ミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置
【課題】カバー上に雨または雪が溜まりにくく、かつ、カバー上に鳥または虫などがとまりにくくすることにより、電波の受信伝搬損失を低減することができるミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置を提供する。
【解決手段】ベース部材13と、ベース部材13の上面に載置されたレンズアンテナ9と、レンズアンテナ9を覆うように、レンズアンテナ9の上方に配置されたカバー10とを備えている。レンズアンテナ9は、ベース部材13の上面とカバー10の内面とにより形成された空間内に配置されている。カバー10は、先細形状を成し、空間が上方に行くほど狭くなるような一定の勾配を有する1つ以上の傾斜面を含む。カバー10の傾斜面とベース部材13の上面とのなす角は、60°以上90°以下である。
【解決手段】ベース部材13と、ベース部材13の上面に載置されたレンズアンテナ9と、レンズアンテナ9を覆うように、レンズアンテナ9の上方に配置されたカバー10とを備えている。レンズアンテナ9は、ベース部材13の上面とカバー10の内面とにより形成された空間内に配置されている。カバー10は、先細形状を成し、空間が上方に行くほど狭くなるような一定の勾配を有する1つ以上の傾斜面を含む。カバー10の傾斜面とベース部材13の上面とのなす角は、60°以上90°以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置に関し、特に、屋外に設置される、ミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミリ波通信方式を利用したテレビ共同受信方式および送受信装置を開示した先行文献として、特許文献1,2がある。特許文献1,2に記載された、テレビ共同受信方式および送受信装置においては、放送信号を各家庭に無線にて配信するため、分配器および信号伝送用の長い同軸ケーブルを敷設することが不要とされている。
【0003】
図11は、従来のミリ波送受信装置の取付構造を模式的に示す図である。図11に示すように、従来のミリ波送受信装置33においては、建造物38の屋上から側方に突出して設けられたアーム34の先端の下面に、ミリ波送信装置31が配置されている。ミリ波送信装置31は、下方に向けて電波37を送信するように設定されている。ミリ波送信装置31から送信された電波37は、指向性を有し、図11に示すように、僅かに広がりながら下方に伝搬していく。
【0004】
一方、各階のベランダ36から側方に突出して設けられたアーム35の先端の上面に、ミリ波受信装置32が配置されている。複数のミリ波受信装置32は、それぞれミリ波送信装置31に対向するように配置されている。ミリ波受信装置32には、電波37を受信するアンテナ部が設けられている。
【0005】
複数のミリ波受信装置32のアンテナ部は、電波37の到達領域の中に配置され、かつ、電波37の送信方向にアンテナ部を投影した場合に、アンテナ部同士が重ならないように配置されている。アンテナ部としては、平面アンテナ、レンズアンテナおよびホーンアンテナなどが使用されている。屋外に配置されるミリ波受信装置32においては、アンテナ部の劣化を抑制するために、耐候性を有する素材からなる半球状のカバー内にアンテナ部が収納されている。
【0006】
図12(A)は、従来のミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。図12(B)においては、説明の便宜上、ミリ波送信装置31についても模式的に記載している。
【0007】
図12(A),(B)に示すように、従来のミリ波受信装置32は、ベース部材43の上面にレンズアンテナ39が配置されている。レンズアンテナ39の上部に半球状のカバー40が設けられている。ベース部材43の側面に出力端子41が設けられている。出力端子41は、回路基板42a、アンテナ一体化回路素子42bおよび図示しない回路を経由してレンズアンテナ39に結線されている。
【0008】
レンズアンテナ39の頂点部39aと中心部39bとは、鉛直方向の同一直線上に位置するように配置されている。レンズアンテナ39の頂点部39aおよび中心部39bは、ミリ波送信装置31から送信された電波37の到達領域内に位置するように配置されている。なお、図12(B)においては、2本の破線で示した矢印の間の領域が、電波37の到達領域である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−17581号公報
【特許文献2】特開2005−5980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ミリ波受信装置32は、屋外に設置されるため風雨にさらされる。ミリ波受信装置32のアンテナ部の上面に、雨が付着または雪が積もった場合には、アンテナ部において電波37の受信伝搬損失が発生する。アンテナ部の上部に半球状のカバー40を取り付けた場合、カバー40の頂上部の傾斜が小さいため、カバー40に降った雨または雪が、カバー40の頂上部近傍に溜まりやすい。
【0011】
カバー40の頂上部の下方には、アンテナ部の頂点部および中心部が位置しているため、カバー40の頂上部近傍に雨または雪が溜まることにより、アンテナ部における電波37の受信伝搬損失が増大し、無線伝送ができない状況が生じていた。また、カバー40が半球状などのなだらかな形状を有している場合、カバー40上に鳥または虫などがとまりやすい。カバー40上に鳥または虫などがとまっている場合にも、アンテナ部における電波37の受信伝搬損失が増大し、無線伝送ができない状況が生じていた。
【0012】
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであって、カバー上に雨または雪が溜まりにくく、かつ、カバー上に鳥または虫などがとまりにくくすることにより、電波の受信伝搬損失を低減することができるミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に基づくミリ波受信装置においては、ベース部材と、ベース部材の上面に載置されたアンテナ部と、アンテナ部を覆うように、アンテナ部の上方に配置されたカバーとを備えている。アンテナ部は、ベース部材の上面とカバーの内面とにより形成された空間内に配置されている。カバーは、先細形状を成し、空間が上方に行くほど狭くなるような一定の勾配を有する1つ以上の傾斜面を含む。カバーの傾斜面とベース部材の上面とのなす角は、60°以上90°以下である。
【0014】
上記の構成によれば、急勾配の傾斜面を含み上方に行くほど細くなる先細形状を成すカバーをアンテナ部の上方に配置することにより、カバー上に雨または雪が溜まりにくく、かつ、カバー上に鳥または虫などがとまりにくくすることができる。その結果、アンテナ部における電波の受信伝搬損失を低減することができ、良好な無線伝送が可能となる。ここで、先細とは、広辞苑に記載されているとおり「先端の方が細いこと」を意味し、カバーは裾部から頂上部に亘って連続して細くなるように形成されている。
【0015】
本発明の一形態においては、カバーが、中空円錐状または中空角錐状に形成されている。上記の構成によれば、カバーの頂上部が尖塔状となるため、カバーの頂上部に鳥または虫がとまることを防止することができる。
【0016】
好ましくは、カバーの外表面に、外表面に付着した液体がカバーの頂上部からカバーの裾部に向けて分岐されながら流れるようにする分岐部が形成されている。上記の構成によれば、カバーの外表面に付着した雨または雪解け水などを分岐部に沿って分散させて流すことにより、効率的に雨または雪解け水などを排出することができる。
