マッサージ機
【課題】自動コースを実行中に、所定のマッサージ態様を、使用者がいつでも任意にスキップしたりリピートしたりすることができるマッサージ機を提供すること。
【解決手段】施療体の動作に関する複数の構成要素からなるショートプログラムを集合して構成したマッサージプログラムにしたがって前記施療体を動作させてマッサージを実行可能としたマッサージ機であって、前記マッサージプログラムに沿ったマッサージの実行中に、当該実行中のショートプログラムを飛び越して次のショートプログラムへ移行させるスキップ機能及び/又は当該実行中のショートプログラムを繰り返す若しくは実行時間を延長するリピート機能を有することとした。
【解決手段】施療体の動作に関する複数の構成要素からなるショートプログラムを集合して構成したマッサージプログラムにしたがって前記施療体を動作させてマッサージを実行可能としたマッサージ機であって、前記マッサージプログラムに沿ったマッサージの実行中に、当該実行中のショートプログラムを飛び越して次のショートプログラムへ移行させるスキップ機能及び/又は当該実行中のショートプログラムを繰り返す若しくは実行時間を延長するリピート機能を有することとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機に関し、詳しくは、複数のマッサージ態様が組み合わされた自動コースを有するマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のマッサージ機として、予め登録された施療パタンプログラムに従ってマッサージを実行する自動コースを有するマッサージ機があった。
【0003】
しかも、かかるマッサージ機において、使用者側で施療パタンプログラムを新たに設定可能としたものがあり、その構成としては、人体に当接して移動可能な施療体と、同施療体を駆動する駆動源と、施療パタンプログラムなどを格納した制御部と、どの施療パタンプログラムで作動させるかを指示するパタンスイッチと、新たに施療パタンプログラムを作成するに先立って操作される作成・修正スイッチと、挿入スイッチ、消去スイッチ、変更スイッチ、登録スイッチ、格納スイッチなどを備えている(特許文献1を参照。)。
【0004】
かかるマッサージ機においては、例えば既に登録されている施療パタンプログラムに修正を加えて新たな施療パタンプログラムとして作成することが可能である。
【特許文献1】特公平2−39258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように施療パタンプログラムを修正変更すると、次に同じマッサージコースを選択した場合、修正された施療パタンプログラムに沿ってマッサージが行われるので極めて都合がよいと考えられる。
【0006】
しかしながら、自動コース中に含まれる各種マッサージ態様のうち、どのマッサージ態様を長時間受けたいのか、あるいはどのマッサージ態様が不要なのかは、使用者のその日の体調や気分などによって異なる場合が多い。
【0007】
したがって、自動コースを選択した場合に、かつて自分で修正した施療パタンプログラムがいつでもベストなものとは限らない。
【0008】
そこで、自動コースを選択してマッサージを受けながら、このマッサージ態様はスキップしたい、あるいはもう少し続けていたい、と使用者が感じても、従来のマッサージ機ではその意向を即座に反映することができなかった。
【0009】
本発明は上記課題を解決することのできるマッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、請求項1記載の本発明では、施療体の動作に関する複数の構成要素からなるショートプログラムを集合して構成したマッサージプログラムにしたがって前記施療体を動作させてマッサージを実行可能としたマッサージ機であって、前記マッサージプログラムに沿ったマッサージの実行中に、当該実行中のショートプログラムを飛び越して次のショートプログラムへ移行させるスキップ機能及び/又は当該実行中のショートプログラムを繰り返す若しくは実行時間を延長するリピート機能を有することとした。
【0011】
請求項2記載の本発明では、請求項1記載のマッサージ機において、前記スキップ機能及び前記リピート機能を実行させるためのスキップスイッチ及びリピートスイッチを備えたリモートコントロールタイプの操作手段を具備することを特徴とする。
【0012】
請求項3の本発明では、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記スキップ機能は、スキップ対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記施療体による遊技者への押圧力が前記ショートプログラムで設定されている押圧力よりも弱くなる位置まで施療体を後退させた状態で次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の本発明では、請求項3記載のマッサージ機において、前記スキップ機能において、前記施療体を次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させる際には移動スピードを増速するようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項5の本発明では、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記リピート機能は、リピート対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記リピートスイッチが入力された時点から計時を開始するとともに、当該ショートプログラムを最後まで実行することを条件として、所定時間が経過するまで当該ショートプログラムを繰り返すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
(1)請求項1記載の本発明では、施療体の動作に関する複数の構成要素からなるショートプログラムを集合して構成したマッサージプログラムにしたがって前記施療体を動作させてマッサージを実行可能としたマッサージ機であって、前記マッサージプログラムに沿ったマッサージの実行中に、当該実行中のショートプログラムを飛び越して次のショートプログラムへ移行させるスキップ機能及び/又は当該実行中のショートプログラムを繰り返す若しくは実行時間を延長するリピート機能を有することとしたために、使用者は、予め設定されたマッサージプログラムに沿ったマッサージを受けながらも、その日の体調や気分などに合わせて、いつでも所望するマッサージ施療を受けることが可能となる。
【0016】
(2)請求項2記載の本発明では、請求項1記載のマッサージ機において、前記スキップ機能及び前記リピート機能を実行させるためのスキップスイッチ及びリピートスイッチを備えたリモートコントロールタイプの操作手段を具備するので、マッサージを受けながらいつでも手元操作により不要なマッサージ態様をスキップしたり、繰り返して実行させたりすることができ、上記(1)の効果に加え、利便性が著しく向上する。
【0017】
(3)請求項3の本発明では、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記スキップ機能は、スキップ対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記施療体による遊技者への押圧力が前記ショートプログラムで設定されている押圧力よりも弱くなる位置まで施療体を後退させた状態で次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させるようにしたので、上記(2)の効果に加え、使用者が所望する次のショートプログラムによるマッサージに違和感なく移行することができる。
【0018】
(4)請求項4の本発明では、請求項3記載のマッサージ機において、前記スキップ機能において、前記施療体を次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させる際には、移動スピードを増速するようにしたので、次のショートプログラムによるマッサージ態様が即座に開始されることになり、上記(3)の効果をより高めることができる。
【0019】
(5)請求項5の本発明では、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記リピート機能は、リピート対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記リピートスイッチが入力された時点から計時を開始するとともに、当該ショートプログラムを最後まで実行することを条件として、所定時間が経過するまで当該ショートプログラムを繰り返すようにしたので、使用者が好むローリングを含むマッサージを十分に受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本実施の形態では、本発明を座部と背もたれ部とを備える椅子式のマッサージ機として説明する。なお、前記背もたれ部には、施療体として揉み玉などを備えた機械式のマッサージユニットを昇降自在に配設するとともに、このユニットの左右側には、やはり施療体であってエア式マッサージが行えるエアバッグを設けている。さらに、前記背もたれ部の左右両側部には、体側施療部としてこれもエアバッグを備えた側壁部をそれぞれ配設したものとしている。
【0021】
また、本実施形態に係るマッサージ機は、前記施療体の動作に関する複数の構成要素からなるショートプログラムを集合して構成したマッサージプログラムにしたがって前記施療体を動作させてマッサージを実行可能とした自動コースを有し、遠隔操作可能な操作手段からのスイッチ入力によって、自動コースの中から例えば全身コース、肩・首コース、腰コースなどを選択して所望する部位を揉み、指圧、たたきなどの各種マッサージ態様を組み合わせたマッサージを受けることが可能となっている。
【0022】
上記構成のマッサージ機において、前記マッサージプログラムに沿ったマッサージの実行中に、当該実行中のショートプログラムを飛び越して次のショートプログラムへ移行させるスキップ機能及び/又は当該実行中のショートプログラムを繰り返す若しくは実行時間を延長するリピート機能を有することに特徴がある。
【0023】
すなわち、前記自動コースを選択して実行させても、使用者のその日の体調や気分などによってはこの自動コースにおいて実施される各マッサージ態様の中には気に入るものもあれば気に入らないものもあるのが当然である。
【0024】
そこで、自動コースを実行中に、現在実行中のショートプログラムによるマッサージ態様をスキップして次のショートプログラムによるマッサージ態様を実行させたり、あるいは、今現在実行中のショートプログラムによるマッサージが気に入れば、これを繰り返させたりすることを可能としている。
【0025】
このように、各種マッサージ態様の順番や時間などが予めプログラムされた自動コースによるマッサージを受けながらも、いつでも使用者の意向を即座に反映して所望するマッサージ施療を受けることが可能となっている。
【0026】
前記スキップ機能及び前記リピート機能を実行させるために、本実施形態では、前記操作手段にスキップスイッチ及びリピートスイッチを設けている。したがって、手元操作により不要なマッサージ態様をスキップしたり、気に入ったマッサージ態様であれば繰り返して実行させたりすることを思い立ったときにいつでも容易に行うことができ、使い勝手が極めて良好である。
【0027】
ところで、前記スキップ機能は、スキップ対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、少なくとも揉み、たたきなどのマッサージ態様は行わないでローリングするようにしている。より好ましくは、前記施療体による遊技者への押圧力が前記ショートプログラムで設定されている押圧力よりも弱くなる位置まで施療体を後退させた状態で次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させるように制御するとよい。
【0028】
すなわち、上記ローリングというのは、背もたれ部に設けた機械式のマッサージユニットを昇降させて、施療体として設けられた揉み玉などを使用者に当接させた状態で上下移動させることを指し、ローリングを含むマッサージというのは、かかるローリングを行いながら揉み動作、たたき動作などを行うマッサージ態様である。
【0029】
そのようなマッサージ態様を実行するショートプログラムをスキップさせる際に、前記揉み玉による遊技者への押圧力が、前記ショートプログラムで設定されている押圧力よりも弱くなる位置までマッサージユニットすなわち揉み玉を後退させ、かかる後退位置を維持した状態で次のショートプログラムで設定されている施療位置まで前記揉み玉を移動させるようにしているのである。揉み玉が後退位置にあるということは、この揉み玉による使用者への押圧力が弱くなるので、揉み玉の移動動作が使用者にとってはいかにも今まで行われていたマッサージ態様がスキップされて使用者が所望する次のショートプログラムによるマッサージ態様に移り変わっていくように感じられて違和感を覚えることがない。
【0030】
また、このときに、前記揉み玉を次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させる際には、その移動スピードはショートプログラムで設定されている速度を引き続き維持してもよいが、増速することがより好ましい。すなわち、使用者がスキップ操作をしてから実際に次のショートプログラムによるマッサージ態様が開始されるまでの時間を可及的に短くすることで、上述したスキップ効果を使用者により強く実感させることが可能となる。
【0031】
また、前記リピート機能としては、リピート対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記リピートスイッチが入力された時点から計時を開始するとともに、当該ショートプログラムを最後まで実行することを条件として、所定時間が経過するまで当該ショートプログラムを繰り返すように制御することが好ましい。
【0032】
