モジュラー強化構造ビーム及び接続ビームシステム
モジュラー強化構造ビーム及び接続部材システムは、2つの反対に向けられる三角形の閉塞ヘッド部分と、2つの閉塞ヘッド部分の間に介装される横断方向に延びるウェブとを有する少なくとも1つの複合ビームを含み、ビームのそれぞれは、2つの部材の対応するヘッド部分が入れ子状に収められ且つ2つの部材の隣接する素子が相互安定接触状態にあるよう配置される2つの別個の部材から成る。複数の接続部材が、複合ビーム及び他の構造素子のうちの1つと力伝達接触状態に接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造ビームの分野に関する。より具体的には、本発明は、接続部材を含むモジュラー強化構造ビームシステムに関し、それは三角形ヘッド部分を有する軽量ビームに基づく。
【背景技術】
【0002】
組立木造ガーダ(girder)、積層木造ビーム、強化コンクリートビーム、及び、鋼ビームを含む様々な種類の構造ビームが、商業及び住宅建造物に使用されている。鋼は、ビーム用に最も普通に使用される材料であり、そのようなビームは、I形鋼、H形鋼、C形鋼、Z形鋼、及び、溝形鋼によって構成される。構造鋼ビームの様々な構造は、熱間圧延又は冷間圧延プロセスによって最も普通に製造され、概ね、所与の耐荷力に対して比較的重いビームをもたらす。
【0003】
I形鋼は、比較的高い耐荷力及び慣性モーメントの故に、鋼フレームを構築するために最も普通に使用される種類の構造ビームである。そのようなビームは、それらの上に加えられる実質的に静荷重を安全に支持するよう、ビームが個別に或いは複数のビームと共に、さらに、概ね、2つ又はそれよりも多くのビームと接続するよう構成される複数の素子と共に利用され得るよう、ウェブ及びウェブに対して直交し且つ反対縁部にある一対のフランジを有する。少なくとも1つのビーム又はポストから、さらに、概ね、複数のビーム又はポストから、さらに、複数の接続素子から構築される組立体が、ここでは「ビームシステム」として言及される。
【0004】
I形鋼は、鋼片内への溶融鉄の鋳造に続く熱間圧延プロセスによって形成される。建設現場に供給される殆どのI形鋼は、標準寸法、例えば、6又は12mの長さを有し、所与の建築プロジェクトの建築上及び工学上の要件に合わせて変更されるよう、1つ若しくはそれよりも多くのウェブ又は1つ若しくはそれよりも多くのフランジの切断及び溶接、ビームへの接続素子の溶接、溶接接合地点の円滑化、ビーム又はビームシステムの塗装及び亜鉛メッキ、並びに、ビーム又はビームシステムのフレーム構造への組立てを含む、追加的な建築プロセスを経る。これらの追加的な建築プロセスは、時間がかかり、費用がかかる。
【0005】
その構造特性を妥協することなく、ビームシステムの製造及び組立て費用を削減することが望ましく、それが本発明の目的である。
【0006】
I形鋼よりも少ない鋼を必要としながら同一の耐荷力をもたらす、シート鋼から組み立てられる数多くの構造ビームが、従来技術から既知である。例えば、Brooksに発効された米国特許第991,603号及びDunn et al.に発行された米国特許第3,698,224号は、頂部及び底部に中空フランジを形成するよう屈曲される単一片の材料から成る金属性擬似I形鋼を開示している。本発明と同一の発明者に発行された米国特許第5,553,437号は、三角形のヘッド部分、ウェブ部分、ウェブフランジ、及び、尾部フランジを有する、2つの反対向きに交互配置さらた部材から成る擬似I形鋼を開示している。ヘッドフランジの三角形の形状は、その二軸対称性の故に、従来的なI形鋼に対して改良された横方向安定性をもたらす。
【0007】
三角形ヘッド部分を備えるそのような従来技術軽量構造ビームは、自動プロセスによって容易に形成可能ではない。第一に、ビームは、冷間圧延プロセスによって製造され、その間、シート金属は、再結晶温度より下で複数の対のローラを通過され、所望の形状に曲げられる。三角形の2つの頂端が成形された後、送り込まれた金属シートは、その非アクセス可能性の故に、第三頭部を形成するために適切に支持され得ない。また、構造ビームの所望の長さは、しばしば15mであり、三角形ヘッド部分を備える構造的に強力なビームの組立てのためのシート金属の所要の厚さは、殆どの商業冷間圧延ローラが処理し得る厚さよりもずっと厚い8mmのオーダにある。
【0008】
米国のBulter Manufacturing Companyは、http://www.butlermfg.com/building_systems/structural.asp.に記載されるようなモジュラービームシステムを製造する。これらのビームシステムは、三角形ヘッド部分、二次的な構造部材である事前穿孔された開口ウェブトラス母屋桁(open-web truss purlin)、及び、ロッド筋違(rod bracing)を備えない、固形ウェブ主要I形鋼フレームのような、様々な構成部品を利用する。これらのシステムでは、ビームシステム構成部品は、構成部品が組み立てられた後に亜鉛メッキされ、一体に溶接される。結果的に、製造及び組立ての費用は、比較的高い。さらに、接続素子は、ウェブ部分ではなくフランジに溶接される。従って、応力がフランジに集中し、構成部品をさらに一層重く且つ高価にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
三角形ヘッド部分を有するビームに基づくモジュラービームシステムを提供することが本発明の目的である。
【0010】
全てのその構成部品が溶接の必要なしに組み立てられるよう構成されるモジュラービームシステムを提供することが本発明の追加的な目的である。
【0011】
ビームのウェブ部分に取り付けられる接続素子を備えるモジュラービームシステムを提供することが本発明の追加的な目的である。
【0012】
I形鋼と同一の耐荷力を有しながら、4mm以下の厚さを有するシート金属から成る、ビームを提供することが本発明のさらに追加的な目的である。
【0013】
亜鉛メッキシート金属から三角形ヘッド部分を備える構造ビームを製造するための方法を提供することが本発明のさらに追加的な目的である。
【0014】
従来技術の構造ビーム製造方法よりも素速く経済的な、三角形ヘッド部分を備える構造ビームを製造するための方法を手供することが本発明のさらに追加的な目的である。
【0015】
従来技術のビームシステム組立て方法よりも素速く経済的な、ビームシステムを組み立てるための方法を提供することが本発明のさらに追加的な目的である。
【0016】
本発明の他の目的及び利点は、記載の進行に応じて明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、2つの反対に向けられる三角形の閉塞ヘッド部分と、2つの閉塞ヘッド部分の間に介装される横断方向に延びるウェブとを有する少なくとも1つの複合ビームを含み、ビームのそれぞれは、2つの部材の対応するヘッド部分が入れ子状に収められ且つ2つの部材の隣接する素子が相互安定接触状態にあるよう配置される2つの別個の部材から成り、複数の接続部材を含み、接続部材のうちの少なくとも2つは、複合ビーム及び他の構造素子のうちの1つに接続され且つ複合ビーム及び他の構造素子のうちの1つと力伝達接触状態にある、モジュラー強化構造ビーム及び接続部材システムを提供する。
【0018】
ここで言及されるとき、「ビーム」は、各端部で支持され、且つ、水平向き、ポストとして作用するときの垂直向き、棟ビームとして作用するときの傾斜向きを含む、如何なる便利な向きにも配置される、剛的な細長い構造部材である。「横断」方向は、ビームの長さに沿うことを意味する。「長手」方向は、ビームの2つの三角形ヘッド部分の間の方向を意味する。「横」方向は、ビームの2つのウェブ部分の間の方向を意味する。
【0019】
概ね比較的厚いシート金属から成る接続部材は、冷間ファスナによる並びに溶接によるような任意の適切な手段を用いて、工学的な考慮に従った強化を必要とするビームの領域で、複合ビームに接続される。
【0020】
複合ビームの各部材は、第一ヘッド部分と、第二ヘッド部分と、第一ヘッド部分と第二ヘッド部分との間に介装される長手方向に配置されるウェブ部分とを含み、第一ヘッド部分及び第二ヘッド部分は、対応する本質的に横方向に配置されるフランジと、フランジの第一横方向端部とウェブ部分との間に延びる傾斜素子と、フランジの第一横方向端部から延び且つ傾斜素子の長さよりもかなり短い長さを有する傾斜舌部とを備えて構成される。
【0021】
三角形の閉塞ヘッド部分の第一辺は、2つの複合ビーム部材の2つのフランジを含み、その第二辺及び第三辺は、複合ビーム部材の一方の傾斜素子と、他方の複合ビーム部材の舌部とを含む。閉塞ヘッド部分の第二辺及び第三辺に関して、傾斜素子とその対応するフランジとの間の角度間隔は、舌部素子とその対応するフランジとの間の角度間隔と本質的に等しい。
【0022】
第一部材のヘッド部分の頂端は、第一ヘッド部分が収められる第二部材のヘッド部分によって強化される。
【0023】
好適実施態様において、三角形の閉塞ヘッド部分の隣接する辺は、60度の角度だけ角度的に離間する。
【0024】
好適実施態様において、各ビーム部材は、冷間圧延される。従って、複合ビームは、亜鉛メッキされたシート金属を複数の冷間ローラを通じて送り込むステップと、接続部材又は空調機器への接続を容易にし、或いは、それを通じて電線を通すよう、前記シート金属に孔を穿けるステップと、第一部材を形成するために、前記シート金属を所望の寸法で所望の形状に曲げるステップと、第二部材を形成するために、これらのステップを反復するステップと、前記第一及び第二部材の対応するヘッド部分が入れ子状に収められるよう、前記第一及び第二部材の隣接する素子が相互安定接触状態にあるよう、並びに、前記第一及び第二部材の対応する横断縁部が整列されるよう、少なくとも前記第二部材を変位するステップとによって自動的に製造される。
【0025】
1つの特徴において、ビーム部材のうちの1つの相対的な横断方向変位を防止するために、冷間ファスナのような、第一及び第二のビーム部材の対応するフランジを接合するための手段をさらに含む。
【0026】
1つの特徴において、冷間ファスナのような、第一及び第二のビーム部材の対応するウェブ部分を接合するための手段をさらに含む。
【0027】
1つの特徴において、ビームの第一ヘッド部分のフランジは、第二フランジ部分のフランジよりも長い横方向寸法を有する。
【0028】
1つの特徴において、第一及び第二の部材は同一であり、第二部材は、第二部材の第一ヘッド部分が第一部材の第二ヘッド部分内に収められ、第一部材の第一ヘッド部分が第二部材の第二ヘッド部分内に収められるよう、第一部材と反対の向きにある。
【0029】
1つの特徴において、ビームの第一ヘッド部分のフランジは、第二フランジ部分のフランジと同一の横方向寸法を有する。第二部材の第一ヘッド部分は、第一部材の第一ヘッド部分内に収められ、第二部材の第二ヘッド部分は、第一部材の第二ヘッド部分内に収められる。
【0030】
1つの特徴において、第二部材の第一ヘッド部分は、第一部材の第一ヘッド部分内に収められ、第二部材の第二ヘッド部分は、第一部材の第二ヘッド部分内に収められる。
【0031】
1つの特徴において、第一部材のヘッド部分の頂端は、第一ヘッド部分が収められる第二部材のヘッド部分によって強化される。
【0032】
1つの特徴において、接続部材は、接続部材及びビーム内に穿孔される対応する整列孔と係合可能な冷間ファスナを用いて、複合ビームに接続される。よって、接続部材は、溶接の必要なしに、ビームに接続可能であり、ビームシステムを組み立てる建設作業員は、特別な訓練を必要としない。
【0033】
各ビーム及び接続部材は、鋼、金属、合金、プラスチック材料、及び、複合材料の群から選択され得る。
【0034】
接続部材は、好ましくは、冷間ファスナを用いて現場で接続される市販品である。
【0035】
1つの特徴において、ビームシステムは、一体に溶接される1つよりも多くの素子を含む。
【0036】
1つの特徴において、接続部材は、冷間ファスナ及び前記ビームに内部的に取り付けられる反応プレートインサートを用いて、複合ビームに接続される
【0037】
1つの特徴において、接続部材は、選択的な横断方向、長手方向、及び、横方向を有するスリーブとして構成され、選択的な寸法を有する複合ビーム周の一部を完全に取り囲み、且つ、相互に安定化させる接触状態にあるよう構成される。
【0038】
1つの特徴において、スリーブは、2つの同一平面上のビームに接続され、それによって、従来技術ビームシステムのビームよりもかなり長い距離に渡り且つ少ない筋違を必要とする増大された横断方向長さの比較的軽量の結合ビームを製造する。もし結合ビームの横断方向長さが現場間隙と異なるならば、建設作業員は、結合ビームの1つ又は2つのビームをスリーブに対して摺動し、スリーブの整列孔及び対応するビームを接続することによって、結合ビームの伸縮調節を行う。もし孔が整列されないならば、追加的な孔が穿孔され、次に、冷間ファスナが整列孔と係合される。
【0039】
1つの特徴において、スリーブは、一体に溶接される2つの冷間圧延素子を含む。
【0040】
1つの特徴において、スリーブは、単一素子を含み、その2つの隣接する縁部は一体に溶接される。
【0041】
1つの特徴において、スリーブは、ビームの2つの横方向側部にそれぞれ接続される2つの隣接する半体スリーブを含む。
【0042】
1つの特徴において、接続部材は、1つのだけのウェブとして構成される。
【0043】
1つの特徴において、接続部材のウェブは、接続部材が取り付けられるビームのウェブよりも実質的に短い。
【0044】
1つの特徴において、接続部材は、ビームのウェブ又はフランジと力伝達接触するプレートを含む。
【0045】
1つの特徴において、接続部材は、角度的に離間した2つのプレートと、2つのプレートの間に延在し且つ2つのプレートに対して傾斜する素子とを含む。
【0046】
1つの特徴において、接続部材は、少なくとも1つのリブをさらに含む。
【0047】
1つの特徴において、接続部材は、瞬間接続として構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明は、従来的なI形鋼に対して横方向安定性及び強度対重量比の増大をもたらす2つの三角形に成形されたヘッド部分を有する新規な構造ビームである。幾つかの従来技術ビームは冷間圧延プロセスによって製造された三角形に成形されたヘッド部分で構成されるが、これらのヘッド部分は閉塞された三角形であり、その第三辺は、その非アクセス可能性、及び、閉塞された三角形を形成するために、シート金属が曲げられるときに、ローラが供給シート金属を支持し得ないことの故に、素速く自動的に成形され得ない。対称的に、本発明のビームは、2つの部材の対応するヘッド部分が入れ子状に収められるよう配置される2つの別個の反対向きの部材から成る複合ビームである。各ヘッド部分は、不完全な三角形であるので、部材の舌部、即ち、末端は、部材が所望の構成に成形されるのを可能にするよう、ローラに十分にアクセス可能である。1つの部材のヘッド部分が、他の部材の対応するヘッド部分内に収められるとき、二層化された、従って、強化された頂端を有する閉塞三角形が製造される。以下に記載されるように、2つの部材のウェブを接続し、ビームを接続部材に接続するために、冷間ファスナ(cold fastener)が使用される。溶接は必要とされず、従って、本発明のそのようなビームの製造、及び、1つ又はそれよりも多くのビームを利用するビームシステムの組立ては、従来技術よりも素速く且つ経済的であり、実質的に同一の耐荷力を有する。
【0049】
図1は、それらが入れ子状に納められるときの、複合ビームの2つの横断方向に延びる部材の斜視図を例証している。番号10によって指されるビームは、2つの同一の反対向きの部材5及び15を含む。以下の記載は部材5に関するが、部材15が類似して構成されることは明らかであろう。
【0050】
部材5は、第一ヘッド部分2と、第二ヘッド部分12と、第一ヘッド部分2と第二ヘッド部分12との間に介装された長手に配置されたウェブ部分7とを有する。第一ヘッド部分2は、本質的に横方向に配置された、即ち、長手方向に配置されるウェブ部分7に対して直交するフランジ6と、横断方向に延びる第一ヘッド部分接合部4からフランジ6の1つの横方向端部に延びる傾斜素子3と、フランジ6の他の横断方向端部でフランジ6の接合部11から斜めに延びる舌部13とを有する。舌部13は、接合部4に向けられているが、その長さは、傾斜素子3よりもかなり短い。第二ヘッド部分12は、第一ヘッド部分2のフランジ6よりも長い横方向寸法を有する、本質的に横方向に配置されるフランジ16と、横断方向に延びる第二ヘッド部分接合部14からフランジ16の1つの横方向端部にある接合部18に延びる傾斜素子23と、フランジ16の他の横方向端部でフランジ16の接合部26から斜めに延びる舌部27とを有する。舌部27は接合部14に向けられているが、その長さは、傾斜素子23よりもかなり短い。
【0051】
