効果の評価結果を判定する。例えば、マッサージチェア100は、図12に示したように、マッサージ前HIパワー値とマッサージ後HIパワー値との比較結果と、ステップ130で選択されたマッサージコースの種類とに応じて、マッサージ効果の評価結果を判定する。また、マッサージチェア100は、マッサージ効果の評価結果をリモートコントローラ200の表示部230上に表示する。なお、ステップ190の処理でマッサージ工程が終了する。
【0146】
図14は、本発明の一実施形態に係る座面角度調節処理を示すフロー図である。図14に示すように、ステップ91において、マッサージチェア100は、座面20a(ライン20L)と接地面Sgと略並行なライン100Lとが形成する角度bが所定の初期角度(例えば、約30°)となるように、座部20の傾きを変更する。
【0147】
ステップ92において、マッサージチェア100は、リモートコントローラ200からユーザの生体情報を取得する。例えば、マッサージチェア100は、ユーザの生体情報として心拍数を取得する。
【0148】
ステップ93において、マッサージチェア100は、ステップ92で取得されたユーザの生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出する。例えば、マッサージチェア100は、ユーザの生体情報として取得された心拍数に基づいて、ユーザのリラックス度としてHIパワー値を算出する。
【0149】
ステップ94において、マッサージチェア100は、座部20の傾きを微調節して、座面20a(ライン20L)とライン100Lとが形成する角度bを変更する。具体的には、マッサージチェア100は、角度bが約1°減るように、座部20の傾きを微調節する。
【0150】
ステップ95において、マッサージチェア100は、ステップ92と同様に、リモートコントローラ200からユーザの生体情報を取得する。
【0151】
ステップ96において、マッサージチェア100は、ステップ93と同様に、ステップ95で取得されたユーザの生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出する。
【0152】
ステップ97において、マッサージチェア100は、ユーザのリラックス度が増加したか否かを判定する。また、マッサージチェア100は、ユーザのリラックス度が増加している場合には、ステップ99の処理に移り、ユーザのリラックス度が増加していない場合には、ステップ98の処理に移る。
【0153】
ステップ98において、マッサージチェア100は、座部20の傾きを微調節しても、ユーザのリラックス度が増加しなかったため、座面20a(ライン20L)とライン100Lとが形成する角度b、すなわち、座部20の傾きを元に戻す。具体的には、マッサージチェア100は、角度bが約1°増やすように、座部20の傾きを微調節する。
【0154】
ステップ99において、マッサージチェア100は、座面20a(ライン20L)とライン100Lとが形成する角度bが限界値(例えば、25°)に達しているか否かを判定する。また、マッサージチェア100は、角度bが限界値に達している場合には、座面角度調節処理を終了し、角度bが限界値に達していない場合には、ステップ94の処理に戻る。
【0155】
(作用及び効果)
本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100によれば、角度調節部50は、リモートコントローラ200から取得した生体情報(例えば、心拍数)に基づいて、ユーザのリラックス度(例えば、HIパワー値)を算出する。続いて、角度調節部50は、算出されたユーザのリラックス度に応じて、座部20(座面20a)の傾きを制御する。従って、マッサージチェア100は、ユーザが最もリラックスした姿勢となるように、座面の傾きを自動的に変更することができる。
【0156】
また、角度調節部50が、肩位置センサ11によってユーザの肩位置が検出される前に、座部20(座面20a)の傾きを制御することにより、肩位置センサ11によってユーザの肩位置がずれてしまって、最適なマッサージがユーザに施されないことを防止することができる。
【0157】
本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100によれば、角度調節部50は、座面20a(ライン20L)とライン100Lとが形成する角度bが所定の初期角度となるように座部20(座面20a)の傾きを制御してから、ユーザのリラックス度に応じて、座部20(座面20a)の傾きを微調節する。従って、マッサージチェア100は、ユーザがリラックスした姿勢となるまでに必要な時間を短縮することができる。
【0158】
本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100によれば、マッサージコース選択部70は、リモートコントローラ200から取得した生体情報(例えば、心拍数)に基づいて、ユーザのリラックス度(例えば、HIパワー値)を算出する。続いて、マッサージコース選択部70は、リラックス度算出部73によって算出されたリラックス度と基準値記憶部74に記憶されたリラックス度の基準値とを比較した結果に応じて、マッサージコースを選択する。従って、マッサージチェア100は、時間的な負担や不快感をユーザに与えることなく、ユーザの体調に応じて最適なマッサージコースを選択することができる。
【0159】
