説明

メディア攪拌型湿式粉砕機

【課題】処理物をピストンフローで流動させるとともに、メディアの片寄りの問題やセパレータの目詰まりの問題を起こさないメディア攪拌型湿式粉砕機を提供する。
【解決手段】横型円筒状の容器20と、容器20の一端を挿通して回転自在に設けられる回転軸40と、回転軸40に固定されて回転する複数の攪拌部材30と、容器20内の他端部に設けられるセパレータ50とを備える。攪拌部材30は筒状のロータが外周面に複数の突起を備え、突起の作用面が軸線に対して所定の傾斜角度を備え、攪拌部材30を回転させたときに、ロータの外側にあるメディアに対して、一端の側に進む力が作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスラリー中の固体粒子を粉砕及び分散する粉砕機であって、特に処理物をメディアとともに攪拌して処理する横型のメディア攪拌型湿式粉砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
メディア攪拌型湿式粉砕機は、インク、塗料、顔料、医薬品、磁性体、セラミック、金属等多くの分野において、粉砕処理や分散処理に広く用いられている。メディア攪拌型湿式粉砕機には多くの種類があるが、例えば、特許文献1又は特許文献2に記載された粉砕機が知られている。
【0003】
図5に示すように、特許文献1に記載されたメディア攪拌型湿式粉砕機110は、横型円筒状の容器120と、容器120の一端(図において左端)を挿通して回転自在に設けられる回転軸140と、回転軸140に固定されて回転する複数の攪拌部材130と、容器120の他端部(図において右端部)に設けられるセパレータ150とを備えている。
【0004】
攪拌部材130は円板状に形成され、容器120内に充填されるメディアをその両面で攪拌することができる。セパレータ150は、固定された環状板151と、この環状板151に近接して回転する回転円板152により形成され、環状板151と回転円板152との間に形成されるスリットを利用する回転式篩である。そして、容器120の一端側には処理物の供給口121を備え、容器120の他端側には処理物の排出口122を備えている。
【0005】
供給口121から容器120内に導入された処理物は、容器120内を排出口122に向かって(図において左側から右側に向かって)流れ、メディアと共に攪拌部材130で攪拌されて粉砕処理を受ける。そして、容器120の他端部(図において右側)のセパレータ150によってメディアは容器120内に残され、処理物はセパレータ150のスリットを通過して排出口122から容器120の外へ排出される。
【0006】
メディア攪拌型湿式粉砕機110は、容器120の直径Dに対する長さLの比率(L/D比)が大きく形成されているために、処理物は容器120内をピストンフローに近い状態で流動することとなり、効率的な粉砕処理を行うことができる。
【0007】
しかしながら、処理物が容器120の一端側から他端側に向かって流動するために、内部に充填されたメディアも一端側から他端側に向かって移動することになる。このため、メディアが排出口122のある他端側に片寄ってしまい、安定した運転ができなくなるという問題を起こしている。このメディアの片寄りの問題は、L/D比を大きくするほど著しくなる。
【0008】
また、この型式のメディア攪拌型湿式粉砕機は、メディアの粒径が小さくなると、メディアによってセパレータが目詰まりするという問題を起こしている。このため、メディア攪拌型湿式粉砕機110では固定式篩のセパレータではなく回転式篩のセパレータ150を採用している。しかしながら、回転式篩のセパレータ150はコスト高になるとともに、容器120内の清掃、点検、保守等の作業を困難にしている。セパレータの目詰まりの問題は、メディアの片寄りの問題と同時に発生することが少なくない。
【0009】
特許文献2には、L/D比を比較的小さくしてメディアの片寄りの問題を回避した粉砕機が記載されている。図6に示すように、このメディア攪拌型湿式粉砕機210は、横型円筒状の容器220を備えるとともに、容器220の一端(図において右端)を挿通して回転自在に設けられる第1の回転軸241と、容器220の他端(図において左端)を挿通して回転自在に設けられる第2の回転軸242を備えている。
【0010】
第1の回転軸241には、1つの攪拌部材230が取付けられている。攪拌部材230は、筒状のロータ260と円板状の保持部材270とを備えており、ロータ260には内外を連通する複数の開口261が設けられている。そして、保持部材270は、ロータ260の一端側(図において右側)端部に設けられている。
