マッサージ機
【課題】簡単な構成でかつ、任意の方向へ移動することをできる施療子を有するマッサージ機を提供する。
【解決手段】基体に載置され、頂部に一体的に設けられた施療子1を移動させる移動部材2と、前記移動部材2の前記基体に対向する周縁部と前記基体との間に移動部材2の全体にわたって所定間隔で配置されるN個(N≧3、Nは整数)の駆動用エアバック3と、前記駆動用エアバック3に空気を供給するポンプ5と、前記ポンプ5を制御して前記N個の駆動用エアバック3のそれぞれを膨張・収縮させることにより前記施療子1の移動方向を変化させる移動方向制御手段とを、備えるようにした。
【解決手段】基体に載置され、頂部に一体的に設けられた施療子1を移動させる移動部材2と、前記移動部材2の前記基体に対向する周縁部と前記基体との間に移動部材2の全体にわたって所定間隔で配置されるN個(N≧3、Nは整数)の駆動用エアバック3と、前記駆動用エアバック3に空気を供給するポンプ5と、前記ポンプ5を制御して前記N個の駆動用エアバック3のそれぞれを膨張・収縮させることにより前記施療子1の移動方向を変化させる移動方向制御手段とを、備えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施療子の駆動制御により被施療体のマッサージを行うマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマッサージ機として、例えば、特許文献1に、施療子がある一方向に傾きながら被施療体に押圧し、この施療子を回転台に取付けてこの回転台の回転により施療子が人体の様々な施療部位の様々な方向に押圧可能なエアマッサージ機が開示されている。
【特許文献1】特開2003−93457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したように、特許文献1に開示されているマッサージ機では、被施療体に任意の方向に押圧するために施療子を回転台により回転させるという複雑な機構が設けられている。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成でかつ、任意の方向へ移動することをできる施療子を有するマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基体に載置され、頂部に一体的に設けられた施療子を移動させる移動部材と、前記移動部材の前記基体に対向する周縁部と前記基体との間に移動部材の全体にわたって所定間隔で配置されるN個(N≧3、Nは整数)の駆動用エアバックと、前記駆動用エアバックに空気を供給するポンプと、前記ポンプを制御して前記N個の駆動用エアバックのそれぞれを膨張・収縮させることにより前記施療子の移動方向を変化させる移動方向制御手段とを、備えるようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明により被施療体を簡単な構成で任意の方向の施療をすることができるマッサージ機を供することができきる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明のマッサージ機の第1の実施の形態について図1乃至図9を用いて説明する。図1はマッサージ機全体の機能ブロック図、図2は、マッサージ機の基本構成を示す図、図3はマッサージ機の施療子駆動機構を示す図、図4はマッサージ機の第一の動作の状態図、図5はマッサージ機の第二の状態の状態図、図6はマッサージ機の第3の状態の状態図、図7乃至図9は第1の実施の形態における動作の具体例のフローチャートである。
【0008】
図1において、マッサージ機を制御する制御部10はマッサージ機の各種の動作モードを実行させるプログラムが格納されている。また操作部11は動作モードを選択する選択ボタン(図示しない。)が設けられている。また、ポンプ駆動回路5aは、ポンプ5を駆動しマッサージ機の施療子1を移動させる移動部材、例えばエアバッグ2および駆動用エアバッグ3に空気を供給する。また、制御弁を制御するための5つの制御弁制御回路4m2,4a2,4b2,4c2および4d2が設けられている。
【0009】
次に本発明のマッサージ機の基本構成を図2および図3に示す。人体の施療部の被施療体等に押圧する施療子1が取り付けられている移動部材として、例えば、メインエアバック2が弾性部材8を介して(マッサージ機の)基体7に取り付けられている。なお、弾性部材8をメインエアバグ2と基体7の間に配置して駆動用エアバッグ3によるメインエアバッグ2の変位を弾性的に支持することにより、マッサージ機の動作をより安定にさせることができる。
【0010】
このメインエアバッグ2は、空気の供給・排気によりその容積を変化させ、基体7に支持されて施療子1を一定方向に移動させる構成になっている。なお、マッサージ機は、必ずしも基体7に取り付けられることは要しない。このマッサージ機を基体7に載置しても動作可能だからである。
【0011】
次に、上記した施療子1の移動方向を所望の方向に移動制御を行う移動方向制御手段を構成する駆動用エアバッグ3がメインエアバック2の基体側の周辺部との間に設けられている。なお、本実施の形態では駆動用エアバック3a,3b,3cおよび3dの4つが設けられている。例えば、メインエアバッグ2全体にわたって略等間隔で配置され、これらのいずれかの容積を増加させた場合にメインエアバッグ2の一部を押し上げるような位置に配置されている。また、これらの駆動用エアバッグ3は、少なくとも3個以上配置される。メインエアバッグ2を安定して支持できないからである。また、これらの駆動用エアバッグ3の個数については被施療体やマッサージの目的等により適宜選択され、またこれらのサイズも適宜設計的に決定される。
【0012】
次にマッサージ機の本発明に関する部分の具体的な構成について説明する。図2に示すように、メインエアバッグ2と駆動用エアバッグ3のそれぞれは、ビニールチューブ等の給排気管9を介してポンプ5に接続されている。また、これらの給排気管9の経路中に、メインエアバッグ2には制御弁4mが、また4個の駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dのそれぞれには制御弁4a、4b、4cおよび4dが設けられている。これらの制御弁4m,4a,4b,4cおよび4dが、制御部10からの駆動信号により制御弁制御回路4m2,4a2,4b2,4c2および4d2からの制御信号により制御弁が給気状態、閉止状態および排気状態のいずれかに選択制御されて、メインエアバッグ2および駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dの空気の給気・排気が行われ、施療子1の移動方向が変化する。つまり、制御部10、制御弁4m〜4dおよび制御弁制御回路4m2〜4d2とで、施療子1の移動方向を変化させる移動方向制御手段を構成する。
