説明

メタノール水蒸気改質触媒およびその製造方法

【課題】加工性・熱伝導性のよい銅基材表面に、簡単な工程で銅−亜鉛系触媒成分を形成したメタノール水蒸気改質触媒とその製造方法を提供する。
【解決手段】銅板、銅筒または銅管の表面に、亜鉛のめっき層を形成し、焼成処理により前記銅および前記亜鉛を表面に露出させたことを特徴とし、さらに、凹溝、積層板、波型の形状、ハニカム状または格子状、二重管構造等の微細加工が容易でコンパクトなメタノール水蒸気改質触媒1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタノール水蒸気改質触媒およびその製造方法に関し、特に銅基材表面に銅−亜鉛系触媒層を形成したメタノール水蒸気改質触媒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、触媒反応は、容器に粒状の触媒を充填して行われることが多いが、近年、より効率の良い触媒反応装置としてマイクロリアクタが注目されている。この触媒反応用のマイクロリアクタは、反応場である微小な(1mm程度以下)流路の壁面に触媒を担持させたものである。
このマイクロリアクタは、流路幅が微小であるため、単位体積当たりの伝熱面積が大きく、精密な反応温度の制御が可能、理想的な押し出し流れに近く反応時間が厳密に制御できるなどの特徴がある。この特徴により、マイクロリアクタは、高い反応転化率が得られ、また副反応が抑制されるため目的の反応だけを促進することができる、つまり反応選択率を向上させることができる。
また、マイクロリアクタは、微小な流路を集積した構造であるため、従来の触媒反応容器と比較して、装置の大幅なコンパクト化が可能である。
【0003】
一方、近年、次世代のクリーン燃料として水素が注目されている。水素は天然ガス、ガソリン等種々の原料から製造できるが、メタノールの水蒸気改質で水素を製造する方法は、安全性が高く、また、比較的低温(200〜300℃)の反応であるため、中低温排熱の利用が可能であるという利点を有する。
メタノール水蒸気改質反応は吸熱反応であり、温度が厳密に制御可能なマイクロリアクタを利用することで、反応効率を向上させることができるため、メタノール水蒸気改質反応は、マイクロリアクタのメリットが活かせる反応である。
メタノール水蒸気改質の触媒は銅−亜鉛系触媒である。従って、メタノール水蒸気改質反応により水素を製造するためのマイクロリアクタを実現するためには、微小な流路表面に触媒成分である亜鉛と銅を被着させることが必要である。
【0004】
微小な流路表面に銅−亜鉛系触媒層を形成させる方法として、例えば、特許文献1では、アルミニウム基材を陽極酸化処理(アルマイト処理)して多孔質化した後、亜鉛溶液と銅溶液中で銅と亜鉛を担持し、焼成することにより、アルミニウム基材表面に銅−亜鉛系触媒層を形成させる方法が提案されている。
また、特許文献2には、ニッケル−亜鉛系触媒層をアルミニウム基材表面に無電解めっきにより形成させる方法が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−302203号公報
【特許文献2】特開平3−119094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法が適用できる材料はアルミニウムのみであり、また、微細流路の形状によっては流路内面を陽極酸化することが困難であるという問題があった。また、特許文献2の方法で銅−亜鉛系触媒層をアルミニウム表面に形成させるためには、ニッケルを銅に置き換える必要があるが、銅無電解めっき浴中では、亜鉛被膜が溶解してしまうため、亜鉛めっきの上から銅無電解めっきをすることはできなかった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、加工性・熱伝導性のよい銅基材の表面に、銅−亜鉛系触媒層を形成したメタノール水蒸気改質触媒とその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のメタノール水蒸気改質触媒は、銅板の片面または両面に亜鉛のめっき層を形成し、焼成処理により前記銅および前記亜鉛を表面に露出させたことを特徴としている。
【0009】
