説明

マーキング用液体インクから顔料を静電抽出する自己集合構造

【課題】スパッタに必要な金属が減少することである。
【解決手段】関連基板にマークを作製する複数のマーキングデバイスタイプから選択される関連マーキングデバイスで用いる平面加工構造であって、基板と、前記基板に取り付けられた非上昇アンカー部分および前記基板に延在する剥離部分を有する自揚スプリングフィンガーであって、前記剥離部分が、近端および遠端を有し、前記遠端が、マーキング流体の放出を促す作用をする先端を含み、エッチングすると、前記自揚スプリングフィンガーの前記剥離部分が、前記面から上昇する、自揚スプリングフィンガーとを含む平面加工構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示の実施形態は、加工構造に関する。マーキング用液体インクから顔料を静電抽出するのに特に用途が見出されており、それについて特に参照して記載していく。ただし、本例示の実施形態は、他の同様の用途にも適しているものと考えられる。
【背景技術】
【0002】
懸濁粒子の入った液体インクを用いるデジタル印刷プロセスは、商工業市場においてターゲットとされる高品質および高速印刷のために開発されてきた。ただし、現時点において、プリントヘッド加工スキームの中には、バッチ加工や優れた印刷特性が得られていないものがある。平面バッチ加工プロセスは特に有利である。この技術では、互いに正確かつ均一に配置できる明確に定義された静電場集中器(先端)が要求される。先端は、毛細管および静電力を最適化する内部構造および全体形状を有するのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,794,737号明細書
【特許文献2】米国特許第5,613,861号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1Aおよび1Bに、電気絶縁液体から顔料を抽出する公知のシステム100の概略を示す。流動液体容器104の少し上に延在する導電性ニブまたは先端102は、毛細管力により液体106でコートされている。正に帯電した顔料粒子108(図1Bに図示)は、流体内に懸濁されている。ニブ102に加わった正パルス110は、顔料粒子を「接地電極」114に向け、液滴の濃縮粒子を、ニブまたは先端102から抽出する。
【0005】
また、CLAW構造として知られている他の構造は、フォトリソグラフィーパターン化スプリング構造に用途が見出されている。米国特許第6,794,737 B2号(Forkら)および米国特許第5,613,861 A号(Smithら)には、両方共、内部応力に抗するために下にある基板に取り付けられたままの自揚スプリングフィンガーの部分を覆う応力均衡層が開示されている。これらの構造は、制御された垂直応力勾配で、金属層を付着し、パターン化するものである。剥離の際に、金属ストリップは、加工面から巻き上がる。追加の層は、スパッタリング、めっきおよびこれらの組み合わせ等の様々な方法により形成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示の実施形態の一態様によれば、関連基板にマークを作製する複数のマーキングデバイスタイプから選択される関連マーキングデバイスで用いる平面加工構造が提供される。平面加工構造は、基板と、自揚スプリングフィンガーとを有する。自揚スプリングフィンガーは、基板に取り付けられた非上昇アンカー部分を有する。剥離部分は、基板に延在していて、近端および遠端を有する。遠端は、マーキング流体の放出を促す作用をする先端を有する。エッチングすると、自揚スプリングフィンガーの剥離部分が、面から上昇する。
【0007】
他の態様によれば、関連基板にマークを作製する複数のマーキングデバイスタイプから選択される関連マーキングデバイスで用いる平面加工構造が提供される。平面加工構造は、基板と、自揚スプリングフィンガーとを有する。自揚スプリングフィンガーは、基板に取り付けられた非上昇アンカー部分を有する。剥離部分は、基板に延在していて、近端および遠端を有する。遠端は、マーキング流体の放出を促す作用をする先端を有する。電気絶縁テザーストリップは、剥離部分を横断して重ねられている。エッチングすると、自揚スプリングフィンガーの剥離部分が、面から上昇する。
【0008】