第一ヘッド部分2の舌部13とフランジ6との間の角度は、第二ヘッド部分12の傾斜素子23とフランジ16との間の角度と本質的に等しい。第二ヘッド部分12の舌部27とフランジ16との間の角度は、第一ヘッド部分2の傾斜素子3とフランジ6との間の角度と本質的に等しい。第二ヘッド部分12の接合部14からフランジ16までの長手寸法は、第一ヘッド部分2の接合部4からフランジ6までの長手寸法とフランジ6の厚さの合計と実質的に等しい。よって、部材5の第一ヘッド部分2が、部材15の第二ヘッド部分12内に収められるとき、並びに、部材15の第一ヘッド部分2が、部材5の第二ヘッド部分12内に収められるとき(以後、「第一ヘッド部分及び第二ヘッド部分が交互に収められる構成にある」と言う)、部材5及び15の対応する素子は、相互に安定化させる接触状態にあり、外力がビーム10に加えられ、部材15に対する部材5の僅かな相対変位を引き起こすとき、部材5の素子が、部材15の対応する素子と物理的に接触し、部材15の対応する素子を安定化させるよう構成されること、或いは、その逆を意味する。第一及び第二のヘッド部分が交互に収められる構成にあるとき、相互に安定化させる接触にある2つの素子が相互に物理的に接触している間、前記2つの素子は、外力の適用の間、物理的に接触している状態にあり得る。よって、相互の安定化させる接触は、変位される素子のさらなる変位を防止する。例証されるように、部材5及び15の各ウェブ部分7、並びに、各対応する対のフランジ6及び16、各対応する対の傾斜素子3及び舌部27、並びに、各対応する対の傾斜素子23及び舌部13は、相互に安定化させる接触状態にある。ビームは、部材5及び15の対応する素子の間に相互に安定化させる接触をもたらすので、シート鋼の厚さは、比較的簡単な冷間圧延機を必要とする4mmのみであり得るにも拘わらず、8mm厚さのシート鋼の構造強度をもたらす。
【0052】
第一及び第二のヘッド部分が相互に収められる構成にあるとき、複合ビーム10は、強化された頂端も促進する。第一及び第二のヘッド部分は不完全な三角形であるが、それらが入れ子構成にあるとき、本質的に閉塞された三角形が形成される。よって、側部の複合ヘッド部分を参照すると、フランジ6及び16から成る二層ベース、部材5の傾斜素子23である第一辺、及び、部材15の傾斜素子3である第二辺によって、閉塞された三角形が定められる。部材15の第一ヘッド部分が、部材5の第二ヘッド部分内に収められるとき、部材15の第一ヘッド部分の、接合部の近傍にある2つの隣接する素子を接続する頂点又は丸められた部分は、それらと相互に安定化させる接触状態にある、部材5の第二ヘッド部分の頂点によって強化される。複合ヘッド部分の閉塞された三角形は、好ましくは、正三角形であるが、他の組み合わせの角度を有する閉塞された三角形も適する。
【0053】
複合ヘッド部分による閉塞された三角形の形成によって提供される他の利点は、第一及び第二のヘッド部分素子の寸法の相違の故に、第一ヘッド部分接合部4と第二ヘッド部分接合部14の各対が、フランジ6及び16と平行な平面と同一平面上にあることである。もし第一ヘッド部分接合部4及び第二ヘッド部分接合部14が、本発明と対称的に、フランジ6及び16と平行な平面と同一平面上にないならば、2つのウェブ部分7の領域は、相互に安定化させる接触状態にない。例えば、底部複合ヘッド部分を参照すると、部材5の接合部14は、部材15の接合部4の下にあり得ることで、部材15の接合部4の下の部材5のウェブ部分7の領域を支持されず、従って、十分に高い力が加えられるときに湾曲の影響を受けやすい。従って、本発明の複合ヘッド部分の閉塞三角形構造は、ビームの横方向安定性を増大し、それは強い風又は地震に晒されるときに非常に重要である。
【0054】
図2は、複合ビームの側面図を例証しており、それは図1と異なって向けられている。部材5と部材15の相対的な横断方向変位は、頂部及び底部の複合ヘッド部分のそれぞれの一対のフランジ6及び16を冷間ファスナ41、例えば、ネジ、ボルト、ナット、及び、リベットによって接続することによって防止される。対応するフランジを通過した後のビームヘッド部分内でのそれらの非アクセス可能性の故に、盲リベットがフランジファスナのための好適な選択肢である。冷間ファスナ41は、一方のフランジから他方のフランジへの引っ張り力及び圧縮力並びにモーメントの伝達も可能にする。冷間ファスナが組立ての容易性の故に好ましいが、2つの隣接するフランジは、スポット溶接及びレーザ溶接のような、如何なる他の適切な接続手段によっても互いに接続され得ることが理解されよう。部材5及び15の2つのウェブ7は、剪断力が一方のウェブから他方のウェブに伝達され得るよう、冷間ファスナ42又は他の任意の適切な接続手段によってそれぞれ互いに接続され得る。
【0055】
図3は、ビーム10内に穿孔される孔の例示的な場所を示す、複合ビーム10の斜視図を例証しており、それによって、接続部材、又は、以下に記載されるように、冷間ファスナは、ビームに取り付けられる。図示されるように、ウェブ孔32は、その前方横断方向縁部34及び後方横断方向縁部35の近傍で、ウェブ7内に穿孔されている。上方対のフランジのみが明瞭性のために例証されているが、フランジ孔36が、その前方横断方向縁部38及び後方横断方向縁部39の近傍で、上方対及び下方対のフランジ6(図2)及び16内に穿孔されている。ウェブ孔32及びフランジ孔36は、ビーム10に取り付けられる接続部材の種類に依存して、他の場所にも穿孔され得ることが理解されよう。如何なる所与の場所に穿孔される孔の数は、シート金属の厚さ、ビームの寸法、前記場所での応力集中のような、工学上の考慮に依存する。
【0056】
本発明の複合ビームは、横断方向が水平又は傾斜であるようビームが向けられるときに、ビームとして使用され得るのみならず、横断方向が垂直であるようビームが向けられるときに、ポストとしても使用され得ることが理解されよう。以下の記載は、水平の横断方向を有するビームに適用されるが、全ての他のビーム向きも同様に適用可能であることが想定される。
【0057】
図1を参照して記載されたように、部材5及び15は同一なので、2つの部材は、同一の冷却圧延プロセスで製造可能であり、それによって、不完全な三角形によって特徴付けられる第一ヘッド部分2及び第二ヘッド部分12が亜鉛メッキシート金属から形成される。溶接される熱間圧延I形鋼の製造費用は、相当に一層高価である。何故ならば、様々なビーム素子を溶接することに含まれる時間及び費用に加えて、製造されるビームは、亜鉛メッキされる必要があるからである。次に、複合ビーム10は、部材の1つを反転させることによって製造される。図1の向きに関して、例えば、部材15は、そのより小さな第一下方ヘッド部分2よりも大きな上方第二ヘッド部分12を有し、部材5は、その下方第二ヘッド部分12よりも小さな上方第一ヘッド部分2を有する。次に、その下方第一ヘッド部分2が部材5の下方第二ヘッド部分12内に受容され、その上方第二ヘッド部分12が部材5の上方第一ヘッド部分2を取り囲むまで、部材15は僅かに上げられる。次に、部材5及び15が交互に収められる構成にある間に相互に安定化させる接触状態にあるよう、部材5の前方横断方向縁部38及び後方横断方向縁部39(図3)が整列されるまで、部材15は横断方向に摺動される。ウェブ孔及びフランジ孔は、所与の工学的な考慮に依存して、2つの部材が収められた後に、或いは、代替的に、冷間圧延プロセス中に穿孔され得る。複合ビームを製造するために必要とされる前述のステップの全ては、コンピュータ化された送込み及び位置合わせ機器を用いて自動的に遂行され得る。
【0058】
図4は、2つの部材44及び54が同一でなく、むしろ部材44の頂部ヘッド部分46及び底部ヘッド部分48がそれぞれ同一であり、部材54の頂部ヘッド部分56及び底部ヘッド部分58がそれぞれ同一である。部材54のヘッド部分は、部材44のヘッド部分よりも小さく、部材54のヘッド部分56が部材44のヘッド部分46内に収められ、部材54のヘッド部分58が部材44のヘッド部分48内に収められ、部材44及び54の対応する素子が相互に安定化させる接触状態にあるよう、強化された頂端も促進する入れ子構成にある。2つの部材44及び54は、2つの別個の冷間圧延プロセスによってそれぞれ製造され、次に、部材54は、そのヘッド部分56及び58が部材44のヘッド部分46及び48内にそれぞれ受容されるまで僅かに上げられる。次に、部材54は、それが部材44と横断方向に整列されるまで変位される。
【0059】
図5は、2つの部材64及び74が同一でなく、異なるサイズの頂部ヘッド部分及び底部ヘッド部分を有する複合ビーム60の側面図を示している。部材74の上方ヘッド部分76は、部材64の上方ヘッド部分66内に収められ、部材74の下方ヘッド部分78は、部材64の下方ヘッド部分68内に収められている。
【0060】
本発明の複合ビームの2つの部材は相互に安定化させる接触状態にあるので、頂部及び底部の複合ヘッド部分の頂端、並びに、第一及び第二のヘッド部分接合部の各対は、対応するフランジと平行な平面と同一平面上にあり、本発明のビームは、同一スパンのために従来技術のビームより少ない鋼を必要としながら、同一の耐荷力をもたらす。
【0061】
以下の表I−IIIは、所与の所要量の慣性モーメント(MOI)に対するその重量及び最大偏差(「%」と呼ぶ)に関して、本発明のビーム(「本発明」と呼ぶ)を様々な従来技術I形鋼と比較している。
【0062】
表I
15メートルスパン−中心で8メートル−許容偏差L/250−所要MOI27204cm4−静荷重25kg/m2。動荷重+風40kg/m2。
【0063】
【表1】
【0064】
表II
20メートルスパン−中心で4メートル−許容偏差L/250−所要MOI32242cm4−静荷重25kg/m2。動荷重+風40kg/m2。
【0065】
【表2】
【0066】
表III
20メートルスパン−中心で8メートル−許容偏差L/250−所要MOI64484cm4−静荷重25kg/m2。動荷重+風40kg/m2。
【0067】
【表3】
【0068】
見られ得るように、本発明のビームは、同一スパン及び所要MOIに関して、従来技術のビームに比べて著しく少ない重量(約55%少ない)を有する。本発明のビームのための最大偏差も、従来技術の最大偏差よりも著しく少ない。
【0069】
以前は、ビームは、屋根支持体又は金属デッキを支持する構成されるC形状又はZ形状の母屋桁のような他の構造部材に溶接によって接続されるときに、高い応力集中に晒された。集中荷重の故に、ビームは、例えば、各応力集中で、リブによって強化される必要がある。強化部材は、溶接によってビーム及び母屋桁に接続されなければならず、高価で労働集約的で時間のかかる組立てプロセスをさらに増大する。
【0070】
本発明のビームシステムは、冷間ファスナによってビームに取付可能な事前組立て接続部材を提供することによって、ビームシステムを組み立てるのに必要とされる費用、労働、及び、時間を著しく減少する。次いで、接続部材は、他の構造素子に取り付けられ、従って、一方の構造素子から他方の構造素子に力又はモーメントを伝達するよう構成される。図3に例証されるように、複合ビームの製造中に、接続部材が取り付けられる孔が、シート鋼内に穿孔される。孔は、円形、矩形、及び、楕円形の孔を含む如何なる便利な形状をも取り得る。代替的に、孔は、現場で穿孔され得る。孔は、フランジにであれウェブにであれ、工学的な考慮に従って、シート鋼の如何なる便利な領域にも穿孔され得る。従って、ビームシステムは、同一ビームが多くの異なる用途において使用され得る、並びに、第一接続部材から分離され且つ第二接続部材に取り付けられ得るという意味で、モジュラーである。本発明のビームシステムの他の利点は、構造、例えば、工業用空調装置上に新たに取り付けられる組立体によって加えられる荷重を分配するために、接続部材が、如何なる溶接もなしに、既存の構造のビームに取り付けられ得ることである。従来技術のビームシステムに関しては、対称的に、構造は、新たに取り付けられる組立体によって課される集中応力を減少するために、筋違(bracing)及び溶接を含む修繕を経る必要がある。
【0071】
図6は、本発明に従った概ね数字80によって指し示される接続部材の側面図を例証している。接続部材80は、選択的な横断方向長さを有するスリーブとして構成され、前記選択的な横断方向長さを有する複合ビーム周の一部を完全に覆い、且つ、複合ビーム周の一部と相互に安定させる接触状態にあるよう構成される。スリーブは、2つの対称的な素子のような2つ又はそれよりも多くの冷間圧延素子を一体に溶接することによって、或いは、単一素子の2つの隣接する縁部を一体に溶接することによって形成され得る。代替的に、図15の接続部材80Aによって例証されるように、スリーブは、ビームの2つの横方向側部にそれぞれ接続される2つの隣接する半体から構成され得る。
【0072】
図示されるように、接続部材80は、上方三角形ヘッド部分82と、下方三角形ヘッド部分84と、上方ヘッド部分82と下方ヘッド部分84との間で長手に延びる離間した平行なウェブ部分86及び87とを有する。ヘッド部分82は、フランジ91と、フランジ91からウェブ部分86及び87にそれぞれ延びる2つの傾斜素子93及び94とを有する。同様に、ヘッド部分84は、フランジ95と、フランジ95からウェブ部分86及び87にそれぞれ延びる2つの傾斜素子97及び98とを有する。ウェブ及びフランジは、接続素子80が冷間ファスナによって複合ビームに取り付けられることを可能にするよう、所定場所で孔で穿孔されている。接続部材80は、接続部材80が取り囲む複合ビームの対応する外向きに面する素子との相互に安定化させる接触を促進する適切な寸法及び適切な構造で形成されている。
【0073】
図7では、接続部材80は、複合ビーム10の部材5及び15を取り囲み、複合ビーム10の部材5及び15と相互に安定化させる接触状態にあるよう示されている。図1、2、及び、6をさらに参照すると、接続部材80は、それが集中荷重に晒されることが予期されるその選択的な領域に配置されるまで、ビーム10に沿って横断方向に変位されている。冷間ファスナ71が、対応する整列されたフランジ孔を介して、ビーム10及び接続部材80の対応するフランジに取り付けられ、冷間ファスナ72が、対応する整列されたウェブ孔を介して、ビーム10及び接続部材80の対応するウェブに取り付けられた後、ビーム及び接続部材の素子は、力伝達及び相互安定化接触状態にある。例えば、接続部材80のフランジ91は、部材5のフランジ16と接触し、接続部材80の傾斜素子98は、部材15の舌部27と接触する。
【0074】
フランジファスナ71は、一般的には、盲リベットであり、ウェブファスナ72は、一般的には、整列されたウェブ孔を通過し且つ対応するナットと螺合される対のボルトである。フランジファスナ71は、より強力な取付力をもたらすよう反応プレートインサート176(図14B)と螺合可能なボルトでもあってもよい。反応プレートインサート176は、例えば、それらの縁部176及び177が1つの横断方向端部でそれぞれ同一平面上にあるよう一体に溶接される短いプレート172及び長いプレート174から成る。インサート176は、プレート172及び174内に形成される内ネジ付きボア171を通過するファスナを用いて、対応する対のビームフランジに取り付けられる。従って、選択的な接続部材のフランジが、長いプレート174内に形成される内ネジ付きボア179と係合するよう構成されるフランジファスナ71を用いて、ビームフランジから離間される長いプレート174に取り付け可能である。
【0075】
図8では、接続部材100が、1つのウェブ104だけで構成され、従って、複合ビームの横方向側とだけ力伝達接触状態にあるよう構成されている。接続部材100は、ウェブ104の上方端部及び下方端部から同一の横方向にそれぞれ延びる傾斜素子101及び103、及び、それぞれ頂端111及び112を介して傾斜素子101及び103からそれぞれ延びる上方フランジ107及び下方フランジ109も有する。フランジ107及び109は、接続部材100が取り付けられるビームのフランジと実質的に同一の横方向寸法を有する。しかしながら、フランジ107及び109は、工学的な考慮に依存して、複合ビームの対応するフランジの横方向寸法よりも著しく少ない横方向寸法で構成され得る。よって、接続部材100は、ビームの2つのヘッド部分と力伝達接触状態にあるよう構成される。
【0076】
図9では、接続部材100は、ビームの1つの横方向端部で、ビームの上方部分と力伝達接触状態にあるよう構成されている。接続部材100は、接続部材が取り付けられるビームのウェブよりの実質的に短いウェブ部分114を有する。傾斜素子101が、ウェブ部分114の上方端部から延び、フランジ107は、傾斜素子101と隣接する頂端111から延びている。
【0077】
図27に示されるように、接続部材45は、例えば、ビームのウェブ又はフランジと力伝達接触状態にあり得るプレートであり得る。図29は、部材5及び15のウェブにそれぞれ接続されるプレート45A及び45Bを含むビーム50を例証している。そのようなビームは、3つ又は4つの部材、例えば、部材5及び15、プレート45A、並びに/又は、45Bで製造され得る。代替的に、ビームは、プレートなしで製造され得るし、プレート状接続部材は、現場でウェブに接続され得る。
【0078】
図28を参照すると、上面図で示される接続部材55が、2つの構造素子と部分的な力伝達接触状態にあり得る。接続部材55は、角度的に離間された、例えば、図示のように相互に垂直な配置にある2つのプレート57及び59と、プレート57及び59の間に延在し且つプレート57及び598に対して斜めに延在する素子61とを含む。従って、プレート57及び59は、2つの異なる角度的に離間した構造素子に取り付けられるよう構成されている。
【0079】
