説明

メッキ処理装置

【課題】適切な成膜処理が出来るメッキ処理装置を提供する。
【解決手段】基板(7)に浸漬させるメッキ液を貯留するメッキ処理槽(12)と、基板(1)を水平面内に回転可能に保持する基板保持部(11)とを具備するメッキ処理装置(1)を構成する。ここで、メッキ処理槽(12)は、メッキ処理槽内部に構成されたアノード電極(15)を含むものとする。また、基板保持部(11)は、基板(7)に接触して電圧を印加するカソード電極を含むものとする。
そのメッキ処理装置(1)は、メッキ処理槽(12)から、第1排出部を介して排出されるメッキ液を、メッキ処理槽に循環させるメッキ液循環流路(8)と、アノード電極(15)上を流れ、第2排出部を介して排出されるメッキ液を、メッキ液循環流路(8)に提供する第2流路(14)と、メッキ液循環流路(8)と第2流路(14)との間に設けられ、第2流路(14)からのメッキ液の流量を制御する流量制御バルブ(6)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置のメッキ工程に使用するメッキ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウェハ等に銅層等のメッキ層を形成するメッキ処理装置として、メッキ液槽の上部にメッキ処理対象の基板(以下、被処理基板と呼ぶ)を配置する方式(以下、フェイスダウン方式と呼ぶ)を採用しているメッキ処理装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。フェイスダウン方式では、上底部にアノ−ド電極を配設したメッキ液槽を備えている。そのメッキ液槽内にメッキ液を満たしている。また、被処理基板は、その被処理基板にメッキ処理を実行する面(以下、処理面と呼ぶ。)が、そのメッキ液の液面に向かい合うように配置されている。フェイスダウン方式では、この状態でウェハとアノ−ドとの間に電圧を印加することによってメッキ処理を実行している。このメッキ処理方法は、メッキ処理装置を小型化できる等の利点があり、広く用いられつつある。
【0003】
以下に、従来のメッキ処理装置に関して説明を行う。図1は、従来のメッキ処理装置101の構成を示す図である。図1は、メッキ処理装置101の構成を、断面を用いて示している。図1を参照すると、従来のメッキ処理装置101は、メッキ処理チャンバー102と、タンク103と、ポンプ104と、定電流電源105とを含んで構成されている。タンク103は、メッキ処理チャンバー102から流れ出るメッキ液をメッキ処理チャンバー102に保持している。ポンプ104は、タンク103に保持されているメッキ液を、メッキ処理チャンバー102に循環させている。定電流電源105は、後述するウェハホルダー111とアノードコンタクトプレート119とに、直流電流を供給している。
【0004】
また、図1を参照すると、そのメッキ処理チャンバー102は、ウェハ107を保持するウェハホルダー111と、メッキ液を保持するメッキ処理チャンバー内槽112とを含んで構成されている。また、メッキ処理チャンバー102は、循環ドレイン113を備えている。その循環ドレイン113は、アノードチャンバードレインノズル114を介してメッキ処理チャンバー内槽112に接続されている。さらにメッキ処理チャンバー内槽112は、アノードコンタクトプレート119と、アノード115と、メンバレン117と、ディフューザプレート118とを含んで構成されている。また、メッキ処理チャンバー内槽112は、アノード115とメンバレン117間でアノードチャンバー121を構成している。同様に、メンバレン117より上部でメンバレンディフューザプレートチャンバー122を構成している。
【0005】
アノードコンタクトプレート119は、定電流電源105から出力される電流を、アノード115に供給している。アノード115は、アノードコンタクトプレート119を介して供給される電流に対応して、下部電極として作用している。メンバレン117は、メッキ液中の添加剤分解生成物をフィルタリングしている。ディフューザプレート118は、被処理ウェハ107へのメッキ液の流れが均等になるように、メッキ液を供給している。
【0006】
またメッキ液供給経路として、アノードコンタクトプレート119、アノード115、メンバレン117を貫通しているメッキ液供給ノズル116が構成されている。図1を参照すると、メンバレンディフューザプレートチャンバー122内に供給されたメッキ液は、ディフューザプレート118を通過し、循環ドレイン113から排出されている。また、アノードチャンバー121内に供給されたメッキ液はアノードチャンバー121に設けられたアノードチャンバードレインノズル114を介して循環ドレイン113から排出されている。
