説明

ムチン含有煮物及びムチン含有煮物の製造方法

【課題】 人の生命に重要なムチンを含む煮物。中華料理の麻婆豆腐の水溶き片栗粉と同じ役割をする食品で、低カロリーの食材を開発する。煮物において、生の野菜の色をできるだけ残し、彩りの美しい煮物を作る。
【課題手段】煮物にオクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン、ツルムラサキ又は納豆から抽出したムチン溶液を加えて作った煮物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ムチン含有煮物に関する技術分野である。
【背景技術】
【0002】
人の体や動物の体のバリアー(防壁)ではムチンが重要な役剖をしている。鼻の粘膜、喉の粘膜にはムチンが多く含まれている。そのムチン粘膜が菌やウイルスが体内に侵入することを防ぐ。涙にもムチンが多く含まれ、菌やウイルスが体内に侵入することを防ぐ。胃の表面はムチン粘膜で覆われ、胃酸から胃の表面の細胞を守る。また、胃の表面から菌やウイルスが体内に侵入することを防ぐ。唾液にも多くのムチンが含まれ、口内から菌やウイルスが体内に侵入することを防ぐ。皮膚にもムチンが多く含まれ菌やウイルスが体内に侵入することを防ぐ。犬猫がケガをすると、傷口を舌でペロペロと嘗め、唾液を傷口に塗っている。傷口の皮膚が損傷すると、そこから菌やウイルスが侵入しやすくなる。よって、唾液を傷口に塗り、唾液のムチンのバリアーで菌やウイルスが体内に侵入することを防ぐ。以上のように、ムチンは非常に重要な栄養素である。
【0003】
日本肥満学会の発表によると、現在、過体重と肥満の出現率は約20%〜24%である。今後もこの数字は増え続けるものと予想している。3300万人の高血圧患者、2000万人の高脂血症患者、690万人の糖尿病患者など、代表的な生活習慣病の3割から6割が肥満や過体重に起因していると言われている。
【0004】
世界中に肥満症患者が約十億人いると言われ、その肥満症患者予備軍が約三十億人いると言われている。約四十億人が食事を制限する必要がある。
【0005】
従来の技術として、中華料理の麻婆豆腐で瀞み(とろみ)をつけるために片栗粉を入れる。しかし、片栗粉は、ユリ科の多年草のカタクリの根から得られる澱粉を精製した粉。現在市場に出回っている片栗粉の大半は馬鈴薯澱粉である。どちらにしても澱粉であるのでカロリーが高い。ゆえに、片栗粉を料理に使うと非常に美味しくなるが高カロリーにもなる。
【0006】
煮物の製造法としては、節類だし汁を用いたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】 特許第3783069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
人の生命に重要なムチンを含む煮物の発明する。
【0009】
中華料理の麻婆豆腐などの水溶き片栗粉と同じ役割をする食品で低カロリーの食材を開発する。
【0010】
煮物において、生の野菜の色をできるだけ残し、彩りの美しい煮物を作る。
【0011】
煮物とは、煮た食品である。鍋料理、炊飯、おにぎり、炒飯なども含みます。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実例として、ムチンを多く含むオクラ3本のゴミや汚れを洗浄し、オクラを1mm間隔に刻んで小片にし、刻んだオクラを500ccの水の中に8時間から12時間沈没させ、水中のオクラからムチン水溶液を500cc抽出する。一度抽出したオクラを再び500ccの水の中に8時間から12時間沈没させ、水中のオクラからムチン水溶液を500cc抽出する。この工程を繰り返して20回抽出して、10000cc(10リットル)のムチン水溶液を得た。なお、20回抽出の予測時間は最低で160時間であるが、実際には約7.5日間(約180時間)であった。
【0013】
このムチン水溶液を使って料理をした。中華料理の麻婆豆腐を作った。水溶き片栗粉の代わりに同量の濃縮ムチン水溶液を使った。水溶き片栗粉の代わりに濃縮ムチン水溶液を使った麻婆豆腐は非常に美味しかった。
【0014】
同様に、八宝菜において、片栗粉の代わりにオクラから抽出したムチン水溶液を使うと料理が美味しくできた。
【0015】
八宝菜の野菜は、生であるときの色を残して料理することができた。よって、彩りが大変に奇麗であった。