他の態様によれば、関連基板にマークを作製する複数のマーキングデバイスタイプから選択される関連マーキングデバイスで用いる平面加工構造が提供される。平面加工構造は、基板と、複数の自揚スプリングフィンガーとを有する。複数の自揚スプリングフィンガーは、それぞれ、基板に取り付けられた非上昇アンカー部分を有する。剥離部分は、基板に延在していて、近端および遠端を有する。遠端は、マーキング流体の放出を促す作用をする先端を有する。複数の自揚スプリングフィンガーは、先端が集まるように構成されている。エッチングすると、自揚スプリングフィンガーの剥離部分が、面から上昇する。
【0009】
他の態様によれば、関連基板にマークを作製する複数のマーキングデバイスタイプから選択される関連マーキングデバイスで用いる平面加工構造が提供される。平面加工構造は、基板と、複数の自揚スプリングフィンガーとを有する。複数の自揚スプリングフィンガーは、基板に取り付けられた非上昇アンカー部分を有する。剥離部分は、基板に延在していて、近端および遠端を有する。遠端は、マーキング流体の放出を促す作用をする先端を有する。平面加工構造は、各自揚スプリングフィンガーの剥離部分を横断して重ねられた電気絶縁テザーストリップをさらに有する。複数のテザーストリップ行と複数のテザーストリップ列は、テザー網目構造を形成する。エッチングすると、自揚スプリングフィンガーの剥離部分が、面から上昇する。
【発明の効果】
【0010】
少なくとも1つの実施形態の1つの利点は、スパッタに必要な金属が減少することである。これによって、機械運転時間、材料消費および予防保守(フレーキング)のためのダウンタイムが減じることにより、スパッタリングのコストが減じる可能性がある。さらに、より薄い自揚スプリングを利用できることにより、アンダーカット発生よりもリソグラフィーで決められるため、エミッタ先鋭度をさらに調整可能とすることができる。
【0011】
少なくとも1つの実施形態の他の利点は、先端をパターン化して、毛細管および静電力を最適化できることである。
【0012】
少なくとも1つの実施形態の他の利点は、加工が、低コスト、高精度およびエレクトロニクスとの整合性をもって、平面およびバッチでなされることであろう。
【0013】
少なくとも1つの実施形態の他の利点は、三次元構造が自己集合であることである。
【0014】
少なくとも1つの実施形態の他の利点は、テザー網目が、開口プレートを支持できることである。
【0015】
少なくとも1つの実施形態の他の利点は、垂直エミッタを異なる高さで加工できることである。
【0016】
少なくとも1つの実施形態の他の利点は、先鋭端を備えた機械的に安定なエミッタをバッチ処理できることである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】一般的な静電マーキング構成の概略図である。
【図1B】一般的な静電マーキング構成の概略図である。
【図2A】剥離前の剥離部分構造(先端を含む)の概略平面図である。
【図2B】図2Aに示す剥離部分構造(先端を含む)の剥離前の剥離部分構造の概略側面図である。
【図3A】剥離後の剥離部分構造(先端を含む)の概略平面図である。
【図3B】図3Aに示す剥離部分構造(先端を含む)の剥離後の剥離部分構造の概略側面図である。
【図4A】テザー先端を備えた加工構造の概略平面図である。
【図4B】テザー先端を備えた加工構造の概略側面図である。
【図5A】集まった先端を備えた加工構造の概略平面図である。
【図5B】集まった先端を備えた加工構造の概略側面図である。
【図6A】テザー網目および支持された開口プレートを備えた加工構造の概略平面図である。
【図6B】テザー網目および支持された開口プレートを備えた加工構造の概略側面図である。
【図7】典型的な先端の概略図である。
【図8A】剥離部分構造(先端を含む)の剥離前の剥離部分構造の概略側面図である。
【図8B】剥離部分構造(先端を含む)の剥離後の剥離部分構造の概略側面図である。
【図9】垂直終端セグメントを備えたフィンガーの概略である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に記載した実施形態によれば、平面バッチ加工構造は、正確にパターン化された自己集合フィーチャーを用いて、好適なマーキングデバイスまたはシステムに用いる静電インクニブまたは先端を配置する。ある形態において、システムは、制御された垂直応力勾配で、単層または多層を用いて、基板からの剥離の際に、三次元構造を形成する。安価で、高度に統合された高機能デジタルマーキングシステムを加工することのできる様々な組立体が提案されている。
【0019】
