説明

マッサージ機

【課題】脚部用凹部及び足部用凹部を収納可能としつつ、使用者の体格に対応してより好適に脚部のマッサージを行うことができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】オットマン14には、一面側に脚部用凹部14a及び足部用凹部14bと、他面側に使用者の脚部を載置可能な脚載部14cとが備えられる。また、オットマン14は座部12側に設けた支持枠16に対して左右方向に延びる態様で設けられる回転支軸16aにて回転可能に支持され、オットマン14を回転させることで各凹部14a,14bを座部12前方に露出させるマッサージ可能状態と、脚載部14cを座部12前方に露出させる脚載可能状態とに変更可能に構成される。また、オットマン14の脚部用凹部14aは、エアバッグを備えるとともに、足部用凹部14bは、脚部用凹部14aに対してスライド可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の脚部をマッサージ可能なマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者が着座可能な座部の前部に傾動可能なオットマンを配設し、そのオットマンに使用者の脚部をマッサージする膨縮動作可能なエアバッグを内蔵したマッサージ機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献1のマッサージ機に備えられるオットマンでは、同文献の図3に示されるように使用者の脚部を独立して挿入配置可能な一対の脚部用凹部が設けられ、その凹部の側壁にエアバッグを内蔵させ、エアバッグの膨縮動作にて使用者の両脚(特に脹脛部)それぞれを個別に挟んでマッサージすることが可能な構成とされている。
【0004】
また、近年のマッサージ機では、上記の脚部用凹部に加え、使用者の足部を例えば足裏から支持可能な足部用凹部が前記脚部用凹部とは別体に設ける構成のものが開発されている。また、このようなマッサージ機では、使用者個々の身長(特に膝下の長さ)を許容するべく、脚部用凹部及び足部用凹部が一体となって座部に対してスライド可能に構成されたものも開発されている。このため、使用者個々によって異なる脚の長さに合わせてオットマンをスライドさせて位置合わせが行え、使用者の好みの位置において脚を乗せることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3508771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のようなマッサージ機では、マッサージ機を使用する使用者個々によって脚の長さが異なり、例えば使用者の脚が長いほど足裏から膝、また足裏から脹脛部までの距離が異なる。つまり、例えば、足部用凹部と脚部用凹部を脚の短い人に合わせてオットマンの設計を行った場合、脚の長い人にとっては脚部用凹部の位置が脹脛部よりも足裏に近い方にずれてしまい、脚部用凹部に設けられるマッサージ手段にて使用者の脹脛部を好適にマッサージすることが困難となってしまう。このように、脚部用凹部及び足部用凹部が一体となって座部に対してスライド可能に構成することでオットマン全体の位置調整して好みの位置で使用することは可能となるものの、脚部用凹部も一体で動作するため脚部用凹部に設けられるマッサージ手段にて使用者の脚部の好適な位置をマッサージすることが難しく、この改善が望まれている。
【0007】
また、オットマンには、前述したように脚部用凹部及び足部用凹部が備えられているため、座部に着座する際に各凹部が障害となる虞があることや、マッサージ機全体としての意匠性向上の観点から各凹部を収納できる構成が望まれている。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、脚部用凹部及び足部用凹部を収納可能としつつ、使用者の体格に対応してより好適に脚部のマッサージを行うことができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者が着座可能な座部と、該座部の前部に使用者の脚部を載置可能なオットマンとを備え、前記オットマンにマッサージ手段を設けて前記使用者の脚をマッサージするマッサージ機であって、前記オットマンは、一面側に前記使用者の脚部を挿入配置可能な脚部用凹部と、前記使用者の足部を足裏から支持可能な足部用凹部とを有し、前記脚部用凹部に前記マッサージ手段が設けられ、他面側に前記使用者の脚部を載置可能な脚載部を有し、前記座部側に設けた支持部に対して左右方向に延びる態様で設けられる回転支軸にて回転可能に支持され、前記オットマンを回転させることで前記各凹部を前記座部前方に露出させるマッサージ可能状態と、前記脚載部を前記座部前方に露出させる脚載可能状態とに変更可能に構成され、前記足部用凹部は、前記脚部用凹部に対してスライド可能に構成されたことをその要旨とする。
