説明

メロキシカムの経皮薬物送達システムの組成物及びその製造方法

【課題】
メロキシカムの低い溶解度を克服し、マトリックスからのメロキシカムの皮膚透過度を最大化したメロキシカムの経皮薬物送達システムの組成物、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】
経皮透過のための組成物及び製造方法を開示する。当該組成物は、有効成分としてメロキシカムを含み、更にソルビタン脂肪酸誘導体、ポリグリセリル脂肪酸誘導体、ポリエチレングリコールの植物油エステル、ポリエチレングリコールコーンオイルグリセリド、ポリエチレングリコールアーモンドオイルグリセリドよりなる群から選ばれる少なくとも1つの透過促進剤を含有し、水酸基を有するかまたは官能基のない少なくとも1つのアクリル系高分子の粘着剤で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効成分として、非ステロイド性消炎鎮痛成分であり、優れた抗炎効果を有するメロキシカムを含有している経皮パッチ剤、及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非ステロイド性消炎鎮痛成分であるメロキシカムは少ない用量でも優れた抗炎効果を奏するが、普通の非ステロイド性消炎鎮痛成分から発生する胃腸管系の副作用を示す。従って、メロキシカムの経皮パッチ剤の開発は、経口投与による副作用を避け、肝臓における初回通過代謝(first-pass metabolism)を防止することができる。しかし、メロキシカムが優れた抗炎効果を持っているにもかかわらず、低い溶解度及び低い皮膚透過度のため、今までメロキシカム含有経皮透過パッチ製品が開発されていないのが現状である。
【0003】
本発明は、重合物質に溶解又は懸濁させた有効成分を有し、メロキシカムを有効成分として含有する、マトリックス型の経皮パッチ剤に関する。韓国特許出願公開第2006-0059365号には濃度勾配を用いて消炎鎮痛剤の経皮透過度を増進させることができると開示されているが、メロキシカムのように溶解度が極めて低い薬物に濃度勾配は適用し難い。韓国特許出願公開第2006-0049598号にはメロキシカムをジメチルスルホキシドとジエタノールアミンに溶かして経皮薬物送達システムを製造する方法が開示されているが、ジメチルスルホキシドは皮膚刺激性が強くて使用上問題がある。韓国特許第0406576号にはエタノールアミン類と塩を形成させてピロキシカムの透過度を増進させる方法が開示されているが、メロキシカムの場合は塩の形成が透過度の増進に大きくは寄与しないことが分かった。韓国特許第0332210号にはトロメタミンを溶解補助剤として使用し、アクリル系粘着剤を使って消炎鎮痛成分を含有する経皮薬物送達システムを製造する方法が開示されているが、他の消炎鎮痛剤とは違って、アクリル系粘着剤のうちカルボキシル基を官能基として有するアクリル系粘着剤を使うと、メロキシカムの皮膚透過度が大幅に落ちるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2006-0059365号
【特許文献2】韓国特許出願公開第2006-0049598号
【特許文献3】韓国特許第0406576号
【特許文献4】韓国特許第0332210号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは治療効果を最大化するための経皮透過性の改善について鋭意研究したところ、メロキシカムを、水酸基を有するアクリル系粘着剤や官能基のないアクリル系粘着剤またはその混合物に懸濁させ、適切な透過促進剤を共に添加して製造された経皮薬物送達システムの組成物が、皮膚透過性に優れ、先行パッチ剤の面積当たり薬物量より遥かに少ない量でも優れた皮膚透過度を示すことが分かった。また、パッチ剤の製造過程においてメロキシカムの低い溶解度によって薬物の懸濁が困難であるが、ジメチルホルムアミドにメロキシカムを溶解させると比較的揮発し易くなってメロキシカムをマトリックスに均一に懸濁させることができる。
【0006】