【0013】
なお、施療子1は、ゴムなどの弾性部材が用いられ、メインエアバッグ2や駆動用エアバッグ3は、その性質上、気密性を有する軟質材料等を2枚重ねた状態で、その周縁部を熱シール等によりシールされた袋状の形状に作製される。具体的な軟質材料として、例えば表地がナイロンシートで、これに貼り合わされた裏地がポリウレタンシートからなる軟質な材料が採用される。また、裏地は表地よりも厚く形成されるのが好ましい。また、ポンプは、エアコンプレッサーでありメインエアバッグ2および駆動用エアバッグ3に空気を供給する。
【0014】
次に、上記したマッサージ機の動作の具体例について図4乃至図9を用いて説明する。
【0015】
[第1の動作の具体例]
第1の動作の具体例として、施療子1を被施療体に上方に押付ける動作をさせる場合(第1の動作モード)について図4と図7のフローチャートを用いて説明する。まず、操作部11(図1参照)の選択ボタン(図示せず。)により選択された動作モードが第1の動作モードか否かを判断する(ステップS1)。選択された動作モードの信号が第1の動作モードであると判断されると制御部10は、入力された信号に基づいて格納されているプログラムが読み出して駆動用エアバッグの制御弁4a,4b,4cおよび4dを制御弁制御回路4a2,4b2,4c2および4d2を介してそれぞれの制御弁を開閉制御し空気の給気・排気を行うとともに閉止状態の制御をする。
【0016】
まず、制御部10は、制御弁4a,4b,4cおよび4dを給気状態に制御して、t1秒間を作動させ駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dのそれぞれの全容積の30%程度の空気が供給する(ステップS2)。その後、それぞれの制御弁を閉止状態になるように制御しそれぞれの容積を維持する(ステップS3)。この時には制御部10は、メインエアバッグ2の制御弁4mを閉止状態になるように制御し、ポンプからの給排気は行わない。この状態は図4に示す「状態1」である。
【0017】
次に、制御部10は、メインエアバック2の制御弁4mを給気状態になるように制御し、制御弁をt2秒間作動させてポンプ5からの空気をメインエアバッグ2の容積100%供給して施療子1を被施療体の押付け動作を行う(ステップS4)。制御弁4mを閉止状態になるように制御しt3秒間この動作を維持する(ステップS5)。この状態は図4に示す「状態2」である。その後、メインエアバッグ2の制御弁制御回路4m2により制御弁4mをt4秒間制御して排気(開放)動作を行い(ステップS6)一連の動作モードが終了する。また、メインエアバッグ2の動作モードを繰返し行われるように指定されているか否かを判断する(ステップS7)。繰り返し行われているように指定されている場合(ステップS7のY)は、ステップS7の終了後、ステップS5に戻り、同じ動作モードが繰り返される。上記の一連の動作は図4に示すように状態1から状態2に変化させて矢印の方向に施療子1を被施療子体に押つける動作を行う。
【0018】
なお、上記t1〜t4の作動時間は、動作させるポンプの空気の供給圧力を所定値にしてエアバッグの所定の容積となる給・排気時間などを予備実験等で決定される。なお、以下に示す第2の動作および第3の動作の具体例における制御弁の作動時間t5〜t15も同様に決定される。また、メインエアバック2と駆動用エアバック3a,3b,3cおよび3dを同時に給気させたり、メインエアバック2を先に給気開始させてもよい。
【0019】
[第2の動作の具体例]
第2の動作の具体例として、施療子1を所定方向に傾けて被施療体に斜めに押付ける動作モードを動作させる場合(第2の動作モード)について図5およびフローチャート図8を用いて説明する。
【0020】
上記第1の動作の具体例は、駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dのすべてを一様にそれぞれの容積を変化させて施療子1を上方向に移動させる場合について示した。これに対して第2の動作の具体例は、制御部10は、4つの駆動エアバッグ3のうち、隣合う駆動用エアバック3aと3bにはそれぞれの全体の容積の30%程度になるように給気するように制御をし、駆動用エアバック3cおよび3dにはそれぞれの全体容積の100%になるように給気するように制御をする。この制御によってメインエアバック2は駆動用エアバック3aと3bの中間方向に傾けくとともに上方に押し上がる方向に動作する。それ以外の第2の動作は、第1の動作と同様である。
【0021】
以下、第2の動作の具体例について、第1の動作の具体例と異なるところのみを説明する。まず第2の動作モードが選択されたか否かを判断する(ステップS8)。ステップS8において第2の動作モードが選択された場合(ステップS8のY)制御弁4aおよび4bを制御して、それぞれの全容積の30%になるようにt5秒間作動させる。また同時に制御弁4cおよび4dを制御してそれぞれの全容積の100%になるようにt6秒間作動させる(ステップS9)。その後、制御弁4aおよび4bを作動させてその状態を維持する。また同時に制御弁4cおよび4dを作動させてその状態を維持する(ステップS10)。この状態が図5の状態1に相当する。ステップS11乃至ステップS14については第1の動作の具体例と同様であるので説明を省略する。図5の状態2はステップS11のときである。
【0022】
[第3の動作の具体例]
第3の具体例として施療子1を上方に押しつけた状態から所定方向に移動させる場合(第3の動作モード)について第3の状態を示す図6および図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0023】