【0010】
この発明では、オットマンには、一面側に脚部用凹部及び足部用凹部と、他面側に使用者の脚部を載置可能な脚載部とが備えられる。また、オットマンは座部側に設けた支持部に対して左右方向に延びる態様で設けられる回転支軸にて回転可能に支持され、オットマンを回転させることで各凹部を座部前方に露出させるマッサージ可能状態と、脚載部を座部前方に露出させる脚載可能状態とに変更可能に構成される。このように、脚部用凹部及び足部用凹部を露出させるマッサージ可能状態と、各凹部を収容して他面側の脚載部を露出させる脚載可能状態とに変更できるため、脚載可能状態において凹部の露出が無くなり、使用者が容易に着座することが可能となる。また、オットマンをマッサージ可能状態と脚載可能状態とに変更できるため、使用者のその時々の気分によってマッサージ可能状態と脚載可能状態を選択でき、オットマンとしての利便性を向上させることができる。また、オットマンの脚部用凹部は、マッサージ手段を備えるとともに、足部用凹部は、脚部用凹部に対してスライド可能に構成されるため、使用者の脚の長さに合わせてオットマンの全長を変更することができる。そして、足部用凹部を所望の位置で停止させることで間接的に脚部用凹部を使用者の脚部(脹脛部)をマッサージ可能な位置に合わせることができる。このため、使用者の脚部をマッサージ手段にて好適にマッサージすることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマッサージ機において、前記足部用凹部は、回動可能に構成され、前記マッサージ可能状態において前部側となる前記足部用凹部の先端部位を前記回転支軸側に所定の付勢力で付勢する付勢手段を備えたことをその要旨とする。
【0012】
この発明では、足部用凹部には、マッサージ可能状態において前部側となる足部用凹部の先端部位を回転支軸側に所定の付勢力で付勢する付勢手段が備えられる。このように、付勢手段により回動可能な足部用凹部の先端部位を回転支軸側に所定の付勢力で付勢することで、オットマン全体としてコンパクト化を図ることができる。そしてオットマンを回転させる構成では、オットマンをコンパクト化させることでオットマンを容易に回転させることが可能となる。また、前記使用者の足部を足裏から支持する足部用凹部の底面にマッサージ手段としてエアバッグを設ける構成とした際に、エアバッグを膨張動作させた場合、回動可能な足部用凹部が使用者の足裏を押圧する方向から逃げるような作用が働いて好適なマッサージ効果を得ることが困難となる。この時、本構成のように、足部用凹部を前記付勢手段にて回転支軸側に付勢されているため、前述のような逃げる作用が抑えられ、好適なマッサージ効果を得ることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記足部用凹部は、回動可能に構成され、前記足部用凹部の底面と、前記脚部用凹部の底面とがなす回動角度が鋭角となる格納位置に維持可能に構成されたことをその要旨とする。
【0014】
この発明では、足部用凹部は、回動可能に構成されるとともに、足部用凹部の底面と、脚部用凹部の底面とがなす回動角度が鋭角となる格納位置に維持可能に構成される。このように、脚部用凹部に対し足部用凹部が回動され、足部用凹部の底面と脚部用凹部の底面とでなる回動角度を鋭角、即ち従来のマッサージ機(オットマン)より足部用凹部を脚部用凹部側に回動できるためオットマン全体としてコンパクト化を図ることが可能となる。また、足部用凹部が回動可能な構成であるため回動角度を略直角とした使用位置にも変更でき、例えば足部用凹部にマッサージ手段を設けた構成の場合に従来のマッサージ機と同様の構成とでき、オットマンコンパクト化に伴うマッサージ効果の低減を抑えることが可能となる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記足部用凹部は、前記使用者の足部をマッサージする足部マッサージ手段を備えたことをその要旨とする。
【0016】
