マッサージ機
【課題】 脚の下腿部に対するマッサージを効果的に行えるものとする。
【解決手段】 人体の脚が嵌る溝20を備えるとともに、該溝の両側壁と溝の底部とに夫々膨張収縮するエアバッグ21,22を配した脚用のマッサージ機である。溝の側壁に配されたエアバッグ22は溝の底部側の端部が固定され、溝の底部に配されて溝に嵌められる脚のふくらはぎに接するエアバッグ21は四周のうちのいずれか一辺側が固定されている。エアバッグの長さが短くとも、エアバッグの膨張動作のストローク及び推力を大きくとることができる。
【解決手段】 人体の脚が嵌る溝20を備えるとともに、該溝の両側壁と溝の底部とに夫々膨張収縮するエアバッグ21,22を配した脚用のマッサージ機である。溝の側壁に配されたエアバッグ22は溝の底部側の端部が固定され、溝の底部に配されて溝に嵌められる脚のふくらはぎに接するエアバッグ21は四周のうちのいずれか一辺側が固定されている。エアバッグの長さが短くとも、エアバッグの膨張動作のストローク及び推力を大きくとることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機、殊に膨張収縮するエアバッグによって脚のマッサージを行う脚用のマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアバッグを用いた脚用のマッサージ機は、たとえば特許文献1に示されているように、人体の脚が嵌る溝の両側壁と溝の底部とに夫々膨張収縮するエアバッグを配したものとなっている。
【0003】
また、脚における下腿部は、ふくらはぎの太さが上部と下部とで大きく異なるために、上記特許文献1に示されたものでは、溝の底部に配するエアバッグを溝の長手方向において複数に分けることで対応させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−161766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種のマッサージ機に用いるエアバッグは、図3に示すような断面形状を持つものであり、その長さLが短いと、エアを供給した際の図3中の矢印で示す方向の膨張のストロークを大きくとることができないために、ふくらはぎに対して十分な圧力を加えることができない。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、脚の下腿部に対するマッサージを効果的に行うことができるマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、人体の脚が嵌る溝を備えるとともに、該溝の両側壁と溝の底部とに夫々膨張収縮するエアバッグを配した脚用のマッサージ機であって、溝の側壁に配されたエアバッグは溝の底部側の端部が固定され、溝の底部に配されて溝に嵌められる脚のふくらはぎに接するエアバッグは四周のうちのいずれか一辺側が固定されていることに特徴を有している。エアバッグの長さが短くとも、エアバッグの膨張動作のストローク及び推力を大きくとることができる。
【0008】
上記溝の側壁には複数のエアバッグが溝の長手方向において並んでおり、溝の底部には側壁に配された上記エアバッグよりも溝の長手方向における寸法が長いエアバッグが少なくとも一つ配されていることが、脚の下腿部の各部に夫々適したマッサージを得られる点で好ましい。
【0009】
また、溝の底部に配されたエアバッグは、溝の長手方向において、溝の側壁に配された複数のエアバッグにまたがって配置されていることが、ふくらはぎの押圧に関して有効である。
【0010】
そして、側壁に配されたエアバッグの膨張開始後、もしくは側壁に配されたエアバッグの膨張完了後、底面のふくらはぎに接するエアバッグを膨張させる制御手段を備えていると、下腿を側壁に配されたエアバッグの膨張で固定した後にふくらはぎを押圧することになり、下腿部が溝から抜け出てしまうことがないために、エアバッグの力を逃がすことなくマッサージに有効利用することができる。
【0011】
底面のふくらはぎに接するエアバッグの排気開始後、もしくは底面のふくらはぎに接するエアバッグの排気終了後、側壁に配されたエアバッグの排気を行う制御手段を備えていると、やはり側壁のエアバッグを排気させて収縮させる時も下腿部が溝から押し出されてしまうようなことがなくて、違和感のない安定したマッサージを得ることができる。
【0012】
