説明

マッサージ機

【課題】人体に当接してマッサージを施す左右の施療子を有するマッサージ機において、左右の施療子の動作位置を独立して別々に調整可能にする。
【解決手段】昇降枠8に支持され左右に延びる偏心軸18と、アッパーリンク板19a、19bと、第1及び第2の送りねじ31、32と、第1及び第2のナット体33、34と、ロアーリンク板25a、25bとを備える。アッパーリンク板19a、19bとロアーリンク板25a、25bとの他端同士を連結して、その連結部に施療子7a、7bを取り付け、偏心軸18の回転によりアッパーリンク板19a、19bが前後に揺動されて、施療子7a、7bが叩き動作を行う。第1及び第2のナット体33、34が独立して上下に移動し、アッパーリンク板19a、19bとロアーリンク板25a、25bとの挟角θが変更されることによって、施療子7a、7bの人体に対するマッサージ動作位置が左右独立して前後移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関し、詳しくは、人体に当接してマッサージを施す左右の施療子を有し、施療子の人体に対するマッサージ動作位置が調整可能なマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
被施療者が腰掛けられるようになった椅子型のマッサージ機があり、このマッサージ機の背もたれ部には、被施療者の背中や首筋に当接して、叩き動作や揉み動作等のマッサージ動作を行う左右の施療子が設けてある。
【0003】
施療子が人体に当接してマッサージ動作を行う位置は、被施療者にとって快適であり、マッサージ効果がより高い位置が好ましいことから、被施療者が操作して、そのマッサージ動作位置を前後及び上下に移動できるようになっている。
【0004】
特に首筋等のマッサージ動作を行う時には、施療子は、人体方向へ大きくせり出す必要があり、そのために施療子を備えたマッサージユニット全体が前方へせり出すように構成したマッサージ機が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−202010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、人体に当接してマッサージを施す施療子は、その動作位置を、被施療者の操作によって移動できるようになっているが、従来のマッサージ機では、左右の施療子が一連に移動され、左右の施療子の動作位置が別々に調整できるものではなかった。例えば、特許文献1に記載のマッサージ機では、マッサージユニット全体が前方へせり出すようになっているので、前方への移動量は、大きくとれるものの、左右の施療子は一連に位置調整され、左右の施療子の動作位置が独立して移動できるものではなかった。
【0006】
このことは、マッサージを受ける被施療者にとって、十分な満足が得られない原因になっていた。つまり、被施療者は、個人個人で体格、体型が異なる上に、叩き動作等のマッサージ刺激を受けたい部位やその度合いが左右で異なる等の、具体的で比較的仔細な欲求を持っている。ところが、左右の施療子の動作位置が一連にしか調整できない従来のマッサージ機では、被施療者の上記のような欲求は満たされないことが多かった。
【0007】
一方、左右の施療子には、叩き動作等のマッサージ動作を行わせるための駆動力を伝達しなければならず、そのことが、左右の施療子の動作位置を別々に移動可能に構成する上での障害になっていた。
【0008】
そこで、本発明は、人体に当接してマッサージを施す左右の施療子を有し、その施療子の人体に対するマッサージ動作位置が高さ方向で調整可能なマッサージ機において、左右の施療子の動作位置を独立して別々に調整可能なマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、人体に当接してマッサージを施す左右の施療子を有し、前記施療子が人体に対する異なった高さ位置でマッサージ動作が可能なマッサージ機において、前記左右の施療子を担持して上下に昇降する昇降枠と、前記昇降枠に回転自在に支持され左右に延びる偏心軸と、一端が前記偏心軸に連結され、前記左右の施療子に対応して左右1対設けられたアッパーリンク板と、前記昇降枠の昇降方向に沿って上下に延びる第1及び第2の送りねじと、前記第1及び第2の送りねじに、それぞれ螺合した第1及び第2のナット体と、一端が前記ナット体にそれぞれ連結され、前記左右の施療子に対応して左右1対設けられたロアーリンク板とを備え、前記アッパーリンク板と前記ロアーリンク板との他端同士を連結して、その連結部に前記施療子を取り付け、前記偏心軸の回転により前記アッパーリンク板が前後に揺動されて、前記施療子が叩き動作を行い、前記第1及び第2の送りねじの回転により前記第1及び第2のナット体が独立して上下に移動し、前記アッパーリンク板とロアーリンク板との挟角が変更されることによって、前記施療子の人体に対するマッサージ動作位置が左右独立して前後移動するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記アッパーリンク板の、前記偏心軸に対する連結部を左右に摺動自在に