第3の動作モードは、「状態1」(図6参照)になるようにメインエアバッグ2の容積の100%となるように給気し、同時に駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dをそれぞれの容積の30%給気し施療子1を被施療体に対して上方の押しつけ動作を行う。その後、駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dについてそれぞれの制御弁を制御して空気を給気して「状態2」(図6参照)に示すように施療子1を矢印の方向になるように移動制御を行う。
【0024】
以下、第3の動作の具体例について説明する。まず第3の動作モードが選択されたか否かを判断する(ステップS15)。第3の動作モードが選択されたと判断したならば(ステップS15のY)、メインエアバッグ2の制御弁4mをt10秒間作動させてその容積の100%のなるように給気する。同時に制御弁4a,4b,4c,4dをt11秒間作動させてそれぞれの容積の30%になるように給気する(ステップ16)。以上の状態は、図6に示す「状態1」に対応する。ステップS16においてメインエアバックと駆動用エアバックとの給気制御を同時に行って説明したが、順番を決めて制御してもよい。その後制御弁4aをt12秒間作動させ駆動用エアバック3aの容積が10%になるように排気するとともに同時に施療子1に対して駆動用エアバック3aと反対側に配置されている駆動用エアバック3cに対応する制御弁4cをt13秒間動作させ駆動用エアバック3cの容積が100%になるように給気する(ステップS17)。ステップS17において制御弁4mに対しては閉止の制御を行っている。また、ステップS17において給気と排気を同時に行わせているが、順番を決めて制御させてもよい。以上の状態は、図6に示す「状態2」に対応する。
【0025】
次に、動作継続か否かを判断する(ステップS18)。動作継続と判断した場合(ステップS18のY)、制御弁4aをt14秒間作動させて駆動用エアバック3aの容積の100%になるように給気する。同時に制御弁4cをt15秒間作動させて駆動用エアバック3cの容積の10%になるように排気する(ステップ19)。その後ステップS17に戻る。
【0026】
なお、本発明のマッサージ機の動作モードについて第1から第3の具体例を例示したが、これらに限定されるものではなく施療子1を駆動したい方向にあわせて、駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dおよびメインエアバッグ2を選択し、かつ、それぞれのエアバッグの空気の充填率を変化させれば、様々な方向および力で施療子1を被施療体に押し付ける駆動をさせることができる。また、エアバッグの膨張を膨張・収縮される給排気手段の順番も上記に示したものに限らない。
【0027】
このように本発明によるマッサージ機は、被施療体(マッサージ対象)に対し施療子を真っ直ぐ押し付けることや斜めに押し付けること、押し当てながらある方向に動かすことなど様々な駆動が可能である。また、施療子の押圧方向を変えるためにメカ式の回転台などを用いないため、部品点数を少なくすることができ安価で軽量な製品を提供できる。
【0028】
次に、第2の実施の形態のマッサージ機の基本構成を図10に示し、図10におけるA−A断面を図11に示す。図10に示す3角錐の形状からなるメインエアバッグ12は、第1の実施の形態におけるメインエアバッグ1(図2参照)の相当するものである。メインエアバッグ12には、第1の実施の形態と同様にその頂点には施療子1が設けられている。また、メインエアバッグ12の底面部と基体7の間であって底面部の頂点部位付近の3ケ所のそれぞれに駆動用エアバッグ3e、3fおよび3gがこれらのいずれかが膨張した場合にメインエアバッグ1の一部を押し上げるような位置に配置されている。なお、第1の実施の形態では制御弁制御回路は5つ示したが、第2の実施の形態では駆動用エアバックが3つであるので、駆動弁制御回路は4つになる。
【0029】
このようにメインエアバッグ12の形状を角錐状にすることにより第1の実施の形態で示したような円盤状の形状のエアバッグ2に比べて容積を小さくすることができる。その結果、施療子1を駆動する場合に一定のストロークを移動させるためのメインエアバッグ12の容積変化を円盤状の場合に比べて小さくすることができる。その結果、メインエアバッグの給気・排気を少なくすることができるので同じポンプ能力の場合は施療子1の駆動速度を速めることができる。なお、上記した実施の形態は、三角錐の形状をしたメインエアバッグ12について例示したが、3角錐以上の多角錐の形状で実施は可能であるが、三角錐の場合が多角錐の内で最も容積が小さいので同じポンプ能力であれば施療子の駆動速度が最も速くすることができる。
【0030】
次に、第3の実施の形態のマッサージ機について説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態と異なる部分のみを説明し、それ以外の構成については第1に実施の形態におけるのと同じ構成の符号は、同じ符号を用い説明は省略する。
【0031】
第3の実施の形態は、マッサージ機が第1の実施の形態のマッサージ機におけるメインエアバック2と駆動用エアバッグ3が一体的に形成された場合に関するものである。メインエアバッグ20と駆動用エアバッグ21が一体的に形成された部材の上面図を図12に示す。また、その図12のA−A断面の構造を図13に示す。メインエアバッグ20は、樹脂シートのような軟質材料で扁平な袋状に形成されたものであり、その周縁部の下方の基体7に対向する部位にメインエアバッグ20と同様な軟質材料で扁平な袋状に形成された駆動用エアバッグ21が一体的に形成されている。このメインエアバッグ20と駆動用エアバッグ21は、メインエアバッグ20の周縁部に設けられた耳部と駆動用エアバッグの周縁部とが固着されてこれらが一体になっている。
【0032】
また、駆動用エアバッグ21には、袋状に形成している上部と下部のそれぞれのシートが図12の破線で示している部位で固着されて仕切部31が形成されている。この仕切部31は、駆動用エアバッグ21の中心付近から周縁部に向かう放射状に形成されている。このように仕切部31によって、駆動用エアバッグ21は、21a、21b、21cおよび21dの4個に分割される。
【0033】
このように形成されたメインエアバッグ20および駆動用エアバッグ21以外の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0034】
