マルチ画像表示を較正および/または視覚化しかつゴーストアーチファクトを低減するためのするための方法およびシステム
第1画像分離マスクによるマルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するための方法。該方法は、第2画像分離マスク(205)を通して較正パターン(202)を表示するステップと、評価者(203、204)が目測を行なって第2画像分離マスク(205)により較正パターン(202)にもたらされるぼけの発生を指摘することを可能にするステップと、目測に従って少なくとも第1画像分離マスクのぼけプロファイルを発生させるステップとを含む。第1および第2画像分離マスクは実質的に同様の光学的プロファイルを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その一部の実施形態では、マルチ画像表示を較正および/または視覚化するためのシステムおよび方法に関し、さらに詳しくは、画像分離マスクに基づくマルチ画像表示の較正および/または視覚化のためのシステムおよび方法に関するが、それらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
市場の需要を満たすために、マルチ画像表示は2D表示に課せられる高品質標準に適合しなければならない。そのような空間表示のユーザは、高解像度、ロバスト性、信頼性、厚さ、低コスト、ならびにカメラおよび立体カメラを含め事実上全ての共通映像フォーマットのサポートが重要であると考える。
【0003】
マルチ画像表示を作成するための方法の1つは、画像および/または部分画像の空間的または時間的インターディジテーション(interdigitation)によって達成される。マルチビュー表示と呼ばれることのある空間的インターディジテーションによる空間表示について言うと、複数の隣接画素またはそれらの色サブ画素はグループ化されて画素クラスタを形成し、各画素は異なる視点からの3Dシーンを含む。例えば2002年4月2日に発行された米国特許第6366281号を参照されたい。バリア、レンチキュラレンズアレイ、または他の光学要素などの画像分離マスクは、各画素クラスタの画素内容を空間に扇状に投射する。各扇は、特定の視点からの3Dシーンの画像内容を含む。観察者の両眼が隣接する扇に位置する場合、観察者は所望の立体的表現を知覚する。しかし、この構成は低い解像度が弱点である。全体的解像度は、画像マトリクスの解像度によってではなく、より粗い画素クラスタ解像度の解像度によって決定される。例えば8つの視点を持つ画像は解像度が1/8に低下する。
【0004】
マルチ画像表示を作成するための別の方法は、要素が傾斜するときに視覚的動きをもたらす画像構造を画像の一部分に組み込む要素を製造するプロセス、および特に、動画像要素を生成するためのシステムに関する。例えば2001年3月6日に発行された米国特許第6198544号を参照されたい。
【0005】
時間的インターディジテーションによるマルチ画像空間表示について言うと、(例えばNeil A.Dodgsonら:A 50″ time‐multiplexed autostereoscopic display,ProcSPIE 3957、「Stereoscopic Displays & Applications XI」を参照)、光源は相互に隣接して配置され、画像分離マスクに投射され、それは投射された光の変調を可能にする。観察者は、各眼で異なる視野を見ながら、変調された投射光を見ることができる。投射光は異なる視点から見られるシーンを表わすので、観察者は立体画像を知覚する。同じことは数人の観察者にも当てはまる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一部の実施形態の態様では、第1画像分離マスクによるマルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するための方法を提供する。該方法は、第2画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、評価者が目測(visual estimation)を行なって第2画像分離マスクにより較正パターンにもたらされるぼけを指摘することを可能にするステップと、目測に従って少なくとも第1画像分離マスクのぼけプロファイルを発生させるステップとを含む。第1および第2画像分離マスクは実質的に同様の光学的プロファイルを有する。
【0007】
任意選択的に、評価者はシステムオペレータである。
【0008】
任意選択的に、ぼけプロファイルはコンボリューションカーネルを含む。
【0009】
任意選択的に、該方法はさらに、ぼけプロファイルを用いて、マルチ画像表示から少なくとも1つのゴーストアーチファクトを減少させるステップを含む。
【0010】
さらに任意選択的に、減少ステップはハーフトーニングプロセスでぼけプロファイルを使用することによって実行される。
【0011】
さらに任意選択的に、該方法はさらに、ぼけプロファイルと人間の視知覚のモデル化に使用されるフィルタとを組み合わせるステップを含む。
【0012】
任意選択的に、該方法はさらに、ぼかしフィルタ、画像ぼかし変換、画像変換機能から成る群から選択されたメンバを作成するステップ、および該メンバに従って少なくとも1つの画像を処理するステップを含む。
【0013】
任意選択的に、目測は、較正パターンの画像を取り込み、かつ取り込まれた画像に従って目測をもたらすように構成された画像取込み装置によって与えられる。
【0014】
任意選択的に、第2画像分離マスクは第1画像分離マスクである。
【0015】
任意選択的に、該方法はさらに、マルチ画像表示における少なくとも1つの画像の現出をエミュレートするために、ぼけプロファイルを使用するステップを含む。
【0016】
任意選択的に、較正パターンは印刷され、較正パターンは光学的プロファイルの少なくとも1つの印刷アーチファクトによって生じる印刷ぼけを有する。
【0017】
さらに任意選択的に、少なくとも1つの印刷アーチファクトは、鏡面基材、インクの滲み、インク盛り、縁部鮮鋭度、基材における表面下の散乱、および光沢の不均一性から成る群から選択されたメンバを含む。
【0018】
任意選択的に、該方法はさらに、ぼけを低減した画像をマルチ画像表示に提示することを含む。
【0019】
任意選択的に、マルチ画像表示は、レンチキュラ印刷用の少なくとも1つのインタレース画像、多次元シーンを表わす一連の画像のうちの少なくとも1つの画像、およびマルチ画像表示用のインタレース画像を作成するための少なくとも1つの画像から成る群から選択された少なくとも1つの画像を含む。
【0020】
任意選択的に、画像分離マスクは、レンチキュラレンズアレイ、光バリア、視差バリア、インテグラルフォトグラフィ用のレンズのアレイ、および多次元画像を表示するためのディスプレイから成る群から選択される。
【0021】
任意選択的に、該方法はさらに、ステップc)の前に評価者の位置情報を受信するステップを含み、前記発生させるステップが位置情報に従って実行される。
【0022】
任意選択的に、較正パターンは少なくとも1つの位置ラベルを含み、目測を可能にするステップはさらに、特定の位置からの少なくとも1つの位置ラベルの視認性に従って位置情報の位置推定を可能にするステップを含む。
【0023】
任意選択的に、較正パターンはバンディングパターンを含み、さらに、目測に従ってマルチ画像表示の少なくとも1つの画像を較正するように構成されたバンディングプロファイルを生成するステップを含む。
【0024】
本発明の一部の実施形態の態様では、マルチ画像表示のアーチファクトを低減するための方法を提供する。該方法は、画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、評価者が目測を行なって、画像分離マスクによりもたらされるマルチ画像表示のアーチファクトを指摘することを可能にするステップと、目測に従って内容画像を処理し、それによってマルチ画像表示のアーチファクトを低減するステップとを含む。
【0025】
任意選択的に、較正パターンはバンディングプロファイルであり、目測を可能にするステップは、内容画像に対する画像分離マスクの較正を可能にするステップを含む。
【0026】
任意選択的に、アーチファクトはゴーストアーチファクト、滲みアーチファクト、縁部鮮鋭度アーチファクト、バンディングアーチファクト、および光沢の不均一性アーチファクトから成る群から選択される。
【0027】
本発明の一部の実施形態の態様では、マルチ画像表示を視覚化するための方法を提供する。該方法は、画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、画像分離マスクによって生じるぼけの目測を可能にするステップと、目測に従って少なくとも1つの画像を処理するステップと、少なくとも1つの処理された画像を表示し、それによって画像分離マスクを通して少なくとも1つの画像の現出を視覚化するステップとを含む。
【0028】
任意選択的に、ぼかしは、目測に従ってぼけプロファイルを生成し、ぼけプロファイルを使用して少なくとも1つの画像を処理することを含む。
【0029】
任意選択的に、表示ステップは、画像分離マスクを通した較正パターンの現出をシミュレートするように構成されたシミュレーションモジュールを用いて実行される。
【0030】
任意選択的に、該方法はさらに、処理する前に、画像取込み装置から目測を受け取るステップを含む。
【0031】
本発明の一部の実施形態の態様では、マルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するためのシステムを提供する。該システムは、少なくとも画像分離マスクによって較正パターンに生じたぼけの目測を受け取るように構成された入力モジュールと、目測に従ってぼけプロファイルを生成するように構成された較正モジュールと、ぼけプロファイルを出力し、それによってマルチ画像表示のゴーストアーチファクトの低減およびマルチ画像表示の視覚化の少なくとも1つを可能にするための出力ユニットとを備える。
【0032】
任意選択的に、画像分離マスクは光学的プロファイルを有し、マルチ画像表示は光学的プロファイルを有する追加の画像分離マスクを有し、マルチ画像表示は、追加の画像分離マスクを通して少なくとも1つの較正画像を表示することによって形成される。
【0033】
さらに任意選択的に、光学的プロファイルは、ピッチ、曲率、屈折率形状、レンチキュラレンズの相対位置、透明度等から成る群から選択されたメンバを定義するために構成される。
【0034】
任意選択的に、該システムはさらに、マルチ画像表示の視覚化を生成し、かつネットワークを介して視覚化をクライアント端末に送信し、それによってユーザが視覚化を見ることを可能にするように構成されたクライアントインタフェースを備える。
【0035】
さらに任意選択的に、クライアントインタフェースは、ネットワークを介してユーザから生成許可を受け取り、かつ生成許可に従ってマルチ画像表示を生成するように構成される。
【0036】
さらに任意選択的に、クライアント端末はシステムから遠隔的に配置される。
【0037】
任意選択的に、マルチ画像表示は、レンチキュラ印刷用の少なくとも1つのインタレース画像、多次元シーンを表わす一連の画像のうちの少なくとも1つの画像、およびマルチ画像表示用のインタレース画像を作成するための少なくとも1つの画像から成る群から選択された少なくとも1つの画像を含む。
【0038】
本発明の一部の実施形態の態様では、少なくとも1つの画像および第1画像分離マスクを有するマルチ画像表示のゴーストを除去するための方法を提供する。該方法は、画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、第2画像分離マスクによって生じるぼかしアーチファクトの目測を可能にするステップと、目測に従って少なくとも1つの画像を処理し、それによって少なくとも第1画像分離マスクによって生じるゴーストアーチファクトを低減するステップとを含む。第1および第2画像分離マスクは、実質的に同様の光学的プロファイルを有する。
【0039】
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【0040】
本発明の実施形態の方法および/またはシステムを実行することは、選択されたタスクを、手動操作で、自動的にまたはそれらを組み合わせて実行または完了することを含んでいる。さらに、本発明の装置、方法および/またはシステムの実施形態の実際の機器や装置によって、いくつもの選択されたステップを、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェア、あるいはオペレーティングシステムを用いるそれらの組合せによって実行できる。
【0041】
例えば、本発明の実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実施されることができる。ソフトウェアとして、本発明の実施形態により選択されたタスクは、コンピュータが適切なオペレーティングシステムを使って実行する複数のソフトウェアの命令のようなソフトウェアとして実施されることができる。本発明の例示的な実施形態において、本明細書中に記載される方法および/またはシステムの例示的な実施形態による1つ以上のタスクは、データプロセッサ、例えば複数の命令を実行する計算プラットフォームで実行される。任意選択的に、データプロセッサは、命令および/またはデータを格納するための揮発性メモリ、および/または、命令および/またはデータを格納するための不揮発性記憶装置(例えば、磁気ハードディスク、および/または取り外し可能な記録媒体)を含む。任意選択的に、ネットワーク接続もさらに提供される。ディスプレイおよび/またはユーザ入力装置(例えば、キーボードまたはマウス)も、任意選択的にさらに提供される。
【0042】
本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の一部の実施形態に係るマルチ画像表示を較正するための方法のフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の一部の実施形態に係るマルチ画像表示用の1つ以上の画像を較正するためのシステムの略図である。
【図3】図3は、本発明の一部の実施形態に係るマルチ画像表示用の1つ以上の画像を較正するための分散システムの略図である。
【図4】図4は、本発明の一部の実施形態に係る例示的較正パターンテンプレートである。
【図5】図5は、本発明の一部の実施形態に係る、較正パターンテンプレート内に配置されるように設計された例示的な可変性較正タイルの略図である。
【図6】図6は、本発明の一部の実施形態に係る、画像取込み装置、較正パターン、画像分離マスク、および図1に示した較正システムの略図である。
【図7】図7は、本発明の一部の実施形態に係る、画像取込み装置用に設計された例示的較正パターンテンプレートである。
【図8】図8は、本発明の一部の実施形態に係る、図7の較正パターンテンプレートに配置されるように設計された例示的な可変性較正タイルの略図である。
【図9】図9は、本発明の一部の実施形態に係る、分離可能なアーチファクト識別子を有する例示的較正パターンテンプレートの略図である。
【図10】図10は、本発明の一部の実施形態に係る、ぼけプロファイルを調整するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の略図である。
【図11】図11は、本発明の一部の実施形態に係る、相互に一定の距離に配置された黒線の頒布パターンを表わすバンディング較正パターンである。
【図12】図12は、本発明の一部の実施形態に係る、バンディング効果をシミュレートしかつ評価者に表示される1つ以上のパターンを含むGUIである。
【図13】図13は、本発明の一部の実施形態に係る、マルチ画像表示を視覚化するための方法のフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の一部の実施形態に係る、矩形に配列された9つの勾配パターンの1組の画像の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、その一部の実施形態では、マルチ画像表示を較正および/または視覚化するためのシステムおよび方法に関し、さらに詳しくは、画像分離マスクに基づくマルチ画像表示の較正および/または視覚化のためのシステムおよび方法に関するが、それらに限定されない。
【0045】
本発明の一部の実施形態では、マルチ画像表示を較正するために使用することのできる、ぼけプロファイルなどの1つ以上の劣化プロファイルを識別するための方法およびシステムを提供する。該方法は、特定の画像分離マスクを通してシステムオペレータまたは画像取込み装置などの評価者に対して表示される較正パターンに基づく。本書で使用される場合、画像分離マスクとは、レンチキュラレンズアレイ、視差バリア、マルチ画像表示スクリーン、例えば参照によって本書に組み込まれる1996年5月23日出願の米国特許出願第5800907号に記載されているインテグラルフォトグラフィ(IP)用のレンズのアレイ、および多次元画像を表示するための任意のディスプレイを意味する。そのようなディスプレイは、評価者が少なくとも画像分離マスクによって引き起こされたぼけの目測を行なうことを可能にする。ぼけはまた、印刷アーチファクト、紙の品質、および一部の実施形態では、画像分離マスクを介して1つ以上の画像を投射または表示する要素に関連するアーチファクトによっても影響されることがある。目測は較正パターンおよび/またはその要素の現出に基づく。ここで、目測が行われた後、任意選択的にぼけプロファイルである劣化プロファイルが目測に従って生成される。ぼけプロファイルは、同一画像分離マスクを通して、または上記の目測中に使用された画像分離マスクと同一光学的プロファイルを有するマスクを通して表示される1つ以上の画像を較正するように設計される。そのような方法は、特定の画像分離マスクの特定の光学的プロファイルに合わせて調整されたぼけプロファイルを識別するために使用することができることに注目されたい。さらに、そのような方法はまた、バンディングプロファイルなどの他の光学的、表示、および/または印刷プロファイルを識別するためにも使用することができ、それらは特定の画像分離マスクによって引き起こされる光学収差に応じて、または較正される画像を生成するために使用される印刷装置および/またはコピー装置によって引き起こされる印刷アーチファクトに応じて調整される。そのような実施形態は、マルチ画像表示物のプリンタおよび/またはコピー装置を較正するためにも使用することができることに注目されたい。
【0046】
本発明の一部の実施形態では、マルチ画像表示を視覚化するための方法およびシステムを提供する。上で略述したのと同様に、この方法は、画像分離マスクを通して評価者に対して表示される較正パターンに基づく。表示は、上で略述しかつ下で説明する通り、評価者が画像分離マスクによって引き起こされるアーチファクトを目測することを可能にする。ここで、目測は、上記画像分離マスクを介してまたは同様の画像分離マスクを介して表示されるように設計された画像を表示するときに、表示内に発生するぼけをシミュレートするために使用される。ぼかしは、画像分離マスクを介したその現出を視覚化するような仕方で画像を表示することを可能にする。本書で使用する場合、ぼかしとは、画像にぼけを加え、例えば1つ以上の画像を1つ以上の他の画像の上に重ねることによってゴーストアーチファクトが生じるように画像を混合し、かつ/またはインタレース画像のストリップを混合し、もしくはインタレース画像の1ストリップの特徴をインタレース画像の別のストリップ上に重ねることを意味する。任意選択的に、マルチ画像表示がレンチキュラ画像である場合、ぼかし効果は、インタレース画像をぼかすか、または画像の加重オーバレイを生じる任意の他の処理によって達成される。