すなわち、使用者がリピートを望むということは、現在実行中のショートプログラムによるマッサージ態様が気に入った、あるいは使用者は自身の体のこりの状態からこのローリングを含むマッサージ態様を必要としていると考えられるので、例えばリピートスイッチが操作された時点から少なくとも60秒の間はこのショートプログラムを繰り返すことで、使用者は必要なマッサージを十分に受けることができるようになる。なお、この60秒で不足した場合は、さらにリピートスイッチを操作すればよい。
【0033】
以下、本発明に係るマッサージ機について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0034】
図1は本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図、図2は同マッサージ機よりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図、図3は同マッサージ機の側面視による説明図、図4はリクライニング可能とした背もたれ部の側面視による説明図、図5は同背もたれ部の横断面図、図6は機械式のマッサージユニットの説明図、図7は本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【0035】
本実施形態に係るマッサージ機Aは、図1〜図4に示すように、使用者M(図3)が着座する座部1と、同座部1を支持する基台部2と、前記座部1の後側に倒伏自在にリクライニングできるように連結され、左右両側に体側施療部として機能する側壁部6,6を取付けた背もたれ部3と、座部1の前側上部近傍に設けた枢支部1aを中心に上下方向へ揺動可能に連結した脚載部4とを具備する椅子式マッサージ機としている。
【0036】
また、図1に示すように、前記基台部2を除く各部については、必要に応じて合成皮革などからなるカバーにより直接被覆するか、あるいは同じくカバーで被覆したクッション部材を配設している。C1は座部2に載置された座部クッション、C30は背もたれ部3の全体を被覆するように着脱自在に取付けられた背もたれクッション、C31は、前記背もたれクッションC30に面ファスナーを介して上端同士を着脱自在とした枕状クッション、C4は前記脚載部4を被覆する脚載部用カバー、C6は前記側壁部6に設けたエアバッグa3(図2参照)を被覆しているエアバッグ用カバーである。
【0037】
前記背もたれ部3は、図3及び図5に示すように、縦に伸延する左右の縦フレーム30,30を具備しており、この縦フレーム30,30の前側に、図2に示すように、略中央に所定幅の長孔31aを形成した背もたれ板31を取付けるとともに、後側には背面カバー体32を取付け、この背面カバー体32と前記背もたれ板31との間にユニット配設空間Qを形成している。そして、このユニット配設空間Qに、左右の揉み玉7,7を備え、この揉み玉7,7を前記長孔31aから臨ませた状態で昇降可能とした機械式のマッサージユニット11を配設している。なお、このマッサージユニット11については後に詳述する。
【0038】
また、図2に示すように、前記背もたれ部3の長孔31aを挟んで、背もたれ板31の左右側上部には背中部用エアバッグa1,a1を、左右側下部に腰部用エアバッグa2,a2をそれぞれ配設し、エアポンプ25(図7参照)から供給されるエアによって背中を押圧するエアマッサージを実行可能としている。
【0039】
また、図1〜図5に示すように、前記座部1には、その左右側に肘掛部5,5を設けている。この肘掛部5は、その上面に側面視で略アーチ状の手摺体50を取付けている。また、座部1の後部側には臀下部用エアバッグa4を、前部側には腿部用エアバッグa5を、左右側には臀側部用エアバッグa6をそれぞれ取付けている。
【0040】
前記脚載部4は、左右の脚を受ける半円筒状の左右脚受部18,18を並設した本体部15と、同本体部15の先端に連設するとともに左右の足裏を受ける半円筒状の左右足裏受16,16を並設した足裏受部17とから側面視略L字状に形成しており、前記本体部15の各脚受部18,18の両内側面に左右で対をなす脚上部用エアバッグa7,a7,a7,a7を取付けるとともに、前記足裏受部17の各足裏受16,16の両内側面に左右で対をなす脚下部用エアバッグa8,a8,a8,a8を取付けている。
【0041】
ここで、マッサージユニット11及びこのマッサージユニット11及び前記エアバッグa1〜a8の駆動を制御する制御部Gについて説明する。
【0042】
マッサージユニット11は、図6に示すように、揉み玉駆動ユニット9を収納配設しており、同揉み玉駆動ユニット9は、施療体として配設した左右一対の揉み玉7,7を前後方向に揺動させることによってたたき作動を行わせるたたき機構70と、前記揉み玉7,7を偏心回動させることによって揉み作動を行わせる揉み機構8とを具備するとともに、背もたれぶ3の表側(使用者Mと接する側)に向けて進退移動可能に構成され、進退した位置によってマッサージ強度が変る、すなわち揉み玉7,7による使用者Mへの押圧力が変わるようにしている。
【0043】
かかる揉み玉駆動ユニット9の動きによって、たたき、指圧、揉みなどの多種のマッサージを実行できるとともに、マッサージ位置や強度をさらに組み合わせることで多彩なマッサージモードで施療することができる。また、本実施形態では、前記揉み玉駆動ユニット9内にバイブ用モータm6(図7参照)を配設し、揉み玉ユニット9を振動させてバイブマッサージも行えるようにしており、より多彩なマッサージモードを実行できるようにしている。
【0044】
なお、図中、22はユニットケース、m1はマッサージユニット11を昇降させるための昇降用モータ、28は前記昇降用モータm1と連動連結するとともに、前記揉み玉駆動ユニット9を前後揺動自在に支持した昇降軸、29,29は同昇降軸28の両端に取り付けたピニオンギヤであり、前記縦フレーム30,30に設けたラック13,13と噛合している(図5参照)。
【0045】
また、m2は前記揉み玉駆動ユニット9を前後方向へ進退移動させるための進退用モータであり、同モータm2の駆動により進退軸43を回転させ、円弧状ラック46,46上を前記進退軸43に取り付けたピニオン44,44を前後方向に移動させて揉み玉駆動ユニット9を揺動させて進退可能としている。49は前記進退軸43を回動自在に支持するための軸受である。
【0046】
また、m3は前記揉み機構8の主構成要素である揉み用モータであり、揉み用回動軸(図示せず)を介して揉み玉7,7と連動連結している。なお、図3においては省略したが、たたき用モータm4(図7参照)を前記揉み用モータm3と並設しており、たたき用回動軸(図示せず)を介して揉み玉7,7と連動連結している。なお、前記各モータm1〜m4と連動連結した回動軸には、回動角(駆動量)を検出するためのロータリーエンコーダE(図7参照)を取り付けている。
【0047】
上記構成のマッサージユニット11による上述の多様なマッサージ動作は、エアマッサージ動作などの他の機能を含めて全て制御部Gにより制御されている。
【0048】
本実施例における制御部Gは、前記基台部2内に配設されており、これに接続した遠隔操作可能な操作手段としてのリモコンRを介して電源投入から電源オフ、及びマッサージ機Aの単機能動作からプログラミングされた自動コースなどの制御動作に至る各動作をコントロールすることができる。また、同制御部Gにより、リモコンRに設けた表示画面Kへの表示についても制御している。
【0049】
すなわち、図7に示すように、制御部GはCPUと後述する各種プログラムなどを格納したメモリ部G1と、各種モータなどの駆動制御を行う駆動制御部G2とを備えており、インターフェイスG3を介してリモコンRとリクライニング角度検出センサG5及び各ロータリーエンコーダEと接続している。また、インターフェイスG4を介して前記マッサージユニット11内に配設した昇降用モータm1、進退用モータm2、揉み用モータm3、たたき用モータm4、さらには背もたれ3のリクライニング動作を行うリクライニングモータm5、バイブレータを駆動するバイブ用モータm6、さらには後述するエアバッグ用エアポンプ25及び前記座部1に配設したヒータHとを接続している。このヒータHにより冬などでも心地好くマッサージすることが可能となっている。
【0050】
前記メモリ部G1には、複数のマッサージプログラムが格納されており、前記リモコンRに設けた操作部Sからの指令信号に基づき、疲労回復、リフレッシュ、リラックスなどを目的として様々なマッサージモードを組合わせた複数の自動マサージコースを実行可能としている。
【0051】
すなわち、指圧、揉み、たたき、さすり、バイブ、ストレッチ、ローリング、エアマッサージなどの種類の異なったマッサージモードを前記マッサージユニット11を駆動して実行させることができ、これらを適宜組合わせた多様なマッサージを実行する複数の自動コースが予めプログラミングされている。なお、本実施形態では、自動コースとして首・肩コース、全身コース、腰コースがあり、各コースのマッサージ時間は15分に設定されている。
【0052】
また、前記リモコンRは、本マッサージ機1の操作手段として機能するものであるが、後に詳述するように、各種スイッチボタンを配した操作部Sと、液晶表示装置からなる表示画面Kとを備えている。なお、このリモコンRは、後述する肘掛部5に設けた図示しない収納ポケットに収容可能としている。
【0053】
次に、背もたれ部3の左右端部に取付けた体側施療部として機能する側壁部6及びこの側壁部6に設けたエアバッグa3を含むエアバッグに関する制御について説明する。
【0054】
左右の側壁部6,6は、図1〜図5に示すように、取付基端部側の上下長よりも先端部側の上下長を長くした略扇形形状としており、座部1に着座した使用者Mの上腕側方となる位置に配設している。
【0055】
そして、図5に示すように、前記基端部側から先端部側にかけて漸次外側方に拡開させるとともに、その内側面には、それぞれ左右方向に2個の体側部用エアバッグa3,a3を重合状態に取付けて体側施療部として機能させている。したがって、かかる2個の体側部用エアバッグa3,a3を同時に膨出させると使用者Mの身体に素早くフィットして身体の体側をマッサージあるいは押圧保持することができる。なお、体側部用エアバッグa3は、前述したようにエアバッグ用カバーC6で被覆されている(図1)。
【0056】
この体側部用エアバッグa3を含む前記複数のエアバッグa1〜a8は、エアポンプ25から給気される(図7)。エアポンプ25には、同エアポンプ25から圧入される大気を一時的に貯留して各エアバッグa1〜a8へ分流する分流器(図示せず)を連通連結している。そして、この分流器には、各エアバッグa1〜a8に対応する複数の吐気口が設けられ、各吐気口には同吐気口の開口を開閉する電磁弁(図示せず)を設けている。そして、分流器の各吐気口と対応するエアバッグa1〜a8とを、これも図示しない耐圧ホースによってそれぞれ連結し、前記電磁弁の開閉動作を制御部Gにより制御して所要のエアバッグa1〜a8を個別に給排気し、エアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることにより、使用者Mに対してエアマッサージを施すように構成している。なお、電磁弁B1〜B18の開閉動作によってエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることができる一方、エアバッグa1〜a8を膨張状態(膨出状態)に保持することもできる。
【0057】
このように、エアバッグa1〜a8についても、前記揉み玉7,7などの作動についても前記制御部Gによって制御されており、この制御部Gは、揉み玉7,7の動作やマッサージユニット11の昇降動作を制御して、揉み玉7,7による機械的マッサージを実行させるとともに、エアバッグa1〜a8の膨縮に関わるエアポンプ25のオン・オフ動作や各エアバッグa1〜a8に対して給排気を行うための電磁弁の開閉動作を制御して、所要のエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させてエアマッサージを実行させるのである。
【0058】
ところで、背もたれ部3に配設したエアバッグa1,a2は、本実施の形態では背もたれ板31に取付けているが、図8に示すように、背もたれクッションC30に配設することもできる。
【0059】
また、図5に示すように、左右の側壁部6は、その内側部が前記背もたれ部3の左右側端面に当接するように配置されている。
【0060】
かかる構成とするために、本実施の形態では、前記背もたれ板31における前記側壁部6の側をなす端部に立ち上り部35を形成して強度を向上させるとともに、鋼製のアングル材からなる前記左右の縦フレーム30,30に取付け、しかも、各縦フレーム30と背もたれ板31の前記立ち上り部との間には所定の間隔Dを設けている。
【0061】
そして、前記側壁部6と背もたれ板31とを、体側施療部取付部40aと背もたれ部側伸延部40bとからなる略L字状に形成したステイ40を用いて連結している。すなわち、前記側壁部6を前記体側施療部取付部40aに連結する一方、背もたれ部側伸延部40bを前記背もたれ板31の裏面に連結固定している。図5中、41は側壁連結用ボルト、42は背もたれ板連結用ビス、14bはマッサージユニット11の昇降案内用のガイドローラであり、縦フレーム30に沿って転動可能としている。
【0062】
このように、前記背もたれ板31に立ち上り部35を形成したことから強度が向上し、背もたれ部3の全体としても十分な強度を有している。
【0063】
また、上述した構成により、前記側壁部6のエアバッグa3を膨張させて使用者Mの体側を押圧した場合、そのときに側壁部6が受ける反力は、前記ステイ40を介して前記背もたれ板31にかかることになるが、この背もたれ板31には使用者Mの体重がかかるので、結果的には使用者Mが受け止めることになって、樹脂製の背もたれ板31であっても前記側壁部6との連結部分に特に大きな負荷がかかることがない。
【0064】
また、側壁部6が反力を受けた場合のように当該側壁部6が外側へ開く方向に力が加わったとしても、略L字状とした前記ステイ40が前記間隔D内で撓み、受けた力を逃がすことができる。したがって、前記縦フレーム30,30には力が加わらず、縦フレーム30,30が変形するおそれもないので、この縦フレーム30,30に取付けた前記ラック13を介して昇降自在に配設した前記マッサージユニット11の昇降動作に支障をきたしたり、昇降中に異音が発生したりすることも防止できる。
【0065】
また、上述の構成とすることで、背もたれ板31を樹脂製とすることが可能であり、さらに前記背面カバー体32についても同様な樹脂製とすることによってマッサージ機A全体の軽量化を図るとともに、コストダウンを図ることができる。
