説明

マルチカラー両面感熱印刷

本発明は、第1の面および第2の面を含む耐熱性基材と、少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第1の面上の第1のコーティングと、少なくとも2つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第2の面上の第2のコーティングを含み、基材の耐熱性が、第1のコーティングおよび第2のコーティングの一方に加えられた熱が、第1のコーティングおよび第2のコーティングの他方の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を画像形成するのを防止できるだけ十分高い両面感熱媒体を提供する。また、両面ダイレクト・サーマル・プリンタ、両面感熱印刷システム、および両面感熱媒体を画像形成する方法を記載している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直接感熱印刷技術に関し、特に、直接両面感熱媒体のマルチカラー画像形成に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2006年3月7日付けの「両面感熱印刷(Two−Sided Thermal Printing)」という名称の米国仮特許出願第60/779,781号、および2006年3月7日付けの「両面サーマル・プリンタ(Dual−Sided Thermal Printer)」という名称の米国仮特許出願第60/779,782号の優先権の利点を主張する、2006年12月4日付けの「マルチカラー両面感熱印刷(Multi−Color Dual−Sided Thermal Printing)」という名称の米国特許出願第11/633,300号の優先権を主張する。上記開示は、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0003】
多くの産業および用途において、取引文書(例えば、レシート、チケット、商品券、宝くじ等)を含むボンド紙を使用する文書の印刷は、直接感熱紙(感熱媒体)を使用する文書の印刷に移行してきた。
【0004】
直接感熱印刷は、有意の発達をしてきて多くの異なる産業および用途での使用に適応してきた。通常、直接感熱印刷の場合には、情報は文書の片面上だけに表示されるか印刷される。しかし、両面直接感熱印刷の開発により、取引文書のような文書の両面に印刷することができるようになった。米国特許第6,784,906号および第6,759,366号に両面直接感熱印刷のいくつかの例が開示されている。
【0005】
両面直接感熱印刷の場合には、プリンタは、プリンタを通るフィード・パスに沿って移動する感熱媒体の両面上に同時に印刷することができるように構成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなプリンタにおいては、ダイレクト・サーマル・プリント・ヘッドは、フィード・パスに沿って感熱媒体の各面上に配置される。動作中、各サーマル・プリント・ヘッドは、各プリント・ヘッドから感熱媒体を横切って対向プラテンの方を向いている。印刷中、対向するサーマル・プリント・ヘッドは、熱が加わると感熱媒体上に印刷が行われるように、基材の各対向面上に感熱コーティングを含む基材を含む感熱媒体の対向面に選択的に熱を加える。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、両面感熱媒体を提供する。この感熱媒体は、第1の面および第2の面を含む耐熱基材と、少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第1の面上の第1のコーティングと、少なくとも2つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第2の面上の第2のコーティングとを含む。この場合、基材の耐熱性は、第1のコーティングおよび第2のコーティングの一方に加えられた熱が、第1のコーティングおよび第2のコーティングの他方の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を画像形成するのを防止できるだけ十分高いものである。
【0008】
本発明の他の実施形態は、両面感熱媒体を提供する。この感熱媒体は、第1の面および第2の面を含む不透明な耐熱性基材と、少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第1の面上の第1のコーティングと、少なくとも2つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第2の面上の第2のコーティングとを含む。この場合、基材の耐熱性は、第1のコーティングおよび第2のコーティングの一方に加えられた熱が、第1のコーティングおよび第2のコーティングの他方の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を画像形成するのを防止できるだけ十分高いものである。
【0009】
さらに他の実施形態は、両面感熱媒体を提供する。この感熱媒体は、第1の面および第2の面を含む基材と、複数の感熱カラー画像形成構成要素の混合物を含む基材の第1の面上の第1のコーティングとを含む。
【0010】
さらに他の実施形態は、両面ダイレクト・サーマル・プリンタを提供する。このプリンタは、第1のプラテンの近くに位置する第1のサーマル・プリント・ヘッドと、第1のサーマル・プリント・ヘッドが第2のプラテンにほぼ対向していて、第2のサーマル・プリント・ヘッドが第1のプラテンに対してほぼ対向している状態で、第2のプラテンの近くに位置する第2のサーマル・プリント・ヘッドとを備える。第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび第2のサーマル・プリント・ヘッドは、カラーで両面感熱媒体の第1の面および第2の面をそれぞれ画像形成するために、所定の温度で所定の時間作動することができる。
【0011】
他の実施形態は、第1の面および第1の面に対向する第2の面を含む両面感熱媒体を画像形成するための方法を提供する。この方法は、カラー情報を含む画像形成データを受信するステップと、カラー情報により識別されたカラーの受信した画像形成データで、両面感熱媒体の第1の面および第2の面それぞれを画像形成するために、第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび第2のサーマル・プリント・ヘッドの作動を制御するステップとを含む。
【0012】
さらに他の実施形態は、両面感熱印刷システムを提供する。このシステムは、第1の面および第2の面を含む耐熱性基材と、少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第1の面上の第1のコーティングと、少なくとも2つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第2の面上の第2のコーティングとを含む。この場合、基材の耐熱性は、第1のコーティングおよび第2のコーティングの一方に加えられた熱が、第1のコーティングおよび第2のコーティングの他方の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を画像形成するのを防止できるだけ十分高いものであり、さらに、第1のプラテンの近くに位置する第1のサーマル・プリント・ヘッドと、第1のサーマル・プリント・ヘッドが第2のプラテンにほぼ対向していて、第2のサーマル・プリント・ヘッドが第1のプラテンに対してほぼ対向している状態で、第2のプラテンの近くに位置する第2のサーマル・プリント・ヘッドとを含む両面ダイレクト・サーマル・プリンタを備える。第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび第2のサーマル・プリント・ヘッドは、カラーで両面感熱媒体の第1の面および第2の面それぞれ上に第1のコーティングおよび第2のコーティングを画像形成するために、所定の温度で所定の時間作動することができる。
【0013】
さらに他の実施形態は、両面感熱印刷システムを提供する。このシステムは、第1の面および第2の面を含む不透明な耐熱性基材と、少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第1の面上の第1のコーティングと、少なくとも2つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第2の面上の第2のコーティングとを含む。この場合、基材の耐熱性は、第1のコーティングおよび第2のコーティングの一方に加えられた熱が、第1のコーティングおよび第2のコーティングの他方の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を画像形成するのを防止できるだけ十分高いものであり、さらに、第1のプラテンの近くに位置する第1のサーマル・プリント・ヘッドと、第1のサーマル・プリント・ヘッドが第2のプラテンにほぼ対向していて、第2のサーマル・プリント・ヘッドが第1のプラテンに対してほぼ対向している状態で、第2のプラテンの近くに位置する第2のサーマル・プリント・ヘッドとを含む両面ダイレクト・サーマル・プリンタを備える。第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび第2のサーマル・プリント・ヘッドは、カラーで両面感熱媒体の第1の面および第2の面それぞれ上に第1のコーティングおよび第2のコーティングを画像形成するために、所定の温度で所定の時間作動することができる。
