説明

メタン発酵システム

【課題】槽の小型化、異物堆積の防止、撹拌動力及び消化汚泥量の低減、バイオガスの増加を図ることのできるメタン発酵システムを提供する。
【解決手段】易分解性有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計されたメタン発酵槽に易分解性有機性廃棄物と共に供給された場合に、当該メタン発酵槽の大型化、異物堆積、撹拌動力及び消化汚泥量の増大を招く難分解性有機性廃棄物を、易分解性有機性廃棄物と分け、易分解性有機性廃棄物を第一メタン発酵槽5でメタン発酵する一方で、難分解性有機性廃棄物を第二メタン発酵槽8でメタン発酵し、各々のメタン発酵槽をメタン発酵に最適な設計とするのを可能とすると共に、第一のメタン発酵槽に投入する易分解性の有機性廃棄物の固形物濃度を5〜15%とし、第二のメタン発酵槽に投入する難分解性の有機性廃棄物の固形物濃度を20〜50%として、各々のメタン発酵槽に投入する有機性廃棄物の固形物濃度を最適とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性廃棄物をメタン発酵処理してバイオガスを得るメタン発酵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のメタン発酵システムとしては、有機性廃棄物である可燃ごみを選別装置により生ごみと異物に選別し、この選別装置で選別された生ごみを可溶化槽で可溶化し、この可溶化槽で可溶化された生ごみをメタン発酵槽で撹拌処理を伴うメタン発酵処理に供し、メタンと二酸化炭素を主成分とするバイオガスを得るメタン発酵システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−275686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記メタン発酵システムにあっては、選別装置で選別を行っても生ごみに異物が混入する。この異物としては、例えば、草や木等の剪定ごみを始めとした繊維類や紙類(紙ごみ)、プラスチックフィルム類等の軽量物や、土砂、金属片等の重量物がある。そして、この異物が生ごみと共にメタン発酵槽に導入されるため、メタン発酵槽を大型化する必要がある。このメタン発酵槽の容量は、プロセスや微量塩類添加の有無等により異なるが、投入物量に対し7日〜30日程度必要であり、例えば、メタン発酵槽投入物(選別された生ごみ)量が100t/日、異物混入率が30%、メタン発酵槽滞留日数が20日の場合には、メタン発酵槽の容量は2000m必要であるが、異物が混入していなければ、1400mで十分である。このようにメタン発酵槽の大型化が必要なため、建設費が増大すると共にメタン発酵槽の加温熱量が増加することとなる。
【0004】
また、異物がメタン発酵槽で滞留しないようにするには、大きな撹拌動力が必要となる。因みに、異物が混入しない場合には、メタン発酵槽容量1m当たりの撹拌動力は8W程度であれば良いが、異物が30%程度混入していると、メタン発酵槽容量1m当たりの撹拌動力は100W程度が必要となる。
【0005】
また、上記重量異物はメタン発酵槽で底部に堆積し消化汚泥と共に引き抜くことが可能であるが、軽量異物は、撹拌力が強い場合には、一部が液中に浮遊し、一部が液面に浮上し堆積してスカム(堆積物)を形成し、また、撹拌力が弱い場合には、発生するバイオガスにより押し上げられて全量が液面に浮上し硬いスカムを形成する。何れにしてもスカムが形成され、このスカムは一度形成されてしまうと除去が困難である。そして、このスカムによりバイオガスが気相部に抜け難くなり突沸が起こる虞がある。この突沸が生じると、メタン発酵槽内圧力が急上昇してメタン発酵槽に設置されている安全弁が開き、外部にバイオガスが漏洩してしまう。ここで、このスカムの形成には、メタン発酵槽内の汚泥濃度も深く関係し、メタン発酵槽内の汚泥濃度が高い方が液の粘性が高まるため、軽量異物は液中に浮遊しスカムは発生し難くなる。従って、汚泥濃度を例えば8%以上とし、適正な撹拌力を与えればスカムの発生は殆ど無くなることになるが、実際には、撹拌力は汚泥濃度が高まるに連れ大きくすることが必要とされ、一方、撹拌を停止してしまうとスカムが容易に発生してしまう。
【0006】
また、メタン発酵槽の消化汚泥を引き抜き、脱水機で脱水すると含水率70%程度の脱水消化汚泥が得られ、この脱水消化汚泥は、堆肥化処理や炭化処理により資源化される場合もあるが、選別異物と共に焼却設備で焼却処理されることもあり、従って、消化汚泥発生量の低減が求められている。
【0007】