この構成により、銅板と、亜鉛めっき層との簡単な構成で、加工性・熱伝導性および反応効率のよい触媒が提供できる。
【0010】
請求項2に記載のメタノール水蒸気改質触媒は、前記銅板が、さらに、ガスケットと交互に積層され、メタノールが流通する少なくとも1つの空間層を設けて、反応容器に装着可能に固定されたことを特徴としている。また、請求項3に記載のメタノール水蒸気改質触媒は、前記銅板が、波型の銅板であることを特徴としている。
【0011】
この構成により、銅板の特性を活かして、よりコンパクトで、温度制御が可能な触媒として提供でき、また反応容器に装着容易な形状とすることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、ハニカム状または格子状銅筒の内壁に亜鉛のめっき層を形成し、焼成処理により前記銅および前記亜鉛を表面に露出させたことを特徴としている。
【0013】
この構成により、銅筒と、亜鉛めっき層との簡単な構成で、加工性・熱伝導性および反応効率のよい触媒が提供でき、また、銅筒の特性を活かして、よりコンパクトで、温度制御が可能な触媒として提供でき、また反応容器に装着容易な形状とすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、銅管の内面、外面または両面に亜鉛めっき層を形成し、焼成処理により前記銅および前記亜鉛を表面に露出させたことを特徴としている。また、請求項6に記載のメタノール水蒸気改質触媒は、前記金属管が、さらに、径の異なる多重管として形成され、メタノールが流通する少なくとも一つの空間を設けたことを特徴としている。
【0015】
この構成により、銅管と、亜鉛めっき層との簡単な構成で、加工性・熱伝導性および反応効率のよい触媒が提供でき、また、銅管の特性を活かして、よりコンパクトで、温度制御が可能な触媒として提供でき、また他の排熱を利用する熱交換型反応容器とすることもできる。
【0016】
請求項7に記載のメタノール水蒸気改質触媒は、前記銅板、前記銅筒または前記銅管の表面に、同一方向に複数の凹状または波状の溝を設けたことを特徴としている。
この構成により、触媒の接触面積をさらに大きくできるので、よりコンパクトで、温度制御が可能な触媒として提供できる。
【0017】
請求項8に記載のメタノール水蒸気改質触媒の製造方法は、銅表面に亜鉛のめっき層を形成し、焼成処理により前記銅および前記亜鉛を表面に露出させたことを特徴としている。
【0018】
この構成により、銅表面に亜鉛をめっきして焼成処理する簡単な工程で、加工性・熱伝導性および反応効率のよい触媒が製造できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るメタノール水蒸気改質触媒は、加工性・熱伝導性のよい銅基材の表面に、銅−亜鉛系触媒層を形成させることができるため、よりコンパクトで、温度制御が可能となり、また銅基材の特性を活かして、微細流路加工が容易な触媒とすることができる。
また本発明に係るメタノール水蒸気改質触媒の製造方法は、銅自体が触媒成分として働くため、材料に無駄がなく、簡単な工程で触媒層を形成させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明に係るメタノール水蒸気改質触媒は、メタノールと水(水蒸気)を触媒反応させて水素を得るものである。この水素は燃料電池に供給されて電気となり、自動車やパソコン・携帯電話、そして家庭用等のクリーンなエネルギー源として注目されている。そのため、本メタノール水蒸気改質触媒においても、高反応効率(高水素転化率)は無論のこと、小型化、軽量化、加工性、そして高伝熱性なども求められ、マイクロリアクタ(超小型反応容器)の主要構成部品としても重要な位置づけとなっている。
【0021】
また、本発明に係るメタノール水蒸気改質触媒は、熱伝導性が高く、微細加工が容易な銅基材に、亜鉛のめっき層を形成した後、焼成処理を行うことにより、銅基材表面に銅および亜鉛を露出させて銅−亜鉛系触媒層を形成させるものである。
【0022】
(銅基材の構造)
まず、図面を用いて本実施形態に係る銅基材の構造と、メタノール水蒸気改質触媒(以下、改質触媒とも言う)の形状の例について説明する。