人体の脚の足先部のマッサージ用のエアバッグを更に備えているとともに、足先部用の該エアバッグを膨張させて足先部を固定した後に前記ふくらはぎに接するエアバッグを膨張させる制御手段を備えたものとすれば、足先を固定した状態で下腿部を押し出すことによる足首のアキレス腱のストレッチ動作や、大腿筋のストレッチ動作を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、溝の側壁に配されたエアバッグは溝の底部側の端部が固定されているために、該エアバッグは下腿を側方から押圧するだけでなく、下腿の前面側を包むようにして溝から下腿が抜け出ることを抑えることができて、溝の底部のエアバッグによるふくらはぎの押圧を有効に行うことができるものであり、しかも溝の底部に配したエアバッグは、四周のうちのいずれか一辺側が固定されたものであるために、エアバッグの長さが短くとも、エアバッグの膨張動作のストローク及び推力を大きくとることができて、ふくらはぎに対するマッサージを十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すもので、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図2】同上の全体構成を示す概略図である。
【図3】同上のエアバッグの断面図である。
【図4】同上の動作の一例を示す正面図である。
【図5】同上の動作の一例を示す断面図である。
【図6】同上の動作の一例のタイムチャートである。
【図7】同上の動作の他例のタイムチャートである。
【図8】同上の動作の他例を示す正面図である。
【図9】同上の動作の他例を示す断面図である。
【図10】同上の他の例の正面図である。
【図11】同上の別の例の正面図である。
【図12】同上の更に他の例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、マッサージ機は図2に示すように、椅子4の座部40の前端に軸41によって回動自在に連結された支持枠10と、この支持枠10に軸11によって連結されたベース12と、一面にフラットな足載せ面13を備えたベース12の他面側に設けた2つのマッサージ部2,3とからなる。
【0016】
上記支持枠10は、伸縮アクチュエータAによって軸41を中心に上下に回動するものであり、ベース12は軸11を中心に180°回転させることで、図示のマッサージ部2,3が表面に位置している状態から、フラットな足載せ面13が表面に位置している状態に切り換えることができるものとなっている。
【0017】
上記両マッサージ部2,3のうち、座部40寄りのマッサージ部2は、脚における下腿部のマッサージ用、他方のマッサージ部3は足先部のマッサージ用であり、マッサージ部3は上記ベース12に軸35で連結されて所定範囲内で回動自在となっている回動ベース14を備えて、ばね36による付勢で図中矢印方向に付勢されている。
【0018】
マッサージ部2は図1に示すようにほぼ平行に並ぶ左右一対の溝20,20を有しており、下腿部が嵌るこれら溝20,20は夫々溝20の底部となるところにエアバッグ21が配され、左右の側壁部分にエアバッグ22,22が配されたもので、ここでは底部に位置するエアバッグ21が一つであるのに対して、側壁部分に位置するエアバッグ22は、各側壁毎に2個設けられて溝20の長手方向に並んでいる。なお、このように複数のエアバッグ21,22,22を設けているのは、マッサージ部位に対して夫々適したマッサージを行うことができるようにするためである。
【0019】
そして、マッサージ部2における上記の各エアバッグ21,22は、ベース12に対して一部が固定されているのであるが、側壁部分に位置するエアバッグ22は、溝20の底部寄りの一辺側がベース12に固定されており、溝20の底部に位置するエアバッグ21は、四周のうちのいずれか一辺側、図1に示す例では座部40寄りの上辺側がベース12に固定されている。図中Sは固定箇所を示している。
【0020】
足先部のマッサージ用であるマッサージ部3もやはり足先が嵌る溝30を回動ベース14が備えており、溝30の底部にはエアバッグ31が、両側壁部分には夫々エアバッグ32,32が配されている。また、エアバッグ32も溝30の底部寄りの一辺側が回動ベース14に固定されている。エアバッグ31についてはその固定位置を問わない。
【0021】
なお、ここで言う各エアバッグは、夫々袋状の外皮の中に入れられて各部に配されており、上記外皮の固定位置がエアバッグの固定位置を意味するものとなっているとともに、エアバッグにエアを供給することで膨張させた時、固定したところから離れたところの方が固定位置に近いところよりも膨らむものとなっている。図3はエアバッグの断面形状の一例を示している。
【0022】
今、座部40に座ってマッサージ機におけるマッサージ部2の溝20,20に下腿部を嵌めるとともにマッサージ部3の溝30に足先を嵌めれば、溝20の底部に下腿部のふくらはぎが接し、溝30の底部に足裏部分が接する。
【0023】