【0047】
そのような方法は、インタレース画像の、または画像を組み合わせる任意の他の画像フォーマットの、画像分離マスクを通しての現出をエミュレートすることを可能にする。顧客、編集者、または写真家などのユーザは、パーソナルコンピュータなどのクライアント端末を任意選択的に用いて、インタレース画像をウェブサーバなどのリモートサーバにアップロードすることができ、リモートサーバはアップロードされたインタレース画像をほかすためにぼけプロファイルを使用して、エミュレーション画像を作成することができる。任意選択的に、ユーザは、任意選択的に上述したぼかしの前にリモートサーバによってインタレースされた画像をアップロードする場合がある。任意選択的に、ユーザは、インタレース画像を作成するためにリモートサーバまたは別のサーバによって使用される情報をアップロードする場合がある。ぼかしは、これらの画像に基づくマルチ画像表示の現出をエミュレートするために実行される。ぼかした画像またはその任意の生成物またはセグメントはユーザに返され、任意選択的にユーザのパーソナルクライアント端末上でマルチ画像表示アーチファクトをユーザがプレビューすることを可能にする。そのようなプレビューは、ユーザが、マルチ画像表示を見ずにその印刷および/またはコピーおよび/または表示を許可することを可能にする場合がある。そのような実施形態は、インターネットを使用した、例えばウェブサイトを使用したマルチ画像表示の注文を促進する場合がある。
【0048】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、下記の記載に示されるか、および/または、図面および/または実施例において例示される構成要素および/または方法の組み立ておよび構成の細部に必ずしも限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【0049】
ここで図1を参照すると、それは、本発明の一部の実施形態に係る、画像分離マスクによるマルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するための方法100のフローチャートである。本書で使用する場合、画像分離マスクとは、レンチキュラレンズアレイ、光バリア、視差バリア、および/または立体画像などの複数の画像を表示するための任意の他のディスプレイパネルを意味する。任意選択的に、画像を複数の方向に向けるために、画像分離マスクは任意選択的に周期的な垂直および/または水平構造を有する。
【0050】
該方法は、ぼかし画像変換を生じるために使用されるぼけプロファイルの識別を可能にする。1実施形態では、ぼかし変換は、ガウスまたはローレンツ分布ベースのフィルタなどのぼかしフィルタによるインタレース画像の畳み込み、または1つ以上の視覚的および/もしくは光学的評価尺度に基づく任意の他の変換によって実現される。他の実施形態では、ぼかし画像変換は、インタレース画像のストリップを混合することによって、または例えば下で方程式2に関連して記載するように加重平均として表示するように指定された画像を混合することによって実現される。
【0051】
簡潔を期すために、そのようなぼかし画像変換、または任意の他の変換を本書ではぼけプロファイルと呼ぶことがある。ぼけプロファイルは、少なくとも画像分離マスク、および任意選択的に印刷アーチファクト、紙の品質、ならびに一部の実施形態では、表示要素および/または投射要素によって引き起こされるアーチファクトによって引き起こされるぼけを表わす。最初に、101に示すように、較正パターンが提供される。下でさらに述べるように、多数の較正パターンを使用することができる。次いで、102に示すように、較正パターンは、例えば画像分離マスクを通してマルチ画像表示で、ユーザに対してかつ/またはカメラなどの画像取込み装置に対して表示される。この表示は、103に示す通り、任意選択的に下述の通り、ユーザおよび/または画像取込み装置が、少なくとも画像分離マスクによって引き起こされるぼけおよび/または形状を示す1つ以上の特徴の強さまたは視認性などの特徴を目測することを可能にする。本書で使用する場合、画像取込み装置とはデジタルカメラ、またはデジタル画像を取り込むために電荷結合デバイス(CCD)センサおよび相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサなどの画像センサを使用する他の装置を意味する。次に、104に示すように、印刷テンプレートの目測に従ってぼけプロファイルが作成される。任意選択的に、ぼけプロファイルはコンボリューションカーネルとして定義される。そのようなぼけプロファイルは、マルチ画像表示で表示するように指定される1つ以上のインタレース画像または任意の他の画像もしくはそのセグメントをぼかすため、かつ/またはここではゴースト除去と理解されるぼかし除去のために使用することができる。そのようなインタレース画像の1例として、多数の角度からのシーンおよび/または1つ以上の被写体の動きを表わすレンチキュラ印刷用のインタレース画像がある。別の例として、画像分離マスクディスプレイ上に投射される3次元(3D)シーンを表わす一連の画像用のインタレース画像がある。例えば、参照によって本書に組み込まれるWojciech Matusikらの「3D TV:A Scalable System for Real‐Time Acquisition,Transmission,and Autostereoscopic Display of Dynamic Scenes,Mitsubishi Electric Research Laboratories,Cambridge,MAを参照されたい。明確を期すために、3Dシーンとは、ここでは多数の角度からの1つ以上の被写体、および/または1つ以上の被写体の動き、および/または少なくとも2つの異なる画像間のフリッピングを表わすシーンと理解することができる。
【0052】
該方法は、動的および静的3Dシーンの3D表示のぼかしを除去するために使用することができる。本書で使用する場合、3Dシーンとは、時間に沿って3次元で表示されるシーン、および/または多数の視点(POV)から表示されるシーンを意味する。任意選択的に、3Dシーンは静的シーン、例えば画像分離マスクの前面に印刷および/または付着されたインタレース画像によって表わされるシーンである。任意選択的に、3Dシーンは動的シーン、例えば画像分離マスクディスプレイ上に投射される3Dシーンである。参照によって本書に組み込まれるWojciech Matusikらの「3D TV:A Scalable System for Real‐Time Acquisition,Transmission,and Autostereoscopic Display of Dynamic Scenes,Mitsubishi Electric Research Laboratories,Cambridge,MAを参照されたい。任意選択的に、3Dシーンは、複数の異なる映像が表示され各映像が異なる角度に表示される動的シーンである。
【0053】
任意選択的に、ぼけプロファイルは、画像分離マスクを用いて達成されるマルチ画像表示によって表示されるビューを視覚化する1つ以上の画像をエミュレートするために使用される。パーソナルコンピュータまたは任意の他のクライアント端末のスクリーンなどの、2Dディスプレイでユーザに表示することができ、かつ/またはレンチキュラレンズアレイおよび/または一般的に使用される印刷媒体上に印刷することのできる、そのような視覚化は、静止画像および/または一連の画像が画像分離マスクを通して、かつ/または画像分離マスク上に投射されたときに、どのように見えるかをユーザが知ることを可能にする。
【0054】
ここで図2をも参照すると、それは、本発明の一部の実施形態に係る、マルチ画像表示用の1つ以上の画像をゴースト除去しかつ/またはぼかすためのぼけプロファイルを識別するための較正システム200の略図である。較正システム200は任意選択的に、画像分離マスク205を通して、または画像分離マスク205上に、較正パターン202を表示するためのイメージングモジュール201を備える。較正パターン202は印刷しかつ/またはディスプレイ上に表示することができ、その評価が可能になる。較正パターン202は、オペレータ203および/または画像取込み装置204に対して表示され、それらを合わせてまたは別々に評価者208と呼ぶことがある。較正パターン202は、画像分離マスク205によって引き起こされるぼけを示す1つ以上の特徴の強さまたは視認性などの特徴を評価者208が目測することを可能にする。任意選択的に下でさらに記述するように、較正システム200は、ユーザの目測に従ってぼけプロファイルを推定するための較正モジュール207を含む。較正システム200はさらに、評価者208が上述した目測を入力することを可能にするための入力モジュール206を備える。任意選択的に、評価者は本書でオペレータ203と呼ばれる人間オペレータ203であり、入力モジュール206は、スクリーンなどの表示ユニット上で、人間オペレータ203に対して表示されるユーザインタフェースを含む。任意選択的に、ユーザインタフェースは、表示された較正パターン202上に現われる1つ以上のアーチファクトをオペレータ203が指摘することを可能にする、グラフィックユーザインタフェース(GUI)である。任意選択的に、GUIは各アーチファクト用の要素を含む。例えばGUIは多数のスライダを含み、各スライダは、1つ以上の目視測定についてユーザが指示することを可能にするように設計される。評価者の目測は、例えば上で略述しかつ/または下で説明するように、画像分離マスク205を通して表示されるように構成された1つ以上の画像に対する1つ以上の調整を設定するために使用することができる。
【0055】
較正システム200はさらに、任意選択的に上に略述かつ/または下で説明するように、ユーザ目測に従ってぼけプロファイルを較正するための較正モジュール207を備える。較正モジュール207は、ぼけプロファイルに従って静止および/またはビデオ画像またはそれらのインタレースにゴースト除去および/またはぼかしを行なうために、任意選択的に出力モジュール209を介して調整モジュール(図示せず)にぼけプロファイルを出力する。静止および/またはビデオ画像は画像分離マスクを通して、またはもう1つの同様の特性を有する画像分離マスクを通して、例えばピッチ、曲率、屈折率、レンチキュラレンズの相対位置、透明度などの同様の特性を有する画像分離マスクを用いて表示するように設計される。任意選択的に、較正モジュール207は、画像分離マスクならびに加えて他の要素および/または特徴によって引き起こされるぼけを考慮に入れたぼけプロファイルを作成するために、ユーザの目測を使用する。例えば、較正パターンが画像分離マスクに印刷および付着されるときに、ユーザは、プリンタの解像度、基材のタイプ、鏡面基材のタイプ、インクのタイプ、インクの滲みのタイプ、インク盛りのタイプ、縁部鮮鋭度、および印刷中の室温などの特性によっても引き起こされるぼけを持つマルチ画像表示における1つ以上の特徴の強さまたは視認性などの特徴を目測する。調整は、評価者208によってもたらされる1つ以上の目測に従って行われる。
【0056】
ここで図3を参照すると、それは、本発明の一部の実施形態に係る、較正システム200、調整サーバ302、およびぼかしを生じるクライアント端末304間の接続の略図である。較正システム200のコンポーネントおよび評価者208は図2に示す通りであるが、図3は分散システムを示しており、較正システム200、調整サーバ302、およびクライアント端末304は、インターネットおよび/またはイーサネット(登録商標)などのコンピュータネットワーク301を通して接続される。そのような実施形態では、評価者208は、パーソナルコンピュータなどの、コンピュータネットワーク301に接続されたクライアント端末を使用することができ、例えば下述するように、表示された較正パターン202の視覚的評価を入力するために入力モジュール206にホスティングまたはアクセスする。上述の通り、較正システム200は、画像分離マスク205または同様の画像分離マスクを通して表示される画像のマルチ画像表示を視覚化するために使用することができる。任意選択的に、較正システム200は、視覚化をユーザに対して表示するクライアント端末304に接続される。そのような実施形態では、システム100は、ユーザ305によって選択されるマルチ画像表示の内容に適用されるぼけプロファイルを定義することができる。任意選択的に、較正システム200はウェブサイトをホスティングするウェブサーバにぼけプロファイルを提供する。ウェブサイトは、ユーザ305がクライアント端末304を用いて、自分が選択および/またはアップロードした画像または一連の画像を視覚化することを可能にする。視覚化はユーザが、あたかも画像分離マスクまたは同様の画像分離マスクを通して表示されたかのように、選択および/またはアップロードされた画像を見ることを可能にする。任意選択的に、システムは、アップロードされた画像、および/またはマルチ画像表示で表示されるように設計され任意選択的にインタレースされた他の画像を格納するために使用されるデータベース404に接続される。評価者208の入力に従って較正モジュール207によって生成されるぼけプロファイルは、選択されかつ/またはアップロードされた1つ以上の画像をぼかすために使用され、ユーザ305がクライアント端末304を通してそれらを入手できるようにする。
【0057】
そのような実施形態では、3D映画またはクリップなどの1つ以上のシーンの創作者は、該システムを使用して、実際にマルチビューコンテンツを画像分離マスクに投射もしくは表示することなく、または実際にマルチビューコンテンツをマルチビュー表示として固定することなく、マルチビューコンテンツを編集することができる。
【0058】
そのような実施形態では、305などのグラフィックコンテンツの創作者は自分が選択および/またはアップロードしたグラフィックコンテンツに基づく1つ以上のマルチ画像表示物の視覚化を見ることができ、選択および/またはアップロードされたコンテンツに基づくマルチ画像表示を生成、印刷、および/またはコピーするためにクライアント端末304を使用する。調整サーバ302は選択および/またはアップロードされた画像をぼけプロファイルに従って調整し、創作者305用のマルチビュー表示を生成するために印刷装置および/またはコピー装置などの装置を使用する。
【0059】
任意選択的に、表示は印刷物であり、視覚化は、マルチ画像表示物を印刷および/またはコピーするために使用される特定の印刷および/またはコピー装置の特性に従って、例えば印刷および/またはコピー装置によって特定の印刷にもたらされる1つ以上の印刷アーチファクトに従って計算される。任意選択的に、視覚化は、印刷および/またはコピー媒体によって生じる、より多くの印刷アーチファクトに従って計算される。例えば、印刷アーチファクトは滲みアーチファクト、縁部鮮鋭度アーチファクト、バンディングアーチファクト、および光沢不均一性アーチファクトである場合がある。任意選択的に、印刷アーチファクトプロファイルは較正モジュール207によって作成され、上述した視覚化を調整するために使用される。
【0060】
視覚化は例えば、ぼけプロファイルに従ってかつ任意選択的に印刷アーチファクトプロファイルに従って調整される、マルチ画像表示物の1つ以上のアニメーションおよび/または1つ以上のアナグリフ画像の作成によって、種々の形を取ることができることに注目されたい。任意選択的に、アニメーションおよび/またはアナグリフ画像は、プリントアウト、スクリーン表示、および/または1つ以上の選択および/またはアップロードされた画像および/またはアナグリフ画像を表示する任意の他の形で出力される。参照によって本書に包含される、例えば2002年5月14日発行の米国特許出願第6389236号を参照されたい。
【0061】
ここで再び図2を参照すると共に、例示的較正パターンテンプレートである図4、および本発明の一部の実施形態に係る、較正パターンテンプレート内に配置するように設計された例示的な可変性較正タイルを図式的に示す図5を参照しながら説明する。上述の通り、ユーザおよび/または画像取込み装置は、例示的較正パターンに基づき特定の画像分離マスクによって引き起こされるぼけを評価するために使用される。
【0062】
本発明の一部の実施形態では、イメージングユニット201は、マルチ画像表示物を作成するために使用される1つ以上のインタレース画像の印刷と略同様に較正パターンを印刷する。較正パターンは、レンチキュラレンズアレイの裏面、または上記画像分離マスクと同様もしくは略同様の任意の他の画像分離マスクの裏面に配置される。較正パターンの例えば181で示される各白枡は、例えば図5に示すように可変性較正タイルに置換される。評価者208は画像分離マスクを通して可変性較正タイルの明瞭性を捕捉または観察し、各行において、可変性較正タイルが関連周囲フレームから区別できない列を識別する。任意選択的に、較正パターンは画像分離マスクの裏面に直接、または画像分離マスクの裏面に近接して配置された媒体上に、任意選択的に最終インタレース画像が印刷されるのと同様の仕方で印刷される。
【0063】
任意選択的に、可変性較正タイルは少なくとも1つのビューでは非白色セグメントを含み、残りのビューでは白色セグメントを含む。明確を期すために、画像分離マスクによって表示されるn個の可能なビューが存在すること、および較正タイルの内容は画像分離マスクのそれぞれのビューに対応するn個の値のベクトルEによって表わすことができることを想定する。一部の実施形態では、較正タイルは次のように定義される。
ここで1は黒セグメントを表わし、0は白セグメントを表わす。そのような仕方で、各タイルは1つのビューでは絶対黒を含み、他の全てのビューでは絶対白を含む。タイルの数は、ビューの個数であるnに等しい。他の実施形態では、較正タイルは次のように定義される。
ここで各値はそれぞれのセグメントのグレーレベルを表わす。そのような仕方で、各タイルは、各々異なる視点から見て異なるグレーレベルを持つセグメントを含むことができる。
【0064】
任意選択的に、較正パターンは、シミュレートする必要のある印刷効果に依存する。図4および5は例えば、ビュー内およびビュー間のぼかし効果をシミュレートする。測定プロセスは、各々が試験に関連付けられる1組の測定から構成される。図4は、6つの試験および/または測定の1例を表わす。各試験に対し、異なるパターンが、180で示すように異なる強度の境界内に印刷される。ひとたびパターンが画像分離マスクの裏に配置されると、評価者208は、各試験および/または各行に対し、画像分離マスクの効果により内部矩形が周囲境界と同一見かけの強度を持つようになった列を識別する。そのような列が幾つか存在する場合、評価者208は列の1つ、例えば真ん中の列を選ぶか、あるいは全ての列を出力として提供することができる。この列は、あたかも評価者208が強度を測定したかのように、試験のレンチキュラ強度の推定品質を表わす。
【0065】
