説明

メータシステム

【課題】表示部を有するプリペイユニットを別に設け、無線通信でメータの各種情報を表示させて、設置施工性と利便性を高めたメータシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】端末ユニット7は、読み書き手段9で記憶媒体8から読み出した使用可能量を含む第2の情報15を第2通信手段10を介してメータ1に送信し、メータ1は、第1通信手段5を介して受信した第2の情報15の内の使用可能量を記憶手段3に記憶された使用可能残量に加算して記憶すると共に、使用可能残量を含む第1の情報14を端末ユニット7に送信し、端末ユニット7は、第2通信手段10を介して受信した第1の情報14の内の使用可能残量を表示手段11で表示するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスの使用量を計測管理し、料金の支払いに応じて供給するプリペイドカードなどを用いた前金式ガスメータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプリペイド式メータでは、高所あるいは、戸棚の中などに設置されている場合、使用量の確認が容易でない、あるいはプリペイドカードの挿入が容易に行えない、と言った課題があった。この点に関しては、メータとコントローラを有線で接続した構成のメータシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−43894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このメータシステムはある程度設置性は向上するものの、コントローラを任意の位置に設置できない。特に、台所の戸袋の中などに設置されている場合、接続線を戸袋の外まで引き出すことになるが、見栄えも良くなく、設置場所も制限されてしまうといった課題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、表示部を有するプリペイユニットを別に設け、無線通信でメータの各種情報を表示させて、設置施工性と利便性を高めたメータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るメータシステムは、前記の課題を解決するために、被測定流体の流量を計測する流量計測手段と、前記被測定流体の使用可能残量を記憶する記憶手段と、前記流量計測手段で計測される流量と前記記憶手段に記憶された使用可能残量に基づいて前記被測定流体の供給を制御する供給制御手段と、外部と通信する為の第1通信手段とを有するメータと、料金の支払額に応じた前記被測定流体の使用可能量を記憶する記憶媒体と、前記記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う読み書き手段と、前記メータと通信する第2通信手段と、表示手段とを有する端末ユニットと、を備え、前記端末ユニットは、前記読み書き手段で前記記憶媒体から読み出した使用可能量を含む第2の情報を前記第2通信手段を介して前記メータに送信し、前記メータは、前記第1通信手段を介して受信した前記第2の情報の内の前記使用可能量を前記記憶手段に記憶された使用可能残量に加算して記憶すると共に、前記使用可能残量を含む第1の情報を前記端末ユニットに送信し、前記端末ユニットは、前記第2通信手段を介して受信した前記第1の情報の内の前記使用可能残量を前記表示手段で表示するようにした構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のメータシステムによると、メータの本体と、プリペイドカードなどの記憶媒体の挿入部および各種情報を表示する表示部を有する端末ユニットとの間で通信を行うことで、メータの本体とは別に、端末ユニットを利用者が使い易い場所に設置できるようし、メータと端末ユニットをそれぞれ利用し易い最適な場所に配置可能として、設置施工性と利便性を向上できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に係るメータシステムの一例を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る流量計測手段の一例を示す構