【0016】
カレーのルーを料理した。水の代わりに納豆から抽出したムチン水溶液を使った。非常にまろやかな味であった。カレーのルーに納豆を入れた物と全く違った。
【0017】
インディカ米を炊いた。水の代わりにオクラから抽出したムチン水溶液を使った。ジャポニカ米のように粘り気が有り、非常に艶がよく美味しかった。米にオクラを入れ炊いた物と全く違った。つまり、安いインディカ米を高級なジャポニカ米のように炊くことができる。
【0018】
すき焼きを料理した。水の代わりにサトイモから抽出したムチン水溶液を使った。非常にこくがあり美味しかった。すき焼きにサトイモを入れて料理した物と全く違った。
【0019】
すき焼きの野菜は、褐色に変色せずに料理することができた。よって、彩りが大変に奇麗であった。
【0020】
石狩鍋を料理した。水の代わりにツクネイモから抽出したムチン水溶液を使った。濃厚で非常に美味しかった。石狩鍋にツクネイモを入れて料理した物と全く違った。
【0021】
石狩鍋の野菜は、褐色に変色せずに料理することができた。よって、彩りが大変に奇麗であった。
【0022】
味噌汁を料理した。水の代わりにツルムラサキから抽出したムチン水溶液を使った。瀞みが非常に美味しかった。味噌汁にツルムラサキを入れて料理した物と全く違った。
【0023】
味噌汁の野菜は、褐色に変色せずに料理することができた。よって、彩りが大変に奇麗であった。
【0024】
以上の様に、煮物において、水の代わりにムチン水溶液を使うと非常に美味しい料理ができる。オクラなどのムチン含有食品をそのまま入れた料理と全く違う。
【0025】
煮物において、水の代わりにムチン水溶液を使うと、緑色の葉菜が褐色に変色せず、緑色のままに残すことができる。よって、煮物が見た目に非常に奇麗である。
【0026】
煮物において、水の代わりにムチン水溶液を使うと、野菜の煮崩れを防ぐことができる。
【0027】
よって、野菜に含まれるビタミン類の熱によるダメージが少ない。
【0028】
オクラなどのムチン含有食品からムチン水溶液を抽出するには次の条件が必要である。一つ目は、時間が非常に長くかかる。我々の実験では約190時間(約7.5日間)を費やした。長い時間をかけないと大量のムチン水溶液を抽出することができない。
【0029】
二つ目は、オクラなどのムチン含有食品からムチンを溶かして抽出する溶媒が、水またはアルコールでないと大量のムチン溶液(ムチン水溶液またはムチンアルコール溶液)を抽出できない。
【0030】
三つ目は、浸透圧の関係で、水に塩や砂糖が入ると、抽出できるムチンの量が極端に少なくなる。
【0031】
190時間を炊飯や石狩鍋の料理に費やす事は有り得ない。また、石狩鍋や味噌汁は塩分が濃いので、オクラを入れても、ムチン水溶液は殆ど出ない。
【0032】
よって、オクラなどのムチン含有食品を水またはアルコールに数分間から72時間沈没させて、10回から20回繰り返してムチン水溶液を抽出しなければならないので、料理の工程でムチンの抽出は無理である。つまり、下拵えの段階で、ムチン抽出が終えていないとだめである。例えば、料理の工程では、3本オクラを刻んで使っても、10リットルのムチン水溶液を抽出することはできない。
【0033】
ムチンは、タンパク質とガラクタンやマンナンなどが結合したもので、ムチン水溶液は滑らかで高い粘性が有り、粘り気(接着力)が強い。
【0034】
ガラクタンは、粘性多糖類の水溶性の食物繊維である。ガラクタンも粘り気が強い。
【0035】
マンナンは、マンノースを主成分とする多糖類で水溶性の食物繊維である。マンナンも粘り気が強い。
【0036】
ムチンは、オクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン、ツルムラサキ、納豆などに多く含まれている。
【0037】
ムチン含有食品とは、オクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン、ツルムラサキ、納豆などである。
【0038】
オクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン又はツルムラサキから抽出できるムチンは植物性ムチンである。
【0039】
納豆から抽出できるムチンは動物性ムチンである。
【0040】
オクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン、ツルムラサキ、納豆などのムチンを多く含むムチン含有食品の1種又は2種以上を水又はアルコールに入れて、ムチン溶液(粘液)を抽出する。このムチン溶液には、ムチンの他に少量のガラクタンと少量のマンナンが含まれている。
【0041】
ムチン溶液を抽出すると、ムチン溶液に含まれるムチンのタンパク質が空中及び/又は水中の麹菌によって低分子化され、ムチンからガラクタンとマンナンに変化する。
【0042】
オクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン、ツルムラサキ、納豆などに含まれるムチンも、ムチン含有食品の体内外の麹菌によって、タンパク質が低分子化され、ムチンからガラクタンとマンナンに変化する。
【0043】
ムチン含有食品を刻んで、刻んだムチン含有食品を水又はアルコールに入れて、ムチン含有食品からムチン、ガラクタン及びマンナンを抽出する、以上のことを特徴とする抽出方法である。
【0044】
ムチン含有食品は独特の味と香りがあり、嫌う人が多い。オクラなどからムチン溶液を抽出すると独特の味と香りも一緒に抽出してしまう。ムチン含有食品から味と香りを沈殿法を用いて取り除く事ができる。
【0045】
味と香りを取り除く沈殿法とは、ムチン含有食品を刻んで、刻んだムチン含有食品を水又はアルコールに入れて、ムチン含有食品からムチン、ガラクタン及びマンナンの第一の混合溶液を抽出し、そのムチン、ガラクタン及びマンナンの第一の混合溶液を1日間から14日間沈殿させて、沈殿した純度の高い無色透明で無味無臭のムチン、ガラクタン及びマンナンの第二の混合溶液を抽出する、以上のことを特徴とする抽出方法である。
【0046】
ムチン含有食品の抽出工程では、ムチン含有食品を水又はアルコールに沈没させ一回目のムチン、ガラクタン及びマンナンの混合溶液を抽出する。次に、一回目で使ったムチン含有食品を水又はアルコールに入れて二回目のムチン、ガラクタン及びマンナンの混合溶液を抽出する。次に、二回目で使ったムチン含有食品を水又はアルコールに入れて三回目のムチン、ガラクタン及びマンナンの混合溶液を抽出する。この工程を繰り返し、四回目の抽出、五回目の抽出、六回目の抽出、七回目の抽出、八回目の抽出、九回目の抽出、十回目の抽出、十一回目の抽出、十二回目の抽出、十三回目の抽出、十四回目の抽出、と、繰り返す。水又はアルコールの中のムチン含有食品から無色透明のムチン、ガラクタン及びマンナンの混合溶液を大量に抽出できる間は繰り返して抽出する。
【0047】
ムチンは、マンナンが非常に多く含まれている。肥満症患者、過体重患者及び糖尿病患者がムチン又はマンナンを摂取すると、食物のカロリーの吸収率が下がることが知られている。また、周知の事として、マンナンを摂取すると、ダイエット効果が非常に大きい。
【0048】
同様に、ガラクタンも粘性多糖類の水溶性の食物繊維であるので、肥満症患者、過体重患者及び糖尿病患者がガラクタンを摂取すると、食物のカロリーの吸収率が下がることが知られている。また、ガラクタンは脳を刺激し、脳を活性化させる働きがあり、ボケの予防に効果がある。
【0049】
結論とすると、煮物料理においてムチン水溶液を水の代わりに使い、または、水溶き片栗粉を用いる料理においてムチン水溶液を水溶き片栗粉の代わりに使う。
【発明の実施するための最良の形態】
【0050】
発明の実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1において、ムチンを多く含むムチン含有食品のゴミや汚れを洗浄する、洗浄工程。
【0051】
図1において、ムチン含有食品を刻んで小片にする、刻み工程。
【0052】
図1において、刻んだムチン含有食品を水又はアルコールの中に沈没させる、沈没工程。
【0053】
図1において、水又はアルコールの中のムチン含有食品からムチン溶液を抽出する、ムチン溶液抽出工程。
【0054】
図1において、煮物料理においてムチン溶液を水の代わりに使い、または、水溶き片栗粉を用いる料理においてムチン溶液を水溶き片栗粉の代わりに使う、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【0055】
よって、図1において、
オクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン、ツルムラサキ、納豆、から選ばれる一種又は二種以上のムチンを多く含むムチン含有食品のゴミや汚れを洗浄し、ムチン含有食品を刻んで小片にし、刻んだムチン含有食品を水又はアルコールの中に沈没させ、水又はアルコールの中のムチン含有食品からムチン溶液を抽出して、煮物料理においてムチン溶液を水の代わりに使い、又は、水溶き片栗粉を用いる料理においてムチン溶液を水溶き片栗粉の代わりに使う、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【0056】
図2において、ムチンを多く含むムチン含有食品のゴミや汚れを洗浄する、洗浄工程。
【0057】
図2において、ムチン含有食品を刻んで小片にする、刻み工程。
【0058】
図2において、刻んだムチン含有食品を水又はアルコールの中に沈没させる、沈没工程。
【0059】
図2において、水又はアルコールの中のムチン含有食品から第一のムチン溶液を抽出する、第一のムチン溶液抽出工程。
【0060】
図2において、第一のムチン溶液を沈殿して純度の高い第二のムチン溶液を抽出する、第二のムチン溶液抽出工程。
【0061】
図2において、煮物料理において第二のムチン溶液を水の代わりに使い、又は、水溶き片栗粉を用いる料理において第二のムチン溶液を水溶き片栗粉の代わりに使う、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【0062】
よって、図2において、
オクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン、ツルムラサキ、納豆、から選ばれる一種又は二種以上のムチンを多く含むムチン含有食品のゴミや汚れを洗浄し、ムチン含有食品を刻んで小片にし、刻んだムチン含有食品を水又はアルコールの中に沈没させ、水又はアルコールの中のムチン含有食品から第一のムチン溶液を抽出して、第一のムチン溶液を1日間から14日間沈殿して純度の高い第二のムチン溶液を抽出し、煮物料理において第二のムチン溶液を水の代わりに使い、又は、水溶き片栗粉を用いる料理において第二のムチン溶液を水溶き片栗粉の代わりに使う、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【実施例1】
【0063】
発明の実施例を図面参照して説明する。
図1において、ムチン抽出工程において、ムチン含有食品はオクラを80グラム使用する。最初に、オクラのゴミや汚れを水で洗浄する、洗浄工程。
【0064】
図1において、オクラを1〜3mm間隔で刻んで小片にする、刻み工程。
【0065】
図1において、刻んだオクラを300cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させる、沈没工程。
【0066】
図1において、水の中のオクラからムチン溶液200ccの一回目を抽出する。一回目の抽出を終えたオクラを300cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のオクラからムチン溶液200ccの二回目を抽出する。二回目の抽出を終えたオクラを300cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のオクラからムチン溶液200ccの三回目を抽出する。この作業を20回繰り返して行い、4000ccのムチン溶液を抽出する、ムチン溶液抽出工程。
【0067】
図1において、ムチン溶液1200ccを土鍋に入れ、生鮭切り身4枚と、ほたて貝4個と、カットキャベツ(キャベツ葉8枚分)と、カット玉葱(1個分)と、刻んだ木綿豆腐1丁と、カット葱(2本分)と、バター大匙2杯と、イクラ100グラムを加えて煮て石狩鍋とする、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【実施例2】
【0068】
図1において、ムチン抽出工程において、ムチン含有食品はツルムラサキを100グラム使用する。最初に、ツルムラサキのゴミや汚れを水で洗浄する、洗浄工程。
【0069】
図1において、ツルムラサキを1〜2mm間隔で刻んで小片にする、刻み工程。
【0070】
図1において、刻んだツルムラサキを300cc容量ビーカーの200ccの水の中に24時間沈没させる、沈没工程。