【0017】
本発明の一形態においては、カバーの外表面に、カバーの頂上部からカバーの裾部の全周に亘って放射状に凸部または凹部が互いに間隔を置いて配置された分岐部が形成されている。上記の構成により、カバーの外表面に付着した雨または雪解け水などを分岐部に沿って流すことにより、カバーの外表面の表面張力を軽減し、雨または雪解け水によるアンテナ部における電波の受信伝搬損失を低減することができる。
【0018】
本発明の一形態においては、カバーの外表面に、複数のΛ字状の凸部または凹部が互いに間隔を置いて配置された分岐部が形成されている。上記の構成により、カバーの外表面に付着した雨または雪解け水などを分岐部に沿って分散させて流すことにより、効率的に雨または雪解け水などを排出することができる。その結果、カバーの外表面の表面張力を軽減し、雨または雪解け水によるアンテナ部における電波の受信伝搬損失を低減することができる。
【0019】
本発明の一形態においては、カバーは、それぞれ平面で構成された2つの傾斜面を含み、2つの傾斜面は、互いに0°より大きく60°以下の角度を成すように交差している。上記の構成により、カバーの頂上部が先鋭状となるため、カバーの頂上部に鳥または虫がとまることを抑制することができる。
【0020】
好ましくは、カバーを加熱するヒータが設けられている。上記の構成により、カバー上に降った雪を溶かして流すことができる。
【発明の効果】
【0021】
急勾配の傾斜面を含み上方に行くほど細くなる先細形状を成すカバーをアンテナ部の上方に配置することにより、カバー上に雨または雪が溜まりにくく、かつ、カバー上に鳥または虫などがとまりにくくすることができる。その結果、アンテナ部における電波の受信伝搬損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態1に係るミリ波送受信装置の取付構造を模式的に示す図である。
【図2】(A)は、本実施形態のミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。
【図3】本実施形態に係るカバーを模式的に示す斜視図である。
【図4】(A)は、本実施形態の変形例に係るミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。
【図5】本実施形態の変形例に係るカバーを模式的に示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態2に係るカバーの外観を模式的に示す側面図である。
【図7】(A)は、本実施形態の一の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図であり、(B)は、本実施形態の二の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図であり、(C)は、本実施形態の三の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図である。
【図8】本実施形態の変形例に係るカバーを模式的に示す側面図である。
【図9】(A)は、本実施形態の一の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図であり、(B)は、本実施形態の二の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図であり、(C)は、本実施形態の三の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図である。
【図10】(A)は、本発明の実施形態3に係るミリ波受信装置のカバーの構造を模式的に示す斜視図であり、(B)は、(A)のXB−XB線矢印方向から見た断面図である。
【図11】従来のミリ波送受信装置の取付構造を模式的に示す図である。
【図12】(A)は、従来のミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明に基づいた実施形態1に係るミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置について、図を参照しながら説明する。
実施形態1
図1は、本発明の実施形態1に係るミリ波送受信装置の取付構造を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るミリ波送受信装置3においては、建造物8の屋上から側方に突出して設けられたアーム4の先端の下面に、ミリ波送信装置1が配置されている。ミリ波送信装置1は、下方に向けて電波7を送信するように設定されている。ミリ波送信装置1から送信された電波7は、指向性を有し、図1に示すように、僅かに広がりながら下方に伝搬していく。本実施形態に係るミリ波送受信装置3は、60GHz帯のミリ波帯の無線伝送を行なうものである。
【0024】
一方、各階のベランダ6から側方に数10cm突出して設けられたアーム5の先端の上面に、ミリ波受信装置2が配置されている。複数のミリ波受信装置2は、それぞれミリ波送信装置1に対向するように配置されている。ミリ波受信装置2には、電波7を受信するアンテナ部が設けられている。
【0025】
複数のミリ波受信装置2のアンテナ部は、電波7の到達領域の中に配置され、かつ、電波7の送信方向にアンテナ部を投影した場合に、アンテナ部同士が重ならないように配置されている。本実施形態においては、アンテナ部としてレンズアンテナを用いたが、平面アンテナおよびホーンアンテナなどを用いてもよい。
【0026】
図2(A)は、本実施形態のミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。図2(B)においては、説明の便宜上、ミリ波送信装置1についても模式的に記載している。図3は、本実施形態に係るカバーを模式的に示す斜視図である。
【0027】
図2(A),(B)に示すように、本実施形態に係るミリ波受信装置2は、ベース部材13の上面にレンズアンテナ9が載置されている。レンズアンテナ9を覆うように、レンズアンテナ9の上方にカバー10が配置されている。レンズアンテナ9は、ベース部材13の上面とカバー10の内面とにより形成された空間内に配置されている。
【0028】
ベース部材13の側面に出力端子11が設けられている。出力端子11は、回路基板12a、アンテナ一体化回路素子12bおよび図示しない回路を経由してレンズアンテナ9に結線されている。レンズアンテナ9で受信された無線信号は、上記回路によって増幅およびダウンコンバートされて、出力端子11から出力される。
【0029】
図3に示すように、本実施形態に係るカバー10は、中空円錐形状に形成されている。よって、カバー10は、先細形状を成し、上記空間が上方に行くほど狭くなるような一定の勾配を有する1つの傾斜面から構成されている。
【0030】
ここで、カバー10の傾斜面とベース部材13の上面との成す角をβとし、カバー10の頂上部10aにおける傾斜面の内面側の角度をαとする。βを60°以上90°以下の角度に設定したため、αは60°以下となっている。本実施形態においては、カバー10の頂上部10aが尖っているが、多少の丸みを有していていもよい。
【0031】
寒地土木研究所月報,No.658,2008年3月号の4.1項目の難着雪法に記載されているように、60°以上の勾配を有する傾斜面には雪が付着しにくい。そのため、βが60°以上90以下であるカバー10を用いることにより、カバー10上に降った雪を落下し易くすることができる。
