説明

メタルハライドランプの接続装置

【課題】 簡単な構成によって瞬時点灯に対応することができるメタルハライドランプの接続装置を提供する。
【解決手段】 メタルハライドランプの一端部に設けてある端部接続体2はソケット3に着脱可能であり、本体21内部が収納空間23であり、この本体の外周に口金22を取り付け、ソケット3の本体31は内周壁に口金22と嵌合可能である受金32を取り付け、内底部に嵌合凹部24と嵌合可能である筒体部33を起立してあり、メタルハライドランプの第1及び第2のリード線の端部151,161は嵌合凹部の底部より筒体部側の第1の引き出し線8に電気的に接続可能であり、第2のリード線の端部は第2の引き出し線9に電気的に接続可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、店舗や室外装飾などの照明に用いられる発光管を有しているメタルハライドランプの接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開平8−264110号公報に記載の反射形金属蒸気放電灯(以下「従来例」という。)において、例示されている反射形メタルハライドランプは、その下部に口金に相当するリフレクターを設け、このリフレクター内はソケット嵌入室を残して無機接着剤充填部を充填し、一対のリード線の下端部(外端部)の突出外端部がリードピンに挿入されており、両リードピンが無機接着剤充填部から嵌入室に突出され、ソケットのピン孔に挿入されるものである。
【特許文献1】特開平8−264110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来例の使用時には、リードピンに挿入されている一対のリード線の突出外端部がリードピンを介してソケットに接続されているが、瞬時点灯時に両突出外端部に高電圧がかかり、構造上突出外端部の対向間の高電圧による悪影響を抑える何等の手段も設けられていないことから、短絡を生じやすく、瞬時点灯に対応しにくく、始動や再始動時間が長くなる課題があることが推測される。
この発明の目的は、簡単な構成によって瞬時点灯に対応することができるメタルハライドランプの接続装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の第1の特徴は、メタルハライドランプの一端部に設けてある端部接続体と、この端部接続体と着脱可能であるソケットとからなることにある。上記端部接続体は絶縁部材によって形成されていると共に内部が収納空間となっている本体と、この本体の外周に取り付けられている口金とを備えており、上記ソケットは通孔を有する本体と、内周壁に取り付けてあって上記口金と嵌合可能である受金と、内底部に起立してある筒体部とを備えており、上記端部接続体の本体はその一端部側に上記筒体部と嵌合可能である嵌合凹部を設けてあり、内部の収納空間にはメタルハライドランプの第1及び第2のリード線の端部が延伸されており、上記第1のリード線の端部は上記嵌合凹部の底部より上記筒体部側の第1の引き出し線に電気的に接続可能であり、上記第2のリード線の端部は上記収納空間内で屈曲され上記受金を介して上記通孔を挿通されている第2の引き出し線に電気的に接続可能である。
この発明の第2の特徴は、上記第1の特徴を備えており、端部接続体の本体の嵌合凹部の底部上には、上記本体内の収納空間を仕切ると共に第1のリード線及び第2のリード線の端部間に位置して両リード線を絶縁させるための絶縁壁を設けてあることにある。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、簡単な構成により瞬間点灯に対応することができるメタルハライドランプの接続装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明に係るメタルハライドランプの接続装置について図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すセラミックメタルハライドランプの接続装置は、メタルハライドランプ1の一端部(図3下端部)に設けてある端部接続体2と、この端部接続体と着脱可能に接続されるソケット3とからなる。
【0007】
図3において、セラミックメタルハライドランプ1において、外管11内には本体がセラミック製である発光管12を設けてある。発光管12はその内部が発光物質である金属ハロゲン化物質が封入されているセラミック放電室となっており、室内上下に対向して電極13,14を設けてある。一方(図3上方)の電極13は第1のリード線15に、また他方の電極14は第2のリード線16にそれぞれ電気的に接続されている。第1及び第2のリード線15,16の下端部側は外管11内の硬質ガラスからなるステム17内を貫通している。第1及び第2のリード線15,16はステム17内ではガラス管などからなる絶縁管18,19によって被覆されている。
【0008】
図1、図2及び図4〜図6において、端部接続体2は本体21及び口金22を備えている。
端部接続体2の本体21は絶縁部材であるセラミックによって壷状に成形され、内部が収納空間23となっている。本体21の上開口部側内部にステム17の下端の固定端部171が配置されている。本体21の収納空間23内には絶縁管18,19から突出されている第1及び第2のリード線15,16の端部151,161がそれぞれ延伸されている。第1のリード線15の端部151は端部接続体2の本体21の嵌合凹部24を貫通し、接点部4に接続されている。第2のリード線16の端部161は収納空間23内においてU字形に折り曲げられてステム17の固定端部171内に挿入され、先端部側が外側に向けて水平に折り曲げられてその最先端部が口金22に接触されていると共にその側壁外面に露出されている。
嵌合凹部24は本体21の下端側に設けられている。嵌合凹部24は下端側が開口となっており、内底部に接点部4が配置されている。嵌合凹部24の底部上には絶縁壁25を起立してある。絶縁壁25は本体21の収納空間23内を図2左右に仕切っていると共に、収納空間内に露出されている第1のリード線15の端部151と第2のリード線16の端部161との間の絶縁状態を維持する役目を有している。
口金22は本体21の外周に中間部から上側に向けてこの本体と一体的に嵌め込まれている。
【0009】
図1、図2及び図7〜図8において、ソケット3は本体31、受金32及び筒体部33を備えている。