【0071】
図1において、水の中のツルムラサキからムチン溶液200ccの一回目を抽出する。一回目の抽出を終えたツルムラサキを300cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のツルムラサキからムチン溶液200ccの二回目を抽出する。二回目の抽出を終えたツルムラサキを300cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のツルムラサキからムチン溶液200ccの三回目を抽出する。この作業を20回繰り返して行い、4000ccのムチン溶液を抽出する、ムチン溶液抽出工程。
【0072】
図1において、刻み味付け椎茸100グラムと、刻み人参50グラムと、刻みコンニャク50グラムと、刻み油揚げ1枚分と、刻み鶏肉50グラムと、インディカ米3合と、薄口醤油大匙2杯と、塩小匙1/2杯と、酒大匙1杯を撹拌し、水の代わりにムチン溶液を適量加えて炊いた五目御飯である、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【実施例3】
【0073】
図1において、ムチンを多く含むムチン含有食品はオクラを40グラムとレンコン40グラム使う。オクラとレンコンのゴミや汚れを洗浄する、洗浄工程。
【0074】
図1において、オクラとレンコンを1〜2mm間隔で刻んで小片にする、刻み工程。
【0075】
図1において、刻んだオクラとレンコンを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させる、沈没工程。
【0076】
図1において、水の中のオクラとレンコンからムチン水溶液200ccの一回目を抽出する。一回目の抽出を終えたオクラとレンコンを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のオクラとレンコンからムチン水溶液200ccの二回目を抽出する。二回目の抽出を終えたオクラとレンコンを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のオクラとレンコンからムチン水溶液200ccの三回目を抽出する。この作業を20回繰り返して行い、4000ccのムチン水溶液を抽出する、ムチン溶液抽出工程。
【0077】
図1において、ムチン水溶液2000ccを鍋に入れ、1900ccの水分を飛ばし、濃縮ムチン水溶液100ccを作る。中華鍋にサラダ油大匙1杯と、エビ尾8〜12と、刻みイカ1杯分と、豚肉薄切り100グラムを炒める。刻みニンジン1/3本分と、刻み白菜1/8株分と、刻みタケノコ50グラムを中華鍋に加えて、炒めて、好みの合わせ調味料を加えて煮立て、刻みピーマン2個分と、キクラゲ4グラムと、ボイル済みウズラ卵8個を加えて煮る。野菜が柔らかくなったら、濃縮ムチン水溶液100cc加え、混ぜながらとろみをつける。最後にゴマ油小匙2杯を回し入れて、ご飯にかけた、中華丼である、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【実施例4】
【0078】
図1において、ムチンを多く含むムチン含有食品はサトイモ20グラム、ツクネイモ20グラム、納豆20グラムを使う。サトイモとツクネイモのゴミや汚れを洗浄する、洗浄工程。
【0079】
図1において、サトイモ、ツクネイモ及び納豆を1〜3mm間隔で刻んで小片にする、刻み工程。
【0080】
図1において、刻んだサトイモ、ツクネイモ及び納豆を500cc容量フラスコの300ccのアルコール10%の水溶液に12時間沈没させる、沈没工程。
【0081】
図1において、アルコール10%の水溶液の中のサトイモ、ツクネイモ及び納豆からムチン溶液300ccの一回目を抽出する。一回目の抽出を終えたサトイモ、ツクネイモ及び納豆を500cc容量ビーカーの300ccのアルコール10%の水溶液の中に12時間沈没させた後に、アルコール10%の水溶液の中のサトイモ、ツクネイモ及び納豆からムチン溶液300ccの二回目を抽出する。二回目の抽出を終えたサトイモ、ツクネイモ及び納豆を500cc容量ビーカーの300ccのアルコール10%の水溶液の中に12時間沈没させた後に、アルコール10%の水溶液の中のサトイモ、ツクネイモ及び納豆からムチン溶液300ccの三回目を抽出する。この作業を4回繰り返して行い、1200ccのムチン溶液を抽出する、ムチン溶液抽出工程。