また、可燃ごみには、前述したように、草や木等の剪定ごみを始めとした繊維類や紙類等の生物難分解性(以下難分解性と記す)の有機性廃棄物が混入している。この剪定ごみを始めとした繊維類や紙類等の難分解性の有機性廃棄物からもメタン発酵によりバイオガスが得られるが、生ごみを主とする生物易分解性(以下易分解性と記す)の有機性廃棄物と比較してメタン発酵速度が著しく遅い。ここで、メタン発酵槽は生ごみのメタン発酵を優先して設計されているため、上記剪定ごみ、繊維類や紙類等の難分解性の有機性廃棄物をメタン発酵槽に投入しても、十分なバイオガス発生量が得られず、且つ、メタン発酵槽内に、分解できなかった難分解性の有機性廃棄物が浮遊するため、大きな撹拌動力が必要となってしまう。一方、剪定ごみ、繊維類や紙類等の難分解性の有機性廃棄物のメタン発酵速度を優先してメタン発酵槽を設計した場合、極端に大きなメタン発酵槽が必要となり経済的ではない。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、メタン発酵槽の小型化、異物堆積の防止、撹拌動力の低減、バイオガス発生量の増加及び消化汚泥量の低減が図られるメタン発酵システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるメタン発酵システムは、易分解性の有機性廃棄物をメタン発酵する第一のメタン発酵槽と、難分解性の有機性廃棄物をメタン発酵する第二のメタン発酵槽と、を備え、易分解性の有機性廃棄物は、固形物濃度が5〜15%の範囲で第一のメタン発酵槽に投入され、難分解性の有機性廃棄物は、固形物濃度が20〜50%の範囲で第二のメタン発酵槽に投入されることを特徴としている。
【0010】
このようなメタン発酵システムによれば、易分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計されたメタン発酵槽に易分解性の有機性廃棄物と共に供給された場合に、当該メタン発酵槽の大型化、異物堆積、撹拌動力及び消化汚泥量の増大を招く難分解性の有機性廃棄物が、易分解性の有機性廃棄物と分けられ、易分解性の有機性廃棄物が、第一のメタン発酵槽でメタン発酵される一方で、難分解性の有機性廃棄物が、第二のメタン発酵槽でメタン発酵される。このため、第一のメタン発酵槽が易分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計されると共に、第二のメタン発酵槽が難分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計され、各々のメタン発酵槽がメタン発酵に最適な設計とされる。ここで、易分解性の有機性廃棄物は、第一のメタン発酵槽に投入される時点において固形物濃度が5〜15%に調整され、難分解性の有機性廃棄物は、第二のメタン発酵槽に投入される時点において固形物濃度が20〜50%に調整され、各々のメタン発酵槽に投入される有機性廃棄物の固形物濃度が最適とされる。その結果、メタン発酵槽の小型化、異物堆積の防止、撹拌動力及び消化汚泥量の低減、トータルでのバイオガス発生量の増加が図られる。
【0011】
ここで、上記作用を効果的に奏する第二のメタン発酵槽の構成としては、当該第二のメタン発酵槽におけるメタン発酵温度を、55±2°Cの範囲に保持することが挙げられる。これは、難分解性の有機性廃棄物をメタン発酵する場合、メタン発酵温度を55±2°Cの範囲に保持する所謂高温発酵とすると、38°C前後の中温発酵に比して発酵速度が高く、有機物分解率が高く、バイオガス発生量も多いためである。また、第一のメタン発酵槽では、38°C前後の中温発酵又は55°C前後の高温発酵の何れであっても良い。また、易分解性及び難分解性の有機性廃棄物の具体的な構成としては、易分解性の有機性廃棄物は主に生ごみを含み、難分解性の有機性廃棄物は剪定ごみ及び紙ごみの少なくとも一方を含む構成が挙げられる。
【0012】
また、第二のメタン発酵槽は、難分解性の有機性廃棄物に第一のメタン発酵槽で発生した消化汚泥を混合しメタン発酵するようにすると、第一のメタン発酵槽からの消化汚泥により、固形物濃度が容易に20〜50%に調整される。
【0013】
また、上記作用を効果的に奏する具体的な構成としては、易分解性の有機性廃棄物と難分解性の有機性廃棄物とが混在する有機性廃棄物を、易分解性の有機性廃棄物と難分解性の有機性廃棄物とに分離する分離装置を備え、第一のメタン発酵槽は、分離装置で分離された易分解性の有機性廃棄物をメタン発酵し、第二のメタン発酵槽は、分離装置で分離された難分解性の有機性廃棄物をメタン発酵する構成が挙げられる。
【0014】
ここで、易分解性の有機性廃棄物と難分解性の有機性廃棄物とが混在する有機性廃棄物を可溶化する可溶化槽を、分離装置の前段側に備えていると、当該可溶化槽により、易分解性の有機性廃棄物が後段側の第一のメタン発酵槽で速やかにメタン発酵するように可溶化される。
【0015】
