説明

マルチ画面表示装置

【課題】子画面の表示品質の低下を最低限に抑えることができるマルチ画面表示装置を提供する。
【解決手段】マルチ画面表示装置は、画面表示処理にかかる負荷をモニターする負荷状況モニター部24と、負荷状況モニター部24でモニターした画面表示処理負荷状況から、子画面の表示方式を変更する必要性の有無を判定する処理能力判定部10と、処理能力判定部10で子画面の表示方式を変更する必要性が有りと判定された場合、子画面の表示方式を変更する表示方式制御部11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の映像ソースからのデータを1つの表示器に複数同時に表示するマルチ画面表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高画質化、多チャンネル化、高機能化及び高品質化を目的として今までのアナログ放送に変わるデジタル放送が導入されつつあり、それに合わせて、例えばプラズマディスプレイ等の大型の表示器が一般家庭にも急速に普及してきている。
【0003】
また、この大型の表示器は、映像に関わる様々なジャンルのマルチメディア機器との接続が可能となっており、例えば、DVDプレーヤやパソコン等と接続し、これらの機器から送られてくる映像データを表示することが可能である。また大型の表示器という特性を活かして、デジタル放送の複数チャンネルの画面と共に、DVDの映像、更にはパソコンの画面を一度に表示するマルチ画面表示も行われつつある。
【0004】
例えば、特許文献1記載の「動画像複合化装置および動画像複合化方法」に見られるように、デコーダの回路規模の増加や、メモリの使用量を抑えつつ、複数チャネルを高画質で表示が可能な動画像複合化装置の提案もなされている。
【0005】
しかしながら、複数の映像ソースをマルチな画面で表示をする場合、その表示器の性能にもよるが、高画質のままで表示できる画面数には限界がある。そして、その限界数を超えたマルチ画面表示を行った場合には、処理が間に合わずに映像が一瞬停止したのちにコマ落ちする等の不具合が発生してしまう。その結果として、映像が不連続になる部分が発生することがあり、問題となることが多かった。
【0006】
従来、この問題を避けるために、映像信号からフレーム単位で画像を間引く技術が採用されている。特にマルチ表示を行う際には、親画面と子画面といった区別を行った上で、子画面の表示に関して、このフレーム間引きを適応していた。
【特許文献1】特開2002−112195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、映像信号からフレーム単位で画像を間引く上記技術は、子画面の映像信号が動画でも静止画でも同じように、ある一定間隔でフレームを間引くようにしている。そのため、映像が同じタイミングで切り替わる、いわゆる周期性をもったチラつきとして視聴者に認識されてしまうという問題がある。また、親画面の表示品質に比べ、明らかに子画面の表示品質を落としていることが視聴者に対してわかってしまう等の問題もあり、改善が求められていた。
【0008】
本発明の目的は、子画面の表示品質の低下を最低限に抑えることができるマルチ画面表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載のマルチ画面表示装置は、複数の映像ソースからのデータを、1つの表示器に親画面、子画面として複数同時に表示するマルチ画面表示装置において、画面表示処理にかかる負荷をモニターする負荷状況モニター手段と、前記負荷状況モニター手段でモニターした画面表示処理負荷状況から、前記子画面の表示方式を変更する必要性の有無を判定する処理能力判定手段と、前記処理能力判定手段で前記子画面の表示方式を変更する必要性が有りと判定された場合、前記子画面の表示方式を変更する表示方式制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のマルチ画面表示装置は、画面表示処理にかかる負荷をモニターする負荷状況モニター手段と、負荷状況モニター手段でモニターした画面表示処理負荷状況から、子画面の表示方式を変更する必要性の有無を判定する処理能力判定手段とを備える。また、処理能力判定手段で子画面の表示方式を変更する必要性が有りと判定された場合、子画面の表示方式を変更する表示方式制御手段を備える。従って、画面表示処理能力に余裕がある場合は、子画面を間引きさせずに済む。この結果、子画面の表示品質の低下を最低限に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係るマルチ画面表示装置の構成を概略的に示す図である。