次に上記したメインエアバッグ20および駆動用エアバッグ21の部材の制作方法について説明する。まず、図14(A)および(B)に示すようにシート20aとシート20aより外径の小さいシート20bを重ねて外縁部に耳部25を残すように一点鎖線30の部位で熱シールにより固着させて扁平状のエアバッグ20を形成する。また図14(C)および(D)に示すように円形のシート40aおよび40bを重ねて外周部および図に占示す一点鎖線の部位を熱シールのより周縁部および中心付近から外縁部の方向に放射状に固着させて仕切部31を形成することにより駆動用エアバッグを構成する部屋21a、21b、21cおよび21dを形成する。
【0035】
次にメインエアバッグ20の耳部25と駆動用エアバッグの周縁部50とを熱シール等により固着させて図(E)に示すようにメインエアバッグ20と駆動用エアバッグ21とが一体的に形成されている部材が完成する。ここで、上記したシート材料として、例えば表地がナイロンシートで、これに貼り合わされた裏地がポリウレタンシートからなる軟質な袋体材料等が使用される。また、前記熱シールは、前記裏地同志を接触させた状態で高周波溶着機を用いて、前記裏地同志を接触させた状態で高周波溶着機を用いて加圧下において高周波振動を熱シール予定部に与えることにより、前記裏地の接触部分を溶かして接着される。このようにメインエアバッグ20と駆動用エアバッグ21が一体的な構造となっているので、マッサージ機の構造が簡単になり、また、組立ても容易になる。
【0036】
上記の実施の形態は、本発明のマッサージ機についてメインエアバッグ2および駆動用エアバッグ3を主要構成として施療子1の移動を行う場合について例示した。上記のメインエアバッグ2を用いた場合は、施療子1の被施療に対する移動方向を変化させる機能のほか、さらに被施療体を一定方向に押圧する機能を併せて発揮することができる。
【0037】
なお、図15に示すように、例えば、扁平なプラスチック容器で形成された移動部材100とその頂部に施療子1を設けて、その移動部材100の基体7に対する面の周縁部の全体に駆動エアバッグ3を所定間隔で配置した場合であっても、駆動エアバッグ3の容積を膨張・収縮させることにより施療子1の移動方向を制御することができる。この時基体7と移動部材100との間に弾性体8を設けておけば、移動部材100が駆動用エアバック3の給気状態に応じて弾性体8が変形するので、移動部材100はプラスティックのような固体を用いても対応できる。このように、駆動用エアバッグ3は、施療子1の移動方向を制御する移動方向制御手段を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のマッサージ機の全体を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるマッサージ機の施療子周辺の構成を示す図である。
【図3】図2のA−A断面を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における施療子の第1の状態を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における施療子の第2の状態を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における施療子の第3の状態を説明する図である。
【図7】本発明のマッサージ機を第1の動作の具体例のフローチャートを示す図である。
【図8】本発明のマッサージ機を第2の動作の具体例のフローチャートを示す図である。
【図9】本発明のマッサージ機を第3の動作の具体例のフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるマッサージ機の構成を示す図である。
【図11】図7のA−A断面を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるメインエアバックと駆動用エアバッグを示す上面図である。
【図13】図10のA−A断面を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態におけるメインエアバックと駆動用エアバッグを作製する方法を示す図である。
【図15】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 施療子
2 メインエアバッグ(第1の実施の形態)
3 駆動用エアバッグ
4 制御弁
5 ポンプ
6 駆動制御部
7 基体
10 制御部
11 操作部
12 メインエアバッグ(第2の実施の形態)
20 メインエアバッグ(第3の実施の形態)
【技術分野】
【0001】
本発明は、施療子の駆動制御により被施療体のマッサージを行うマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマッサージ機として、例えば、特許文献1に、施療子がある一方向に傾きながら被施療体に押圧し、この施療子を回転台に取付けてこの回転台の回転により施療子が人体の様々な施療部位の様々な方向に押圧可能なエアマッサージ機が開示されている。
【特許文献1】特開2003−93457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したように、特許文献1に開示されているマッサージ機では、被施療体に任意の方向に押圧するために施療子を回転台により回転させるという複雑な機構が設けられている。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成でかつ、任意の方向へ移動することをできる施療子を有するマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基体に載置され、頂部に一体的に設けられた施療子を移動させる移動部材と、前記移動部材の前記基体に対向する周縁部と前記基体との間に移動部材の全体にわたって所定間隔で配置されるN個(N≧3、Nは整数)の駆動用エアバックと、前記駆動用エアバックに空気を供給するポンプと、前記ポンプを制御して前記N個の駆動用エアバックのそれぞれを膨張・収縮させることにより前記施療子の移動方向を変化させる移動方向制御手段とを、備えるようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明により被施療体を簡単な構成で任意の方向の施療をすることができるマッサージ機を供することができきる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明のマッサージ機の第1の実施の形態について図1乃至図9を用いて説明する。図1はマッサージ機全体の機能ブロック図、図2は、マッサージ機の基本構成を示す図、図3はマッサージ機の施療子駆動機構を示す図、図4はマッサージ機の第一の動作の状態図、図5はマッサージ機の第二の状態の状態図、図6はマッサージ機の第3の状態の状態図、図7乃至図9は第1の実施の形態における動作の具体例のフローチャートである。