従って、本発明は前述した従来の技術の問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、メロキシカムの低い溶解度を克服し、マトリックスからのメロキシカムの皮膚透過度を最大化したメロキシカムの経皮薬物送達システムの組成物、およびその製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、上記の及びその他の目的は、ソルビタン脂肪酸誘導体、ポリグリセリル脂肪酸誘導体、ポリエチレングリコールの植物油エステル、ポリエチレングリコールのコーンオイルグリセリド、及びポリエチレングリコールのアーモンドオイルグリセリドよりなる群から選ばれる透過促進剤の一つまたはそれ以上、及び粘着剤として水酸基を有するかまたは官能基がない一つまたはそれ以上のアクリル系高分子を含有するメロキシカム経皮パッチ剤を提供することによって達成される。
【0008】
本発明の別の態様では、メロキシカムをジメチルホルムアミドに溶解すること、そこにソルビタン脂肪酸誘導体、ポリグリセリル脂肪酸誘導体、ポリエチレングリコールの植物油エステル、ポリエチレングリコールのコーンオイルグリセリド、及びポリエチレングリコールのアーモンドオイルグリセリドよりなる群から選ばれる透過促進剤の一つまたはそれ以上を添加すること、そこに水酸基を有するかまたは官能基がないアクリル系高分子を含有する粘着溶液を添加すること、シリコンで被覆されているライナーの上にその混合溶液を塗布して乾燥させること、及びこのアクリル粘着層をバッキング層の上に重ね合わせることを含む、メロキシカム経皮パッチ剤を製造する方法を提供する。
【0009】
本発明をさらに詳細に説明すれば次の通りである。
メロキシカムは二つのpKa値(pKa1=1.09, pKa2=4.18)を持っている両性イオンであって、高い融点及び低い溶解度などによって低い皮膚透過度を示すので、皮膚透過率を高めるためには透過促進剤の使用が不可避である。メロキシカムは公知の殆どの揮発性溶媒に対して極めて低い溶解度を有するので、揮発しやすい溶媒ではないが、メロキシカムの溶解度が高い溶媒のうちジメチルホルムアミドを使って薬物を溶解させた。薬物を溶解させるためにジメチルスルホキシドやジメチルアセトアミドを使用することも可能であるが、これら溶媒は相対的に沸点が高くてジメチルホルムアミドより不利である。
【0010】
本発明に係るメロキシカム経皮パッチ剤においては、有効成分であるメロキシカムは組成物全体に対して1〜20重量%含まれている。
【0011】
また、本発明に使用されるアクリル系粘着性高分子は、水酸基を有するか、官能基のないアクリル系高分子であって、各々単独で使用したり、あるいは2種以上を混合して使用するのが好ましい。水酸基を有するアクリル系粘着性高分子の例としては、ナショナルスターチ・アンド・ケミカル社のデュロタック(登録商標)87−2510、デュロタック(登録商標)87−2516、デュロタック(登録商標)87−2287またはモンサント社から供給されるゲルバ(登録商標)787、ゲルバ(登録商標)737などがある。官能基のないアクリル系粘着性高分子の例としては、ナショナルスターチ・アンド・ケミカル社のデュロタック(登録商標)87−900A、デュロタック(登録商標)87−9301などがある。カルボキシル基を有するアクリル系高分子は、メロキシカムとの相互作用によってアクリル系高分子からメロキシカムの皮膚透過度が低いという問題点を抱えている。このような問題点はピロキシカム塩の場合はそうでないが、ピロキシカムにおいても類似した現象を現わす。但し、ピロキシカムの場合、塩がピロキシカムより高い透過度を示す一方、メロキシカムの場合、塩よりメロキシカムそれ自体がさらに高い透過度を示すという相違点がある。アクリル系高分子は、基剤層を構成する組成物全体に対して、50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%の範囲で含有させる。アクリル系高分子の量が50重量%以下になると粘着力が低下し、95重量%以上になると有効成分の量が低くなり、これ以上の優れた粘着力を期することができない。乾燥後の基剤層の厚さは、10〜300μm、好ましくは40〜200μmである。厚さが10μm以下になると単位面積当たり含有する薬物の量が少なすぎて効果を奏し難く、300μm以上では皮膚透過する量がさらには増加しないのみならず、膝のような関節部位に適用する際基剤層がバッキング層の外側に押し出される場合もある。
【0012】
