説明

メルカプト官能性の高μβEO発色団、及び、高Tg低光学損失の共有結合性の高μβEO発色団を含むポリマー、及びEO材料の合成方法

【課題】メルカプト官能性の高μβEO発色団及びEOポリマー、特に、電気光学装置およびシステムの製造に有用なメルカプト官能性の高μβEO発色団及びEOポリマーを提供する。
【解決手段】メルカプト官能性の高μβEO発色団は、ポリ(硫化イミド)ポリマーに共有結合して、Tgが高く光学損失の少ない共有結合性の高μβEO発色団含有ポリマーを生じ、穏やかな重合条件を用いて、これらのEO材料を合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、メルカプト官能性の高双極子モーメント及び超分極率(μβ)の電気光学(EO)発色団及びEOポリマーに関するものであり、特に、電気光学装置およびシステムの製造に有用なメルカプト官能性の高μβEO発色団及びEOポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発色団は、有機ポリマーの電気光学材料を構築するのに必要とされる基本的要素である。元々、有機ポリマーEO材料は、通常は2つのヒドロキシル基を含む、EO発色団の重合を経て作られる。EO材料は、光を放射、調節、伝達、または感知するシステム及び装置に有用である。アミノ、ビニル及びカルボン酸基を有するEO発色団は、有機ポリマーEO材料の合成にも使用されている。ポリエステル、ポリイミド及びポリウレタンなどの有機ポリマーEO材料は、これらの単量体から合成されている。
【0003】
しかしながら、ポリエステル、ポリイミド及びポリウレタンなどの材料には、幾つかの不利な点がある。例えば、これらのポリマーの幾つかを合成するためには、酸性または塩基性反応条件などの厳しい反応条件が必要とされ、さらには、重合反応を起こすには高温が必要とされる。これらの厳しい重合条件の結果、通常はEO発色団が破壊されてしまう。ヒドロキシル基またはアミノ基を有するEO発色団の別の不利な点は、これらの発色団が、通常は、例えば1550nmなどの主要な通信波長で大幅な光学損失を生じることである。
【0004】
メルカプト官能性の高μβEO発色団は、厳しい重合条件に対して特に敏感であり、塩基性、酸性及びフリーラジカルの重合条件に対して安定性ではない。しかしながら、メルカプト官能性の高μβEO発色団は、その発色団の−SH基に関連する光学損失が少ないことから、有機ポリマーEO材料に使用するのに都合がよい。これらの−SH発色団の電気光学ポリマーへの導入は、発色団の末端の−SH基が感受性であることから、困難な課題であることが証明されている。高ガラス転移(Tg)温度を有する、通信波長での光学損失の少ない、有機ポリマーEO材料を製造するために、穏やかな重合条件下で行ないうる、代替となる重合条件を決定しようとする試みに数年が費やされている。
【0005】
次の特性を有する有機ポリマーEO材料が特に有用であろう。第1に、活性成分であるEO発色団は熱的及び光化学的に安定でなければならない。第2に、EO発色団は、分子の非線状性が高いと同時に、ポリマー母材に対して適合性でなければならない。第3に、EO発色団及びポリマー母材は共に、通信波長において光透過性を有しているべきである。第4に、EO発色団は、分極によって非中心対称になるように整列可能であり、何年にも亘って安定な状態であると同時に、高EO率を保持しなくてはならない。
【0006】
ビスマレイミドは、高いTg温度(一部は200℃を超える)を有する、高温の熱硬化性樹脂として知られている。これらの熱硬化性樹脂は、付加重合を経て硬化し、高性能のポリマー材料を生じる。ビスマレイミドはジアミンまたはジチオールと反応し、逐次重合機構を通じてマイケル型の付加体である、ポリイミド、またはポリ(硫化イミド)を形成する。不溶性の架橋ポリマーの生成につながりうる、ビスマレイミドとジアミンまたはジチオールとの反応において、幾つかの複雑な副反応が起こるかもしれないが、酸性水素原子を有する重合溶媒によって、陰イオンの機構に起因する副反応を効果的に抑止し、線状ポリマーを生じさせることができる。1980年代に、種々の炭化水素ポリ(硫化イミド)材料の構造および特性は、ゼネラルエレクトリック社及びダウ・ケミカル社によって、広範に調査された。しかしながら、有機ポリマーEO材料及び装置に有用な、EO発色団を含むポリ(硫化イミド)ポリマーを生成するマイケル付加重合には、典型的にはポリ(硫化イミド)ポリマーとEO発色団との共有結合に必要とされる厳しい重合条件に起因する、困難な課題が存在している。
【0007】
オクタフルオロベンジジン・ビスマレイミド、及び、そのフッ素含有ジアミンとのマイケル付加体は、高度にフッ素化されたポリ(イミドアミド)の調製に用いられる。しかしながら、ポリ(イミドアミド)には、ポリマー鎖のNH基に強い吸収があることから、通信波長における有機ポリマーEO材料及び装置には使用することができない。ジオールと反応させたハロゲン含有ビスマレイミド誘導体は、光通信産業では、通常、ポリエーテル−ポリイミド材料の調製に使用される。ハロゲン化アクリレートポリマーなどの一部のハロゲン化ポリマー、特にフッ化ポリイミド関しては、ガラス転移温度(Tg)が低いという不利点が存在する。別の不利な点は、フッ化ポリイミドの溶媒処理能力である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の理由から、高Tg、低光学損失の共有結合性の高μβEO発色団を含むポリマーの合成についての技術的課題は、ポリマー母材の合成についてのみならず、EO発色団を最終材料に導入する重合反応においても、存在している。−SH官能基に関連して光学損失が少ないことからEO材料への導入が有利であろう、高μβEO発色団、特に、メルカプト官能性の高μβEO発色団の、独特の供与体、受容体、及び、電子が豊富な架橋の電子構造を、上述の重合条件が破壊しうることから、これらの材料の合成方法の改良が非常に望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
低光学損失、高Tg及び優れた溶媒処理能力を有するマレイミド共重合体が開発されており、参照することによりその開示が本明細書に援用される、本願と同一の譲受人を有する米国特許第6,503,421号明細書に記載されている。本発明は、そこに記載されるマレイミド共重合体を、有機ポリマーEO材料及び装置に有用な、共有結合性のメルカプト官能性の高μβ発色団のための新規ポリ(硫化イミド)ポリマー母材、及びハロゲン化ポリ(硫化イミド)ポリマー母材の製造することを目的として、さらに改良した。
【0010】
本発明の1つの実施の形態は、一般式Iを有する電気光学発色団に関し:
【化1】