そして各エアバッグにエアを供給すれば、溝20の左右側壁に位置するエアバッグ22,22は図4に示すように下腿部を左右から圧迫するとともに、最も膨らむ部分が下腿部の前面側に被さるようになるために、下腿部を溝20の奥の方に押し込む力も発揮する。
【0024】
溝20の底部に配したエアバッグ21は、その膨張で下腿部のふくらはぎを前方へ押圧することになるが、この時、固定端が上辺となっているエアバッグ21は、図5に示すように、ふくらはぎにおける足首寄りの細くなっているところに最も膨らむことになる部分が接して圧力を加えるものであり、ふくらはぎの太くなっているところに接する上辺側の部分は膨らみが小さいために、ふくらはぎ全面にほぼ均一な圧力を加えることができるとともに、ふくらはぎを真裏から圧迫することができる。。
【0025】
しかも、エアバッグ21による下腿部を前方へと押し出す力に対して、エアバッグ22による上記力が対抗するために、下腿部が溝20から押し出されてしまうことがなく、エアバッグ21によるふくらはぎに対する圧力が有効に作用する。
【0026】
マッサージ部3におけるエアバッグ31,32へのエアの供給でエアバッグ31,32が膨張すれば、エアバッグ31が足裏を押し上げ、エアバッグ32が足先部を左右から挟持するとともに足の甲の部分に被さるエアバッグ32がエアバッグ31による押し上げで足先部が浮いてしまうことを防ぐ。
【0027】
ここにおいて、上記ふくらはぎの押圧を有効に行うにあたっては、下腿部が浮き上がって溝20から抜け出てしまわないようにすることが重要である。このために、マッサージ部2については、溝20の底部に位置するエアバッグ21と、左右の両側壁に位置するエアバッグ22とは別個に膨張収縮させることができるように、エア供給用のポンプPに対して異なるバルブVを介して接続している。なお、各エアバッグの収縮はバルブVを通じた排気で行う。図2中のCは制御回路、6は操作器である。
【0028】
そして図6に示すように側壁部のエアバッグ22を膨張させた後、底面のエアバッグ21を膨張させるものとし、またエアバッグ21を収縮させた後、エアバッグ22を収縮させるものとしてある。つまり、下腿部が溝20から抜け出ることがないようにエアバッグ22で規制している状態でエアバッグ21によるふくらはぎの押圧がなされるようにしているものである。
【0029】
伸縮アクチュエータ5によって支持枠10を上方に回動させ、マッサージ部2の溝20が上方を向くようにしている時、つまりは溝20に嵌めた脚が水平に近い状態となる場合は、脚の自重が働くために、図7に示すように側壁部のエアバッグ22の膨張を開始させた後、底面のエアバッグ21を膨張させるものとし、またエアバッグ21の収縮を開始させた後、エアバッグ22を収縮させるものとしてもよい。
【0030】
図8に示すように、マッサージ部3のエアバッグ31,32を膨張させて足先を固定し、この状態でマッサージ部2における溝20の底面に位置するエアバッグ21を膨張させて図9に示すように下腿部を押し出せば、足首のアキレス腱や、太腿の大腿筋を延ばすストレッチを行うことができる。
【0031】
マッサージ部3における3つのエアバッグ31,32,32については、ここでは同時に膨張収縮させることができるようにしているが、これらについても、側壁側のエアバッグ32が膨張して足先が溝30から抜けでないようにしている状態でエアバッグ31を膨張収縮させるようにしてもよい。
【0032】
ところで、エアバッグは図3に示すような断面形状のものの場合、長さLが長いほど図3中の矢印方向で示す膨張の動作距離(ストローク)と推力を大きくすることができる。この点からすれば、マッサージ部2における溝20の側壁に配したエアバッグ22は、溝20の長手方向において分割したものとしても、溝20の深さ方向において十分な長さを持たせることができるが、溝20の底部に配したエアバッグ21は、溝20の長手方向において分割すると、必要な長さの確保が困難となる。
【0033】
このために、図示例においては、溝20の底部に配するエアバッグ21は溝20の長手方向において分割せずに単一のものとして、十分な長さを溝20の長手方向で確保することができるようにしている。
【0034】
ただし、エアバッグ21の固定を四周のうちの一辺側で行っていると、必要な長さを短くすることができるために、溝20の長手方向において分割しても上記長さを確保することができるのであれば、エアバッグ22と同様に溝20の長手方向において分割して複数個を配置するものとしてもよい。
【0035】
エアバッグ21を一つだけとする場合、各側壁に2つあるエアバッグ22,22にまたがるように配置するのが好ましい。この時、図10に示すように、エアバッグ21の一端がエアバッグ22の配置領域をはみ出すように配置してもよい。
