説明

メソトリオンを精製する方法

メソトリオンのサンプル中の所望されない不純物のレベルを減少させる方法が開示されている。当該方法は下記の段階:(i)水性溶媒中にメソトリオンエノレート溶液を形成し、(ii)1又は複数の精製段階を実施し、そして(iii)精製されたメソトリオンを溶液から結晶化すること、を含んで成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メソトリオンのサンプル中の不純物のレベルを減少させる新規な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メソトリオン(2−〔2’−ニトロ−4’−メチルスルホニルベンゾイル〕−1,3−シクロヘキサンジオン)は、選択的なトウモロコシ用の除草剤であり、式(I)の構造を持つ。
【化1】

【0003】
以下の反応機構に示されるように、2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライドとシクロヘキサンジオンを反応させて、そのエノールエステルを形成し、続いて転位反応させることにより、メソトリオンは生成される。
【化2】

【0004】
2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)は、対応する2-ニトロ-4-メチルスルホニル安息香酸(NMSBA)から調製され、2-ニトロ-4-メチルスルホニル安息香酸は、2-ニトロ-4-メチルスルホニルトルエン(NMST)の酸化によって調製される。調製経路についてのより詳細な説明は、米国特許第4695673号において見出すことができる。
【0005】
しかし、一般的にこの方法では、メソトリオン最終生成物中に不純物が所望されない程度に存在する結果となることを私たちは見出した。WO02/076934においてより詳細に記載されているように、私たちが見出した不純物を減少させる1つの方法は、NMSBCに転換させる前にNMSBAを精製工程にかけるというものである。しかし、NMSBAの精製は、最終生成物にこれらの不純物が存在しないことやこれらの不純物のレベルが十分に低いことを常に保証してくれるわけではない。
【0006】
従って、本発明の目的は、メソトリオンのサンプル中の不純物のレベルを減少させるための改善された方法を提供することである。
【発明の開示】
【0007】
従って、本発明はメソトリオンのサンプル中の不純物のレベルを減少させるための方法を提供する。当該方法は下記の段階:
(i) 水性溶媒中のメソトリオンエノラート溶液を形成し、
(ii) 1又は複数の精製方法を実施し、そして
(iii) その精製されたメソトリオンを溶液から結晶化すること、
を含んで成る。
【0008】
任意に、当該方法は蒸留段階を更に含むことができ、それはメソトリオンエノラートを形成する前に適切に実施される。一般的に、蒸留段階は、必ずしもというわけではないが、メソトリオン生成物がその調製後に単離されなかった場合にのみ使用されるだろう。
【0009】
エノラート溶液は、例えばNaOH、KOH、NH4OH、ピリジン又はトリエチルアミンなどの適切な塩基を添加することにより形成することができる;適切にはそのエノラートはNaOH又はKOHを添加することにより形成される。適切には、水性溶媒は水であるが、メソトリオンエノラートを完全に溶解させるためには、例えばアセトニトリル、メタノール、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒を追加する必要があることもある。メソトリオンエノラート溶液は、適切にはpHが6-13で形成される。
【0010】
1又は複数の精製方法は以下から選択することができる:
(a) 濾過、
(b) 例えばカーボンやクレーなどの適当な吸着剤による吸着、
(c) 有機溶媒による抽出、又は
(d) デカンテーション。
【0011】
精製方法は任意の回数で実施でき、そしてそれらは任意の順序で行うことができる。適切には、少なくとも2回の精製方法を実施し、好ましくは少なくとも3回である。精製方法については、これより更に詳細に記載する。
【0012】
濾過はメソトリオンエノラート溶液中に残存する任意の不溶性の不純物を除去するために実施する。濾過は、当業者に知られている任意の適切な方法により実施することができる。
【0013】
吸着処理によりメソトリオンエノラート溶液から不純物を吸着する。適切には1-30%、そして好ましくは8-11%のメソトリオンエノラート溶液を、数時間の間、バッチ法又は連続的な様式によりカ-ボンと接触させる。このエノラート中のメソトリオン濃度に対する吸着剤溶液の濃度は、適切には2-40%であり、そして好ましくは10-20%である。吸着処理のpHは、適切には5から13であり、そして好ましくは9から11である。
【0014】
有機溶媒による抽出は任意の不純物を除去するために実施される。不純物は有機相には可溶性であるが、水性相には不溶性である。有機溶媒がメソトリオンエノラート水性溶液へ添加されると、一部の不純物は優先的に有機相に溶解し、その後有機相は除去そして廃棄される。メソトリオンエノラート水性溶液は、例えば1回、2回、3回、4回というように有機溶媒によって 数回‘洗う’か、又は向流カラム中で連続的に接触させることができる。4回以上の‘洗い’は必要ないようである。なぜなら、有機溶媒に可溶性の全ての不純物はこの回数の‘洗い’の後に除去されたようだからである。適切な有機溶媒は当業者に知られているであろうが、ベンゾニトリル、アセトニトリル/キシレン、キシレン、メチレンクロライド、MIBK、エチルエーテル、n−ヘキサン及び1,2−ジクロロエタンを挙げることができる。
【0015】
デカンテーションは、単にその溶液からの任意の有機溶媒の除去を意味する。メソトリオン生成物がその調製後に単離されず、蒸留段階が実施されない場合には、有機溶媒がメソトリオンエノラート水性溶液と伴に残存しているであろう。有機溶媒を除去することで、有機溶媒に可溶性であるが水性溶液には不溶性の任意の不純物が除去されるであろう。
【0016】
メソトリオンエノラート溶液を形成する前に、任意の蒸留段階が適切に実施されると、上記の縮合/転位反応の後に残存する任意の有機溶媒が除去されるであろう。
【0017】
結晶化段階は、当業者に知られている任意の方法で実施することができる。その方法は、例えばバッチ法、セミバッチ法又は連続的結晶化法であろう。結晶化は、例えば塩酸などのような酸の調節添加によって、メソトリオンエノラート溶液のpHを低下させることで適切に行われる。結晶化を促進するためにメソトリオンの種結晶を用いることができる。例えばアセトニトリルのような水溶性溶媒の存在が、この時点で存在する不純物の量の減少を促進するため、任意に水溶性溶媒を添加することができる。
【0018】
