メダル清掃装置
【課題】 使用する洗浄水を少量にして乾燥を省略でき、しかも汚れの除去能力に優れるメダル清掃装置を提供する。
【解決手段】 下側ブラシ盤４の先方にメダルｍの上下面を払拭する吸水性の払拭ローラ１１を設け、洗浄水Ｗを貯水する貯水タンク１５を設け、貯水タンク１５の洗浄水Ｗを下側ブラシ盤４の上面にポンプ１５ｃで吐水するノズル１５ｂを設け、貯水タンク１５の洗浄水Ｗをメダルｍの非投入時にノズル１５ｂへ送り出すようにポンプ１５ｃを作動させる制御手段を設け、吐水した洗浄水Ｗを下側ブラシ盤４の遠心力で払拭ローラ１１の方向へ飛ばして払拭ローラ１１を湿らせてメダルｍを清掃できるようにした。
【解決手段】 下側ブラシ盤４の先方にメダルｍの上下面を払拭する吸水性の払拭ローラ１１を設け、洗浄水Ｗを貯水する貯水タンク１５を設け、貯水タンク１５の洗浄水Ｗを下側ブラシ盤４の上面にポンプ１５ｃで吐水するノズル１５ｂを設け、貯水タンク１５の洗浄水Ｗをメダルｍの非投入時にノズル１５ｂへ送り出すようにポンプ１５ｃを作動させる制御手段を設け、吐水した洗浄水Ｗを下側ブラシ盤４の遠心力で払拭ローラ１１の方向へ飛ばして払拭ローラ１１を湿らせてメダルｍを清掃できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、スロットマシン等の遊技に使用されるメダルの清掃装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、メダル洗浄研磨装置が特許文献１で開示されている。この技術は、図６に示すように、上下のブラシ盤２２間にメダルｍを洗浄水Ｗとともに送り込みながら相対回転させ、回転と遠心力によりメダルｍを洗浄研磨しながら円周方向へ移行させて排出する構造を特徴としている。図中、２１はメダル投入口、２３はモータ、２４はメダル排出口、２５は貯水タンク、２６は洗浄水Ｗを送り出すポンプである。
【０００３】
ところで、前記技術は洗浄水Ｗを多量に使用するから洗浄研磨後の乾燥に時間を要するとともに、一旦除去した汚れがブラシ盤２２からメダルｍに移り易く、汚れが付着したまま排出されてしまうことがあった。
【特許文献１】特開２００１−１１３０２５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、使用する洗浄水を少量にして乾燥を省略でき、しかも汚れの除去能力に優れるメダル清掃装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
１） 水平な回転盤の上面に多数のメダルを投入してメダル同士が重ならないように水平の姿勢にして送り出す整列装置を設け、回転盤の送り先に水平のメダルの上下面を払拭する吸水性の払拭ローラを設け、洗浄水を貯水する貯水タンクを設け、貯水タンクの洗浄水を回転盤の上面にポンプで吐水するノズルを設け、貯水タンクの洗浄水をメダルの非投入時にノズルへ送り出すようにポンプを作動させる制御手段を設け、吐水した洗浄水を回転盤の遠心力で払拭ローラの方向へ飛ばして払拭ローラを湿らせてメダルを清掃できるようにしたことを特徴とする、メダル清掃装置
２） 整列装置の回転盤が、２体の円盤を所定間隔おいて上下に配置し、上側の円盤の中央部にメダルを円盤間に投入するための開口を形成し、各円盤の対向する面にブラシ毛を植毛し、ブラシ毛でメダルの表面を研磨しながら送り出せるようにしたものである、前記１）記載のメダル清掃装置
３） 払拭ローラの下流位置にメダルの水滴を吸水する吸水ローラを設けた、前記１）又は２）記載のメダル清掃装置
