説明

マルチキャリア・ワイヤレス通信チャネルにおいて空間−周波数インターリーブ処理を行なう装置および関連する方法

一般に、マルチキャリア・ワイヤレス通信システムで空間−周波数インターリーブ処理を行なうための装置および関連する方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、「高スループットのワイヤレス通信システムを実現する装置および関連する方法」と題するShaoらによってTBDで出願された、仮出願番号60/TBDの優先権を主張し、その明細書の情報は、すべての目的のために特にここに編入される。
【0002】
本発明の実施例は、一般にワイヤレス通信システムに関し、さらに詳しくは、マルチキャリア・ワイヤレス通信チャネルにおいて空間−周波数インターリーブ処理を行なう方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
マルチキャリア通信システム、例えば、直交周波数分割多重接続(OFDM)や個別マルチトーンおよび同種のもの(DMT)は、典型的にはより小さな複数の副帯(ここでサブキャリアという)に分割された通信チャネルに関連する周波数帯によって特徴付けられる。マルチキャリア通信システムでの局間の情報(例えば、データ、音声、ビデオなど)の通信は、情報の内容を複数の部分(例えば、シンボル)に分割し、その後、複数の個別サブキャリアによってその部分を並列に送信することにより行なわれる。サブキャリアを通して送信されるシンボル期間がチャネルの最大のマルチパス遅延より長い場合、シンボル間干渉の影響は著しく弱められる。
【0004】
マルチキャリア通信システムは高スループット通信チャネルの見込みがあるが、技術的な挑戦は続いている。例えば、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)への応用において、深いフェードが、チャネル上で極めて長い期間にわたって生じる場合がある。さらに、環境条件(例えば、ホーム・オフィス、ビジネスなど)により、ワイヤレス・チャネルは、最大達成速度を制限するマルチパス伝播により、典型的には重大な散乱に遭遇するおそれがある。
【0005】
本発明の実施例は、添付図面の図中に示され、制限的ではなく、例によって示されるが、類似の参照数字は類似の要素に関連する。
【発明の開示】
【0006】
一般に、マルチキャリア・ワイヤレス通信チャネルの送信を制御する装置の実施例および関連する方法がここに開示される。この点に関して、本発明の側面は、複数のワイヤレス通信プラットフォーム、例えばワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)、ワイヤレス・メトロ・エリア・ネットワーク(WMAN)、セルラー・ネットワーク、および同種のネットワークのいずれかを実行するために使用することができる。
【0007】
本明細書において、マルチキャリア通信チャネルの障害許容力(フォールトトレランス)を改善する革新的なアプローチが示され、そこでは進歩したOFDM処理技術が、ワイヤレス・リンクの各終端に1を越える送信/受信チェーンを利用するマルチ入力マルチ出力(MIMO)送受信機に加えられる。以下の議論から、当業者は、ここに開示されたMIMOおよびOFDM(MIMO−OFDM)の組合せが高スループット・ワイヤレスLANアプリケーションに特に有望であることを認識するであろう。
【0008】
本発明の第1の側面によれば、送信ダイバーシティ能力が導かれ、それはホスト装置あるいはその上で実行するアプリケーション/エージェントから受信した非符号化内容(例えば、直交振幅変調(QAM)シンボル)をマップするための近接最適法(near-optimal method)を複数のアンテナおよびOFDMトーンに提供する。ここに導かれた送信ダイバーシティ・アーキテクチャはフルオーダのダイバーシティを提供する一方、それは単にOFDMスロット当たりの制限された符号速度を提供する。
【0009】
本発明の別の側面によれば、送信ダイバーシティ・アーキテクチャは、より高いコード速度を空間−周波数インターリーブ処理(SFI)によって提供するために拡張される。以下より詳しく展開されるように、SFIは、被符号化情報(例えば、ビット、フレーム、シンボルなど)を複数のアンテナおよびOFDMトーン上にマップするために近接最適技術を提供する。
【0010】
この明細書の全体にわたる「一実施例」または「実施例」への参照は、実施例に関して説明された特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。したがって、この明細書の全体にわたって「一実施例において」または「実施例中の」なる用語の出現は、必ずしもすべては、同じ実施例を必ずしも全て参照するものではない。更に、特定の特徴、構造または特性は、1またはそれ以上の実施例中であらゆる適切な方法で結合されてもよい。
【0011】
ネットワーク環境の例
図1は、本発明の教示が実現されるワイヤレス通信環境のブロック図を示す。図示されるように、ネットワーク100は、それぞれが1またはそれ以上のワイヤレス送信機および受信機(まとめて送受信機)108,116を含む2つの装置102,104、ベースバンドおよび媒体アクセス制御(MAC)処理能力112,114、および、メモリ110,118を構成し、各々は図示のように結合される。ここに使用されるように、装置102,104は、送受信機108,116間で確立されたマルチキャリア・通信チャネル106を介して互いに情報を装置に関連する1またはそれ以上のアンテナを経由して通信する。一実施例によれば、装置102の1つが別のネットワーク120に結合されてもよい。
【0012】
本発明の1つの側面によれば、革新的なダイバーシティ・エージェントが装置内に導かれ、マルチキャリア・ワイヤレス・チャネル内のダイバーシティの1またはそれ以上の要素を導きかつ管理する。通信チャネルの送信側において、ダイバーシティ・エージェントは、MIMO−OFDM送信信号を生成するために、1またはそれ以上のアンテナおよび/またはOFDMトーンに(例えば、ホスト装置、アプリケーション、エージェントなどから受信した)内容を選択的にマップする。通信チャネルの受信側をサポートするために、ダイバーシティ・エージェントは、MIMO−OFDMワイヤレス・チャネル(例えば106)を経由して複数のアンテナおよびOFDMトーンから受信したその内容を選択的に逆マップする。図1中に特に表示されていないが、ダイバーシティ・エージェントは、1またはそれ以上のベースバンドおよびMAC処理要素(112,114)および/または送受信機要素(108,116)中で首尾よく実行されるが、本発明はそのように制限されるものではない。
【0013】
一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェントは、フルオーダの送信ダイバーシティを実行するホスト装置(例えば102,104)から受信した内容を選択的に処理するが、本発明はこの点に制限されるものではない。以下展開されるように、ダイバーシティ・エージェントは、ホスト装置(102,106)またはその上で実行するアプリケーションから受信した非符号化内容(例えば、直角位相振幅に変調された(QAM)シンボル)をチャネル(106)の送信リンク中の空間ダイバーシティを達成する複数のアンテナおよびOFDMトーン上にマップする。
【0014】
一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェントは、ホスト装置(例えば102,104)から受信した内容を選択的に処理し、その内容の空間−周波数インターリーブ処理(SFI)を複数のアンテナおよびOFDMトーン上に導く。この点に関して、以下展開されるように、ダイバーシティ・エージェントは、ホスト装置またはアプリケーションから受信した被符号化情報(例えば、ビット、バイト、ブロック、シンボル、フレーム、パケットなど)をアンテナ多重化、802.11aインターリーブ処理、QAMマッピングおよび周期的トーン・シフティングの1つまたはそれ以上を実行することにより、複数のアンテナおよびOFDMトーン上に選択的にマップするが、本発明はこの点に関して制限されることはない。
