説明

メニュー表示装置及びメニュー表示方法

【課題】電子機器の機能の複雑化に伴い、設定可能なメニュー項目が増大し、多くのメニュー項目の中から、設定すべきメニュー項目の検索が困難であるという課題がある。
【解決手段】液晶ビデオモニター106は、複数のメニュー項目から、設定対象のメニュー項目を検索するための、少なくともメニュー項目名及びメニュー項目設定値の何れかを入力する操作部104と、操作部104で入力されたメニュー項目名又はメニュー項目設定値を有するメニュー項目を検索し、検索されたメニュー項目に対するメニュー項目設定値の設定を可能とするメニュー設定画面を表示するマイコン102と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数のメニュー項目を表示し、メニュー項目に対して値を設定するメニュー表示装置及びメニュー表示方法に関するものであり、特に多くのメニュー項目から、目的とするメニュー項目を選択するメニュー表示装置及びメニュー表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示ディスプレイ装置を始めとする電子機器において、ユーザーは、表示部上に表示される各種メニュー項目から、メニュー項目を選択し、そのメニュー項目に設定すべき値を選択、入力することで、各種操作を実行する。
【0003】
電子機器の多機能化に伴い、表示部上に表示されるメニュー項目は増加する傾向にある。それに伴い、ユーザーは、設定すべきメニュー項目の選択に手間取ることが増えている。設定すべきメニュー項目を選択するための技術として、例えば特許文献1に開示の技術がある。
【0004】
特許文献1では、携帯電話機のような無線通信端末1において、着信音の音量を設定する機能設定モードにしたい時、ヘルプキー121を押下することにより、設定モード検索画面を表示部11に表示した後、例えば、「ちゃくしんおん」という検索キーワードを携帯電話機に入力すると、携帯電話機は着信音の音量を設定する機能設定モードに移行する。この設定モードにより、ユーザーはキー操作部12のキーを操作して着信音を所望の音量に設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−208196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術は、機能設定すべき項目名が思いつかない時には、該当する項目の検索ができず、ユーザーの使い勝手が良くないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、メニュー表示装置は、複数のメニュー項目から、設定対象のメニュー項目を検索するための、少なくともメニュー項目名及びメニュー項目設定値の何れかを入力する操作部と、前記操作部で入力されたメニュー項目名又はメニュー項目設定値を有するメニュー項目を検索する検索部と、前記検索部で検索されたメニュー項目に対するメニュー項目設定値の設定を可能とするメニュー設定画面を表示するメニュー設定部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によって、ユーザーは、メニュー項目のみならず、メニュー項目設定値を用いてメニュー項目を選択できるため、メニュー項目選択時の使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1におけるメニュー表示装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1におけるメニュー表示装置の動作を示すフローチャート
【図3】実施の形態1における検索メニュー画面を示す図
【図4】実施の形態1における設定メニュー画面を示す図
【図5】実施の形態2における内蔵メモリーに保持する別名の一覧を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係わるメニュー表示装置の一例である液晶ビデオモニターの構成を示すブロック図である。図1において、液晶ビデオモニター106は、入力される複数の信号から表示する信号を選択する入力信号選択部100と、選択されたビデオ信号を液晶パネル105への信号に変換する画像処理回路101と、入力信号を表示する液晶パネル105と、ユーザーの操作を受け付ける操作部104と、ユーザーの操作を受け付けて各回路の制御を行うマイコン102と、メニュー表示を液晶パネル105への信号に重畳させるOSD回路103により構成される。
【0012】
入力信号選択部100には、入力信号として、コンポジットビデオ信号、コンポーネントビデオ信号、デジタルビデオ信号、PC信号などの信号が入力される。入力信号選択部100は、入力された信号から、操作部104を介してユーザーにより指定された信号を選択し、出力する。入力信号選択部100は、ビデオスイッチャーにより構成される。