【0011】
ロータ260を回転させると、メディア及び処理物は、ロータ260の遠心力によって、開口261の内側から外側に向かって流れる。また、ロータ260の他端側(図において左側)は開放されているので、メディア及び処理物は、ロータ260の他端側で外側から内側に向かって流れる。
【0012】
この結果、メディア及び処理物は、ロータ260の内外を循環して流動することになり、容器220内のほぼ全域に亘って循環流が形成される。容器220のL/Dは比較的小さく、メディアは容器220内を処理物とともに激しく循環流動して一箇所に停滞することがないので、メディアの片寄りの問題は解決されている。
【0013】
第2の回転軸242にはセパレータ250が取付けられ、ロータ260の内側に位置している。第2の回転軸242は中空軸であり、これによってセパレータ250の内部が排出口222に連通している。このセパレータ250は、前述のセパレータ150とは構造が異なる回転式篩であり、その遠心力によってメディアを寄せ付けない構造となっている。また、篩面積を比較的大きくすることが可能である。これらの特徴によって、セパレータの目詰まりの問題が解決されている。
【0014】
しかしながら、供給口221から容器220内に導入された処理物は、直ちに容器220内の循環流に合流する。また、循環流に含まれる処理物の一部は、ここから分離してセパレータ250を経由して排出口222から容器220の外へ排出される。すなわち、容器220の内部は循環流によって完全混合状態が形成されているので、メディア攪拌型湿式粉砕機210においては処理物のピストンフローを期待することはできず、この点において効率的な粉砕処理を行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平10−5563号公報
【特許文献2】特開2006−7128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の課題は、L/D比の大きな容器を使用して処理物をピストンフローで流動させることが可能であり、効率的な粉砕処理を行うことができるメディア攪拌型湿式粉砕機を提供することである。同時に、メディアの片寄りの問題を起こすことがなく、セパレータの目詰まりの問題を起こすことがないメディア攪拌型湿式粉砕機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係るメディア攪拌型湿式粉砕機は、横型円筒状の容器と、前記容器の一端を挿通して回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に固定されて回転する複数の攪拌部材と、前記容器内の他端部に設けられるセパレータとを備えるメディア攪拌型湿式粉砕機であって、前記攪拌部材が筒状のロータと保持部材とを備えてなり、前記ロータが外周面に複数の突起を備えてなり、該突起の作用面が軸線に対して所定の傾斜角度を備え、前記攪拌部材を回転させたときに、前記ロータの外側にあるメディアに対して、前記一端の側に進む力が作用する手段を採用している。
【0018】
また、本発明の請求項2に係るメディア攪拌型湿式粉砕機は、請求項1に記載のメディア攪拌型湿式粉砕機において、前記傾斜角度が、10°〜50°である手段を採用している。また、本発明の請求項3に係るメディア攪拌型湿式粉砕機は、請求項1又は2に記載のメディア攪拌型湿式粉砕機において、前記ロータが、内外を連通する複数の開口を備えてなる手段を採用している。
【0019】
また、本発明の請求項4に係るメディア攪拌型湿式粉砕機は、請求項1乃至3の何れかに記載のメディア攪拌型湿式粉砕機において、前記保持部材が、連通孔を備える円板状に形成されてなる手段を採用している。また、本発明の請求項5に記載のメディア攪拌型湿式粉砕機は、請求項1乃至4の何れかに記載のメディア攪拌型湿式粉砕機において、前記セパレータが、複数のスリットを備える筒状に形成されてなる手段を採用している。
【発明の効果】
【0020】
本発明のメディア攪拌型湿式粉砕機は、L/D比を大きくすることにより処理物をピストンフローに近い状態で流動させ、効率的な粉砕処理を行う粉砕機である。そして、ロータの外周面に設けられた突起の作用面が軸線に対して傾斜角度を備え、ロータを回転したときに、ロータの外側にあるメディアに対してセパレータから離れる方向に進める力が働くので、メディアの片寄りの問題を起こすことがない。