【0015】
前述に加えて、ダイバーシティ・エージェントは、上記のように処理された受信OFDMチャネルからの情報を復号するための革新的な技術を選択的に実行する。この点に関して、革新的な受信ダイバーシティ・エージェントは、上記導かれた符号化技術の1つまたは両方に従って生成され、かつチャネル106から受信した内容を逆マップおよび/または逆インターリーブするために導かれる。一実施例によれば、受信ダイバーシティ・エージェントは、復号された変調情報(例えば、ビット)としての内容を受信し、逆マップおよび/または逆インターリーブ処理された内容をそれぞれ生成する。
【0016】
ダイバーシティ・エージェントの導入を別にすれば、装置102,104は、例えば、ラップトップ、パームトップまたはデスクトップ・コンピュータ、携帯電話(例えば、2G、2.5G、3Gまたは4G送受器)、個人用デジタル情報処理端末、WLANアクセス・ポイント(AP)、WLAN局(STA)、および同種のものを含むワイヤレス通信能力を具備する広範囲の電子機器のいずれかを表わすものとして意図される。
【0017】
ここに用いられるように、ベースバンドおよびMAC処理要素112,114は、1またはそれ以上のプロセッサ(例えば、ベースバンド・プロセッサおよびアプリケーション・プロセッサ)中で実行されてもよいが、本発明はこの点に関して制限されることはない。図示されるように、プロセッサ要素112,114は、メモリ110,118にそれぞれ結合されるが、それはDRAMのような揮発性メモリ、フラッシュ・メモリのような不揮発性メモリを含み、代わりにハードディスク・ドライブのような他のタイプの格納装置を含んでいてもよいが、本発明はこの点に制限されることはない。メモリ110,118のある部分またはすべての部分は、プロセッサ要素112,114と同じパッケージ内に配置されてもよく、あるいは集積回路または要素112,114の外部の他の媒体に配置されてもよい。一実施例によれば、ベースバンドおよびMAC処理要素112,114は、以下説明されるダイバーシティ・エージェントの機能の少なくとも1つのサブセットを実行することができ、および/または、関連する送受信機(108,116)内で実行されるダイバーシティ・エージェントに対する制御を提供するが、本発明はこの点に関して制限されることはない。
【0018】
同様に、以下十分に展開されるMIMO−OFDMのチャネライゼーションに影響するダイバーシティ・エージェントの導入を別にすれば、送受信機108,116は、また当技術で既知の様々なマルチキャリア・ワイヤレス通信の送受信機のいずれにも反映するように意図される。この点に関して、送受信機の送信機要素は、ホスト装置から内容を受信し、OFDM送信信号を生成するためにその受け取った内容を処理し、その後、そのOFDM信号を1またはそれ以上のアンテナを経由して遠隔装置へ向けてリンク(例えば、フォーワード・リンク)上に送信する。送受信機の受信機要素は、1またはそれ以上のアンテナを介してフォーワード・リンクの複数の実体を受信し、元の被符号化内容の表現を抽出するために受信信号を選択的に処理する。ダイバーシティ・エージェントを導入することによって、その装置内のワイヤレス送受信機は、以下説明されるMIMO−OFDM機能を実行することが可能となる。一実施例によれば、送信機と受信機の各々は、1またはそれ以上の処理チェーンを含めることができる。
【0019】
ここに使用されるように、ネットワーク120は、例えば、従来の旧式電話システム(POTS)の通信ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、都市内ネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、グローバル・エリア・ネットワーク(インターネット)、セルラー・ネットワーク、および同種のネットワークを含む広範囲の通信ネットワークのどれでも表わすように意図される。一実施例によれば、装置102はアクセス・ポイント(AP)を表わす一方、装置104は局(STA)を表わすが、その各々はIEEE802.11nワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)内での使用に適するとともに、各々は上記導入された革新的な空間−周波数インターリーブ処理および送信ダイバーシティ技術を利用するが、以下より十分に展開されるであろう。
【0020】
送受信機アーキテクチャの例
図2は、本発明の1つの実施例による送信機アーキテクチャ例および受信機アーキテクチャ例のブロック図を示す。2つの装置間における通信チャネルの関係の中でこれらのアーキテクチャを図示するために、1つの装置(例えば102)からの送信機、および、通信リンクに関連した別の装置(例えば104)からの受信機が示される。当業者は、図2に示されるように、一方の装置(102,104)における送受信機が送信機アーキテクチャおよび受信機アーキテクチャを含むことを認識するであろうが、本発明の範囲はこの点に関して制限されることはない。ここに説明された革新的な送信ダイバーシティおよび/または空間−周波数インターリーブ処理を実行する送信機および受信機アーキテクチャは、その複雑さの程度に拘わらず、請求項に開示された本発明の範囲および思想によって想到できることを認識すべきである。
【0021】
一実施例によれば、送信機アーキテクチャ200は、1またはそれ以上の直列から並列への(直並列)変換器210、(送信)ダイバーシティ・エージェント212、1またはそれ以上の離散的逆フーリエ変換(IDFT)要素214、1またはそれ以上の関連する無線周波数(RF)要素218を通って1またはそれ以上のアンテナ220A・・・Mに結合された周期的プレフィックスまたはガード・インターバル挿入要素216を示すが、本発明はこの点に関して制限されることはない。一実施例によれば、送信機アーキテクチャ200は、送受信機108および/または116内で実現される。複数の個別の機能要素として示されているが、当業者は、送信機アーキテクチャ200の1またはそれ以上の要素が多機能の要素へ結合されてもよく、逆に、機能要素を本発明から逸脱せずに複数の機能要素へ分割してもよい。
【0022】
ここに用いられているように、処理および通信チャネル106を介する後続の送信のために、直並列(S/P)変換器210は、ホスト装置(あるいは、その上で実行するアプリケーション、例えば、電子メール、オーディオ、ビデオなど)から情報(例えば、ビット、バイト、フレーム、シンボルなど)を受信する。一実施例によれば、受信情報は、直交振幅変調(QAM)のシンボル(つまり、各シンボルは2ビット、bおよびbを表わす)の形をしている。一実施例によれば、直並列変換器210は、情報を取得し、その情報を複数の並列のサブストリームに生成し、それはダイバーシティ・エージェント212の実体に渡される。個別の機能要素として示されているが、直並列変換器210は、ダイバーシティ・エージェント212、または送信機200の他の要素内に含められてもよい。
【0023】
