説明

マッサージ装置

【課題】 立ち姿勢の状態で、上半身及び下半身を広く全体的にマッサージを行い、また、振動部を幅広く配置することによって、多様な使用形態を実現する。
【解決手段】 モータ5の駆動により回動する垂直軸6を左右に立設し、前記モータ5の駆動により振動する踏み台4を配置し、前記垂直軸6の上方であって、立ち姿勢の略腰の高さに振動部2を配置し、前記振動部2を水平方向に長さをもって架設すると共に、左右の振動部2を互いに平行に配置し、前記振動部2と振動部2の間にベルト3を架け渡した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立ち姿勢の身体をマッサージするマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、マッサージ装置は、押圧部を備え、その押圧部が揉み動作・叩き動作をすることによって、マッサージを行う構成となっている。このマッサージ装置の一例として特開2004−129896号公報記載の技術があげられる。
この公報記載の技術は、着座部を備え、着座した使用者の背中を押圧するローラと、伸ばした足先をマッサージする足先用マッサージユニットを備えたものである。
【特許文献1】特開2004−129896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の技術は、ローラ等の押圧部を身体側へ突出させて、揉み動作および叩き動作により、特定の部位をマッサージするものである。
そのため、押圧部が当接する部分は、充分なマッサージ効果が得られるが、その他の部分には効果が得られない。また、着座した状態では特定の部位に揉み、叩き作用が集中し、身体に悪影響を及ぼすおそれもある。
特に、揉み・叩きによるマッサージでは、局部的にしか効果が得られないという問題があった。
本発明は係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、立ち姿勢の状態で、上半身及び下半身を広く全体的にマッサージを行い、また、振動部を幅広く配置することによって、多様な使用形態を実現したマッサージ装置を提供することにある。さらに、振動部の大きな振幅によって、ガタツキや磨耗が発生する場合でも、部品同士の隙間を密着させてスムーズな稼動を実現したマッサージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するための手段として、請求項1記載のマッサージ装置では、振動部を台座上に固定して立ち姿勢の略腰の高さに配置し、その振動部に身体を接触させてマッサージ効果を得る。
【0005】
請求項2記載のマッサージ装置では、立ち姿勢の左右両側に振動部を配置し、その振動部と振動部の間にベルトを架け渡し、そのベルトに身体を当ててマッサージ効果を得る。
【0006】
請求項3記載のマッサージ装置では、請求項2記載のマッサージ装置において、前記振動部を水平方向に長さをもって架設し、左右の振動部を互いに平行に配置した。
【0007】
請求項4記載のマッサージ装置では、請求項3記載のマッサージ装置において、立ち姿勢の左右両側に垂直の振動伝達軸を配置し、その垂直の振動伝達軸を中心として水平方向に所定長さの振動部を伸ばし、その振動部は複数段の水平バーを有して構成される。
【0008】
請求項5記載のマッサージ装置では、請求項1〜4いずれか記載のマッサージ装置において、立ち姿勢の踏み台を振動させる構成とした。
【0009】
請求項6記載のマッサージ装置では、モータの駆動により回動する垂直軸を左右に立設し、前記モータの駆動により振動する踏み台を配置し、前記垂直軸の上方であって、立ち姿勢の略腰の高さに振動部を配置し、前記振動部を水平方向に長さをもって架設すると共に、左右の振動部を互いに平行に配置し、前記振動部と振動部の間にベルトを架け渡した。
【0010】
請求項7記載のマッサージ装置では、回動軸同士の回動方向を同期して同一の方向へ交互に回動させることによって振動を得る左右一対の振動部と、その振動部を振動させる動力部を備えたマッサージ装置であって、前記動力部は、駆動力を付与するモータと、そのモータの駆動により回転する偏心軸と、偏心軸の振れ幅を回動軸に伝達するリンクと、左右の回動軸同士を連結する連結部とを備え、前記連結部は、回動軸同士の回転方向を互いに引き合い、または反発しながら弾力をもって連結している。