【0013】
図1に示すマルチ画面表示装置は、4つの独立した映像ソースを1つの表示器にマルチ表示を行うシステムの例であり、デジタルチューナを2チャンネル持ち、DVDプレーヤ及びパソコンとの接続端子を持つ。これら4つの映像ソースは、映像ソースの数を限定するものではなく、更に多い数でも少ない数でも良い。
【0014】
図1において、マルチ画面表示装置は、アンテナ部1、チューナ部2、12、復調部3、13、デコーダ部4、14、画像判定部5、15、25、35、フレームレート変換部6、16、26、36、解像度変換部7、17、27、37を備える。
【0015】
また、マルチ画面表示装置は、DVD(映像ソース)8、PC(映像ソース)9、処理能力判定部10、表示方式制御部11、画面管理部20、メモリ制御部21、メモリ部22、負荷状況モニター部24、出力合成部30、ディスプレイ(表示器)31を備える。符号23はグラフィックバスである。
【0016】
アンテナ部1は、地上波や衛星波などからデジタルテレビの信号を受信する。チューナ部2、12は、受信したデジタルテレビの信号を、帯域フィルタ及びダウンコンバータなどを通過させた後に、復調部3、13へ出力する。復調部3、13は、伝送形態に合致した復調処理を施すと共に、所望のMPEG2トランスポートストリームをデコーダ部4、14へ受け渡す。
【0017】
デコーダ部4、14は、受け取ったトランスポートストリームをMPEG2のオーディオデータとビデオデータに分離したのちに復号処理を行う。ここでのビデオデータの復号とは、圧縮された映像信号を解凍し、テレビ等の画面に表示することが可能なラスタスキャン形式の表示フォーマットに変換することを表している。
【0018】
画像判定部5、15、25、35は、それぞれ入力された映像ソースの画像データから、連続する各フレーム間の動き量を算出する。算出した動き量は表示方式制御部11へ送られる。また同様に、画像判定部5、15、25、35は、それぞれ入力された映像ソースの画像データの、あるフレーム内の隣接する画像ブロックから類似量を算出する。算出した類似量も同様に表示方式制御部11へ送られる。
【0019】
フレームレート変換部6、16、26、36は、それぞれ入力された映像ソースのフレーム間引きを行う。表示方式制御部11から、表示方式の変更指示があれば、該当する映像ソースにおいて、指示された間引きモードでのフレーム間引きを行う。
【0020】
解像度変換部7、17、27、37は、それぞれ入力された映像ソースの解像度変換処理を行う。表示方式制御部11から、表示方式の変更指示があれば、該当する映像ソースにおいて、指示された変換モードでの解像度変換を行う。
【0021】
処理能力判定部10は、通知された負荷状況から子画面の表示方式を変更する必要性を判断する。即ち、装置における表示処理能力のうち、親画面の表示処理に費やした処理能力を差し引いた残りの処理能力が複数の子画面を表示するにあたって余裕があるかどうかを判断する。
【0022】
例えば、通知された負荷状況に十分余裕があれば子画面の表示方式を変更する必要はなく、逆に余裕がなければ子画面の表示方式を変更する必要がある。処理能力判定部10によって判定された結果は、表示方式制御部11へ通知される。
【0023】
表示方式制御部11は、処理能力判定部10からの表示方式変更指示と、画像判定部5、15、25、35より送られてきた各映像ソースにおけるフレーム間の動き量とフレーム内の隣接画像ブロックの類似量から、表示方式を変更すべき映像ソースを選択する。そして、選択した映像ソースにおける表示方式の変更モードを指示する。
【0024】
例えば、DVDプレーヤからの映像ソース8に対してフレームレート及び解像度を変更する場合、フレームレート変換部26に対して、間引きを実行するイネーブル信号と共に間引きモードを指示する。そして、解像度変換部27に対して、変換を実行するイネーブル信号と共に変換モードをそれぞれ通知する。
【0025】
この場合、他の変換部に対しては変更を実行しないディスエーブル信号が送られるとする。ここで述べている間引きモード及び変換モードに関しては、後に図7、図11において詳しく説明する。
【0026】
また、本実施の形態において、フレームレートと解像度の変更度合いは、その間引き量を3段階にわけて3つのモードとしているが、間引き量やモード数を3つに限定するものではなく、更に多い数でも少ない数でも良いものとする。
【0027】
