説明

マルチレイヤディスプレイ装置

【課題】複数の表示画面の各々に対するタッチ操作が可能となる、マルチレイヤディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】複数の表示画面が層状に配置され、該複数の表示画面の各々に画像を表示させることにより、該画像の各々が合わさって形成された画像を層方向の手前側に向けて表示するマルチレイヤディスプレイ装置であって、ユーザによる前記複数の表示画面のうちの何れかの選択を受付けて、該選択のなされた表示画面を操作対象画面として設定する画面設定部と、前記複数の表示画面より手前側に、該複数の表示画面の各々と層方向に重なるように配置され、ユーザによるタッチ操作を受付けるタッチパネルと、該タッチ操作を、前記操作対象画面に対する操作として認識する操作認識部と、を備えたマルチレイヤディスプレイ装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示画面が層状に配置された、マルチレイヤディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を表示させる表示装置の一種として、複数の表示画面が層状に配置されたマルチレイヤディスプレイ[Multi Layer Display]装置(以下、「MLD装置」と略記する場合がある)が考案されている。MLD装置によれば、ユーザ(観察者)は、各表示画面に表示された画像が合わさって形成された合成画像を、観察することが可能である。
【0003】
合成画像の各部分が表示されている位置と観察者との距離は、その部分が何れの表示画面に表示されているかによって、実際に変化する。そのためMLD装置によれば、一般的な表示装置(表示画面が単層の場合)に比べて、立体的に見せるべき画像を、より忠実に表示することが可能となる。
【0004】
なお表示装置によっては、ユーザのタッチ操作を受付けるためのタッチパネルが設けられ、表示画面に対する操作が可能となっているものがある。例えば特許文献1には、タッチ操作を通じて、第1表示層(手前側の表示画面)に対する操作の可能な表示装置が開示されている。当該表示装置によれば、ユーザは、各表示層に表示される画像を見るだけでなく、第1表示層に対して図形等の入力を行うことも可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−197634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、表示画面を有する表示装置については、表示画面に対するタッチ操作が可能となっていれば、その利便性をより高めることが可能となる。ここでMLD装置については、一つの表示画面(例えば最も手前側の表示画面)だけでなく、複数の表示画面の各々に対してもタッチ操作が可能となっていれば、より利便性を高めることが可能と考えられる。
【0007】
一例としては、タッチ操作を通じて、各表示画面に対して図形等を入力することが可能となっていれば、ユーザは、各表示画面の表示内容を所望の状態に改変することが可能となる。なお特許文献1に開示されている表示装置は、第1表示層に対するタッチ操作が可能となっているに過ぎず、複数の表示画面の各々に対してタッチ操作が可能となっているものではない。
【0008】
本発明は上述した問題に鑑み、複数の表示画面の各々に対するタッチ操作が可能となるマルチレイヤディスプレイ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るマルチレイヤディスプレイ装置は、複数の表示画面が層状に配置され、該複数の表示画面の各々に画像を表示させることにより、該画像の各々が合わさって形成された画像を層方向の手前側に向けて表示するマルチレイヤディスプレイ装置であって、ユーザによる前記複数の表示画面のうちの何れかの選択を受付けて、該選択のなされた表示画面を操作対象画面として設定する画面設定部と、前記複数の表示画面より手前側に、該複数の表示画面の各々と層方向に重なるように配置され、ユーザによるタッチ操作を受付けるタッチパネルと、該タッチ操作を、前記操作対象画面に対する操作として認識する操作認識部と、を備えた構成とする。
【0010】
本構成によれば、ユーザが予め操作対象画面を選択することが可能となっており、タッチ操作が、操作対象画面に対する操作として認識される。そのため本構成によれば、複数の表示画面の各々に対するタッチ操作が可能となる。
【0011】
また上記構成としてより具体的には、前記操作対象画面の切替の可否を設定する、切替可否設定部を備え、前記切替が不可に設定されている場合には、前記操作対象画面の設定を、前記複数の表示画面のうちの最も手前に配置されたものに固定する構成としてもよい。
【0012】
また上記構成において、前記複数の表示画面より奥側にバックライトが配置されており、前記複数の表示画面の各々における光の透過度合を調節することにより、該複数の表示画面の各々に画像を表示させるものであり、前記複数の表示画面のうちの操作対象画面より手前側の各々における前記透過度合を、予め決められた条件に従って大きくなるように調節する、透明化実行部を備えた構成としてもよい。
【0013】
本構成によれば、ユーザ(観察者)にとって、操作対象画面の表示がより見易くなり、タッチ操作を適切に行うことが容易となる。
【0014】
また上記構成において、前記透明化実行部は、前記タッチ操作がなされたときに、タッチされた箇所を基準とした所定範囲に重なる領域を特定し、該特定された領域に対して、前記透過度合を調節する構成としてもよい。