【0014】
他の実施形態は、両面感熱印刷システムを提供する。このシステムは、第1および第2の面を含む基材と、複数の感熱カラー画像形成構成要素の混合物を含む基材の第1の面上の第1のコーティングと、少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む基材の第2の面上の第2のコーティングとを含み、さらに、第1のプラテンの近くに位置する第1のサーマル・プリント・ヘッドと、第1のサーマル・プリント・ヘッドが第2のプラテンにほぼ対向していて、第2のサーマル・プリント・ヘッドが第1のプラテンに対してほぼ対向している状態で、第2のプラテンの近くに位置する第2のサーマル・プリント・ヘッドとを含む両面ダイレクト・サーマル・プリンタを備える。第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび第2のサーマル・プリント・ヘッドは、カラーで両面感熱媒体の第1の面および第2の面それぞれ上に第1のコーティングおよび第2のコーティングを画像形成するために、所定の温度で所定の時間作動することができる。
【0015】
数枚の図面を通して類似の参照番号が、同じまたは類似の部材を示す添付の図面を参照しながら考えれば、例示としての実施形態の種々の機能および付随する利点をよりよく理解することができるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、取引文書のようなマルチカラー文書を作成するために、マルチカラー両面感熱印字媒体20を画像形成するための例示としての両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10の略図である。このプリンタ10は、バウチャー、クーポン、レシート、チケット、商品券、宝くじ等のような種々の他の文書も印刷することができることに留意されたい。サーマル・プリンタ10は、支持アーム100および110を備える。第2の支持アーム110は、アーム110がアーム100に対してピボット回転または回転することができるように、アーム・シャフト130上にジャーナル軸受けで支持することができる。支持アーム100および110は、相互に固定することもできる。サーマル・プリンタ10は、さらにプラテン30および40、および感熱印字媒体20の対向面上に対向するサーマル・プリント・ヘッド50および60を備える。より詳細には、第1の支持アーム100は、第1のプラテン30および第1のプリント・ヘッド60を備え、第2の支持アーム110は、第2のプラテン40および第2のプリント・ヘッド50を備える。
【0017】
図1をさらに参照すると、プラテン30および40の形状は、ほぼ円筒状である。第1のプラテン30は、第1のシャフト80上にジャーナル軸受けで支持することができ、第2のプラテン40は、第2のシャフト90上にジャーナル軸受けで支持することができる。各シャフト80および90は、それぞれ支持アーム100および110と結合している。プラテン30および40は、さらに、プリンタ10を通して感熱印字媒体20を移動するために、駆動組立体120によりシャフト80および90を中心にして回転することができる。駆動組立体120は、ギア、リンク、カムのシステムおよびこれらの組合せに電力を供給するためのモータ(図示せず)を備える。第1および第2のプリント・ヘッド60および50は、米国特許第3,947,854号公報(特許文献6)、第4,708,500号公報(特許文献7)、および第5,964,541号公報(特許文献8)に開示されているようなダイレクト・マルチカラー・サーマル印字に適している任意のサーマル・プリント・ヘッドであってもよい。サーマル・プリンタ10は、さらに、紙が出てくる状態を検出する媒体センサのようなサーマル・プリンタ10の動作を制御するために種々の状態を判断するための光学的、電気的、機械的および類似のセンサを含む。
【0018】
さらに図1を参照すると、サーマル・プリンタ10は、連続している紙のロールまたは連続している扇のように折り畳んだスタック、または予めカットした媒体(例えば、カード、チケット、レシート、タグ、レター・サイズのシート等)の形で供給することができ、その上にマルチカラー・グラフィックスまたはテキストのようなフィーチャ、およびその組合せを、上記のようなマルチカラー文書を提供するためにその片面または両面上に印刷することができる感熱印字媒体20上で動作する。マルチカラー文書を印刷するための感熱マルチカラー印字媒体20の構造については、図3A〜図5Cを参照しながらさらに詳細に説明する。
【0019】
図1について最後の説明をすると、マルチカラー印字媒体20のマルチカラー両面直接感熱印刷は、シングルパス・プロセスで行うことができる。別の方法としては、マルチカラー両面直接感熱印刷は、第1の方向に移動した場合に、マルチカラー両面媒体20を、サーマル・プリント・ヘッド50および60の一方または両方で画像形成することができ、次に、第1または第2の引っ込め方向に移動しているマルチカラー両面媒体と一緒に、サーマル・プリント・ヘッド50および60の一方または両方でさらに画像形成するために引っ込めるプロセスにより行うことができる。印刷が完了すると、マルチカラー印字媒体20をサーマル・プリンタ10から排出することもできるし(予めカットした媒体の場合)、または印刷文書を形成しているサーマル・プリンタにより手動または自動的に切断することができる。
【0020】
図2A〜図2Bは、図1のサーマル・プリンタ10の例示としてのサーマル・プリント・ヘッド50および60の略図である。より詳細には、例示としてのサーマル・プリント・ヘッド50は、画像形成素子50a〜50jを含み、例示としてのサーマル・プリント・ヘッド60は、画像形成素子60a〜60jを含む。各例示としてのサーマル・プリント・ヘッド50および60内に示す画像形成素子の数は、例示としてのものであって、この数は画像形成する文書に対する特定の印刷解像度要件により変化することに留意されたい。印刷解像度は、通常、1インチ当たりのドットまたはピクセルの数(DPI)で測定され、各サーマル・プリント・ヘッド50、60は、約100DPIおよび約600DPI間の解像度のための十分な数の画像形成素子を有することができる。しかし、もっと高い解像度も使用することができる。例えば、300DPIで8インチ幅のマルチカラー両面印字媒体20を画像形成するためには、各サーマル・プリント・ヘッド50、60は、約2400の画像形成素子を必要とする場合がある。
【0021】
さらに、図2A〜図2Bを参照すると、サーマル・プリント・ヘッド50、60の各画像形成素子は、図3A〜図5Cのところでさらに詳細に説明するように、マルチカラー両面感熱印字媒体20内の1つまたは複数の感熱画像形成構成要素の特定の感熱画像形成構成要素を画像形成するために、所定の時間所定の熱を発生することによりマルチカラー両面感熱印字媒体20内のピクセル位置のところに特定のカラーを画像形成することができる。この時点では、マルチカラー両面感熱印字媒体20は、媒体20の片面または両面上に1つのカラー感熱画像形成構成要素または複数のカラー感熱画像形成構成要素を含むことができるといっておくだけで十分である。感熱画像形成構成要素は、1つの着色染料であってもよいし、結果としてのカラーを発生するために、所定の温度で所定の時間の間画像形成することができる染料前駆体であってもよい。持続時間を変えると、異なる彩度レベルになる場合がある。感熱画像形成構成要素に対する所定の温度は、感熱画像形成構成要素の特性により異なるが、約110℃〜約210℃であってもよい。正しく作動した感熱画像形成構成要素と組合せて、他の温度設定も使用することができる。所定の温度は、約1〜約100マイクロ秒である所定の持続時間の間に達成することができる。より詳細には、サーマル・プリント・ヘッド50、60の各画像形成素子は、1つまたは複数のパルス中に所望の温度を発生することができる。この場合、各パルスは所定のパルス幅を有する。例えば、パルス幅は、約1マイクロ秒であってもよい。パルス間の時間的間隔は、同様に、約1マイクロ秒であってもよい。特定の感熱画像形成構成要素に対する特定の所望の彩度レベルは、複数のパルスを必要とする場合がある。
【0022】
さらに、図2A〜図2Bを参照すると、感熱画像形成構成要素は、またCMYカラー・モデルを使用することもできる。より詳細には、感熱画像形成構成要素は、複数の染料または染料前駆体(例えば、シアン、マゼンタおよびイエロー)を含むことができる。それぞれは、結果としての結合したカラーを発生するために、異なる温度および異なる持続時間で画像形成することができる。各感熱画像形成構成要素は、異なる温度で画像形成することができる。例えば、シアンは110℃で画像形成することができ、マゼンタは160℃で画像形成することができ、イエローは210℃で画像形成することができる。正しく作動した感熱画像形成構成要素と組合せて、他の温度設定も使用することができる。さらに、各感熱画像形成構成要素を画像形成するための持続時間は、各感熱画像形成構成要素に対する彩度の所望のレベルにより、約1マイクロ秒から約100マイクロ秒に変えることができる。各感熱画像形成構成要素の彩度レベルを変えると、複数の結果としての結合カラーの画像形成を容易に行うことができる。
【0023】