構成し、前記ロアーリンク板の、前記第1及び第2のナット体に対する各連結部を、左右に摺動自在に構成し、且つ、前記第1及び第2の送りねじとは別に、前記昇降枠の昇降方向に沿って上下に延びる第3及び第4の送りねじと、前記第3及び第4の送りねじに、それぞれ螺合した第3及び第4のナット体と、をさらに備え、前記第3及び第4のナット体と、前記ロアーリンク板の、前記第1及び第2のナット体に対する各連結部とを、第3及び第4のナット体の上下移動をロアーリンク板の左右移動に変換する方向変換リンク機構で連結し、前記第3及び第4の送りねじの回転により、前記第3及び第4のナット体が独立して上下に移動し、前記方向変換リンク機構によって連結された、前記ロアーリンク板の、前記第1及び第2のナット体に対する各連結部が左右移動し、前記施療子の人体に対するマッサージ動作位置が左右独立して移動するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記アッパーリンク板の、前記偏心軸に対する連結部に球面軸受けを介装し、前記アッパーリンク板が前記偏心軸に対して、偏心軸の軸線に直交する平面を外れる方向への傾斜を許容するように構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの発明において、前記偏心軸に係合し、前記昇降枠の昇降方向に沿って上下に延びる回転軸と、前記偏心軸と前記回転軸との間に、回転軸の回転力を偏心軸の回転力として伝達する直交伝達機構と、をさらに備え、前記回転軸の回転により、直交伝達機構を介して前記偏心軸を回転し、前記施療子が叩き動作を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの発明において、前記昇降枠の昇降方向に沿って上下に延びる送りねじの背面に、前記送りねじに並行に延びる直線ガイドを設け、前記ナット体に、前記直線ガイドに嵌合して摺接する受け凹部を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかの発明において、前記送りねじに、送りねじの回転量を検出し、検出した回転量を電気的なデータとして出力する回転量検知手段を連結し、前記回転量検知手段からの送りねじの回転量データに基づき、前記施療子の人体に対するマッサージ動作位置を、左右の施療子ごとに算出する演算手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記送りねじと、送りねじの回転駆動源との間に無段変速機を介装して、前記施療子の人体に対するマッサージ動作位置を変更する速度を調整可能に構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記無段変速機の変速比を変更する変速比調整手段を、さらに備え、前記変速比調整手段は、前記送りねじの回転駆動源が一定速度で回転する時に、前記アッパーリンク板、ロアーリンク板、及び方向変換リンク機構による駆動伝達途中の速度変化を相殺して、前記施療子のマッサージ動作位置の移動速度が一定になるように経時的に変化する変速比を与えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、左右の施療子のマッサージ動作位置を、左右独立して前後に移動させて調整することができ、左右の施療子は、それぞれ調整した動作位置において、前後に揺動して叩き動作を行うことができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、左右の施療子のマッサージ動作位置を、左右独立して前後及び左右に移動させて調整することができ、左右の施療子は、それぞれ調整した動作位置において、前後に揺動して叩き動作を行うことができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、さらに、アッパーリンク板の偏心軸に対する左右移動が円滑になるので、左右の施療子の左右方向への動作位置の移動が円滑になる。
【0020】
請求項4の発明によれば、さらに、左右の施療子に叩き動作を与える駆動源を、施療子を担持する昇降枠の外に設置することができるので、昇降枠の軽量化が可能になり、施療子の上下方向移動を高速、且つ円滑にできる。
【0021】
請求項5の発明によれば、さらに、送りねじに螺合するナット体の上下方向移動が円滑になって、左右の施療子の動作位置の移動が円滑になる。
【0022】
請求項6の発明によれば、さらに、各送りねじの回転量から、施療子の動作位置を、左右独立して電気的に検出できるので、施療子の動作位置の電気的制御が、左右独立して容易に行える。
【0023】
請求項7の発明によれば、さらに、各送りねじの回転速度が無段階に調整できるので、施療子の動作位置の移動速度を高速から低速、又は低速から高速へと自在に、且つ円滑に変更でき、施療子の動作位置の移動を指圧、もみ等のマッサージ動作として利用する場合に、変化に富んだマッサージ動作を得ることができる。
【0024】