本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100によれば、マッサージ効果判定部90は、マッサージを開始する前に取得されたマッサージ前生体情報と、マッサージを終了した後に取得されたマッサージ後生体情報とに基づいて、ユーザに施されたマッサージ効果の評価結果を判定する。また、リモートコントローラ200の表示部230は、マッサージ効果判定部90によって判定されたマッサージ効果の判定結果を表示する。従って、ユーザは、自分に施されたマッサージ効果を容易に把握することができる。また、マッサージチェア100は、主に身体的な健康管理に利用可能な情報をユーザに提供することができる。
【0160】
(実施例)
以下において、本発明の一実施例に係る実験結果について、図面を参照しながら説明する。図15及び図16は、本発明の一実施例に係る実験結果を説明するための図である。
【0161】
なお、本実施例では、健常男子5名を被験者として、各被験者に4種類の姿勢をとらせた。続いて、各姿勢において、各被験者の心電図を4分間に亘って測定した(サンプリング:1kHz)。
【0162】
また、測定された心電図に基づいて、各被験者の平均心拍数を姿勢毎に算出するとともに、心拍数変動のスペクトル解析を行って、高周波成分(0.15〜0.4Hz)のHIパワー値を算出した。なお、HIパワー値は、心臓交換神経活動を反映する指標である。
【0163】
図15(a)〜図15(d)は、各被験者にとらせた4種類の姿勢を示している。図15(a)は、フルフラット姿勢(以下、姿勢1)を示す図である。図15(a)に示すように、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aは約159°であり、座面20a(ライン20L)とライン100とが形成する角度bは11°であり、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cは169°である。
【0164】
図15(b)は、比較例のマッサージチェアに対応する姿勢(以下、姿勢2)を示す図である。図15(b)に示すように、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aは約128°であり、座面20a(ライン20L)とライン100とが形成する角度bは11°であり、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cは110°である。
【0165】
なお、角度aを128°とした理由は、身体的負担が最も少ない「中立姿勢」とするためである。また、「中立姿勢」とは、NASA(アメリカ航空宇宙局)によって提唱された姿勢であり、最もリラックスできる姿勢であると考えられている。
【0166】
また、角度cを110°とした理由は、太もも及びふくらはぎが最大筋力を発揮することが可能な状態として、ユーザがリラックスできる姿勢とするためである。
【0167】
図15(c)は、本発明の実施例1のマッサージチェア100に対応する姿勢(以下、姿勢3)を示す図である。図15(c)に示すように、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aは約128°であり、座面20a(ライン20L)とライン100とが形成する角度bは25°であり、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cは110°である。
【0168】
図15(d)は、本発明の実施例2のマッサージチェア100に対応する姿勢(以下、姿勢4)を示す図である。図15(d)に示すように、背もたれ面10a(ライン10L)と座面20a(ライン20L)とが形成する角度aは約128°であり、座面20a(ライン20L)とライン100とが形成する角度bは30°であり、座面20a(ライン20L)とフットレスト部30(ライン30L)とが形成する角度cは110°である。
【0169】
図16(a)は、各被験者にとらせた姿勢1〜姿勢4に対応するHIパワー値を示す図であり、図16(b)は、各被験者にとらせた姿勢1〜姿勢4に対応する心拍数を示す図である。
【0170】
図16(a)に示すように、HIパワー値は、姿勢4(実施例2)、姿勢3(実施例1)、姿勢1(フルフラット)、姿勢2(比較例)の順に高いことが確認された。すなわち、HIパワー値に基づいて考察すると、各被験者は、姿勢4(実施例2)、姿勢3(実施例1)、姿勢1(フルフラット)、姿勢2(比較例)の順にリラックスしたという結果が得られた。
【0171】
一方、図16(b)に示すように、心拍数は、姿勢1(フルフラット)、姿勢4(実施例2)、姿勢3(実施例1)、姿勢2(比較例)の順に低いことが確認された。すなわち、心拍数に基づいて考察すると、各被験者は、姿勢1(フルフラット)、姿勢4(実施例2)、姿勢3(実施例1)、姿勢2(比較例)の順にリラックスしたという結果が得られた。但し、姿勢3(実施例1)及び姿勢4(実施例2)に対応する心拍数は、姿勢1(フルフラット)に対応する心拍数とほぼ同程度であることも確認された。
【0172】
上述したように、HIパワー値、心拍数及び「中立姿勢」の概念を考慮すると、姿勢3(実施例1)及び姿勢4(実施例2)がマッサージを受けるのに最適な姿勢であることが確認された。
【0173】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0174】
例えば、上述した実施形態では、説明を明確にするために、ユーザの生体情報とユーザの生体情報に基づいて算出されたリラックス度とを別々に定義したが、これに限定されるものではない。具体的には、ユーザの生体情報は、心拍数、脈拍数、皮膚温度やGSRなどのように生体情報センサ210によって直接検出される情報に限定されるものではなく、生体情報センサ210によって直接検出される情報に基づいて算出される各指標(例えば、HIパワー値)を含む概念である。
【0175】