【0015】
本構成によれば、タッチされた箇所の周辺部分(タッチ操作に特に関わる領域)を透明化してタッチ操作の容易性を確保しつつ、マルチレイヤディスプレイ装置の表示状態をできるだけ通常の状態に維持させることができる。また上記構成としてより具体的には、前記透明化実行部は、前記透過度合を、ユーザの指定に応じた値に調節する構成としてもよい。
【0016】
また上記構成において、前記画面設定部は、少なくとも直接指定モードと順次遷移モードとの何れかに、切替自在に設定され、直接指定モードに設定されている場合には、ユーザが前記複数の表示画面の何れをも直接指定できる状態とし、該直接指定がなされた表示画面を、新たに前記操作対象画面として設定する一方、順次遷移モードに設定されている場合には、ユーザが所定条件を満たすタッチ操作を行ったときに、現在の前記操作対象画面より1個分だけ奥側の表示画面を、新たに前記操作対象画面として設定する構成としてもよい。
【0017】
本構成によれば、そのときの状況や好みに合わせて、直接指定モードと順次遷移モードの何れかが適切に設定されるようにし、何れの表示画面を操作対象画面とするかの選択を、ユーザにとって、より行い易くすることが可能となる。
【0018】
また上記構成において、前記複数の表示画面のうちの、最も手前側の表示画面以外のものが、前記操作対象画面として設定されている場合、前記タッチ操作のなされなかった状態が、予め決められた一定時間を越えて続いたときには、前記複数の表示画面のうちの最も手前側の表示画面を、新たに前記操作対象画面として設定する構成としてもよい。
【0019】
本構成によれば、最も手前側の表示画面以外の表示画面について、ユーザがタッチ操作を終えた後、自動的に、最も手前側の表示画面を操作対象画面として設定させることが可能となる。
【0020】
また上記構成において、前記複数の表示画面のうちの、最も手前側の表示画面以外のものが、前記操作対象画面として設定されている場合、予め決められた操作がなされたときには、前記複数の表示画面のうちの最も手前側の表示画面を、新たに前記操作対象画面として設定する構成としてもよい。
【0021】
本構成によれば、最も手前側の表示画面以外の表示画面について、ユーザがタッチ操作を終えた後、ユーザは予め決められた操作を行って、直ちに、最も手前側の表示画面を操作対象画面として設定させることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
上述した通り、本発明に係るマルチレイヤディスプレイ装置によれば、ユーザが予め操作対象画面を選択することが可能となっており、タッチ操作が、操作対象画面に対する操作として認識される。そのため、複数の表示画面の各々に対するタッチ操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るMLD装置の構成に関するブロック図である。
【図2】当該MLD装置の断面図である。
【図3】動作方式に関する各項目についての説明図である。
【図4】当該MLD装置が行う動作の流れ図(ステップS1〜S9)である。
【図5】当該MLD装置が行う動作の流れ図(ステップS11〜S19)である。
【図6】当該MLD装置が行う動作の流れ図(ステップS21〜S29)である。
【図7】オリジナル画像情報に関する説明図である。
【図8】修正画像情報に関する説明図である。
【図9】合成画像に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について、タッチパネルを備えたマルチレイヤディスプレイ装置(MLD装置)を例に挙げて、以下に説明する。
【0025】
図1は、当該MLD装置の構成に関するブロック図である。本図に示すように当該MLD装置1は、タッチパネル11、第1表示画面12、第2表示画面13、第3表示画面14、バックライト15、入力制御部16、表示制御部17、CPU[Central Processing Unit]18、操作ボタン19、内蔵メモリ20、画像情報入力部21、および画像情報入力インターフェース22などを備えている。
【0026】
また図2は、ユーザ(観察者)の観察方向に平行な面を断面とした場合の、MLD装置1の断面図である。本図に示すようにMLD装置1は、手前側(本願では、観察者に近い側を意味する)が開口している筐体10に、タッチパネル11、第1表示画面12、第2表示画面13、第3表示画面14、およびバックライト15が、手前側から奥側へ順に並ぶように配置されている。このように各表示画面(12〜14)は、手前側から奥側に向かう方向を層方向として、層状に配置されている。なお本実施形態では、3層の表示画面を有しているが、2層あるいは4層以上の表示画面を有していても構わない。
【0027】
タッチパネル11は、各表示画面(12〜14)の面と同等の大きさの面を有するパネルである。タッチパネル11は、ユーザの指などの物体が当該パネルの手前側の面に触れると、当該パネル上の何れの位置が触れられているかに応じた情報を生成する。この情報は、入力制御部16を通じてCPU18へリアルタイムに伝えられ、MLD装置1の動作に反映される。
【0028】
これによりユーザは、タッチパネル11に指を触れること等による、MLD装置1の操作(以下、「タッチ操作」と称することがある)を行うことが可能となっている。またタッチパネル11は、全体的に透明の材質で形成されている。これによりユーザは、タッチパネル11を透かして、各表示画面(12〜14)に表示されている画像を見ることが可能である。
