説明

マルチユーザーMIMOのための改良チャネルフィードバック

【課題】通信システムに関し、チャネルフィードバックスキームに関する方法を提供する。
【解決手段】携帯通信端末24宛ての少なくとも1つの送信を含む複数入力複数出力(MIMO)信号を、通信チャネルを介して、前記端末24で受信する段階を備える。マルチユーザー信号対雑音比(MU−SNR)は、受信された信号に基づいて、端末24において推定される。MU−SNRは、端末24宛ての送信と信号の残りの成分との間の電力比を表し、信号は、1以上のその他の端末宛ての1以上の送信を含むと仮定される。MU−SNRに基づき通信チャネルを示すフィードバックが、端末24から送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、通信システムに関し、より詳細には、チャネルフィードバックスキームに関する。
【0002】
[優先権情報]
本出願は、2010年10月6日出願の米国仮出願61/390,423号、2010年10月15日出願の米国仮出願61/393,797号及び2010年11月9日出願の米国仮出願61/411,845号明細書の優先権を主張するものであり、前記出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
通信システムの中には、携帯通信端末が、通信チャネルを介して基地局からダウンリンク信号を受信し、通信チャネルを通知するフィードバックを基地局に送信する。基地局は、フィードバックに基づいて次の送信を設定する。このようなチャネルフィードバックは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)で規定されている発展型地上無線アクセス(E−UTRA)システムで使用されている。このシステムは、ロングタームエボリューション(LTE)及びLTEアドバンスト(LTE−A)とも称される。
【0004】
LTE及びLTE−Aシステムにおけるチャネルフィードバックについては、例えば、3GPP技術仕様グループ 無線アクセスネットワークワーキンググループ1(TSG−RAN WG1)議事録R1−105032、表題"Way Forward on Enhancement for Rel.10 DL MIMO(Rel.10ダウンリンクMIMOの改良の進め方)"、スペイン、マドリッド、2010年8月23−27日、3GPP TSG−RAN WG1議事録R1−104477、表題"Higher CSI Feedback Accuracy Proposals for 4/8Tx Rel.10 DL MIMO(4/8Tx Rel.10 ダウンリンクMIMOにおけるCSIフィードバックの精度向上についての提案)"、スペイン、マドリッド、2010年8月23−27日、3GPP TSG−RAN WG1議事録R1−104474、表題"Views and Simulation Results on 4Tx Codebook Enhancements(4Txコードブック改良についての概論及びシミュレーション結果)"、スペイン、マドリッド、2010年8月23−27日、及び、3GPP TSG−RAN WG1議事録R1−104398、表題"Further Analysis of Companion Feedback Performance and Feedback Signaling Overhead Reduction(コンパニオンフィードバック性能及びフィードバック信号オーバーヘッド低減についての更なる分析)"スペイン、マドリッド、2010年8月23−27日、に記載されており、これらの全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
その他のチャネルフィードバックスキームについては、3GPP TSG−RAN WG1議事録R1−105801、表題"Way Forward on CQI/PMI Reporting Enhancement on PUSCH 3-1 for 2, 4 and 8 TX(2、4及び8個のTxの場合のPUSCH3−1におけるCQI/PMI報告の改良の進め方)"中国、西安、2010年10月11−15日、3GPP TSG−RAN WG1議事録R1−105189、表題"CQI Enhancement for 4Tx(4Txの場合のCQI改良)"、中国、西安、2010年10月11−15日、3GPP TSG−RAN WG1議事録R1−105412、表題"Enhancing MU-MIMO CQI(MU−MIMO CQI改良)"中国、西安、2010年10月11−15日、及び、3GPP TSG−RAN WG1議事録R1−105656表題"Further discussion on CQI/PMI enhancement(CQI/PMI改良に対する更なる議論)"、中国、西安、2010年10月11−15日、に記載されており、これらの全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
上記の説明は、本発明の分野の関連技術の一般的な概説を述べたものであり、上記に含まれる情報が、本願発明に対する従来技術と認めるものであると解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0007】
本明細書に記載する一実施形態は、携帯通信端末において、複数入力複数出力(MIMO)信号を通信チャネルを介して受信する段階を備える方法を提供する。MIMO信号は、端末宛ての少なくとも1つの送信を含む。マルチユーザー信号対雑音比(MU−SNR)は、受信された信号に基づいて、端末において見積もられる。MU−SNRは、端末宛ての送信と、信号の残りの成分との間の電力比を表しており、信号の残りの成分の中には、1以上のその他の端末宛ての1以上の送信が含まれると仮定される。通信チャネルを示すフィードバックは、MU−SNRに基づいており、端末から送信される。
【0008】
ある実施形態では、MU−SNRの推定は、端末宛ての送信をプリコーディングすることを要求する端末のプリコーディングベクトルに直交するプリコーディングベクトルを使用して、別の端末宛ての送信がそれぞれプリコーディングされるという仮定の下、MU−SNRを計算する段階を有する。
【0009】
一実施形態例では、MU−SNRの計算は、直交するプリコーディングベクトルの複数の候補にわたってMU−SNRを平均化する段階を含む。開示される実施形態では、MIMO信号は、NT個の送信アンテナを使用して基地局から送信され、MU−SNRを計算する段階は、直交するプリコーディングベクトルのNT-1個の候補についてMU−SNRを計算する。別の実施形態では、MU−SNRを計算する段階では、1以上のその他の端末宛ての1以上の送信に、電力レベルをそれぞれ割り当てる段階を有し、電力レベルのうちの少なくとも2つは、互いに異なっている。
【0010】