【0007】
ここにおいて、従来のメッキ処理チャンバー102では、ウェハホルダー111にセットされた被処理ウェハ107に対しメッキ処理を実行する場合、メッキ液をメッキ液供給ノズル116から6l/min供給している。またその時に、アノード115に対し、1〜10Aの電流を約2〜5分間供給していた。
【0008】
上記特許文献1(特開2001−316887号公報)には、上述のフェイスダウン方式によって、シリコンウェハ等の被処理基板上に銅層等のメッキ層を形成するメッキ処理装置についての技術が開示されている。また、特許文献2(米国特許6890416号公報)には特許文献1と異なるメッキ処理装置に関する技術が開示されている。特許文献2には、メッキ処理装置にポンプを備え、そのポンプの回転数やストロークを増やしてアノードチャンバー/メンバレン・ディフューザプレートチャンバー/ウェハ表面の全体に流れるメッキ液の流量を制御する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2001−316887号公報
【特許文献2】米国特許6890416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ウェハ107に銅をメッキして膜厚の厚いCu膜を形成する場合、上述のように、10A程度の電流を長時間流す必要がある。このとき、アノード115の上のCu濃度が高くなってしまうことがある。この状態のときに、アノード115上に流れるメッキ液の流量が少ないと、アノード115上に硫酸銅の結晶が出来てしまうことがある。硫酸銅の結晶が出来てしまった場合、その結晶は、電気抵抗となってしまう。そのため、10A程度の電流を長時間維持することが困難になり、適切な成膜処理が出来なくなることがあった。
【0011】
膜厚の厚いCu膜を形成する場合において、供給メッキ液の量を増やすことによって、アノード115上に流れるメッキ液の流量を増やしていた。上述のように、膜厚を厚くしてメッキする場合は、アノード115上に流れる流量を増やす必要がある(アノード上のCu析出防止の為)。このとき、供給メッキ液の量が増加していると、メンバレン117表面に流れるメッキ液の量が増えてしまう。そのため、被処理ウェハ107の表面を流れるメッキ液速度が速くなる。それによってウェハ107面内膜厚を均一にメッキすることが困難になってしまうことがある。また、メッキ液の増加に伴って、メッキ液に含まれる各種成分の消費量が多くなり、コストが増加してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
上記課題を解決するために、基板(7)に浸漬させるメッキ液を貯留するメッキ処理槽(12)と、前記メッキ処理槽(12)の上層に構成され、前記基板(1)を水平面内に回転可能に保持する基板保持部(11)とを具備するメッキ処理装置(1)を構成する。ここで、前記メッキ処理槽(12)は、前記メッキ処理槽内部に構成されたアノード電極(15)を含むものとする。また、前記基板保持部(11)は、前記基板(7)に接触して電圧を印加するカソード電極を含むものとする。
ここにおいて、そのメッキ処理装置(1)は、前記メッキ処理槽(12)から、第1排出部を介して排出される前記メッキ液を、前記メッキ処理槽に循環させるメッキ液循環流路(8)と、前記メッキ液循環流路(8)から提供される前記メッキ液を前記メッキ処理槽内部に供給する供給路(16)と、前記アノード電極(15)上を流れ、第2排出部を介して排出される前記メッキ液を、前記メッキ液循環流路(8)に提供する第2流路(14)と、前記メッキ液循環流路(8)と前記第2流路(14)との間に設けられ、前記第2流路(14)から前記メッキ液循環流路(8)に提供される前記メッキ液の流量を制御する流量制御バルブ(6)とを具備する。
【0014】
このとき、流量制御バルブ(6)は、アノード電極(15)に硫酸銅の結晶が析出しない程度の流量となるように、第2流路(14)を流れるメッキ液の量を制御する。また、流量制御バルブ(6)は、基板(7)の表面を流れるメッキ液の流速が増大しないように、そのバルブの開度を調整する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、供給メッキ液の量を変えずに、アノ-ドチャンバ-に流れる流量のみを最適に制御できるという効果がある。つまり、本発明によれば、ウェハ表面に流れるメッキ液の流量を一定に保ちながら、アノードチャンバーに流れる流量を可変とし、薄膜から厚膜まで可変的にメッキ処理することが可能となる。
【0016】
また、本発明のよると、膜厚を薄くしてメッキする場合は、膜厚を厚くしてメッキする場合の成膜処理に比べ、アノード上に流れるメッキ液の流量を減らすことができる。メッキ液の流量を低減することによって、添加剤消費量を抑え、コスト増加を抑えることが可能となる。