【0013】
画像処理回路101は、コントラスト、ブライトネスや色温度と言った画質調整を行うビデオ回路やビデオ信号を液晶パネル105の表示画素数への変換を行うフォーマットコンバーターなどの複数の回路により構成される。画像処理回路101は、IC(In Circuit)により構成される。
【0014】
マイコン102は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよびそのデータや、機器のユーザー設定値を記録する内蔵メモリーと、各回路などを制御するためのインターフェース部より構成される。
【0015】
操作部104は、入力信号に対応した選択ボタンとMENU,EXIT,UP,DOWN,LEFT,RIGHT,ENTERなどのメニュー操作ボタンにより構成される。
【0016】
OSD回路103は、マイコン102より設定される文字コードをビデオ信号に変換して映像信号に重畳し、液晶パネル105にメニュー画面の表示を行う。
【0017】
液晶パネル105は、入力信号の表示を行う。また、液晶ビデオモニター106の機器設定の変更を行うときのメニュー表示を行う。なお、本実施の形態では、表示パネルとして液晶パネルを用いる形態について説明するが、これに限定されず、プラズマ、有機EL(Electro Luminescence)等どのような表示パネルであってもよい。
【0018】
次に本実施の形態における液晶ビデオモニター106の動作について、図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0019】
ユーザーは、入力信号を切り替えたい時、操作部104の入力ボタンを押下する。マイコン102は、操作部104を介して入力ボタンの押下を検出する(ステップ201)。
【0020】
マイコン102は、入力ボタンの押下を検出すると、入力信号選択部100を制御し、選択されたビデオ信号に切り替える(ステップ202)。
【0021】
マイコン102は、入力信号選択部100が出力するビデオ信号と、ユーザーが別途設定したメニュー設定に合わせて、画像処理回路101の設定を行う。入力されたビデオ信号は、画像処理回路101により画質調整が加えられ液晶パネル105への入力信号に変換され、液晶パネル105に表示される(ステップ203)。
【0022】
液晶パネル105に表示された映像の画質調整などを行う時、ユーザーは、操作部104の入力ボタンを押下せず(ステップ201でNo)、操作部104のメニューボタンを押下する。マイコン102は、操作部104を介してメニューボタンの押下を検出する(ステップ204でYes)。
【0023】
マイコン102は、OSD回路103を介してメニュー画面を表示する。OSD回路103は画像処理回路101からの信号にメニューデータを重畳させることにより、入力映像と共にメニュー画面が液晶パネル105に表示される(ステップ205)。
【0024】
ユーザーは、液晶ビデオモニター106の色温度をD65に設定したい場合、操作部104を操作して、メニュー一覧の中から、メニュー検索の項目を選択する。マイコン102は、ユーザーがメニュー一覧の中からメニュー検索の項目を選択したことを検出する(ステップ206)。ユーザーがメニュー一覧の中から、メニュー検索以外の項目を選択した場合は、マイコン102は選択されたメニュー項目に応じた処理を行う(ステップ212)。
【0025】
マイコン102は、OSD回路103を制御して検索メニューを表示する(ステップ207)。検索メニューの表示画面を図3に示す。
【0026】
ユーザーは、操作部104を操作して、図3中の検索キーワード(SEARCHWORD)へ、「D65」という文字を入力する。マイコン102は、ユーザーのキー操作に合わせて数字およびアルファベットを順次OSD回路103を介して、液晶パネル105に表示する。ユーザーは検索キーワードの入力が完了すると、ENTERボタンを押下することで、検索キーワードを確定する(ステップ208)。
【0027】
マイコン102は選択された検索キーワードにより、内蔵メモリー中で管理する設定可能なメニュー項目の名称と、そのメニュー項目に対応する設定値の一覧から、検索キーワードに合致するメニュー項目名、又は検索キーワードに合致する設定値を設定可能なメニュー項目を検索し、該当するメニュー項目の設定メニューに遷移する。「D65」の検索キーワードが選択された場合、メニュー項目「色温度」に対応する設定値として「D56」、「D65」及び「D93」が内蔵メモリー中で管理されており、マイコン102は検索キーワード「D65」に合致する設定値を設定可能なメニュー項目「色温度」を検索し、OSD回路103を制御して色温度の設定メニューを表示する(ステップ209)。表示する設定メニュー画面を図4に示す。
【0028】