さらに、可溶化槽に、メタン発酵後の消化汚泥を添加することが好ましい。これは、有機性廃棄物の酸発酵速度はpHが低下すると共に低下するが、消化汚泥はアルカリ度が高いため、pH低下の緩衝に効果的であると共に可溶化に必要な菌を添加する効果があるためである。このように有機性廃棄物に対して消化汚泥を添加することで、分離装置で分離された難分解性の有機性廃棄物に、本来第一のメタン発酵槽でメタン発酵するべき易分解性の有機性廃棄物が混入する割合が低下し、第二のメタン発酵槽を縮小化できると共に、第一のメタン発酵槽からのバイオガス発生量が増加する。従って、易分解性の有機性廃棄物と難分解性の有機性廃棄物とが混在する有機性廃棄物に、第一のメタン発酵槽で発生した消化汚泥の一部を供給する汚泥供給ラインを備えているのが好適である。
【0016】
また、分離装置としては種々のものが挙げられるが、主に生ごみを含む易分解性の有機性廃棄物と、剪定ごみ及び紙ごみの少なくとも一方を含む難分解性の有機性廃棄物との選別除去能力が高いスクリュープレスを採用することが好ましい。このスクリュープレスを採用することで、第一のメタン発酵槽に投入される易分解性の有機性廃棄物の固形物濃度が5〜15%に調整され、難分解性の有機性廃棄物の固形物濃度が50%程度に調整される。
【0017】
また、スクリュープレスは、その選別粒度が5mm〜20mmとされていると、主に生ごみを含む易分解性の有機性廃棄物から、剪定ごみ及び紙ごみの少なくとも一方を含む難分解性の有機性廃棄物が効果的に除去される。
【発明の効果】
【0018】
このように本発明によるメタン発酵システムによれば、第一のメタン発酵槽が易分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計され且つ第二のメタン発酵槽が難分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計され、各々のメタン発酵槽がメタン発酵に最適な設計とされると共に、各々のメタン発酵槽に投入される有機性廃棄物の固形物濃度が最適とされる。その結果、メタン発酵槽の小型化、異物堆積の防止、撹拌動力及び消化汚泥量の低減、トータルでのバイオガス発生量の増加を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明によるメタン発酵システムの好適な実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1〜図3は、本発明の第一実施形態に係るメタン発酵システムを示す各図であって、図1は、メタン発酵システムを示すブロック構成図、図2は、図1中の分離装置としてのスクリュープレスを示す側面構成図、図3は、図1中の第二のメタン発酵槽を示す構成図である。
【0020】
図1に示すように、メタン発酵システム1は、選別装置2、可溶化槽3、分離装置4、第一のメタン発酵槽5、消化汚泥貯槽6、混合槽7、第二のメタン発酵槽8、脱水機9をこの順に接続して備えている。そして、可溶化槽3と消化汚泥貯槽6とは汚泥供給ラインL1により接続され、分離装置4と混合槽7とは脱水異物供給ラインL2により接続されている。
【0021】
また、このメタン発酵システム1は、第一のメタン発酵槽5及び第二のメタン発酵槽8に対してガスホルダ10、ガス利用設備11をこの順に接続し、脱水機9及び選別装置2に対して焼却設備12を接続すると共に、脱水機9に対して排水処理設備13を接続して備えている。
【0022】
先ず、施設に搬入された有機性廃棄物としての可燃ごみは、選別装置2の前段の破砕装置(不図示)で破砕される。この破砕装置としては、竪型又は横型の切断機、竪型又は横型のスイングハンマ、竪型又は横型のリンググラインダ、単軸又は多軸の低速回転破砕機等が採用されるが、後段の選別装置2による選別が行い易いのは、竪型リンググラインダ又は低速回転破砕機である。
【0023】
破砕装置の後段の選別装置2は、破砕装置で破砕された可燃ごみを、生ごみを多く含んだ選別生ごみと、この生ごみ以外のごみを多く含んだ選別異物とに選別するものである。この選別装置2は乾式と湿式に大別されるが、湿式の場合には前段の破砕装置を設けなくても良い。この湿式の選別装置としては、可燃ごみに水や汚泥等を加え強力な撹拌力により破砕・選別するハイドロパルパーと呼ばれる装置を用いるのが好ましい。
【0024】
また、乾式の選別装置としては、篩い分け型、比重差型、電磁波型、磁気型、渦電流型やこれらの組み合わせ方式等が採用される。篩い分け型には、振動式、回転式、ローラ式が、比重差型には、風力式、機械式、複合式が、電磁波型には、X線式、近赤外線式、可視光線式が、磁気型には、吊り下げ式、ドラム式、プーリ式が、渦電流型には、永久磁石式、リニアモータ式が各々ある。ここで、篩い分け型に、風力式による比重差型と磁気型とを組み合わせるのが、可燃ごみから生ごみを選別するのに好適である。
【0025】
また、破砕装置の前段に、可燃ごみが混入した袋を破袋するために破袋機、除袋機を設けても良く、破袋機と破砕装置との間に選別装置2を設けても良い。破袋機としては、圧縮型、回転型、熱溶断型があり、圧縮型には、加圧刃式、直立刃式が、回転型には、ドラム式、回転刃式、剪断式が各々あるが、可燃ごみの破袋には、剪断式が好ましい。