ここで再び図2を参照すると共に、図9〜10を参照しながら説明する。図9〜10は、本発明の一部の実施形態に係る、本書でアーチファクト較正テンプレート350と呼ぶことのある、分離可能なアーチファクト識別子を有する例示的較正パターンテンプレート350、および例示的較正パターンテンプレート350に従ってぼけプロファイルを調整するためのGUI351それぞれの略図である。例示的較正パターンテンプレート350の分離可能なアーチファクトの識別子は9桁の数字である。オペレータは、マルチビュー表示を通して数字を見るように、かつそれらの強度を調整するためのスライダ352を用いることによってそれらの知覚された強度を調整するように要求される。ユーザは、それぞれのスライダ352を操作することによって、各々の数字の知覚された強度をそれぞれの行355の強度と整合するように調整する。GUI351は、どの視覚的効果が例示的較正パターンテンプレート350に現われているかを、オペレータ203が指摘することを可能にする。GUI351は、各々が353で示すようにアーチファクト較正テンプレート350の分離可能なアーチファクト識別子の1つを調整するように設計された、例えば352に示す多数のコントロールを含む。
【0066】
任意選択的に、ユーザは、較正パターンテンプレート350を画像分離マスク上に配置するように、または該テンプレートを該マスク上に投射するように要求される。次いで、オペレータ203は、印刷された較正パターンテンプレート350上に現われる各々の分離可能なアーチファクト識別子の強度を評価し、それぞれのコントロール、任意選択的にGUI351のスライダを使用して、任意選択的にGUI351によってシミュレートされる較正パターンテンプレート354の視覚化を調整する。調整は、視覚化された較正パターンテンプレート354の強度を、画像分離マスクを通して表示されるかまたは画像分離マスク上に投射された印刷較正パターンテンプレート351と均等化することによって、視覚的評価を定義する。任意選択的に、ユーザは、シミュレートされた各々の分離可能なアーチファクト識別子の強度を、較正パターンテンプレート350上のそれぞれの分離可能なアーチファクト識別子の強度と相似するように調整する。次いで、シミュレートされた較正パターンテンプレート354をオペレータ203が調整した後、オペレータ203によって、任意選択的に上述した較正モジュール207によって調整された強度に基づいて、ぼけプロファイルが推定される。
【0067】
本発明の一部の実施形態では、調整された強度は、例えば方程式4に関連して下述するように回帰分析によって、ぼけプロファイルを作成するために使用され、ここで1組の調整された強度値は1組の測定値Mjに対応する。他の実施形態では、ぼけプロファイルカーネルKは、測定値Mjの和1への正規化として算出される。
【0068】
較正パターンの現出は、評価者208の視点の位置によって異なることに注目されたい。任意選択的に、入力モジュール206は、評価者208が現在の位置を自分および/またはそれに対して提供することを可能にする。現在の位置は任意選択的に、1つ以上のインタレース画像および/または1つ以上のインタレース画像の視覚化を較正するために使用される。
【0069】
ここで図6をも参照すると、それは、本発明の一部の実施形態に係る、画像取込み装置204、較正パターン202、較正システム200、および画像分離マスク205の略図である。図6に示す通り、画像取込み装置204は処理ユニット210に接続される。任意選択的に、処理ユニット210はシステム200および画像取込み装置204によって使用される。上述の通り、目測を提供する評価者は、人間オペレータ203および/または画像取込み装置204とすることができる。図6に示す通り、画像取込み装置204は、較正パターンから反射しかつ画像分離マスク205を通過した光を光学的に測定する。任意選択的に、画像取込み装置は処理ユニット210を使用して光測定を受け取り、それらを処理して例えば下述するように表示のぼけプロファイルを推定する。
【0070】
本発明の1実施形態では、画像取込み装置204は、図4に示された較正パターンから出射した光を測定する。光は画像分離マスク205を通過するので、測定される光は、マスクの光学的構造および任意選択的にその光学収差によって影響されていることが確実である。任意選択的に、測定される光は表示の他の特徴によって影響される。例えばマルチ画像表示が、画像用紙上に印刷されレンチキュラレンズの裏面にラミネートされた画像を含む場合、他の態様として用紙のタイプ、ラミネーションの品質、インクのタイプ、ハーフトーニングアルゴリズム等が挙げられる。上述の通り、本発明の一部の実施形態では、画像分離マスク205はレンチキュラレンズアレイを含む。任意選択的に、レンズのピッチは事前に較正モジュール207に提供される。そのようなデータは、コンピュータネットワーク301に接続された上述のデータベース404に格納するか、あるいはシステムオペレータによってアップロードすることができる。そのような情報は任意選択的に、マルチ画像表示用の最終画像を作成するために適用されるインタレースプロセス中に使用される。
【0071】
本発明の一部の実施形態では、較正パターンは、画像取込み装置204が、例えば例示的較正パターンテンプレート185である図7および本発明の一部の実施形態に係る例示的可変性較正タイルの略図である図8に示すように、該パターンから出射する光を測定できるように設計される。較正パターンテンプレート185は図4で使用されたパターンと同様であるが、この較正パターンテンプレート185はさらに、その隅193、194の各々におけるアラインメントマーク、および各行用の相互にずらしたセンタリングマーク191のセットを含む。任意選択的に、アラインメントマークは、画像分離マスク205の20個のレンチキュールの領域と同様の領域をカバーする。図8の例示的可変性較正タイルは、図5で使用された可変性較正タイルと同様であるが、これらの可変性較正タイルは、較正パターンテンプレート185の白枡内に配置される前に90度回転される。そのような仕方で、任意選択的にレンチキュラレンズアレイである画像分離マスク205は、レンチキュールが水平方向に配向されるように配置することができる。タイルは190の領域に配置される。
【0072】
最初に、較正パターンテンプレート185は上述の可変性較正タイルで埋め尽くされ、基準画像を作成する。Tと呼ばれることのある基準画像は、任意選択的に下述するようにマッチングのために格納される。較正パターンテンプレート185はまたマルチビュー表示でも表示され、例えばレンチキュラレンズアレイなどの画像分離マスクの裏面に印刷され、例えば図6に示すように画像分離マスク205を介して画像取込み装置204に対して表示される。ここで、Tが定義され、それぞれの較正パターンがマルチビュー表示で表示され、例えば印刷された後、表示/印刷された較正パターンの画像は取り込まれる。任意選択的に、取り込まれた画像と基準画像との間のアラインメントが見出される。アラインメントは任意選択的に、アラインメントマーク193、194を用いて識別される。アラインメントは当業界で公知の任意の多くのアラインメント方法によって見出すことができることに注目されたい。任意選択的に、アラインメントマーク193、194はパターン認識のための画像相関などのパターン認識検出方法を用いて識別される。参照によって本書に組み込まれる、1991年11月12日発行の米国特許第5065440号を参照されたい。次いで、取り込まれた画像における4つのアラインメントマーク193、194の位置と基準画像におけるそれらの位置との間の変換が導出され、取り込まれた画像を位置合わせするために使用される。任意選択的に、取り込まれた画像は、位置合わせされた取込み画像を作成するために、動的に再サンプリングされる。参照によって本書に組み込まれる、1994年12月22日出願の米国特許第5594676号を参照されたい。そのような変換は当業界で公知であり、したがって本書ではこれ以上説明しないことに注目されたい。参照によって本書に組み込まれる、例えば1999年3月16日出願の米国特許第6510244号、2003年7月29日出願の米国特許第7175285号、2003年11月13日出願の米国特許第7274832号、および2002年2月20日出願の米国特許第7113632号を参照されたい。明確を期すために、位置合わせされた取込み画像をIWと呼ぶことができる。
【0073】
ここで、アラインメント後にぼけプロファイルを算出することができる。明確を期すために、位置合わせされた取込み画像はIWと呼ぶことができる。較正パターンテンプレート185の各行に対し、その付近のパターンに最も近い強度のパターンを持つ可変性較正タイル入りの枡が設けられる。明確を期すために、較正パターンテンプレート185の行の各々をrKと呼ぶことができ、ここでKは行の番号を表わす。ここでf1,...,fhと呼ぶことのできる枡の既知の位置を前提として、それぞれb1,...,bhおよびO1,...,Ohと呼ばれるそれらの内側部分の領域およびそれらを包囲する領域に現われるパターンは、次のように算出することができる。
ここでyはIWにおける周囲領域の平均輝度の差を最小化するインデックスであり、Eは平均演算子を表わす。次に、yが算出された後、ぼけプロファイルのコンボリューションカーネルKは、下述するように回帰分析を用いることによって回復され、ここで定義される周囲領域Oyの輝度値は、下で定義する測定の値Mjと一致する。
【0074】
任意選択的に、評価者208は、評価がそこから実行されることになっている位置または視角の指標を受け取る。任意選択的に、較正パターンは、評価者208が較正パターンに対するその位置および/または視角を突き止めるのを助けるパターンを含む。中心ビューなどの特定のビューの位置を突き止めるためにそのようなパターンを使用することは、レンチキュラ印刷プロセスの標準技術である。そのような任意選択的プロセスは当業界で公知であり、したがって本書ではこれ以上説明しない。
【0075】
任意選択的に、較正パターンは、評価者208がその位置および/または視角を識別することを可能にするパターンを含む。そのような実施形態では、評価者は、その位置および/または視角に関する情報を測定値と共に提供する。そのような位置情報は、評価者が輝度、コントラスト、画像内の画像特徴およびゴーストの位置などの特性を識別することを可能にすることにより、または相関関係などのパターン認識アルゴリズムの使用を可能にすることにより、例えば幾つかのインタレース画像からどの画像がパターン内で見えるかを識別するように評価者に指示することによって取得することができる。そのような実施形態では、較正パターンの現出はユーザの視点位置および/または視角に依存する。任意選択的に、較正パターンは、評価者が該パターンに対するその位置を突き止めることを助ける1つ以上のテンプレートを含む。
【0076】
任意選択的に、較正パターンはバンディングパターンを含む。周知の通り、光学的バンディングアーチファクトは、マルチ画像表示の望ましくないアーチファクトである。光学的バンディングアーチファクトは、画像分離マスクのピッチがマスクに付着または投射されるインタレース画像により較正されていないことを示している場合があり、かつ/または印刷/表示プロセスの不正確さを示している場合がある。
【0077】
任意選択的に、イメージングユニット201は、各線が例えば図11に示すように他の線から相互に一定距離に配置された黒線の繰返しパターンを表わす、バンディング較正パターン370を印刷するために使用される。評価者208はここで、バンディング較正パターン370から反射されるバンディングの範囲およびその変位などのバンディング効果の特性を評価し、目測を入力するために入力モジュール206を使用する。任意選択的に入力モジュール206は、図4に示す較正パターンの使用と同様に、評価者208が目測を容易に入力することを可能にする1つ以上のスライダなどのGUIを表示する。
【0078】
別の実施形態では、図12に示すように、バンディング効果をシミュレートする1つ以上のパターン481を含むGUI480が、任意選択的にオペレータ203である評価者208に表示される。任意選択的にオペレータ203である評価者208は、バンディング効果が見えるか否かを視覚的に評価し、かつ任意選択的にバンディング効果の特性を定義するために1つ以上のスライダ482を使用する。1つ以上のパターン481は、スライダによって行われる調整に応答する。調整は、上述の通り、1つ以上の画像を較正するためのバンディングプロファイルを定義する較正モジュール207に転送される。バンディングプロファイルの推定サイズは、例えば入力画像における同様のバンディングをシミュレートすることにより、例えば、ユーザによって指示された1つ以上の特性を有する遷移を表わす一連の画像を提示することにより、バンディング効果を低減するために使用することができる。
【0079】
バンディングプロファイルの別の可能な使用は、2つ以上の光学的バンディングアーチファクトを含む1つ以上の領域を回避することである。そのような仕方で、1つのビューから別のビューへの遷移は画像の片側から始まり、別の側に進む。例えば画像が2×2インチを有するレンチキュラレンズアレイ上に印刷するように設計され、かつバンディング効果が約2.5インチ幅となるようにユーザが指定する場合、バンディング効果が2×2インチ画像の間の空間のみに発生し、画像自体には発生しないように、2×2の画像を配置することができる。
【0080】
ここで図13を参照すると、それは、本発明の一部の実施形態に係る、マルチ画像表示を視覚化するための方法のフローチャートである。ブロック101〜104は図1に示した通りであるが、図13はさらに、インタレース画像などの1つ以上の画像のマルチ画像表示の視覚化を可能にする多数のブロックを示す。
【0081】
251に示すように、任意選択的に上記の通り異なる視野方向に同時に提示される1つ以上の画像を受け取る。次いで、252に示すように画像は任意選択的にインタレースされる。次いで、253に示すように、インタレース画像の1つ以上は、101〜104で算出されたぼけプロファイルを用いてぼかされる。任意選択的に、ぼけプロファイルはコンボリューションフィルタとして定義され、ぼかしはインタレース画像全体に畳み込みを行なうことによって実行される。次に、254に示すように、1つ以上のぼかしたインタレース画像が視覚化される。任意選択的に、ぼかしたインタレース画像は任意選択的に、1つ以上のぼかしたインタレース画像から関連列を捕集および/または補間することによってデインタレースされる。
【0082】
画像が任意選択的に視覚化のためにデインタレースされるので、プロセスの計算量を低減することができる。任意選択的に、1つ以上の受取り画像の1つ以上のセグメントだけがインタレースされ、インタレース画像全体を作成する必要が無い。例えば各々がインタレース画像の一部分を作成し、その一部分だけをぼかすことができる。
【0083】
本発明の一部の実施形態では、マルチ画像表示のエミュレーションは1組の半透明画像によって実現される。エミュレートされたマルチ画像表示は次のように定義される。
ここでν1,...,νnは、マルチビュー表示に提示される1組のビューに対応するn個の半透明画像を表わし、s1,...,snは、1実施形態ではぼけプロファイルのカーネルKの値に対応するそれぞれの半透明画像のそれぞれの強度を表わし、vはエミュレートされたマルチ画像表示のビューを表わす。
【0084】
任意選択的に、ぼけプロファイルは回帰分析を用いて回復される。本発明の一部の実施形態では、1組のコンボリューション係数は最小二乗回帰プロセスを用いて回復される。明確を期すために、M1,...,MKの各々は、評価者によって識別された測定値に各々対応する1組の測定値のメンバを表わし、P1,...,PKの各々は、1組のテンプレートベクトルのメンバを表わす。そのような実施形態では、較正パターンは任意選択的に、各々が1組の均一な列から構成される多数の印刷されたテンプレートを含む。テンプレートベクトルの各々は、印刷されたテンプレート列の強度値を含む。明確を期すためにKで表わされるコンボリューションカーネルは、次の組の1次方程式を解くことによって回復される。
ここでj=1...Kであり、sはユーザの視点位置を表わす。
【0085】
任意選択的に、上記組の測定値M1,...,MKは、オペレータ203によって調整される値に従って、例えば図4に示しかつ上述したように、各行に対してオペレータによって選択された枡によって定義される強度に従って決定され、テンプレートベクトルP1,...,PKは、任意選択的に上述したようにオペレータに提示されるそれぞれの分離可能なアーチファクト識別子に対応する。そのような実施形態では、j番目の分離可能なアーチファクト識別子がビューiに現出した場合、Pi[j]=1であり、それ以外ではPi[j]=0である。
【0086】
任意選択的に、上記組の測定値M1,...,MKは、図10に示されかつ上述したGUIのスライダによって定義される強度に従ってオペレータ203によって調整される値に従って決定される。
【0087】
任意選択的に、253で実行されるぼかしは線形モデリングを用いて行われる。任意選択的にコンボリューションカーネルであるぼけプロファイルは、参照によって本書に組み込まれる例えば2008年1月15日出願の国際特許出願IL2008/000060に記載されるように、測定プロセスを単純化する。任意選択的に図4および5に示す較正パターンは1組の均等な列から構成され、テンプレートベクトルP1,...,PKの各々は、印刷されたテンプレート列の強度値を含む。任意選択的に、幾つかの基底関数を有する1次関数として任意選択的に定義される一般1次ぼけ関数が定義される。任意選択的に、該1次関数は、t基底カーネルKiの1次結合として与えられるコンボリューションカーネルKの畳み込みに基づくシフト不変ぼけ関数として実現される。
【0088】
任意選択的に、基底関数の組は、スプライン、多項式、零平均および異なる分散のガウス型などの補間関数を含む。
Kは次の組の方程式を回復することによって算出される。
ここでj=1,...,Kであり、αi,...,αtは方程式で解かれた1組の1次係数を表わし、sは任意選択的に上述したようにユーザの視点位置を表わす。任意選択的に、253で実行されるぼかしは、非線形モデリングを用いて行われる。そのような実施形態では、例えば次のように多数のコンボリューションカーネルが使用される。
ここでαおよびβはパラメータであり、kは、フィルタサム(filter sum)を例えば1に正規化するために使用される正規化係数である。任意選択的にガウスフィルタを含め、多数のフィルタが任意選択的に使用される。
【0089】
任意選択的に、ぼけプロファイルは少数のパラメータ、好ましくは1〜2個のパラメータにより定義することができる。ぼけプロファイルは次のように推算することができる。
a.画像分離マスクの裏に付着および/または印刷された較正パターンを提供する。そのような較正パターンの1例として、任意選択的に本発明の一部の実施形態に係る矩形に配列された9つの円形勾配パターンの画像の組の例示的略図である図14に示すように、1組の画像に基づくインタレース画像がある。各画像は異なる円形にドットを含む。
b.各シミュレーションで異なるぼけを用いて、較正パターンの1つ以上のシミュレーションを評価者に対して表示する。
c.提供された較正パターンに他のシミュレーションより似ているシミュレーションの1つを評価者に選択させる。任意選択的に、選ばれたシミュレーションはぼけプロファイルを設定するために使用される。
【0090】
ここで、再び図1を参照しながら説明する。任意選択的に、1つ以上のシミュレーションが、スクリーンなどのディスプレイ装置を使用して評価者に提示される。任意選択的に、評価者は入力モジュール206を用いて、シミュレーションの1つ以上のぼけパラメータを調整し、かつその調整を視覚的に評価することができる。任意選択的に、入力モジュール206は、上述したイメージングユニット201またはディスプレイ装置に表示されるGUIである。そのようなGUIは任意選択的に、仮想スライダ、コンボボックス、仮想ノブ、および/またはぼけを調整するために使用することのできる任意の他のグラフィックツールを含む。任意選択的に、イメージングユニット206は、各々が異なる組のパラメータによって定義されるぼけをシミュレートする複数のプリントを出力するように設計される。