ある実施形態では、方法は、シングルユーザー信号対雑音比(SU−SNR)を推定する段階を備え、SU−SNRは、信号が端末宛てのみであるとの仮定の下で計算され、フィードバックを送信する段階は、SU−SNRに基づく第1フィードバック及びMU−SNRに基づく第2フィードバックを送信する段階を有する。一実施形態では、第1フィードバック及び第2フィードバックを送信する段階は、第1フィードバック及び第2フィードバックのうちの一方を、第1フィードバック及び第2フィードバックのうちの他方に対して差分的にエンコードされているフォーマットで送信する段階を含む。別の実施形態では、第1フィードバック及び第2フィードバックを送信する段階は、互いに独立してエンコードされた第1フィードバック及び第2フィードバックを送信する段階を含む。更なる別の実施形態では、第1フィードバック及び第2フィードバックを送信する段階は、第1更新レートで第1フィードバックを送信する段階と、第1更新レートとは異なる第2更新レートで第2フィードバックを送信する段階とを含む。
【0011】
一実施形態において、通信フィードバックは、階数1のチャネル品質情報(CQI)及び階数2のCQIからなる群から選択される少なくとも1つのフィードバックの種類を含む。
【0012】
本明細書に記載される実施形態では、受信機、プロセッサ及び送信機を備える装置を提供する。受信機は、受信機宛ての少なくとも1つの送信を含む複数入力複数出力(MIMO)信号を、通信チャネルを介して受信する。プロセッサは、受信された信号に基づいて、マルチユーザー信号対雑音比(MU−SNR)を推定し、MU−SNRに基づき通信チャネルを示すフィードバックを計算する。MU−SNRは、受信機宛ての送信と信号の残りの成分との間の電力比を表し、信号は、1以上のその他の受信機宛ての1以上の送信を含むと仮定される送信機は、フィードバックを送信する。
【0013】
ある実施形態では、携帯通信端末は、上記の装置を備える。また、ある実施形態では、携帯通信端末における信号を処理するチップセットは、上記の装置を備える。
【0014】
本開示は、以下に詳細に記載する実施形態及び添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本明細書に記載される一実施形態に係る通信システムを概略的に示すブロック図である。
【図2】本明細書に記載される一実施形態に係る通信方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に記載される実施形態は、携帯無線通信ネットワークで使用される改良されたチャネルフィードバックスキームを提供する。本明細書に記載される実施形態は、主に、LTE及びLTE−Aを参照して説明されるが、開示される技術は、その他の好適な種類の通信プロトコル又は通信規格にも適用される。
【0017】
ある実施形態では、基地局は、シングルユーザー複数入力複数出力(SU−MIMO)モード及びマルチユーザーMIMO(MU−MIMO)モードの両方をサポートする。SU−MIMOモードでは、基地局は、複数の送信アンテナを使用して、所定の時間−周波数リソースにおいて、1つの端末のみに送信を行う。SU−MIMOモードでは、基地局は、複数の送信アンテナを使用して、所定の時間−周波数リソースにおいて、1つの端末のみに送信を行う。MU−MIMOモードでは、多くの場合、異なる複数の端末への同時送信は、異なるプリコーディングベクトルでそれぞれプリコードされる、すなわち、複数の送信アンテナに適用されるウェイトの異なるセットを使用し、送信ビームを所望の方向に操作する。
【0018】
これらの実施形態では、各端末は、通信チャネルを示すフィードバックを基地局に送信する。フィードバックは、例えば、信号対の雑音比(SNR)、次の送信で使用されるのに望ましい変調及びコーディングスキーム(MCS)を示すチャネル品質情報(CQI)、又は、次の送信で使用されるのに望ましいプリコーディング行列を示すプリコーディング行列情報(PMI)を含む。基地局は、端末から受信したフィードバックに基づいて、次の送信を設定する。
【0019】
端末は、基地局から受信するダウンリンク信号を処理することにより、フィードバックを計算する。しかしながら、典型的には、端末は、基地局が現在SU−MIMOモードで動作しているのか、それともMU−MIMOモードで動作しているのかという情報を持たない。すなわち、端末は、受信されたダウンリンク信号が、端末宛ての1つの送信のみを含むのか、又は、信号が、その他の端末宛てに同時に送信された更なる送信を含むのかについての情報を持たない。
【0020】
基地局は、この点に関する情報を有するが、端末によって受信され測定されるダウンリンク信号へのアクセスを持たない。したがって、端末単体及び基地局単体では、基地局が好適に送信を設定することを可能とするような最適なチャネルフィードバックを計算するための完全な情報を有さない。
【0021】
端末が、基地局がSU−MIMO又はMU−MIMOを使用しているかに関わらずチャネルフィードバックを計算することは原理的に可能であり、例えば、常にSU−MIMOを使用していると仮定して計算することができる。しかしながら、この方法では、基地局が次の送信を間違って設定してしまう場合があり、性能低下につながる可能性がある。
【0022】
本明細書に記載される方法及びシステムは、この問題に対する効果的な解決方法を提供する。ある実施形態では、端末は、2種類のSNRを計算するダウンリンク信号を使用する。2種類のSNRとは、シングルユーザーSNR(SU−SNR)及びマルチユーザーSNR(MU−SNR)である。SU−SNRは、ダウンリンク信号が端末宛ての1つの送信のみを含むとの仮定の下で、計算される。一方、MU−SNRは、ダウンリンク信号が、端末宛ての送信に加えて、1以上のその他の端末宛ての1以上の更なる送信を含むとの仮定の下で、計算される。
【0023】
端末は、典型的には、SU及びMU送信に対応する2種類のSNRに基づいて、2種類のフィードバックを計算し、この2種類のフィードバックを基地局へと送信する。ある実施形態では、信号送信のオーバーヘッドを低減させるため、2種類のフィードバックのうち、一方の種類のフィードバックは、他方の種類のフィードバックとは異なる態様でエンコードされる。基地局は、端末から受信されたSU及び/又はMUフィードバックに基づいて、次の送信を設定する。
【0024】
様々な実施形態において、端末は、MU−SNRを異なる方法で計算する。一実施形態において、端末は、自身の送信をプリコーディングするべく当該端末が要求したプリコーディングべクトルに対して、及び、互いのプリコーディングベクトルに対して直交するプリコーディングベクトルを使用して、基地局が、複数のその他の端末への送信をプリコードしていると仮定する。一実施形態では、端末は、この仮定の下、例えば、その他の送信に対する直行プリコーディングベクトル複数の候補にわたってSNRを平均化することにより、MU−SNRを計算する。
【0025】
開示される技術を使用する場合、端末は、基地局に、シングルユーザーシナリオ及びマルチユーザーシナリオの両方に適用可能な改良チャネルフィードバックを提供する。フィードバックに基づいて、基地局は、次の送信を最適化することができ、結果的に、ダウンリンクスループット及び品質を向上させることができ、また、干渉を低減させることができる。