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明は、被測定流体の流量を計測する流量計測手段と、前記被測定流体の使用可能残量を記憶する記憶手段と、前記流量計測手段で計測される流量と前記記憶手段に記憶された使用可能残量に基づいて前記被測定流体の供給を制御する供給制御手段と、外部と通信する為の第1通信手段とを有するメータと、料金の支払額に応じた前記被測定流体の使用可能量を記憶する記憶媒体と、前記記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う読み書き手段と、前記メータと通信する第2通信手段と、表示手段とを有する端末ユニットと、を備え、前記端末ユニットは、前記読み書き手段で前記記憶媒体から読み出した使用可能量を含む第2の情報を前記第2通信手段を介して前記メータに送信し、前記メータは、前記第1通信手段を介して受信した前記第2の情報の内の前記使用可能量を前記記憶手段に記憶された使用可能残量に加算して記憶すると共に、前記使用可能残量を含む第1の情報を前記端末ユニットに送信し、前記端末ユニットは、前記第2通信手段を介して受信した前記第1の情報の内の前記使用可能残量を前記表示手段で表示するようにした構成のメータシステムである。
【0010】
前記構成によれば、メータと、プリペイドカードなどの記憶媒体の情報を取り込みおよび各種情報を表示する端末ユニットとの間で通信を行うことで、メータの本体とは別に、端末ユニットを利用者が使い易い場所に設置できるようし、メータと端末ユニットをそれぞれ利用し易い最適な場所に配置可能として、設置施工性と利便性を向上できる。
【0011】
第2の発明は、特に第1の発明において、前記第1の情報には、前記第2の情報の受信状況を示す受信情報を含み、前記端末ユニットは、前記第1の情報に含まれる前記受信情報により、前記第2の情報が正常に受信できた場合に、前記記憶媒体に記憶された使用可能量を0とするようにした構成のメータシステムである。
【0012】
前記構成によれば、記憶媒体に記憶された使用可能量をメータに送信して届いたことを確認し、確認後に記憶媒体内の使用可能量を0にするので、支払った金額に相当するガスを確実に使用可能にでき、金額を超えるガスの不正使用が防止できるので、ガス利用に対する信頼性を向上できる。
【0013】
第3の発明は、特に第1の発明において、前記第1の情報には、前記端末ユニットから受信した使用可能量を含み、前記端末ユニットは、前記第1の情報の使用可能量が、前記第2の情報として送信した使用可能量と一致した場合に、前記記憶媒体に記憶された使用可能量を0とするようにした構成のメータシステムである。
【0014】
前記構成によれば、メータと端末ユニット間の情報の送信内容と受信内容を比較し、一致を確認後に記憶媒体に記憶された使用可能量を0にするので、支払い金額とガス利用可能量とを確実に一致させ、ガス利用に対する信頼性をより一層向上できる。
【0015】
第4の発明は、特に第1〜3のいずれか1つの発明において、前記メータは、使用可能残量を含む第1の情報を定期的に送信するようにした構成のメータシステムである。
【0016】
前記構成によれば、ガスを使用している利用者は使用時間の経過とともに、目の前になく監視し難いメータ側の情報を端末ユニット側で正確に把握でき、利便性を向上できる。
【0017】
第5の発明は、特に第1〜4のいずれかの発明において、前記端末ユニットは、使用可
能残量の表示操作手段を備え、前記表示操作手段の操作により、前記メータの記憶手段に記憶された使用可能残量を受信し、前記表示手段により表示するようにした構成のメータシステムである。
【0018】
前記構成によれば、ガスを使用している利用者は使用時間の経過とともに、使用可能残量があとどれ程か明確になり残量0によるガスの停止を防止でき、快適なガス使用が継続できる。
【0019】
第6の発明は、特に第1〜5のいずれか1つの発明において、前記端末ユニットは、前記第1の情報に含まれる使用可能残量と受信した時刻から求められる時間当たりの消費量から前記使用可能残量が0となるまでの時間を推定して表示するようにした構成のメータシステムである。
【0020】
前記構成によれば、ガスを使用している利用者は使用可能残量があと何時間位か具体的に把握でき、利便性を一層高めて快適なガス使用が実現できる。
【0021】