【0011】
ここで、
*は不斉炭素原子を意味し、
Dは電子供与基であり、
Bは2価の環を少なくとも1つ含み、
2及びR3は互いに異なっており、
2は、H、置換または非置換のC1−C10アルキル、置換または非置換のC2−C10アルケニル、置換または非置換のC2−C10アルキニル、置換または非置換のアリール 、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
3は、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
あるいは、R2とR3が一緒に環構造または置換された環構造を形成し、
構造式Iの化合物は、任意の位置に、マレイミド結合と反応することのできる、少なくとも1つの末端−SH基を有する。
【0012】
本発明の別の実施の形態は、少なくとも1つのN−(ハロゲン化フェニル)マレイミド、及び、置換ジチオール、ジまたはビス(アルキルメルカプト)スルフィド、及びハロゲン化ジ(メルカプト)化合物からなる群より選択される少なくとも1つの硫化物を含む、電気光学ポリマーに関する。
【0013】
本発明の別の実施の形態は、ポリ(硫化イミド)骨格を有するポリマー、及び、マレイミドの二重結合と反応することのできる、少なくとも1つの末端--SH基を有する電気光学発色団を含む、電気光学材料に関し、ここで--SH基はEO発色団上の任意の位置にある。
【0014】
本発明の別の実施の形態は、ポリ(硫化イミド)骨格を有するポリマー、及び、一般式I:
【化2】

