説明

メッキ処理装置

【課題】高密度化されたプリント基板等のシート状製品に対しても、その搬送時に適切な案内が可能であって、かつ、不均一なメッキの発生を抑制できる製品ガイド装置を備えたメッキ処理装置を提供する。
【解決手段】メッキが施される被処理物Wを垂直状態に保持しながらメッキ処理用タンク内を搬送するメッキ処理装置において、被処理物Wの搬送時に、被処理物Wを所定方向に案内する製品ガイド機構を設け、この製品ガイド機構は、メッキ処理用タンク内のメッキ液20の液面上のフロート12に接続され、液面の変化に追随して揺動する。製品ガイド機構をランダムに揺動させることで、被処理物Wの特定部位への電流を遮断しないようにして不均一なメッキ層が形成されるのを解消する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメッキ処理装置に関し、特に、プリント基板等のシート状製品を懸垂状態に挟持し、メッキ処理装置のメッキ処理タンク内を移動させる際に、シート状製品を案内する製品ガイド機構を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板等を製造するため、基板に銅メッキを施す電気メッキ処理装置において、いわゆるラックを使用せずに、シート状製品であるプリント基板を垂直に保持しながらメッキ処理液を満たしたメッキ処理タンク内を移動させる場合、従来、次のような装置が知られていた(特許文献1参照)。
【0003】
この装置は、特許文献1に開示されているように、メッキ処理タンク(メッキ槽)内の処理液中を横向きで水平に進行するシート状製品の揺れを防止するため、シート状製品の左右両側に棒状の製品ガイドを設けていた。この装置では、製品ガイドが、これらの製品ガイド間を進行する前記シート状製品に対して常に同じ位置を遮蔽しないようにし、製品に対して均一なメッキ皮膜形成の妨げにならないようにしたものである。すなわち、シート状製品の進行方向に沿って連続するように設けられた棒状の前記製品ガイドは、シート状製品の進行方向に対して、上方または下方に傾斜させるように配置されていた。
【特許文献1】特開2002−013000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような従来装置は、高多層プリント基板などのメッキに要する時間が比較的長いもの、反対に、両面スルーホールを備えたプリント基板などの比較的メッキに要する時間の短いもの等、の全てについて、メッキ層の不均一を防止するように適応することは困難である。現在、プリント基板の高密度化が著しく、多くのプリント基板では、狭小な面積中に多数の接続孔が存在している。このような高密度化されたプリント基板では、ガイド体を傾斜させることで、プリント基板の特定部位について電気が流れにくくならないように、言い換えれば、プリント基板の表面全体に均一に電気が流れる状態にしたとしても、製品ガイドによって僅かでも電流が遮蔽された部位については、メッキ皮膜が薄くなり、全体としてメッキの不均一を生じてしまう場合があった。
【0005】
この場合、棒状の製品ガイドをプリント基板に対して垂直に近づけて配置すれば、電流遮断による悪影響を減らせる一方、ガイド体としての役目を果たさなくなり、反対に、水平に近づけて配置すればガイド体としては有効であるが、電流遮断による影響が大となる。したがって、プリント基板の状態及びその搬送速度によって、最も適した製品ガイドの傾斜角度を選択すべきことになる。このことは、メッキが施されるプリント基板の搬送速度、及びプリント基板の密度の相違に基づいて、製品ガイドの傾斜度を調整しなければ適切な対応ができないことを意味する。しかしながら、その都度、最適なガイド体の傾斜角度を求め、それを変更、調整することはきわめて困難である。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてされたものであり、高密度化されたプリント基板等のシート状製品に対しても、その搬送時に適切な案内が可能であって、かつ、不均一なメッキの発生を抑制できる製品ガイド装置を備えたメッキ処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の装置は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわち、メッキが施される被処理物を垂直状態に保持しながらメッキ処理タンク内を搬送するメッキ処理装置において、前記被処理物の搬送時に被処理物を所定方向に案内するガイド体を設け、このガイド体は、メッキ処理タンク内のメッキ液中で、このガイド体に作用する浮力によって浮き上がり、メッキ液の液面の変化に追随して揺動することを特徴とする。