【0011】
請求項8記載のマッサージ装置では、請求項1〜7記載のマッサージ装置において、前記モータの駆動軸に2本のベルトを掛け渡し、一方のベルトに垂直軸を左右に振動させる振動部側偏心軸を連結し、もう一方のベルトに踏み台を振動させる踏み台側偏心軸を連結し、踏み台側偏心軸を中央部分で回転させることによって踏み台を振動させ、一方、振動部側偏心軸から左右にリンクを伸ばして、本体左右の回動軸を回動させて振動部を振動させる構成とした。
【0012】
請求項9記載のマッサージ装置では、請求項1〜8記載のマッサージ装置において、前記振動部側偏心軸は中心軸から一方側に片寄った偏心部と、その偏心部から180°他方側に片寄った偏心部とを有して構成され、それぞれの偏心部から左右にリンクが延び、そのリンク先端に回動軸を接続した。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、前記構成を採用することにより、以下の効果が得られる。
請求項1記載のマッサージ装置においては、振動部を台座上に固定して立ち姿勢の腰の高さに配置したので、その振動部に身体を接触させることによりマッサージ効果が得られる。
また、立ち姿勢の状態でマッサージを行うので、マッサージ部位や体位を自由に変化させ、腰、肩、背中、腕等広い範囲に適用することができる。
【0014】
請求項2記載のマッサージ装置においては、立ち姿勢の左右両側に振動部を配置し、その振動部と振動部の間にベルトを架け渡す構成としたので、そのベルトに体重を傾けてマッサージを行うことができる。
【0015】
請求項3記載のマッサージ装置においては、振動部を水平方向に長さをもって架設し、左右の振動部を互いに平行に配置したので、振動部を把持して腕を載せ易く、多様な使用態様が実現される。また、振動部上をスライドさせてベルトを任意の位置に取付けることが可能となり、多様な使用態様が実現される。
また、左右の振動部の中心に身体が挟まれる状態となるので、両側から支えられて安定した使用感が得られる。
【0016】
請求項4記載のマッサージ装置においては、立ち姿勢の左右両側に垂直の振動伝達軸を配置し、その振動伝達軸を中心として水平方向に所定長さの振動部を配置したので、簡易でしかも確実な振動構造が構成される。
また、振動部は複数段の水平バーを有して構成されるので高さの位置調整が可能となっている。
【0017】
請求項5記載のマッサージ装置においては、立ち姿勢の踏み台を振動させる構成としたので、上半身のマッサージに加えて、足元から下半身にかけてのマッサージ効果が得られる。
【0018】
請求項6記載のマッサージ装置においては、モータの駆動により回動する垂直軸を左右に立設し、前記モータの駆動により振動する踏み台を配置し、前記垂直軸の上方であって、立ち姿勢の略腰の高さに振動部を固定し、前記振動部を水平方向に長さをもって架設すると共に、左右の振動部を互いに平行に配置し、前記振動部と振動部の間にベルトを架け渡す構成としたので、多様な使用態様を提供する安定感のある構造が実現される。
【0019】
請求項7記載のマッサージ装置においては、回動軸同士の回転方向を互いに引き合い、または反発しながら弾力をもって左右の回動軸同士を連結する連結部を備えているので、
回転軸同士が、互いに引き寄せられ、または反発し、部品同士の隙間が絞られて接続部分が密着することになる。
これによって、装置のガタツキが防止され、磨耗、故障を低減する。
【0020】
請求項8記載のマッサージ装置においては、前記モータの駆動軸に2本のベルトを掛け渡し、一方のベルトに垂直軸を左右に振動させる振動部側偏心軸を連結し、もう一方のベルトに踏み台を振動させる踏み台側偏心軸を連結したので、一台のモータにより、振動部及び踏み台の両方を振動させることができる。
また、踏み台側偏心軸を中央部分で回転させ、振動部側偏心軸から左右にリンクを伸ばして、本体左右の振動部を振動させる構成としたので、コンパクトでしかも確実な振動構造が実現される。
【0021】
請求項9記載のマッサージ装置においては、前記振動部側偏心軸は中心軸から一方側に片寄った偏心部と、その偏心部から180°他方側に片寄った偏心部とを有しているので、軸心が左右対称に形成されて重量のバランスが均等になるので、回転時のぶれ、ガタツキを防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0023】