請求項8の発明によれば、さらに、回転駆動源から施療子へと駆動力が伝達される途中において、方向変換リンク機構等の駆動速度を変化させる機構が介在しても、施療子の動作位置の移動速度は一定にできるので、移動速度の自由な設定が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態に係るマッサージ機について、図面を参照して説明する。図14に、本実施形態のマッサージ機1の全体構成を示す。マッサージ機1は、座面2と、背もたれ部3と、両側の肘掛け部4a、4bとを備えて、被施療者Pが腰掛けられるようになった椅子型に構成してある。背もたれ部3の内部に、左右の施療子とその駆動機構がマッサージ機ユニットとして内装してあり、左右の肘掛け部4a、4bに設けた操作器5a、5bを操作することによって、左右の施療子のマッサージ動作位置を独立して変更したり、マッサージ動作の強度の設定等を左右の施療子ごとに独立して調整が行えるようになっている。なお、マッサージ機1の内部には、後述するエンコーダ等からの電気的データを取り込んで種々の演算処理を行うマイクロコンピュータからなる制御部が設けてあり、操作器5a、5bからの操作信号も制御部に入力されるようになっている。
【0026】
次に、マッサージ機ユニットについて、図1を参照して説明する。マッサージ機ユニット6は、左右の施療子7a、7bと、施療子7a、7bを担持して上下方向(Z軸方向)に昇降する昇降枠8と、その昇降駆動機構9と、左右の施療子7a、7bに叩き動作を付与する叩き動作駆動機構11と、施療子7a、7bのマッサージ動作位置を左右独立して移動させる動作位置移動機構12と、から構成される。
【0027】
以下、それぞれについて順に説明する。左右の施療子7a、7bは、120度程度に屈曲したアーム13の上下端に、それぞれローラ14を固定したものであり、このローラ14が人体に当接する。また、各施療子7a、7bは、アーム13の中央部が、昇降枠8側に取り付け固定されるが、その取り付け構造については後述する。
【0028】
昇降枠8は、不図示の案内機構によって一定の姿勢を保ったまま上下(Z軸)に昇降するプレート構成体である。昇降駆動機構9は、昇降枠8を構成するプレートの略中央に固定したナット体15と、そのナット体15に螺合する昇降用送りねじ16と、その下端に連結した駆動モータ17とからなる。
【0029】
次に、叩き動作駆動機構11について説明する。叩き動作駆動機構11は、昇降枠8に回転自在に支持され左右(Y軸)に延びる偏心軸18と、その一端が偏心軸に連結されたアッパーリンク板19a、19bと、昇降枠8に固定した駆動モータ21と、偏心軸18の軸端のプーリ22と駆動モータ21のプーリ23を連結するベルト24とから構成されている。駆動モータ21が回転すると偏心軸18が回転してアッパーリンク板19a、19bの一端(上端)が揺動され、アッパーリンク板19a、19bの他端に取り付けた施療子7a、7bに揺動(振動)動作を与え、それが叩き動作となって人体に伝達されるようになっている。アッパーリンク板19a、19bの他端は、後述するロアーリンク板25a、25bにも連結され、ロアーリンク板25a、25bの下端が固定されることによって、アッパーリンク板19a、19bの上端の揺動は、施療子7a、7bへは、主に前後(X軸)動となって伝達される。
【0030】
偏心軸18は、図5に示したように、全長を貫く1本の中心軸線18cを有し、略中央を境に右側偏心軸部18aと左側偏心軸部18bに別れ、左右の偏心軸部は、その偏心方向が180度逆向きになっている。そして、左右の偏心軸部18a、18bそれぞれにアッパーリンク板19a、19bが連結され、偏心軸18が、中心軸線18c回りで回転すると、左右のアッパーリンク板19a、19bは、180度ずれた位相で揺動されるようになっている。
【0031】
また、アッパーリンク板19a、19bと、偏心軸18の各連結部26a、26bには、偏心軸18方向に摺動自在な球面軸受け27a、27bが介装してあり、連結部26a、26bそのものが、偏心軸18の軸長方向(Y軸)に沿って摺動自在で、且つ、アッパーリンク板19a、19bが偏心軸18に対して、偏心軸18の軸長方向に直交する平面を外れる方向への傾斜が許容されるようになっている。つまり、アッパーリンク板19a、19bに、図5の矢印α方向の力(いわゆる、こじる力)が加わっても、アッパーリンク板19a、19bは、その力が加わった方向へ順応して傾斜し、こじる力が加わることによって、アッパーリンク板19a、19bと偏心軸18との連結部26a、26bが固定され、連結部26a、26bの偏心軸18方向(Y軸)への摺動及び、アッパーリンク板19a、19bの偏心軸18に対する回転が阻害されないようになっている。アッパーリンク板19a、19bの偏心軸18に対する連結部26a、26bを、偏心軸18に沿って摺動自在とする理由については、後述する。
【0032】