【0032】
また、αを60°以下とすることにより、カバー10の頂上部10aは先鋭状の形状となるため、鳥および虫などがカバー10の頂上部10a上にとまることができなくすることができる。
【0033】
カバー10の材料としては、耐候性を有するポリプロピレンを用いた。また、レンズアンテナ9における電波7の受信強度が低下しないために、カバー10の厚さを1mm以上2mm以下とした。
【0034】
カバー10の表面に雨および雪が付着しにくくするため、カバー10の表面に親水性能または疎水性能を持たせることが好ましい。そのため、カバー10を親水性を有する材質または超撥水性質を有する材質で形成してもよい。または、カバー10の表面をサンドペーパで処理したようなざら目状とする、もしくは、カバー10の表面にワックスなどを塗布することにより、カバー10上に付着した水滴が細かく流れ易くすることが好ましい。
【0035】
さらに、カバー10を加熱する図示しないヒータを設けてもよい。たとえば、カバー10にコイル状のヒータを、コイル間隔が1cm以上となるようにらせん状に設けてもよい。このようにした場合、カバー10上に雪が降った場合に、ヒータによりカバー10を暖めることによりカバー10上の雪を溶かすことができる。そのため、カバー10上に雪が堆積することを防止することができる。
【0036】
コイル間隔を1cm以上としたのは、電波7の波長が5mm程度であるため、コイルを波長以下の間隔で設けた場合には、ヒータがスパイラルアンテナのような機能を有してしまい、電波7の受信を阻害する恐れがあるためである。
【0037】
本実施形態においては、カバー10の上下方向が鉛直方向となり、かつ、ベース部材13の上面と平行な方向が水平方向となるように、ミリ波受信装置2が取り付けられている。レンズアンテナ9の頂上部9aと中心部9bとは、鉛直方向の同一直線上に位置するように配置されている。
【0038】
レンズアンテナ9の頂上部9aおよび中心部9bは、ミリ波送信装置1から送信された電波7の到達領域内に位置するように配置されている。また、カバー10の頂上部10aが、ミリ波送信装置1から送信された電波7の到達領域内に位置するように配置されている。なお、図2(B)においては、2本の二点鎖線で示した矢印の間の領域が、電波7の到達領域である。
【0039】
アンテナ部は、電波の送受信方向に指向性を有している。図2(B)においては、2本の二点鎖線の間の指向領域77が、レンズアンテナ9の受信感度の高い領域である。また、半球状のレンズアンテナ9の頂上部9aは、上記の指向性を決定する部分、つまりアンテナ部の利得性能を決める重要部(急所)である。
【0040】
本実施形態においては、円錐状のカバー10の頂上部10aとレンズアンテナ9の中心点9bとが、レンズアンテナ9の指向領域77内に存在している。カバー10の頂上部10aが尖塔形状を有しているため、指向領域77内のカバー10上に、水滴や雪が積もることおよび鳥などが止まったりすることを抑制することができる。その結果、カバー10によってレンズアンテナ9の受信を妨げる障害物を指向領域77内から排除して、レンズアンテナ9の受信性能を高く維持することができる。
【0041】
上記のような位置関係に、ミリ波送信装置1およびミリ波受信装置2からなるミリ波送信装置を配置することにより、ミリ波送信装置1から発信された電波7をミリ波受信装置2が受信する際の受信伝搬損失を低減することができる。
【0042】
具体的には、レンズアンテナ9の伝送性能を決定するレンズアンテナ9の頂上部9aと中心部9bとを結んだ鉛直方向上方に、カバー10の頂上部10aが位置している。カバー10は上記の形状を有しているため、カバー10上に降った雨および雪はカバー10上に付着しにくく、また、鳥および虫などもカバー10上にとまりにくい。
【0043】
その結果、カバー10上から電波7の受信を妨げる雨、雪、鳥および虫などを排除することができるため、ミリ波受信装置2の電波7の受信伝搬損失を低減することができる。
【0044】
図4(A)は、本実施形態の変形例に係るミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。図4(B)においては、説明の便宜上、ミリ波送信装置1についても模式的に記載している。図5は、本実施形態の変形例に係るカバーを模式的に示す斜視図である。
【0045】
図4(A),(B)および図5に示すように、変形例のミリ波受信装置においては、カバー14が中空四角錘状に形成されている。それに対応して、ベース部材15は、平面的に見て、矩形状に形成されている。カバー14は、4つの傾斜面を有している。
【0046】
カバー14の傾斜面とベース部材15の上面との成す角をβとし、カバー14の頂上部14aにおける対向した傾斜面同士の成す角をαとする。βを60°以上90°以下の角度に設定したため、αは60°以下となっている。本実施形態においては、カバー14の頂上部14aが尖っているが、多少の丸みを有していていもよい。
【0047】
レンズアンテナ9の中心点9bおよびカバー14の頂上部14aは、ミリ波送信装置1から送信された電波7の到達範囲内に位置するように配置されている。具体的には、レンズアンテナ9の頂上部9aと中心部9bとを結んだ鉛直方向上方に、カバー14の頂上部14aが位置している。カバー14は上記の形状を有しているため、カバー14上に降った雨および雪はカバー14上に付着しにくく、また、鳥および虫などもカバー14上にとまりにくい。
【0048】
その結果、カバー14上から電波7の受信を妨げる雨、雪、鳥および虫などを排除することができるため、ミリ波受信装置2の電波7の受信伝搬損失を低減することができる。
【0049】
なお、変形例においては、中空四角推形状を有するカバー14について説明したが、中空三角錐形状などの他の中空角錐形状としてもよい。また、レンズアンテナ9の上部に半球状のカバーを設け、さらにその上方に本実施形態に係るカバー10,14を設けてもよい。つまり、カバーを二重に配置してもよい。このようにした場合にも、ミリ波受信装置2の受信伝搬損失の低減を図ることができる。
【0050】
以下、この発明に基づいた実施形態2に係るミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置について、図を参照しながら説明する。
実施形態2
図6は、本発明の実施形態2に係るカバーの外観を模式的に示す側面図である。図7(A)は、本実施形態の一の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図であり、図7(B)は、本実施形態の二の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図であり、図7(C)は、本実施形態の三の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図である。
【0051】
図6,7に示すように、中空円錐状の形状を有するカバー17の外表面に分岐部20が、カバー17の頂上部からカバー17の裾部の全周に亘って放射状に第1分岐部18および第2分岐部19が交互に互いに間隔を置いて配置されている。第1分岐部18は、第2分岐部19よりカバー17の頂上部に近い位置から形成されている。第1分岐部18および第2分岐部19の幅は、1mm程度とした。
【0052】
本実施形態の一の例のカバー17においては、図7(A)に示すように、第1分岐部18は凸部18aからなり、第2分岐部19は、凸部19aからなる。凸部18aおよび凸部19aは、断面が矩形状である。
【0053】