例示の実施形態において、図2A、2B、3Aおよび3Bに、ニブまたは先端配列の費用効率の高い精密加工が可能で、補助流体処理構造および駆動エレクトロニクスと統合が可能な加工構造を示す。少なくとも1つの形態の基本的な概念は、CLAW状の自己集合要素を用いて、ニブまたは先端を提供することである。ニップまたは先端は、CLAW状構造の一部であり、マーキング表面近くまたは実際に接触して、凝集した正に帯電した顔料粒子を付着させる。
【0020】
これに関して、図2Aおよび2Bに、非弛緩状態の加工構造を示す。これは、剥離の際に、図3Aおよび3Bに示す弛緩した三次元構造へと変換される。当然のことながら、少なくとも1つの形態において、本明細書に記載した実施形態の構造の弛緩した状態への剥離は、エッチング/加工中に生じる。
【0021】
図2Aおよび2Bに示すとおり、関連マーキングデバイスで用いられる自揚スプリングフィンガー200は、加工構造201内に示されている。当然のことながら、加工構造201は、マーキング流体の放出を促す作用をする任意の好適な関連マーキングデバイスと組み合わせて用いてよい。加工構造201は、概して、基板206と、剥離層212と、支持パッド210を介して基板206に取り付けられた非上昇アンカー部分208を有する自揚スプリングフィンガー200を含む1つ以上の層とを有する。加工構造は、剥離層212および基板206に延在する剥離部分202をさらに含む。剥離層212の少なくとも一部の犠牲エッチングの際に、剥離されたフィンガーが内部応力を弛緩して、所望の三次元構造が形成される。一実施形態において、自揚スプリングフィンガーは、内部組み込み応力勾配のある金属を含み、剥離の際に、基板に対して垂直となる。(基板に最も近い応力は圧縮であり、上面に近い応力は引張で、剥離の際に、基板から上方へ曲げて離すことにより、フィンガーは弛緩する)。剥離部分202は、非上昇アンカー部分208の端部および基板206に近端212と、遠端202Tとを有する。図2Bに示すとおり、加工構造は、自揚スプリングフィンガー200のアンカー部分208にアンカーパッド214をさらに有する。第2の場合において、自揚スプリングフィンガー200は、内部組み込みでない応力勾配金属と、内部組み込み応力勾配を有する被覆層部分とを含む。
【0022】
図3Aに関して、剥離後の弛緩状態にある自揚スプリングフィンガー200を示す。先端202Tは、図示するとおり、そのページから延在している。先端202Tは、凝集した正に帯電した顔料粒子の毛細管定義を向上させて、例えば、マーキング用顔料インクの静電抽出のためのデバイスにおいてインクまたはマーキング流体が放出されるように成形されている。
【0023】
図3Bに関して、図3Aの断面図を示す。関連マーキングデバイスで用いる加工構造201は、剥離後の弛緩状態にある自揚スプリングフィンガー200の剥離部分202を示す。
【0024】
他の実施形態において、図4Aおよび4Bに、構造401内にテザー先端を備えた自揚スプリングフィンガー400a−cを示す。当然のことながら、加工構造401は、マーキング流体の放出を促す作用をする任意の好適な関連マーキングデバイスと併用してよい。図4Aに示すとおり、関連マーキングデバイスと共に用いられる自揚スプリングフィンガー400a−cが示されている。自揚スプリングフィンガー400a−cは、概して、剥離部分402a−cを有する。剥離部分402a−cは、遠端404a−cをさらに有する。遠端404a−cは、一組の先端402Ta−Tcを形成する。電気絶縁テザーストリップ416は、剥離部分402a−cの遠端404a−c近くのフィンガー400a−cに重ねられ、接合されている。アンカー部分408a−cも示されている。
【0025】
少なくとも1つの形態において、フォトリソグラフィーまたはその他好適な技術により形成できる先端402Ta−Tcの形状は、先端毎に均一である。先端402Ta−Tcの各高さは、基板全体にわたって、互いに少なくとも+/−5ミクロン以内、例えば、+/−3ミクロン以内または+/−2ミクロン以内に制御することができる。高さは、先端の電場集中を一定に保つように選択される。
【0026】
先端401Ta−Tc間の相対距離もまた、均一になるよう構成される。402Ta−Tc等の先端間の相対位置についての偏位は、+/−10ミクロン以下、例えば、約+/−7ミクロン未満または+/−5ミクロンとなる。本明細書に記載した実施形態によれば、先端間の距離を有効に固定することによって、先端間にテザーストリップ416が得られる。
【0027】
図4Bに関して、自揚スプリングフィンガー400aを有する加工構造401の断面図が示されている。自揚スプリングフィンガー400bおよび400cも同様に示されるものと考えられる。
