マッサージ機
【課題】 マッサージ師が手指で被施療者の肩を掴み揉みするような感触の得られる揉みマッサージが行えるマッサージ機を提供することである。
【解決手段】 上下モータ(26)により背凭れ(12)に沿って上下方向に往復移動可能に配備されるマッサージユニット(20)は、第1施療指(200)と、第1施療指(200)に対して接近離間する様に揺動可能に配備され第1施療指(200)と協調して被施療者の患部を掴み揉み可能な第2施療指(300)と、第1施療指(200)及び第2施療指(300)を揺動させる揺動駆動手段とを具え、上下駆動手段(26)と揺動駆動手段とを制御する制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動する。
【解決手段】 上下モータ(26)により背凭れ(12)に沿って上下方向に往復移動可能に配備されるマッサージユニット(20)は、第1施療指(200)と、第1施療指(200)に対して接近離間する様に揺動可能に配備され第1施療指(200)と協調して被施療者の患部を掴み揉み可能な第2施療指(300)と、第1施療指(200)及び第2施療指(300)を揺動させる揺動駆動手段とを具え、上下駆動手段(26)と揺動駆動手段とを制御する制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1施療指と第2施療指を接近離間させて、被施療者の肩を掴み揉みできるマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
第1施療指と、第2施療指が別個の駆動源によって駆動され、互いの協調動作(共同動作)によって被施療者の肩を揉むマッサージ機が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−313559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この特許文献に記載のマッサージ機は、第1施療指と第2施療指が単に接近したり離間するだけで、マッサージ師が手指で被施療者の肩を掴み揉みするのに比べて物足りなさは否定しがたいものであった。
【0004】
本発明の目的は、第1施療指と第2施療指が単に接近離間を繰り返すだけでなく、あたかもマッサージ師が手指で被施療者の肩を掴み揉みするような感触の得られる揉みマッサージが行えるマッサージ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために請求項1に記載のマッサージ機は、被施療者が腰掛ける座部(11)の後方に配備された背凭れ(12)と、上下駆動手段(26)により背凭れ(12)に沿って上下方向に往復移動可能に配備されるマッサージユニット(20)とを具えるマッサージ機において、マッサージユニット(20)は、シャーシ(21)上に揺動可能に配備された第1施療指(200)と、第1施療指(200)に対して接近離間する様に揺動可能に配備され第1施療指(200)と協調して被施療者の患部を掴み揉み可能な第2施療指(300)と、第1施療指(200)及び第2施療指(300)を揺動させる揺動駆動手段とを具え、前記上下駆動手段(26)と揺動駆動手段とを制御する制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させるものである。
【0006】
また請求項2に記載のマッサージ機は、請求項1において、前記揺動駆動手段は前記第1施療指(200)を揺動させ、第1施療指(200)の揺動に連動して第2施療指(300)が揺動するようにしたものである。
【0007】
また請求項3に記載のマッサージ機は、被施療者が腰掛ける座部(11)の後方に配備された背凭れ(12)と、上下駆動手段(26)により背凭れ(12)に沿って上下方向に往復移動可能に配備されるマッサージユニット(20)とを具えるマッサージ機において、マッサージユニット(20)は、シャーシ(21)上に揺動可能に配備された左右一対の揺動レバー(100)と、この揺動レバー(100)の夫々に、被施療者の患部を掴み揉みする様に互いに接近離間可能に配備された第1施療指(200)と第2施療指(300) と、揺動レバー(100)の揺動動作を第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間運動に変換する運動変換手段(400)と、揺動レバー(100)を揺動させる揺動駆動手段を具え、前記上下駆動手段(26)と揺動駆動手段とを制御する制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させるものである。
【0008】
また請求項4に記載のマッサージ機は、請求項1や請求項3において、前記制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が狭まったときマッサージユニット(20)を所定距離上昇させるものである。
【0009】
また請求項5に記載のマッサージ機は、請求項1や請求項3において、前記制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が広がったときマッサージユニット(20)を所定距離下降させるものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明のマッサージ機によれば、第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させるものであるので、第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間の動作に、上下の動きが加わるので、マッサージ師の手指の動きに近い動きを得ることが可能になり、効果のある揉みマッサージを得ることができる。
【0011】
請求項2の発明のマッサージ機によれば、揺動駆動手段により第1施療指(200)を揺動すれば、第2施療指(300)はそれに連動して揺動するため、第2施療指(300)を揺動するための別個の駆動源は不要であり、構成の簡素化と製造コストを抑えることができる。
【0012】
請求項3の発明のマッサージ機によれば、第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させるものであるので、第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間の動作に、上下の動きが加わるので、マッサージ師の手指の動きに近い動きを得ることが可能になり、効果のある揉みマッサージを得ることができる。また、第1施療指(200)と第2施療指(300)の動作の駆動源は、揺動レバー(100)の揺動動作であるから、第1施療指(200)と第2施療指(300)を動作させるために、個別の駆動源は不要であり、構成の簡素化と製造コストを抑えることができる。
【0013】
請求項4の発明のマッサージ機によれば、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が狭まって患部を掴んだときに、マッサージユニット(20)を所定距離上昇させて患部を掴み上げることができるので、一層効果的な揉みマッサージが可能になる。
【0014】
請求項5の発明のマッサージ機によれば、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が広がって患部を解放したときに、マッサージユニット(20)を所定距離下降させて患部を広範囲に掴み上げる態勢をとることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
上記マッサージ動作を行なうことのできるマッサージ機について、一例を挙げて説明する。
【0016】
椅子型マッサージ機は、図9に示す如く、被施療者が腰掛ける座部(11)の後端に、背凭れ(12)をフレーム等で傾動自在且つ位置決め可能に連結し、背凭れ(12)にマッサージユニット(20)を背凭れ(12)中央部に開設した開口に沿って上下移動可能に配備したものである。マッサージユニット(20)は、背凭れ(12)に被さった当て布やクッション等(図示せず)にて覆われているが、後記する様にマッサージユニット(20)が、背凭れ(12)の内側から外側にせり出すことに支障はない。
【0017】
以下の説明において、「前」はマッサージユニットが被施療者に向かう側、「後」は被施療者から離れる側をいう。又、「左」はマッサージ機に向かって左側を、「右」はマッサージ機に向かって右側をいう。
【0018】
又、以下に説明するマッサージユニット(20)は、左右に配備した一対の揺動レバー(100)上の夫々に第1施療指(200)と第2施療指(300)を配備し、左右の第1施療指(200)(200)及び第2施療指(300)(300)を接近離間させて被施療者の患部を左右から挟む様に揉む動作、主に第1施療指(200)(200)で患部を叩く動作、及びこれらを複合した動作が可能であるが、これらは付加的な動作であって、発明の要点は、第1施療指(200)と第2施療指(300)によって、肩や首筋を掴む様に揉む動作ができる点である。
【0019】
背凭れ(12)の内部には、図1及び図2に示すように、左右一対のガイドレール(14)が上下方向に平行に配備されている。各ガイドレール(14)(14)は、横断面コ字状であり溝が対向するように配置される。溝の開口縁にラック(16)が刻設されており(図3参照)、ガイドレール(14)(14)には、マッサージユニット(20)が昇降可能に取り付けられている。
【0020】
マッサージユニット(20)は、図1乃至図3に示すように、メインシャーシ(21)の上下部に突設した4つのローラ(23)(23)(65)(65)がガイドレール(14)(14)に嵌まり、昇降可能となっている。メインシャーシ(21)には、マッサージユニット(20)のすべての構成部品が搭載される。メインシャーシ(21)の中央には、図3及び図4に示すように、間隔を開けて2枚の補助シャーシ(22)(22)が縦向きに固定されている。
【0021】