ユーザーは表示される設定メニューにおいて、現在設定されている値から、操作部104を操作して「D65」を選択し、ENTERボタンを押下する。
【0029】
マイコン102は画像処理回路101に色温度「D65」を設定し、液晶パネル105の色温度が変更される(ステップ210)。
【0030】
ユーザーは操作部104のEXITボタンを押下する。マイコン102はOSD回路103を制御して、液晶パネル105に表示されているメニュー表示をクリアする(ステップ211)。
【0031】
以上のように、本実施の形態によれば、ユーザーは設定したい設定値を検索メニューで入力するだけで、液晶ビデオモニター106の設定したい設定値に対応するメニュー項目の設定を行うことができる。ユーザーは、液晶ビデオモニター106の設定メニューに移行するための操作やメニュー項目名を覚えていなくても容易に設定を変更することができる。
【0032】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係るマイコン102の内蔵メモリー中に保持するメニュー項目名又はメニュー項目の設定値に対する別名の一覧である。本実施の形態の構成は上記した実施の形態1と同様であるため、同一の構成を持つ各部については、その構成動作の説明を省略し、以下、その動作の特徴部分を説明する。
【0033】
図5に示すようにマイコン102の内蔵メモリーには、設定項目の別名が登録されている。たとえば「D65」という設定値に対して「NORMAL」という別名が登録されている。
【0034】
従って、色温度に「D65」を設定したい場合、ユーザーは、検索キーワードに「NORMAL」と入力すると、色温度設定メニューに移動し設定値を変更することができる。
【0035】
本実施の形態によれば、実施の形態1のように、メニュー設定値と一致しなくても、そのメニュー設定値の別名を登録し、その別名を入力することで所望のメニューに移行することができる。
【0036】
メニュー項目名及びメニュー設定値の別名の登録は、あらかじめ想定される別名を予測して行っていてもよいし、ユーザーが操作部104を操作して行ってもよい。液晶ビデオモニター106の製造メーカが代わった場合など、使用される機能は同一だが表す単語が違う場合があり、別名を登録しておくことで不便なく操作ができ、ユーザーの負荷を軽減することができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、メニュー表示装置として、液晶ビデオモニターを用いて説明したが、これに限られず、メニュー設定を行う電子機器であればどのような機器に対しても適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本実施の形態のメニュー表示装置は、設定すべきメニュー項目を容易に検索可能でユーザーの使い勝手を向上することができ、液晶ビデオモニター等の各種電子機器に適用することができ、有用である。
【符号の説明】
【0039】
100 入力信号選択部
101 画像処理回路
102 マイコン
103 OSD回路
104 操作部
105 液晶パネル
106 液晶ビデオモニター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメニュー項目から、設定対象のメニュー項目を検索するための、少なくともメニュー項目名及びメニュー項目設定値の何れかを入力する操作部と、
前記操作部で入力されたメニュー項目名又はメニュー項目設定値を有するメニュー項目を検索する検索部と、
前記検索部で検索されたメニュー項目に対するメニュー項目設定値の設定を可能とするメニュー設定画面を表示するメニュー設定部と、
を備えるメニュー表示装置。
【請求項2】
前記検索部は、
前記メニュー項目名又は前記メニュー項目設定値に対する別名を保持し、前記操作部で入力されたメニュー項目名、メニュー項目設定値、又は別名を有するメニュー項目を検索する
請求項1に記載のメニュー表示装置。
【請求項3】
複数のメニュー項目から、設定対象のメニュー項目を検索するための、少なくともメニュー項目名及びメニュー項目設定値の何れかを入力する操作工程と、
前記操作工程で入力されたメニュー項目名又はメニュー項目設定値を有するメニュー項目を検索する検索工程と、
前記検索工程で検索されたメニュー項目に対するメニュー項目設定値の設定を可能とするメニュー設定画面を表示するメニュー設定工程と、
を含むメニュー表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−180874(P2011−180874A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45137(P2010−45137)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】