本発明の1つ目の特定の実施態様において、当該方法は:蒸留段階;メソトリオンエノラート、好ましくはカリウムエノラート溶液の形成;1又は複数の精製段階;及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る。
【0019】
本発明の2つ目の特定の実施態様において、当該方法は:メソトリオンエノラート、好ましくはカリウムエノラート溶液の形成;任意の順序で実施されるデカンテーション、濾過及び吸着処理(但し、好ましくはデカンテーションが初めに実施される);及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る。
【0020】
本発明に係る方法を実施することにより、メソトリオン最終生成物中の不純物のレベルは、許容しうるレベルまで減少する。
【0021】
本発明に係る方法の更なる利点は、それをメソトリオンの製造方法に統合できることであり、精製する前の粗メソトリオンを単離する必要がなくなる。従って、本発明の更なる側面により、メソトリオンの統合された製造/精製方法が提供される。当該方法は下記の段階:
(i) シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させてエノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成し;
(ii) 水性溶液中にメソトリオンエノラートを形成し;
(iii) 1又は複数の精製方法を実施し、そして
(iv) 精製されたメソトリオンを溶液から結晶化すること、
を含んで成る。
【0022】
任意に、当該方法は蒸留段階を更に含むことができ、それはメソトリオンエノラートを形成する前に適切に実施される。
【0023】
任意に、NMSBCを最初にカーボン精製処理にかける。
【0024】
このように、本発明のこの側面における1つ目の特定の実施態様により、メソトリオンの統合された製造/精製方法が提供される。当該方法は:シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させてエノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成すること;蒸留段階;カリウムエノラートメソトリオン溶液の形成;1又は複数の精製段階;及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る。
【0025】
本発明のこの側面における2つ目の特定の実施態様により、メソトリオンの統合された製造/精製方法が提供される。当該方法は:シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させてエノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成すること;メソトリオンエノラート、好ましくはカリウムエノラート溶液の形成;任意の順序で実施されるデカンテーション、濾過及び吸着処理(但し、好ましくはデカンテーションが初めに実施される);及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る。
【0026】
許容しうるレベルの不純物を含むメソトリオン最終生成物を得ようとするためには、WO02/076934に記載されているように、以前は粗NMSBA(NMSTの酸化により調製される)は精製される必要があった。しかし、上述したとおり、これにより常にメソトリオン最終生成物中の不純物が許容しうる十分に低いレベルにはならなかった。驚いたことに、本発明の方法に従えば、NMSBAの精製は必須ではなく、又はWO02/076934に開示されている2若しくは3段階の精製とは対象的に、例えば1段階の精製のようにせいぜい‘部分的’な精製だけが必要であることを私たちは見出した;すなわち、より精製度の低いNMSBA又は粗NMSBAを使用する場合でも、メソトリオン最終生成物中の不純物を許容されうるレベルにすることができる。従って、本発明のより更なる側面によりメソトリオンを調製する方法が提供される。当該方法は:
(i) NMSTの酸化により粗NMSBAを生成し;
(ii) NMSBAをNMSBCに転換し;
(iii) シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させてエノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成し;
(iv) 水性溶液中にメソトリオンエノラートを形成し;
(v) 1又は複数の精製方法を実施し、そして
(vi) 精製されたメソトリオンを溶液から結晶化すること、
を含んで成る。
【0027】
任意に、当該方法はさらに粗NMSBAの部分的精製を含んで成ることができる。
【0028】
任意に、当該方法はさらに蒸留段階を含んで成ることができ、それはメソトリオンエノラートを形成する前に適切に実施される。
【0029】
このように、本発明のこの側面における1つ目の特定の実施態様により、メソトリオンを調製する方法が提供される。当該方法は:NMSTの酸化による粗NMSBAの生成;粗NMSBAの任意の部分的な精製;NMSBAのNMSBCへの転換;シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させてエノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成すること;蒸留段階;メソトリオンエノラート、好ましくはカリウムエノラート溶液の形成;1又は複数の精製段階;及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る。
【0030】
本発明のこの側面における2つ目の実施態様により、メソトリオンを調製する方法が提供される。当該方法は:NMSTの酸化による粗NMSBAの生成;粗NMSBAの任意の部分的な精製;NMSBAのNMSBCへの転換;シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させてエノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成すること;メソトリオンエノラート溶液の形成;任意の順序で実施されるデカンテーション、濾過及び吸着処理;及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る。
【0031】
本発明をこれより更に説明するが、これは例示にすぎない。
【実施例】
【0032】
実施例1
これは、高いレベルの不純物を含む、あらかじめ単離されたメソトリオンの固体吸着処理(吸着剤としてカーボンを使用)についての例である。これらの例では、追加の精製オプションである前濾過が使用されている。
【表1】