図1(a)はメタノール水蒸気改質触媒1の平面図、図1(b)は、(a)のA−A断面とした断面図である。図1に示すように、銅板2の片面に、同一方向に複数の凹溝を設けてメタノールと水蒸気の流路とし、その表面に亜鉛めっきと焼成処理による銅−亜鉛系触媒層を形成し(図示なし)、メタノール水蒸気改質触媒1とした。ここで、銅板2は一辺の長さ100mmの正方形で、厚さは3mmである。流路は、幅0.5mm、深さ2mmの溝を90本設けた(図1では流路の一部を表示)。この程度の大きさの溝であれば、溝加工、めっき層形成、焼成処理および流路での改質反応効率のいずれにおいても問題はない。
【0023】
図2は、改質触媒1を装着する平行四辺形の反応ケースを真上から見た図である。図2(a)は、反応ケースのフタ3であり、メタノールと水蒸気からなるガスのガス入口5と、生成ガス(水素)のガス出口6の2つの貫通孔が設けられている。このフタ3の下側の面は、流路の一部を構成するので、前記と同様の亜鉛めっきと焼成処理により触媒層を形成している。図2(b)は反応ケース4の本体であり、深さ3mmの窪みを設けて、改質触媒1(銅板2)を収納し、かつ、ガスがガス入口5からガス出口6へ流通できる空間を形成している。なおフタ3および反応ケース4の形状は、平行四辺形以外でも構わない。
図2(c)は、反応ケース4の窪みに、改質触媒1(銅板2)を収納した図を示している。
【0024】
図3は、前記した反応ケース4に改質触媒1を収納したものを、フタ3とともにボルト締め7で固定した反応容器の断面図であり、コンパクトなマイクロリアクタとしての一形態を示している。
【0025】
図4は、銅板2の加工の変形例であり、図4(a)はV字波状の溝、図4(b)は、U字波状の溝を示した図である。このように銅板の加工容易性を活かして、表面積を大きくし、且つ伝熱性の良い構造の変形例が可能である。
【0026】
また、複数の改質触媒1(銅板2)を組み合わせた例を図5に示す。
図5(a)は、4枚の銅板2と、3対のガスケット11とを交互に積層し、3層の空間層10(ガス流路)を形成して、ボルト締め7で固定し、メタノール水蒸気改質触媒1の触媒エレメントとした図である。このとき、中間の2枚の銅板2は、その両面に触媒層を形成し、一番上と下の銅板2は、内側(片面)のみに触媒層を形成する。このように構成された触媒エレメントを、燃料電池の反応容器(図示なし)に着脱自在となるように装着すれば、触媒の活性が落ちたときに、その交換が容易である。
【0027】
同様に、図5(b)は、波型の銅板2を用いた例として、3枚の平らな銅板2と、2枚の波型の銅板2とを交互に配置して、多数のガス流路を形成した触媒エレメントである。この変形例として、銅板2の積層数を増やしたり、渦巻き状に巻いて円筒形の触媒エレメントとすることも可能である。また波型の形状は、図5(b)に示す丸型以外にも、例えば台形、V字状、または凹凸状の波型であってもよい。
【0028】
次に、図6は、銅筒8に複数の貫通孔12を設けて、その内壁に触媒層を形成したメタノール水蒸気改質触媒1である。この複数の貫通孔12は、ハニカム状か、格子状のものがよい。かかる形状のものであっても、めっき浴でのめっき層形成や、電気炉での焼成処理には、問題はない。
【0029】
図7は、銅管9の表面に触媒層を形成して、二重管構造のメタノール水蒸気改質触媒1とした例である。ここでは、2つの空間10(流路)が設けられており、両方を改質反応のための流路としてもよいし、または一方を、廃熱を持つ流体の流路としてもよい。例えば溶融塩型燃料電池のように、高温で発電する場合に、その高温・中温の廃熱を持つ蒸気を、図7の内側の空間10(流路)に流通させ、外側の空間10(流路)では、その内壁と外壁に形成された改質触媒で改質反応を行わせることができる。前記したように改質反応は吸熱反応であるため、このように廃熱との熱交換を好適に行うことにより、効率のよい温度制御(反応制御)が可能となる。
【0030】
(亜鉛めっきと焼成処理)
次に、亜鉛めっきと焼成処理について説明する。
最初に、銅基材のアルカリ脱脂、酸処理などの前処理を行ってから、亜鉛めっきを行う。亜鉛めっきの方法としては、電気めっき、溶融めっきなど、一般的なめっき方法を用いることができる。
亜鉛めっきの厚さは0.1〜50μmが好ましい。0.1μm以下では亜鉛の触媒としての機能が十分ではなく、50μm以上では、焼成処理時の銅の表面への移動が十分ではなくなる。より好ましくは、0.5〜20μmである。