また、上述した実施形態では、角度調節部50は、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出するとともに、算出されたリラックス度に応じて、座部20(座面20a)の角度を微調節するが、これに限定されるものではない。具体的には、角度調節部50は、リラックス度を算出せずに、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報(例えば、心拍数)に応じて、座部20(座面20a)の角度を微調節してもよい。
【0176】
同様に、上述した実施形態では、マッサージコース選択部70は、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報に基づいて、ユーザのリラックス度を算出するとともに、算出されたリラックス度に応じて、マッサージコースを選択するが、これに限定されるものではない。具体的には、マッサージコース選択部70は、リラックス度を算出せずに、リモートコントローラ200から取得したユーザの生体情報(例えば、心拍数)に応じて、マッサージコースを選択してもよい。
【0177】
上述した実施形態では、角度調節部50、マッサージコース選択部70、マッサージ制御部80及びマッサージ効果判定部90の動作を説明する際にユーザの生体情報を例示して説明したが、上述した例示に限定されないことは勿論である。また、角度調節部50、マッサージコース選択部70、マッサージ制御部80及びマッサージ効果判定部90は、複数種類の生体情報を組み合わせて動作してもよい。
【0178】
上述した実施形態では特に触れていないが、マッサージコース選択部70は、リラックス度算出部73によって算出されたリラックス度と基準値記憶部74に記憶されたリラックス度の基準値とを比較してユーザの心理状態を特定し、特定された心理状態をユーザに通知してもよい。
【0179】
例えば、マッサージコース選択部70は、リラックス度算出部73によって算出された算出HIパワー値から基準値記憶部74に記憶された平均HIパワー値を引いた値が−200(ms2/Hz)以下である場合に、ユーザが通常よりも活性化(例えば、緊張)しているという心理状態をユーザに通知してもよい。また、マッサージコース選択部70は、算出HIパワー値から平均HIパワー値を引いた値が+200(ms2/Hz)以上である場合に、ユーザが通常よりも疲れているという心理状態をユーザに通知してもよい。
【0180】
このように、マッサージコース選択部70がユーザの心理状態をユーザに通知することにより、マッサージチェア100は、主に心理的な健康管理(メンタルヘルス)に利用可能な情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す側面図である(その1)。
【図3】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す側面図である(その2)。
【図4】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る角度調節部50の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るマッサージコース選択部70の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るマッサージコースを選択する基準の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るマッサージ制御部80の構成を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る心理状態を特定する基準の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るマッサージコースの内容を変更する基準の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るマッサージ効果判定部90の構成を示す機能ブロック図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るマッサージ効果を判定する基準の一例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の動作を示すフロー図である(その1)。
【図14】本発明の一実施形態に係るマッサージチェア100の動作を示すフロー図である(その2)。
【図15】本発明の一実施例に係る実験結果を説明するための図である(その1)。
【図16】本発明の一実施例に係る実験結果を説明するための図である(その2)。
【符号の説明】
【0182】
背もたれ部10、背もたれ面10a、肩位置センサ11、もみ玉12、経路12a、アクチュエータ13、座部20、座面20a、アクチュエータ21、肘掛け部22、フットレスト部30、エアバック31、アクチュエータ32、足裏部40、指圧部41、アクチュエータ42、角度調節部50、生体情報取得部51、操作信号取得部52、リラックス度算出部53、角度調節指示部54、マッサージコース記憶部60、マッサージコース選択部70、生体情報取得部71、操作信号取得部72、リラックス度算出部73、基準値記憶部74、マッサージコース指示部75、マッサージ制御部80、生体情報取得部81、操作信号取得部82、コース指定信号取得部83、心理状態特定部84、マッサージ指示部85、マッサージ効果判定部90、マッサージ前生体情報取得部91、マッサージ前生体情報記憶部92、マッサージ後生体情報取得部93、生体情報比較部94、マッサージ効果通知部95、マッサージチェア100、本体部110、リモートコントローラ200、ワイヤ200a、生体情報センサ210、操作部220、表示部230
