説明

メディアリソーススケジューリングシステムおよびその方法

【課題】IMSネットワークアーキテクチャでのメディアリソーススケジューリングを提供する。
【解決手段】アプリケーションサーバ(AS)によって、メディアルーティング機能エンティティへのメディアリソースリクエストを開始する工程と、メディアルーティング機能エンティティによって、メディアサーバを決定する工程と、上記メディアリソースリクエストを、決定されたメディアサーバへとルーティングする工程とを含み、メディアリソーススケジューリングプロセスを実行し、ストリームメディアサービスをUEに提供する少なくとも1つのメディアサーバから、好適な1つのメディアサーバを選択することによって、ユーザのQoS要件を満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリームメディア通信技術に関し、より詳しく言うと、IMSベースのメディアリソーススケジューリング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチメディア技術および通信技術の急速な進歩と応用範囲の拡大とに伴い、マルチメディア通信技術は、通信分野では主要な開発トレンドになっている。従来のマルチメディア通信システムにおいては、例えば、着信音、カラー画像、フラッシュ動画などの様々なメディアリソースが、メディアサーバ上に格納されている。ストリームメディアサービスの開発によって、オンラインムービーおよびテレビ視聴を含むリアルタイムビデオアプリケーションが可能となっており、これらのアプリケーションがメディアリソースをよりリッチなものにしている。
【0003】
3GPPR5/R6規格では、IPマルチメディアサブシステム(IMS)が規定されている。IMSでは、IPパケットフィールドが、制御信号およびメディアを伝送するベアラチャネルとして機能しており、SIP(Session Initiation Protocol)が呼制御信号として用いられている。したがって、トラフィック管理、セッション制御、および、ベアリングアクセスは、互いに分離されている。
【0004】
図1は、メディアリソースに関連するIMSネットワークアーキテクチャを示す図である。図1に示すように、このIMSネットワークは、アプリケーションサーバ(AS)、プロクシーCSCF(P−CSCF)ユニット、サービングCSCF(S−CSCF)ユニット、マルチメディアリソース機能コントローラ(MRFC)ユニット、および、マルチメディアリソース機能プロセッサ(MRFP)ユニットを含む。ベアリングと制御とが分離しているので、このメディアサーバは、2つの機能、つまりMRFCとMRFPとに分割される。MRFCはメディアリソースを制御するように構成されており、MRFPは特定のメディアリソースを伝達するように構成されている。MRFCは、少なくとも1つのMRFPを制御することが可能である。ユーザがメディアリソースを得たい時にASにリクエストを開始すると、今度はASが、MRFCとMRFPとから成るメディアサーバに関する情報を応答する。その後ユーザは、得たアドレスに基づいて、上記メディアサーバから所望のリソースをリクエストする。図1において、MRFCとMRFPとの間の破線は、MRFCとMRFPとの間で交換されるメッセージが、リソースアドミッション制御サブシステムを通過していないことを示している。
【0005】
現在、インターネット上のメディアリソースは、爆発的に普及している。しかしながら、メディアサーバ上には、少数のメディアリソースしか格納できない。したがって、次世代のIMSネットワークアーキテクチャでは、同一のメディアリソースが、いくつかのMRFを介して配信され得る。しかしこの場合、ユーザがメディアリソースを選択した後、ユーザに役立つ最適なメディアサーバを如何に選択するかという問題が生じる。選択されたメディアサーバが適切かどうかは、ユーザに提供されるサービスの質(QoS)、および、ユーザ・エクスペリエンスに直接影響する。したがって必然的に、メディアリソーススケジューリングは、特別な関心事となろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら現行のIMSネットワークアーキテクチャでは、1つのメディアサーバ、または、同等の機能エンティティだけが存在する場合のメディアリソーススケジューリングが一般的であると考えられている。さらに、IMSネットワークアーキテクチャ同士の間には、メディアリソーススケジューリングメカニズムは存在しない。したがって、IMSネットワークアーキテクチャ内、および、IMSネットワークアーキテクチャ間で実現可能なメディアリソーススケジューリングメカニズムは、全く存在しないことになる。
【0007】
本発明の目的は、メディアリソーススケジューリング法、メディアリソーススケジューリングシステム、メディアリソースロケーティング機能(MRLF)、メディアリソースブローカー機能(MRBF)、および、メディアリソース機能コントローラ(MRFC)を提供することにあり、これによって、IMSネットワークアーキテクチャ内、および、IMSネットワークアーキテクチャ間のメディアリソーススケジューリングの問題に対処することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を実現するために、本発明の一実施形態は、アプリケーションサーバ(AS)によって、メディアルーティング機能エンティティへのメディアリソースリクエストを開始する工程、該メディアルーティング機能エンティティによって、メディアサーバを決定する工程、上記メディアリソーススクエストをASによって決定されたメディアサーバへとルーティングする工程とを含む、IMSベースのメディアリソーススケジューリング法を提供する。
【0009】
本発明の他の一実施形態は、ASによって、メディアロケーティング機能エンティティに対してメディアサーバ情報をリクエストする工程、該メディアロケーティング機能エンティティによって、メディアサーバを決定するとともに、決定されたメディアサーバに関する情報をASに返送する工程、および、ASによって、決定されたメディアサーバへのメディアリソースリクエストを開始する工程を含む、IMSベースのメディアリソーススケジューリング法を提供する。
【0010】
本発明の他の一実施形態は、ASによって実行される、本IMSドメイン内および/または他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバに関する情報を得る工程と、該少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを決定する工程と、決定されたメディアサーバへのメディアリソースリクエストを開始する工程とを含む、IMSベースのメディアリソーススケジューリング法を提供する。
【0011】
本発明の他の一実施形態は、ASと、MRLFまたはMRBFと、少なくとも1つのメディアサーバとを含むIMSベースのメディアリソーススケジューリングシステムを提供する。このMRLFまたはMRBFは、ASおよび少なくとも1つのメディアサーバと通信し合っており、ストリームメディアサービスをUEに提供する1つのメディアサーバを決定するように構成されている。またASは、UEから送信されたストリームメディアサービスリクエストを開始または受信して、MRLFまたはMRBFによって決定されたメディアサーバに関する情報をUEに返送するように構成されている。
【0012】
本発明の他の一実施形態は、ASおよび少なくとも1つのメディアサーバを含むIMSベースのメディアリソーススケジューリングシステムを提供する。このメディアサーバは、ストリームメディアサービスをUEに提供するメディアサーバを決定するように構成されており、ASは、UEから送信されたストリームメディアサービスリクエストを開始または受信して、決定されたメディアサーバに関する情報をUEに返送するように構成されている。
【0013】
本発明の他の一実施形態は、メディアサーバ情報提供リクエストを受信するように構成されたリクエスト受信ユニットと、受信したリクエストに基づき、ストリームメディアサービスをUEに提供するメディアサーバを決定するように構成されたメディアサーバ決定ユニットと、決定されたメディアサーバに関する情報をASに提供するように構成されたメディアサーバ情報提供ユニットとを含む、IMSベースのMRLFを提供する。
【0014】
本発明の他の一実施形態は、メディアリソースリクエストを受信するように構成されたリクエスト受信ユニットと、受信したメディアリソースリクエストに基づき、ストリームメディアサービスをUEに提供するメディアサーバを決定するように構成されたメディアサーバ決定ユニットと、決定されたメディアサーバに受信したメディアリソースリクエストを転送するように構成されたリクエスト転送ユニットとを含む、IMSベースのMRBFを提供する。
【0015】
本発明の他の一実施形態は、メディアリソースリクエストを受信するように構成されたリクエスト受信ユニットと、受信したメディアリソースリクエストに基づき、ストリームメディアサービスをUEに提供するメディアサーバを決定するように構成されたメディアサーバ決定ユニットと、決定されたメディアサーバに受信したメディアリソースリクエストを転送するように構成されたリクエスト転送ユニットとを含む、IMSベースのMRFCを提供する。
【0016】
本発明の他の一実施形態は、MRFCから独立したIMSベースのメディアリソース制御機能エンティティを提供する。このメディアリソース制御機能エンティティは、ストリームメディアコンテンツを格納する少なくとも1つのメディアリソース配信機能エンティティを制御するように構成されており、メディアリソースリクエストを受信するように構成されたリクエスト受信ユニットと、受信したメディアリソースリクエストに基づき、ストリームメディアサービスをUEに提供するメディアサーバを決定するように構成されたメディアサーバ決定ユニットと、決定されたメディアサーバに受信したメディアリソースリクエストを転送するように構成されたリクエスト転送ユニットとを含む。
【0017】
本発明の実施形態では、メディアリソーススケジューリングプロセスを実施し、少なくとも1つのメディアサーバから、UEにストリームメディアサービスを提供するための好適なメディアサーバを選択することによって、ユーザのQoSに対する要望を満たしている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】メディアリソースに関する現行のIMSネットワークアーキテクチャを示す概略的な図である。