【0031】
本実施形態では、銅基材表面に亜鉛被膜を形成させるため、最表面は亜鉛被膜で覆われており銅が最表面には出ていない状態である。そのため、亜鉛めっき処理後に焼成処理を行う。この焼成処理により銅が表面に移行し、表面に銅と亜鉛が露出した良好な状態の銅−亜鉛系触媒層となる。焼成温度は、200〜700℃程度とすればよい。200℃より低温では亜鉛の表面への移行が十分ではなく、700℃より高温では触媒成分が剥離する恐れがある。
【0032】
焼成処理を行った後は、銅と亜鉛が表面に露出した状態にあるが、これらは主に金属酸化物の形態になっており、そのままでは触媒の活性が低いため、本実施形態の改質触媒1は、反応容器に装着して改質反応の運転を行う前に、還元処理により金属酸化物の一部または全部を還元して触媒を活性化させることが好ましい。
【0033】
図8は、本実施形態に係るメタノール水蒸気改質触媒1の製造と運転までの工程の例を示したフローチャートである。
前記したように、まず銅基材を、反応容器の形状や寸法に合せた加工、または凹溝形成のための加工を行い(ステップS81)、アルカリ脱脂、酸処理など、めっき層形成のための前処理を行う(ステップS82)。次に、その銅基材表面に、亜鉛のめっき層を形成させる(ステップS83)。そして焼成処理を行って、亜鉛と銅の両方の元素を銅基材の表面に露出させる(ステップS84)。
【0034】
得られた改質触媒1は、反応ケース4に収納したり、触媒エレメントとして反応容器(マイクロリアクタ)に装着する(ステップS85)。そして還元ガスを用いて改質触媒1の還元処理を行えば(ステップS86)、メタノール水蒸気改質反応の運転が可能となる(ステップS87)。
【0035】
以上のように、本実施形態のメタノール水蒸気改質触媒1は、加工性、伝熱性に優れた銅基材の表面に、銅−亜鉛系触媒層を形成させるため、材料に無駄がなく簡単な工程で、微細加工が容易な触媒とすることができる。
【実施例】
【0036】
図1に示す銅板2(縦100mm×横100mm×厚さ3mmの純銅板に、幅0.5mm、深さ2mmの流路を機械加工で90本作成したもの)の表面に以下の条件で銅−亜鉛系触媒層を形成させた。
【0037】
<触媒形成方法>
アルカリ脱脂、酸処理により、銅板2表面を洗浄した。
以下の条件で銅基材表面に亜鉛電気めっきを行い、被膜厚さ10μmの亜鉛被膜を形成させた。
・硫酸亜鉛:375g/L
・硫酸ナトリウム:70g/L
・硫酸マグネシウム:60g/L
・pH:3.5
・電流密度:30A/dm2
・温度:60℃
【0038】
次に、水洗後、処理品を自然乾燥し、電気炉にて400℃、空気下で2時間の焼成処理を行い、メタノール水蒸気改質触媒1を作成した。
【0039】
この改質触媒1の焼成処理の前と後の切断試料を作成し、SEM観察および元素分析した結果を、図9に示す。図9(a)が焼成処理前、図9(b)が焼成処理後である。
SEM観察は、試料の切断面を、日立製作所製S−4000電界放射型走査顕微鏡(FE−SEM)を用いて700倍で観察を行った(それぞれ上側の画像)。
また、元素分析は、試料の切断面を、堀場製作所製EMAX−5770Wエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて、加速電圧20kV、測定時間100secで行った(それぞれ下側の画像)。各元素(酸素O、銅Cu、亜鉛Zn)について半定量分析を行い、カラーマッピングで各元素の濃度を色別に表示して、図9(b)の焼成処理後の試料では、銅、亜鉛ともに試料表面に露出されていることが確認できた。
【0040】
このようにして得られたメタノール水蒸気改質触媒1を図3に示すような反応ケース4に収納して、フタ3をし、周りをボルト締め7で固定した後、250℃のオイルバスに入れた。250℃に予熱したガス(水素5%+アルゴン95%)をガス入口5より供給し、4時間流通させて触媒の還元処理を行った。
【0041】
<メタノール水蒸気改質実験>
還元処理後、ガス入口5より250℃に予熱したメタノールガス(20.0ミリモル/分)と水蒸気(40.0ミリモル/分)を流通させ、ガス出口6の水素濃度をガスクロマトグラフィーで測定し、水素ガス量を求めた。
【0042】