画面管理部20は、マルチ表示画面上の親画面と子画面とに区別して管理を行う。また親画面と子画面の入替えが指示された場合や、新たに子画面の追加が指示された場合は、その追加された子画面の管理も行うこととする。
【0028】
メモリ制御部21は、メモリ部22のリード・ライトに関するアドレス及びデータの管理を行う。処理された映像データはグラフィックバス23を介して、メモリ部22へ格納される。また、メモリ部22に格納された映像データは、グラフィックバス23を介して出力合成部30へ送られる。
【0029】
負荷状況モニター部24は、グラフィックバス23のトラフィックを監視することで表示処理にかかる負荷状況をモニターする。モニターした負荷状況は処理能力判定部10へ通知される。出力合成部30は、メモリ部22から読み出された画像データを、ディスプレイ31に表示するためのマルチ画面の合成処理を行う。
【0030】
図2は、図1におけるディスプレイに表示されるマルチ表示画面の例を示す図である。
【0031】
図2において、マルチ表示画面100は、親画面にデジタルテレビのCh1を表示、3つの子画面にそれぞれデジタルテレビのCh2、パソコンの画面、DVDプレーヤの画面を表示している。
【0032】
マルチ表示画面101は、各画面が重なり合うマルチ表示の例を示している。この表示の場合、前面に表示しているデジタルテレビのCh1が親画面の扱いとなり、背面に表示しているデジタルテレビのCh2、パソコンの画面、DVDプレーヤの画面は子画面の扱いとなる。
【0033】
図3は、図1における負荷状況モニター部によってモニターされた負荷状況をグラフ化して示す図である。
【0034】
図3において、斜線で表している部分が親画面であるデジタルテレビのCh1の表示処理にかかる負荷状況である。この親画面の処理にかかる負荷状況は常に変動しているとする。
【0035】
また図3中、白抜き部分は現時点での余裕度、即ち、子画面の表示に使用できる処理パワーを示している。この白抜き部分の処理パワーで子画面の表示処理をまかなうことが前提条件となる。
【0036】
図1における処理能力判定部10は、この処理負荷状況から子画面の表示方式を変更する必要性があるのかを判断し、必要あれば子画面の表示方式の変更指示を表示方式制御部11へ通知する。
【0037】
図4は、図1のマルチ画面表示装置によって実行されるマルチ画面表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0038】
このフローは、本装置が起動された際に、表示方式制御部11によって実行され、その後は画面管理部20において、表示画面の構成(親画面と子画面の入替え、子画面の追加等)に変化があった際に改めて実行されるものとする。
【0039】
図4において、まず、マルチ表示か否かの判断を行い(ステップS201)、マルチ表示でない場合は、単独チャンネルの表示を行い(ステップS202)、この処理を終了する。
【0040】
マルチ表示の場合は、指定されたチャンネルを全て表示してみて、その表示負荷状況が100%以内に収まっているかどうかの判断を行い(ステップS203)、収まっている場合は、指定されたチャンネルのマルチ表示を行い(ステップS204)、この処理を終了する。
【0041】
負荷状況が100%以内に収まっていない場合、表示方式を変更すべき子画面を選択し、選択した子画面の表示方式を調整する(ステップS205)。例えば、表示方式制御部11によって、マルチ表示画面100のCh2に対してフレームレートの変更が指示される等の処理が行われる。
【0042】
図5は、図1における画像判定部と表示方式制御部によって実行される類似量算出処理の手順を示すフローチャートである。
【0043】
図5において、まず、動き量に対する閾値Aのセット、類似量に対する閾値Bのセットを行い(ステップS301)、フレーム間の動き量の算出を行う(ステップS302)(動き寮算出手段)。次に、算出された動き量が閾値Aより大きいか否かの判断を行う(ステップS303)。
【0044】
算出された動き量が閾値Aより大きい場合は、動きの速い動画と認識し(ステップS304)、フレームレートの変換処理ビットをディスエーブルにし(ステップS305)、ステップS309へ進む。
【0045】
算出された動き量が閾値A以下の場合は、動きの遅い動画と認識し(ステップS306)、フレームレートの変換ビットをイネーブルにし(ステップS307)、フレームレート変換モード(間引きモード)を決定して(ステップS308)、ステップS309へ進む。
【0046】
次に、フレーム画像内の隣接ブロックの類似量を算出し(ステップS309)(類似量算出手段)、算出された類似量が閾値より大きいか否かの判断を行う(ステップS310)。
