説明

ミコバクテリウムに対して改善された活性を有する消毒薬

【課題】 希釈してすぐ使用できる濃縮物形態の消毒薬の提供。
【解決手段】a)第四級アンモニウム塩、b)グアニジン誘導体、c)5〜7 EOユニットを有するC10〜C18-アルコールエトキシラート、d)アルキルアミン、e)マレイン酸および/またはクエン酸、並びに、f)芳香族アルコールからなるミコバクテリウムを制御するための消毒薬。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮物形態のアルカリ性消毒薬および水性のすぐ使用できる(ready-to-use)溶液に関する。機器消毒薬としての、組成物の、およびミコバクテリウムを制御するための用途に関する。さらにまた、本発明は、四級アンモニウム塩を含む消毒薬におけるミコバクテリア殺菌活性を改善するための、5〜7 EOユニットを有するアルコールエトキシラートの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ミコバクテリウムに使用するための消毒薬は、既知である。したがって、特許文献1には、アルデヒドと、2〜8 EOユニットを有するC6〜C10アルコールエトキシラートの群から選択される少なくとも1つの非イオン性界面活性剤とを組み合わせた活性化合物が記載されている。しかし、この活性化合物の組み合わせが使用されたときの洗浄能は、不満足である。
【0003】
さらなる消毒薬は、出願公開刊行物、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5に記載されている。陽イオン性化合物を含まない消毒薬も既知であるが、それにもかかわらず、ミコバクテリウム、真菌、およびウイルスに対して活性であり、特許文献6を参照されたい。
【0004】
ミコバクテリウムに対して活性を有する消毒薬は、
−機器および表面を消毒するための特定の消毒薬において、濃縮物としてだけでなく、使用の際に、特に機器消毒の際に、これらが後に残留物を残さないように、希釈したすぐ使用できる溶液として(たとえば、希釈したすぐ使用できる溶液の硬水溶液として)処方して透明な溶液を与えることができ、
−活性化合物の非常に低濃度での使用でさえも活性であり、
−安価かつ商業的慣例的な成分から処方することができ、
−材料適合性であり、
−ほとんどまたは全く匂いの迷惑とならず、そして、
−良好な洗浄能を有する。
【特許文献1】EP 1 138 203 A2
【特許文献2】DE 199 09 303 A1
【特許文献3】DE 42 01 038 AL
【特許文献7】DE 100 28 998 A1
【特許文献5】DE 40 05 784 A1
【特許文献6】DE 42 01 038 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、これらの要求に合致し、濃縮物として処方することができ、更に、希釈した(水性の)すぐ使用できる溶液として上述した要求を満たす消毒薬を提供することが、本発明の目的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
今回、驚くべきことに、この目的が、以下を含む濃縮物形態のアルカリ性消毒薬によって達成されることが見いだされた:
a)0.5〜10重量%の第四級アンモニウム塩、
b)1〜50重量%のグアニジン誘導体、
c)1〜30重量%の5〜7 EOユニットを有するC10〜C18アルコールエトキシラート、
d)1〜15重量%のアルキルアミン、
e)0.05〜3重量%のマレイン酸および/またはクエン酸、並びに、
f)5〜60重量%の芳香族アルコール。
【0007】
本発明の濃縮物は、好ましくは透明溶液であり、水で、また硬水で希釈して透明な希釈したすぐ使用できる溶液を得てもよい。従って、本発明は、また、希釈したすぐ使用できる溶液によっても達成される。本発明の濃縮物は、好ましくは8、より好ましくは8.5〜10、特に9〜9.5、例えば9.3のpHを有する。本発明の希釈したすぐ使用できる溶液は、好ましくは>7.5、より好ましくは>8、特に8.3〜9.0、たとえば約8.5のpHを有する。
【0008】
A)第四級アンモニウム塩
好ましい四級アンモニウム塩は、式[R1R2R3R4N]R+[X]-および[N-R5-ピリジニウム]+[X]-、式中、R1〜R5は、同一または異なっており、C1〜C30アルキル、C1〜C30アルケニル、およびC1〜C30-アリール、並びに混合された基から選択され、これらは、O、S、N、およびPから選択される1つまたは複数の原子を有することができ、R1〜R4の1つまたは複数は、Hであることができるが、ただし基R1〜R4の少なくとも1つがHではないことを条件とする。Xは、(有機酸または無機酸の)陰イオンである。四級アンモニウム塩の陰イオンだけでなく陽イオンも、化学量論を生じる多価のイオン[A(n+)]m[K(m+)]nであることができる。
【0009】