４） 払拭ローラと吸水ローラを押圧して吸水した洗浄水を絞り出す絞りローラを設け、絞りローラから落下する洗浄水を貯水タンクに回収する回収路を設けた、前記３）記載のメダル清掃装置
にある。
【発明の効果】
【０００６】
本発明によれば、洗浄水を必要最低量にして払拭ローラへ給水し、湿らせた一対の払拭ローラでメダルを上下から押圧して摩擦と少量の洗浄水で油脂等の汚れを拭うように清掃して送り出す。したがって、従来のように多量の洗浄水を使用しないから乾燥を省略でき、除去された汚れは洗浄水を含んだ払拭ローラに吸着されてメダルに移り難く、従来技術と比較して清掃能力も高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
本発明では、払拭ローラ及び吸水ローラとしては、連続気泡を備えた発泡合成樹脂や吸水性の布材を巻き付けたものなど油脂等の拭き取り性に優れたものが用いられる。ポンプとしては、装置の作動直後は払拭ローラに洗浄水が行き渡るまで連続的に送り出し、且つ清掃開始後はメダルの非投入時で且つ必要に応じて間欠的に送り出すことができるようにしたものが用いられる。払拭ローラ及び吸水ローラには硬質の絞りローラを押し当てて吸水した洗浄水を絞り出し、絞りローラから落下する洗浄水を貯水タンクに回収する回収路を設けると、洗浄水を再利用して清掃途中の補水を省略でき、使用する洗浄水も少量に抑えることができる。洗浄水は水又は水に洗浄液を適量混合したものが用いられる。吸水ローラは上下一対を１組として搬送方向に沿って複数組設ければ、吸水がより確実に行える。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例１】
【０００８】
図１〜４に示す実施例１は、メダル研磨装置を組み合わせたメダル清掃装置の例である。図１は実施例１の洗浄水の吐水を示すメダル清掃装置の縦断面図、図２は実施例１のメダル清掃装置の分解斜視図、図３は実施例１の払拭ローラの斜視図、図４は実施例１のメダルの清掃を示すメダル清掃装置の縦断面図である。
【０００９】
図中、１はメダル清掃装置、２はメダル投入口、３は上側ブラシ盤、３ａはブラシ毛、３ｂは開口、４は下側ブラシ盤、４ａはブラシ毛、４ｂは軟質シート、５は筒体、５ａはメダル排出路、５ｂは排水孔、６はメダル搬送路、７はメダル排出口、８は回転軸、８ａは従動ローラ、９はモータ、９ａは駆動ローラ、１０は駆動ベルト、１１は払拭ローラ、１１ａはギヤ、１２は吸水ローラ、１２ａはギヤ、１３は絞りローラ、１３ａはギヤ、１３ｂは小ギヤ、１４はモータ、１４ａは駆動ギヤ、１４ｂは駆動チェーン、１５は貯水タンク、１５ａは給水管、１５ｂはノズル、１５ｃはポンプ、１５ｄ，１５ｅは回収路、ｍはメダル、Ｗは洗浄水である。
【００１０】
実施例１のメダル清掃装置１は、図１に示すように上部にすり鉢状のメダル投入口２を備え、メダル投入口２の下端に開口３ｂを形成した上側ブラシ盤３を固定し、上側ブラシ盤３の直下に下側ブラシ盤４を回転自在に配置し、上側ブラシ盤３と下側ブラシ盤４の周囲及び底部を覆う筒体５を設け、筒体５の底面中央部を穿孔して回転軸８と下側ブラシ盤４を接続し、回転軸８の従動ローラ８ａとモータ９の駆動ローラ９ａとの間に駆動ベルト１０を掛架している。軟質シート４ｂはメダルｍの滑りを防止するものである。
【００１１】