【0017】
また、従来は、増加した電気抵抗に見合った電流を確保するために、定電流電源を高電圧対応のパワ−サプライで構成することによって、従来の問題に対応することが行われていた。本発明のよると、定電流電源を高電圧対応のパワ−サプライで構成することなくメッキ処理を実行することが可能になる。これによって、設備にかかるコストを増加させることなく適切なメッキ処理を実行することが可能となる。
【0018】
また、特許文献2の技術では、ポンプでメッキ液の流量を増やすことによって、アノード上にCu結晶が析出することを抑制することが可能となる。しかしながら、被処理ウェハの表面を流れる薬液速度が速くなって、ウェハ面内の膜厚の均一性が悪化してしまうことがある。本発明によると、ウェハ表面のメッキ液の流速が増加することを抑制し、ウェハ面内の膜厚を均一にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[第1の実施形態]
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明を行う。以下に述べる実施形態では、本願発明を適用したメッキ処理装置1が、シリコンウェハに銅をメッキしてCu膜を形成する装置である場合を例示して説明を行う。なお、これは、本願発明がCu膜を形成するメッキ処理のみに適用可能であることを意味するものではない。図2は、本発明のメッキ処理装置1における第1の実施形態の構成を例示する断面図である。図1を参照すると、第1の実施形態のメッキ処理装置1は、メッキ処理チャンバー2と、タンク3と、ポンプ4と、定電流電源5と、流量制御バルブ6とを含んで構成されている。
【0020】
メッキ処理チャンバー2は、ウェハ7に対してメッキ処理を実行する処理槽である。メッキ処理チャンバー2は、ウェハ7にメッキ処理するためのメッキ液を貯留している。また、タンク3は、メッキ処理チャンバー2から排出されるメッキ液を保持している。ポンプ4は、タンク3に保持されているメッキ液をメッキ処理チャンバー2に供給している。これによって、メッキ処理チャンバー2から排出されるメッキ液は、メッキ処理チャンバー2に戻ることとなり、循環的にメッキ液を供給することが可能となる。定電流電源5は、メッキ処理チャンバー2によるメッキ処理を行うために必要な電力を提供している。流量制御バルブ6は、ウェハ表面に流れるメッキ液の流量を一定に保ちながら、アノードチャンバーに流れるメッキ液の流量を制御している。
【0021】
図2を参照すると、メッキ処理チャンバー2は、メッキ処理チャンバー内槽12を含んで構成されている。また、メッキ処理チャンバー2は循環ドレイン13を備えている。ウェハホルダー11は、ウェハ7を保持している。図2に示されているように、ウェハホルダー11は、メッキ処理対象の面を下にするように配置されたウェハ7に接触している。ウェハホルダー11は、ウェハ7を回転可能に保持している。また、ウェハホルダー11は、第1ノードN1を介して定電流電源5に接続されている。
【0022】
メッキ処理チャンバー内槽12の内部にはアノード15が、構成されている。図2に示されているように、アノード15は、メッキ処理チャンバー内槽12の外部に備えられたアノードコンタクトプレート19に接続されている。アノードコンタクトプレート19は、第2ノードN2を介して定電流電源5に接続されている。したがって、アノード15は、アノードコンタクトプレート19を介して供給される電流に対応してアノード電極(下部電極)として作用している。
【0023】
循環ドレイン13は、メッキ処理チャンバー2に構成され、メッキ処理チャンバー内槽12から流れ出るメッキ液を循環させるための流路である。図2に示されているように、本実施形態のメッキ処理装置1は、その循環ドレイン13と、タンク3とポンプ4とで、メッキ液循環流路8(第1流路)を構成している。
【0024】
また、上述のメッキ処理チャンバー内槽12は、アノードチャンバードレインノズル14と、メッキ液供給ノズル16と、メンバレン17と、ディフューザプレート18とを含んで構成されている。アノードチャンバードレインノズル14は、アノードチャンバー21のメッキ液を排出するための排出口である。図1に示されているように、本実施形態のアノードチャンバードレインノズル14は、流量制御バルブ6に接続されている。メンバレン17は、メッキ液中の添加剤分解生成物をフィルタリングしている。ディフューザプレート18は、被処理ウェハ107へのメッキ液の流れが均等になるように、メッキ液を供給している。
【0025】