本発明に従って使用される四級アンモニウム塩は、好ましくは[R1N(CH33]+[X]-、[R1NH3]+[X]-、[R1(アリールCH2)NH2]+[X]-、[R1(アリールCH2)N(CH32]+[X]-、[R1R2N(CH32]+[X]-、および[N-R5-ピリジニウム]+[X]-であって、式中R1、R2、およびR5は、互いに独立して、C1〜C30アルキル、C6〜C12アリール、および(CH2-CHR6O)n-R7から選択され、式中、nが1〜20の数であり、R6およびR7は、同一または異なっていることができて、Hおよび/またはC1〜C4アルキルであり、アリールは、非置換であるか、または置換されたアリール基である。
【0010】
本発明に使用される第四級アンモニウム塩の例示的な陽イオンは、C8〜C18アルキルベンジルアンモニウム、ベンザルコニウム、ジデシルおよびジオクチルジメチルアンモニウム、ジデシルメチルポリ(オキシエチル)アンモニウム、セチルピリジニウムセチルトリメチルアンモニウム、およびベンジル脂肪アルキル-ビス(ヒドロキシエチル)アンモニウムであり、更には前述のものの混合物である。本発明に使用される四級アンモニウム塩の陰イオンの例示的な陰イオンおよびクラスは、ヒドロキシド、硫酸塩、硫酸水素塩、ハロゲン化物(フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド)、亜硝酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酸性炭酸塩、リン酸塩、並びに安息香酸塩、乳酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、およびクエン酸塩などのカルボン酸塩である。特に好ましい陰イオンは、クロリドである。本発明の全ての態様において好ましい第四級アンモニウム塩は、塩化ベンザルコニウムである。
【0011】
好ましくは、四級アンモニウム塩(または、2、3、4つの四級アンモニウム塩など)の量は、約2.5重量%、たとえば1〜5重量%、より好ましくは2〜3重量%である。水溶液において、四級アンモニウム塩は、解離した形態で存在することが既知であり、従って、これらの量は、塩化四級アンモニウムとして報告される。特に好ましい態様において、塩化ベンザルコニウムは、約2.5重量%の濃度で濃縮物に使用される。
【0012】
B)グアニジン誘導体
本発明の消毒薬は、少なくとも1つのグアニジン誘導体を含む。特に好ましいグアニジン誘導体は、ココプロピレンジアミングアニジウムアセタートである。加えて、ポリヘキサメチレン-ビグアニジウムヒドロクロリドおよびドデシルグアニジウムアセタートも適している。好ましくは、グアニジン誘導体(または2、3、4つのグアニジン誘導体など)の量は、約14重量%、たとえば5〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%である。好ましい態様において、ココプロピレンジアミングアニジウムアセタートは、濃縮物に約14重量%の量で使用される。
【0013】
C)5〜7 EOユニットを有するC10〜C18アルコールエトキシラート
本発明に使用されるアルコールエトキシラートは、式R(OCH2CH2nOH)に対応し、式中、根底にあるアルコールの基Rは、直鎖状または分枝のC10〜C18アルキル基、好ましくはC10〜C13などのC10〜C15、たとえばオキソアルコールに由来するC10-、C11、またはC13イソアルキル基C13、たとえば-C10〜C11-またはC13-イソアルキル基であり、n = 5、6、または7などの5〜7である。
【0014】
本発明は、とりわけ、5〜7molのエチレンオキサイドを有するC10〜C16-アルコールアルコキシラートを使用することにより、7以上のエチレンオキサイド・ユニットを有する非イオン性消毒薬を含む別の本質的に不変の消毒薬の活性と比較して、ミコバクテリア、例えばミコバクテリウム・テラ(Micobacterium terrae)に対する定義された消毒薬活性を改善することができることを見いだしたという事実に基づいている。本発明に使用される比較的短いEO鎖(5〜7 EC)を有するアルコールエトキシラートは、比較的低い洗浄力を示すが、これは、本発明に従って使用されるその他の成分を適切に選択することによって補償される。
【0015】
5よりも少ないエチレンオキサイド・ユニットを有するアルコールエトキシラートは、これらの界面活性物質は、希釈したすぐ使用できる溶液中に比較的可溶性が少なく、この溶解性は、本発明の組成物(たとえば、第四級アンモニウム塩)のその他の成分によって生じないので、好ましくは本発明の組成物(濃縮物、すぐ使用できる溶液)中には存在しない。
【0016】
さらにまた、5〜7エチレンオキサイド・ユニットを有する非イオン性界面活性剤を使用するときに、すぐ使用できる溶液の表面張力が低くなり、比較的小量で使用されるときでさえも、たとえば10〜13エチレンオキサイド・ユニットを有する非イオン性界面活性物質と比較して、ミコバクテリウムに対する活性が増大される。