【0036】
上記の実施例においては、エアバッグ21として、四周のうちの座部40側の上辺側をベース12に固定しているが、本発明は必ずしもこの形態に限定されるものではなく、例えば図11に示すように、反対側の下辺側を固定するものであってもよく、さらには図12に示すように、左右いずれかの辺側を固定するものであってもよい。
【0037】
マッサージ部2,3を備えたマッサージ機を座部40の先端側に有している椅子4は、その背もたれ部に人体背面のマッサージ用のマッサージ機構が設けられているマッサージ椅子であることが好ましい。
【符号の説明】
【0038】
2 マッサージ部
3 マッサージ部
20 溝
21 エアバッグ
22 エアバッグ
31 エアバッグ
32 エアバッグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機、殊に膨張収縮するエアバッグによって脚のマッサージを行う脚用のマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアバッグを用いた脚用のマッサージ機は、たとえば特許文献1に示されているように、人体の脚が嵌る溝の両側壁と溝の底部とに夫々膨張収縮するエアバッグを配したものとなっている。
【0003】
また、脚における下腿部は、ふくらはぎの太さが上部と下部とで大きく異なるために、上記特許文献1に示されたものでは、溝の底部に配するエアバッグを溝の長手方向において複数に分けることで対応させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−161766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種のマッサージ機に用いるエアバッグは、図3に示すような断面形状を持つものであり、その長さLが短いと、エアを供給した際の図3中の矢印で示す方向の膨張のストロークを大きくとることができないために、ふくらはぎに対して十分な圧力を加えることができない。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、脚の下腿部に対するマッサージを効果的に行うことができるマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、人体の脚が嵌る溝を備えるとともに、該溝の両側壁と溝の底部とに夫々膨張収縮するエアバッグを配した脚用のマッサージ機であって、溝の側壁に配されたエアバッグは溝の底部側の端部が固定され、溝の底部に配されて溝に嵌められる脚のふくらはぎに接するエアバッグは四周のうちのいずれか一辺側が固定されていることに特徴を有している。エアバッグの長さが短くとも、エアバッグの膨張動作のストローク及び推力を大きくとることができる。
【0008】
上記溝の側壁には複数のエアバッグが溝の長手方向において並んでおり、溝の底部には側壁に配された上記エアバッグよりも溝の長手方向における寸法が長いエアバッグが少なくとも一つ配されていることが、脚の下腿部の各部に夫々適したマッサージを得られる点で好ましい。
【0009】
また、溝の底部に配されたエアバッグは、溝の長手方向において、溝の側壁に配された複数のエアバッグにまたがって配置されていることが、ふくらはぎの押圧に関して有効である。
【0010】
そして、側壁に配されたエアバッグの膨張開始後、もしくは側壁に配されたエアバッグの膨張完了後、底面のふくらはぎに接するエアバッグを膨張させる制御手段を備えていると、下腿を側壁に配されたエアバッグの膨張で固定した後にふくらはぎを押圧することになり、下腿部が溝から抜け出てしまうことがないために、エアバッグの力を逃がすことなくマッサージに有効利用することができる。
【0011】
底面のふくらはぎに接するエアバッグの排気開始後、もしくは底面のふくらはぎに接するエアバッグの排気終了後、側壁に配されたエアバッグの排気を行う制御手段を備えていると、やはり側壁のエアバッグを排気させて収縮させる時も下腿部が溝から押し出されてしまうようなことがなくて、違和感のない安定したマッサージを得ることができる。
【0012】