【0015】
を有する電気光学発色団を含む、電気光学材料の合成方法に関し、該方法は、
選択された硫化物化合物を、溶媒中で、触媒を用いて、N−(ハロゲン化ビフェニル)ビスマレイミド、及び光学発色団と反応させ、
約2時間の間、反応温度を約20℃〜約60℃に保ち、
得られたポリマーをメタノール及び塩酸の溶液中に沈降させ、
得られた沈降ポリマーをメタノールで洗浄し、
前記ポリマーを真空オーブン内で、約60℃〜約80℃の範囲で約16時間乾燥させ、それによってEO材料を得る、
各工程を有してなり、
ここで、構造式Iの化合物において、
*は不斉炭素原子を意味し、
Dは電子供与基であり、
Bは2価の環を少なくとも1つ含み、
2及びR3は互いに異なっており、
2は、H、置換または非置換のC1−C10アルキル、置換または非置換のC2−C10アルケニル、置換または非置換のC2−C10アルキニル、置換または非置換のアリール 、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
3は、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
あるいは、R2とR3が一緒に環構造または置換された環構造を形成し、
構造式Iの化合物は、マレイミド結合と反応して、共有結合を形成することのできる、少なくとも1つの末端--SH基を任意の位置に有する。
【0016】
限定はしないが、有用な化合物の例としては、置換ジチオール、ジまたはビス(アルキルメルカプト)スルフィド、及びハロゲン化ジ(メルカプト)化合物が挙げられる(注記:一般に、本明細書に記載されるすべてのポリマーの乾燥では、乾燥温度は60℃〜80℃の範囲であり、乾燥時間は、乾燥するまで、典型的には12〜20時間の範囲である)。
【0017】
本発明の別の実施の形態は、N−(ハロゲン化ビフェニル)ビスマレイミド、及び、置換ジチオール、ジまたはビス(アルキルメルカプト)スルフィド、及びハロゲン化ジ(メルカプト)化合物からなる群より選択される、少なくとも1つの硫化物を含む、電気光学ポリマーの合成方法に関し、該方法は、
硫化物を、溶媒中で、例えばトリエチルアミンなどのトリアミン触媒を用いて、N−(ハロゲン化ビフェニル)ビスマレイミドと反応させ、
約2時間の間、反応温度を約20℃〜約60℃に保ち、
得られたポリマーをメタノール及び塩酸の溶液中に沈降させ、
得られた沈降ポリマーをメタノールで洗浄し、
前記ポリマーを真空オーブン内で、約60℃〜約80℃の範囲で約16時間乾燥させ、それによってEO材料を得る、
各工程を有してなる。
【0018】
本発明のさらなる特性及び利点は、以下の詳細な説明において記述され、一部は、その説明から容易に当業者に明らかとなり、あるいは、本明細書、請求の範囲、および添付の図面に記載される本発明の実施によって認識されよう。
【0019】
前述の概要及び以下の詳細な説明は、単に本発明の典型例であって、請求項に記載される本発明の性質及び特徴を理解するための外観または枠組みの提供を意図するものであるということを理解されたい。
【0020】
添付の図面は本発明の更なる理解の提供を目的として含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の1つ以上の実施の形態を例示し、本発明の記述と共に本発明の原理及び操作を説明する役割を担う。
【0021】
本発明は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を読む場合に、最大限に理解される。
【0022】
本明細書では、用語「C*」は、化合物の鏡像がその化合物とは異なっている、「不斉」炭素原子を示す。さらには、C*がR2およびR3と共に環または置換された環を形成する場合、「C*」は、スピロ中心を意味しうる。このような場合には、C*はスピロかつ不斉であるか、単にスピロでありうる。
【0023】
本発明のメルカプト官能性の高μβ発色団及び有機ポリマー電気光学(EO)材料は、フッ化アクリレートポリマーのTgが低いという課題を改善し、ハロゲン化ポリイミド、特にフッ化ポリイミドの溶媒処理能力の向上を助ける。マレイミド共重合体、特に本発明に係るハロゲン化マレイミド共重合体は、低光学損失が少なく、Tg温度が高く、かつ、優れた溶媒処理能力と、より高温での熱安定性を有している。
【0024】
本発明は、メルカプト官能性の高μβ発色団、ポリ(硫化イミド)及びハロゲン化ポリ(硫化イミド)の線状光学ポリマー、及び、EO発色団を取り込んだ非線状光学ポリマー材料を提供する。本発明はさらに、ポリ(硫化イミド)とハロゲン化ポリ(硫化イミド)の線状光学ポリマー、及び、非常に穏やかな重合条件を用いて、メルカプト官能性発色団を、高Tg及び低光学損失のハロゲン化共有結合性のポリマー基材と共重合させることができる、非線状光学ポリマーEO材料の製造方法を提供する。これらの方法は、以下にさらに記載するように、重合反応の間に、感受性のメルカプト官能性高μβ発色団と共にラジカル、酸または塩基性の触媒を使用することによって通常生じる、発色団に対する損傷を最小限に抑える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】FTIRの結果が示す本発明のEOポリマーの構造。
【図2】スキーム2に従った本発明のハロゲン化ポリ(硫化イミド)の13C NMRスペクトル。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の1つの実施の形態は、一般式I:
【化3】