この発明では、足部用凹部には、使用者の足部をマッサージする足部マッサージ手段が備えられるため、使用者の足部のマッサージを行うことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記マッサージ手段は、膨縮動作可能なエアバッグにて構成されたことをその要旨とする。
【0017】
この発明では、マッサージ手段が膨縮動作可能なエアバッグにて構成されるため、使用者に対し、柔軟なマッサージを行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、脚部用凹部及び足部用凹部を収納可能としつつ、使用者の体格に対応してより好適に脚部のマッサージを行うことができるマッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態におけるマッサージ機の概略構成図である。
【図2】オットマンの足部用凹部をスライドさせた状態について説明するための説明図である。
【図3】オットマンの脚載可能状態について説明するための説明図である。
【図4】オットマンの正面図である。
【図5】オットマンの側面図である。
【図6】別例におけるオットマンのスライド機構について説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のマッサージ機の概略構成を示す。マッサージ機10の脚部11は、図示しない床面に載置されるとともに、その上部には、使用者が着座可能な座部12が設けられている。
【0021】
座部12には、その後部に背もたれ部13、その前部にオットマン14がそれぞれ座部12に対して傾動可能に設けられている。また、座部12には、座部12の後部側から前部側に延びる一対のフレーム15(図1では1つのみ図示)の前端に、それぞれ支持枠16の基端が接続されている。そして、この支持枠16の先端には、座部12の左右方向(図1において紙面直交方向)に延びる回転支軸16aにて前記オットマン14が回転可能に設けられている。
【0022】
オットマン14は、前記支持枠16の先端側が接続されるとともに座部12に着座した使用者の脚部(脹脛部)を挿入配置可能な脚部用凹部14aと、使用者の足部を載せて支持する足部用凹部14bとを有している。また、脚部用凹部14a及び足部用凹部14bの裏面側には使用者の脚部を載置可能な略平面状の脚載部14cが脚部用凹部14aに固定されている。このため、本実施形態のマッサージ機10では、オットマン14を回転支軸16a中心に回転させることで、各凹部14a,14bの表面側に設けられるマッサージ手段としてのエアバッグ23,28,29(図4参照)を本マッサージ機10前面側に露出させて使用者をマッサージ可能なマッサージ可能状態(図1参照)と、裏面側の脚載部14c側を本マッサージ機10前面側に露出させて使用者の脚部を配置可能な脚載可能状態(図3参照)とに変更が可能となっている。
【0023】
脚部用凹部14aは、図4に示すように、底面20の左右端部及び左右方向中央部から略同一方向に延出する3つの側壁21a〜21cの側壁対向面22には、マッサージ手段としての2つのエアバッグ23が設けられている。
【0024】
脚部用凹部14aの裏面側に固定される脚載部14cは、その内部に所定の空間が形成されており、その空間に足部用凹部14bを支持するL字状の支持フレーム17の基端側がスライド可能に挿入されている。そして、支持フレーム17の基端側はばね18によって脚載部14cの内部における挿入方向下流側の端部14dに付勢されている。このため、使用者の脚(足)によって足部用凹部14bの底面25(図4参照)をばね18に抗したスライド方向(挿入方向上流側)に一定の力をかけることで、図2に示すように足部用凹部14bが脚部用凹部14aに対してスライドしたスライド状態に変更可能に構成されている。また、足部用凹部14bにおいてばね18に抗する力が作用していない時には、ばね18にて支持フレーム17が挿入方向下流側に付勢され、図1に示す通常状態が維持されるようになっている。
【0025】
支持フレーム17の先端に設けられる足部用凹部14bは、図4に示すように、底面25の左右端部及び左右方向中央部から略同一方向に延出する3つの側壁26a〜26cの側壁対向面27には、マッサージ手段としてのエアバッグ28が設けられている。また、足部用凹部14bの底面25には、足裏マッサージ手段としてのエアバッグ29が設けられている。尚、足部用凹部14bの側壁対向面27に設けられるエアバッグ28は、脚部用凹部14aの側壁対向面22に設けられるエアバッグ23より各対向面22,27の対向中心側に配置される。
【0026】