補助シャーシ(22)(22)の下部には、上下用回転軸(24)が回転可能に水平に軸受され、回転軸(24)の両端には、左右のガイドレール(14)まで延びて、夫々の軸端には、ガイドレール(14)に嵌まって転動する下側ローラ(23)及び、ガイドレール(14)の開口縁に形成された前記ラック(16)と噛合するギア(25)を具えている。
【0022】
メインシャーシ(21)には、上下駆動手段となる上下用モータ(26)が搭載され、該上下用モータ(26)の出力軸は減速手段(27)を介して前記上下用回転軸(24)に連繋している。上下用モータ(26)は、上下用回転軸(24)を回転駆動してギア(25)を回転させ、ガイドレール(14)に沿ってマッサージユニット(20)を昇降させる。
【0023】
図3乃至図5に示すように、補助シャーシ(22)(22)の略中央に軸支された揉み軸(40)と、該揉み軸(40)の下方に支持された叩き軸(50)に跨って連繋配備された左右一対の揺動レバー(100)の夫々に、第1施療指(200)と第2施療指(300)が配備されている。揉み軸(40)及び叩き軸(50)は、メインシャーシ(21)に搭載された揉みモータ(41)、叩きモータ(51)に減速手段(42)(52)を介して連繋されている。
【0024】
揺動レバー(100)の基部は、図4、図5、図10に示すように、揉み軸(40)上に形成され互いに逆方向に傾斜し且つ偏芯した2箇所の出力軸部(40a)(40a)に回転可能に嵌まって支持されている。揺動レバー(100)の自由端(前端)側は、メインシャーシ(21)の前面に開設された窓孔(21a)から前方に向けて、外拡がりに屈曲して突出している。揺動レバー(100)の自由端は下向き屈曲している。
【0025】
図10に示す如く、揺動レバー(100)は後端がロッド(55)(55)によって、後記する叩き軸(50)上の偏心カム(53)に連繋され、揉み軸(40)を中心とする回動、即ち、揺動レバー(100)自由端の上下及び左右の揺動幅が規制されている。
【0026】
図10乃至図12に示す如く、揺動レバー(100)の自由端の上部に第1施療指(200)、下部に第2施療指(300)が、夫々揺動レバー(100)の揺動面と沿う面内で回動可能に配備されている。
【0027】
第1施療指(200)は、第1回動レバー(201)と、該レバーの自由端に内向きに突設した押圧子(202)とによって構成される。第1回動レバー(201)は、揺動レバー(100)に突設した支軸(102)に回動可能に支持され、押圧子(202)を揺動レバー(100)よりも前方に位置させている。
【0028】
第2施療指(300)は、バー状の第2回動レバー(301)と、該レバーの一端に内側に突設された押圧子(302)とによって構成される。第2回動レバー(301)は略中央部が、揺動レバー(100)の前側下端に突設されたピン(103)に、押圧子(302)を下側にして回転可能に嵌まっている。
【0029】
第2回動レバー(301)の上部には該レバーの長手方向に延びる、溝状、長孔状等の凹条(303)が開設され、該凹条(303)に第1回動レバー(201)に突設したピン(203)がスライド可能に嵌まっている。2つの押圧子(202)(302)の間に、被施療者の肩の筋肉を挟むことが十分に余裕をもって可能な間隔が形成される。
【0030】
第1施療指(200)の押圧子(202)は、図3に示す様に、扁平ローラ体(202a)を回転可能に第1回動レバー(201)に枢支してもよいが、図10に示す如く、幅広ローラ体(202b)を横向きにして第1回動レバー(201)に回転可能に枢支した方が、マッサージ師の手指の第2指から第5指迄の幅間隔に近い揉み感が得られる。
【0031】
第2施療指(300)は、マッサージ師の第1指による揉み感に近づけるため、第2回動レバー(301)の先端を内側に少し隆起させて、第1指の幅程度に形成すればよい。
【0032】
実施例では、図15に示す如く、揺動レバー(100)(100)の自由端間が最大開いたとき(このとき揺動レバーの自由端は最上位の位置にある)も、図16に示す如く、最大閉じたとき(このとき揺動レバーの自由端は最下位の位置にある)も、上側の第1施療指(200)の押圧子(202)の幅中心L1よりも、下側の第2施療指(300)の押圧子(302)の幅中心L2が内側に位置する様に押圧子(202)(302)の大きさ及び、後記する揺動レバー(100)の左右の振れ幅が決められている。これは、マッサージ師が肩を揉むとき、下側の第1指の位置が、上側の第2指以下の指列の幅中心よりも内側に位置することに鑑み、マッサージ師の揉み感に近づけるためである。
【0033】
第1施療指(200)には、揺動レバー(100)に対する第1施療指(200)の相対的な回動角度範囲を規制する回動角度規制手段(401)が連繋される。実施例の回動角度規制手段(401)は、第1回動レバー(201)の後部上端と、メインシャーシ(21)とを、ロッド(402)で枢支連結したものである。第1回動レバー(201)とメインシャーシ(21)に突設したロッド受け部(204)(82)に、上記ロッド(402)の両端の球状部が回転及び傾動可能に嵌まって自在継手を構成している。
【0034】
図14に示す如く、左右の揺動レバー(100)(100)の自由端が互いの間隔を狭めながら下降するとき、ロッド(402)は第1施療指(200)を突っ張って、第1施療指(200)を支軸(102)を中心に揺動レバー(100)に対して反時計方向に回転させる。このとき、第1施療指(200)上のピン(203)が第2施療指(300)を押して、第2施療指(300)をピン(103)を中心に時計方向に回転させる。図14の状態で、第1施療指(200)の押圧子(202)は最低位置に達し、第2施療指(300)の押圧子(302)は最大前進し、両押圧子(202)(302)間の開き間隔は最小となる。この最小間隔は、被施療者の肩の筋肉を適度に掴むことの出来る間隔である。
【0035】
図13に示す如く、左右の揺動レバー(100)(100)が自由端が互いの間隔を拡げながら上昇するとき、ロッド(402)は第1施療指(200)を後方に引っ張って、第1施療指(200)を支軸(102)を中心に揺動レバー(100)に対して時計方向に回転させる。このとき、第1施療指(200)上のピン(203)が第2施療指(300)を押して、ピン(103)を中心に反時計方向に回転させる。図13の状態で、第1施療指(200)の押圧子(202)は最高位置に達し、第2施療指(300)の押圧子(302)は最大後退し、両押圧子(202)(302)間の開き間隔は最大となる。この最大間隔は、被施療者の肩の掴みを少し余裕のある状態に解除できる間隔である。
【0036】
前記の如く、揺動レバー(100)(100)は前方へ外拡がりの状態で、且つ偏芯して揉み軸(40)に取り付けられ、前記ロッド(55)によって回転が阻止されているから、揉み軸(40)を一方向に連続回転させると、揺動レバー(100)(100)の自由端が左右、上下、前後に動く。これにより、第1施療指(200)及び第2施療指(300)も左右に揺動し被施療者の患部を擦る様な揉み動作が、上記第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間運動と複合して行なわれる。
【0037】
図15に示す如く、左右の第1施療指(200)(200)が最大開いた状態で、第1施療指(200)(200)は被施療者の肩から首にかけて位置し、図16に示す如く、左右の第1施療指(200)(200)が最大接近した状態で、被施療者の首を少し押圧できる。
【0038】
叩き軸(50)には、図4及び図5に示すように、互いに位相が180度ずれた偏心カム(53)(53)が枢支されており、両偏心カム(53)(53)は、自在継手(54)(54)とロッド(55)(55)を介して揺動レバー(100)(100)の揉み軸(40)側後端に連結されている。
【0039】
叩きモータ(51)を一方向に連続回転させると、叩き軸(50)に偏心して連繋されたロッド(55)(55)を介して、揺動レバー(100)(100)が前記揉み軸(40)を中心に先端を大きく上下に振る様に揺動し、主に第1施療指(200)で叩きマッサージを施す。揉み軸(40)と叩き軸(50)を同時に回転させると、揺動レバー(100)は、前後ストローク、上下ストローク、左右ストロークの動きが複合した往復移動を繰り返す。
【0040】
上記マッサージユニット(20)には、マッサージユニット(20)を図1及び図2に示すように、前後に移動させるせり出し機構(60)が配備される。せり出し機構(60)として、以下のクランク機構(61)及びリンク機構(70)からなる構成を例示できる。
【0041】
クランク機構(61)は、図5及び図6に示すように、揉み軸(40)の前方に配備されたクランク軸(62)と、上側のローラ(65)(65)(図6参照)が回転自在に嵌められたクランクピン(64)(64)(図5参照)とを、クランクアーム(63)(63)により接続して構成される。クランクピン(64)(64)は、クランク軸(62)に対して偏心しているため、クランク軸(62)を回転させると、クランクピン(64)(64)がクランク軸(62)を中心として周軌道を描く。なお、図示の実施例では、クランク軸(62)、クランクアーム(63)(63)及びクランクピン(64)(64)は、1本の金属棒から構成しており、図5に示すように、クランク軸(62)(62)を軸受(62a)(62a)によってメインシャーシ(21)に軸支している。
【0042】
補助シャーシ(22)には、図3に示すように、上下に軸受(22b)(22b)を具える支持片(22a)(22a)が突設されており、軸受(22b)(22b)には、図3、図4及び図6に示すように、せり出し用ネジ軸(67)が枢支されている。該ネジ軸(67)の上端は、プーリやベルトからなる減速手段(68)を介してせり出し用モータ(69)に連繋されている。
【0043】
せり出し用ネジ軸(67)にはナット(71)が螺合している。ナット(71)は樹脂製とすることができ、樹脂ナット(71)には、図6及び図7に示すようにリンク機構(70)が接続されている。リンク機構(70)は、リンク片(72)とリンク片(78)から構成することができる。
【0044】
尚、以下では、リンク片(72)は、長手方向に伸縮可能となるように相互にスライド可能に連繋された第1リンク片(73)と第2リンク片(75)から構成した例について説明する。