【0027】
を有する電気光学発色団に関し、
ここで、
*は不斉炭素原子を意味し、
Dは電子供与基であり、
Bは2価の環を少なくとも1つ含み、
2及びR3は互いに異なっており、
2は、H、置換または非置換のC1−C10アルキル、置換または非置換のC2−C10アルケニル、置換または非置換のC2−C10アルキニル、置換または非置換のアリール 、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
3は、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
あるいは、R2とR3が一緒に環構造または置換された環構造を形成し、
構造式Iの化合物が、任意の位置に、マレイミド結合と反応することのできる、少なくとも1つの末端--SH基を有する。
【0028】
Dは、電子供与基である。好ましい電子供与基は、例えば、参照することによりその開示の全体を本明細書に援用する、本願と同一の譲受人を有する米国特許第6,584,266号明細書に記載されている。
【0029】
Bは電子求引基と電子供与基を結合させる環状架橋である。Bは、少なくとも1つの、二価の環である。本発明において環状架橋として用いることのできる二価の環についても、例えば、米国特許第6,584,266号明細書に記載されている。
【0030】
本発明の別の実施の形態は、構造式II:
【化4】

【0031】
を有する電気光学発色団に関し、
ここで、
*は不斉炭素原子を意味し、
2及びR3は互いに異なっており、
2は、H、置換または非置換のC1−C10アルキル、置換または非置換のC2−C10アルケニル、置換または非置換のC2−C10アルキニル、置換または非置換のアリール 、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
3は、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
あるいは、R2とR3が一緒に環構造または置換された環構造を形成し、
4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、H、Cn2n+1、及びSHからなる群より選択され、
あるいは、R4とR5が、一緒にまたは別々に芳香族化合物を形成し、
6及びR7は、同一でも異なっていてもよく、H、CH3、SH、及び(CH)n2-Qからなる群より選択され、ここでQはH及びSHからなる群より選択され、n2は1〜10の整数であり、
あるいは、R6とR7が、一緒にまたは別々に芳香族化合物を形成し、
1は1〜3の整数であり、
構造式IIの化合物は、任意の位置に、マレイミド結合と反応することのできる、少なくとも1つの末端--SH基を有する。
構造式IIを有する電気光学発色団の例としては、限定はしないが、下記の通りである:
【化5】

【0032】
構造式IIを有する電気光学発色団は次の典型的なスキームによって合成することができる:

【0033】
本発明の別の実施の形態は、構造式III:
【化6】

【0034】
を有する電気光学発色団に関し、
ここで、
*は不斉炭素原子を意味し、
2及びR3は互いに異なっており、
2は、H、置換または非置換のC1−C10アルキル、置換または非置換のC2−C10アルケニル、置換または非置換のC2−C10アルキニル、置換または非置換のアリール 、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
3は、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
あるいは、R2とR3が一緒に環構造または置換された環構造を形成し、
6及びR7は、同一でも異なっていてもよく、H、CH3、SH、及び(CH)n2-Qからなる群より選択され、ここでQはH及びSHからなる群より選択され、n2は1〜10の整数であり、
あるいは、R6とR7が、一緒にまたは別々に芳香族化合物を形成し、
構造式IIIの化合物は、任意の位置に、マレイミド結合と反応することのできる、少なくとも1つの末端--SH基を有する。
構造式IIIを有する電気光学発色団の例としては、限定はしないが、下記の通りである:
【化7】