【0021】
また、回転軸が複数の攪拌部材を備え、各攪拌部材を構成する各ロータが、内外を連通する複数の開口を備えることにより、各攪拌部材においてメディア及び処理物の循環流が形成される。このため、処理物は、各循環流では完全混合状態で粉砕処理を受けるとともに、容器全体では複数の循環流を順次経由して行くことになるので、ピストンフローに近い状態で流動することになる。この結果、効率的な粉砕処理を一層確実にすることができる。
【0022】
同時に、このような流動状態は、メディアをセパレータから有効に遠ざけることができるので、セパレータの目詰まりの問題を起こすことがなく、セパレータを小型の固定式篩とすることが可能である。このため、粉砕機全体を簡略化して安価な粉砕機とすることが可能であり、さらに、清掃、点検、保守等を容易にできる粉砕機とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のメディア攪拌型湿式粉砕機の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明で使用する攪拌部材を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】図2の攪拌部材を断面図で示し、(a)はB−B矢視断面図、(b)はC−C矢視断面図である。
【図4】メディア及び処理物の流動状態を示す説明図であり、(a)は攪拌部材がロータの開口や保持部材の連通孔を備えない場合、(b)は攪拌部材が保持部材の連通孔を備える場合、(c)は攪拌部材がロータの開口及び保持部材の連通孔を備える場合、(d)は(c)の場合における容器全体の流動状態である。
【図5】従来のメディア攪拌型湿式粉砕機の一例を示す概略断面図である。
【図6】従来のメディア攪拌型湿式粉砕機の他の例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には本発明によるメディア攪拌型湿式粉砕機の一実施形態が示されている。メディア攪拌型湿式粉砕機10は、横型円筒状の容器20と、容器20の一端を挿通して回転自在に設けられる回転軸40と、回転軸40に固定されて回転する複数の攪拌部材30と、容器20内の他端部に設けられるセパレータ50を備えている。
【0025】
容器20の直径Dに対する長さLの比率(L/D比)は、1以上とすることが好ましく、3以上とすることがより好ましい。そして、L/D比を大きくするとともに攪拌部材30の数を増やすことによって、処理物の流れをピストンフローに近づけることができる。
【0026】
回転軸40は、容器20の外部において軸受により回転自在に支持され、容器20の一端側から容器20内に挿通され、メカニカルシール23によりシールされている。処理物の供給口21は、回転軸40が挿通されている容器20の一端側に設けられ、セパレータ50及び処理物の排出口22は、容器20の他端側に設けられている。処理物は、容器20内を供給口21から排出口22に向かって(図1において左側から右側に向かって)流れる。
【0027】
本発明のメディア攪拌型湿式粉砕機10は、回転軸40に複数の攪拌部材30を備え、各攪拌部材30は、筒状のロータ60及び円板状の保持部材70を備えている。攪拌部材30は、スペーサー45により位置決めされて、回転軸40に取り付けられている。
【0028】
図2及び図3は本発明における攪拌部材30を示し、図2(a)は正面図、図2(b)は図2(a)のA−A矢視における側面図、図3(a)は図2(b)のB−B矢視における断面図、図3(b)は図2(a)のC−C矢視における断面図である。
【0029】
ロータ60は、外周面に複数の突起65を備えている。各突起65は、ロータ60の周方向に等間隔で配列され、ロータ60の全長に亘って設けられている。そして、ロータ60が矢印の方向に回転するとき、突起65の前面66が作用面となり、ロータ60の外側にある処理物及びメディアに対して攪拌力を作用する。
【0030】
本発明のメディア攪拌型湿式粉砕機10は、突起65の作用面(前面66)が軸線に対して所定の傾斜角度θを備えている。このため、攪拌部材30を回転させたときに、ロータ60の外側にあるメディアに対して、周方向へ進む力が作用すると同時に、軸方向へ供給口21に向かって進む力も作用させることができる。したがって、処理物とともに排出口22へ向かって流動しようとするメディアに対して、供給口21側に押し戻す力を加えることができる。