図3Aは、図1のマルチカラー両面感熱印字媒体20の簡単な例示としての断面図140である。図3Aに示すように、マルチカラー感熱印字媒体20は、第1の面160および第2の面170を有する基材150、第1のプライマ180、第2のプライマ210、第1の機能カラー・コーティング190、第2の機能カラー・コーティング220、第1のトップ・コート200および第2のトップ・コート230を含む。印字媒体20の片面上のカラー印刷が、印字媒体20の他の面に浸透したり、または見えるようになるのを防止し、他の面上のカラー印刷の色が変化し、または色が合成するのを防止するために、基材150は全体が不透明であってもよい。氾濫、計量およびその後の乾燥のような任意の適当なプロセスにより、第1のプライマ180を第1の面160に塗布することができ、第2のプライマ210を第2の面170に塗布することができる。通常、水性コーティング混合物による氾濫を行い、次に余分なものを計量すれば、基材150にプライマ180および210を塗布することができる。
【0024】
さらに、図3Aを参照すると、第1および第2の機能カラー・コーティング190および220を、氾濫、計量およびその後の乾燥のような任意の適当なプロセスにより、第1および第2のプライマ180および210にそれぞれ塗布することができる。同様に、第1および第2のトップ・コート200および230を、氾濫、計量およびその後の乾燥のような任意の適当なプロセスにより、第1および第2の機能カラー・コーティング190および220にそれぞれ塗布することができる。別の方法としては、第1および第2のプライマ180および210、第1および第2の機能カラー・コーティング190および220、および/または第1および第2のトップ・コート200および230を塗布する際に、スプレー、浸漬またはグラビア・コーティングを、氾濫および計量の代わりに使用することができる。
【0025】
マルチカラー両面感熱印字媒体20が、上記の任意の適当なプロセスにより、基材150の第1および第2の各面160および170に直接塗布されている第1および第2の機能カラー・コーティング190および220だけを含んでいる場合には、第1および第2のプライマ180および210および/または第1および第2のトップ・コート200および230を省略することができる。
【0026】
さらに、図3Aを参照すると、マルチカラー両面感熱印字媒体20は、そのうちのあるものについてはすでに説明した、複数の種類の印字媒体のうちの任意の1つの媒体を含むことができる。より詳細には、マルチカラー両面印字媒体20は、下記の種類の媒体、すなわち、カード、チケット、レシート、タグ、レター・サイズ(例えば、8.5×11インチ)および種々の他のサイズのうちの任意の1つの媒体を含むことができる。さらに、上記種類の各媒体は、連続している紙ロール、連続している紙のスタックの形で供給することもできるし、または予めカットすることもできる。さらに、各種類の媒体は、特定のサイズ、厚さ、基材、不透明性、1つまたは複数の保護層等を有することができる。
【0027】
カードは、約1.5〜約3インチの幅および約2〜約4インチの長さ、約8〜約35ミルの厚さ、セルロースまたはポリマー材料の基材、全体的に不透明な不透明性、水、紫外線および掻き傷または汚れに強くすることができるトップ・コートを有することができる。カードは、部屋のキー、遊覧セキュリティ・カード、診察券、クレジット・カード、ビジネス・カード、小売ギフト券、埋設無線周波識別(RFID)を含むカード、企業セキュリティ・カード、政府セキュリティ・カード、試写会または会議セキュリティ・カード、購入写真の小さな写真点、図書館カード、駐車許可証、小荷物タグ、IDバッジおよび政府高度セキュリティ・カードとして使用することができる。他のカードの用途にも使用することができる。
【0028】
チケットは、約1〜約4インチの幅および約2〜約8インチの長さ、約8〜約25ミルの厚さ、セルロースまたはポリマー材料の基材、全体的に不透明な不透明性、水、紫外線および掻き傷または汚れに強くすることができるトップ・コートを有することができる。チケットは、搭乗パス、駐車パス、チケット(例えば、ゲーム・チケット、遊園地チケット、映画の入場券)、およびゲーミングおよび宝くじチケットとして使用することができる。
【0029】
レシートは、約2〜約8インチの幅および各取引および類似の情報を印刷する際に必要になる場合がある可変長、約1.5〜約5ミルの厚さ、セルロースまたはポリマー材料であってもよい基材、全体的に不透明な不透明性、通常は必要ないが、カードおよびチケットの場合に上記トップ・コートを含むことができるトップ・コートを有することができる。レシートは、自動金銭受け払い機(ATM)レシート/請求書、販売時点レシートおよびキオスク情報として使用することができる。他のレシート・タイプの用途にも使用することができる。
【0030】
タグは、約0.5〜約2インチの幅および約1〜約4インチの長さ、約10〜約35ミルの厚さ、セルロースまたはポリマー材料の基材、全体的に不透明な不透明性、通常は必要ないが、カードおよびチケットの場合に上記トップ・コートを含むことができるトップ・コートを有することができる。タグは、販売棚の縁部のラベルに、無線周波(RF)キー・フォブ、価格タグおよび衣類につけるタグとして使用することができる。他のタグ類似の用途にも使用することができる。
【0031】
レター・サイズの紙は、約8.5の幅および約11インチの長さ(幅および長さは、特定の用途により変えることができる)、約3〜約15ミルの厚さ、セルロースまたはポリマー材料の基材、全体的に不透明な不透明性、しかし、ある種の用途(例えば、デカル)の場合には、透明性は、通常必要ないが、カードおよびチケットの場合に上記トップ・コートを含むことができるトップ・コートを有することができる。レター・サイズの紙は、ダイレクト・メール・クーポンおよび広告、販売時点(POS)信号、ラベル、固定低容積ロール・イン・フィード、処方箋、ウィンドウ・デカル、投票用紙、プロッタ・ペーパー、商用通信または本社への通信、マップ、ファクシミリ用紙、または医療グラフ用紙として使用することができる。他のレター用途にも使用することができる。
【0032】
もっと大きい紙のサイズは、通常、最高約48インチの幅および最高約10フィートの長さ(幅および長さは、特定の用途により変えることができる)、約5ミル〜約25ミルの厚さ、セルロースまたはポリマー材料の基材、全体的に不透明な不透明性、水、紫外線および掻き傷または汚れに強くすることができるトップ・コートを含むことができる。大きなサイズの紙は、幅の広いフォーマット信号および広告として使用することができる。他の用途にも使用することができる。
【0033】
さらに、図3Aを参照すると、基材150は、セルロース材料を含むことができる。適当なセルロース材料は、不織のパルプをベースとする材料を含む。別の方法としては、基材150は、フィルムの形をしていてもよいポリプロピレンまたはポリエチレンのようなポリマー材料を含むことができる。第1および第2のプライマ180および210は、それぞれ基材150の第1および第2の面160および170に、第1および第2の機能コーティング190および220の接着を容易にする任意の適当な材料であってもよい。例えば、第1および第2のプライマ180および210は、基材150上で広げることができ、次に乾燥させることができる主として粘土材料を含む水をベースとする混合物であってもよい。第1および第2のプライマ180および210は、基材150内の活性残滓から機能的な第1および第2のコーティング190および220をバッファするために使用することができる。
【0034】
これが最後になるが、図3Aを参照すると、1つまたは複数の第1および第2の機能的カラー・コーティング190および220は、図2A〜図2Bのところですでに説明したように、複数のカラーで感熱媒体20を画像形成するための1つまたは複数のカラー感熱画像形成構成要素内で、感熱媒体20を画像形成するための1つのカラー感熱画像形成構成要素を含むことができる。例えば、少なくとも3つの感熱画像形成構成要素(例えば、シアン、マゼンタおよびイエロー)を、サーマル・プリンタ10でフルカラー画像形成することができるように内蔵させることができる。図3Aの140が示すように、上記複数の感熱画像形成構成要素は、図2A〜図2Bのところですでに説明したように、各成分感熱画像形成構成要素に適当な熱が加わるとそれに応じて、サーマル・プリンタ10で画像形成された場合透明から色に変化する混合物として供給することができる。さらに、複数の感熱画像形成構成要素は、図3Aに示すように、機能コーティングを行った場合に、コーティングを容易に行うことができるようにし、サーマル・プリンタ10により画像形成した場合に、マルチカラー両面感熱印字媒体20の正しい機能化を容易に行うことができるようにするために、必要に応じて、適当なバインダ、添加物、溶媒および試薬(活性化剤)と混合することができる。それ故、画像形成された場合、マルチカラー両面感熱印字媒体20は、両面上に単色の印刷、片面上に単色の印刷、および他の面上に複数の色の印刷、または両面上にフルカラー印刷を含むことができる。さらに、基材150は、その面上の機能コーティング190またはその1つまたは複数の構成要素を活性化するために、マルチカラー両面感熱印字媒体20上に加えた熱が、印字媒体20の他の面上の機能コーティング220またはその1つまたは複数の構成要素の活性化を防止するために十分な熱抵抗を有することができる。
【0035】