【0026】
また、破袋機と破砕装置との間に選別装置2を設ける場合には、上記選別装置の何れも適用可能であるが、破砕されていない可燃ごみを対象とした選別であるため、篩い分け型のローラ式を採用するのが好ましい。
【0027】
そして、可燃ごみの生ごみ比率が30〜50%の場合には、当該選別装置2により、選別生ごみは、その生ごみ比率が70〜80%となると共に生ごみ以外のごみ比率が20〜30%となり、一方、選別異物は、その生ごみ比率が5%以下となると共に、生ごみ以外のごみ比率が95%以上となる。
【0028】
ここで、選別装置2で選別された選別生ごみは、具体的には、易分解性の有機性廃棄物である生ごみの他、草や木等の剪定ごみを始めとした繊維類や紙類(紙ごみ)等の難分解性の有機性廃棄物や、金属片等の異物を含んでいる。なお、以降、草や木等の剪定ごみを始めとした繊維類や紙類等を単に剪定ごみ等と呼ぶ。
【0029】
選別装置2の後段の可溶化槽3は、選別生ごみ中の易分解性の有機性廃棄物である生ごみを、後段の第一のメタン発酵槽5で速やかにメタン発酵させるべく、可溶化するものである。この可溶化槽3では、第一のメタン発酵槽5で生ごみのメタン発酵を容易とするように温度調整及び濃度調整が行われ、生ごみが酸発酵し、有機物が乳酸、酢酸等に低分子化される。この可溶化槽3での選別生ごみの調整温度は、30°C〜60°Cである。ここで、第一のメタン発酵槽5におけるメタン発酵温度が38°C前後の中温発酵では可溶化槽内温度を38°C〜40°Cに、第一のメタン発酵槽5におけるメタン発酵温度が55°C前後の高温発酵では可溶化槽内温度を55°C〜60°Cに各々設定するが、中温発酵のメタン発酵でも可溶化槽内温度を55°C〜60°Cとする場合もある。また、可溶化槽3での選別生ごみの調整固形物濃度は、メタン発酵槽5の方式によって異なるが、概ね5%〜25%である。
【0030】
前段で乾式の選別装置を用いる場合には、可溶化槽3で選別生ごみに水や汚泥を添加して所定の汚泥濃度に調整するが、湿式の選別装置を用いる場合には、ハイドロパルパーで水や汚泥を添加しているため、特に可溶化槽3で濃度調整する必要は無く、概ね5%〜9%となる。
【0031】
ここで、本実施形態では、可溶化槽3に対して、汚泥供給ラインL1を介して消化汚泥貯槽6が接続され、当該汚泥供給ラインL1を通して、第一のメタン発酵槽5からの消化汚泥の一部が供給され、この消化汚泥により生ごみの調整を行う。ここで、生ごみの酸発酵速度はpHが低下すると共に低下するが、消化汚泥はアルカリ度が高いため、pH低下の緩衝に効果的であると共に可溶化に必要な菌を添加する効果がある。
【0032】
このように選別生ごみに対して消化汚泥を供給することで、後段の分離装置4で分離されて排出される剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物に、本来第一のメタン発酵槽5でメタン発酵するべき易分解性の有機性廃棄物である生ごみが混入する割合が低下し、第一のメタン発酵槽5におけるバイオガス発生量が増加すると共に、第二のメタン発酵槽8を縮小化できる。なお、消化汚泥は、可溶化槽3に直接添加しても良く、また、選別装置2と可溶化槽3とを接続し選別装置2から選別生ごみを可溶化槽3に移送するラインに添加するようにしても良く、要は、選別装置2からの選別生ごみに対して添加できれば良い。
【0033】
ところで、選別装置2からの選別生ごみに対する消化汚泥の添加率を高めると、可溶化槽3を大型化する必要がある。従って、可溶化槽3の小型化を図るには、メタン発酵後の消化汚泥の一部を、選別装置2からの選別生ごみと可溶化槽3からの可溶化生ごみとに添加するのが良い。なお、消化汚泥は、可溶化槽3と分離装置4とを接続し可溶化槽3からの可溶化生ごみを分離装置4に移送するラインに添加するようにしても良く、また、当該ラインに機械撹拌による混合槽を設け当該混合槽に添加しても良く、さらにまた、分離装置4に直接添加しても良く、要は、可溶化槽3からの可溶化生ごみに対して添加できれば良い。
【0034】
また、可溶化槽3は、酸素を遮断して嫌気的な条件で運転する場合と、空気に触れた状態又は積極的に空気や酸素を吹き込んで好気的な条件で運転する場合とがあるが、何れの場合も、適正な運転条件であれば、易分解性の有機性廃棄物である生ごみの可溶化は進行する。
【0035】
この可溶化槽3での滞留時間は、1〜48時間とするのが良い。ここで、酸発酵は、滞留時間が長くなるに連れて進行するが、可溶化槽内のpHが低下すると共に酸発酵速度も低下するため、滞留時間は8時間程度とするのが特に好ましい。また、滞留時間をこれ以上長くすると、可溶化槽3の容量を大きくする必要があると共に加熱熱量が増加するため、経済的に好ましくない。
【0036】
ここで、可溶化槽3からの可溶化生ごみは、具体的には、易分解性の有機性廃棄物である可溶化された生ごみの他に、剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物や金属片等の異物を含んでいる。