メッキ液供給ノズル16は、本実施形態のメッキ処理装置1におけるメッキ液供給経路である、メッキ液供給ノズル16は、アノードコンタクトプレート19、アノード15、及び、メンバレン17を貫通している。図2に示されているように、メンバレンディフューザプレートチャンバー22の内部に供給されたメッキ液は、ディフューザプレート18を通過し、循環ドレイン13から排出されている。また、アノードチャンバー21内に供給されたメッキ液はアノードチャンバー21に設けられたアノードチャンバードレインノズル14から、流量制御バルブ6を介して循環ドレイン13に供給されている。
【0026】
上述のように、Cu膜などを形成するためのメッキ処理において、そのCu膜を適切に形成するためには、メンバレンディフューザプレートチャンバー22に流れるメッキ液の量を絞ることが要求されている。本実施形態のメッキ処理装置1では、このときにアノード15に硫酸銅などの結晶ができてしまうことを防止するため、アノードチャンバードレインノズル14の穴径を大きくすることによって、アノードチャンバードレインノズル14に流れるメッキ液の量を十分に確保している。つまり、アノードチャンバードレインノズル14の穴径を大きくすることで、流体にかかる抵抗を減らし、アノードチャンバードレインノズル14に十分な量のメッキ液が流れるようにしている。
【0027】
ここにおいて、本実施形態の流量制御バルブ6は、アノードチャンバードレインノズル14の流量を60ml〜100ml/minとなるようにバルブの開度を制御する。なお、Cu膜などを形成するためのメッキ処理において、この流量を60ml〜100ml/minにすることで、良い結果が得られることが実験により判明している。つまり、流量制御バルブ6が、アノードチャンバードレインノズル14の流量を60ml〜100ml/minに制御することで、Cu膜メッキ処理におけるアノード15上のCu濃度が高濃度になることが抑制されている。本実施形態のメッキ処理装置1は、流量制御バルブ6によってメッキ液の流量を制御することによって、アノード15上に硫酸銅の結晶が形成されることを抑制し、アノード15における電気抵抗が増加することを防止している。
【0028】
また、流量制御バルブ6は、ウェハ7の表面に流れるメッキ液の流量を一定に保ちながら、アノードチャンバー21に流れるメッキ液の流量を可変としている。これによって、アノード15上のメッキ液の滞留を無くしている。そのため、形成するCu膜の膜厚が比較的厚い場合には、アノード15上での硫酸銅の析出が抑えられ、適切なCu膜を形成するメッキ処理装置を構成している。また、膜厚の薄いCu膜をメッキする場合は、膜厚の薄いCu膜メッキ処理に比べ、アノード15上に流れる流量を減らすことが可能となり、添加剤消費量抑え、コスト増加を抑えることができるようになる。
【0029】
このとき、メンバレンディフューザプレートチャンバー22に供給されるメッキ液は最適な流量に制御されているため、ウェハ7面内の膜厚を均一にすることが可能である。さらに電気抵抗の増加もないことから、高電圧対応のパワ−サプライを備えることなく適切なCu膜を形成するメッキ処理装置を構成することが可能となり、メッキ処理装置の設備に費やされるコストを低減することが可能になる。
【0030】
[第2の実施形態]
以下に、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明を行う。図3は、本発明の第2の実施形態におけるメッキ処理装置1の構成を例示する断面図である。以下の説明に用いる図面において、第1の実施形態に用いた符号と同様の符号が付されている要素は、第1の実施形態と同様の構成・動作である。したがって、以下の説明において、重複する要素に関しては、それの説明を省略する。
【0031】
図3を参照すると、第2の実施形態のメッキ処理装置1において、メッキ液循環流路8のポンプ4は、アノードチャンバー用ポンプ31とメンバレンディフューザプレートチャンバー用ポンプ32とを備えている。また、メッキ液供給ノズル16は、メンバレンディフューザプレートチャンバー用メッキ液供給ノズル33とアノードチャンバー用メッキ液供給ノズル34とを含んで構成されている。図3に示されているように、アノードチャンバー用ポンプ31は、アノードチャンバー用メッキ液供給ノズル34に接続されている。またメンバレンディフューザプレートチャンバー用ポンプ32は、メンバレンディフューザプレートチャンバー用メッキ液供給ノズル33に接続されている。
【0032】
