説明

メータを用いた分散コンピューティング

【課題】サーバとメータの連携による様々な共有、分散、又はパラレルコンピューティングタスクを実行する。
【解決手段】メータ101のプロセッサが、通信ネットワーク103を介して処理命令とデータをサーバ102から受信し、この命令とデータを格納する。プロセッサが、受信したデータをプロセッサが処理する空きがあるかどうかを判定する。空きがなければ、プロセッサは、例えば計量タスクを実行し、プロセッサに空きができるまで受信したデータの処理を遅らせる。空きがあれば、プロセッサが、メータデータを処理する。メータが通信ネットワークを介してその結果をサーバに送信する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書に開示の主題は、ユーティリティメータシステム及び分散コンピューティングに関する。
【0002】
ユーティリティメータシステムは、例えば、特定のサービスの使用量を計測する電気メータ、ガスメータ、水道メータ等を含む。従来のメータは機械式で、技術者が視覚的に読み取ることでサービスの使用量を測定できるものであった。
【0003】
電子メータの出現により、無線データネットワーク又は有線データネットワーク等の通信ネットワークを通じて、メータでデータを受信及び出力可能な種々のシステムが実施されている。データネットワークを使用すると、オペレータがメータ上の測定値を遠隔的にモニタリングできるようになり、幾つかの例では、オペレータがメータ又は関連装置に対してシステムの一部を制御するように命令できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7644408号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様は、メータシステムを用いてデータを処理する方法であって、この方法は、データ処理タスク及びデータをユーティリティメータで受信するステップと、データをメータで処理するステップと、処理結果をユーティリティメータからサーバに送信するステップとを含む。
【0006】
本発明の別の態様は、プロセッサを含むユーティリティメータであって、このプロセッサは、データ処理タスクとデータをユーティリティメータで受信し、データをメータで処理し、処理結果をユーティリティメータからサーバに送信するように機能する。
【0007】
本発明のまた別の態様では、ユーティリティシステムが、サーバ、データネットワーク、及びデータネットワークを介してサーバに通信接続されたユーティリティメータを含み、このユーティリティメータはプロセッサを含み、このプロセッサは、データ処理タスクとデータをユーティリティメータで受信し、データをメータで処理し、処理結果をユーティリティメータからサーバに送信するように機能する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】メータシステムの一実施例のブロック線図を示す。
【図2】図1のメータの実施例のブロック線図を示す。
【図3】メータにおける分散処理の方法の一例のブロック線図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面に関連した下記の記述から、これら及びその他の利点及び特徴が更に明らかになる。
【0010】
本明細書の結びの特許請求の範囲において、本発明とみなされる主題を指摘し、明確にクレームする。本発明の上記その他の特徴及び利点は、添付図面に関連する下記の発明を実施するための形態から明らかである。
【0011】
発明を実施するための形態では、添付図面を参照しながら、例示目的において、本発明の実施形態をその利点及び特徴と共に説明する。
【0012】
図1は、メータシステム100の一実施例のブロック線図を示す。システム100は、表示装置104に通信接続されたプロセッサ(即ちサーバ)102、入力装置106、及びメモリ108を含む。複数のメータ101が、データネットワーク103を介してサーバ102に通信接続されている。データネットワーク103は、例えば無線又は有線のデータネットワーク等、任意の種類のデータネットワークを含む。
【0013】
運用時は、システム100を使用して、サーバ102とメータ101の連携による様々な共有、分散、又はパラレルコンピューティングタスクを実行できる。例えば、配電システムの運用では、サーバ102よって(及び/又はメータ101との共有によって)実行される種々の処理タスクが含まれる。メータ101を使用してそのような処理タスクの実行を支援すれば、プロセッサの数を増やして分散させることにより、そのようなタスクを処理するための専用サーバを縮小し、システムの信頼性を向上させることができる。
【0014】
図2はメータ101の一実施例のブロック線図を示す。メータ101はプロセッサ202を含み、プロセッサ202は、プロセッサを含むネットワークインターフェース部204に接続され、(図1の)データネットワーク103を介してデータを処理、送信、及び受信するように機能する。プロセッサ202は、このプロセッサ202に信号を出力するセンサ206から計量データを受信する。この信号は、アナログデジタル変換部208によって処理される。図示の実施形態では、メータ101が、電気管201からの電圧と電流を検知する。プロセッサ202が、不揮発メモリ部210に通信接続されている。例示の実施形態のメータ101には複数の部分を含むが、代替的な実施形態では、これらを任意の組み合わせで含めても、又はこれらを含めなくてもよい。例えば、プロセッサ202を外部メモリ装置212に接続してもよい。メータ101は、例えばメータ101のケーシング(図示せず)を許可なく開ける等のメータの改竄を検出するように機能する、改竄検出部214を含み得る。メータ101は、装置又は電気システムの一部を電気管201に接続又は電気管201から切断するように機能する、接続/切断リレーアセンブリ216に接続可能である。計量コプロセッサ218は、プロセッサ202とセンサ206とに通信接続し、何らかの計量処理タスクを実行可能である。プロセッサ202は、このプロセッサ202との光通信を容易にする光通信ポート220に通信接続可能である。図示の実施形態は電気メータを含んでいるが、例えばガスや水道のメータ等他の種類のメータでは、同様の部品と機能を含むものの、メータの用途に応じてセンサ206を選択可能である。図示の実施形態及び下記の説明では、プロセッサ202を使用したが、ネットワークインターフェース部204には、プロセッサ202のように同様の共有処理タスクを実行するべく機能可能なプロセッサ202を含み得ることは、当業者であれば理解できよう。このように、これらの実施例は、プロセッサ202及び/又はネットワークインターフェース部204によって実行可能な処理を含む。