なお、アッパーリンク板19a、19bの偏心軸18に対する連結部26a、26bを、偏心軸18に沿って摺動自在とする構造については、図5に示したものに限られず、例えば、図6に示したように構成してもよい。つまり、左右の偏心軸部18a、18bにスラスト軸受け28a、28bを挿入し、スラスト軸受け28a、28bに形成した突部にアッパーリンク板19a、19bの一端をピン29a、29bで連結する構造としてもよい。この場合も、アッパーリンク板19a、19bに図6の矢印β方向の力が加わった時には、アッパーリンク板19a、19bは、偏心軸18の軸長方向(Y軸)に平行移動して、こじることがなく、アッパーリンク板19a、19bの偏心軸18に対する回転が阻害されない。また、図5に示した構造のものに比べて、球面軸受けを用いないことから安価に製作することができる。
【0033】
次に、図1に戻って、動作位置移動機構12について説明する。動作位置移動機構12は、昇降枠8の昇降方向(Z軸)に沿って延びる第1及び第2の送りねじ31、32と、第1及び第2の送りねじ31、32にそれぞれ螺合した第1及び第2のナット体33、34と、一端が、第1及び第2のナット体33、34に連結されたロアーリンク板25a、25bと、第1及び第2の送りねじ31、32よりも内側で、昇降枠8の昇降方向(Z軸)に沿って延びる第3及び第4の送りねじ35、36と、第3及び第4の送りねじ35、36にそれぞれ螺合した第3及び第4のナット体37、38と、第3及び第4のナット体37、38と、ロアーリンク板25a、25bの、第1及び第2のナット体33、34に対する各連結部とを連結する方向変換リンク機構41、42と、から構成されている。ロアーリンク板25a、25bの、第1及び第2のナット体33、34に対する各連結部は、左右(Y軸)に移動自在に構成されているが、具体的構造については、後述する。また、第1乃至第4の送りねじ31、32、35、36の下端には、それぞれ駆動モータ43、44、45、46が連結してある。
【0034】
ロアーリンク板25a、25bの上端は、アッパーリンク板19a、19bの下端に連結47、48され、その連結部に、それぞれ左右の施療子7a、7bが取り付けてあって、駆動モータ43、44を駆動して、第1及び第2の送りねじ31、32を回転すれば、第1及び第2のナット体33、34が昇降移動し(第1及び第2のナット体33、34と偏心軸18との間隔が変化し)、アッパーリンク板19a、19bとロアーリンク板25a、25bとの挟角θが変化して、施療子7a、7bの動作位置が前後(X軸)及び上下(Z軸)に移動するようになっている。第1及び第2の送りねじ31、32を、それぞれ独立して回転させれば、左右の施療子7a、7bの動作位置が、それぞれ独立して前後及び上下に移動する。
【0035】
同様に、駆動モータ45、46を駆動して、第3及び第4の送りねじ35、36を回転すれば、第3及び第4のナット体37、38が昇降移動し(第3及び第4のナット体37、38と第1及び第2のナット体33、34との間隔が変化し)、方向変換リンク機構41、42の作用によって、ロアーリンク板25a、25bの、第1及び第2のナット体33、34に対する連結部の位置が左右に移動して、施療子7a、7bの動作位置が左右(Y軸)に移動するようになっている。第3及び第4の送りねじ35、36を、それぞれ独立して回転すれば、左右の施療子7a、7bの動作位置が、それぞれ独立して左右に移動する。
【0036】
ロアーリンク板25a、25bの、第1及び第2のナット体33、34に対する各連結部が、左右(Y軸)に移動自在になった構造について、図3を参照して説明する(図3は、別の実施形態であるが、該当の連結部については同一の構造である)。また、第2のナット体34についてのみ説明し、第1のナット体33の説明は省略する。第2のナット体34は、第1のナット体33と左右が対象形である以外は同一の構造である。
【0037】
第2のナット体34は、それぞれ、本体部34aと、本体部34aに一体であって左右方向(Y軸方向)の軸51を支持する連結機構部34bとからなり、軸51には、その軸長方向に沿って移動自在な軸受け体52が挿入してあり、この軸受け体52に、ロアーリンク板25bの下端が連結してある。従って、軸受け体52に左方向の力が加われば、軸受け体52と共にロアーリンク板25bの下端が左方向に移動し(図3(a))、右方向の力が加われば、軸受け体52と共にロアーリンク板25bの下端が右方向に移動する(図3(b))。
【0038】
次に、方向変換リンク機構41、42の構造について、図1に戻って説明する。方向変換リンク機構41、42は、第3及び第4のナット体37、38に突設したピン53と、軸受け体52に突設したピン54と、これら両ピン53、54間に装着したルーズリンク55とからなり、ルーズリンク55の下端は、ピン54に回転自在に連結してあるが、その上端は長孔55aを介してピン53にルーズに係合してある。従って、長孔55aとピン53との遊び長さを超えて第3及び第4のナット体37、38が昇降すると、軸受け体52が左右に移動されるようになっている。再び図3を参照して説明する。図3(a)に示すように、ナット体が上昇すると、ルーズリンク55が引き上げられて直立姿勢に近づくので、軸受け体52がナット体に近づく方向へ水平移動される。逆に、図3(b)に示すように、ナット体が下降すると、ルーズリンク55が水平姿勢に近く引き下げられるので、軸受け体52が、ナット体から遠ざかる方向へ水平移動される。
【0039】