【0029】
第1から第3の各表示画面(12〜14)は、RGB(赤・緑・青)の各画素が全面に配置された、それぞれ同等の大きさの面を有する液晶ディスプレイとして形成されている。各表示画面(12〜14)における画素ごとの光の透過度合は、表示制御部17によって調整される。これにより各表示画面(12〜14)においては、バックライト15から手前側に向けて放たれた光によって、画像が形成される。
【0030】
バックライト15は、MLD装置1の光源として機能するものであり、例えば蛍光管やLED[Light Emitting Diode]によって形成されている。バックライト15は、各表示画面(12〜14)に画像を表示させるべき期間において、白色の光を継続的に放つように制御される。
【0031】
入力制御部16は、タッチパネル11から送出されてきた情報に基づいて、現時点においてタッチパネル11上の何れの位置が触れられているかを判別する。当該判別の結果は、CPU18に伝送される。
【0032】
表示制御部17は、内蔵メモリ20や画像情報入力部21等から伝送されてきた画像情報に基づいて、各表示画面(12〜14)に画像が形成されるように、各表示画面(12〜14)に設けられた各画素の光の透過度合を調整する。なおMLD装置1において用いられる画像情報の形式については、改めて説明する。
【0033】
また入力制御部16と表示制御部17の各機能部は、別々の装置によって実現されていても良く、同じ装置によって実現されていても良い。またCPU18が、入力制御部16や表示制御部17の機能を兼ね備えるようにしても構わない。
【0034】
CPU18は、MLD装置1の機能が発揮されるように(必要な動作が適切に遂行されるように)、MLD装置1の各部を適切に制御する。なおMLD装置において実行される主な動作の内容については、改めて詳細に説明する。
【0035】
操作ボタン19は、ユーザによって操作される複数のボタンスイッチ(例えば押しボタンスイッチ)からなり、ユーザが操作できる位置に設けられている。操作ボタン19におけるユーザの操作内容は、CPU18に伝送され、MLD装置1の各種動作に反映される。
【0036】
内蔵メモリ20は、書換え可能である不揮発性のメモリや、作業用メモリとして利用されるRAM等によって形成されており、画像情報や、動作方式に関する各種の設定情報(詳しくは後述する)などを記憶する。また画像情報入力部21は、画像情報入力インターフェース22を介して、外部から画像情報が入力されるようになっている。入力された画像情報は、例えば内蔵メモリ20に一旦記録される。
【0037】
[MLD装置が行う主な動作について]
次に、MLD装置1が行う主な動作の内容について説明する。
【0038】
MLD装置1は、これから述べるように、各表示画面(12〜14)に画像を表示させつつ、任意の表示画面に対する表示改変操作(タッチ操作の一態様)を受付けて、表示状態を改変する動作を行うようになっている。またMLD装置1においては、これらの動作がユーザの意向に沿った手順でなされるように、予めユーザが、各種の動作方式を設定することが可能となっている。まずこの動作方式の設定の流れについて、以下に説明する。
【0039】
MLD装置1は、適宜、図3に示す動作方式に関する各項目について、どのように設定するかのユーザの指定を受付ける。なお、当該指定をどのように受付けるかについては、種々の態様とすることが可能である。例えば、操作ボタン19の一部が操作されると、図3に示す内容の画像が第1表示画面に表示され、ユーザはタッチ操作を通じて、各項目を所望の状態に設定することが可能となっている。以下、各項目の内容について説明する。
【0040】
「操作対象画面の固定/可変」の項目は、操作対象画面(各表示画面(12〜14)のうち、タッチ操作の対象とするもの)の切替の可否に関わるものである。本項目が「固定」に設定されると、操作対象画面の設定は、最も手前側に位置している第1表示画面12に固定され、他の表示画面(13、14)を操作対象画面とすることは出来なくなる。つまりMLD装置1の動作状態は、標準状態(詳しくは後述する)に固定されることになる。一方「可変」に設定されると、ユーザは所定の手順(詳しくは後述する)を通じて、操作対象画面を任意に切替えることが可能となる。
【0041】
「操作対象画面の選択方式」の項目は、「操作対象画面の固定/可変」の項目が「可変」に設定されている場合に、操作対象画面をどのような手順でユーザに選択させるかに関わるものである。本項目については、任意の表示画面を直接指定させる方式である「直接指定モード」と、所定の切替操作がなされる度に表示画面を順次遷移させる方式である「順次遷移モード」の選択肢が用意されており、ユーザはこれらの何れかに設定することができる。
【0042】
「自動復帰フラグ」の項目は、一定時間タッチ操作がなされなかった場合に、第1表示画面12が操作対象画面に設定された状態(標準状態)に自動復帰させるか否かに関わるものである。本項目が「ON」に設定されると、当該自動復帰の動作が実行され、「OFF」に設定されると、当該自動復帰の動作は実行されないようになる。
【0043】
「透明化の度合」の項目は、表示画面(12〜14)の一つまたは複数に対して透明化を実施するにあたっての、透明化の度合に関わるものである。なお透明化は、操作対象画面の操作編集を容易とする等の目的のために、操作対象画面より手前側の他の表示画面における透明の度合(各画素の光の透過度合)を、現状よりも大きくなるように調節する処理である。透明化が実施されるための条件(実施されるタイミング)については、後述の説明で明らかとなる。