有効成分の皮膚透過を増進させるために添加できる透過促進剤として、ソルビタン脂肪酸誘導体、ポリグリセリル脂肪酸誘導体、ポリエチレングリコールの植物油エステル、ポリエチレングリコール植物油グリセリドなどが使用でき、特に望ましくはソルビタン脂肪酸エステルとしてソルビタンモノオレエート(スパン(登録商標)80)、ポリグリセリル脂肪酸誘導体としてポリグリセリル-6オレート(Plural oleique(登録商標))、またはポリエチレングリコールの植物油グリセリドとしてポリエチレングリコール−12椰子油グリセリド(クロボル(登録商標)PK40)やポリエチレングリコール−20アーモンドオイルグリセリド(クロボル(登録商標)A40)を用いることができる。更に、ポリエチレングリコール植物油エステルとしてコーンオイルポロエチレングリコール−8エステル(ラブラフィル(登録商標)2609)を用いることができる。このような透過促進剤は単独あるいは2種以上混合して用いられ、マトリックス層を構成する組成物全体に対して1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%が含有される。もし、前記透過促進剤を1重量%より少なく使用すると皮膚透過の増進効果がなく、40重量%以上使用すると粘着力が低下し、マトリックス形態の維持が困難になる。
【0013】
本発明におけるバッキングとして、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリウレタンのような、経皮送達システムの分野において公知の高分子フィルムを使用することができる。バッキングとして使用されるフィルムは有効成分については不透過性であるべきで、空気や水分については透過性または不透過性であってもよい。ライナーとしては、シリコンコートされたポリエチレンフィルムやフルオロカーボンジアクリレートコート紙など、公知の市販されている製品を使用することができる。パッチ剤からライナーを除去する際には、マトリックスの残骸がライナーに残らず除去しやすくするべきである。
【0014】
マトリックスは、主として有効成分、アクリル系粘着剤及び溶解補助剤、透過促進剤、結晶生成抑制剤、及び保湿剤で構成され、また必要に応じて皮膚刺激防止剤や可塑剤などを添加できる。溶解補助剤としては多様なアルカリ化剤が使用できるが、特に好ましくはモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンを、単独または2種以上混合して使用できる。溶解補助剤は当量比でメロキシカム当量の5〜100%を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の上記及び他の目的、特徴及び他の利点は、添付の図面と組み合わせた下記の詳細の説明からより明確に理解されるであろう。
【図1】図1は、本発明に係る経皮透過パッチ剤の構造を示した図である。
【図2】図2は、本発明のメロキシカムパッチ剤と市販品であるTRAST(登録商標)パッチ剤の皮膚貼付後時間に対するメロキシカムの血漿濃度を比較したものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施例に基づき詳述するが、本発明が実施例により限定されるものではない。
【実施例】
【0017】
[実施例1]
メロキシカム50mgをジメチルホルムアミド1mlに溶解し、362μlのソルビタンモノオレエート(スパン(登録商標)80)を添加して、完全に混和するまで攪拌した。この溶液にアクリル系高分子1.4gを含有するアクリル系粘着溶液デュロタック(登録商標)2516(National Starch Chemical Co.製)3.27gを加えて10分間攪拌した。前記溶液をシリコンコートされたライナーに、乾燥後の厚さが160μmになるよう塗布した。この塗布したライナーを80℃で30分間、110℃で15分間順番に乾燥させた。乾燥後、アクリル系粘着剤層をバッキング層に圧力を加えてラミネートしてパッチ剤を製造した。
【0018】
[実施例2]
実施例1におけるソルビタンモノオレエート(スパン(登録商標)80)に換えて、ポリグリセリル-6オレート(Plural Oleique(登録商標))を使用したことを除けば、実施例1と同様な方法でパッチ剤を製造した。
【0019】
[実施例3]
実施例1におけるソルビタンモノオレエート(スパン(登録商標)80)に換えてポリエチレングリコール‐12椰子油グリセリド(クロボル(登録商標)PK40)を使用したことを除けば、実施例1と同様な方法でパッチ剤を製造した。
【0020】
[実施例4]
実施例1における3.27gのアクリル系粘着剤デュロタック(登録商標)2516に換えて、デュロタック(登録商標)2516(固形含量=42.84%)とデュロタック(登録商標)9301(固形含量=37.3%)をそれぞれ2.61gと0.75g(4:1の比率)添加することを除けば、実施例1と同様な方法でパッチ剤を製造した。
【0021】
[実施例5]