本実施形態の二の例のカバー17においては、図7(B)に示すように、第1分岐部18は凸部18bからなり、第2分岐部19は、凸部19bからなる。凸部18bおよび凸部19bは、断面が三角形状である。
【0054】
本実施形態の三の例のカバー17においては、図7(C)に示すように、第1分岐部18は凹部18cからなり、第2分岐部19は、凹部19cからなる。凹部18cおよび凹部19cは、断面が三角形状である。
【0055】
上記の断面形状を有する分岐部20を設けることにより、カバー17上の表面張力を低減して、水滴が球形になることを防止することができる。その結果、カバー17に付着した液体は、カバー17上を流れ易くなる。また、カバー17の外表面に付着した雨または湿った雪などの液体がカバーの頂上部からカバーの裾部に向けて分岐しながら流すことにより、大量の雨が降った場合にも、分散して効率よく雨を流すことができる。
【0056】
カバー17の頂上部の近傍における、互いに隣接する第1分岐部18同士の間の最も狭い間隔L1は、1cm程度とした。また、隣接する第1分岐部18と第2分岐部19との間の最も狭い間隔L2は、1cm程度とした。これは、雨などの液体が、複数の分岐部に跨って存在する場合、カバー17の表面張力が大きくなって、カバー17上を液体が流れにくくなることを防止するためである。通常、雨の直径は数mmであるため、分岐部20同士の間隔を1cm程度以上とすることにより、上記の状況を防止することができる。
【0057】
図8は、本実施形態の変形例に係るカバーを模式的に示す側面図である。図9(A)は、本実施形態の一の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図であり、図9(B)は、本実施形態の二の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図であり、図9(C)は、本実施形態の三の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図である。
【0058】
図8,9に示すように、中空円錐状の形状を有するカバー21の外表面に複数のΛ(ラムダ)字状の分岐部22が、互いに間隔を置いて配置されている。分岐部22の幅は、1mm程度とした。
【0059】
本実施形態の一の例のカバー21においては、図9(A)に示すように、分岐部22は凸部22aからなる。凸部22aは、断面が矩形状である。
【0060】
本実施形態の二の例のカバー21においては、図9(B)に示すように、分岐部22は凸部22bからなる。凸部22bは、断面が三角形状である。
【0061】
本実施形態の三の例のカバー21においては、図9(C)に示すように、分岐部22は凹部22cからなる。凹部22cは、断面が三角形状である。
【0062】
上記の断面形状を有する分岐部22を設けることにより、カバー21上の表面張力を低減して、水滴が球形になることを防止することができる。その結果、カバー21に付着した液体は、カバー21上を流れ易くなる。また、カバー21の外表面に付着した雨または湿った雪などの液体は、Λ字状の分岐部22により2方向に分岐される。本実施形態においては、Λ字状の分岐部22の二つの端部の下方に、二つの分岐部22が配置され、その配置関係が、カバーの頂上部から裾部に向けて繰り返されている。
【0063】
上記の分岐部22により、カバー21の頂上部からカバー21の裾部に向けて液体を次々に分岐しながら流すことにより、大量の雨が降った場合にも、分散して効率よく雨を流すことができる。
【0064】
上記の分岐部は一例であって、分岐部の形状、配置、大きさなどは適宜変更可能である。分岐部は、カバーの外表面に分岐部を設けることにより、カバーの外表面に付着した液体がカバーの頂点部からカバーの裾部に向けて分岐されながら流れるものであればよい。その他の構成については、実施形態1と同様であるため説明を繰り返さない。
【0065】
以下、この発明に基づいた実施形態3に係るミリ波受信装置について、図を参照しながら説明する。
実施形態3
図10(A)は、本発明の実施形態3に係るミリ波受信装置のカバーの構造を模式的に示す斜視図であり、(B)は、図10(A)のXB−XB線矢印方向から見た断面図である。図10(A)に示すように、本発明の実施形態3に係るカバー23は、それぞれ平面で構成された2つの傾斜面24,25と、傾斜面24と傾斜面25とにより挟まれる2つの側面とから構成されている。
【0066】
図10(B)に示すように、傾斜面24と傾斜面25との成す角αは、60°以下となるように形成されている。また、図示しないベース部材の上面と傾斜面24および傾斜面25との成す角は、60°以上90°以下となるように形成されている。本実施形態においては、カバー23の頂上部が尖っているが、多少の丸みを有していていもよい。
【0067】
上記の形状を有するカバー23を設けることにより、カバー23上に降った雪を落下し易くすることができる。また、αを60°以下とすることにより、カバー23の頂上部は先鋭状の形状となるため、鳥および虫などがカバー23の頂上部上にとまることができなくすることができる。その他の構成については、実施形態1または2と同様であるため、説明を繰り返さない。
【0068】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1,31 ミリ波送信装置、2,32 ミリ波受信装置、3,33 ミリ波送受信装置、4,5,34,35 アーム、6,36 ベランダ、7,37 電波、8,38 建造物、9,39 レンズアンテナ、10,14,17,21,23,40 カバー、11,41 出力端子、12a,42a 回路基板、12b,42b アンテナ一体化回路素子、13,15,43 ベース部材、18,19,20,22 分岐部、18a,18b,19a,19b,22a,22b 凸部、18c,19c,22c 凹部、24,25 傾斜面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置に関し、特に、屋外に設置される、ミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミリ波通信方式を利用したテレビ共同受信方式および送受信装置を開示した先行文献として、特許文献1,2がある。特許文献1,2に記載された、テレビ共同受信方式および送受信装置においては、放送信号を各家庭に無線にて配信するため、分配器および信号伝送用の長い同軸ケーブルを敷設することが不要とされている。
【0003】
図11は、従来のミリ波送受信装置の取付構造を模式的に示す図である。図11に示すように、従来のミリ波送受信装置33においては、建造物38の屋上から側方に突出して設けられたアーム34の先端の下面に、ミリ波送信装置31が配置されている。ミリ波送信装置31は、下方に向けて電波37を送信するように設定されている。ミリ波送信装置31から送信された電波37は、指向性を有し、図11に示すように、僅かに広がりながら下方に伝搬していく。
【0004】
一方、各階のベランダ36から側方に突出して設けられたアーム35の先端の上面に、ミリ波受信装置32が配置されている。複数のミリ波受信装置32は、それぞれミリ波送信装置31に対向するように配置されている。ミリ波受信装置32には、電波37を受信するアンテナ部が設けられている。
【0005】
複数のミリ波受信装置32のアンテナ部は、電波37の到達領域の中に配置され、かつ、電波37の送信方向にアンテナ部を投影した場合に、アンテナ部同士が重ならないように配置されている。アンテナ部としては、平面アンテナ、レンズアンテナおよびホーンアンテナなどが使用されている。屋外に配置されるミリ波受信装置32においては、アンテナ部の劣化を抑制するために、耐候性を有する素材からなる半球状のカバー内にアンテナ部が収納されている。