【0045】
第1リンク片(73)は、前後方向に傾動可能に樹脂ナット(71)に枢支されており、第1リンク片(73)の基端側近傍には、スライド用軸(74)が突設されている。
【0046】
第2リンク片(75)は、第1リンク片(73)を両側から挟み込む一対の部材から構成され、夫々長手方向に長孔(76)が開設されている。第2リンク片(75)の長孔(76)には、夫々第1リンク片(73)の前記スライド用軸(74)がスライド可能に嵌まっている。
【0047】
更に、第2リンク片(75)の先端には、図6に示すように、軸(75a)が突設されており、前記スライド用軸(74)との間にバネ(77)が張設されている。バネ(77)は、第2リンク片(75)を樹脂ナット(71)の方に向けて付勢し、第2リンク片(75)が無負荷の状態では、バネ(77)は、第2リンク片(75)を樹脂ナット(71)側に最も引き寄せた状態となっている。
【0048】
第2リンク片(75)の軸(75a)には、第3リンク片(78)が枢支されている。第3リンク片(78)は、中央で前方に向けて屈曲し、先端は前記クランク軸(62)に固定されて、第3リンク片(78)とクランク軸(62)は一体に回転する。
【0049】
樹脂ナット(71)がせり出し用ネジ軸(67)の上側に位置しているときには、第3リンク片(78)が第2リンク片(75)側に引き寄せられており、マッサージユニット(20)(メインシャーシ(21))は最も後傾した位置にある(図1及び図6参照)。
【0050】
この状態から、せり出し用ネジ軸(67)を回転させて、図7に示すように、樹脂ナット(71)を下側に移動させると(図7中矢印A方向)、樹脂ナット(71)の下方向への移動に伴って、第2リンク片(75)が第3リンク片(78)との枢支部を下向きに引っ張り、第3リンク片(78)がクランク軸(62)を中心として回転する。第3リンク片(78)とクランク軸(62)は固定されているため、クランク軸(62)は、第3リンク片(78)と共に一体回転する。
【0051】
クランク軸(62)の両端のクランクピン(64)(64)は、ローラ(65)(65)によってガイドレール(14)(14)に沿ってのみ移動可能であり、前後には移動しないから、クランク軸(62)の回転により、マッサージユニット(20)は、上下回転軸(24)を中心として傾動する。上下回転軸(24)は、マッサージユニット(20)の下方に設けられているから、図2に示すように、マッサージユニット(20)の傾動により、第1施療指(200)、第2施療指(300)を含む揺動レバー(100)(100)は前方にせり出す(図7中、矢印Bで示す)。
【0052】
図2の状態から、せり出し用ネジ軸(67)を逆回転させると、樹脂ナット(71)が上側に移動し、上記とは逆に、マッサージユニット(20)は後退し、上下の施療指(200)(300)を含む揺動レバー(100)は背凭れ(12)の内部に引き戻される(図1参照)。引き戻された状態では、背凭れ(12)上の被施療者に対して、第1施療指(200)の押圧子(202)のみが押圧可能な位置にある。
【0053】
せり出し用ネジ軸(67)の回転、即ち、せり出し用ネジ軸(67)に対する樹脂ナット(71)の位置を調節することによって、マッサージユニット(20)のせり出し量を調節できる。
【0054】
マッサージユニット(20)のせり出し量は、せり出し量検知手段(79)により検知することができる。せり出し量検知手段(79)として、例えば、図6に示すように、第3リンク片(78)に当接する可変抵抗器(79a)を配備し、該可変抵抗器(79a)によって、第3リンク片(78)の回転角度に伴う抵抗値の変化を測定すればよい。
【0055】
なお、クランク軸(62)も第3リンク片(78)と一体に回転するから、クランク軸(62)にせり出し量検知手段(79)を設けてもよい。
【0056】
椅子型マッサージ機のすべての制御は、図8に示す制御部(90)によって行なわれる。制御部(90)は、マッサージ機の適所に配置され、各モータ(26)(41)(51)(69)を制御する駆動回路(図示せず)や、マッサージプログラムを記憶したメモリ等を具える。以下に記載するマッサージ動作も、制御部(90)に記憶されたプログラムから実行される。
【0057】
次に本発明のマッサージ動作を説明する。
【0058】
図13に示す如く、マッサージユニット(20)を背凭れ(12)から前方にせり出させ、第1施療指(200)の押圧子(202)と第2施療指(300)の押圧子(302)との間が最大開いた状態で、第1施療指(200)が被施療者の肩の少し上方に位置し、第2施療指(300)は肩の背部に当たる様に、マッサージユニット(20)のせり出し量と、高さ位置を調節する。
【0059】
上記状態で揉みモータ(41)を駆動して揉み軸(40)を回転させる。
【0060】
両揺動レバー(100)は、前後、左右運動を加えながら、揉み軸(40)を中心に自由端を上下させる様に揺動する。揺動レバー(100)上の第1施療指(200)と第2施療指(300)も揺動するが、運動変換手段(400)であるロッド(402)は、揺動レバー(100)の自由端が上昇するときは、第1施療指(200)を後方に引っ張って、支軸(102)を中心に揺動レバー(100)に対して時計方向に回転させる。
【0061】
図14に示す如く、揺動レバー(100)の自由端が下降するときは、ロッド(402)が第1施療指(200)を前方に突っ張って、第1施療指(200)を支軸(102)を中心に揺動レバー(100)に対して反時計方向に回転させる。
【0062】
前記の如く、揺動レバー(100)の自由端が上昇位置の状態で、第1施療指(200)の押圧子(202)は高位置にあり、第2施療指(300)の押圧子(302)は後退位置にあって押圧子(202)(302)間の間隔が最大となり(図13参照)、揺動レバー(100)の自由端が下降位置の状態で、第1施療指(200)の押圧子(202)は低位置にあり、第2施療指(300)の押圧子(302)は前進位置にあるから、押圧子(202)(302)の開き間隔が最小となる(図14参照)。このため、揉み軸(40)が1回転すると、肩上の押圧子(202)と肩の背部の押圧子(302)が接近して離間する。
【0063】
両押圧子(202)(302)が接近するとき肩の筋肉が掴まれ、離間するとき掴みが解放される。この動作は、マッサージ師が肩を掴み揉みするときの動きと同様であって、従来のマッサージ機による叩き動作や、揉み動作では得られないマッサージ効果を得ることができる。
【0064】
特に本発明では、両押圧子(202)(302)の接近、離間の動きに、以下のようにマッサージユニット(20)の上下動の動きを加えて、一層効果的な掴み揉みマッサージが得られるようにしている。
【0065】
第1施療指(200)の押圧子(202)と、第2施療指(300)の押圧子(302)の間隔を最小にして、患部を掴んだ状態で、揉みモータ(41)を一旦停止し、上下用モータ(26)を駆動して、マッサージユニット(20)を2〜3cm上昇させる。即ち患部を掴み上げる。次に上下用モータ(26)を停止して掴み上げた状態を保持し、2〜3秒後に揉みモータ(41)を再起動させ、両押圧子(202)(302)の間隔を拡げて、掴み状態を解放する。そして上下用モータ(26)を逆方向に回転させて、マッサージユニット(20)を両押圧子(202)(302)の間隔が最も広くなって下降させ、元位置に戻す。そして再び両押圧子(202)(302)の間隔を狭めて患部を掴む動作を繰り返すことにより、患部を繰り返し掴み上げることができ、一層効果的な掴み揉みマッサージを実現できる。
【0066】
この説明では、両押圧子(202)(302)の間隔が最も狭くなってからマッサージユニット(20)を上昇させているが、両押圧子(202)(302)の間隔が狭くなりつつあるときにマッサージユニット(20)の上昇を開始しても良い。
【0067】
また両押圧子(202)(302)の間隔が最も狭くなったとき、マッサージユニット(20)を上昇させる代わりに、反対にマッサージユニット(20)を下降させれば、患部を掴んだ状態で、患部側へより力を加える指圧の効果も加味したマッサージができる。
【0068】
また両押圧子(202)(302)により患部を掴んだ状態で、マッサージユニット(20)を上下動させれば、掴み上げと指圧の両方を加味したマッサージが可能となる。
【0069】
その他、両押圧子(202)(302)の接近離間運動と、マッサージユニット(20)の上下動とを組み合わせることによって、変化に富んだ、マッサージ師が手指で揉むのに近い感触のマッサージが得れれる。
【0070】
実施例では、前記の如く、図15に示す如く、左右の揺動レバー(100)(100)の自由端間が最大開いたときも、図16に示す如く、最大閉じたときも、上側の第1施療指(200)の押圧子(202)の幅中心L1よりも、下側の第2施療指(300)の押圧子(302)の幅中心L2が内側に位置する。更に、上側の押圧子(202)の幅は、手指の第2指から第5指の指列の幅長さにほぼ対応し、下側の押圧子(302)の幅は、第1指の幅と同程度である。このため、マッサージ師が肩を揉むときに、下側の第1指の位置が、上側の第2指以下の指列の幅中心よりも内側に位置させて掴み揉みするのと同様の揉み感が得られる。
【0071】
実施例では、左右の揺動レバー(100)(100)間の自由端は、互いの間隔が最も狭まった状態(図16参照)から間隔を拡げながら上昇し、互いの間隔が最も拡がった状態(図15参照)から間隔を狭めながら下降するため、肩や首筋の外側から内側に向けて肩や首筋を掴んで、マッサージ師が手で肩や首筋を掴み揉みする様なマッサージ感を得ることができる。
【0072】
本発明の実施において、第1施療指(200)の押圧子(202)が被施療者に当たる押圧力を測定する体圧測定手段(92)をマッサージユニット(20)に具え、体圧測定手段(92)により測定された体圧に基づいて、第1、第2施療指(200)(300)の動作速度を調節することができる。
【0073】