図36A−Bは、複合ビームと相互に安定化された接触状態にあるために、2つの三角形ヘッド部分431及び432を有するスリーブを定めるよう一体に溶接された、2つの同一の異なって向けられた部分425及び428を含む接続部材420を例証している。部分425に対して、部分428は反転され且つひっくり返されている。
【0080】
図36Bの向きに示されるように、部分428は、ウェブ部分421と、上方フランジ部分426及び下方フランジ部分427のそれぞれと、フランジ部分427の横方向端部429からウェブ部分421の下方長手方向端部422に延びる傾斜素子423と、ウェブ部分421の上方長手方向端部432からフランジ426の横方向端部439に延び且つ傾斜素子423と実質的に対称的な傾斜素子434と、フランジ427の横方向端部442から延び且つフランジ426に対する傾斜素子434の角度と同一のフランジ427に対する角度で配置される傾斜舌部438とで形成されている。その一方が部分425からであり且つ他方が部分428からである、傾斜素子434及び438の長さは、図36Aに示されるように、一対の傾斜素子434及び438の間の溶接スポット435A−Bの塗布を可能にするために、部分428が部分425に対して反転され且つひっくり返された状態にあるときに、それらが重なり合うよう選択される。フランジ426及び427の各対は、フランジファスナによって相互に力を伝達する接触状態にあり、それらは接続部材420に接続される複合ビームの対応するフランジ内に穿孔される孔とも係合する。
【0081】
図10乃至26及び35は、冷間ファスナによって本発明のビームに取り付けられ得る例示的な接続部材を例証している。一般的には市販(off the shelf)組立体である、これらの接続部材は、図6に示されるように、ビームの2つの横方向端部と、或いは、図8に示されるように、ビームの1つだけの横方向端部と力伝達接触状態にあり得る。接続部材が前記ビームの部分と類似して成形され、前記ビームと力伝達接触状態に導かれ、冷間ファスナ及び/又は溶接を用いて前記ビームに取り付けられるとき、接続部材は、複合ビームに「接続される」と称される。何れの接続部材も、例えば、異なる形状、向き、寸法、厚さ、ファスナの数、及び、ファスナの場所によってのように、例証されている部材と異なって構成され得ることが理解されよう。
【0082】
図10は、同一のプロファイル、即ち、同一の長手方向寸法及び横方向寸法を有する2つのビーム122A及び122Bを接続するために使用される接続部材120を例証している。輸送機器のサイズ及び重量の制約の故に、かなり長い横断方向長さ、例えば、20mを有するビームは、普通、経済的に輸送され得ない。従って、2つのより短いビームが、建築現場に輸送され、次に、従来技術で今まで実施されているように、結合ビームの横断方向長さが、溶接の必要なしに増大され得るよう、接続部材120及び冷間ファスナ71及び72を用いて現場で素速く一体に結合される。フランジファスナ71は、接続部材の上方フランジ122及び下方フランジ124をビームの対応する上方フランジ及び下方フランジにそれぞれ接続する。ウェブファスナ72は、ずれ止め(shear connection)をもたらすよう、接続部材の1つ又はそれよりも多くのウェブ126をビームの対応するウェブに接続する。冷間ファスナ71及び72の4つのコラム、即ち、ビーム122A及び接続部材120の整列された孔への取り付けのための2つのコラムと、ビーム122B及び接続部材120の整列された孔への取り付けのための2つのコラムとが利用される。
【0083】
もし何らかの理由でビーム及び接続部材120の孔が整列されないならば、本発明のビームシステムのモジュラリティは、接続部材とビームとが接続されることを保証するような方法で、建設作業員にビーム又は接続部材を再位置決めする十分な柔軟性を与える。例えば、ビームは、その頂端が接続部材120の他の頂端と整列されるまで、伸縮状に横断方向に変位され得る。代替的に、接続部材120の孔は、例えば、楕円形を有することによって、ビームが横断方向に僅かに変位されるときに、接続部材孔の他の部分がビーム周によって覆われるとしても、対応するビーム孔を通過する冷間ファスナとの係合を許容するように、接続部材孔の一部が十分に露出されるよう適切に形成され得る。もしビーム孔が接続部材孔と整列され得ないならば、追加的な孔がビーム周内に穿孔され得る。ビームと選択的な接続部材を素速く容易く接続するために、以下に記載される他の接続部材も、現場で再位置決めされ得ることが理解されよう。
【0084】
代替的に、図30A−Cに示されるように、接続部材120は、上方反応プレートインサート127及び下方反応プレートインサート128をそれぞれ用いて、ビーム122A及び122Bを接続するために使用され得る。図30Aは、インサート127及び128を用いてビーム122Aに接続される接続部材120の側面図を例証している。組立ての前に、インサート127及び128が、図30Bに示されるように、フランジファスナ71によってビーム122Aのフランジに接続される。次に、接続部材120が、図30Cに示されるように、インサート127及び128並びに細長いフランジファスナ181を用いて、並びに、接続部材120のウェブ内に穿孔される孔129及びビーム122Aのウェブ内に穿孔される孔32を通過するウェブファスナ(図示せず)によって、ビーム122Aに取り付けられる。次に、ビーム122Bが、接続部材120内に挿入された後、ビーム122Aに近接近して配置され、然る後、接続部材120は、細長いファスナ181によって並びにウェブファスナによって、インサート127及び128並びにビーム122Bのフランジに取り付けられる。ビーム122A及び122Bは、接続部材120が2つのビームの上に摺動されて接続される前に、近接近して配置され得る。
【0085】
図11は、4つのビームを接続するために使用される接続部材130を例証しており、接続部材130を用いて、2対の隣接するビームは横断方向に接続され、2対の隣接するビームは長手方向に接続される。接続部材130は、図10の接続部材120と、接続部材120の上方フランジ122及び下方フランジ124にそれぞれ接続された2つのプレート132及び134とを含む。フランジファスナ71は、上方プレート132及び下方プレート134、接続部材120の上方フランジ122及び下方フランジ124、2つの横断方向に接続されるビームの上方フランジ及び下方フランジとをそれぞれ接続するために使用される。2対の隣接するビームは、接続部材120に対して上述のように横断方向に接続される。2対の隣接するビームは、フランジファスナ71から横方向に離間するプレートの整列された孔137を通過する冷間ファスナを用いて上方接続部材の下方プレート134を下方接続部材130の上方プレート132と接続することによって、長手方向に接続される。
【0086】
図12は、接続部材140を例証しており、接続部材によって、ビーム、例えば、ポストが、基礎又は柱のような構造素子148に取り付けられる。接続部材140は、ビーム145の横断方向端部に接続されるスリーブ状の接続部材80を含む。接続部材80の長手方向自由縁部142、即ち、ビーム145から離れて延びる縁部は、ビーム145のウェブ7に対して実質的に垂直な構造端部プレート146に溶接されている。次に、プレート146は、構造素子148と当接関係に配置され、ビームが晒されるであろう全ての予期される力及びモーメントに耐える十分な構造強度を備える接続手段149によって、そこに取り付けられる。本発明の如何なるビームシステムも、構造素子への取付けのための接続部材140を常に利用することが理解されよう。
【0087】
図13は、瞬間接続(moment connection)によって垂直ビーム154と水平ビーム158とを接続するための接続部材150を例証している。接続部材150は、フランジファスナ71、例えば、盲リベット、及び、ウェブファスナ72、例えば、ボルト及び対応するナットによって、ビーム154及び158にそれぞれ接続される2つの隅部スリーブ152及び153を含む。隅部スリーブ152及び153は、2つの離間した台形ウェブ159を有し、それらは、その遠位縁部161、即ち、隅部から離れた縁部が、実質的に長手方向に配置され、近位縁部163、即ち、隅部に最も近い縁部が、遠位縁部161に対して、例えば、約45度の角度で傾斜されるよう構成される。隅部スリーブ152及び153は、遠位縁部161から近位縁部163に延びる長フランジ164及び短フランジ166も有する。傾斜端部プレート167及び168が、隅部スリーブ152及び153の近位縁部163並びにフランジ164及び166にそれぞれ当接され且つ溶接される。次に、2つの傾斜端部プレート167及び168は、一体にボルト締めされる。その近位縁部から隅部スリーブと力伝達接触する対応するビームの近位横断方向縁部までの隅部スリーブ内の容積は、中空である。
【0088】
図14A−Cは、瞬間接続によって垂直ビーム154と水平ビーム158とを接続するための反応プレートインサート176を備える接続部材170を例証している。接続部材150(図13)のそれと同様に構成される接続部材170は、反応プレートインサート176の対応する内ネジ付きボア171及び179と係合可能な細長いフランジファスナ181によって、並びに、ファスナ72によってビーム154及び158にそれぞれ接続される、2つの隅部スリーブ182及び183を含む。インサート176の短プレート172は、接続部材170の長フランジ184に隣接する、対応するビームのフランジ6及び16に取り付けられる。インサート176の長プレート174は、短プレート172の近位縁部から近位に延び、ビームのフランジと当接しない接続部材170のフランジ184の一部がそれによって固定されることを可能にする。よって、接続部材170は、それに晒される比較的高い力に耐え得る。隅部スリーブ182及び183は、図13のウェブ159と類似して構成されるが、より長い横断方向寸法を有する、2つの離間した台形ウェブを有する。
【0089】
図15は、ビーム194をガーダ195、例えば、周ビーム(perimeter beam)又は棟ビーム(ridge beam)に接続するよう構成される接続部材190を例証している。接続部材190は、ビーム194の横断宝庫右端部に接続されるスリーブ80Aと、ガーダ195の中間部分にスリーブ80Aに対して実質的に垂直に接続されるスリーブ80Bと、スリーブ80Aの2つのウェブに溶接され且つそれらの間に横方向に延びる端部プレート197と、端部プレート197並びにスリーブ80Bの隣接するウェブの中心に溶接され且つ端部プレート197並びにスリーブ80Bの隣接するウェブの中心から横断方向に延びる端部プレート198とを含む。
【0090】
図16は、例えば、屋根の頂部のような構造の頂端で棟接続であるよう構成される接続部材200を例証している。接続部材200は、一体にボルト締めされる2つの端部プレート201及び202と、プレート201及び202にそれぞれ溶接される2つの対称的なスリーブ204及び205と、2対の対称的な三角形リブ207及び208とを含む。リブ207及び208は、概ね、それらの底部縁部217及び218が、下に位置する地面とそれぞれ平行であるように向けられるが、必ずしもそうである必要はない。スリーブ204及び205の近位横断方向端部は、所定角度で切断され、次に、近位縁部は、対応する端部プレートと当接関係に配置されて溶接される。接続部材200を強化するよう構成される各リブ207及び208は、リブの短い脚部が端部プレートと接触し且つ長い脚部が接続部材フランジと接触するよう、対応する接続部材フランジ並びに対応する端部プレートに溶接される。次に、ビーム212及び214は、スリーブ204及び205内それぞれに挿入されて接続される。接続部材200を使用することで、ビーム212及び214の間の角度が所定の値であることが保証され得るし、棟接続の構造一貫性が維持され得る。
【0091】
図17を参照すると、接続部材200は、ポスト225をビーム228に接続するよう構成されている。接続部材200は、端部プレート146を備える図12の接続部材140と、図28の2つの接続部材55と、複数の事前溶接済みリブ229とを含む。接続部材140は、ビーム228の横断方向端部に接続され、各接続部材55は、ポスト225の対応する横方向端部に接続されている。ポスト225の各横方向端部で、プレート59は、冷間ファスナによって、ポスト225のウェブに接続され、素子61は、ポスト225のヘッド部分内で対応する傾斜素子に当接し、プレート57は、冷間ファスナによって端部プレートに接続される(図28を参照)。複数の、例えば、図示されるように3つの水平方向に配置されるリブ229が、プレート57及び59の双方に溶接されている。
【0092】
図18は、同様にポスト225をビーム228に接続するよう構成される接続部材230を例証している。図17の接続部材220によって接続されるポスト及びビームは隣り合う関係にあるが、コネクタ230は、比較的離間したポスト及びビームを接続するよう構成されている。即ち、コネクタ230は、異なる向きを備えるがコネクタ220と同一であり、図12の部材140と、図28の2つの接続部材55と、複数の事前溶接されたリブ229とを備える。
【0093】
図19は、異なる長手方向寸法の相互に垂直なビーム242及び244を接続するように構成される接続部材240を例証している。接続部材240は、図8の単一ウェブ接続部材100と、可変に成形された平面素子245とを含む。可変に成形された素子245は、ビーム242のウェブに接続される矩形部分246と、接続部材100の実質的に横断方向中心線で接続部材100に溶接される細長い部分248とを有する。即ち、可変に成形される素子245の横断方向縁部は、傾斜素子101及び103並びに接続素子100のウェブ104に溶接されている。
【0094】
図20及び21は、ケーブルコネクタとして使用される接続部材250及び260をそれぞれ例証している。図20において、接続部材250は、図8の単一ウェブ接続部材100と、接続部材100のウェブの中心線に沿って長手に延び且つ接続部材100のウェブの中心線に溶接される強化素子251と、強化素子251に対して対称的であり且つウェブ104から横方向に延びる同一平面プレート253及び254とを含む。プレート253及び254は、ウェブ104及び強化素子251の双方に溶接され、単一の対応する孔で穿孔され、巻強化ケーブル256及び257の鉤掛け端部259が、孔とそれぞれ係合可能である。図21において、接続部材260は、ビーム252のウェブに接続されるL形状素子265を含む。素子265の脚部は、ビーム252のウェブから横方向に延び、2つの孔で穿孔され、ケーブル256及び257の鉤掛け端部が、孔とそれぞれ係合可能である。
【0095】
図22−26は、対応する母屋桁に接続される接続部材を例証している。如何なる所望の数の母屋桁も、対応する数の接続部材を用いてビームに接続され得る。
【0096】
図22において、接続部材270は、ビーム272に接続される図6の接続部材と、接続部材80のウェブ86の中心線に沿って長手方向に延び且つ接続部材80のウェブ86の中心線に溶接される強化素子278とを含む。C形状母屋桁275のウェブ274は、その1つの横断方向縁部279が接続部材80のウェブ86と当接関係にあるよう、強化素子278に接続されている。
【0097】
図23において、接続部材280は、L形状素子284であり、脚部286は、ビーム282のウェブに接続されている。脚部286に対して垂直であり且つ同一サイズである脚部287が、C形状母屋桁のウェブ274に接続されている。
【0098】
図24は、ビーム292の2つの横方向端部にそれぞれ接続される図9の2つの接続部材110を含む接続部材290を例証している。プレート295が、対応する接続部材のウェブ114に対して垂直に溶接され、対応する接続部材のウェブ114と同一の長手方向寸法を有する。三角形リブ298が、ウェブ114の底縁部及びプレート295に溶接されている。よって、2つの同一平面上のC形状母屋桁275は、接続部材290に接続可能であり、それによって、母屋桁275のウェブ275は、対応するプレート295に接続され、ウェブ114に当接する。
【0099】
図25において、接続部材300は、ビーム302に接続される図9の接続部材100と、三角形リブ303と、三角形プレート45とを含む。リブ303の脚部304は、接続部材110のフランジ107に溶接され、リブ303の脚部307は、プレート45に溶接され、それもフランジ107に溶接され得る。プレート45は、次いで、Z形状母屋桁305のウェブ309に接続されている。
【0100】
図26において、接続部材310は、2つの相互に垂直な図27のプレート45C及び45Dと、プレート45C及び45Dに溶接される三角形リブ303とを含む。プレート45Cは、ビームのフランジに接続され、プレート45Bは、Z形状母屋桁305のウェブ309に接続されている。
【0101】
図35に示されるように、接続部材450は、複合ビーム10及び壁455の双方に接続され得る。接続部材450は、2つの対称的な部分460及び465を含む。各部分は、ウェブファスナ72によってビーム10の隣接するウェブ7に接続されるウェブ部分462と、冷間ファスナ457によって壁455に接続される壁当接プレート466と、ビーム10の傾斜素子又は舌部と相互安定化接触状態でウェブ部分462から壁当接プレート466に延びる傾斜素子464とを含む。
【0102】