【0017】
さらにまた、その他の非イオン性系界面活性剤、たとえば7以上のEOユニットおよび/またはC4〜C9アルコール基を有するアルコールエトキシラートも存在することができる。実施例において、5 EOユニットを有するC10〜C18アルコールエトキシラートによる12 EOユニットを有するアルコールエトキシラートの完全な置換と共に、非イオン性界面活性物質の必要とされる総量を低くすることができることが証明される。代替の態様では、本発明によれば、アルコールエトキシラート一部のみが5〜7 EOユニットを有するC10〜C18アルコールエトキシラートによって置換される。次いで、本質的に不変の製剤中において、5〜7 EOユニットを有するC10〜C18アルコールエトキシラートによる本発明によらないアルコールエトキシラートの完全な置換で生じ得る、洗浄能の減少は生じない。この別の実施例にもおいて、ミコバクテリウムに対する活性の改善が生じる。この別の態様において、5〜7エチレンオキサイド・ユニットを有するC10〜C18アルコールエトキシラートの比率は、アルコールエトキシラートの総量に基づいて、約50重量%、たとえば10〜90重量%、例えば30〜70重量%である。
【0018】
好ましくは、濃縮物に基づいて、5〜7 EOユニットを有するC10〜C18アルコールエトキシラート(または、対応する2、3、4つその他のアルコールエトキシラート)の量は、2〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%、特に8〜12重量%、たとえば約10重量%である。特に好ましい態様において、3イソ-デカノール-5 EOは、約10重量%の量で濃縮物に使用される。
【0019】
D)アルキルアミン
本発明によれば、アルキルアミンは、好ましくは脂肪族アミン誘導体ラウリルプロピレンジアミン、CH3(CH210CH2NH(CH23NH2、およびN,N-ビス(3-アミノプロピル)-ラウリルアミン)、CH3(CH210CH2NH((CH23NH2、およびジメチルココ脂肪族アミンの群から選択される。
【0020】
特に好ましくは、ラウリルプロピレンジアミンが使用される。この特異的なアミンを用いて、濃縮物の洗浄能およびカラー安定性は、たとえばテトラキス(2-ヒドロキシプロピル)-N,N,-N',N'-エチレンジアミンを有する濃縮物と比較して改善することができる。
【0021】
また、同様の洗浄能の改善は、N,N-ビス(3-アミノプロピル)ラウリルアミンを使用することによって達成されるが、その時ラウリルプロピレンジアミンに基づいて、より大量に使用しなければならず、これが比較的不快な匂いを生じる。
【0022】
好ましくは、アルキルアミン(または、2、3、4つなどのアミン)の量は、約5.5重量%、たとえば特に2〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%、4〜7重量%、例えば5〜6重量%である。
【0023】
E)マレイン酸またはクエン酸
マレイン酸またはクエン酸を含めることにより、濃縮物および希釈したすぐ使用できる溶液において所望のpHにセットする。驚くべきことに、酒石酸、乳酸、および安息香酸などのその他の酸は、これらでも希釈したすぐ使用できる溶液を所望の範囲のpHにセットしたが、濃縮物中に沈殿を形成し得るために、不適当であることが見いだされた。
【0024】
好ましくは、マレイン酸および/またはクエン酸(好ましくはマレイン酸)は、0.1〜2.5重量%、より好ましくは0.2〜0.7な重量%どの0.15〜1重量%、たとえば0.28〜0.5%重量%である。
【0025】
F)芳香族アルコール
芳香族アルコールは、フェニルアルカノール(好ましくは20エチレンオキサイド・ユニットまでを有するオリゴグリコールか、またはフェニルモノグリコールエーテルであって、何れの場合も、フェニル環は、何れの場合にも置換されることができる)である。この場合、考慮に入る置換基は、特にC1〜C18アルキル基である。好ましくは、芳香族アルコールは、2-フェノキシエタノール、フェノキシ-2-プロパノール、2-フェノキシ(phenoxoy)-1-プロパノール、3-フェノキシ-l-プロパノール、l-フェノキシ-2-ブタノール、2-フェノキシ(phenxoy)-1-ブタノール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニル-l-プロパノール、もしくはベンジルアルコール、またはこれらの化合物の二つ以上の混合物である。
【0026】
従って、本発明に使用される芳香族アルコールは、また、1-フェノキシ-2-プロパノールおよび2-フェノキシ1-プロパノールの混合物を含む。フェノキシプロパノールは、フェノキシエタノールよりも有意に優れた材料適合性を示すが、フェノキシエタノール(phenxoyethanol)は、より良い感じの匂いを有する。当業者であれば、所望の適用に応じて適切な選択を行うであろうが、フェノキシプロパノール誘導体の使用は、これらの良好な物質適合性のために好ましい。
