マッサージ機
【課題】全ての施療者の脚型に応じて適当なマッサージ施療を施すことが可能なマッサージ機を提供する。
【解決手段】空気の給排気にて膨張収縮する空気袋11によって施療者の脚にマッサージを施すマッサージ機1において、空気圧を検出する空気圧検出部24と、上記空気圧検出部24での検出値をもとに施療者の脚型を判断すると共に上記判断に基いた空気袋11への空気の給排気制御によりマッサージ施療を行う制御部20とを備える。
【解決手段】空気の給排気にて膨張収縮する空気袋11によって施療者の脚にマッサージを施すマッサージ機1において、空気圧を検出する空気圧検出部24と、上記空気圧検出部24での検出値をもとに施療者の脚型を判断すると共に上記判断に基いた空気袋11への空気の給排気制御によりマッサージ施療を行う制御部20とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、施療者の脚部に空気袋の膨縮でマッサージを施すマッサージ機は特許文献1のように知られている。このような従来のマッサージ機には空気袋への空気の給気量を変えてマッサージ施療の強さを調整する機能を備えるものであるが、施療者が施療の度に必要に応じて事前に設定された範囲でのマッサージ施療の強さを変更するものであり、異なる施療者に一定の快適なマッサージ施療を施すことはできないものであった。
【0003】
つまり、個々体格差の有る施療者の脚部の脚型は施療者毎に異なるものであり、空気袋の膨張具合が同じでも、図14のように、たとえば脚が太い施療者には膨張する空気袋が早い段階から当たって長時間で且つ高い押圧力でマッサージが施されることとなって過度のマッサージ感を感じさせてしまったり、逆に脚が細い施療者では膨張する空気袋がなかなか当たらずに短時間で且つ低い押圧力でマッサージが施されることとなって物足りないマッサージ感を感じさせてしまったりする。また、施療者の体格差はもとより施療者の座り姿勢の違いなどによっても、空気袋での施療位置に予期した脚の部位が位置しないこともあり、施療箇所に応じた適当なマッサージ施療を行うことができないのである。
【特許文献1】特開平10−118141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて為したものであって、全ての施療者の脚型に応じて適当なマッサージ施療を施すことが可能なマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係るマッサージ機は、空気の給排気にて膨張収縮する空気袋11によって施療者の脚にマッサージを施すマッサージ機1において、空気圧を検出する空気圧検出部24と、上記空気圧検出部24での検出値をもとに施療者の脚型を判断すると共に上記判断に基いた空気袋11への空気の給排気制御によりマッサージ施療を行う制御部20とを備えたことを特徴とする。これによると、空気圧検出部24での検出値をもとに施療者の脚型を判断すると共に上記判断に基いた空気袋11への空気の給排気制御によりマッサージ施療が行われるので、個々施療者に対してその脚型に応じた適当なマッサージ施療が可能になる。
【0006】
また、請求項2に係るマッサージ機は、請求項1において、上記制御部20で、空気圧検出部24での検出値をもとに施療者の脚の太さを判断すると共に、上記判断した施療者の脚の太さに応じて空気袋11の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする。これによると、個々施療者に対してその脚の太さに応じた適当なマッサージ施療が可能になる。
【0007】
また、請求項3に係るマッサージ機は、請求項1において、施療者の脚の長さ方向に沿わせるべく複数の空気袋11を並べて配置すると共に各空気袋11に対応して空気圧検出部24を複数設け、上記制御部20で、各空気圧検出部24での検出値をもとに各空気袋11が施療する施療者の脚の部位を判断すると共に、上記判断した施療者の脚の部位に応じて各空気袋11に個別の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする。これによると、個々施療者に対して脚の部位に応じた適当なマッサージ施療が可能になる。
【0008】
また、請求項4に係るマッサージ機は、請求項3において、上記制御部20で、各空気袋11が施療する施療者の脚の部位をふくらはぎ部位とそれ以外の部位とに分けて判断すると共に、上記判断したふくらはぎ部位とそれ以外の部位に応じて各空気袋11に個別の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする。これによると、骨や筋肉といった主要の構成要素や太さが大きく異なるふくらはぎ部位とそれ以外の部位に応じた適当なマッサージ施療が可能になる。
【0009】
請求項5に係るマッサージ機は、請求項1において、上記制御部20で、間にマッサージ施療を行う施療モードを挟んだマッサージ開始時及びマッサージ終了時に施療者の脚型を検出する脚型検出モードを設けたマッサージ制御を行うようにし、マッサージ開始時に脚型検出モードにて検出した脚型とマッサージ終了時に脚型検出モードにて検出した脚型との違いを施療者に通知する通知部26を設けたことを特徴とする。これによると、マッサージ開始時及びマッサージ終了時の各脚型を比較して施療モードでの施療効果を通知部26を介して施療者に教示することができる。
【0010】
請求項6に係るマッサージ機は、請求項1において、上記制御部20で、空気袋11に空気を給気した際の空気圧検出部24での検出の有無をもとに施療者の有無を判断するようにしたことを特徴とする。これによると、マッサージ施療に必要な空気圧検出部24を用いて施療者の有無を確認できる。
【0011】
請求項7に係るマッサージ機は、請求項1において、上記制御部20で、マッサージ施療の途中で自動または施療者の手動操作により施療者の脚型を新たに判断すると共に、それ以後のマッサージ施療を上記新たな判断に基いて行うようにしたことを特徴とする。これによると、マッサージ施療の途中に変化した施療者の施療姿勢にも追従して適当なマッサージを施療し続けることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、個々施療者に対してその脚型に応じた適当なマッサージ施療が可能になる、といった利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0014】