【0008】
図1において、マッサージ機を制御する制御部10はマッサージ機の各種の動作モードを実行させるプログラムが格納されている。また操作部11は動作モードを選択する選択ボタン(図示しない。)が設けられている。また、ポンプ駆動回路5aは、ポンプ5を駆動しマッサージ機の施療子1を移動させる移動部材、例えばエアバッグ2および駆動用エアバッグ3に空気を供給する。また、制御弁を制御するための5つの制御弁制御回路4m2,4a2,4b2,4c2および4d2が設けられている。
【0009】
次に本発明のマッサージ機の基本構成を図2および図3に示す。人体の施療部の被施療体等に押圧する施療子1が取り付けられている移動部材として、例えば、メインエアバック2が弾性部材8を介して(マッサージ機の)基体7に取り付けられている。なお、弾性部材8をメインエアバグ2と基体7の間に配置して駆動用エアバッグ3によるメインエアバッグ2の変位を弾性的に支持することにより、マッサージ機の動作をより安定にさせることができる。
【0010】
このメインエアバッグ2は、空気の供給・排気によりその容積を変化させ、基体7に支持されて施療子1を一定方向に移動させる構成になっている。なお、マッサージ機は、必ずしも基体7に取り付けられることは要しない。このマッサージ機を基体7に載置しても動作可能だからである。
【0011】
次に、上記した施療子1の移動方向を所望の方向に移動制御を行う移動方向制御手段を構成する駆動用エアバッグ3がメインエアバック2の基体側の周辺部との間に設けられている。なお、本実施の形態では駆動用エアバック3a,3b,3cおよび3dの4つが設けられている。例えば、メインエアバッグ2全体にわたって略等間隔で配置され、これらのいずれかの容積を増加させた場合にメインエアバッグ2の一部を押し上げるような位置に配置されている。また、これらの駆動用エアバッグ3は、少なくとも3個以上配置される。メインエアバッグ2を安定して支持できないからである。また、これらの駆動用エアバッグ3の個数については被施療体やマッサージの目的等により適宜選択され、またこれらのサイズも適宜設計的に決定される。
【0012】
次にマッサージ機の本発明に関する部分の具体的な構成について説明する。図2に示すように、メインエアバッグ2と駆動用エアバッグ3のそれぞれは、ビニールチューブ等の給排気管9を介してポンプ5に接続されている。また、これらの給排気管9の経路中に、メインエアバッグ2には制御弁4mが、また4個の駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dのそれぞれには制御弁4a、4b、4cおよび4dが設けられている。これらの制御弁4m,4a,4b,4cおよび4dが、制御部10からの駆動信号により制御弁制御回路4m2,4a2,4b2,4c2および4d2からの制御信号により制御弁が給気状態、閉止状態および排気状態のいずれかに選択制御されて、メインエアバッグ2および駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dの空気の給気・排気が行われ、施療子1の移動方向が変化する。つまり、制御部10、制御弁4m〜4dおよび制御弁制御回路4m2〜4d2とで、施療子1の移動方向を変化させる移動方向制御手段を構成する。
【0013】
なお、施療子1は、ゴムなどの弾性部材が用いられ、メインエアバッグ2や駆動用エアバッグ3は、その性質上、気密性を有する軟質材料等を2枚重ねた状態で、その周縁部を熱シール等によりシールされた袋状の形状に作製される。具体的な軟質材料として、例えば表地がナイロンシートで、これに貼り合わされた裏地がポリウレタンシートからなる軟質な材料が採用される。また、裏地は表地よりも厚く形成されるのが好ましい。また、ポンプは、エアコンプレッサーでありメインエアバッグ2および駆動用エアバッグ3に空気を供給する。
【0014】
次に、上記したマッサージ機の動作の具体例について図4乃至図9を用いて説明する。
【0015】
[第1の動作の具体例]
第1の動作の具体例として、施療子1を被施療体に上方に押付ける動作をさせる場合(第1の動作モード)について図4と図7のフローチャートを用いて説明する。まず、操作部11(図1参照)の選択ボタン(図示せず。)により選択された動作モードが第1の動作モードか否かを判断する(ステップS1)。選択された動作モードの信号が第1の動作モードであると判断されると制御部10は、入力された信号に基づいて格納されているプログラムが読み出して駆動用エアバッグの制御弁4a,4b,4cおよび4dを制御弁制御回路4a2,4b2,4c2および4d2を介してそれぞれの制御弁を開閉制御し空気の給気・排気を行うとともに閉止状態の制御をする。
【0016】
まず、制御部10は、制御弁4a,4b,4cおよび4dを給気状態に制御して、t1秒間を作動させ駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dのそれぞれの全容積の30%程度の空気が供給する(ステップS2)。その後、それぞれの制御弁を閉止状態になるように制御しそれぞれの容積を維持する(ステップS3)。この時には制御部10は、メインエアバッグ2の制御弁4mを閉止状態になるように制御し、ポンプからの給排気は行わない。この状態は図4に示す「状態1」である。
【0017】