アノードチャンバー用メッキ液供給ノズル34は、アノードチャンバー21にメッキ液を供給している。また、メンバレンディフューザプレートチャンバー用メッキ液供給ノズル33は、メンバレンディフューザプレートチャンバー22にメッキ液を供給している。図3に示されているように、メンバレンディフューザプレートチャンバー用メッキ液供給ノズル33とアノードチャンバー用メッキ液供給ノズル34とは、独立して構成されている。ここにおいて、アノードチャンバー用ポンプ31がアノードチャンバー用メッキ液供給ノズル34に対してメッキ液を供給し、メンバレンディフューザプレートチャンバー用ポンプ32がメンバレンディフューザプレートチャンバー用メッキ液供給ノズル33に対してメッキ液を供給している。したがって、アノードチャンバー用ポンプ31とメンバレンディフューザプレートチャンバー用ポンプ32が供給する流量を制御することによって、より高精度にアノードチャンバー21を流れるメッキ液の流量とメンバレンディフューザプレートチャンバー22を流れるメッキ液の流量とを制御することが可能になる。
【0033】
また、第2の実施形態におけるメッキ処理装置1は、メッキ液の流量を、アノードチャンバー21とメンバレンディフューザプレートチャンバー22に合わせて制御することができるため、各チャンバーに応じて、最小量のメッキ液を供給することができる。そのため、メッキ液の消費量を抑えることによるコストの低減を実現することが出来る。
【0034】
[第3の実施形態]
以下に、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明を行う。第3の実施形態におけるメッキ処理装置1は、アノードチャンバードレインノズル14の流量が60ml〜100ml/minになるような穴径の吐出口を有するメッキ液供給ノズル16を備えている。この場合において、メッキ液供給ノズル16は、メンバレンディフューザプレートチャンバー22にメッキ液を供給する吐出口、または、アノードチャンバー21にメッキ液を供給する吐出口の穴径を制御することによって、アノードチャンバードレインノズル14の流量を制御している。第3の実施形態のメッキ処理装置1は、アノードチャンバードレインノズル14のメッキ液の排出量を、固定的にしたい場合に、設備にかかるコストの増加を抑制しつつ、アノードチャンバードレインノズル14のメッキ液の流量を制御することができる。また。上述の流量制御バルブ6を備えることで、より高精度にアノードチャンバードレインノズル14のメッキ液の流量を可変的に制御することが可能となる。
【0035】
上記の複数の実施形態は、その構成・動作に矛盾が生じない範囲において、組み合わせて実施することが可能である。また、本願発明の流量制御バルブとしては、たとえばフローメータがついていて、それによってバルブを制御するようなものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、従来のメッキ処理装置の構成を例示する断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態におけるメッキ処理装置1の構成を例示する断面図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態におけるメッキ処理装置1の構成を例示する断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1…メッキ処理装置
2…メッキ処理チャンバー
3…タンク
4…ポンプ
5…定電流電源
6…流量制御バルブ
7…ウェハ
8…メッキ液循環流路
11…ウェハホルダー
12…メッキ処理チャンバー内槽
13…循環ドレイン
14…アノードチャンバードレインノズル
15…アノード
16…メッキ液供給ノズル
17…メンバレン
18…ディフューザプレート
19…アノードコンタクトプレート
21…アノードチャンバー
22…メンバレンディフューザプレートチャンバー
31…アノードチャンバー用ポンプ
32…メンバレンディフューザプレートチャンバー用ポンプ
33…メンバレンディフューザプレートチャンバー用メッキ液供給ノズル
34…アノードチャンバー用メッキ液供給ノズル
N1…第1ノード
N2…第2ノード
101…メッキ処理装置
102…メッキ処理チャンバー
103…タンク
104…ポンプ
105…定電流電源
107…ウェハ
111…ウェハホルダー
112…メッキ処理チャンバー内槽
113…循環ドレイン
114…アノードチャンバードレインノズル
115…アノード
116…メッキ液供給ノズル
117…メンバレン
118…ディフューザプレート
119…アノードコンタクトプレート
121…アノードチャンバー
122…メンバレンディフューザプレートチャンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に浸漬させるメッキ液を貯留するメッキ処理槽と、前記メッキ処理槽は、前記メッキ処理槽内部に構成されたアノード電極を含み、