【図2】本発明に係る方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る方法の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る方法の第3の実施形態を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る方法の第4の実施形態を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る方法の第5の実施形態を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係るIMSベースのメディアリソーススケジューリングシステムの第1の実施形態を示す概略的な図である。
【図8】本発明に係るIMSベースのメディアリソーススケジューリングシステムの第2の実施形態を示す概略的な図である。
【図9】本発明に係るIMSベースのメディアリソーススケジューリングシステムの第3の実施形態を示す概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔優先権主張〕
本願は、2006年2月18日に中国特許庁に出願された「IMSネットワークにおけるメディアリソーススケジューリング法」と称する中国特許出願番号第200610033774.Xの優先権を享受し、その全体を本願に引用して援用する。
【0020】
〔詳細な説明〕
本発明に係る方法およびシステムの実施形態を、添付の図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0021】
最初に、本発明に係る方法の実施形態に関する一般的な技術的解決方法について説明する。
【0022】
本発明の一実施形態は、IMSベースのメディアリソーススケジューリング法を提供する。この方法は、ASによってメディアルーティング機能エンティティへのメディアリソースリクエストを開始する工程と、該メディアルーティング機能エンティティによってメディアサーバを決定する工程と、メディアリソースリクエストを決定されたメディアサーバへとルーティングする工程とを含む。
【0023】
メディアルーティング機能エンティティによって決定されたメディアサーバは、該メディアルーティング機能エンティティが、本IMSドメイン内および/または他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバから選択したメディアサーバであってもよい。これは、当然ながら、好ましくは最適なメディアサーバである。
【0024】
メディアルーティング機能エンティティは、該メディアルーティング機能エンティティによって収集された、本IMSドメイン内および/または他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバに関する、CID(コンテンツ識別子)、UE(コンテンツ識別子)用のメディアSDPの記述情報、UEに関するロケーション情報、UEに関する性能情報、UEまたはUEのユーザに関するコンテキスト情報、および、ストリームメディアコンテクスト配信情報および/またはステータス情報のうちの少なくとも1つに基づいて、メディアサーバを決定することが可能である。
【0025】
メディアルーティング機能エンティティによって収集された、本IMSドメインまたは他のIMSドメイン内の1つのメディアサーバに関するストリームメディアコンテクスト配信情報および/またはステータス情報は、該メディアルーティング機能エンティティと、上記メディアサーバ、および/または、本IMSドメインまたは他のIMSドメイン内の他のメディアルーティング機能エンティティとの間の対話によって得られる。
【0026】
メディアルーティング機能エンティティが他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択することは、他のIMSドメイン内のメディアルーティング機能エンティティと対話して、上記少なくとも1つのメディアサーバに関する情報を得て、該少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択することによって行ってもよい。
【0027】
メディアルーティング機能エンティティが他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択することは、他のIMSドメイン内のメディアルーティング機能エンティティにメディアリソースリクエストを転送し、他のIMSドメイン内のメディアルーティング機能エンティティが、他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択して、選択されたメディアサーバに関する情報をメディアルーティング機能エンティティに供給することによって行ってもよい。
【0028】
メディアルーティング機能エンティティによって決定、または、選択されたメディアサーバは、メディアリソース制御機能エンティティと、メディアリソース配信機能エンティティとを含む。
【0029】
メディアルーティング機能エンティティが、決定されたメディアリソース制御機能エンティティにメディアリソースリクエストをルーティングした後、この方法は、メディアリソース制御機能エンティティが複数の制御されたメディアリソース配信機能エンティティから1つの機能エンティティを選択する工程と、メディアリソース制御機能エンティティが選択されたメディアリソース配信機能エンティティに関する情報を、直接またはIMSルーティング機能エンティティを介してASに返送する工程とをさらに含む。
【0030】
メディアリソース制御機能エンティティは、メディアリソース配信機能エンティティを、メディアリソース情報またはコンテンツ配信情報と、該メディアリソース配信機能エンティティの負荷に関する情報とに基づいて選択することが可能である。
【0031】
ASとメディアルーティング機能エンティティとの間に、サービングコールセッション制御機能(S−CSCF)ユニットが設けられるならば、ASは、メディアルーティング機能エンティティへのメディアリソースリクエストを開始することが可能である。これは、ASがメディアリソースリクエストメッセージをS−CSCFに送信し、該S−CSCFが、メディアリソースリクエストメッセージをメディアルーティング機能エンティティへとルーティングすることによって、可能である。
【0032】
S−CSCFがメディアリソースリクエストメッセージをメディアルーティング機能エンティティへとルーティングすることは、S−CSCFがメディアリソースリクエストメッセージ内のリクエストURIがメディアルーティング機能エンティティのSIPURIであることを識別する場合に、このリクエストメッセージを直接メディアルーティング機能エンティティへとルーティングし、リクエストURIがワイルドカードである場合に、リクエストURIをメディアルーティング機能エンティティのSIPURIに変更して、変更されたメディアリソースリクエストメッセージをメディアルーティング機能エンティティにルート変更することによって、行ってもよい。
【0033】
メディアルーティング機能エンティティが、決定されたメディアサーバにメディアリソースリクエストをルーティングする場合、この方法は、ASまたはS−CSCFと決定されたメディアサーバとの間で後に行われるメッセージ交換に参加するかどうかを判断する工程と、ASまたはS−CSCFと決定されたメディアサーバとの間で後に行われるメッセージ交換に参加すると判断した場合に、それ自体のURIをメディアリソースリクエストメッセージのレコードルートまたはルートフィールドに加える工程と、ASまたはS−CSCFと決定されたメディアサーバとの間で後に行われるメッセージ交換に参加しないと判断した場合に、それ自体のURIをメディアリソースリクエストメッセージのレコードルートまたはルートフィールドに加えない工程とをさらに含む。
【0034】
ASがメディアルーティング機能エンティティにメディアリソースリクエストを開始する前には、この方法は、ASがUEから送信されたストリームメディアサービスリクエストを受信する工程をさらに含んでもよい。
【0035】
ASがUEから送信されたストリームメディアサービスリクエストを受信する前には、この方法は、UEがP−CSCFにストリームメディアサービスリクエストを開始する工程と、該P−CSCFが上記ストリームメディアサービスリクエストをS−CSCFに転送する工程と、該S−CSCFが該ストリームメディアサービスリクエストをASに対してトリガする工程とをさらに含んでよい。
【0036】
P−CSCFがストリームメディアサービスリクエストをS−CSCFに転送する前に、UEに関するロケーション情報がUEからP−CSCFに送信されたストリームメディアサービスリクエスト内に伝達されないならば、この方法は、P−CSCFが接続ロケーティング機能(CLF)ユニットと対話して、UEに関するロケーション情報を得る工程と、上記P−CSCFがUEに関するロケーション情報をストリームメディアサービスリクエストに加える工程とを含む。
【0037】
S−CSCFは、上記リクエストによって伝達されたASのCID、サービス型、または、URIをトリガ条件として、ストリームメディアサービスリクエストをASに対してトリガすることが可能である。
【0038】
メディアルーティング機能エンティティは、メディアリソースブローカー機能(MRBF)、および/または、ASおよびメディアリソース制御機能エンティティにそれぞれにインターフェースを有するか、または、S−CSCFとメディアリソース制御機能エンティティとにそれぞれにインターフェースを有するメディアリソース制御機能エンティティであってもよい。
【0039】
本発明の他の一実施形態は、IMSベースのメディアリソーススケジューリング法を提供する。この方法は、ASによってメディアロケーティング機能エンティティに対してメディアサーバ情報をリクエストする工程と、メディアロケーティング機能エンティティによってメディアサーバを決定する工程と、決定されたメディアサーバに関する情報をASに返送する工程と、ASが決定されたメディアサーバにメディアリソースリクエストを開始する工程とを含む。
【0040】
上記メディアロケーティング機能エンティティによって決定されたメディアサーバは、メディアロケーティング機能エンティティが本IMSドメイン内および/または他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバから選択するサーバあってもよい。
【0041】
メディアロケーティング機能エンティティによって収集された、本IMSドメイン内および/または他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバに関する、CID、UE用のSDPの記述情報、UEに関するロケーション情報、UEに関する性能情報、UEまたはUEのユーザに関するコンテキスト情報、および、ストリームメディアコンテクスト配信情報および/またはステータス情報のうちの少なくとも1つに基づいて、上記メディアロケーティング機能エンティティは、メディアサーバを決定することが可能である。