【0091】
上述の通り、較正システム200は、ぼかしフィルタを作成するために使用することのできるぼけプロファイルを算出するように設計される。そのようなぼかしフィルタは、画像分離マスクによって、例えばレンチキュラレンズアレイによって生じる光学的ぼけアーチファクトなどのアーチファクトを低減するために使用することができる。任意選択的に、ぼけプロファイルは、1つ以上のゴーストアーチファクトを低減および/または排除するために使用することができる。本書で使用する場合、ゴーストアーチファクトとは、画像が少なくとも別の画像の要素をも含むように見える視覚的効果を意味する。レンチキュラレンズアレイでは、レンチキュールに当たる光はレンチキュラ材料全体で反射する。凸形のレンチキュールを前提として、光は様々な角度に反射する。これは、理論的には、所与の視角に対して印刷画像の1セグメントだけを見ることがサポートされるが、光は画像の他のセグメントからも反射するので、観察者にはそれらもある程度見える場合があることを意味する。
【0092】
3D画像の奥の被写体のぼけた状態として、または少なくとも1つの画像の別の画像へのオーバレイとして表わされるゴーストアーチファクトは、任意選択的に、ぼけプロファイルに従ってモデル化される。任意選択的に、ゴーストアーチファクトは、インタレース画像などのマルチ画像表示で表示されるように設計された画像から低減される。任意選択的にかつ/または代替的に、ゴーストアーチファクトは、インタレース画像を作成するために使用されるように設計された画像から、またはインタレース画像を作成するために使用するように設計された画像のセグメントから低減される。
【0093】
ゴーストアーチファクトは、本書でゴースト除去および/またはぼかし除去プロセスと呼ぶことのできるプロセスで、ぼけプロファイルに従って低減することができる。任意選択的に、インタレース画像の画素の値は、係数の少なくとも1つが負となるように線形結合される。そのような仕方で、ゴースト除去プロセスと、任意選択的にレンチキュラレンズアレイである画像分離マスクによって生じるぼけとの結合効果は、ゴースト除去プロセス無しで生じるぼけより著しく低い。
【0094】
任意選択的に、ゴースト除去プロセスは、次のように定義される反復プロセスである。
ここでIはインタレース画像を表わし、fは方程式4、5に示されるカーネルKなどのモデル化されたレンチキュラぼかしプロセスのコンボリューションカーネルであり、gは任意選択的にfに等しいぼけ演算子を表わし、sは、インタレース画像を所定の範囲に維持するように定義される、例えば8ビット画像の場合0から255の間のサイズを表わし、画像I(n)は最後の繰返しで算出されるプロセスの結果を表わす。任意選択的に、fが対称である場合、g=fである。任意選択的に反復回数は予め定められる。任意選択的に反復回数は、sのサイズに従って定義することのできる停止基準に従って動的に決定される。
【0095】
本発明の一部の実施形態では、マルチビュー表示はハーフトーンフォーマットの画像を必要とする。本書で使用する場合、ハーフトーンフォーマットとは、網点の表わす階調の強度に正比例して変化する様々なサイズおよび形状の一連の網点によって細部および階調値が表わされる、写真製版法による印刷表面またはそこからの印象を意味する。そのようなマルチ画像表示の1例は、参照によって本書に組み込まれる米国特許第6061179号に、またはそれに付着または印刷された1つ以上の画像を有するレンチキュラレンズアレイなどのマルチ画像表示に提示されている。通常、ハーフトーンフォーマットは各画素が低ビット数で表わされるフォーマットである。ハーフトーニングまたはハーフトーンスクリーニングプロセスは、高品質の画像を複製するために使用することができる。参照によって本書に組み込まれる、例えば1990年4月13日出願の米国特許第5107346号、および2002年2月22日出願の米国特許第5991438号を参照されたい。1例として、1つ以上のハーフトーン画像を入力として受け取る印刷装置および/またはコピー装置によって生成される印刷レンチキュラ表示がある。
【0096】
任意選択的に、ぼかし除去またはゴースト除去は、マルチビュー表示のぼけプロファイルを考慮に入れるハーフトーニングプロセスとして実行される。任意選択的にハーフトーニングプロセスは、参照によって本書に組み込まれる例えば米国特許第5475497号に記載するように、変調伝達関数(MTF)および/または有限インパルス応答(FIR)フィルタのインパルス応答に基づくフィルタに従って定義される、少なくともスクエアハーフトーニング(squares halftoning)アルゴリズムを用いて実現される。そのような実施形態では、ゴースト除去フィルタは、2つの1次元フィルタの積に基づく。第1の1次元フィルタはぼけプロファイルまたはそこから導出される任意のフィルタであり、第2の1次元フィルタは、参照によって本書に組み込まれる例えば米国特許第5475497号の図3および4にあるように、人間の視覚をモデル化するために使用されるフィルタのインパルス応答である。
【0097】
この出願が実った特許の存続期限中に、本願の多くの関連装置、方法、およびシステムが発展することが予想され、シーケンス、画像カメラ、ネットワーク、および通信といった用語の範囲は、全てのそのような新技術を先験的に包含することを意図している。
【0098】
本明細書中で使用される用語「約」は、±10%を示す。
【0099】
用語「含む/備える(comprises、comprising、includes、includining)」、「有する(having)」、およびそれらの同根語は、「含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味する。
【0100】
用語「からなる(consisting of)」は、「含み、かつそれらに限定される(including and limited to)」ことを意味する。
【0101】
用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、さらなる成分、工程および/または部分が、特許請求される組成物、方法、または構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合にだけ、組成物、方法、または構造がさらなる成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。
【0102】
本明細書中で使用される場合、単数形態(「a」、「an」および「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。
【0103】
本開示を通して、本発明の様々な実施形態が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5および6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
【0104】
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲である/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数および整数とを含むことが意味される。
【0105】
明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施形態に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の各種の特徴は、別個にまたは適切なサブコンビネーションで、または本発明の他の実施形態において好適に提供することもできる。種々の実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしに動作不能である場合を除いては、それらの実施形態の不可欠な特徴であると見なされるべきではない。
【0106】
本発明はその特定の実施形態と共に説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神の広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。
【0107】
本明細書中で言及した刊行物、特許および特許願はすべて、個々の刊行物、特許または特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。節の見出しが使用されている範囲まで、それらは必ずしも限定として見なされるべきではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、その一部の実施形態では、マルチ画像表示を較正および/または視覚化するためのシステムおよび方法に関し、さらに詳しくは、画像分離マスクに基づくマルチ画像表示の較正および/または視覚化のためのシステムおよび方法に関するが、それらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
市場の需要を満たすために、マルチ画像表示は2D表示に課せられる高品質標準に適合しなければならない。そのような空間表示のユーザは、高解像度、ロバスト性、信頼性、厚さ、低コスト、ならびにカメラおよび立体カメラを含め事実上全ての共通映像フォーマットのサポートが重要であると考える。
【0003】
マルチ画像表示を作成するための方法の1つは、画像および/または部分画像の空間的または時間的インターディジテーション(interdigitation)によって達成される。マルチビュー表示と呼ばれることのある空間的インターディジテーションによる空間表示について言うと、複数の隣接画素またはそれらの色サブ画素はグループ化されて画素クラスタを形成し、各画素は異なる視点からの3Dシーンを含む。例えば2002年4月2日に発行された米国特許第6366281号を参照されたい。バリア、レンチキュラレンズアレイ、または他の光学要素などの画像分離マスクは、各画素クラスタの画素内容を空間に扇状に投射する。各扇は、特定の視点からの3Dシーンの画像内容を含む。観察者の両眼が隣接する扇に位置する場合、観察者は所望の立体的表現を知覚する。しかし、この構成は低い解像度が弱点である。全体的解像度は、画像マトリクスの解像度によってではなく、より粗い画素クラスタ解像度の解像度によって決定される。例えば8つの視点を持つ画像は解像度が1/8に低下する。
【0004】
マルチ画像表示を作成するための別の方法は、要素が傾斜するときに視覚的動きをもたらす画像構造を画像の一部分に組み込む要素を製造するプロセス、および特に、動画像要素を生成するためのシステムに関する。例えば2001年3月6日に発行された米国特許第6198544号を参照されたい。
【0005】
時間的インターディジテーションによるマルチ画像空間表示について言うと、(例えばNeil A.Dodgsonら:A 50″ time‐multiplexed autostereoscopic display,ProcSPIE 3957、「Stereoscopic Displays & Applications XI」を参照)、光源は相互に隣接して配置され、画像分離マスクに投射され、それは投射された光の変調を可能にする。観察者は、各眼で異なる視野を見ながら、変調された投射光を見ることができる。投射光は異なる視点から見られるシーンを表わすので、観察者は立体画像を知覚する。同じことは数人の観察者にも当てはまる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一部の実施形態の態様では、第1画像分離マスクによるマルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するための方法を提供する。該方法は、第2画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、評価者が目測(visual estimation)を行なって第2画像分離マスクにより較正パターンにもたらされるぼけを指摘することを可能にするステップと、目測に従って少なくとも第1画像分離マスクのぼけプロファイルを発生させるステップとを含む。第1および第2画像分離マスクは実質的に同様の光学的プロファイルを有する。
【0007】
任意選択的に、評価者はシステムオペレータである。
【0008】
任意選択的に、ぼけプロファイルはコンボリューションカーネルを含む。
【0009】
任意選択的に、該方法はさらに、ぼけプロファイルを用いて、マルチ画像表示から少なくとも1つのゴーストアーチファクトを減少させるステップを含む。
【0010】
さらに任意選択的に、減少ステップはハーフトーニングプロセスでぼけプロファイルを使用することによって実行される。
【0011】
さらに任意選択的に、該方法はさらに、ぼけプロファイルと人間の視知覚のモデル化に使用されるフィルタとを組み合わせるステップを含む。
【0012】
任意選択的に、該方法はさらに、ぼかしフィルタ、画像ぼかし変換、画像変換機能から成る群から選択されたメンバを作成するステップ、および該メンバに従って少なくとも1つの画像を処理するステップを含む。
【0013】
任意選択的に、目測は、較正パターンの画像を取り込み、かつ取り込まれた画像に従って目測をもたらすように構成された画像取込み装置によって与えられる。
【0014】
任意選択的に、第2画像分離マスクは第1画像分離マスクである。
【0015】
任意選択的に、該方法はさらに、マルチ画像表示における少なくとも1つの画像の現出をエミュレートするために、ぼけプロファイルを使用するステップを含む。
【0016】
任意選択的に、較正パターンは印刷され、較正パターンは光学的プロファイルの少なくとも1つの印刷アーチファクトによって生じる印刷ぼけを有する。
【0017】
さらに任意選択的に、少なくとも1つの印刷アーチファクトは、鏡面基材、インクの滲み、インク盛り、縁部鮮鋭度、基材における表面下の散乱、および光沢の不均一性から成る群から選択されたメンバを含む。
【0018】
任意選択的に、該方法はさらに、ぼけを低減した画像をマルチ画像表示に提示することを含む。
【0019】
任意選択的に、マルチ画像表示は、レンチキュラ印刷用の少なくとも1つのインタレース画像、多次元シーンを表わす一連の画像のうちの少なくとも1つの画像、およびマルチ画像表示用のインタレース画像を作成するための少なくとも1つの画像から成る群から選択された少なくとも1つの画像を含む。
【0020】
任意選択的に、画像分離マスクは、レンチキュラレンズアレイ、光バリア、視差バリア、インテグラルフォトグラフィ用のレンズのアレイ、および多次元画像を表示するためのディスプレイから成る群から選択される。
【0021】
任意選択的に、該方法はさらに、ステップc)の前に評価者の位置情報を受信するステップを含み、前記発生させるステップが位置情報に従って実行される。
【0022】
任意選択的に、較正パターンは少なくとも1つの位置ラベルを含み、目測を可能にするステップはさらに、特定の位置からの少なくとも1つの位置ラベルの視認性に従って位置情報の位置推定を可能にするステップを含む。
【0023】
任意選択的に、較正パターンはバンディングパターンを含み、さらに、目測に従ってマルチ画像表示の少なくとも1つの画像を較正するように構成されたバンディングプロファイルを生成するステップを含む。
【0024】
本発明の一部の実施形態の態様では、マルチ画像表示のアーチファクトを低減するための方法を提供する。該方法は、画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、評価者が目測を行なって、画像分離マスクによりもたらされるマルチ画像表示のアーチファクトを指摘することを可能にするステップと、目測に従って内容画像を処理し、それによってマルチ画像表示のアーチファクトを低減するステップとを含む。
【0025】
任意選択的に、較正パターンはバンディングプロファイルであり、目測を可能にするステップは、内容画像に対する画像分離マスクの較正を可能にするステップを含む。
【0026】
任意選択的に、アーチファクトはゴーストアーチファクト、滲みアーチファクト、縁部鮮鋭度アーチファクト、バンディングアーチファクト、および光沢の不均一性アーチファクトから成る群から選択される。
【0027】
本発明の一部の実施形態の態様では、マルチ画像表示を視覚化するための方法を提供する。該方法は、画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、画像分離マスクによって生じるぼけの目測を可能にするステップと、目測に従って少なくとも1つの画像を処理するステップと、少なくとも1つの処理された画像を表示し、それによって画像分離マスクを通して少なくとも1つの画像の現出を視覚化するステップとを含む。
【0028】
任意選択的に、ぼかしは、目測に従ってぼけプロファイルを生成し、ぼけプロファイルを使用して少なくとも1つの画像を処理することを含む。
【0029】
任意選択的に、表示ステップは、画像分離マスクを通した較正パターンの現出をシミュレートするように構成されたシミュレーションモジュールを用いて実行される。
【0030】
任意選択的に、該方法はさらに、処理する前に、画像取込み装置から目測を受け取るステップを含む。
【0031】
本発明の一部の実施形態の態様では、マルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するためのシステムを提供する。該システムは、少なくとも画像分離マスクによって較正パターンに生じたぼけの目測を受け取るように構成された入力モジュールと、目測に従ってぼけプロファイルを生成するように構成された較正モジュールと、ぼけプロファイルを出力し、それによってマルチ画像表示のゴーストアーチファクトの低減およびマルチ画像表示の視覚化の少なくとも1つを可能にするための出力ユニットとを備える。
【0032】
任意選択的に、画像分離マスクは光学的プロファイルを有し、マルチ画像表示は光学的プロファイルを有する追加の画像分離マスクを有し、マルチ画像表示は、追加の画像分離マスクを通して少なくとも1つの較正画像を表示することによって形成される。
【0033】
さらに任意選択的に、光学的プロファイルは、ピッチ、曲率、屈折率形状、レンチキュラレンズの相対位置、透明度等から成る群から選択されたメンバを定義するために構成される。
【0034】
任意選択的に、該システムはさらに、マルチ画像表示の視覚化を生成し、かつネットワークを介して視覚化をクライアント端末に送信し、それによってユーザが視覚化を見ることを可能にするように構成されたクライアントインタフェースを備える。
【0035】
さらに任意選択的に、クライアントインタフェースは、ネットワークを介してユーザから生成許可を受け取り、かつ生成許可に従ってマルチ画像表示を生成するように構成される。
【0036】
さらに任意選択的に、クライアント端末はシステムから遠隔的に配置される。
【0037】
任意選択的に、マルチ画像表示は、レンチキュラ印刷用の少なくとも1つのインタレース画像、多次元シーンを表わす一連の画像のうちの少なくとも1つの画像、およびマルチ画像表示用のインタレース画像を作成するための少なくとも1つの画像から成る群から選択された少なくとも1つの画像を含む。
【0038】