筒体５の側部にはメダル排出路５ａを形成するとともに排水孔５ｂを底面に開口し、メダル搬送路６の途中位置に上下一対の払拭ローラ１１と吸水ローラ１２を搬送方向に沿って設け、払拭ローラ１１と吸水ローラ１２の下方に絞りローラ１３を押し当てた状態に設け、貯水タンク１５に洗浄水Ｗを貯水し、給水管１５ａを垂直に配管してノズル１５ｂをメダル投入口２に設け、貯水タンク１５の洗浄水Ｗを給水管１５ａへ送り出すポンプ１５ｃを取り付け、絞りローラ１３から落下する洗浄水Ｗと筒体５の排水孔５ｂから排水された洗浄水Ｗを貯水タンク１５に回収する回収路１５ｄ，１５ｅを設け、貯水タンク１５の洗浄水Ｗをメダルｍの非投入時にノズル１５ｂから吐水するようにポンプ１５ｃを作動させる図示しないコントローラ（制御手段）を設けている。
【００１２】
払拭ローラ１１と吸水ローラ１２と絞りローラ１３の軸端にはギヤ１１ａ，１２ａ，１３ａと小ギヤ１３ｂを取り付けるとともにギヤ１１ａ，１２ａ，１３ａ同士を歯合し、小ギヤ１３ｂとモータ１４の駆動ギヤ１４ａとの間に駆動チェーン１４ｂを掛架している。払拭ローラ１１と吸水ローラ１２は連続気泡を備えたスポンジで構成し、絞りローラ１３は硬質のプラスチックで構成し、洗浄水Ｗは水を使用している。なお、吸水ローラ１２はメダル搬送路６に沿って複数組設けてもよい。
【００１３】
実施例１では、図１に示すようにモータ９，１４を作動させて下側ブラシ盤４と払拭ローラ１１と吸水ローラ１２と絞りローラ１３を回転させ、貯水タンク１５の洗浄水Ｗを給水管１５ａを通じてポンプ１５ｃで送り出し、ノズル１５ｂからメダル投入口２を通じて下側ブラシ盤４の上面に少量を吐水する。洗浄水Ｗは下側ブラシ盤４の回転による遠心力でメダル排出路５ａ側へ飛び、その先の払拭ローラ１１を適度に湿らせる。余剰の洗浄水Ｗは筒体５の底面に落下して排水孔５ｂから回収路１５ｅを通じて貯水タンク１５に回収される。なお、上下の払拭ローラ１１のローラ面が湿るまである程度時間を要するから、清掃開始まで１分ほど連続的に吐水して空運転し、清掃開始後はメダルｍの非投入時に（１回／時間を１分間）吐水するように切り替える。
【００１４】
図４に示すように、汚れたメダルｍをメダル投入口２へ投入すると、下側ブラシ盤４の回転によりメダルｍがブラシ毛３ａ，４ａで研磨されながら円周方向へ移行し、メダル排出路５ａから払拭ローラ１１方向へ排出される。研磨された汚れは下側ブラシ盤４や筒体５の底部に溜まる。このブラシ毛３ａ，４ａによる研磨は大きなゴミ・汚れは除去されるが、メダルｍの表面に付着している油脂や微細なゴミは除去が不十分なことがある。しかし、その後払拭ローラ１１が搬送された研磨済みのメダルｍを上下から押圧して摩擦と少量の洗浄水Ｗで研磨後の表面に残っている油脂や微細なゴミを拭うように確実に清掃し、さらに吸水ローラ１２で未だ付着している水滴を吸水し、メダル排出口７から排出される。
【００１５】
排出されたメダルｍの表面に洗浄水Ｗはほとんど残っておらず、その後は特に乾燥させることなく直に遊技機へ搬送できる。わずかに湿っている場合でも搬送中に早期に乾燥するから支障はない。除去された汚れは洗浄水Ｗを含んだ払拭ローラ１１に吸着され、メダルｍに付着することはない。吸水された洗浄水Ｗは絞りローラ１３で絞り出され、回収路１５ｄで貯水タンク１５に回収されて再利用される。
【実施例２】
【００１６】
図５に示す実施例２は、メダル整列装置を組み合わせたメダル清掃装置の例である。図５は実施例２のメダルの整列を示すメダル清掃装置の縦断面図である。図中、１６は回転盤である。実施例２のメダル清掃装置１は、図５に示すようにメダル投入口２からランダムに投入された多数のメダルｍをメダルｍ同士が重ならないように水平の姿勢にしてメダル排出路５ａへ送り出す回転盤１６を設けている。メダル排出路５ａはメダルｍを複列に搬送できるように仕切り（図示せず）を設けてもよい。