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが着座する座面を有する座部と、前記座面に着座したユーザの背中を支持する背もたれ面を有する背もたれ部と、ユーザの背中が前記背もたれ面によって支持された状態でユーザの肩位置を検出する肩位置検出部とを備えたマッサージチェアであって、
前記肩位置検出部によって前記肩位置が検出されてから、ユーザに施されるマッサージが終了するまでをマッサージ工程として、前記マッサージ工程を行うマッサージ部と、
前記座面に着座したユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報に基づいて、前記マッサージ工程を開始する前に前記座面の傾きを変更する傾き変更部とを備えることを特徴とするマッサージチェア。
【請求項2】
前記傾き変更部は、前記座面の傾きが所定の傾きとなるまで前記座面の傾きを変更してから、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報に基づいて前記座面の傾きを微調節することを特徴とする請求項1に記載のマッサージチェア。
【請求項3】
前記生体情報の基準となる生体情報基準値を記憶する基準値記憶部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と前記基準値記憶部に記憶された前記生体情報基準値とを比較して、ユーザに施されるマッサージのコースを選択するマッサージコース選択部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマッサージチェア。
【請求項4】
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と前記基準値記憶部に記憶された前記生体情報基準値とを比較してユーザの心理状態を特定し、特定された前記心理状態をユーザに通知する心理状態通知部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のマッサージチェア。
【請求項5】
前記マッサージ工程を開始する前に前記生体情報取得部によって取得される前記生体情報である開始前生体情報と、前記マッサージ工程を終了した後に前記生体情報取得部によって取得される前記生体情報である終了後生体情報とを比較して、前記マッサージ工程の効果をユーザに通知するマッサージ効果通知部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のマッサージチェア。
【請求項1】
ユーザが着座する座面を有する座部と、前記座面に着座したユーザの背中を支持する背もたれ面を有する背もたれ部と、ユーザの背中が前記背もたれ面によって支持された状態でユーザの肩位置を検出する肩位置検出部とを備えたマッサージチェアであって、
前記肩位置検出部によって前記肩位置が検出されてから、ユーザに施されるマッサージが終了するまでをマッサージ工程として、前記マッサージ工程を行うマッサージ部と、
前記座面に着座したユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報に基づいて、前記マッサージ工程を開始する前に前記座面の傾きを変更する傾き変更部とを備えることを特徴とするマッサージチェア。
【請求項2】
前記傾き変更部は、前記座面の傾きが所定の傾きとなるまで前記座面の傾きを変更してから、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報に基づいて前記座面の傾きを微調節することを特徴とする請求項1に記載のマッサージチェア。
【請求項3】
前記生体情報の基準となる生体情報基準値を記憶する基準値記憶部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と前記基準値記憶部に記憶された前記生体情報基準値とを比較して、ユーザに施されるマッサージのコースを選択するマッサージコース選択部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマッサージチェア。
【請求項4】
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と前記基準値記憶部に記憶された前記生体情報基準値とを比較してユーザの心理状態を特定し、特定された前記心理状態をユーザに通知する心理状態通知部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のマッサージチェア。
【請求項5】
前記マッサージ工程を開始する前に前記生体情報取得部によって取得される前記生体情報である開始前生体情報と、前記マッサージ工程を終了した後に前記生体情報取得部によって取得される前記生体情報である終了後生体情報とを比較して、前記マッサージ工程の効果をユーザに通知するマッサージ効果通知部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のマッサージチェア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図16】
【公開番号】特開2007−289401(P2007−289401A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120695(P2006−120695)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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