前記メッキ処理槽の上層に構成され、前記基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部は、前記基板に接触して電圧を印加するカソード電極を含み、
前記メッキ処理槽から、第1排出部を介して排出される前記メッキ液を、前記メッキ処理槽に循環させるメッキ液循環流路と、
前記メッキ液循環流路から提供される前記メッキ液を、前記メッキ処理槽内部に供給する供給路と、
前記アノード電極上を流れ、第2排出部を介して排出される前記メッキ液を、前記メッキ液循環流路に提供する第2流路と、
前記メッキ液循環流路と前記第2流路との間に設けられ、前記第2流路から前記メッキ液循環流路に提供される前記メッキ液の流量を制御する流量制御バルブと
を具備する
メッキ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のメッキ処理装置において、
前記メッキ処理槽は、
前記アノード電極の上層に構成され、前記第2排出部を有する他アノードチャンバーと、
前記アノードチャンバーの上層に構成され、前記第1排出部を有するメンバレンディフューザチャンバーと、
前記アノードチャンバーと前記メンバレンディフューザチャンバーとの間に設けられたメンバレンと
を含み、
前記アノードチャンバーは、
前記供給路を介して供給される前記メッキ液を、前記第2排出部を介して前記第2流路から前記流量制御バルブに提供し、
前記メンバレンディフューザチャンバーは、
前記供給路を介して供給される前記メッキ液を、前記第1排出部を介して前記メッキ液循環流路に提供する
メッキ処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のメッキ処理装置において、
前記流量制御バルブは、
前記第2流路を流れる前記メッキ液の流量が、
60ml〜100ml/min
となるように、前記メッキ液の流量を制御する
メッキ処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載のメッキ処理装置において、
前記供給路は、
第1供給路と、
第2供給路と
を含み、
前記第1供給路は、
前記メッキ液循環流路から提供される前記メッキ液を、前記アノードチャンバーに供給する第1吐出口を有し、
前記第2供給路は、
前記メッキ液循環流路から提供される前記メッキ液を、前記メンバレンディフューザチャンバーに供給する第2吐出口を有し、
前記第1供給路は、
前記第2流路を流れる前記メッキ液の流量が、
60ml〜100ml/min
となるように、前記第1吐出口から前記メッキ液を供給する
メッキ処理装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載のメッキ処理装置において、
前記基板保持部は、
前記基板を水平面内に回転可能に保持する
メッキ処理装置。
【請求項6】
基板に浸漬させるメッキ液を貯留するメッキ処理槽と、前記メッキ処理槽は、前記メッキ処理槽内部に構成されたアノード電極を含み、
前記メッキ処理槽の上層に構成され、前記基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部は、前記基板に接触して電圧を印加するカソード電極を含み、
前記メッキ処理槽から、第1排出部を介して排出される前記メッキ液を、前記メッキ処理槽に循環させるメッキ液循環流路と、
前記メッキ液循環流路から提供される前記メッキ液を、前記メッキ処理槽内部に供給する供給路と、
前記メッキ処理槽から、第2排出部を介して排出される前記メッキ液を、前記メッキ液循環流路に提供する第2流路と
を具備し、
前記メッキ処理槽は、
前記アノード電極の上層に構成され、前記第2排出部を有する他アノードチャンバーと、
前記アノードチャンバーの上層に構成され、前記第1排出部を有するメンバレンディフューザチャンバーと、
前記アノードチャンバーと前記メンバレンディフューザチャンバーとの間に設けられたメンバレンと
を備え、
前記供給路は、
前記メッキ液を、前記アノードチャンバーに供給する第1吐出口を有する第1供給路と、
前記メッキ液を、前記メンバレンディフューザチャンバーに供給する第2吐出口を有する第2供給路と
を含み、
前記供給路は、
前記第2流路を流れる前記メッキ液の流量が、
60ml〜100ml/min
となるように、前記第1吐出口から前記メッキ液を供給する
メッキ処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載のメッキ処理装置において、
前記基板保持部は、
前記基板を水平面内に回転可能に保持する
メッキ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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