【００１７】
実施例２では、ノズル１５ｂから回転盤１６の上面に少量の洗浄水Ｗを吐水する。洗浄水Ｗは回転盤１６の回転による遠心力でメダル排出路５ａ側へ飛び、その先の払拭ローラ１１を適度に湿らせる。図５に示すように、投入されたメダルｍは回転盤１６で水平の姿勢にしてメダル排出路５ａに送り出され、その後払拭ローラ１１で整列されたメダルｍを上下から押圧して摩擦と少量の洗浄水Ｗで表面の油脂や微細なゴミを拭うように清掃し、さらに吸水ローラ１２で未だ付着している水滴を吸水し、メダル排出口７から排出される。その他、符号、構成、作用効果は実施例１と同じである。
【産業上の利用可能性】
【００１８】
本発明のメダル清掃装置は、スロットマシン等の遊技に使用されるメダル又はそれに類似する形状の物品の清掃に利用される。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】実施例１の洗浄水の吐水を示すメダル清掃装置の縦断面図である。
【図２】実施例１のメダル清掃装置の分解斜視図である。
【図３】実施例１の払拭ローラの斜視図である。
【図４】実施例１のメダルの清掃を示すメダル清掃装置の縦断面図である。
【図５】実施例２のメダルの整列を示すメダル清掃装置の縦断面図である。
【図６】従来のメダル洗浄研磨装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【００２０】
１ メダル清掃装置
２ メダル投入口
３ 上側ブラシ盤
３ａ ブラシ毛
３ｂ 開口
４ 下側ブラシ盤
４ａ ブラシ毛
４ｂ 軟質シート
５ 筒体
５ａ メダル排出路
５ｂ 排水孔
６ メダル搬送路
７ メダル排出口
８ 回転軸
８ａ 従動ローラ
９ モータ
９ａ 駆動ローラ
１０ 駆動ベルト
１１ 払拭ローラ
１１ａ ギヤ
１２ 吸水ローラ
１２ａ ギヤ
１３ 絞りローラ
１３ａ ギヤ
１３ｂ 小ギヤ
１４ モータ
１４ａ 駆動ギヤ
１４ｂ 駆動チェーン
１５ 貯水タンク
１５ａ 給水管
１５ｂ ノズル
１５ｃ ポンプ
１５ｄ，１５ｅ 回収路
１６ 回転盤
２１ メダル投入口
２２ ブラシ盤
２３ モータ
２４ メダル排出口
２５ 貯水タンク
２６ ポンプ
ｍ メダル
Ｗ 洗浄水
【技術分野】
【０００１】
本発明は、スロットマシン等の遊技に使用されるメダルの清掃装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、メダル洗浄研磨装置が特許文献１で開示されている。この技術は、図６に示すように、上下のブラシ盤２２間にメダルｍを洗浄水Ｗとともに送り込みながら相対回転させ、回転と遠心力によりメダルｍを洗浄研磨しながら円周方向へ移行させて排出する構造を特徴としている。図中、２１はメダル投入口、２３はモータ、２４はメダル排出口、２５は貯水タンク、２６は洗浄水Ｗを送り出すポンプである。
【０００３】
ところで、前記技術は洗浄水Ｗを多量に使用するから洗浄研磨後の乾燥に時間を要するとともに、一旦除去した汚れがブラシ盤２２からメダルｍに移り易く、汚れが付着したまま排出されてしまうことがあった。
【特許文献１】特開２００１−１１３０２５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、使用する洗浄水を少量にして乾燥を省略でき、しかも汚れの除去能力に優れるメダル清掃装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