ソケット3の本体31は有底筒体に形成されており、下部両側に取り付け部311を水平方向に突出してある。受金32は本体31の内周壁上側に取り付けられている。受金32の上端のつば部321が本体31の上端開口の縁部上に載置され、つば部321を介して止め部材5によって本体に固定されている。筒体部33は本体31の内底部上に起立されている。筒体部33内にはコイルばね6を配置してある。コイルばね6は、その上端部で板ばねからなる接点部7を保持している。コイルばね6は上向きのばね力を付勢している。接点部7には第1の引き出し線8が接続されている。第1の引き出し線8は、コイルばね6内を通過して筒体部33の下端開口部を経て本体31の下方へ引き出されている。また本体31の図2左側には通孔312が上下方向に貫通されている。第2の引き出し線9は受金32の上端のつば部321から通孔312を通って本体31の下方へ引き出されている。
【0010】
端部接続体2とソケット3との接続関係について説明する。
図1及び図2に示すように、ソケット3の受金32には端部接続体2の口金22が嵌め込み可能である。嵌め込み時には、嵌合凹部24内に筒体部33の上端部が嵌合される。嵌合状態では、第1のリード線15は接点部4,7を通じて第1の引き出し線8に、また第2のリード線16は端部で接触している受金32を通じて第2の引き出し線9にそれぞれ電気的に接続されている。
図1に示すように、端部接続体2とソケット3とが接続状態にあるときは、第1のリード線15と第2のリード線16とは嵌合凹部24内の絶縁壁25によって確実な絶縁状態が維持されている。また第1のリード線15の端部151が接続されている接点部4は嵌合凹部24内底部に位置し、この接点部と受金32に接触している第2のリード線16の端部161とが離されていることから、第1のリード線と第2のリード線と間は、より高い絶縁状態を確保することができる。
【0011】
セラミックメタルハライドランプの使用方法について説明する。
図1及び図3に示すように、セラミックメタルハライドランプ1の端部接続体2をソケット3に差し入れると、端部接続体の嵌合凹部24内に筒体部33の上端部が差し込まれ、第1のリード線15は接点部4,7を通じて第1の引き出し線8と、第2のリード線16は受金32を通じて第2の引き出し線9とそれぞれ電気的に接続されるので、セラミックメタルハライドランプに電流が供給され、発光管12内で放電がされ、発光(点灯)される。
消灯後に、直ちにスイッチを入れて、高熱高温度状態にあるセラミックメタルハライドランプ1に電流を供給しても、上述した瞬時点灯に対応可能である接続手段を有しているために点灯が可能となる。
【0012】
接点部7を筒体部33の上端部より幾分上方に配置することにより、端部接続体2とソケット3との接続時に、接点部7は嵌合凹部24内の接点部4にコイルばね6の所定のばね力によって接触するので、通電が確実になる。接点部7の保持手段は筒体部33で保持しても良く、コイルばね6に限られない。
絶縁壁25は図1及び図4に示す例では嵌合凹部24の底部上にのみ設けられているが、図4の上下方向に延長して端部接続体2の本体21の内周壁に達するように、すなわち収納空間23を横断するように配置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明に係るセラミックメタルハライドランプの接続装置の断面図である。
【図2】この発明に係るセラミックメタルハライドランプの接続装置の分解図である。
【図3】この発明に係るセラミックメタルハライドランプとランプの接続状態を示す外観図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】この発明に係るセラミックメタルハライドランプにおける端部接続体を示す底面図である。
【図6】この発明に係るセラミックメタルハライドランプにおける端部接続体を示す側面図である。
【図7】図2のVII−VII線断面図である。
【図8】この発明に係るセラミックメタルハライドランプにおけるソケットの平面図である。
【符号の説明】
【0014】
1 セラミックメタルハライドランプ(メタルハライドランプ)
15 第1のリード線
151 第1のリード線の端部
16 第2のリード線
161 第2のリード線の端部
2 端部接続体
21 本体
22 口金
23 収納空間
24 嵌合凹部
25 絶縁壁
3 ソケット
31 本体
32 受金
33 筒体部
312 通孔
4 接点部
6 コイルばね
7 接点部
8 第1の引き出し線
9 第2の引き出し線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタルハライドランプの一端部に設けてある端部接続体と、この端部接続体と着脱可能であるソケットとからなり、
上記端部接続体は絶縁部材によって形成されていると共に内部が収納空間となっている本体と、この本体の外周に取り付けられている口金とを備えており、
上記ソケットは通孔を有する本体と、内周壁に取り付けてあって上記口金と嵌合可能である受金と、内底部に起立してある筒体部とを備えており、
上記端部接続体の本体はその一端部側に上記筒体部と嵌合可能である嵌合凹部を設けてあり、内部の収納空間にはメタルハライドランプの第1及び第2のリード線の端部が延伸されており、
上記第1のリード線の端部は上記嵌合凹部の底部より上記筒体部側の第1の引き出し線に電気的に接続可能であり、上記第2のリード線の端部は上記収納空間内で屈曲され上記受金を介して上記通孔を挿通されている第2の引き出し線に電気的に接続可能である
ことを特徴とするメタルハライドランプの接続装置。
【請求項2】
端部接続体の本体の嵌合凹部の底部上には、上記本体内の収納空間を仕切ると共に第1のリード線及び第2のリード線の端部間に位置して両リード線を絶縁させるための絶縁壁を設けてあることを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプの接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−218161(P2008−218161A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53222(P2007−53222)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(302053445)SSEC株式会社 (13)
【Fターム(参考)】