【0026】
図1は、本明細書に記載される一実施形態に係る通信システム20を概略的に示すブロック図である。システム20は、ユーザー機器(UE)とも称される携帯通信端末24を含む。UEには、例えば、携帯電話、無線通信可能携帯コンピュータ、通信可能なその他の種類の端末が含まれる。UE24は、eNodeBとも称される基地局(BS)28と通信を行う。
【0027】
本明細書に記載される実施形態では、システム20は、LTE−A規格に従って動作する。これに替えて、システム20は、LTE又その他のMU−MIMOを使用し、完全なチャンネル情報を利用できないようなあらゆる通信プロトコルのような、その他の好適な通信プロトコルに従って動作してもよい。図1の例では、明確に説明を行うため、1つのBS及び1つのUEのみが図示されている。しかしながら、実際のシステムは、一般的に、複数のBS及びUEを含む。
【0028】
BS28は、様々なBS通信機能を管理するBSプロセッサ32、送信及び受信を実行するBS送受信機(TRX)36、及び、無線周波数(RF)信号を送信及び受信するアンテナアレイ40を含む。一実施形態において、アンテナアレイ40は、4つ又は8つの送信アンテナを含み、BS28は、ダウンリンクMIMO信号の送信にこれらのアンテナを使用する。
【0029】
一実施形態において、BS28は、SU−MIMO送信モード及びMU−MIMO送信モードの両方をサポートする。したがって、所定の時間において、ダウンリンクMIMO信号は、UE24宛ての信号送信のみを含む場合がある。別の時間においては、ダウンリンク信号は、UE24への送信と同じ時間−周波数リソースで、1以上のその他のUE(図示せず)へと送信される1以上の更なる送信を含んでもよい。BS28は、SU−MIMOモード及びMU−MIMOモードを適切に切り替えることができる。
【0030】
図1の実施形態に示すように、UE24は、1以上の受信アンテナ44、BS28からのダウンリンク信号を受信するダウンリンク受信機(RX)48、及び、アップリンク信号をBSへと送信するアップリンク送信機(TX)を備える。UE24は、さらに、本明細書に記載するSNR及びフィードバック計算を実行する処理回路56を備える。ある実施形態では、処理回路56は、SNR計算ユニット60及びフィードバック計算ユニット64を有する。SNR計算ユニット60は、以下に説明するように、受信されたダウンリンク信号についてSU−SNR及びMU−SNRを計算する。
【0031】
フィードバック計算ユニット64は、ユニット60によって提供されたSU−SNR及びMU−SNRに基づいてチャネルフィードバックを計算する。典型的な実施形態では、ユニット64によって計算されたチャネルフィードバックは、SU送信で使用されるのに望ましいMCS(このMCSは、SU CQIと表記される)及びMU送信で使用されるのに望ましいMCS(このMCSは、MU CQIと表記される)を含む。
【0032】
フィードバック計算ユニット64は、フィードバックをBS28へと送信するアップリンク送信機52に、チャネルフィードバックを提供する。ある実施形態では、SU SNRに基づくフィードバックは、特定の更新レートで送信され、MU SNRに基づくフィードバックは、異なる更新レートで送信される。別の実施形態では、両方の種類のフィードバックが、同じ更新レートで送信される。
【0033】
BSプロセッサ32は、SU SNRに基づくフィードバック及び/又はMU SNRに基づくフィードバックを使用して、次の送信を設定する。ある実施形態例では、BSプロセッサは、フィードバックを使用して、プリコーディングベクトル、変調及びコーディングスキーム(MCS)及び/又は電力レベルを、様々な送信に割り当てる。
【0034】
図1に示されるUEの構成は、明瞭化のためだけに示された簡略化された例である。別の実施形態では、あらゆる別の好適なUE構成を使用することができる。開示する技術の理解に必須でないUEの要素は、明瞭化のため、図では省略されている。
【0035】
様々な実施形態において、受信機48、送信機52及び処理回路56を含むUE24の構成要素の一部又は全ては、例えば、無線周波数集積回路(RFIC)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)の1以上を使用して、ハードウェアに実装される。別の実施形態では、特定のUE構成要素は、ソフトウェアに実装される、又は、ハードウェアとソフトウェア要素の組み合わせを使用して実装される。ある実施形態では、受信機48、送信機52及び処理回路56を含むUE24の構成要素の一部又は全ては、携帯通信端末で使用される1つの処理チップセットに実装される。
【0036】
別の実施形態では、処理回路56の特定の要素のような特定のUEの構成要素が、本明細書に記載される機能を実行するべく、ソフトウェアにプログラムされたプログラム可能プロセッサに実装される。ソフトウェアは、例えば、電子的な形態でネットワークを介してプロセッサにダウンロードされてもよいし、これに替えて又はこれに加えて、磁気、光又は電子メモリのような一時的でない有形の媒体に提供及び/又は格納されてもよい。
【0037】
図2は、本明細書に記載される一実施形態に係る通信方法を概略的に示すフローチャートである。本方法では、最初に、ダウンリンク受信オペレーション70において、UE24のダウンリンクRX48が、BS28からのダウンリンクMIMO信号を受信する。
【0038】
SNR計算ユニット60は、SU−SNR計算オペレーション74において、受信されたダウンリンク信号のSU−SNRを計算する。SU−SNRは、ダウンリンク信号が、UE24宛ての1つの送信のみを含むと仮定して、計算される。
【0039】
SNR計算ユニット60は、MU−SNR計算オペレーション78において、受信されたダウンリンク信号のMU−SNRを計算する。SU−SNRは、ダウンリンク信号が、UE24宛ての送信に加えて、少なくとも1つのその他のUE宛の少なくとも1つの別の送信を含むと仮定して、計算される。以下に、MU−SNRを計算する技術の例が幾つか詳細に記載される。
【0040】
フィードバック計算オペレーション82において、フィードバック計算ユニット64は、SU−SNRに基づくチャネルフィードバック及びMU−SNRに基づくチャネルフィードバックを計算し、フォーマットする。例えば、差分符号化を使用して、フィードバックのフォーマット技術の例については、以下に詳細に記載する。アップリンク送信オペレーション90では、アップリンクTX52は、2種類のチャネルフィードバックをBS28に送信する。BS設定オペレーション90では、BS28内のBSプロセッサ32は、SU−SNR関連フィードバック及びMU−SNR関連フィードバックに基づいてBSの次のダウンリンク送信を設定する。
【0041】
様々な実施形態において、SNR計算ユニット60は、MU−SNRを異なる方法で計算する。一実施形態では、ユニット60は、MU−SNRを次のように計算する。
【数1】