第7の発明は、特に第1〜6のいずれかの発明において、前記メータは、電源としての電池と、前記電池の電圧を検出する電圧検知手段を備え、前記第1の情報には、電池電圧の低下情報を含み、前記端末ユニットは、前記電池情報に基づく、報知を行うようにした構成のメータシステムである。
【0022】
前記構成によれば、電池の消耗に伴うガスの供給停止の発生を事前に把握でき、ガスを使用している利用者は電池切れによるガス停止の心配から開放され、安心で快適なガス使用を実現できる。
【0023】
第8の発明は、特に第1〜8のいずれか1つの発明において、前記端末ユニットは、前記メータと着脱自在にした構成のメータシステムである。
【0024】
前記構成によれば、メータと端末ユニットを分離して設置できるだけでなく、メータと端末ユニットを同じ場所に設置する場合はメータに端末ユニットを取り付け一体化してコンパクトに収納することができ、設置性と美観を向上できる。
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、これら実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るメータシステムについて、図1および図2を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るメータシステムの一例を示すブロック図である。図2はメータシステムにおける流量計測手段の一例を示す構成図である。
【0027】
[メータシステムの構成]
まず、本実施の形態1に係るメータシステムの構成について説明する。
【0028】
図1に示す本実施の形態1に係るメータシステムにおいて、被測定流体であるガスが流動するメータ1は、被測定流体の流量を計測する流量計測手段2と、被測定流体の使用可能残量を記憶する記憶手段3と、流量計測手段2で計測される流量と記憶手段3に記憶された使用可能残量に基づいて被測定流体の供給を制御する供給制御手段4と、外部と通信する為の第1通信手段5とを有するもので、これら流量計測手段2、記憶手段3、供給制御手段4および第1通信手段5はメータ制御手段6により制御されている。
【0029】
ガスの利用者の近くに配置される端末ユニット7は、料金の支払額に応じた被測定流体の使用可能量を記憶する記憶媒体8と、記憶媒体8に記憶された情報の読み書きを行う読み書き手段9と、メータ1側の第1通信手段5と通信する第2通信手段10と、表示手段11とを有するもので、さらに表示手段11に表示させる内容などを設定あるいは操作する表示操作手段12と、読み書き手段9、第2通信手段10、表示手段11および表示操作手段12を制御する端末ユニット制御手段13を備えている。
【0030】
メータ1の第1通信手段5と端末ユニット7の第2通信手段10間では、第1通信手段5から第2通信手段10へ送信される使用可能残量を含む第1の情報14と、第2通信手段10から第1通信手段5へ送信される記憶媒体8に記憶された使用可能量などの第2の情報15が伝達される。
【0031】
メータ1には被測定流体であるガスが流入する流入口16と被測定流体であるガスが流出する流出口17が設けられるとともに、流入口16と供給制御手段4と流量計測手段2と流出口17は流通路18を介して順次接続されている。なお、ここでは供給制御手段4と流量計測手段2の間を流通路18で配管接続する例を示したが、供給制御手段4と流量計測手段2とを配管接続せずに、供給制御手段4の出口をメータ1の内部空間19に開放し、流量計測手段2の入口側をメータ1の内部空間19に開放させ、内部空間19を介して供給制御手段4と流量計測手段2を接続しても良い。
【0032】
また、メータ1および端末ユニット7はそれぞれを動作させるために電源としての電池20、21を備えている。特に、メータ1側には電池20の電圧を検出する電圧検知手段22を有しており、電池電圧の低下を監視するとともに、もし電池が完全に消耗した時は安全性確保のため供給制御手段4を閉成してガスの供給を遮断するようにしている。
【0033】