【0037】
この可溶化槽3の後段の分離装置4は、可溶化槽3からの可溶化生ごみを、易分解性の有機性廃棄物である生ごみ分離液と脱水異物(分離汚泥)とに分離するものである。ここでいう脱水異物とは、剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物と、金属片等の異物とを含むものである。
【0038】
上記分離装置4としては、スクリュープレス脱水機、遠心脱水機、フィルタープレス脱水機、ベルトプレス脱水機、多重円板脱水機、ドラムスクリーン等が採用されるが、主に生ごみを含む易分解性の有機性廃棄物と、剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物及び異物との選別除去能力が高いスクリュープレス脱水機(以下単にスクリュープレスと呼ぶ)を採用するのが好ましい。
【0039】
このスクリュープレスは、図2に示すように、内部に、回転するスクリュー羽根4aを備え、このスクリュー羽根4aを収容するケーシング4bに、内外を連通する所定径の選別孔4cを多数有し、投入口4dから投入された可溶化生ごみを、前半部で重力脱水し、後半部で、スクリュー羽根4aの押し出しによる圧搾力と回転による剪断力で脱水して、生ごみ分離液と脱水異物とに分離し、生ごみ分離液を生ごみ分離液排出口4eから排出する一方で、脱水異物を、送り方向の終端に設けられている脱水異物排出口4fから排出する。
【0040】
ここで、可溶化生ごみを生ごみ分離液と脱水異物とに効果的に分離する、すなわち、生ごみから剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物や異物を効果的に除去するには、スクリュープレスの選別孔4cによる選別粒度を5mm〜20mmとするのが好ましい。
【0041】
そして、導入される可溶化生ごみの固形物濃度が5〜25%(上記可溶化槽3での選別生ごみの調整固形物濃度)である場合には、スクリュープレスにより、生ごみ分離液の固形物濃度は5〜15%となり、生ごみに含まれる剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物や異物の80%以上が脱水異物として除去される。この脱水異物は、その固形物濃度が50%程度である。なお、選別孔4cは、スリットの場合もある。
【0042】
この分離装置4の後段の第一のメタン発酵槽5は、分離装置4の生ごみ分離液排出口4eからの生ごみ分離液をメタン発酵し、メタンと二酸化炭素を主成分とするバイオガスを生成するものである。従って、この第一のメタン発酵槽5は、生ごみ分離液を始めとした易分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して(メタン発酵に合わせて)設計されている。
【0043】
このメタン発酵槽内は、機械撹拌機による撹拌、ポンプによる液撹拌、ガスブロワ又はガスコンプレッサによるガス撹拌等が行われるが、機械撹拌機による撹拌が好ましい。ここで、第一のメタン発酵槽5のメタン発酵温度は、38°C前後の中温発酵でも55°C前後の高温発酵の何れであっても良い。メタン発酵の発酵温度は、中温発酵と高温発酵に大別されるが、一般に高温発酵は中温発酵と比較して、発酵速度が高く、有機物分解率が高く、バイオガス発生量が多いと言われている。一方、中温発酵は高温発酵と比較して、アンモニアによる阻害を受け難く、メタン発酵前後の加温及び冷却熱量が小さくて済むという利点がある。易分解性の有機性廃棄物のメタン発酵においては、高温発酵の方が中温発酵よりも発酵初期の発酵速度は高いが、有機物分解率は中温発酵と高温発酵の差は小さく、バイオガス発生量に大差は無い。従って、第一のメタン発酵槽5においては、中温発酵でも高温発酵でもどちらでも良い。また、第一のメタン発酵槽5にあっては、メタン発酵後の残渣である消化汚泥を適宜底部から引き抜くためのバルブ(不図示)を備え、このバルブの開により消化汚泥が引き抜かれる。
【0044】
この第一のメタン発酵槽5に接続される消化汚泥貯槽6は、メタン発酵槽5から引き抜かれた消化汚泥を貯留するものであり、消化汚泥の一部を調整剤として、前述した汚泥供給ラインL1を通して可溶化槽3に供給する。
【0045】
この消化汚泥貯槽6に接続される混合槽7に対しては、脱水異物供給ラインL2を介して分離装置4も接続され、当該脱水異物供給ラインL2を通して、分離装置4の脱水異物排出口4fからの脱水異物が供給される。そして、混合槽7は、分離装置4からの脱水異物と消化汚泥貯槽6から供給される消化汚泥であって可溶化槽3に供給する分以外の消化汚泥とを混合し、固形物濃度を20〜50%に調整し、第二のメタン発酵槽8に投入する。
【0046】