【0006】
図12(A)は、従来のミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。図12(B)においては、説明の便宜上、ミリ波送信装置31についても模式的に記載している。
【0007】
図12(A),(B)に示すように、従来のミリ波受信装置32は、ベース部材43の上面にレンズアンテナ39が配置されている。レンズアンテナ39の上部に半球状のカバー40が設けられている。ベース部材43の側面に出力端子41が設けられている。出力端子41は、回路基板42a、アンテナ一体化回路素子42bおよび図示しない回路を経由してレンズアンテナ39に結線されている。
【0008】
レンズアンテナ39の頂点部39aと中心部39bとは、鉛直方向の同一直線上に位置するように配置されている。レンズアンテナ39の頂点部39aおよび中心部39bは、ミリ波送信装置31から送信された電波37の到達領域内に位置するように配置されている。なお、図12(B)においては、2本の破線で示した矢印の間の領域が、電波37の到達領域である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−17581号公報
【特許文献2】特開2005−5980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ミリ波受信装置32は、屋外に設置されるため風雨にさらされる。ミリ波受信装置32のアンテナ部の上面に、雨が付着または雪が積もった場合には、アンテナ部において電波37の受信伝搬損失が発生する。アンテナ部の上部に半球状のカバー40を取り付けた場合、カバー40の頂上部の傾斜が小さいため、カバー40に降った雨または雪が、カバー40の頂上部近傍に溜まりやすい。
【0011】
カバー40の頂上部の下方には、アンテナ部の頂点部および中心部が位置しているため、カバー40の頂上部近傍に雨または雪が溜まることにより、アンテナ部における電波37の受信伝搬損失が増大し、無線伝送ができない状況が生じていた。また、カバー40が半球状などのなだらかな形状を有している場合、カバー40上に鳥または虫などがとまりやすい。カバー40上に鳥または虫などがとまっている場合にも、アンテナ部における電波37の受信伝搬損失が増大し、無線伝送ができない状況が生じていた。
【0012】
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであって、カバー上に雨または雪が溜まりにくく、かつ、カバー上に鳥または虫などがとまりにくくすることにより、電波の受信伝搬損失を低減することができるミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に基づくミリ波受信装置においては、ベース部材と、ベース部材の上面に載置されたアンテナ部と、アンテナ部を覆うように、アンテナ部の上方に配置されたカバーとを備えている。アンテナ部は、ベース部材の上面とカバーの内面とにより形成された空間内に配置されている。カバーは、先細形状を成し、空間が上方に行くほど狭くなるような一定の勾配を有する1つ以上の傾斜面を含む。カバーの傾斜面とベース部材の上面とのなす角は、60°以上90°以下である。
【0014】
上記の構成によれば、急勾配の傾斜面を含み上方に行くほど細くなる先細形状を成すカバーをアンテナ部の上方に配置することにより、カバー上に雨または雪が溜まりにくく、かつ、カバー上に鳥または虫などがとまりにくくすることができる。その結果、アンテナ部における電波の受信伝搬損失を低減することができ、良好な無線伝送が可能となる。ここで、先細とは、広辞苑に記載されているとおり「先端の方が細いこと」を意味し、カバーは裾部から頂上部に亘って連続して細くなるように形成されている。
【0015】
本発明の一形態においては、カバーが、中空円錐状または中空角錐状に形成されている。上記の構成によれば、カバーの頂上部が尖塔状となるため、カバーの頂上部に鳥または虫がとまることを防止することができる。
【0016】
好ましくは、カバーの外表面に、外表面に付着した液体がカバーの頂上部からカバーの裾部に向けて分岐されながら流れるようにする分岐部が形成されている。上記の構成によれば、カバーの外表面に付着した雨または雪解け水などを分岐部に沿って分散させて流すことにより、効率的に雨または雪解け水などを排出することができる。
【0017】
本発明の一形態においては、カバーの外表面に、カバーの頂上部からカバーの裾部の全周に亘って放射状に凸部または凹部が互いに間隔を置いて配置された分岐部が形成されている。上記の構成により、カバーの外表面に付着した雨または雪解け水などを分岐部に沿って流すことにより、カバーの外表面の表面張力を軽減し、雨または雪解け水によるアンテナ部における電波の受信伝搬損失を低減することができる。
【0018】
本発明の一形態においては、カバーの外表面に、複数のΛ字状の凸部または凹部が互いに間隔を置いて配置された分岐部が形成されている。上記の構成により、カバーの外表面に付着した雨または雪解け水などを分岐部に沿って分散させて流すことにより、効率的に雨または雪解け水などを排出することができる。その結果、カバーの外表面の表面張力を軽減し、雨または雪解け水によるアンテナ部における電波の受信伝搬損失を低減することができる。
【0019】
本発明の一形態においては、カバーは、それぞれ平面で構成された2つの傾斜面を含み、2つの傾斜面は、互いに0°より大きく60°以下の角度を成すように交差している。上記の構成により、カバーの頂上部が先鋭状となるため、カバーの頂上部に鳥または虫がとまることを抑制することができる。
【0020】
好ましくは、カバーを加熱するヒータが設けられている。上記の構成により、カバー上に降った雪を溶かして流すことができる。
【発明の効果】
【0021】
急勾配の傾斜面を含み上方に行くほど細くなる先細形状を成すカバーをアンテナ部の上方に配置することにより、カバー上に雨または雪が溜まりにくく、かつ、カバー上に鳥または虫などがとまりにくくすることができる。その結果、アンテナ部における電波の受信伝搬損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態1に係るミリ波送受信装置の取付構造を模式的に示す図である。
【図2】(A)は、本実施形態のミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。
【図3】本実施形態に係るカバーを模式的に示す斜視図である。
【図4】(A)は、本実施形態の変形例に係るミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。
【図5】本実施形態の変形例に係るカバーを模式的に示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態2に係るカバーの外観を模式的に示す側面図である。
【図7】(A)は、本実施形態の一の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図であり、(B)は、本実施形態の二の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図であり、(C)は、本実施形態の三の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図である。
【図8】本実施形態の変形例に係るカバーを模式的に示す側面図である。