本発明の一部の実施形態の態様では、少なくとも1つの画像および第1画像分離マスクを有するマルチ画像表示のゴーストを除去するための方法を提供する。該方法は、画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、第2画像分離マスクによって生じるぼかしアーチファクトの目測を可能にするステップと、目測に従って少なくとも1つの画像を処理し、それによって少なくとも第1画像分離マスクによって生じるゴーストアーチファクトを低減するステップとを含む。第1および第2画像分離マスクは、実質的に同様の光学的プロファイルを有する。
【0039】
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【0040】
本発明の実施形態の方法および/またはシステムを実行することは、選択されたタスクを、手動操作で、自動的にまたはそれらを組み合わせて実行または完了することを含んでいる。さらに、本発明の装置、方法および/またはシステムの実施形態の実際の機器や装置によって、いくつもの選択されたステップを、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェア、あるいはオペレーティングシステムを用いるそれらの組合せによって実行できる。
【0041】
例えば、本発明の実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実施されることができる。ソフトウェアとして、本発明の実施形態により選択されたタスクは、コンピュータが適切なオペレーティングシステムを使って実行する複数のソフトウェアの命令のようなソフトウェアとして実施されることができる。本発明の例示的な実施形態において、本明細書中に記載される方法および/またはシステムの例示的な実施形態による1つ以上のタスクは、データプロセッサ、例えば複数の命令を実行する計算プラットフォームで実行される。任意選択的に、データプロセッサは、命令および/またはデータを格納するための揮発性メモリ、および/または、命令および/またはデータを格納するための不揮発性記憶装置(例えば、磁気ハードディスク、および/または取り外し可能な記録媒体)を含む。任意選択的に、ネットワーク接続もさらに提供される。ディスプレイおよび/またはユーザ入力装置(例えば、キーボードまたはマウス)も、任意選択的にさらに提供される。
【0042】
本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の一部の実施形態に係るマルチ画像表示を較正するための方法のフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の一部の実施形態に係るマルチ画像表示用の1つ以上の画像を較正するためのシステムの略図である。
【図3】図3は、本発明の一部の実施形態に係るマルチ画像表示用の1つ以上の画像を較正するための分散システムの略図である。
【図4】図4は、本発明の一部の実施形態に係る例示的較正パターンテンプレートである。
【図5】図5は、本発明の一部の実施形態に係る、較正パターンテンプレート内に配置されるように設計された例示的な可変性較正タイルの略図である。
【図6】図6は、本発明の一部の実施形態に係る、画像取込み装置、較正パターン、画像分離マスク、および図1に示した較正システムの略図である。
【図7】図7は、本発明の一部の実施形態に係る、画像取込み装置用に設計された例示的較正パターンテンプレートである。
【図8】図8は、本発明の一部の実施形態に係る、図7の較正パターンテンプレートに配置されるように設計された例示的な可変性較正タイルの略図である。
【図9】図9は、本発明の一部の実施形態に係る、分離可能なアーチファクト識別子を有する例示的較正パターンテンプレートの略図である。
【図10】図10は、本発明の一部の実施形態に係る、ぼけプロファイルを調整するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の略図である。
【図11】図11は、本発明の一部の実施形態に係る、相互に一定の距離に配置された黒線の頒布パターンを表わすバンディング較正パターンである。
【図12】図12は、本発明の一部の実施形態に係る、バンディング効果をシミュレートしかつ評価者に表示される1つ以上のパターンを含むGUIである。
【図13】図13は、本発明の一部の実施形態に係る、マルチ画像表示を視覚化するための方法のフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の一部の実施形態に係る、矩形に配列された9つの勾配パターンの1組の画像の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、その一部の実施形態では、マルチ画像表示を較正および/または視覚化するためのシステムおよび方法に関し、さらに詳しくは、画像分離マスクに基づくマルチ画像表示の較正および/または視覚化のためのシステムおよび方法に関するが、それらに限定されない。
【0045】
本発明の一部の実施形態では、マルチ画像表示を較正するために使用することのできる、ぼけプロファイルなどの1つ以上の劣化プロファイルを識別するための方法およびシステムを提供する。該方法は、特定の画像分離マスクを通してシステムオペレータまたは画像取込み装置などの評価者に対して表示される較正パターンに基づく。本書で使用される場合、画像分離マスクとは、レンチキュラレンズアレイ、視差バリア、マルチ画像表示スクリーン、例えば参照によって本書に組み込まれる1996年5月23日出願の米国特許出願第5800907号に記載されているインテグラルフォトグラフィ(IP)用のレンズのアレイ、および多次元画像を表示するための任意のディスプレイを意味する。そのようなディスプレイは、評価者が少なくとも画像分離マスクによって引き起こされたぼけの目測を行なうことを可能にする。ぼけはまた、印刷アーチファクト、紙の品質、および一部の実施形態では、画像分離マスクを介して1つ以上の画像を投射または表示する要素に関連するアーチファクトによっても影響されることがある。目測は較正パターンおよび/またはその要素の現出に基づく。ここで、目測が行われた後、任意選択的にぼけプロファイルである劣化プロファイルが目測に従って生成される。ぼけプロファイルは、同一画像分離マスクを通して、または上記の目測中に使用された画像分離マスクと同一光学的プロファイルを有するマスクを通して表示される1つ以上の画像を較正するように設計される。そのような方法は、特定の画像分離マスクの特定の光学的プロファイルに合わせて調整されたぼけプロファイルを識別するために使用することができることに注目されたい。さらに、そのような方法はまた、バンディングプロファイルなどの他の光学的、表示、および/または印刷プロファイルを識別するためにも使用することができ、それらは特定の画像分離マスクによって引き起こされる光学収差に応じて、または較正される画像を生成するために使用される印刷装置および/またはコピー装置によって引き起こされる印刷アーチファクトに応じて調整される。そのような実施形態は、マルチ画像表示物のプリンタおよび/またはコピー装置を較正するためにも使用することができることに注目されたい。
【0046】
本発明の一部の実施形態では、マルチ画像表示を視覚化するための方法およびシステムを提供する。上で略述したのと同様に、この方法は、画像分離マスクを通して評価者に対して表示される較正パターンに基づく。表示は、上で略述しかつ下で説明する通り、評価者が画像分離マスクによって引き起こされるアーチファクトを目測することを可能にする。ここで、目測は、上記画像分離マスクを介してまたは同様の画像分離マスクを介して表示されるように設計された画像を表示するときに、表示内に発生するぼけをシミュレートするために使用される。ぼかしは、画像分離マスクを介したその現出を視覚化するような仕方で画像を表示することを可能にする。本書で使用する場合、ぼかしとは、画像にぼけを加え、例えば1つ以上の画像を1つ以上の他の画像の上に重ねることによってゴーストアーチファクトが生じるように画像を混合し、かつ/またはインタレース画像のストリップを混合し、もしくはインタレース画像の1ストリップの特徴をインタレース画像の別のストリップ上に重ねることを意味する。任意選択的に、マルチ画像表示がレンチキュラ画像である場合、ぼかし効果は、インタレース画像をぼかすか、または画像の加重オーバレイを生じる任意の他の処理によって達成される。
【0047】
そのような方法は、インタレース画像の、または画像を組み合わせる任意の他の画像フォーマットの、画像分離マスクを通しての現出をエミュレートすることを可能にする。顧客、編集者、または写真家などのユーザは、パーソナルコンピュータなどのクライアント端末を任意選択的に用いて、インタレース画像をウェブサーバなどのリモートサーバにアップロードすることができ、リモートサーバはアップロードされたインタレース画像をほかすためにぼけプロファイルを使用して、エミュレーション画像を作成することができる。任意選択的に、ユーザは、任意選択的に上述したぼかしの前にリモートサーバによってインタレースされた画像をアップロードする場合がある。任意選択的に、ユーザは、インタレース画像を作成するためにリモートサーバまたは別のサーバによって使用される情報をアップロードする場合がある。ぼかしは、これらの画像に基づくマルチ画像表示の現出をエミュレートするために実行される。ぼかした画像またはその任意の生成物またはセグメントはユーザに返され、任意選択的にユーザのパーソナルクライアント端末上でマルチ画像表示アーチファクトをユーザがプレビューすることを可能にする。そのようなプレビューは、ユーザが、マルチ画像表示を見ずにその印刷および/またはコピーおよび/または表示を許可することを可能にする場合がある。そのような実施形態は、インターネットを使用した、例えばウェブサイトを使用したマルチ画像表示の注文を促進する場合がある。
【0048】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、下記の記載に示されるか、および/または、図面および/または実施例において例示される構成要素および/または方法の組み立ておよび構成の細部に必ずしも限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【0049】
ここで図1を参照すると、それは、本発明の一部の実施形態に係る、画像分離マスクによるマルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するための方法100のフローチャートである。本書で使用する場合、画像分離マスクとは、レンチキュラレンズアレイ、光バリア、視差バリア、および/または立体画像などの複数の画像を表示するための任意の他のディスプレイパネルを意味する。任意選択的に、画像を複数の方向に向けるために、画像分離マスクは任意選択的に周期的な垂直および/または水平構造を有する。
【0050】
該方法は、ぼかし画像変換を生じるために使用されるぼけプロファイルの識別を可能にする。1実施形態では、ぼかし変換は、ガウスまたはローレンツ分布ベースのフィルタなどのぼかしフィルタによるインタレース画像の畳み込み、または1つ以上の視覚的および/もしくは光学的評価尺度に基づく任意の他の変換によって実現される。他の実施形態では、ぼかし画像変換は、インタレース画像のストリップを混合することによって、または例えば下で方程式2に関連して記載するように加重平均として表示するように指定された画像を混合することによって実現される。
【0051】
簡潔を期すために、そのようなぼかし画像変換、または任意の他の変換を本書ではぼけプロファイルと呼ぶことがある。ぼけプロファイルは、少なくとも画像分離マスク、および任意選択的に印刷アーチファクト、紙の品質、ならびに一部の実施形態では、表示要素および/または投射要素によって引き起こされるアーチファクトによって引き起こされるぼけを表わす。最初に、101に示すように、較正パターンが提供される。下でさらに述べるように、多数の較正パターンを使用することができる。次いで、102に示すように、較正パターンは、例えば画像分離マスクを通してマルチ画像表示で、ユーザに対してかつ/またはカメラなどの画像取込み装置に対して表示される。この表示は、103に示す通り、任意選択的に下述の通り、ユーザおよび/または画像取込み装置が、少なくとも画像分離マスクによって引き起こされるぼけおよび/または形状を示す1つ以上の特徴の強さまたは視認性などの特徴を目測することを可能にする。本書で使用する場合、画像取込み装置とはデジタルカメラ、またはデジタル画像を取り込むために電荷結合デバイス(CCD)センサおよび相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサなどの画像センサを使用する他の装置を意味する。次に、104に示すように、印刷テンプレートの目測に従ってぼけプロファイルが作成される。任意選択的に、ぼけプロファイルはコンボリューションカーネルとして定義される。そのようなぼけプロファイルは、マルチ画像表示で表示するように指定される1つ以上のインタレース画像または任意の他の画像もしくはそのセグメントをぼかすため、かつ/またはここではゴースト除去と理解されるぼかし除去のために使用することができる。そのようなインタレース画像の1例として、多数の角度からのシーンおよび/または1つ以上の被写体の動きを表わすレンチキュラ印刷用のインタレース画像がある。別の例として、画像分離マスクディスプレイ上に投射される3次元(3D)シーンを表わす一連の画像用のインタレース画像がある。例えば、参照によって本書に組み込まれるWojciech Matusikらの「3D TV:A Scalable System for Real‐Time Acquisition,Transmission,and Autostereoscopic Display of Dynamic Scenes,Mitsubishi Electric Research Laboratories,Cambridge,MAを参照されたい。明確を期すために、3Dシーンとは、ここでは多数の角度からの1つ以上の被写体、および/または1つ以上の被写体の動き、および/または少なくとも2つの異なる画像間のフリッピングを表わすシーンと理解することができる。
【0052】
該方法は、動的および静的3Dシーンの3D表示のぼかしを除去するために使用することができる。本書で使用する場合、3Dシーンとは、時間に沿って3次元で表示されるシーン、および/または多数の視点(POV)から表示されるシーンを意味する。任意選択的に、3Dシーンは静的シーン、例えば画像分離マスクの前面に印刷および/または付着されたインタレース画像によって表わされるシーンである。任意選択的に、3Dシーンは動的シーン、例えば画像分離マスクディスプレイ上に投射される3Dシーンである。参照によって本書に組み込まれるWojciech Matusikらの「3D TV:A Scalable System for Real‐Time Acquisition,Transmission,and Autostereoscopic Display of Dynamic Scenes,Mitsubishi Electric Research Laboratories,Cambridge,MAを参照されたい。任意選択的に、3Dシーンは、複数の異なる映像が表示され各映像が異なる角度に表示される動的シーンである。
【0053】
任意選択的に、ぼけプロファイルは、画像分離マスクを用いて達成されるマルチ画像表示によって表示されるビューを視覚化する1つ以上の画像をエミュレートするために使用される。パーソナルコンピュータまたは任意の他のクライアント端末のスクリーンなどの、2Dディスプレイでユーザに表示することができ、かつ/またはレンチキュラレンズアレイおよび/または一般的に使用される印刷媒体上に印刷することのできる、そのような視覚化は、静止画像および/または一連の画像が画像分離マスクを通して、かつ/または画像分離マスク上に投射されたときに、どのように見えるかをユーザが知ることを可能にする。
【0054】
ここで図2をも参照すると、それは、本発明の一部の実施形態に係る、マルチ画像表示用の1つ以上の画像をゴースト除去しかつ/またはぼかすためのぼけプロファイルを識別するための較正システム200の略図である。較正システム200は任意選択的に、画像分離マスク205を通して、または画像分離マスク205上に、較正パターン202を表示するためのイメージングモジュール201を備える。較正パターン202は印刷しかつ/またはディスプレイ上に表示することができ、その評価が可能になる。較正パターン202は、オペレータ203および/または画像取込み装置204に対して表示され、それらを合わせてまたは別々に評価者208と呼ぶことがある。較正パターン202は、画像分離マスク205によって引き起こされるぼけを示す1つ以上の特徴の強さまたは視認性などの特徴を評価者208が目測することを可能にする。任意選択的に下でさらに記述するように、較正システム200は、ユーザの目測に従ってぼけプロファイルを推定するための較正モジュール207を含む。較正システム200はさらに、評価者208が上述した目測を入力することを可能にするための入力モジュール206を備える。任意選択的に、評価者は本書でオペレータ203と呼ばれる人間オペレータ203であり、入力モジュール206は、スクリーンなどの表示ユニット上で、人間オペレータ203に対して表示されるユーザインタフェースを含む。任意選択的に、ユーザインタフェースは、表示された較正パターン202上に現われる1つ以上のアーチファクトをオペレータ203が指摘することを可能にする、グラフィックユーザインタフェース(GUI)である。任意選択的に、GUIは各アーチファクト用の要素を含む。例えばGUIは多数のスライダを含み、各スライダは、1つ以上の目視測定についてユーザが指示することを可能にするように設計される。評価者の目測は、例えば上で略述しかつ/または下で説明するように、画像分離マスク205を通して表示されるように構成された1つ以上の画像に対する1つ以上の調整を設定するために使用することができる。
【0055】
較正システム200はさらに、任意選択的に上に略述かつ/または下で説明するように、ユーザ目測に従ってぼけプロファイルを較正するための較正モジュール207を備える。較正モジュール207は、ぼけプロファイルに従って静止および/またはビデオ画像またはそれらのインタレースにゴースト除去および/またはぼかしを行なうために、任意選択的に出力モジュール209を介して調整モジュール(図示せず)にぼけプロファイルを出力する。静止および/またはビデオ画像は画像分離マスクを通して、またはもう1つの同様の特性を有する画像分離マスクを通して、例えばピッチ、曲率、屈折率、レンチキュラレンズの相対位置、透明度などの同様の特性を有する画像分離マスクを用いて表示するように設計される。任意選択的に、較正モジュール207は、画像分離マスクならびに加えて他の要素および/または特徴によって引き起こされるぼけを考慮に入れたぼけプロファイルを作成するために、ユーザの目測を使用する。例えば、較正パターンが画像分離マスクに印刷および付着されるときに、ユーザは、プリンタの解像度、基材のタイプ、鏡面基材のタイプ、インクのタイプ、インクの滲みのタイプ、インク盛りのタイプ、縁部鮮鋭度、および印刷中の室温などの特性によっても引き起こされるぼけを持つマルチ画像表示における1つ以上の特徴の強さまたは視認性などの特徴を目測する。調整は、評価者208によってもたらされる1つ以上の目測に従って行われる。
【0056】