【0066】
ところで、前記立ち上り部35には前記ステイ40の背もたれ部側伸延部40bを逃がすための切欠部35aを形成している。したがって、この切欠部35aを介して前記背もたれ部側伸延部40bを前記背もたれ板31の背面に直接当接させることができ、ステイ40を背もたれ板31に対してしっかりと連結固定することができる。
【0067】
また、側壁部6と背もたれ部3との連結構造を上述のようにしたことで、側壁部6の内側部が前記背もたれ部3の左右側端面に当接するように配置されることになり、背もたれ部3の前面、すなわち使用者Mの背中受け面を狭めることなく、面全体を有効に利用することができる。したがって、使用者Mがどのような体格のものであっても、肩部分を含む身体両側部のマッサージをゆったりと行うことができる。特に、肩部分には、「肩ぐう」と呼ばれるツボがあるので、使用者Mは誰でもこのツボを効果的にマッサージすることが可能となる。
【0068】
ところで、本実施の形態に係る前記背もたれ部3は、図4に示すように、前記座部1の後部に倒伏自在に取付けられており、しかも、前記座部1の左右両側には肘掛部5が設けられている。
【0069】
かかる構成において、図5に示すように、両肘掛部5に設けた前記手摺体50の少なくとも後半部50aについては、前記背もたれ部3の倒伏動作に伴う側壁部6の下端部6aの軌跡と略同一の弧状に形成し、しかも、前記手摺体50と側壁部6とが当接しないように構成している。
【0070】
本実施の形態では、前記手摺体50を湾曲したアーチ状に形成するとともに、側壁部6の下端部6aについても湾曲形成して、前記手摺体50の後半部と側壁部6の下端部6aとが最接近しても干渉することがないようにしている。
【0071】
したがって、背もたれ部3を立てた場合、倒した場合のいずれであっても手摺体50と側壁部6とが干渉することはなく、また、いずれの場合でも使用者Mは前記肘掛部5を利用できることから楽な姿勢でマッサージを行える。すなわち、使用者Mは座している場合でも寝ている状態でも、腕を肘掛部5に乗せたり、手を手摺部50上に置いてゆったりとマッサージが行えるのである。
【0072】
このように、本実施の形態に係るマッサージ機Aでは、使用者Mは座している場合でも寝ている状態でも、手を肘掛部5に乗せてゆったりと楽な姿勢でマッサージが行えるのみならず、安全面においても優れた構成となっている。
【0073】
さらに、上記構成によれば、前記側壁部6は、その下端部6aが肘掛部5と当接しないぎりぎりの位置まで下げた配置とすることが可能となるので、その分前記エアバッグa3,a3も下方まで配置することが可能となり、使用者Mの体側部における被施療部領域を拡大することができ、前記肩ぐうのみならず、身体の体側を広範囲にエアマッサージすることができる。
【0074】
このように、本マッサージ機Aでは、椅子式マッサージ機としての価値をより高めることができる。
【0075】
図9に本実施形態に係るマッサージ機Aに付設したリモコンRを示す。マッサージの種類や強度の選択機能を備えるこのリモコンRより、前記制御部Gにマッサージ実行指令が与えられるようになっている。
【0076】
リモコンRは、上側部に液晶表示装置からなる表示画面Kが設けられ、その下側に複数のボタン群からなる操作部Sが設けられている。また、操作部Sの一部は開閉式になっており、蓋部R1には、機械的マッサージとエアマッサージとを複合させた自動コースなどを選択し得るようになっており、蓋部R1を開いた図10に示す本体部R2では、機械的マッサージやエアマッサージを個別にマニュアル操作で選択できるようになっている。そして、かかるマッサージ動作以外にも、背もたれ部3のリクライニングや脚載部4の上げ下げなどを行えるようにしている。
【0077】
かかるリモコンRから所定のマッサージあるいはマッサージコースを実施する指令が与えられた場合、制御部Gは与えられた指令に基づいて前記マサージユニット11やエアバッグa1〜a8を制御する。
【0078】
このように、本実施の形態におけるマッサージ機Aは、前記リモコンRから自動コースを選択してマッサージすることができ、しかも、自動コースを実施している最中に、自分の好みに合わないマッサージモードであればこれをスキップしたり、あるいは気に入ったマッサージモードであればこれをリピートしたりするこことができる。
【0079】
そのために、図9に示すように、前記リモコンRには、リピートスイッチとなるリピートボタンS1及びスキップスイッチとなるスキップボタンS2を設けている。しかも、これらボタンS1,S2を、操作部Sの略中央位置に所定の間隔をあけて左右に配置している。したがって、選択的にボタン操作することが容易であり、不要なマッサージ態様をスキップしたり、気に入ったマッサージ態様であればこれを繰り返して実行させたりすることを、思い立ったときにいつでも手元操作で容易に行うことができる。
【0080】
前述したように、本実施の形態に係るマッサージ機Aは、前記各エアバッグa1〜a8の膨収縮及びマッサージユニット11に設けた揉み玉7,7の動作、またこの揉み玉7,7に設けたバイブレータの動作によって、エアマッサージや指圧、揉み、たたき、バイブレーションによる複数種類のマッサージを実行できるとともに、前記マッサージユニット11を上下に適宜の速度で移動させたり、前後に移動させてマッサージの強弱を変えたりすることによって、多様なマッサージ態様を創出することができる。
【0081】
そして、これら各マッサージ態様を実行させるためのショートプログラムを作成し、かかるショートプログラムを適宜組合わせたマッサージプログラムによって複数種類の自動コースが設定されており、このマッサージプログラムが前記制御部Gのメモリ部G1に予め格納されている。なお、各自動コースは、最長でも15分で終了するようにプログラムされている。
【0082】
そして、これら複数の自動コースの中から使用者Mが好みに応じて適宜選択し、選択した自動コースをマッサージプログラムに沿って実施している途中で、使用者Mは前記リモコンRに設けたリピートボタンS1、あるいはスキップボタンS2を操作することによって、各マッサージ態様を適宜飛ばして次のマッサージモードに移行させたり、気に入ったマッサージ態様であればこれを一定時間(例えば60秒の間)繰り返し実行させたりすることができるのである。
【0083】
したがって、使用者Mは、自分の好みに合わないマッサージを嫌々ながら行う必要もなく、好みに合ったマッサージであれば予め設定された時間よりも長い時間で施療することが可能となり、より快適なマッサージを受けることが可能となる。
【0084】
また、前述したように前記ショートプログラムは、例えば各エアバッグa1〜a8の膨収縮動作、及び揉み玉7,7の動作種類、動作速度、動作時間、上下・前後位置などをマッサージ態様の構成要素としており、このショートプログラムを集合して一つのマッサージプログラムが構成されている。
【0085】
例えば、腰から肩にかけての所定強さによる揉みマッサージを実行する揉みモード用のショートプログラムや、肩から背中にかけての所定強さのたたきマッサージを実行するたたきモード用のショートプログラム、あるいは、腰のみについて所定強さの指圧マッサージを実行する指圧モード用のショートプログラムといった多数の異なったショートプログラムが組合わされて自動コースが構成されている。
【0086】
したがって、本実施の形態におけるマッサージ態様のスキップやリピートは、前記ショートプログラムをスキップさせたりリピートさせたりすることで容易に実現できるのである。
【0087】
また、マッサージ態様の中には、揉み玉7,7が使用者Mの背中に当接した状態で上下移動しながらたたきなどを行う「ローリングたたき」などのようにローリングを伴うものがある。
【0088】
この場合、本実施の形態では、前記スキップ操作が行われると、前記たたきによるマッサージ動作は行わず、マッサージユニット11は「弱」の位置、あるいは前記「さすりモード」の位置、あるいは揉み玉7,7が背中に接することのない位置までに後退して移動して次のマッサージに備えるようにしている。
【0089】
もともとマッサージユニット11は上下移動のローリングをしているので、次のマッサージ態様で指定される施療個所への移動もスムーズに行われ、しかも、揉み玉7,7による使用者への押圧力は弱くなっているので、使用者Mは、少なくとも「ローリングたたき」というマッサージを強く体感することなく、次のマッサージモードを楽しむことができる。特に、前記揉み玉7,7が少なくとも背中に接する状態でローリングさせた場合、使用者Mはスキップ中であっても揉み玉7,7の位置が分かるので安心感があり、違和感なく次のマッサージを受けることができる。
【0090】
なお、スキップ中におけるマッサージユニット11の制御として、上述した形態ばかりでなく、マッサージユニット11の位置が揉み玉7,7が後退し、背中との当たりが弱くなる場合であれば、前記揉み玉7,7はそれまでの動きを続けていても構わない。この場合は移動スピードを増速することが望ましい。また、前記リモコンRのスキップボタンS2は、現在スキップ動作中であれば、使用者Mからのボタン操作を受け付けないようにすることもできる。
【0091】
このようなローリングを伴うマッサージ態様のスキップ動作やリピート動作を実現するために、本実施の形態では、具体的には以下に説明するような制御を行うようにしている。
【0092】
すなわち、スキップ動作の場合であれば、図11(a)に示すように、例えば、首位置におけるたたきマッサージを30秒行うショートプログラム(B)→首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを30秒行うショートプログラム(C)→肩甲骨近傍から首位置までのローリング揉み上げを30秒行うショートプログラム(D)と続く部分を有する自動コースのマッサージプログラムがあって、その中でローリングたたきのショートプログラム(C)が実行開始されて5秒ほど経ってスキップボタンS2を操作した場合(矢印gで示す)、揉み玉7,7(マッサージユニット11)は、図11(b)の破線で示すように、スキップすべきローリングたたきのショートプログラム(C)で設定された速度よりも比較的高速で肩甲骨近傍まで移動する。ここでは5秒程度で移動完了するような速度設定としている。そして、このときに、マッサージユニット11としての強度は「弱」の位置、あるいは揉み玉7,7が背中に軽く接する程度の「さすりモード」の位置、あるいは揉み玉7,7が背中に接することのない位置まで後退させて、使用者Mにマッサージを受けている感触を与えないようにして、ローリング動作のみが行われるようにしている。かかる動作は、図示するように、あたかもスキップ用の仮のショートプログラム(C’)が自動的に生成されて挿入されるかのようになっており、マッサージプログラムの進行も円滑に行われる。
【0093】
このように、首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを望まない場合、使用者MはリモコンRのスキップボタンS2を随時操作すればよく、その操作時点から揉み玉7,7は使用者Mがマッサージ動作を意識しない程度に後退するとともに、次のショートプログラムで設定されている施療位置まで迅速移動し、次のマッサージ態様でマッサージが開始される。すなわち、肩甲骨近傍から首までのローリング揉み上げ(D)のショートプログラムに従ってマッサージが開始されるのである。
【0094】
また、このローリング揉み上げ(D)についても気に入らない場合、上述同様にいつでもスキップすることが可能である。
【0095】
また、スキップがなされたことについてはリモコンRの表示画面K上で表示可能としている。
【0096】
すなわち、図12に示すように、この表示画面Kにおいては、自動コース実行中は実行されているマッサージ態様の種類や施療位置などが視覚的に分かりやすく文字表示あるいは図柄を用いて表示されている。すなわち、表示画面Kには、コース表示(例えば「全身」、「肩」、「腰」、「脚」など)、現在行われているマッサージ態様、現在実行している自動コースのマッサージ残り時間、現在行われているマッサージ態様の次に行われるマッサージ態様、マッサージ強度、エアマッサージやバイブマッサージに関する項目などが文字表示されるとともに、人体をかたどってエアバッグa1〜a8の動作状態やマッサージユニット11の現在位置を画像表示可能としている。特に、次に行われるマッサージモードが視認できるので、次のマッサージモードが使用者Mの好みである場合などに現在実行中のマッサージ態様をスキップするか否かの判断を下しやすい。なお、表示画面Kとしては、リモコンR上に設けるのみならず、別途大型の表示画面を設けてもよい。また、表示画面Kは必ずしも液晶表示装置で構成される必要はない。
【0097】
前述したように、所定の自動コースを実行している際に、「ローリングたたき」のマッサージ態様が実行されており、使用者Mがこの「ローリングたたき」をスキップするためにリモコンRのスキップボタンS2を操作すると、図12(a)に示す「ローリングたたき」のマッサージ態様を示す定常表示画面から、図12(b)に示すように、前記定常表示画面で「ローリングたたき」が表示されていた位置に「スキップ中」の表示がなされるのである。そして、この間にマッサージユニット11は次のショートプログラム(ここでは「ローリング揉み上げ」)に備える。ところで、本実施の形態では、スキップ中に前記表示画面Kに表示されるマッサージ強度として、現在スキップ実行中の「ローリングたたき」の強度(ここでは「3」)がそのまま表示されるようにしており、スキップされたマッサージ態様の内容をある程度把握できるようにしているが、例えばスキップ中の揉み玉7,7の前後方向における実際の位置を、「マッサージ強さ」に換算して数値で表示することもできる。この場合、揉み玉7,7がどの程度後退しているのか、あるいは後退していないのかなども視覚的に確認できるメリットがある。
【0098】
一方、リピートボタンS1が操作された場合、現在実行されているマッサージ態様を一定時間繰り返す。本実施の形態では、繰り返し時間を60秒に設定している。
【0099】