本発明のビームシステムによって支持される構造を設計する建築家及び民間技術者は、大きな選択の可能性から利益を得る。前述のビーム及び接続部材の様々な組み合わせが、設計上の荷重及び応力集中に基づいて選択され得る。ビームシステムの耐荷力も、ビーム又は接続部材が製造されるシート金属の厚さを変えることによって、或いは、ビーム及び接続部材を接続するために使用される冷間ファスナの数及び場所を変えることによって変更され得る。
【0103】
例えば、図31に例証されるビームシステム350では、最大応力集中は、瞬間接続をもたらす接続部材150の隅部355の近傍に見られる。接続部材150が、ポスト154及び棟ビーム214に接続され、ポスト154は、接続部材140に取り付けられる基礎に接続されている。2つの棟ビーム212及び214は、接続部材200を用いて接続されている(図16)。接続部材150における応力集中は、接続部材150を構成するシート金属の厚さを増大することによって減少され得る。対称的に、従来技術の瞬間接続では、全体的に著しくより長い棟ビームの厚さは、瞬間接続での応力集中を減少するために、必要に迫られて増大され、時間集約的で高価な組立て作業が必要とする。接続部材150における応力集中は、その隅部スリーブの横断方向寸法を増大することによっても減少され得る。隣接する棟ビームを接続するファスナが瞬間接続の隅部355により近接するので、応力集中は増大し、より大きな数のファスナを必要とする。よって、冷間ファスナが晒される応力集中は、隅部スリーブの横断方向寸法を増大することによって減少される。
【0104】
2つのビーム10に接続される接続部材120(図10)を例証し、2つのビームは、次いで、接続部材(図12)によって、2つの柱(図示せず)にそれぞれ接続される、図32に示されるビームシステム360では、最大の応力集中は、接続部材は2つのビーム10の間に介装されるので、接続部材120内に見られる。応力集中は、従来技術のビームシステムにおいて以前に実施されたように、ビーム10の厚さを増大させるよりも、むしろ接続部材120の厚さを増大することによって減少され得る。
【0105】
図33は、多くの前述のビーム及び接続部材から組み立てられる例示的なビームシステム380を例証している。他の適切なビーム及び接続ビームも利用され得ることが理解されよう。システム380の配置は、従来技術ビームシステムのそれと類似するが、本発明の複合ビーム及び接続部材の使用の故に、使用される鋼の量及びシステム380に関連する組立て費用は、従来技術システムのそれよりも著しく少ない。
【0106】
ビームシステム380は、複数のポスト225を含み、それらの一部は、Lのスパンによって離間され、それらの一部は、2Lのスパンによって離間されている。前列382は、6個のポストから成り、中心列384は、5個のポストから成り、末端側列386は、5個のポストから成る。各ポスト225は、対応する接続部材140を用いて基礎に接続されている(図12)。棟ビーム212又は214が、接続部材150によって具現化される瞬間接続によってポスト225に接続される(図13)。接続部材200(図16)は、1対の棟ビーム212及び214を接続し、1対の棟ビームは、複数の棟ビーム対が相互に平行であるよう各側列に沿って配置される。接続部材200を対応する中心ポスト225Cに接続するために、水平に向けられたプレートが、接続部材200を強化する底縁部のリブ207及び208(図16)に溶接される。次に、接続部材140が、接続部材140のプレート146が上向きに面し且つ冷間ファスナによってリブ207及び208に溶接されたプレートに取り付けられるよう、中心ポスト225Cの最上方部分に接続される。複数の母屋桁(purlin)305が、金属デッキを支持するために、複数の棟ビームに対して垂直に配置される。母屋桁305を各棟ビームに接続するために、接続部材300(図25)が使用され、各棟ビームを横断して母屋桁は延在し、各棟ビームによって母屋桁は支持される。母屋桁が、例えば、前列382に沿って、瞬間接続に取り付けられるとき、接続部材150を含む接続部材381が使用され、隅部スリーブ153(図13)のそのフランジ164にリブ303(図25)が溶接され、リブも母屋桁305のウェブ309に接続されるプレート45に溶接される。末端側列386に沿って配置されるもののような横ビーム(cross beam)10が、ポストに接続される第一接続部材80(図6)と、横ビームに接続される第二接続部材80と、水平に配置されるプレート198(図15)とを含む接続部材389を用いて、各ポスト225に接続され、プレートは、第一接続部材のほぼ横断方向中心線に並びに第二接続部材のほぼ長手方向中心線に溶接される。巻強化ケーブルが、接続部材260(図21)と係合される。
【0107】
図34は、図33のシステム380において使用されるのと同一のビーム及び接続部材の多くから組み立てられるビームシステム390を例証している。従来技術のI形鋼に対する本発明の複合ビームの横方向安定性及び強度対重量比の故に、並びに、ビームと力伝達接触する接続部材の使用の故に、適度の厚さ、例えば、4mmのシート金属から成るビームが、筋違(bracing)又は架橋(bridging)なしに、従来技術ビームの最大自由スパン、例えば、25mよりもずっと長い距離で渡り得る。図示されるように、ビームシステム390は、その前列382に沿って、図33のビームシステムと同一の数、即ち、6個のポスト225を有するが、その中心列384は、2個のみのポストから成り、末端側列386は3個のみのポストから成る。従って、末端側列386に沿うスパンは、4L程度であり得る。また、横ビームも不要である。
【0108】
本発明の幾つかの実施態様が例証によって記載されたが、本発明は、本発明の精神から逸脱したり、請求項の範囲を越えたりせずに、多くの修正、変形、及び、適合を伴って、並びに、当業者の範囲内にある数多くの均等物又は代替的な解決策の使用を伴って遂行され得ることが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】入れ子状に納められた複合ビームの2つの部材を示す斜視図である。
【図2】2つの部材が交互に収められる構成にあるときの複合ビームの2つの部材を示す側面図である。
【図3】複合ビームのウェブ及びフランジに穿孔される孔を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施態様に従った複合ビームを示す側面図である。
【図5】本発明の他の実施態様に従った複合ビームを示す側面図である。
【図6】スリーブとして構成される接続部材を示す側面図である。
【図7】図2のビームを取り囲む相互安定化接触状態にある図6の接続部材を示す側面図である。
【図8】1つのウェブを有する接続部材を示す側面図である。
【図9】接続部材が取り付けられるビームのウェブよりもかなり短い1つのウェブを有する接続部材を示す側面図である。
【図10】2つの横断方向に離間したビームを接続するよう構成された接続部材を示す斜視図である。
【図11】2つの長さ方向に離間したビームを接続するよう構成された接続部材を示す斜視図である。
【図12】ビームを平面的な構造素子に接続するよう構成された接続部材を示す斜視図である。
【図13】瞬間接続として構成された接続部材を示す斜視図である。
【図14A】瞬間接続として構成された接続部材の他の実施態様を示す斜視図である。
【図14B】図14の平面A−Aについて切断された反応プレートインサートを示す縦断面図である。
【図14C】図14Aの平面B−Bについて切断された隅部スリーブを示す水平断面図であり、図14Bの反応プレートインサートの上面を示している。
【図15】ビームをガーダに接続するよう構成される接続部材を示す斜視図である。
【図16】棟接続であるよう構成される接続部材を示す斜視図である。
【図17】隣り合う関係でポストをビームに接続するよう構成される接続部材を示す斜視図である。
【図18】ポストを垂直に離間したビームに接続するよう構成される接続部材を示す斜視図である。
【図19】異なる長手方向寸法の2つの相互に垂直なビームを接続するよう構成される接続部材を示す斜視図である。
【図20】ケーブル接続として使用される接続部材を示す斜視図である。
【図21】ケーブル接続として使用される接続部材を示す斜視図である。
【図22】対応する母屋桁への接続のために適合される接続部材を示す斜視図である。
【図23】対応する母屋桁への接続のために適合される接続部材を示す斜視図である。
【図24】対応する母屋桁への接続のために適合される接続部材を示す斜視図である。
【図25】対応する母屋桁への接続のために適合される接続部材を示す斜視図である。
【図26】対応する母屋桁への接続のために適合される接続部材を示す斜視図である。
【図27】プレートとして構成された接続部材を示す側面図である。
【図28】接続部材の他の実施態様を示す上面図である。
【図29】図27の2つの接続部材が接続されるビームを示す側面図である。
【図30A】反応プレートインサートが接続される複合ビームを示す側面図である。
【図30B】図30Aのビームを示す正面図である。
【図30C】図10の接続部材によって接続される2つのビームを示す正面図である。
【図31】瞬間及び棟接続を備えるビームシステムを示す正面図である。
【図32】ビームに取り付けられる2つの柱を接続するために適合されるビームシステムを示す正面図である。
【図33】従来技術のビームシステムの配列に類似する、複数のビーム及び接続部材を利用するビームシステムを示す斜視図である。
【図34】複数のビーム及び接続部材を利用する他のビームシステムを示す斜視図であり、図33の配列に対して、本発明のビーム及び接続部材の使用で実現され得るポスト間の増大されたスパンを示している。
【図35】ビームを壁に接続するよう構成される接続部材を示す水平断面図である。
【図36A】2つの三角形ヘッド部分を有するスリーブを定めるよう一体に溶接された2つの同一の異なって向けられた部分を含む接続部材を示す側面図である。
【図36B】図36Aの部分の1つを示す側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造ビームの分野に関する。より具体的には、本発明は、接続部材を含むモジュラー強化構造ビームシステムに関し、それは三角形ヘッド部分を有する軽量ビームに基づく。
【背景技術】
【0002】
組立木造ガーダ(girder)、積層木造ビーム、強化コンクリートビーム、及び、鋼ビームを含む様々な種類の構造ビームが、商業及び住宅建造物に使用されている。鋼は、ビーム用に最も普通に使用される材料であり、そのようなビームは、I形鋼、H形鋼、C形鋼、Z形鋼、及び、溝形鋼によって構成される。構造鋼ビームの様々な構造は、熱間圧延又は冷間圧延プロセスによって最も普通に製造され、概ね、所与の耐荷力に対して比較的重いビームをもたらす。
【0003】
I形鋼は、比較的高い耐荷力及び慣性モーメントの故に、鋼フレームを構築するために最も普通に使用される種類の構造ビームである。そのようなビームは、それらの上に加えられる実質的に静荷重を安全に支持するよう、ビームが個別に或いは複数のビームと共に、さらに、概ね、2つ又はそれよりも多くのビームと接続するよう構成される複数の素子と共に利用され得るよう、ウェブ及びウェブに対して直交し且つ反対縁部にある一対のフランジを有する。少なくとも1つのビーム又はポストから、さらに、概ね、複数のビーム又はポストから、さらに、複数の接続素子から構築される組立体が、ここでは「ビームシステム」として言及される。
【0004】
I形鋼は、鋼片内への溶融鉄の鋳造に続く熱間圧延プロセスによって形成される。建設現場に供給される殆どのI形鋼は、標準寸法、例えば、6又は12mの長さを有し、所与の建築プロジェクトの建築上及び工学上の要件に合わせて変更されるよう、1つ若しくはそれよりも多くのウェブ又は1つ若しくはそれよりも多くのフランジの切断及び溶接、ビームへの接続素子の溶接、溶接接合地点の円滑化、ビーム又はビームシステムの塗装及び亜鉛メッキ、並びに、ビーム又はビームシステムのフレーム構造への組立てを含む、追加的な建築プロセスを経る。これらの追加的な建築プロセスは、時間がかかり、費用がかかる。
【0005】
その構造特性を妥協することなく、ビームシステムの製造及び組立て費用を削減することが望ましく、それが本発明の目的である。
【0006】
I形鋼よりも少ない鋼を必要としながら同一の耐荷力をもたらす、シート鋼から組み立てられる数多くの構造ビームが、従来技術から既知である。例えば、Brooksに発効された米国特許第991,603号及びDunn et al.に発行された米国特許第3,698,224号は、頂部及び底部に中空フランジを形成するよう屈曲される単一片の材料から成る金属性擬似I形鋼を開示している。本発明と同一の発明者に発行された米国特許第5,553,437号は、三角形のヘッド部分、ウェブ部分、ウェブフランジ、及び、尾部フランジを有する、2つの反対向きに交互配置さらた部材から成る擬似I形鋼を開示している。ヘッドフランジの三角形の形状は、その二軸対称性の故に、従来的なI形鋼に対して改良された横方向安定性をもたらす。
【0007】
三角形ヘッド部分を備えるそのような従来技術軽量構造ビームは、自動プロセスによって容易に形成可能ではない。第一に、ビームは、冷間圧延プロセスによって製造され、その間、シート金属は、再結晶温度より下で複数の対のローラを通過され、所望の形状に曲げられる。三角形の2つの頂端が成形された後、送り込まれた金属シートは、その非アクセス可能性の故に、第三頭部を形成するために適切に支持され得ない。また、構造ビームの所望の長さは、しばしば15mであり、三角形ヘッド部分を備える構造的に強力なビームの組立てのためのシート金属の所要の厚さは、殆どの商業冷間圧延ローラが処理し得る厚さよりもずっと厚い8mmのオーダにある。
【0008】
米国のBulter Manufacturing Companyは、http://www.butlermfg.com/building_systems/structural.asp.に記載されるようなモジュラービームシステムを製造する。これらのビームシステムは、三角形ヘッド部分、二次的な構造部材である事前穿孔された開口ウェブトラス母屋桁(open-web truss purlin)、及び、ロッド筋違(rod bracing)を備えない、固形ウェブ主要I形鋼フレームのような、様々な構成部品を利用する。これらのシステムでは、ビームシステム構成部品は、構成部品が組み立てられた後に亜鉛メッキされ、一体に溶接される。結果的に、製造及び組立ての費用は、比較的高い。さらに、接続素子は、ウェブ部分ではなくフランジに溶接される。従って、応力がフランジに集中し、構成部品をさらに一層重く且つ高価にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
三角形ヘッド部分を有するビームに基づくモジュラービームシステムを提供することが本発明の目的である。
【0010】
全てのその構成部品が溶接の必要なしに組み立てられるよう構成されるモジュラービームシステムを提供することが本発明の追加的な目的である。
【0011】
ビームのウェブ部分に取り付けられる接続素子を備えるモジュラービームシステムを提供することが本発明の追加的な目的である。
【0012】
I形鋼と同一の耐荷力を有しながら、4mm以下の厚さを有するシート金属から成る、ビームを提供することが本発明のさらに追加的な目的である。
【0013】
亜鉛メッキシート金属から三角形ヘッド部分を備える構造ビームを製造するための方法を提供することが本発明のさらに追加的な目的である。
【0014】
従来技術の構造ビーム製造方法よりも素速く経済的な、三角形ヘッド部分を備える構造ビームを製造するための方法を手供することが本発明のさらに追加的な目的である。
【0015】
従来技術のビームシステム組立て方法よりも素速く経済的な、ビームシステムを組み立てるための方法を提供することが本発明のさらに追加的な目的である。
【0016】
本発明の他の目的及び利点は、記載の進行に応じて明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、2つの反対に向けられる三角形の閉塞ヘッド部分と、2つの閉塞ヘッド部分の間に介装される横断方向に延びるウェブとを有する少なくとも1つの複合ビームを含み、ビームのそれぞれは、2つの部材の対応するヘッド部分が入れ子状に収められ且つ2つの部材の隣接する素子が相互安定接触状態にあるよう配置される2つの別個の部材から成り、複数の接続部材を含み、接続部材のうちの少なくとも2つは、複合ビーム及び他の構造素子のうちの1つに接続され且つ複合ビーム及び他の構造素子のうちの1つと力伝達接触状態にある、モジュラー強化構造ビーム及び接続部材システムを提供する。
【0018】
ここで言及されるとき、「ビーム」は、各端部で支持され、且つ、水平向き、ポストとして作用するときの垂直向き、棟ビームとして作用するときの傾斜向きを含む、如何なる便利な向きにも配置される、剛的な細長い構造部材である。「横断」方向は、ビームの長さに沿うことを意味する。「長手」方向は、ビームの2つの三角形ヘッド部分の間の方向を意味する。「横」方向は、ビームの2つのウェブ部分の間の方向を意味する。
【0019】
概ね比較的厚いシート金属から成る接続部材は、冷間ファスナによる並びに溶接によるような任意の適切な手段を用いて、工学的な考慮に従った強化を必要とするビームの領域で、複合ビームに接続される。
【0020】