ここで図3を参照すると、それは、本発明の一部の実施形態に係る、較正システム200、調整サーバ302、およびぼかしを生じるクライアント端末304間の接続の略図である。較正システム200のコンポーネントおよび評価者208は図2に示す通りであるが、図3は分散システムを示しており、較正システム200、調整サーバ302、およびクライアント端末304は、インターネットおよび/またはイーサネット(登録商標)などのコンピュータネットワーク301を通して接続される。そのような実施形態では、評価者208は、パーソナルコンピュータなどの、コンピュータネットワーク301に接続されたクライアント端末を使用することができ、例えば下述するように、表示された較正パターン202の視覚的評価を入力するために入力モジュール206にホスティングまたはアクセスする。上述の通り、較正システム200は、画像分離マスク205または同様の画像分離マスクを通して表示される画像のマルチ画像表示を視覚化するために使用することができる。任意選択的に、較正システム200は、視覚化をユーザに対して表示するクライアント端末304に接続される。そのような実施形態では、システム100は、ユーザ305によって選択されるマルチ画像表示の内容に適用されるぼけプロファイルを定義することができる。任意選択的に、較正システム200はウェブサイトをホスティングするウェブサーバにぼけプロファイルを提供する。ウェブサイトは、ユーザ305がクライアント端末304を用いて、自分が選択および/またはアップロードした画像または一連の画像を視覚化することを可能にする。視覚化はユーザが、あたかも画像分離マスクまたは同様の画像分離マスクを通して表示されたかのように、選択および/またはアップロードされた画像を見ることを可能にする。任意選択的に、システムは、アップロードされた画像、および/またはマルチ画像表示で表示されるように設計され任意選択的にインタレースされた他の画像を格納するために使用されるデータベース404に接続される。評価者208の入力に従って較正モジュール207によって生成されるぼけプロファイルは、選択されかつ/またはアップロードされた1つ以上の画像をぼかすために使用され、ユーザ305がクライアント端末304を通してそれらを入手できるようにする。
【0057】
そのような実施形態では、3D映画またはクリップなどの1つ以上のシーンの創作者は、該システムを使用して、実際にマルチビューコンテンツを画像分離マスクに投射もしくは表示することなく、または実際にマルチビューコンテンツをマルチビュー表示として固定することなく、マルチビューコンテンツを編集することができる。
【0058】
そのような実施形態では、305などのグラフィックコンテンツの創作者は自分が選択および/またはアップロードしたグラフィックコンテンツに基づく1つ以上のマルチ画像表示物の視覚化を見ることができ、選択および/またはアップロードされたコンテンツに基づくマルチ画像表示を生成、印刷、および/またはコピーするためにクライアント端末304を使用する。調整サーバ302は選択および/またはアップロードされた画像をぼけプロファイルに従って調整し、創作者305用のマルチビュー表示を生成するために印刷装置および/またはコピー装置などの装置を使用する。
【0059】
任意選択的に、表示は印刷物であり、視覚化は、マルチ画像表示物を印刷および/またはコピーするために使用される特定の印刷および/またはコピー装置の特性に従って、例えば印刷および/またはコピー装置によって特定の印刷にもたらされる1つ以上の印刷アーチファクトに従って計算される。任意選択的に、視覚化は、印刷および/またはコピー媒体によって生じる、より多くの印刷アーチファクトに従って計算される。例えば、印刷アーチファクトは滲みアーチファクト、縁部鮮鋭度アーチファクト、バンディングアーチファクト、および光沢不均一性アーチファクトである場合がある。任意選択的に、印刷アーチファクトプロファイルは較正モジュール207によって作成され、上述した視覚化を調整するために使用される。
【0060】
視覚化は例えば、ぼけプロファイルに従ってかつ任意選択的に印刷アーチファクトプロファイルに従って調整される、マルチ画像表示物の1つ以上のアニメーションおよび/または1つ以上のアナグリフ画像の作成によって、種々の形を取ることができることに注目されたい。任意選択的に、アニメーションおよび/またはアナグリフ画像は、プリントアウト、スクリーン表示、および/または1つ以上の選択および/またはアップロードされた画像および/またはアナグリフ画像を表示する任意の他の形で出力される。参照によって本書に包含される、例えば2002年5月14日発行の米国特許出願第6389236号を参照されたい。
【0061】
ここで再び図2を参照すると共に、例示的較正パターンテンプレートである図4、および本発明の一部の実施形態に係る、較正パターンテンプレート内に配置するように設計された例示的な可変性較正タイルを図式的に示す図5を参照しながら説明する。上述の通り、ユーザおよび/または画像取込み装置は、例示的較正パターンに基づき特定の画像分離マスクによって引き起こされるぼけを評価するために使用される。
【0062】
本発明の一部の実施形態では、イメージングユニット201は、マルチ画像表示物を作成するために使用される1つ以上のインタレース画像の印刷と略同様に較正パターンを印刷する。較正パターンは、レンチキュラレンズアレイの裏面、または上記画像分離マスクと同様もしくは略同様の任意の他の画像分離マスクの裏面に配置される。較正パターンの例えば181で示される各白枡は、例えば図5に示すように可変性較正タイルに置換される。評価者208は画像分離マスクを通して可変性較正タイルの明瞭性を捕捉または観察し、各行において、可変性較正タイルが関連周囲フレームから区別できない列を識別する。任意選択的に、較正パターンは画像分離マスクの裏面に直接、または画像分離マスクの裏面に近接して配置された媒体上に、任意選択的に最終インタレース画像が印刷されるのと同様の仕方で印刷される。
【0063】
任意選択的に、可変性較正タイルは少なくとも1つのビューでは非白色セグメントを含み、残りのビューでは白色セグメントを含む。明確を期すために、画像分離マスクによって表示されるn個の可能なビューが存在すること、および較正タイルの内容は画像分離マスクのそれぞれのビューに対応するn個の値のベクトルEによって表わすことができることを想定する。一部の実施形態では、較正タイルは次のように定義される。
ここで1は黒セグメントを表わし、0は白セグメントを表わす。そのような仕方で、各タイルは1つのビューでは絶対黒を含み、他の全てのビューでは絶対白を含む。タイルの数は、ビューの個数であるnに等しい。他の実施形態では、較正タイルは次のように定義される。
ここで各値はそれぞれのセグメントのグレーレベルを表わす。そのような仕方で、各タイルは、各々異なる視点から見て異なるグレーレベルを持つセグメントを含むことができる。
【0064】
任意選択的に、較正パターンは、シミュレートする必要のある印刷効果に依存する。図4および5は例えば、ビュー内およびビュー間のぼかし効果をシミュレートする。測定プロセスは、各々が試験に関連付けられる1組の測定から構成される。図4は、6つの試験および/または測定の1例を表わす。各試験に対し、異なるパターンが、180で示すように異なる強度の境界内に印刷される。ひとたびパターンが画像分離マスクの裏に配置されると、評価者208は、各試験および/または各行に対し、画像分離マスクの効果により内部矩形が周囲境界と同一見かけの強度を持つようになった列を識別する。そのような列が幾つか存在する場合、評価者208は列の1つ、例えば真ん中の列を選ぶか、あるいは全ての列を出力として提供することができる。この列は、あたかも評価者208が強度を測定したかのように、試験のレンチキュラ強度の推定品質を表わす。
【0065】
ここで再び図2を参照すると共に、図9〜10を参照しながら説明する。図9〜10は、本発明の一部の実施形態に係る、本書でアーチファクト較正テンプレート350と呼ぶことのある、分離可能なアーチファクト識別子を有する例示的較正パターンテンプレート350、および例示的較正パターンテンプレート350に従ってぼけプロファイルを調整するためのGUI351それぞれの略図である。例示的較正パターンテンプレート350の分離可能なアーチファクトの識別子は9桁の数字である。オペレータは、マルチビュー表示を通して数字を見るように、かつそれらの強度を調整するためのスライダ352を用いることによってそれらの知覚された強度を調整するように要求される。ユーザは、それぞれのスライダ352を操作することによって、各々の数字の知覚された強度をそれぞれの行355の強度と整合するように調整する。GUI351は、どの視覚的効果が例示的較正パターンテンプレート350に現われているかを、オペレータ203が指摘することを可能にする。GUI351は、各々が353で示すようにアーチファクト較正テンプレート350の分離可能なアーチファクト識別子の1つを調整するように設計された、例えば352に示す多数のコントロールを含む。
【0066】
任意選択的に、ユーザは、較正パターンテンプレート350を画像分離マスク上に配置するように、または該テンプレートを該マスク上に投射するように要求される。次いで、オペレータ203は、印刷された較正パターンテンプレート350上に現われる各々の分離可能なアーチファクト識別子の強度を評価し、それぞれのコントロール、任意選択的にGUI351のスライダを使用して、任意選択的にGUI351によってシミュレートされる較正パターンテンプレート354の視覚化を調整する。調整は、視覚化された較正パターンテンプレート354の強度を、画像分離マスクを通して表示されるかまたは画像分離マスク上に投射された印刷較正パターンテンプレート351と均等化することによって、視覚的評価を定義する。任意選択的に、ユーザは、シミュレートされた各々の分離可能なアーチファクト識別子の強度を、較正パターンテンプレート350上のそれぞれの分離可能なアーチファクト識別子の強度と相似するように調整する。次いで、シミュレートされた較正パターンテンプレート354をオペレータ203が調整した後、オペレータ203によって、任意選択的に上述した較正モジュール207によって調整された強度に基づいて、ぼけプロファイルが推定される。
【0067】
本発明の一部の実施形態では、調整された強度は、例えば方程式4に関連して下述するように回帰分析によって、ぼけプロファイルを作成するために使用され、ここで1組の調整された強度値は1組の測定値Mjに対応する。他の実施形態では、ぼけプロファイルカーネルKは、測定値Mjの和1への正規化として算出される。
【0068】
較正パターンの現出は、評価者208の視点の位置によって異なることに注目されたい。任意選択的に、入力モジュール206は、評価者208が現在の位置を自分および/またはそれに対して提供することを可能にする。現在の位置は任意選択的に、1つ以上のインタレース画像および/または1つ以上のインタレース画像の視覚化を較正するために使用される。
【0069】
ここで図6をも参照すると、それは、本発明の一部の実施形態に係る、画像取込み装置204、較正パターン202、較正システム200、および画像分離マスク205の略図である。図6に示す通り、画像取込み装置204は処理ユニット210に接続される。任意選択的に、処理ユニット210はシステム200および画像取込み装置204によって使用される。上述の通り、目測を提供する評価者は、人間オペレータ203および/または画像取込み装置204とすることができる。図6に示す通り、画像取込み装置204は、較正パターンから反射しかつ画像分離マスク205を通過した光を光学的に測定する。任意選択的に、画像取込み装置は処理ユニット210を使用して光測定を受け取り、それらを処理して例えば下述するように表示のぼけプロファイルを推定する。
【0070】
本発明の1実施形態では、画像取込み装置204は、図4に示された較正パターンから出射した光を測定する。光は画像分離マスク205を通過するので、測定される光は、マスクの光学的構造および任意選択的にその光学収差によって影響されていることが確実である。任意選択的に、測定される光は表示の他の特徴によって影響される。例えばマルチ画像表示が、画像用紙上に印刷されレンチキュラレンズの裏面にラミネートされた画像を含む場合、他の態様として用紙のタイプ、ラミネーションの品質、インクのタイプ、ハーフトーニングアルゴリズム等が挙げられる。上述の通り、本発明の一部の実施形態では、画像分離マスク205はレンチキュラレンズアレイを含む。任意選択的に、レンズのピッチは事前に較正モジュール207に提供される。そのようなデータは、コンピュータネットワーク301に接続された上述のデータベース404に格納するか、あるいはシステムオペレータによってアップロードすることができる。そのような情報は任意選択的に、マルチ画像表示用の最終画像を作成するために適用されるインタレースプロセス中に使用される。
【0071】
本発明の一部の実施形態では、較正パターンは、画像取込み装置204が、例えば例示的較正パターンテンプレート185である図7および本発明の一部の実施形態に係る例示的可変性較正タイルの略図である図8に示すように、該パターンから出射する光を測定できるように設計される。較正パターンテンプレート185は図4で使用されたパターンと同様であるが、この較正パターンテンプレート185はさらに、その隅193、194の各々におけるアラインメントマーク、および各行用の相互にずらしたセンタリングマーク191のセットを含む。任意選択的に、アラインメントマークは、画像分離マスク205の20個のレンチキュールの領域と同様の領域をカバーする。図8の例示的可変性較正タイルは、図5で使用された可変性較正タイルと同様であるが、これらの可変性較正タイルは、較正パターンテンプレート185の白枡内に配置される前に90度回転される。そのような仕方で、任意選択的にレンチキュラレンズアレイである画像分離マスク205は、レンチキュールが水平方向に配向されるように配置することができる。タイルは190の領域に配置される。
【0072】
最初に、較正パターンテンプレート185は上述の可変性較正タイルで埋め尽くされ、基準画像を作成する。Tと呼ばれることのある基準画像は、任意選択的に下述するようにマッチングのために格納される。較正パターンテンプレート185はまたマルチビュー表示でも表示され、例えばレンチキュラレンズアレイなどの画像分離マスクの裏面に印刷され、例えば図6に示すように画像分離マスク205を介して画像取込み装置204に対して表示される。ここで、Tが定義され、それぞれの較正パターンがマルチビュー表示で表示され、例えば印刷された後、表示/印刷された較正パターンの画像は取り込まれる。任意選択的に、取り込まれた画像と基準画像との間のアラインメントが見出される。アラインメントは任意選択的に、アラインメントマーク193、194を用いて識別される。アラインメントは当業界で公知の任意の多くのアラインメント方法によって見出すことができることに注目されたい。任意選択的に、アラインメントマーク193、194はパターン認識のための画像相関などのパターン認識検出方法を用いて識別される。参照によって本書に組み込まれる、1991年11月12日発行の米国特許第5065440号を参照されたい。次いで、取り込まれた画像における4つのアラインメントマーク193、194の位置と基準画像におけるそれらの位置との間の変換が導出され、取り込まれた画像を位置合わせするために使用される。任意選択的に、取り込まれた画像は、位置合わせされた取込み画像を作成するために、動的に再サンプリングされる。参照によって本書に組み込まれる、1994年12月22日出願の米国特許第5594676号を参照されたい。そのような変換は当業界で公知であり、したがって本書ではこれ以上説明しないことに注目されたい。参照によって本書に組み込まれる、例えば1999年3月16日出願の米国特許第6510244号、2003年7月29日出願の米国特許第7175285号、2003年11月13日出願の米国特許第7274832号、および2002年2月20日出願の米国特許第7113632号を参照されたい。明確を期すために、位置合わせされた取込み画像をIWと呼ぶことができる。
【0073】
ここで、アラインメント後にぼけプロファイルを算出することができる。明確を期すために、位置合わせされた取込み画像はIWと呼ぶことができる。較正パターンテンプレート185の各行に対し、その付近のパターンに最も近い強度のパターンを持つ可変性較正タイル入りの枡が設けられる。明確を期すために、較正パターンテンプレート185の行の各々をrKと呼ぶことができ、ここでKは行の番号を表わす。ここでf1,...,fhと呼ぶことのできる枡の既知の位置を前提として、それぞれb1,...,bhおよびO1,...,Ohと呼ばれるそれらの内側部分の領域およびそれらを包囲する領域に現われるパターンは、次のように算出することができる。
ここでyはIWにおける周囲領域の平均輝度の差を最小化するインデックスであり、Eは平均演算子を表わす。次に、yが算出された後、ぼけプロファイルのコンボリューションカーネルKは、下述するように回帰分析を用いることによって回復され、ここで定義される周囲領域Oyの輝度値は、下で定義する測定の値Mjと一致する。
【0074】
任意選択的に、評価者208は、評価がそこから実行されることになっている位置または視角の指標を受け取る。任意選択的に、較正パターンは、評価者208が較正パターンに対するその位置および/または視角を突き止めるのを助けるパターンを含む。中心ビューなどの特定のビューの位置を突き止めるためにそのようなパターンを使用することは、レンチキュラ印刷プロセスの標準技術である。そのような任意選択的プロセスは当業界で公知であり、したがって本書ではこれ以上説明しない。
【0075】
任意選択的に、較正パターンは、評価者208がその位置および/または視角を識別することを可能にするパターンを含む。そのような実施形態では、評価者は、その位置および/または視角に関する情報を測定値と共に提供する。そのような位置情報は、評価者が輝度、コントラスト、画像内の画像特徴およびゴーストの位置などの特性を識別することを可能にすることにより、または相関関係などのパターン認識アルゴリズムの使用を可能にすることにより、例えば幾つかのインタレース画像からどの画像がパターン内で見えるかを識別するように評価者に指示することによって取得することができる。そのような実施形態では、較正パターンの現出はユーザの視点位置および/または視角に依存する。任意選択的に、較正パターンは、評価者が該パターンに対するその位置を突き止めることを助ける1つ以上のテンプレートを含む。
【0076】
任意選択的に、較正パターンはバンディングパターンを含む。周知の通り、光学的バンディングアーチファクトは、マルチ画像表示の望ましくないアーチファクトである。光学的バンディングアーチファクトは、画像分離マスクのピッチがマスクに付着または投射されるインタレース画像により較正されていないことを示している場合があり、かつ/または印刷/表示プロセスの不正確さを示している場合がある。
【0077】
任意選択的に、イメージングユニット201は、各線が例えば図11に示すように他の線から相互に一定距離に配置された黒線の繰返しパターンを表わす、バンディング較正パターン370を印刷するために使用される。評価者208はここで、バンディング較正パターン370から反射されるバンディングの範囲およびその変位などのバンディング効果の特性を評価し、目測を入力するために入力モジュール206を使用する。任意選択的に入力モジュール206は、図4に示す較正パターンの使用と同様に、評価者208が目測を容易に入力することを可能にする1つ以上のスライダなどのGUIを表示する。