次に、流量計測手段2は、図2に示すように、被測定流体であるガスが流れる計測流路23の上流と下流に配置した一対の超音波センサ24、25と、送信側に設定された超音波センサ24あるいは超音波センサ25を駆動する送信手段26と、受信側に設定された超音波センサ25あるいは超音波センサ24で受信された超音波信号を検知する受信手段27と、一方の超音波センサ24あるいは超音波センサ25から送信された超音波信号を、他方の超音波センサ25あるいは超音波センサ24が受信するまでの伝搬時間を計測する計時手段28と、前記伝搬時間より前記被測定流体の流量を演算する流量演算手段29と、超音波センサ24、超音波センサ25の一方を受信側に設定し他方を送信側に設定する切替手段30と、超音波での計測動作を総合的に制御する計測制御手段31を有している。
【0034】
ここで、超音波センサ24、超音波センサ25は、被測定流体の流れる計測流路23の流路軸に角度φで交わるように、対向して配置されている。
【0035】
[メータシステムの動作]
次に、前記構成のメータシステムの動作について説明する。
【0036】
まず、利用者が金銭の支払いを済ませてガスの使用可能量を記憶させた記憶媒体8を端末ユニット7の読み書き手段9に読み込ませる。この動作により、端末ユニット7は、読み書き手段9で記憶媒体8から読み出した使用可能量を含む第2の情報15を第2通信手段10を介してメータ1に送信し、メータ1は、第1通信手段5を介して受信した第2の情報15の内の使用可能量を記憶手段3に記憶された使用可能残量に加算して記憶すると共に、使用可能残量を含む第1の情報14を端末ユニット7に送信し、端末ユニット7は、第2通信手段10を介して受信した第1の情報14の内の使用可能残量を表示手段11
で表示する。
【0037】
なお、使用可能残量がある場合は供給制御手段4が開成し、利用者は支払った金額に相当する量のガスを利用可能な状態となる。また、使用可能残量が0となるとメータ制御手段6は供給制御手段4を閉成させてガスの供給を遮断する。
【0038】
このようにメータ1と端末ユニット7との間で通信を行うことで、メータ1の本体とは別に、端末ユニット7を利用者が使い易い場所に設置できるようし、メータ1と端末ユニット7をそれぞれ利用し易い最適な場所に配置可能として、設置施工性と利便性を高めて利用者は使用できる。
【0039】
さらに、第1の情報14には、第2の情報15の受信状況を示す受信情報を含み、端末ユニット7は、第1の情報14に含まれる受信情報により、第2の情報15が正常に受信できた場合に、記憶媒体8に記憶された使用可能量を0とするようにすることで、正確に確実に支払った金額に相当する量のガスがメータ1に登録するだけでなく、記憶媒体8に記憶された使用可能量をメータに送信して届いたことを確認し、確認後に記憶媒体内の使用可能量を0にするので、支払った金額に相当するガスを確実に使用可能にでき、金額を超えるガスの不正使用の防止がなされ、ガス利用に対する信頼性の向上が実現する。
【0040】
また、第1の情報14には、端末ユニット7から受信した使用可能量を含み、端末ユニット7は、第1の情報14の使用可能量が、第2の情報15として送信した使用可能量と一致した場合に、記憶媒体8に記憶された使用可能量を0とするようにすることで、メータ1と端末ユニット7間の情報の送信内容と受信内容を比較し、一致を確認後に記憶媒体に記憶された使用可能量を0にするので、支払い金額とガス利用可能量とを確実に一致させ、ガス利用に対する信頼性をより一層の向上がなされる。
【0041】
このようにしてガスを利用可能な状態となり、利用者がガスを使用し始めると、使用したガス量を計測して当初のガス利用可能量から実使用量を差し引いた使用可能残量を端末ユニット7の表示手段11に表示できるようになる。
【0042】
ここで、流量計測手段2の計測動作について図2で説明する。
【0043】
計測制御手段31により切替手段30を制御して、まず超音波センサ24を送信側に、超音波センサ25を受信側に設定する。そして、送信手段26から出力される駆動信号が送信側に設定された超音波センサ24に入力され、超音波センサ24から超音波信号が発信される。発信された超音波の信号が受信側の超音波センサ25で受信されるまでの伝搬時間を計時手段28で計測する。
【0044】
なお、この送受信動作を所定の回数(n回)だけ繰り返されたときの時間を計時手段28で求めることにより、計測精度を高めることができる。
【0045】
次に、切替手段30で超音波センサ24と超音波センサ25の送受信を切り替えて、超音波センサ25を送信側、超音波センサ24を受信側に設定して超音波信号を送信し、この送受信を前述のように行い、その超音波の伝搬に要した伝搬時間を計時する。