人体の脚の足先部のマッサージ用のエアバッグを更に備えているとともに、足先部用の該エアバッグを膨張させて足先部を固定した後に前記ふくらはぎに接するエアバッグを膨張させる制御手段を備えたものとすれば、足先を固定した状態で下腿部を押し出すことによる足首のアキレス腱のストレッチ動作や、大腿筋のストレッチ動作を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、溝の側壁に配されたエアバッグは溝の底部側の端部が固定されているために、該エアバッグは下腿を側方から押圧するだけでなく、下腿の前面側を包むようにして溝から下腿が抜け出ることを抑えることができて、溝の底部のエアバッグによるふくらはぎの押圧を有効に行うことができるものであり、しかも溝の底部に配したエアバッグは、四周のうちのいずれか一辺側が固定されたものであるために、エアバッグの長さが短くとも、エアバッグの膨張動作のストローク及び推力を大きくとることができて、ふくらはぎに対するマッサージを十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すもので、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図2】同上の全体構成を示す概略図である。
【図3】同上のエアバッグの断面図である。
【図4】同上の動作の一例を示す正面図である。
【図5】同上の動作の一例を示す断面図である。
【図6】同上の動作の一例のタイムチャートである。
【図7】同上の動作の他例のタイムチャートである。
【図8】同上の動作の他例を示す正面図である。
【図9】同上の動作の他例を示す断面図である。
【図10】同上の他の例の正面図である。
【図11】同上の別の例の正面図である。
【図12】同上の更に他の例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、マッサージ機は図2に示すように、椅子4の座部40の前端に軸41によって回動自在に連結された支持枠10と、この支持枠10に軸11によって連結されたベース12と、一面にフラットな足載せ面13を備えたベース12の他面側に設けた2つのマッサージ部2,3とからなる。
【0016】
上記支持枠10は、伸縮アクチュエータAによって軸41を中心に上下に回動するものであり、ベース12は軸11を中心に180°回転させることで、図示のマッサージ部2,3が表面に位置している状態から、フラットな足載せ面13が表面に位置している状態に切り換えることができるものとなっている。
【0017】
上記両マッサージ部2,3のうち、座部40寄りのマッサージ部2は、脚における下腿部のマッサージ用、他方のマッサージ部3は足先部のマッサージ用であり、マッサージ部3は上記ベース12に軸35で連結されて所定範囲内で回動自在となっている回動ベース14を備えて、ばね36による付勢で図中矢印方向に付勢されている。
【0018】
マッサージ部2は図1に示すようにほぼ平行に並ぶ左右一対の溝20,20を有しており、下腿部が嵌るこれら溝20,20は夫々溝20の底部となるところにエアバッグ21が配され、左右の側壁部分にエアバッグ22,22が配されたもので、ここでは底部に位置するエアバッグ21が一つであるのに対して、側壁部分に位置するエアバッグ22は、各側壁毎に2個設けられて溝20の長手方向に並んでいる。なお、このように複数のエアバッグ21,22,22を設けているのは、マッサージ部位に対して夫々適したマッサージを行うことができるようにするためである。
【0019】
そして、マッサージ部2における上記の各エアバッグ21,22は、ベース12に対して一部が固定されているのであるが、側壁部分に位置するエアバッグ22は、溝20の底部寄りの一辺側がベース12に固定されており、溝20の底部に位置するエアバッグ21は、四周のうちのいずれか一辺側、図1に示す例では座部40寄りの上辺側がベース12に固定されている。図中Sは固定箇所を示している。
【0020】
足先部のマッサージ用であるマッサージ部3もやはり足先が嵌る溝30を回動ベース14が備えており、溝30の底部にはエアバッグ31が、両側壁部分には夫々エアバッグ32,32が配されている。また、エアバッグ32も溝30の底部寄りの一辺側が回動ベース14に固定されている。エアバッグ31についてはその固定位置を問わない。
【0021】
なお、ここで言う各エアバッグは、夫々袋状の外皮の中に入れられて各部に配されており、上記外皮の固定位置がエアバッグの固定位置を意味するものとなっているとともに、エアバッグにエアを供給することで膨張させた時、固定したところから離れたところの方が固定位置に近いところよりも膨らむものとなっている。図3はエアバッグの断面形状の一例を示している。
【0022】
今、座部40に座ってマッサージ機におけるマッサージ部2の溝20,20に下腿部を嵌めるとともにマッサージ部3の溝30に足先を嵌めれば、溝20の底部に下腿部のふくらはぎが接し、溝30の底部に足裏部分が接する。
【0023】
そして各エアバッグにエアを供給すれば、溝20の左右側壁に位置するエアバッグ22,22は図4に示すように下腿部を左右から圧迫するとともに、最も膨らむ部分が下腿部の前面側に被さるようになるために、下腿部を溝20の奥の方に押し込む力も発揮する。