実施例1における3.27gのアクリル系粘着剤デュロタック(登録商標)2516に換えて、デュロタック(登録商標)2516(固形含量=42.84%)とデュロタック(登録商標)9301(固形含量=37.3%)をそれぞれ2.18gと1.25g(2:1の比率)添加することを除けば、実施例1と同様な方法でパッチ剤を製造した。
【0022】
[実施例6]
実施例1における3.27gのアクリル系粘着剤デュロタック(登録商標)2516に換えて、デュロタック(登録商標)2516(固形含量=42.84%)とデュロタック(登録商標)9301(固形含量=37.3%)をそれぞれ1.09gと2.5g(2:1の比率)添加することを除けば、実施例1と同様な方法でパッチ剤を製造した。
【0023】
[比較例1]
メロキシカム50mgをジメチルホルムアミド1mlに加えて溶解した。この溶液にアクリル系高分子1.726gを含有する粘着剤溶液デュロタック(登録商標)2516(National Starch Chemical Co.製)4.11gを加えて10分間攪拌した。前記溶液をシリコンコートしたライナーに、乾燥後の厚さが160μmになるように塗布した。塗布したライナーを80℃で30分間、110℃で15分間順番に乾燥させた。乾燥後、アクリル系粘着剤層をバッキング層に圧力を加えてラミネートしてパッチ剤を製造した。
【0024】
[比較例2]
実施例1における3.27gのアクリル系粘着剤デュロタック(登録商標)2516に換えて、カルボキシル基を有するデュロタック(登録商標)2677を添加することを除けば、実施例1と同様な方法でパッチ剤を製造した。
【0025】
[比較例3]
ピロキシカム含有市販品(TRAST(登録商標))
【0026】
[比較例4]
パッチ剤を、ソルビタンモノオレエート(スパン(登録商標)80)を添加せずに、実施例4と同様な方法で製造した。
【0027】
[実験例1]
前記で製造されたメロキシカムパッチ剤の皮膚透過度を調べるために、無毛マウスの皮膚を用いた。ここで、メロキシカムと同系列の薬物であるピロキシカムを含有する市販品のTRAST(登録商標)を比較例として使用した。無毛マウス(6〜8週齢)の皮膚を実験の直前に摘出して、試験しようとする製品をその面積が2cm2になるように円形に切り出して皮膚に貼り付けた。次いで皮膚をフロースルー拡散セル(Flow-Through Diffusion Cell)にクランプで固定し、4時間間隔で28時間試料を採取した。試料を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて定量した。この値から薬物の透過量を計算して表1に示した。レセプターセル(receptor cell)には等張リン酸塩緩衝溶液(pH7.4)を入れ、温度を37℃に維持して、磁気攪拌機で一定に攪拌した。分析条件は次の通りである。
<分析条件>
カラム: Luna C8(4×150mm)
移動相:メタノール/水/リン酸(700:299:1)
検出器: 紫外線320nm
流速: 1ml/min
【0028】
【表1】

【0029】
上記表1から分かるように、粘着剤としてビニルアセテート−アクリレート共重合体若しくはアクリレートから選ばれる水酸基を有するか、または官能基のないアクリル系高分子を少なくとも1種類含有する場合に、高い透過度を示すことが分かる。比較例1〜4の場合の透過度は十分なものではなかった。特に、ピロキシカムを含有する市販品(比較例3)と比較しても、実施例において遥かに優れた透過度を示すことが分かる。特に、デュロタック(登録商標)2516(固形含量=42.84%)とデュロタック(登録商標)9301(固形含量=37.3%)を各々4:1及び2:1の比率で混合して使用した実施例4及び実施例5において最も優れた効果を奏した。
【0030】
[実験例2]
本発明に従って製造されたメロキシカムパッチ剤と市販品であるTRASTの粘着力を自動剥離試験機(Auto peeling tester)を用いて測定した。テスト基質として、ステンレススチール板またはプラスチック板を使用したが、ステンレススチール板ではパッチ剤が剥がれ易くなりすぎ、プラスチック板においてはパッチ剤が容易に剥がれなかったので、互いに比較が不可能であった。そのために、実際にヒトの皮膚の上で比較を実施した。パッチ剤をそれぞれ1cm×5cmになるように切り出して、約3cmのパッチ剤を20秒間親指で軽く押えて皮膚に押しつけた。次いで、90°の角度から、300rpmの速度でパッチ剤を剥がして、測定した。その結果を表2に示した[参考文献:D. G. Maillard-Salinet al. International Journal of Pharmaceutics. 199(2000)29-38]。