【0044】
本項目については、0%(全く透明化されない)〜100%(完全に透明となる)の任意の値に設定することが可能となっている。例えば「透明化の度合」がn%に設定された場合、現在の光の透過度合がa%である画素が透明化の対象となると、当該光の透過度合は、a+{n(100−a)/100}%に調節される。
【0045】
なお上述した動作方式に関する各項目の意義などは、以降の説明でより明らかとなる。上述した各種の動作方式が設定された状態で、MLD装置1は、各表示画面(12〜14)に画像を表示させつつ、任意の表示画面に対する表示改変操作を受付けて、表示状態を改変する動作を行う。当該動作の流れについて、図4から図6に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0046】
MLD装置1は、通常時、内蔵メモリ20に格納されている画像情報のうち、表示すべき画像についてのユーザの指定(例えば、画像情報に付けられたファイル名の指定)を受付ける。そして当該指定がなされると、CPU18は、指定された画像情報を表示対象の画像情報として特定する(ステップS1)。特定された画像情報は、例えば作業用メモリに読み出され、以降の動作に使用される。
【0047】
ここでMLD装置1において扱われる画像情報には、第1表示装置12に表示される画像の情報である第1オリジナル画像情報、第2表示装置13に表示される画像の情報である第2オリジナル画像情報、および第3表示装置14に表示される画像の情報である第3オリジナル画像情報が含まれている。なお「オリジナル画像情報」の語は、後に登場する「修正画像情報」と区別するために、便宜的に定義したものである。
【0048】
また第1から第3の各オリジナル画像情報に係る画像は、表示画面の枠に対応するフレームの中に、1個または複数個の前景(何らかの形状の輪郭を有するもの)が配置された形態となっている。そしてフレーム内の前景を除いた領域は、空白となっている。前景は色の情報も付与されており、表示画面に表示された際に、その色に表示されることとなる。またオリジナル画像が表示画面に表示されたとき、空白に対応する領域は完全に透明(つまり、より奥側の表示状態が、そのまま透けて見える状態)となる。各オリジナル画像情報は、少なくとも、各前景の形状、向き、色、およびフレーム内での位置を特定する情報となっている。
【0049】
図7は、第1オリジナル画像情報ORG−1、第2オリジナル画像情報ORG−2、および第3オリジナル画像情報ORG−3の具体例を示したものである。これらの画像が、それぞれ対応する表示画面(12〜14)に表示されると、観察者からは、これらの画像情報が合わさって見えることになる。
【0050】
ただし、第2および第3のオリジナル画像情報(ORG−2、ORG−3)が、それぞれ第2および第3の表示画面(13、14)にそのまま表示されると、観察者の視点からは、異なる画像情報の前景同士が重なり合う部分において色が混ざったように見えるため、観察者は違和感を覚えることになる。そこでCPU18は、このような重なり合いが解消されるように、第2および第3のオリジナル画像情報(ORG−2、ORG−3)について修正処理を施し、それぞれに対応する修正画像情報を生成する(ステップS2)。
【0051】
より具体的には、各オリジナル画像情報(ORG−2、ORG−3)の前景における、より手前側に表示される各オリジナル画像情報の前景と重なり合う領域が、空白となるように修正が施される。すなわち、第2のオリジナル画像情報(ORG−2)については、図8の上段に示すように、第1のオリジナル画像情報(ORG−1)の前景と重なり合う領域が空白に修正され、第2の修正画像情報(COR−2)が生成される。また、第3のオリジナル画像情報(ORG−3)については、図8の下段に示すように、第1と第2のオリジナル画像情報(ORG−1、ORG−2)の前景と重なり合う領域が空白に修正され、第3の修正画像情報(COR−3)が生成される。
【0052】
その後CPU18は、第1表示画面12に第1オリジナル画像情報ORG−1が、第2表示画面13に第2修正画像情報COR−2が、第3表示画面14に第3修正画像情報COR−3が、それぞれ表示されるように、表示制御部17に指示を与える(ステップS3)。これにより各表示画面(12〜14)には、当該指示通りに画像が表示される。
【0053】
このようにMLD装置1は、各表示画面(12〜14)に画像を表示させることにより、これらの画像の各々が合わさって形成された、図9に示すような合成画像COMPを、層方向の手前側に向けて表示するようになっている。またステップS3の動作が完了した時点では、MLD装置1は、第1表示画面12が操作対象画面に設定された状態となっており、ユーザは、第1表示画面12に対するタッチ操作を行うことが可能となっている。
【0054】
より具体的には、ユーザは、第1表示画面12の表示内容を改変するためのタッチ操作(以下、便宜的に「表示改変操作」と称することがある)を行うことが可能となっている。すなわちMLD装置1は、例えばタッチパネル11が指等でなぞられる度に、その軌跡を、既に表示されている第1オリジナル画像情報ORG−1に追加されるように、第1表示画面12に表示する。このようにしてユーザは、第1表示画面12に対するタッチ操作を行い、第1表示画面12の表示内容を、所望の状態に改変することが可能となっている。またユーザは、表示改変操作を終えた後、MLD装置1に、表示改変操作の完了指示を与えることが可能となっている。