【0031】
傾斜角度θは、10°〜50°の範囲であることが好ましく、20°〜40°の範囲がより好ましい。傾斜角度θが10°未満では、メディアを供給口21側に押し戻す力が不十分となり、60°を超える場合には、本来のメディア攪拌に必要な周方向への力が不十分となるので好ましくない。
【0032】
本発明のメディア攪拌型湿式粉砕機10は、各攪拌部材30の周りに処理物及びメディアの循環流を形成させることにより容器20内に複数の循環流を形成させ、これによって、処理物をピストンフローに近い状態で流動させることができる。好ましい循環流を形成するために、各ロータ60は内外を連通する複数の開口61を備え、各保持部材70は両側を連通する複数の連通孔71を備えることが好ましい。
【0033】
ロータ60の形状は、周囲に形成される循環流を考慮して決定される。図3(b)に示すように、ロータ60の外径をd、長さをm、突起65の高さをhとするとき、長さmは、0.3dより大きくdより小さい値とすることが好ましい。また、高さhは、0.06dより大きく0.25dよりも小さい値とすることが好ましい。
【0034】
本発明の攪拌部材30の周囲におけるメディア及び処理物の流動状態及び循環流について、図4により詳しく説明する。図4(a)は、ロータ60が開口61を備えておらず、保持部材70が連通孔71を備えていない場合を示す。処理物は、ロータ60の外側で矢印Wの方向に流動し、他の流通路は形成されていない。
【0035】
ロータ60が回転すると、突起65によって、ロータ60の外側にあるメディア及び処理物には2方向の攪拌力が作用する。第1の攪拌力は、周方向に進む力であり、第2の攪拌力は、軸方向に供給口21側に進む力である。これらの攪拌力はメディア及び処理物に作用するが、メディアは処理物中の粒子よりも粒径及び質量が大きいために、見掛け上は、メディアに選択的に作用する。
【0036】
すなわち、第1の攪拌力によって、メディアは大きな遠心力を受け、容器20の周壁付近に層状に集中する。同時に、第2の攪拌力によって、メディアは図に示す矢印Xの方向に進む力を受ける。この結果、処理物は矢印Wの方向に、メディアは矢印Xの方向に、と互いに逆方向へ進むことになる。すなわち、上記の突起65を備える攪拌部材30は、メディアと処理物とを分離するセパレータとして働くことになる。
【0037】
図4(b)は、保持部材70が連通孔71を備えている場合である。ロータ60が回転すると2方向の攪拌力が作用し、ロータ60の外側では第2の攪拌力によって、メディアに対して矢印Xの方向に力が働く。同時に、メディア及び処理物は、ロータ60の内側では矢印Yの方向(矢印Xとは逆の方向)に流動することができる。このとき、メディアは、第1の攪拌力により周壁方向に集中し、連通孔71をオーバーフローするような形で流れる。
【0038】
矢印X及び矢印Yの流れにより、矢印R及び矢印Sの流れが誘導されてロータ60の周りに循環流を生じるが、矢印R及び矢印Sの流れは比較的弱いので、処理物は矢印Yの流れによってショートパスする傾向がある。
【0039】
図4(c)は、保持部材70が連通孔71を備えるとともに、ロータ60が開口61を備えている場合である。ロータ60の内外が開口61によって連通するので、ロータ60が回転すると、第1の攪拌力によって、ロータ60の内側から外側に向かって強力な流れが生じる。このため、図4(b)において矢印Yで示した内側の流れは、90°向きを変えて、開口61を通過する流れに変化する。
【0040】
そして、図4(c)に示すように、矢印X、矢印R、矢印Yの各流れによって強力な循環流Zが形成されることになる。図4(b)における矢印Sの流れは、図4(c)に示すように逆向きの流れに変化すると考えられる。各攪拌部材30ごとに循環流Zを形成することにより、各攪拌部材30で強力な攪拌処理が行われる。
【0041】
図4(d)は、容器20全体に亘って、各攪拌部材30に循環流Zが形成された状態を示している。供給口21から容器20内に導入された処理物は、複数の循環流Zを通過して排出口22に到達することができる。各循環流Zでは、激しい攪拌によって完全混合状態となり、各循環流Zの間は一方向の流れと見なすことができる。
【0042】
すなわち、処理物は、各循環流Zでメディアと共に強力に攪拌されて良好な粉砕処理を受けるとともに、供給口21から排出口22に向かって実質的にピストンフローで流動する。この相乗効果によって、効率的な粉砕処理が実施されることになる。
【0043】