次に、制御部10は、メインエアバック2の制御弁4mを給気状態になるように制御し、制御弁をt2秒間作動させてポンプ5からの空気をメインエアバッグ2の容積100%供給して施療子1を被施療体の押付け動作を行う(ステップS4)。制御弁4mを閉止状態になるように制御しt3秒間この動作を維持する(ステップS5)。この状態は図4に示す「状態2」である。その後、メインエアバッグ2の制御弁制御回路4m2により制御弁4mをt4秒間制御して排気(開放)動作を行い(ステップS6)一連の動作モードが終了する。また、メインエアバッグ2の動作モードを繰返し行われるように指定されているか否かを判断する(ステップS7)。繰り返し行われているように指定されている場合(ステップS7のY)は、ステップS7の終了後、ステップS5に戻り、同じ動作モードが繰り返される。上記の一連の動作は図4に示すように状態1から状態2に変化させて矢印の方向に施療子1を被施療子体に押つける動作を行う。
【0018】
なお、上記t1〜t4の作動時間は、動作させるポンプの空気の供給圧力を所定値にしてエアバッグの所定の容積となる給・排気時間などを予備実験等で決定される。なお、以下に示す第2の動作および第3の動作の具体例における制御弁の作動時間t5〜t15も同様に決定される。また、メインエアバック2と駆動用エアバック3a,3b,3cおよび3dを同時に給気させたり、メインエアバック2を先に給気開始させてもよい。
【0019】
[第2の動作の具体例]
第2の動作の具体例として、施療子1を所定方向に傾けて被施療体に斜めに押付ける動作モードを動作させる場合(第2の動作モード)について図5およびフローチャート図8を用いて説明する。
【0020】
上記第1の動作の具体例は、駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dのすべてを一様にそれぞれの容積を変化させて施療子1を上方向に移動させる場合について示した。これに対して第2の動作の具体例は、制御部10は、4つの駆動エアバッグ3のうち、隣合う駆動用エアバック3aと3bにはそれぞれの全体の容積の30%程度になるように給気するように制御をし、駆動用エアバック3cおよび3dにはそれぞれの全体容積の100%になるように給気するように制御をする。この制御によってメインエアバック2は駆動用エアバック3aと3bの中間方向に傾けくとともに上方に押し上がる方向に動作する。それ以外の第2の動作は、第1の動作と同様である。
【0021】
以下、第2の動作の具体例について、第1の動作の具体例と異なるところのみを説明する。まず第2の動作モードが選択されたか否かを判断する(ステップS8)。ステップS8において第2の動作モードが選択された場合(ステップS8のY)制御弁4aおよび4bを制御して、それぞれの全容積の30%になるようにt5秒間作動させる。また同時に制御弁4cおよび4dを制御してそれぞれの全容積の100%になるようにt6秒間作動させる(ステップS9)。その後、制御弁4aおよび4bを作動させてその状態を維持する。また同時に制御弁4cおよび4dを作動させてその状態を維持する(ステップS10)。この状態が図5の状態1に相当する。ステップS11乃至ステップS14については第1の動作の具体例と同様であるので説明を省略する。図5の状態2はステップS11のときである。
【0022】
[第3の動作の具体例]
第3の具体例として施療子1を上方に押しつけた状態から所定方向に移動させる場合(第3の動作モード)について第3の状態を示す図6および図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0023】
第3の動作モードは、「状態1」(図6参照)になるようにメインエアバッグ2の容積の100%となるように給気し、同時に駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dをそれぞれの容積の30%給気し施療子1を被施療体に対して上方の押しつけ動作を行う。その後、駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dについてそれぞれの制御弁を制御して空気を給気して「状態2」(図6参照)に示すように施療子1を矢印の方向になるように移動制御を行う。
【0024】
以下、第3の動作の具体例について説明する。まず第3の動作モードが選択されたか否かを判断する(ステップS15)。第3の動作モードが選択されたと判断したならば(ステップS15のY)、メインエアバッグ2の制御弁4mをt10秒間作動させてその容積の100%のなるように給気する。同時に制御弁4a,4b,4c,4dをt11秒間作動させてそれぞれの容積の30%になるように給気する(ステップ16)。以上の状態は、図6に示す「状態1」に対応する。ステップS16においてメインエアバックと駆動用エアバックとの給気制御を同時に行って説明したが、順番を決めて制御してもよい。その後制御弁4aをt12秒間作動させ駆動用エアバック3aの容積が10%になるように排気するとともに同時に施療子1に対して駆動用エアバック3aと反対側に配置されている駆動用エアバック3cに対応する制御弁4cをt13秒間動作させ駆動用エアバック3cの容積が100%になるように給気する(ステップS17)。ステップS17において制御弁4mに対しては閉止の制御を行っている。また、ステップS17において給気と排気を同時に行わせているが、順番を決めて制御させてもよい。以上の状態は、図6に示す「状態2」に対応する。
【0025】
次に、動作継続か否かを判断する(ステップS18)。動作継続と判断した場合(ステップS18のY)、制御弁4aをt14秒間作動させて駆動用エアバック3aの容積の100%になるように給気する。同時に制御弁4cをt15秒間作動させて駆動用エアバック3cの容積の10%になるように排気する(ステップ19)。その後ステップS17に戻る。
【0026】
なお、本発明のマッサージ機の動作モードについて第1から第3の具体例を例示したが、これらに限定されるものではなく施療子1を駆動したい方向にあわせて、駆動用エアバッグ3a、3b、3cおよび3dおよびメインエアバッグ2を選択し、かつ、それぞれのエアバッグの空気の充填率を変化させれば、様々な方向および力で施療子1を被施療体に押し付ける駆動をさせることができる。また、エアバッグの膨張を膨張・収縮される給排気手段の順番も上記に示したものに限らない。
【0027】
このように本発明によるマッサージ機は、被施療体(マッサージ対象)に対し施療子を真っ直ぐ押し付けることや斜めに押し付けること、押し当てながらある方向に動かすことなど様々な駆動が可能である。また、施療子の押圧方向を変えるためにメカ式の回転台などを用いないため、部品点数を少なくすることができ安価で軽量な製品を提供できる。