１） 水平な回転盤の上面に多数のメダルを投入してメダル同士が重ならないように水平の姿勢にして送り出す整列装置を設け、回転盤の送り先に水平のメダルの上下面を払拭する吸水性の払拭ローラを設け、洗浄水を貯水する貯水タンクを設け、貯水タンクの洗浄水を回転盤の上面にポンプで吐水するノズルを設け、貯水タンクの洗浄水をメダルの非投入時にノズルへ送り出すようにポンプを作動させる制御手段を設け、吐水した洗浄水を回転盤の遠心力で払拭ローラの方向へ飛ばして払拭ローラを湿らせてメダルを清掃できるようにしたことを特徴とする、メダル清掃装置
２） 整列装置の回転盤が、２体の円盤を所定間隔おいて上下に配置し、上側の円盤の中央部にメダルを円盤間に投入するための開口を形成し、各円盤の対向する面にブラシ毛を植毛し、ブラシ毛でメダルの表面を研磨しながら送り出せるようにしたものである、前記１）記載のメダル清掃装置
３） 払拭ローラの下流位置にメダルの水滴を吸水する吸水ローラを設けた、前記１）又は２）記載のメダル清掃装置
４） 払拭ローラと吸水ローラを押圧して吸水した洗浄水を絞り出す絞りローラを設け、絞りローラから落下する洗浄水を貯水タンクに回収する回収路を設けた、前記３）記載のメダル清掃装置
にある。
【発明の効果】
【０００６】
本発明によれば、洗浄水を必要最低量にして払拭ローラへ給水し、湿らせた一対の払拭ローラでメダルを上下から押圧して摩擦と少量の洗浄水で油脂等の汚れを拭うように清掃して送り出す。したがって、従来のように多量の洗浄水を使用しないから乾燥を省略でき、除去された汚れは洗浄水を含んだ払拭ローラに吸着されてメダルに移り難く、従来技術と比較して清掃能力も高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
本発明では、払拭ローラ及び吸水ローラとしては、連続気泡を備えた発泡合成樹脂や吸水性の布材を巻き付けたものなど油脂等の拭き取り性に優れたものが用いられる。ポンプとしては、装置の作動直後は払拭ローラに洗浄水が行き渡るまで連続的に送り出し、且つ清掃開始後はメダルの非投入時で且つ必要に応じて間欠的に送り出すことができるようにしたものが用いられる。払拭ローラ及び吸水ローラには硬質の絞りローラを押し当てて吸水した洗浄水を絞り出し、絞りローラから落下する洗浄水を貯水タンクに回収する回収路を設けると、洗浄水を再利用して清掃途中の補水を省略でき、使用する洗浄水も少量に抑えることができる。洗浄水は水又は水に洗浄液を適量混合したものが用いられる。吸水ローラは上下一対を１組として搬送方向に沿って複数組設ければ、吸水がより確実に行える。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例１】
【０００８】
図１〜４に示す実施例１は、メダル研磨装置を組み合わせたメダル清掃装置の例である。図１は実施例１の洗浄水の吐水を示すメダル清掃装置の縦断面図、図２は実施例１のメダル清掃装置の分解斜視図、図３は実施例１の払拭ローラの斜視図、図４は実施例１のメダルの清掃を示すメダル清掃装置の縦断面図である。
【０００９】
図中、１はメダル清掃装置、２はメダル投入口、３は上側ブラシ盤、３ａはブラシ毛、３ｂは開口、４は下側ブラシ盤、４ａはブラシ毛、４ｂは軟質シート、５は筒体、５ａはメダル排出路、５ｂは排水孔、６はメダル搬送路、７はメダル排出口、８は回転軸、８ａは従動ローラ、９はモータ、９ａは駆動ローラ、１０は駆動ベルト、１１は払拭ローラ、１１ａはギヤ、１２は吸水ローラ、１２ａはギヤ、１３は絞りローラ、１３ａはギヤ、１３ｂは小ギヤ、１４はモータ、１４ａは駆動ギヤ、１４ｂは駆動チェーン、１５は貯水タンク、１５ａは給水管、１５ｂはノズル、１５ｃはポンプ、１５ｄ，１５ｅは回収路、ｍはメダル、Ｗは洗浄水である。