【0015】
図1を参照すると、システム100は任意の数のメータ101を含み得、これら各々が、(図2の)プロセッサ202と、メータ101をデータネットワーク103上でサーバ102及び/又は他のメータ101と通信可能にするネットワークインターフェース部204とを含む。メータ101の主機能には、特定のサービスの使用量を検知及び計量することが含まれるが、プロセッサ202を、分散又はパラレル処理スキームを使用する他の処理タスク用に使用してもよい。例えば、分散コンピューティングスキームでは、サーバ102は、処理命令及びデータを複数のメータ101に送信可能である。メータ101は、不揮発メモリ210又はメモリ212内にこの命令及びデータを格納し、この処理タスクを実行可能である。処理タスクが完了すると、メータ101は、処理結果をサーバ102又は他のメータ101に送信するが、メータ101は、この処理済みのデータを使用して、追加の処理タスクやデータをメータ101に送信してもよい。パラレル処理スキームでは、メータ101が、サーバ102から処理命令を受信し、データを取り出して、サーバ102に関連付けられたメモリ108にデータを格納する。
【0016】
図3は、(図1の)メータ101における分散処理の方法の一例のブロック線図を示す。ブロック302では、(図2の)メータプロセッサ202が、処理命令とデータをサーバ102から受信し、この命令とデータを格納する。ブロック304では、プロセッサ202が、受信したデータをプロセッサ202が処理する空きがあるかどうかを判定する。空きがなければ、プロセッサ202は、例えば計量タスクを実行し、プロセッサ202に空きができるまで受信したデータの処理を遅らせる。空きがあれば、プロセッサ202が、ブロック306においてデータを処理する。ブロック308では、メータ101が通信ネットワーク103を介してその結果をサーバ102に送信する。
【0017】
例示した図3の方法の一例は、システム100上にコンピューティングタスクを分散させるための方法の一例に過ぎない。これに関し、システム100は、任意の数の異なる分散、パラレル、又は共有処理スキームを実行できる。
【0018】
限られた数の実施形態のみについて本発明を説明したが、本発明がこうした開示の実施形態に限定されないことは、明らかであろう。本発明を改変して、上記しなかった変形、代替、置換、又は等価の構造を幾つでも組み込むことができるが、これらも本発明の概念及び範囲に含まれる。また、本発明の種々の実施形態を記述したが、本発明の態様は、記述した実施形態の一部を含むのみであってもよいことを理解されたい。したがって、本発明は、以上の記述によって限定されるとみなされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0019】
100 システム
101 メータ
102 プロセッサ/サーバ
103 データネットワーク
104 表示装置
106 入力装置
108 メモリ
202 プロセッサ
204 ネットワークインターフェースプロセッサ
206 センサ
208 アナログデジタル変換
210 不揮発メモリ
212 外部メモリ
214 改竄検出
216 接続/切断リレー
218 計量コプロセッサ
220 光通信ポート
302 ブロック
304 ブロック
306 ブロック
308 ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メータシステムを用いてデータを処理する方法であって、
データ処理タスクとデータをユーティリティメータ(101)で受信するステップと、
前記データを前記メータ(101)で処理するステップと、
前記処理の結果を前記ユーティリティメータ(101)からサーバ(102)に送信するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ユーティリティメータ(101)が、前記データ処理タスクと前記データの受信に応答して前記データを処理する空きがあるかどうか判定するステップと、
前記ユーティリティメータが前記データを処理する空きがあるとの前記判定に応答して、前記メータ(101)で前記データを処理するステップと、を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データ処理タスクを前記サーバ(102)から受信する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記データ処理タスクを第2のメータ(101)から受信する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記データ処理タスク及びデータの前記受信に応答する前記ユーティリティメータ(101)と関連付けて、前記データ処理タスク及びデータをメモリ(108)中に格納するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記データ処理タスクとデータが、分散コンピューティング処理タスクに関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記データ処理タスクとデータがパラレルコンピューティング処理タスクに関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記データ処理タスクとデータが、データネットワーク(103)を介して前記サーバ(102)から前記ユーティリティメータ(101)に送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
データ処理タスクとデータをユーティリティメータ(101)で受信し、前記データを前記メータ(101)で処理し、前記処理の結果を前記ユーティリティメータからサーバ(102)に送信するように機能するプロセッサ(202)を含む、ユーティリティメータ(101)。
【請求項10】
前記データ処理タスクと前記データの受信に応答して、前記プロセッサ(202)が、前記ユーティリティメータ(101)が前記データを処理する空きがあるかどうか判定し、前記ユーティリティメータ(101)が前記データを処理する空きがあるとの判定に応答して、前記メータで前記データを処理するように更に機能する、請求項9記載のユーティリティメータ(101)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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