足部用凹部14bは、脚部用凹部14aに対し、回動支軸30を中心として回動可能に支持されており、足部用凹部14bの先端部位(図1において左側)が、例えば、ばね等の付勢部材31により脚部用凹部14a(回転支軸16a)側に常時付勢されている。具体的には、付勢部材31は、その一端が支持フレーム17の側面の固定点Xにて固定され、この固定点Xが足部用凹部14bの先端部位(図1において左側)の固定点Yよりも高い位置(座部12側)となるように設けられている。このため、足部用凹部14bの先端部位は回動支軸30を中心として脚部用凹部14a側に付勢されている。これにより、オットマン14全体としてコンパクト化を実現することが可能となり、オットマン14回転時においてその回転を容易とすることが可能となっている。また、前述したようにエアバッグ28は、エアバッグ23よりも各対向面22,27の対向中心側に配置されるため、エアバッグ23及びエアバッグ28が左右方向にずれる構成となり、足部用凹部14bを格納位置に回動させた際に、エアバッグ23とエアバッグ28とが干渉することを抑制することができ、所望の位置である格納位置までより確実に足部用凹部14bを回動させることができる。
【0027】
また、特に、図5に示すように、付勢部材31に足部用凹部14bを脚部用凹部14a側に付勢した状態において、足部用凹部14b側の側壁26a〜26cにおける脚部用凹部14aの側壁21a〜21cとの対向端面35は、脚部用凹部14aの側壁21a〜21cの端面36との距離が略等間隔となるように形成されている。このため、よりオットマン14全体としての大きさを抑えることが可能となり、オットマン14回転時において好適に回転させることが可能となっている。この時、足部用凹部14bは、付勢部材31により所定の半径を有する仮想円C内に納まるように、足部用凹部14bの底面25と脚部用凹部14aの底面20との回動角度Dが略55度程度となる位置まで付勢されている。ここで、仮想円Cは、その半径を例えば図示しない床面から座部12の下面までの距離を1/2とした長さとすることで、オットマン14の大きさを最大限にしつつ、オットマン14を回転する際に床面及び座部12の下面とオットマン14とが干渉することが抑えられる。
【0028】
尚、足部用凹部14bを付勢する付勢部材31は、脚部用凹部14a側への付勢力に抗する力がこの付勢力よりも強い場合、回動支軸30を中心として足部用凹部14bの先端部位が脚部用凹部14aとは反対方向に回動される。そして、図5に示すように、付勢部材31の各固定点X,Y間を繋ぐ直線(図示略)が回動支軸30の中心点CPを超えた場合、付勢部材31により脚部用凹部14aとは反対側に付勢されるようになっている。この時、例えば脚部用凹部14aの底面20と足部用凹部14bの底面25とが略平行となる位置(伸展位置)で、足部用凹部14bを固定させることで例えば脚部の長い使用者に対応することも可能となっている。また、使用者の脚部から足部の足首までかけて脚部用凹部14a及び足部用凹部14bのエアバッグ23,28にてマッサージすることが可能となっている。
【0029】
上記のように構成されたマッサージ機10のオットマン14では、図示しないエアポンプが制御され、エアポンプからの給排気により各エアバッグ23,28,29が適宜膨縮動作され、使用者の脚部及び足部をマッサージすることができる。また、本実施形態のマッサージ機10では、オットマン14の一面側にマッサージ手段としてのエアバッグ23,28,29を有し、他面側に平面状の脚載部14cを有し、オットマン14が回転可能に構成されている。このため、使用者の気分によってオットマン14をマッサージ器具として使用するのか、脚載部14cとして使用するのか選択可能となっている。
【0030】
マッサージする際には、例えば着座した使用者により使用者の足部(足裏)にて足部用凹部14bの底面25をばね18の付勢する方向に抗する方向に押して足部用凹部14bを脚部用凹部14aに対してスライドさせ、脚部用凹部14aが使用者の脹脛部と対向する位置となるように足部用凹部14bを停止させることが可能となっている。これにより、脚部用凹部14aに設けられるエアバッグ23にて使用者の脚部(脹脛部)を好適にマッサージすることが可能となっている。
【0031】
また、オットマン14は、脚部用凹部14aの底面20及び足部用凹部14bの底面25とでなす回動角度が鋭角となる略55度の格納位置で保持可能に構成されている。このように足部用凹部14bを従来のマッサージ機(オットマン)よりも脚部用凹部14a側に回動できるため、オットマン14のコンパクト化を図ることが可能となっている。そのため、オットマン14を容易に回転させることができる。