【００１０】
実施例１のメダル清掃装置１は、図１に示すように上部にすり鉢状のメダル投入口２を備え、メダル投入口２の下端に開口３ｂを形成した上側ブラシ盤３を固定し、上側ブラシ盤３の直下に下側ブラシ盤４を回転自在に配置し、上側ブラシ盤３と下側ブラシ盤４の周囲及び底部を覆う筒体５を設け、筒体５の底面中央部を穿孔して回転軸８と下側ブラシ盤４を接続し、回転軸８の従動ローラ８ａとモータ９の駆動ローラ９ａとの間に駆動ベルト１０を掛架している。軟質シート４ｂはメダルｍの滑りを防止するものである。
【００１１】
筒体５の側部にはメダル排出路５ａを形成するとともに排水孔５ｂを底面に開口し、メダル搬送路６の途中位置に上下一対の払拭ローラ１１と吸水ローラ１２を搬送方向に沿って設け、払拭ローラ１１と吸水ローラ１２の下方に絞りローラ１３を押し当てた状態に設け、貯水タンク１５に洗浄水Ｗを貯水し、給水管１５ａを垂直に配管してノズル１５ｂをメダル投入口２に設け、貯水タンク１５の洗浄水Ｗを給水管１５ａへ送り出すポンプ１５ｃを取り付け、絞りローラ１３から落下する洗浄水Ｗと筒体５の排水孔５ｂから排水された洗浄水Ｗを貯水タンク１５に回収する回収路１５ｄ，１５ｅを設け、貯水タンク１５の洗浄水Ｗをメダルｍの非投入時にノズル１５ｂから吐水するようにポンプ１５ｃを作動させる図示しないコントローラ（制御手段）を設けている。
【００１２】
払拭ローラ１１と吸水ローラ１２と絞りローラ１３の軸端にはギヤ１１ａ，１２ａ，１３ａと小ギヤ１３ｂを取り付けるとともにギヤ１１ａ，１２ａ，１３ａ同士を歯合し、小ギヤ１３ｂとモータ１４の駆動ギヤ１４ａとの間に駆動チェーン１４ｂを掛架している。払拭ローラ１１と吸水ローラ１２は連続気泡を備えたスポンジで構成し、絞りローラ１３は硬質のプラスチックで構成し、洗浄水Ｗは水を使用している。なお、吸水ローラ１２はメダル搬送路６に沿って複数組設けてもよい。
【００１３】
実施例１では、図１に示すようにモータ９，１４を作動させて下側ブラシ盤４と払拭ローラ１１と吸水ローラ１２と絞りローラ１３を回転させ、貯水タンク１５の洗浄水Ｗを給水管１５ａを通じてポンプ１５ｃで送り出し、ノズル１５ｂからメダル投入口２を通じて下側ブラシ盤４の上面に少量を吐水する。洗浄水Ｗは下側ブラシ盤４の回転による遠心力でメダル排出路５ａ側へ飛び、その先の払拭ローラ１１を適度に湿らせる。余剰の洗浄水Ｗは筒体５の底面に落下して排水孔５ｂから回収路１５ｅを通じて貯水タンク１５に回収される。なお、上下の払拭ローラ１１のローラ面が湿るまである程度時間を要するから、清掃開始まで１分ほど連続的に吐水して空運転し、清掃開始後はメダルｍの非投入時に（１回／時間を１分間）吐水するように切り替える。
【００１４】
図４に示すように、汚れたメダルｍをメダル投入口２へ投入すると、下側ブラシ盤４の回転によりメダルｍがブラシ毛３ａ，４ａで研磨されながら円周方向へ移行し、メダル排出路５ａから払拭ローラ１１方向へ排出される。研磨された汚れは下側ブラシ盤４や筒体５の底部に溜まる。このブラシ毛３ａ，４ａによる研磨は大きなゴミ・汚れは除去されるが、メダルｍの表面に付着している油脂や微細なゴミは除去が不十分なことがある。しかし、その後払拭ローラ１１が搬送された研磨済みのメダルｍを上下から押圧して摩擦と少量の洗浄水Ｗで研磨後の表面に残っている油脂や微細なゴミを拭うように確実に清掃し、さらに吸水ローラ１２で未だ付着している水滴を吸水し、メダル排出口７から排出される。