【0055】
なお詳しくは後述するが、MLD装置1においては、第1表示画面12だけでなく、第2或いは第3の表示画面(13、14)を操作対象画面に設定することも可能となっている。しかしMLD装置の一般的な使用環境では、これらの表示画面のうちの、最も手前側に配置されている第1表示画面12をタッチ操作する機会が、最も多くなると想定される。そこでMLD装置1では、操作対象画面が第1表示画面に設定されている状態が、標準的な状態(標準状態)となるように設計されている。
【0056】
CPU18は、ステップS3の動作を行った後、ユーザによる表示改変操作の完了指示がなされたかの判断を行う(ステップS4)。そして当該完了指示がなされた場合は(ステップS4のY)、CPU18は、表示改変操作の内容に従って、第1オリジナル画像情報ORG−1(つまり、操作対象画面に対応した画像に関する情報)を更新した上で(ステップS5)、ステップS2の動作を再度行う。これにより、表示される合成画像COMPに、当該更新の内容が反映されることになる。
【0057】
一方、当該完了指示がなされていない場合(ステップS4のN)、動作方式に係る「操作対象画面の固定/可変」の項目(図3を参照)が「固定」に設定されている場合には(ステップS6の「固定」)、CPU18は、ステップS4の動作を繰り返す。また「可変」に設定されている場合には(ステップS6の「可変」)、CPU18は、動作方式に係る「操作対象画面の選択方式」の項目(図3を参照)が、どのように設定されているかを判断する(ステップS7)。
【0058】
ステップS7に係る判断の結果、「直接指定モード」に設定されている場合には(ステップS7の「直接指定モード」)、CPU18は、第1表示画面12を除く何れかの表示画面(13、14)が、ユーザによって直接指定されたか否かを判断する(ステップS8)。なお「操作対象画面の選択方式」の項目が「直接指定モード」に設定されている場合、ユーザは、例えば所定の操作ボタン19の操作を通じて、任意の表示画面(13、14)を直接指定することが可能となっている。
【0059】
またステップS7に係る判断の結果、「順次遷移モード」に設定されている場合には(ステップS7の「順次遷移モード」)、CPU18は、操作対象画面の切替操作がなされたか否かを判断する(ステップS9)。なお操作対象画面の切替操作は、予め決められた所定条件を満たす操作である。一例としては、タッチパネル11の任意の箇所、或いは所定の箇所を、一定時間以上にわたって継続的にタッチする操作(つまり、同じ箇所をタッチし続ける操作)や、タッチパネル11の内側寄りの領域から端の方に向かって、タッチパネル11をドラッグ(タッチパネル11に触れたまま指を移動)する操作などが、操作対象画面の切替操作として採用される。
【0060】
そしてステップS9に係る判断の結果、操作対象画面の切替操作がなされていない場合には(ステップS9のN)、CPU18は、ステップS4の動作を繰り返す。なお、何れかの表示画面が直接指定された場合(ステップS8のY)、若しくは、操作対象画面の切替操作がなされた場合(ステップS9のY)に行われる動作は、以下に説明する通りである。
【0061】
[何れかの表示画面が直接指定された場合の動作について]
先述したステップS8に係る判断の結果、何れかの表示画面が直接指定された場合には(ステップS8のY)、CPU18は、指定された表示画面を操作対象画面として新たに設定する。また更にCPU18は、表示画面(12〜14)のうち、操作対象画面より手前側のものについては、透明化を実施し(既に透明化が実施されている場合には、その状態を維持させる)、操作対象画面より奥側のものについては、透明化を解除する(透明化が元々実施されていない場合には、そのままとする)(ステップS11)。
【0062】
これにより、例えば第2表示画面13が操作対象画面に設定された場合には、これより手前側の第1表示画面12については、透明化が実施された状態となり、奥側の第3表示画面14については、透明化が実施されていない状態(つまり、通常の表示状態)となる。なお透明化の度合については、動作方式に係る「透明化の度合」の項目(図3を参照)の設定内容に従って決められる。
【0063】
また操作対象画面が更新されたことにより、ユーザは、新たに操作対象画面に設定された表示画面に対するタッチ操作を行うことが可能となっている。より具体的には、ユーザは、新たに操作対象画面に設定された表示画面の表示内容を改変するための、表示改変操作(どのような操作かは先述した通り)を行うことが可能となっている。なおこのとき、操作対象画面については、修正画像情報ではなく、オリジナル画像情報が表示されるようになっていても良い。またユーザは、表示改変操作を終えた後、MLD装置1に、表示改変操作の完了指示を与えることが可能となっている。
【0064】
ステップS11の動作の後、CPU18は、更に他の表示画面が直接指定されたか(ステップS12)、ユーザによる表示改変操作の完了指示がなされたか(ステップS13)、ユーザによる復帰の指示(MLD装置1を標準状態に復帰させる指示)がなされたか(ステップS14)、および動作方式に係る「自動復帰フラグ」の項目(図3を参照)が「ON」に設定されているか(ステップS15)を監視する。
【0065】