体圧測定手段(92)として、例えば、前記構成において、第1リンク片(73)に対する第2リンク片(75)のスライド量は、第1施療指(200)に加わる力に対応しているため、図6に示すように、第2リンク片(75)のスライド量を可変抵抗器(79a)等により測定すればよい。施療指(200)(300)が被施療者の肩に当たると、第1施療指(200)は上向きの力を受け、その結果、バネ(77)の付勢力に抗して第2リンク片(75)が上方にスライドする。第2リンク片(75)のスライド量は、可変抵抗器(79a)により検出され、検出値から第1施療指(200)の押圧力を測定できる。
【0074】
例えば、第1施療指(200)の押圧力が大きいとき、第1施療指(200)は強く被施療者に当たっているから、揉みモータ(41)の回転速度を遅くして、第1施療指(200)と第2施療指(300)によってゆっくりと掴み揉みする制御を行なう。逆に、第1施療指(200)の押圧力が小さいときは、該施療指は被施療者にあまり強く当たっていないから、揉みモータ(41)の回転速度を速くすることが効果的である。
【0075】
更に、被施療者のマッサージ中における生理量の変化を測定する生理量測定手段(96)を具え、生理量測定手段(96)により測定された生理量に基づいて、揺動レバー(100)、即ち、第1施療指(200)と第2施療指(300)の動作速度を調節するようにしてもよい。生理量として、例えば、心拍数、呼吸数、皮膚の抵抗変化等を例示でき、公知の測定手段により測定することができる。
【0076】
生理量を測定し、例えば、被施療者がリラックスしていることが判った場合には、揺動レバー(100)を速い速度で揺動させ、第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間の動作を速く、緊張状態にある場合には揺動レバー(100)を遅く揺動させ、第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間の動作を遅くする。
【0077】
又、被施療者が椅子型マッサージ機の操作を行なうための操作部(98)(図8参照)に、揉みモータ(41)又は叩きモータ(51)の回転速度を手動で変えることができるボタンを配備し、該ボタンによって、被施療者が自分の好みに合わせて、手動で施療指(200)(300)による掴み速度を変えるようにしてもよい。
【0078】
実施例の場合、上記動作中、揉み軸(40)の1回転毎に、揺動レバー(100)(100)は接近(図16参照)と離間(図15参照)を繰り返すため、掴み揉みに加えて、肩を左右に擦すると共に被施療者の首を両側から挟んでマッサージする効果も奏することができる。
【0079】
マッサージユニット(20)を背凭れ(12)内に収容し、第1施療指(200)の押圧子(202)のみが、被施療者を押圧可能な状態にし、更に上下用モータ(26)をによって該押圧子(202)が、被施療者の、背中や腰の患部に位置する様に、マッサージユニット(20)の高さを調節する。叩きモータ(51)を駆動して叩き軸(50)を回転させる。揺動レバー(100)の後端は、叩き軸(50)上の偏心カム(53)(53)とロッド(55)にて枢支連結されているため、叩き軸(50)の回転毎に、揺動レバー(100)が一回前後に移動する。これが、被施療者の背中を叩くマッサージ動作となる。
【0080】
又、上下用モータ(26)を駆動してマッサージユニット(20)を昇降させることにより、押圧子(202)が被施療者に強く押し当てられた状態のローリングマッサージを施すことができる。
【0081】
又、第2施療指(300)上の押圧子(302)を、図3に示す扁平ローラ体(202a)の様に、角部のない被施療者にやさしい形状とすることにより、第1施療指(200)と第2施療指(300)の押圧子(202)(302)が同時に被施療者の背中に当たる様にしてもよいのは勿論である。
【0082】
上記実施例では、揺動レバー(100)(100)の基端が回転可能に嵌まった出力軸部(40a)(40a)は、揉み軸(40)上に互いに逆方向に傾斜し、且つ偏芯しており、揉み軸(40)の回転により揺動レバー(100)(100)を上下、前後、左右に揺動させ、この揺動によって第1施療指(200)と第2施療指(300)を接近離間運動させている。
【0083】
しかし、出力軸部(40a)(40a)は偏芯していなくても、傾斜しているだけでもよい。この場合、揺動レバー(100)は左右に揺動し、両揺動レバー(100)(100)の間隔が拡がったとき、図13の様に両第1、第2施療指(200)(300)の間隔が拡がる。両揺動レバー(100)(100)の間隔が狭くなったとき、図14に示す様に、両施療指(200)(300)の間隔は狭くなる。
【0084】
上記とは逆に、出力軸部(40a)(40a)は傾斜していなくて、偏芯しているだけでもよい。この場合、揺動レバー(100)は、上下、前後に移動し、上方且つ後方に揺動したとき、図13に示す様に、両施療指(200)(300)の間隔は拡がり、下方、且つ前方に揺動したときは、図14に示す様に、両施療指(200)(300)の間隔は狭くなる。
【0085】
又、上記実施例の構成によると、せり出し用モータ(69)によって、マッサージユニット(20)を前後に移動させるだけでも、第1施療指(200)と第2施療指(300)は接近離間運動する。
【0086】
図1に示す様に、マッサージユニット(20)が後方に位置しているときは、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔は拡がり、図2に示す如く、マッサージユニット(20)が前方へせり出した状態では、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔は狭まる。
【0087】
本発明は、要は、第1施療指(200)と第2施療指(300)が接近離間するような機構になっていればよく、第1施療指(200)を専用のモータで回動させるようにしてもよい。
【0088】
又、揉みモータ(41)とせり出し用モータ(69)を同時に駆動することにより、更には上下駆動用モータ(26)も含めて同時に駆動することにより、より複雑な運動が加わった掴みマッサージが可能となる。
【0089】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは範囲を縮減するよう解釈すべきではない。また本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】マッサージユニットを背凭れに収容した状態を示す断面図である。
【図2】マッサージユニットを前方にせり出した状態を示す断面図である。
【図3】マッサージユニットの背面図である。
【図4】マッサージユニットを右斜め後方から見た斜視図である。
【図5】マッサージユニットの要部を取り出して示す斜視図である。
【図6】マッサージユニットを左斜め後方から見た斜視図である。
【図7】マッサージユニットの要部を取り出して示す断面図である。
【図8】制御手段のブロック図である。
【図9】椅子型マッサージ機の概略斜面図である。
【図10】揺動レバー、第1施療指、第2施療指の分解斜視図である。
【図11】揺動レバー、第1施療指、第2施療指の組立斜視図である。
【図12】シャーシ上に、左右に一対の揺動レバーが配備された斜視図である。
【図13】第1実施例の第1施療指と第2施療指が開いた状態の側面図である。
【図14】同上の第1施療指と第2施療指が閉じた状態の側面図である。
【図15】第1実施例の左右の揺動レバーが開いた状態の平面図である。
【図16】同上の左右の揺動レバーが閉じた状態の平面図である。
【符号の説明】
【0091】
(12) 背凭れ
(20)マッサージユニット
(26) 上下用モータ(上下駆動手段)
(40)揉み軸
(41)揉みモータ
(50) 叩き軸
(90) 制御部
(100) 揺動レバー
(200) 第1施療指
(202) 押圧子
(300) 第2施療指
(302) 押圧子
(400) 運動変換手段
(401) 回動角度規制手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1施療指と第2施療指を接近離間させて、被施療者の肩を掴み揉みできるマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
第1施療指と、第2施療指が別個の駆動源によって駆動され、互いの協調動作(共同動作)によって被施療者の肩を揉むマッサージ機が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−313559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この特許文献に記載のマッサージ機は、第1施療指と第2施療指が単に接近したり離間するだけで、マッサージ師が手指で被施療者の肩を掴み揉みするのに比べて物足りなさは否定しがたいものであった。
【0004】
本発明の目的は、第1施療指と第2施療指が単に接近離間を繰り返すだけでなく、あたかもマッサージ師が手指で被施療者の肩を掴み揉みするような感触の得られる揉みマッサージが行えるマッサージ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために請求項1に記載のマッサージ機は、被施療者が腰掛ける座部(11)の後方に配備された背凭れ(12)と、上下駆動手段(26)により背凭れ(12)に沿って上下方向に往復移動可能に配備されるマッサージユニット(20)とを具えるマッサージ機において、マッサージユニット(20)は、シャーシ(21)上に揺動可能に配備された第1施療指(200)と、第1施療指(200)に対して接近離間する様に揺動可能に配備され第1施療指(200)と協調して被施療者の患部を掴み揉み可能な第2施療指(300)と、第1施療指(200)及び第2施療指(300)を揺動させる揺動駆動手段とを具え、前記上下駆動手段(26)と揺動駆動手段とを制御する制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させるものである。
【0006】
また請求項2に記載のマッサージ機は、請求項1において、前記揺動駆動手段は前記第1施療指(200)を揺動させ、第1施療指(200)の揺動に連動して第2施療指(300)が揺動するようにしたものである。