【００１５】
排出されたメダルｍの表面に洗浄水Ｗはほとんど残っておらず、その後は特に乾燥させることなく直に遊技機へ搬送できる。わずかに湿っている場合でも搬送中に早期に乾燥するから支障はない。除去された汚れは洗浄水Ｗを含んだ払拭ローラ１１に吸着され、メダルｍに付着することはない。吸水された洗浄水Ｗは絞りローラ１３で絞り出され、回収路１５ｄで貯水タンク１５に回収されて再利用される。
【実施例２】
【００１６】
図５に示す実施例２は、メダル整列装置を組み合わせたメダル清掃装置の例である。図５は実施例２のメダルの整列を示すメダル清掃装置の縦断面図である。図中、１６は回転盤である。実施例２のメダル清掃装置１は、図５に示すようにメダル投入口２からランダムに投入された多数のメダルｍをメダルｍ同士が重ならないように水平の姿勢にしてメダル排出路５ａへ送り出す回転盤１６を設けている。メダル排出路５ａはメダルｍを複列に搬送できるように仕切り（図示せず）を設けてもよい。
【００１７】
実施例２では、ノズル１５ｂから回転盤１６の上面に少量の洗浄水Ｗを吐水する。洗浄水Ｗは回転盤１６の回転による遠心力でメダル排出路５ａ側へ飛び、その先の払拭ローラ１１を適度に湿らせる。図５に示すように、投入されたメダルｍは回転盤１６で水平の姿勢にしてメダル排出路５ａに送り出され、その後払拭ローラ１１で整列されたメダルｍを上下から押圧して摩擦と少量の洗浄水Ｗで表面の油脂や微細なゴミを拭うように清掃し、さらに吸水ローラ１２で未だ付着している水滴を吸水し、メダル排出口７から排出される。その他、符号、構成、作用効果は実施例１と同じである。
【産業上の利用可能性】
【００１８】
本発明のメダル清掃装置は、スロットマシン等の遊技に使用されるメダル又はそれに類似する形状の物品の清掃に利用される。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】実施例１の洗浄水の吐水を示すメダル清掃装置の縦断面図である。
【図２】実施例１のメダル清掃装置の分解斜視図である。
【図３】実施例１の払拭ローラの斜視図である。
【図４】実施例１のメダルの清掃を示すメダル清掃装置の縦断面図である。
【図５】実施例２のメダルの整列を示すメダル清掃装置の縦断面図である。
【図６】従来のメダル洗浄研磨装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【００２０】
１ メダル清掃装置
２ メダル投入口
３ 上側ブラシ盤
３ａ ブラシ毛
３ｂ 開口
４ 下側ブラシ盤
４ａ ブラシ毛
４ｂ 軟質シート
５ 筒体
５ａ メダル排出路
５ｂ 排水孔
６ メダル搬送路
７ メダル排出口
８ 回転軸
８ａ 従動ローラ
９ モータ
９ａ 駆動ローラ
１０ 駆動ベルト
１１ 払拭ローラ
１１ａ ギヤ
１２ 吸水ローラ
１２ａ ギヤ
１３ 絞りローラ
１３ａ ギヤ
１３ｂ 小ギヤ
１４ モータ
１４ａ 駆動ギヤ
１４ｂ 駆動チェーン
１５ 貯水タンク
１５ａ 給水管
１５ｂ ノズル
１５ｃ ポンプ
１５ｄ，１５ｅ 回収路
１６ 回転盤
２１ メダル投入口
２２ ブラシ盤
２３ モータ
２４ メダル排出口
２５ 貯水タンク
２６ ポンプ
ｍ メダル
Ｗ 洗浄水
【特許請求の範囲】
【請求項１】