そして他の表示画面が直接指定された場合(ステップS12のY)、その指定先が第1表示画面12であるときは(ステップS19のY)、CPU18は、操作対象画面の設定を第1表示画面12に戻し、透明化が実施されている表示画面(12〜14)がある場合には、その透明化を解除する(ステップS18)。一方、その指定先が第1表示画面12以外であるときは(ステップS19のN)、CPU18の動作は、ステップS11の動作に戻る。これにより、操作対象画面が適切に切替えられることになる。
【0066】
また表示改変操作の完了指示がなされた場合は(ステップS13のY)、CPU18は、この表示改変操作の内容に従って、現在の操作対象画面に対応するオリジナル画像情報を更新する(ステップS16)。つまり、第2表示画面が操作対象画面である場合には、第2オリジナル画像情報ORG−2が更新され、第3表示画面が操作対象画面である場合には、第3オリジナル画像情報ORG−3が更新されることになる。
【0067】
その後、CPU18の動作は、ステップS18の動作に進む。なおステップS18の動作が完了したら、CPU18の動作は、ステップS2の動作に戻るようになっている。これにより、表示される合成画像COMPに、オリジナル画像情報の更新内容が反映されることになる。
【0068】
また復帰の指示がなされた場合にも(ステップS14のY)、CPU18の動作は、ステップS18の動作に進む。また「自動復帰フラグ」が「ON」に設定されている場合は(ステップS15のY)、CPU18は更に、タッチ操作が途絶えてから一定時間が経過しているか(つまり一定時間、タッチ操作がなされていないか)を判断する(ステップS17)。
【0069】
その結果、一定時間が経過している場合には(ステップS17のY)、CPU18の動作はステップS18の動作に進み、一定時間が経過していない場合には(ステップS17のN)、ステップS12の動作に戻る。
【0070】
[操作対象画面の切替操作がなされた場合の動作について]
先述したステップS9に係る判断の結果、操作対象画面の切替動作がなされた場合には(ステップS9のY)、CPU18は、現時点で操作対象画面に設定されている表示画面より一つ奥側の表示画面を、操作対象画面として新たに設定する。
【0071】
また更にCPU18は、ステップS11の動作の場合と同様に、表示画面(12〜14)のうち、操作対象画面より手前側のものについては、透明化を実施し、操作対象画面より奥側のものについては、透明化を解除する動作を行う(ステップS21)。
【0072】
また操作対象画面が更新されたことにより、ユーザは、新たに操作対象画面に設定された表示画面に対するタッチ操作を行うことが可能となっている。より具体的には、ユーザは、新たに操作対象画面に設定された表示画面の表示内容を改変するための、表示改変操作(どのような操作かは先述した通り)を行うことが可能となっている。なおこのとき、操作対象画面については、修正画像情報ではなく、オリジナル画像情報が表示されるようになっていても良い。またユーザは、表示改変操作を終えた後、MLD装置1に、表示改変操作の完了指示を与えることが可能となっている。
【0073】
ステップS21の動作の後、CPU18は、更に操作対象画面の切替操作がなされたか(ステップS22)、ユーザによる表示改変操作の完了指示がなされたか(ステップS23)、ユーザによる復帰の指示(MLD装置1を標準状態に復帰させる指示)がなされたか(ステップS24)、および動作方式に係る「自動復帰フラグ」の項目が「ON」に設定されているか(ステップS25)を監視する。
【0074】
そして操作対象画面の切替操作がなされた場合(ステップS22のY)、現時点の操作対象画面が最も奥側の表示画面(本実施形態では、第3表示画面14)であるときは(ステップS29のY)、CPU18は、操作対象画面の設定を第1表示画面12に戻し、透明化が実施されている表示画面(12〜14)がある場合には、その透明化を解除する(ステップS28)。一方、現時点の操作対象画面が最も奥側の表示画面でないときは(ステップS29のN)、CPU18の動作は、ステップS21の動作に戻る。これにより、操作対象画面が切替えられることになる。
【0075】
また表示改変操作の完了指示がなされた場合は(ステップS23のY)、CPU18は、この表示改変操作の内容に従って、現在の操作対象画面に対応するオリジナル画像情報を更新する(ステップS26)。つまり、第2表示画面が操作対象画面である場合には、第2オリジナル画像情報ORG−2が更新され、第3表示画面が操作対象画面である場合には、第3オリジナル画像情報ORG−3が更新されることになる。
【0076】
その後CPU18の動作は、ステップS28の動作に進む。なおステップS28の動作が完了したら、CPU18の動作は、ステップS2の動作に戻るようになっている。これにより、表示される合成画像COMPに、オリジナル画像情報の更新内容が反映されることになる。
【0077】
また復帰の指示がなされた場合にも(ステップS24のY)、CPU18の動作は、ステップS28の動作に進む。また「自動復帰フラグ」が「ON」に設定されている場合は(ステップS25のY)、CPU18は更に、タッチ操作が途絶えてから一定時間が経過しているか(つまり一定時間、タッチ操作がなされていないか)を判断する(ステップS27)。
【0078】
その結果、一定時間が経過している場合には(ステップS27のY)、CPU18の動作はステップS28の動作に進み、一定時間が経過していない場合には(ステップS27のN)、ステップS22の動作に戻る。
【0079】
[MLD装置の特長等について]
MLD装置1は上述した構成となっており、また上述した一連の動作を行うものとなっているため、次のような特長を有している。