【0082】
図1において、インディカ米1200ccと、ムチン溶液1200ccを撹拌して、炊いたご飯である、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【実施例5】
【0083】
図2において、ムチンを多く含むムチン含有食品はツルムラサキを100グラム使う。ツルムラサキのゴミや汚れを洗浄する、洗浄工程。
【0084】
図2において、ツルムラサキを1〜3mm間隔で刻んで小片にする、刻み工程。
【0085】
図2において、刻んだツルムラサキを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させる、沈没工程。
【0086】
図2において、水の中のツルムラサキから第一のムチン水溶液200ccの一回目を抽出する。一回目の抽出を終えたツルムラサキを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のツルムラサキから第一のムチン水溶液200ccの二回目を抽出する。二回目の抽出を終えたツルムラサキを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のツルムラサキから第一のムチン水溶液200ccの三回目を抽出する。この作業を20回繰り返して行い、4000ccの第一のムチン水溶液を抽出する、第一の溶液抽出工程。
【0087】
図2において、第一のムチン水溶液4000ccを6000cc容量ビーカーに入れて、冷蔵庫の中で安静にして10日間沈殿させ、ビーカーの下部に純度の高い第二のムチン水溶液約1300ccが沈殿し、純度の高い第二のムチン水溶液900ccをスポイトで抽出する、第二の溶液抽出工程。
【0088】
図2において、ブリのあら4切れ(1切れ約60グラム)と、大根3cm幅4切れと、生姜の皮適量と、日本酒180ccと、純度の高い第二ムチン水溶液900ccを鍋に入れ、煮立ったら中火にして、あくを取る。大根が煮えたら、砂糖120グラムと、濃口醤油90ccを入れて、15分間煮たら、濃口醤油90ccを入れて、落とし蓋をして更に15分間煮る。上がりに、搾り生姜汁とゴマ油を加えて火を止める。それを皿に盛り、木の芽と、もみじふと、糸唐辛子を添えて完成したブリ大根である、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【実施例6】
【0089】
図2において、ムチンを多く含むムチン含有食品はオクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン、ツルムラサキ及び納豆を夫れ夫れ10グラム使う。ムチン含有食品のゴミや汚れを洗浄する、洗浄工程。
【0090】
図2において、ムチン含有食品を2〜3mm間隔で刻んで小片にする、刻み工程。
【0091】
図2において、刻んだムチン含有食品を400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させる、沈没工程。
【0092】
図2において、水の中のムチン含有食品から第一のムチン水溶液200ccの一回目を抽出する。一回目の抽出を終えたムチン含有食品を400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のムチン含有食品から第一のムチン水溶液200ccの二回目を抽出する。二回目の抽出を終えたムチン含有食品を400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のムチン含有食品から第一のムチン溶液200ccの三回目を抽出する。この作業を20回繰り返して行い、4000ccの第一のムチン水溶液を抽出する、第一の溶液抽出工程。
【0093】
図2において、第一のムチン水溶液4000ccを5000cc容量ビーカーに入れて、冷蔵庫の中で安静にして14日間沈殿させ、ビーカーの下部に純度の高い第二のムチン水溶液約1300ccが沈殿し、純度の高い第二のムチン水溶液1000ccをスポイトで抽出する、第二の溶液抽出工程。
【0094】