【0007】
また請求項3に記載のマッサージ機は、被施療者が腰掛ける座部(11)の後方に配備された背凭れ(12)と、上下駆動手段(26)により背凭れ(12)に沿って上下方向に往復移動可能に配備されるマッサージユニット(20)とを具えるマッサージ機において、マッサージユニット(20)は、シャーシ(21)上に揺動可能に配備された左右一対の揺動レバー(100)と、この揺動レバー(100)の夫々に、被施療者の患部を掴み揉みする様に互いに接近離間可能に配備された第1施療指(200)と第2施療指(300) と、揺動レバー(100)の揺動動作を第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間運動に変換する運動変換手段(400)と、揺動レバー(100)を揺動させる揺動駆動手段を具え、前記上下駆動手段(26)と揺動駆動手段とを制御する制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させるものである。
【0008】
また請求項4に記載のマッサージ機は、請求項1や請求項3において、前記制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が狭まったときマッサージユニット(20)を所定距離上昇させるものである。
【0009】
また請求項5に記載のマッサージ機は、請求項1や請求項3において、前記制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が広がったときマッサージユニット(20)を所定距離下降させるものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明のマッサージ機によれば、第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させるものであるので、第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間の動作に、上下の動きが加わるので、マッサージ師の手指の動きに近い動きを得ることが可能になり、効果のある揉みマッサージを得ることができる。
【0011】
請求項2の発明のマッサージ機によれば、揺動駆動手段により第1施療指(200)を揺動すれば、第2施療指(300)はそれに連動して揺動するため、第2施療指(300)を揺動するための別個の駆動源は不要であり、構成の簡素化と製造コストを抑えることができる。
【0012】
請求項3の発明のマッサージ機によれば、第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させるものであるので、第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間の動作に、上下の動きが加わるので、マッサージ師の手指の動きに近い動きを得ることが可能になり、効果のある揉みマッサージを得ることができる。また、第1施療指(200)と第2施療指(300)の動作の駆動源は、揺動レバー(100)の揺動動作であるから、第1施療指(200)と第2施療指(300)を動作させるために、個別の駆動源は不要であり、構成の簡素化と製造コストを抑えることができる。
【0013】
請求項4の発明のマッサージ機によれば、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が狭まって患部を掴んだときに、マッサージユニット(20)を所定距離上昇させて患部を掴み上げることができるので、一層効果的な揉みマッサージが可能になる。
【0014】
請求項5の発明のマッサージ機によれば、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が広がって患部を解放したときに、マッサージユニット(20)を所定距離下降させて患部を広範囲に掴み上げる態勢をとることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
上記マッサージ動作を行なうことのできるマッサージ機について、一例を挙げて説明する。
【0016】
椅子型マッサージ機は、図9に示す如く、被施療者が腰掛ける座部(11)の後端に、背凭れ(12)をフレーム等で傾動自在且つ位置決め可能に連結し、背凭れ(12)にマッサージユニット(20)を背凭れ(12)中央部に開設した開口に沿って上下移動可能に配備したものである。マッサージユニット(20)は、背凭れ(12)に被さった当て布やクッション等(図示せず)にて覆われているが、後記する様にマッサージユニット(20)が、背凭れ(12)の内側から外側にせり出すことに支障はない。
【0017】
以下の説明において、「前」はマッサージユニットが被施療者に向かう側、「後」は被施療者から離れる側をいう。又、「左」はマッサージ機に向かって左側を、「右」はマッサージ機に向かって右側をいう。
【0018】
又、以下に説明するマッサージユニット(20)は、左右に配備した一対の揺動レバー(100)上の夫々に第1施療指(200)と第2施療指(300)を配備し、左右の第1施療指(200)(200)及び第2施療指(300)(300)を接近離間させて被施療者の患部を左右から挟む様に揉む動作、主に第1施療指(200)(200)で患部を叩く動作、及びこれらを複合した動作が可能であるが、これらは付加的な動作であって、発明の要点は、第1施療指(200)と第2施療指(300)によって、肩や首筋を掴む様に揉む動作ができる点である。
【0019】
背凭れ(12)の内部には、図1及び図2に示すように、左右一対のガイドレール(14)が上下方向に平行に配備されている。各ガイドレール(14)(14)は、横断面コ字状であり溝が対向するように配置される。溝の開口縁にラック(16)が刻設されており(図3参照)、ガイドレール(14)(14)には、マッサージユニット(20)が昇降可能に取り付けられている。
【0020】
マッサージユニット(20)は、図1乃至図3に示すように、メインシャーシ(21)の上下部に突設した4つのローラ(23)(23)(65)(65)がガイドレール(14)(14)に嵌まり、昇降可能となっている。メインシャーシ(21)には、マッサージユニット(20)のすべての構成部品が搭載される。メインシャーシ(21)の中央には、図3及び図4に示すように、間隔を開けて2枚の補助シャーシ(22)(22)が縦向きに固定されている。
【0021】
補助シャーシ(22)(22)の下部には、上下用回転軸(24)が回転可能に水平に軸受され、回転軸(24)の両端には、左右のガイドレール(14)まで延びて、夫々の軸端には、ガイドレール(14)に嵌まって転動する下側ローラ(23)及び、ガイドレール(14)の開口縁に形成された前記ラック(16)と噛合するギア(25)を具えている。
【0022】
メインシャーシ(21)には、上下駆動手段となる上下用モータ(26)が搭載され、該上下用モータ(26)の出力軸は減速手段(27)を介して前記上下用回転軸(24)に連繋している。上下用モータ(26)は、上下用回転軸(24)を回転駆動してギア(25)を回転させ、ガイドレール(14)に沿ってマッサージユニット(20)を昇降させる。
【0023】
図3乃至図5に示すように、補助シャーシ(22)(22)の略中央に軸支された揉み軸(40)と、該揉み軸(40)の下方に支持された叩き軸(50)に跨って連繋配備された左右一対の揺動レバー(100)の夫々に、第1施療指(200)と第2施療指(300)が配備されている。揉み軸(40)及び叩き軸(50)は、メインシャーシ(21)に搭載された揉みモータ(41)、叩きモータ(51)に減速手段(42)(52)を介して連繋されている。
【0024】
揺動レバー(100)の基部は、図4、図5、図10に示すように、揉み軸(40)上に形成され互いに逆方向に傾斜し且つ偏芯した2箇所の出力軸部(40a)(40a)に回転可能に嵌まって支持されている。揺動レバー(100)の自由端(前端)側は、メインシャーシ(21)の前面に開設された窓孔(21a)から前方に向けて、外拡がりに屈曲して突出している。揺動レバー(100)の自由端は下向き屈曲している。
【0025】
図10に示す如く、揺動レバー(100)は後端がロッド(55)(55)によって、後記する叩き軸(50)上の偏心カム(53)に連繋され、揉み軸(40)を中心とする回動、即ち、揺動レバー(100)自由端の上下及び左右の揺動幅が規制されている。
【0026】
図10乃至図12に示す如く、揺動レバー(100)の自由端の上部に第1施療指(200)、下部に第2施療指(300)が、夫々揺動レバー(100)の揺動面と沿う面内で回動可能に配備されている。
【0027】
第1施療指(200)は、第1回動レバー(201)と、該レバーの自由端に内向きに突設した押圧子(202)とによって構成される。第1回動レバー(201)は、揺動レバー(100)に突設した支軸(102)に回動可能に支持され、押圧子(202)を揺動レバー(100)よりも前方に位置させている。
【0028】
第2施療指(300)は、バー状の第2回動レバー(301)と、該レバーの一端に内側に突設された押圧子(302)とによって構成される。第2回動レバー(301)は略中央部が、揺動レバー(100)の前側下端に突設されたピン(103)に、押圧子(302)を下側にして回転可能に嵌まっている。
【0029】
第2回動レバー(301)の上部には該レバーの長手方向に延びる、溝状、長孔状等の凹条(303)が開設され、該凹条(303)に第1回動レバー(201)に突設したピン(203)がスライド可能に嵌まっている。2つの押圧子(202)(302)の間に、被施療者の肩の筋肉を挟むことが十分に余裕をもって可能な間隔が形成される。
【0030】
第1施療指(200)の押圧子(202)は、図3に示す様に、扁平ローラ体(202a)を回転可能に第1回動レバー(201)に枢支してもよいが、図10に示す如く、幅広ローラ体(202b)を横向きにして第1回動レバー(201)に回転可能に枢支した方が、マッサージ師の手指の第2指から第5指迄の幅間隔に近い揉み感が得られる。
【0031】