本例のマッサージ機1は、図1乃至図11のように、座部2と背凭れ部3とで成る椅子本体1aの座部2の前部に脚載せ台5を設けて構成された椅子式マッサージ機1である。背凭れ部3は座部2の後部にリクライニング自在(傾倒自在)に設けられており(図2矢印A)、すなわち施療者は上体を寝起きさせて椅子本体1aに座ることができる。この背凭れ部3には椅子本体1aに座った施療者の背中にマッサージを施す機械式施療装置6が配設されている。なお、機械式施療装置6は、背凭れ部3の長さ方向(高さ方向)に移動自在に設けた本体部6aに、背凭れ部3の幅方向及び背凭れ部3の背凭れ面に突没する方向に往復駆動するような施療子6bが設けられて構成され、施療者の背中や肩部に対して叩きマッサージや揉みマッサージや掴みマッサージ等のマッサージ施療を施し得るようにしたものである。座部2はその両側方に肘掛け部7がそれぞれ設けられて構成されている。この肘掛け部7の対向面には空気給排気装置8による空気の給排気によって膨張収縮する大腿施療用の空気袋9が配置され、この空気袋9で施療者の大腿の側部に対してエアマッサージのマッサージ施療を施し得るようにしてある。脚載せ台5は施療者の膝下部分(以下、脚部という)を載せる部位であり、座部2の前部を軸中心として上下方向にリクライニング自在(傾倒自在)に設けられている(図2矢印B)。すなわち施療者は脚を曲げた状態、脚を伸ばした状態で椅子本体1aに座ることができる。
【0015】
この脚載せ台5には左右の脚部をそれぞれ位置させるために脚部の長さ方向に延びるように形成された1対の凹形状の溝部10が脚載せ台5の幅方向に並設されており、この溝部10の内面部には空気給排気装置8による空気の給排気によって膨張収縮する脚部施療用の空気袋11が配置され、この空気袋11で施療者の脚部に対してエアマッサージのマッサージ施療を施し得るようにしてある。脚部施療用の空気袋11は、施療者の脚部の長さ方向に沿って当てるべく、上記脚部の長さ方向と同方向である溝部10の溝長さ方向に並べるようにして溝部10内に複数個配置されている。本例では3つの空気袋11a,11b,11cを溝部10に並べて配置させているが任意数の空気袋11a…を配置できる。なお、本例の脚部施療用の空気袋11は溝部10の対向する両側面に配置されて同様に膨縮する左空気袋12と右空気袋13とで構成されているが、図12のように上記左空気袋12と右空気袋13に加えてこれら左空気袋12と右空気袋13との間の溝部10の底面に配置されて同様に膨縮する底空気袋14とで構成しても、左空気袋12と右空気袋13とのいずれか一方のみで構成してもよく、すなわち図5及び図6のように脚部の軸に向けて周方向から押し当ててマッサージを施し得るようにされていればよい。
【0016】
更に言うと、本例の脚載せ台5の溝部10は、溝長さ方向における座部2と反対側の部位(回動先端側の部位)に施療者の足裏に対向する遮蔽壁15が設けられており、この遮蔽壁15に空気給排気装置8による空気の給排気によって膨張収縮する足裏施療用の空気袋16が配置され、この空気袋11で施療者の足裏に対してエアマッサージのマッサージ施療を施し得るようにしてある。なお、本例では足裏施療用の空気袋11は溝部10の幅方向に一対並設されているが、内側の空気袋11は施療者の土踏まずを施療する土踏まず施療用の空気袋16aとなっている。これら溝部10に設けられた各空気袋11,16は、図3及び図4のようにそれぞれ溝部10の内面に沿わせてネジ等の固定具27にて固定され、空気袋11に空気が供給されたときには溝部10の内方に向けて膨張できるようにされている。なお図4中28は後述する供給管22を脚載せ台5に固定する固定具である。
【0017】
なお、施療者にエアマッサージのマッサージ施療を施す空気袋11としては、図12のように背凭れ部3に背部及び肩部施療用の空気袋17、腰部施療用の空気袋18を加えて設けることも好ましい。各々のマッサージ操作は使用者による操作部19の操作によって制御部20を介して行われる。背凭れ部3や脚載せ台5のリクライニング操作は手動で動かしてもよいが、本例では施療者による操作部19の操作により制御部20を介して電動で行われるようにされている。
【0018】
ここで、図1(b)には脚部施療用の空気袋11における空気給排気装置8の概略構成図を示す。脚部施療用の空気袋11には空気ポンプ21から延びる可撓性を有する供給管22が接続され、この供給管22には電磁弁からなる弁体23、空気圧を計測する空気圧検出部24、空気タンク25が空気袋11側から順に配置されている。本例では、空気袋11a,11b,11c毎に、これら弁体23、空気圧検出部24、空気ポンプ21、空気タンク25がそれぞれ配設されている。そして、弁体23、空気圧検出部24及び空気ポンプ21には操作部19に接続された制御部20が接続されており、下記のように空気圧検出部24の検出値を基にして制御部20の制御によって弁体23及び空気ポンプ21を制御駆動して脚部に適当なエアーマッサージを施し得るようにされている。
【0019】
本例のマッサージ機1では、施療者の脚部にエアーマッサージを施す施療モードに加えて、施療者の脚型を検出する脚型検出モードを備えている。つまり、脚型検出モードで、脚部施療用の空気袋11に一定量の空気を供給して膨張させて脚部に当て、そのときに脚部にかかる施療圧に対応する空気袋11(供給管22)の空気圧を空気圧検出部24で検出し、この検出結果をもとに制御部20で施療者の脚型を判断するのであり、その後に行う施療モードで制御部20によって上記判断に基く空気袋11への空気の給排気制御を行って脚部に適当なマッサージ施療を施すようにしているのである。具体的に、脚型検出モードにおいて空気圧検出部24で各空気袋11の空気圧を検出し、これらの検出結果から制御部20で施療者の脚の太さ(太いか細いかまたは標準か)を判断すると共に、各空気袋11が当たる脚部の部位(脚部のふくらはぎ部位かそれ以外の脚部の部位(たとえば足首部)か)を判断するのである。たとえば、脚型検出モード時に空気圧検出部24で検出した空気袋11(11a,11b,11c)の空気圧が全体的に高い値であれば制御部20で施療者の脚が太いと判断されるのであり、脚型検出モード時に空気圧検出部24で検出した空気袋11(11a,11b,11c)のうち空気圧が他の空気袋11(たとえば図5及び6では空気袋11c)に比べて高い場合にはその空気袋11(たとえば図5及び6では空気袋11a,11b)は施療者のふくらはぎ部位に当たることと判断されるのである。
【0020】
ここで、脚型検出モードで施療者の脚の太さが標準よりも太いと制御部20にて判断された場合には、図7のように、施療モードでは制御部20によって施療者の脚の太さが標準と判断された場合に比べて空気袋11をゆっくり膨張させる給排気制御が行われる。この給排気制御は、具体的には図9のように、一定に空気ポンプ21を駆動させた上で、弁体23を一定時間の開状態と一定時間の閉状態とを繰り返し切換え、単位時間あたりの空気袋11への空気供給量を抑制するといった制御で行われる。一方、脚型検出モードで施療者の脚の太さが標準よりも細いと制御部20にて判断された場合には、図7のように、施療モードでは制御部20によって施療者の脚の太さが標準と判断された場合に比べて空気袋11をすばやく膨張させる給排気制御が行われる。この制御部20による給排気制御は、具体的には図10のように、一定に空気ポンプ21を駆動させた上で、弁体23を開状態に維持して単位時間あたりの空気袋11への空気供給量を増加させるといった制御で行われる。このように、脚が太い施療者に対しては空気袋11をゆっくり膨張させる制御がなされたり、脚が細い施療者に対しては空気袋11をすばやく膨張させる制御がなされることで、脚の太さが標準の施療者と略同様のタイミングで空気袋11を当てることができて所定時間のマッサージを施すことができるのであり、つまり体格の異なる施療者によっても脚部に一定時間の快適なマッサージ施療を施すことができるのである。