【0042】
上記メディアロケーティング機能エンティティによって収集された、本IMSドメイン内および/または他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバに関するストリームメディアコンテクスト配信情報および/またはステータス情報は、本IMSドメインおよび/または他のIMSドメインにおける、上記メディアロケーティング機能エンティティと、上記メディアサーバおよび/または他のメディアロケーティング機能エンティティとの間の対話によって得られる。
【0043】
メディアロケーティング機能エンティティが他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択することは、他のIMSドメイン内のメディアロケーティング機能エンティティと対話して、少なくとも1つのメディアサーバに関する情報を得て、上記少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択することによって、可能である。
【0044】
メディアロケーティング機能エンティティが他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択することは、メディアロケーティング機能エンティティが他のIMSドメイン内のメディアロケーティング機能エンティティにメディアサーバ情報を供給するリクエストを転送し、他のIMSドメイン内のメディアロケーティング機能エンティティが他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択して、選択されたメディアサーバに関する情報をメディアロケーティング機能エンティティに供給することによって、行ってもよい。
【0045】
メディアロケーティング機能エンティティによって決定されたか、または、選択されたメディアサーバは、メディアリソース制御機能エンティティと、メディアリソース配信機能エンティティとを含むことが可能である。
【0046】
ASが、決定されたメディアリソース制御機能エンティティにメディアリソースリクエストを開始した後、この方法は、メディアリソース制御機能エンティティが、複数の制御されたメディアリソース配信機能エンティティから1つのエンティティを選択する工程と、メディアリソース制御機能エンティティが、選択されたメディアリソース配信機能エンティティに関する情報を、ASに直接またはIMSルーティング機能エンティティを介して返送する工程とを含む。メディアリソース制御機能エンティティは、メディアリソース情報またはコンテンツ配信情報と、メディアリソース配信機能エンティティの負荷に関する情報とに基づいて、メディアリソース配信機能エンティティを選択することが可能である。ASとメディアロケーティング機能エンティティとの間にサービングコールセッション制御機能(P−CSCF)が設けられているならば、ASは、ASがS−CSCFにメディアサーバリクエストメッセージを送信し、該S−CSCFが該メディアサーバリクエストメッセージをメディアロケーティング機能エンティティへとルーティングすることによって、メディアロケーティング機能エンティティに対してメディアサーバ情報をリクエストする。
【0047】
S−CSCFがメディアサーバリクエストメッセージをメディアロケーティング機能エンティティへとルーティングすることは、S−CSCFがメディアサーバリクエストメッセージ内のリクエストURIはメディアロケーティング機能エンティティのSIPURIであることを識別した場合に、上記メディアサーバリクエストメッセージを直接このメディアロケーティング機能エンティティへとルーティングし、上記リクエストURIがワイルドカードである場合に、上記リクエストURIをメディアロケーティング機能エンティティのSIPURIに変更して、変更されたメディアサーバリクエストメッセージをメディアロケーティング機能エンティティへとルーティングすることによって、可能である。
【0048】
メディアロケーティング機能エンティティは、ASと該メディアリソース制御機能エンティティとのそれぞれに対するインターフェースを有するか、または、S−CSCFと該メディアリソース制御機能エンティティとのそれぞれに対するインターフェースを有するメディアリソースロケーティング機能(MRLF)ユニットあってもよい。
【0049】
本発明の他の一実施形態は、IMSベースのメディアリソーススケジューリング法を提供する。この方法は、ASによって実行される以下の工程を含む。本IMSドメイン内および/または他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバに関する情報を得る工程、該少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを決定する工程、および、決定されたメディアサーバにメディアリソースリクエストを開始する工程。
【0050】
ASが本IMSドメイン内および/または他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバに関する情報を得ることは、ASがメディアロケーティング機能エンティティに対してメディアサーバ情報をリクエストし、該メディアロケーティング機能エンティティが、CID、ストリームメディアコンテクスト配信情報、および/または、ステータス情報に基づいて、本IMSドメイン内および/または他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバに関する情報を返送することによって、可能である。
【0051】
ASは、UE用のメディアSDPの記述情報、UEに関するロケーション情報、UEに関する性能情報、および、UEまたはUEのユーザに関するコンテキスト情報のうちの少なくとも1つに基づいて、上記少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択し得る。
【0052】
ASは、ストリームメディアサービスリクエストメッセージ内の伝達された、CID、UE用のメディアSDPの記述情報、UEに関するロケーション情報、UEに関する性能情報、および、UEまたはUEのユーザに関するコンテキスト情報のうちの少なくとも1つに基づいて、メディアサーバを決定し得る。ここでは、ASによって、および、ASによって収集された本IMSドメイン内および/または他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバに関するストリームメディアコンテクスト配信情報および/またはステータス情報によって、ストリームメディアサービスリクエストメッセージが受信または開始される。
【0053】
ASによって収集された本IMSドメイン内のメディアサーバに関するストリームメディアコンテクスト配信情報および/またはステータス情報は、ASと本IMSドメイン内のMRLF、MRBF、または、メディアサーバとの間の対話によって得られる。
【0054】
ASによって収集された他のIMSドメイン内のメディアサーバに関するストリームメディアコンテクスト配信情報および/またはステータス情報は、ASと、本IMSドメイン内のMRLF、MRBF、または、メディアリソース制御機能エンティティとの間の対話によって、および、本IMSドメイン内のMRLF、MRBF、または、メディアリソース制御機能エンティティと他のIMSドメイン内のMRLF、MRBF、または、メディアリソース制御機能エンティティとの間のさらなる対話によって得られる。
【0055】
ASによって得られたメディアサーバ情報は、メディアリソース制御機能エンティティおよびメディアリソース配信機能エンティティに関する情報を含み得る。
【0056】
ASが、決定されたメディアリソース制御機能エンティティにメディアリソースリクエストを開始した後、上記方法は、メディアリソース制御機能エンティティが制御された複数のメディアリソース配信機能エンティティから1つのエンティティを選択する工程と、メディアリソース制御機能エンティティが、選択されたメディアリソース配信機能エンティティに関する情報をASに直接、または、IMSルーティング機能エンティティを介して返送する工程とをさらに含む。
【0057】
メディアリソース制御機能エンティティは、メディアリソース情報またはコンテンツ配信情報と、メディアリソース配信機能エンティティの負荷に関する情報に基づいて、メディアリソース配信機能エンティティを選択し得る。ASとメディアサーバとの間にサービングコールセッション制御機能(S−CSCF)が設けられているならば、ASがメディアリソースリクエストメッセージをS−CSCFに送信すること、および、S−CSCFがメディアリソースリクエストメッセージをメディアサーバへとルーティングすることによって、ASは、決定されたメディアサーバにメディアリソースリクエストを開始する。
【0058】
S−CSCFがメディアリソースリクエストメッセージをメディアサーバへとルーティングする工程は、S−CSCFによって、リソースリクエスト内のリクエストURIが上記メディアルーティング機能エンティティのSIPURIであると判定された場合に、メディアリクエストメッセージを直接上記メディアサーバへとルーティングし、上記リクエストURIがワイルドカードであると判定された場合に、リクエストURIを該メディアサーバのSIPURIに変更して、この変更されたメディアリソースリクエストメッセージを上記メディアサーバへとルーティングすることによって、行われ得る。
【0059】
ASがメディアサーバにメディアリソースリクエストを開始する前には、この方法は、ASがUEから送信されたストリームメディアサービスリクエストを受信する工程をさらに含む。
【0060】
ASがUEから送信されたストリームメディアサービスリクエストを受信する前には、この方法は、UEがP−CSCFにストリームメディアサービスリクエストを開始する工程と、P−CSCFが該ストリームメディアサービスリクエストをS−CSCFに転送する工程と、S−CSCFが該ストリームメディアサービスリクエストをASに対してトリガする工程とをさらに含む。
【0061】
UEからP−CSCFに送信されたストリームメディアサービスリクエスト内に、UEに関するロケーション情報が全く伝達されないならば、P−CSCFがストリームメディアサービスリクエストをS−CSCFに転送する前に、この方法は、UEに関するロケーション情報がストリームメディアサービスリクエスト内に伝達されない場合にP−CSCFがCLFと対話してUEに関するロケーション情報を得る工程と、P−CSCFがストリームメディアサービスリクエストにUEに関するロケーション情報を加える工程とをさらに含む。
【0062】