【0032】
また、足部用凹部14bが回動可能に構成され、従来のマッサージ機のように回動角度Dが直角となる使用状態に変更できるため、オットマン14のコンパクト化に伴うエアバッグ28によるマッサージ効果の低下を抑えることができるようになっている。
【0033】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)オットマン14には、一面側に脚部用凹部14a及び足部用凹部14bと、他面側に使用者の脚部を載置可能な脚載部14cとが備えられる。また、オットマン14は座部12側に設けた支持枠16に対して左右方向に延びる態様で設けられる回転支軸16aにて回転可能に支持され、オットマン14を回転させることで各凹部14a,14bを座部12前方に露出させるマッサージ可能状態と、脚載部14cを座部12前方に露出させる脚載可能状態とに変更可能に構成される。このように、脚部用凹部14a及び足部用凹部14bを露出させるマッサージ可能状態と、各凹部14a,14bを収容して他面側の脚載部14cを露出させる脚載可能状態とに変更できるため、脚載可能状態において凹部14a,14bの露出が無くなり、使用者が容易に着座することが可能となる。また、オットマン14をマッサージ可能状態と脚載可能状態とに変更できるため、使用者のその時々の気分によってマッサージ可能状態と脚載可能状態を選択でき、オットマン14としての利便性を向上させることができる。また、オットマン14の脚部用凹部14aは、マッサージ手段としてのエアバッグ23を備えるとともに、足部用凹部14bは、脚部用凹部14aに対してスライド可能に構成されるため、使用者の脚の長さに合わせてオットマン14の全長を変更することができる。そして、足部用凹部14bを所望の位置で停止させることで間接的に脚部用凹部14aを使用者の脚部(脹脛部)をマッサージ可能な位置に合わせることができる。このため、使用者の脚部(脹脛部)をエアバッグ23にて好適にマッサージすることが可能となる。
【0034】
(2)足部用凹部14bには、マッサージ可能状態において前部側となる足部用凹部14bの先端部位を回転支軸16a側に所定の付勢力で付勢する付勢部材31が備えられる。このように、付勢部材31により回動可能な足部用凹部14bの先端部位を回転支軸16a側に所定の付勢力で付勢することで、オットマン14全体としてコンパクト化を図ることができる。また、オットマン14を回転させる本構成では、オットマン14をコンパクト化させることでオットマン14を容易に回転させることが可能となる。また、使用者の足部を足裏から支持する足部用凹部14bの底面25にマッサージ手段としてエアバッグ29を設ける構成とした際に、エアバッグ29を膨張動作させた場合、回動可能な足部用凹部14bが使用者の足裏を押圧する方向から逃げるような作用が働いて好適なマッサージ効果を得ることが困難となる。この時、本構成のように、足部用凹部14bを付勢部材31にて回転支軸16a側に付勢されているため、前述のような逃げる作用が抑えられ、好適なマッサージ効果を得ることが可能となる。
【0035】
(3)足部用凹部14bは、回動可能に構成されるとともに、足部用凹部14bの底面25と、脚部用凹部14aの底面20とがなす回動角度Dが鋭角となる格納位置に維持可能に構成される。このように、脚部用凹部14aに対し足部用凹部14bが回動され、各底面20,25でなる回動角度Dを鋭角、即ち従来のマッサージ機(オットマン)より足部用凹部14bを脚部用凹部14a側に回動できるためオットマン全体としてコンパクト化を図ることが可能となる。また、足部用凹部14bが回動可能な構成であるため回動角度Dを略直角とした使用位置にも変更でき、足部用凹部14bにエアバッグ28を設けた本実施形態において従来のマッサージ機と同様の構成とでき、オットマン14コンパクト化に伴うマッサージ効果の低減を抑えることが可能となる。
【0036】
(4)足部用凹部14bには、使用者の足部をマッサージする足部マッサージ手段としてのエアバッグ23が備えられるため、使用者の足部のマッサージを行うことができる。
(5)マッサージ手段が膨縮動作可能なエアバッグ23,28,29にて構成されるため、使用者に対し、柔軟なマッサージを行うことが可能となる。