【0008】
本願発明者の考察によれば、前記ガイド体の揺動を周期的な一定のものとせずに、できるだけランダムに動くものとすることで、結果として、被処理物におけるメッキの不均一が抑制できることがわかった。そこで、ガイド体を浮力によってメッキ液の液面の変化に追随して揺動させることで、ガイド体によって被処理物の特定部位のみが覆われ、電流の流れが遮断されることがなくなるので、均一なメッキ層を形成できる。
【0009】
また、本発明は、メッキが施される被処理物を垂直状態に保持しながらメッキ処理タンク内を搬送するメッキ処理装置において、前記被処理物の搬送時に被処理物を所定方向に案内するガイド体を設け、このガイド体は、垂直方向に可動である支持体を介して、メッキ処理タンク内のメッキ液の液面に浮かぶフロートに接続され、前記ガイド体は、液面の変化に追随して揺動することを特徴とする。
【0010】
前記液面は、メッキ処理タンクに作用する様々な要素により波立ち、通常、周期的な一定の波が生じることがないので、液面の変化に追随したフロートの動きに連動して前記ガイド体がランダムに動くため、ガイド体によって被処理物の特定部位のみが覆われ、電流の流れが遮断されることがなくなる。
【0011】
さらに、本発明は、メッキが施される被処理物を垂直状態に保持しながらメッキ処理タンク内を搬送するメッキ処理装置において、前記被処理物の前記搬送時に被処理物を所定方向に案内するガイド体を設け、このガイド体は、メッキ処理タンク内のメッキ液中で、このガイド体に作用する駆動力によって上下方向に揺動することを特徴とする。
【0012】
メッキ処理装置には、前記被処理物を搬送するための搬送装置が設けられるが、この搬送装置の駆動源によって、前記ガイド体を揺動させることが効率的である。
前記ガイド体には、メッキ液の吸入口と、吸入したメッキ液を前記被処理物に向けて吐出する吐出口と、を設け、このガイド体は、ガイド体の揺動に伴いメッキ液を吸入して吐出し、ガイド体に被処理物が接触することを防止できる。このようにすれば、ガイド体を揺動させるエネルギー源を利用し、効率よく、被処理物がガイド体に接触することにより生じるメッキ不良等が抑制され、不良品の発生が減少する。
【発明の効果】
【0013】
上述したように本発明のメッキ処理装置によれば、被処理物に近接して設置されるガイド体による被処理物の安定した搬送状態を確保しつつ、このガイド体をランダムに揺動させ、被処理物の特定部位への電流を遮断しないようにすることができる。その結果、不均一なメッキ層が形成されるのを解消して、不良品の発生を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)-
図1は、本発明のメッキ処理装置における製品ガイド機構を示す概略正面図、図2は、製品ガイド機構の概略を示した縦断側面図、図3は、製品ガイド(中間ガイド)の概略平面図をそれぞれ示している。図中に示された矢印Aは製品の進行方向を示し、図2の縦断側面図に示されたガイド体はその切断面のみ図示したものである。
【0015】
製品ガイド機構1は、搬送用ハンガー3に懸垂状態に保持されたプリント基板等のシート状製品(W)を、搬送用レール2に沿ってメッキ処理タンク10内を移動させるものである。このメッキ処理タンク10は、メッキ処理液20が充填され、上面が開口した箱状のものである。このとき、陰極バーである前記搬送レール2から、前記搬送用ハンガー3を介してシート状製品W上部で給電し、このシート状製品Wの表面に電気メッキが施される。
図1に示すように、上記のようなメッキ処理装置における製品ガイド機構1は、軌道2に沿って、水平方向に移動可能に保持された搬送用ハンガー3によって、メッキ処理されるシート状製品Wの製品上部を懸垂状態に保持している。
【0016】
前記搬送用ハンガー3は、その下端に製品Wを保持する開口部5を備える。図2に示すように、搬送用ハンガー3は、開閉可能であってバネ力によって製品Wを挟持した開口部5を閉状態に維持することで製品Wを保持している。一方、搬送用レール2は、製品Wをメッキ処理用タンク10内のメッキ液に浸漬した状態で所定方向に移動させるため、メッキ処理用タンク10の長手方向(矢印Aで示す製品Wの搬送方向)に沿って延びている。
【0017】
また搬送中、製品Wが大きく揺動することがないように、製品ガイド機構1が製品Wを案内するようになっている。以下、製品ガイド機構1の構造について説明する。