【0046】
このようにして、切替手段30により、超音波センサ24、超音波センサ25の送信側と受信側との設定を切り替え、それぞれの伝搬時間を上述のように測定し、流量演算手段29において(式1)ようにして流量Qを求める。
【0047】
Q=S・v=S・L/2・cosφ{(1/t1)−(1/t2)}・・・(式1)
但し、(式1)においては、Lが超音波センサ24と超音波センサ25間の流れ方向の有効距離であり、t1が超音波センサ24から超音波センサ25への伝搬時間であり、t2が超音波センサ25から超音波センサ24への伝搬時間であり、vが被測定流体の流速であり、Sが計測流路23の断面積であり、φは超音波センサが計測流路23の軸となす角度であり、Qが流量である。このような流量計測を順次繰り返し、時間経過とともに流量を積算して積算流量を計測する。
【0048】
この計測値をもとに使用量を算出し、メータ1は使用可能残量を含む第1の情報14を定期的に端末ユニット7側に送信し、ガスを使用している利用者は使用時間の経過とともに、目の前になく監視し難いメータ1側の情報を端末ユニット7側で正確に把握できるので、利便性の向上がなされる。
【0049】
また、端末ユニット7では、使用可能残量の表示操作手段12を備えており、この表示操作手段12を操作して、メータ1の記憶手段3に記憶された使用可能残量を受信し、表示手段11により表示させることで、ガスを使用している利用者は使用時間の経過とともに、使用可能残量があとどれ程か明確になり残量0によるガス停止を未然に防止して、快適なガス使用の継続がなされる。
【0050】
また、端末ユニット7では、第1の情報14に含まれる使用可能残量と受信した時刻から求められる時間当たりの消費量から使用可能残量が0となるまでの時間を推定して表示させることで、ガスを使用している利用者は使用可能残量があと何時間位か具体的に判り易く把握でき、利便性を一層高めて快適なガス使用が実現できる。
【0051】
また、メータ1には、電源としての電池20と、電池20の電圧を検出する電圧検知手段22を備えており、電圧検知手段22は電池電圧の低下を常時監視し続け、第1の情報14にこの電池電圧の低下情報を含ませて端末ユニット7で電池情報に基づく報知を行うようにすることで、電池の完全な消耗に伴うガスの供給停止の発生を事前に把握でき、ガスを使用している利用者は電池切れによるガス停止の心配から開放され、安心で快適なガス使用を実現できる。
【0052】
なお、端末ユニット7側の電池21は電池電圧の低下を監視していないが、メータ1側と同様に第2電圧検知手段(図示せず)を設けて電池電圧を監視することができるのは言うまでも無く、監視することで一層信頼性を向上できる。
【0053】
また、端末ユニット7は、メータ1と着脱自在にすることで、メータ1と端末ユニット7を分離して設置可能として設置性や利便性を高められるだけでなく、メータ1と端末ユニット7を同じ場所に設置する場合はメータ1に端末ユニット7を取り付けて一体化してコンパクトに収納することができ、設置性と美観を向上できる。
【0054】
なお、ここまで記憶媒体8には支払い金額に相当するガス量を設定する場合で説明したが、使用可能量は、度数と1度数当たりの使用量で決定されるものとして、この度数を使用可能量に置き換えてもよい。この場合、1度数当たりの使用可能量は、予めメータに記憶させてもよいし、記憶媒体に記録し、所定の情報に含めてメータに送信してもよく、この場合料金改定への対応が可能となる。
【0055】
また、第1の情報14としては、使用可能残量、電池消耗データの他に、流量データ、供給制御手段4の弁状態信号、メータ1で検知した異常報知の為の信号等、メータ1で取得できる情報を含んでも良いし、この情報を表示手段11で表示するようにしても良い。
【0056】
さらに、第2の情報15としては、プリペイドデータ、使用可能残量要求信号の他に、
供給制御手段4に開成を指示する開成信号、閉成を指示する閉成信号等のメータ1への指示信号を含んでも良い。
【0057】
また、メータ1と端末ユニット7間を無線で通信する例を示したが、メータ1と端末ユニット7間を有線で接続するとともに、メータ1と端末ユニット7のどちらかに電源を供給する電源線を設けて給電して電池20、21を搭載しないようにすることが可能なのは言うまでもない。
【0058】