例えば所定の自動コースを実行している際に、図13(a)に示すように、「肩の指圧15秒」のマッサージ態様が実行されており、使用者Mがこの「肩の指圧」を気に入って、リモコンRのリピートボタンS1を操作すると、制御部Gはその操作タイミングから60秒間再度「肩の指圧」を行うように制御する(図13(b))。つまり、使用者Mは「肩の指圧」によるマッサージを70秒間受けることができるようになる。そして、先のリピート操作から40秒後、すなわち、最初に「肩の指圧」によるマッサージが開始されてから50秒後に再度リピートボタンS1を操作すると、その時点から60秒間の「肩の指圧」が始まる(図13(c))。つまり、使用者Mは110秒間の「肩の指圧」によるマッサージを楽しむことができるのである。なお、必ずしも110秒間の「肩の指圧」を実行させる必要はなく、いつでも前述したスキップボタンS2によるスキップ操作を行って、次のマッサージモードへ移行させることも可能である。
【0100】
ところで、この「肩の指圧」をさらに繰り返したい場合は、この「肩の指圧」を実行中に使用者Mは再度リピートボタン52を操作すればよい。その時点から再度60秒の「たたき」が実行されるので、使用者Mはこころゆくまで自分の好みのマッサージモードを楽しむことができる。
【0101】
なお、リピート操作により、一つの自動コース中において、所定のマッサージ態様の実行時間が実質的に延長されることになるが、自動コース全体として設定された15分のマッサージ時間は変わることはない。この場合、例えば自動コースのプログラム中、最後あるいは最後近くに設定されていたショートプログラムが省略されることになる。
【0102】
また、このリピート操作が前述したローリングを伴うマッサージを実行しているときに行われた場合でもリピート機能は有効であり、この場合は少なくとも60秒間繰り返すようにしている。そして、60秒経過したときのマッサージユニット11の位置が、次のショートプログラムで指定される位置とは異なっている場合、リピート中のローリングを伴うマッサージを継続して所定位置までローリングしながら移動するようにしている。つまり、リピート操作においては、マッサージを実行させるショートプログラムを途中で止めることはない。すなわち、リピート操作を要求するほど現在のマッサージを使用者Mは気に入っていると判断されるので、少々マッサージ時間が延長方向にずれたとしても問題はないからである。
【0103】
このようなローリングを伴うマッサージ態様のリピート動作を実現するために、本実施の形態では、具体的には以下に説明するような制御を行うようにしている。
【0104】
図14(a)に示すように、例えば、首位置におけるたたきマッサージを30秒実行するショートプログラム(B)→首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを30秒実行するショートプログラム(C)→肩甲骨近傍から首位置までのローリング揉み上げを30秒実行するショートプログラム(D)と続く部分を有する自動コースのマッサージプログラムがあって、その中でローリングたたきのショートプログラム(C)が実行開始されて25秒ほど経ってリピートボタンS1を操作した場合(矢印hで示す)、図14(b)に示すように、残り5秒のショートプログラムを終えた後、揉み玉7,7(マッサージユニット11)は破線で示すように、当該ローリングたたきのショートプログラム(C)で設定された速度よりも比較的高速で当該プログラムの初期位置(首位置)まで移動し(ここでは5秒程度で移動完了するようにしている)、再度肩甲骨近傍までのローリングたたきを実行する。
【0105】
そして、このショートプログラムの実行時間である30秒が経過しても、60秒以内であることから、当該ローリングたたきのショートプログラム(C)が改めて繰り返され、揉み玉7,7(マッサージユニット11)は再度首位置へ移動してローリングたたきによるマッサージが繰り返される。なお、この2回目の繰り返し(リピート)においては、ローリング中途で60秒が経過することになるが、図示するように、30秒に設定されたショートプログラムは最後まで実行される。したがって、この場合、リピートボタンS1を操作すると、ローリングたたきのショートプログラム(C)は実質的に75秒延長されることになる。
【0106】
なお、このときにも、ショートプログラムが繰り返されてマッサージユニット11が肩甲骨近傍から首位置まで戻る際には、マッサージユニット11としての強度は「弱」の位置、あるいは揉み玉7,7が背中に軽く接する程度の「さすりモード」の位置、あるいは揉み玉7,7が背中に接することのない位置まで後退させるようにしている。
【0107】
このように、首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを気に入った場合、使用者MはリモコンRのリピートボタンS1を随時操作すればよく、その操作時点から少なくとも60秒の間は当該肩甲骨近傍までのローリングたたきが繰り返される。
【0108】
また、このようにリピートがなされたことについても前記リモコンRの表示画面K上で表示される。
【0109】
すなわち、図15に示すように、「ローリングたたき」のマッサージ態様が実行されており、使用者Mがこの「ローリングたたき」をリピートするためにリモコンRのリピートボタンS1を操作すると、図15(a)に示す「ローリングたたき」のマッサージ態様を示す定常表示画面から、図15(b)に示すように、前記定常表示画面で「ローリングたたき」が表示されていた位置に「リピート中」の表示がなされ、この操作したときから少なくとも60秒間「ローリングたたき」が延長される。
【0110】
なお、ローリングを伴うマッサージのリピートでは、上述したように、リピート後も当該マッサージを終了させてから再度繰り返すようにするだけでなく、例えば、リピートボタンS1の操作が行われると、揉み玉7,7を即座にローリングの初期位置に戻し、その初期位置から終了位置までの往復動作を所定回数繰り返すようにしてもよい。
【0111】
以上説明してきたように、本実施の形態に係るマッサージ機Aでは、自動コース実施中に所定のマッサージ態様をスキップしたり、リピートしたりすることができ、使用者Mのその日の体調や気分に応じたマッサージが実行できるが、さらに、かかるスキップしたり、リピートしたりした結果を自動コースのマッサージプログラムに反映させることも可能である。すなわち、次に同じ自動コースを実施した場合、前回スキップされたマッサージ態様を実行するショートプログラムはマッサージプログラムから消去され、前回リピートされたマッサージ態様は所定時間繰り返して実行するようにショートプログラムが更新されるようにしてもよい。
【0112】
あるいは、予め設定された自動コースはそのまま保存し、前述したようにスキップやリピートがなされた内容を新たな自動コースとして前記制御部G内に登録するようにしておくこともできる。
【0113】
また、本マッサージ機Aは、上述した自動コースを使用者Mが選択した場合に、最適なマッサージを実行できるように、使用者Mが自分の肩位置を調節できるようにした肩位置調節機能を備えている。
【0114】
従来、肩位置調節機能を備えているマッサージ機は存在するが、これらは揉み玉7,7をそれぞれ円運動させる「揉み」マッサージを行いながら行うようになっているのに対して、本実施の形態に係るマッサージ機Aでは、指圧マッサージを行いながら肩位置調節を可能としている。
【0115】
本実施の形態では、遊技者Mは、先ずマッサージユニット11を肩近傍の適宜位置に移動させ、リモコンRに設けた肩位置調節ボタン(図示せず)を操作する。この操作によってマッサージユニット11が駆動し、図3に示すように、揉み玉7,7自体は円弧を描くような動作は行わず、直進動作だけの「指圧」マッサージを行いながら操作に応じて昇降する。
【0116】
上述したように肩位置調節するために、本実施の形態では、前記制御部Gに、マッサージ中における揉み玉7,7の上下位置座標を検出し、検出したデータを記憶する機能を持たせている。
【0117】
すなわち、使用者Mがマッサージユニット11を所定位置に移動させるようにリモコンRを操作すると、マッサージユニット11に設けられた昇降駆動機構12が備える昇降用モータm1が駆動して、マッサージユニット11を移動させる。そして、使用者Mが前記肩位置調節ボタンを操作すると、前記昇降用モータm1が駆動してマッサージユニット11を所定範囲で昇降(矢印f1)させるとともに、図示しない進退用モータが駆動して揉み玉7,7を前後に進退させて(矢印f2)指圧マッサージを行う(図3参照)。
【0118】
このとき、揉み玉7,7が背中に当たったときの感触から、使用者Mは自分にとって最適と思われる肩位置に揉み玉7,7がきたときにリモコンRによりマッサージユニット11の駆動をストップする。
【0119】
このストップ時において座標換算したデータをメモリ部G1のRAMに記憶し、マッサージ機Aは、この位置を使用者Mの最適肩位置として基準となし、この基準位置に基づいて、その後の自動コースにより各マッサージモードが行われるようにしている。
【0120】
また、本マッサージ機に、使用者Mの体形を検出する体形検出機能を付与しておくことができる。
【0121】
これは、体形検出手段として、例えばマッサージ中における負荷電流を検出する負荷電流検出手段を設けておくもので、前記昇降用モータm1を駆動して、マッサージユニット11を先ず使用者Mの腰位置である最下端位置に降下させるとともに、進退用モータを駆動して揉み玉7,7を最後方位置に後退させる。そして、その位置で前記進退用モータを駆動して揉み玉7,7を使用者Mの背中に向けて突出させていき、背中に当たったときの前記進退用モータの負荷電流の増加を前記負荷電流検出手段により検出して前記RAMに記憶する。具体的には、進退用駆動量検出手段としてマッサージユニット11に設けたロータリーエンコーダEの検出出力を、制御部Gを介して座標換算し、腰位置としてRAMに記憶するのである。
【0122】
その後、さらに前記進退用モータm2を駆動して揉み玉7,7を最後方位置まで後方に向けて移動するとともに、前記昇降用モータm1を駆動して、これも前記マッサージユニット11内に設けたロータリーエンコーダEの検出に基づいて所定距離だけマッサージユニット11を上昇させ、上述同様に、その位置で進退用モータを駆動して揉み玉7,7を前方に向けて移動する。このような動作を使用者Mの肩位置まで繰り返し行うことによって、使用者Mの肩の高さや幅、背中の形状等といった使用者Mの体形を検出することができる。
【0123】
このような体形検出機能を有している場合、前述した肩位置調整を行う際に、前記体形検出結果から揉み玉7,7を自動的に最適な位置にセットしておくことができるため、揉み玉7,7が昇降しても揉み玉7,7の使用者Mへの当接力が強すぎたりすることがなく、肩位置調整を快適に行うことができる。
【0124】
また、上述したように、最適肩位置を指圧マッサージを行いながら決定するようにしているので、指圧マッサージを行う場合は使用者Mにとって確かに最適肩位置とみなすことができるが、例えば揉みマッサージのように、マッサージユニット11の昇降は停止していても揉み玉7,7が回転駆動するような場合は、同じ使用者Mであっても最適肩位置が異なる場合が考えられる。
【0125】
そこで、各種のマッサージモードごとに予め補正値を定めておき、使用者Mがマッサージモードを選択するたびに最適肩位置を補正できるようにしておくことができる。すなわち、使用者Mが肩位置調整を行ったときに記憶された揉み玉7,7の上下位置座標データに対して、選択されるマッサージモードに応じて所定値分自動補正するのである。
【0126】
かかる補正機能を備えたマッサージ機Aであれば、いかなるマッサージモードを使用者Mが選択しようとも、常に使用者Mにとって快適なマッサージが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図である。
【図2】同マッサージ機よりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図である。
【図3】同マッサージ機の側面視による説明図である。
【図4】リクライニング可能とした背もたれ部の側面視による説明図である。
【図5】同背もたれ部の横断面図である。
【図6】機械式のマッサージユニットの説明図である。
【図7】本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図8】マッサージ機の変形例を示す説明図である。
【図9】リモコンの説明図である。
【図10】リモコンの説明図である。
【図11】スキップ動作の説明図である。
【図12】表示画面を示す説明図である。
【図13】リピート動作中のマッサージ時間の変化を示す説明図である。
【図14】リピート動作の説明図である。
【図15】表示画面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0128】
A マッサージ機
M 使用者
R リモコン
S1 リピートボタン
S2 スキップボタン
1 座部
2 基台部
3 背もたれ部
4 脚載部
5 肘掛部
6 側壁部
7 揉み玉
11 マッサージユニット
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機に関し、詳しくは、複数のマッサージ態様が組み合わされた自動コースを有するマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のマッサージ機として、予め登録された施療パタンプログラムに従ってマッサージを実行する自動コースを有するマッサージ機があった。
【0003】
しかも、かかるマッサージ機において、使用者側で施療パタンプログラムを新たに設定可能としたものがあり、その構成としては、人体に当接して移動可能な施療体と、同施療体を駆動する駆動源と、施療パタンプログラムなどを格納した制御部と、どの施療パタンプログラムで作動させるかを指示するパタンスイッチと、新たに施療パタンプログラムを作成するに先立って操作される作成・修正スイッチと、挿入スイッチ、消去スイッチ、変更スイッチ、登録スイッチ、格納スイッチなどを備えている(特許文献1を参照。)。
【0004】
かかるマッサージ機においては、例えば既に登録されている施療パタンプログラムに修正を加えて新たな施療パタンプログラムとして作成することが可能である。
【特許文献1】特公平2−39258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように施療パタンプログラムを修正変更すると、次に同じマッサージコースを選択した場合、修正された施療パタンプログラムに沿ってマッサージが行われるので極めて都合がよいと考えられる。
【0006】
しかしながら、自動コース中に含まれる各種マッサージ態様のうち、どのマッサージ態様を長時間受けたいのか、あるいはどのマッサージ態様が不要なのかは、使用者のその日の体調や気分などによって異なる場合が多い。