【0021】
また、これ加えて、脚型検出モードで施療者の脚の太さが標準よりも太いと制御部20にて判断された場合には、施療モードでは制御部20は施療者の脚の太さが標準と判断された場合に比べて弁体23の開状態の時間を短くして空気袋11への空気供給量を抑制させて、脚部に過度のマッサージ圧力でエアーマッサージが施されることを回避させたり、一方、脚型検出モードで施療者の脚の太さが標準よりも細いと制御部20にて判断された場合には、施療モードでは制御部20は施療者の脚の太さが標準と判断された場合に比べて弁体23の開状態の時間を長くして空気袋11への空気供給量を増加させて、脚部に所定のマッサージ圧力でエアーマッサージを施すようにしている。これにより、脚の太い細いにかかわらず各施療者に略一定のマッサージ圧力で快適なエアマッサージを施すことを可能にしている。
【0022】
また、脚型検出モードで施療者の脚部のふくらはぎ部位に当たると制御部20にて判断された空気袋11は、脚部のふくらはぎ以外の部位に当たると判断された空気袋11よりも、施療モードでは制御部20によって弁体23の開状態の時間を長くして空気袋11への空気供給量が増加されて大きく膨張するようにされ、図8のように、脚部のふくらはぎ部位に比較的強めのエアーマッサージを施すようにされる。一方、脚型検出モードで施療者の脚部のふくらはぎ以外(たとえば足首部)に当たると判断された空気袋11は、脚部のふくらはぎ部位に当たると判断された空気袋11よりも、施療モードでは制御部20によって弁体23の開状態の時間を短くして空気袋11への空気供給量が抑制されて空気袋11の膨張を抑制するようにされ、図8のように、脚部のふくらはぎ以外の部位に比較的弱めのエアーマッサージを施すようにされる。脚部のふくらはぎ部位は筋肉質であって快適なマッサージ感を感じるには比較的マッサージ圧力の強めのマッサージ施療が適当であり、一方、脚部のふくらはぎ以外の部位(たとえば足首部)は骨張っていて快適なマッサージ感を感じるには比較的マッサージ圧力の弱めのマッサージ施療が適当であることから、上述の制御部20による各空気袋11毎の給排気制御によると、脚部のふくらはぎ部位及びふくらはぎ以外の部位にそれぞれ適当なマッサージ圧力でのエアーマッサージを施すようにできるのである。なお、本例の制御部20では、骨や筋肉といった主要の構成要素や太さが大きく異なるふくらはぎ部位とそれ以外の部位との2つの部位に大別して判断するようにして制御部20の簡易化を図っているが、脚部の部位を多部位に分けて判断して各部位に適当なマッサージを施すようにしてもよいのは言うまでもない。
【0023】
また、これ加えて、脚型検出モードで施療者の脚部のふくらはぎ部位に当たると制御部20にて判断された空気袋11は、脚部のふくらはぎ以外の部位に当たると判断された空気袋11よりも、施療モードでは制御部20によって一定に空気ポンプ21を駆動させた上で、弁体23を一定時間の開状態と一定時間の閉状態とを繰り返し切換えるなど、単位時間あたりの空気袋11への空気供給量を抑制する制御が行われる。脚部のふくらはぎ部位はそれ以外の部位(たとえば足首部)に比べて太い部分であるが、上記のように各空気袋11が制御されることで脚部の各部に略同様のタイミングで空気袋11を当てるようにできて、脚部の各部に一定時間の快適なマッサージ施療を施すことを可能にしている。
【0024】
このように本例のマッサージ機1では、脚の太い細いにかかわらず各施療者に対して、空気袋11を略同じマッサージ圧力で略同時間当てることができて快適なマッサージ施療を施すことができ、加えて、各施療者における脚の各部位に対して、脚の各部位に応じた適当なマッサージ圧力で快適なマッサージ施療を施すことができるのであり、異なる各施療者によっても一定の快適なマッサージ施療を施し得るようにされているのである。
【0025】
実際には、本例のマッサージ機1では、背凭れ部3の機械式施療機構にも施療モードの他に施療者の位置検出モードが有って位置検出モード後の施療モード時には位置検出モードで検出した肩位置等の検出結果に基いて上記施療者の各部に応じたマッサージ施療が行われるようにされており、上述の脚型検出モードは上記位置検出モードと同時に行われ、具体的には足首側から膝側にかけて順に各空気袋11を膨張させるようにして行われている。無論、脚型検出モードにおける空気袋11の膨らませる順番は任意でもよく、また本例では空気袋11毎に空気ポンプ21や空気タンク25が接続されているから同時に膨らませて短時間で脚型検出モードを終わらせるようにしてもよい。更に言うと、従来同様に本例のマッサージ機1でも、施療者の操作部19の操作によってマッサージ施療の強さ調節を行い得るようにされている。また、上記脚型検出モードでは、同時に、空気圧検出部24での検出の有無をもとに制御部20にて施療者の有無を判断するようにしており、空気圧検出部24での検出が無く制御部20にて施療者がいないと判断した場合にはマッサージ施療を終了する制御がなされるようにされている。また、空気圧検出部24での検出結果が、複数の空気袋11のうち一部の空気袋11の空気圧のみが異常に高く検出されるなど、異常検出と制御部20で判断された場合には、子供の挟み込みや物の挟み込みが考えられるので、安全を考慮してマッサージ施療を終了する制御がなされるようにされている。
【0026】
また、本例のマッサージ機1では、間に施療モードを挟んだマッサージ開始時及びマッサージ終了時にそれぞれ脚型検出モードが運転されるようにされており、各脚型検出モードによってマッサージ開始時の脚型とマッサージ終了時の脚型とをそれぞれ検出するようにされている。マッサージ開始前にはむくんでいた脚はマッサージ施療を施した後のマッサージ終了後にはむくみが取れたりしてマッサージの前後で脚型に変化が生じることもあり、マッサージ開始時及びマッサージ終了時の各脚型を制御部20にて比較することで施療モードでの施療効果を確認することができる。そして、本例のマッサージ機1には通知部26が制御部20に接続してあり、この通知部26によって上記施療モードでの施療効果を施療者に教示するようにしている。通知部26としては、たとえば施療モードでの施療効果を表示して知らせる表示装置や、施療モードでの施療効果をアナウンスやブザーを発して知らせる報知装置、施療モードでの施療効果を微振動で知らせるバイブレータ装置などが挙げられる。これにより、施療者は通知部26を介して施療モードでの施療効果を知ることができ、マッサージ効果の有用性を認識することができる。
【0027】