以上のように、端末ユニット7は、読み書き手段9で記憶媒体8から読み出した使用可能量を含む第2の情報15を第2通信手段10を介してメータ1に送信し、メータ1は、第1通信手段5を介して受信した第2の情報15の内の使用可能量を記憶手段3に記憶された使用可能残量に加算して記憶すると共に、使用可能残量を含む第1の情報14を端末ユニット7に送信し、端末ユニット7は、第2通信手段10を介して受信した第1の情報14の内の使用可能残量を表示手段11で表示することで、メータ1と、プリペイドカードなどの記憶媒体8の情報を取り込みおよび各種情報を表示する端末ユニット7との間で通信を行うことで、メータ1の本体とは別に、端末ユニット7を利用者が使い易い場所に設置できるようし、メータ1と端末ユニット7をそれぞれ利用し易い最適な場所に配置可能として、設置施工性と利便性を向上できる。
【0059】
また、本実施の形態1に係るメータシステムにおいて、第1の情報14には、第2の情報15の受信状況を示す受信情報を含み、端末ユニット7は、第1の情報14に含まれる受信情報により、第2の情報15が正常に受信できた場合に、記憶媒体8に記憶された使用可能量を0とするようにした構成である。
【0060】
このようにして、記憶媒体8に記憶された使用可能量をメータに送信して届いたことを確認し、確認後に記憶媒体8内の使用可能量を0にするので、支払った金額に相当するガスを確実に使用可能にでき、金額を超えるガスの不正使用が防止できるので、ガス利用に対する信頼性を向上できる。
【0061】
また、本実施の形態1に係るメータシステムにおいて、第1の情報14には、端末ユニット7から受信した使用可能量を含み、端末ユニット7は、第1の情報14の使用可能量が、第2の情報15として送信した使用可能量と一致した場合に、記憶媒体8に記憶された使用可能量を0とするようにした構成である。
【0062】
このようにして、メータ1と端末ユニット7間の情報の送信内容と受信内容を比較し、一致を確認後に記憶媒体8に記憶された使用可能量を0にするので、支払い金額とガス利用可能量とを確実に一致させ、ガス利用に対する信頼性をより一層向上できる。
【0063】
また、本実施の形態1に係るメータシステムにおいて、メータ1は、使用可能残量を含む第1の情報14を定期的に送信するようにした構成である。
【0064】
このようにして、ガスを使用している利用者は使用時間の経過とともに、目の前になく監視し難いメータ1側の情報を端末ユニット7側で正確に把握でき、利便性を向上できる。
【0065】
また、本実施の形態1に係るメータシステムにおいて、端末ユニット7は、使用可能残量の表示操作手段12を備え、表示操作手段12の操作により、メータ1の記憶手段3に記憶された使用可能残量を受信し、表示手段11により表示するようにした構成である。
【0066】
このようにして、ガスを使用している利用者は使用時間の経過とともに、使用可能残量
があとどれ程か明確になり残量0によるガスの停止を防止でき、快適なガス使用が継続できる。
【0067】
また、本実施の形態1に係るメータシステムにおいて、端末ユニット7は、第1の情報14に含まれる使用可能残量と受信した時刻から求められる時間当たりの消費量から使用可能残量が0となるまでの時間を推定して表示するようにした構成である。
【0068】
このようにして、ガスを使用している利用者は使用可能残量があと何時間位か具体的に把握でき、利便性を一層高めて快適なガス使用が実現できる。
【0069】
また、本実施の形態1に係るメータシステムにおいて、メータ1は、電源としての電池20と、電池20の電圧を検出する電圧検知手段22を備え、第1の情報14には、電池電圧の低下情報を含み、端末ユニット7は、電池情報に基づく、報知を行うようにした構成である。
【0070】
このようにして、電池20の消耗に伴うガスの供給停止の発生を事前に把握でき、ガスを使用している利用者は電池切れによるガス停止の心配から開放され、安心で快適なガス使用を実現できる。
【0071】
また、本実施の形態1に係るメータシステムにおいて、端末ユニット7は、メータ1と着脱自在にした構成である。
【0072】
このようにして、メータ1と端末ユニット7を分離して設置できるだけでなく、メータ1と端末ユニット7を同じ場所に設置する場合はメータ1に端末ユニット7を取り付け一体化してコンパクトに収納することができ、設置性と美観を向上できる。