以下、本発明の具体的実施例を説明する。
本発明の第1実施例に係るマッサージ装置は、図1〜図2に示すように、本体左右に立設された支柱1と、その支柱1上に支持された振動部2と、振動部2と振動部2の間に架け渡されるベルト3と、利用者が立つ踏み台4を主要な構成とし、電気の供給を受けてモータ5が回転し、モータ5の回転を受けて踏み台4及び振動部2が振動する構成となっている。
【0024】
前記モータ5の駆動軸には2本の動力伝達ベルトが並列して巻回され、それぞれの動力伝達ベルトが水平方向に延び、踏み台4と垂直軸6(振動伝達軸)を振動させるプーリに接続されている。
このプーリは偏心軸を有し、この偏心軸が回転することにより偏心軸が左右に振れ、この振れ幅がリンクを介して、垂直軸6及び踏み台4に伝達される。
台座7上には左右に支柱1が突設され、垂直軸6を上方にガイドしている。そして、垂直軸7の上端に振動部2が接続されている。
この垂直軸6は水平回動可能に支えられて、台座7内の軸基部の外周の一片にはリンクが接続されている。このリンクは、その他端が偏心軸に接続されているものであり、リンクが左右に振れるに応じて垂直軸6が左右に交互に回動する。垂直軸6が左右に交互に高速回動することにより、これが振動部2を左右に振動させてマッサージ効果を発揮する。
垂直軸6の回動方向については、装置の製造時の設定により、右と左の垂直軸が同一方向に回転する場合の他、右と左の垂直軸が反対方向に回転する場合がある。
垂直軸6の回動角度としては、利用目的等に応じて適宜設定されるが、一般的には1〜5°の範囲内であり、この回動角度によって、水平バー先端が左右に交互に数cmの範囲で振れることになる。
また、モータの回転速度を制御することにより、振動の強さが設定される。
【0025】
前記踏み台4は、横幅60〜70cm、縦幅20〜30cmの水平板であり、表面にはゴムが貼付されてすべり止め処理がなされている。利用者はこの踏み台4の上に立ち、足裏からの振動を受ける。
踏み台4は、通常は水平であるが、踏み台4表面に傾斜ステップ8を取付けることが可能となっている。この傾斜ステップ8は、図8に示すように、踏み台4と同一面積の樹脂等の素材からなり、水平な底面と一方側が盛り上がった傾斜した本体によって構成されている。この傾斜ステップ8を踏み台に取付けることにより、踏み台4に傾斜が付与され、使用時にかかと又は足先の筋を伸ばす効果が得られる。
尚、本実施例では本体前方に横幅の長い踏み台4が設置されているが、この踏み台4を本体中央及び後方に幅広く一面に設置することも可能である。
【0026】
前記振動部2は上下二段の水平バー9と、その水平バー9の端部を連結する垂直バー10によって、長方形の外形を形成している。
この振動部2は長方形の長辺を水平とし、長方形の面を垂直として、左右に配置され、左右の長方形の面同士が平行に配置されている。
これらの振動部2は左右平行に配置されて、その左右の振動部2の間に使用者が立つようになる。
そして、上下二段の水平バー9は50〜60cm程度の長さを有して前後に延び、その間に所定間隔で突起11が配置されている。この突起11は、短軸の先端に丸い頭部を接続したものである。
また、水平バーの上下二段は20〜30cm程度の間隔を空けて、上下二段に平行に配置されている。
振動部2は中心に垂直軸6が挿通固定されて左右対象に形成されている。
そして、これらの振動部2は、踏み台4に立った使用者の略腰の高さ、またはひざ上から背中の高さに位置するように配置されている。
前記突起11は、ベルトの係止部を形成すると共に、患部の押圧部としても機能する。つまり、手、腕等の幹部を直接突起に当てることにより、直接マッサージ効果が得られる。特に、側部の突起11aは身体の腹部、背中に直接当てて使用することができる。
【0027】
前記ベルト3は、身体のラインに応じて湾曲する可撓性のある面状の腰当部12と、その腰当部から左右に延びる紐部13によって構成され、紐部の先端は突起に係止する紐輪が形成されている。この紐輪を任意の突起11に係止して、使用に適する位置に設定する。
【0028】
次に、本発明のマッサージ装置の使用方法を説明する。