【0028】
関連マーキングデバイスと共に用いられる加工構造401は、非弛緩状態の自揚スプリングフィンガー400aを示しており、電気絶縁テザーストリップ416は、剥離部分402aの遠端404a近くのフィンガー409に重ねられ、接合されている。
【0029】
他の実施形態において、図5Aおよび5Bに、集まった先端を備えた加工構造501を集合的に示す。当然のことながら、加工構造501は、マーキング流体の放出を促す作用をする任意の好適な関連マーキングデバイスと組み合わせて用いてよい。図5Aに関して、自揚スプリングフィンガー500a−dが、構造501内に示されている。自揚スプリングフィンガー500a−dは、互いに垂直に配列されて、集まった先端502Ta−Tdを形成する複数の剥離部分502a−dを有する。
【0030】
図5Bに関して、自揚スプリングフィンガー500a、500bおよび500cを有する加工構造501の断面図を示す。関連マーキングデバイスと共に用いられる加工構造501は、弛緩状態の自揚スプリングフィンガー500a−cを示す。加工構造501は、自揚スプリングフィンガー500dを有するが、参照し易いように、同じようには示されていない。
【0031】
ある形態においては、502Ta−Tdのように複数の先端が集まって、単一の毛細管構造を形成するのが望ましい。個々の先端502Ta−Tdクラスターに、個々に対応して、ドロップステアリングやデジタルグレイレベル放出を可能とすることができる。
【0032】
図5Bに関して、集まった先端は、式1D=L(1−2/Π)を満足する約90°の屈曲部を形成する。式中、Dは近接する遠端間、例えば、剥離部分502bの504bと剥離部分502cの504c間の距離であり、図5Aに示すLは、スプリングフィンガー500dの先端502Tdとスプリングフィンガー500dの近端、すなわち、アンカーの剥離端間の距離である。式は、図5Aの先端間の距離が、フィンガー長さLに比べて無視できるとき、すなわち、Lがアンカーから未剥離クラスターの中点までの距離にほぼ等しいときに限って正確である。
【0033】
他の実施形態において、図6Aおよび6Bに、テザー網目および支持開口プレート(図6Aには図示せず)を備えた加工構造を示す。先端の二次元配列のテザリングは、図6Aおよび6Bに示すとおりに実施することができる。図6Aに関して、自揚スプリングフィンガー600a−fおよび600g−lを構造601内に示す。自揚スプリングフィンガー600a−fおよび600g−lは、複数のテザーストリップ行618および複数のテザーストリップ列616をそれぞれ備えていて、テザー網目構造を形成している。2組のテザー間の犠牲スペーサパッドは図示されていない。スプリングを剥離する前に、犠牲スペーサパッドをエッチングして、2組のテザーを互いに独立して自由に動くようにする。
【0034】
図6Bに関して、自揚スプリングフィンガー600aおよび600dを有する加工構造601の部分断面図を示す。当然のことながら、加工構造601は、マーキング流体の放出を促す作用をする任意の好適な関連マーキングデバイスと併用してよい。加工構造601はまた、自揚スプリングフィンガー600a−cおよび600e−lも有していてよく、同様に図示することができると考えられる。加工構造601は、剥離部分600aおよび600dに重ねられた電気絶縁テザーストリップ616、618を有する。テザーストリップの接続点620も見てとれる。
【0035】
加工構造は、例えば、開口プレート625a(マーキングデバイスの構造および操作に対応する様々な形態を採ってよい)をさらに有しており、それは、テザー網目構造に、または、同一平面として、端部でなければ、多数組のテザーの少なくとも1つにある。加工構造は、支持開口プレート625b(構成は変えることができる)のための構造をさらに有する。分かりやすくするために、操作プレートおよび支持構造は図6Aに図示していない。先端を弛緩して、機械的か、テザーを交点で接合するかのいずれかにより、連動構造を形成するとき、テザーは、互いに接触可能である。
【0036】
当然のことながら、スプリングフィンガーおよび関連構造は、図2A−8に記載した全ての実施形態において、実質的に同じ形態を採り、実質的に同じやり方(別記した以外は)で操作される。
【0037】
同様の構造を、シリコン微細加工プロセスを用いて小規模で作製することができる。好ましい実施形態は、ガラス、プラスチック、プリント基板または同時焼成セラミック基板および大面積フォトリソグラフィーまたはソフトリソグラフィープロセスおよびこれらの組み合わせを用いる。
【0038】