【0080】
MLD装置1は、ユーザによる複数の表示画面(12〜14)のうちの何れかの指定を受付けて、この指定のなされた表示画面を操作対象画面として設定する。そして更に、タッチパネル11の操作(タッチ操作)を、操作対象画面に対する操作として認識するようになっている。
【0081】
これによりユーザは、複数の表示画面(12〜14)のうちの所望の表示画面に対してタッチ操作を行うことが可能となっている。そのためMLD装置1は、一つの表示画面だけに対してタッチ操作が可能であるものに比べて、より利便性が高いものとなっている。本実施形態の場合は、一つの表示画面に対する表示改変操作が可能であるにとどまらず、複数の表示画面(12〜14)の各々に対する表示改変操作が可能となっている。
【0082】
またMLD装置1は、動作方式に関する「操作対象画面の固定/可変」の項目を、ユーザに切替自在に設定させるようになっている。そして更に、当該項目が「固定」(操作対象画面の切替が不可)に設定されることによって、操作対象画面の設定を、第1表示画面12(最も手前に配置された表示画面)に固定するようになっている(ステップS6の動作を参照)。これにより、第1表示画面12以外に対するタッチ操作が無効であるような場合に、第1表示画面12以外の表示画面が操作対象画面に誤って設定されてしまう事態を、回避することが可能となっている。
【0083】
またMLD装置1は、複数の表示画面(12〜14)のうちの操作対象画面より手前側の各々について、透明化(バックライト15の光の透過度合を、予め決められた条件に従って大きくなるように調節する動作)を実施するようになっている(ステップS11、S21の動作を参照)。これにより、ユーザ(観察者)にとっては、操作対象画面の表示がより見易くなり、タッチ操作を適切に行うことが容易となる。
【0084】
なお、透明化の度合が大きくなっている程、通常は、操作対象画面の表示は見易くなるが、その反面、透明化された表示画面の表示は見難くなる。そのため、透明化された表示画面の表示状態を参照しながら、操作対象画面をタッチ操作するような状況では、当該タッチ操作を行うことが難しくなるといった問題が生じ得る。MLD装置1によれば、ユーザによる透明化の度合の指定を予め受付けて、透明化の度合(光の透過度合)を当該指定に応じた値に調節するようになっているため、このような問題にも対処することが可能となっている。
【0085】
またMLD装置1は、動作方式に関する「操作対象画面の選択方式」の項目を、ユーザに切替自在に設定させるようになっている。そして当該項目が「直接指定モード」に設定されている場合は、ユーザが複数の表示画面(12〜14)の何れをも直接指定できる状態とし、直接指定がなされた表示画面を、新たに操作対象画面として設定する。一方、「順次遷移モード」に設定されている場合は、ユーザが操作対象画面の切替動作(所定条件を満たすタッチ操作)を行ったときに、現在の操作対象画面より1個分だけ奥側の表示画面を、新たに操作対象画面として設定する。
【0086】
これによりユーザは、そのときの状況や好みに合わせて当該項目を適切に設定し、何れの表示画面を操作対象画面とするかの選択を、より行い易くすることが可能となっている。
【0087】
またMLD装置1は、動作方式に関する「自動復帰フラグ」の項目を、ユーザに切替自在に設定させるようになっている。そして当該項目が「ON」に設定されている場合、第1表示画面12(最も手前側の表示画面)以外のものが操作対象画面として設定されている際に、タッチ操作のなされなかった状態が予め決められた一定時間を越えて続いたときには、第1表示画面12を、新たに操作対象画面として設定する(ステップS15、17、25、S27等の動作を参照)。
【0088】
これにより、ユーザが第1表示画面12以外についてのタッチ操作を終えた後、MLD装置1を自動的に標準状態に戻すことができる。そのため、MLD装置1は、ユーザにとってより利便性の高いものとなっている。
【0089】
またMLD装置1は、第1表示画面12(最も手前側の表示画面)以外のものが操作対象画面として設定されている際に、ユーザによる復帰の指示(予め決められた操作)がなされると、第1表示画面12を、新たに操作対象画面として設定する(ステップS14、24等の動作を参照)。
【0090】
これにより、第1表示画面12以外についてのタッチ操作を終えた後、ユーザは復帰の指示を行って、MLD装置1を直ちに標準状態に戻すことができる。そのため、MLD装置1は、ユーザにとってより利便性の高いものとなっている。
【0091】
[変形例などについて]
以上の通り、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない限り、種々の変形を加えることが可能である。本実施形態の変形例の幾つかを、以下に説明する。
【0092】
本実施形態では、各表示画面(12〜14)に対するタッチ操作によって、画像の要素(図形等)に係る情報を入力することが可能となっているが、タッチ操作によって入力可能である情報は、このようなものに限定されない。例えば、各表示画面(12〜14)にタッチボタンを示す画像を表示されている場合に、タッチパネル11における当該タッチボタンに対応する箇所をタッチすると、当該タッチボタンが押下されたと認識されるようにすることも可能である。
【0093】
また本実施形態では、ある表示画面について透明化が実施される際、その表示画面の全領域が透明化の対象となるが、一部の領域だけが透明化の対象となるようにしても構わない。また、透明化の対象となっている表示画面について、必ずしも、常に透明化が実施されるようにする必要は無い。例えば、タッチ操作がなされている期間に限って、透明化が実施されるようにしても構わない。