装置のスイッチを入れてモータ5を駆動し、回転速度を調整し、振動の強さを設定する。
本実施例では単一のモータ5を制御することによって、振動部2及び踏み台4の振動の強さが設定される。
モータ5の駆動に伴って、偏心軸の振れがリンクを伝達して左右の垂直軸6を回動させ、この交互に回動する動きが振動部2に伝達される。
使用者は振動部2と振動部2の間に立ち、水平バー9の所定の位置にベルト3を係止し、ベルトに体重を傾ける。すると、腰当部12を介して振動が身体に伝達される。
ここで、振動部2は複数段(上下二段)に形成されているので、ひざ上部分、身長に合わせて高さを選択することができる。また、使用者は水平バー9を把持することにより、手先から腕を伝ってマッサージ効果が得られる。
本実施例では、水平バー9が所定の長さを有しているので、ベルト3の取付け位置を変化させて、身体を大きく傾斜させる等、多様な使用態様を選択できる。
前記モータ5の駆動に伴って、踏み台4も振動するので、使用者は同時に足裏からマッサージ効果が得られる。
このように、本実施例では下半身と上半身からの広い範囲のマッサージ効果が得られる。
【0029】
図3は前向きに踏み台4に立ち、ベルト3を腰に当てて、後ろ側に体重を傾けた図である。
図3では、足から振動が伝達されると共に、腰部分から振動が伝達される。
【0030】
図4は、後ろ向きに踏み台4に立ち、ベルト3を腹部に当て、前方に体重を傾けた図である。
図4では、足から振動が伝達されると共に、腹部から振動が伝達される。
【0031】
図5は、前向きに踏み台4に立ち、ベルト3を腹部に当て、前方に体重を傾けた図である。
図5では、足から振動が伝達されると共に、腹部から振動が伝達される。
図3〜図5に示すように、ベルト3の係止部位を適宜設定することにより、マッサージ部位、体重の傾斜具合を調節して多様な使用態様が実現される。
【0032】
また、図6は椅子に腰掛けた状態で足を伸ばし、ベルト3に足を掛けた図である。この状態では、足先が高く持ち上げられた状態で振動が伝達されて、足の効果的なマッサージが行われる。
また、図7は椅子に腰掛けた状態で足を伸ばし、垂直軸6を挟んで両側の水平バー9に足を掛けた図である。この状態では図6と同様に足先が高く持ち上げられた状態で振動が伝達されて、足の効果的なマッサージが行われる。
【0033】
次に、動力部の構成を説明する。
本発明のマッサージ装置の動力部は、図9〜図11に示すように、電気の供給を受けて駆動するモータ5と、モータ5に巻回された2本のベルト20,21と、それぞれのベルトに掛け渡された振動部側プーリ22及び踏み台側プーリ23と、それぞれのプーリ22、23に連結された振動部側偏心軸24及び踏み台側偏心軸25と、前記振動部側偏心軸24に連結されて左右に延びるリンク26,27と、そのリンク26,27の先端に連結された左右の回動軸28,29と、その左右の回動軸28,29から手前側に水平に突設されたロッド30,31と、それらロッド間を連結するワイヤ32を主要な構成としている。
前記回動軸28,29は垂直軸6が接続される台座であり、この回動軸上に垂直軸が固定されて、振動部2を形成している。
【0034】
前記モータ5の駆動軸には2本の動力伝達ベルト20,21が並列して巻回され、それぞれの動力伝達ベルトが水平方向に延び、踏み台4と垂直軸6(振動伝達軸)を振動させるプーリ22,23に接続されている。
踏み台側プーリ23に連結された偏心軸25は前方に向かって水平に伸び、その先端部分に偏心部33が形成され、その偏心部33にアーム34が接続され、アーム34が斜め上へ伸びて踏み台4に接続されている。そして、偏心軸25が回転することにより、偏心部33が左右に振れ、この振れ幅33がアーム34を介して踏み台4に伝達される。踏み台4は中央部分を傾動可能に軸支されているので、この中央部分を中心として左右に交互に傾き、この傾きが振動を構成する。
【0035】
振動部側プーリ22に接続された偏心軸24は、踏み台側偏心軸25の横に間隔をおいて同じく前方に向かって水平に伸びている。偏心軸24の軸心は、中心軸から一方側に片寄った偏心部36と、その偏心部から180°他方側に片寄った偏心部37とを有し、二段の段差が形成された形状となっている。これらの偏心部36,37は中心軸から左右180°に1.5mmづつずれた形状となっている。