【0033】
実施例2
これは、高いレベルの不純物を含む、あらかじめ単離されたメソトリオンの溶媒抽出処理についての例である。
【表2】

【0034】
実施例3
これは、工程内のメソトリオンエノラートの統合された吸着処理についての例である。標準的な手順により精製されたNMSBAを出発原料として使用した。その混合物はエノラート処理の前に蒸留され、精製の要素である前濾過が含まれた。この表の例では、様々な吸着剤の使用量が示されている。
【表3】

【0035】
実施例4
これは、工程内のメソトリオンエノラートの統合された吸着処理についての例である。標準的な手順により精製されたNMSBAを出発原料として使用した。その混合物はエノラート処理の前に蒸留され、精製の要素である前濾過が含まれた。この表の例では、様々な濾過の条件が使用されている。
【表4】

【0036】
実施例5
これは、工程内のメソトリオンエノラートの統合された溶媒抽出処理についての例である。粗NMSBAが出発原料として使用された。その混合物はエノラート処理の前に蒸留された。
【表5】

【0037】
実施例6
これは、工程内のメソトリオンエノラートの統合された吸着処理についての例である。部分的に精製された粗NMSBAが出発原料として使用された。その混合物はエノラート処理の前に蒸留された。
【表6】

【0038】
実施例7
これは、工程内のメソトリオンエノラートの統合されたカラム吸着処理についての例である。粗NMSBAが出発原料として使用された。その混合物はエノラート処理の前に蒸留された。
【表7】

【0039】
実施例8
これは、工程内のメソトリオンエノラートの統合された吸着処理についての例である。精製されたNMSBA又は粗NMSBAが出発原料として使用された。精製の要素としてTEAデカンテーションが含まれる。その混合物はエノラート処理の前に蒸留された。
【表8】

【0040】
実施例9
これは、メソトリオンの不純物量に対する結晶化中のアセトニトリルの存在の影響についての例である。精製の要素であるTEAデカンテーション及び結晶化中のアセトニトリルの存在を利用した、統合された精製を行った。その混合物はエノラート処理の前に蒸留された。粗NMSBAが出発原料として使用された。
【表9】

【0041】
実施例10
これは、粗NMSBAから出発する統合された方法の例であり、その中では部分的なNMSBAの精製が当該方法に直接的に統合されている。これらの例では、精製の要素であるデカンテーションや吸着処理が利用されている。
【表10】