【0037】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、足部用凹部14bを支持する支持フレーム17を脚載部14c内に挿入させスライド可能に配置して、支持フレーム17の一端がばね18にて挿入方向下流側に付勢するようにしてスライド可能に構成したが、これに限らない。例えば、図6に示すように、脚載部14c内部に設けられて回転駆動するモータ40と、このモータ40に駆動連結される送りねじ41と、この送りねじ41と螺合して回転することで直動する送りナット42とを備え、支持フレーム17に送りナット42を固定する構成を採用してもよい。このような構成とすることでモータ40を回転駆動させることで支持フレーム17をスライドさせて足部用凹部14bを使用者の所望の位置に移動させることができる。
【0038】
・上記実施形態では、付勢部材31にて回転中心である支軸16a側に足部用凹部14bを付勢する構成を採用したが、これに限らない。
・上記実施形態では、足部用凹部14bを格納状態とした際に、足部用凹部14bの底面25と、脚部用凹部14aの底面20とがなす回動角度Dが鋭角(略55度)となるように構成したが、これに限らず、例えば回動角度Dが直角であってもよい。
【0039】
・上記実施形態では、足部用凹部14bにエアバッグ28,29を設ける構成としたが、足部用凹部14bにエアバッグを設けない構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば背もたれ部13に施療子にて使用者の上半身をマッサージするマッサージ機構を配設した構成を採用してもよい。
【0040】
・上記実施形態では、背もたれ部13を座部12に対して傾動可能に設けたが、これに限らず、背もたれ部13を傾動不能、つまり固定した構成であってもよい。また、背もたれ部13を省略した構成であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…マッサージ機、11…脚部、12…座部、14…オットマン、14a…脚部用凹部、14b…足部用凹部、14c…脚載部、16…支持枠(支持部)、16a…回転支軸、20,25…底面、23,28,29…エアバッグ(マッサージ手段)、31…付勢部材(付勢手段)、D…回動角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座可能な座部と、該座部の前部に使用者の脚部を載置可能なオットマンとを備え、前記オットマンにマッサージ手段を設けて前記使用者の脚をマッサージするマッサージ機であって、
前記オットマンは、
一面側に前記使用者の脚部を挿入配置可能な脚部用凹部と、前記使用者の足部を足裏から支持可能な足部用凹部とを有し、前記脚部用凹部に前記マッサージ手段が設けられ、他面側に前記使用者の脚部を載置可能な脚載部を有し、
前記座部側に設けた支持部に対して左右方向に延びる態様で設けられる回転支軸にて回転可能に支持され、前記オットマンを回転させることで前記各凹部を前記座部前方に露出させるマッサージ可能状態と、前記脚載部を前記座部前方に露出させる脚載可能状態とに変更可能に構成され、
前記足部用凹部は、前記脚部用凹部に対してスライド可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記足部用凹部は、回動可能に構成され、前記マッサージ可能状態において前部側となる前記足部用凹部の先端部位を前記回転支軸側に所定の付勢力で付勢する付勢手段を備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマッサージ機において、
前記足部用凹部は、回動可能に構成され、前記足部用凹部の底面と、前記脚部用凹部の底面とがなす回動角度が鋭角となる格納位置に維持可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記足部用凹部は、前記使用者の足部をマッサージする足部マッサージ手段を備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記マッサージ手段は、膨縮動作可能なエアバッグにて構成されたことを特徴とするマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−67355(P2011−67355A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220465(P2009−220465)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】