なお、方向変換リンク機構41、42の構造については、上述のものに限られず、種々変形が可能である。例えば、ルーズリンク55に代えて、2枚のリンク板を一端同士で連結したものを用いてもよいし、適当なばね常数のスプリングを用いてもよい。
【0040】
従って、本実施形態のマッサージ機ユニット6は、駆動モータ21を駆動させれば偏心軸18が回転して、左右の施療子7a、7bが揺動(振動)して叩き動作を行い、駆動モータ43、44によって第1及び第2の送りねじ31、32を回転させれば、第1及び第2のナット体33、34がそれぞれ昇降してアッパーリンク板19a、19bとロアーリンク板25a、25bの挟角θが変化し、左右の施療子7a、7bが前後(X軸)に移動する。
【0041】
また、駆動モータ45、46によって第3及び第4の送りねじ35、36を回転させれば、第3及び第4のナット体37、38がそれぞれ昇降し、その力が方向変換リンク機構41、42によって軸受け体52に水平方向の力として伝達されて、ロアーリンク板25a、25b及びアッパーリンク板19a、19bが左右(Y軸)に移動し、結局左右の施療子7a、7bが左右(Y軸)に移動する。なお、昇降用送りねじ16及び第1乃至第4の送りねじ31、32、35、36を同一の速度で同一量回転させれば、施療子7a、7bの前後位置及び左右位置は変化することなく昇降枠8全体が昇降し、施療子7a、7bの高さを変更することができる。
【0042】
上記マッサージ機ユニット6では、施療子7a、7bの左右方向(Y軸)位置を、左右の施療子7a、7bごとに独立して変更できるように、第3及び第4の送りねじ35、36と、第3及び第4のナット体37、38を設けたが、左右の施療子7a、7bは、連動して互いに接近又は離反するように動作(揉み動作)させるだけであれば、次のようにして、構造を簡素化できる。
【0043】
図2を参照して、構造を簡素化したマッサージ機ユニットを説明する。図1において説明したものと、同一構造部分については同一の番号を付すことにより、説明を省略する。図2に示したマッサージ機ユニットでは、第3及び第4の送りねじに代えて、共通の1本の送りねじ56を設け、この送りねじ56に螺合したナット体57に、方向変換リンク機構41、42を介して左右の軸受け体52を連結してある。
【0044】
この構造のマッサージ機ユニットでは、駆動モータ58を駆動して送りねじ56を回転させ、ナット体57を昇降させれば、方向変換リンク機構41、42によって軸受け体52(ロアーリンク板25a、25bの下端)が左右(Y軸)に移動し、左右の施療子7a、7bが互いに接近又は離反する。つまり、図3(a)に示したように、ナット体57が上昇した時には、左右の軸受け体52が互いに接近して、左右の施療子7a、7b同士の間隔が狭まり、図3(b)に示したように、ナット体57が下降した時には、左右の軸受け体52が互いに離反して、左右の施療子7a、7b同士の間隔が広がる。
【0045】
また、上記マッサージ機ユニットでは、偏心軸18の駆動モータ21を昇降枠8に固定していたが、次のように構成して、偏心軸18の回転駆動源を昇降枠8の外に設けることができる。この場合には、昇降枠8が軽量化され、施療子7a、7bの上下方向移動の高速化が可能になる。
【0046】
図4を参照して、偏心軸18の駆動モータを昇降枠外に設けた構造について説明する。図1及び図2において説明したものと、同一構造部分については同一の番号を付すことにより、説明を省略する。図4に示したマッサージ機ユニット6では、昇降枠8の昇降方向(Z軸)に沿ってウオーム軸61を設け、偏心軸18の軸端にウオームホイール62を設けて、ウオーム軸61とウオームホイール62とを係合させ、ウオーム軸61に連結した駆動モータ63を回転させることによって偏心軸18が回転するようになっている。
【0047】
ここで、ウオーム軸61とウオームホイール62が、直交伝達機構64を構成するが、直交伝達機構64としては、種々の変形が可能である。例えば、偏心軸18の軸端に傘歯歯車を設け、ウオーム軸61に代えてスプライン軸を設けると共に、このスプライン軸に沿って移動可能な傘歯歯車ユニットを設け、傘歯歯車と傘歯歯車ユニットを噛み合わせるようにして、スプライン軸の回転が偏心軸18へと伝達するようにしてもよい。
【0048】
また、上記マッサージ機ユニットは、椅子型マッサージ機の背もたれ部内に装着された場合に、被施療者のもたれる圧力が左右の施療子7a、7bにかかり、それが各ナット体33、34及び各送りねじ31、32に伝達して、送りねじ31、32が撓み、各ナット体33、34が円滑に昇降できなくなる虞があるが、次のように構成して、各ナット体33、34の送りねじ31、32に沿った円滑な昇降移動を確保することができる。
【0049】
図7を参照して、その構造について説明する。図1及び図2において説明したものと、同一構造部分については同一の番号を付すことにより、説明を省略する。図7に示したマッサージ機ユニットでは、第1及び第2の送りねじ31、32と送りねじ56の背面に、各送りねじ31、32、56に並行に延びる、断面が台形状の直線ガイド65、66、67を設け、第1及び第2のナット体33、34とナット体57の背面には、直線ガイド65、66、67に嵌合して摺接する受け凹部68が形成してある。このように構成することによって、被施療者のもたれる圧力が左右の施療子7a、7bを介して各ナット体33、34、57及び送りねじ31、32、56に加わっても、送りねじ31、32、56が撓むことがなく直線性を保つので、ナット体33、34、57の円滑な昇降移動が確保される。