【図9】(A)は、本実施形態の一の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図であり、(B)は、本実施形態の二の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図であり、(C)は、本実施形態の三の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図である。
【図10】(A)は、本発明の実施形態3に係るミリ波受信装置のカバーの構造を模式的に示す斜視図であり、(B)は、(A)のXB−XB線矢印方向から見た断面図である。
【図11】従来のミリ波送受信装置の取付構造を模式的に示す図である。
【図12】(A)は、従来のミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明に基づいた実施形態1に係るミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置について、図を参照しながら説明する。
実施形態1
図1は、本発明の実施形態1に係るミリ波送受信装置の取付構造を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るミリ波送受信装置3においては、建造物8の屋上から側方に突出して設けられたアーム4の先端の下面に、ミリ波送信装置1が配置されている。ミリ波送信装置1は、下方に向けて電波7を送信するように設定されている。ミリ波送信装置1から送信された電波7は、指向性を有し、図1に示すように、僅かに広がりながら下方に伝搬していく。本実施形態に係るミリ波送受信装置3は、60GHz帯のミリ波帯の無線伝送を行なうものである。
【0024】
一方、各階のベランダ6から側方に数10cm突出して設けられたアーム5の先端の上面に、ミリ波受信装置2が配置されている。複数のミリ波受信装置2は、それぞれミリ波送信装置1に対向するように配置されている。ミリ波受信装置2には、電波7を受信するアンテナ部が設けられている。
【0025】
複数のミリ波受信装置2のアンテナ部は、電波7の到達領域の中に配置され、かつ、電波7の送信方向にアンテナ部を投影した場合に、アンテナ部同士が重ならないように配置されている。本実施形態においては、アンテナ部としてレンズアンテナを用いたが、平面アンテナおよびホーンアンテナなどを用いてもよい。
【0026】
図2(A)は、本実施形態のミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。図2(B)においては、説明の便宜上、ミリ波送信装置1についても模式的に記載している。図3は、本実施形態に係るカバーを模式的に示す斜視図である。
【0027】
図2(A),(B)に示すように、本実施形態に係るミリ波受信装置2は、ベース部材13の上面にレンズアンテナ9が載置されている。レンズアンテナ9を覆うように、レンズアンテナ9の上方にカバー10が配置されている。レンズアンテナ9は、ベース部材13の上面とカバー10の内面とにより形成された空間内に配置されている。
【0028】
ベース部材13の側面に出力端子11が設けられている。出力端子11は、回路基板12a、アンテナ一体化回路素子12bおよび図示しない回路を経由してレンズアンテナ9に結線されている。レンズアンテナ9で受信された無線信号は、上記回路によって増幅およびダウンコンバートされて、出力端子11から出力される。
【0029】
図3に示すように、本実施形態に係るカバー10は、中空円錐形状に形成されている。よって、カバー10は、先細形状を成し、上記空間が上方に行くほど狭くなるような一定の勾配を有する1つの傾斜面から構成されている。
【0030】
ここで、カバー10の傾斜面とベース部材13の上面との成す角をβとし、カバー10の頂上部10aにおける傾斜面の内面側の角度をαとする。βを60°以上90°以下の角度に設定したため、αは60°以下となっている。本実施形態においては、カバー10の頂上部10aが尖っているが、多少の丸みを有していていもよい。
【0031】
寒地土木研究所月報,No.658,2008年3月号の4.1項目の難着雪法に記載されているように、60°以上の勾配を有する傾斜面には雪が付着しにくい。そのため、βが60°以上90以下であるカバー10を用いることにより、カバー10上に降った雪を落下し易くすることができる。
【0032】
また、αを60°以下とすることにより、カバー10の頂上部10aは先鋭状の形状となるため、鳥および虫などがカバー10の頂上部10a上にとまることができなくすることができる。
【0033】
カバー10の材料としては、耐候性を有するポリプロピレンを用いた。また、レンズアンテナ9における電波7の受信強度が低下しないために、カバー10の厚さを1mm以上2mm以下とした。
【0034】
カバー10の表面に雨および雪が付着しにくくするため、カバー10の表面に親水性能または疎水性能を持たせることが好ましい。そのため、カバー10を親水性を有する材質または超撥水性質を有する材質で形成してもよい。または、カバー10の表面をサンドペーパで処理したようなざら目状とする、もしくは、カバー10の表面にワックスなどを塗布することにより、カバー10上に付着した水滴が細かく流れ易くすることが好ましい。
【0035】
さらに、カバー10を加熱する図示しないヒータを設けてもよい。たとえば、カバー10にコイル状のヒータを、コイル間隔が1cm以上となるようにらせん状に設けてもよい。このようにした場合、カバー10上に雪が降った場合に、ヒータによりカバー10を暖めることによりカバー10上の雪を溶かすことができる。そのため、カバー10上に雪が堆積することを防止することができる。
【0036】
コイル間隔を1cm以上としたのは、電波7の波長が5mm程度であるため、コイルを波長以下の間隔で設けた場合には、ヒータがスパイラルアンテナのような機能を有してしまい、電波7の受信を阻害する恐れがあるためである。
【0037】
本実施形態においては、カバー10の上下方向が鉛直方向となり、かつ、ベース部材13の上面と平行な方向が水平方向となるように、ミリ波受信装置2が取り付けられている。レンズアンテナ9の頂上部9aと中心部9bとは、鉛直方向の同一直線上に位置するように配置されている。
【0038】
レンズアンテナ9の頂上部9aおよび中心部9bは、ミリ波送信装置1から送信された電波7の到達領域内に位置するように配置されている。また、カバー10の頂上部10aが、ミリ波送信装置1から送信された電波7の到達領域内に位置するように配置されている。なお、図2(B)においては、2本の二点鎖線で示した矢印の間の領域が、電波7の到達領域である。
【0039】
アンテナ部は、電波の送受信方向に指向性を有している。図2(B)においては、2本の二点鎖線の間の指向領域77が、レンズアンテナ9の受信感度の高い領域である。また、半球状のレンズアンテナ9の頂上部9aは、上記の指向性を決定する部分、つまりアンテナ部の利得性能を決める重要部(急所)である。
【0040】
本実施形態においては、円錐状のカバー10の頂上部10aとレンズアンテナ9の中心点9bとが、レンズアンテナ9の指向領域77内に存在している。カバー10の頂上部10aが尖塔形状を有しているため、指向領域77内のカバー10上に、水滴や雪が積もることおよび鳥などが止まったりすることを抑制することができる。その結果、カバー10によってレンズアンテナ9の受信を妨げる障害物を指向領域77内から排除して、レンズアンテナ9の受信性能を高く維持することができる。
【0041】
上記のような位置関係に、ミリ波送信装置1およびミリ波受信装置2からなるミリ波送信装置を配置することにより、ミリ波送信装置1から発信された電波7をミリ波受信装置2が受信する際の受信伝搬損失を低減することができる。