この混合槽7に接続される第二のメタン発酵槽8は、混合槽7からの混合物をメタン発酵しバイオガスを生成するものであり、主に、剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物の分解を目的とするものである。従って、この第二のメタン発酵槽8は、剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して(メタン発酵に合わせて)設計されている。この第二のメタン発酵槽8では、メタン発酵温度を55±2°Cの範囲に保持する高温発酵が行われる。これは、難分解性の有機性廃棄物をメタン発酵する場合、メタン発酵温度を55±2°Cの範囲に保持する高温発酵とすると、38°C前後の中温発酵に比して発酵速度が高く、有機物分解率が高く、バイオガス発生量も多いためである。そして、本実施形態のように、第一のメタン発酵槽5より引き抜かれる消化汚泥が第二のメタン発酵槽8に投入される場合には、第一のメタン発酵槽5も高温発酵であることが好ましい。これは、高温発酵の場合と中温発酵の場合では生物相が異なるためである。なお、第一のメタン発酵槽5を中温発酵でメタン発酵する場合には、第一のメタン発酵槽5より引き抜かれる消化汚泥は、第二のメタン発酵槽8を介さずに直接脱水機9で脱水することが好ましい。
【0047】
ここで、本実施形態では、第二のメタン発酵槽8として、図3に示すように、汚泥濃度を高くできる円筒横型のメタン発酵槽が採用されている。図3(a)は、図1中の第二のメタン発酵槽を示す正面断面構成図、図3(b)は、第二のメタン発酵槽を示す右側面図である。
【0048】
この発酵槽8は、両端が閉じられた円筒状の槽8aと、この槽8aの軸心位置に配置されて当該槽8aの両端部を貫通し例えば油圧等により回転駆動される回転軸8bと、この回転軸8bの周方向の複数箇所(本実施形態では四等配の位置)に周設されて槽8aの端部近傍まで延びる仕切板8cとを備えると共に、槽8aを構成する周壁の一方側の端の横部に設けられた投入口8dと、周壁の他方側の端の下部に設けられた消化汚泥排出口8eと、周壁の上部に軸心に沿って複数が離間にして設けられたバイオガス排出口8fとを備え、投入口8dから投入された混合槽7からの混合物を、仕切板8cにより撹拌すると共に消化汚泥排出口8eに送りながらメタン発酵させ、この際に槽8a内の各所から生じるバイオガスをバイオガス排出口8fを通して捕集する一方で、消化汚泥を消化汚泥排出口8eから排出する。
【0049】
この第二のメタン発酵槽8のバイオガス排出口8f及び第一のメタン発酵槽5に接続されるガスホルダ10は、第一のメタン発酵槽5で生成されたバイオガス及び第二のメタン発酵槽8で生成されたバイオガスを貯留するものである。
【0050】
このガスホルダ10に接続されるガス利用設備11は、ガスホルダ10からのバイオガスを利用するものである。そして、当該バイオガスは、ガスエンジンや燃料電池といった発電機やボイラの燃料として用いられたり、バイオガス中のメタン濃度を気体分離膜方式、PSA方式又は液吸収方式等により濃縮し自動車燃料等として利用される。
【0051】
また、第二のメタン発酵槽8の消化汚泥排出口8eには脱水機9が接続されている。この脱水機9は、第二のメタン発酵槽8から引き抜かれた消化汚泥を脱水するものである。この脱水機9としては、スクリュープレス、遠心脱水機、フィルタープレス脱水機、ベルトプレス脱水機、多重円板脱水機等が採用される。
【0052】
この脱水機9及び上記選別装置2に接続される焼却設備12は、脱水機9で脱水された脱水消化汚泥、選別装置2で選別された選別異物を焼却するものである。この焼却設備12としては、流動床焼却炉を有するものや、ストーカ焼却炉を有するもの等が採用される。
【0053】
また、脱水機9に接続される排水処理設備13は、脱水機9からの脱水分離液を規定の水質となるように処理するものである。
【0054】
このように構成されたメタン発酵システム1によれば、施設に搬入された可燃ごみは破砕装置で破砕され、この破砕装置からの可燃ごみは選別装置2で選別生ごみと選別異物とに選別され、この選別装置2からの選別生ごみは、消化汚泥貯槽6からの消化汚泥を調整剤として可溶化槽3で可溶化され、この可溶化槽3からの可溶化生ごみは分離装置4で生ごみ分離液と脱水異物とに分離される。
【0055】
この脱水異物は、生ごみ等の易分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計されたメタン発酵槽に易分解性の有機性廃棄物と共に供給されると、当該メタン発酵槽の大型化、異物堆積、撹拌動力及び消化汚泥量の増大を招く剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物を含んでいる。
【0056】
一方、分離装置4で、脱水異物から分離された生ごみ分離液は、易分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計された第一のメタン発酵槽5において効率的にメタン発酵され、バイオガスが効率良く生成される。