一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、送信ダイバーシティの要素をS/P変換器210から受け取った情報ストリームへ選択的に導くことができる。一実施例によれば、特に、その情報の内容は、1またはそれ以上のアンテナおよびOFDMトーンに選択的にマップされる。1つの実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212でホスト装置から受け取った内容がQAMシンボルの形をしていない場合、ダイバーシティ・エージェントは、受信情報をQAMシンボルにマップするために事前の符号化を行なうが、本発明はこの点に関して制限されることはない。確かに、ダイバーシティ・エージェントは、送信ダイバーシティを入力シンボルのあらゆる一次結合に導くことができるであろう。
【0024】
いずれの場合でも、ダイバーシティ・エージェント212は、入力(例えば、QAMシンボル)を取得し、それら(ビット、シンボルなど)をMt個の送信アンテナ、および複数のレーリー・フェージング・チャネル・タップ(L)の各々のために複数のOFDMトーン(N)に亘って反復して分散させるが、本発明はこの点に関して制限されることはない。このような手法で内容を選択的に分散させることによって、フルオーダ・ダイバーシティ(Mt Mr L、ここでMrは受信アンテナの数である)が達成される。送信ダイバーシティを導く方法例は、図3を参照して以下示され、また、送信ダイバーシティ・メカニズム例に従って処理されるシンボルのグラフィカルな例は、図5に提供される。
【0025】
本発明の別の側面に従って、ダイバーシティ・エージェント212は、空間−周波数インターリーブ処理(SFI)メカニズムを実行するための資源を含む。この点に関して、ダイバーシティ・エージェント212は、アンテナ多重化要素、トーン・インターリーブ処理要素、QAMインターリーブ処理要素、QAMマッピング要素、および、周期的トーン・シフト要素の1またはそれ以上を含んでもよいが、本発明はこの点に関して制限されることはない。一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、隣接した符号化ビットを1つのシンボルとして扱い、この情報を空間および周波数に亘って、例えば上述された送信ダイバーシティ反復法を使用して拡張することができる。一実施例によれば、S/P変換器210から受け取った内容は、まず送信アンテナMtの少なくともサブセットに亘り、その後複数のレーリー・フェージング・チャネル・タップ(L)の各々に対する複数のOFDMトーンに亘ってインターリーブ処理されるが、本発明はこの点に関して制限されることはない。実際は、これらの機能要素は、必ずしも上記説明された順に適用される必要はない。さらに、周期的トーン・シフトの量は、ゼロ(0)とデータ・トーン数(Nds)との間の任意の値に修正され、また、トーンに亘るシフトに代えて、または加えてアンテナに亘って周期的シフトがあってもよい。空間−周波数インターリーブ処理を実行する方法例は、図4に関して、以下より完全に展開されるが、SFIのグラフィカルな表示は図6に示される。
【0026】
いずれのケースにおいても、ダイバーシティ・エージェント212からの内容は、1またはそれ以上の離散的逆フーリエ変換(IDFT)要素214に渡される。一実施例に従って、逆高速フーリエ変換(IFFT)要素に関し、本発明はこの点に関して制限されることはない。一実施例によれば、IDFT要素214の数は、送信アンテナの数、つまり送信無線周波数(RF)チェーン)に相当する。この点に関して、IDFT要素214は、ダイバーシティ・エージェント212から複数(Z)の被符号化サブストリームを受け取り、その内容を周波数領域表現から時間領域表現に変換するが、本発明はこの点に関して制限されることはない。
【0027】
IDFT要素214からの時間領域の内容は、CPI要素216に渡される。一実施例に従うと、CPI216は、信号中に、周期的プレフィックスまたはガード・インターバルを導き、その後増幅、フィルタ、および関連するアンテナ220A・・・Mを介する後続の送信のために無線周波数(RF)フロント・エンド218に渡される。
【0028】
送信機アーキテクチャ200によって上記処理された内容を抽出するために、受信機アーキテクチャ例250が導入される。図示されるように、RFフロント・エンド254は、1またはそれ以上の受信アンテナ240A・・・Nに影響を与える複数の信号を受信する。1つの実施例に従って、以下の説明および記述を容易にするために、受信アンテナ数(N)はMrに等しいとする。一実施例によれば、各受信アンテナは、専用受信チェーンを有し、ここで受信フロント・エンド要素254、CPR要素256およびFFT要素の数は、受信アンテナ数(N)に相当する(例えば、Mr)。
【0029】
RFフロント・エンド254は、少なくとも受信信号のサブセットを周期的プレフィックス削除(cyclic prefix removal)要素256へ渡すが、本発明はこの点に関して制限されることはない。一実施例によれば、CPR256は、受信した信号の送信処理中に導入されたあらゆる周期的プレフィックスまたはガード・インターバルを取り除く。
【0030】
その後、CPR256からの内容は、高速フーリエ変換(FFT)要素258の関連する1またはそれ以上に提供される。一実施例によれば、FFT要素258は、受信信号内に埋め込まれた内容の表現を逆多重化しかつ復号化するために、関連する受信チェーンから受信した信号を時間領域から周波数領域へ変換する。このように、受信信号の複数の周波数領域表現がダイバーシティ・エージェント260に受け渡すために提示される。
【0031】
本発明の1つの側面によれば、受信ダイバーシティ・エージェント260は、送信ダイバーシティ・エージェント212によって行なわれた相補関数を実行する。この点に関して、受信ダイバーシティ・エージェント260は、送信ダイバーシティおよび/または上記導入された空間−周波数インターリーブ処理に対する補数を行なう。送信ダイバーシティの場合には、ダイバーシティ・エージェント260は、QAM復調および並列から直列(並直列)変換器262に先立ってQAMシンボルを逆マップし、受信信号内に被符号化内容の表現(I’)を抽出する。SFIの場合には、受信信号内に被符号化内容の表現(I’)を生成する並直列変換器262へ出力内容を提供する前に、受信ダイバーシティ・エージェント260は逆インターリーブ処理と復号化を行なう。一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント260は、ソフト・ビタビ復号が後続する最小平均二乗誤差(MMSE)の空間逆マッパを実行してもよいが、本発明はこの点に関して制限されることはない。
【0032】
複数の機能ブロックとして描かれているが、当業者は、1またはそれ以上の前述の要素がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれのあらゆる組合で実行できることを認識するであろう。さらに、明確には表示されないが、ダイバーシティ・エージェント212,260のような1またはそれ以上の要素は、ベースバンドおよび/またはMAC処理要素(例えば、112,114)から制御入力を受け取ることを当業者は理解しているであろう。一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212,260は、1またはそれ以上の送信ダイバーシティおよび空間−周波数インターリーブ処理を実行し、チャネル状態情報の交換を通じてどのMIMO−OFDM方式が使用されているかを伝えることができる。この点に関して、ダイバーシティ・エージェント212,260および送信ダイバーシティ/SFI技術は、観察されたチャネル遅延拡散に従って適合され、アンテナ相関情報(つまり、チャネル状態情報)を送信または受信する。
【0033】
ダイバーシティ・エージェントの動作例
ネットワーク環境例およびダイバーシティ・エージェントのアーキテクチャを上記簡単に紹介したが、ここに導入されたMIMO−OFDM技術の各々の議論は、図3−図7を参照してより詳細に展開される。説明と理解を容易にするために、これらの技術の展開が、図1および図2中の要素例を引き続き参照して、フローチャートの形式で適切に提示されるが、本発明はこの点に関して制限されることはない。