図3B〜図3Cは、図1のマルチカラー両面感熱印字媒体20の機能コーティング190および220の簡単な例示としての断面図である。図3Aのところで説明した複数の感熱画像形成構成要素の混合物を含む機能コーティング190および220の組成とは異なり、機能コーティング190および220の1つまたは複数は、複数の感熱画像形成構成要素コートから形成することができる。より詳細には、図3Bに示すように、機能コーティング190は、感熱画像形成構成要素コート240(例えば、シアン)、250(例えば、マゼンタ)および260(例えば、イエロー)などの感熱画像形成構成要素コートのサンドイッチを含むことができる。感熱画像形成構成要素240、250、260は、さらに、バリア・コート270、280により分離することができる。より詳細には、感熱画像形成構成要素コート240および250は、バリア・コート270により分離することができ、感熱画像形成構成要素コート250および260は、バリア・コート280により分離することができる。バリア・コート270、280は、画像形成を修正するための熱特性を有することができ、画像形成を行うために感熱画像形成構成要素と反応する試薬を含むことができる。さらに、バリア・コート270、280は、上の層が画像形成された場合に、もっと深い層の画像形成を最小限度にするために熱を吸収することができ、その結果印刷の品質が改善する。同様に、図3Cに示すように、機能コーティング220は、感熱画像形成構成要素コート290(例えば、シアン)、300(例えば、マゼンタ)および310(例えば、イエロー)などの感熱画像形成構成要素コートのサンドイッチを含むことができる。感熱画像形成構成要素コート290、300、310は、さらに、バリア・コート320、330により分離することができる。より詳細には、感熱画像形成構成要素コート290および300は、バリア・コート320により分離することができ、感熱画像形成構成要素コート300および310は、バリア・コート330により分離することができる。機能層190および220の組成は、特定の要件により互いに異なるものであってもよいし、同じものであってもよい。より詳細には、機能コーティング190および220は、1つの感熱画像形成構成要素を有することもできるし、感熱画像形成構成要素の混合物を有することもできるし、または感熱画像形成構成要素のサンドイッチを有することもできる。
【0036】
図4A〜図4Bは、それぞれ図1のマルチカラー両面感熱印字媒体20の一部の例示としての第1の面340および例示としての第2の面380の簡単な頂面図である。より詳細には、図3A〜図3Cに示すように、マルチカラー両面感熱印字媒体20の全部のエリアに単色またはマルチカラー機能コーティングを塗布する代わりに、単色またはマルチカラー機能コーティング190および220は、所定のサイズであってもよく、マルチカラー両面感熱印字媒体20の所定のエリアに塗布することもできる。このような所定のカラー・エリアは、両面感熱印字媒体20の片面または両面の1つまたは複数の点、ストライプ、パターンまたは領域を含むことができ、コーティング、印刷等を容易に行うことができるように、両面感熱印字媒体20の他の隣接する部分と連続していてもよい。
【0037】
マルチカラー両面感熱印字媒体20内のカラー領域は、下記のように供給することができる。図4Aに示すように、第1の面340の所定のカラー領域350および360は、それぞれ単色を含むことができ、一方第1の面340の残りのエリア370は、黒または他の色のような他の単色機能コーティングを含むことができる。別の方法としては、カラー領域350および360は、それぞれマルチカラー(フルカラー)機能コーティングを含むことができ、一方残りのエリア370は、黒または他の色のような単色機能コーティングである。他の色または単色の組合せ、またはマルチカラー(フルカラー)コーティングも使用することができる。
【0038】
同様に、図4Bに示すように、第2の面380の所定のカラー領域390は、単色機能コーティングを含むことができ、一方、第2の面380の残りのエリア400は、黒または他の色のような他の単色機能コーティングを含むことができる。別の方法としては、カラー領域390は、マルチカラー(フルカラー)機能コーティングであってもよいし、一方残りのエリア400は、黒または他の色のような単色機能コーティング、または他のフルカラー機能コーティングであってもよい。第1の面340の場合と同じように、他の色または単色またはマルチカラー(フルカラー)コーティングの組合せも使用することができる。それ故、機能コーティング190および220内にカラー・エリア350、360および390を形成すると、コストを安くすることができ、カラー印刷を限定されたエリア上に行うことができる。
【0039】
図5Aは、図1および図4A〜図4Bのマルチカラー両面感熱印字媒体20の簡単な例示としての断面図405である。図1のところで図示し、説明したように、マルチカラー両面感熱印字媒体20は、第1の面160および第2の面170を有する基材150、第1のプライマ180、第2のプライマ210、第1の機能的カラー・コーティング190、第2の機能的カラー・コーティング220、第1のトップ・コート200および第2のトップ・コート230を含むことができる。図5Aに特に示すように、第1の機能的カラー・コーティング190は、図4Aの各カラー領域350および360を形成しているカラー部分192および194を含み、第2の機能的カラー・コーティング220は、図4Bのカラー領域390を形成しているカラー部分222を含む。氾濫、計量および後での乾燥のような任意の適当なプロセスにより、第1のプライマ180を、第1の面160に塗布することができ、第2のプライマ210を第2の面170に塗布することができる。通常、水性コーティング混合物による氾濫を行い、次に余分なものを計量すれば、基材150にプライマ180、210を塗布することができる。
【0040】
さらに、図5Aを参照すると、カラー部分192、194および222は、図2A〜図2Bおよび図3A〜図3Cのところですでに説明したように、複数の色で感熱媒体20を画像形成するための、単色またはマルチカラー感熱画像形成構成要素内で感熱媒体20を画像形成するための単色感熱画像形成構成要素を含むことができる。例えば、少なくとも3つの感熱画像形成構成要素(例えば、シアン、マゼンタおよびイエロー)をサーマル・プリンタ10でフルカラー画像形成することができるように内蔵させることができる。すでに説明したように、複数の感熱画像形成構成要素は、各成分感熱画像形成構成要素に適当な熱が加わるとそれに応じて、画像形成された場合透明から色に変化する混合物として供給することができる。各機能的カラー・コーティング190、220内の残りの部分196および224は、必要に応じて、特定の要件に基づいて部分192、194および222とは異なる単色感熱画像形成構成要素(例えば、黒)を含むことができる。すでに説明したように、上記感熱画像形成構成要素は、図5Aに示すように、機能コーティングを行った場合に、コーティングを容易に行うことができるようにし、サーマル・プリンタ10により画像形成した場合に、マルチカラー両面感熱印字媒体20の正しい機能化を容易に行うことができるようにするために、必要に応じて、適当なバインダ、添加物、溶媒および試薬と混合することができる。それ故、画像形成された場合、マルチカラー両面感熱印字媒体20は、特定の要件に基づいて、必要に応じて、カラー部分192、194および222内の両面上に単色の印刷、カラー部分192、194の片面上に単色の印刷、および他の面222上にフルカラー印刷、またはカラー部分192、194および222内の両面上にフルカラー印刷を含むことができる。基材150は、媒体20(単色感熱画像形成構成要素またはマルチカラー感熱画像形成構成要素を含む)の第1の面上の機能コーティング190を活性化するために、マルチカラー両面感熱印字媒体20上に加えた熱が、印字媒体20(単色感熱画像形成構成要素またはマルチカラー感熱画像形成構成要素を含む)の第2の面上の他の機能コーティング220の活性化を防止するために十分な熱抵抗を有することができる。
【0041】
さらに、図5Aを参照すると、各カラー部分192、194および222および残りの部分196および224を含む第1および第2の機能コーティング190および220を、フレキソ印刷、リソグラフィまたはグラビア・コーティングのような任意の適当なプロセスにより、それぞれ第1および第2のプライマ180および210に塗布することができる。氾濫、計量およびその後の乾燥のような任意の適当なプロセスにより、第1および第2のトップ・コート200および230をそれぞれ第1および第2の機能カラー・コーティング190および220に塗布することができる。第1および第2のプライマ180および210および/またはトップ・コート200および230を、基材150の第1および第2の各表面160および170に直接塗布した第1および第2の機能コーティング190および220だけを含むマルチカラー両面感熱印字媒体20と一緒に省略することができる。機能コーティング190および220は、また氾濫、計量およびその後の乾燥のような任意の適当なプロセスにより塗布することもできる。別の方法としては、プライマ180および210、機能コーティング190および220、およびトップ・コート200および230を塗布する際に、スプレー、浸漬またはグラビア・コーティングを氾濫および計量の代わりに使用することができる。
【0042】