【0007】
したがって、自動コースを選択した場合に、かつて自分で修正した施療パタンプログラムがいつでもベストなものとは限らない。
【0008】
そこで、自動コースを選択してマッサージを受けながら、このマッサージ態様はスキップしたい、あるいはもう少し続けていたい、と使用者が感じても、従来のマッサージ機ではその意向を即座に反映することができなかった。
【0009】
本発明は上記課題を解決することのできるマッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、請求項1記載の本発明では、施療体の動作に関する複数の構成要素からなるショートプログラムを集合して構成したマッサージプログラムにしたがって前記施療体を動作させてマッサージを実行可能としたマッサージ機であって、前記マッサージプログラムに沿ったマッサージの実行中に、当該実行中のショートプログラムを飛び越して次のショートプログラムへ移行させるスキップ機能及び/又は当該実行中のショートプログラムを繰り返す若しくは実行時間を延長するリピート機能を有することとした。
【0011】
請求項2記載の本発明では、請求項1記載のマッサージ機において、前記スキップ機能及び前記リピート機能を実行させるためのスキップスイッチ及びリピートスイッチを備えたリモートコントロールタイプの操作手段を具備することを特徴とする。
【0012】
請求項3の本発明では、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記スキップ機能は、スキップ対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記施療体による遊技者への押圧力が前記ショートプログラムで設定されている押圧力よりも弱くなる位置まで施療体を後退させた状態で次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の本発明では、請求項3記載のマッサージ機において、前記スキップ機能において、前記施療体を次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させる際には移動スピードを増速するようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項5の本発明では、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記リピート機能は、リピート対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記リピートスイッチが入力された時点から計時を開始するとともに、当該ショートプログラムを最後まで実行することを条件として、所定時間が経過するまで当該ショートプログラムを繰り返すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
(1)請求項1記載の本発明では、施療体の動作に関する複数の構成要素からなるショートプログラムを集合して構成したマッサージプログラムにしたがって前記施療体を動作させてマッサージを実行可能としたマッサージ機であって、前記マッサージプログラムに沿ったマッサージの実行中に、当該実行中のショートプログラムを飛び越して次のショートプログラムへ移行させるスキップ機能及び/又は当該実行中のショートプログラムを繰り返す若しくは実行時間を延長するリピート機能を有することとしたために、使用者は、予め設定されたマッサージプログラムに沿ったマッサージを受けながらも、その日の体調や気分などに合わせて、いつでも所望するマッサージ施療を受けることが可能となる。
【0016】
(2)請求項2記載の本発明では、請求項1記載のマッサージ機において、前記スキップ機能及び前記リピート機能を実行させるためのスキップスイッチ及びリピートスイッチを備えたリモートコントロールタイプの操作手段を具備するので、マッサージを受けながらいつでも手元操作により不要なマッサージ態様をスキップしたり、繰り返して実行させたりすることができ、上記(1)の効果に加え、利便性が著しく向上する。
【0017】
(3)請求項3の本発明では、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記スキップ機能は、スキップ対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記施療体による遊技者への押圧力が前記ショートプログラムで設定されている押圧力よりも弱くなる位置まで施療体を後退させた状態で次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させるようにしたので、上記(2)の効果に加え、使用者が所望する次のショートプログラムによるマッサージに違和感なく移行することができる。
【0018】
(4)請求項4の本発明では、請求項3記載のマッサージ機において、前記スキップ機能において、前記施療体を次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させる際には、移動スピードを増速するようにしたので、次のショートプログラムによるマッサージ態様が即座に開始されることになり、上記(3)の効果をより高めることができる。
【0019】
(5)請求項5の本発明では、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記リピート機能は、リピート対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記リピートスイッチが入力された時点から計時を開始するとともに、当該ショートプログラムを最後まで実行することを条件として、所定時間が経過するまで当該ショートプログラムを繰り返すようにしたので、使用者が好むローリングを含むマッサージを十分に受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本実施の形態では、本発明を座部と背もたれ部とを備える椅子式のマッサージ機として説明する。なお、前記背もたれ部には、施療体として揉み玉などを備えた機械式のマッサージユニットを昇降自在に配設するとともに、このユニットの左右側には、やはり施療体であってエア式マッサージが行えるエアバッグを設けている。さらに、前記背もたれ部の左右両側部には、体側施療部としてこれもエアバッグを備えた側壁部をそれぞれ配設したものとしている。
【0021】
また、本実施形態に係るマッサージ機は、前記施療体の動作に関する複数の構成要素からなるショートプログラムを集合して構成したマッサージプログラムにしたがって前記施療体を動作させてマッサージを実行可能とした自動コースを有し、遠隔操作可能な操作手段からのスイッチ入力によって、自動コースの中から例えば全身コース、肩・首コース、腰コースなどを選択して所望する部位を揉み、指圧、たたきなどの各種マッサージ態様を組み合わせたマッサージを受けることが可能となっている。
【0022】
上記構成のマッサージ機において、前記マッサージプログラムに沿ったマッサージの実行中に、当該実行中のショートプログラムを飛び越して次のショートプログラムへ移行させるスキップ機能及び/又は当該実行中のショートプログラムを繰り返す若しくは実行時間を延長するリピート機能を有することに特徴がある。
【0023】
すなわち、前記自動コースを選択して実行させても、使用者のその日の体調や気分などによってはこの自動コースにおいて実施される各マッサージ態様の中には気に入るものもあれば気に入らないものもあるのが当然である。
【0024】
そこで、自動コースを実行中に、現在実行中のショートプログラムによるマッサージ態様をスキップして次のショートプログラムによるマッサージ態様を実行させたり、あるいは、今現在実行中のショートプログラムによるマッサージが気に入れば、これを繰り返させたりすることを可能としている。
【0025】
このように、各種マッサージ態様の順番や時間などが予めプログラムされた自動コースによるマッサージを受けながらも、いつでも使用者の意向を即座に反映して所望するマッサージ施療を受けることが可能となっている。
【0026】
前記スキップ機能及び前記リピート機能を実行させるために、本実施形態では、前記操作手段にスキップスイッチ及びリピートスイッチを設けている。したがって、手元操作により不要なマッサージ態様をスキップしたり、気に入ったマッサージ態様であれば繰り返して実行させたりすることを思い立ったときにいつでも容易に行うことができ、使い勝手が極めて良好である。
【0027】
ところで、前記スキップ機能は、スキップ対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、少なくとも揉み、たたきなどのマッサージ態様は行わないでローリングするようにしている。より好ましくは、前記施療体による遊技者への押圧力が前記ショートプログラムで設定されている押圧力よりも弱くなる位置まで施療体を後退させた状態で次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させるように制御するとよい。
【0028】
すなわち、上記ローリングというのは、背もたれ部に設けた機械式のマッサージユニットを昇降させて、施療体として設けられた揉み玉などを使用者に当接させた状態で上下移動させることを指し、ローリングを含むマッサージというのは、かかるローリングを行いながら揉み動作、たたき動作などを行うマッサージ態様である。
【0029】
そのようなマッサージ態様を実行するショートプログラムをスキップさせる際に、前記揉み玉による遊技者への押圧力が、前記ショートプログラムで設定されている押圧力よりも弱くなる位置までマッサージユニットすなわち揉み玉を後退させ、かかる後退位置を維持した状態で次のショートプログラムで設定されている施療位置まで前記揉み玉を移動させるようにしているのである。揉み玉が後退位置にあるということは、この揉み玉による使用者への押圧力が弱くなるので、揉み玉の移動動作が使用者にとってはいかにも今まで行われていたマッサージ態様がスキップされて使用者が所望する次のショートプログラムによるマッサージ態様に移り変わっていくように感じられて違和感を覚えることがない。
【0030】
また、このときに、前記揉み玉を次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させる際には、その移動スピードはショートプログラムで設定されている速度を引き続き維持してもよいが、増速することがより好ましい。すなわち、使用者がスキップ操作をしてから実際に次のショートプログラムによるマッサージ態様が開始されるまでの時間を可及的に短くすることで、上述したスキップ効果を使用者により強く実感させることが可能となる。
【0031】
また、前記リピート機能としては、リピート対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記リピートスイッチが入力された時点から計時を開始するとともに、当該ショートプログラムを最後まで実行することを条件として、所定時間が経過するまで当該ショートプログラムを繰り返すように制御することが好ましい。
【0032】
すなわち、使用者がリピートを望むということは、現在実行中のショートプログラムによるマッサージ態様が気に入った、あるいは使用者は自身の体のこりの状態からこのローリングを含むマッサージ態様を必要としていると考えられるので、例えばリピートスイッチが操作された時点から少なくとも60秒の間はこのショートプログラムを繰り返すことで、使用者は必要なマッサージを十分に受けることができるようになる。なお、この60秒で不足した場合は、さらにリピートスイッチを操作すればよい。
【0033】
以下、本発明に係るマッサージ機について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0034】
図1は本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図、図2は同マッサージ機よりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図、図3は同マッサージ機の側面視による説明図、図4はリクライニング可能とした背もたれ部の側面視による説明図、図5は同背もたれ部の横断面図、図6は機械式のマッサージユニットの説明図、図7は本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【0035】
本実施形態に係るマッサージ機Aは、図1〜図4に示すように、使用者M(図3)が着座する座部1と、同座部1を支持する基台部2と、前記座部1の後側に倒伏自在にリクライニングできるように連結され、左右両側に体側施療部として機能する側壁部6,6を取付けた背もたれ部3と、座部1の前側上部近傍に設けた枢支部1aを中心に上下方向へ揺動可能に連結した脚載部4とを具備する椅子式マッサージ機としている。
【0036】
また、図1に示すように、前記基台部2を除く各部については、必要に応じて合成皮革などからなるカバーにより直接被覆するか、あるいは同じくカバーで被覆したクッション部材を配設している。C1は座部2に載置された座部クッション、C30は背もたれ部3の全体を被覆するように着脱自在に取付けられた背もたれクッション、C31は、前記背もたれクッションC30に面ファスナーを介して上端同士を着脱自在とした枕状クッション、C4は前記脚載部4を被覆する脚載部用カバー、C6は前記側壁部6に設けたエアバッグa3(図2参照)を被覆しているエアバッグ用カバーである。
【0037】
前記背もたれ部3は、図3及び図5に示すように、縦に伸延する左右の縦フレーム30,30を具備しており、この縦フレーム30,30の前側に、図2に示すように、略中央に所定幅の長孔31aを形成した背もたれ板31を取付けるとともに、後側には背面カバー体32を取付け、この背面カバー体32と前記背もたれ板31との間にユニット配設空間Qを形成している。そして、このユニット配設空間Qに、左右の揉み玉7,7を備え、この揉み玉7,7を前記長孔31aから臨ませた状態で昇降可能とした機械式のマッサージユニット11を配設している。なお、このマッサージユニット11については後に詳述する。
【0038】