このように、左右対称に形成されていることにより、軸心のバランスが均等になり、回転時の軸心のぶれが防止される。
また、それぞれの偏心部36,37の外周にはリンク26,27の基端が嵌着し、その摺動部分にはベアリングが配設されている。
【0036】
前記振動部側偏心軸24の後方の偏心部36からは右リンク26が右水平へ延び、その先端が回動軸28の裏側に接続されている。また、前方の偏心部37からは左リンク27が左水平へ延び、その先端が回動軸29の表側に接続されている。
このような、偏心軸とリンクの配設構造をとっているため、偏心軸が回転すると、右リンクと左リンクが同時に中心に向かって、引き合いまたは押し合う動きとなる。これらの動きはリンク先端の回動軸に伝わって、それぞれの方向に回動させることになる。そして、本実施例では左右の回転軸が回動軸同士の回動方向を同期して同一の方向へ交互に回動するようになっている。つまり、一方の回動軸が右を向くときは他方の回動軸も右を向き、一方の回動軸が左を向くときは、他方の回動軸も左を向くことになる。
【0037】
次に、左右の回動軸28,29からは前方に向かってロッド30,31が突き出している。このロッドは回動軸に固定されて、回動軸とともに回転するものである。そして、このロッド30,31の先端にはワイヤ32が掛け渡されて、そのワイヤ32の一部にコイルバネ38が配置されている。このコイルバネ38はワイヤ32を引っ張りながら、ロッド30,31間を張力を持って連結することになる。
この張力をもってロッド間を連結することにより、この張力は回動軸28,29を互いに内側に向かって引き寄せる力を発生する。この互いに引き寄せる力が働くことにより、部品同士の隙間が絞られて接続部分が密着することになる。
つまり、リンク26,27と偏心軸24または回動軸28,29の継ぎ目部分は、隙間を生じないように精巧に組み立てを行うが、微小な隙間が生じることは避けられない。これらの隙間は偏心軸24が高速稼動するに伴って大きなガタツキとなって現れる。特に、振動部2の先端付近では小さな隙間によるガタツキが増幅されて現れる。これらのガタツキは、装置の磨耗、故障を引き起こすことになる。しかし、張力をもって回動軸28,29を連結することにより、リンク26,27と偏心軸24または回動軸28,29の継ぎ目部分の隙間が絞られて密着することになる。この結果、装置の稼動がスムーズに行われる。
これらの、部品同士の密着構造は、左右に2本の回動軸を配置すること、そして、それらの回動軸を同期して同一の方向に回動させるという構造を採用することによって可能となっている。
尚、本実施例ではロッド30,31の長さを確保しているが、この長く確保することにより、コイルバネ38の引っ張り力が回動軸に強く作用することになる。このロッドの長さはコイルバネの弾力に応じて適宜設定することが可能である。また、前記実施例ではコイルバネで互いに回動軸の回転を互いに引き寄せる構成としたが、回動軸同士の回転を互いに反発させる構成であっても同一の効果が得られる。
【0038】
本実施例の動力部は、1個のモータ5に2本のベルト20,21を巻回し、2本の偏心軸を駆動する構成としているので、振動部と踏み台を同時に振動させることが可能となっている。そして、一本の偏心軸を中央部分に配置して踏み台を振動させ、もう一本の偏心軸から左右にリンクを伸ばしているので、コンパクトでしかも確実な振動構造が実現されている。
【0039】
以上、実施例を説明したが、本発明の具体的な構成は前記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、水平バー9の形状としては直状のものに限らず、屈曲、湾曲させることも可能であり、横方向に固定する形状であれば本発明に含まれる。
そして、振動の構成としては、モータ5により偏心軸を回転させる構成としたが、その他、公知の振動構造を採用することができる。
さらに、前記実施例では、使用者が単独で使用する場合について説明したが、前方及び後方から複数人で同時に使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】マッサージ装置の斜視図である。
【図2】振動部の側面図である。
【図3】前向きにベルトを腰に当てた使用状態を示す側方斜視図である。