【表11】

【0042】
実施例11
粗NMSBAからの生成により前もって単離したメソトリオンを、希薄の水酸化カリウムを加えることにより溶解し、pHがそれぞれ7、9.5及び11である9.1重量%のカリウムエノラート溶液を形成した。その残存したごく少量の固体を濾過により除去した。
【0043】
抽出
メソトリオン(183g)のカリウムエノラート水性溶液を、溶媒(150ml)を用いて4回抽出した。各抽出後に相を分離し、有機相は廃棄した。4回の抽出後に、標準的な手順に従った連続的結晶化により水性相からメソトリオンを回収した。分析により不純物の減少が示された(表11A)。かっこ内の数値は処理後に残存する不純物の比率である。
【表12】

【0044】
吸着
メソトリオン(183g)のカリウムエノラート水性溶液を、5gの吸着剤とともに周囲温度(〜25℃)で30分間撹拌した。吸着剤は濾過により除去し、標準的な手順に従った連続的結晶化により水性相からメソトリオンを回収した。分析により不純物の減少が示された(表11B)。かっこ内の数値は処理後に残存する不純物の比率である。
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メソトリオンのサンプル中の所望されない不純物のレベルを減少させるための方法であって、下記の段階:
(i) 水性溶媒中にメソトリオンエノラート溶液を形成し、
(ii) 1又は複数の精製方法を実施し、そして
(iii) 精製されたメソトリオンを溶液から結晶化すること、
を含んで成る方法。
【請求項2】
蒸留段階を更に含んで成ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の1又は複数の精製方法が、濾過、吸着処理、有機溶媒による抽出及びデカンテーションから成る群から選択されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
メソトリオンのサンプル中の所望されない不純物のレベルを減少させる方法であって:蒸留段階;メソトリオンエノラート溶液の形成;1又は複数の精製段階;及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る方法。
【請求項5】
メソトリオンのサンプル中の所望されない不純物のレベルを減少させる方法であって:メソトリオンエノラート溶液の形成;任意の順序で実施されるデカンテーション、濾過及び吸着処理;及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る方法。
【請求項6】
メソトリオンの統合された製造/精製方法であって、下記の段階:
(i) シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させて、エノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成し、
(ii) 水性溶液中にメソトリオンエノラートを形成し、
(iii) 1又は複数の精製方法を実施し、そして
(iv) 精製されたメソトリオンを溶液から結晶化すること、
を含んで成る方法。
【請求項7】
蒸留段階を更に含んで成ることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
NMSBCを最初にカーボン精製処理にかけることを特徴とする、請求項6又は請求項7に記載の方法。
【請求項9】
メソトリオンの統合された製造/精製方法であって当該方法は:シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させて、エノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成すること;蒸留段階;メソトリオンエノラート溶液の形成;1又は複数の精製段階;及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る方法。
【請求項10】
メソトリオンの統合された製造/精製方法であって:シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させて、エノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成すること;メソトリオンエノラート溶液の形成;任意の順序で実施されるデカンテーション、濾過及び吸着処理;及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る方法。
【請求項11】
メソトリオンを調製する方法であって:
(i) NMSTを酸化して粗NMSBAを生成し;
(ii) NMSBAをNMSBCに転換し;
(iii) シクロヘキサンジオンと 2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させて、エノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成し;
(iv) 水性溶液中にメソトリオンエノラートを形成し;
(v) 1又は複数の精製方法を実施し、そして
(vi) 精製されたメソトリオンを溶液から結晶化すること、
を含んで成る方法。
【請求項12】
粗NMSBAの部分的な精製を更に含んで成ることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
蒸留段階を更に含んで成ることを特徴とする、請求項11又は請求項12に記載の方法。
【請求項14】
メソトリオンを調製する方法であって:NMSTの酸化による粗NMSBAの生成;粗NMSBAの任意の部分的な精製;NMSBAのNMSBCへの転換;シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させて、エノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成すること;蒸留段階;カリウムエノラートメソトリオン溶液の形成;1又は複数の精製段階;及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る方法。
【請求項15】
メソトリオンを調製する方法であって:NMSTの酸化による粗NMSBAの生成;粗NMSBAの任意の部分的な精製;NMSBAのNMSBCへの転換;シクロヘキサンジオンと2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイルクロライド(NMSBC)を反応させて、エノールエステルを形成し、続いて転位工程によりメソトリオンを生成すること;メソトリオンエノラート溶液の形成;任意の順序で実施されるデカンテーション、濾過及び吸着処理;及びメソトリオンの結晶化、を含んで成る方法。

【公表番号】特表2007−507457(P2007−507457A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530065(P2006−530065)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010960
【国際公開番号】WO2005/035487
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】