説明

ミスト発生装置

【課題】 ミスト発生率の向上と、ミスト発生量の安定化を図る。
【解決手段】
仕切り壁により区画されたハウジング内の水車室には、吸気ファンと一体成形された水車が、又、他方のミスト室には送風ファンが配置されており、ノズル9を介して供給された温湯が水車の羽根との衝突により破砕されることによって、ミストとマイナスイオンとが発生する。前記吸気ファンと送風ファンとの回転によって、水車室内に吸い込まれた外気が、前記水車室内で発生したミストとマイナスイオンとを伴い、仕切り壁の下を潜り抜けて、吹き出し口からハウジングの外へと放出される。ノズル9には、絞り部9aの先に、整流用のストレートな筒部9bが延設されていて、供給される温湯は、絞り部9aにて加速され、筒部9bで直進性が高められるる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水車の羽根との衝突で破砕された温湯をミストとして利用する、所謂低温サウナ用のミスト発生装置に関する。
尚、本発明において水車とは、複数の羽根を有する回転自在に設けられた羽根車を総称したものである。
【背景技術】
【0002】
低温サウナ用のミスト発生装置としては、特許文献1や特許文献2に記載のように、ハウジング内に組み込まれた水車の羽根に温湯を供給し、その温湯を羽根との衝突でミスト化し、発生したミストを吸気口から導入した空気と共に吹き出し口からハウジング外へと放出する温湯破砕方式が知られている。
この温湯破砕方式は、温湯破砕の際にレナード効果の作用でマイナスイオンを発生させるため、美容、健康にも効果的なことが実証されている。
特に、水車の回転力を利用して水車と吸気及び排気用のファンを駆動させるタイプは、浴室内に備えられた温湯供給口と接続することにより、電力の供給なしで低温サウナの環境を形成できる。
そしてこれらのミスト発生装置では、温湯の吹き付け力を強めるべく、図3に示すような先端がすぼまった先絞り形状のノズル13が採用されている
【0003】
【特許文献1】特開2001−145684号公報
【特許文献2】特開2003−319993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先端がすぼめられていることにより、吹き出される温湯が加速されるので破砕力は増加するものの、方向性に関してコントロールし辛くなってしまうので、台所やトイレにて水が使用されるなどして供給圧が変化すると、拡散しすぎたり、方向が定まらなかったりして吹き付けパターンが不規則になるので、温湯が正確に羽根面に供給されず、ミスト発生量の減少を招いてしまう。
又、温湯が水車の羽根以外の例えば壁面に吹き付けられると、ハウジングが振動してそれが騒音発生原因ともなるため、供給圧を高くしたり、吹き付けパターンを変化させることを極力抑えることが望まれる。
【0005】
更に、温湯破砕方式では、安定した吹き付けパターンのみならず、破砕力のアップ、温度低下の抑制など、様々な要求も控えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ノズルの改良によって、ミスト化の安定性を目的としたものであって、その構成は、ハウジング内に組み込まれた水車の羽根に温湯を供給し、その温湯を羽根との衝突でミスト化し、発生したミストを吸気口から導入した空気と共に吹き出し口からハウジング外へと放出する温湯破砕方式のミスト発生装置にあって、前記温湯が、絞り部の先に整流用のストレートな筒部が延設されたボトルネック形状のノズルより供給されることにある。
【0007】
前記ノズルの内壁を、絞り部から筒部にかけて滑らかな湾曲面としたり、筒部の内面に軸方向と平行なリブをや螺旋を設けたりすることができる。
【発明の効果】
【0008】
温湯は絞り部にて加速され、整流用のストレートな筒部で直進性が高められるので、供給圧力の変化に影響されにくく、安定した供給パターンを確保することができる。
又、内壁を絞り部から筒部にかけて滑らかな湾曲面としたり、筒部の内面に軸方向と平行なリブや螺旋を設けたりすれば、整流効果は一段と高まり、破砕力がアップする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係るミスト発生装置を図面に基づいて説明する。
1は底面の両サイドに脚体1a、1aを備えたハウジングであって、このハウジング1内は仕切り壁2によって水車室3とミスト室4とに区画されている。
又ハウジング1内の底には、前記水車室3とミスト室4とに跨って温水プール5が設けられ、前記仕切り壁2の下は解放されており、その仕切り壁2の下縁は、前記温水プール5内に満たされる温水の水面にわずかに接触する位置となるように調整されている。
温水プール5内に蓄えられる温湯の量は、図示しないドレン口の高さで決定され、そのドレン口は、上下に若干の位置ずらしを可能とすることが望ましい。
【0010】