【0028】
次に、第2の実施の形態のマッサージ機の基本構成を図10に示し、図10におけるA−A断面を図11に示す。図10に示す3角錐の形状からなるメインエアバッグ12は、第1の実施の形態におけるメインエアバッグ1(図2参照)の相当するものである。メインエアバッグ12には、第1の実施の形態と同様にその頂点には施療子1が設けられている。また、メインエアバッグ12の底面部と基体7の間であって底面部の頂点部位付近の3ケ所のそれぞれに駆動用エアバッグ3e、3fおよび3gがこれらのいずれかが膨張した場合にメインエアバッグ1の一部を押し上げるような位置に配置されている。なお、第1の実施の形態では制御弁制御回路は5つ示したが、第2の実施の形態では駆動用エアバックが3つであるので、駆動弁制御回路は4つになる。
【0029】
このようにメインエアバッグ12の形状を角錐状にすることにより第1の実施の形態で示したような円盤状の形状のエアバッグ2に比べて容積を小さくすることができる。その結果、施療子1を駆動する場合に一定のストロークを移動させるためのメインエアバッグ12の容積変化を円盤状の場合に比べて小さくすることができる。その結果、メインエアバッグの給気・排気を少なくすることができるので同じポンプ能力の場合は施療子1の駆動速度を速めることができる。なお、上記した実施の形態は、三角錐の形状をしたメインエアバッグ12について例示したが、3角錐以上の多角錐の形状で実施は可能であるが、三角錐の場合が多角錐の内で最も容積が小さいので同じポンプ能力であれば施療子の駆動速度が最も速くすることができる。
【0030】
次に、第3の実施の形態のマッサージ機について説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態と異なる部分のみを説明し、それ以外の構成については第1に実施の形態におけるのと同じ構成の符号は、同じ符号を用い説明は省略する。
【0031】
第3の実施の形態は、マッサージ機が第1の実施の形態のマッサージ機におけるメインエアバック2と駆動用エアバッグ3が一体的に形成された場合に関するものである。メインエアバッグ20と駆動用エアバッグ21が一体的に形成された部材の上面図を図12に示す。また、その図12のA−A断面の構造を図13に示す。メインエアバッグ20は、樹脂シートのような軟質材料で扁平な袋状に形成されたものであり、その周縁部の下方の基体7に対向する部位にメインエアバッグ20と同様な軟質材料で扁平な袋状に形成された駆動用エアバッグ21が一体的に形成されている。このメインエアバッグ20と駆動用エアバッグ21は、メインエアバッグ20の周縁部に設けられた耳部と駆動用エアバッグの周縁部とが固着されてこれらが一体になっている。
【0032】
また、駆動用エアバッグ21には、袋状に形成している上部と下部のそれぞれのシートが図12の破線で示している部位で固着されて仕切部31が形成されている。この仕切部31は、駆動用エアバッグ21の中心付近から周縁部に向かう放射状に形成されている。このように仕切部31によって、駆動用エアバッグ21は、21a、21b、21cおよび21dの4個に分割される。
【0033】
このように形成されたメインエアバッグ20および駆動用エアバッグ21以外の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0034】
次に上記したメインエアバッグ20および駆動用エアバッグ21の部材の制作方法について説明する。まず、図14(A)および(B)に示すようにシート20aとシート20aより外径の小さいシート20bを重ねて外縁部に耳部25を残すように一点鎖線30の部位で熱シールにより固着させて扁平状のエアバッグ20を形成する。また図14(C)および(D)に示すように円形のシート40aおよび40bを重ねて外周部および図に占示す一点鎖線の部位を熱シールのより周縁部および中心付近から外縁部の方向に放射状に固着させて仕切部31を形成することにより駆動用エアバッグを構成する部屋21a、21b、21cおよび21dを形成する。
【0035】
次にメインエアバッグ20の耳部25と駆動用エアバッグの周縁部50とを熱シール等により固着させて図(E)に示すようにメインエアバッグ20と駆動用エアバッグ21とが一体的に形成されている部材が完成する。ここで、上記したシート材料として、例えば表地がナイロンシートで、これに貼り合わされた裏地がポリウレタンシートからなる軟質な袋体材料等が使用される。また、前記熱シールは、前記裏地同志を接触させた状態で高周波溶着機を用いて、前記裏地同志を接触させた状態で高周波溶着機を用いて加圧下において高周波振動を熱シール予定部に与えることにより、前記裏地の接触部分を溶かして接着される。このようにメインエアバッグ20と駆動用エアバッグ21が一体的な構造となっているので、マッサージ機の構造が簡単になり、また、組立ても容易になる。
【0036】
上記の実施の形態は、本発明のマッサージ機についてメインエアバッグ2および駆動用エアバッグ3を主要構成として施療子1の移動を行う場合について例示した。上記のメインエアバッグ2を用いた場合は、施療子1の被施療に対する移動方向を変化させる機能のほか、さらに被施療体を一定方向に押圧する機能を併せて発揮することができる。
【0037】
なお、図15に示すように、例えば、扁平なプラスチック容器で形成された移動部材100とその頂部に施療子1を設けて、その移動部材100の基体7に対する面の周縁部の全体に駆動エアバッグ3を所定間隔で配置した場合であっても、駆動エアバッグ3の容積を膨張・収縮させることにより施療子1の移動方向を制御することができる。この時基体7と移動部材100との間に弾性体8を設けておけば、移動部材100が駆動用エアバック3の給気状態に応じて弾性体8が変形するので、移動部材100はプラスティックのような固体を用いても対応できる。このように、駆動用エアバッグ3は、施療子1の移動方向を制御する移動方向制御手段を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のマッサージ機の全体を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるマッサージ機の施療子周辺の構成を示す図である。