図5B〜図5Cは、図1および図4Aのマルチカラー両面感熱印字媒体20の機能カラー・コーティング190および220の例示としての簡単な断面図である。図5Aのところで説明した複数の感熱画像形成構成要素の混合物を含む、各機能カラー・コーティング190および220のカラー部分192、194および222の組成の代わりに、1つまたは複数のカラー部分192、194および222を複数の感熱画像形成構成要素コートで形成することができる。より詳細には、機能コーティング190のカラー部分192は、感熱画像形成構成要素コート242(例えば、シアン)、252(例えば、マゼンタ)、および262(例えば、イエロー)のサンドイッチを含むことができる。感熱画像形成構成要素コート242、252、262は、さらに、バリア・コート272および282により分離することができる。より詳細には、感熱画像形成構成要素コート242および252は、バリア・コート272により分離することができ、感熱画像形成構成要素コート252および262は、バリア・コート282により分離することができる。機能コーティング190のカラー部分194は、また、感熱画像形成構成要素コート244(例えば、シアン)、254(例えば、マゼンタ)、および264(例えば、イエロー)のサンドイッチを含むことができる。同様に、感熱画像形成構成要素コート244および254は、バリア・コート274により分離することができ、感熱画像形成構成要素コート254および264は、バリア・コート284により分離することができる。図5B〜図5Cの機能コーティング190および220は、フレキソ印刷、リソグラフィまたはグラビア・スポット・コーティング技術により行うことができる。同様に、機能コーティング220は、バリア層322、332により分離することができる感熱画像形成コート292(例えば、シアン)、302(例えば、マゼンタ)、および312(例えば、イエロー)のサンドイッチを含むことができる。より詳細には、感熱画像形成コート292および302は、バリア層322により分離することができ、感熱画像形成コート302および312は、バリア・コート332により分離することができる。各機能コーティング190および220のカラー部分192、194および222は、相互に異なるものであってもよいし、特定の要件に基づいて同じものであってもよい。より詳細には、カラー部分192、194および222は、1つのカラー画像形成構成要素、感熱画像形成構成要素の混合物または感熱画像形成構成要素コートのサンドイッチを含むことができる。
【0043】
図6は、図1のマルチカラー両面感熱印字媒体20を画像形成するための例示としての両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10の部分的センターライン立面図の略図410である。サーマル・プリンタ10は、第1のサーマル・プリント・ヘッド60、第1のプラテン30、センサ70および第1のガイド・ローラ460を備える。これら部材は、すべて支持アーム100と結合していて、すべて感熱カラー印字媒体20の第1の面上に位置する。感熱カラー印字媒体20のフィード・パスは、感熱印字媒体20の一方の端部のところに鎖線および矢印で示す。感熱カラー印字媒体20は、第1の支持アーム100と第2の支持アーム110間のサーマル・プリンタの内部に内蔵されている連続している感熱印字媒体ロール490から引き出すことができることに留意されたい。印字媒体のロール490は、同様に、サーマル・プリンタ10の内部に内蔵されている連続している扇のように折り畳まれた印字媒体スタック(図示せず)と容易に交換することができる。媒体ロール490または扇のように折り畳んだスタックも、プリンタ10の外部(図示せず)上で供給することができる。さらに、連続している感熱印字媒体のロールまたは扇のように折り畳んだスタックは、1つまたは複数のサイズの予めカットした感熱カラー印字媒体20を格納するためにトレイ(図示せず)と交換することができることに留意されたい。予めカットした感熱カラー印字媒体20の場合には、プリンタ10は、トレイから予めカットした感熱カラー印字媒体20を取り出し、それを画像形成するために移動するための手段を提供することができる。代替的にまたは追加的に、またプリンタ10に予めカットした感熱カラー印字媒体20を受け入れるために、外部開口部またはスロット(図示せず)を設けることもできる。
【0044】
さらに図6を参照すると、サーマル・プリンタ10は、また第2のサーマル・プリント・ヘッド50、第2のプラテン40および第2のガイド・ローラ450を含む。これらすべての部材は、ピボット回転することができる支持アーム110と結合していて、すべてマルチカラー両面感熱印字媒体20の第2の面(裏面)上に位置する。ピボット回転することができる支持アーム110は、感熱印字媒体20を交換することができるように、またサーマル・プリンタを修理することができるように、アーム・シャフト(またはヒンジ)130を中心にしてピボット回転する。ピボット回転することができる支持アーム110が支持アーム100に対して閉じると、マルチカラー両面感熱印字媒体20を、第1のサーマル・プリント・ヘッド60と対向する第2のプラテン40との間、第2のサーマル・プリント・ヘッド50と対向する第1のプラテン30との間、および第1のガイド・ローラ460と対向する第2のガイド・ローラ450との間に係合させることができる。マルチカラー両面感熱印字媒体20との接触圧力、およびこの感熱印字媒体の張力は、スプリング装填の第1のサーマル・プリント・ヘッド60、第2のサーマル・プリント・ヘッド50およびそれぞれスプリング機構430、440、および470を含む第2のガイド・ローラ460により維持することができる。サーマル・プリンタ10は、また、ピボット回転することができる支持アーム110がアーム100に対して制御された速度で開くことができ、それにより、例えば、重力の加速によりアーム110の上に加わる力によりアーム110が制御されない状態で閉じるのを避けることができるようにするスプリング480を含む。サーマル・プリンタ10は、また、レシートの印刷のような印刷動作を終了した場合に、マルチカラー両面感熱印字媒体20を切り離すための電子作動の機械的切断機構420を含むことができる。
【0045】
さらに図6を参照すると、サーマル・プリント・ヘッド50および60は、ほぼ一直線上に位置していて、ほぼ対向方向を向いているのが分かる。その結果、感熱プリント・ヘッド50および60がほぼ一直線上の方向を向いている場合には、感熱印字媒体20のフィード・パスをほぼ直線にすることができる。この構成を使用すれば、サーマル・プリンタからの感熱印字媒体20の前部からの取り出しが容易になる。フィード・パスが直線であると、第1のサーマル・プリント・ヘッド60および第2のプラテン40を通しての第2のサーマル・プリント・ヘッド50および第1のプラテン30からの感熱印字媒体20の自動的な引き出しを含む、感熱印字媒体20の交換および供給の自動化が容易になる。サーマル・プリント・ヘッド50および60の一直線上の向きについて説明するが、種々の角度方向(例えば、45、90、135および180度)を含む、第2のサーマル・プリント・ヘッド60に対する第1のヘッド50の別の向きも、サーマル・プリンタ10、マルチカラー両面感熱カラー印字媒体20および/または所望の媒体フィード・パスの特定の設計要件に基づいて可能である。
【0046】
さらに図6を参照すると、サーマル・プリンタ10は、また、サーマル・プリンタ10の動作を制御するための制御エレクトロニクスを含む。この制御エレクトロニクスは、マザーボード500、マイクロプロセッサまたは中央処理装置(CPU)510、および1つまたは複数のダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)および/または不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)印刷バッファ・メモリ素子のようなメモリ520を含むことができる。サーマル・プリンタ10は、さらに、サーマル・プリンタ10へデータを入力し、サーマル・プリンタ10からデータを出力するための販売時点端末(POS)(図示せず)またはコンピュータ(図示せず)のような1つまたは複数のホストまたは補助システムと通信するための通信制御装置530を含む。通信制御装置530は、特にユニバーサル・シリアル・バス(USB)、イーサネットおよび/または無線通信をサポートすることができる。
【0047】
関連するカラー情報を含む印刷のためのデータは、通常、通信制御装置530を通してサーマル・プリンタ10と通信しているホストPOS端末またはコンピュータにより提供することができる。次に、CPU510は、受信した印刷データ(関連するカラー情報を含む)を処理することができ、上記図2A〜図2Bのところで詳細に説明したように、関連するカラー情報を使用して印刷データを画像形成するために、各サーマル・プリント・ヘッド50、60の1つまたは複数の素子50a〜50jを作動することができる。より詳細には、CPU510は、各サーマル・プリント・ヘッド50、60の1つまたは複数の素子50a〜50jを作動する場合に、関連するカラー情報を特定のパルス温度および持続時間に変換するとができる。この変換は、メモリ520内に格納することができ、CPU510により実行することができる変換機能により行うことができる。この変換は、さらに、図3A〜図5Cの両面感熱印字媒体20の片面または両面の種々のカラー・スポット、ストライプ、パターン、または領域に送られるパルスの数、温度および持続時間を変えるために空間的に行うことができる。この場合、両面感熱印字媒体20の片面または両面の種々のカラー・スポット、ストライプ、パターン、または領域の相対的および/または絶対的位置を含む特定の特性を、1つまたは複数のプリント・センサ70およびCPU510に送信される感知信号により感知することができる。