前記水車室3内には、水車6と吸気ファン7とが隣り合わせに、又、ミスト室4内には横長い排気用の送風ファン8が、いずれも一直線上に同軸配置され、一体回転可能となっている。
前記吸気ファン7と水車6とは合成樹脂にて一体形成されており、互いに補強し合うことによって耐久性が高められている。
【0011】
前記水車室3内には、水車6の羽根に向けてノズル9が装備されており、パイプ10を介して送り込まれた温湯が、水車6の羽根に供給(吹き付け)られるようになっている。
【0012】
温湯の供給圧を受けて水車6が回転すると、その水車6と一体形成されている吸気ファン7と共に、同軸配置された送風ファン8も回転する。
水車6の羽根に衝突した温湯は、破砕されて水車室3内に飛び散ってミスト化され、その飛び散った水滴が互いに衝突し合って二次的破砕を起こすことによって、より細かいミストも発生する。
ミスト化されなかった温湯は落下し、温水プール5内に貯留され、オーバーフロー分はドレンより排出される。
【0013】
吸気ファン7と送風ファン8との回転によって、水車室3の側面に形成された吸気口11から吸い込まれた外気が、ミスト室4の前面に形成された吹き出し口12より放出される流れに乗って、水車室3内で発生したミストとマイナスイオンとが、仕切り壁2の下を潜り抜けて、吹き出し口12よりハウジング1の外へと放出される。
仕切り壁2の下を潜り抜ける際には、ミストとマイナスイオンを含んだ空気は、湯面を押し下げ、湯面に沿って流れるので、温湯との熱交換作用によって保温効果が期待できる。
【0014】
前記ノズル9は、図2の(a)に示すように、絞り部9aの先に、整流用のストレートな筒部9bを有したボトルネック形状に絞り加工されているので、供給される温湯は、絞り部9aにて加速された後、筒部9bを抜けて高速で飛び出すので、直進性に優れ、水圧の低下があっても、供給パターンが広がったり偏ったりしない。
【0015】
ノズル9は、図2の(b)に示すように、内壁を絞り部9aから筒部9bにかけて滑らかな湾曲面とすれば、抵抗の減少によって温湯の供給率も向上する。
そして本発明のミスト発生装置で採用したノズルは、絞り加工により一体形成するばかりでなく、従来ノズルにおける絞り部の先に筒部を溶着して形成することもできる。
又、図示は省略するが、ノズルの内面に、軸方向と平行なリブを形成したり、螺旋を設けてノズルの流れをより安定化させることもできる。
【0016】
尚、吸気ファンは水車とは、必ずしも一体形成する必要はなく、水車と吸気ファン及び送風ファンとが一体回転可能な温湯破砕方式であれば、ハウジング内の区画室は勿論、水車、吸気ファン、送風ファンの配置、数、形状、大きさなどは適宜設計変更して差し支えない。
【0017】
このように本発明のよれば、絞り部先端に筒部を延設することによって整流効果が得られるので、供給圧が変化しても温湯を水車の羽根面へと正確に供給することができ、ミスト及びマイナスイオン発生量の安定性が保たれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のミスト発生装置を示した説明図である。
【図2】(a).(b)はノズルの構造を示した断面説明図である。
【図3】従来のノズルの構造を示した断面説明図である。
【符号の説明】
【0019】
1・・ハウジング、2・・仕切り壁、3・・水車室、4・・ミスト室、5・・温水プール、6・・水車、7・・吸気ファン、8・・送風ファン、9・・(本発明の)ノズル、9a・・絞り部、9b・・筒部、10・・パイプ、11・・吸気口、12・・吹き出し口、13・・(従来の)ノズル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に組み込まれた水車の羽根に温湯を供給し、その温湯を羽根との衝突でミスト化し、発生したミストを吸気口から導入した空気と共に吹き出し口からハウジング外へと放出する温湯破砕方式のミスト発生装置にあって、前記温湯が、絞り部の先に整流用のストレートな筒部が延設されたボトルネック形状のノズルより供給されるミスト発生装置。
【請求項2】
ノズルの内壁が、絞り部から筒部にかけて滑らかな湾曲面に形成されている請求項1に記載のミスト発生装置。
【請求項3】
ノズルには、筒部の内面に軸方向と平行なリブや螺旋が設けられている請求項1又は2に記載のミスト発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−141728(P2006−141728A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336497(P2004−336497)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(597043132)株式会社セラ・コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】