S−CSCFは、上記リクエストによって伝達されたASのCID、サービス型、または、URIをトリガ条件として、ストリームメディアサービスリクエストをASに対してトリガすることが可能である。
【0063】
上述した方法の実施形態において言及したメディアリソース制御機能エンティティは、メディアリソース機能(MRF)内のMRFC、または、該MRFCから独立した機能エンティティあってもよい。また上記メディアリソース配信機能エンティティは、上記MRF内のメディアリソース機能プロセッサ(MRFP)、または、該MRFPから独立した機能エンティティあってもよい。例えば、上記MRFCは、少なくとも1つのMRFPを制御し、したがって、上記メディアリソース制御機能エンティティは、少なくとも1つのメディアリソース配信機能エンティティを制御する。上記MRFCから独立した機能エンティティは、該MRFCの全機能を有しているか、または、該MRFCのいくつかの機能だけを有していることに留意されたい。上記MRFPから独立した機能エンティティは、該MRFPの全機能を有しているか、または、上記MRFPのいくつかの機能だけを有している。
【0064】
本発明の方法の実施形態では、IMSネットワークアーキテクチャ内でメディアリソーススケジューリングを実施するように、MRLFおよび/またはMRBFが現行のIMSネットワークアーキテクチャに導入されていることに留意されたい。このMRLF/MRBFは、S−CSCFとMRFCとの間、または、ASとMRFCとの間に配置され得る。あるいは、このMRLF/MRBFは、IMSネットワークアーキテクチャの外部に配置されていても良く、ここでは、このMRLF/MRBFは、S−CSCFおよびMRFCに対するインターフェースを有しているか、ASおよびMRFCに対するインターフェースを有し得る。
【0065】
ASがMRLFと通信し合っているならば、メディアリソーススケジューリングの通常の手順の概要は次の通りである。UEが、ASから得られるサービスのスケジューリングをリクエストし、該ASが、MRFC情報をMRLFを介して得る。ここでは、ASがMRFCにリクエストを転送し該MRFCがMRFPを制御して、UEにメディアリソースを割り当てる。このようにして、メディアリソーススケジューリングを実行する。図2は、そのフローを例示する図である。
【0066】
ステップS201:サービスリクエスト(CIDおよびSDPを含む)
UEがサービスリクエストを開始する。このリクエストは、SIPメッセージとして伝達される。また、このリクエストは、スケジューリングされるメディアリソースのCIDを少なくとも含む。さらに、ASのURI、UEに関する性能情報、UEに関するロケーション情報、および、UE用のメディアSDP記述情報も伝達され得る。上記UEに関する性能情報は、解像度情報または同様なものを含む。UEは、上記UEに関するロケーション情報を、P-Access−Network−Infoメッセージのヘッダー内に格納して伝達する。さらに、これらUEに関する性能情報およびロケーション情報は、ストリームメディアネットワークシステム内の関連する機能エンティティを検索することによって得られる。UEによって開始されたサービスリクエストがストリームメディアサービスのためのリクエストであるならば、このサービスリクエストは、ストリームメディアサービスリクエストと呼ばれる。
【0067】
ステップS202:サービスリクエスト(CID、SDP、および、Locを含む)
P−CSCFが、UEから送信されたリクエストメッセージをS−CSCFに転送する。UEから開始されたリクエストメッセージにより上記UEに関するロケーション情報が伝達されないならば、この方法は、次のステップをさらに含む。
【0068】
ステップS202.1:ロケーション情報リクエスト
P−CSCFが、CLFを検索することによって、上記UEに関するロケーション情報を得る。
【0069】
ステップS202.2:ロケーション情報応答
CLFが、上記UEに関するロケーション情報をP−CSCFに送り返す。
【0070】
ステップS203:サービスリクエスト(CID、SDP、および、Locを含む)
S−CSCFが、リクエストメッセージをASに対してトリガする。トリガ条件は、このリクエストによって伝達されたASのサービス/CID、サービス型、または、URIあってもよい。
【0071】
ステップS204:MRFCロケーションリクエスト(CID、SDP、および、Loc)
ASが、リクエストはコンテンツスケジューリングに関するものであると判断したならば、UEに関するロケーション情報およびCIDに関する情報が伝達され、ASは、UEにサービスを提供するために最適なMRFCを得るように、MRLFにリクエストする。
【0072】
ステップS205:MRLFによる最適MRFCの決定
MRLFが、UEに関するロケーション情報、UEによってリクエストされたCID、および、MRLFによって収集された各メディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報に基づいて、複数のMRFCから、UEによってリクエストされたコンテンツに関して最良のサービスを提供する1つのMRFCを選択する。
【0073】
ステップS206:MRFCロケーション応答
MRLFが、ASに応答メッセージを返送する。該応答メッセージは、MRFCのアドレスを含み、SDPメッセージとして伝達され得る。
【0074】
ステップS207:メディアリソースリクエスト(CID、SDP、および、Loc)
MRLFから返送されたMRFCのアドレスに基づいて、ASは、該アドレスを用いてメディアリソースをリクエストする。このリクエストメッセージによって、CID、UEに関するロケーション情報、および、UE用のメディアSDPの記述情報を伝達する事が可能である。ASから送信されたメディアリソースリクエストは、UEから送信され、転送されたストリームメディアサービスリクエストであることに留意されたい。この場合、このメディアリソースリクエストは、ストリームメディアサービスリクエストと呼ばれる。しかしながら、ASから送信されたメディアリソースリクエストは、UEから送信されたストリームメディアサービスリクエストとは異なり得る。つまり、ASは、ストリームメディアサービスリクエストを変更するか、または、ストリームメディアサービスリクエストからメディアリソースリクエストを生成することもできる。
【0075】
ステップS208:メディアリソース制御
MRFCとMRFPとが、メッセージを交換することによって、メディアリソース情報を決定する。例えば、リアルタイムストリームプロトコル(RTSP)および/またはリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)のアドレスおよびポートが決定され得る。交換プロトコルは、H.248プロトコルあってもよい。
【0076】
ステップS209:メディアリソース応答(MRFPのSDP記述を含む)
MRFCが、MRFPのRTSPおよび/またはRTPアドレスおよびポートを含み得るメディア記述情報をASに返送する。
【0077】
ステップS210:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
ASが、MRFPのRTSPおよび/またはRTPアドレスおよびポートを含み得るサービス応答をS−CSCFに返送する。
【0078】
ステップS211:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
S−CSCFが、上記応答メッセージをP−CSCFに転送する。
【0079】
ステップS212:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
P−CSCFが、上記応答メッセージをUEに転送する。
【0080】
ASがMRBFと通信し合っているならば、メディアリソーススケジューリングの通常の手順の概要は次の通りである。サービスIDおよびアクセスロケーションのような情報を伝達するUEが、ASからのサービスをリクエストし、ASがこのリクエストメッセージをMRBFに転送する。MRBFは、このリクエストメッセージによって伝達された情報と収集された各メディアサーバに関する情報とに基づいて、リクエストされたサービスをUEに提供するために最適なMRFCを決定する。このリクエストメッセージは、最適なMRFCへとルーティングされる。MRFCはMRFPを制御して、メディアリソースをUEのサービスに割り当てる。このようにして、メディアリソーススケジューリングが行われる。図3は、そのフローを例示する図である。
【0081】
ステップS301、S302、S302.1、S302.2、および、S303は、図2に示したステップS201、S202、S202.1、S202.2、および、S203と同じである。
【0082】
ステップS304:メディアリソースリクエスト(CID、SDP、および、Loc) ASが、リクエストはコンテンツスケジューリングと接続されていると判断したならば、UEのCIDおよびロケーションのような情報が伝達され、このリクエストはMRBFに転送される。
【0083】
ステップS305:MRBFによる最適MRFCの決定
MRBFは、UEのロケーション情報、UEによってリクエストされたCID、および、MRBFによって収集された各メディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報に基づいて、複数のMRFCから、UEによってリクエストされたコンテンツに関して最良のサービスを提供する1つのMRFCを選択する。
【0084】
ステップS306:メディアリソースリクエスト(CID、SDP、および、Loc) MRBFは、選択された最適なMRFCからのメディアリソースをリクエストする。このリクエストメッセージは、CID、UEのロケーション情報、および、UEのメディアSDP記述を伝達することが可能である。一方、メディアリソース応答がMRBFを通過しないように、MRBFを経路加えないという選択も可能である。
【0085】
ステップS307:メディアリソース制御
MRFCとMRFPとが、メッセージ交換によってメディアリソース情報を決定する。例えば、RTSPおよび/またはRTPアドレスおよびポートのような情報が決定され得る。交換プロトコルはH.248あってもよい。
【0086】
ステップS308:メディアリソース応答(MRFPのSDP記述を含む)
MRFCが、RTSPおよび/またはRTPアドレスおよびポートを含み得るメディア記述情報を、ASに返送する。
【0087】
ステップS309:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
ASが、RTSPおよび/またはRTPアドレスおよびポートを含み得るサービス応答をS−CSCFに返送する。
【0088】
ステップS310:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