【0048】
図6について最後の説明をすると、両面ダイレクト・サーマル・プリンタ10のメモリ520は、印字媒体20の片面または両面上に反復して印刷する予め定義した印刷データの1つまたは複数のブロックを格納するための予め定義した印刷データ記憶エリアを有することができる。予め定義した印刷データのブロックは、例えば、記憶識別子、ロゴ等を含むことができる。さらに、予め定義したデータのブロックは、さらに、保証、否認、返還ポリシー、規制情報等のような法的情報を含むことができる。この予め定義した印刷データは、感熱印字媒体20の同じ面または裏面上に、例えば、POS端末またはコンピュータに関連するアプリケーション・ソフトウェアが提出したデータと一緒に印刷することができる。複数のデータ・ブロックを予め定義した印刷データ記憶エリア内に格納する場合には、印刷される媒体の位置または面等であってもよい、ハードウェアまたはソフトウェア・スイッチ540を使用することにより、ブロックを印刷のために交互に選択することができる。
【0049】
サーマル・プリンタ10の動作中、および図1〜図6により、マルチカラー両面感熱印字媒体20を、連続している感熱印字媒体ロール490から巻き解くこともできるし、連続している扇のように折り畳んだ印字媒体スタックから取り出すこともできるし、または紙トレイまたは予めカットしたマルチカラー両面感熱印字媒体20のための開口部から入手することもできるし、両面画像形成のためにサーマル・プリント・ヘッド50および60を通してフィード・パスに沿って移動させることもできる。その後で、マルチカラー両面感熱印字媒体20をサーマル・プリント・ヘッドの外部に取り出すことができる。印刷動作中、CPU510は、通信制御装置530を通して、印刷データ(関連するカラー情報を含む)を受信し、図1〜図6のマルチカラー両面感熱印字媒体20の各面または位置上に種々のカラー・グラフィックス、テキストまたはこれらの組合せを印刷または画像形成するために、1つまたは複数の各サーマル・プリント・ヘッド50および60の画像形成素子50a〜50jの作動を制御する。
【0050】
今まで、カラー文書を画像形成するためのマルチカラー両面感熱印字媒体およびそのためのマルチカラー両面サーマル・プリンタについて説明してきた。マルチカラー両面サーマル・プリンタおよびマルチカラー両面感熱媒体は、両面感熱カラー印刷を解決する。カラー・エリアまたは部分を含むマルチカラー両面感熱媒体のフォーマットおよび設計を使用すれば、カラー文書を画像形成する際のコストを削減することができる。
【0051】
上記説明は、例示としてのものであって、本発明を制限するためのものではない。上記説明を読めば、当業者であれば多くの他の実施形態を思い付くことができるだろう。それ故、実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲が関連する等価物の全範囲と一緒に添付の特許請求の範囲を参照して決定すべきである。
【0052】
米国特許法施行規則1.72条(b)項の規定に従って、また読者が、技術的開示の性質および要旨を迅速に確認することができるように要約を添付する。特許請求の範囲の範囲または意味を解釈し、制限するために要約を使用しないという了解のもとに要約を提出する。
【0053】
実施形態の上記説明においては、説明を簡潔にするために種々の機能を1つの実施形態内に一緒にグループ分けしてある。開示の方法は、特許請求の範囲に記載した実施形態が、各請求項に明示してある機能よりも多くの機能を有していることを反映していると解釈すべきではない。それどころか、添付の特許請求の範囲が反映しているように、本発明の主題は、1つの開示の実施形態のすべての機能よりも少ないことである。それ故、添付の特許請求の範囲は、詳細な説明内に組み込まれていて、各請求項は、別々の例示としての実施形態としてそれ自身に基づくものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】マルチカラー文書を作成するために、マルチカラー両面感熱印字媒体を画像形成するための例示としての両面感熱画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタの略図である。
【図2A】図1のサーマル・プリンタの例示としてのサーマル・プリント・ヘッドの略図である。
【図2B】図1のサーマル・プリンタの例示としてのサーマル・プリント・ヘッドの略図である。
【図3A】図1のマルチカラー感熱印字媒体の例示としての断面の略図である。
【図3B】図1のマルチカラー感熱印字媒体の例示としての断面の略図である。
【図3C】図1のマルチカラー感熱印字媒体の例示としての断面の略図である。
【図4A】図1のマルチカラー両面感熱印字媒体の一部の例示としての第1の面の簡単な頂部断面図である。
【図4B】図1のマルチカラー両面感熱印字媒体の一部の例示としての第2の面の簡単な頂部断面図である。
【図5A】図1および図4A〜図4Bのマルチカラー両面感熱印字媒体の簡単な例示としての断面図である。
【図5B】図1および図4A〜図4Bのマルチカラー両面感熱印字媒体の簡単な例示としての断面図である。
【図5C】図1および図4A〜図4Bのマルチカラー両面感熱印字媒体の簡単な例示としての断面図である。
【図6】図1のマルチカラー両面感熱印字媒体を画像形成するための例示としての両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタの部分的センターライン立面図の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面感熱媒体であって、
第1の面および第2の面を含む耐熱性基材と、
少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む前記基材の前記第1の面上の第1のコーティングと、
少なくとも2つの感熱カラー画像形成構成要素を含む前記基材の前記第2の面上の第2のコーティングとを含み、前記基材の前記耐熱性が、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの一方に加えられた熱が、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの他方の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を画像形成するのを防止できるだけ十分高い両面感熱媒体。
【請求項2】
前記基材の不透明性が、前記第1の面上の前記少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を介して画像形成されたカラーが、前記第2の面上の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を介して画像形成されたカラーを変化させるように前記第2の面に貫通するのを防止できるだけ十分不透明である、請求項1に記載の感熱媒体。
【請求項3】
前記基材と前記第1の面上の前記第1のコーティングとの間に配置される第1のプライマと、
前記基材と前記第2の面上の前記第2のコーティングとの間に配置される第2のプライマとをさらに含む、請求項1に記載の感熱媒体。
【請求項4】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの一方の少なくとも1つの感熱画像形成構成要素が、着色染料または染料前駆体である、請求項1に記載の感熱媒体。
【請求項5】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの少なくとも一方が、3つの感熱カラー画像形成構成要素を含む、請求項1に記載の感熱媒体。
【請求項6】
前記3つの感熱カラー画像形成構成要素が、シアン、マゼンタおよびイエローである、請求項5に記載の感熱媒体。
【請求項7】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの少なくとも一方が、前記3つの感熱カラー画像形成構成要素の混合物を含む、請求項6に記載の感熱媒体。
【請求項8】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの少なくとも一方が、
第1の感熱カラー画像形成構成要素を含む第1の感熱画像形成構成要素コートと、
第2の感熱カラー画像形成構成要素を含む第2の感熱画像形成構成要素コートと、
第3の感熱カラー画像形成構成要素を含む第3の感熱画像形成構成要素コートとを含む、請求項5に記載の感熱媒体。
【請求項9】
前記第1の感熱画像形成構成要素コートと前記第2の感熱画像形成構成要素コートとの間に配置される第1のバリア・コートと、
前記第2の感熱画像形成構成要素コートと前記第3の感熱画像形成構成要素コートとの間に配置される第2のバリア・コートとをさらに含む、請求項8に記載の感熱媒体。
【請求項10】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの少なくとも一方が、少なくとも1つの感熱画像形成構成要素を含む少なくとも1つのカラー部分を含む、請求項5に記載の感熱媒体。
【請求項11】
前記少なくとも1つのカラー部分のうちの1つが、3つの感熱カラー画像形成構成要素を含む、請求項10に記載の感熱媒体。
【請求項12】
前記3つの感熱カラー画像形成構成要素が、シアン、マゼンタおよびイエローを含む、請求項11に記載の感熱媒体。
【請求項13】
前記少なくとも1つのカラー部分のうちの1つが、前記3つの感熱カラー画像形成構成要素の混合物を含む、請求項11に記載の感熱媒体。
