説明

メッセージ付き包装箱

【課題】開封した者に効果的に訴求できるメッセージ付き包装箱を安価に提供する。
【解決手段】一対の側板1とこれに対して直角をなす一対の側板2とから周壁を形成し、一方の対向する側板1から内フラップ6を、他方の対向する側板2から外フラップ7をそれぞれ延出し、内フラップ6と外フラップ7とを重ね合わせて封緘する包装箱において、前記一対の内フラップ6の先端に、部分的に突出した重合片8を設け、内フラップ6の表面にメッセージを表示しておき、封緘時には、一対の内フラップ6同士を、重合片8が外側となるように互いに噛み合わせ、内フラップ6の表示を外フラップ7で覆い、開封に際して、外フラップ7を開くと内フラップ6の表示が現れるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、広告や注意書き等のメッセージ表示を施した包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、通信販売において顧客への商品配送に使用される包装箱は、一対の側板とこれに対して直角をなす一対の側板とから周壁を形成し、一方の対向する側板から内フラップを、他方の対向する側板から外フラップをそれぞれ延出し、内フラップと外フラップとを重ね合わせて封緘する構成とされている。
【0003】
この包装箱には、通常、外装の表面に通信販売業者の商標や広告等が表示されるが、下記特許文献1には、広告面積の拡大のため、外フラップ及び内フラップの裏面にも広告を表示した包装箱が記載されている。
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3104885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に係る包装箱では、開封に際して、一対の外フラップを開くと、一対の内フラップの先端間の隙間から箱内の商品が見えるので、顧客の注意力が広告の表示に向けられず、十分な訴求力が得られない場合がある。
【0006】
また、広告等の表示を印刷で行なう場合には、製造に際し、段ボールの表裏に印刷する必要があり、そのような両面印刷を施すには多大なコストがかかるという問題もある。
【0007】
そこで、この発明は、開封した者に効果的に訴求できるメッセージ付き包装箱を安価に提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような課題を解決するため、この発明は、一対の側板とこれに対して直角をなす一対の側板とから周壁を形成し、一方の対向する側板から内フラップを、他方の対向する側板から外フラップをそれぞれ延出し、内フラップと外フラップとを重ね合わせて封緘する包装箱において、前記一対の内フラップの先端に、部分的に突出した重合片を設け、内フラップの表面にメッセージを表示しておき、封緘時には、一対の内フラップ同士を、重合片が外側となるように互いに噛み合わせ、内フラップの表示を外フラップで覆い、開封に際して、外フラップを開くと内フラップの表示が現れるようにしたのである。
【発明の効果】
【0009】
この包装箱では、顧客が商品を取り出そうとして外フラップを開けたとき、一対の内フラップが噛み合っていることから、商品を見ることができず、内フラップの表面に施したメッセージの表示が必ず顧客の目に入るので、高い訴求効果が得られる。また、製造時に両面に表示を施す必要がないので、包装箱の使用者への提供価格を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
この包装箱は、通信販売や宅配における商品の包装に使用されるものであり、図1に示すような段ボール製ブランクから形成される。
【0012】
この包装箱のブランクでは、各一対の側板1,2が交互に連設され、一方の側板1の外側に継代片3が連設されている。側板1の下端には外フラップ4が、側板2の下端には内フラップ5がそれぞれ連設され、側板1の上端には内フラップ6が、側板2の上端には外フラップ7がそれぞれ連設されている。
【0013】
内フラップ6の先端の片側部分には、突出した重合片8が設けられ、外フラップ7の基端から先端までの寸法と、内フラップ6の基端から重合片8の先端までの寸法とは、ほぼ同一とされている。外フラップ7の先端両角部と重合片8の両側縁とは、斜めに切断されている。
【0014】
そして、内フラップ6の表面には、収納した商品の特徴を強調した広告や、使用説明等の注意書きのほか、他の商品や関連業者の広告等のメッセージの印刷による表示が重合片8を含めて内フラップ6全体に施されている。
【0015】
このブランクを組み立てて商品を包装するには、図2に示すように、各一対の側板1及び側板2を角筒状に折り曲げ、継代片3を反対側の側板2に貼り付けて周壁を形成し、下方の内フラップ5及び外フラップ4を順次内側へ折り曲げ、テープ貼り等により底面を閉じて、箱内に商品を収納する。
【0016】
次に、内フラップ6を内側へ折り曲げ、重合片8の傾斜した側縁の案内に伴い、一対の内フラップ6同士を、重合片8が外側となるように互いに噛み合わせる。
【0017】
その後、外フラップ7を内側へ折り曲げることにより、内フラップ6の表面を外フラップ7で覆い、外フラップ7の突合部に粘着テープTを貼り付けて封緘する。
【0018】
一方、上記のように封緘された包装箱が顧客へ配送され、包装箱を受け取った顧客が開封する際には、粘着テープTを剥がし、図3に示すように、まず、外フラップ7を開き、第1段階の開封状態とする。
【0019】
この状態では、一対の内フラップ6が噛み合っていることから、顧客は商品を見ることができず、内フラップ6の表面に施したメッセージの表示が必ず顧客の目に入り、顧客にメッセージを確実に伝えることができる。
【0020】
また、通常の溝切型段ボール箱に比較して、内フラップ6の重合片8により広告面積を大きく確保できるので、高い訴求効果が得られる。
【0021】
そして、箱内の商品を取り出す際には、図4に示すように、一対の内フラップ6を開いて、天面を開口させた第2段階の開封状態とする。このとき、内フラップ6を引き起こすだけで、簡単に噛合状態を解除することができる。
【0022】
また、上記のような包装箱は、側板1,2の表面に施す商標等の印刷と同様、内フラップ6の表面にメッセージを印刷していることから、製造時に両面印刷を施す必要がなく、包装箱の使用者への提供価格を抑制できる。
【0023】
なお、上記実施形態では、各内フラップ6に重合片8をそれぞれ一個ずつ設けたものを例示したが、一方又は両方の内フラップ6に複数個の重合片8を設け、これらにより一対の内フラップ6を噛み合わせるようにしてもよい。
【0024】
また、各一対の側板1,2から成る周壁の稜部が角張ったものを例示したが、周壁の稜部に側板1,2に対して鈍角をなす面取部を形成してもよい。
【0025】
また、メッセージの表示を印刷により施したものを例示したが、メッセージの表示は、内フラップ6に紙や樹脂フィルム等のシールを貼り付けることにより行なってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明に係る包装箱のブランクを示す表面図
【図2】同上の封緘状態を示す斜視図
【図3】同上の第1段階の開封状態を示す斜視図
【図4】同上の第2段階の開封状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0027】
1,2 側板
3 継代片
4 外フラップ
5 内フラップ
6 内フラップ
7 外フラップ
8 重合片
T 粘着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の側板(1)とこれに対して直角をなす一対の側板(2)とから周壁を形成し、一方の対向する側板(1)から内フラップ(6)を、他方の対向する側板(2)から外フラップ(7)をそれぞれ延出し、内フラップ(6)と外フラップ(7)とを重ね合わせて封緘する包装箱において、
前記一対の内フラップ(6)の先端に、部分的に突出した重合片(8)を設け、内フラップ(6)の表面にメッセージを表示しておき、封緘時には、一対の内フラップ(6)同士を、重合片(8)が外側となるように互いに噛み合わせ、内フラップ(6)の表示を外フラップ(7)で覆い、開封に際して、外フラップ(7)を開くと内フラップ(6)の表示が現れるようにしたことを特徴とする包装箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−90986(P2009−90986A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260641(P2007−260641)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】