【0094】
またタッチ操作がなされたときに、透明化の対象である表示画像の各々における、タッチされた箇所を基準とした所定範囲(つまり、タッチされた箇所の周辺部分)に重なる領域が特定され、この特定された領域(当該領域に属する画素)に対してのみ、透明化が実施されるようにしても構わない。このようにすれば、周辺部分(タッチ操作に特に関わる領域)を透明化してタッチ操作の容易性を確保しつつ、MLD1の表示状態をできるだけ通常の状態に維持させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、画像を表示する画像表示装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 MLD装置(マルチレイヤディスプレイ装置)
10 筐体
11 タッチパネル
12 第1表示画面(最も手前に配置された表示画面)
13 第2表示画面
14 第3表示画面
15 バックライト
16 入力制御部
17 表示制御部
18 CPU
19 操作ボタン
20 内蔵メモリ
21 画像情報入力部
22 画像情報入力インターフェース
COMP 合成画像
COR−2 第2修正画像情報
COR−3 第3修正画像情報
ORG−1 第1オリジナル画像情報
ORG−2 第2オリジナル画像情報
ORG−3 第3オリジナル画像情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示画面が層状に配置され、該複数の表示画面の各々に画像を表示させることにより、該画像の各々が合わさって形成された画像を層方向の手前側に向けて表示するマルチレイヤディスプレイ装置であって、
ユーザによる前記複数の表示画面のうちの何れかの選択を受付けて、該選択のなされた表示画面を操作対象画面として設定する画面設定部と、
前記複数の表示画面より手前側に、該複数の表示画面の各々と層方向に重なるように配置され、ユーザによるタッチ操作を受付けるタッチパネルと、
該タッチ操作を、前記操作対象画面に対する操作として認識する操作認識部と、
を備えたことを特徴とするマルチレイヤディスプレイ装置。
【請求項2】
前記操作対象画面の切替の可否を設定する、切替可否設定部を備え、
前記切替が不可に設定されている場合には、
前記操作対象画面の設定を、前記複数の表示画面のうちの最も手前に配置されたものに固定することを特徴とする請求項1に記載のマルチレイヤディスプレイ装置。
【請求項3】
前記複数の表示画面より奥側にバックライトが配置されており、前記複数の表示画面の各々における光の透過度合を調節することにより、該複数の表示画面の各々に画像を表示させるものである請求項2に記載のマルチレイヤディスプレイ装置であって、
前記複数の表示画面のうちの操作対象画面より手前側の各々における前記透過度合を、予め決められた条件に従って大きくなるように調節する、透明化実行部を備えたことを特徴とするマルチレイヤディスプレイ装置。
【請求項4】
前記透明化実行部は、
前記タッチ操作がなされたときに、タッチされた箇所を基準とした所定範囲に重なる領域を特定し、該特定された領域に対して、前記透過度合を調節することを特徴とする請求項3に記載のマルチレイヤディスプレイ装置。
【請求項5】
前記透明化実行部は、
前記透過度合を、ユーザの指定に応じた値に調節することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のマルチレイヤディスプレイ装置。
【請求項6】
前記画面設定部は、
少なくとも直接指定モードと順次遷移モードとの何れかに、切替自在に設定され、
直接指定モードに設定されている場合には、
ユーザが前記複数の表示画面の何れをも直接指定できる状態とし、該直接指定がなされた表示画面を、新たに前記操作対象画面として設定する一方、
順次遷移モードに設定されている場合には、
ユーザが所定条件を満たすタッチ操作を行ったときに、現在の前記操作対象画面より1個分だけ奥側の表示画面を、新たに前記操作対象画面として設定することを特徴とする請求項3から請求項5の何れかに記載のマルチレイヤディスプレイ装置。
【請求項7】
前記複数の表示画面のうちの、最も手前側の表示画面以外のものが、前記操作対象画面として設定されている場合、
前記タッチ操作のなされなかった状態が、予め決められた一定時間を越えて続いたときには、前記複数の表示画面のうちの最も手前側の表示画面を、新たに前記操作対象画面として設定することを特徴とする請求項3から請求項6の何れかに記載のマルチレイヤディスプレイ装置。
【請求項8】
前記複数の表示画面のうちの、最も手前側の表示画面以外のものが、前記操作対象画面として設定されている場合、
予め決められた操作がなされたときには、前記複数の表示画面のうちの最も手前側の表示画面を、新たに前記操作対象画面として設定することを特徴とする請求項3から請求項7の何れかに記載のマルチレイヤディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−134171(P2011−134171A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294044(P2009−294044)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】