ここで、Hは通信チャネル応答行列、vはUEが要求するSU PMI、Pは受信された信号の電力、NTは基地局の送信アンテナの数(アレイ40における送信アンテナの数)を表す。
【0042】
別の実施形態では、ユニット60は、基地局によって、その他のUEの送信に対して割り当てられた複数のプリコーディング行列の候補を平均化することによって、MU−SNRを計算する。典型的には、これら複数のプリコーディング行列は、互いに直交し、また、UEが要求する望ましいプリコーディングベクトル(PMI)にも直交する。
【数2】

ここで、uiは、基地局によってその他のUEに割り当てられた直交プリコーディング行列を表す。式2の例では、平均化は、線形領域で実行される、すなわち、算術平均である。別の実施形態では、平均化は、dB単位で対数的に実行される、すなわち、幾何平均である。
【0043】
一実施形態において、直交プリコーディングベクトルuiは、NT-1個の代数ベースのベクトルを含む。基地局及びUEが、相互に同意したコードブックからプリコーディングベクトルを選択する場合には、ベクトルuiは、UEが要求する望ましいプリコーディングベクトル(PMI)に直交するベクトルのサブセット(の一部又は全部)をコードブックに含んでもよい。例えば、3GPPのリリース8のHHCBコードブックでは、8個のコードベクトルがそれぞれ、5つの直交ベクトルを有する。残りの8つのコードベクトルはそれぞれ、3つの直交ベクトルを有する。一実施形態において、所定のPMIに対してSNR平均化が実行され、コードブック内の、このPMIと直交する複数のコードベクトル間で平均化が行われる。
【0044】
上記のMU−SNRの定義は、特定の受信機に依存せず、例えば、最大比合成(MRC)受信機にも適用することができる。一実施形態において、最小平均二乗誤差(MMSE)受信機の場合は、ユニット60は、以下の式でMU−SNRを最適化する。
【数3】