メタノールの水蒸気改質による水素生成反応は、次の反応式で表される。
CHOH + HO → 3H + CO
従って、メタノールが100%水素に転化されれば、1モルのメタノールから3モルの水素が生成する。よって、この反応の水素転化率は次式で表される。
水素転化率(%)= 100 × H /(3 × M)
H:生成した水素のモル数、M:使用したメタノールのモル数
【0043】
本実施例で、ガス出口6の水素ガス量は58.2ミリモル/分であったので、水素転化率は97.0%であり、高い水素転化率のメタノール水蒸気改質触媒1が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】(a)は、本発明の実施形態に係るメタノール水蒸気改質触媒(銅板)の平面図、(b)は(a)のA−A断面での断面図である。
【図2】(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態に係る反応ケースの説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るメタノール水蒸気改質触媒を収納した反応容器の断面図である。
【図4】(a)、(b)は、本発明の実施形態に係るメタノール水蒸気改質触媒(銅板)の変形例を示す断面図である。
【図5】(a)、(b)は、本発明の実施形態に係るメタノール水蒸気改質触媒(複数の銅板)の概念図である。
【図6】本発明の実施形態に係るメタノール水蒸気改質触媒(銅筒)の概念図である。
【図7】本発明の実施形態に係るメタノール水蒸気改質触媒(銅管)の概念図である。
【図8】本発明の実施形態に係るメタノール水蒸気改質触媒の製造と運転までの工程の例を示したフローチャートである。
【図9】(a)は、本発明の実施形態に係るメタノール水蒸気改質触媒の焼成処理前の切断面のSEM像と元素分析の結果を示す図、(b)は焼成処理後の図である。
【符号の説明】
【0045】
1 メタノール水蒸気改質触媒(改質触媒)
2 銅板
3 フタ
4 反応ケース
5 ガス入口
6 ガス出口
7 ボルト締め
8 銅筒
9 銅管
10 空間層(空間)
11 ガスケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅板の片面または両面に亜鉛のめっき層を形成し、焼成処理により前記銅および前記亜鉛を表面に露出させたことを特徴とするメタノール水蒸気改質触媒。
【請求項2】
前記銅板は、さらに、ガスケットと交互に積層され、メタノールが流通する少なくとも1つの空間層を設けて、反応容器に装着可能に固定されたことを特徴とする請求項1に記載のメタノール水蒸気改質触媒。
【請求項3】
前記銅板は、波型の銅板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメタノール水蒸気改質触媒。
【請求項4】
ハニカム状または格子状銅筒の内壁に亜鉛のめっき層を形成し、焼成処理により前記銅および前記亜鉛を表面に露出させたことを特徴とするメタノール水蒸気改質触媒。
【請求項5】
銅管の内面、外面または両面に亜鉛のめっき層を形成し、焼成処理により前記銅および前記亜鉛を表面に露出させたことを特徴とするメタノール水蒸気改質触媒。
【請求項6】
前記銅管は、さらに、径の異なる多重管として形成され、メタノールが流通する少なくとも一つの空間を設けたことを特徴とする請求項5に記載のメタノール水蒸気改質触媒。
【請求項7】
前記銅板、前記銅筒または前記銅管の表面に、同一方向に複数の凹状または波状の溝を設けたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のメタノール水蒸気改質触媒。
【請求項8】
銅表面に亜鉛のめっき層を形成し、焼成処理により前記銅および前記亜鉛を表面に露出させたことを特徴とするメタノール水蒸気改質触媒の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−268459(P2007−268459A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−98660(P2006−98660)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】