【請求項14】
前記少なくとも1つのカラー部分が、
第1の感熱カラー画像形成構成要素を含む第1の感熱画像形成構成要素コートと、
第2の感熱カラー画像形成構成要素を含む第2の感熱画像形成構成要素コートと、
第3の感熱カラー画像形成構成要素を含む第3の感熱画像形成構成要素コートとを含む、請求項11に記載の感熱媒体。
【請求項15】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの少なくとも一方上に保護トップコートをさらに含む、請求項1に記載の感熱媒体。
【請求項16】
両面感熱媒体であって、
第1の面および第2の面を含む不透明な耐熱性基材と、
少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む前記基材の前記第1の面上の第1のコーティングと、
少なくとも2つの感熱カラー画像形成構成要素を含む前記基材の前記第2の面上の第2のコーティングを含み、前記耐熱性が、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの一方に加えられた熱が、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの他方の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を画像形成するのを防止できるだけ十分高い両面感熱媒体。
【請求項17】
前記基材の不透明性が、前記第1の面上の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を介して画像形成されたカラーが、前記第2の面上の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を介して画像形成されたカラーを変化させるように前記第2の面に貫通するのを防止できるだけ十分不透明である、請求項16に記載の感熱媒体。
【請求項18】
前記基材と前記第1の面上の前記第1のコーティングとの間に配置される第1のプライマと、
前記基材と前記第2の面上の前記第2のコーティングとの間に配置される第2のプライマとをさらに含む、請求項16に記載の感熱媒体。
【請求項19】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの一方の前記少なくとも1つの感熱画像形成構成要素が、着色染料または染料前駆体である、請求項16に記載の感熱媒体。
【請求項20】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの少なくとも一方が、3つの感熱カラー画像形成構成要素を含む、請求項16に記載の感熱媒体。
【請求項21】
前記3つの感熱カラー画像形成構成要素が、シアン、マゼンタおよびイエローである、請求項20に記載の感熱媒体。
【請求項22】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの少なくとも一方が、前記3つの感熱カラー画像形成構成要素の混合物を含む、請求項21に記載の感熱媒体。
【請求項23】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの少なくとも一方が、
第1の感熱カラー画像形成構成要素を含む第1の感熱画像形成構成要素コートと、
第2の感熱カラー画像形成構成要素を含む第2の感熱画像形成構成要素コートと、
第3の感熱カラー画像形成構成要素を含む第3の感熱画像形成構成要素コートとを含む、請求項20に記載の感熱媒体。
【請求項24】
前記第1の感熱画像形成構成要素コートと前記第2の感熱画像形成構成要素コートとの間に配置される第1のバリア・コートと、
前記第2の感熱画像形成構成要素コートと前記第3の感熱画像形成構成要素コートとの間に配置される第2のバリア・コートとをさらに含む、請求項23に記載の感熱媒体。
【請求項25】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの少なくとも一方が、少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む少なくとも1つのカラー部分を含む、請求項20に記載の感熱媒体。
【請求項26】
前記少なくとも1つのカラー部分のうちの1つが、3つの感熱カラー画像形成構成要素を含む、請求項25に記載の感熱媒体。
【請求項27】
前記3つの感熱カラー画像形成構成要素が、シアン、マゼンタおよびイエローを含む、請求項26に記載の感熱媒体。
【請求項28】
前記少なくとも1つのカラー部分のうちの1つが、前記3つの感熱カラー画像形成構成要素の混合物を含む、請求項26に記載の感熱媒体。
【請求項29】
前記少なくとも1つのカラー部分が、
第1の感熱カラー画像形成構成要素を含む第1の感熱画像形成構成要素コートと、
第2の感熱カラー画像形成構成要素を含む第2の感熱画像形成構成要素コートと、
第3の感熱カラー画像形成構成要素を含む第3の感熱画像形成構成要素コートとを含む、請求項26に記載の感熱媒体。
【請求項30】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの少なくとも一方上に保護トップコートをさらに含む、請求項16に記載の感熱媒体。
【請求項31】
両面感熱媒体であって、
第1の面および第2の面を含む基材と、
複数の感熱カラー画像形成構成要素の混合物を含む前記基材の前記第1の面上の第1のコーティングとを含む感熱媒体。
【請求項32】
少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む前記基材の前記第2の面上に第2のコーティングをさらに含む、請求項31に記載の感熱媒体。
【請求項33】
前記基材の前記第2の面上の前記第2のコーティングが、
第1の感熱カラー画像形成構成要素を含む第1の感熱画像形成構成要素コートと、
第2の感熱カラー画像形成構成要素を含む第2の感熱画像形成構成要素コートと、
第3の感熱カラー画像形成構成要素を含む第3の感熱画像形成構成要素コートとを含む、請求項32に記載の感熱媒体。
【請求項34】
複数の感熱カラー画像形成構成要素の混合物を含む前記基材の前記第2の面上に第2のコーティングをさらに含む、請求項31に記載の感熱媒体。
【請求項35】
前記基材が、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの一方に加えられた熱が、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの他方の1つまたは複数の感熱カラー画像形成構成要素を画像形成するのを防止するのに十分な耐熱性を提供することができる、請求項34に記載の感熱媒体。
【請求項36】
前記基材の不透明性が、前記第1の面上の1つまたは複数の感熱カラー画像形成構成要素を介して画像形成されたカラーが、前記第2の面上の1つまたは複数の感熱カラー画像形成構成要素を介して画像形成されたカラーを変化させるように、前記第2の面に貫通するのを防止できるだけ十分不透明である、請求項34に記載の感熱媒体。
【請求項37】
前記第1のコーティングまたは前記第2のコーティングの前記混合物内の少なくとも1つの感熱画像形成構成要素が、着色染料または染料前駆体である、請求項34に記載の感熱媒体。
【請求項38】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの少なくとも1つの前記混合物が、3つの感熱カラー画像形成構成要素を含む、請求項34に記載の感熱媒体。
【請求項39】
前記3つの感熱カラー画像形成構成要素が、シアン、マゼンタおよびイエローである、請求項38に記載の感熱媒体。
【請求項40】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの少なくとも一方が、前記複数の感熱カラー画像形成構成要素の前記混合物を含む少なくとも1つのカラー部分を含む、請求項34に記載の感熱媒体。
【請求項41】
前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングのうちの少なくとも一方上に保護トップコートをさらに含む、請求項34に記載の感熱媒体。
【請求項42】
両面ダイレクト・サーマル・プリンタであって、
第1のプラテンの近くに位置する第1のサーマル・プリント・ヘッドと、
第2のプラテンの近くに位置する第2のサーマル・プリント・ヘッドとを備え、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドが、前記第2のプラテンに対してほぼ対向し、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドが、前記第1のプラテンに対してほぼ対向し、
カラーで両面感熱媒体の各第1の面および第2の面を画像形成するために、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび前記第2のサーマル・プリント・ヘッドを、所定の温度で所定の持続時間の間作動することができるプリンタ。
【請求項43】
カラー情報を有する画像形成データを受信することができ、
前記カラー情報により識別したカラーの画像形成データにより、前記感熱媒体の前記各第1の面および前記第2の面を画像形成するために、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび前記第2のサーマル・プリント・ヘッドの1つまたは複数の画像形成素子を作動することができるマイクロプロセッサをさらに含む、請求項42に記載のプリンタ。