図1及び図2に示すように、支持柱6を、シート状製品Wの左右両側に所定間隔をおいて立設し、これらの支持柱6は、垂直方向に一定間隔をおいて設けられた複数のガイド体7を保持して、これらのガイド体7は水平方向に延びている。これらのガイド体7は、この例では左右に3本ずつ設けられ、それぞれは所定幅の板状物であり、製品Wの搬送方向に沿って連続するように形成されている。
【0018】
前記支持柱6は、メッキ処理用タンク10の底面に固定され、垂直に上方に延びる固定柱部8を備え、この固定柱部8の外面を被覆し、かつ固定柱部8を内包して、これに沿って上下方向にスライド自在である中空の外殻柱9が設けられている。この外殻柱9には、3本の前記ガイド体7が、互いに平行な状態に取り付けられている。固定柱8の断面形状は多角形であっても円形であってもよく、また、外殻柱9の断面形状は前記固定柱8を被覆し、固定柱8に沿ってスライド可能でればよく、特に限定されない。
【0019】
さらに、外殻柱9の上端どうしは、製品Wの搬送方向に沿って設置した長尺の連結部材11によって互いに連結されている。この連結部材11の両端部には、フロート12が取り付けられている。フトート12は、前記外殻柱9を接続した連結部材11全体、すなわち、ガイド体7を含む製品ガイド機構1がメッキ処理液20中で浮き上がった状態を保持できる程度の浮力を備えるもので、例えば、内部に空気が充填された気密性を有する中空体とすることができる。
【0020】
また、メッキ処理タンク10の外部には、このメッキ処理タンク10内に、メッキ処理液20を供給し、またこれを循環させるポンプPが設置されている。このポンプPとメッキ処理タンクとは、互いにメッキ液の供給管13及び排出管14により接続されている。このメッキ液の供給及び排出によってメッキ処理タンク10内のメッキ処理液20の液面は波立つので、上記フロート12は液面の上下に伴って移動する。その結果、ガイド体7の支持体である前記外殻柱9が、前記固定柱8に沿って上下方向(矢印Bで示す方向)にスライドするように動くので、これに伴いガイド体7も上下方向に往復するように揺動することになる。
【0021】
上記のように、ガイド体7は、矢印Bで示す方向に常時往復動しているため、矢印A方向に移動しているシート状製品W表面の特定位置を、所定時間に亘って継続的に覆うことはない。そのため、製品Wに施されるメッキ処理において、製品Wに対する部分的なメッキ付着を妨げることがなく、製品Wの表面に均一なメッキ皮膜が形成される。
また、上記のように、製品ガイド機構1は、製品Wの移動を案内しながら、上下方向に揺動するので、製品Wに流れる電流を特定部位において遮蔽することがない。そのため、高密度化されたプリント基板等についてもメッキ不良の発生を抑制できる。
なお、メッキ処理タンク10内には、陽極を収納したアノードケース(図示しない)が、ガイド体7の外側に配置されるので、前記陽極から陰極バーである前記搬送レール2に向けて電流が流れることになり、メッキ処理液中の銅が製品Wの表面に付着してメッキ層が形成される。
【0022】
さらに、この製品ガイド機構1では、製品Wがガイド体7に接触してしまうとメッキ不良が発生するので、製品Wがガイド体7に接触しない構造を採用した。以下、この構造について説明する。
図3に示すうように、前記ガイド体7は、薄板を3枚重ね合わせた構造であり、上下にメッキ処理液20が流れる空間部30a、30bが形成されている。また、このガイド体7の上面31と底面32には、それぞれメッキ処理液20の吸入口33、34が設けられている。これらの吸入口33、34は、図3、図4に示すように、ガイド体7の外側(製品Wと対向しない側)の縁部に沿って複数、並設されている。
一方、ガイド体7の内側(製品Wに対向する側)の端面は開口し、空間部30aに連通するメッキ処理液20の噴出口35a、及び空間部30bに連通するメッキ処理液の噴出口35bとなっている。
【0023】
前記ガイド体7は、上述のように上下方向(矢印B方向)に揺動するため、ガイド体7が上方に移動するときは上方に向いて開口する吸入口33からメッキ処理液20が前記空間部30a内に流入する(矢印E)。反対に、ガイド体7が下方に移動するときは下方に向いて開口する吸入口34からメッキ処理液20が前記空間部30b内に流入する(矢印F)。そして、メッキ処理液20が流入すると、反対側の前記噴出口35a、30bから、それぞれ噴出口35a、30b側のメッキ処理液20が押し出されるようにして噴射される(矢印G、矢印H)。