第2施療指(300)は、マッサージ師の第1指による揉み感に近づけるため、第2回動レバー(301)の先端を内側に少し隆起させて、第1指の幅程度に形成すればよい。
【0032】
実施例では、図15に示す如く、揺動レバー(100)(100)の自由端間が最大開いたとき(このとき揺動レバーの自由端は最上位の位置にある)も、図16に示す如く、最大閉じたとき(このとき揺動レバーの自由端は最下位の位置にある)も、上側の第1施療指(200)の押圧子(202)の幅中心L1よりも、下側の第2施療指(300)の押圧子(302)の幅中心L2が内側に位置する様に押圧子(202)(302)の大きさ及び、後記する揺動レバー(100)の左右の振れ幅が決められている。これは、マッサージ師が肩を揉むとき、下側の第1指の位置が、上側の第2指以下の指列の幅中心よりも内側に位置することに鑑み、マッサージ師の揉み感に近づけるためである。
【0033】
第1施療指(200)には、揺動レバー(100)に対する第1施療指(200)の相対的な回動角度範囲を規制する回動角度規制手段(401)が連繋される。実施例の回動角度規制手段(401)は、第1回動レバー(201)の後部上端と、メインシャーシ(21)とを、ロッド(402)で枢支連結したものである。第1回動レバー(201)とメインシャーシ(21)に突設したロッド受け部(204)(82)に、上記ロッド(402)の両端の球状部が回転及び傾動可能に嵌まって自在継手を構成している。
【0034】
図14に示す如く、左右の揺動レバー(100)(100)の自由端が互いの間隔を狭めながら下降するとき、ロッド(402)は第1施療指(200)を突っ張って、第1施療指(200)を支軸(102)を中心に揺動レバー(100)に対して反時計方向に回転させる。このとき、第1施療指(200)上のピン(203)が第2施療指(300)を押して、第2施療指(300)をピン(103)を中心に時計方向に回転させる。図14の状態で、第1施療指(200)の押圧子(202)は最低位置に達し、第2施療指(300)の押圧子(302)は最大前進し、両押圧子(202)(302)間の開き間隔は最小となる。この最小間隔は、被施療者の肩の筋肉を適度に掴むことの出来る間隔である。
【0035】
図13に示す如く、左右の揺動レバー(100)(100)が自由端が互いの間隔を拡げながら上昇するとき、ロッド(402)は第1施療指(200)を後方に引っ張って、第1施療指(200)を支軸(102)を中心に揺動レバー(100)に対して時計方向に回転させる。このとき、第1施療指(200)上のピン(203)が第2施療指(300)を押して、ピン(103)を中心に反時計方向に回転させる。図13の状態で、第1施療指(200)の押圧子(202)は最高位置に達し、第2施療指(300)の押圧子(302)は最大後退し、両押圧子(202)(302)間の開き間隔は最大となる。この最大間隔は、被施療者の肩の掴みを少し余裕のある状態に解除できる間隔である。
【0036】
前記の如く、揺動レバー(100)(100)は前方へ外拡がりの状態で、且つ偏芯して揉み軸(40)に取り付けられ、前記ロッド(55)によって回転が阻止されているから、揉み軸(40)を一方向に連続回転させると、揺動レバー(100)(100)の自由端が左右、上下、前後に動く。これにより、第1施療指(200)及び第2施療指(300)も左右に揺動し被施療者の患部を擦る様な揉み動作が、上記第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間運動と複合して行なわれる。
【0037】
図15に示す如く、左右の第1施療指(200)(200)が最大開いた状態で、第1施療指(200)(200)は被施療者の肩から首にかけて位置し、図16に示す如く、左右の第1施療指(200)(200)が最大接近した状態で、被施療者の首を少し押圧できる。
【0038】
叩き軸(50)には、図4及び図5に示すように、互いに位相が180度ずれた偏心カム(53)(53)が枢支されており、両偏心カム(53)(53)は、自在継手(54)(54)とロッド(55)(55)を介して揺動レバー(100)(100)の揉み軸(40)側後端に連結されている。
【0039】
叩きモータ(51)を一方向に連続回転させると、叩き軸(50)に偏心して連繋されたロッド(55)(55)を介して、揺動レバー(100)(100)が前記揉み軸(40)を中心に先端を大きく上下に振る様に揺動し、主に第1施療指(200)で叩きマッサージを施す。揉み軸(40)と叩き軸(50)を同時に回転させると、揺動レバー(100)は、前後ストローク、上下ストローク、左右ストロークの動きが複合した往復移動を繰り返す。
【0040】
上記マッサージユニット(20)には、マッサージユニット(20)を図1及び図2に示すように、前後に移動させるせり出し機構(60)が配備される。せり出し機構(60)として、以下のクランク機構(61)及びリンク機構(70)からなる構成を例示できる。
【0041】
クランク機構(61)は、図5及び図6に示すように、揉み軸(40)の前方に配備されたクランク軸(62)と、上側のローラ(65)(65)(図6参照)が回転自在に嵌められたクランクピン(64)(64)(図5参照)とを、クランクアーム(63)(63)により接続して構成される。クランクピン(64)(64)は、クランク軸(62)に対して偏心しているため、クランク軸(62)を回転させると、クランクピン(64)(64)がクランク軸(62)を中心として周軌道を描く。なお、図示の実施例では、クランク軸(62)、クランクアーム(63)(63)及びクランクピン(64)(64)は、1本の金属棒から構成しており、図5に示すように、クランク軸(62)(62)を軸受(62a)(62a)によってメインシャーシ(21)に軸支している。
【0042】
補助シャーシ(22)には、図3に示すように、上下に軸受(22b)(22b)を具える支持片(22a)(22a)が突設されており、軸受(22b)(22b)には、図3、図4及び図6に示すように、せり出し用ネジ軸(67)が枢支されている。該ネジ軸(67)の上端は、プーリやベルトからなる減速手段(68)を介してせり出し用モータ(69)に連繋されている。
【0043】
せり出し用ネジ軸(67)にはナット(71)が螺合している。ナット(71)は樹脂製とすることができ、樹脂ナット(71)には、図6及び図7に示すようにリンク機構(70)が接続されている。リンク機構(70)は、リンク片(72)とリンク片(78)から構成することができる。
【0044】
尚、以下では、リンク片(72)は、長手方向に伸縮可能となるように相互にスライド可能に連繋された第1リンク片(73)と第2リンク片(75)から構成した例について説明する。
【0045】
第1リンク片(73)は、前後方向に傾動可能に樹脂ナット(71)に枢支されており、第1リンク片(73)の基端側近傍には、スライド用軸(74)が突設されている。
【0046】
第2リンク片(75)は、第1リンク片(73)を両側から挟み込む一対の部材から構成され、夫々長手方向に長孔(76)が開設されている。第2リンク片(75)の長孔(76)には、夫々第1リンク片(73)の前記スライド用軸(74)がスライド可能に嵌まっている。
【0047】
更に、第2リンク片(75)の先端には、図6に示すように、軸(75a)が突設されており、前記スライド用軸(74)との間にバネ(77)が張設されている。バネ(77)は、第2リンク片(75)を樹脂ナット(71)の方に向けて付勢し、第2リンク片(75)が無負荷の状態では、バネ(77)は、第2リンク片(75)を樹脂ナット(71)側に最も引き寄せた状態となっている。
【0048】
第2リンク片(75)の軸(75a)には、第3リンク片(78)が枢支されている。第3リンク片(78)は、中央で前方に向けて屈曲し、先端は前記クランク軸(62)に固定されて、第3リンク片(78)とクランク軸(62)は一体に回転する。
【0049】
樹脂ナット(71)がせり出し用ネジ軸(67)の上側に位置しているときには、第3リンク片(78)が第2リンク片(75)側に引き寄せられており、マッサージユニット(20)(メインシャーシ(21))は最も後傾した位置にある(図1及び図6参照)。
【0050】
この状態から、せり出し用ネジ軸(67)を回転させて、図7に示すように、樹脂ナット(71)を下側に移動させると(図7中矢印A方向)、樹脂ナット(71)の下方向への移動に伴って、第2リンク片(75)が第3リンク片(78)との枢支部を下向きに引っ張り、第3リンク片(78)がクランク軸(62)を中心として回転する。第3リンク片(78)とクランク軸(62)は固定されているため、クランク軸(62)は、第3リンク片(78)と共に一体回転する。
【0051】
クランク軸(62)の両端のクランクピン(64)(64)は、ローラ(65)(65)によってガイドレール(14)(14)に沿ってのみ移動可能であり、前後には移動しないから、クランク軸(62)の回転により、マッサージユニット(20)は、上下回転軸(24)を中心として傾動する。上下回転軸(24)は、マッサージユニット(20)の下方に設けられているから、図2に示すように、マッサージユニット(20)の傾動により、第1施療指(200)、第2施療指(300)を含む揺動レバー(100)(100)は前方にせり出す(図7中、矢印Bで示す)。
【0052】
図2の状態から、せり出し用ネジ軸(67)を逆回転させると、樹脂ナット(71)が上側に移動し、上記とは逆に、マッサージユニット(20)は後退し、上下の施療指(200)(300)を含む揺動レバー(100)は背凭れ(12)の内部に引き戻される(図1参照)。引き戻された状態では、背凭れ(12)上の被施療者に対して、第1施療指(200)の押圧子(202)のみが押圧可能な位置にある。
【0053】
せり出し用ネジ軸(67)の回転、即ち、せり出し用ネジ軸(67)に対する樹脂ナット(71)の位置を調節することによって、マッサージユニット(20)のせり出し量を調節できる。
【0054】
マッサージユニット(20)のせり出し量は、せり出し量検知手段(79)により検知することができる。せり出し量検知手段(79)として、例えば、図6に示すように、第3リンク片(78)に当接する可変抵抗器(79a)を配備し、該可変抵抗器(79a)によって、第3リンク片(78)の回転角度に伴う抵抗値の変化を測定すればよい。