また、本例のマッサージ機1では、上記脚型検出モードがマッサージ施療の途中で適宜行われて施療者の脚型を新たに判断すると共に、それ以後のマッサージ施療を上記新たな判断に基いて行うことができるようにされている。背凭れ部3の回動動作があった場合、若しくは脚載せ台5の回動動作があった場合、若しくはその両方の動作があった場合には、脚載せ台5に対する施療者の脚部の位置が変化する。たとえば、図11の実線のように施療者の脚部を位置させた略垂直状態にある脚載せ台5が上方に回動されると、図11の点線のように脚載せ台5に対する施療者の脚部の位置が回動先端側にずれてしまう。このように脚載せ台5に対する施療者の脚部の位置が回動先端側にずれてしまうと、本来は脚部のふくらはぎ以外の部位(たとえば足首部)に当たる空気袋11がふくらはぎの部位に当たることとなり、脚部のふくらはぎの部位に適したマッサージ施療を行うことができなくなってしまうのであるが、本例ではマッサージ施療の途中でも脚載せ台5に対する施療者の脚部の位置が変化した後に脚型検出モードを行って施療者の脚型を新たに判断すると共に、それ以後のマッサージ施療を上記新たな判断に基いて行わせたことで、マッサージ施療の途中に変化した施療者の施療姿勢にも追従して適当なマッサージを施療し続けることができるようにされているのである。具体的には、施療者が姿勢変更した後に操作部19を操作することで制御部20で施療モードに優先させて脚型検出モードを開始させたり、背凭れ部3の回動動作、脚載せ台5の回動動作、若しくはその両方の動作があった場合に制御部20で自動的に施療モードに優先させて脚型検出モードを開始させることができるのである。
【0028】
なお、図1(b)の空気給排気装置8に代えて、図13のような空気給排気装置8を用いてもよい。この空気給排気装置8は空気ポンプ21から延びる供給管22を空気圧検出部24の下流で分岐させて脚施療用の各空気袋11に対応した各弁体23を介して接続されている。この場合、脚型検出モード時には、一の空気袋11を膨らませているときには他の空気袋11に対応する弁体23は閉状態にされて他の空気袋11が膨張しないようにして、一つずつ空気袋11を膨らませて空気圧検出部24で空気圧を検出することで、脚部の脚型を検出することができる。また、施療モード時には、制御部20にて各空気袋11に対応する各弁体23を開閉制御することで、各空気袋11を所定のスピードで膨らせたり所定の空気量を供給することができる。本例の空気給排気装置8は、図1(b)の空気給排気装置8に比べて、空気タンク25や空気ポンプ21や空気圧検出部24の個数を減らすことができ、空気給排気装置8、ひいてはマッサージ機1の構成の簡素化を図ることができたものである。
【0029】
なお、上記実施形態では脚施療用の空気袋11は溝部10にその溝の長さ方向に3つ並べて設けたものを例示したが、溝部10に設ける空気袋11の個数を減らしてマッサージ装置の簡素化を図ったり、逆に空気袋11の個数を増やして脚部の各部位に細かく対応して快適性を増したエアーマッサージを施すようにしてもよいのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態の例のマッサージ機であり、(a)はマッサージ機全体の概略側側面図であり、(b)は空気給排気装置の概略構成図である。
【図2】同上のマッサージ機の全体斜視図である。
【図3】同上の脚載せ台の正面図である。
【図4】同上の脚載せ台の要部の側面図である。
【図5】同上の脚載せ台におけるマッサージ施療の動作説明図である。
【図6】同上の脚載せ台におけるマッサージ施療の動作説明図である。
【図7】同上の脚の太さの違いに応じたマッサージ施療の違いを説明するグラフである。
【図8】同上の脚の部位の違いに応じたマッサージ施療の違いを説明するグラフである。
【図9】同上の空気給排気装置の運転制御の例を示すグラフである。
【図10】同上の空気給排気装置の運転制御の例を示すグラフである。
【図11】同上の回動した脚載せ台に対する施療者の脚部の位置のずれを説明する説明図である。
【図12】本発明の実施の形態の他例のマッサージ機全体の概略平面図である。
【図13】本発明の実施の形態の更に他例のマッサージ機における空気給排気装置の概略構成図である。
【図14】従来技術の問題点を説明するグラフである。
【符号の説明】
【0031】
1 マッサージ機
2 座部
3 背凭れ部
4 椅子本体
5 脚載せ台
8 空気給排気装置
10 溝部
11 脚部施療用の空気袋
20 制御部
21 空気タンク
22 供給管
23 弁体
24 空気圧検出部
25 空気ポンプ
27 通知部
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、施療者の脚部に空気袋の膨縮でマッサージを施すマッサージ機は特許文献1のように知られている。このような従来のマッサージ機には空気袋への空気の給気量を変えてマッサージ施療の強さを調整する機能を備えるものであるが、施療者が施療の度に必要に応じて事前に設定された範囲でのマッサージ施療の強さを変更するものであり、異なる施療者に一定の快適なマッサージ施療を施すことはできないものであった。
【0003】
つまり、個々体格差の有る施療者の脚部の脚型は施療者毎に異なるものであり、空気袋の膨張具合が同じでも、図14のように、たとえば脚が太い施療者には膨張する空気袋が早い段階から当たって長時間で且つ高い押圧力でマッサージが施されることとなって過度のマッサージ感を感じさせてしまったり、逆に脚が細い施療者では膨張する空気袋がなかなか当たらずに短時間で且つ低い押圧力でマッサージが施されることとなって物足りないマッサージ感を感じさせてしまったりする。また、施療者の体格差はもとより施療者の座り姿勢の違いなどによっても、空気袋での施療位置に予期した脚の部位が位置しないこともあり、施療箇所に応じた適当なマッサージ施療を行うことができないのである。
【特許文献1】特開平10−118141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて為したものであって、全ての施療者の脚型に応じて適当なマッサージ施療を施すことが可能なマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係るマッサージ機は、空気の給排気にて膨張収縮する空気袋11によって施療者の脚にマッサージを施すマッサージ機1において、空気圧を検出する空気圧検出部24と、上記空気圧検出部24での検出値をもとに施療者の脚型を判断すると共に上記判断に基いた空気袋11への空気の給排気制御によりマッサージ施療を行う制御部20とを備えたことを特徴とする。これによると、空気圧検出部24での検出値をもとに施療者の脚型を判断すると共に上記判断に基いた空気袋11への空気の給排気制御によりマッサージ施療が行われるので、個々施療者に対してその脚型に応じた適当なマッサージ施療が可能になる。
【0006】