S−CSCFが、上記応答メッセージをP−CSCFに転送する。
【0089】
ステップS311:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
P−CSCFが、上記応答メッセージをUEに転送する。
【0090】
S−CSCFがMRLFと通信し合っているならば、メディアリソーススケジューリングの通常の手順の概要は次の通りである。サービスIDおよびアクセスロケーションのような情報を伝達するUEが、ASにサービスをスケジューリングするようにリクエストし、ASはリクエストメッセージをS−CSCFに転送し、S−CSCFは、MRLFを検索してMRFC情報をロケーティングする。ここで、S−CSCFは、リクエストメッセージをMRFCに転送し、MRFCはMRFPを制御して、メディアリソースをUEのサービスに割り当てる。このようにして、メディアリソーススケジューリングが行われる。図4は、そのフローを例示する図である。
【0091】
ステップS401、S402、S402.1、S402.2、および、S403は、図2のステップS201、S202、S202.1、S202.2、および、S203と同じである。
【0092】
ステップS404:サービスリクエスト(CID、SDP、および、Lo)
ASがこのリクエストはストリームメディアサービスリクエストであると判断したならば、このリクエストは、S−CSCFに転送される。このリクエストメッセージは、SIPメッセージにより伝達され得る。このSIPメッセージのヘッダー内のリクエストURIは、MRLFのSIPURLであるか、または、ワイルドカードである。このSIPメッセージのヘッダー内のリクエストURIがワイルドカードであるならば、S−CSCFはリクエストURIを加えることが可能である。
【0093】
ステップS405:MRFCロケーションリクエスト(CID、SDP、および、Loc)
ASによって加えられたリクエストURIがMRLFのSIPURLであるならば、リクエストメッセージは直接ルーティングされる。ASによって加えられたリクエストURIがワイルドカードであると共に、S−CSCFが、このリクエストはストリームメディアコンテンツスケジューリングに関するものであると判断したならば、このリクエストURIは、MRLFのSIPURLに変更され、リクエストメッセージは、最適なMRFCをリクエストするように、転送される。
【0094】
ステップS406:MRLFによる最適MRFCの決定
MRLFが、UEのロケーション情報、UEによってリクエストされたCID、および、MRLFによって収集された各メディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報に基づいて、複数のMRFCから、UEによってリクエストされたコンテンツに関して最良のサービスを提供する1つのMRFCを選択する。
【0095】
ステップS407:MRFCロケーション応答
MRLFが、応答メッセージをS−CSCFに返送する。この応答メッセージは、MRFCのアドレスを含むと共にSDPメッセージにより伝達され得る。
【0096】
ステップS408:メディアリソースリクエスト(CID、SDP、および、Loc)
MRLFから返送されたMRFCのアドレスに基づいて、S−CSCFは、このアドレスを用いて、メディアリソースをリクエストすることが可能である。つまり、リクエストメッセージは、CID、UEに関するロケーション情報、および、UE用のメディアSDPの記述情報を伝達する。
【0097】
ステップS409:メディアリソース制御
MRFCおよびMRFPが、交換によって、メディアリソース情報を決定する。例えば、リアルタイムストリームプロトコル(RTSP)および/またはリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)アドレスおよびポートが決定され得る。交換プロトコルはH.248あってもよい。
【0098】
ステップS410:メディアリソース応答(MRFPのSDP記述を含む)
MRFCが、MRFPのRTSPおよび/またはRTPアドレスおよびポートを含み得るメディア記述情報を、S−CSCFに返送する。
【0099】
ステップS411:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
S−CSCFが、この応答をASに転送し、ASは、サービスステータス情報の統計プロセスを実行する。
【0100】
ステップS412:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
ASが、この応答をS−CSCFに転送する。
【0101】
これらステップS411、S412の実行は、ASが応答メッセージを処理する必要があるかどうかによって決定される。この図では破線で示すように、処理する必要が無いならば、これら2つのステップは省略しても良い。
【0102】
ステップS413:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
S−CSCFが、この応答メッセージをP−CSCFに転送する。
【0103】
ステップS414:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
P−CSCFが、上記応答メッセージをUEに転送する。
【0104】
S−CSCFがMRBFと通信し合っているならば、メディアリソーススケジューリングの通常の手順の概要は、次の通りである。サービスIDおよびアクセスロケーションのような情報を伝達するUEが、ASに、ストリームメディアサービスをスケジューリングするようにリクエストする。ASは、リクエストメッセージをS−CSCFに転送し、S−CSCFは、このリクエストメッセージをMRBFに転送する。MRBFは、リクエストメッセージ内の伝達された情報、および、各メディアサーバに関して収集された情報に基づいて、リクエストされたサービスにとって最良のサービスをUEに提供する最適なMRFCを決定する。上記リクエストメッセージは、MRFCへとルーティングされ、MRFCは、MRFPを制御して、UEのサービスのためにメディアリソースを割り当てる。このようにして、メディアリソーススケジューリングが実行される。図5は、そのフローを例示する図である。
【0105】
ステップS501、S502、S502.1、S502.2、および、S503は、図2のステップS201、S202、S202.1、S202.2、S203と同一である。
【0106】
ステップS504:サービスリクエスト(CID、SDP、および、Locを含む)
ASが、リクエストはストリームメディアサービスリクエストであると判断したならば、このリクエストは、S−CSCFに転送される。このリクエストメッセージは、SIPメッセージにより伝達される。SIPメッセージのヘッダー内のリクエストURIは、MRLFのSIPURIであってもよいし、ワイルドカードであってもよい。上記SIPメッセージのヘッダー内のリクエストURIがワイルドカードであるならば、S−CSCFは、リクエストURIを加えることが可能である。
【0107】
ステップS505:メディアリソースリクエスト(CID、SDP、および、Locを含む)
ASに加えられたリクエストURIが、MRBFのSIPURLであるならば、リクエストメッセージは、直接ルーティングされる。ASに加えられたリクエストURIがワイルドカードであると共に、S−CSCFが、このリクエストはストリームメディアコンテンツスケジューリングに関するものであると判断したならば、リクエストURIは、MRBFのSIPURLに変更され、上記リクエストメッセージは転送される。
【0108】
ステップS506:MRBFによる最適MRFCの決定
MRBFが、UEのロケーション情報、UEによってリクエストされたCID、および、MRBFによって収集された各メディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報に基づいて、複数のMRFCから、UEによりリクエストされたコンテンツに関して最良のサービスを提供する1つのMRFCを選択する。
【0109】
ステップS507:メディアリソースリクエスト(CID、SDP、および、Loc)
MRBFが、選択された最適なMRFCからメディアリソースをリクエストする。このリクエストメッセージは、CID、UEのロケーション情報、および、UEのメディアSDP記述を伝達する。その一方で、MRBFは、メディアリソース応答が該MRBFを通過しないように、経路に加わらないことを選択し得る。
【0110】
ステップS508:メディアリソース制御
MRFCおよびMRFPが、交換によって、メディアリソース情報を決定する。例えば、RTSPおよび/またはRTPアドレスおよびポートのような情報が決定される。交換プロトコルはH.248であってもよい。
【0111】
ステップS509:メディアリソース応答(MRFPのSDP記述を含む)
MRFCが、MRFPのRTSPおよび/またはRTPアドレスおよびポートを含み得るメディア記述情報をS−CSCFに返送する。
【0112】
ステップS510:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
S−CSCFが、ASがサービスステータス情報上で統計プロセスを実行することが可能なように、この応答をASに転送する。
【0113】
ステップS511:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
ASが、上記応答をS−CSCFに転送する。
【0114】
これらステップS510、S511の実行は、応答メッセージを処理する必要があるかどうかによって決定される。この図では破線で示すように、処理する必要が無いならば、これら2つのステップは省略しても良い。
【0115】
ステップS512:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
S−CSCFが、この応答メッセージをP−CSCFに転送する。
【0116】
ステップS513:サービス(MRFPのSDP記述を含む)
P−CSCFが、上記応答メッセージをUEに転送する。
【0117】
図2および図4に示した実施形態では、MRLFは、メディアサーバに関するメディアコンテンツ配信情報および/またはステータス情報に基づいて、いくつかの好適なMRFCを返送する。ASは、その後、UEのロケーション、UEの性能および優先度(preference)、操作する人の方針などの他の要因に基づいて、UEのリクエストに最も好適なMRFCを選択する。
【0118】
さらに、ASは、例えばメディアサーバに関するメディアコンテンツ配信情報および/またはステータス情報のようないくつかの関連する情報のために、MRLFを検索する。その一方で、ASは、UEのロケーション、UEの性能および設定、操作する人の方針などの他の要因に基づいて、最も好適なMRFCを選択することが可能である。図6は、そのフローを例示する図である。