ここで、

であり、v'はUEが推奨するプリコーディングベクトル(すなわち、プリコーディングコーディングコードブックにおける、選択されたPMIに対応するエントリ)を表し、uiはv'に直交するi番目のプリコーディングべクトルを表し、KNは、セル間干渉及び熱雑音を取得するSUの場合に対する雑音共分散行列を表す。
【0045】
先に説明したように、フィードバック計算ユニット64は、SU−SNRに基づくフィードバック及びMU−SNRに基づくフィードバックをフォーマットして(形式を整えて)、基地局28に報告する。ある実施形態では、ユニット64は、2種類のフィードバックをそれぞれ独立してフォーマットする又はエンコードする。その他の実施形態では、ユニット64は、2種類のフィードバックのうちの一方(SU−SNRに基づくフィードバック又はMU−SNRに基づくフィードバック)を、他方に対して差分的な態様でエンコードする。
【0046】
一実施形態では、ユニット64は、SU−SNRを4ビットを使用してエンコードし、MU−SNRを、SUーSNRを基準として差分的に、2ビットを使用してエンコードする。様々な差分量子化レベルを使用することができる。以下に記載する表1には、差分エンコーディングスキームが3つ例示されている。表1は、MU−SNRエンコーディングスキーム例であり、この表において、SU−SNRはxで表されており、MU−SNRはyで表されている。
【表1】

【0047】
さらに、報告されたMU MCSが、0から15の間の値であるかを検証する。別の実施形態では、差分量子化は、例えば、UEと基地局との間の距離といった、UEの幾何的配置に基づいて規定されていてもよい。一実施形態例では、差分エンコーディングにおいて、高次に配列されたUE(例えば、基地局に近いUE)には、高次のオフセットが割り当てられ、低次に配列されたUE(例えば、基地局から遠いUE)には、低次のオフセットが割り当てられる。
【0048】
ある実施形態では、MU CQIは、サブバンド毎に報告される。(MU CQIは、特定のMU−SNRで使用されるMCSの指数を表す。MU CQI及びMU−SNRという言葉は、本明細書では、しばしば交換可能な言葉として使用されている。)別の実施形態では、MU CQIは、全スペクトル割り当てに対して報告される広帯域(wideband or WB)CQIを含む。一実施形態において、広帯域MU CQIが使用される場合、MU CQIは、広帯域SU CQIに対して差分的にエンコードされる。サブバンド毎のMU CQIは、WB SU CQI+WB MU CQI差分+SB SU CQI差分 により求めることができる。これに替えて、サブバンド毎のMU CQIは、WB SU CQI+WB MU CQI差分で求めてもよい。これに替えて、ユニット64は、MU−MIMO送信について最適化された広帯域(WB)PMI及びCQIを提供してもよい。上記のフィードバック設定のシミュレーション結果例は、上記した米国特許仮出願61/390,423号明細書に記載されている。
【0049】
ある実施形態では、UEからのSU−SNRベースのフィードバックは、基地局からUEへ送信されるべき空間層(空間ストリームとも称される)の特定の数に対応する。この空間層の数は、階数(rank)とも称される。多くの現実的なシナリオにおいて、MUの性能ゲインは、UE1つに対し階数1のMU送信による、すなわち、各UEに対して1つの空間層の送信によるものである。したがって、ある実施形態では、ユニット64は、SU CQI又はSU PMIに使用される階数に関わらず、階数1に対応するMU CQIを計算し提供する。一実施形態において、階数1のPMIもフィードバックされる。階数1のPMIは、階数の高いSU PMIのプリコーディングベクトルから導くことができる。別の実施形態では、ユニット64は、SU CQI又はSU PMIに使用される階数に関わらず、階数2に対応するMU CQIを計算し提供する。別の実施形態では、ユニット64は、階数1及び階数2の両方に対応するMU CQIを計算及び提供する。
【0050】
v0を、SU PMIに対応するプリコーディングベクトルとする。上記で説明したように、典型的なMU−SNRの定義では、発生する可能性のある干渉の効果を考慮する。一実施形態において、この干渉は、基地局の送信が、UEが要求するPMIと直交する全ての方向において干渉していると仮定することで説明できる。