また、図2に示すように、前記背もたれ部3の長孔31aを挟んで、背もたれ板31の左右側上部には背中部用エアバッグa1,a1を、左右側下部に腰部用エアバッグa2,a2をそれぞれ配設し、エアポンプ25(図7参照)から供給されるエアによって背中を押圧するエアマッサージを実行可能としている。
【0039】
また、図1〜図5に示すように、前記座部1には、その左右側に肘掛部5,5を設けている。この肘掛部5は、その上面に側面視で略アーチ状の手摺体50を取付けている。また、座部1の後部側には臀下部用エアバッグa4を、前部側には腿部用エアバッグa5を、左右側には臀側部用エアバッグa6をそれぞれ取付けている。
【0040】
前記脚載部4は、左右の脚を受ける半円筒状の左右脚受部18,18を並設した本体部15と、同本体部15の先端に連設するとともに左右の足裏を受ける半円筒状の左右足裏受16,16を並設した足裏受部17とから側面視略L字状に形成しており、前記本体部15の各脚受部18,18の両内側面に左右で対をなす脚上部用エアバッグa7,a7,a7,a7を取付けるとともに、前記足裏受部17の各足裏受16,16の両内側面に左右で対をなす脚下部用エアバッグa8,a8,a8,a8を取付けている。
【0041】
ここで、マッサージユニット11及びこのマッサージユニット11及び前記エアバッグa1〜a8の駆動を制御する制御部Gについて説明する。
【0042】
マッサージユニット11は、図6に示すように、揉み玉駆動ユニット9を収納配設しており、同揉み玉駆動ユニット9は、施療体として配設した左右一対の揉み玉7,7を前後方向に揺動させることによってたたき作動を行わせるたたき機構70と、前記揉み玉7,7を偏心回動させることによって揉み作動を行わせる揉み機構8とを具備するとともに、背もたれぶ3の表側(使用者Mと接する側)に向けて進退移動可能に構成され、進退した位置によってマッサージ強度が変る、すなわち揉み玉7,7による使用者Mへの押圧力が変わるようにしている。
【0043】
かかる揉み玉駆動ユニット9の動きによって、たたき、指圧、揉みなどの多種のマッサージを実行できるとともに、マッサージ位置や強度をさらに組み合わせることで多彩なマッサージモードで施療することができる。また、本実施形態では、前記揉み玉駆動ユニット9内にバイブ用モータm6(図7参照)を配設し、揉み玉ユニット9を振動させてバイブマッサージも行えるようにしており、より多彩なマッサージモードを実行できるようにしている。
【0044】
なお、図中、22はユニットケース、m1はマッサージユニット11を昇降させるための昇降用モータ、28は前記昇降用モータm1と連動連結するとともに、前記揉み玉駆動ユニット9を前後揺動自在に支持した昇降軸、29,29は同昇降軸28の両端に取り付けたピニオンギヤであり、前記縦フレーム30,30に設けたラック13,13と噛合している(図5参照)。
【0045】
また、m2は前記揉み玉駆動ユニット9を前後方向へ進退移動させるための進退用モータであり、同モータm2の駆動により進退軸43を回転させ、円弧状ラック46,46上を前記進退軸43に取り付けたピニオン44,44を前後方向に移動させて揉み玉駆動ユニット9を揺動させて進退可能としている。49は前記進退軸43を回動自在に支持するための軸受である。
【0046】
また、m3は前記揉み機構8の主構成要素である揉み用モータであり、揉み用回動軸(図示せず)を介して揉み玉7,7と連動連結している。なお、図3においては省略したが、たたき用モータm4(図7参照)を前記揉み用モータm3と並設しており、たたき用回動軸(図示せず)を介して揉み玉7,7と連動連結している。なお、前記各モータm1〜m4と連動連結した回動軸には、回動角(駆動量)を検出するためのロータリーエンコーダE(図7参照)を取り付けている。
【0047】
上記構成のマッサージユニット11による上述の多様なマッサージ動作は、エアマッサージ動作などの他の機能を含めて全て制御部Gにより制御されている。
【0048】
本実施例における制御部Gは、前記基台部2内に配設されており、これに接続した遠隔操作可能な操作手段としてのリモコンRを介して電源投入から電源オフ、及びマッサージ機Aの単機能動作からプログラミングされた自動コースなどの制御動作に至る各動作をコントロールすることができる。また、同制御部Gにより、リモコンRに設けた表示画面Kへの表示についても制御している。
【0049】
すなわち、図7に示すように、制御部GはCPUと後述する各種プログラムなどを格納したメモリ部G1と、各種モータなどの駆動制御を行う駆動制御部G2とを備えており、インターフェイスG3を介してリモコンRとリクライニング角度検出センサG5及び各ロータリーエンコーダEと接続している。また、インターフェイスG4を介して前記マッサージユニット11内に配設した昇降用モータm1、進退用モータm2、揉み用モータm3、たたき用モータm4、さらには背もたれ3のリクライニング動作を行うリクライニングモータm5、バイブレータを駆動するバイブ用モータm6、さらには後述するエアバッグ用エアポンプ25及び前記座部1に配設したヒータHとを接続している。このヒータHにより冬などでも心地好くマッサージすることが可能となっている。
【0050】
前記メモリ部G1には、複数のマッサージプログラムが格納されており、前記リモコンRに設けた操作部Sからの指令信号に基づき、疲労回復、リフレッシュ、リラックスなどを目的として様々なマッサージモードを組合わせた複数の自動マサージコースを実行可能としている。
【0051】
すなわち、指圧、揉み、たたき、さすり、バイブ、ストレッチ、ローリング、エアマッサージなどの種類の異なったマッサージモードを前記マッサージユニット11を駆動して実行させることができ、これらを適宜組合わせた多様なマッサージを実行する複数の自動コースが予めプログラミングされている。なお、本実施形態では、自動コースとして首・肩コース、全身コース、腰コースがあり、各コースのマッサージ時間は15分に設定されている。
【0052】
また、前記リモコンRは、本マッサージ機1の操作手段として機能するものであるが、後に詳述するように、各種スイッチボタンを配した操作部Sと、液晶表示装置からなる表示画面Kとを備えている。なお、このリモコンRは、後述する肘掛部5に設けた図示しない収納ポケットに収容可能としている。
【0053】
次に、背もたれ部3の左右端部に取付けた体側施療部として機能する側壁部6及びこの側壁部6に設けたエアバッグa3を含むエアバッグに関する制御について説明する。
【0054】
左右の側壁部6,6は、図1〜図5に示すように、取付基端部側の上下長よりも先端部側の上下長を長くした略扇形形状としており、座部1に着座した使用者Mの上腕側方となる位置に配設している。
【0055】
そして、図5に示すように、前記基端部側から先端部側にかけて漸次外側方に拡開させるとともに、その内側面には、それぞれ左右方向に2個の体側部用エアバッグa3,a3を重合状態に取付けて体側施療部として機能させている。したがって、かかる2個の体側部用エアバッグa3,a3を同時に膨出させると使用者Mの身体に素早くフィットして身体の体側をマッサージあるいは押圧保持することができる。なお、体側部用エアバッグa3は、前述したようにエアバッグ用カバーC6で被覆されている(図1)。
【0056】
この体側部用エアバッグa3を含む前記複数のエアバッグa1〜a8は、エアポンプ25から給気される(図7)。エアポンプ25には、同エアポンプ25から圧入される大気を一時的に貯留して各エアバッグa1〜a8へ分流する分流器(図示せず)を連通連結している。そして、この分流器には、各エアバッグa1〜a8に対応する複数の吐気口が設けられ、各吐気口には同吐気口の開口を開閉する電磁弁(図示せず)を設けている。そして、分流器の各吐気口と対応するエアバッグa1〜a8とを、これも図示しない耐圧ホースによってそれぞれ連結し、前記電磁弁の開閉動作を制御部Gにより制御して所要のエアバッグa1〜a8を個別に給排気し、エアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることにより、使用者Mに対してエアマッサージを施すように構成している。なお、電磁弁B1〜B18の開閉動作によってエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることができる一方、エアバッグa1〜a8を膨張状態(膨出状態)に保持することもできる。
【0057】
このように、エアバッグa1〜a8についても、前記揉み玉7,7などの作動についても前記制御部Gによって制御されており、この制御部Gは、揉み玉7,7の動作やマッサージユニット11の昇降動作を制御して、揉み玉7,7による機械的マッサージを実行させるとともに、エアバッグa1〜a8の膨縮に関わるエアポンプ25のオン・オフ動作や各エアバッグa1〜a8に対して給排気を行うための電磁弁の開閉動作を制御して、所要のエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させてエアマッサージを実行させるのである。
【0058】
ところで、背もたれ部3に配設したエアバッグa1,a2は、本実施の形態では背もたれ板31に取付けているが、図8に示すように、背もたれクッションC30に配設することもできる。
【0059】
また、図5に示すように、左右の側壁部6は、その内側部が前記背もたれ部3の左右側端面に当接するように配置されている。
【0060】
かかる構成とするために、本実施の形態では、前記背もたれ板31における前記側壁部6の側をなす端部に立ち上り部35を形成して強度を向上させるとともに、鋼製のアングル材からなる前記左右の縦フレーム30,30に取付け、しかも、各縦フレーム30と背もたれ板31の前記立ち上り部との間には所定の間隔Dを設けている。
【0061】
そして、前記側壁部6と背もたれ板31とを、体側施療部取付部40aと背もたれ部側伸延部40bとからなる略L字状に形成したステイ40を用いて連結している。すなわち、前記側壁部6を前記体側施療部取付部40aに連結する一方、背もたれ部側伸延部40bを前記背もたれ板31の裏面に連結固定している。図5中、41は側壁連結用ボルト、42は背もたれ板連結用ビス、14bはマッサージユニット11の昇降案内用のガイドローラであり、縦フレーム30に沿って転動可能としている。
【0062】
このように、前記背もたれ板31に立ち上り部35を形成したことから強度が向上し、背もたれ部3の全体としても十分な強度を有している。
【0063】
また、上述した構成により、前記側壁部6のエアバッグa3を膨張させて使用者Mの体側を押圧した場合、そのときに側壁部6が受ける反力は、前記ステイ40を介して前記背もたれ板31にかかることになるが、この背もたれ板31には使用者Mの体重がかかるので、結果的には使用者Mが受け止めることになって、樹脂製の背もたれ板31であっても前記側壁部6との連結部分に特に大きな負荷がかかることがない。
【0064】
また、側壁部6が反力を受けた場合のように当該側壁部6が外側へ開く方向に力が加わったとしても、略L字状とした前記ステイ40が前記間隔D内で撓み、受けた力を逃がすことができる。したがって、前記縦フレーム30,30には力が加わらず、縦フレーム30,30が変形するおそれもないので、この縦フレーム30,30に取付けた前記ラック13を介して昇降自在に配設した前記マッサージユニット11の昇降動作に支障をきたしたり、昇降中に異音が発生したりすることも防止できる。
【0065】
また、上述の構成とすることで、背もたれ板31を樹脂製とすることが可能であり、さらに前記背面カバー体32についても同様な樹脂製とすることによってマッサージ機A全体の軽量化を図るとともに、コストダウンを図ることができる。
【0066】
ところで、前記立ち上り部35には前記ステイ40の背もたれ部側伸延部40bを逃がすための切欠部35aを形成している。したがって、この切欠部35aを介して前記背もたれ部側伸延部40bを前記背もたれ板31の背面に直接当接させることができ、ステイ40を背もたれ板31に対してしっかりと連結固定することができる。
【0067】
また、側壁部6と背もたれ部3との連結構造を上述のようにしたことで、側壁部6の内側部が前記背もたれ部3の左右側端面に当接するように配置されることになり、背もたれ部3の前面、すなわち使用者Mの背中受け面を狭めることなく、面全体を有効に利用することができる。したがって、使用者Mがどのような体格のものであっても、肩部分を含む身体両側部のマッサージをゆったりと行うことができる。特に、肩部分には、「肩ぐう」と呼ばれるツボがあるので、使用者Mは誰でもこのツボを効果的にマッサージすることが可能となる。
【0068】
ところで、本実施の形態に係る前記背もたれ部3は、図4に示すように、前記座部1の後部に倒伏自在に取付けられており、しかも、前記座部1の左右両側には肘掛部5が設けられている。
【0069】
かかる構成において、図5に示すように、両肘掛部5に設けた前記手摺体50の少なくとも後半部50aについては、前記背もたれ部3の倒伏動作に伴う側壁部6の下端部6aの軌跡と略同一の弧状に形成し、しかも、前記手摺体50と側壁部6とが当接しないように構成している。
【0070】
本実施の形態では、前記手摺体50を湾曲したアーチ状に形成するとともに、側壁部6の下端部6aについても湾曲形成して、前記手摺体50の後半部と側壁部6の下端部6aとが最接近しても干渉することがないようにしている。
【0071】
したがって、背もたれ部3を立てた場合、倒した場合のいずれであっても手摺体50と側壁部6とが干渉することはなく、また、いずれの場合でも使用者Mは前記肘掛部5を利用できることから楽な姿勢でマッサージを行える。すなわち、使用者Mは座している場合でも寝ている状態でも、腕を肘掛部5に乗せたり、手を手摺部50上に置いてゆったりとマッサージが行えるのである。
【0072】
このように、本実施の形態に係るマッサージ機Aでは、使用者Mは座している場合でも寝ている状態でも、手を肘掛部5に乗せてゆったりと楽な姿勢でマッサージが行えるのみならず、安全面においても優れた構成となっている。
【0073】
さらに、上記構成によれば、前記側壁部6は、その下端部6aが肘掛部5と当接しないぎりぎりの位置まで下げた配置とすることが可能となるので、その分前記エアバッグa3,a3も下方まで配置することが可能となり、使用者Mの体側部における被施療部領域を拡大することができ、前記肩ぐうのみならず、身体の体側を広範囲にエアマッサージすることができる。
【0074】
このように、本マッサージ機Aでは、椅子式マッサージ機としての価値をより高めることができる。
【0075】