他の実施形態において、図7に、自揚スプリングフィンガー700用成形先端を示す。図1−6で上述した自揚スプリングフィンガーは、成形先端を有している。自揚スプリングフィンガー700は、概して、正に帯電した成形先端702Taを有しており、自揚スプリングフィンガー700の剥離部分の遠端に位置する先端702TaPが、凝集した正に帯電した顔料粒子730を保持し、放出できるようになっている。先端の形状としては、凸形状、例えば、円形、三角形、四角形、矩形、平行四辺形、台形、菱形、八角形、五角形、六角形およびこれらの組み合わせ、ならびに、万年筆ニブまたは先端が例となる凹構造が挙げられる。先端202Tは、凝集した正に帯電した顔料粒子の毛細管定義を向上させて、例えば、マーキング用顔料インクの静電抽出のためのデバイスにおいてインクまたはマーキング流体が放出されるように成形されている。前述した加工構造は、正確にパターン化され自己集合されていてよい。
【0039】
他の実施形態において、これまで記載してきたとおり、90度で円形のフィンガーよりも、先端により垂直な配向を有するclawjetフィンガーが好ましい。概念は単純で、追加のマスクカウントなしで実施することができる。
【0040】
スパッタリング中、応力勾配層に、平衡カウンターモーメントロード層を適用する。これによって、非常に大きな半径のスプリングの端部を後に作製することができる。ベースセグメントはきつく屈曲する。金属画定の際、層は全て剥離層までエッチングする。剥離段階で、剥離ウィンドウフォトレジストが、スプリングベースを画定し、端部セグメント上の追加のレジストが、剥離エッチング前、カウンターモーメント材料を、ベースセグメントから除去する別個のエッチング浴から端部を保護する。ベースセグメントは、90度屈曲するように設計されており、端部セグメントは、設計された高さに対して垂直に延在する。
【0041】
図8Aおよび8Bに関して、変形方法は、応力のかかっていない層を用いて、加工構造301内に自揚スプリングフィンガー300を画定することを含んでいてもよい。加工構造301は、さらに層350を有する。層350は、バイメタルストリップのように作用する応力金属または第2の材料(内部組み込み均一応力)の少なくとも1つを含んでいてよく、パターン化して、必要であれば、曲げトルクを与える位置に自揚スプリングフィンガー300を覆う。
【0042】
このようにすると、角度を変えずに異なる高さで近接する先端が得られる。例えば、近接する、異なる高さのエミッタにかかる電位を調節することにより、様々なドロップサイズに調整することのできる構造を作製することができる。この概念は、単一のセグメントビームで機能するが、角度および高さは、異なるフィンガー長さにより、両方共変わる。
【0043】
これに関して、図9に、垂直末端セグメントを備えたフィンガーの構造を示す。前述した加工構造は、垂直セグメントを作製するために、スプリングの端部で処理されたカウンターモーメント層を有する。垂直末端セグメント800は、概して、剥離層802、絶縁層804、自揚スプリング806、カウンターモーメント層808、オープンウィンドウマスク810、末端ウィンドウマスク812および先端マスク814を有する。
【0044】
リソグラフィー限定先鋭端で終端した厚いめっき金属で構造強化された強い剛性シャフトを必要とする場合、これは、追加のマスクカウントなしで(例えば、まだ2つのレベルで)行うことができる。これによって、かなりの量の流体フローに耐えうる優れた電場集中構造を作製できる可能性がある。
【0045】
90度以上屈曲する長いスプリングは、垂れる傾向があるが、めっきによって、構造を強化することができる。エミッタセクションの鈍化を防ぐために、先端以外は全てめっきしたいであろう。応力金属をプラスチックに接合するやり方が最近開発されている。ポリイミド等の可撓性絶縁体の下層に沿った上昇カンチレバーを作製することが提案されている。第1の金属マスクを用いて、図9に示すとおり、金属と下部絶縁体の両方を、剥離層まで画定する。剥離ウィンドウ画定により、絶縁レジストの末端キャップを先端に配置する。キャップはフィンガーと共に上昇する。構造全体がバッチめっきされる。めっき金属は、スプリングのベースセグメントの上部および側部のみである。レジストをストリップすると、先鋭端のある強固で剛性のエミッタを備えた構造が得られる。下部絶縁体はまた、デバイスの操作が妨げられる場合には、この時点で、スプリングからストリップすることもできる。
【0046】