【0047】
算出された類似量が閾値以下の場合は、入力画像が空間周波数の高い画像と認識し(ステップS311)、解像度変換処理ビットをディスエーブルにし(ステップS312)、この処理を終了する。
【0048】
算出された類似量が閾値より大きい場合は、入力画像が空間周波数の低い画像と認識し(ステップS313)、解像度変換処理ビットをイネーブルにし(ステップS314)、解像度変換処理の変換モードを決定して(ステップS315)この処理を終了する。
【0049】
図6は、図5のステップS302で実行される動き量算出処理の回路ブロックを概略的に示す図である。
【0050】
図6において、入力信号(入力フレーム画像)に対し、フレームバッファA50と、フレームバッファB51が交互にフレーム画像データをバッファしていく。この2つのフレーム画像データを比較し、その差分が差分検出部52によって検出され、最終的に動き量として出力される。
【0051】
図7は、図5のステップS308で実行されるフレームレート変換モード(間引きモード)決定処理の内容を示す図である。
【0052】
図7において、1秒間に60枚のフレームで構成される一般的に60i(iはインターレース)と呼ばれる映像信号60を3つの間引きモードで間引く。
【0053】
間引きモード(1)61は、やや動きの遅い画像と判断された場合に選択され、フレーム画像の約半分を間引き、1秒間に30枚のフレームとするモードである。
【0054】
間引きモード(2)62は、かなり動きの遅い画像と判断された場合に選択され、フレーム画像の約4分の3を間引き、1秒間に15枚のフレームとするモードである。
【0055】
間引きモード(3)63は、完全な静止画と判断された場合に選択され、基準となる1枚のフレームのみを残して他は全て間引き、1秒間に1枚のフレームとするモードである。
【0056】
図8は、図5のステップS308で実行されるフレームレート変換モード(間引きモード)決定処理の手順を示すフローチャートである。
【0057】
図8において、まず、フレームレートの変換ビットがイネーブルか否かの判別を行い、(ステップS401)、フレームレートの変換ビットがイネーブルの場合は、算出された動き量に応じて変換モードを決定する(ステップS402)。
【0058】
間引きモード(1)が選択された場合はステップS403へ進み、間引きモード(2)が選択された場合はステップS404へ進み、間引きモード(3)が選択された場合はステップS405へ進む。
【0059】
ステップS403では、フレーム画像の約半分を間引き、1秒間に30枚のフレームとする処理を行い、終了する。ステップS404では、フレーム画像の約4分の3を間引き、1秒間に15枚のフレームとする処理を行い、終了する。ステップS405では、基準フレームの1枚のみ残して他は全て間引き、1秒間に1枚のフレームとする処理を行い、終了する。フレームレートの変換ビットがディスエーブルの場合は、この処理を終了する。
【0060】
図9は、図5のステップS309によって実行される類似量算出処理の回路ブロックを概略的に示す図である。
【0061】
図9において、入力信号(入力ブロック画像)に対し、バッファA70とバッファB71が交互にブロック画像データをバッファしていく。この2つの画像データを比較し、その差分が差分検出部72によって検出され、最終的に類似量として出力される。
【0062】
図10は、図9の類似量算出処理の回路に入力されるブロック画像データを示す図である。
【0063】
図10において、フレーム画像80のうち互いに隣接した画像ブロック(ブロック画像データ)81、82は、それぞれバッファA70とバッファB71でバッファされ、上記の如く、最終的に類似量として出力される。
【0064】
ここでの類似量は、比較するブロック画像データの差分が大きければ類似量は小さいものとし、差分が小さければ類似量は大きいものとする。また、類似量が大きければ、入力された画像は空間周波数の低い画像であり、類似量が小さければ入力された画像は空間周波数の高い画像であると言える。
【0065】
図11は、図5のステップS315で実行される解像度変換モード決定処理の内容を示す図である。
【0066】
図11において、画像ブロック90は、あるフレーム内から切り出された16×16の画素で構成される。
【0067】
変換モード(1)91は、空間周波数のやや低い画像と判断された場合に選択され、16×16の画像ブロックを8×8の画像ブロックへと解像度を変換する。即ち、入力画像の解像度に対し、約4分の1の解像度変換を行い、扱うデータ量を4分の1にするモードである。