は、v0と正規直交基底を形成する相互直交プリコーディングベクトルのセットを表している。基地局が4つの送信アンテナ(4Tx)を有する場合、これらベクトルには、ハウスホルダーコードブックにおける正規直交基底を形成する直交ベクトルが含まれる。基地局が8つの送信アンテナ(8Tx)を有する場合、コードブックで利用可能なあらゆる正規直交基底の候補を使用することができる。
【0051】
ある実施形態では、MU−SNRを計算する時、ユニット60は、UE24宛ての送信のダウンリンク信号電力と全干渉電力との間の特定の比を仮定する。この比を、rとする。一実施形態において、干渉電力は、その他の複数のUE宛の送信の間で均等に分割される。この実施形態において、その他の複数のUE宛のNT-1個の送信を仮定すると、信号電力のUE24及びその他のUEへの割り当ては、[r, (1-r)/(NT-1), …,(1-r)/NT-1)]となる。基地局送信アンテナが4つの場合は、例えば、相対的な電力割り当ては、[r, (1-r)/3, (1-r)/3, (1-r)/3]となる。したがって、(UE24宛ての)所望の信号は、rPであり、直交する方向(プリコーディングベクトル)における電力は、(1-r)P(NT-1)となる。
【0052】
ユニット60は、rの値を好適に選択してもよく、例えば、r=0.5, r=1/3, r=1/NT としてもよいし、その他の好適な値としてもよい。別の実施形態では、UE24及びその他のUEへの相対的な信号電力の割り当ては、要素の合計が1となるような、[d(0)…d(NT-1)]で一般化される。この実施形態では、r=d(0)/(d1+…+d(NT-1))である。さらに別の実施形態では、ユニット60は、その他の好適な電力レベルを、干渉する層(すなわち、その他のUE宛ての送信)へと割り当ててもよい。ある実施形態では、送信のうちの少なくとも2つが、等しくない電力レベルに割り当てられる。
【0053】
MUの場合の、セル内層間干渉候補を含む全有効雑音共分散行列は、KTotal=KN+Klと表記することができ、ここでKlは、MU干渉である。
【数4】

ここで、KNは、SUの場合の元の雑音共分散行列を表す。(一般的に、数4の式におけるNT-1個の項は、干渉しているプリコーディングベクトル、すなわち、|S| で置き換えることができ、ここで、Sは、干渉プリコーディングベクトルのセットを表す。このようなフォーマットは、Sにおける実際のプリコーディングベクトルに依存しない。)
【0054】
上記の一般化された信号電力割り当ては、次のように表記することもできる。
【数5】

【0055】
SU PMIに対するMU−SNRは、多くの場合一般的に、MU-SNR(v0)=f(v0,H,P,KTotal,r) と表記することができる。一実施形態において、MU−SNRは以下の式で定義される。
【数6】

ここで、numRXは、UEの受信アンテナの数を表す。
【0056】
MMSE受信機の場合、
【数7】

と書くことができる。
【0057】
MRC受信機の場合は、
【数8】

と書くことができる。
【0058】
PMIは既に利用可能であることから、MU−SNR計算の更なる複雑性は、SU−SNR計算の16分の1程度である。例えば、前に計算された

を使用して、SU−SNRの計算から得られた中間の結果を利用することによって、この複雑性をさらに低減することができる。
【0059】
r=0.5の場合には、共分散行列は、以下の式で求められる。
【数9】

そして、MU−SNRは、MU-SNR(v0)=f(v0,H,P,KTotal,r=0.5)となる。
【0060】
r=1/NTの場合には、共分散行列は、以下の式で求められる。
【数10】

そして、MU−SNRは、MU-SNR(v0)=f(v0,H,P,KTotal, r=1/NT)となる。
【0061】
上記のフィードバックスキームのシミュレーション結果の例は、上記した米国仮出願61/411,845号明細書に記載されている。ある実施形態では、基地局28は、スケジューリングプロセスに、報告されたMU−CQIを使用する。一実施形態において、基地局は、報告されたMCSからMU−SNRを推定すると同時に、スケジュールされた空間層の実施愛の数を修正する。例えば、2つのUEを組にする場合、基地局は、SNR=SNR(MU CQI)/2rとしてSNRを推定する。ここで、SNR(MU CQI)は、報告されたMU CQIに対応するSNRを表す。
【0062】
ある実施形態において、上記の数4の式は、相互に直交し、UEが要求するSUプリコーディングベクトル(SU PMI)に対しても直交する干渉プリコーディングベクトルのセットの陽的表現で置き換えることができる。例えば、8TXコードブックにおけるSUの階層1のプリコーディングベクトルの陽的表現は、次のように表される。
【数11】