複合ビームの各部材は、第一ヘッド部分と、第二ヘッド部分と、第一ヘッド部分と第二ヘッド部分との間に介装される長手方向に配置されるウェブ部分とを含み、第一ヘッド部分及び第二ヘッド部分は、対応する本質的に横方向に配置されるフランジと、フランジの第一横方向端部とウェブ部分との間に延びる傾斜素子と、フランジの第一横方向端部から延び且つ傾斜素子の長さよりもかなり短い長さを有する傾斜舌部とを備えて構成される。
【0021】
三角形の閉塞ヘッド部分の第一辺は、2つの複合ビーム部材の2つのフランジを含み、その第二辺及び第三辺は、複合ビーム部材の一方の傾斜素子と、他方の複合ビーム部材の舌部とを含む。閉塞ヘッド部分の第二辺及び第三辺に関して、傾斜素子とその対応するフランジとの間の角度間隔は、舌部素子とその対応するフランジとの間の角度間隔と本質的に等しい。
【0022】
第一部材のヘッド部分の頂端は、第一ヘッド部分が収められる第二部材のヘッド部分によって強化される。
【0023】
好適実施態様において、三角形の閉塞ヘッド部分の隣接する辺は、60度の角度だけ角度的に離間する。
【0024】
好適実施態様において、各ビーム部材は、冷間圧延される。従って、複合ビームは、亜鉛メッキされたシート金属を複数の冷間ローラを通じて送り込むステップと、接続部材又は空調機器への接続を容易にし、或いは、それを通じて電線を通すよう、前記シート金属に孔を穿けるステップと、第一部材を形成するために、前記シート金属を所望の寸法で所望の形状に曲げるステップと、第二部材を形成するために、これらのステップを反復するステップと、前記第一及び第二部材の対応するヘッド部分が入れ子状に収められるよう、前記第一及び第二部材の隣接する素子が相互安定接触状態にあるよう、並びに、前記第一及び第二部材の対応する横断縁部が整列されるよう、少なくとも前記第二部材を変位するステップとによって自動的に製造される。
【0025】
1つの特徴において、ビーム部材のうちの1つの相対的な横断方向変位を防止するために、冷間ファスナのような、第一及び第二のビーム部材の対応するフランジを接合するための手段をさらに含む。
【0026】
1つの特徴において、冷間ファスナのような、第一及び第二のビーム部材の対応するウェブ部分を接合するための手段をさらに含む。
【0027】
1つの特徴において、ビームの第一ヘッド部分のフランジは、第二フランジ部分のフランジよりも長い横方向寸法を有する。
【0028】
1つの特徴において、第一及び第二の部材は同一であり、第二部材は、第二部材の第一ヘッド部分が第一部材の第二ヘッド部分内に収められ、第一部材の第一ヘッド部分が第二部材の第二ヘッド部分内に収められるよう、第一部材と反対の向きにある。
【0029】
1つの特徴において、ビームの第一ヘッド部分のフランジは、第二フランジ部分のフランジと同一の横方向寸法を有する。第二部材の第一ヘッド部分は、第一部材の第一ヘッド部分内に収められ、第二部材の第二ヘッド部分は、第一部材の第二ヘッド部分内に収められる。
【0030】
1つの特徴において、第二部材の第一ヘッド部分は、第一部材の第一ヘッド部分内に収められ、第二部材の第二ヘッド部分は、第一部材の第二ヘッド部分内に収められる。
【0031】
1つの特徴において、第一部材のヘッド部分の頂端は、第一ヘッド部分が収められる第二部材のヘッド部分によって強化される。
【0032】
1つの特徴において、接続部材は、接続部材及びビーム内に穿孔される対応する整列孔と係合可能な冷間ファスナを用いて、複合ビームに接続される。よって、接続部材は、溶接の必要なしに、ビームに接続可能であり、ビームシステムを組み立てる建設作業員は、特別な訓練を必要としない。
【0033】
各ビーム及び接続部材は、鋼、金属、合金、プラスチック材料、及び、複合材料の群から選択され得る。
【0034】
接続部材は、好ましくは、冷間ファスナを用いて現場で接続される市販品である。
【0035】
1つの特徴において、ビームシステムは、一体に溶接される1つよりも多くの素子を含む。
【0036】
1つの特徴において、接続部材は、冷間ファスナ及び前記ビームに内部的に取り付けられる反応プレートインサートを用いて、複合ビームに接続される
【0037】
1つの特徴において、接続部材は、選択的な横断方向、長手方向、及び、横方向を有するスリーブとして構成され、選択的な寸法を有する複合ビーム周の一部を完全に取り囲み、且つ、相互に安定化させる接触状態にあるよう構成される。
【0038】
1つの特徴において、スリーブは、2つの同一平面上のビームに接続され、それによって、従来技術ビームシステムのビームよりもかなり長い距離に渡り且つ少ない筋違を必要とする増大された横断方向長さの比較的軽量の結合ビームを製造する。もし結合ビームの横断方向長さが現場間隙と異なるならば、建設作業員は、結合ビームの1つ又は2つのビームをスリーブに対して摺動し、スリーブの整列孔及び対応するビームを接続することによって、結合ビームの伸縮調節を行う。もし孔が整列されないならば、追加的な孔が穿孔され、次に、冷間ファスナが整列孔と係合される。
【0039】
1つの特徴において、スリーブは、一体に溶接される2つの冷間圧延素子を含む。
【0040】
1つの特徴において、スリーブは、単一素子を含み、その2つの隣接する縁部は一体に溶接される。
【0041】
1つの特徴において、スリーブは、ビームの2つの横方向側部にそれぞれ接続される2つの隣接する半体スリーブを含む。
【0042】
1つの特徴において、接続部材は、1つのだけのウェブとして構成される。
【0043】
1つの特徴において、接続部材のウェブは、接続部材が取り付けられるビームのウェブよりも実質的に短い。
【0044】
1つの特徴において、接続部材は、ビームのウェブ又はフランジと力伝達接触するプレートを含む。
【0045】
1つの特徴において、接続部材は、角度的に離間した2つのプレートと、2つのプレートの間に延在し且つ2つのプレートに対して傾斜する素子とを含む。
【0046】
1つの特徴において、接続部材は、少なくとも1つのリブをさらに含む。
【0047】
1つの特徴において、接続部材は、瞬間接続として構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明は、従来的なI形鋼に対して横方向安定性及び強度対重量比の増大をもたらす2つの三角形に成形されたヘッド部分を有する新規な構造ビームである。幾つかの従来技術ビームは冷間圧延プロセスによって製造された三角形に成形されたヘッド部分で構成されるが、これらのヘッド部分は閉塞された三角形であり、その第三辺は、その非アクセス可能性、及び、閉塞された三角形を形成するために、シート金属が曲げられるときに、ローラが供給シート金属を支持し得ないことの故に、素速く自動的に成形され得ない。対称的に、本発明のビームは、2つの部材の対応するヘッド部分が入れ子状に収められるよう配置される2つの別個の反対向きの部材から成る複合ビームである。各ヘッド部分は、不完全な三角形であるので、部材の舌部、即ち、末端は、部材が所望の構成に成形されるのを可能にするよう、ローラに十分にアクセス可能である。1つの部材のヘッド部分が、他の部材の対応するヘッド部分内に収められるとき、二層化された、従って、強化された頂端を有する閉塞三角形が製造される。以下に記載されるように、2つの部材のウェブを接続し、ビームを接続部材に接続するために、冷間ファスナ(cold fastener)が使用される。溶接は必要とされず、従って、本発明のそのようなビームの製造、及び、1つ又はそれよりも多くのビームを利用するビームシステムの組立ては、従来技術よりも素速く且つ経済的であり、実質的に同一の耐荷力を有する。
【0049】
図1は、それらが入れ子状に納められるときの、複合ビームの2つの横断方向に延びる部材の斜視図を例証している。番号10によって指されるビームは、2つの同一の反対向きの部材5及び15を含む。以下の記載は部材5に関するが、部材15が類似して構成されることは明らかであろう。
【0050】
部材5は、第一ヘッド部分2と、第二ヘッド部分12と、第一ヘッド部分2と第二ヘッド部分12との間に介装された長手に配置されたウェブ部分7とを有する。第一ヘッド部分2は、本質的に横方向に配置された、即ち、長手方向に配置されるウェブ部分7に対して直交するフランジ6と、横断方向に延びる第一ヘッド部分接合部4からフランジ6の1つの横方向端部に延びる傾斜素子3と、フランジ6の他の横断方向端部でフランジ6の接合部11から斜めに延びる舌部13とを有する。舌部13は、接合部4に向けられているが、その長さは、傾斜素子3よりもかなり短い。第二ヘッド部分12は、第一ヘッド部分2のフランジ6よりも長い横方向寸法を有する、本質的に横方向に配置されるフランジ16と、横断方向に延びる第二ヘッド部分接合部14からフランジ16の1つの横方向端部にある接合部18に延びる傾斜素子23と、フランジ16の他の横方向端部でフランジ16の接合部26から斜めに延びる舌部27とを有する。舌部27は接合部14に向けられているが、その長さは、傾斜素子23よりもかなり短い。
【0051】
第一ヘッド部分2の舌部13とフランジ6との間の角度は、第二ヘッド部分12の傾斜素子23とフランジ16との間の角度と本質的に等しい。第二ヘッド部分12の舌部27とフランジ16との間の角度は、第一ヘッド部分2の傾斜素子3とフランジ6との間の角度と本質的に等しい。第二ヘッド部分12の接合部14からフランジ16までの長手寸法は、第一ヘッド部分2の接合部4からフランジ6までの長手寸法とフランジ6の厚さの合計と実質的に等しい。よって、部材5の第一ヘッド部分2が、部材15の第二ヘッド部分12内に収められるとき、並びに、部材15の第一ヘッド部分2が、部材5の第二ヘッド部分12内に収められるとき(以後、「第一ヘッド部分及び第二ヘッド部分が交互に収められる構成にある」と言う)、部材5及び15の対応する素子は、相互に安定化させる接触状態にあり、外力がビーム10に加えられ、部材15に対する部材5の僅かな相対変位を引き起こすとき、部材5の素子が、部材15の対応する素子と物理的に接触し、部材15の対応する素子を安定化させるよう構成されること、或いは、その逆を意味する。第一及び第二のヘッド部分が交互に収められる構成にあるとき、相互に安定化させる接触にある2つの素子が相互に物理的に接触している間、前記2つの素子は、外力の適用の間、物理的に接触している状態にあり得る。よって、相互の安定化させる接触は、変位される素子のさらなる変位を防止する。例証されるように、部材5及び15の各ウェブ部分7、並びに、各対応する対のフランジ6及び16、各対応する対の傾斜素子3及び舌部27、並びに、各対応する対の傾斜素子23及び舌部13は、相互に安定化させる接触状態にある。ビームは、部材5及び15の対応する素子の間に相互に安定化させる接触をもたらすので、シート鋼の厚さは、比較的簡単な冷間圧延機を必要とする4mmのみであり得るにも拘わらず、8mm厚さのシート鋼の構造強度をもたらす。
【0052】
第一及び第二のヘッド部分が相互に収められる構成にあるとき、複合ビーム10は、強化された頂端も促進する。第一及び第二のヘッド部分は不完全な三角形であるが、それらが入れ子構成にあるとき、本質的に閉塞された三角形が形成される。よって、側部の複合ヘッド部分を参照すると、フランジ6及び16から成る二層ベース、部材5の傾斜素子23である第一辺、及び、部材15の傾斜素子3である第二辺によって、閉塞された三角形が定められる。部材15の第一ヘッド部分が、部材5の第二ヘッド部分内に収められるとき、部材15の第一ヘッド部分の、接合部の近傍にある2つの隣接する素子を接続する頂点又は丸められた部分は、それらと相互に安定化させる接触状態にある、部材5の第二ヘッド部分の頂点によって強化される。複合ヘッド部分の閉塞された三角形は、好ましくは、正三角形であるが、他の組み合わせの角度を有する閉塞された三角形も適する。
【0053】
複合ヘッド部分による閉塞された三角形の形成によって提供される他の利点は、第一及び第二のヘッド部分素子の寸法の相違の故に、第一ヘッド部分接合部4と第二ヘッド部分接合部14の各対が、フランジ6及び16と平行な平面と同一平面上にあることである。もし第一ヘッド部分接合部4及び第二ヘッド部分接合部14が、本発明と対称的に、フランジ6及び16と平行な平面と同一平面上にないならば、2つのウェブ部分7の領域は、相互に安定化させる接触状態にない。例えば、底部複合ヘッド部分を参照すると、部材5の接合部14は、部材15の接合部4の下にあり得ることで、部材15の接合部4の下の部材5のウェブ部分7の領域を支持されず、従って、十分に高い力が加えられるときに湾曲の影響を受けやすい。従って、本発明の複合ヘッド部分の閉塞三角形構造は、ビームの横方向安定性を増大し、それは強い風又は地震に晒されるときに非常に重要である。
【0054】
図2は、複合ビームの側面図を例証しており、それは図1と異なって向けられている。部材5と部材15の相対的な横断方向変位は、頂部及び底部の複合ヘッド部分のそれぞれの一対のフランジ6及び16を冷間ファスナ41、例えば、ネジ、ボルト、ナット、及び、リベットによって接続することによって防止される。対応するフランジを通過した後のビームヘッド部分内でのそれらの非アクセス可能性の故に、盲リベットがフランジファスナのための好適な選択肢である。冷間ファスナ41は、一方のフランジから他方のフランジへの引っ張り力及び圧縮力並びにモーメントの伝達も可能にする。冷間ファスナが組立ての容易性の故に好ましいが、2つの隣接するフランジは、スポット溶接及びレーザ溶接のような、如何なる他の適切な接続手段によっても互いに接続され得ることが理解されよう。部材5及び15の2つのウェブ7は、剪断力が一方のウェブから他方のウェブに伝達され得るよう、冷間ファスナ42又は他の任意の適切な接続手段によってそれぞれ互いに接続され得る。
【0055】
図3は、ビーム10内に穿孔される孔の例示的な場所を示す、複合ビーム10の斜視図を例証しており、それによって、接続部材、又は、以下に記載されるように、冷間ファスナは、ビームに取り付けられる。図示されるように、ウェブ孔32は、その前方横断方向縁部34及び後方横断方向縁部35の近傍で、ウェブ7内に穿孔されている。上方対のフランジのみが明瞭性のために例証されているが、フランジ孔36が、その前方横断方向縁部38及び後方横断方向縁部39の近傍で、上方対及び下方対のフランジ6(図2)及び16内に穿孔されている。ウェブ孔32及びフランジ孔36は、ビーム10に取り付けられる接続部材の種類に依存して、他の場所にも穿孔され得ることが理解されよう。如何なる所与の場所に穿孔される孔の数は、シート金属の厚さ、ビームの寸法、前記場所での応力集中のような、工学上の考慮に依存する。
【0056】
本発明の複合ビームは、横断方向が水平又は傾斜であるようビームが向けられるときに、ビームとして使用され得るのみならず、横断方向が垂直であるようビームが向けられるときに、ポストとしても使用され得ることが理解されよう。以下の記載は、水平の横断方向を有するビームに適用されるが、全ての他のビーム向きも同様に適用可能であることが想定される。
【0057】
図1を参照して記載されたように、部材5及び15は同一なので、2つの部材は、同一の冷却圧延プロセスで製造可能であり、それによって、不完全な三角形によって特徴付けられる第一ヘッド部分2及び第二ヘッド部分12が亜鉛メッキシート金属から形成される。溶接される熱間圧延I形鋼の製造費用は、相当に一層高価である。何故ならば、様々なビーム素子を溶接することに含まれる時間及び費用に加えて、製造されるビームは、亜鉛メッキされる必要があるからである。次に、複合ビーム10は、部材の1つを反転させることによって製造される。図1の向きに関して、例えば、部材15は、そのより小さな第一下方ヘッド部分2よりも大きな上方第二ヘッド部分12を有し、部材5は、その下方第二ヘッド部分12よりも小さな上方第一ヘッド部分2を有する。次に、その下方第一ヘッド部分2が部材5の下方第二ヘッド部分12内に受容され、その上方第二ヘッド部分12が部材5の上方第一ヘッド部分2を取り囲むまで、部材15は僅かに上げられる。次に、部材5及び15が交互に収められる構成にある間に相互に安定化させる接触状態にあるよう、部材5の前方横断方向縁部38及び後方横断方向縁部39(図3)が整列されるまで、部材15は横断方向に摺動される。ウェブ孔及びフランジ孔は、所与の工学的な考慮に依存して、2つの部材が収められた後に、或いは、代替的に、冷間圧延プロセス中に穿孔され得る。複合ビームを製造するために必要とされる前述のステップの全ては、コンピュータ化された送込み及び位置合わせ機器を用いて自動的に遂行され得る。
【0058】
図4は、2つの部材44及び54が同一でなく、むしろ部材44の頂部ヘッド部分46及び底部ヘッド部分48がそれぞれ同一であり、部材54の頂部ヘッド部分56及び底部ヘッド部分58がそれぞれ同一である。部材54のヘッド部分は、部材44のヘッド部分よりも小さく、部材54のヘッド部分56が部材44のヘッド部分46内に収められ、部材54のヘッド部分58が部材44のヘッド部分48内に収められ、部材44及び54の対応する素子が相互に安定化させる接触状態にあるよう、強化された頂端も促進する入れ子構成にある。2つの部材44及び54は、2つの別個の冷間圧延プロセスによってそれぞれ製造され、次に、部材54は、そのヘッド部分56及び58が部材44のヘッド部分46及び48内にそれぞれ受容されるまで僅かに上げられる。次に、部材54は、それが部材44と横断方向に整列されるまで変位される。
【0059】