【0055】
なお、クランク軸(62)も第3リンク片(78)と一体に回転するから、クランク軸(62)にせり出し量検知手段(79)を設けてもよい。
【0056】
椅子型マッサージ機のすべての制御は、図8に示す制御部(90)によって行なわれる。制御部(90)は、マッサージ機の適所に配置され、各モータ(26)(41)(51)(69)を制御する駆動回路(図示せず)や、マッサージプログラムを記憶したメモリ等を具える。以下に記載するマッサージ動作も、制御部(90)に記憶されたプログラムから実行される。
【0057】
次に本発明のマッサージ動作を説明する。
【0058】
図13に示す如く、マッサージユニット(20)を背凭れ(12)から前方にせり出させ、第1施療指(200)の押圧子(202)と第2施療指(300)の押圧子(302)との間が最大開いた状態で、第1施療指(200)が被施療者の肩の少し上方に位置し、第2施療指(300)は肩の背部に当たる様に、マッサージユニット(20)のせり出し量と、高さ位置を調節する。
【0059】
上記状態で揉みモータ(41)を駆動して揉み軸(40)を回転させる。
【0060】
両揺動レバー(100)は、前後、左右運動を加えながら、揉み軸(40)を中心に自由端を上下させる様に揺動する。揺動レバー(100)上の第1施療指(200)と第2施療指(300)も揺動するが、運動変換手段(400)であるロッド(402)は、揺動レバー(100)の自由端が上昇するときは、第1施療指(200)を後方に引っ張って、支軸(102)を中心に揺動レバー(100)に対して時計方向に回転させる。
【0061】
図14に示す如く、揺動レバー(100)の自由端が下降するときは、ロッド(402)が第1施療指(200)を前方に突っ張って、第1施療指(200)を支軸(102)を中心に揺動レバー(100)に対して反時計方向に回転させる。
【0062】
前記の如く、揺動レバー(100)の自由端が上昇位置の状態で、第1施療指(200)の押圧子(202)は高位置にあり、第2施療指(300)の押圧子(302)は後退位置にあって押圧子(202)(302)間の間隔が最大となり(図13参照)、揺動レバー(100)の自由端が下降位置の状態で、第1施療指(200)の押圧子(202)は低位置にあり、第2施療指(300)の押圧子(302)は前進位置にあるから、押圧子(202)(302)の開き間隔が最小となる(図14参照)。このため、揉み軸(40)が1回転すると、肩上の押圧子(202)と肩の背部の押圧子(302)が接近して離間する。
【0063】
両押圧子(202)(302)が接近するとき肩の筋肉が掴まれ、離間するとき掴みが解放される。この動作は、マッサージ師が肩を掴み揉みするときの動きと同様であって、従来のマッサージ機による叩き動作や、揉み動作では得られないマッサージ効果を得ることができる。
【0064】
特に本発明では、両押圧子(202)(302)の接近、離間の動きに、以下のようにマッサージユニット(20)の上下動の動きを加えて、一層効果的な掴み揉みマッサージが得られるようにしている。
【0065】
第1施療指(200)の押圧子(202)と、第2施療指(300)の押圧子(302)の間隔を最小にして、患部を掴んだ状態で、揉みモータ(41)を一旦停止し、上下用モータ(26)を駆動して、マッサージユニット(20)を2〜3cm上昇させる。即ち患部を掴み上げる。次に上下用モータ(26)を停止して掴み上げた状態を保持し、2〜3秒後に揉みモータ(41)を再起動させ、両押圧子(202)(302)の間隔を拡げて、掴み状態を解放する。そして上下用モータ(26)を逆方向に回転させて、マッサージユニット(20)を両押圧子(202)(302)の間隔が最も広くなって下降させ、元位置に戻す。そして再び両押圧子(202)(302)の間隔を狭めて患部を掴む動作を繰り返すことにより、患部を繰り返し掴み上げることができ、一層効果的な掴み揉みマッサージを実現できる。
【0066】
この説明では、両押圧子(202)(302)の間隔が最も狭くなってからマッサージユニット(20)を上昇させているが、両押圧子(202)(302)の間隔が狭くなりつつあるときにマッサージユニット(20)の上昇を開始しても良い。
【0067】
また両押圧子(202)(302)の間隔が最も狭くなったとき、マッサージユニット(20)を上昇させる代わりに、反対にマッサージユニット(20)を下降させれば、患部を掴んだ状態で、患部側へより力を加える指圧の効果も加味したマッサージができる。
【0068】
また両押圧子(202)(302)により患部を掴んだ状態で、マッサージユニット(20)を上下動させれば、掴み上げと指圧の両方を加味したマッサージが可能となる。
【0069】
その他、両押圧子(202)(302)の接近離間運動と、マッサージユニット(20)の上下動とを組み合わせることによって、変化に富んだ、マッサージ師が手指で揉むのに近い感触のマッサージが得れれる。
【0070】
実施例では、前記の如く、図15に示す如く、左右の揺動レバー(100)(100)の自由端間が最大開いたときも、図16に示す如く、最大閉じたときも、上側の第1施療指(200)の押圧子(202)の幅中心L1よりも、下側の第2施療指(300)の押圧子(302)の幅中心L2が内側に位置する。更に、上側の押圧子(202)の幅は、手指の第2指から第5指の指列の幅長さにほぼ対応し、下側の押圧子(302)の幅は、第1指の幅と同程度である。このため、マッサージ師が肩を揉むときに、下側の第1指の位置が、上側の第2指以下の指列の幅中心よりも内側に位置させて掴み揉みするのと同様の揉み感が得られる。
【0071】
実施例では、左右の揺動レバー(100)(100)間の自由端は、互いの間隔が最も狭まった状態(図16参照)から間隔を拡げながら上昇し、互いの間隔が最も拡がった状態(図15参照)から間隔を狭めながら下降するため、肩や首筋の外側から内側に向けて肩や首筋を掴んで、マッサージ師が手で肩や首筋を掴み揉みする様なマッサージ感を得ることができる。
【0072】
本発明の実施において、第1施療指(200)の押圧子(202)が被施療者に当たる押圧力を測定する体圧測定手段(92)をマッサージユニット(20)に具え、体圧測定手段(92)により測定された体圧に基づいて、第1、第2施療指(200)(300)の動作速度を調節することができる。
【0073】
体圧測定手段(92)として、例えば、前記構成において、第1リンク片(73)に対する第2リンク片(75)のスライド量は、第1施療指(200)に加わる力に対応しているため、図6に示すように、第2リンク片(75)のスライド量を可変抵抗器(79a)等により測定すればよい。施療指(200)(300)が被施療者の肩に当たると、第1施療指(200)は上向きの力を受け、その結果、バネ(77)の付勢力に抗して第2リンク片(75)が上方にスライドする。第2リンク片(75)のスライド量は、可変抵抗器(79a)により検出され、検出値から第1施療指(200)の押圧力を測定できる。
【0074】
例えば、第1施療指(200)の押圧力が大きいとき、第1施療指(200)は強く被施療者に当たっているから、揉みモータ(41)の回転速度を遅くして、第1施療指(200)と第2施療指(300)によってゆっくりと掴み揉みする制御を行なう。逆に、第1施療指(200)の押圧力が小さいときは、該施療指は被施療者にあまり強く当たっていないから、揉みモータ(41)の回転速度を速くすることが効果的である。
【0075】
更に、被施療者のマッサージ中における生理量の変化を測定する生理量測定手段(96)を具え、生理量測定手段(96)により測定された生理量に基づいて、揺動レバー(100)、即ち、第1施療指(200)と第2施療指(300)の動作速度を調節するようにしてもよい。生理量として、例えば、心拍数、呼吸数、皮膚の抵抗変化等を例示でき、公知の測定手段により測定することができる。
【0076】
生理量を測定し、例えば、被施療者がリラックスしていることが判った場合には、揺動レバー(100)を速い速度で揺動させ、第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間の動作を速く、緊張状態にある場合には揺動レバー(100)を遅く揺動させ、第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間の動作を遅くする。
【0077】
又、被施療者が椅子型マッサージ機の操作を行なうための操作部(98)(図8参照)に、揉みモータ(41)又は叩きモータ(51)の回転速度を手動で変えることができるボタンを配備し、該ボタンによって、被施療者が自分の好みに合わせて、手動で施療指(200)(300)による掴み速度を変えるようにしてもよい。
【0078】
実施例の場合、上記動作中、揉み軸(40)の1回転毎に、揺動レバー(100)(100)は接近(図16参照)と離間(図15参照)を繰り返すため、掴み揉みに加えて、肩を左右に擦すると共に被施療者の首を両側から挟んでマッサージする効果も奏することができる。
【0079】
マッサージユニット(20)を背凭れ(12)内に収容し、第1施療指(200)の押圧子(202)のみが、被施療者を押圧可能な状態にし、更に上下用モータ(26)をによって該押圧子(202)が、被施療者の、背中や腰の患部に位置する様に、マッサージユニット(20)の高さを調節する。叩きモータ(51)を駆動して叩き軸(50)を回転させる。揺動レバー(100)の後端は、叩き軸(50)上の偏心カム(53)(53)とロッド(55)にて枢支連結されているため、叩き軸(50)の回転毎に、揺動レバー(100)が一回前後に移動する。これが、被施療者の背中を叩くマッサージ動作となる。
【0080】
又、上下用モータ(26)を駆動してマッサージユニット(20)を昇降させることにより、押圧子(202)が被施療者に強く押し当てられた状態のローリングマッサージを施すことができる。
【0081】
又、第2施療指(300)上の押圧子(302)を、図3に示す扁平ローラ体(202a)の様に、角部のない被施療者にやさしい形状とすることにより、第1施療指(200)と第2施療指(300)の押圧子(202)(302)が同時に被施療者の背中に当たる様にしてもよいのは勿論である。