【0050】
また、各ナット体を次のように構成し、ナット体と送りねじの螺合状態を安定させることができる。図8に示したように(説明を簡明にするために、代表的に、ナット体34の本体部34aのみを示す)、ナット体34の本体部34aを、送りねじ32に螺合するナット本体71と、ナット本体71を覆う弾性ケース72と、さらにこの弾性ケース72の外周を覆う剛体製ケース73とで構成し、送りねじ32とナット本体71との間に常時与圧がかかるようにする。このように構成することによって、送りねじ32の雄ねじ部とナット本体71の雌ねじ部の間のバックラッシュが解消され、ナット体34が送りねじ32の回転によって昇降する時の振動やガタ及び異音の発生が抑制される。弾性ケース72は、合成樹脂、ゴム等によって成型することができる。
【0051】
さらに、ナット本体71を次のように分解可能として組立て性の向上を図ることができる。図9に示したように、ナット本体71を、前後2つの割り型71a、71bで構成し、組立て時には、送り軸32を2つの割り型で前後から挟み、ノックピン74を相手型の孔部75に嵌合することによって位置合わせした上、ビス76で固定する。このように構成すれば、マッサージ機ユニット全体の組み立てが容易になる。つまり、この構造を採用しない場合には、各送りねじ31、32、56等をナット本体71に螺合しておいた上で、その他の部分の組み立てを行う必要があるが、この構造を採用すれば、送りねじ31、32、56等へのナット体の組み付け(割り型の結合)は、組立て工程の任意の段階で行うことができ、組立て性が向上する。
【0052】
また、上記の動作位置移動機構12では、施療子7a、7bの移動は、各ナット体33、34、37、38、57の昇降によってのみもたらされるので(施療子7a、7bの動作位置は、各ナット体の昇降量によって一義的に決定されるので)、各ナット体の昇降量が把握できれば、所定の演算により施療子7a、7bの動作位置が把握できる。つまり、具体的な構成としては、送りねじ31、32、35、36、56の駆動モータに、各送りねじの回転量を検出するエンコーダ(不図示)を設け、検出した回転量をエンコーダから、マッサージ機を制御するマイクロコンピュータ搭載の制御部(不図示)へと出力させ、制御部において所定の演算式に従って演算することにより、施療子7a、7bの動作位置を把握することができる。
【0053】
演算方法についての概略を、図10を参照して説明する。図10においては、代表的に図1に示したマッサージ機ユニットの施療子7bについて示す。図10(a)は、ナット体38とルーズリンク55と施療子7bとの位置関係を正面から見た模式図であり、破線が移動前の位置を示し、実線が移動後の位置を示す。図10(b)は、ナット体15(昇降枠8)、34とアッパーリンク板19bとロアーリンク板25bと施療子7bとの位置関係を側面から見た模式図であり、破線が移動前の位置を示し、実線が移動後の位置を示す。
【0054】
今、各送りねじ16、32、36と駆動モータ17、44、46との間には減速機が介装されているとして、各送りねじのリードをr1、r2及びr3とし、減速機の減速比をm1、m2及びm3とし、各駆動モータの回転数をn1、n2及びn3とすると、施療子7bの移動量ΔX、ΔY及びΔZは次の式で表される。
【0055】
【数1】

【0056】
ここで、Leはルーズリンク55の長さ、Lsは施療子7bのルーズリンク下端に対するオフセット長さ、Ltはナット体38のY軸座標、Lbはロアーリンク板25bの長さ、Lcはアッパーリンク板19bの長さであり、Laはロアーリンク板25bとアッパーリンク板19bの連結部から施療子7bまでの距離である。また、z10、z20及びz30は、それぞれナット体38、15、34の移動前のZ軸座標を表す。
【0057】
次の式から、各移動量ΔX、ΔY及びΔZに基づいて施療子7bの現在位置(現在の座標位置)が算出できる。
【0058】
【数2】

【0059】
また、各送りねじと駆動モータとの間にそれぞれ無段変速機を介装することにより、施療子7a、7bの動作位置の移動速度を高速から低速、又は低速から高速へと自在に、且つ円滑に変更でき、施療子の動作位置の移動を指圧、もみ等のマッサージ動作として利用する場合に、変化に富んだマッサージ動作を得ることができる。
【0060】
これを、具体的に図11及び図12を参照して説明する。図1及び図2において説明したものと、同一構造部分については同一の番号を付すことにより、説明を省略する。図11に示したマッサージ機ユニット6では、各送りねじ16、31、32、56の下端と駆動モータ17、43、44、58の回転軸に、固定シープ81と可動シープ82と、それらに掛け渡したベルト83と、可動シープ82を固定シープ81方向へ付勢するスプリング84とからなる無段変速機85を設けてある。図12は、代表的に、送り軸32と駆動モータ44との間の無段変速機85について示す。