【0078】
別の実施形態では、図12に示すように、バンディング効果をシミュレートする1つ以上のパターン481を含むGUI480が、任意選択的にオペレータ203である評価者208に表示される。任意選択的にオペレータ203である評価者208は、バンディング効果が見えるか否かを視覚的に評価し、かつ任意選択的にバンディング効果の特性を定義するために1つ以上のスライダ482を使用する。1つ以上のパターン481は、スライダによって行われる調整に応答する。調整は、上述の通り、1つ以上の画像を較正するためのバンディングプロファイルを定義する較正モジュール207に転送される。バンディングプロファイルの推定サイズは、例えば入力画像における同様のバンディングをシミュレートすることにより、例えば、ユーザによって指示された1つ以上の特性を有する遷移を表わす一連の画像を提示することにより、バンディング効果を低減するために使用することができる。
【0079】
バンディングプロファイルの別の可能な使用は、2つ以上の光学的バンディングアーチファクトを含む1つ以上の領域を回避することである。そのような仕方で、1つのビューから別のビューへの遷移は画像の片側から始まり、別の側に進む。例えば画像が2×2インチを有するレンチキュラレンズアレイ上に印刷するように設計され、かつバンディング効果が約2.5インチ幅となるようにユーザが指定する場合、バンディング効果が2×2インチ画像の間の空間のみに発生し、画像自体には発生しないように、2×2の画像を配置することができる。
【0080】
ここで図13を参照すると、それは、本発明の一部の実施形態に係る、マルチ画像表示を視覚化するための方法のフローチャートである。ブロック101〜104は図1に示した通りであるが、図13はさらに、インタレース画像などの1つ以上の画像のマルチ画像表示の視覚化を可能にする多数のブロックを示す。
【0081】
251に示すように、任意選択的に上記の通り異なる視野方向に同時に提示される1つ以上の画像を受け取る。次いで、252に示すように画像は任意選択的にインタレースされる。次いで、253に示すように、インタレース画像の1つ以上は、101〜104で算出されたぼけプロファイルを用いてぼかされる。任意選択的に、ぼけプロファイルはコンボリューションフィルタとして定義され、ぼかしはインタレース画像全体に畳み込みを行なうことによって実行される。次に、254に示すように、1つ以上のぼかしたインタレース画像が視覚化される。任意選択的に、ぼかしたインタレース画像は任意選択的に、1つ以上のぼかしたインタレース画像から関連列を捕集および/または補間することによってデインタレースされる。
【0082】
画像が任意選択的に視覚化のためにデインタレースされるので、プロセスの計算量を低減することができる。任意選択的に、1つ以上の受取り画像の1つ以上のセグメントだけがインタレースされ、インタレース画像全体を作成する必要が無い。例えば各々がインタレース画像の一部分を作成し、その一部分だけをぼかすことができる。
【0083】
本発明の一部の実施形態では、マルチ画像表示のエミュレーションは1組の半透明画像によって実現される。エミュレートされたマルチ画像表示は次のように定義される。
ここでν1,...,νnは、マルチビュー表示に提示される1組のビューに対応するn個の半透明画像を表わし、s1,...,snは、1実施形態ではぼけプロファイルのカーネルKの値に対応するそれぞれの半透明画像のそれぞれの強度を表わし、vはエミュレートされたマルチ画像表示のビューを表わす。
【0084】
任意選択的に、ぼけプロファイルは回帰分析を用いて回復される。本発明の一部の実施形態では、1組のコンボリューション係数は最小二乗回帰プロセスを用いて回復される。明確を期すために、M1,...,MKの各々は、評価者によって識別された測定値に各々対応する1組の測定値のメンバを表わし、P1,...,PKの各々は、1組のテンプレートベクトルのメンバを表わす。そのような実施形態では、較正パターンは任意選択的に、各々が1組の均一な列から構成される多数の印刷されたテンプレートを含む。テンプレートベクトルの各々は、印刷されたテンプレート列の強度値を含む。明確を期すためにKで表わされるコンボリューションカーネルは、次の組の1次方程式を解くことによって回復される。
ここでj=1...Kであり、sはユーザの視点位置を表わす。
【0085】
任意選択的に、上記組の測定値M1,...,MKは、オペレータ203によって調整される値に従って、例えば図4に示しかつ上述したように、各行に対してオペレータによって選択された枡によって定義される強度に従って決定され、テンプレートベクトルP1,...,PKは、任意選択的に上述したようにオペレータに提示されるそれぞれの分離可能なアーチファクト識別子に対応する。そのような実施形態では、j番目の分離可能なアーチファクト識別子がビューiに現出した場合、Pi[j]=1であり、それ以外ではPi[j]=0である。
【0086】
任意選択的に、上記組の測定値M1,...,MKは、図10に示されかつ上述したGUIのスライダによって定義される強度に従ってオペレータ203によって調整される値に従って決定される。
【0087】
任意選択的に、253で実行されるぼかしは線形モデリングを用いて行われる。任意選択的にコンボリューションカーネルであるぼけプロファイルは、参照によって本書に組み込まれる例えば2008年1月15日出願の国際特許出願IL2008/000060に記載されるように、測定プロセスを単純化する。任意選択的に図4および5に示す較正パターンは1組の均等な列から構成され、テンプレートベクトルP1,...,PKの各々は、印刷されたテンプレート列の強度値を含む。任意選択的に、幾つかの基底関数を有する1次関数として任意選択的に定義される一般1次ぼけ関数が定義される。任意選択的に、該1次関数は、t基底カーネルKiの1次結合として与えられるコンボリューションカーネルKの畳み込みに基づくシフト不変ぼけ関数として実現される。
【0088】
任意選択的に、基底関数の組は、スプライン、多項式、零平均および異なる分散のガウス型などの補間関数を含む。
Kは次の組の方程式を回復することによって算出される。
ここでj=1,...,Kであり、αi,...,αtは方程式で解かれた1組の1次係数を表わし、sは任意選択的に上述したようにユーザの視点位置を表わす。任意選択的に、253で実行されるぼかしは、非線形モデリングを用いて行われる。そのような実施形態では、例えば次のように多数のコンボリューションカーネルが使用される。
ここでαおよびβはパラメータであり、kは、フィルタサム(filter sum)を例えば1に正規化するために使用される正規化係数である。任意選択的にガウスフィルタを含め、多数のフィルタが任意選択的に使用される。
【0089】
任意選択的に、ぼけプロファイルは少数のパラメータ、好ましくは1〜2個のパラメータにより定義することができる。ぼけプロファイルは次のように推算することができる。
a.画像分離マスクの裏に付着および/または印刷された較正パターンを提供する。そのような較正パターンの1例として、任意選択的に本発明の一部の実施形態に係る矩形に配列された9つの円形勾配パターンの画像の組の例示的略図である図14に示すように、1組の画像に基づくインタレース画像がある。各画像は異なる円形にドットを含む。
b.各シミュレーションで異なるぼけを用いて、較正パターンの1つ以上のシミュレーションを評価者に対して表示する。
c.提供された較正パターンに他のシミュレーションより似ているシミュレーションの1つを評価者に選択させる。任意選択的に、選ばれたシミュレーションはぼけプロファイルを設定するために使用される。
【0090】
ここで、再び図1を参照しながら説明する。任意選択的に、1つ以上のシミュレーションが、スクリーンなどのディスプレイ装置を使用して評価者に提示される。任意選択的に、評価者は入力モジュール206を用いて、シミュレーションの1つ以上のぼけパラメータを調整し、かつその調整を視覚的に評価することができる。任意選択的に、入力モジュール206は、上述したイメージングユニット201またはディスプレイ装置に表示されるGUIである。そのようなGUIは任意選択的に、仮想スライダ、コンボボックス、仮想ノブ、および/またはぼけを調整するために使用することのできる任意の他のグラフィックツールを含む。任意選択的に、イメージングユニット206は、各々が異なる組のパラメータによって定義されるぼけをシミュレートする複数のプリントを出力するように設計される。
【0091】
上述の通り、較正システム200は、ぼかしフィルタを作成するために使用することのできるぼけプロファイルを算出するように設計される。そのようなぼかしフィルタは、画像分離マスクによって、例えばレンチキュラレンズアレイによって生じる光学的ぼけアーチファクトなどのアーチファクトを低減するために使用することができる。任意選択的に、ぼけプロファイルは、1つ以上のゴーストアーチファクトを低減および/または排除するために使用することができる。本書で使用する場合、ゴーストアーチファクトとは、画像が少なくとも別の画像の要素をも含むように見える視覚的効果を意味する。レンチキュラレンズアレイでは、レンチキュールに当たる光はレンチキュラ材料全体で反射する。凸形のレンチキュールを前提として、光は様々な角度に反射する。これは、理論的には、所与の視角に対して印刷画像の1セグメントだけを見ることがサポートされるが、光は画像の他のセグメントからも反射するので、観察者にはそれらもある程度見える場合があることを意味する。
【0092】
3D画像の奥の被写体のぼけた状態として、または少なくとも1つの画像の別の画像へのオーバレイとして表わされるゴーストアーチファクトは、任意選択的に、ぼけプロファイルに従ってモデル化される。任意選択的に、ゴーストアーチファクトは、インタレース画像などのマルチ画像表示で表示されるように設計された画像から低減される。任意選択的にかつ/または代替的に、ゴーストアーチファクトは、インタレース画像を作成するために使用されるように設計された画像から、またはインタレース画像を作成するために使用するように設計された画像のセグメントから低減される。
【0093】
ゴーストアーチファクトは、本書でゴースト除去および/またはぼかし除去プロセスと呼ぶことのできるプロセスで、ぼけプロファイルに従って低減することができる。任意選択的に、インタレース画像の画素の値は、係数の少なくとも1つが負となるように線形結合される。そのような仕方で、ゴースト除去プロセスと、任意選択的にレンチキュラレンズアレイである画像分離マスクによって生じるぼけとの結合効果は、ゴースト除去プロセス無しで生じるぼけより著しく低い。
【0094】
任意選択的に、ゴースト除去プロセスは、次のように定義される反復プロセスである。
ここでIはインタレース画像を表わし、fは方程式4、5に示されるカーネルKなどのモデル化されたレンチキュラぼかしプロセスのコンボリューションカーネルであり、gは任意選択的にfに等しいぼけ演算子を表わし、sは、インタレース画像を所定の範囲に維持するように定義される、例えば8ビット画像の場合0から255の間のサイズを表わし、画像I(n)は最後の繰返しで算出されるプロセスの結果を表わす。任意選択的に、fが対称である場合、g=fである。任意選択的に反復回数は予め定められる。任意選択的に反復回数は、sのサイズに従って定義することのできる停止基準に従って動的に決定される。
【0095】
本発明の一部の実施形態では、マルチビュー表示はハーフトーンフォーマットの画像を必要とする。本書で使用する場合、ハーフトーンフォーマットとは、網点の表わす階調の強度に正比例して変化する様々なサイズおよび形状の一連の網点によって細部および階調値が表わされる、写真製版法による印刷表面またはそこからの印象を意味する。そのようなマルチ画像表示の1例は、参照によって本書に組み込まれる米国特許第6061179号に、またはそれに付着または印刷された1つ以上の画像を有するレンチキュラレンズアレイなどのマルチ画像表示に提示されている。通常、ハーフトーンフォーマットは各画素が低ビット数で表わされるフォーマットである。ハーフトーニングまたはハーフトーンスクリーニングプロセスは、高品質の画像を複製するために使用することができる。参照によって本書に組み込まれる、例えば1990年4月13日出願の米国特許第5107346号、および2002年2月22日出願の米国特許第5991438号を参照されたい。1例として、1つ以上のハーフトーン画像を入力として受け取る印刷装置および/またはコピー装置によって生成される印刷レンチキュラ表示がある。
【0096】
任意選択的に、ぼかし除去またはゴースト除去は、マルチビュー表示のぼけプロファイルを考慮に入れるハーフトーニングプロセスとして実行される。任意選択的にハーフトーニングプロセスは、参照によって本書に組み込まれる例えば米国特許第5475497号に記載するように、変調伝達関数(MTF)および/または有限インパルス応答(FIR)フィルタのインパルス応答に基づくフィルタに従って定義される、少なくともスクエアハーフトーニング(squares halftoning)アルゴリズムを用いて実現される。そのような実施形態では、ゴースト除去フィルタは、2つの1次元フィルタの積に基づく。第1の1次元フィルタはぼけプロファイルまたはそこから導出される任意のフィルタであり、第2の1次元フィルタは、参照によって本書に組み込まれる例えば米国特許第5475497号の図3および4にあるように、人間の視覚をモデル化するために使用されるフィルタのインパルス応答である。
【0097】
この出願が実った特許の存続期限中に、本願の多くの関連装置、方法、およびシステムが発展することが予想され、シーケンス、画像カメラ、ネットワーク、および通信といった用語の範囲は、全てのそのような新技術を先験的に包含することを意図している。
【0098】
本明細書中で使用される用語「約」は、±10%を示す。
【0099】
用語「含む/備える(comprises、comprising、includes、includining)」、「有する(having)」、およびそれらの同根語は、「含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味する。
【0100】
用語「からなる(consisting of)」は、「含み、かつそれらに限定される(including and limited to)」ことを意味する。
【0101】
用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、さらなる成分、工程および/または部分が、特許請求される組成物、方法、または構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合にだけ、組成物、方法、または構造がさらなる成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。
【0102】
本明細書中で使用される場合、単数形態(「a」、「an」および「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。
【0103】
本開示を通して、本発明の様々な実施形態が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5および6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
【0104】
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲である/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数および整数とを含むことが意味される。
【0105】
明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施形態に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の各種の特徴は、別個にまたは適切なサブコンビネーションで、または本発明の他の実施形態において好適に提供することもできる。種々の実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしに動作不能である場合を除いては、それらの実施形態の不可欠な特徴であると見なされるべきではない。
【0106】
本発明はその特定の実施形態と共に説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神の広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。
【0107】
本明細書中で言及した刊行物、特許および特許願はすべて、個々の刊行物、特許または特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。節の見出しが使用されている範囲まで、それらは必ずしも限定として見なされるべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像分離マスクによるマルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するための方法であって、
(a)第2画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、
(b)評価者が目測を行なって前記第2画像分離マスクにより前記較正パターンにもたらされるぼけを指摘することを可能にするステップと、
(c)前記目測に従って少なくとも前記第1画像分離マスクのぼけプロファイルを発生させるステップとを含み、
前記第1および第2画像分離マスクは実質的に同様の光学的プロファイルを有する、方法。
【請求項2】
前記評価者はシステムオペレータである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ぼけプロファイルはコンボリューションカーネルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ぼけプロファイルを用いて、マルチ画像表示から少なくとも1つのゴーストアーチファクトを減少させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記減少させるステップはハーフトーニングプロセスでぼけプロファイルを使用することによって実行される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ぼけプロファイルと人間の視知覚のモデル化に使用されるフィルタとを組み合わせるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ぼかしフィルタ、画像ぼかし変換、画像変換機能から成る群から選択されたメンバを作成するステップ、および前記メンバに従って少なくとも1つの画像を処理するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記目測は、前記較正パターンの画像を取り込み、かつ前記取り込まれた画像に従って前記目測をもたらすように構成された画像取り込み装置によって与えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第2画像分離マスクは第1画像分離マスクである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