【0042】
具体的には、レンズアンテナ9の伝送性能を決定するレンズアンテナ9の頂上部9aと中心部9bとを結んだ鉛直方向上方に、カバー10の頂上部10aが位置している。カバー10は上記の形状を有しているため、カバー10上に降った雨および雪はカバー10上に付着しにくく、また、鳥および虫などもカバー10上にとまりにくい。
【0043】
その結果、カバー10上から電波7の受信を妨げる雨、雪、鳥および虫などを排除することができるため、ミリ波受信装置2の電波7の受信伝搬損失を低減することができる。
【0044】
図4(A)は、本実施形態の変形例に係るミリ波受信装置の構造を模式的に示す上面図であり、(B)は、その断面図である。図4(B)においては、説明の便宜上、ミリ波送信装置1についても模式的に記載している。図5は、本実施形態の変形例に係るカバーを模式的に示す斜視図である。
【0045】
図4(A),(B)および図5に示すように、変形例のミリ波受信装置においては、カバー14が中空四角錘状に形成されている。それに対応して、ベース部材15は、平面的に見て、矩形状に形成されている。カバー14は、4つの傾斜面を有している。
【0046】
カバー14の傾斜面とベース部材15の上面との成す角をβとし、カバー14の頂上部14aにおける対向した傾斜面同士の成す角をαとする。βを60°以上90°以下の角度に設定したため、αは60°以下となっている。本実施形態においては、カバー14の頂上部14aが尖っているが、多少の丸みを有していていもよい。
【0047】
レンズアンテナ9の中心点9bおよびカバー14の頂上部14aは、ミリ波送信装置1から送信された電波7の到達範囲内に位置するように配置されている。具体的には、レンズアンテナ9の頂上部9aと中心部9bとを結んだ鉛直方向上方に、カバー14の頂上部14aが位置している。カバー14は上記の形状を有しているため、カバー14上に降った雨および雪はカバー14上に付着しにくく、また、鳥および虫などもカバー14上にとまりにくい。
【0048】
その結果、カバー14上から電波7の受信を妨げる雨、雪、鳥および虫などを排除することができるため、ミリ波受信装置2の電波7の受信伝搬損失を低減することができる。
【0049】
なお、変形例においては、中空四角推形状を有するカバー14について説明したが、中空三角錐形状などの他の中空角錐形状としてもよい。また、レンズアンテナ9の上部に半球状のカバーを設け、さらにその上方に本実施形態に係るカバー10,14を設けてもよい。つまり、カバーを二重に配置してもよい。このようにした場合にも、ミリ波受信装置2の受信伝搬損失の低減を図ることができる。
【0050】
以下、この発明に基づいた実施形態2に係るミリ波受信装置、ミリ波受信装置の取付構造およびミリ波送受信装置について、図を参照しながら説明する。
実施形態2
図6は、本発明の実施形態2に係るカバーの外観を模式的に示す側面図である。図7(A)は、本実施形態の一の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図であり、図7(B)は、本実施形態の二の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図であり、図7(C)は、本実施形態の三の例のカバーにおける、図6のVII−VII線矢印方向から見た断面図である。
【0051】
図6,7に示すように、中空円錐状の形状を有するカバー17の外表面に分岐部20が、カバー17の頂上部からカバー17の裾部の全周に亘って放射状に第1分岐部18および第2分岐部19が交互に互いに間隔を置いて配置されている。第1分岐部18は、第2分岐部19よりカバー17の頂上部に近い位置から形成されている。第1分岐部18および第2分岐部19の幅は、1mm程度とした。
【0052】
本実施形態の一の例のカバー17においては、図7(A)に示すように、第1分岐部18は凸部18aからなり、第2分岐部19は、凸部19aからなる。凸部18aおよび凸部19aは、断面が矩形状である。
【0053】
本実施形態の二の例のカバー17においては、図7(B)に示すように、第1分岐部18は凸部18bからなり、第2分岐部19は、凸部19bからなる。凸部18bおよび凸部19bは、断面が三角形状である。
【0054】
本実施形態の三の例のカバー17においては、図7(C)に示すように、第1分岐部18は凹部18cからなり、第2分岐部19は、凹部19cからなる。凹部18cおよび凹部19cは、断面が三角形状である。
【0055】
上記の断面形状を有する分岐部20を設けることにより、カバー17上の表面張力を低減して、水滴が球形になることを防止することができる。その結果、カバー17に付着した液体は、カバー17上を流れ易くなる。また、カバー17の外表面に付着した雨または湿った雪などの液体がカバーの頂上部からカバーの裾部に向けて分岐しながら流すことにより、大量の雨が降った場合にも、分散して効率よく雨を流すことができる。
【0056】
カバー17の頂上部の近傍における、互いに隣接する第1分岐部18同士の間の最も狭い間隔L1は、1cm程度とした。また、隣接する第1分岐部18と第2分岐部19との間の最も狭い間隔L2は、1cm程度とした。これは、雨などの液体が、複数の分岐部に跨って存在する場合、カバー17の表面張力が大きくなって、カバー17上を液体が流れにくくなることを防止するためである。通常、雨の直径は数mmであるため、分岐部20同士の間隔を1cm程度以上とすることにより、上記の状況を防止することができる。
【0057】
図8は、本実施形態の変形例に係るカバーを模式的に示す側面図である。図9(A)は、本実施形態の一の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図であり、図9(B)は、本実施形態の二の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図であり、図9(C)は、本実施形態の三の変形例のカバーにおける、図8のIX−IX線矢印方向から見た断面図である。
【0058】
図8,9に示すように、中空円錐状の形状を有するカバー21の外表面に複数のΛ(ラムダ)字状の分岐部22が、互いに間隔を置いて配置されている。分岐部22の幅は、1mm程度とした。
【0059】
本実施形態の一の例のカバー21においては、図9(A)に示すように、分岐部22は凸部22aからなる。凸部22aは、断面が矩形状である。
【0060】
本実施形態の二の例のカバー21においては、図9(B)に示すように、分岐部22は凸部22bからなる。凸部22bは、断面が三角形状である。
【0061】
本実施形態の三の例のカバー21においては、図9(C)に示すように、分岐部22は凹部22cからなる。凹部22cは、断面が三角形状である。
【0062】
上記の断面形状を有する分岐部22を設けることにより、カバー21上の表面張力を低減して、水滴が球形になることを防止することができる。その結果、カバー21に付着した液体は、カバー21上を流れ易くなる。また、カバー21の外表面に付着した雨または湿った雪などの液体は、Λ字状の分岐部22により2方向に分岐される。本実施形態においては、Λ字状の分岐部22の二つの端部の下方に、二つの分岐部22が配置され、その配置関係が、カバーの頂上部から裾部に向けて繰り返されている。
【0063】
上記の分岐部22により、カバー21の頂上部からカバー21の裾部に向けて液体を次々に分岐しながら流すことにより、大量の雨が降った場合にも、分散して効率よく雨を流すことができる。
【0064】