【0061】
このように構成することにより、次の利点がある。例えば、施療子7a、7bを低速度で移動させることによって揉み、押し等のマッサージ動作を実行させる場合には、無段変速機85の減速比を増加させれば、各駆動モータの回転は比較的高い回転数のままで維持でき、安定したマッサージ動作が得られる。また、無段変速機85の減速比を減少させれば、施療子7a、7bを高速で移動させることができ、施療子7a、7bの早い動きによるマッサージを好む被施療者にとって好ましいものとなる。さらに、無段変速機85の減速比を、比較的短時間のうちに大きく増減すれば、施療子の動作も変化に富んだものになり、よりよいマッサージ効果を得ることができるようになる。
【0062】
また、無段変速機85の減速比を、特定のパターンで経時的に変化するものに設定することによって、送りねじと施療子との間に方向変換リンク機構41、42等の速度変化要素が介在しても、施療子7a、7bの移動速度(マッサージ動作速度)は一定となるようにできる。
【0063】
これを具体的に、施療子7bの水平方向移動について、図13を参照して説明する。図13(a)は、ナット体38を一定速度で昇降させて施療子7bの左右方向(Y軸)位置を変更する場合の、施療子7bの位置と移動速度を、それぞれ横軸と縦軸に表したものである。ナット体38の昇降速度が一定であっても、ナット体38と軸受け体52(ロアーリンク板25bの下端)とは、ルーズリンク55で連結してあるので、軸受け体52がナット体38に接近した領域では(狭位置)、軸受け体52(施療子7b)の移動速度は高速になり、軸受け体52がナット体38から遠ざかった領域では(広位置)、軸受け体52(施療子7b)の移動速度は低速になる。
【0064】
従って、無段変速機85の減速比を、図13(b)に示すパターンで経時的に変化させれば、施療子7bの移動速度を一定にできる。つまり、軸受け体52(施療子7b)がナット体38に接近した領域では(狭位置)、無段変速機85の減速比を増加させ、軸受け体52(施療子7b)がナット体38から遠ざかった領域では(広位置)、無段変速機85の減速比を減少させる。
【0065】
上記図13(b)の減速比のパターンを制御部に記憶させておき、ナット体38が昇降動作を行う時に、施療子7bの位置に合わせて無段減速機85に、適合する減速比を与えれば、施療子7bは一定の速度で左右移動(左右の施療子7a、7bが一定の速度で接近又は離反動作)する。
【0066】
なお、上記説明は、施療子7a、7bの左右方向(Y軸)の移動についてのものであるが、ナット体33、34を昇降して行う施療子7a、7bの前後方向の移動についても同様にして、施療子7a、7bを一定の速度で移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態に係るマッサージ機ユニットの分解斜視図。
【図2】同他の実施形態に係るマッサージ機ユニットの分解斜視図。
【図3】同方向変換リンク機構とナット体の部分を拡大して示す斜視図であって、(a)は左右の施療子が中央へ寄せられた状態を示し、(b)は左右の施療子が互いに離反した状態を示す。
【図4】同偏心軸の駆動モータが昇降枠外に設けられた構造を示す斜視図。
【図5】同偏心軸とアッパーリンク板との連結部を拡大して示す斜視図。
【図6】同偏心軸とアッパーリンク板との連結部の他の構成例を示す斜視図。
【図7】同送りねじの背面に直線ガイドを設けたマッサージ機ユニットの分解斜視図。
【図8】ナット体の構成例を示す分解斜視図。
【図9】ナット本体の構成例を示す分解斜視図。
【図10】(a)は、ナット体とルーズリンクと施療子との位置関係を正面から見た模式図、(b)は、ナット体とアッパーリンク板とロアーリンク板と施療子との位置関係を側面から見た模式図。
【図11】送りねじと駆動モータとの間に無段変速機を設けたマッサージ機ユニットの分解斜視図。
【図12】無段変速機の断面図。
【図13】(a)は、施療子の左右方向(Y軸)位置を変更する場合の、施療子の位置と移動速度を横軸と縦軸に表した表、(b)は、施療子の位置と減速比を横軸と縦軸に表した表。
【図14】マッサージ機の全体を示す斜視図。
【符号の説明】
【0068】
1 マッサージ機
6 マッサージ機ユニット
7a、7b 施療子
8 昇降枠
9 昇降駆動機構
11 叩き動作駆動機構
12 動作位置移動機構
16 昇降用送りねじ
17 駆動モータ(回転駆動源)
18 偏心軸
18c 中心軸線
19a、19b アッパーリンク板
21 駆動モータ
25a、25b ロアーリンク板
26a、26b 連結部
27a、27b 球面軸受け
31 第1の送りねじ
32 第2の送りねじ
33 第1のナット体
34 第2のナット体
35 第3の送りねじ
36 第4の送りねじ
37 第3のナット体
38 第4のナット体
41、42 方向変換リンク機構
43、44、45、46 駆動モータ(回転駆動源)
47、48 連結部
53、54 ピン
55 ルーズリンク
55a 長孔
56 送りねじ
57 ナット体
58 駆動モータ(回転駆動源)
61 ウオーム軸
62 ウオームホイール
64 直交伝達機構