【0034】
図3に移り、一実施例に従って、送信ダイバーシティを実行するための方法例300のフローチャートが示される。図示されるように、その方法はブロック302から始まり、ここでダイバーシティ・エージェント212は処理のための内容を受け取る。一実施例によれば、受け取った内容は、直列から並列への変換から受け取った情報の複数のサブストリームであるが、本発明はこの点に関して制限されることはない。一実施例によれば、その受け取った内容は、入力QAMシンボルの線形または非線形の組合せである複素シンボルの形をしている。一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、QAMモジュレータから内容を受け取り、その受け取った内容はQAMシンボルの形をしているが、本発明はこの点に関して制限されることはない。別の実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、非符号化情報ストリームのビットを受け取り、その内容をQAMシンボルに変換する。
【0035】
ブロック304では、ダイバーシティ・エージェント212は、そのQAMシンボルを1またはそれ以上のアンテナおよび1またはそれ以上のOFDMトーンに亘り周期的に分配する。一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、QAMシンボルのMt×N/L個のブロックの生成を通じて空間ダイバーシティを獲得するが(NはOFDMトーン数、およびLはレーリー・フェージング・チャネル・タップ数である)、ここで、各アンテナに適用されたシンボルは周期的なシフトによってオフセットされる。これらの周波数ブロックをOFDMトーンに亘ってL回繰り返すことによって、ダイバーシティ・エージェント212は、同様に周波数ダイバーシティの要素をチャネルへ導く。
【0036】
一実施例によれば、周波数ブロックの数は、チャネル中のマルチパス条件に従って適応して修正される。この点で、周波数ブロック中に拡散したより大きな遅延は、高遅延拡散(L)があり、またより少数のブロックがより低い遅延拡散に使用されるとき、ダイバーシティ・エージェント212によって使用される。さらに、シンボルの水平的なラップアラウンドの危険またはがあるとき、ここで同じシンボルが異なるアンテナから同じトーンまたは非常に接近しているトーン上で送信される場合、ダイバーシティ・エージェント212は、このラップアラウンド状態を適切に削除するためその分散を増加または減少させる。送信ダイバーシティ・ブロックのグラフィカルな例は、図5に関して示される。
【0037】
ブロック306において、ダイバーシティ・エージェント212によって生成されたブロックは送信処理チェーンの残り(例えば、IDFT214以下参照)に提供され、送信機は1またはそれ以上のアンテナおよびOFDMトーンを介する送信のために、分配される内容に関するチャネル処理を完了することが可能となる。
【0038】
図4に移って、本発明の一実施例に従って、空間−周波数インターリーブ処理(SFI)を実行する方法例400のフローチャートが導入される。図示されるように、本技術はブロック402から開始し、ここでダイバーシティ・エージェント212は被符号化内容を受け取る。上述のように、被符号化内容は、例えばフォーワード・エラー修正エンコーダ(FEC)、畳込みエンコーダ、リード・ソロモン・エンコーダ、およびLDPCエンコーダ、トレリス・エンコーダ、ターボ・コーダ、ボーズ・チャウドゥリ・ホッケンゲム(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem:BCH)エンコーダなどから受け取られ、それらはダイバーシティ・エージェント212の一要素であるが、本発明はこの点に関して制限されることはない。1つの実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、畳込みエンコーダによって提供されるようなスライド式ウィンドウ・メモリを仮定するが、本発明はこの点に制限されるものではない。確かに、他のコードについては、ダイバーシティ・エージェント212は、スライド式ウィンドウ風に相関が取られるように入力を再配置/インターリーブすることができる。一般に、任意のコードからの出力コードワードは、上記説明された送信ダイバーシティ側面毎に、QAMシンボルxとして扱われ、また、構成するコードワード・ビットは、ここに説明された空間−周波数インターリーブ処理技術を使用して拡散され得る。
【0039】
その後、ダイバーシティ・エージェント212は、受け取った符号化情報上でアンテナ多重化を行なう。一実施例によれば、受け取った内容の隣接したビットは、まずMt個のアンテナにマップされる。例えば、ビット=Mt*NCBPSの総数を仮定する、ここでNCBPSは、OFDMシンボルの48トーンにマップされた、符号化かつパンクチャード(punctured)されたビット数であるが(使用時、例えばIEEE標準規格802.11a(1999)仕様書に従う、その開示は全ての目的のために参考としてここに組込まれる)、本発明はこの点に関して制限されることはない。m:Mt:Mt*NCBPSによってインデックスされたビットは、m番目のアンテナにマップされる。
【0040】
ブロック404において、ダイバーシティ・エージェント212は、各アンテナ上でNCBPSビットの結果グループをインターリーブする。一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、2つの要素、すなわちトーン・インターリーブ処理およびQAMインターリーブ処理(例えば、IEEE標準規格802.11a−1999、パート11:ワイヤレスLAN媒体アクセス制御(MAC)および物理層(PHY)仕様書を参照、すべての目的のためにここに編入される)から成る802.11aインターリーバに従って、このインターリーブ処理を実行する。
【0041】
一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、トーン・インターリーブ処理を行なうために隣接した被符号化ビットが隣接していないサブキャリア上にマップされることを保証する。一実施例に従えば、インターリーバの深さは、いくつのトーンが隣接した符号化ビットを分離するか決める。一般に、この分離は、チャネルのコヒーレンス帯域幅、つまりN/L(ここで、N=DFTサイズ、およびL=時間内チャネル応答の長さ)と等しくすべきであるが、本発明はこの点に制限されるものではない。この点において、インターリーバの深さは、時間内のチャネル・インパルスの長さ(L)に比例する。
【0042】
ここに使用されるように、一実施例に従い、インターリーバの深さは、各周波数ブロック内の隣接したトーン上のビット間分離として定義される。例えば、深さ16(つまり、802.11aインターリーバにつき)で48個のトーンにマップされるべき1:48の入力ビットがある場合、ここで、ビットは列毎にトーン1:48へマップされ、ビット1,17,33および2は、トーン1,2,3および4にそれぞれマップされる。さらに詳しくは、マッピングは次のようになる。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32
33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48
【0043】
深さを12へ変更すれば、次のマッピングを得るであろう、すなわちビット1,13,25,37および2は、トーン1,2,3,4および5にそれぞれマップされる。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36