【0082】
上記実施例では、揺動レバー(100)(100)の基端が回転可能に嵌まった出力軸部(40a)(40a)は、揉み軸(40)上に互いに逆方向に傾斜し、且つ偏芯しており、揉み軸(40)の回転により揺動レバー(100)(100)を上下、前後、左右に揺動させ、この揺動によって第1施療指(200)と第2施療指(300)を接近離間運動させている。
【0083】
しかし、出力軸部(40a)(40a)は偏芯していなくても、傾斜しているだけでもよい。この場合、揺動レバー(100)は左右に揺動し、両揺動レバー(100)(100)の間隔が拡がったとき、図13の様に両第1、第2施療指(200)(300)の間隔が拡がる。両揺動レバー(100)(100)の間隔が狭くなったとき、図14に示す様に、両施療指(200)(300)の間隔は狭くなる。
【0084】
上記とは逆に、出力軸部(40a)(40a)は傾斜していなくて、偏芯しているだけでもよい。この場合、揺動レバー(100)は、上下、前後に移動し、上方且つ後方に揺動したとき、図13に示す様に、両施療指(200)(300)の間隔は拡がり、下方、且つ前方に揺動したときは、図14に示す様に、両施療指(200)(300)の間隔は狭くなる。
【0085】
又、上記実施例の構成によると、せり出し用モータ(69)によって、マッサージユニット(20)を前後に移動させるだけでも、第1施療指(200)と第2施療指(300)は接近離間運動する。
【0086】
図1に示す様に、マッサージユニット(20)が後方に位置しているときは、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔は拡がり、図2に示す如く、マッサージユニット(20)が前方へせり出した状態では、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔は狭まる。
【0087】
本発明は、要は、第1施療指(200)と第2施療指(300)が接近離間するような機構になっていればよく、第1施療指(200)を専用のモータで回動させるようにしてもよい。
【0088】
又、揉みモータ(41)とせり出し用モータ(69)を同時に駆動することにより、更には上下駆動用モータ(26)も含めて同時に駆動することにより、より複雑な運動が加わった掴みマッサージが可能となる。
【0089】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは範囲を縮減するよう解釈すべきではない。また本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】マッサージユニットを背凭れに収容した状態を示す断面図である。
【図2】マッサージユニットを前方にせり出した状態を示す断面図である。
【図3】マッサージユニットの背面図である。
【図4】マッサージユニットを右斜め後方から見た斜視図である。
【図5】マッサージユニットの要部を取り出して示す斜視図である。
【図6】マッサージユニットを左斜め後方から見た斜視図である。
【図7】マッサージユニットの要部を取り出して示す断面図である。
【図8】制御手段のブロック図である。
【図9】椅子型マッサージ機の概略斜面図である。
【図10】揺動レバー、第1施療指、第2施療指の分解斜視図である。
【図11】揺動レバー、第1施療指、第2施療指の組立斜視図である。
【図12】シャーシ上に、左右に一対の揺動レバーが配備された斜視図である。
【図13】第1実施例の第1施療指と第2施療指が開いた状態の側面図である。
【図14】同上の第1施療指と第2施療指が閉じた状態の側面図である。
【図15】第1実施例の左右の揺動レバーが開いた状態の平面図である。
【図16】同上の左右の揺動レバーが閉じた状態の平面図である。
【符号の説明】
【0091】
(12) 背凭れ
(20)マッサージユニット
(26) 上下用モータ(上下駆動手段)
(40)揉み軸
(41)揉みモータ
(50) 叩き軸
(90) 制御部
(100) 揺動レバー
(200) 第1施療指
(202) 押圧子
(300) 第2施療指
(302) 押圧子
(400) 運動変換手段
(401) 回動角度規制手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者が腰掛ける座部(11)の後方に配備された背凭れ(12)と、上下駆動手段(26)により前記背凭れ(12)に沿って上下方向に往復移動可能に配備されるマッサージユニット(20)とを具えるマッサージ機において、
マッサージユニット(20)は、シャーシ(21)上に揺動可能に配備された第1施療指(200)と、該第1施療指(200)に対して接近離間する様に揺動可能に配備され第1施療指(200)と協調して被施療者の患部を掴み揉み可能な第2施療指(300)と、第1施療指(200)及び第2施療指(300)を揺動させる揺動駆動手段とを具え、前記上下駆動手段(26)と揺動駆動手段とを制御する制御部(90)は、前記第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記揺動駆動手段は前記第1施療指(200)を揺動させ、第1施療指(200)の揺動に連動して第2施療指(300)が揺動するようにした請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
被施療者が腰掛ける座部(11)の後方に配備された背凭れ(12)と、上下駆動手段(26)により前記背凭れ(12)に沿って上下方向に往復移動可能に配備されるマッサージユニット(20)とを具えるマッサージ機において、
マッサージユニット(20)は、シャーシ(21)上に揺動可能に配備された左右一対の揺動レバー(100)と、該揺動レバー(100)の夫々に、被施療者の患部を掴み揉みする様に互いに接近離間可能に配備された第1施療指(200)と第2施療指(300) と、揺動レバー(100)の揺動動作を第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間運動に変換する運動変換手段(400)と、揺動レバー(100)を揺動させる揺動駆動手段を具え、前記上下駆動手段(26)と揺動駆動手段とを制御する制御部(90)は、前記第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
前記制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が狭まったときマッサージユニット(20)を所定距離上昇させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が広がったときマッサージユニット(20)を所定距離下降させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項1】
被施療者が腰掛ける座部(11)の後方に配備された背凭れ(12)と、上下駆動手段(26)により前記背凭れ(12)に沿って上下方向に往復移動可能に配備されるマッサージユニット(20)とを具えるマッサージ機において、
マッサージユニット(20)は、シャーシ(21)上に揺動可能に配備された第1施療指(200)と、該第1施療指(200)に対して接近離間する様に揺動可能に配備され第1施療指(200)と協調して被施療者の患部を掴み揉み可能な第2施療指(300)と、第1施療指(200)及び第2施療指(300)を揺動させる揺動駆動手段とを具え、前記上下駆動手段(26)と揺動駆動手段とを制御する制御部(90)は、前記第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記揺動駆動手段は前記第1施療指(200)を揺動させ、第1施療指(200)の揺動に連動して第2施療指(300)が揺動するようにした請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
被施療者が腰掛ける座部(11)の後方に配備された背凭れ(12)と、上下駆動手段(26)により前記背凭れ(12)に沿って上下方向に往復移動可能に配備されるマッサージユニット(20)とを具えるマッサージ機において、
マッサージユニット(20)は、シャーシ(21)上に揺動可能に配備された左右一対の揺動レバー(100)と、該揺動レバー(100)の夫々に、被施療者の患部を掴み揉みする様に互いに接近離間可能に配備された第1施療指(200)と第2施療指(300) と、揺動レバー(100)の揺動動作を第1施療指(200)と第2施療指(300)の接近離間運動に変換する運動変換手段(400)と、揺動レバー(100)を揺動させる揺動駆動手段を具え、前記上下駆動手段(26)と揺動駆動手段とを制御する制御部(90)は、前記第1施療指(200)と第2施療指(300)との接近離間状態に応じて、上下駆動手段(26)を駆動してマッサージユニット(20)を上下動させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
前記制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が狭まったときマッサージユニット(20)を所定距離上昇させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記制御部(90)は、第1施療指(200)と第2施療指(300)の間隔が広がったときマッサージユニット(20)を所定距離下降させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−6662(P2006−6662A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188871(P2004−188871)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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