図5は、2つの部材64及び74が同一でなく、異なるサイズの頂部ヘッド部分及び底部ヘッド部分を有する複合ビーム60の側面図を示している。部材74の上方ヘッド部分76は、部材64の上方ヘッド部分66内に収められ、部材74の下方ヘッド部分78は、部材64の下方ヘッド部分68内に収められている。
【0060】
本発明の複合ビームの2つの部材は相互に安定化させる接触状態にあるので、頂部及び底部の複合ヘッド部分の頂端、並びに、第一及び第二のヘッド部分接合部の各対は、対応するフランジと平行な平面と同一平面上にあり、本発明のビームは、同一スパンのために従来技術のビームより少ない鋼を必要としながら、同一の耐荷力をもたらす。
【0061】
以下の表I−IIIは、所与の所要量の慣性モーメント(MOI)に対するその重量及び最大偏差(「%」と呼ぶ)に関して、本発明のビーム(「本発明」と呼ぶ)を様々な従来技術I形鋼と比較している。
【0062】
表I
15メートルスパン−中心で8メートル−許容偏差L/250−所要MOI27204cm4−静荷重25kg/m2。動荷重+風40kg/m2。
【0063】
【表1】
【0064】
表II
20メートルスパン−中心で4メートル−許容偏差L/250−所要MOI32242cm4−静荷重25kg/m2。動荷重+風40kg/m2。
【0065】
【表2】
【0066】
表III
20メートルスパン−中心で8メートル−許容偏差L/250−所要MOI64484cm4−静荷重25kg/m2。動荷重+風40kg/m2。
【0067】
【表3】
【0068】
見られ得るように、本発明のビームは、同一スパン及び所要MOIに関して、従来技術のビームに比べて著しく少ない重量(約55%少ない)を有する。本発明のビームのための最大偏差も、従来技術の最大偏差よりも著しく少ない。
【0069】
以前は、ビームは、屋根支持体又は金属デッキを支持する構成されるC形状又はZ形状の母屋桁のような他の構造部材に溶接によって接続されるときに、高い応力集中に晒された。集中荷重の故に、ビームは、例えば、各応力集中で、リブによって強化される必要がある。強化部材は、溶接によってビーム及び母屋桁に接続されなければならず、高価で労働集約的で時間のかかる組立てプロセスをさらに増大する。
【0070】
本発明のビームシステムは、冷間ファスナによってビームに取付可能な事前組立て接続部材を提供することによって、ビームシステムを組み立てるのに必要とされる費用、労働、及び、時間を著しく減少する。次いで、接続部材は、他の構造素子に取り付けられ、従って、一方の構造素子から他方の構造素子に力又はモーメントを伝達するよう構成される。図3に例証されるように、複合ビームの製造中に、接続部材が取り付けられる孔が、シート鋼内に穿孔される。孔は、円形、矩形、及び、楕円形の孔を含む如何なる便利な形状をも取り得る。代替的に、孔は、現場で穿孔され得る。孔は、フランジにであれウェブにであれ、工学的な考慮に従って、シート鋼の如何なる便利な領域にも穿孔され得る。従って、ビームシステムは、同一ビームが多くの異なる用途において使用され得る、並びに、第一接続部材から分離され且つ第二接続部材に取り付けられ得るという意味で、モジュラーである。本発明のビームシステムの他の利点は、構造、例えば、工業用空調装置上に新たに取り付けられる組立体によって加えられる荷重を分配するために、接続部材が、如何なる溶接もなしに、既存の構造のビームに取り付けられ得ることである。従来技術のビームシステムに関しては、対称的に、構造は、新たに取り付けられる組立体によって課される集中応力を減少するために、筋違(bracing)及び溶接を含む修繕を経る必要がある。
【0071】
図6は、本発明に従った概ね数字80によって指し示される接続部材の側面図を例証している。接続部材80は、選択的な横断方向長さを有するスリーブとして構成され、前記選択的な横断方向長さを有する複合ビーム周の一部を完全に覆い、且つ、複合ビーム周の一部と相互に安定させる接触状態にあるよう構成される。スリーブは、2つの対称的な素子のような2つ又はそれよりも多くの冷間圧延素子を一体に溶接することによって、或いは、単一素子の2つの隣接する縁部を一体に溶接することによって形成され得る。代替的に、図15の接続部材80Aによって例証されるように、スリーブは、ビームの2つの横方向側部にそれぞれ接続される2つの隣接する半体から構成され得る。
【0072】
図示されるように、接続部材80は、上方三角形ヘッド部分82と、下方三角形ヘッド部分84と、上方ヘッド部分82と下方ヘッド部分84との間で長手に延びる離間した平行なウェブ部分86及び87とを有する。ヘッド部分82は、フランジ91と、フランジ91からウェブ部分86及び87にそれぞれ延びる2つの傾斜素子93及び94とを有する。同様に、ヘッド部分84は、フランジ95と、フランジ95からウェブ部分86及び87にそれぞれ延びる2つの傾斜素子97及び98とを有する。ウェブ及びフランジは、接続素子80が冷間ファスナによって複合ビームに取り付けられることを可能にするよう、所定場所で孔で穿孔されている。接続部材80は、接続部材80が取り囲む複合ビームの対応する外向きに面する素子との相互に安定化させる接触を促進する適切な寸法及び適切な構造で形成されている。
【0073】
図7では、接続部材80は、複合ビーム10の部材5及び15を取り囲み、複合ビーム10の部材5及び15と相互に安定化させる接触状態にあるよう示されている。図1、2、及び、6をさらに参照すると、接続部材80は、それが集中荷重に晒されることが予期されるその選択的な領域に配置されるまで、ビーム10に沿って横断方向に変位されている。冷間ファスナ71が、対応する整列されたフランジ孔を介して、ビーム10及び接続部材80の対応するフランジに取り付けられ、冷間ファスナ72が、対応する整列されたウェブ孔を介して、ビーム10及び接続部材80の対応するウェブに取り付けられた後、ビーム及び接続部材の素子は、力伝達及び相互安定化接触状態にある。例えば、接続部材80のフランジ91は、部材5のフランジ16と接触し、接続部材80の傾斜素子98は、部材15の舌部27と接触する。
【0074】
フランジファスナ71は、一般的には、盲リベットであり、ウェブファスナ72は、一般的には、整列されたウェブ孔を通過し且つ対応するナットと螺合される対のボルトである。フランジファスナ71は、より強力な取付力をもたらすよう反応プレートインサート176(図14B)と螺合可能なボルトでもあってもよい。反応プレートインサート176は、例えば、それらの縁部176及び177が1つの横断方向端部でそれぞれ同一平面上にあるよう一体に溶接される短いプレート172及び長いプレート174から成る。インサート176は、プレート172及び174内に形成される内ネジ付きボア171を通過するファスナを用いて、対応する対のビームフランジに取り付けられる。従って、選択的な接続部材のフランジが、長いプレート174内に形成される内ネジ付きボア179と係合するよう構成されるフランジファスナ71を用いて、ビームフランジから離間される長いプレート174に取り付け可能である。
【0075】
図8では、接続部材100が、1つのウェブ104だけで構成され、従って、複合ビームの横方向側とだけ力伝達接触状態にあるよう構成されている。接続部材100は、ウェブ104の上方端部及び下方端部から同一の横方向にそれぞれ延びる傾斜素子101及び103、及び、それぞれ頂端111及び112を介して傾斜素子101及び103からそれぞれ延びる上方フランジ107及び下方フランジ109も有する。フランジ107及び109は、接続部材100が取り付けられるビームのフランジと実質的に同一の横方向寸法を有する。しかしながら、フランジ107及び109は、工学的な考慮に依存して、複合ビームの対応するフランジの横方向寸法よりも著しく少ない横方向寸法で構成され得る。よって、接続部材100は、ビームの2つのヘッド部分と力伝達接触状態にあるよう構成される。
【0076】
図9では、接続部材100は、ビームの1つの横方向端部で、ビームの上方部分と力伝達接触状態にあるよう構成されている。接続部材100は、接続部材が取り付けられるビームのウェブよりの実質的に短いウェブ部分114を有する。傾斜素子101が、ウェブ部分114の上方端部から延び、フランジ107は、傾斜素子101と隣接する頂端111から延びている。
【0077】
図27に示されるように、接続部材45は、例えば、ビームのウェブ又はフランジと力伝達接触状態にあり得るプレートであり得る。図29は、部材5及び15のウェブにそれぞれ接続されるプレート45A及び45Bを含むビーム50を例証している。そのようなビームは、3つ又は4つの部材、例えば、部材5及び15、プレート45A、並びに/又は、45Bで製造され得る。代替的に、ビームは、プレートなしで製造され得るし、プレート状接続部材は、現場でウェブに接続され得る。
【0078】
図28を参照すると、上面図で示される接続部材55が、2つの構造素子と部分的な力伝達接触状態にあり得る。接続部材55は、角度的に離間された、例えば、図示のように相互に垂直な配置にある2つのプレート57及び59と、プレート57及び59の間に延在し且つプレート57及び598に対して斜めに延在する素子61とを含む。従って、プレート57及び59は、2つの異なる角度的に離間した構造素子に取り付けられるよう構成されている。
【0079】
図36A−Bは、複合ビームと相互に安定化された接触状態にあるために、2つの三角形ヘッド部分431及び432を有するスリーブを定めるよう一体に溶接された、2つの同一の異なって向けられた部分425及び428を含む接続部材420を例証している。部分425に対して、部分428は反転され且つひっくり返されている。
【0080】
図36Bの向きに示されるように、部分428は、ウェブ部分421と、上方フランジ部分426及び下方フランジ部分427のそれぞれと、フランジ部分427の横方向端部429からウェブ部分421の下方長手方向端部422に延びる傾斜素子423と、ウェブ部分421の上方長手方向端部432からフランジ426の横方向端部439に延び且つ傾斜素子423と実質的に対称的な傾斜素子434と、フランジ427の横方向端部442から延び且つフランジ426に対する傾斜素子434の角度と同一のフランジ427に対する角度で配置される傾斜舌部438とで形成されている。その一方が部分425からであり且つ他方が部分428からである、傾斜素子434及び438の長さは、図36Aに示されるように、一対の傾斜素子434及び438の間の溶接スポット435A−Bの塗布を可能にするために、部分428が部分425に対して反転され且つひっくり返された状態にあるときに、それらが重なり合うよう選択される。フランジ426及び427の各対は、フランジファスナによって相互に力を伝達する接触状態にあり、それらは接続部材420に接続される複合ビームの対応するフランジ内に穿孔される孔とも係合する。
【0081】
図10乃至26及び35は、冷間ファスナによって本発明のビームに取り付けられ得る例示的な接続部材を例証している。一般的には市販(off the shelf)組立体である、これらの接続部材は、図6に示されるように、ビームの2つの横方向端部と、或いは、図8に示されるように、ビームの1つだけの横方向端部と力伝達接触状態にあり得る。接続部材が前記ビームの部分と類似して成形され、前記ビームと力伝達接触状態に導かれ、冷間ファスナ及び/又は溶接を用いて前記ビームに取り付けられるとき、接続部材は、複合ビームに「接続される」と称される。何れの接続部材も、例えば、異なる形状、向き、寸法、厚さ、ファスナの数、及び、ファスナの場所によってのように、例証されている部材と異なって構成され得ることが理解されよう。
【0082】
図10は、同一のプロファイル、即ち、同一の長手方向寸法及び横方向寸法を有する2つのビーム122A及び122Bを接続するために使用される接続部材120を例証している。輸送機器のサイズ及び重量の制約の故に、かなり長い横断方向長さ、例えば、20mを有するビームは、普通、経済的に輸送され得ない。従って、2つのより短いビームが、建築現場に輸送され、次に、従来技術で今まで実施されているように、結合ビームの横断方向長さが、溶接の必要なしに増大され得るよう、接続部材120及び冷間ファスナ71及び72を用いて現場で素速く一体に結合される。フランジファスナ71は、接続部材の上方フランジ122及び下方フランジ124をビームの対応する上方フランジ及び下方フランジにそれぞれ接続する。ウェブファスナ72は、ずれ止め(shear connection)をもたらすよう、接続部材の1つ又はそれよりも多くのウェブ126をビームの対応するウェブに接続する。冷間ファスナ71及び72の4つのコラム、即ち、ビーム122A及び接続部材120の整列された孔への取り付けのための2つのコラムと、ビーム122B及び接続部材120の整列された孔への取り付けのための2つのコラムとが利用される。
【0083】
もし何らかの理由でビーム及び接続部材120の孔が整列されないならば、本発明のビームシステムのモジュラリティは、接続部材とビームとが接続されることを保証するような方法で、建設作業員にビーム又は接続部材を再位置決めする十分な柔軟性を与える。例えば、ビームは、その頂端が接続部材120の他の頂端と整列されるまで、伸縮状に横断方向に変位され得る。代替的に、接続部材120の孔は、例えば、楕円形を有することによって、ビームが横断方向に僅かに変位されるときに、接続部材孔の他の部分がビーム周によって覆われるとしても、対応するビーム孔を通過する冷間ファスナとの係合を許容するように、接続部材孔の一部が十分に露出されるよう適切に形成され得る。もしビーム孔が接続部材孔と整列され得ないならば、追加的な孔がビーム周内に穿孔され得る。ビームと選択的な接続部材を素速く容易く接続するために、以下に記載される他の接続部材も、現場で再位置決めされ得ることが理解されよう。
【0084】
代替的に、図30A−Cに示されるように、接続部材120は、上方反応プレートインサート127及び下方反応プレートインサート128をそれぞれ用いて、ビーム122A及び122Bを接続するために使用され得る。図30Aは、インサート127及び128を用いてビーム122Aに接続される接続部材120の側面図を例証している。組立ての前に、インサート127及び128が、図30Bに示されるように、フランジファスナ71によってビーム122Aのフランジに接続される。次に、接続部材120が、図30Cに示されるように、インサート127及び128並びに細長いフランジファスナ181を用いて、並びに、接続部材120のウェブ内に穿孔される孔129及びビーム122Aのウェブ内に穿孔される孔32を通過するウェブファスナ(図示せず)によって、ビーム122Aに取り付けられる。次に、ビーム122Bが、接続部材120内に挿入された後、ビーム122Aに近接近して配置され、然る後、接続部材120は、細長いファスナ181によって並びにウェブファスナによって、インサート127及び128並びにビーム122Bのフランジに取り付けられる。ビーム122A及び122Bは、接続部材120が2つのビームの上に摺動されて接続される前に、近接近して配置され得る。
【0085】
図11は、4つのビームを接続するために使用される接続部材130を例証しており、接続部材130を用いて、2対の隣接するビームは横断方向に接続され、2対の隣接するビームは長手方向に接続される。接続部材130は、図10の接続部材120と、接続部材120の上方フランジ122及び下方フランジ124にそれぞれ接続された2つのプレート132及び134とを含む。フランジファスナ71は、上方プレート132及び下方プレート134、接続部材120の上方フランジ122及び下方フランジ124、2つの横断方向に接続されるビームの上方フランジ及び下方フランジとをそれぞれ接続するために使用される。2対の隣接するビームは、接続部材120に対して上述のように横断方向に接続される。2対の隣接するビームは、フランジファスナ71から横方向に離間するプレートの整列された孔137を通過する冷間ファスナを用いて上方接続部材の下方プレート134を下方接続部材130の上方プレート132と接続することによって、長手方向に接続される。
【0086】
図12は、接続部材140を例証しており、接続部材によって、ビーム、例えば、ポストが、基礎又は柱のような構造素子148に取り付けられる。接続部材140は、ビーム145の横断方向端部に接続されるスリーブ状の接続部材80を含む。接続部材80の長手方向自由縁部142、即ち、ビーム145から離れて延びる縁部は、ビーム145のウェブ7に対して実質的に垂直な構造端部プレート146に溶接されている。次に、プレート146は、構造素子148と当接関係に配置され、ビームが晒されるであろう全ての予期される力及びモーメントに耐える十分な構造強度を備える接続手段149によって、そこに取り付けられる。本発明の如何なるビームシステムも、構造素子への取付けのための接続部材140を常に利用することが理解されよう。
【0087】