【0119】
ステップS601、S602、S602.S602.2、および、S606は、図2のステップS201、S202、S202.1、S202.2、S203と同一である。
【0120】
ステップS604:メディアリソース情報ルックアップリクエスト
ASが、メディアリソース情報のためにMRLF/MRBFを検索する。検索される情報は、メディアサーバのメディアリソース配信および/または負荷のような情報を含む。さらに、IMSネットワークアーキテクチャ内にMRLF/MRBFが存在しないならば、ASは、メディアリソース情報のためにMRFCを検索する。
【0121】
ステップS605:メディアリソース情報ルックアップ応答
MRLF/MRBFが、メディアリソース情報をASに返送する。IMSネットワークアーキテクチャ内にMRLF/MRBFが存在しないならば、MRFCが、メディアリソース情報をASに返送する。
【0122】
ステップS606:ASが最適なMRFCを決定する。
【0123】
ASが、UEのロケーション情報、UEによってリクエストされたCID、および、各メディアサーバに関する収集されたコンテンツ配信情報および/またはステータス情報に基づいて、複数のMRFCから、UEによりリクエストされたコンテンツに関して最良のサービスを提供する1つのMRFCを選択する。
【0124】
ステップS607:メディアリソースリクエスト(CID、SDP、および、Loc)
選択されたMRFCのアドレスに基づいて、ASは、このアドレスを用いて、メディアリソースをリクエストする。リクエストメッセージは、CID、UEに関するロケーション情報、および、UE用のメディアSDPの記述情報を伝達することが可能である。
【0125】
ステップS608:メディアリソース制御
MRFCおよびMRFPは、交換によって、メディアリソース情報を決定する。例えば、リアルタイムストリームプロトコル(RTSP)および/またはリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)のアドレスおよびポートが決定され得る。交換プロトコルはH.248であってもよい。
【0126】
ステップS609:メディアリソース応答(MRFPのSDP記述を含む)
MRFCが、MRFPのRTSPおよび/またはRTPアドレスおよびポートを含み得るメディア記述情報をASに返送する。
【0127】
ステップS610:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
ASが、MRFPのRTSPおよび/またはRTPアドレスおよびポートを含み得るサービス応答をS−CSCFに返送する。
【0128】
ステップS611:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
S−CSCFがこの応答メッセージをP−CSCFに転送する。
【0129】
ステップS612:サービス応答(MRFPのSDP記述を含む)
P−CSCFが、上記応答メッセージをUEに転送する。
【0130】
上述のフローチャートは、本発明に係る方法の実施形態を説明するものである。本発明はまた、メディアリソーススケジューリングシステムを提供する。以下に、本発明に係るシステムの実施形態の一般的な技術的解決方法に関して詳細に説明する。
【0131】
本発明に係るシステムの一実施形態は、AS、MRLFまたはメディアリソースブローカー機能(MRBF)、および、少なくとも1つのメディアサーバを含む、IMSベースのメディアリソーススケジューリングシステムを提供する。MRLFまたはMRBFは、ASおよび少なくとも1つのメディアサーバと通信し合っている。MRLFまたはMRBFは、ストリームメディアサービスをUEに提供するメディアサーバを決定するように構成されており、ASは、UEから送信されたストリームメディアサービスリクエストを開始または受信して、MRLFまたはMRBFによって決定されたメディアサーバに関する情報をUEに返送するように構成されている。
【0132】
メディアリソーススケジューリングシステムは、ASと、MRLFまたはMRBFとの間、および/または、ASと少なくとも1つのメディアサーバとの間に、メッセージを転送するように構成されたサービングコールセッション制御機能(S−CSCF)をさらに含む。
【0133】
本発明に係る他のシステムの一実施形態は、ASと少なくとも1つのメディアサーバとを含む、IMSベースのメディアリソーススケジューリングシステムを提供する。このメディアサーバは、ストリームメディアサービスをUEに提供するメディアサーバを決定するように構成されており、ASは、UEから送信されたストリームメディアサービスリクエストを開始または受信して、決定されたメディアサーバに関する情報をUEに返送するように構成されている。
【0134】
上記メディアサーバは、本IMSドメインまたは他のIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバから、1つのメディアサーバを選択することが可能である。
【0135】
メディアリソーススケジューリングシステムは、ストリームメディアサービスをUEに提供する少なくとも1つのメディアサーバに関する、コンテンツ配信情報および/またはステータス情報を収集し、この収集したコンテンツ配信情報および/またはステータス情報をASに提供するように構成されたMRLFおよび/またはMRBFをさらに含んでよい。
【0136】
以下に、図7、図8、および図9をそれぞれ参照しながら、上述のシステムの実施形態について詳細に説明する。
【0137】
図7に示すように、メディアリソーススケジューリングシステムは、AS、I/S−CSCF、MRLF/MRBF、MRFC、MRFPおよびP−CSCFを含むことが可能である。MRLF/MRBFは、I1インターフェースを介してI/S−CSCFと通信し合い、I2インターフェースを介して、MRFCと通信し合っている。
【0138】
MRLF/MRBFは、ストリームメディアサービスをUEに提供する少なくとも1つのメディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報を収集し、収集したコンテンツ配信情報および/またはステータス情報をASに提供するように構成されている。このメディアリソーススケジューリングシステムは、ネットワーク・アタッチメント・サブシステム、リソースアドミッション制御サブシステム、および、IP通信網をさらに含んでよい。このメディアリソーススケジューリングシステムは、IMSネットワークアーキテクチャに基づいたものであると共に、MRLF/MRBFをIMSネットワークアーキテクチャの外部に設けてもよいことに留意されたい。
【0139】
図8に示したように、メディアリソーススケジューリングシステムは、AS、I/S−CSCF、MRLF/MRBF、MRFC、MRFP、および、P−CSCFを含むことが可能である。MRLF/MRBFは、I1インターフェースを介してASと通信し合っており、I2インターフェースを介してMRFCと通信し合っている。このメディアリソーススケジューリングシステムは、ネットワーク添付サブシステム、リソースアドミッション制御サブシステム、および、IP通信網をさらに含んでよい。このメディアリソーススケジューリングシステムは、IMSネットワークアーキテクチャに基づいたものであると共に、MRLF/MRBFをIMSネットワークアーキテクチャの外部に設けてもよいことに留意されたい。
【0140】
図7および図8では、MRLFがAS/S−CSCFと通信し合っているならば、I1インターフェースは、ルックアップインターフェースである。つまり、MRLFは、選択されたMRFCに関する情報をAS/S−CSCFに返送することが可能である。MRBFがAS/S−CSCFと通信し合っているならば、I2インターフェースは、リソースリクエストメッセージインターフェースである。つまり、MRBFは、リクエストメッセージを選択されたMRFCへとルーティングし、その一方で、AS/S−CSCFとメディアサーバとの間の後に続くメッセージ交換に参加するかどうかを決定することが可能である。例えば、MRBFがSIPリクエストメッセージをルーティングする場合に、MRBFのURLがSIPメッセージのレコードルートまたはルートヘッダーフィールドに加えられないならば、MRBFは後に続くメッセージ交換には参加しない。
【0141】
以下に、図7および図8に示した様々な機能エンティティおよびインターフェースに関して説明する。
【0142】
MRFCは、メディアリソーススケジューリングに関する次の機能、すなわち、例えばどんな種類のメディアコンテンツがMRFC上に格納されているかのような、各MRFCのリソース配信を記録し、例えばMRFPのポート割り当ておよびロードのような、各MRFPに関するステータス情報を収集する機能を提供する。
【0143】
MRLF/MRBFは、メディアリソーススケジューリングに関する次の機能を提供する。例えば入手可能なリソースおよびロードのようなMRFCに関するリソースステータス情報を収集する機能。MRLFが、AS/S−CSCFからのリクエスト、例えばメディアコンテンツ/ユーザロケーション/QoSに関する情報、および、メディア配信情報、および、MRLFによって収集されたメディア配信ポイントのロードに基づいて、好適なMRFCを選択する機能。選択されたMRFCに関する情報をS−CSCF/ASに返送する機能。MRBFが、AS/S−CSCFからのメディアリソースリクエストメッセージをMRFCへとルーティングし、その一方で、ルーティング方針にしたがって、AS/S−CSCFとメディアサーバとの間の後の交換を終了する機能。MRBFは、異なるIMSドメイン内の別のMRBFと対話して、各MRFCに関するリソース配信とMRFPに関するステータス情報とを得てもよい。このようにして、メディアリソースに関するサービスリクエストに最良のサービスを提供する1つのMRFCが決定され、これによって、異なるIMSドメイン間のメディアリソーススケジューリングを実行することが可能である。
【0144】
ASは、メディアリソーススケジューリングに関する次の機能を提供し得る。つまり、サービスリクエストがメディアリソースに関するサービスリクエストであるかどうかを判断する機能と、メディアCID、ユーザロケーション情報などのような必要な情報を伝達する機能と、MRLFを検索してこのリクエストメッセージを転送する必要があるのはどのMRFCであるかを判断する機能と、このサービスリクエストをS−CSCFに転送する機能とを提供し得る。
【0145】