【0035】
本発明の別の実施の形態は、少なくとも1つのN−(ハロゲン化フェニル)マレイミド、及び、置換ジチオール、ジまたはビス(アルキルメルカプト)スルフィド、及びハロゲン化ジ(メルカプト)化合物からなる群より選択される少なくとも1つの硫化物を含む、電気光学ポリマーに関する。
【0036】
本発明の別の実施の形態は、N−(ハロゲン化ビフェニル)ビスマレイミド、及び、置換ジチオール、ジまたはビス(アルキルメルカプト)スルフィド、及びハロゲン化ジ(メルカプト)化合物からなる群より選択される少なくとも1つの硫化物を含む、電気光学ポリマーに関する。
【0037】
上記電気光学ポリマーは、本発明に罹る新規ポリ(硫化イミド)を形成する。特に有用なポリ(硫化イミド)は、構造式IV:
【化8】

【0038】
を有する少なくとも1つのN−(ハロゲン化フェニル)マレイミドを有しており、
ここで、
8、R9、R10、R11およびR12 は、同一でも異なっていてもよく、H、F、Cl、Br、CF3、C2-C8フルオロアルキル及びフルオロアリールからなる群より選択され、
少なくともR8、R9、R10、R11およびR12 のうちの1つはハロゲンまたはハロゲン化アルキルまたはアリール基を含む。
【0039】
構造式IVを有する典型的なN−(ハロゲン化フェニル)マレイミドは、参照することによりその開示の全体が本明細書に援用される、本願と同一の譲受人を有する米国特許第6,503,421号明細書に記載されている。そこに記載されるように、ペルフルオロ基が特に有用である。有用なR8、R9、R10、R11およびR12 基の例としては、限定はしないが、CF3、C25、C37などのペルフルオロアルキル基及びC65ペルフルオロアリール基が挙げられる。R8、R9、R10、R11およびR12 のうち少なくとも1つはフッ素を含むことが好ましい。R8、R9、R10、R11およびR12 のうち少なくとも1つはフッ素である、すなわち、R8、R9、R10、R11およびR12 部分のうち、1つ、2つ、3つ、または4つがフッ素であることがさらに好ましい。
【0040】
典型的なポリ(硫化イミド)は、限定しないが、下記の通りである:
【化9】

【0041】
ここで、
2は20より大きい整数である。n2は、50より大きい整数であることが好ましい。
典型的なポリ(硫化イミド)は、下記の典型的なスキームによって合成することができる:

【0042】
オクタフルオロビフェニルビスマレイミド(OFBP−BMI)単量体である、1,1'-(2,2',3,3',5,5',6,6'-オクタフルオロ(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジイル) ビス-1H-ピロル-2,5-ジオン(140714−27−8)は、米国特許第6,503,421号明細書に記載される、典型的な二段階反応(Searle法)によって合成することができる。二段階反応は、典型的には、わずか20%の収率しか与えないことが判明している。反応スキーム及びスペクトル分析に基づくと、ビスマレイミドの低収率の原因は、おそらく、ビスマレイミドを生成する望ましい分子内イミド化反応の代わりに、高分子量のポリマーを生じさせる、マレインアミン酸 (maleic amine acid)の分子内イミド化反応にある。収率を上げるため、無水マレイン酸及びマレイン酸−ジアミン塩(モル比5:1)の混合物を氷酢酸中で24時間還流させることによる、ワンポット合成法(Vygotski法)を本発明に用いた。最終生成物を2回凝華させて精製し、白色結晶のビスマレイミドを得た。
【0043】
2,3,5,6-テトラクロロベンゼン1,4-ジチオール(TCBDS)を、対応するジフェノールから転位反応させることにより合成した。ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド(MPS)、2,2'−ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)及び4-クロロ-1,3-ベンゼンジチオール(CBDS)を購入し、さらに精製することなく、受け取ったままの状態で使用した。
【0044】
重合は以下のように行った。電磁かくはん機、ゴム製の隔壁及び窒素バルブを備えた
100mlのガラスフラスコに1.972g(4mmol)のOFBP−BMI、1.00g(4mmol)のビス(4-メルカプトフェニル)スルフィド単量体(MPS)、及び、溶媒として50gのC78O/C64(OH)CH3 (m−クレゾール)を入れた。ガラスフラスコに25mgの触媒(トリエチルアミン)を注入後、40℃で2時間、反応を維持した。得られた粘性のポリマー溶液をメタノール/塩酸の酸性溶液中にゆっくりと沈降させた。沈降ポリマーを温メタノールで洗浄し、次に真空オーブン内で、60℃で16時間乾燥させた。得られた白色の乾燥ポリマー粉末は2.52g(85%)であった。同様の反応は、TCBDS、DMDS及びCBDSを用いても行なうことができる。得られたポリマー粉末の典型的収率は、約70%〜約80%の範囲であった。
【0045】
マイケル付加−逐次重合(スキーム2)におけるさまざまな反応条件の影響について試験するため、THF、シクロヘキサノン及びDMFなどの異なる溶媒と共に、約20℃及び約60℃の異なる反応温度を用いて、前述の設定と同様にポリマーを調製した。溶媒は、m−クレゾール、m−クレゾール誘導体、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、及びジメチルホルムアミド(DMF)からなる群より選択されることが好ましい。溶媒がm-クレゾールの場合、反応温度は約20℃〜約45℃に維持して差し支えない。m-クレゾールは重合方法に、より低い温度をもたらし、側鎖の反応を最小限に抑える。したがって、収率の向上はm-クレゾールの使用と関係があるであろう。
【0046】
詳細なスペクトル分析(FTIR、1H NMR、13C NMR及び19F NMR)を行い、スキーム2に従って合成された典型的なポリ(硫化イミド)の構造を明らかにした。ポリ(硫化イミド)の構造ン尾最終的な結果は、図1のFTIR結果及び図2に示すスキーム2に従ったハロゲン化ポリ(硫化イミド)の13C NMRスペクトル、及びDEPT 13Cの実験によって示された。
【0047】
本発明の別の実施の形態は、ポリ(硫化イミド)骨格を有するポリマー、及び、マレイミド結合と反応することのできる、少なくとも1つの末端--SH基を有する電気光学発色団を含む、電気光学材料に関する。本発明は、共有結合性のメルカプト官能性の発色団及び光学ポリマーを提供する。本発明の電気光学材料は、各電気光学発色団がマレイミド結合と反応することのできる少なくとも1つの末端--SH基を有する、複数の電気光学発色団を有していて構わない。複数の--SH基は複数の電気光学発色団を有する分岐鎖ポリマーを提供する。
【0048】
本発明の別の実施の形態は、ポリ(硫化イミド)骨格を有するポリマー、及び、構造式I:
【化10】

【0049】
を有する電気光学発色団を含む、電気光学材料に関し、
ここで、
*は不斉炭素原子を意味し、
Dは電子供与基であり、
Bは2価の環を少なくとも1つ含み、
2及びR3は互いに異なっており、
2は、H、置換または非置換のC1−C10アルキル、置換または非置換のC2−C10アルケニル、置換または非置換のC2−C10アルキニル、置換または非置換のアリール 、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
3は、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
あるいは、R2とR3が一緒に環構造または置換された環構造を形成し、
構造式Iの化合物は、任意の位置に、マレイミド結合と反応することのできる、少なくとも1つの末端--SH基を有する。
電気光学発色団は、構造式II:
【化11】

【0050】
を有する電気光学発色団であって、
ここで、
*は不斉炭素原子を意味し、
2及びR3は互いに異なっており、
2は、H、置換または非置換のC1−C10アルキル、置換または非置換のC2−C10アルケニル、置換または非置換のC2−C10アルキニル、置換または非置換のアリール 、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
3は、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
あるいは、R2とR3が一緒に環構造または置換された環構造を形成し、
4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、H、Cn2n+1、及びSHからなる群より選択され、
あるいは、R4とR5が、一緒にまたは別々に芳香族化合物を形成し、
6及びR7は、同一でも異なっていてもよく、H、CH3、SH、及び(CH)n2-Qからなる群より選択され、ここでQはH及びSHからなる群より選択され、n2は1〜10の整数であり、
あるいは、R6とR7が、一緒にまたは別々に芳香族化合物を形成し、
1は1〜3の整数であり、
構造式IIの化合物は、任意の位置に、マレイミド結合と反応することのできる、少なくとも1つの末端−SH基を有する;
及び、構造式III:
【化12】