また、請求項2に係るマッサージ機は、請求項1において、上記制御部20で、空気圧検出部24での検出値をもとに施療者の脚の太さを判断すると共に、上記判断した施療者の脚の太さに応じて空気袋11の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする。これによると、個々施療者に対してその脚の太さに応じた適当なマッサージ施療が可能になる。
【0007】
また、請求項3に係るマッサージ機は、請求項1において、施療者の脚の長さ方向に沿わせるべく複数の空気袋11を並べて配置すると共に各空気袋11に対応して空気圧検出部24を複数設け、上記制御部20で、各空気圧検出部24での検出値をもとに各空気袋11が施療する施療者の脚の部位を判断すると共に、上記判断した施療者の脚の部位に応じて各空気袋11に個別の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする。これによると、個々施療者に対して脚の部位に応じた適当なマッサージ施療が可能になる。
【0008】
また、請求項4に係るマッサージ機は、請求項3において、上記制御部20で、各空気袋11が施療する施療者の脚の部位をふくらはぎ部位とそれ以外の部位とに分けて判断すると共に、上記判断したふくらはぎ部位とそれ以外の部位に応じて各空気袋11に個別の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする。これによると、骨や筋肉といった主要の構成要素や太さが大きく異なるふくらはぎ部位とそれ以外の部位に応じた適当なマッサージ施療が可能になる。
【0009】
請求項5に係るマッサージ機は、請求項1において、上記制御部20で、間にマッサージ施療を行う施療モードを挟んだマッサージ開始時及びマッサージ終了時に施療者の脚型を検出する脚型検出モードを設けたマッサージ制御を行うようにし、マッサージ開始時に脚型検出モードにて検出した脚型とマッサージ終了時に脚型検出モードにて検出した脚型との違いを施療者に通知する通知部26を設けたことを特徴とする。これによると、マッサージ開始時及びマッサージ終了時の各脚型を比較して施療モードでの施療効果を通知部26を介して施療者に教示することができる。
【0010】
請求項6に係るマッサージ機は、請求項1において、上記制御部20で、空気袋11に空気を給気した際の空気圧検出部24での検出の有無をもとに施療者の有無を判断するようにしたことを特徴とする。これによると、マッサージ施療に必要な空気圧検出部24を用いて施療者の有無を確認できる。
【0011】
請求項7に係るマッサージ機は、請求項1において、上記制御部20で、マッサージ施療の途中で自動または施療者の手動操作により施療者の脚型を新たに判断すると共に、それ以後のマッサージ施療を上記新たな判断に基いて行うようにしたことを特徴とする。これによると、マッサージ施療の途中に変化した施療者の施療姿勢にも追従して適当なマッサージを施療し続けることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、個々施療者に対してその脚型に応じた適当なマッサージ施療が可能になる、といった利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0014】
本例のマッサージ機1は、図1乃至図11のように、座部2と背凭れ部3とで成る椅子本体1aの座部2の前部に脚載せ台5を設けて構成された椅子式マッサージ機1である。背凭れ部3は座部2の後部にリクライニング自在(傾倒自在)に設けられており(図2矢印A)、すなわち施療者は上体を寝起きさせて椅子本体1aに座ることができる。この背凭れ部3には椅子本体1aに座った施療者の背中にマッサージを施す機械式施療装置6が配設されている。なお、機械式施療装置6は、背凭れ部3の長さ方向(高さ方向)に移動自在に設けた本体部6aに、背凭れ部3の幅方向及び背凭れ部3の背凭れ面に突没する方向に往復駆動するような施療子6bが設けられて構成され、施療者の背中や肩部に対して叩きマッサージや揉みマッサージや掴みマッサージ等のマッサージ施療を施し得るようにしたものである。座部2はその両側方に肘掛け部7がそれぞれ設けられて構成されている。この肘掛け部7の対向面には空気給排気装置8による空気の給排気によって膨張収縮する大腿施療用の空気袋9が配置され、この空気袋9で施療者の大腿の側部に対してエアマッサージのマッサージ施療を施し得るようにしてある。脚載せ台5は施療者の膝下部分(以下、脚部という)を載せる部位であり、座部2の前部を軸中心として上下方向にリクライニング自在(傾倒自在)に設けられている(図2矢印B)。すなわち施療者は脚を曲げた状態、脚を伸ばした状態で椅子本体1aに座ることができる。
【0015】
この脚載せ台5には左右の脚部をそれぞれ位置させるために脚部の長さ方向に延びるように形成された1対の凹形状の溝部10が脚載せ台5の幅方向に並設されており、この溝部10の内面部には空気給排気装置8による空気の給排気によって膨張収縮する脚部施療用の空気袋11が配置され、この空気袋11で施療者の脚部に対してエアマッサージのマッサージ施療を施し得るようにしてある。脚部施療用の空気袋11は、施療者の脚部の長さ方向に沿って当てるべく、上記脚部の長さ方向と同方向である溝部10の溝長さ方向に並べるようにして溝部10内に複数個配置されている。本例では3つの空気袋11a,11b,11cを溝部10に並べて配置させているが任意数の空気袋11a…を配置できる。なお、本例の脚部施療用の空気袋11は溝部10の対向する両側面に配置されて同様に膨縮する左空気袋12と右空気袋13とで構成されているが、図12のように上記左空気袋12と右空気袋13に加えてこれら左空気袋12と右空気袋13との間の溝部10の底面に配置されて同様に膨縮する底空気袋14とで構成しても、左空気袋12と右空気袋13とのいずれか一方のみで構成してもよく、すなわち図5及び図6のように脚部の軸に向けて周方向から押し当ててマッサージを施し得るようにされていればよい。
【0016】
更に言うと、本例の脚載せ台5の溝部10は、溝長さ方向における座部2と反対側の部位(回動先端側の部位)に施療者の足裏に対向する遮蔽壁15が設けられており、この遮蔽壁15に空気給排気装置8による空気の給排気によって膨張収縮する足裏施療用の空気袋16が配置され、この空気袋11で施療者の足裏に対してエアマッサージのマッサージ施療を施し得るようにしてある。なお、本例では足裏施療用の空気袋11は溝部10の幅方向に一対並設されているが、内側の空気袋11は施療者の土踏まずを施療する土踏まず施療用の空気袋16aとなっている。これら溝部10に設けられた各空気袋11,16は、図3及び図4のようにそれぞれ溝部10の内面に沿わせてネジ等の固定具27にて固定され、空気袋11に空気が供給されたときには溝部10の内方に向けて膨張できるようにされている。なお図4中28は後述する供給管22を脚載せ台5に固定する固定具である。
【0017】