【0068】
変換モード(2)92は、空間周波数が低い画像と判断された場合に選択され、16×16の画像ブロックを4×4の画像ブロックへと解像度を変換する。即ち、入力画像の解像度に対し、約16分の1の解像度変換を行い、扱うデータ量を16分の1にするモードである。
【0069】
変換モード(3)93は、空間周波数がかなり低い画像と判断された場合に選択され、16×16の画像ブロックを2×2の画像ブロックへと解像度を変換する。即ち、入力画像の解像度に対し、約64分の1の解像度変換を行い、扱うデータ量を64分の1にするモードである。
【0070】
図12は、図5のステップS315で実行される解像度変換モード決定処理の手順を示すフローチャートである。
【0071】
図12において、まず、解像度の変換ビットがイネーブルか否かの判別を行い(ステップS501)、解像度の変換ビットがイネーブルの場合、算出された類似量に応じて変換モードを決定する(ステップS502)。
【0072】
モード(1)が選択された場合はステップS503へ進み、モード(2)が選択された場合はステップS504へ進み、モード(3)が選択された場合はステップS505へ進む。
【0073】
ステップS503では、16×16の画像ブロックを8×8の画像ブロックへと解像度を変換する処理を行い、ステップS506へ進む。ステップS504では、16×16の画像ブロックを4×4の画像ブロックへと解像度を変換する処理を行い、ステップS506へ進む。ステップS504では、16×16の画像ブロックを2×2の画像ブロックへと解像度を変換する処理を行い、ステップS506へ進む。
【0074】
ステップS506では、1画面分の変換処理が終了したかどうかの判別を行い、終了の場合はこの処理を終了し、終了していない場合はステップS502へ戻り、以後、上記の処理を繰り返す。また、解像度の変換ビットがディエーブルの場合もこの処理を終了する。
【0075】
以上述べてきたように、本発明では、複数の映像ソースからのデータを1つの表示器に複数同時に表示するマルチ画面表示装置において、表示処理にかかる処理能力の余裕度に合わせて子画面の表示方式を変更する。
【0076】
このことにより、子画面の表示に関して、デコード処理が間に合わずにコマ落ちしてしまうといった不具合がなくなる。また映像ソースの内容を分析し、映像ソースに合わせた間引き度合いを選択することにより、子画面の表示品質の低下を最低限にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態に係るマルチ画面表示装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1におけるディスプレイに表示されるマルチ表示画面の例を示す図である。
【図3】図1における負荷状況モニター部によってモニターされた負荷状況をグラフ化して示す図である。
【図4】図1のマルチ画面表示装置によって実行されるマルチ画面表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図1における画像判定部と表示方式制御部によって実行される類似量算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS302で実行される動き量算出処理の回路ブロックを概略的に示す図である。
【図7】図5のステップS308で実行されるフレームレート変換モード(間引きモード)決定処理の内容を示す図である。
【図8】図5のステップS308で実行されるフレームレート変換モード(間引きモード)決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図5のステップS309によって実行される類似量算出処理の回路ブロックを概略的に示す図である。
【図10】図9の類似量算出処理の回路に入力されるブロック画像データを示す図である。
【図11】図5のステップS315で実行される解像度変換モード決定処理の内容を示す図である。
【図12】図5のステップS315で実行される解像度変換モード決定処理の内容を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 アンテナ部
5 画像判定部(画像判定手段)
6 フレームレート変換部(フレームレート変換手段)
7 解像度変換部(解像度変換手段)
10 処理能力判定部(処理能力判定手段)
11 表示方式制御部(表示方式制御手段)
15 画像判定部(画像判定手段)
16 フレームレート変換部(フレームレート変換手段)