I1インターフェースは、AS/S−CSCFがMRLFから好適なMRFCをリクエストするルックアップインターフェースであるか、または、AS/S−CSCFがMRBFからメディアリソースメッセージをリクエストするルーティングインターフェースである。AS/S−CSCFとMRLFとの間の通信は、ダイアメータープロトコルを用いて行われ、AS/S−CSCFとMRBFとの間の通信は、SIPを用いて行われ得る。
【0146】
I2インターフェースは、MRLF/MRBFが好適なメディアサーバを選択できるように、MRLF/MRBFおよびMRFCが、MRFPのコンテンツ配信情報およびロードに関する情報を交換するインターフェースである。上述の方法、システム、および、ネットワークアーキテクチャの実施形態では、MRLFおよびMRBFの両方は、システムおよびネットワークアーキテクチャの内部に設けられているか、または、組み合わされて単一の機能エンティティを形成していることに留意されたい。これらが組み合わされて単一の機能エンティティを形成すると共にASとのインターフェースを有しているならば、ASは、MRLF/MRBFにサービスリクエストを転送することが可能である。最適なMRFCを決定した後、MRLF/MRBFは、リクエストメッセージを直接ルーティングするか、または、選択されたMRFC情報をASに返送するかを決定することが可能である。これらが組み合わされて単一の機能エンティティを形成すると共にS−CSCFとのインターフェースを有しているならば、ASは、リクエストメッセージをSIPメッセージにより伝達することによって、サービスリクエストをS−CSCFに転送することが可能である。この時、SIPメッセージのヘッダー内のリクエストURIアドレスは、MRLF/MRBFのSIPURLあってもよい。S−CSCFは、リクエストメッセージをMRLF/MRBFへとルーティングする。該MRLF/MRBFは、最適なMRFCを決定し、その後、リクエストメッセージを直接ルーティングするか、または、選択されたMRFC情報をS−CSCFに返送するかを決定する。
【0147】
さらに、実際的なネットワーク開発においては、MRLF/MRBFの機能は、MRFCによって実行されてもよい。つまり、異なるMRFC間の交換によって、メディアリソース情報およびステータス情報が交換され、これによって、ネットワーク全体のリソース情報が得られる。このようにして、AS/S−CSCFは、任意のネットワーク内のMRFCに、メディアリクエストを開始することが可能である。MRFCは、対話によって得た情報に基づいて、メディアリソースリクエストを好適なMRFCへとルーティングすることが可能である。MRFC間の対話は、あるIMSネットワークドメイン内のMRFC間、または、異なるIMSネットワークドメイン内の異なるMRFC間で行われることに留意されたい。
【0148】
異なるMRFC間の対話は、ピアツーピア(P2P)技術を用いて実行することが可能である。この場合、各MRFCは、P2Pネットワーク内のノードに相当する。このP2P技術に基づいて、例えば、ノードメンバーグループマネージメント(node membership group management)、認証、リソース供給(issuance)、サーチ、リクエスト、サービス提供などを用いて、メディアリソースのスケジューリングを行うことが可能である。
【0149】
図9は、MRFCがMRLF/MRBFの機能を実行するネットワークアーキテクチャを示す図である。MRFCは、ネットワーク内の隣接するMRFCとのI3インターフェースを有している。このI3インターフェースを用いて、各MRFCによって制御されるMRFPに関する、メディアリソース情報、ステータス情報などを交換し、異なるMRFP間のメディアリソースのスケジューリングを制御することが可能である。メディアリソースリクエストを受信する際、MRFCは、その把握した情報を基に、リクエストにとって最良のサービスを提供するMRFCを選択し、このリクエストメッセージを選択された最適なMRFCに転送する。最適なMRFCは、その後、把握したリソース配信情報および制御された各MRFPに関するローディング情報に基づいて、最適なMRFPを決定する。
【0150】
さらに、サービスを提供する最適なMRFCのためのMRBFをリクエストする際には、MRFCが別のIMSドメイン内にあるならば、MRBFがこのリクエストを別のIMSドメイン内のMRBFに転送する。この別のIMSドメイン内のMRBFは、得られた各メディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報に基づいて、最良のメディアリソースサービスを提供するために最適なMRFCを決定し、異なるドメイン内のメディアリソーススケジューリングを実行する。
【0151】
情報は、異なるドメイン内のMRBF間を直接転送されるか、または、IMSネットワーク内の経路指機能を介して転送され得ることに留意されたい。この情報転送を行う手順は、次の通りである。第1のMRBFが、受信したリクエストを同じドメイン内のサービングCSCFに送信する。該同じドメイン内のサービングCSCFは、このリクエストを別のドメイン内のサービングCSCFに転送する。該別のドメイン内のサービングCSCFは、このリクエストを、第2のMRBFに転送する。さらに、異なるドメイン内のMRBF間で情報が交換され、各MRBFは、本ドメイン内または他のドメイン内のMRFに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報を得る。
【0152】
さらに、上記MRFに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報のために、MRLFを検索する際には、最適なMRFCが別のIMSドメイン内にあるならば、MRLFは、ルックアップリクエストを別のIMSドメイン内のMRLFに転送する。該別のIMSドメイン内のMRLFは、得られた、各メディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報に基づいて、最良のメディアリソースサービスを提供するために最適なMRFCを決定し、これを、本ドメイン内のMRLFに返送する。本ドメイン内のMRLFは、これを、ASに返送し、その後ASは、別のIMSドメイン内のMRFCに、IMSネットワークのルーティング機能を介してメディアリソースリクエストを開始する。このようにして、異なるドメイン間のメディアリソーススケジューリングが行われる。
【0153】
異なるドメインのMRLF間で情報が交換されて、各MRLFが、本IMSドメインおよび他のIMSドメイン内のMRFに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報を得ることに留意されたい。
【0154】
本発明の実施形態では、MRLFまたはMRBFを導入するか、または、MRFCの機能を拡大する。以下に、MRLF/MRBFまたは拡大されたMRFCの内部構造について、説明する。
【0155】
MRLFは、メディアサーバ情報提供リクエストを受信するように構成されたリクエスト受信ユニット、受信したリクエストに基づいてストリームメディアサービスをUEに提供するメディアサーバを決定するように構成されたメディアサーバ決定ユニット、および、決定されたメディアサーバに関する情報をASに供給するように構成されたメディアサーバ情報提供ユニットを含むことが可能である。
【0156】
MRLFは、メディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報を収集するように構成された情報収集ユニット、および/または、他のIMSドメイン内のMRLFと情報交換を行うように構成されたクロスドメイン情報交換ユニットをさらに含んでよい。
【0157】
MRBFは、メディアリソースリクエストを受信するように構成されたリクエスト受信ユニット、受信したメディアリソースリクエストに基づいて、ストリームメディアサービスをUEに供給するメディアサーバを決定するように構成されたメディアサーバ決定ユニット、および、受信したメディアリソースリクエストを決定されたメディアサーバに転送するように構成されたリクエスト転送ユニットを含むことが可能である。
【0158】
MRBFは、メディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報を収集するように構成された情報収集ユニット、および/または、他のIMSドメイン内のMRBFと情報交換を行うように構成されたクロスドメイン情報交換ユニットをさらに含んでよい。
【0159】
MRFCは、メディアリソースリクエストを受信するように構成されたリクエスト受信ユニット、受信したメディアリソースリクエストに基づいて、ストリームメディアサービスをUEに供給するメディアサーバを決定するように構成されたメディアサーバ決定ユニット、および、受信したメディアリソースリクエストを決定されたメディアサーバに転送するように構成されたリクエスト転送ユニットを含むことが可能である。
【0160】
MRFCは、メディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報を収集するように構成された情報収集ユニット、および/または、本IMSドメインまたは他のIMSドメイン内のMRFCと情報交換を行うように構成された情報交換ユニット、および/または、MRFPを制御して、制御された全MRFPから、ストリームメディアコンテンツをUEに供給する1つのMRFPを選択するように構成されたMRFP制御および選択ユニットをさらに含んでよい。
【0161】
本発明の実施形態では、導入された全てのMRLFおよびMRBF、拡大されたMRFC、または、ASは、同一のIMSドメイン内および異なるIMSドメイン内の少なくとも1つのメディアサーバに関するコンテンツ配信情報および/またはステータス情報を収集することが可能である。これに関して、本発明のメディアリソーススケジューリングスキームは、複数の実施形態を含み得る。
【0162】
さらに、MRFCおよびMRFPは組み合わされて、単一のMRFを形成している。MRFの全機能またはいくつかの機能は、MRFから独立した機能エンティティによって実行され得る。このような機能エンティティとMRFとを、全体的に、メディアサーバと呼ぶ。MRF、MRFC、および、MRFPがそれぞれ、メディアサーバ、該メディアサーバの制御部、および、該メディアサーバの処理部に相当することは、当業者には明らかであろう。
【0163】
上述のように、この開示内容は、典型的な実施形態に関して記載したものであるが、本発明の範囲は、これに限定されるものではない。本開示内容の教示から、本発明の範囲に該当する他の変形例および代替例も可能であることは、当業者に明らかであろう。
〔図面の簡単な説明〕
〔図1〕
メディアリソースに関する現行のIMSネットワークアーキテクチャを示す概略的な図である。
〔図2〕
本発明に係る方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