マルチ画像表示における少なくとも1つの画像の現出をエミュレートするために、ぼけプロファイルを使用するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記較正パターンは印刷され、前記較正パターンは前記光学的プロファイルの少なくとも1つの印刷アーチファクトによって生じる印刷ぼけを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの印刷アーチファクトは、鏡面基材、インクの滲み、インク盛り、縁部鮮鋭度、基材における表面下の散乱、および光沢の不均一性から成る群から選択されたメンバを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ぼけを低減した画像をマルチ画像表示に提示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
マルチ画像表示は、レンチキュラ印刷用の少なくとも1つのインタレース画像、多次元シーンを表わす一連の画像のうちの少なくとも1つの画像、およびマルチ画像表示用のインタレース画像を作成するための少なくとも1つの画像から成る群から選択された少なくとも1つの画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記画像分離マスクは、レンチキュラレンズアレイ、光バリア、視差バリア、インテグラルフォトグラフィ用のレンズのアレイ、および多次元画像を表示するためのディスプレイから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ステップc)の前に前記評価者の位置情報を受信するステップをさらに含み、前記発生させるステップが前記評価者の位置情報に従って実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記較正パターンは少なくとも1つの位置ラベルを含み、前記目測を行って可能にするステップはさらに、特定の位置からの前記少なくとも1つの位置ラベルの視認性に従って前記位置情報の位置推定を可能にするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記較正パターンはバンディングパターンを含み、さらに、前記目測に従ってマルチ画像表示の少なくとも1つの画像を較正するように構成されたバンディングプロファイルを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
マルチ画像表示のアーチファクトを低減するための方法であって、
画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、
評価者が目測を行なって、前記画像分離マスクによりもたらされるマルチ画像表示のアーチファクトを指摘することを可能にするステップと、
前記目測に従って内容画像を処理し、それによって前記マルチ画像表示のアーチファクトを低減するステップとを含む、方法。
【請求項20】
前記較正パターンはバンディングプロファイルであり、前記目測を行って可能にするステップは、前記内容画像に対する前記画像分離マスクの較正を可能にするステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アーチファクトはゴーストアーチファクト、滲みアーチファクト、縁部鮮鋭度アーチファクト、バンディングアーチファクト、および光沢の不均一性アーチファクトから成る群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
マルチ画像表示を視覚化するための方法であって、
画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、
画像分離マスクによって生じるぼけの目測を可能にするステップと、
前記目測に従って少なくとも1つの画像を処理するステップと、
前記少なくとも1つの処理された画像を表示し、それによって前記画像分離マスクを通して前記少なくとも1つの画像の現出を視覚化するステップとを含む、方法。
【請求項23】
前記ぼかしは、前記目測に従ってぼけプロファイルを生成し、前記ぼけプロファイルを使用して前記少なくとも1つの画像を処理することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記表示するステップは、前記画像分離マスクを通した前記較正パターンの現出をシミュレートするように構成されたシミュレーションモジュールを用いて実行される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記処理する前に、画像取込み装置から前記目測を受け取るステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
マルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するためのシステムであって、
少なくとも画像分離マスクによって較正パターンに生じたぼけの目測を受け取るように構成された入力モジュールと、
前記目測に従ってぼけプロファイルを生成するように構成された較正モジュールと、
ぼけプロファイルを出力し、それによってマルチ画像表示のゴーストアーチファクトの低減およびマルチ画像表示の視覚化の少なくとも1つを可能にするための出力ユニットとを備える、システム。
【請求項27】
前記画像分離マスクは光学的プロファイルを有し、前記マルチ画像表示は前記光学的プロファイルを有する追加の画像分離マスクを有し、前記マルチ画像表示は、前記追加の画像分離マスクを通して前記少なくとも1つの較正画像を表示することによって形成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記光学的プロファイルは、ピッチ、曲率、屈折率形状、レンチキュラレンズの相対位置、透明度等から成る群から選択されたメンバを定義するために構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記マルチ画像表示の視覚化を生成し、かつネットワークを介して前記視覚化をクライアント端末に送信し、それによってユーザが前記視覚化を見ることを可能にするように構成されたクライアントインタフェースをさらに備える、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記クライアントインタフェースは、前記ネットワークを介して前記ユーザから生成許可を受け取り、かつ前記生成許可に従ってマルチ画像表示を生成するように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記クライアント端末は前記システムから遠隔的に配置される、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
マルチ画像表示は、レンチキュラ印刷用の少なくとも1つのインタレース画像、多次元シーンを表わす一連の画像のうちの少なくとも1つの画像、およびマルチ画像表示用のインタレース画像を作成するための少なくとも1つの画像から成る群から選択された少なくとも1つの画像を含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
少なくとも1つの画像および第1画像分離マスクを有するマルチ画像表示のゴーストを除去するための方法であって、
画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、
第2画像分離マスクによって生じるぼかしアーチファクトの目測を可能にするステップと、
前記目測に従って少なくとも1つの画像を処理し、それによって少なくとも第1画像分離マスクによって生じるゴーストアーチファクトを低減するステップとを含み、
前記第1および第2画像分離マスクは、実質的に同様の光学的プロファイルを有する、方法。
【請求項1】
第1画像分離マスクによるマルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するための方法であって、
(a)第2画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、
(b)評価者が目測を行なって前記第2画像分離マスクにより前記較正パターンにもたらされるぼけを指摘することを可能にするステップと、
(c)前記目測に従って少なくとも前記第1画像分離マスクのぼけプロファイルを発生させるステップとを含み、
前記第1および第2画像分離マスクは実質的に同様の光学的プロファイルを有する、方法。
【請求項2】
前記評価者はシステムオペレータである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ぼけプロファイルはコンボリューションカーネルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ぼけプロファイルを用いて、マルチ画像表示から少なくとも1つのゴーストアーチファクトを減少させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記減少させるステップはハーフトーニングプロセスでぼけプロファイルを使用することによって実行される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ぼけプロファイルと人間の視知覚のモデル化に使用されるフィルタとを組み合わせるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ぼかしフィルタ、画像ぼかし変換、画像変換機能から成る群から選択されたメンバを作成するステップ、および前記メンバに従って少なくとも1つの画像を処理するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記目測は、前記較正パターンの画像を取り込み、かつ前記取り込まれた画像に従って前記目測をもたらすように構成された画像取り込み装置によって与えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第2画像分離マスクは第1画像分離マスクである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
マルチ画像表示における少なくとも1つの画像の現出をエミュレートするために、ぼけプロファイルを使用するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記較正パターンは印刷され、前記較正パターンは前記光学的プロファイルの少なくとも1つの印刷アーチファクトによって生じる印刷ぼけを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの印刷アーチファクトは、鏡面基材、インクの滲み、インク盛り、縁部鮮鋭度、基材における表面下の散乱、および光沢の不均一性から成る群から選択されたメンバを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ぼけを低減した画像をマルチ画像表示に提示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
マルチ画像表示は、レンチキュラ印刷用の少なくとも1つのインタレース画像、多次元シーンを表わす一連の画像のうちの少なくとも1つの画像、およびマルチ画像表示用のインタレース画像を作成するための少なくとも1つの画像から成る群から選択された少なくとも1つの画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記画像分離マスクは、レンチキュラレンズアレイ、光バリア、視差バリア、インテグラルフォトグラフィ用のレンズのアレイ、および多次元画像を表示するためのディスプレイから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ステップc)の前に前記評価者の位置情報を受信するステップをさらに含み、前記発生させるステップが前記評価者の位置情報に従って実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記較正パターンは少なくとも1つの位置ラベルを含み、前記目測を行って可能にするステップはさらに、特定の位置からの前記少なくとも1つの位置ラベルの視認性に従って前記位置情報の位置推定を可能にするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記較正パターンはバンディングパターンを含み、さらに、前記目測に従ってマルチ画像表示の少なくとも1つの画像を較正するように構成されたバンディングプロファイルを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
マルチ画像表示のアーチファクトを低減するための方法であって、
画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、
評価者が目測を行なって、前記画像分離マスクによりもたらされるマルチ画像表示のアーチファクトを指摘することを可能にするステップと、
前記目測に従って内容画像を処理し、それによって前記マルチ画像表示のアーチファクトを低減するステップとを含む、方法。
【請求項20】
前記較正パターンはバンディングプロファイルであり、前記目測を行って可能にするステップは、前記内容画像に対する前記画像分離マスクの較正を可能にするステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アーチファクトはゴーストアーチファクト、滲みアーチファクト、縁部鮮鋭度アーチファクト、バンディングアーチファクト、および光沢の不均一性アーチファクトから成る群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
マルチ画像表示を視覚化するための方法であって、
画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、
画像分離マスクによって生じるぼけの目測を可能にするステップと、
前記目測に従って少なくとも1つの画像を処理するステップと、
前記少なくとも1つの処理された画像を表示し、それによって前記画像分離マスクを通して前記少なくとも1つの画像の現出を視覚化するステップとを含む、方法。
【請求項23】
前記ぼかしは、前記目測に従ってぼけプロファイルを生成し、前記ぼけプロファイルを使用して前記少なくとも1つの画像を処理することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記表示するステップは、前記画像分離マスクを通した前記較正パターンの現出をシミュレートするように構成されたシミュレーションモジュールを用いて実行される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記処理する前に、画像取込み装置から前記目測を受け取るステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
マルチ画像表示のぼけプロファイルを識別するためのシステムであって、
少なくとも画像分離マスクによって較正パターンに生じたぼけの目測を受け取るように構成された入力モジュールと、
前記目測に従ってぼけプロファイルを生成するように構成された較正モジュールと、
ぼけプロファイルを出力し、それによってマルチ画像表示のゴーストアーチファクトの低減およびマルチ画像表示の視覚化の少なくとも1つを可能にするための出力ユニットとを備える、システム。
【請求項27】
前記画像分離マスクは光学的プロファイルを有し、前記マルチ画像表示は前記光学的プロファイルを有する追加の画像分離マスクを有し、前記マルチ画像表示は、前記追加の画像分離マスクを通して前記少なくとも1つの較正画像を表示することによって形成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記光学的プロファイルは、ピッチ、曲率、屈折率形状、レンチキュラレンズの相対位置、透明度等から成る群から選択されたメンバを定義するために構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記マルチ画像表示の視覚化を生成し、かつネットワークを介して前記視覚化をクライアント端末に送信し、それによってユーザが前記視覚化を見ることを可能にするように構成されたクライアントインタフェースをさらに備える、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記クライアントインタフェースは、前記ネットワークを介して前記ユーザから生成許可を受け取り、かつ前記生成許可に従ってマルチ画像表示を生成するように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記クライアント端末は前記システムから遠隔的に配置される、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
マルチ画像表示は、レンチキュラ印刷用の少なくとも1つのインタレース画像、多次元シーンを表わす一連の画像のうちの少なくとも1つの画像、およびマルチ画像表示用のインタレース画像を作成するための少なくとも1つの画像から成る群から選択された少なくとも1つの画像を含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
少なくとも1つの画像および第1画像分離マスクを有するマルチ画像表示のゴーストを除去するための方法であって、
画像分離マスクを通して較正パターンを表示するステップと、
第2画像分離マスクによって生じるぼかしアーチファクトの目測を可能にするステップと、
前記目測に従って少なくとも1つの画像を処理し、それによって少なくとも第1画像分離マスクによって生じるゴーストアーチファクトを低減するステップとを含み、
前記第1および第2画像分離マスクは、実質的に同様の光学的プロファイルを有する、方法。
【図1】
【図5】
【図8】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図5】
【図8】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【公表番号】特表2010−521081(P2010−521081A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550774(P2009−550774)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【国際出願番号】PCT/IL2008/000237
【国際公開番号】WO2008/102366
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(509239082)ヒューマンアイズ テクノロジーズ リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【国際出願番号】PCT/IL2008/000237
【国際公開番号】WO2008/102366
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(509239082)ヒューマンアイズ テクノロジーズ リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
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