37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48
【0044】
一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、インターリーバの深さをLの観測値に適応させることができる。認識されたマルチパス状態に依存して、高Lは大きなインターリーバの深さとなり、その逆も正しい。一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、最悪のケース・チャネル応答状態に基づいてインターリーバの深さを設定する、例えば、L=最悪ケースの遅延拡散=OFDMシンボルの周期的プレフィックスの長さ(例えば、802.11a準拠システムでの16)。
【0045】
このように、任意のN値(例えば、複数の802.11aチャネルが高スループットを提供するためにともに結合される場合、96または108)に対して、ダイバーシティ・エージェント212によって予期される特性を決定する重要な設計基準は、チャネルのコヒーレンス帯域幅の機能として隣接した符号化ビットの分離である。トーン間スペースへの影響なしに結合するチャネル内でのように、チャネル帯域幅が増加すれば、コヒーレンス帯域幅は変化しないであろう(マルチパス・チャネルと同じセット上で)。より大きなDFTサイズが同じチャネル帯域幅内で取られる場合、ダイバーシティ・エージェント212は、トーン・スペースを変更し、それにより隣接した符号化ビットは、比例的により大きな数のトーンで分離されるであろう。
【0046】
QAMインターリーブ処理を行なうために、ダイバーシティ・エージェント212は、長期間の低信頼性(LSB)ビットを回避するために、隣接した符号化ビットが配座のより下位およびより上位のビット上に交互にマップされることを保証する。一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、次の数学的記述に従って、トーンおよびQAMインターリーブ処理をそれぞれ行なう。
i=(NCBPS/16)(k mod 16)+floor(k/16) [1]
ここで、k=0,1,・・・,NCBPS−1、および、関数floorは、パラメータを超過しない最大整数を表示する。
j=sxfloor(i/s)+(i+NCBPS−floor(16 x i/NCBPS))mod s [2]
ここで、sの値は、s=max(NBPSC/2,1)に従って、サブキャリア当たりの符号化ビット数、NBPSC、によって決定される。一実施例によれば、受信機内のダイバーシティ・エージェント260は、上記2つの順列によって定義された逆関係を実行する逆インターリーバを使用するが、本発明はこの点に関して制限されることはない。
【0047】
ブロック406では、ダイバーシティ・エージェント212は、インターリーブ処理された内容をQAMシンボルにマップする。一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、ビット対QAMマッパを含み、ここでは複数のビットがQAMシンボルにマップされる。一実施例によれば、OFDMサブキャリアは、BPSK、QPSK、16−QAM、64−QAM、128−QAMまたは256−QAMを使用して変調され、使用される符号化速度に依存するが、本発明の範囲はこの点に関して制限されることはない。一実施例によれば、符号化されかつインターリーブ処理された2進シリアル入力データは、NBPSC(例えば、1,2,4または6)ビットのグループに分割され、QAM配座ポイントを表わす複素数に変換される。その変換は、グレイ(Gray)符号化配座マッピングに従って実行されるが、本発明はこの点に制限されるものではない。
【0048】
ブロック408では、ダイバーシティ・エージェント212は、他のアンテナに関する各アンテナ上で結果QAMシンボルに周期的シフトを導入する。一実施例によれば、上述されたように、ダイバーシティ・エージェント212は、m番目のアンテナのために予定されたシンボルをm−1トーンだけシフトし、1番目のアンテナも同様である。ここに使用されるように、ダイバーシティ・エージェントによって導入された周期的トーン・シフトは、1より大きいであろう。確かに、一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212で導入された周期的トーン・シフトは、少なくとも部分的には空間的相関に基づいて適応性があり、異なるアンテナ上のフェージングが相関すればするほど、アンテナからアンテナへのトーン・シフトはより大きくなる。ある実施例で、例えば、送信アンテナ(Mt)の数が大きい場合、ダイバーシティ・エージェントはアンテナからアンテナまで1を越えるトーンをシフトし、ラップアラウンドを回避し、より良い特性を保証する。
【0049】
この点において、一実施例によれば、ダイバーシティ・エージェント212は、各ビットをMt回繰り返し、次により大きな符号化シーケンス上でここに導入されたSFI技術を実行する。例えば、オリジナルの符号化ビット・シーケンスが[b1,b2,b3,b4]で、かつ2つの送信アンテナ(Mt=2)を有する場合、ダイバーシティ・エージェント212は、受信ビット・シーケンスを[b1 b1 b2 b2 b3 b3 b4 b4]に拡張する。それは、明細書の情報からここに評価されるべきである、各々を単純な反復ではなくむしろ符号化シーケンスに拡張する他の方法、例えば結果として多次元の空間−周波数配座などを考慮に入れることによって行なってもよいことを理解すべきである。
【0050】
その後、上述されたように、空間−周波数インターリーブ処理されたブロックは、1またはそれ以上のアンテナおよびOFDMトーンによって送信するために処理される。ダイバーシティ・エージェント212によって生成された空間−周波数インターリーブ処理されたブロックのグラフィカルな例が、図6に以下提供される。
【0051】
特に詳述されないが、上述の議論から、受信ダイバーシティ・エージェント260は前述の方法のいずれかを選択的に実行し、上記送信ダイバーシティまたは空間−周波数インターリーブ処理技術に従って処理された信号上に受け取った内容を相補的な(例えば、反転した)順序でそれぞれ逆マップ、あるいは逆インターリーブすることができると当業者は理解するであろう。例えば、逆インターリーブ処理技術は、トーンを1またはそれ以上周期的にシフトすること、QAM対ビット・マッピング、逆インターリーブ処理、およびアンテナ逆多重化を含むが、本発明はこの点に関して制限されることはない。
【0052】
図5に移り、本発明の一実施例に従って生成された送信ダイバーシティ・ブロックのグラフィカルな例が示される。図5の実施例に従って、Mt×N/Lのダイバーシティ・ブロックが使用される。この場合、ダイバーシティ・エージェント212は、QAMシンボルのL番の2×N/Lマトリックスを生成する。図5に示された技術は、例えば、連続したアンテナ上の(Mt−1)に従って、各追加の送信アンテナ上の周期的な遅延を増やすことにより、Mt>2の状況をカバーするために拡張可能である。図5中の空間−周波数のコードワードは、L個のブロックに亘るシンボルの反復を考慮に入れる間、トーンに亘って復号するビタビ復号器からのものであることを認識すべきであるが、本発明はこの点に関して制限されることはない。
【0053】
図6に移り、本発明の実施例に従って生成されたブロックを空間−周波数インターリーブ処理をする例のグラフィカルな例が示される。上述のように、図示を容易にしかつ制限するためのものではなく、描かれたSFIブロックは実施例に対応するものであり、ここでMt=2であるが、上述された技術に従って、Mt>2の実施例に拡張可能である。
【0054】