【0057】
このように第一のメタン発酵槽5には、難分解性の有機性廃棄物が除かれて易分解性の有機性廃棄物が供給され、槽内撹拌に関しては、難分解性の有機性廃棄物が供給される第二のメタン発酵槽8のみに留意すれば良いため、撹拌動力が低減されている。また、易分解性の有機性廃棄物は発酵速度が速く、且つ、槽内には難分解性の有機性廃棄物が殆ど供給されないため、従来技術と比較してメタン発酵槽が小型化されている。
【0058】
このように分離装置4により生ごみ分離液から脱水異物が除去されるが、多少の異物はメタン発酵槽5に生ごみ分離液と共に投入される。この異物は、バルブを開にすることで消化汚泥と共に適宜引き抜かれる。
【0059】
この消化汚泥は消化汚泥貯槽6で貯留され、この消化汚泥貯槽6からの消化汚泥は、混合槽7において、分離装置4で分離された脱水異物と混合され、この混合槽7からの混合物は、剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計された第二のメタン発酵槽8において効率的にメタン発酵され、バイオガスが効率良く生成される。
【0060】
そして、第一のメタン発酵槽5及び第二のメタン発酵槽8の各々で効率良く生じたバイオガスは、ガスホルダ10で混合され、ガス利用設備11で利用される。
【0061】
一方、第二のメタン発酵槽8からの消化汚泥(残渣)は脱水機9で脱水され、この脱水機9で脱水された脱水消化汚泥及び選別装置2で選別された選別異物はごみとして焼却設備12で焼却され、脱水機7からの脱水分離液は排水処理設備13で規定の水質に処理され系外に排水される。
【0062】
このように、本実施形態においては、易分解性の有機性廃棄物(生ごみ)のメタン発酵を優先して設計されたメタン発酵槽に易分解性の有機性廃棄物と共に供給された場合に、当該メタン発酵槽の大型化、異物堆積、撹拌動力及び消化汚泥量の増大を招く難分解性の有機性廃棄物(剪定ごみ等)が、易分解性の有機性廃棄物と分けられ、易分解性の有機性廃棄物が、第一のメタン発酵槽5でメタン発酵される一方で、難分解性の有機性廃棄物が、第二のメタン発酵槽8でメタン発酵される。このため、第一のメタン発酵槽5が易分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計されていると共に、第二のメタン発酵槽8が難分解性の有機性廃棄物のメタン発酵を優先して設計され、各々のメタン発酵槽5,8がメタン発酵に最適な設計とされている。また、第一のメタン発酵槽5に投入する易分解性の有機性廃棄物の固形物濃度が5〜15%とされ、第二のメタン発酵槽8に投入する難分解性の有機性廃棄物の固形物濃度が20〜50%とされて、各々のメタン発酵槽5,8に投入する有機性廃棄物の固形物濃度が最適とされている。その結果、メタン発酵槽が小型化されると共に、異物堆積が防止され、且つ、撹拌動力及び消化汚泥量が低減され、加えて、トータルでのバイオガス発生量が増加されている。
【0063】
なお、図3で説明した第二のメタン発酵槽8は比較的高価であり、選別生ごみ全量を対象に処理することは経済的ではないが、本実施形態のように、分離装置4で生ごみ分離液と脱水異物とに分離し第二のメタン発酵槽8への供給量を削減できる場合は効果的である。
【0064】
図4は、本発明の第二実施形態に係るメタン発酵システムを示すブロック構成図である。この第二実施形態のメタン発酵システム100が第一実施形態のメタン発酵システム1と違う点は、易分解性の有機性廃棄物である生ごみと難分解性の有機性廃棄物である剪定ごみとが予め分別されている可燃ごみを対象としている点であり、これに伴って、選別生ごみと選別異物とを選別する選別装置2、及び、可溶化生ごみと脱水異物とを分離する分離装置4を無くし、生ごみを直接可溶化槽3に供給すると共に剪定ごみを直接混合槽7に供給するようにした点である。なお、剪定ごみは、数時間、可溶化槽3で可溶化しても性状に変化は無いため、このように直接混合槽7に供給しても問題無い。
【0065】
このように構成されたメタン発酵システム100にあっても、先の第一実施形態とほぼ同様な効果を得ることができるというのはいうまでもなく、加えて、選別・分離のための選別装置2及び分離装置4が省略されるため、設備コストが低減できる。
【実施例】
【0066】
以下、上記効果を確認すべく本発明者らが実施した実施例1及び比較例1について述べる。
【0067】
(実施例1)