図2において、純度の高い第二のムチン水溶液500ccを鍋に入れ、450ccの水分を飛ばし、濃縮ムチン水溶液50ccを作る。鍋に湯を沸かし、木綿豆腐2丁を約90秒間下ゆでし、キッチンペーパーを敷いたバットに上げ、水分をきっておく。中華鍋にサラダ油大匙3杯を強火で熱し、刻みネギ1/3本分と、刻み生姜1片分と、刻みニンニク1片分を加えて、よく炒める。その中華鍋に豚ひき肉150グラムを加えて、ヘラで撹拌しよく炒める。その中華鍋に豆板醤小匙1杯と、スープ1カップと、砂糖小匙1杯と、醤油大匙2杯を加えて煮立て、木綿豆腐を加える。中華鍋の中身を軽く混ぜ、豆腐がふっくらとしたら、濃縮ムチン水溶液50ccを加えて、軽く混ぜて作った麻婆豆腐である、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【実施例7】
【0095】
図2において、ムチンを多く含むムチン含有食品はオクラを60グラム使う。オクラのゴミや汚れを洗浄する、洗浄工程。
【0096】
図2において、オクラを2〜5mm間隔で刻んで小片にする、刻み工程。
【0097】
図2において、刻んだオクラを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させる、沈没工程。
【0098】
図2において、水の中のオクラから第一のムチン水溶液200ccの一回目を抽出する。一回目の抽出を終えたオクラを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のオクラから第一のムチン水溶液200ccの二回目を抽出する。二回目の抽出を終えたオクラを400cc量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のオクラから第一のムチン水溶液200ccの三回目を抽出する。この作業を20回繰り返して行い、4000ccの第一のムチン水溶液を抽出する、第一の溶液抽出工程。
【0099】
図2において、第一のムチン水溶液4000ccを5000cc容量ビーカーに入れて、冷蔵庫の中で安静にして2日間沈殿させ、ビーカーの下部に純度の高い第二のムチン水溶液約2000ccが沈殿し、純度の高い第二のムチン水溶液1000ccをスポイトで抽出する、第二の溶液抽出工程。
【0100】
図2において、第二のムチン水溶液1000ccを鍋に入れ、火を付けて、内蔵と頭を除去した出し用煮干し5匹分を入れ、沸騰したら、中火で2分間煮て、煮干しを取り出す。刻み長ネギ10グラムと、刻み豆腐30グラムを加えて煮立て、塩抜きワカメ5グラムを入れて、火を落とす。おたまに味噌10グラムを入れ、煮汁を少々入れて味噌を溶いて鍋に入れて軽く撹拌し、弱火で暖め、火を落として、お椀に盛った味噌汁である、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【実施例8】
【0101】
図2において、ムチンを多く含むムチン含有食品はオクラを80グラム使う。オクラのゴミや汚れを洗浄する、洗浄工程。
【0102】
図2において、オクラを1〜3mm間隔で刻んで小片にする、刻み工程。
【0103】
図2において、刻んだオクラを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させる、沈没工程。
【0104】
図2において、水の中のオクラから第一のムチン水溶液200ccの一回目を抽出する。一回目の抽出を終えたオクラを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のオクラから第一のムチン水溶液200ccの二回目を抽出する。二回目の抽出を終えたオクラを400cc容量ビーカーの200ccの水の中に12時間沈没させた後に、水の中のオクラから第一のムチン水溶液200ccの三回目を抽出する。この作業を20回繰り返して行い、4000ccの第一のムチン水溶液を抽出する、第一の溶液抽出工程。
【0105】
図2において、第一のムチン水溶液4000ccを5000cc容量ビーカーに入れて、冷蔵庫の中で安静にして1日間沈殿させ、ビーカーの下部に純度の高い第二のムチン水溶液約2800ccが沈殿し、純度の高い第二のムチン水溶液2000ccをスポイトで抽出する、第二の溶液抽出工程。
【0106】
図2において、洗浄して根を落としたホウレン草1束分を第二のムチン水溶液1000ccの熱湯でサッと茹でる。茹でたホウレン草を冷やした第二のムチン水溶液1000ccに入れ、熱を取り、長さ3cmに切り、皿に盛り好みの調味料をかけたホウレン草のお浸しである、以上のことを特徴とするムチン含有煮物である。