図9に本実施形態に係るマッサージ機Aに付設したリモコンRを示す。マッサージの種類や強度の選択機能を備えるこのリモコンRより、前記制御部Gにマッサージ実行指令が与えられるようになっている。
【0076】
リモコンRは、上側部に液晶表示装置からなる表示画面Kが設けられ、その下側に複数のボタン群からなる操作部Sが設けられている。また、操作部Sの一部は開閉式になっており、蓋部R1には、機械的マッサージとエアマッサージとを複合させた自動コースなどを選択し得るようになっており、蓋部R1を開いた図10に示す本体部R2では、機械的マッサージやエアマッサージを個別にマニュアル操作で選択できるようになっている。そして、かかるマッサージ動作以外にも、背もたれ部3のリクライニングや脚載部4の上げ下げなどを行えるようにしている。
【0077】
かかるリモコンRから所定のマッサージあるいはマッサージコースを実施する指令が与えられた場合、制御部Gは与えられた指令に基づいて前記マサージユニット11やエアバッグa1〜a8を制御する。
【0078】
このように、本実施の形態におけるマッサージ機Aは、前記リモコンRから自動コースを選択してマッサージすることができ、しかも、自動コースを実施している最中に、自分の好みに合わないマッサージモードであればこれをスキップしたり、あるいは気に入ったマッサージモードであればこれをリピートしたりするこことができる。
【0079】
そのために、図9に示すように、前記リモコンRには、リピートスイッチとなるリピートボタンS1及びスキップスイッチとなるスキップボタンS2を設けている。しかも、これらボタンS1,S2を、操作部Sの略中央位置に所定の間隔をあけて左右に配置している。したがって、選択的にボタン操作することが容易であり、不要なマッサージ態様をスキップしたり、気に入ったマッサージ態様であればこれを繰り返して実行させたりすることを、思い立ったときにいつでも手元操作で容易に行うことができる。
【0080】
前述したように、本実施の形態に係るマッサージ機Aは、前記各エアバッグa1〜a8の膨収縮及びマッサージユニット11に設けた揉み玉7,7の動作、またこの揉み玉7,7に設けたバイブレータの動作によって、エアマッサージや指圧、揉み、たたき、バイブレーションによる複数種類のマッサージを実行できるとともに、前記マッサージユニット11を上下に適宜の速度で移動させたり、前後に移動させてマッサージの強弱を変えたりすることによって、多様なマッサージ態様を創出することができる。
【0081】
そして、これら各マッサージ態様を実行させるためのショートプログラムを作成し、かかるショートプログラムを適宜組合わせたマッサージプログラムによって複数種類の自動コースが設定されており、このマッサージプログラムが前記制御部Gのメモリ部G1に予め格納されている。なお、各自動コースは、最長でも15分で終了するようにプログラムされている。
【0082】
そして、これら複数の自動コースの中から使用者Mが好みに応じて適宜選択し、選択した自動コースをマッサージプログラムに沿って実施している途中で、使用者Mは前記リモコンRに設けたリピートボタンS1、あるいはスキップボタンS2を操作することによって、各マッサージ態様を適宜飛ばして次のマッサージモードに移行させたり、気に入ったマッサージ態様であればこれを一定時間(例えば60秒の間)繰り返し実行させたりすることができるのである。
【0083】
したがって、使用者Mは、自分の好みに合わないマッサージを嫌々ながら行う必要もなく、好みに合ったマッサージであれば予め設定された時間よりも長い時間で施療することが可能となり、より快適なマッサージを受けることが可能となる。
【0084】
また、前述したように前記ショートプログラムは、例えば各エアバッグa1〜a8の膨収縮動作、及び揉み玉7,7の動作種類、動作速度、動作時間、上下・前後位置などをマッサージ態様の構成要素としており、このショートプログラムを集合して一つのマッサージプログラムが構成されている。
【0085】
例えば、腰から肩にかけての所定強さによる揉みマッサージを実行する揉みモード用のショートプログラムや、肩から背中にかけての所定強さのたたきマッサージを実行するたたきモード用のショートプログラム、あるいは、腰のみについて所定強さの指圧マッサージを実行する指圧モード用のショートプログラムといった多数の異なったショートプログラムが組合わされて自動コースが構成されている。
【0086】
したがって、本実施の形態におけるマッサージ態様のスキップやリピートは、前記ショートプログラムをスキップさせたりリピートさせたりすることで容易に実現できるのである。
【0087】
また、マッサージ態様の中には、揉み玉7,7が使用者Mの背中に当接した状態で上下移動しながらたたきなどを行う「ローリングたたき」などのようにローリングを伴うものがある。
【0088】
この場合、本実施の形態では、前記スキップ操作が行われると、前記たたきによるマッサージ動作は行わず、マッサージユニット11は「弱」の位置、あるいは前記「さすりモード」の位置、あるいは揉み玉7,7が背中に接することのない位置までに後退して移動して次のマッサージに備えるようにしている。
【0089】
もともとマッサージユニット11は上下移動のローリングをしているので、次のマッサージ態様で指定される施療個所への移動もスムーズに行われ、しかも、揉み玉7,7による使用者への押圧力は弱くなっているので、使用者Mは、少なくとも「ローリングたたき」というマッサージを強く体感することなく、次のマッサージモードを楽しむことができる。特に、前記揉み玉7,7が少なくとも背中に接する状態でローリングさせた場合、使用者Mはスキップ中であっても揉み玉7,7の位置が分かるので安心感があり、違和感なく次のマッサージを受けることができる。
【0090】
なお、スキップ中におけるマッサージユニット11の制御として、上述した形態ばかりでなく、マッサージユニット11の位置が揉み玉7,7が後退し、背中との当たりが弱くなる場合であれば、前記揉み玉7,7はそれまでの動きを続けていても構わない。この場合は移動スピードを増速することが望ましい。また、前記リモコンRのスキップボタンS2は、現在スキップ動作中であれば、使用者Mからのボタン操作を受け付けないようにすることもできる。
【0091】
このようなローリングを伴うマッサージ態様のスキップ動作やリピート動作を実現するために、本実施の形態では、具体的には以下に説明するような制御を行うようにしている。
【0092】
すなわち、スキップ動作の場合であれば、図11(a)に示すように、例えば、首位置におけるたたきマッサージを30秒行うショートプログラム(B)→首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを30秒行うショートプログラム(C)→肩甲骨近傍から首位置までのローリング揉み上げを30秒行うショートプログラム(D)と続く部分を有する自動コースのマッサージプログラムがあって、その中でローリングたたきのショートプログラム(C)が実行開始されて5秒ほど経ってスキップボタンS2を操作した場合(矢印gで示す)、揉み玉7,7(マッサージユニット11)は、図11(b)の破線で示すように、スキップすべきローリングたたきのショートプログラム(C)で設定された速度よりも比較的高速で肩甲骨近傍まで移動する。ここでは5秒程度で移動完了するような速度設定としている。そして、このときに、マッサージユニット11としての強度は「弱」の位置、あるいは揉み玉7,7が背中に軽く接する程度の「さすりモード」の位置、あるいは揉み玉7,7が背中に接することのない位置まで後退させて、使用者Mにマッサージを受けている感触を与えないようにして、ローリング動作のみが行われるようにしている。かかる動作は、図示するように、あたかもスキップ用の仮のショートプログラム(C’)が自動的に生成されて挿入されるかのようになっており、マッサージプログラムの進行も円滑に行われる。
【0093】
このように、首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを望まない場合、使用者MはリモコンRのスキップボタンS2を随時操作すればよく、その操作時点から揉み玉7,7は使用者Mがマッサージ動作を意識しない程度に後退するとともに、次のショートプログラムで設定されている施療位置まで迅速移動し、次のマッサージ態様でマッサージが開始される。すなわち、肩甲骨近傍から首までのローリング揉み上げ(D)のショートプログラムに従ってマッサージが開始されるのである。
【0094】
また、このローリング揉み上げ(D)についても気に入らない場合、上述同様にいつでもスキップすることが可能である。
【0095】
また、スキップがなされたことについてはリモコンRの表示画面K上で表示可能としている。
【0096】
すなわち、図12に示すように、この表示画面Kにおいては、自動コース実行中は実行されているマッサージ態様の種類や施療位置などが視覚的に分かりやすく文字表示あるいは図柄を用いて表示されている。すなわち、表示画面Kには、コース表示(例えば「全身」、「肩」、「腰」、「脚」など)、現在行われているマッサージ態様、現在実行している自動コースのマッサージ残り時間、現在行われているマッサージ態様の次に行われるマッサージ態様、マッサージ強度、エアマッサージやバイブマッサージに関する項目などが文字表示されるとともに、人体をかたどってエアバッグa1〜a8の動作状態やマッサージユニット11の現在位置を画像表示可能としている。特に、次に行われるマッサージモードが視認できるので、次のマッサージモードが使用者Mの好みである場合などに現在実行中のマッサージ態様をスキップするか否かの判断を下しやすい。なお、表示画面Kとしては、リモコンR上に設けるのみならず、別途大型の表示画面を設けてもよい。また、表示画面Kは必ずしも液晶表示装置で構成される必要はない。
【0097】
前述したように、所定の自動コースを実行している際に、「ローリングたたき」のマッサージ態様が実行されており、使用者Mがこの「ローリングたたき」をスキップするためにリモコンRのスキップボタンS2を操作すると、図12(a)に示す「ローリングたたき」のマッサージ態様を示す定常表示画面から、図12(b)に示すように、前記定常表示画面で「ローリングたたき」が表示されていた位置に「スキップ中」の表示がなされるのである。そして、この間にマッサージユニット11は次のショートプログラム(ここでは「ローリング揉み上げ」)に備える。ところで、本実施の形態では、スキップ中に前記表示画面Kに表示されるマッサージ強度として、現在スキップ実行中の「ローリングたたき」の強度(ここでは「3」)がそのまま表示されるようにしており、スキップされたマッサージ態様の内容をある程度把握できるようにしているが、例えばスキップ中の揉み玉7,7の前後方向における実際の位置を、「マッサージ強さ」に換算して数値で表示することもできる。この場合、揉み玉7,7がどの程度後退しているのか、あるいは後退していないのかなども視覚的に確認できるメリットがある。
【0098】
一方、リピートボタンS1が操作された場合、現在実行されているマッサージ態様を一定時間繰り返す。本実施の形態では、繰り返し時間を60秒に設定している。
【0099】
例えば所定の自動コースを実行している際に、図13(a)に示すように、「肩の指圧15秒」のマッサージ態様が実行されており、使用者Mがこの「肩の指圧」を気に入って、リモコンRのリピートボタンS1を操作すると、制御部Gはその操作タイミングから60秒間再度「肩の指圧」を行うように制御する(図13(b))。つまり、使用者Mは「肩の指圧」によるマッサージを70秒間受けることができるようになる。そして、先のリピート操作から40秒後、すなわち、最初に「肩の指圧」によるマッサージが開始されてから50秒後に再度リピートボタンS1を操作すると、その時点から60秒間の「肩の指圧」が始まる(図13(c))。つまり、使用者Mは110秒間の「肩の指圧」によるマッサージを楽しむことができるのである。なお、必ずしも110秒間の「肩の指圧」を実行させる必要はなく、いつでも前述したスキップボタンS2によるスキップ操作を行って、次のマッサージモードへ移行させることも可能である。
【0100】
ところで、この「肩の指圧」をさらに繰り返したい場合は、この「肩の指圧」を実行中に使用者Mは再度リピートボタン52を操作すればよい。その時点から再度60秒の「たたき」が実行されるので、使用者Mはこころゆくまで自分の好みのマッサージモードを楽しむことができる。
【0101】
なお、リピート操作により、一つの自動コース中において、所定のマッサージ態様の実行時間が実質的に延長されることになるが、自動コース全体として設定された15分のマッサージ時間は変わることはない。この場合、例えば自動コースのプログラム中、最後あるいは最後近くに設定されていたショートプログラムが省略されることになる。
【0102】
また、このリピート操作が前述したローリングを伴うマッサージを実行しているときに行われた場合でもリピート機能は有効であり、この場合は少なくとも60秒間繰り返すようにしている。そして、60秒経過したときのマッサージユニット11の位置が、次のショートプログラムで指定される位置とは異なっている場合、リピート中のローリングを伴うマッサージを継続して所定位置までローリングしながら移動するようにしている。つまり、リピート操作においては、マッサージを実行させるショートプログラムを途中で止めることはない。すなわち、リピート操作を要求するほど現在のマッサージを使用者Mは気に入っていると判断されるので、少々マッサージ時間が延長方向にずれたとしても問題はないからである。
【0103】
このようなローリングを伴うマッサージ態様のリピート動作を実現するために、本実施の形態では、具体的には以下に説明するような制御を行うようにしている。
【0104】
図14(a)に示すように、例えば、首位置におけるたたきマッサージを30秒実行するショートプログラム(B)→首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを30秒実行するショートプログラム(C)→肩甲骨近傍から首位置までのローリング揉み上げを30秒実行するショートプログラム(D)と続く部分を有する自動コースのマッサージプログラムがあって、その中でローリングたたきのショートプログラム(C)が実行開始されて25秒ほど経ってリピートボタンS1を操作した場合(矢印hで示す)、図14(b)に示すように、残り5秒のショートプログラムを終えた後、揉み玉7,7(マッサージユニット11)は破線で示すように、当該ローリングたたきのショートプログラム(C)で設定された速度よりも比較的高速で当該プログラムの初期位置(首位置)まで移動し(ここでは5秒程度で移動完了するようにしている)、再度肩甲骨近傍までのローリングたたきを実行する。