メディアは、絶えず供給口21側へ進む強い力を受けるとともに、各循環流Z内に集中することになる。したがって、メディアの片寄りの問題は発生せず、また、セパレータ50の目詰まりの問題も発生しない。
【0044】
このため、セパレータ50には、小型の固定式篩を使用することができる。例えば、図1に示すセパレータ50は、複数の薄いリング状板を、スペーサーを介して重ね合わせて固定したものであり、多数のスリットを備えた円筒状のセパレータ50を形成することができる。このような固定式篩は、構造が簡単で安価に製作することができる。また、回転式篩の場合と異なり、メディア攪拌型湿式粉砕機10の取扱いを非常に簡略化することができる。
【0045】
固定式篩のセパレータ50は、取り外し可能としておくことが好ましい。本発明のメディア攪拌型湿式粉砕機10は、運転時に、セパレータ50の周辺にメディアが殆ど存在しない状態となっているので、運転終了時には、メディアがセパレータ50から離れた位置に静置された状態となる。このため、セパレータ50を取り外したときに、その取付部からメディアが流出することがない。したがって、セパレータ50の点検や洗浄を簡単に行うことができる。
【0046】
なお、容器20、回転軸40、攪拌部材30等の材質は、ステンレス鋼を用いることができるが、磨耗による処理物の汚染を防止するために、耐摩耗性に優れるセラミック、耐摩耗鋼、エンプラ、ウレタンゴム等の材質を用いることもできる。また、粉砕処理は大きな発熱を伴うので、必要に応じて、容器20の外側にジャケットを設けて、冷却水による冷却が可能な構造とすることが好ましい。
【0047】
回転軸40の回転数は、攪拌部材30の外周における周速度により定めることが好ましく、周速度が毎秒6〜18m程度とすることが好ましい。回転軸40の駆動に必要な動力は処理物等によって変化するので、容器20内に充填するメディア1kgに対して0.1〜1.5KWの範囲で使用できることが好ましい。
【0048】
以上のように、本発明のメディア攪拌型湿式粉砕機10は、従来の問題点を全て解決するとともに、効率的な粉砕処理を行うことができる。また、安価で保守点検等の容易な構造とすることができる。
【符号の説明】
【0049】
10、110、210 メディア攪拌型湿式粉砕機
20、120、220 容器
21、121、221 供給口
22、122、222 排出口
23 メカニカルシール
30、130、230 攪拌部材
40、140 回転軸
45 スペーサー
50、150、250 セパレータ
60、260 ロータ
61、261 開口
65 突起
66 前面
70、270 保持部材
71 連通孔
151 環状板
152 回転円板
241 第1の回転軸
242 第2の回転軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
横型円筒状の容器と、前記容器の一端を挿通して回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に固定されて回転する複数の攪拌部材と、前記容器内の他端部に設けられるセパレータとを備えるメディア攪拌型湿式粉砕機であって、
前記攪拌部材が筒状のロータと保持部材とを備えてなり、前記ロータが外周面に複数の突起を備えてなり、該突起の作用面が軸線に対して所定の傾斜角度を備え、
前記攪拌部材を回転させたときに、前記ロータの外側にあるメディアに対して、前記一端の側に進む力が作用することを特徴とするメディア攪拌型湿式粉砕機。
【請求項2】
前記傾斜角度が、10°〜50°であることを特徴とする請求項1に記載のメディア攪拌型湿式粉砕機。
【請求項3】
前記ロータが、内外を連通する複数の開口を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のメディア攪拌型湿式粉砕機。
【請求項4】
前記保持部材が、連通孔を備える円板状に形成されてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のメディア攪拌型湿式粉砕機。
【請求項5】
前記セパレータが、複数のスリットを備える筒状に形成されてなることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のメディア攪拌型湿式粉砕機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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