加工構造を、任意の好適な関連マーキングデバイスで用いることに関して説明してきたが、構造は、図1Aおよび1Bに示す公知のシステム100を形成するのにも用いられるものと考えられる。すなわち、加工構造は、高品質および高速印刷を用いる現在の技術を改善するのに用いると好適であろう。製造スキームによって、バッチ製造および優れた印刷特性が可能となろう。現在の技術では、互いに正確かつ均一に配置できる良く定義された静電場集中(先端)を必要とするため、平面バッチ加工プロセスが有利であろう。加工構造は、毛細管および静電力を最適化する内部構造および全体構造を有する先端を有していてよい。これに関して、本明細書に記載した実施形態の構造を用いて、好適かつ/または選択的に配置されたニブまたは先端を提供して、様々な公知の技術に従って、インクまたは顔料粒子を抽出することができる。
【符号の説明】
【0047】
100 システム、110 正パルス、102 ニブまたは先端、104 流動液体容器、106 液体、108 顔料粒子、112 、114 接地電極、200 自揚スプリングフィンガー、201 加工構造、202 剥離部分、202T 遠端、206 基板、208 非上昇アンカー部分、210 支持パッド、212 剥離層、214 アンカーパッド、300 自揚スプリングフィンガー、301 加工構造、350 層、400a−c 自揚スプリングフィンガー、401 構造、402a−c 剥離部分、404a−c 遠端、406a−c 、408a−c アンカー部分、414a−c 、416 電気絶縁テザーストリップ、500a−c 自揚スプリングフィンガー、501 加工構造、502a−c 剥離部分、502Ta−Tc 集まった先端、504a−c 、506a−c 、508a−d 、510a−c 、514a−c 、600a−l 自揚スプリングフィンガー、601 構造、602Ta−Td 、616 テザーストリップ列、618 テザーストリップ行、620 接続点、625a−b 開口プレート、700 自揚スプリングフィンガー、702Ta 先端、702TaP 先端、730 顔料粒子、802 剥離層、804 絶縁層、806 自揚スプリング、808 カウンターモーメント層、810 オープンウィンドウマスク、812 末端ウィンドウマスク、814 先端マスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連基板にマークを作製する複数のマーキングデバイスタイプから選択される関連マーキングデバイスで用いる平面加工構造であって、
基板と、
前記基板に取り付けられた非上昇アンカー部分および前記基板に延在する剥離部分を有する自揚スプリングフィンガーであって、前記剥離部分が、近端および遠端を有し、前記遠端が、マーキング流体の放出を促す作用をする先端を含み、エッチングすると、前記自揚スプリングフィンガーの前記剥離部分が、前記面から上昇する、自揚スプリングフィンガーと
を含む平面加工構造。
【請求項2】
前記自揚スプリングフィンガーが、内部組み込み応力勾配のある金属を含む請求項1に記載の平面加工構造。
【請求項3】
前記自揚スプリングフィンガーが、被覆層部分を有し、前記被覆層部分は、内部組み込み応力勾配のある金属を含む請求項1に記載の平面加工構造。
【請求項4】
前記自揚スプリングフィンガーの前記アンカー部分にアンカーパッドをさらに含む請求項1に記載の平面加工構造。
【請求項5】
前記アンカーパッドが、内部組み込み応力勾配のある金属を含む自揚スプリングフィンガーの反対に、内部組み込み応力勾配のある金属を含む請求項4に記載の平面加工構造。
【請求項6】
関連基板にマークを作製する複数のマーキングデバイスタイプから選択される関連マーキングデバイスで用いる平面加工構造であって、
基板と、
前記基板に取り付けられた非上昇アンカー部分および前記基板に延在する剥離部分を有する自揚スプリングフィンガーであって、前記剥離部分は、近端および遠端を有し、前記遠端が、マーキング流体の放出を促す作用をする先端を含み、エッチングすると、前記自揚スプリングフィンガーの前記剥離部分が、前記面から上昇する、自揚スプリングフィンガーと、
前記剥離部分を横断して重ねられた電気絶縁テザーストリップと
を含む平面加工構造。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−131596(P2011−131596A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285431(P2010−285431)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】