なお、施療者にエアマッサージのマッサージ施療を施す空気袋11としては、図12のように背凭れ部3に背部及び肩部施療用の空気袋17、腰部施療用の空気袋18を加えて設けることも好ましい。各々のマッサージ操作は使用者による操作部19の操作によって制御部20を介して行われる。背凭れ部3や脚載せ台5のリクライニング操作は手動で動かしてもよいが、本例では施療者による操作部19の操作により制御部20を介して電動で行われるようにされている。
【0018】
ここで、図1(b)には脚部施療用の空気袋11における空気給排気装置8の概略構成図を示す。脚部施療用の空気袋11には空気ポンプ21から延びる可撓性を有する供給管22が接続され、この供給管22には電磁弁からなる弁体23、空気圧を計測する空気圧検出部24、空気タンク25が空気袋11側から順に配置されている。本例では、空気袋11a,11b,11c毎に、これら弁体23、空気圧検出部24、空気ポンプ21、空気タンク25がそれぞれ配設されている。そして、弁体23、空気圧検出部24及び空気ポンプ21には操作部19に接続された制御部20が接続されており、下記のように空気圧検出部24の検出値を基にして制御部20の制御によって弁体23及び空気ポンプ21を制御駆動して脚部に適当なエアーマッサージを施し得るようにされている。
【0019】
本例のマッサージ機1では、施療者の脚部にエアーマッサージを施す施療モードに加えて、施療者の脚型を検出する脚型検出モードを備えている。つまり、脚型検出モードで、脚部施療用の空気袋11に一定量の空気を供給して膨張させて脚部に当て、そのときに脚部にかかる施療圧に対応する空気袋11(供給管22)の空気圧を空気圧検出部24で検出し、この検出結果をもとに制御部20で施療者の脚型を判断するのであり、その後に行う施療モードで制御部20によって上記判断に基く空気袋11への空気の給排気制御を行って脚部に適当なマッサージ施療を施すようにしているのである。具体的に、脚型検出モードにおいて空気圧検出部24で各空気袋11の空気圧を検出し、これらの検出結果から制御部20で施療者の脚の太さ(太いか細いかまたは標準か)を判断すると共に、各空気袋11が当たる脚部の部位(脚部のふくらはぎ部位かそれ以外の脚部の部位(たとえば足首部)か)を判断するのである。たとえば、脚型検出モード時に空気圧検出部24で検出した空気袋11(11a,11b,11c)の空気圧が全体的に高い値であれば制御部20で施療者の脚が太いと判断されるのであり、脚型検出モード時に空気圧検出部24で検出した空気袋11(11a,11b,11c)のうち空気圧が他の空気袋11(たとえば図5及び6では空気袋11c)に比べて高い場合にはその空気袋11(たとえば図5及び6では空気袋11a,11b)は施療者のふくらはぎ部位に当たることと判断されるのである。
【0020】
ここで、脚型検出モードで施療者の脚の太さが標準よりも太いと制御部20にて判断された場合には、図7のように、施療モードでは制御部20によって施療者の脚の太さが標準と判断された場合に比べて空気袋11をゆっくり膨張させる給排気制御が行われる。この給排気制御は、具体的には図9のように、一定に空気ポンプ21を駆動させた上で、弁体23を一定時間の開状態と一定時間の閉状態とを繰り返し切換え、単位時間あたりの空気袋11への空気供給量を抑制するといった制御で行われる。一方、脚型検出モードで施療者の脚の太さが標準よりも細いと制御部20にて判断された場合には、図7のように、施療モードでは制御部20によって施療者の脚の太さが標準と判断された場合に比べて空気袋11をすばやく膨張させる給排気制御が行われる。この制御部20による給排気制御は、具体的には図10のように、一定に空気ポンプ21を駆動させた上で、弁体23を開状態に維持して単位時間あたりの空気袋11への空気供給量を増加させるといった制御で行われる。このように、脚が太い施療者に対しては空気袋11をゆっくり膨張させる制御がなされたり、脚が細い施療者に対しては空気袋11をすばやく膨張させる制御がなされることで、脚の太さが標準の施療者と略同様のタイミングで空気袋11を当てることができて所定時間のマッサージを施すことができるのであり、つまり体格の異なる施療者によっても脚部に一定時間の快適なマッサージ施療を施すことができるのである。
【0021】
また、これ加えて、脚型検出モードで施療者の脚の太さが標準よりも太いと制御部20にて判断された場合には、施療モードでは制御部20は施療者の脚の太さが標準と判断された場合に比べて弁体23の開状態の時間を短くして空気袋11への空気供給量を抑制させて、脚部に過度のマッサージ圧力でエアーマッサージが施されることを回避させたり、一方、脚型検出モードで施療者の脚の太さが標準よりも細いと制御部20にて判断された場合には、施療モードでは制御部20は施療者の脚の太さが標準と判断された場合に比べて弁体23の開状態の時間を長くして空気袋11への空気供給量を増加させて、脚部に所定のマッサージ圧力でエアーマッサージを施すようにしている。これにより、脚の太い細いにかかわらず各施療者に略一定のマッサージ圧力で快適なエアマッサージを施すことを可能にしている。
【0022】
また、脚型検出モードで施療者の脚部のふくらはぎ部位に当たると制御部20にて判断された空気袋11は、脚部のふくらはぎ以外の部位に当たると判断された空気袋11よりも、施療モードでは制御部20によって弁体23の開状態の時間を長くして空気袋11への空気供給量が増加されて大きく膨張するようにされ、図8のように、脚部のふくらはぎ部位に比較的強めのエアーマッサージを施すようにされる。一方、脚型検出モードで施療者の脚部のふくらはぎ以外(たとえば足首部)に当たると判断された空気袋11は、脚部のふくらはぎ部位に当たると判断された空気袋11よりも、施療モードでは制御部20によって弁体23の開状態の時間を短くして空気袋11への空気供給量が抑制されて空気袋11の膨張を抑制するようにされ、図8のように、脚部のふくらはぎ以外の部位に比較的弱めのエアーマッサージを施すようにされる。脚部のふくらはぎ部位は筋肉質であって快適なマッサージ感を感じるには比較的マッサージ圧力の強めのマッサージ施療が適当であり、一方、脚部のふくらはぎ以外の部位(たとえば足首部)は骨張っていて快適なマッサージ感を感じるには比較的マッサージ圧力の弱めのマッサージ施療が適当であることから、上述の制御部20による各空気袋11毎の給排気制御によると、脚部のふくらはぎ部位及びふくらはぎ以外の部位にそれぞれ適当なマッサージ圧力でのエアーマッサージを施すようにできるのである。なお、本例の制御部20では、骨や筋肉といった主要の構成要素や太さが大きく異なるふくらはぎ部位とそれ以外の部位との2つの部位に大別して判断するようにして制御部20の簡易化を図っているが、脚部の部位を多部位に分けて判断して各部位に適当なマッサージを施すようにしてもよいのは言うまでもない。
【0023】