【図3】図2のA−A断面を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における施療子の第1の状態を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における施療子の第2の状態を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における施療子の第3の状態を説明する図である。
【図7】本発明のマッサージ機を第1の動作の具体例のフローチャートを示す図である。
【図8】本発明のマッサージ機を第2の動作の具体例のフローチャートを示す図である。
【図9】本発明のマッサージ機を第3の動作の具体例のフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるマッサージ機の構成を示す図である。
【図11】図7のA−A断面を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるメインエアバックと駆動用エアバッグを示す上面図である。
【図13】図10のA−A断面を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態におけるメインエアバックと駆動用エアバッグを作製する方法を示す図である。
【図15】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 施療子
2 メインエアバッグ(第1の実施の形態)
3 駆動用エアバッグ
4 制御弁
5 ポンプ
6 駆動制御部
7 基体
10 制御部
11 操作部
12 メインエアバッグ(第2の実施の形態)
20 メインエアバッグ(第3の実施の形態)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体に載置され、頂部に一体的に設けられた施療子を移動させる移動部材と、
前記移動部材の前記基体に対向する周縁部と前記基体との間に移動部材の全体にわたって所定間隔で配置されるN個(N≧3、Nは整数)の駆動用エアバックと、
前記駆動用エアバックに空気を供給するポンプと、
前記ポンプを制御して前記N個の駆動用エアバックのそれぞれを膨張・収縮させることにより前記施療子の移動方向を変化させる移動方向制御手段とを、備えていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記移動部材の前記基体との対向面と前記基体との間に前記移動部材を弾性的に支持する弾性部材を設けたことを特徴する請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記移動部材は、前記ポンプによる空気の供給により前記施療子を移動させるメインエアバッグであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記メインエアバッグは、N角錐形状(N≧3、Nは整数)をなし、その頂部に施療子が設けられ、
前記駆動用エアバッグは、前記メインエアバッグの前記頂部に対向する底面の各頂点周辺部と前記基体との間に配置されることを特徴とする請求項3記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記メインエアバッグは、外縁部に耳部を有する扁平状のエアバッグにより形成され、
前記駆動用エアバッグは、前記メインエアバッグと前記基体との間に配置される扁平状のエアバッグであって、その中心部付近から外縁部方向に向かう放射状の仕切部によりN個(N≧3、Nは整数)のエアバッグ室が形成されたものであって、
前記メインエアバッグの前記耳部と前記駆動用エアバッグの外周部とが固着されていることを特徴とする請求項3記載のマッサージ装置。
【請求項1】
基体に載置され、頂部に一体的に設けられた施療子を移動させる移動部材と、
前記移動部材の前記基体に対向する周縁部と前記基体との間に移動部材の全体にわたって所定間隔で配置されるN個(N≧3、Nは整数)の駆動用エアバックと、
前記駆動用エアバックに空気を供給するポンプと、
前記ポンプを制御して前記N個の駆動用エアバックのそれぞれを膨張・収縮させることにより前記施療子の移動方向を変化させる移動方向制御手段とを、備えていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記移動部材の前記基体との対向面と前記基体との間に前記移動部材を弾性的に支持する弾性部材を設けたことを特徴する請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記移動部材は、前記ポンプによる空気の供給により前記施療子を移動させるメインエアバッグであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記メインエアバッグは、N角錐形状(N≧3、Nは整数)をなし、その頂部に施療子が設けられ、
前記駆動用エアバッグは、前記メインエアバッグの前記頂部に対向する底面の各頂点周辺部と前記基体との間に配置されることを特徴とする請求項3記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記メインエアバッグは、外縁部に耳部を有する扁平状のエアバッグにより形成され、
前記駆動用エアバッグは、前記メインエアバッグと前記基体との間に配置される扁平状のエアバッグであって、その中心部付近から外縁部方向に向かう放射状の仕切部によりN個(N≧3、Nは整数)のエアバッグ室が形成されたものであって、
前記メインエアバッグの前記耳部と前記駆動用エアバッグの外周部とが固着されていることを特徴とする請求項3記載のマッサージ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−61177(P2007−61177A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−247817(P2005−247817)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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