【0031】
【表2】

【0032】
表2から分かるように、実施例4〜6の場合、ピロキシカムを含有する市販品に比べて粘着力も優れていることが分かる。
【0033】
[実験例3]
製造された本発明のメロキシカムパッチ剤と市販品であるTRASTの皮膚透過度を比較し、透過促進剤の効能を調べるために、実施例4と比較例3及び市販品であるTRASTを各々10cm2 になるよう切った。それぞれのパッチ剤をラットの皮膚に貼り付け、一定時間後に血液を採取して、血漿中の薬物濃度を比較した(図2参照)。
【0034】
図2の結果から分かるように、実施例4は比較例4またはTRASTと比較して遥かに高い血漿中の薬物濃度を示した。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るメロキシカム経皮パッチ剤は経口投与による副作用を避け、肝臓における初回通過代謝を防ぐ。更に、皮膚を介したメロキシカムの投与時の問題点である低い皮膚透過度を改善してメロキシカムの治療効果を最大化し、その副作用を最小化できると期待される。
【0036】
本発明の好ましい態様が説明を目的に開示されているが、添付されている特許請求の範囲に開示されているような本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、多種の修正、付加及び置換が可能であるということを、当業者は理解できるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソルビタン脂肪酸誘導体、ポリグリセリル脂肪酸誘導体、ポリエチレングリコールの植物油エステル、ポリエチレングリコールコーンオイルグリセリド、及びポリエチレングリコールアーモンドオイルグリセリドよりなる群から選ばれる少なくとも1つの透過促進剤;及び
粘着剤として水酸基を有するか、または官能基のない少なくとも1つのアクリル系高分子;
を含有することを特徴とする、メロキシカム経皮パッチ剤。
【請求項2】
メロキシカムを1〜20重量%の量で含有している、請求項1に記載のパッチ剤。
【請求項3】
透過促進剤が、ソルビタンモノオレエート(スパン80)、ポリグリセリル−6オレート(Plural oleique)、ポリエチレングリコール−12椰子油グリセリド(クロボルPK40)またはポリエチレングリコール−20アーモンドオイルグリセリド(クロボルA40)、またはコーンオイルポリエチレングリコール−8エステル(ラブラフィル2609)から選ばれて、1〜40重量%含有している、請求項1に記載のパッチ剤。
【請求項4】
アクリル系高分子を50〜95重量%含有している。請求項1〜3のいずれか1項に記載のパッチ剤。
【請求項5】
メロキシカムをジメチルホルムアミドに加えて溶解させること;
これにソルビタン脂肪酸誘導体、ポリグリセリル脂肪酸誘導体、ポリエチレングリコールの植物油エステル、ポリエチレングリコールコーンオイルグリセリド、及びポリエチレングリコールアーモンドオイルグリセリドよりなる群から選ばれる少なくとも1つの透過促進剤を加えること;
これに水酸基を有するか、または官能基のないアクリル系高分子を含有している粘着剤溶液を加えること;
シリコンコートされているライナーに混合溶液を塗布し乾燥して、アクリル系粘着剤層を形成すること;そして
バッキング層にアクリル系粘着剤層をラミネートすること;
を含有してなる、メロキシカム経皮パッチ剤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−504959(P2010−504959A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530258(P2009−530258)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際出願番号】PCT/KR2007/004569
【国際公開番号】WO2008/038939
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(509088206)インダストリー−アカデミック コーポレーション ファンデーション, チョースン ユニバーシティー (1)
【出願人】(509088228)ゴールデン パシフィック バイオ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】