17 解像度変換部(解像度変換手段)
20 画面管理部(画面管理手段)
24 負荷状況モニター部(負荷状況モニター手段)
25 画像判定部(画像判定手段)
26 フレームレート変換部(フレームレート変換手段)
27 解像度変換部(解像度変換手段)
31 ディスプレイ(表示器)
35 画像判定部(画像判定手段)
36 フレームレート変換部(フレームレート変換手段)
37 解像度変換部(解像度変換手段)
ステップS302 動き量算出手段
ステップS309 類似量算出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の映像ソースからのデータを、1つの表示器に親画面、子画面として複数同時に表示するマルチ画面表示装置において、
画面表示処理にかかる負荷をモニターする負荷状況モニター手段と、
前記負荷状況モニター手段でモニターした画面表示処理負荷状況から、前記子画面の表示方式を変更する必要性の有無を判定する処理能力判定手段と、
前記処理能力判定手段で前記子画面の表示方式を変更する必要性が有りと判定された場合、前記子画面の表示方式を変更する表示方式制御手段と、
を備えることを特徴とするマルチ画面表示装置。
【請求項2】
各表示画面を前記親画面と前記子画面とに区別して管理を行う画面管理手段を備え、
前記表示方式制御手段は、前記モニターした画面表示処理負荷状況に応じて、前記子画面として管理される画面の表示方式を変更することを特徴とする請求項1記載のマルチ画面表示装置。
【請求項3】
前記表示方式制御手段の指示により、表示画面のフレームレートを変更するフレームレート変更手段と、前記表示方式制御手段の指示により、表示画面の解像度を変更する解像度変更手段とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマルチ画面表示装置。
【請求項4】
入力された映像ソースの内容を判定する画像判定手段を備え、前記表示方式制御手段は、前記画像判定手段の判定結果と、前記モニターした画面表示処理負荷状況と、前記処理能力判定手段の判定結果に応じて、前記子画面として管理される画面の表示方式を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマルチ画面表示装置。
【請求項5】
前記画像判定手段は、連続するフレーム間の動き量を算出する動き量算出手段によって構成され、前記表示方式制御手段は、前記動き量算出手段による算出結果と、前記モニターした画面表示処理負荷状況と、前記処理能力判定手段の判定結果に応じて、前記子画面として管理される画面のフレームレートを変更することを特徴とする請求項4記載のマルチ画面表示装置。
【請求項6】
前記画像判定手段は、隣接する画素ブロックの類似量を算出する類似量算出手段によって構成され、前記表示方式制御手段は、前記類似量算出手段の算出結果と、前記モニターした画面表示処理負荷状況と、前記処理能力判定手段の判定結果に応じて、前記子画面として管理される画面の解像度を変更することを特徴とする請求項4記載のマルチ画面表示装置。
【請求項7】
前記画像判定手段は、連続するフレーム間の動き量を算出する動き量算出手段と、隣接する画素ブロックの類似量を算出する類似量算出手段によって構成されることを特徴とする請求項4記載のマルチ画面表示装置。
【請求項8】
前記表示方式制御手段は、前記動き量算出手段による算出結果と、前記類似量算出手段の算出結果と、前記モニターした画面表示処理負荷状況と、前記処理能力判定手段の判定結果に応じて、前記子画面として管理される画面のフレームレートと解像度とのどちらを変更するか、または両方変更するか、更にはそれぞれの変更度合いを決定することを特徴とする請求項7記載のマルチ画面表示装置。
【請求項9】
前記表示方式制御手段は、前記動き量算出手段によって連続するフレーム間の動き量が小さい映像ソースと算出した場合は、優先的にフレームレートを落とす処理を行い、また、前記類似量算出手段によって隣接する画素ブロックの類似量が大きい映像ソースと算出した場合は、優先的に解像度を落とす処理を行うことを特徴とする請求項8記載のマルチ画面表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−316405(P2007−316405A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146605(P2006−146605)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】