【産業上の利用可能性】
【0107】
マンナンやガラクタンの水溶性食物繊維は、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、糖尿病、虫歯、虚血性心疾患、コレステロール胆石症、十二指腸潰瘍、肥満、高コレステロール血症、虫垂炎、憩室病、大腸癌、便秘、痔疾、動脈留などの予防に効果がある。
【0108】
ムチンは、食するとアトピー性皮膚炎患者の皮膚の状態を改善することができ、アトピー性皮膚炎患者に対して大変に良い治療食であると考えられる。
【0109】
ムチンは、食すると喘息患者の器官の状態を改善することができ、喘息患者に対して大変に良い治療食であると考えられる。
【0110】
本発明の煮物は、マンナンやガラクタンの水溶性食物繊維が非常に多いので、食物の体内での吸収率が悪い。よって、食すると、体内に吸収するカロリーが低くなる効果がある煮物である。
【0111】
ムチンは、人では25歳前後からムチンの合成量が段々と少なくなり、鼻の粘膜の厚さや喉の粘膜の厚さが段々と薄くなり、花粉、ウイルス及び菌に犯されやすくなる。ムチンを大量に摂取することで、鼻の粘膜の厚さや喉の粘膜の厚さが段々と厚くすることができ、花粉、ウイルス及び菌に対して抵抗力が強くなる。
【0112】
胃の粘膜や食道の粘膜も、ムチンを大量に摂取することで、胃の粘膜の厚さや食道の粘膜の厚さが段々と厚くすることができ、胸焼けや胃の凭れを改善することができる。
【0113】
ムチンを大量に摂取することで、涙を改善し、花粉、ウイルス及び菌に対して抵抗力が強くなる。
【0114】
ムチンを大量に摂取することで、排便が非常にスムーズになる。よって、痔病の改善では非常に役に立つ。
【0115】
ムチンを大量に摂取することで、口内炎や虫歯ができにくくなる。
【0116】
ムチンを大量に摂取することで、ムチンの成分のガラクタンが脳を刺激し、ボケの予防になる。
【0117】
ムチンを大量に摂取することで、皮膚の再生が速まり、張りのあるすべすべした白い肌に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の、製造方法の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明の、製造方法の実施例を説明するためのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン、ツルムラサキ、納豆から選ばれる一種又は二種以上のムチンを多く含むムチン含有食品のゴミや汚れを洗浄し、ムチン含有食品を刻んで小片にし、刻んだムチン含有食品を水又はアルコールの中に沈没させ、水又はアルコールの中のムチン含有食品からムチン溶液を抽出して、煮物料理においてムチン溶液を水の代わりに使い、又は水溶き片栗粉を用いる料理においてムチン溶液を水溶き片栗粉の代わりに使う、以上のことを特徴とするムチン含有煮物。
【請求項2】
オクラ、サトイモ、ツクネイモ、レンコン、ツルムラサキ、納豆から選ばれる一種又は二種以上のムチンを多く含むムチン含有食品のゴミや汚れを洗浄し、ムチン含有食品を刻んで小片にし、刻んだムチン含有食品を水又はアルコールの中に沈没させ、水又はアルコールの中のムチン含有食品から第一のムチン溶液を抽出して、第一のムチン溶液を1日間から14日間沈殿して純度の高い第二のムチン溶液を抽出し、煮物料理において第二のムチン溶液を水の代わりに使い、又は水溶き片栗粉を用いる料理において第二のムチン溶液を水溶き片栗粉の代わりに使う、以上のことを特徴とするムチン含有煮物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−289466(P2008−289466A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165635(P2007−165635)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【特許番号】特許第4035835号(P4035835)
【特許公報発行日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(599015641)
【出願人】(599015630)
【Fターム(参考)】