【0073】
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上のように、本発明に係るメータシステムは、表示部を有するプリペイユニットを別に設け、無線通信等でメータの各種情報を表示するもので、使用する流体に課金する分野であれば、被測定流体がどのようなものであっても好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 メータ
2 流量計測手段
3 記憶手段
4 供給制御手段
5 第1通信手段
7 端末ユニット
8 記憶媒体
9 読み書き手段
10 第2通信手段
11 表示手段
12 表示操作手段
14 第1の情報
15 第2の情報
20、21 電池
22 電圧検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定流体の流量を計測する流量計測手段と、前記被測定流体の使用可能残量を記憶する記憶手段と、前記流量計測手段で計測される流量と前記記憶手段に記憶された使用可能残量に基づいて前記被測定流体の供給を制御する供給制御手段と、外部と通信する為の第1通信手段とを有するメータと、
料金の支払額に応じた前記被測定流体の使用可能量を記憶する記憶媒体と、前記記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う読み書き手段と、前記メータと通信する第2通信手段と、表示手段とを有する端末ユニットと、
を備え、
前記端末ユニットは、前記読み書き手段で前記記憶媒体から読み出した使用可能量を含む第2の情報を前記第2通信手段を介して前記メータに送信し、前記メータは、前記第1通信手段を介して受信した前記第2の情報の内の前記使用可能量を前記記憶手段に記憶された使用可能残量に加算して記憶すると共に、前記使用可能残量を含む第1の情報を前記端末ユニットに送信し、前記端末ユニットは、前記第2通信手段を介して受信した前記第1の情報の内の前記使用可能残量を前記表示手段で表示するメータシステム。
【請求項2】
前記第1の情報には、前記第2の情報の受信状況を示す受信情報を含み、前記端末ユニットは、前記第1の情報に含まれる前記受信情報により、前記第2の情報が正常に受信できた場合に、前記記憶媒体に記憶された使用可能量を0とする請求項1に記載のメータシステム。
【請求項3】
前記第1の情報には、前記端末ユニットから受信した使用可能量を含み、前記端末ユニットは、前記第1の情報の使用可能量が、前記第2の情報として送信した使用可能量と一致した場合に、前記記憶媒体に記憶された使用可能量を0とする請求項1に記載のメータシステム。
【請求項4】
前記メータは、使用可能残量を含む第1の情報を定期的に送信する請求項1〜3いずれか1項に記載のメータシステム。
【請求項5】
前記端末ユニットは、使用可能残量の表示操作手段を備え、前記表示操作手段の操作により、前記メータの記憶手段に記憶された使用可能残量を受信し、前記表示手段により表示する請求項1〜4いずれか1項に記載のメータシステム。
【請求項6】
前記端末ユニットは、前記第1の情報に含まれる使用可能残量と受信した時刻から求められる時間当たりの消費量から前記使用可能残量が0となるまでの時間を推定して表示することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のメータシステム。
【請求項7】
前記メータは、電源としての電池と、前記電池の電圧を検出する電圧検知手段を備え、前記第1の情報には、電池電圧の低下情報を含み、前記端末ユニットは、前記電池情報に基づく、報知を行うことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のメータシステム。
【請求項8】
前記端末ユニットは、前記メータと着脱自在に構成した請求項1〜7いずれか1項に記載のメータシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−251969(P2012−251969A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126985(P2011−126985)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】