【0024】
溝20の底部に配したエアバッグ21は、その膨張で下腿部のふくらはぎを前方へ押圧することになるが、この時、固定端が上辺となっているエアバッグ21は、図5に示すように、ふくらはぎにおける足首寄りの細くなっているところに最も膨らむことになる部分が接して圧力を加えるものであり、ふくらはぎの太くなっているところに接する上辺側の部分は膨らみが小さいために、ふくらはぎ全面にほぼ均一な圧力を加えることができるとともに、ふくらはぎを真裏から圧迫することができる。。
【0025】
しかも、エアバッグ21による下腿部を前方へと押し出す力に対して、エアバッグ22による上記力が対抗するために、下腿部が溝20から押し出されてしまうことがなく、エアバッグ21によるふくらはぎに対する圧力が有効に作用する。
【0026】
マッサージ部3におけるエアバッグ31,32へのエアの供給でエアバッグ31,32が膨張すれば、エアバッグ31が足裏を押し上げ、エアバッグ32が足先部を左右から挟持するとともに足の甲の部分に被さるエアバッグ32がエアバッグ31による押し上げで足先部が浮いてしまうことを防ぐ。
【0027】
ここにおいて、上記ふくらはぎの押圧を有効に行うにあたっては、下腿部が浮き上がって溝20から抜け出てしまわないようにすることが重要である。このために、マッサージ部2については、溝20の底部に位置するエアバッグ21と、左右の両側壁に位置するエアバッグ22とは別個に膨張収縮させることができるように、エア供給用のポンプPに対して異なるバルブVを介して接続している。なお、各エアバッグの収縮はバルブVを通じた排気で行う。図2中のCは制御回路、6は操作器である。
【0028】
そして図6に示すように側壁部のエアバッグ22を膨張させた後、底面のエアバッグ21を膨張させるものとし、またエアバッグ21を収縮させた後、エアバッグ22を収縮させるものとしてある。つまり、下腿部が溝20から抜け出ることがないようにエアバッグ22で規制している状態でエアバッグ21によるふくらはぎの押圧がなされるようにしているものである。
【0029】
伸縮アクチュエータ5によって支持枠10を上方に回動させ、マッサージ部2の溝20が上方を向くようにしている時、つまりは溝20に嵌めた脚が水平に近い状態となる場合は、脚の自重が働くために、図7に示すように側壁部のエアバッグ22の膨張を開始させた後、底面のエアバッグ21を膨張させるものとし、またエアバッグ21の収縮を開始させた後、エアバッグ22を収縮させるものとしてもよい。
【0030】
図8に示すように、マッサージ部3のエアバッグ31,32を膨張させて足先を固定し、この状態でマッサージ部2における溝20の底面に位置するエアバッグ21を膨張させて図9に示すように下腿部を押し出せば、足首のアキレス腱や、太腿の大腿筋を延ばすストレッチを行うことができる。
【0031】
マッサージ部3における3つのエアバッグ31,32,32については、ここでは同時に膨張収縮させることができるようにしているが、これらについても、側壁側のエアバッグ32が膨張して足先が溝30から抜けでないようにしている状態でエアバッグ31を膨張収縮させるようにしてもよい。
【0032】
ところで、エアバッグは図3に示すような断面形状のものの場合、長さLが長いほど図3中の矢印方向で示す膨張の動作距離(ストローク)と推力を大きくすることができる。この点からすれば、マッサージ部2における溝20の側壁に配したエアバッグ22は、溝20の長手方向において分割したものとしても、溝20の深さ方向において十分な長さを持たせることができるが、溝20の底部に配したエアバッグ21は、溝20の長手方向において分割すると、必要な長さの確保が困難となる。
【0033】
このために、図示例においては、溝20の底部に配するエアバッグ21は溝20の長手方向において分割せずに単一のものとして、十分な長さを溝20の長手方向で確保することができるようにしている。
【0034】
ただし、エアバッグ21の固定を四周のうちの一辺側で行っていると、必要な長さを短くすることができるために、溝20の長手方向において分割しても上記長さを確保することができるのであれば、エアバッグ22と同様に溝20の長手方向において分割して複数個を配置するものとしてもよい。
【0035】
エアバッグ21を一つだけとする場合、各側壁に2つあるエアバッグ22,22にまたがるように配置するのが好ましい。この時、図10に示すように、エアバッグ21の一端がエアバッグ22の配置領域をはみ出すように配置してもよい。
【0036】
上記の実施例においては、エアバッグ21として、四周のうちの座部40側の上辺側をベース12に固定しているが、本発明は必ずしもこの形態に限定されるものではなく、例えば図11に示すように、反対側の下辺側を固定するものであってもよく、さらには図12に示すように、左右いずれかの辺側を固定するものであってもよい。