【0027】
好ましくは、芳香族アルコール(または、2、3、4つ、その他の芳香族アルコール)の量は、15〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%、特に25〜45重量%、たとえば30〜40重量%である。特に好ましい態様において、フェノキシプロパノールは、約35%の量で使用される。
【0028】
本発明の組成物は、さらに、1つまたは複数の脂肪族アルコール、たとえばエタノール、n-プロパノール、またはイソプロパノールを、好ましくは濃縮物基づいて、20重量%まで、より好ましくは5〜15重量%、たとえば10重量%の量で含むことができ、エタノールを使用することが好ましい。さらにまた、本発明の組成物は、慣習的な量の腐食抑制剤(たとえば、ベンゾトリアゾール)、錯化剤、香料、および/または着色剤などの添加物を含むことができる。
【0029】
本発明の濃縮物は、好ましくは水性の濃縮物として処方され、10〜40重量%の水、より好ましくは20〜25重量%などの15〜30重量%、たとえば約22.5重量%の水を含む。好ましくは、本発明の消毒薬は、アルデヒドを含まず、特にホルムアルデヒド、アミンオキシド、重合体および/またはアミノ酸またはアミノ酸誘導体を含まない。
【0030】
特に好ましい態様において、本発明は:
a)2〜3重量%の塩化ベンザルコニウム、
b)10〜20重量%のココプロピレンジアミングアニジウムアセタート、
c)8〜12重量%のC13-イソアルコール-5E0、
d)5〜6重量%のラウリルプロピレンジアミン、
e)0.2〜0.7重量%のマレイン酸、
f)30〜40重量%のフェノキシプロパノール、および、
g)8〜12重量%のエタノールと、適切であれば、更に慣習的な量の腐食抑制剤、香料、および着色剤など添加物を含む濃縮物形態の消毒薬に関する。本発明の組成物は、好ましくは単相で、かつ透明で、濃縮物としてだけでなく、希釈したすぐ使用できる溶液であり、これは、硬水を使用して調製された希釈したすぐ使用できる溶液にも適用される。本発明に従った希釈されたすぐ使用できる溶液として使用するためには、本発明の濃縮物は、水溶液中で0.2〜10重量%、好ましくは0.8〜7重量%などの0.5〜8重量%、たとえば1重量%〜5重量%の量で使用される。
【0031】
本発明は、さらに、本質的に不変の殺菌性の組成物、すなわち5〜7エチレンオキサイド・ユニットを有するC10〜C18-アルコールエトキシレートの含有物とは別に、7以上のエチレンオキサイド・ユニットを有するアルコールエトキシレートを含む本質的に同じく処方された消毒薬の活性と比較して、活性を改善するための、第四級アンモニウム塩を含む消毒薬における5〜7エチレンオキサイド・ユニットを有するC10〜C18-アルコールエトキシラートの使用に関する。ミコバクテリウムに対する活性の改善が、5〜7エチレンオキサイド・ユニットを有するC10〜C18-アルコールエトキシラートを使用することによって達成される前記消毒薬は、好ましくは:(i)第四級アンモニウム塩およびグアニジン誘導体、より好ましくは、(ii)四級アンモニウム塩、グアニジン誘導体、およびアルキルアミンに基づく、特に(iii)四級アンモニウム塩、グアニジン誘導体、アルキルアミン、および有機酸に基づく、(iv)第四級アンモニウム塩、グアニジン誘導体アルキルアミン、有機酸(好ましくは、マレイン酸またはクエン酸)、および芳香族アルコール等に基づく消毒薬である。
【0032】
本発明は、さらに、機器消毒薬としての濃縮物または希釈した(水性の)すぐ使用できる溶液の使用に関する。さらにまた、本発明は、ミコバクテリウム・テラ(Micobacterium terrae)および結核菌(Micobacterium tuberculosis)などのミコバクテリウムを制御するための、濃縮物または希釈した(水性の)すぐ使用できる溶液の使用に関する。
【0033】
本発明の濃縮物および希釈したすぐ使用できる溶液(組成物)は、以下の利点をもたらす:
−比較的低い量の非イオン性界面活性剤(アルコールエトキシラート)を使用して、ミコバクテリウムに対する改善された活性が達成される。
−濃縮物およびすぐ使用できる溶液は、硬水を使用する希釈の場合にさえ、貯蔵安定な透明な組成物であり、沈殿物の濁度および形成が希釈したすぐ使用できる溶液に生じない。
−本組成物は、ミコバクテリウム・テラ(Micobacterium terrae)などのミコバクテリウムに対して優秀であり、およびさらに殺菌活性および殺真菌活性がある。
−本組成物は、許容される匂いを有し、十分に材料適合性である。
−本組成物は、適切なアミンを選択することによって非常に良好な洗浄能を有する。
本発明の利点は、特に、以下の実施例よって証明される。全ての割合は、他に言及されない限り、重量に関する。
【実施例】
【0034】
使用した製剤
表1
【表1】