ここで、

である。
【0063】
uに直交する7つの相互直交ベクトルのセットは、以下の式で与えられる。
【数12】

【0064】
3GPP規格で規定されている8TXコードブックの表記毎の、干渉プリコーディング行列に対する実際の指数の例は、以下で記載する。
【0065】
上記の数4の式では、UEによって仮定される様々な層に対する信号電力割り当ては、rに依存する。一実施形態において、r=0.5 であるとする。この条件の場合、8個の層に対する電力割り当ては、[P/2,P/14,P/14,P/14,P/14,P/14,P/14,P/14]となる。個々で、第1項は、UE宛ての層に対応し、その他の項は、干渉層に対応する。
【0066】
ある実施形態では、例えば、UEをテストする目的で、干渉プリコーディングベクトルのより単純なセットが規定される。テストの例では、基地局は、CQIを計算する間にUEが仮定する正確な配列を使用して送信を行う前提とする。この場合、上記の数4、数11及び数12の式で規定されるMU CQIから、テスト機器は、数12の式のセットSにおける7つのプリコーディングベクトルを使用して、7つのその他の仮想UEへと送信を行うと考えられる。しかしながら、LTEリリース10では、最大で空間的に多重化された4つのUEまでしか、送信をサポートしていない。したがって、MU CQIの定義を修正することが望ましく、テスト機器の送信が、MU CQI計算において、UEが行った仮定に適合するようにすることが望ましい。
【0067】
MU CQIの定義を修正した例では、正規直交基底が、4つの直交PMIの低減されたセットによって置き換えられる。低減されたセットの2つの例が、以下に記載される。
【数13】

【数14】

【0068】
これらの低減されたセットに対する、電力割り当ては、[P/2,P/6,P/6] となる。3GPP規格で規定されている8TXコードブックの表記毎の、このセットにおける干渉プリコーディング行列に対する実際の指数の例は、以下で記載する。
【0069】
3GPP規格で規定されている8TXコードブックによれば、数12におけるプリコーディングベクトルのセットSは、コードブックにおける干渉PMIのセットで表現することができる。W1コードブック及びW2コードブックに対応する信号PMI(SU CQI/PMIからの)の指数を、(i0,j0)と表記する。j0=4d0+p0とし、ここで、d0は0から3の範囲であるDFTの選択された指数を表し、p0は、0から3の範囲の位相選択の指数を表す。指数i0及びj0は、0から15の範囲である。7つの干渉PMIの指数は、次のように表記できる。
【数15】

【0070】
数13の式のセットS1における3層MU CQIの場合、干渉PMIの指数の例は、次のようになる。
【数16】

【0071】
数14の式のセットS2における3層MU CQIの場合、干渉PMIの指数の例は、次のようになる。
【数17】

【0072】
別の実施形態では、大きさkのあらゆるサブセットを、数15の式で与えられるセット及び最適化から演繹的に推定することができる。このような実施形態の場合の電力割り当ては、[P/2,P/(2k),…,P/(2k)]となる。この電力割り当ても、次のように一般化することができる。[Pr,(1-r)P/k,…,(1-r)P/k]
【0073】
上記の指数のセットは、W1コードブックにおける重複が存在することから、一意的ではないかもしれない。i0及びd0の値を修正することにより、同じプリコーディングベクトルを与える別のPMIの指数を得ることが可能である。例えば、d0>1の場合、(i0+1) mod 16、d0-2、p0に対応するプリコーディングベクトルは、i0、d0、p0で表されるプリコーディングベクトルと同じである。d0<2の場合、(i0-1) mod 16、(d0+2)、p0に対応するプリコーディングベクトルは、i0、d0、p0で表されるプリコーディングベクトルと同じである。
【0074】
別の実施形態において、MU SNRの計算にUEが考慮すべき干渉PMIの指数の例が、以下の表に示されている。指数は、SU−MIMOにおける階数1のPMIの各値に対して付与される。表2は、干渉PMIの指数の例である。
【表2】