65、66、67 直線ガイド
68 受け凹部
85 無段変速機
θ 挟角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に当接してマッサージを施す左右の施療子を有し、前記施療子が人体に対する異なった高さ位置でマッサージ動作が可能なマッサージ機において、
前記左右の施療子を担持して上下に昇降する昇降枠と、
前記昇降枠に回転自在に支持され左右に延びる偏心軸と、
一端が前記偏心軸に連結され、前記左右の施療子に対応して左右1対設けられたアッパーリンク板と、
前記昇降枠の昇降方向に沿って上下に延びる第1及び第2の送りねじと、
前記第1及び第2の送りねじに、それぞれ螺合した第1及び第2のナット体と、
一端が前記ナット体にそれぞれ連結され、前記左右の施療子に対応して左右1対設けられたロアーリンク板とを備え、
前記アッパーリンク板と前記ロアーリンク板との他端同士を連結して、その連結部に前記施療子を取り付け、
前記偏心軸の回転により前記アッパーリンク板が前後に揺動されて、前記施療子が叩き動作を行い、
前記第1及び第2の送りねじの回転により前記第1及び第2のナット体が独立して上下に移動し、前記アッパーリンク板とロアーリンク板との挟角が変更されることによって、前記施療子の人体に対するマッサージ動作位置が左右独立して前後移動するようにしたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記アッパーリンク板の、前記偏心軸に対する連結部を左右に摺動自在に構成し、
前記ロアーリンク板の、前記第1及び第2のナット体に対する各連結部を、左右に摺動自在に構成し、且つ、
前記第1及び第2の送りねじとは別に、前記昇降枠の昇降方向に沿って上下に延びる第3及び第4の送りねじと、
前記第3及び第4の送りねじに、それぞれ螺合した第3及び第4のナット体と、をさらに備え、
前記第3及び第4のナット体と、前記ロアーリンク板の、前記第1及び第2のナット体に対する各連結部とを、第3及び第4のナット体の上下移動をロアーリンク板の左右移動に変換する方向変換リンク機構で連結し、
前記第3及び第4の送りねじの回転により、前記第3及び第4のナット体が独立して上下に移動し、前記方向変換リンク機構によって連結された、前記ロアーリンク板の、前記第1及び第2のナット体に対する各連結部が左右移動し、前記施療子の人体に対するマッサージ動作位置が左右独立して移動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記アッパーリンク板の、前記偏心軸に対する連結部に球面軸受けを介装し、前記アッパーリンク板が前記偏心軸に対して、偏心軸の軸線に直交する平面を外れる方向への傾斜を許容するように構成したことを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記偏心軸に係合し、前記昇降枠の昇降方向に沿って上下に延びる回転軸と、
前記偏心軸と前記回転軸との間に、回転軸の回転力を偏心軸の回転力として伝達する直交伝達機構と、をさらに備え、
前記回転軸の回転により、直交伝達機構を介して前記偏心軸を回転し、前記施療子が叩き動作を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記昇降枠の昇降方向に沿って上下に延びる送りねじの背面に、前記送りねじに並行に延びる直線ガイドを設け、
前記ナット体に、前記直線ガイドに嵌合して摺接する受け凹部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記送りねじに、送りねじの回転量を検出し、検出した回転量を電気的なデータとして出力する回転量検知手段を連結し、
前記回転量検知手段からの送りねじの回転量データに基づき、前記施療子の人体に対するマッサージ動作位置を、左右の施療子ごとに算出する演算手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記送りねじと、送りねじの回転駆動源との間に無段変速機を介装して、前記施療子の人体に対するマッサージ動作位置を変更する速度を調整可能に構成したことを特徴とする請求項6に記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記無段変速機の変速比を変更する変速比調整手段を、さらに備え、
前記変速比調整手段は、前記送りねじの回転駆動源が一定速度で回転する時に、前記アッパーリンク板、ロアーリンク板、及び方向変換リンク機構による駆動伝達途中の速度変化を相殺して、前記施療子のマッサージ動作位置の移動速度が一定になるように経時的に変化する変速比を与えることを特徴とする請求項7に記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−271496(P2006−271496A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−91664(P2005−91664)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】