【0051】
を有する電気光学発色団であって、
ここで、
*は不斉炭素原子を意味し、
2及びR3は互いに異なっており、
2は、H、置換または非置換のC1−C10アルキル、置換または非置換のC2−C10アルケニル、置換または非置換のC2−C10アルキニル、置換または非置換のアリール 、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
3は、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
あるいは、R2とR3が一緒に環構造または置換された環構造を形成し、
6及びR7は、同一でも異なっていてもよく、H、CH3、SH、及び(CH)n2-Qからなる群より選択され、ここでQはH及びSHからなる群より選択され、n2は1〜10の整数であり、
あるいは、R6とR7が、一緒にまたは別々に芳香族化合物を形成し、
構造式IIIの化合物は、任意の位置に、マレイミド結合と反応することのできる、少なくとも1つの末端−SH基を有する;
からなる群より選択されることが好ましい。
【0052】
少なくとも1つのポリ(硫化イミド)がハロゲン化されていることが好ましい。例えば、ポリ(硫化イミド)は
【化13】

【0053】
からなる群より選択され、
ここで、
2は20より大きい整数である。n2は、50より大きい整数であることが好ましい。
【0054】
本発明の別の実施の形態は、ハロゲン化ポリ(硫化イミド)骨格を有するポリマー、及び構造式I:
【化14】

【0055】
を有する電気光学発色団を含む、電気光学材料の合成方法に関し、
ここで、該方法は、
硫化物を、溶媒中で、例えばトリエチルアミンなどのトリアミン触媒を用いて、N−(ハロゲン化ビフェニル)ビスマレイミド、及び、光学発色団と反応させ、
約2時間の間、反応温度を約20℃〜約60℃に保ち、
得られたポリマーをメタノール及び塩酸の溶液中に沈降させ、
得られた沈降ポリマーをメタノールで洗浄し、
前記ポリマーを真空オーブン内で、約60℃〜約80℃の範囲で、約16時間乾燥させ、それによってEO材料を得る、
各工程を有してなり、
ここで、構造式Iの化合物において、
*は不斉炭素原子を意味し、
Dは電子供与基であり、
Bは2価の環を少なくとも1つ含み、
2及びR3は互いに異なっており、
2は、H、置換または非置換のC1−C10アルキル、置換または非置換のC2−C10アルケニル、置換または非置換のC2−C10アルキニル、置換または非置換のアリール 、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル、及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
3は、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルキルアリール、置換または非置換の炭素環、置換または非置換の複素環、置換または非置換のシクロヘキシル及び(CH2)n--O-- (CH2)nからなる群より選択され、ここでnは1〜10の整数であり、
あるいは、R2とR3が一緒に環構造または置換された環構造を形成し、
構造式Iの化合物は、任意の位置に、マレイミド結合と反応することのできる、少なくとも1つの末端--SH基を有する。
溶媒は、m-クレゾール、m-クレゾール誘導体、THF、シクロヘキサノン及びDMFからなる群より選択されることが好ましい。溶媒がm-クレゾールの場合、反応温度は約20℃〜約45℃に維持して差し支えない。m-クレゾールは、重合方法に、より低い温度をもたらし、側鎖の反応を最小限に抑える。したがって、収率の向上はm-クレゾールの使用と関係があるであろう。
【0056】
典型的な非線状の光学ポリマーは、次の典型的なスキームによって合成することができる:

【0057】
線状の電気光学ポリマーの合成については先に述べた。非線状ポリ(硫化イミド)の3元共重合(terpolymerization)条件は、線状のマイケル付加重合(スキーム2)と同様である。ターポリマーの共有結合構造は、1D NMR及び2D COSY NMRによって確認した。シリカ基質上のターポリマー・フィルムの光学損失は、スラブ型導波路による測定で、0.8dB/cmであった。示差走査熱量測定法(DSC)による測定では、ターポリマーのガラス転移温度は157℃であった。
【0058】
ビスマレイミドはジチオールと容易に反応し、マイケル型の付加ポリマーを形成することができる。これは、これらの付加が、非常に穏やかな重合条件下で、フッ化芳香族化合物などの電子欠乏部位とチオールなどの電子が豊富な部位との間に生じることによる。
【0059】
本発明のEO発色団は、高Tgの非線状EOポリマー内に共有結合的に共重合される。高Tgポリマーは、合理的な高温において、EOポリマー系内に配列されたEO発色団を分極した状態に保つことができる。共有結合性のEOポリマーはまた、相分離を最小限に抑えることもでき、これによって、例えば屋内のファイバー網に有用な850nm、及び1300〜1550nmの通信波長での光学損失を軽減させる。
【0060】
上述の理由から、重合にとって、EO発色団の適切な官能基の選択は、合成されるEO非線状ポリマーにおける光学損失の軽減を確保する点で重要である。メルカプト官能性の高μβ発色団は、それらの前記通信波長における光学損失が少ないことから、特に、電気光学用途に用いるのに適している。本発明のEO発色団は、マレイミド結合と反応する化合物上に、少なくとも1つの--SH基を有する。これらのEO発色団は重合条件に対して感受性であるが、本発明のEO材料の合成方法は、低温の穏やかな重合条件を提供し、これによって感受性のメルカプト官能性高μβ発色団をこれらEO材料中に導入することを可能にする。さらには、この反応から得られるEO材料が、ひとつには、ポリ(硫化イミド)のハロゲン化骨格、特にフッ素化された骨格、及び、非常に高いガラス転移温度に起因して、光学損失が非常に少ないことから、メルカプト官能性高μβ発色団は、本発明の非線状EOポリマーの調製に好ましい。
【0061】
開示したメルカプト官能性高μβ発色団、ハロゲン化ポリ(硫化イミド)の線状光学ポリマー、及び非線状の光学ポリマーEO材料は、光を放射、調節、伝達し、または光強度の変化を感知する、システム及び装置などの電気光学装置の用途に適している。
【0062】
スキーム3を使用して合成される材料は、Tg温度が高く、光学損失が少なく、結果として、溶媒処理可能なハロゲン化ポリ(硫化イミド)の受動的光学材料(passive optical materials)をもたらす。これらの材料は、電気光学ポリマーモジュレーター用の、Tgが高く光学損失の少ない、低コストのポリマー導波管要素、及び、熱安定性のポリマー母材の調製に使用することができる。さらには、ハロゲン化ビスマレイミドの、ジチオールを含む光学発色団とのマイケル付加反応を使用して、穏やかな重合条件下で、共有結合性の高μβEOポリマーを合成することもできる。これらの共有結合性の高μβEOポリマーは、Tg温度が高く(約150℃を超える)、例えば波長1550nmなどの主要な通信波長において光学損失が少ない(〜0.8dB/cm)ことを示した。
【0063】
本発明の精神または範囲から逸脱することなく、さまざまな修正及びバリエーションを本発明に施しうることは、当業者とって明らかであろう。したがって、本発明は、添付の請求の範囲及びそれらの等価に相当する、本発明の修正物及び等価物も対象とすることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのN−(ハロゲン化フェニル)マレイミド、及び、置換ジチオール、ジまたはビス(アルキルメルカプト)スルフィド、及びハロゲン化ジ(メルカプト)化合物からなる群より選択される、少なくとも1つの硫化物を含む、電気光学ポリマー。
【請求項2】
N−(ハロゲン化ビフェニル)ビスマレイミド、及び、置換ジチオール、ジまたはビス(アルキルメルカプト)スルフィド、及びハロゲン化ジ(メルカプト)化合物からなる群より選択される、少なくとも1つの硫化物を含む、電気光学ポリマーの合成方法であって、
該方法が、
硫化物を、溶媒中で、触媒を用いて、N−(ハロゲン化ビフェニル)ビスマレイミドと反応させ、
約2時間の間、反応温度を約20℃〜約60℃に保ち、
得られたポリマーをメタノール及び塩酸の溶液中に沈降させ、
得られた沈降ポリマーをメタノールで洗浄し、
前記ポリマーを真空オーブン内で乾燥させ、それによってEO材料を得る、
各工程を有してなる方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−144745(P2012−144745A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−106415(P2012−106415)
【出願日】平成24年5月8日(2012.5.8)
【分割の表示】特願2009−509614(P2009−509614)の分割
【原出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】