図7は、様々なマッピング技術(つまり、単一入力、単一出力(1×1 SISO)、空間多重化(ビットはアンテナではなくトーンに亘ってインターリーブ処理される)、および空間−周波数インターリーブ処理(SFI))に関連した性能特性を証拠づけるグラフを示す。図示された実施例によれば、図7は、54Mbps/アンテナのために特性(例えば、Es/Noに亘るビット誤り率(BER)およびパケット誤り率(PER)で測定される)をグラフに示す。図示されるように、SFI技術は、MMSE空間逆マッパおよびソフト・ビタビ復号器から成る受信機のための従来の(より簡易な)技術に比較して信号対雑音比(SNR)特性において約1デシベル(1dB)の適度な改善を示すが、より高性能な受信機に対してはより大きく改善されるであろう。
【0055】
複数の機能要素を含むものとして描かれあるいは記述されているが、当業者は、ここでの議論に基づいて、ダイバーシティ・エージェント212の別の実施例が本発明の範囲および思想内で想到されることを理解するであろう。一実施例によれば、アンテナ多重化および周期的なトーン・シフト機能を省略するダイバーシティ・エージェントが想到される。この実施例に従って、ダイバーシティ・エージェントは、少なくともアンテナのサブセットの各々に隣接するビットのブロックをマップし、次に、802.11aトーンおよびQAMインターリーブ処理、および上述されたビット対QAMマッピングを実行するが、本発明はこの点に関して制限されることはない。逆の動作を行なうダイバーシティ・エージェントも想到されるであろう。
【0056】
図8は、送信アンテナ当たり6Mbpsより低いデータ速度に対するSFI対空間多重化の特性比較のグラフィカルな例を描く。図示されるように、SFIによって得られる特性改善は、より低いデータ速度でより顕著である。このように、提案された技術のある利点が、アンテナ利得の不均衡、I/Qの不整合などのような障害を有する現実的なチャネルにおいて、より顕著となることは、ここにおける議論から理解されるであろう。
【0057】
代替実施例
図9は、起動時に、アクセス・マシンがダイバーシティ・エージェント212,260および/または関連する方法300,400の1またはそれ以上の側面を実行する内容を含む格納媒体のブロック図を示す。この点に関して、格納媒体900は内容902(例えば、命令、データまたはそれらの任意の組合せ)を含み、実行された時、上述のように、アクセス機器はダイバーシティ・エージェント212,260の1またはそれ以上の側面を実行する。
【0058】
機械読み取り可能な(格納)媒体900は、フロッピー・ディスク、光ディスク、CD−ROMおよび光磁気ディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気または光カード、フラッシュ・メモリ、または電子命令を格納するのに適するあらゆるタイプの媒体/機械読み取り可能な媒体を含むが、しかしこれらに制限されることはない。さらに、本発明は、また、計算機プログラム製品としてダウンロードされてもよく、その場合、通信リンク(例えばモデム、無線またはネットワーク接続)を介して搬送波または他の伝播媒体中に埋め込まれたデータ信号によって、遠隔のコンピュータから要求するコンピュータにプログラムを転送することができる。
【0059】
上記記述では、説明のために、多数の特定の詳細事項が、本発明の完全な理解を提供するために述べられる。しかしながら、本発明が特定の詳細事項のいくつかがなくても実施できることを当業者は理解しているであろう。他の例では、周知の構造および装置がブロック図中に示されている。
【0060】
本発明の実施例は、多種多様のアプリケーション中で使用されてもよい。ここに示された回路は、マイクロコントローラ、汎用マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセサ(DSP)、縮小命令セット・コンピュータ(RISC)、複雑命令セット・コンピュータ(CISC)、他の電子コンポーネンツ中で使用されてもよいが、本発明はこの点に制限されるものではない。しかしながら、本発明の範囲はこれらの実施例に制限されるものではないことを理解すべきである。
【0061】
本発明の実施例は、マイクロプロセッサによって実行される電子命令を格納するかあるいは算術演算に使用されるデータを格納するコアメモリ、キャッシュ・メモリと称される集積回路ブロックまたは他のタイプのメモリに含まれてもよい。一般に、請求項に記載された主題に従うマルチステージのドミノ式論理を使用する実施例は、マイクロプロセッサに利点を備え、特にメモリ・デバイスのためのアドレス・デコーダに組み入れられてもよい。本実施例は、特に装置が削減された電力消費に依存する場合、ワイヤレス・システムまたは携帯型機器へ組み込まれてもよいことに注意すること。このように、ラップトップ・コンピュータ、セルラー無線電話通信システム、単方向ページャ、双方向ページャ、個人用移動通信システム(PCS)、個人用デジタル情報処理端末(PDA)、カメラ、および、他の製品は、本発明の範囲内で含まれていると意図される。
【0062】
本発明は、様々な動作を含む。本発明の動作は、図1および/または図2に図示されたハードウェア要素によって実行されてもよく、その動作を行なうための命令でプログラムされた汎用目的プロセッサ、特定目的プロセッサ、あるいは論理回路に使用されるマシン実行可能な内容(例えば、命令)702で具体化されてもよい。あるいは、その動作は、ハードウェアとソフトウェアの組合せによって行なわれてもよい。さらに、本発明はコンピュータ機器との関係において説明されたが、当業者は、このような機能性が、例えば、通信機器(例えば、携帯電話)内に統合された代替の多くの実施例のいずれかに具体化できることを理解しているであろう。
【0063】
方法の多くはそれらの最も基本的な形式で説明されたが、しかし、本発明の基本的な範囲から逸脱しないで、ある動作が加えられてもよく、あるいはそのいずれかの方法から削除されてもよく、また情報が加えられてもよく、あるいは記述されたいずれかのメッセージから削除されてもよい。本発明の概念における多くの変更は、本発明の範囲および思想内で想到できる。この点に関して、図示された特定の実施例は、単に本発明を制限するものではなく、それを図示するために提供されている。したがって、本発明の範囲は、上記提供された特定の実施例によって判断されるのではなく、請求項の平易な用語によってのみ判断されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の教示を組込む一実施例に従うマルチキャリア・ワイヤレス・ネットワーク例のブロック図である。
【図2】本発明の教訓を組込む一実施例に従う送受信機例のブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に従って、情報を1またはそれ以上のアンテナおよびサブキャリアにマップする方法例のフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例に従って、情報を1またはそれ以上のアンテナおよびサブキャリアにマップする方法例のフローチャートである。
【図5】本発明の実施例に従って、2つの送信アンテナの対する送信ダイバーシティおよび空間−周波数インターリーブ処理のグラフィカルな例を提供する。
【図6】本発明の実施例に従って、2つの送信アンテナの対する送信ダイバーシティおよび空間−周波数インターリーブ処理のグラフィカルな例を提供する。
【図7】本発明の実施例の使用を通じて、1またはそれ以上のチャネル特性の改良を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例の使用を通じて、1またはそれ以上のチャネル特性の改良を示すグラフである。