図13は、瞬間接続(moment connection)によって垂直ビーム154と水平ビーム158とを接続するための接続部材150を例証している。接続部材150は、フランジファスナ71、例えば、盲リベット、及び、ウェブファスナ72、例えば、ボルト及び対応するナットによって、ビーム154及び158にそれぞれ接続される2つの隅部スリーブ152及び153を含む。隅部スリーブ152及び153は、2つの離間した台形ウェブ159を有し、それらは、その遠位縁部161、即ち、隅部から離れた縁部が、実質的に長手方向に配置され、近位縁部163、即ち、隅部に最も近い縁部が、遠位縁部161に対して、例えば、約45度の角度で傾斜されるよう構成される。隅部スリーブ152及び153は、遠位縁部161から近位縁部163に延びる長フランジ164及び短フランジ166も有する。傾斜端部プレート167及び168が、隅部スリーブ152及び153の近位縁部163並びにフランジ164及び166にそれぞれ当接され且つ溶接される。次に、2つの傾斜端部プレート167及び168は、一体にボルト締めされる。その近位縁部から隅部スリーブと力伝達接触する対応するビームの近位横断方向縁部までの隅部スリーブ内の容積は、中空である。
【0088】
図14A−Cは、瞬間接続によって垂直ビーム154と水平ビーム158とを接続するための反応プレートインサート176を備える接続部材170を例証している。接続部材150(図13)のそれと同様に構成される接続部材170は、反応プレートインサート176の対応する内ネジ付きボア171及び179と係合可能な細長いフランジファスナ181によって、並びに、ファスナ72によってビーム154及び158にそれぞれ接続される、2つの隅部スリーブ182及び183を含む。インサート176の短プレート172は、接続部材170の長フランジ184に隣接する、対応するビームのフランジ6及び16に取り付けられる。インサート176の長プレート174は、短プレート172の近位縁部から近位に延び、ビームのフランジと当接しない接続部材170のフランジ184の一部がそれによって固定されることを可能にする。よって、接続部材170は、それに晒される比較的高い力に耐え得る。隅部スリーブ182及び183は、図13のウェブ159と類似して構成されるが、より長い横断方向寸法を有する、2つの離間した台形ウェブを有する。
【0089】
図15は、ビーム194をガーダ195、例えば、周ビーム(perimeter beam)又は棟ビーム(ridge beam)に接続するよう構成される接続部材190を例証している。接続部材190は、ビーム194の横断宝庫右端部に接続されるスリーブ80Aと、ガーダ195の中間部分にスリーブ80Aに対して実質的に垂直に接続されるスリーブ80Bと、スリーブ80Aの2つのウェブに溶接され且つそれらの間に横方向に延びる端部プレート197と、端部プレート197並びにスリーブ80Bの隣接するウェブの中心に溶接され且つ端部プレート197並びにスリーブ80Bの隣接するウェブの中心から横断方向に延びる端部プレート198とを含む。
【0090】
図16は、例えば、屋根の頂部のような構造の頂端で棟接続であるよう構成される接続部材200を例証している。接続部材200は、一体にボルト締めされる2つの端部プレート201及び202と、プレート201及び202にそれぞれ溶接される2つの対称的なスリーブ204及び205と、2対の対称的な三角形リブ207及び208とを含む。リブ207及び208は、概ね、それらの底部縁部217及び218が、下に位置する地面とそれぞれ平行であるように向けられるが、必ずしもそうである必要はない。スリーブ204及び205の近位横断方向端部は、所定角度で切断され、次に、近位縁部は、対応する端部プレートと当接関係に配置されて溶接される。接続部材200を強化するよう構成される各リブ207及び208は、リブの短い脚部が端部プレートと接触し且つ長い脚部が接続部材フランジと接触するよう、対応する接続部材フランジ並びに対応する端部プレートに溶接される。次に、ビーム212及び214は、スリーブ204及び205内それぞれに挿入されて接続される。接続部材200を使用することで、ビーム212及び214の間の角度が所定の値であることが保証され得るし、棟接続の構造一貫性が維持され得る。
【0091】
図17を参照すると、接続部材200は、ポスト225をビーム228に接続するよう構成されている。接続部材200は、端部プレート146を備える図12の接続部材140と、図28の2つの接続部材55と、複数の事前溶接済みリブ229とを含む。接続部材140は、ビーム228の横断方向端部に接続され、各接続部材55は、ポスト225の対応する横方向端部に接続されている。ポスト225の各横方向端部で、プレート59は、冷間ファスナによって、ポスト225のウェブに接続され、素子61は、ポスト225のヘッド部分内で対応する傾斜素子に当接し、プレート57は、冷間ファスナによって端部プレートに接続される(図28を参照)。複数の、例えば、図示されるように3つの水平方向に配置されるリブ229が、プレート57及び59の双方に溶接されている。
【0092】
図18は、同様にポスト225をビーム228に接続するよう構成される接続部材230を例証している。図17の接続部材220によって接続されるポスト及びビームは隣り合う関係にあるが、コネクタ230は、比較的離間したポスト及びビームを接続するよう構成されている。即ち、コネクタ230は、異なる向きを備えるがコネクタ220と同一であり、図12の部材140と、図28の2つの接続部材55と、複数の事前溶接されたリブ229とを備える。
【0093】
図19は、異なる長手方向寸法の相互に垂直なビーム242及び244を接続するように構成される接続部材240を例証している。接続部材240は、図8の単一ウェブ接続部材100と、可変に成形された平面素子245とを含む。可変に成形された素子245は、ビーム242のウェブに接続される矩形部分246と、接続部材100の実質的に横断方向中心線で接続部材100に溶接される細長い部分248とを有する。即ち、可変に成形される素子245の横断方向縁部は、傾斜素子101及び103並びに接続素子100のウェブ104に溶接されている。
【0094】
図20及び21は、ケーブルコネクタとして使用される接続部材250及び260をそれぞれ例証している。図20において、接続部材250は、図8の単一ウェブ接続部材100と、接続部材100のウェブの中心線に沿って長手に延び且つ接続部材100のウェブの中心線に溶接される強化素子251と、強化素子251に対して対称的であり且つウェブ104から横方向に延びる同一平面プレート253及び254とを含む。プレート253及び254は、ウェブ104及び強化素子251の双方に溶接され、単一の対応する孔で穿孔され、巻強化ケーブル256及び257の鉤掛け端部259が、孔とそれぞれ係合可能である。図21において、接続部材260は、ビーム252のウェブに接続されるL形状素子265を含む。素子265の脚部は、ビーム252のウェブから横方向に延び、2つの孔で穿孔され、ケーブル256及び257の鉤掛け端部が、孔とそれぞれ係合可能である。
【0095】
図22−26は、対応する母屋桁に接続される接続部材を例証している。如何なる所望の数の母屋桁も、対応する数の接続部材を用いてビームに接続され得る。
【0096】
図22において、接続部材270は、ビーム272に接続される図6の接続部材と、接続部材80のウェブ86の中心線に沿って長手方向に延び且つ接続部材80のウェブ86の中心線に溶接される強化素子278とを含む。C形状母屋桁275のウェブ274は、その1つの横断方向縁部279が接続部材80のウェブ86と当接関係にあるよう、強化素子278に接続されている。
【0097】
図23において、接続部材280は、L形状素子284であり、脚部286は、ビーム282のウェブに接続されている。脚部286に対して垂直であり且つ同一サイズである脚部287が、C形状母屋桁のウェブ274に接続されている。
【0098】
図24は、ビーム292の2つの横方向端部にそれぞれ接続される図9の2つの接続部材110を含む接続部材290を例証している。プレート295が、対応する接続部材のウェブ114に対して垂直に溶接され、対応する接続部材のウェブ114と同一の長手方向寸法を有する。三角形リブ298が、ウェブ114の底縁部及びプレート295に溶接されている。よって、2つの同一平面上のC形状母屋桁275は、接続部材290に接続可能であり、それによって、母屋桁275のウェブ275は、対応するプレート295に接続され、ウェブ114に当接する。
【0099】
図25において、接続部材300は、ビーム302に接続される図9の接続部材100と、三角形リブ303と、三角形プレート45とを含む。リブ303の脚部304は、接続部材110のフランジ107に溶接され、リブ303の脚部307は、プレート45に溶接され、それもフランジ107に溶接され得る。プレート45は、次いで、Z形状母屋桁305のウェブ309に接続されている。
【0100】
図26において、接続部材310は、2つの相互に垂直な図27のプレート45C及び45Dと、プレート45C及び45Dに溶接される三角形リブ303とを含む。プレート45Cは、ビームのフランジに接続され、プレート45Bは、Z形状母屋桁305のウェブ309に接続されている。
【0101】
図35に示されるように、接続部材450は、複合ビーム10及び壁455の双方に接続され得る。接続部材450は、2つの対称的な部分460及び465を含む。各部分は、ウェブファスナ72によってビーム10の隣接するウェブ7に接続されるウェブ部分462と、冷間ファスナ457によって壁455に接続される壁当接プレート466と、ビーム10の傾斜素子又は舌部と相互安定化接触状態でウェブ部分462から壁当接プレート466に延びる傾斜素子464とを含む。
【0102】
本発明のビームシステムによって支持される構造を設計する建築家及び民間技術者は、大きな選択の可能性から利益を得る。前述のビーム及び接続部材の様々な組み合わせが、設計上の荷重及び応力集中に基づいて選択され得る。ビームシステムの耐荷力も、ビーム又は接続部材が製造されるシート金属の厚さを変えることによって、或いは、ビーム及び接続部材を接続するために使用される冷間ファスナの数及び場所を変えることによって変更され得る。
【0103】
例えば、図31に例証されるビームシステム350では、最大応力集中は、瞬間接続をもたらす接続部材150の隅部355の近傍に見られる。接続部材150が、ポスト154及び棟ビーム214に接続され、ポスト154は、接続部材140に取り付けられる基礎に接続されている。2つの棟ビーム212及び214は、接続部材200を用いて接続されている(図16)。接続部材150における応力集中は、接続部材150を構成するシート金属の厚さを増大することによって減少され得る。対称的に、従来技術の瞬間接続では、全体的に著しくより長い棟ビームの厚さは、瞬間接続での応力集中を減少するために、必要に迫られて増大され、時間集約的で高価な組立て作業が必要とする。接続部材150における応力集中は、その隅部スリーブの横断方向寸法を増大することによっても減少され得る。隣接する棟ビームを接続するファスナが瞬間接続の隅部355により近接するので、応力集中は増大し、より大きな数のファスナを必要とする。よって、冷間ファスナが晒される応力集中は、隅部スリーブの横断方向寸法を増大することによって減少される。
【0104】
2つのビーム10に接続される接続部材120(図10)を例証し、2つのビームは、次いで、接続部材(図12)によって、2つの柱(図示せず)にそれぞれ接続される、図32に示されるビームシステム360では、最大の応力集中は、接続部材は2つのビーム10の間に介装されるので、接続部材120内に見られる。応力集中は、従来技術のビームシステムにおいて以前に実施されたように、ビーム10の厚さを増大させるよりも、むしろ接続部材120の厚さを増大することによって減少され得る。
【0105】
図33は、多くの前述のビーム及び接続部材から組み立てられる例示的なビームシステム380を例証している。他の適切なビーム及び接続ビームも利用され得ることが理解されよう。システム380の配置は、従来技術ビームシステムのそれと類似するが、本発明の複合ビーム及び接続部材の使用の故に、使用される鋼の量及びシステム380に関連する組立て費用は、従来技術システムのそれよりも著しく少ない。
【0106】
ビームシステム380は、複数のポスト225を含み、それらの一部は、Lのスパンによって離間され、それらの一部は、2Lのスパンによって離間されている。前列382は、6個のポストから成り、中心列384は、5個のポストから成り、末端側列386は、5個のポストから成る。各ポスト225は、対応する接続部材140を用いて基礎に接続されている(図12)。棟ビーム212又は214が、接続部材150によって具現化される瞬間接続によってポスト225に接続される(図13)。接続部材200(図16)は、1対の棟ビーム212及び214を接続し、1対の棟ビームは、複数の棟ビーム対が相互に平行であるよう各側列に沿って配置される。接続部材200を対応する中心ポスト225Cに接続するために、水平に向けられたプレートが、接続部材200を強化する底縁部のリブ207及び208(図16)に溶接される。次に、接続部材140が、接続部材140のプレート146が上向きに面し且つ冷間ファスナによってリブ207及び208に溶接されたプレートに取り付けられるよう、中心ポスト225Cの最上方部分に接続される。複数の母屋桁(purlin)305が、金属デッキを支持するために、複数の棟ビームに対して垂直に配置される。母屋桁305を各棟ビームに接続するために、接続部材300(図25)が使用され、各棟ビームを横断して母屋桁は延在し、各棟ビームによって母屋桁は支持される。母屋桁が、例えば、前列382に沿って、瞬間接続に取り付けられるとき、接続部材150を含む接続部材381が使用され、隅部スリーブ153(図13)のそのフランジ164にリブ303(図25)が溶接され、リブも母屋桁305のウェブ309に接続されるプレート45に溶接される。末端側列386に沿って配置されるもののような横ビーム(cross beam)10が、ポストに接続される第一接続部材80(図6)と、横ビームに接続される第二接続部材80と、水平に配置されるプレート198(図15)とを含む接続部材389を用いて、各ポスト225に接続され、プレートは、第一接続部材のほぼ横断方向中心線に並びに第二接続部材のほぼ長手方向中心線に溶接される。巻強化ケーブルが、接続部材260(図21)と係合される。
【0107】
図34は、図33のシステム380において使用されるのと同一のビーム及び接続部材の多くから組み立てられるビームシステム390を例証している。従来技術のI形鋼に対する本発明の複合ビームの横方向安定性及び強度対重量比の故に、並びに、ビームと力伝達接触する接続部材の使用の故に、適度の厚さ、例えば、4mmのシート金属から成るビームが、筋違(bracing)又は架橋(bridging)なしに、従来技術ビームの最大自由スパン、例えば、25mよりもずっと長い距離で渡り得る。図示されるように、ビームシステム390は、その前列382に沿って、図33のビームシステムと同一の数、即ち、6個のポスト225を有するが、その中心列384は、2個のみのポストから成り、末端側列386は3個のみのポストから成る。従って、末端側列386に沿うスパンは、4L程度であり得る。また、横ビームも不要である。
【0108】
本発明の幾つかの実施態様が例証によって記載されたが、本発明は、本発明の精神から逸脱したり、請求項の範囲を越えたりせずに、多くの修正、変形、及び、適合を伴って、並びに、当業者の範囲内にある数多くの均等物又は代替的な解決策の使用を伴って遂行され得ることが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】入れ子状に納められた複合ビームの2つの部材を示す斜視図である。
【図2】2つの部材が交互に収められる構成にあるときの複合ビームの2つの部材を示す側面図である。
【図3】複合ビームのウェブ及びフランジに穿孔される孔を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施態様に従った複合ビームを示す側面図である。
【図5】本発明の他の実施態様に従った複合ビームを示す側面図である。
【図6】スリーブとして構成される接続部材を示す側面図である。
【図7】図2のビームを取り囲む相互安定化接触状態にある図6の接続部材を示す側面図である。
【図8】1つのウェブを有する接続部材を示す側面図である。
【図9】接続部材が取り付けられるビームのウェブよりもかなり短い1つのウェブを有する接続部材を示す側面図である。
【図10】2つの横断方向に離間したビームを接続するよう構成された接続部材を示す斜視図である。
【図11】2つの長さ方向に離間したビームを接続するよう構成された接続部材を示す斜視図である。
【図12】ビームを平面的な構造素子に接続するよう構成された接続部材を示す斜視図である。
【図13】瞬間接続として構成された接続部材を示す斜視図である。
【図14A】瞬間接続として構成された接続部材の他の実施態様を示す斜視図である。
【図14B】図14の平面A−Aについて切断された反応プレートインサートを示す縦断面図である。
【図14C】図14Aの平面B−Bについて切断された隅部スリーブを示す水平断面図であり、図14Bの反応プレートインサートの上面を示している。
【図15】ビームをガーダに接続するよう構成される接続部材を示す斜視図である。
【図16】棟接続であるよう構成される接続部材を示す斜視図である。
【図17】隣り合う関係でポストをビームに接続するよう構成される接続部材を示す斜視図である。
【図18】ポストを垂直に離間したビームに接続するよう構成される接続部材を示す斜視図である。
【図19】異なる長手方向寸法の2つの相互に垂直なビームを接続するよう構成される接続部材を示す斜視図である。
【図20】ケーブル接続として使用される接続部材を示す斜視図である。