上記のように、噴出口35a、30bから製品Wに向けてメッキ処理液20が噴射されるので、製品Wはこの力によってガイド体7に接触することなく、左右の設置されたガイド体7,7の中間に保持される。したがって、製品Wの搬送中、製品Wのガイド体7への接触によるメッキ不良を確実に防止することが可能となる。
【0024】
(実施の形態2)
図5に示す実施の形態2に係るものは、搬送用ハンガー3によって懸垂状態に保持されたシート状製品(W)を案内する製品ガイド機構1は、実施の形態1と同様に、上下方向(矢印B方向)に往復動するものであるが、この製品ガイド機構1の駆動力を、モータ21としたものである。ここでは、実施の形態1と同様の構成部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】
連結部材11の両端には、コ字状の支持枠体22が接続され、製品ガイド機構1の上部に揺動発生部23が形成されている。揺動発生部23は、回転運動を揺動運動に変換する楕円形の板カム25が設けられ、この板カム25は、モータ21の回転軸24に接続されている。モータ21及び板カム25は、支持枠体22の上辺26の下方に設置されている。前記支持枠体22は、前記板カム25が回転し、これが上辺26に接触したときに押し上げられ、全体が上方へ移動して浮き上がるので、支持枠体22に接続された製品ガイド機構1も一体に上方へ浮き上がる。板カム25がさらに回転し、支持枠体22の上辺26から離れたときは、支持枠体22及び製品ガイド機構1は下方へ移動して原位置に戻る。
【0026】
上記のように、板カム25の回転に伴い、製品ガイド機構1は上下方向の往復移動を繰り返す。したがって、ガイド体7は、矢印Bで示す方向に常時往復動しているため、矢印A方向に移動搬送されているシート状製品W表面の一定位置を、所定時間に亘って継続的に覆うことはない。したがって、ガイド体7は、矢印Bで示す方向に常時往復動しているため、矢印A方向に移動搬送されているシート状製品W表面の一定位置を、所定時間に亘って継続的に覆うことはない。
【0027】
そのため、製品Wに施されるメッキ処理において、製品Wに対する部分的なメッキ付着を妨げることがなく、製品Wの表面に均一なメッキ皮膜が形成される。
なお、前記モータ21は、被処理物である製品Wを搬送するための搬送装置を駆動するモータ等(図示せず)と共通のものを使用し、同一電源により駆動されるものとするのが好適である。
また、製品Wに向けてガイド体7からメッキ処理液20が噴射されることは、実施の形態1と同様である。
【0028】
(実施の形態3)
図6に示される実施の形態3に係るものは、上述のように、搬送用ハンガー3によって懸垂状態に保持されたシート状製品(W)を案内する製品ガイド機構1は、上下方向(矢印B方向)に往復動するものである。この製品ガイド機構1は、実施の形態1と同様に、液面の変化に伴って揺動するものである。
【0029】
図6に示すように、支持柱60が、シート状製品Wの左右両側に所定間隔をおいて立設されている。これらの支持柱60は、垂直方向に一定間隔をおいて設けられた複数のガイド体70を保持して、これらのガイド体70は水平方向に延びている。これらのガイド体70は、この例では左右両側に3本ずつ設けられ、それぞれは所定幅の板状物であり、製品Wの搬送方向に沿って連続するように形成されている。
【0030】
前記支持柱60は、メッキ処理用タンク10の底面に固定されている。こ支持柱60は、3本のガイド体70を挿通して、それぞれのガイド体70は、所定範囲において、支持柱60に沿って上下方向に可動となっている。図7に示すように、ガイド体70は、支持柱60に巻着した螺旋状の浮上規制バネ体61の下方に位置し、浮上規制バネ体61の付勢力によって所定の位置より下方に保持されている。ガイド体70に作用する上方への移動力は、浮上規制バネ体61の付勢力に抗してガイド体70を上方移動させるが、浮上規制バネ体61はバネストッパ62により上端が固定されているので、最大に収縮した状態ではガイド体70の上方移動を停止させる。したがって、ガイド体70は所定範囲において上下動可能なように設けられている。
【0031】
前記ガイド体70は、フロート120を備えてメッキ処理液の液面に浮いている連結部材110に、支持体63を介して接続され、この連結部材110の上下動に伴って動く。すなわち、ここでは、支持柱60と連結部材110とは互いに接合されていないので、連結部材110、支持体63及びガイド体70が、液面の変化に伴い、矢印B方向に往復移動するように揺動する。このとき、上述したように、浮上規制バネ体61によって、ガイド体70は所定範囲においてランダムに揺動することになる。そのため、製品Wに施されるメッキ処理において、製品Wに対する部分的なメッキ付着を妨げることがなく、製品Wの表面に均一なメッキ皮膜が形成される。