上記の分岐部は一例であって、分岐部の形状、配置、大きさなどは適宜変更可能である。分岐部は、カバーの外表面に分岐部を設けることにより、カバーの外表面に付着した液体がカバーの頂点部からカバーの裾部に向けて分岐されながら流れるものであればよい。その他の構成については、実施形態1と同様であるため説明を繰り返さない。
【0065】
以下、この発明に基づいた実施形態3に係るミリ波受信装置について、図を参照しながら説明する。
実施形態3
図10(A)は、本発明の実施形態3に係るミリ波受信装置のカバーの構造を模式的に示す斜視図であり、(B)は、図10(A)のXB−XB線矢印方向から見た断面図である。図10(A)に示すように、本発明の実施形態3に係るカバー23は、それぞれ平面で構成された2つの傾斜面24,25と、傾斜面24と傾斜面25とにより挟まれる2つの側面とから構成されている。
【0066】
図10(B)に示すように、傾斜面24と傾斜面25との成す角αは、60°以下となるように形成されている。また、図示しないベース部材の上面と傾斜面24および傾斜面25との成す角は、60°以上90°以下となるように形成されている。本実施形態においては、カバー23の頂上部が尖っているが、多少の丸みを有していていもよい。
【0067】
上記の形状を有するカバー23を設けることにより、カバー23上に降った雪を落下し易くすることができる。また、αを60°以下とすることにより、カバー23の頂上部は先鋭状の形状となるため、鳥および虫などがカバー23の頂上部上にとまることができなくすることができる。その他の構成については、実施形態1または2と同様であるため、説明を繰り返さない。
【0068】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1,31 ミリ波送信装置、2,32 ミリ波受信装置、3,33 ミリ波送受信装置、4,5,34,35 アーム、6,36 ベランダ、7,37 電波、8,38 建造物、9,39 レンズアンテナ、10,14,17,21,23,40 カバー、11,41 出力端子、12a,42a 回路基板、12b,42b アンテナ一体化回路素子、13,15,43 ベース部材、18,19,20,22 分岐部、18a,18b,19a,19b,22a,22b 凸部、18c,19c,22c 凹部、24,25 傾斜面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材の上面に載置されたアンテナ部と、
前記アンテナ部を覆うように、前記アンテナ部の上方に配置されたカバーと
を備え、
前記アンテナ部は、前記ベース部材の前記上面と前記カバーの内面とにより形成された空間内に配置され、
前記カバーは、先細形状を成し、前記空間が上方に行くほど狭くなるような一定の勾配を有する1つ以上の傾斜面を含み、
前記カバーの前記傾斜面と前記ベース部材の前記上面とのなす角は、60°以上90°以下である、ミリ波受信装置。
【請求項2】
前記カバーが、中空円錐状または中空角錐状に形成された、請求項1に記載のミリ波受信装置。
【請求項3】
前記カバーの外表面に、前記外表面に付着した液体が前記カバーの頂上部から前記カバーの裾部に向けて分岐されながら流れるようにする分岐部が形成された、請求項2に記載のミリ波受信装置。
【請求項4】
前記カバーの前記外表面に、前記カバーの頂上部から前記カバーの裾部の全周に亘って放射状に凸部または凹部が互いに間隔を置いて配置された前記分岐部が形成された、請求項3に記載のミリ波受信装置。
【請求項5】
前記カバーの前記外表面に、複数のΛ字状の凸部または凹部が互いに間隔を置いて配置された前記分岐部が形成された、請求項3に記載のミリ波受信装置。
【請求項6】
前記カバーは、それぞれ平面で構成された2つの前記傾斜面を含み、
2つの前記傾斜面は、互いに60°以下の角度を成すように交差している、請求項1に記載のミリ波受信装置。
【請求項7】
前記カバーを加熱するヒータが設けられた、請求項1から6のいずれかに記載のミリ波受信装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のミリ波受信装置が、前記カバーの上下方向が鉛直方向となり、かつ、前記ベース部材の前記上面と平行な方向が水平方向となるように取り付けられた、ミリ波受信装置の取付構造。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載のミリ波受信装置と、
ミリ波送信装置と
を備えた、ミリ波送受信装置。
【請求項10】
前記アンテナ部がレンズアンテナから構成され、
前記アンテナ部の中心点および前記カバーの頂上部が、前記ミリ波送信装置から送信された電波の到達範囲内に位置している、請求項9に記載のミリ波送受信装置。
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材の上面に載置されたアンテナ部と、
前記アンテナ部を覆うように、前記アンテナ部の上方に配置されたカバーと
を備え、
前記アンテナ部は、前記ベース部材の前記上面と前記カバーの内面とにより形成された空間内に配置され、
前記カバーは、先細形状を成し、前記空間が上方に行くほど狭くなるような一定の勾配を有する1つ以上の傾斜面を含み、
前記カバーの前記傾斜面と前記ベース部材の前記上面とのなす角は、60°以上90°以下である、ミリ波受信装置。
【請求項2】
前記カバーが、中空円錐状または中空角錐状に形成された、請求項1に記載のミリ波受信装置。
【請求項3】
前記カバーの外表面に、前記外表面に付着した液体が前記カバーの頂上部から前記カバーの裾部に向けて分岐されながら流れるようにする分岐部が形成された、請求項2に記載のミリ波受信装置。
【請求項4】
前記カバーの前記外表面に、前記カバーの頂上部から前記カバーの裾部の全周に亘って放射状に凸部または凹部が互いに間隔を置いて配置された前記分岐部が形成された、請求項3に記載のミリ波受信装置。
【請求項5】
前記カバーの前記外表面に、複数のΛ字状の凸部または凹部が互いに間隔を置いて配置された前記分岐部が形成された、請求項3に記載のミリ波受信装置。
【請求項6】
前記カバーは、それぞれ平面で構成された2つの前記傾斜面を含み、
2つの前記傾斜面は、互いに60°以下の角度を成すように交差している、請求項1に記載のミリ波受信装置。
【請求項7】
前記カバーを加熱するヒータが設けられた、請求項1から6のいずれかに記載のミリ波受信装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のミリ波受信装置が、前記カバーの上下方向が鉛直方向となり、かつ、前記ベース部材の前記上面と平行な方向が水平方向となるように取り付けられた、ミリ波受信装置の取付構造。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載のミリ波受信装置と、
ミリ波送信装置と
を備えた、ミリ波送受信装置。
【請求項10】
前記アンテナ部がレンズアンテナから構成され、
前記アンテナ部の中心点および前記カバーの頂上部が、前記ミリ波送信装置から送信された電波の到達範囲内に位置している、請求項9に記載のミリ波送受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−124790(P2011−124790A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280757(P2009−280757)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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