第一実施形態のメタン発酵システム1を用いた物質収支を図5に示す。図に示すように、選別装置で選別された生ごみを多く含む選別生ごみ100tに、可溶化槽で、第一のメタン発酵槽で発生した消化汚泥150tを加え可溶化し、可溶化生ごみを分離装置で分離した。ここでは、分離装置として、選別粒度が10mmのスクリュープレスを用いた。これにより、211.4tの生ごみ分離液と、剪定ごみ等の難分解性の有機性廃棄物や異物を含む脱水異物38.6tとが得られた。生ごみ分離液を第一のメタン発酵槽でメタン発酵し、6755mのバイオガスが得られた。第一のメタン発酵槽で発生した消化汚泥で、可溶化槽に供給する分以外の消化汚泥53.2tを、混合槽で、分離装置で分離された脱水異物と混合し、91.8tの混合物を得た。この混合物を第二のメタン発酵槽でメタン発酵し、10132mのバイオガスが得られ、第一のメタン発酵槽から発生したメタンガス(6755m)と合わせると16887mのバイオガスが得られた。これは、選別生ごみ1t当たりに換算すると、168.87mである。また、第二のメタン発酵槽で発生した消化汚泥を脱水機で脱水し、35.8tの脱水消化汚泥を得た。
【0068】
(比較例1)
実施例1の分離装置であるスクリュープレス、混合槽、第二のメタン発酵槽を無くし、可溶化槽の可溶化生ごみを直接メタン発酵槽に導入している点以外は、実施例1と同様とした。また、可溶化槽には、選別生ごみを所定の汚泥濃度に調整すべく、プロセス水100tを加えた。その物質収支を図6に示す。図に示すように、バイオガス発生量は、選別生ごみ1t当たり157.50m、脱水消化汚泥は37.8tであった。
【0069】
以上のように、実施例1ではバイオガス発生量が7%増加し、脱水消化汚泥が5%減少した。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第一実施形態に係るメタン発酵システムを示すブロック構成図である。
【図2】図1中の分離装置としてのスクリュープレスを示す側面構成図である。
【図3】図1中の第二のメタン発酵槽を示す構成図である。
【図4】本発明の第二実施形態に係るメタン発酵システムを示すブロック構成図である。
【図5】実施例1の物質収支を示す図である。
【図6】比較例1の物質収支を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1,100…メタン発酵システム、3…可溶化槽、4…分離装置(スクリュープレス)、5…第一のメタン発酵槽、8…第二のメタン発酵槽、L1…汚泥供給ライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
易分解性の有機性廃棄物をメタン発酵する第一のメタン発酵槽と、
難分解性の有機性廃棄物をメタン発酵する第二のメタン発酵槽と、を備え、
前記易分解性の有機性廃棄物は、固形物濃度が5〜15%の範囲で前記第一のメタン発酵槽に投入され、
前記難分解性の有機性廃棄物は、固形物濃度が20〜50%の範囲で前記第二のメタン発酵槽に投入されることを特徴とするメタン発酵システム。
【請求項2】
前記第二のメタン発酵槽におけるメタン発酵温度が、55±2°Cの範囲に保持されることを特徴とする請求項1記載のメタン発酵システム。
【請求項3】
前記第二のメタン発酵槽は、前記難分解性の有機性廃棄物に前記第一のメタン発酵槽で発生した消化汚泥を混合しメタン発酵することを特徴とする請求項1又は2記載のメタン発酵システム。
【請求項4】
前記易分解性の有機性廃棄物と前記難分解性の有機性廃棄物とが混在する有機性廃棄物を、前記易分解性の有機性廃棄物と前記難分解性の有機性廃棄物とに分離する分離装置を備え、
前記第一のメタン発酵槽は、前記分離装置で分離された易分解性の有機性廃棄物をメタン発酵し、
前記第二のメタン発酵槽は、前記分離装置で分離された難分解性の有機性廃棄物をメタン発酵することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のメタン発酵システム。
【請求項5】
前記易分解性の有機性廃棄物と前記難分解性の有機性廃棄物とが混在する有機性廃棄物を可溶化する可溶化槽を、前記分離装置の前段側に備えることを特徴とする請求項4記載のメタン発酵システム。
【請求項6】
前記易分解性の有機性廃棄物と前記難分解性の有機性廃棄物とが混在する有機性廃棄物に、前記第一のメタン発酵槽で発生した消化汚泥の一部を供給する汚泥供給ラインを備えることを特徴とする請求項4又は5記載のメタン発酵システム。
【請求項7】
前記分離装置は、スクリュープレスであることを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載のメタン発酵システム。
【請求項8】
前記スクリュープレスは、その選別粒度が5mm〜20mmとされていることを特徴とする請求項7記載のメタン発酵システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−224090(P2006−224090A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−292392(P2005−292392)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】