また、これ加えて、脚型検出モードで施療者の脚部のふくらはぎ部位に当たると制御部20にて判断された空気袋11は、脚部のふくらはぎ以外の部位に当たると判断された空気袋11よりも、施療モードでは制御部20によって一定に空気ポンプ21を駆動させた上で、弁体23を一定時間の開状態と一定時間の閉状態とを繰り返し切換えるなど、単位時間あたりの空気袋11への空気供給量を抑制する制御が行われる。脚部のふくらはぎ部位はそれ以外の部位(たとえば足首部)に比べて太い部分であるが、上記のように各空気袋11が制御されることで脚部の各部に略同様のタイミングで空気袋11を当てるようにできて、脚部の各部に一定時間の快適なマッサージ施療を施すことを可能にしている。
【0024】
このように本例のマッサージ機1では、脚の太い細いにかかわらず各施療者に対して、空気袋11を略同じマッサージ圧力で略同時間当てることができて快適なマッサージ施療を施すことができ、加えて、各施療者における脚の各部位に対して、脚の各部位に応じた適当なマッサージ圧力で快適なマッサージ施療を施すことができるのであり、異なる各施療者によっても一定の快適なマッサージ施療を施し得るようにされているのである。
【0025】
実際には、本例のマッサージ機1では、背凭れ部3の機械式施療機構にも施療モードの他に施療者の位置検出モードが有って位置検出モード後の施療モード時には位置検出モードで検出した肩位置等の検出結果に基いて上記施療者の各部に応じたマッサージ施療が行われるようにされており、上述の脚型検出モードは上記位置検出モードと同時に行われ、具体的には足首側から膝側にかけて順に各空気袋11を膨張させるようにして行われている。無論、脚型検出モードにおける空気袋11の膨らませる順番は任意でもよく、また本例では空気袋11毎に空気ポンプ21や空気タンク25が接続されているから同時に膨らませて短時間で脚型検出モードを終わらせるようにしてもよい。更に言うと、従来同様に本例のマッサージ機1でも、施療者の操作部19の操作によってマッサージ施療の強さ調節を行い得るようにされている。また、上記脚型検出モードでは、同時に、空気圧検出部24での検出の有無をもとに制御部20にて施療者の有無を判断するようにしており、空気圧検出部24での検出が無く制御部20にて施療者がいないと判断した場合にはマッサージ施療を終了する制御がなされるようにされている。また、空気圧検出部24での検出結果が、複数の空気袋11のうち一部の空気袋11の空気圧のみが異常に高く検出されるなど、異常検出と制御部20で判断された場合には、子供の挟み込みや物の挟み込みが考えられるので、安全を考慮してマッサージ施療を終了する制御がなされるようにされている。
【0026】
また、本例のマッサージ機1では、間に施療モードを挟んだマッサージ開始時及びマッサージ終了時にそれぞれ脚型検出モードが運転されるようにされており、各脚型検出モードによってマッサージ開始時の脚型とマッサージ終了時の脚型とをそれぞれ検出するようにされている。マッサージ開始前にはむくんでいた脚はマッサージ施療を施した後のマッサージ終了後にはむくみが取れたりしてマッサージの前後で脚型に変化が生じることもあり、マッサージ開始時及びマッサージ終了時の各脚型を制御部20にて比較することで施療モードでの施療効果を確認することができる。そして、本例のマッサージ機1には通知部26が制御部20に接続してあり、この通知部26によって上記施療モードでの施療効果を施療者に教示するようにしている。通知部26としては、たとえば施療モードでの施療効果を表示して知らせる表示装置や、施療モードでの施療効果をアナウンスやブザーを発して知らせる報知装置、施療モードでの施療効果を微振動で知らせるバイブレータ装置などが挙げられる。これにより、施療者は通知部26を介して施療モードでの施療効果を知ることができ、マッサージ効果の有用性を認識することができる。
【0027】
また、本例のマッサージ機1では、上記脚型検出モードがマッサージ施療の途中で適宜行われて施療者の脚型を新たに判断すると共に、それ以後のマッサージ施療を上記新たな判断に基いて行うことができるようにされている。背凭れ部3の回動動作があった場合、若しくは脚載せ台5の回動動作があった場合、若しくはその両方の動作があった場合には、脚載せ台5に対する施療者の脚部の位置が変化する。たとえば、図11の実線のように施療者の脚部を位置させた略垂直状態にある脚載せ台5が上方に回動されると、図11の点線のように脚載せ台5に対する施療者の脚部の位置が回動先端側にずれてしまう。このように脚載せ台5に対する施療者の脚部の位置が回動先端側にずれてしまうと、本来は脚部のふくらはぎ以外の部位(たとえば足首部)に当たる空気袋11がふくらはぎの部位に当たることとなり、脚部のふくらはぎの部位に適したマッサージ施療を行うことができなくなってしまうのであるが、本例ではマッサージ施療の途中でも脚載せ台5に対する施療者の脚部の位置が変化した後に脚型検出モードを行って施療者の脚型を新たに判断すると共に、それ以後のマッサージ施療を上記新たな判断に基いて行わせたことで、マッサージ施療の途中に変化した施療者の施療姿勢にも追従して適当なマッサージを施療し続けることができるようにされているのである。具体的には、施療者が姿勢変更した後に操作部19を操作することで制御部20で施療モードに優先させて脚型検出モードを開始させたり、背凭れ部3の回動動作、脚載せ台5の回動動作、若しくはその両方の動作があった場合に制御部20で自動的に施療モードに優先させて脚型検出モードを開始させることができるのである。
【0028】
なお、図1(b)の空気給排気装置8に代えて、図13のような空気給排気装置8を用いてもよい。この空気給排気装置8は空気ポンプ21から延びる供給管22を空気圧検出部24の下流で分岐させて脚施療用の各空気袋11に対応した各弁体23を介して接続されている。この場合、脚型検出モード時には、一の空気袋11を膨らませているときには他の空気袋11に対応する弁体23は閉状態にされて他の空気袋11が膨張しないようにして、一つずつ空気袋11を膨らませて空気圧検出部24で空気圧を検出することで、脚部の脚型を検出することができる。また、施療モード時には、制御部20にて各空気袋11に対応する各弁体23を開閉制御することで、各空気袋11を所定のスピードで膨らせたり所定の空気量を供給することができる。本例の空気給排気装置8は、図1(b)の空気給排気装置8に比べて、空気タンク25や空気ポンプ21や空気圧検出部24の個数を減らすことができ、空気給排気装置8、ひいてはマッサージ機1の構成の簡素化を図ることができたものである。
【0029】
なお、上記実施形態では脚施療用の空気袋11は溝部10にその溝の長さ方向に3つ並べて設けたものを例示したが、溝部10に設ける空気袋11の個数を減らしてマッサージ装置の簡素化を図ったり、逆に空気袋11の個数を増やして脚部の各部位に細かく対応して快適性を増したエアーマッサージを施すようにしてもよいのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態の例のマッサージ機であり、(a)はマッサージ機全体の概略側側面図であり、(b)は空気給排気装置の概略構成図である。