【図4】後ろ向きにベルトを腹部に当てた使用状態を示す側方斜視図である。
【図5】前向きにベルトを腹部に当てた使用状態を示す側方斜視図である。
【図6】ベルトに足を載せた使用状態を示す斜視図である。
【図7】振動部に足を載せた使用状態を示す斜視図である。
【図8】(イ)傾斜ステップの平面図、(ロ)傾斜ステップの正面図、(ハ)傾斜ステップの側面図である。
【図9】動力部の構造を示す上方からの斜視図である。
【図10】動力部の構造を示す下方からの斜視図である。
【図11】動力部の構造を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 支柱
2 振動部
3 ベルト
4 踏み台
5 モータ
6 垂直軸
7 台座
8 傾斜ステップ
9 水平バー
10 垂直バー
11 突起
11a 突起
12 腰当部
13 紐部
20 ベルト
21 ベルト
22 振動部側プーリ
23 踏み台側プーリ
24 振動部側偏心軸
25 踏み台側偏心軸
26 右リンク
27 左リンク
28 回動軸
29 回動軸
30 ロッド
31 ロッド
32 ワイヤ
33 偏心部
34 アーム
36 偏心部
37 偏心部
38 コイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部を台座上に固定して立ち姿勢の略腰の高さに配置し、その振動部に身体を接触させてマッサージ効果を得るマッサージ装置。
【請求項2】
立ち姿勢の左右両側に振動部を配置し、その振動部と振動部の間にベルトを架け渡し、そのベルトに身体を当ててマッサージ効果を得るマッサージ装置。
【請求項3】
前記振動部を水平方向に長さをもって架設し、左右の振動部を互いに平行に配置したことを特徴とする請求項2記載のマッサージ装置。
【請求項4】
立ち姿勢の左右両側に垂直の振動伝達軸を配置し、その垂直の振動伝達軸を中心として水平方向に所定長さの振動部を伸ばし、その振動部は複数段の水平バーを有して構成される請求項3記載のマッサージ装置。
【請求項5】
立ち姿勢の踏み台を振動させる構成とした請求項1〜4いずれか記載のマッサージ装置。
【請求項6】
モータの駆動により回動する垂直軸を左右に立設し、
前記モータの駆動により振動する踏み台を配置し、
前記垂直軸の上方であって、立ち姿勢の略腰の高さに振動部を配置し、
前記振動部を水平方向に長さをもって架設すると共に、左右の振動部を互いに平行に配置し、
前記振動部と振動部の間にベルトを架け渡したことを特徴とするマッサージ装置。
【請求項7】
回動軸同士の回動方向を同期して同一の方向へ交互に回動させることによって振動を得る左右一対の振動部と、その振動部を振動させる動力部を備えたマッサージ装置であって、
前記動力部は、駆動力を付与するモータと、そのモータの駆動により回転する偏心軸と、偏心軸の振れ幅を回動軸に伝達するリンクと、左右の回動軸同士を連結する連結部とを備え、
前記連結部は、回動軸同士の回転方向を互いに引き合い、または反発しながら弾力をもって連結していることを特徴とするマッサージ装置。
【請求項8】
前記モータの駆動軸に2本のベルトを掛け渡し、一方のベルトに垂直軸を左右に振動させる振動部側偏心軸を連結し、もう一方のベルトに踏み台を振動させる踏み台側偏心軸を連結し、
踏み台側偏心軸を中央部分で回転させることによって踏み台を振動させ、
一方、振動部側偏心軸から左右にリンクを伸ばして、本体左右の回動軸を回動させて振動部を振動させる構成とした請求項1〜7記載のマッサージ装置。
【請求項9】
前記振動部側偏心軸は中心軸から一方側に片寄った偏心部と、その偏心部から180°他方側に片寄った偏心部とを有して構成され、それぞれの偏心部から左右にリンクが延び、そのリンク先端に回動軸を接続したことを特徴とする請求項1〜8記載のマッサージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−218277(P2006−218277A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114629(P2005−114629)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(394010403)日本パーク株式会社 (2)
【Fターム(参考)】