【請求項44】
前記マイクロプロセッサが、さらに、所定の温度で所定の持続時間の間、パルスで前記第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび前記第2のサーマル・プリント・ヘッド内の前記1つまたは複数の画像形成素子を作動することができる、請求項43に記載のプリンタ。
【請求項45】
前記マイクロプロセッサが、さらに、前記カラー情報により識別したカラーで前記感熱媒体の前記各第1の面および前記第2の面を画像形成するために、前記受信したカラー情報を、前記所定の温度および前記所定の持続時間に変換することができる、請求項43に記載のプリンタ。
【請求項46】
前記感熱媒体の前記第1の面または前記第2の面のカラー部分を感知した場合に、感知信号を生成することができる少なくとも1つのセンサをさらに備える、請求項43に記載のプリンタ。
【請求項47】
前記マイクロプロセッサが、さらに、
前記センサからの前記感知信号を受信することができ、
前記カラー情報により識別したカラーで前記感知したカラー部分を画像形成するために、前記受信カラー情報を前記所定の温度および前記所定の持続時間に変換することができる、請求項46に記載のプリンタ。
【請求項48】
第1の面と前記第1の面に対向している第2の面とを含む両面感熱媒体を画像形成するための方法であって、
カラー情報を有する画像形成データを受信するステップと、
前記カラー情報により識別したカラーで前記受信した画像形成データにより、前記両面感熱媒体の各第1の面および第2の面を画像形成するために、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび前記第2のサーマル・プリント・ヘッドの作動を制御するステップとを含む方法。
【請求項49】
作動を制御するステップが、
前記カラー情報により識別したカラーで前記受信した画像形成データの画像形成に関連する所定の温度で所定の持続時間の間、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび前記第2のサーマル・プリント・ヘッド内の1つまたは複数の画像形成素子を作動するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記1つまたは複数の画像形成素子を作動するステップが、前記所定の温度で前記所定の持続時間の間パルスで前記第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび前記第2のサーマル・プリント・ヘッド内の前記1つまたは複数の画像形成素子を作動するステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記受信したカラー情報を、前記カラー情報により識別したカラーで前記感熱媒体の前記各第1の面および第2の面を画像形成するために、前記所定の温度および前記所定の持続時間に変換するステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記感熱媒体の前記第1の面または前記第2の面のカラー部分を感知するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記カラー情報により識別したカラーで感知したカラー部分を画像形成するために、前記受信したカラー情報を、前記所定の温度および前記所定の持続時間に変換するステップをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
両面感熱印刷システムであって、前記システムが、
両面感熱媒体を備え、前記両面感熱媒体が、
第1の面および第2の面を含む耐熱性基材と、
少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む前記基材の前記第1の面上の第1のコーティングと、
少なくとも2つの感熱カラー画像形成構成要素を含む前記基材の前記第2の面上の第2のコーティングとを含み、前記基材の耐熱性が、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの一方に加えられた熱が、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの他方の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を画像形成するのを防止できるだけ十分高く、さらに、
両面ダイレクト・サーマル・プリンタを含み、前記プリンタが、
第1のプラテンの近くに位置する第1のサーマル・プリント・ヘッドと、
第2のプラテンの近くに位置する第2のサーマル・プリント・ヘッドとを備え、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドが、前記第2のプラテンに対してほぼ対向し、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドが、前記第1のプラテンに対してほぼ対向し、
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび前記第2のサーマル・プリント・ヘッドが、カラーで前記両面感熱媒体の各第1の面および第2の面上の前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングを画像形成するために、所定の温度で所定の持続時間の間作動することができるシステム。
【請求項55】
両面感熱印刷システムであって、前記システムが、
両面感熱媒体を備え、前記両面感熱媒体が、
第1の面および第2の面を含む不透明な耐熱性基材と、
少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む前記基材の前記第1の面上の第1のコーティングと、
少なくとも2つの感熱カラー画像形成構成要素を含む前記基材の前記第2の面上の第2のコーティングとを含み、前記基材の耐熱性が、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの一方に加えられた熱が、前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングの他方の少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を画像形成するのを防止できるだけ十分高く、さらに、
両面ダイレクト・サーマル・プリンタを含み、前記プリンタが、
第1のプラテンの近くに位置する第1のサーマル・プリント・ヘッドと、
第2のプラテンの近くに位置する第2のサーマル・プリント・ヘッドとを備え、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドが、前記第2のプラテンに対してほぼ対向し、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドが、前記第1のプラテンに対してほぼ対向し、
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび前記第2のサーマル・プリント・ヘッドが、前記カラーで前記両面感熱媒体の各第1の面および第2の面上の前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングを画像形成するために、所定の温度で所定の持続時間の間作動することができるシステム。
【請求項56】
両面感熱印刷システムであって、前記システムが、
両面感熱媒体を備え、前記両面感熱媒体が、
第1の面および第2の面を含む基材と、
複数の感熱カラー画像形成構成要素の混合物を含む前記基材の前記第1の面上の第1のコーティングと、
少なくとも1つの感熱カラー画像形成構成要素を含む前記基材の前記第2の面上の第2のコーティングとを含み、さらに、
両面ダイレクト・サーマル・プリンタを含み、前記プリンタが、
第1のプラテンの近くに位置する第1のサーマル・プリント・ヘッドと、
第2のプラテンの近くに位置する第2のサーマル・プリント・ヘッドとを備え、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドが、前記第2のプラテンに対してほぼ対向し、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドが、前記第1のプラテンに対してほぼ対向し、
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドおよび前記第2のサーマル・プリント・ヘッドが、カラーで前記両面感熱媒体の各第1の面および第2の面上の前記第1のコーティングおよび前記第2のコーティングを画像形成するために、所定の温度で所定の持続時間の間作動することができるシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−528936(P2009−528936A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558257(P2008−558257)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/049433
【国際公開番号】WO2007/102880
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】