〔図3〕
本発明に係る方法の第2の実施形態を示すフローチャートである。
〔図4〕
本発明に係る方法の第3の実施形態を示すフローチャートである。
〔図5〕
本発明に係る方法の第4の実施形態を示すフローチャートである。
〔図6〕
本発明に係る方法の第5の実施形態を示すフローチャートである。
〔図7〕
本発明に係るIMSベースのメディアリソーススケジューリングシステムの第1の実施形態を示す概略的な図である。
〔図8〕
本発明に係るIMSベースのメディアリソーススケジューリングシステムの第2の実施形態を示す概略的な図である。
〔図9〕
本発明に係るIMSベースのメディアリソーススケジューリングシステムの第3の実施形態を示す概略的な図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディアルーティング機能エンティティによって、アプリケーションサーバ(AS)からメディアリソースリクエストを受信する工程と、
上記メディアルーティング機能エンティティによって、少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択する工程と、
上記メディアルーティング機能エンティティによって、上記メディアリソースリクエストを、上記選択されたメディアサーバへ送信する工程とを含み、
上記選択されたメディアサーバは、メディアリソース制御機能エンティティ、および、少なくとも1つのメディアリソース配信機能エンティティを含み、上記メディアリソース制御機能エンティティは、少なくとも1つの上記メディアリソース配信機能エンティティから上記メディアリソース配信機能エンティティを選択する、メディアリソーススケジューリング方法。
【請求項2】
ディアロケーティング機能エンティティによって、アプリケーションサーバ(AS)からのリクエストを受信する工程と、
上記メディアロケーティング機能エンティティによって、少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択する工程と、
上記メディアロケーティング機能エンティティによって、上記選択されたメディアサーバに関する情報を上記ASに返送する工程とを含み、
上記ASは、上記選択されたメディアサーバにメディアリソースリクエストを送信し、
上記選択されたメディアサーバは、メディアリソース制御機能エンティティ、および、少なくとも1つのメディアリソース配信機能エンティティを含み、上記メディアリソース制御機能エンティティは、少なくとも1つの上記メディアリソース配信機能エンティティから上記メディアリソース配信機能エンティティを選択する、メディアリソーススケジューリング法。
【請求項3】
アプリケーションサーバ(AS)によって、少なくとも1つのメディアサーバから1つのメディアサーバを選択する工程と、
上記ASによって、上記選択されたメディアサーバへメディアリソースリクエストを送信する工程とを含み、
上記選択されたメディアサーバは、メディアリソース制御機能エンティティ、および、少なくとも1つのメディアリソース配信機能エンティティを含み、上記メディアリソース制御機能エンティティは、少なくとも1つの上記メディアリソース配信機能エンティティから上記メディアリソース配信機能エンティティを選択する、メディアリソーススケジューリング法。
【請求項4】
上記メディアリソース制御機能エンティティは、
メディアリソースの配信情報と、メディアリソース配信機能エンティティの負荷に関する情報と、のうちの少なくとも1つに基づいてメディアリソース配信機能エンティティを選択する、請求項1または2または3に記載の方法。
【請求項5】
上記選択されるメディアサーバは、
コンテンツ識別子(CID)と、
ユーザ装置UE用のメディアセッション記述プロトコルSDPの記述情報と、
上記UEのロケーション情報と、
上記UEの性能情報と、
上記UEのコンテキスト情報と、
上記UEのユーザコンテキスト情報と、
上記少なくとも1つのメディアサーバのストリームメディアコンテクスト配信情報および上記少なくとも1つのメディアサーバのステータス情報と、のうちの少なくとも1つ基づいて選択される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
上記ASと上記メディアルーティング機能エンティティとの間にサービングコールセッション制御機能(S−CSCF)ユニットが設けられており
上記ASによって、上記メディアリソースリクエストを上記S−CSCFユニットに送信する工程と、
上記S−CSCFユニットによって、上記メディアリソースリクエストを上記メディアルーティング機能エンティティへとルーティングする工程とをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
上記ASと上記メディアロケーティング機能エンティティとの間に、サービングコールセッション制御機能(S−CSCF)ユニットが設けられており、
上記ASによって、メディアサーバ情報のためのリクエストを上記S−CSCFユニットに送信する工程と、
上記S−CSCFユニットによって、上記メディアサーバ情報のためのリクエストを上記メディアロケーティング機能エンティティへとルーティングする工程とをさらに含んでいる、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
上記ASと上記メディアサーバとの間に、サービングコールセッション制御機能(S−CSCF)ユニットが設けられており、
上記ASによって、上記メディアリソースリクエストメッセージを上記S−CSCFユニットに送信する工程と、
上記S−CSCFユニットによって、上記メディアリソースリクエストメッセージを上記メディアサーバへとルーティングする工程とをさらに含んでいる、請求項3に記載の方法
【請求項9】
プロクシーコールセッション制御機能(P−CSCF)によって、上記UEからストリームメディアサービスリクエストを受信する工程と、
上記UEのロケーション情報が上記ストリームメディアサービスリクエスト内に伝達されない場合に、上記P−CSCFによって、接続ロケーティング機能(CLF)ユニットから上記UEのロケーション情報を得る工程と、
上記P−CSCFによって、上記UEのロケーション情報を上記ストリームメディアサービスリクエストに加える工程とをさらに含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
アプリケーションサーバAS)と、
少なくとも1つのメディアサーバと、
上記少なくとも1つのメディアサーバからストリームメディアサービスをユーザ装置UEに提供するメディアサーバを選択するように構成されている装置とを含み、
上記選択されたメディアサーバは、メディアリソース制御機能エンティティ、および、少なくとも1つのメディアリソース配信機能エンティティを含み、上記メディアリソース制御機能エンティティは、少なくとも1つの上記メディアリソース配信機能エンティティから上記メディアリソース配信機能エンティティを選択する、メディアリソーススケジューリングシステム。
【請求項11】
アプリケーションサーバAS、および、少なくとも1つのメディアサーバを含み、
上記ASは、トリームメディアサービスをユーザ装置UEに提供するメディアサーバを選択するように構成されており、
上記選択されたメディアサーバは、メディアリソース制御機能エンティティ、および、少なくとも1つのメディアリソース配信機能エンティティを含み、上記メディアリソース制御機能エンティティは、少なくとも1つの上記メディアリソース配信機能エンティティから上記メディアリソース配信機能エンティティを選択する、メディアリソーススケジューリングシステム。
【請求項12】
ディアサーバ情報提供リクエストを受信するように構成されたリクエスト受信ユニットと、
受信したメディアサーバ情報提供リクエストに基づいて、ストリームメディアサービスをユーザ装置UEに提供するメディアサーバを、少なくとも1つのメディアサーバから選択するように構成されたメディアサーバ決定ユニットと、
上記選択されたメディアサーバ情報をアプリケーションサーバASに提供するように構成されたメディアサーバ情報提供ユニットとを含
上記選択されたメディアサーバは、メディアリソース制御機能エンティティ、および、少なくとも1つのメディアリソース配信機能エンティティを含み、上記メディアリソース制御機能エンティティは、少なくとも1つの上記メディアリソース配信機能エンティティから上記メディアリソース配信機能エンティティを選択する、装置
【請求項13】
ディアリソースリクエストを受信するように構成されたリクエスト受信ユニットと、
受信したメディアリソースリクエストに基づいて、ストリームメディアサービスをユーザ装置UEに提供するメディアサーバを、少なくとも1つのメディアサーバから選択するように構成されたメディアサーバ決定ユニットと、
上記受信したメディアリソースリクエストを上記選択されたメディアサーバに転送するように構成されたリクエスト転送ユニットとを含
上記選択されたメディアサーバは、メディアリソース制御機能エンティティ、および、少なくとも1つのメディアリソース配信機能エンティティを含み、上記メディアリソース制御機能エンティティは、少なくとも1つの上記メディアリソース配信機能エンティティから上記メディアリソース配信機能エンティティを選択する、装置
【請求項14】
少なくとも1つのメディアサーバからメディアサーバを選択するように構成されたモジュールと、
上記選択されたメディアサーバにメディアリソースリクエストを送信するように構成されたモジュールとを含み、
上記選択されたメディアサーバは、メディアリソース制御機能エンティティ、および、少なくとも1つのメディアリソース配信機能エンティティを含み、上記メディアリソース制御機能エンティティは、少なくとも1つの上記メディアリソース配信機能エンティティから上記メディアリソース配信機能エンティティを選択する、アプリケーションサーバ(AS)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−105303(P2012−105303A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−277483(P2011−277483)
【出願日】平成23年12月19日(2011.12.19)
【分割の表示】特願2008−554581(P2008−554581)の分割
【原出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(503433420)華為技術有限公司 (107)
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian Longgang District, Shenzhen 518129 P.R. China
【Fターム(参考)】