(1)重量パーセントのデータ、さらなる成分:腐食抑制剤、香料、着色剤。(2)希釈したすぐ使用できる溶液の総量に基づいた濃縮物の量。
【0035】
表1の製剤を使用して、「機器消毒薬(2相/ステップ2)EN 14563を含む、ヒト医薬部門の化学的消毒薬のミコバクテリア殺菌活性の評価のための、定量的微生物キャリア試験」を行った。これらの実験に使用した試験微生物は、ミコバクテリウム・テラ(Micobacterium terrae)であった。結果を表2に要約してある。
【表2】

(1)希釈したすぐ使用できる溶液の総量に基づいた濃縮物の量。
【0036】
結果は、トリイソデカノール-5E0を使用することにより、消毒薬の活性は、トリイソ-デカノール-12E0を使用する比較消毒薬より少量で使用したが、目立って改善することができることを証明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む濃縮物形態のアルカリ性消毒薬:
a)0.5〜10重量%の第四級アンモニウム塩、
b)1〜50重量%のグアニジン誘導体、
c)1〜30重量%の5〜7 EOユニットを有するC10〜C18アルコールエトキシラート、
d)1〜15重量%のアルキルアミン、
e)0.05〜3重量%のマレイン酸および/またはクエン酸、並びに、
f)5〜60重量%の芳香族アルコール。
【請求項2】
前記アンモニウム塩が、塩化ベンザルコニウムであることを特徴とする、請求項1に記載の濃縮物。
【請求項3】
前記グアニジン誘導体がココプロピレンジアミングアニジウムアセタートであることを特徴とする、前述の請求項のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項4】
前記エトキシラートがC13-イソアルコール-5E0であることを特徴とする、前述の請求項のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項5】
前記アミンがラウリルプロピレンジでアミンあることを特徴とする、前述の請求項のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項6】
前記酸がマレイン酸であることを特徴とする、前述の請求項のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項7】
前記芳香族アルコールがフェノキシプロパノールの混合物であることを特徴とする、前述の請求項のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項8】
1〜30重量%のエタノールなどの脂肪族アルコールをさらに含む、前述の請求項のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項9】
腐食抑制剤、錯化剤、香料、および着色剤から選択される1つまたは複数の添加物をさらに含むことを特徴とする、前述の請求項のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項10】
以下を含む、前述の請求項のいずれか1項に記載の濃縮物:
a)2〜3重量%の塩化ベンザルコニウム、
b)10〜20重量%のココプロピレンジアミングアニジウムアセタート、
c)8〜12重量%のC13-イソアルコール-5E0、
d)5〜6重量%のラウリルプロピレンジアミン、
e)0.2〜0.7重量%のマレイン酸、
f)30〜40重量%のフェノキシプロパノール、および、
g)8〜12重量%のエタノール。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の濃縮物の0.5〜10重量%を含む、水性のすぐ使用できる溶液の形態のアルカリ性消毒薬。
【請求項12】
機器消毒薬としての、請求項1〜10のいずれか1項に記載の濃縮物、または請求項11に記載の水性のすぐ使用できる(ready-to-use)溶液の使用。
【請求項13】
ミコバクテリウムを制御するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の濃縮物、または請求項12に記載の水性のすぐ使用できる溶液の使用。
【請求項14】
7以上のエチレンオキサイド・ユニットを有するアルコールエトキシラートを含む本質的に不変の消毒薬の活性と比較してミコバクテリア殺菌活性を改善するための、第四級アンモニウム塩を含む消毒薬における5〜7エチレンオキサイド・ユニットを有するC10〜C18-アルコールエトキシラートの使用。

【公開番号】特開2006−169230(P2006−169230A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−316588(P2005−316588)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(399035504)エール・リキード・サンテ(アンテルナスィオナル) (26)
【Fターム(参考)】