【0037】
マッサージ部2,3を備えたマッサージ機を座部40の先端側に有している椅子4は、その背もたれ部に人体背面のマッサージ用のマッサージ機構が設けられているマッサージ椅子であることが好ましい。
【符号の説明】
【0038】
2 マッサージ部
3 マッサージ部
20 溝
21 エアバッグ
22 エアバッグ
31 エアバッグ
32 エアバッグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の脚が嵌る溝を備えるとともに、該溝の両側壁と溝の底部とに夫々膨張収縮するエアバッグを配した脚用のマッサージ機であって、溝の側壁に配されたエアバッグは溝の底部側の端部が固定され、溝の底部に配されて溝に嵌められる脚のふくらはぎに接するエアバッグは四周のうちのいずれか一辺側が固定されていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
溝の側壁には複数のエアバッグが溝の長手方向において並んでおり、溝の底部には側壁に配された上記エアバッグよりも溝の長手方向における寸法が長いエアバッグが少なくとも一つ配されていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
溝の底部に配されたエアバッグは、溝の長手方向において、溝の側壁に配された複数のエアバッグにまたがって配置されていることを特徴とする請求項2記載のマッサージ機。
【請求項4】
側壁に配されたエアバッグの膨張開始後、もしくは側壁に配されたエアバッグの膨張完了後、底面のふくらはぎに接するエアバッグを膨張させる制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項5】
底面のふくらはぎに接するエアバッグの排気開始後、もしくは底面のふくらはぎに接するエアバッグの排気終了後、側壁に配されたエアバッグの排気を行う制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項6】
人体の脚の足先部のマッサージ用のエアバッグを更に備えているとともに、足先部用の該エアバッグを膨張させて足先部を固定した後に前記ふくらはぎに接するエアバッグを膨張させる制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項1】
人体の脚が嵌る溝を備えるとともに、該溝の両側壁と溝の底部とに夫々膨張収縮するエアバッグを配した脚用のマッサージ機であって、溝の側壁に配されたエアバッグは溝の底部側の端部が固定され、溝の底部に配されて溝に嵌められる脚のふくらはぎに接するエアバッグは四周のうちのいずれか一辺側が固定されていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
溝の側壁には複数のエアバッグが溝の長手方向において並んでおり、溝の底部には側壁に配された上記エアバッグよりも溝の長手方向における寸法が長いエアバッグが少なくとも一つ配されていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
溝の底部に配されたエアバッグは、溝の長手方向において、溝の側壁に配された複数のエアバッグにまたがって配置されていることを特徴とする請求項2記載のマッサージ機。
【請求項4】
側壁に配されたエアバッグの膨張開始後、もしくは側壁に配されたエアバッグの膨張完了後、底面のふくらはぎに接するエアバッグを膨張させる制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項5】
底面のふくらはぎに接するエアバッグの排気開始後、もしくは底面のふくらはぎに接するエアバッグの排気終了後、側壁に配されたエアバッグの排気を行う制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項6】
人体の脚の足先部のマッサージ用のエアバッグを更に備えているとともに、足先部用の該エアバッグを膨張させて足先部を固定した後に前記ふくらはぎに接するエアバッグを膨張させる制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−177439(P2011−177439A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46839(P2010−46839)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]