【0105】
そして、このショートプログラムの実行時間である30秒が経過しても、60秒以内であることから、当該ローリングたたきのショートプログラム(C)が改めて繰り返され、揉み玉7,7(マッサージユニット11)は再度首位置へ移動してローリングたたきによるマッサージが繰り返される。なお、この2回目の繰り返し(リピート)においては、ローリング中途で60秒が経過することになるが、図示するように、30秒に設定されたショートプログラムは最後まで実行される。したがって、この場合、リピートボタンS1を操作すると、ローリングたたきのショートプログラム(C)は実質的に75秒延長されることになる。
【0106】
なお、このときにも、ショートプログラムが繰り返されてマッサージユニット11が肩甲骨近傍から首位置まで戻る際には、マッサージユニット11としての強度は「弱」の位置、あるいは揉み玉7,7が背中に軽く接する程度の「さすりモード」の位置、あるいは揉み玉7,7が背中に接することのない位置まで後退させるようにしている。
【0107】
このように、首から肩甲骨近傍までのローリングたたきを気に入った場合、使用者MはリモコンRのリピートボタンS1を随時操作すればよく、その操作時点から少なくとも60秒の間は当該肩甲骨近傍までのローリングたたきが繰り返される。
【0108】
また、このようにリピートがなされたことについても前記リモコンRの表示画面K上で表示される。
【0109】
すなわち、図15に示すように、「ローリングたたき」のマッサージ態様が実行されており、使用者Mがこの「ローリングたたき」をリピートするためにリモコンRのリピートボタンS1を操作すると、図15(a)に示す「ローリングたたき」のマッサージ態様を示す定常表示画面から、図15(b)に示すように、前記定常表示画面で「ローリングたたき」が表示されていた位置に「リピート中」の表示がなされ、この操作したときから少なくとも60秒間「ローリングたたき」が延長される。
【0110】
なお、ローリングを伴うマッサージのリピートでは、上述したように、リピート後も当該マッサージを終了させてから再度繰り返すようにするだけでなく、例えば、リピートボタンS1の操作が行われると、揉み玉7,7を即座にローリングの初期位置に戻し、その初期位置から終了位置までの往復動作を所定回数繰り返すようにしてもよい。
【0111】
以上説明してきたように、本実施の形態に係るマッサージ機Aでは、自動コース実施中に所定のマッサージ態様をスキップしたり、リピートしたりすることができ、使用者Mのその日の体調や気分に応じたマッサージが実行できるが、さらに、かかるスキップしたり、リピートしたりした結果を自動コースのマッサージプログラムに反映させることも可能である。すなわち、次に同じ自動コースを実施した場合、前回スキップされたマッサージ態様を実行するショートプログラムはマッサージプログラムから消去され、前回リピートされたマッサージ態様は所定時間繰り返して実行するようにショートプログラムが更新されるようにしてもよい。
【0112】
あるいは、予め設定された自動コースはそのまま保存し、前述したようにスキップやリピートがなされた内容を新たな自動コースとして前記制御部G内に登録するようにしておくこともできる。
【0113】
また、本マッサージ機Aは、上述した自動コースを使用者Mが選択した場合に、最適なマッサージを実行できるように、使用者Mが自分の肩位置を調節できるようにした肩位置調節機能を備えている。
【0114】
従来、肩位置調節機能を備えているマッサージ機は存在するが、これらは揉み玉7,7をそれぞれ円運動させる「揉み」マッサージを行いながら行うようになっているのに対して、本実施の形態に係るマッサージ機Aでは、指圧マッサージを行いながら肩位置調節を可能としている。
【0115】
本実施の形態では、遊技者Mは、先ずマッサージユニット11を肩近傍の適宜位置に移動させ、リモコンRに設けた肩位置調節ボタン(図示せず)を操作する。この操作によってマッサージユニット11が駆動し、図3に示すように、揉み玉7,7自体は円弧を描くような動作は行わず、直進動作だけの「指圧」マッサージを行いながら操作に応じて昇降する。
【0116】
上述したように肩位置調節するために、本実施の形態では、前記制御部Gに、マッサージ中における揉み玉7,7の上下位置座標を検出し、検出したデータを記憶する機能を持たせている。
【0117】
すなわち、使用者Mがマッサージユニット11を所定位置に移動させるようにリモコンRを操作すると、マッサージユニット11に設けられた昇降駆動機構12が備える昇降用モータm1が駆動して、マッサージユニット11を移動させる。そして、使用者Mが前記肩位置調節ボタンを操作すると、前記昇降用モータm1が駆動してマッサージユニット11を所定範囲で昇降(矢印f1)させるとともに、図示しない進退用モータが駆動して揉み玉7,7を前後に進退させて(矢印f2)指圧マッサージを行う(図3参照)。
【0118】
このとき、揉み玉7,7が背中に当たったときの感触から、使用者Mは自分にとって最適と思われる肩位置に揉み玉7,7がきたときにリモコンRによりマッサージユニット11の駆動をストップする。
【0119】
このストップ時において座標換算したデータをメモリ部G1のRAMに記憶し、マッサージ機Aは、この位置を使用者Mの最適肩位置として基準となし、この基準位置に基づいて、その後の自動コースにより各マッサージモードが行われるようにしている。
【0120】
また、本マッサージ機に、使用者Mの体形を検出する体形検出機能を付与しておくことができる。
【0121】
これは、体形検出手段として、例えばマッサージ中における負荷電流を検出する負荷電流検出手段を設けておくもので、前記昇降用モータm1を駆動して、マッサージユニット11を先ず使用者Mの腰位置である最下端位置に降下させるとともに、進退用モータを駆動して揉み玉7,7を最後方位置に後退させる。そして、その位置で前記進退用モータを駆動して揉み玉7,7を使用者Mの背中に向けて突出させていき、背中に当たったときの前記進退用モータの負荷電流の増加を前記負荷電流検出手段により検出して前記RAMに記憶する。具体的には、進退用駆動量検出手段としてマッサージユニット11に設けたロータリーエンコーダEの検出出力を、制御部Gを介して座標換算し、腰位置としてRAMに記憶するのである。
【0122】
その後、さらに前記進退用モータm2を駆動して揉み玉7,7を最後方位置まで後方に向けて移動するとともに、前記昇降用モータm1を駆動して、これも前記マッサージユニット11内に設けたロータリーエンコーダEの検出に基づいて所定距離だけマッサージユニット11を上昇させ、上述同様に、その位置で進退用モータを駆動して揉み玉7,7を前方に向けて移動する。このような動作を使用者Mの肩位置まで繰り返し行うことによって、使用者Mの肩の高さや幅、背中の形状等といった使用者Mの体形を検出することができる。
【0123】
このような体形検出機能を有している場合、前述した肩位置調整を行う際に、前記体形検出結果から揉み玉7,7を自動的に最適な位置にセットしておくことができるため、揉み玉7,7が昇降しても揉み玉7,7の使用者Mへの当接力が強すぎたりすることがなく、肩位置調整を快適に行うことができる。
【0124】
また、上述したように、最適肩位置を指圧マッサージを行いながら決定するようにしているので、指圧マッサージを行う場合は使用者Mにとって確かに最適肩位置とみなすことができるが、例えば揉みマッサージのように、マッサージユニット11の昇降は停止していても揉み玉7,7が回転駆動するような場合は、同じ使用者Mであっても最適肩位置が異なる場合が考えられる。
【0125】
そこで、各種のマッサージモードごとに予め補正値を定めておき、使用者Mがマッサージモードを選択するたびに最適肩位置を補正できるようにしておくことができる。すなわち、使用者Mが肩位置調整を行ったときに記憶された揉み玉7,7の上下位置座標データに対して、選択されるマッサージモードに応じて所定値分自動補正するのである。
【0126】
かかる補正機能を備えたマッサージ機Aであれば、いかなるマッサージモードを使用者Mが選択しようとも、常に使用者Mにとって快適なマッサージが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図である。
【図2】同マッサージ機よりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図である。
【図3】同マッサージ機の側面視による説明図である。
【図4】リクライニング可能とした背もたれ部の側面視による説明図である。
【図5】同背もたれ部の横断面図である。
【図6】機械式のマッサージユニットの説明図である。
【図7】本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図8】マッサージ機の変形例を示す説明図である。
【図9】リモコンの説明図である。
【図10】リモコンの説明図である。
【図11】スキップ動作の説明図である。
【図12】表示画面を示す説明図である。
【図13】リピート動作中のマッサージ時間の変化を示す説明図である。
【図14】リピート動作の説明図である。
【図15】表示画面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0128】
A マッサージ機
M 使用者
R リモコン
S1 リピートボタン
S2 スキップボタン
1 座部
2 基台部
3 背もたれ部
4 脚載部
5 肘掛部
6 側壁部
7 揉み玉
11 マッサージユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療体の動作に関する複数の構成要素からなるショートプログラムを集合して構成したマッサージプログラムにしたがって前記施療体を動作させてマッサージを実行可能としたマッサージ機であって、
前記マッサージプログラムに沿ったマッサージの実行中に、当該実行中のショートプログラムを飛び越して次のショートプログラムへ移行させるスキップ機能及び/又は当該実行中のショートプログラムを繰り返す若しくは実行時間を延長するリピート機能を有することを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記スキップ機能及び前記リピート機能を実行させるためのスキップスイッチ及びリピートスイッチを備えたリモートコントロールタイプの操作手段を具備することを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記スキップ機能は、スキップ対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記施療体による遊技者への押圧力が前記ショートプログラムで設定されている押圧力よりも弱くなる位置まで施療体を後退させた状態で次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記スキップ機能において、前記施療体を次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させる際には、移動スピードを増速することを特徴とする請求項3記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記リピート機能は、リピート対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記リピートスイッチが入力された時点から計時を開始するとともに、当該ショートプログラムを最後まで実行することを条件として、所定時間が経過するまで当該ショートプログラムを繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項1】
施療体の動作に関する複数の構成要素からなるショートプログラムを集合して構成したマッサージプログラムにしたがって前記施療体を動作させてマッサージを実行可能としたマッサージ機であって、
前記マッサージプログラムに沿ったマッサージの実行中に、当該実行中のショートプログラムを飛び越して次のショートプログラムへ移行させるスキップ機能及び/又は当該実行中のショートプログラムを繰り返す若しくは実行時間を延長するリピート機能を有することを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記スキップ機能及び前記リピート機能を実行させるためのスキップスイッチ及びリピートスイッチを備えたリモートコントロールタイプの操作手段を具備することを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記スキップ機能は、スキップ対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記施療体による遊技者への押圧力が前記ショートプログラムで設定されている押圧力よりも弱くなる位置まで施療体を後退させた状態で次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記スキップ機能において、前記施療体を次のショートプログラムで設定されている施療位置まで移動させる際には、移動スピードを増速することを特徴とする請求項3記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記リピート機能は、リピート対象となるショートプログラムが前記施療体を遊技者に当接させながら上下移動するローリングを含むマッサージである場合、前記リピートスイッチが入力された時点から計時を開始するとともに、当該ショートプログラムを最後まで実行することを条件として、所定時間が経過するまで当該ショートプログラムを繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−221(P2006−221A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177396(P2004−177396)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】
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