【0075】
この実施形態において、信号及び干渉している層に対する電力割り当ては、[rP,(1-r)P,(1-r)P,(1-r)P]となる。別の実施形態では、干渉PMIは、表2に示されるセットのサブセットに低減することができる。例えば、各PMIは、2つの干渉PMIを有することができる。これらの実施形態では、電力割り当ては、[P/3,P/3,P/3]、又は、[P/2,P/4,P/4]であってもよく、より一般的には、[rP,(1-r)P/2,(1-r)P/2]である。さらに、表2は、1つのPMIに対して1つの干渉PMIにまで低減することができる。このような実施形態では、電力割り当ては、一般的に、[P/2,P/2]となる。
【0076】
上記の実施形態は、例示のために記載されており、本発明は、本明細書の上記の記載に特に限定されない。本発明の範囲は、上記の様々な構成の組み合わせ及びサブコンビネーションの両方を含み、また、当業者が上記の説明を読んで想到する従来の技術では開示されていない変形例及び改良についても本発明の範囲に含まれる。本願に参照によって組み込まれた文献は、本願を構成する要素の一部として考えられ卯が、参照によって組み込まれた文献に定義された言葉が、本明細書において明示的又は非明示的に定義された言葉と矛盾する場合には、本明細書に記載された定義のみを考慮する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯通信端末宛ての少なくとも1つの送信を含む複数入力複数出力(MIMO)信号を、通信チャネルを介して、前記端末で受信する段階と、
受信された前記信号に基づいて、前記端末において、マルチユーザー信号対雑音比(MU−SNR)を推定する段階と、
前記端末から、前記通信チャネルを示し前記MU−SNRに基づくフィードバックを送信する段階と
を備え、
前記MU−SNRは、前記端末宛ての前記送信と前記信号の残りの成分との間の電力比を表し、前記信号の残りの成分は、1以上のその他の端末宛ての1以上の送信を含むと仮定される方法。
【請求項2】
前記MU−SNRを推定する段階は、
前記端末宛ての前記送信をプリコーディングするために前記端末が要求するプリコーディングベクトルと直交するプリコーディングベクトルをそれぞれ使用して、前記1以上のその他の端末宛ての前記1以上の送信がプリコードされるという仮定の下、前記MU−SNRを計算する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MU−SNRを計算する段階は、
前記直交するプリコーディングベクトルの複数の候補の間で、前記MU−SNRを平均化する段階を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記MIMO信号は、N個の送信アンテナを使用して基地局から送信され、
前記MU−SNRを計算する段階は、前記直交するプリコーディングベクトルのN−1個の候補について前記MU−SNRを計算する段階を有する請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記MU−SNRを計算する段階は、前記1以上のその他の端末宛ての前記1以上の送信に、電力レベルをそれぞれ割り当てる段階を有し、前記電力レベルのうちの少なくとも2つは、互いに異なっている請求項2に記載の方法。
【請求項6】
シングルユーザー信号対雑音比(SU−SNR)を推定する段階を備え、
前記SU−SNRは、前記信号が前記端末宛てのみであるとの仮定の下で計算され、
前記フィードバックを送信する段階は、
前記SU−SNRに基づく第1フィードバック及び前記MU−SNRに基づく第2フィードバックを送信する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1フィードバック及び前記第2フィードバックを送信する段階は、
前記第1フィードバック及び前記第2フィードバックのうちの一方を、前記第1フィードバック及び前記第2フィードバックのうちの他方に対して差分的にエンコードされているフォーマットで送信する段階を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1フィードバック及び前記第2フィードバックを送信する段階は、互いに独立してエンコードされた前記第1フィードバック及び前記第2フィードバックを送信する段階を含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1フィードバック及び前記第2フィードバックを送信する段階は、
第1更新レートで前記第1フィードバックを送信する段階と、
前記第1更新レートとは異なる第2更新レートで前記第2フィードバックを送信する段階とを含む請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記通信フィードバックは、階数1のチャネル品質情報(CQI)及び階数2のCQIからなる群から選択される少なくとも1つのフィードバックの種類を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
受信機宛ての少なくとも1つの送信を含む複数入力複数出力(MIMO)信号を、通信チャネルを介して受信する前記受信機と、
受信された前記信号に基づいて、マルチユーザー信号対雑音比(MU−SNR)を推定し、前記通信チャネルを示し前記MU−SNRに基づくフィードバックを計算するプロセッサと、
前記フィードバックを送信する送信機と
を備え、
前記MU−SNRは、前記受信機宛ての前記送信と前記信号の残りの成分との間の電力比を表し、前記信号の前記残りの成分は、1以上のその他の受信機宛ての1以上の送信を含むと仮定される装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記受信機宛ての前記送信をプリコーディングするためのプリコーディングベクトルと直交するプリコーディングベクトルをそれぞれ使用して、前記1以上のその他の受信機宛ての前記1以上の送信がプリコードされるという仮定の下、前記MU−SNRを計算する請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記直交するプリコーディングベクトルの複数の候補の間で、前記MU−SNRを平均化する請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記MIMO信号は、N個の送信アンテナを使用して基地局から送信され、
前記プロセッサは、前記直交するプリコーディングベクトルのN−1個の候補について前記MU−SNRを計算する請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、シングルユーザー信号対雑音比(SU−SNR)を推定し、
前記SU−SNRは、前記信号が前記受信機宛てのみであるとの仮定の下で計算され、
前記プロセッサは、前記SU−SNRに基づく第1フィードバック及び前記MU−SNRに基づく第2フィードバックを計算する請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記第1フィードバック及び前記第2フィードバックのうちの一方を、前記第1フィードバック及び前記第2フィードバックのうちの他方に対して差分的にエンコードされているフォーマットで計算する請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、エンコードされた前記第1フィードバック及び前記第2フィードバックを互いに独立してエンコードする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記通信フィードバックは、階数1のチャネル品質情報(CQI)及び階数2のCQIからなる群から選択される少なくとも1つのフィードバックの種類を含む請求項11に記載の装置。
【請求項19】
請求項11に記載の装置を備える携帯通信端末。
【請求項20】
携帯通信端末における信号を処理するチップセットであって、請求項11に記載の装置を備えるチップセット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−105256(P2012−105256A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−221992(P2011−221992)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(502188642)マーベル ワールド トレード リミテッド (302)
【Fターム(参考)】