水平な回転盤の上面に多数のメダルを投入してメダル同士が重ならないように水平の姿勢にして送り出す整列装置を設け、回転盤の送り先に水平のメダルの上下面を払拭する吸水性の払拭ローラを設け、洗浄水を貯水する貯水タンクを設け、貯水タンクの洗浄水を回転盤の上面にポンプで吐水するノズルを設け、貯水タンクの洗浄水をメダルの非投入時にノズルへ送り出すようにポンプを作動させる制御手段を設け、吐水した洗浄水を回転盤の遠心力で払拭ローラの方向へ飛ばして払拭ローラを湿らせてメダルを清掃できるようにしたことを特徴とする、メダル清掃装置。
【請求項２】
整列装置の回転盤が、２体の円盤を所定間隔おいて上下に配置し、上側の円盤の中央部にメダルを円盤間に投入するための開口を形成し、各円盤の対向する面にブラシ毛を植毛し、ブラシ毛でメダルの表面を研磨しながら送り出せるようにしたものである、請求項１記載のメダル清掃装置。
【請求項３】
払拭ローラの下流位置にメダルの水滴を吸水する吸水ローラを設けた、請求項１又は２記載のメダル清掃装置。
【請求項４】
払拭ローラと吸水ローラを押圧して吸水した洗浄水を絞り出す絞りローラを設け、絞りローラから落下する洗浄水を貯水タンクに回収する回収路を設けた、請求項３記載のメダル清掃装置。
【請求項１】
水平な回転盤の上面に多数のメダルを投入してメダル同士が重ならないように水平の姿勢にして送り出す整列装置を設け、回転盤の送り先に水平のメダルの上下面を払拭する吸水性の払拭ローラを設け、洗浄水を貯水する貯水タンクを設け、貯水タンクの洗浄水を回転盤の上面にポンプで吐水するノズルを設け、貯水タンクの洗浄水をメダルの非投入時にノズルへ送り出すようにポンプを作動させる制御手段を設け、吐水した洗浄水を回転盤の遠心力で払拭ローラの方向へ飛ばして払拭ローラを湿らせてメダルを清掃できるようにしたことを特徴とする、メダル清掃装置。
【請求項２】
整列装置の回転盤が、２体の円盤を所定間隔おいて上下に配置し、上側の円盤の中央部にメダルを円盤間に投入するための開口を形成し、各円盤の対向する面にブラシ毛を植毛し、ブラシ毛でメダルの表面を研磨しながら送り出せるようにしたものである、請求項１記載のメダル清掃装置。
【請求項３】
払拭ローラの下流位置にメダルの水滴を吸水する吸水ローラを設けた、請求項１又は２記載のメダル清掃装置。
【請求項４】
払拭ローラと吸水ローラを押圧して吸水した洗浄水を絞り出す絞りローラを設け、絞りローラから落下する洗浄水を貯水タンクに回収する回収路を設けた、請求項３記載のメダル清掃装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００７−３３０６４９（Ｐ２００７−３３０６４９Ａ）
【公開日】平成１９年１２月２７日（２００７．１２．２７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１６８３７１（Ｐ２００６−１６８３７１）
【出願日】平成１８年６月１９日（２００６．６．１９）
【出願人】（０００１０８２４７）株式会社ジェッター (42)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１２月２７日（２００７．１２．２７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年６月１９日（２００６．６．１９）
【出願人】（０００１０８２４７）株式会社ジェッター (42)
【Ｆターム（参考）】
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