【図9】内容(コンテンツ)を含む一実施例である装置のブロック図であり、アクセス・マシンによって実行された場合、マシンは本発明の実施例の1またはそれ以上の側面を実行する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャリア通信チャネル中の2またはそれ以上のトーンを介して2またはそれ以上のアンテナから送信するために、ホスト装置から内容を受け取る段階と、
前記2またはそれ以上のアンテナの少なくとも1つのサブセット中の前記受け取った内容の要素を多重化する段階と、
前記2またはそれ以上のアンテナの少なくとも1つのサブセット上の前記マルチキャリア・ワイヤレス通信チャネルの複数のトーンに亘って前記多重化された要素にインターリーブ処理を行ない、前記アンテナから送信するための信号を生成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記受け取った内容は、被符号化ビットであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ビットは、畳み込み符号、LDPC符号、トレリス符号、ターボ符号、リード・ソロモン符号およびBCH符号の1またはそれ以上、あるいはそれらのパンクチャード表現を含む複数のコードのいずれかを使用して、符号化されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記インターリーブ処理要素は、トーン・インターリーブ処理を含み、前記アンテナの各々上の隣接またはほぼ隣接した被符号化ビットは、隣接していないサブキャリアにマップされることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記インターリーブ処理の深さは、いくつのトーンが隣接した被符号化ビットを分離するかで決めることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
隣接した被符号化ビット間の前記分離は、前記チャネルのコヒーレンス帯域幅の関数であることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
隣接した被符号化ビット間の前記分離は、時間内のチャネル・インパルス応答の長さに比例することを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項8】
トーン分離の前記要素は、
少なくとも部分的に時間内のチャネル・インパルス応答の長さに対する観察に基づいて、インターリーブ処理の深さを適応して決定することを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項9】
前記隣接したビットは、4つの(4)トーンで分離されることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項10】
前記インターリーブ処理要素は、
直交振幅変調(QAM)インターリーブ処理をさらに含み、隣接した被符号化ビットは、長期間の低信頼性ビットを低減するために、QAM配座のより下位およびより上位のビット上に交互にマップされることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項11】
前記インターリーブ処理された被符号化ビットをQAMシンボルにマップする段階をさらに含むこと特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記マッピング要素は、
複数のビットをQAMシンボルにマップする段階を含み、前記複数のビットは、少なくとも部分的に、前記生成された信号の送信機によって使用された変調のタイプに基づくことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記複数のビットは、QAM配座ポイントを表わす複素数に変換される1,2,4または6ビットから成るグループの1つであることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記複素数への変換は、グレイ符号化配座マッピングに従って実行されることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
他のアンテナに関して各アンテナ上の前記QAMシンボルの周期的シフトを行なう段階をさらに含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項16】
アンテナからアンテナへの前記周期的トーン・シフトは、1より大きいことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
アンテナからアンテナへの前記周期的トーン・シフトは、空間的な相関に適応し、異なるアンテナ上の前記フェージングにより相関があれば、アンテナからアンテナへの前記トーン・シフトがより大きくなることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記実行要素は、
隣接またはほぼ隣接した被符号化ビットが異なるアンテナ上の共通のトーンにマップされることを検出する段階と、
より大きな周期的シフトを前記被符号化ビット間に導く段階と、
を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記実行要素は、
送信アンテナの数(Mt)が1より大きいこと検出する段階、および、前記被符号化シーケンスを拡張し、インターリーブ処理および前記周期的シフトを実行する前に、Mtのより長いコード・シーケンスを提供する段階と、
を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記インターリーブ処理要素は、
直交振幅変調(QAM)インターリーブ処理を含み、隣接した被符号化ビットは、長期間の低信頼性ビットを低減するために、QAM配座のより下位およびより上位のビット上に交互にマップされることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項21】
前記インターリーブ処理要素は、トーン・インターリーブ処理をさらに含み、前記アンテナの各々上の隣接した被符号化ビットは、非隣接サブキャリアにマップされることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記インターリーブ処理された被符号化ビットをQAMシンボルにマップする段階をさらに含むこと特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項23】
内容を含む格納媒体において、実行された際、アクセス装置が請求項1に従う方法を実行することを特徴とする格納媒体。
【請求項24】
送信機に結合され、ホスト装置からの内容を受け取り、かつ2またはそれ以上のアンテナの少なくとも1つのサブセットに前記受け取った内容の要素を多重化し、前記2またはそれ以上のアンテナから送信するための信号を生成するために前記多重化された要素をマルチキャリア・ワイヤレス通信チャネルの複数のトーンに亘ってインターリーブ処理をするダイバーシティ・エージェント、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項25】
前記ダイバーシティ・エージェントに結合され、前記ダイバーシティ・エージェントからの前記多重化されかつインターリーブ処理された内容を変換し、それを時間領域表現に変換し、その後遠隔装置へ送信するために前記時間領域内容を前記2またはそれ以上のアンテナに選択的に振り向ける送信機、
をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項26】
前記ダイバーシティ・エージェントは、