【0032】
また、製品Wに向けてガイド体7からメッキ処理液が噴射されることは、実施の形態1と同様である。
さらに、フトート120は、ガイド体70を含む製品ガイド機構1がメッキ処理液20中で浮き上がった状態を保持できる程度の浮力を備えるもので、例えば、内部に空気が充填された気密性を有する中空体とすることができる。
上記の実施の形態の装置によれば、ポンプPによってメッキ処理液の供給、排出がされる等、メッキ処理用タンク10内のメッキ処理液の液面は常時動くので、これに伴ってガイド体7、70が上下方向に揺動する。したがって、シート状製品(W)の特定の表面がガイド体により覆われることがなくなり、表面に均一なメッキが施される。
また、シート状製品(W)は、ガイド体に接触せずに、かつ、揺れを生じないように案内されながら搬送されるので、メッキ不良の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施の形態1に係る製品ガイド機構を示した概略正面図である。
【図2】製品ガイド機構の概略を示した縦断側面図である。
【図3】ガイド体の内部構造を示す断面図である
【図4】ガイド体の平面図である。
【図5】実施の形態2に係る製品ガイド機構の概略正面図である。
【図6】実施の形態3に係る製品ガイド機構の概略正面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 製品ガイド機構
2 搬送用レール
3 搬送用ハンガー
5 開口部
6、60 支持柱
7、70 ガイド体
8 固定柱
9 外殻柱
10 メッキ処理タンク
11、110 連結部材
12、120 ブロート
13 供給管
14 排出管
20 メッキ処理液
21 モータ
22 支持枠体
24 回転軸
25 板カム
26 上辺
30a、30b 空間部
31 上面
32 底面
33、34 吸入口
35a35a、35b 噴出口
61 浮上規制バネ体
62 バネストッパ
63 ガイド支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッキが施される被処理物を垂直状態に保持しながらメッキ処理タンク内を搬送するメッキ処理装置において、前記被処理物の搬送時に被処理物を所定方向に案内するガイド体を設け、このガイド体は、メッキ処理タンク内のメッキ液中で、このガイド体に作用する浮力によって浮き上がり、メッキ液の液面の変化に追随して揺動することを特徴とするメッキ処理装置。
【請求項2】
メッキが施される被処理物を垂直状態に保持しながらメッキ処理タンク内を搬送するメッキ処理装置において、前記被処理物の搬送時に被処理物を所定方向に案内するガイド体を設け、このガイド体は、垂直方向に可動である支持体を介して、メッキ処理タンク内のメッキ液の液面に浮かぶフロートに接続され、前記ガイド体は、液面の変化に追随して揺動することを特徴とするメッキ処理装置。
【請求項3】
メッキが施される被処理物を垂直状態に保持しながらメッキ処理タンク内を搬送するメッキ処理装置において、前記被処理物の前記搬送時に被処理物を所定方向に案内するガイド体を設け、このガイド体は、メッキ処理タンク内のメッキ液中で、このガイド体に作用する駆動力によって上下方向に揺動することを特徴とするメッキ処理装置。
【請求項4】
前記ガイド体には、メッキ液の吸入口と、吸入したメッキ液を前記被処理物に向けて吐出する吐出口と、が設けられ、このガイド体は、ガイド体の揺動に伴いメッキ液を吸入し、吸入したメッキ液を被処理物に向けて吐出して、ガイド体に被処理物が接触するのを防止することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のメッキ処理装置。
【請求項5】
前記被処理物を搬送するための搬送装置が設けられ、この搬送装置の駆動源によって前記ガイド体を上下方向に揺動させることを特徴とする請求項3又は4に記載のメッキ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−287098(P2009−287098A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142118(P2008−142118)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(505225278)株式会社アイプラント (5)
【Fターム(参考)】