【図21】ケーブル接続として使用される接続部材を示す斜視図である。
【図22】対応する母屋桁への接続のために適合される接続部材を示す斜視図である。
【図23】対応する母屋桁への接続のために適合される接続部材を示す斜視図である。
【図24】対応する母屋桁への接続のために適合される接続部材を示す斜視図である。
【図25】対応する母屋桁への接続のために適合される接続部材を示す斜視図である。
【図26】対応する母屋桁への接続のために適合される接続部材を示す斜視図である。
【図27】プレートとして構成された接続部材を示す側面図である。
【図28】接続部材の他の実施態様を示す上面図である。
【図29】図27の2つの接続部材が接続されるビームを示す側面図である。
【図30A】反応プレートインサートが接続される複合ビームを示す側面図である。
【図30B】図30Aのビームを示す正面図である。
【図30C】図10の接続部材によって接続される2つのビームを示す正面図である。
【図31】瞬間及び棟接続を備えるビームシステムを示す正面図である。
【図32】ビームに取り付けられる2つの柱を接続するために適合されるビームシステムを示す正面図である。
【図33】従来技術のビームシステムの配列に類似する、複数のビーム及び接続部材を利用するビームシステムを示す斜視図である。
【図34】複数のビーム及び接続部材を利用する他のビームシステムを示す斜視図であり、図33の配列に対して、本発明のビーム及び接続部材の使用で実現され得るポスト間の増大されたスパンを示している。
【図35】ビームを壁に接続するよう構成される接続部材を示す水平断面図である。
【図36A】2つの三角形ヘッド部分を有するスリーブを定めるよう一体に溶接された2つの同一の異なって向けられた部分を含む接続部材を示す側面図である。
【図36B】図36Aの部分の1つを示す側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュラー強化構造ビーム及び接続部材システムであって、
a)2つの反対に向けられる三角形の閉塞ヘッド部分と、該2つの閉塞ヘッド部分の間に介装される横断方向に延びるウェブとを有する少なくとも1つの複合ビームを含み、該ビームのそれぞれは、前記2つの部材の対応するヘッド部分が入れ子状に収められ且つ前記2つの部材の隣接する素子が相互安定接触状態にあるよう配置される2つの別個の部材から成り、
b)複数の接続部材を含み、該接続部材のうちの少なくとも2つは、前記複合ビーム及び他の構造素子のうちの1つに接続され、且つ、前記複合ビーム及び他の構造素子のうちの1つと力伝達接触状態にある、
ビームシステム。
【請求項2】
前記複合ビームの各部材は、第一ヘッド部分と、第二ヘッド部分と、前記第一ヘッド部分と前記第二ヘッド部分との間に介装される長手方向に配置されるウェブ部分とを含み、前記第一ヘッド部分及び前記第二ヘッド部分は、対応する本質的に横方向に配置されるフランジと、該フランジの第一横方向端部と前記ウェブ部分との間に延びる傾斜素子と、前記フランジの第一横方向端部から延び且つ前記傾斜素子の長さよりもかなり短い長さを有する傾斜舌部とを備えて構成される、請求項1に記載のビームシステム。
【請求項3】
三角形の閉塞ヘッド部分の第一辺は、前記2つの複合ビーム部材の前記2つのフランジを含み、その第二辺及び第三辺は、前記複合ビーム部材の一方の傾斜素子と、他方の複合ビーム部材の舌部とを含む、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項4】
閉塞ヘッド部分の前記第二辺及び前記第三辺に関して、前記傾斜素子とその対応するフランジとの間の角度間隔は、前記舌部素子とその対応するフランジとの間の角度間隔と本質的に等しい、請求項3に記載のビームシステム。
【請求項5】
三角形の閉塞ヘッド部分の隣接する辺は、60度の角度だけ角度的に離間する、請求項3に記載のビームシステム。
【請求項6】
各ビーム部材は、冷間圧延される、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項7】
前記ビーム部材のうちの1つの相対的な横断方向変位を防止するために、前記第一及び第二のビーム部材の対応するフランジを接合するための手段をさらに含む、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項8】
前記フランジ接合手段は、冷間ファスナである、請求項7に記載のビームシステム。
【請求項9】
前記第一及び第二のビーム部材の対応するウェブ部分を接合するための手段をさらに含む、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項10】
前記ウェブ接合手段は、冷間ファスナである、請求項9に記載のビームシステム。
【請求項11】
前記第一ヘッド部分の前記フランジは、前記第二フランジ部分の前記フランジよりも長い横方向寸法を有する、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項12】
第一及び第二の部材は同一であり、前記第二部材は、前記第二部材の前記第一ヘッド部分が前記第一部材の前記第二ヘッド部分内に収められ、前記第一部材の前記第一ヘッド部分が前記第二部材の前記第二ヘッド部分内に収められるよう、前記第一部材と反対の向きにある、
請求項11に記載のビームシステム。
【請求項13】
前記第一ヘッド部分の前記フランジは、前記第二フランジ部分の前記フランジと同一の横方向寸法を有する、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項14】
前記第二部材の前記第一ヘッド部分は、前記第一部材の前記第一ヘッド部分内に収められ、前記第二部材の前記第二ヘッド部分は、前記第一部材の前記第二ヘッド部分内に収められる、請求項13に記載のビームシステム。
【請求項15】
前記第二部材の前記第一ヘッド部分は、前記第一部材の前記第一ヘッド部分内に収められ、前記第二部材の前記第二ヘッド部分は、前記第一部材の前記第二ヘッド部分内に収められる、請求項11に記載のビームシステム。
【請求項16】
前記第一部材の前記ヘッド部分の頂端は、前記第一ヘッド部分が収められる第二部材の前記ヘッド部分によって強化される、請求項1に記載のビームシステム。
【請求項17】
前記第一部材の前記傾斜素子と前記ウェブ部分との間の接合、並びに、前記第二部材の前記傾斜素子と前記ウェブ部分との間の接合は、前記対応するフランジと平行な平面と同一平面上にある、請求項16に記載のビームシステム。
【請求項18】
接続部材が、前記接続部材及びビーム内に穿孔される対応する整列孔と係合可能な冷間ファスナを用いて、複合ビームに接続される、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項19】
前記接続部材は、冷間ファスナを用いて現場で接続される市販品である、請求項18に記載のビームシステム。
【請求項20】
前記接続は、一体に溶接される1つよりも多くの素子を含む、請求項19に記載のビームシステム。
【請求項21】
接続部材が、冷間ファスナ及び前記ビームに内部的に取り付けられる反応プレートインサートを用いて、複合ビームに接続される、請求項18に記載のビームシステム。
【請求項22】
接続部材が、選択的な横断方向、長手方向、及び、横方向を有するスリーブとして構成され、前記選択的な寸法を有する複合ビーム周の一部を完全に取り囲み、且つ、相互に安定化させる接触状態にあるよう構成される、請求項18に記載のビームシステム。
【請求項23】
前記スリーブは、一体に溶接される2つの冷間圧延素子を含む、請求項22に記載のビームシステム。
【請求項24】
前記スリーブは、単一素子を含み、その2つの隣接する縁部は一体に溶接される、請求項22に記載のビームシステム。
【請求項25】
前記スリーブは、ビームの前記2つの横方向側部にそれぞれ接続される2つの隣接する半体スリーブを含む、請求項22に記載のビームシステム。
【請求項26】
前記接続部材は、1つのだけのウェブとして構成される、請求項19に記載のビームシステム。
【請求項27】
前記接続部材の前記ウェブは、前記接続部材が取り付けられる前記ビームの前記ウェブよりも実質的に短い、請求項26に記載のビームシステム。
【請求項28】
前記接続部材は、ビームのウェブ又はフランジと力伝達接触するプレートを含む、請求項20に記載のビームシステム。
【請求項29】
前記接続部材は、角度的に離間した2つのプレートと、該2つのプレートの間に延在し且つ前記2つのプレートに対して傾斜する素子とを含む、請求項28に記載のビームシステム。
【請求項30】
前記接続部材は、少なくとも1つのリブをさらに含む、請求項20に記載のビームシステム。
【請求項31】
前記接続部材は、瞬間接続として構成される、請求項20に記載のビームシステム。
【請求項1】
モジュラー強化構造ビーム及び接続部材システムであって、
a)2つの反対に向けられる三角形の閉塞ヘッド部分と、該2つの閉塞ヘッド部分の間に介装される横断方向に延びるウェブとを有する少なくとも1つの複合ビームを含み、該ビームのそれぞれは、前記2つの部材の対応するヘッド部分が入れ子状に収められ且つ前記2つの部材の隣接する素子が相互安定接触状態にあるよう配置される2つの別個の部材から成り、
b)複数の接続部材を含み、該接続部材のうちの少なくとも2つは、前記複合ビーム及び他の構造素子のうちの1つに接続され、且つ、前記複合ビーム及び他の構造素子のうちの1つと力伝達接触状態にある、
ビームシステム。
【請求項2】
前記複合ビームの各部材は、第一ヘッド部分と、第二ヘッド部分と、前記第一ヘッド部分と前記第二ヘッド部分との間に介装される長手方向に配置されるウェブ部分とを含み、前記第一ヘッド部分及び前記第二ヘッド部分は、対応する本質的に横方向に配置されるフランジと、該フランジの第一横方向端部と前記ウェブ部分との間に延びる傾斜素子と、前記フランジの第一横方向端部から延び且つ前記傾斜素子の長さよりもかなり短い長さを有する傾斜舌部とを備えて構成される、請求項1に記載のビームシステム。
【請求項3】
三角形の閉塞ヘッド部分の第一辺は、前記2つの複合ビーム部材の前記2つのフランジを含み、その第二辺及び第三辺は、前記複合ビーム部材の一方の傾斜素子と、他方の複合ビーム部材の舌部とを含む、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項4】
閉塞ヘッド部分の前記第二辺及び前記第三辺に関して、前記傾斜素子とその対応するフランジとの間の角度間隔は、前記舌部素子とその対応するフランジとの間の角度間隔と本質的に等しい、請求項3に記載のビームシステム。
【請求項5】
三角形の閉塞ヘッド部分の隣接する辺は、60度の角度だけ角度的に離間する、請求項3に記載のビームシステム。
【請求項6】
各ビーム部材は、冷間圧延される、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項7】
前記ビーム部材のうちの1つの相対的な横断方向変位を防止するために、前記第一及び第二のビーム部材の対応するフランジを接合するための手段をさらに含む、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項8】
前記フランジ接合手段は、冷間ファスナである、請求項7に記載のビームシステム。
【請求項9】
前記第一及び第二のビーム部材の対応するウェブ部分を接合するための手段をさらに含む、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項10】
前記ウェブ接合手段は、冷間ファスナである、請求項9に記載のビームシステム。
【請求項11】
前記第一ヘッド部分の前記フランジは、前記第二フランジ部分の前記フランジよりも長い横方向寸法を有する、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項12】
第一及び第二の部材は同一であり、前記第二部材は、前記第二部材の前記第一ヘッド部分が前記第一部材の前記第二ヘッド部分内に収められ、前記第一部材の前記第一ヘッド部分が前記第二部材の前記第二ヘッド部分内に収められるよう、前記第一部材と反対の向きにある、
請求項11に記載のビームシステム。
【請求項13】
前記第一ヘッド部分の前記フランジは、前記第二フランジ部分の前記フランジと同一の横方向寸法を有する、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項14】
前記第二部材の前記第一ヘッド部分は、前記第一部材の前記第一ヘッド部分内に収められ、前記第二部材の前記第二ヘッド部分は、前記第一部材の前記第二ヘッド部分内に収められる、請求項13に記載のビームシステム。
【請求項15】
前記第二部材の前記第一ヘッド部分は、前記第一部材の前記第一ヘッド部分内に収められ、前記第二部材の前記第二ヘッド部分は、前記第一部材の前記第二ヘッド部分内に収められる、請求項11に記載のビームシステム。
【請求項16】
前記第一部材の前記ヘッド部分の頂端は、前記第一ヘッド部分が収められる第二部材の前記ヘッド部分によって強化される、請求項1に記載のビームシステム。
【請求項17】
前記第一部材の前記傾斜素子と前記ウェブ部分との間の接合、並びに、前記第二部材の前記傾斜素子と前記ウェブ部分との間の接合は、前記対応するフランジと平行な平面と同一平面上にある、請求項16に記載のビームシステム。
【請求項18】
接続部材が、前記接続部材及びビーム内に穿孔される対応する整列孔と係合可能な冷間ファスナを用いて、複合ビームに接続される、請求項2に記載のビームシステム。
【請求項19】
前記接続部材は、冷間ファスナを用いて現場で接続される市販品である、請求項18に記載のビームシステム。
【請求項20】
前記接続は、一体に溶接される1つよりも多くの素子を含む、請求項19に記載のビームシステム。
【請求項21】
接続部材が、冷間ファスナ及び前記ビームに内部的に取り付けられる反応プレートインサートを用いて、複合ビームに接続される、請求項18に記載のビームシステム。
【請求項22】
接続部材が、選択的な横断方向、長手方向、及び、横方向を有するスリーブとして構成され、前記選択的な寸法を有する複合ビーム周の一部を完全に取り囲み、且つ、相互に安定化させる接触状態にあるよう構成される、請求項18に記載のビームシステム。
【請求項23】
前記スリーブは、一体に溶接される2つの冷間圧延素子を含む、請求項22に記載のビームシステム。
【請求項24】
前記スリーブは、単一素子を含み、その2つの隣接する縁部は一体に溶接される、請求項22に記載のビームシステム。
【請求項25】
前記スリーブは、ビームの前記2つの横方向側部にそれぞれ接続される2つの隣接する半体スリーブを含む、請求項22に記載のビームシステム。
【請求項26】
前記接続部材は、1つのだけのウェブとして構成される、請求項19に記載のビームシステム。
【請求項27】
前記接続部材の前記ウェブは、前記接続部材が取り付けられる前記ビームの前記ウェブよりも実質的に短い、請求項26に記載のビームシステム。
【請求項28】
前記接続部材は、ビームのウェブ又はフランジと力伝達接触するプレートを含む、請求項20に記載のビームシステム。
【請求項29】
前記接続部材は、角度的に離間した2つのプレートと、該2つのプレートの間に延在し且つ前記2つのプレートに対して傾斜する素子とを含む、請求項28に記載のビームシステム。
【請求項30】
前記接続部材は、少なくとも1つのリブをさらに含む、請求項20に記載のビームシステム。
【請求項31】
前記接続部材は、瞬間接続として構成される、請求項20に記載のビームシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図30C】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36A】
【図36B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図30C】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36A】
【図36B】
【公表番号】特表2009−526150(P2009−526150A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553889(P2008−553889)
【出願日】平成19年2月12日(2007.2.12)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000194
【国際公開番号】WO2007/091274
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508241233)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月12日(2007.2.12)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000194
【国際公開番号】WO2007/091274
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508241233)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]