前記受け取った内容の隣接またはほぼ隣接した被符号化ビットを前記マルチキャリア・ワイヤレス通信チャネルの非隣接サブキャリアにマップするためのトーン・インターリーバを含むことを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項27】
隣接した被符号化ビット間の前記分離は、前記チャネルのコヒーレンス帯域幅の関数であることを特徴とする請求項26記載の装置。
【請求項28】
隣接した被符号化ビット間の前記分離は、時間内のチャネル・インパルス応答の長さに比例することを特徴とする請求項26記載の装置。
【請求項29】
前記トーン・インターリーバは、
少なくとも部分的にチャネル・インパルス応答の長さに対する観察に基づいて、インターリーブ処理の深さを適応して決定することを特徴とする請求項26記載の装置。
【請求項30】
前記ダイバーシティ・エージェントは、
前記トーン・インターリーバに応答し、長期間の低信頼性ビットを低減するために、直交振幅変調(QAM)配座のより下位およびより上位のビット上に隣接した被符号化ビットを交互にマップする直交振幅変調(QAM)インターリーバをさらに含むことを特徴とする請求項26記載の装置。
【請求項31】
前記ダイバーシティ・エージェントは、
前記QAMインターリーバに応答し、前記インターリーブ処理された内容をQAMシンボルにマップするQAMマッパをさらに含むことを特徴とする請求項30記載の装置。
【請求項32】
前記QAMマッパは、ビットのグループをQAM配座ポイントを表わす複素数に変換することを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項33】
前記ビットのグループは、前記装置によって使用される前記変調のタイプに基づく1,2,4または6ビットから成ることを特徴とする請求項32記載の装置。
【請求項34】
前記ダイバーシティ・エージェントは、
トーン・インターリーバに応答し、長期間の低信頼性ビットを低減するために、直交振幅変調(QAM)配座のより下位およびより上位のビット上に隣接した被符号化ビットを交互にマップする直交振幅変調(QAM)インターリーバをさらに含むことを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項35】
前記ダイバーシティ・エージェントは、
前記QAMインターリーバに応答し、前記インターリーブ処理された内容をQAMシンボルにマップするQAMマッパをさらに含むことを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項36】
あるアンテナから別のアンテナへ周期的シフトを前記QAMシンボルに動的に導入するための周期的プレフィックス要素をさらに含むことを特徴とする請求項35記載の装置。
【請求項37】
アンテナからアンテナへの前記周期的トーン・シフトは、1を超えることを特徴とする請求項36記載の装置。
【請求項38】
アンテナからアンテナへの前記周期的トーン・シフトは、空間的な相関に適応し、異なるアンテナ上の前記フェージングにより相関があれば、アンテナからアンテナへの前記トーン・シフトがより大きくなることを特徴とする請求項36記載の装置。
【請求項39】
前記周期的プレフィックス要素は、
隣接またはほぼ隣接した被符号化ビットが異なるアンテナ上の共通のトーンにマップされるかどうか、およびより大きな周期的シフトを前記被符号化ビット間に導くかどうかを判断することを特徴とする請求項36記載の装置。
【請求項40】
2またはそれ以上のダイポール・アンテナであって、それを通してマルチキャリア・ワイヤレス通信チャネルは遠隔装置と確立される、ダイポール・アンテナと、
送信機に結合され、ホスト装置からの内容を受け取り、かつ2またはそれ以上のアンテナの少なくとも1つのサブセットに前記受け取った内容の要素を多重化し、前記2またはそれ以上のアンテナから送信するための信号を生成するために前記多重化された要素をマルチキャリア・ワイヤレス通信チャネルの複数のトーンに亘ってインターリーブ処理をするダイバーシティ・エージェント、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項41】
前記ダイバーシティ・エージェントに結合され、前記ダイバーシティ・エージェントからの前記多重化されかつインターリーブ処理された内容を変換し、それを時間領域表現に変換し、その後遠隔装置へ送信するために前記時間領域内容を前記2またはそれ以上のアンテナに選択的に振り向ける送信機をさらに含むことを特徴とする請求項40記載のシステム。
【請求項42】
前記ダイバーシティ・エージェントは、
前記受け取った内容の隣接またはほぼ隣接した被符号化ビットを前記マルチキャリア・ワイヤレス通信チャネルの非隣接サブキャリアにマップするためのトーン・インターリーバを含むことを特徴とする請求項41記載のシステム。
【請求項43】
隣接した被符号化ビット間の前記分離は、前記チャネルのコヒーレンス帯域幅の関数であることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項44】
隣接した被符号化ビット間の前記分離は、時間内のチャネル・インパルス応答の長さに比例することを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項45】
前記トーン・インターリーバは、
少なくとも部分的にチャネル・インパルス応答の長さに対する観察に基づいて、インターリーブ処理の深さを適応して決定することを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項46】
前記ダイバーシティ・エージェントは、
前記トーン・インターリーバに応答し、長期間の低信頼性ビットを低減するために、直交振幅変調(QAM)配座のより下位およびより上位のビット上に隣接した被符号化ビットを交互にマップする直交振幅変調(QAM)インターリーバをさらに含むことを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項47】
前記ダイバーシティ・エージェントは、
前記QAMインターリーバに応答し、前記インターリーブ処理された内容をQAMシンボルにマップするQAMマッパをさらに含むことを特徴とする請求項46記載のシステム。
【請求項48】
前記QAMマッパは、ビットのグループをQAM配座ポイントを表わす複素数に変換することを特徴とする請求項47記載のシステム。
【請求項49】
前記ビットのグループは、前記装置によって使用される前記変調のタイプに基づく1,2,4または6ビットから成ることを特徴とする請求項48記載のシステム。
【請求項50】
前記ダイバーシティ・エージェントは、
トーン・インターリーバに応答し、長期間の低信頼性ビットを低減するために、直交振幅変調(QAM)配座のより下位およびより上位のビット上に隣接した被符号化ビットを交互にマップする直交振幅変調(QAM)インターリーバをさらに含むことを特徴とする請求項43記載のシステム。
【請求項51】
前記ダイバーシティ・エージェントは、
前記QAMインターリーバに応答し、前記インターリーブ処理された内容をQAMシンボルにマップするQAMマッパをさらに含むことを特徴とする請求項43記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2007−517471(P2007−517471A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547266(P2006−547266)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/042942
【国際公開番号】WO2005/067192
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】