【図2】同上のマッサージ機の全体斜視図である。
【図3】同上の脚載せ台の正面図である。
【図4】同上の脚載せ台の要部の側面図である。
【図5】同上の脚載せ台におけるマッサージ施療の動作説明図である。
【図6】同上の脚載せ台におけるマッサージ施療の動作説明図である。
【図7】同上の脚の太さの違いに応じたマッサージ施療の違いを説明するグラフである。
【図8】同上の脚の部位の違いに応じたマッサージ施療の違いを説明するグラフである。
【図9】同上の空気給排気装置の運転制御の例を示すグラフである。
【図10】同上の空気給排気装置の運転制御の例を示すグラフである。
【図11】同上の回動した脚載せ台に対する施療者の脚部の位置のずれを説明する説明図である。
【図12】本発明の実施の形態の他例のマッサージ機全体の概略平面図である。
【図13】本発明の実施の形態の更に他例のマッサージ機における空気給排気装置の概略構成図である。
【図14】従来技術の問題点を説明するグラフである。
【符号の説明】
【0031】
1 マッサージ機
2 座部
3 背凭れ部
4 椅子本体
5 脚載せ台
8 空気給排気装置
10 溝部
11 脚部施療用の空気袋
20 制御部
21 空気タンク
22 供給管
23 弁体
24 空気圧検出部
25 空気ポンプ
27 通知部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の給排気にて膨張収縮する空気袋によって施療者の脚にマッサージを施すマッサージ機において、空気圧を検出する空気圧検出部と、上記空気圧検出部での検出値をもとに施療者の脚型を判断すると共に上記判断に基いた空気袋への空気の給排気制御によりマッサージ施療を行う制御部とを備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
上記制御部で、空気圧検出部での検出値をもとに施療者の脚の太さを判断すると共に、上記判断した施療者の脚の太さに応じて空気袋の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
施療者の脚の長さ方向に沿わせるべく複数の空気袋を並べて配置すると共に各空気袋に対応して空気圧検出部を複数設け、上記制御部で、各空気圧検出部での検出値をもとに各空気袋が施療する施療者の脚の部位を判断すると共に、上記判断した施療者の脚の部位に応じて各空気袋に個別の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項4】
上記制御部で、各空気袋が施療する施療者の脚の部位をふくらはぎ部位とそれ以外の部位とに分けて判断すると共に、上記判断したふくらはぎ部位とそれ以外の部位に応じて各空気袋に個別の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする請求項3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
上記制御部で、間にマッサージ施療を行う施療モードを挟んだマッサージ開始時及びマッサージ終了時に施療者の脚型を検出する脚型検出モードを設けたマッサージ制御を行うようにし、マッサージ開始時に脚型検出モードにて検出した脚型とマッサージ終了時に脚型検出モードにて検出した脚型との違いを施療者に通知する通知部を設けたことを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項6】
上記制御部で、空気袋に空気を給気した際の空気圧検出部での検出の有無をもとに施療者の有無を判断するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項7】
上記制御部で、マッサージ施療の途中で自動または施療者の手動操作により施療者の脚型を新たに判断すると共に、それ以後のマッサージ施療を上記新たな判断に基いて行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項1】
空気の給排気にて膨張収縮する空気袋によって施療者の脚にマッサージを施すマッサージ機において、空気圧を検出する空気圧検出部と、上記空気圧検出部での検出値をもとに施療者の脚型を判断すると共に上記判断に基いた空気袋への空気の給排気制御によりマッサージ施療を行う制御部とを備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
上記制御部で、空気圧検出部での検出値をもとに施療者の脚の太さを判断すると共に、上記判断した施療者の脚の太さに応じて空気袋の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
施療者の脚の長さ方向に沿わせるべく複数の空気袋を並べて配置すると共に各空気袋に対応して空気圧検出部を複数設け、上記制御部で、各空気圧検出部での検出値をもとに各空気袋が施療する施療者の脚の部位を判断すると共に、上記判断した施療者の脚の部位に応じて各空気袋に個別の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項4】
上記制御部で、各空気袋が施療する施療者の脚の部位をふくらはぎ部位とそれ以外の部位とに分けて判断すると共に、上記判断したふくらはぎ部位とそれ以外の部位に応じて各空気袋に個別の給排気制御を行うようにしたことを特徴とする請求項3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
上記制御部で、間にマッサージ施療を行う施療モードを挟んだマッサージ開始時及びマッサージ終了時に施療者の脚型を検出する脚型検出モードを設けたマッサージ制御を行うようにし、マッサージ開始時に脚型検出モードにて検出した脚型とマッサージ終了時に脚型検出モードにて検出した脚型との違いを施療者に通知する通知部を設けたことを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項6】
上記制御部で、空気袋に空気を給気した際の空気圧検出部での検出の有無をもとに施療者の有無を判断するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項7】
上記制御部で、マッサージ施療の途中で自動または施療者の手動操作により施療者の脚型を新たに判断すると共に、それ以後のマッサージ施療を上記新たな判断に基いて行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−89704(P2007−89704A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280944(P2005−280944)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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